JP2003123287A - 対物レンズ駆動装置およびこれを備えた情報記録再生装置 - Google Patents

対物レンズ駆動装置およびこれを備えた情報記録再生装置

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JP2003123287A
JP2003123287A JP2001315264A JP2001315264A JP2003123287A JP 2003123287 A JP2003123287 A JP 2003123287A JP 2001315264 A JP2001315264 A JP 2001315264A JP 2001315264 A JP2001315264 A JP 2001315264A JP 2003123287 A JP2003123287 A JP 2003123287A
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objective lens
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magnetic
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JP2001315264A
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Toshiharu Inui
敏治 乾
Shinichi Tomoyama
進一 友山
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置の大型化を招くことなく、簡易な構成で
適正な1次共振周波数が得られる対物レンズ駆動装置を
提供する。 【解決手段】 フォーカシング補正用およびトラッキン
グ補正用の第1の磁気回路5と、ホルダ2を中立位置に
保持する磁気浮上用の第2の磁気回路6を有する。第1
の磁気回路5は、磁石5cによって形成される支持軸3
の軸方向に対して直交する方向の磁界中に、フォーカシ
ング補正用コイル5aとトラッキング補正用コイル5b
とを配置することで、一つの磁気回路にてフォーカシン
グ補正およびトラッキング補正を行なう。第2の磁気回
路6は、適正な1次共振周波数が得られるような比較的
弱い磁力の磁石6cと、磁石6cによって形成される磁
界中に配置される磁性片6bとの間で発生する吸引力に
よってホルダ2を中立位置に保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録媒体に光ビー
ムを照射することによって、情報を光学的に記録,再
生,消去することができる光学的情報記録再生装置等に
配備され、対物レンズを光軸方向および光軸に直交する
方向に駆動する対物レンズ駆動装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】光ディスクを記録媒体として使用する情
報記録再生装置では、該記録媒体に光ビームを照射する
ための光ピックアップが装備されている。また、光ピッ
クアップでは、対物レンズから集光される光ビームの微
小スポットを、光ディスクの記録面に正確に走査させる
ための補正駆動装置が設けられている。
【0003】この補正駆動装置においては、対物レンズ
を保持しているホルダが、対物レンズの光軸方向ならび
に光軸と直交する方向に、動作可能なように支持されて
いる。且つ、磁石とコイルとを使用した駆動機構を用い
て、ホルダが上記の各方向へ駆動されるようになってい
る。
【0004】上記補正駆動装置において、対物レンズを
その光軸方向へ駆動させることによっては、光ディスク
の記録面にビームスポットの焦点を一致させるためのフ
ォーカシング補正が行われる。また、対物レンズをその
光軸と直行する方向へ駆動させることによっては、光デ
ィスクの記録面のトラックにビームスポットを追従させ
るためのトラッキング補正が行われる。
【0005】このような補正駆動装置としては、例え
ば、特開2000−331359号公報において対物レ
ンズ駆動装置の開示がある。従来の対物レンズ駆動装置
の一例として、上記公報に開示されている構成を図8を
参照して説明する。
【0006】上記対物レンズ駆動装置は、対物レンズ1
01をホルダ102にて保持し、さらにこのホルダ10
2をベースプレート103に設けられた円柱状の支持軸
104にて移動可能に支持する構成を有している。ホル
ダ102は、軸受け穴102aを有しており、この軸受
け穴102aに上記記支持軸104を挿通させることに
より、支持軸104に沿った摺動移動、および支持軸1
04周りの回転移動が可能となっている。対物レンズ1
01は、その光軸を上記支持軸104に平行、且つ、支
持軸104より離間した位置にて、接着等によりホルダ
102に取り付けられている。
【0007】また、上記ホルダ102を移動させるため
の構成としては、ホルダ102においてフォーカシング
補正用コイル105a、トラッキング補正用コイル10
5bが設けられており、ベースプレート103において
フォーカシング補正用磁石106a、トラッキング補正
用磁石106b(以下、フォーカシング補正用磁石10
6aおよびトラッキング補正用磁石106bをまとめる
時は磁石106と称する)が設けられている。
【0008】上記構成では、フォーカシング補正用の駆
動系として、フォーカシング補正用コイル105a,フ
ォーカシング補正用磁石106a,ヨーク103aから
なる磁気回路を有しており、また、トラッキング補正用
の駆動系として、トラッキング補正用コイル105b,
トラッキング補正用磁石106b,ヨーク103bから
なる磁気回路を有している。尚、上記ヨーク103a,
103bは、ベースプレート103の一部によって形成
されている。
【0009】上記フォーカシング補正用コイル105a
およびトラッキング補正用コイル105bは、ホルダ1
02の側面にて、巻軸方向が上記支持軸104と直交す
る軸方向となるようにそれぞれ2つずつ配置されてい
る。また、2つのフォーカシング補正用コイル105a
同士、および2つのトラッキング補正用コイル105b
同士は、それぞれ、支持軸104を挟んで、ほぼ点対称
の位置になるよう取り付けられている。
【0010】また、フォーカシング補正用磁石106a
およびトラッキング補正用磁石106bもそれぞれ2つ
