JPH07235070A - 対物レンズ駆動装置、及びこの対物レンズ駆動装置に備えられる弾性支持部材の製造方法 - Google Patents

対物レンズ駆動装置、及びこの対物レンズ駆動装置に備えられる弾性支持部材の製造方法

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JPH07235070A
JPH07235070A JP30594094A JP30594094A JPH07235070A JP H07235070 A JPH07235070 A JP H07235070A JP 30594094 A JP30594094 A JP 30594094A JP 30594094 A JP30594094 A JP 30594094A JP H07235070 A JPH07235070 A JP H07235070A
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JP
Japan
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objective lens
spring constant
tracking
focusing
driving device
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JP30594094A
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Inventor
Hirotoshi Fujisawa
裕利 藤澤
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 弾性支持部材の固有の一次共振周波数が、フ
ォーカシング制御動作或いはトラッキング制御動作の周
波数帯域外に移動させれて構成されることによって、対
物レンズの安定した制御動作が行われるようにする。 【構成】 対物レンズ2を組み付けた対物レンズ保持部
材3をフォーカシング方向とトラッキング方向とに弾性
変位自在に支持する弾性支持部材10が、フォーカシン
グ方向の一次共振周波数とトラッキング方向の一次共振
周波数のいずれか一方の一次共振周波数に対して他方の
共振周波数を低くするバネ定数制御部11を有して形成
される。バネ定数制御部11は、フォーカシング方向と
トラッキング方向のいずれか一方が長軸とされた断面形
状とされる。弾性支持部材10は、フォーカシング方向
とトラッキング方向のバネ定数が等しい弾性を有する線
状部材を素材に塑性変形加工を施して形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体レーザ等の光源
から照射されたレーザ光を光ディスク、光磁気ディスク
等の円盤状光学記録媒体(以下光ディスクと総称す
る。)の信号記録面に集光させ、あるいは上記レーザ光
が光ディスクの記録トラックを追従するように対物レン
ズを制御する対物レンズ駆動装置、及びこの対物レンズ
駆動装置に用いられてレンズ保持体を弾性変位自在に支
持するための弾性支持部材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光ディスクプレイヤーや光学式の
再生装置、記録再生装置には、光ディスクを記録媒体に
用いて、光ディスクに記録された情報信号の読み取りを
行い、あるいは光ディスクの信号記録領域に情報信号の
記録を行なうために、光ディスクの信号記録面にレーザ
光を照射し、さらに光ディスクの信号記録面から反射さ
れた戻り光を検出して情報信号の読み取り再生を行なう
光ピックアップ装置が備えている。
【0003】この光ピックアップ装置は、光ディスクの
信号記録面に照射されるレーザ光を出射する半導体レー
ザ等の光源と、このレーザ光源から出射されたレーザ光
を光ディスクの信号記録面に集光させる対物レンズと、
光ディスクの信号記録面から反射されて対物レンズを通
過する戻り光を検出するフォトディテクタ等の光検出器
とを備えて構成される。
【0004】そして、光ピックアップ装置には、光ディ
スクの記録トラックへ情報信号を正確に記録したり、あ
るいは光ディスクの信号記録面に高密度に記録された情
報信号を読み出すために、対物レンズを精密に駆動する
対物レンズ駆動装置が設けられている。この対物レンズ
駆動装置は、レーザ光源から出射されたレーザ光を光デ
ィスクの信号記録面に正確に集光させるとともに、光デ
ィスクの記録トラックへ正確に追従させるために、レー
ザ光が入射される対物レンズを精密に制御している。
【0005】すなわち、対物レンズ駆動装置は、レーザ
光を光ディスクの信号記録面に集光して照射させる対物
レンズを、この対物レンズの光軸と平行な方向であるフ
ォーカシング方向及び光軸方向と直行する方向であるト
ラッキング方向との互いに直行する2軸方向に、フォー
カス制御信号及びトラッキング制御信号に基づいて駆動
変位させる。これにより、レーザ光は、光ディスクの信
号記録面に正確に集光されるとともに、光ディスクの記
録トラックに正確に追従される。
【0006】従来の対物レンズ駆動装置の一例として、
例えば図10に示すように、対物レンズ101が組み付
けられた筒状のレンズ保持体102を上下、左右対をな
す4本の弾性支持部材110A乃至110D(弾性支持
部材110Dは図示されていない。)によって片持ち状
態に支持したワイヤ支持型の対物レンズ駆動装置100
が知られている。4本の弾性支持部材110A乃至11
0Dは、それぞれ自由端側がレンズ保持体102に固定
されるとともに、基端側が支持基板103に立設した取
付け板104に固定されている。したがって、対物レン
ズ101は、これら弾性支持部材110A乃至110D
が弾性変位することによって、レンズ保持体102と一
体的に光軸方向及びこの光軸と直交する方向との2軸方
向に弾性変位されるように構成されている。
【0007】この従来のワイヤ支持型対物レンズ駆動装
置100は、レンズ保持体102を対物レンズ101の
光軸方向と平行なフォーカシング方向と、光軸と直交す
るトラッキング方向とに駆動する電磁駆動装置を備えて
いる。この電磁駆動装置は、レンズ保持体102の外周
面に巻回されたフォーカス駆動コイル105と、このフ
ォーカス駆動コイル105上に接合配設されたトラッキ
ング駆動コイル106と、支持基板103上に配設され
た一対のマグネット107A、107B及びこれらマグ
ネット107A、107Bに対向して配設された一対の
ヨーク108A、108Bとからなる磁気回路部とから
構成されている。磁気回路部を構成するマグネット10
7A、107B及びヨーク108A、108Bは、上記
フォーカス駆動コイル105及びトラッキング駆動コイ
ル106に対向して支持基板103上に配設されてい
る。なお、取付け板104には、回路基板109が組み
付けられている。
【0008】以上のように構成された対物レンズ駆動装
置100は、光ピックアップ装置に組み立てられる。光
ピックアップ装置側には、レーザ光源、光学系或いは光
検出器等が備えられており、レーザ光源からレーザ光が
対物レンズ101へと入射される。レーザ光は、対物レ
ンズ101を介して光ディスクへと入射され、この光デ
ィスクの信号記録面で反射されて再び対物レンズ101
に戻り光として入射される。光ピックアップ装置は、こ
の戻り光から、光検出器によって情報信号とともにフォ
ーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号とを検出
する。
【0009】対物レンズ駆動装置100は、これらフォ
ーカスエラー信号或いはトラッキングエラー信号に応じ
た制御電流が制御部を介して供給されることにより、フ
ォーカス駆動コイル105或いはトラッキング駆動コイ
ル106が駆動される。弾性支持部材110A乃至11
0Dは、これらフォーカス駆動コイル105或いはトラ
ッキング駆動コイル106が駆動されることによってそ
れぞれフォーカシング方向又はトラッキング方向に弾性
変位され、レンズ保持体102に取付けられた対物レン
ズ101を光軸方向或いはこの光軸に直交する方向との
2軸方向に駆動変位させる。光ピックアップ装置は、こ
の対物レンズ101の変位動作によって、光ディスクに
対