ずつ配置されており、ヨーク102a・102bの内面
側にて、フォーカシング補正用コイル105aおよびト
ラッキング補正用コイル105bのそれぞれと対向して
配置されている。また、上記フォーカシング補正用磁石
106aの分極方向は支持軸104の軸方向と平行であ
り、トラッキング補正用磁石106bの分極方向は支持
軸104の軸方向と直交する方向である。
【0011】上記対物レンズ駆動装置において、上記フ
ォーカシング補正用コイル105aに駆動電流が供給さ
れると、上記ホルダ102は、フォーカシング補正用の
磁気回路が形成する磁界の作用を受けて、上記支持軸1
04の軸方向すなわち、フォーカシング方向に摺動移動
する。
【0012】また、トラッキング補正用コイル105b
に駆動電流が供給されると、上記ホルダ102は、トラ
ッキング補正用の磁気回路が形成する磁界の作用を受け
て、上記支持軸104周りの方向、すなわち、トラッキ
ング方向に回転移動する。
【0013】また、上記対物レンズ駆動装置では、上記
各コイルに駆動電流を供給しない状態においては、装置
の消費電力を低減させる目的で、上記4組の磁気回路に
より形成されるそれぞれの磁界中のほぼ中央に位置させ
て、ホルダ102側面に磁性片107を取り付けてい
る。この場合、各磁性片107と各磁石106との間に
吸引力を発生させることで、ホルダ102をフォーカシ
ング方向およびトラッキング方向についての可動範囲の
ほぼ中央位置に保持することができる。
【0014】上記構成の対物レンズ駆動装置では、ホル
ダ102を中立位置に保持するための磁気的吸引力は、
ホルダ102に備えられた各磁性片107と各磁気回路
に含まれる磁石106との吸引力により与えられる。す
なわち、磁石106は、フォーカシング補正またはトラ
ッキング補正を行なう目的と、ホルダ102を中立位置
に保持する目的とにおいて共通利用されている。
【0015】また、各磁性片107と各磁石106との
間に発生する吸引力は、ホルダ102を中立位置に保持
する作用だけでなく、ホルダ102の駆動時においては
フォーカシング方向およびトラッキング方向への共通の
磁気ばねとなる作用をも有している。
【0016】したがって、磁性片107の形状、および
磁性片107と磁石106とのギャップ等は、磁性片1
07と磁石106との間で適正な吸引力を得られるのみ
でなく、フォーカシング補正用またはトラッキング補正
用の磁気回路に合わせて設計される必要がある。
【0017】また、上記特開2000−331359号
公報の対物レンズ駆動装置では、フォーカシング補正用
またはトラッキング補正用の磁気回路がそれぞれ別に設
けられている。このため、上記対物レンズ駆動装置で
は、合計4個の磁気回路が設けられており、装置の小型
化を図ることが困難である。
【0018】これに対し、特開平2−281428号公
報に記載の対物レンズ駆動装置では、片面1極着磁(表
裏着磁)された磁石を有する磁気回路が用いられた構成
が開示されている。この構成では、同一の磁気回路中に
フォーカシング補正用およびトラッキング補正用のコイ
ルを配置することで、合計2つの磁気回路でフォーカシ
ング補正およびトラッキング補正ができるようになって
いる。
【0019】但し、上記対物レンズ駆動装置では、直線
状の磁力線磁界が形成されるため、この磁界中に図8に
示すようなの磁性片を配置しても、ホルダを所望の中立
位置に保持することはできない。したがって、ここでは
ホルダを中立位置に保持するためにホルダと固定部を連
結する弾性支持部材が備えられている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
構成では、以下に示すような問題が生じる。
【0021】上記特開2000−331359号公報の
構成では、上記磁性片107と各磁石106とからなる
磁気ばねにより決定される1次共振周波数は、対物レン
ズ駆動装置の重要な特性としてホルダ駆動時の駆動感度
に影響する。この1次共振周波数は、磁性片107の形
状、および磁性片107と磁石106とのギャップをパ
ラメータとしてコントロールされるが、高い応答性を得
ながらコントロールするためには、吸引力はあまり大き
くないことが好ましい。
【0022】一方で、例えば、MD装置のようなポータ
ブル機器においては、駆動時の低消費電力化が課題であ
り、このため、磁気効率の高い磁石(例えば、エネルギ
積の高いネオジム系磁石)が使用される。このように磁
気効率の高い磁石が使用される場合、磁性片107と磁
石106との間に発生する吸引力は当然ながら大きくな
り、磁性片107と磁石106との間をギャップを大き
く取るなどの設計的制約が生じ、装置の大型化を招来す
るといった問題が生じる。尚、吸引力を小さくするため
には、磁性片107の形状を小さくすることも考えられ
るが、組立て作業性の面からは磁性片107は大きいこ
とが好ましく、磁性片107を小さくするには限界があ
る。
【0023】また、特開平2−281428号公報の構
成では、ホルダを中立位置に保持するために弾性支持部
材が設けられるが、該弾性支持部材は、磁気バネを用い
る構成に比べ組立て作業性が悪いといった問題がある。
【0024】すなわち、上記弾性支持部材は、ワイヤ或
いは板バネにより構成されるが、適正な1次共振周波数
を得るためには、ワイヤの場合はその直径は約100μ
m以下、板バネの場合はその厚さが約80μm以下,幅
が約100μm以下と、強度的に非常に弱い部品とな
り、特にハンドリング性が悪く、精密な組立て治具を必
要とする。
【0025】また、装置がポータブル機器である場合等
には、衝撃によって弾性支持部材が変形しやすく、記録
再生特性に影響を及ぼすといった問題もある。
【0026】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は、特にポータブル機器に適
した簡易な構成で、装置の大型化を招くことなく、適正
な1次共振周波数が得られる対物レンズ駆動装置を提供
することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明の対物レンズ駆動
装置は、上記の課題を解決するために、対物レンズを保
持するホルダと、支持軸を備えたベースプレートとを有
し、ホルダを上記ベースプレート上で、上記支持軸に対
して軸方向の摺動移動および軸周り方向の回転移動可能
に支持する対物レンズ駆動装置において、上記ベースプ
レートに備えられ、上記支持軸の軸方向に対して直交す
る方向に磁界を形成する第1の磁石と、上記ホルダに備
えられると共に上記第1の磁石によって形成される磁界
中に配置され、駆動電流が与えられた時に、上記ホルダ
に対して上記支持軸の軸方向に駆動力を発生させるフォ
ーカシング補正用コイルと、上記ホルダに備えられると
共に上記第1の磁石によって形成される磁界中に配置さ
れ、駆動電流が与えられた時に、上記ホルダに対して上
記支持軸周りの回転駆動力を発生させるトラッキング補
正用コイルとを有する第1の磁気回路と、上記ベースプ
レートおよび上記ホルダの何れか一方に備えられる第2
の磁石と、上記ベースプレートまたは上記ホルダのう
ち、上第2の磁石とは異なる側に備えられると共に上記
第2の磁石によって形成される磁界中に配置される磁性
片とを有し、上記第2の磁石と磁性片との磁気吸引力に
よって上記ホルダを中立位置に保持する第2の磁気回路
とを備えていることを特徴としている。
【0028】上記の構成によれば、上記対物レンズ駆動
装置を情報記録再生装置における対物レンズの補正駆動
手段に用いるにあたって、上記第1の磁気回路によっ
て、フォーカシング補正およびトラッキング補正のため
の駆動力を得ることができる。ここで、上記第1の磁気
回路は、磁界中に存在するコイルに駆動電流を与え、発
生する電磁力によって上記駆動力を得るものであるが、
上記磁界を得るための磁石は支持軸の軸方向に対して直
交する方向に磁界を形成する。このため、上記磁界は、
フォーカシング方向およびホルダをトラッキング駆動さ
せる支持軸周りの偶力方向に直交しており、この磁界中
にフォーカシング補正用コイルとトラッキング補正用コ
イルとの両方を配置することができるため、一つの磁気
回路にてフォーカシング補正およびトラッキング補正の
両方を行なうことができる。したがって、フォーカシン
グ補正用およびトラッキング補正用に、それぞれ別の磁
気回路を用いる必要がなく、対物レンズ駆動装置の小型
化に寄与する。
【0029】また、上記第1の磁気回路は、一つの磁気
回路でフォーカシング補正およびトラッキング補正の両
方を行なうことはできるが、ホルダをベースプレートに
対して中立位置に保持するための吸引力を与えることが
できない。ホルダを中立位置に保持するためには、上記
第2の磁気回路が使用される。
【0030】上記第2の磁気回路は、第2の磁石と、上
記第2の磁石によって形成される磁界中に配置される磁
性片とを有している。このため、上記第2の磁石および
磁性片の一方をホルダ側に他方をベースプレート側に配
置すれば、上記磁性片が第2の磁石に吸引されることで
ホルダを中立位置に保持することができる。
【0031】この時、上記第2の磁気回路は、対物レン
ズの補正駆動には使用されず、ホルダを中立位置に保持
する目的のみに使用される。このため、上記第2の磁石
は、補正駆動に使用される第1の磁石に比べて強い磁界
を発生させることは要求されない。すなわち、第2の磁
石と磁性片とのギャップを大きく取るといった設計的制
約に縛られることなく適切な吸引力を設定でき、装置の
大型化を招来することなく適正な1次共振周波数を得る
ことができる。
【0032】また、上記第2の磁気回路は、弾性支持部
材を用いてホルダを中立位置に保持する構成に比べて構
造が簡易であるため、組立て作業性が良く、衝撃等にも
強いというメリットがある。
【0033】また、上記対物レンズ駆動装置では、上記
第2の磁気回路は、上記第2の磁石をベースプレート側
に備え、上記磁性片をホルダ側に備えている構成とする
ことが好ましい。
【0034】上記の構成によれば、上記第2の磁石と磁
性片とのうち、重量の軽い方の部材である磁性片を可動
部であるホルダ側に備えることで、フォーカシング補正
およびトラッキング補正に係る駆動電流が大きくなると
いった不具合を回避することができる。
【0035】また、上記対物レンズ駆動装置では、上記
第2の磁石は、その分極方向が上記支持軸の軸方向(す
なわち、フォーカシング方向)に平行である構成とする
ことが好ましい。
【0036】上記対物レンズ駆動装置において、第2の
磁石の分極方向は支持軸3に直交する方向(すなわち、
トラッキング方向)とする構成も考えられるが、この場
合は、ホルダと第2の磁石とが接近しホルダがトラッキ
ング駆動するのに十分なクリアランスを確保するには、
第2の磁石と磁性片とのギャップを大きくとる必要があ
る(上記第2の磁石において、分極方向が図4の上面か
ら見た長手方向となるため)。したがって、対物レンズ
駆動装置は、特に上面より見た投影面積が大きくなり、
小型化には不適となる。
【0037】また、上記第2の磁石が、第1の磁気回路
における第1の磁石および各コイルに接近し、且つ、第
2の磁石による磁界方向が第1の磁気回路の方に向けて
発生することでお互いに磁気的影響を及ぼし、その結果
それぞれの磁気回路において、所定の特性を得ることが
困難になるといった問題もある。
【0038】これに対し、上記構成によれば、上記第2
の磁石の分極方向が上記支持軸の軸方向に平行であるた
め、対物レンズ駆動装置を上から見た場合の第2の磁石
の幅を小さくできると共に、第1の磁石と第2の磁石と
の距離が離れることでそれぞれの発生磁界がお互いに及
ぼす影響が小さくなり、上述のような不具合を回避する
ことができる。
【0039】また、上記対物レンズ駆動装置では、上記
第2の磁気回路を2組有し、これら2組の第2の磁気回
路が上記支持軸を挟んでほぼ点対称となる位置に配置さ
れる構成とすることが好ましい。
【0040】上記の構成によれば、上記2組の第2の磁
気回路は、支持軸を挟んでほぼ点対称となる位置に配置
され、ホルダを磁気浮上させて中立位置に保持させるた
めの吸引力は支持軸を挟んで両方向で働き、支持軸に対
して側圧を生じさせる向きの力は互いに相殺される。こ
れにより、支持軸とホルダに設けられた軸受け穴との接
触面における接触圧は大幅に低減されることとなり、そ
こで発生する摩擦抵抗も大幅に小さくなる。
【0041】したがって、上記対物レンズ駆動装置で
は、特に起動時のレスポンスが良くなり、フォーカシン
グ補正駆動およびトラッキング補正駆動の動作にも悪影
響を及ぼすことなく、より良好な記録再生特性を得るこ
とができる。
【0042】また、本発明の情報記録再生装置は、情報
記録媒体に対物レンズによって集光された光ビームを照
射することによって、情報を光学的に記録,再生,消去
する情報記録再生装置において、上記情報記録媒体に対
して、上記対物レンズを該対物レンズの光軸方向および
光軸に直交する方向に駆動し、フォーカシング補正およ
びトラッキング補正を行なう補正駆動手段として上記記
載の対物レンズ駆動装置を搭載していることを特徴とし
ている。
【0043】上記の構成によれば、上記第1の磁気回路
によっては、一つの磁気回路にてフォーカシング補正お
よびトラッキング補正の両方を行なうことができる。し
たがって、フォーカシング補正用およびトラッキング補
正用に、それぞれ別の磁気回路を用いる必要がなく、対
物レンズ駆動装置の小型化に寄与する。
【0044】また、上記第2の磁気回路においては、上
記第2の磁石は、補正駆動に使用される第1の磁石に比
べて強い磁界を発生させることは要求されない。すなわ
ち、第2の磁石と磁性片とのギャップを大きく取るとい
った設計的制約に縛られることなく適切な吸引力を設定
でき、装置の大型化を招来することなく適正な1次共振
周波数を得ることができる。
【0045】また、上記情報記録再生装置では、上記第
2の磁気回路は、上記対物レンズと、上記情報記録媒体
を回転駆動する駆動手段との間以外の位置に配置される
構成とされることが好ましい。
【0046】例えば、情報記録媒体に小径光ディスクを
使用したポータブル情報記録再生装置の場合、該情報記
録媒体は大容量化を考慮して、できるかぎり内周側から
その情報記録再生エリアが取れるように規格化される可
能性が大きい。このため、上記対物レンズ駆動装置で
は、対物レンズと記録媒体中心との最小中心距離はでき
るだけ小さくできる構成とすることが好ましい。
【0047】これに対し、上記の構成によれば、情報記
録媒体を回転駆動する駆動手段と対物レンズ駆動装置に
おける対物レンズとの間にて、第2の磁気回路が存在す
る構造を避けることで、対物レンズと記録媒体中心との
最小中心距離を小さくする設計が可能となる。
【0048】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕本発明の実施の
一形態について図1ないし図5に基づいて説明すれば、
以下の通りである。
【0049】本実施の形態に係る対物レンズ駆動装置の
構成を図1および図2に示す。上記対物レンズ駆動装置
は、記録媒体である光ディスクに光ビームを照射するこ
とによって、情報を光学的に記録,再生,消去すること
ができる光学的情報記録再生装置等に具備されるもので
ある。
【0050】上記対物レンズ駆動装置は、対物レンズ1
が取り付けられたホルダ2と、このホルダ2を移動可能
に支持する円柱状の支持軸3を有するベースプレート4
とによって構成されている。上記支持軸3は、ベースプ
レート4の底面に対して垂直に立設されており、該支持
軸3の軸方向はホルダ2をベースプレート4に取り付け
た際に対物レンズ1の光軸方向と平行となる。
【0051】ホルダ2は、支持軸3が挿通される軸受け
穴2aを有しており、この軸受け穴2aに支持軸3を挿
通させることにより、支持軸3に沿った摺動移動、およ
び支持軸3周りの回転移動が可能となっている。また、
対物レンズ1は、その光軸を支持軸3に平行、且つ、支
持軸3より離間した位置において、ホルダ2に紫外線硬
化性接着剤等により接着固定されている。
【0052】したがって、対物レンズ1をその光軸方向
に移動させるフォーカシング補正に関してはホルダ2が
支持軸3に沿った摺動移動を行ない、対物レンズ1をそ
の光軸に直交する方向に移動させるトラッキング補正に
関してはホルダ2が支持軸3周りの回転移動を行なう。
【0053】ホルダ2には、該ホルダ2の駆動用の磁気
回路の一部をなすフォーカシング補正用コイル5aおよ
びトラッキング補正用コイル5bが備えられている。フ
ォーカシング補正用コイル5aは、その巻軸方向が支持
軸3の軸方向と平行な方向(フォーカシング方向)に設
定されており、軸受け穴2aを挟んでホルダ2の両側面
部に2つ取り付けられている。また、トラッキング補正
用コイル5bは、その巻軸方向が上記支持軸3と直交す
る方向(トラッキング方向)に設定されており、ホルダ
2の両側面部にてフォーカシング補正用コイル5aのさ
らに外側に片側2個づつ(合計4ケ)取り付けられてい
る。
【0054】上記対物レンズ駆動装置は、フォーカシン
グ補正用コイル5aおよびトラッキング補正用コイル5
bを磁界中に位置させることで第1の磁気回路5を構成
している。この第1の磁気回路5は、上記ベースプレー
ト4上に立設された1対のコの字状ヨークと、コの字状
ヨークに対応して取り付けられた1対の磁石5cとから
構成されている。コの字状ヨークは、互いに平行になる
ように形成された外側立設部5dおよび内側立設部5e
を有しており、外側立設部5dはベースプレート4の外
形を折り曲げることで形成され、内側立設部5eは別部
材である補助プレートがベースプレート4にカシメある
いはスポットレーザ溶接等により連結されて形成されて
いる。また、内側立設部5eはフォーカシング補正用コ
イル5a内に挿通して立設されている。
【0055】上記磁石5cは、外側立設部5dの内側
(すなわち、内側立設部5eに対向する側)にそれぞれ
接着剤等により接着固定されているが、この時、該磁石
5cの分極方向は上記接着面の法線方向に合わせられる
片面1極着磁となっている。
【0056】以上の構成において、フォーカシング補正
用コイル5aに駆動電流が供給されると、該フォーカシ
ング補正用コイル5aは第1の磁気回路5が形成する磁
界より作用を受けて、ホルダ2に対して図2中のAある
いはBの同一方向に推力を発生し、支持軸3方向にフォ
ーカシング補正動作が行われる。
【0057】すなわち、上記磁石5cは、外側立設部5
dに対して片面1極着磁されていることにより、外側立
設部5dと内側立設部5eとの間に支持軸3に直交する
方向に磁界を発生する。また、フォーカシング補正用コ
イル5aは、その内部に内側立設部5eが挿通されてい
るため、上記磁界中に存在する部分では、該フォーカシ
ング補正用コイル5aに流れる電流の向きはほぼ一方向
であり、その電流方向は支持軸3に直交する方向となっ
ている。このため、フォーカシング補正用コイル5aが
第1の磁気回路5が形成する磁界より受ける力は支持軸
3の軸方向に生じることとなる。
【0058】また、トラッキング補正用コイル5bに駆
動電流が供給されると、該トラッキング補正用コイル5
bは、第1の磁気回路5が形成する磁界より作用を受け
て、図1中のCあるいはDの方向に偶力となる回転推力
を発生し、対物レンズ1に対して支持軸3と直交する方
向にトラッキング補正動作が行われる。
【0059】ここで、上記トラッキング補正用コイル5
bは、その全てが上記磁界中に存在するように配置され
るわけではなく、図2に示すように、支持軸3の軸方向
に平行な分割線にて半分に分割された領域の一方のみが
上記磁界中に存在する。このため、上記磁界中に存在す
る部分に流れる電流は、上記支持軸3方向に流れるもの
と仮想的に見なすことができる。したがって、上記トラ
ッキング補正用コイル5bが第1の磁気回路5が形成す
る磁界より受ける力は支持軸3と直交する方向(支持軸
3を中心とする円の円周方向)に生じることとなる。
【0060】尚、上記磁石5cにおける磁極の向き、お
よびフォーカシング補正用コイル5a,トラッキング補
正用コイル5bにおける電流の向きは、フォーカシング
補正またはトラッキング補正に関し、適切な駆動方向が
得られるように設定されていればよい。
【0061】上記構成の対物レンズ駆動装置では、フォ
ーカシング補正およびトラッキング補正を行なうための
第1の磁気回路5は、用いられる磁石5cが片面1極着
磁であるため、第1の磁気回路5を駆動していない状態
においてホルダ2を予め定めた中立位置に保持するため
の機能を有していない。
【0062】このため、本実施の形態1に係る対物レン
ズ駆動装置では、ホルダ2を予め定めた中立位置に保持
するための磁気的吸引力を発生させるために、磁気浮上
用の第2の磁気回路6を備えている。
【0063】上記第2の磁気回路6は、ベースプレート
4の外形を折り曲げることで立設形成されたヨーク6a
と、ヨーク6aに対面するホルダ2の側面部に接着等に
より取り付けられた磁性片6bと、ヨーク6aに取り付
けられた磁石6cとから構成されている。
【0064】上記磁石6cは棒状磁石であり、支持軸3
の軸方向に2極分割着磁されている。このため、第1の
磁気回路5を駆動していない状態では、ホルダ2に備え
られた磁性片6bは、磁石6cとの間に発生する磁気的
吸引力により、磁石6cの分極線近傍に吸引されるた
め、フォーカシング方向および、トラッキング方向の双
方においてあらかじめ設定された所定の位置にホルダ2
を保持するように作用する。
【0065】すなわち、上記磁石6cは、フォーカシン
グ方向については、その両端がN/Sに着磁されている
ため、該磁石6cに対向する磁性片6bは分極線を挟ん
で対称位置に吸引される。一方、トラッキング方向につ
いては、上記磁石6cの形成する磁界は、N極側の短片
の中点とS極側の短片の中点とを結ぶ線(中心線)上が
最も磁界が強くなり、磁性片6bは上記中心線を挟んで
対称位置に吸引される。
【0066】図3は、図1および図2で示した上記対物
レンズ駆動装置の周辺構成を示している。図3に示すよ
うに、対物レンズ駆動装置は、図示しない情報記録媒体
の半径方向に移動可能となるように、ピックアップハウ
ジング7に搭載されている。また、情報記録媒体は、ス
ピンドルモータ8に保持されて該スピンドルモータ8に
よって回転駆動される。図3において、第2の磁気回路
6は、対物レンズ1の近傍で、且つ、対物レンズ1に対
して図示しない情報記録媒体である光ディスクの外周方
向(図3中のE方向)側に配置されている。
【0067】また、上記第2の磁気回路6は、ヨーク6
aと磁石6cとをベースプレート4側に備え、磁性片6
bをホルダ2側に備えた構成であるが、この変形例とし
て、磁石6cをホルダ2側に備え、磁性片6bをベース
プレート4側に備えることも可能である。
【0068】上記変形例の構成では、図1の構成に対し
て、部品点数を少なくするといったメリットが得られ
が、この構成では以下に示すような問題も有り、上記対
物レンズ駆動装置では、図1に示すように、ヨーク6a
と磁石6cとをベースプレート4側に備え、磁性片6b
をホルダ2側に備えた構成とすることが好ましい。
【0069】すなわち、磁石6cは磁性片6bに比べて
重量が大きく、磁石6cをホルダ2側に備えた構成で
は、可動部であるホルダ2の重量が重くなり、フォーカ
シング補正およびトラッキング補正に係る駆動電流が大
きくなることで消費電力が増大する。また、ホルダ2の
移動をスムーズに行なうためには、ホルダ2の重心が支
持軸3の近傍にあることが好ましい。しかしながら、ホ
ルダ2の一部(周辺部)に磁石6cを取り付ける構成で
は、これによりホルダ2全体の重心バランスが崩れ、良
好なフォーカシングおよび、トラッキング補正時の駆動
特性を得ることが困難になる。
【0070】また、図1および図2に示す上記第2の磁
気回路6では、磁石6cの分極方向を支持軸3の軸方向
(フォーカシング方向)と一致させているが、さらに別
の構成として、磁石6cの分極方向を、図4に示すよう
に、支持軸3に直交する方向とする構成も考えられる。
【0071】しかしながら、この場合、図4に示すよう
に、ホルダ2と磁石6cとが接近しホルダ2がトラッキ
ング駆動するのに十分なクリアランスを確保できないた
め、磁石6cと磁性片6bとのギャップを大きくとる必
要がある。したがって、対物レンズ駆動装置は、特に上
面より見た投影面積が大きくなり、小型化には不適であ
る。また、上記第2の磁気回路6における磁石6cが、
第1の磁気回路5における磁石5cおよび、各コイル5
a、5bに接近することでお互いに磁気的影響を及ぼ
し、その結果それぞれの磁気回路において、所定の特性
を得ることが困難になるといった問題もある。このた
め、第2の磁気回路6においては、磁石6cにおける分
極方向は、支持軸3の軸方向(フォーカシング方向)と
一致させることが好適である。
【0072】また、上記対物レンズ駆動装置において
は、第2の磁気回路6は、その配置位置は特に限定され
るものでなく、どの位置に配置されても良いが、図1に
示すように、対物レンズ1の近傍で、且つ、対物レンズ
1に対して図示しない情報記録媒体である光ディスクの
外周方向(図3中のE方向)側に配置する構成が、以下
の理由により好ましい。
【0073】例えば、情報記録媒体に小径光ディスクを
使用したポータブル情報記録再生装置の場合、該情報記
録媒体は大容量化を考慮して、できるかぎり内周側から
その情報記録再生エリアが取れるように規格化される可
能性が大きい。このため、上記対物レンズ駆動装置で
は、対物レンズ1と記録媒体中心との最小中心距離はで
きるだけ小さくできる構成とすることが好ましい。その
ためには、上記情報記録媒体を回転駆動するスピンドル
モータ8と対物レンズ駆動装置における対物レンズ1と
の間には、できるかぎり他の部材が存在しない構造とす
ることが好ましい。
【0074】図5(a)は、第2の磁気回路6が、対物
レンズ1の横、且つ図示しない情報記録媒体である光デ
ィスクの外周方向(図中E)側に配置された構成であ
る。上記図5(a)の構成において、対物レンズ1の中
心とスピンドルモータ8の中心との最小距離をL1とす
る。
【0075】一方、図5(b)は、第2の磁気回路6
が、対物レンズ1の横、且つ図示しない情報記録媒体で
ある光ディスクの内周方向(図中F)側に配置された構
成である。図5(b)の構成では、対物レンズ1の中心
とスピンドルモータ8の中心との最小距離をL2となる
が、対物レンズ1とスピンドルモータ8との間に第2の
磁気回路6が存在していることにより、L2>L1とな
り、対物レンズ1と記録媒体中心との最小中心距離を小
さくする上で不利である。
【0076】さらに、ポータブル情報記録再生装置の場
合、使用時における該装置の姿勢は様々であり、トラッ
キング方向に重力が働くような姿勢で使用される場合も
ありうる。この場合、上記対物レンズ駆動装置のよう
に、ホルダ2を支持軸3に挿通して、支持軸3方向に沿
った摺動移動、および支持軸3周り方向の回動移動を可
能に支持する構成であれば、該装置の姿勢によりホルダ
2が重力の影響を受けて支持軸3周りに回転することが
なく、対物レンズ1がトラッキング方向の中立位置から
ずれることはない。したがって、トラッキング方向へ対
物レンズ1がシフトすることを抑え、良好な記録再生特
性を得ることができると共に、高速アクセス時に発生す
るホルダ2の振動によるトラッキング補正動作への影響
を抑えることが可能になる。
【0077】〔実施の形態2〕本発明の他の実施の形態
について図6および図7に基づいて説明すれば、以下の
通りである。
【0078】上記の実施の形態1では、第2の磁気回路
6を1組備えた構成例であったが、本実施の形態2で
は、第2の磁気回路を2組備えた構成例について説明す
る。尚、本実施の形態2では、第2の磁気回路を2組備
える以外は、実施の形態1に係る対物レンズ駆動装置と
同一の構成であるため、第2の磁気回路以外については
詳細な説明は省略する。
【0079】本実施の形態2では、第1の磁気回路5を
駆動していない状態においてホルダ2を、あらかじめ定
めた中立位置に保持する磁気的吸引力を発生させるため
に、図6に示すように、上記第1の磁気回路5とは別に
独立して、2組の第2の磁気回路6・6’を備えてい
る。
【0080】図6に示す構成においては、第2の磁気回
路6は、対物レンズ1の横、且つ、図示しない情報記録
媒体である光ディスクの外周方向(図6中E)側に設け
られている。上記第2の磁気回路6は、構成および配置
箇所とも、図3に示した対物レンズ駆動装置における第
2の磁気回路6と同一である。また、図6の構成におい
て、もう1組の第2の磁気回路6’は、上記第2の磁気
回路6に対し、支持軸3を挟んでほぼ点対称となる位置
にもう配置されており、その構成は第2の磁気回路6と
同一である。
【0081】実施の形態1の構成による対物レンズ駆動
装置に対して、本実施の形態2に係る対物レンズ駆動装
置では、2組の第2の磁気回路6・6’を備えることに
より、ホルダ2と支持軸3との間に生じる摩擦抵抗を軽
減し、対物レンズ1の補正駆動に係るレスポンス低下を
抑制することができる。
【0082】すなわち、実施の形態1の対物レンズ駆動
装置の場合、第2の磁気回路6が1組しか設けられてい
ないことにより、該第2の磁気回路6によって作用する
吸引力は1方向で働く。このため、ホルダ2に設けられ
た軸受け穴2aに挿通された支持軸3は軸受け穴2a内
面に対して、上記吸引力の発生する側で側圧を与えられ
た状態で接触することとなる。
【0083】この場合、支持軸3と軸受け穴2aとのク
リアランスにより発生するガタは1方向への側圧により
吸収されるものの、対物レンズ1の補正駆動時における
支持軸3と軸受け穴2aとの間の摩擦抵抗は大きくな
る。この摩擦抵抗により、特に起動時のレスポンスが悪
くなることで、フォーカシング補正駆動およびトラッキ
ング補正駆動の動作に影響し、情報の記録再生特性が悪
くなる可能性がある。
【0084】これに対し、本実施の形態2の構成によれ
ば、第2の磁気回路6・6’は、支持軸3を挟んでほぼ
点対称となる位置に配置されているため、磁気浮上のた
めの吸引力は支持軸3を挟んで両方向で働き、互いに相
殺されることで、支持軸3とホルダ2に設けられた軸受
け穴2aとの接触面における接触圧は大幅に低減される
こととなり、そこで発生する摩擦抵抗も大幅に小さくな
る。したがって、実施の形態1で示した対物レンズ駆動
装置に対して、実施の形態2で示した対物レンズ駆動装
置は、特に起動時のレスポンスが良くなり、フォーカシ
ング補正駆動およびトラッキング補正駆動の動作にも悪
影響を及ぼすことなく、より良好な記録再生特性を得る
ことができる。
【0085】また、2組の第2の磁気回路の配置に関し
ては、別の配置として、例えば図7に示すように、第2
の磁気回路6’に代えて、第2の磁気回路6”を設ける
構成としても良い。上記第2の磁気回路6”は、第2の
磁気回路6’とはその配置位置のみが異なり、第2の磁
気回路6に対して支持軸3を挟んで点対称とはならない
位置に設けられている。
【0086】上記図7の構成においても、磁気浮上のた
めの吸引力は支持軸3に対して2方向から働くことによ
って、図1の対物レンズ駆動装置に比べて摩擦抵抗を低
減することは可能である。ただし、ホルダ2と支持軸3
との間に生じる摩擦抵抗を軽減し、対物レンズ1の補正
駆動に係るレスポンス低下を抑制するためには、図6に
示す構成が最も好適である。
【0087】以上のように、本実施の形態1または2に
係る上記対物レンズ駆動装置を情報記録再生装置におけ
る対物レンズの補正駆動手段に用いるにあたっては、第
1の磁気回路5によって、フォーカシング補正およびト
ラッキング補正のための駆動力を得ることができる。こ
こで、上記第1の磁気回路5は、磁界中に存在するコイ
ルに駆動電流を与え、発生する電磁力によって上記駆動
力を得るものであるが、上記磁界を得るための磁石5c
は支持軸3の軸方向に対して直交する方向に磁界を形成
する(言い換えれば、フォーカシング方向およびホルダ
をトラッキング駆動させる支持軸周りの偶力方向の両方
に直交する磁界を発生させる)。このため、この磁界中
にフォーカシング補正用コイル5aとトラッキング補正
用コイル5bとの両方を配置することができるため、一
つの磁気回路にてフォーカシング補正およびトラッキン
グ補正の両方を行なうことができる。したがって、フォ
ーカシング補正用およびトラッキング補正用に、それぞ
れ別の磁気回路を用いる必要がなく、対物レンズ駆動装
置の小型化を図ることができる。
【0088】また、上記第1の磁気回路5は、一つの磁
気回路でフォーカシング補正およびトラッキング補正の
両方を行なうことはできるが、ホルダ2をベースプレー
ト4に対して中立位置に保持するための吸引力を与える
ことができない。上記対物レンズ駆動装置では、ホルダ
2を中立位置に保持するためには、第2の磁気回路6が
使用される。
【0089】上記第2の磁気回路6は、ベースプレート
4のヨーク6aに片面2極着磁され、その分極方向が支
持軸3と平行となる磁石6cと、上記磁石6cによって
形成される磁界中に配置される磁性片6bとを有してい
る。このため、上記磁性片6bが磁石6cに吸引される
ことでホルダ2がベースプレート4に対して中立位置に
保持される。
【0090】この時、上記第2の磁気回路6は、対物レ
ンズ1の補正駆動には使用されず、ホルダ2を中立位置
に保持する目的のみに使用される。このため、上記第2
の磁石6は、補正駆動に使用される第1の磁気回路5の
磁石5cに比べて強い磁界を発生させることは要求され
ない。すなわち、磁石6cと磁性片6bとのギャップを
大きく取るといった設計的制約に縛られることなく適切
な吸引力を設定でき、装置の大型化を招来することなく
適正な1次共振周波数を得ることができる。
【0091】また、上記第2の磁気回路6は、弾性支持
部材を用いてホルダ2を中立位置に保持する構成に比べ
て構造が簡易であるため、組立て作業性が良く、衝撃等
にも強いというメリットがある。
【0092】
【発明の効果】本発明の対物レンズ駆動装置は、以上の
ように、上記ベースプレートに備えられ、上記支持軸の
軸方向に対して直交する方向に磁界を形成する第1の磁
石と、上記ホルダに備えられると共に上記第1の磁石に
よって形成される磁界中に配置され、駆動電流が与えら
れた時に、上記ホルダに対して上記支持軸の軸方向に駆
動力を発生させるフォーカシング補正用コイルと、上記
ホルダに備えられると共に上記第1の磁石によって形成
される磁界中に配置され、駆動電流が与えられた時に、
上記ホルダに対して上記支持軸周りの回転駆動力を発生
させるトラッキング補正用コイルとを有する第1の磁気
回路と、上記ベースプレートおよび上記ホルダの何れか
一方に備えられる第2の磁石と、上記ベースプレートま
たは上記ホルダのうち、上記第2の磁石とは異なる側に
備えられると共に上記第2の磁石によって形成される磁
界中に配置される磁性片とを有し、上記第2の磁石と磁
性片との磁気吸引力によって上記ホルダを中立位置に保
持する第2の磁気回路とを備えている構成である。
【0093】それゆえ、上記対物レンズ駆動装置を情報
記録再生装置における対物レンズの補正駆動手段に用い
るにあたって、上記第1の磁気回路によっては、一つの
磁気回路にてフォーカシング補正およびトラッキング補
正の両方を行なうことができる。したがって、フォーカ
シング補正用およびトラッキング補正用に、それぞれ別
の磁気回路を用いる必要がなく、対物レンズ駆動装置の
小型化を図ることができる。
【0094】そして、上記第2の磁気回路においては、
対物レンズの補正駆動には使用されず、ホルダを中立位
置に保持する目的のみに使用されるため、上記第2の磁
石は、補正駆動に使用される第1の磁石に比べて強い磁
界を発生させることは要求されない。すなわち、第2の
磁石と磁性片とのギャップを大きく取るといった設計的
制約に縛られることなく適切な吸引力を設定でき、装置
の大型化を招来することなく適正な1次共振周波数を得
ることができるといった効果を奏する。
【0095】また、上記対物レンズ駆動装置では、上記
第2の磁気回路は、上記第2の磁石をベースプレート側
に備え、上記磁性片をホルダ側に備えている構成とする
ことが好ましい。
【0096】それゆえ、上記第2の磁石と磁性片とのう
ち、重量の軽い方の部材である磁性片を可動部であるホ
ルダ側に備えることで、フォーカシング補正およびトラ
ッキング補正に係る駆動電流が大きくなるといった不具
合を回避できるといった効果を奏する。
【0097】また、上記対物レンズ駆動装置では、上記
第2の磁石は、その分極方向が上記支持軸の軸方向(す
なわち、フォーカシング方向)に平行である構成とする
ことが好ましい。
【0098】それゆえ、上記第2の磁石の分極方向が上
記支持軸の軸方向に平行であるため、対物レンズ駆動装
置を上から見た場合の第2の磁石の幅を小さくできると
共に、第1の磁石と第2の磁石との距離が離れることで
それぞれの発生磁界がお互いに及ぼす影響が小さくな
り、上述のような不具合を回避することができるといっ
た効果を奏する。
【0099】また、上記対物レンズ駆動装置では、上記
第2の磁気回路を2組有し、これら2組の第2の磁気回
路が上記支持軸を挟んでほぼ点対称となる位置に配置さ
れる構成とすることが好ましい。
【0100】それゆえ、上記2組の第2の磁気回路で
は、ホルダを磁気浮上させて中立位置に保持させるため
の吸引力は支持軸を挟んで両方向で働き、支持軸に対し
て側圧を生じさせる向きの力は互いに相殺される。これ
により、支持軸とホルダに設けられた軸受け穴との接触
面における接触圧は大幅に低減されることとなり、そこ
で発生する摩擦抵抗も大幅に小さくなるため、上記対物
レンズ駆動装置では、特に起動時のレスポンスが良くな
り、フォーカシング補正駆動およびトラッキング補正駆
動の動作にも悪影響を及ぼすことなく、より良好な記録
再生特性を得ることができるといった効果を奏する。
【0101】また、本発明の情報記録再生装置は、以上
のように、上記情報記録媒体に対して、上記対物レンズ
を該対物レンズの光軸方向および光軸に直交する方向に
駆動し、フォーカシング補正およびトラッキング補正を
行なう補正駆動手段として上記記載の対物レンズ駆動装
置を搭載している構成である。
【0102】それゆえ、上記第1の磁気回路によって
は、一つの磁気回路にてフォーカシング補正およびトラ
ッキング補正の両方を行なうことができ、フォーカシン
グ補正用およびトラッキング補正用に、それぞれ別の磁
気回路を用いる必要がなく、対物レンズ駆動装置の小型
化を図ることができる。
【0103】そして、上記第2の磁気回路においては、
上記第2の磁石は、補正駆動に使用される第1の磁石に
比べて強い磁界を発生させることは要求されず、第2の
磁石と磁性片とのギャップを大きく取るといった設計的
制約に縛られることなく適切な吸引力を設定でき、装置
の大型化を招来することなく適正な1次共振周波数を得
ることができるといった効果を奏する。
【0104】また、上記情報記録再生装置では、上記第
2の磁気回路は、上記対物レンズと、上記情報記録媒体
を回転駆動する駆動手段との間以外の位置に配置される
構成とされることが好ましい。
【0105】それゆえ、情報記録媒体を回転駆動する駆
動手段と対物レンズ駆動装置における対物レンズとの間
にて、第2の磁気回路が存在する構造を避けることで、
対物レンズと記録媒体中心との最小中心距離を小さくす
る設計が可能となるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであり、対物レ
ンズ駆動装置の構成を示す平面図である。
【図2】上記対物レンズ駆動装置の構成を示す側面図で
ある。
【図3】上記対物レンズ駆動装置を情報記録再生装置に
搭載した場合の配置を示す平面図である。
【図4】図1の対物レンズ駆動装置とは異なる構成の、
対物レンズ駆動装置の変形例を示す平面図である。
【図5】対物レンズ駆動装置を情報記録再生装置に搭載
した場合の、対物レンズとスピンドルモータとの配置関
係を示す平面図であり、(a)は図1の対物レンズ駆動
装置を搭載した場合、(b)は図1とは異なる構成の対
物レンズ駆動装置を搭載した場合を示す。
【図6】本発明の他の実施形態を示すものであり、対物
レンズ駆動装置の構成を示す平面図である。
【図7】図6の対物レンズ駆動装置とは異なる構成の、
対物レンズ駆動装置の変形例を示す平面図である。
【図8】従来の対物レンズ駆動装置の構成を示す分解斜
視図である。
【符号の説明】
1 対物レンズ 2 ホルダ 3 支持軸 4 ベースプレート 5 第1の磁気回路 5a フォーカシング補正用コイル 5b トラッキング補正用コイル 5c 磁石(第1の磁石) 6,6’,6” 第2の磁気回路 6b 磁性片 6c 磁石(第2の磁石) 8 スピンドルモータ(駆動手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5D118 AA04 AA13 BA01 DC03 EA02 EB13 EC04 EC05 ED03 ED07 ED08 ED09 FA07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対物レンズを保持するホルダと、支持軸を
    備えたベースプレートとを有し、上記ホルダを上記ベー
    スプレート上で、上記支持軸に対して軸方向の摺動移動
    および軸周り方向の回転移動可能に支持する対物レンズ
    駆動装置において、 上記ベースプレートに備えられ、上記支持軸の軸方向に
    対して直交する方向に磁界を形成する第1の磁石と、上
    記ホルダに備えられると共に上記第1の磁石によって形
    成される磁界中に配置され、駆動電流が与えられた時に
    上記ホルダに対して上記支持軸の軸方向に駆動力を発生
    させるフォーカシング補正用コイルと、上記ホルダに備
    えられると共に上記第1の磁石によって形成される磁界
    中に配置され、駆動電流が与えられた時に上記ホルダに
    対して上記支持軸周りの回転駆動力を発生させるトラッ
    キング補正用コイルとを有する第1の磁気回路と、 上記ベースプレートおよび上記ホルダの何れか一方に備
    えられる第2の磁石と、上記ベースプレートまたは上記
    ホルダのうち、上記第2の磁石とは異なる側に備えられ
    ると共に上記第2の磁石によって形成される磁界中に配
    置される磁性片とを有し、上記第2の磁石と磁性片との
    磁気吸引力によって上記ホルダを中立位置に保持する第
    2の磁気回路とを備えていることを特徴とする対物レン
    ズ駆動装置。
  2. 【請求項2】上記第2の磁気回路は、上記第2の磁石を
    ベースプレート側に備え、上記磁性片をホルダ側に備え
    ていることを特徴とする請求項1に記載の対物レンズ駆
    動装置。
  3. 【請求項3】上記第2の磁石は、その分極方向が上記支
    持軸の軸方向に平行であることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の対物レンズ駆動装置。
  4. 【請求項4】上記第2の磁気回路を2組有しており、こ
    れら2組の第2の磁気回路は上記支持軸を挟んでほぼ点
    対称となる位置に配置されることを特徴とする請求項1
    ないし3の何れかに記載の対物レンズ駆動装置。
  5. 【請求項5】情報記録媒体に対物レンズによって集光さ
    れた光ビームを照射することによって、情報を光学的に
    記録,再生,消去する情報記録再生装置において、 上記情報記録媒体に対して、上記対物レンズを該対物レ
    ンズの光軸方向および光軸に直交する方向に駆動し、フ
    ォーカシング補正およびトラッキング補正を行なう補正
    駆動手段として請求項1ないし4の何れかに記載の対物
    レンズ駆動装置を搭載していることを特徴とする情報記
    録再生装置。
  6. 【請求項6】上記第2の磁気回路は、上記対物レンズ
    と、上記情報記録媒体を回転駆動する駆動手段との間以
    外の位置に配置されることを特徴とする請求項5に記載
    の情報記録再生装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103529531A (zh) * 2009-11-17 2014-01-22 台湾东电化股份有限公司 镜头驱动装置
US8817397B2 (en) 2011-06-09 2014-08-26 Panasonic Corporation Lens actuator

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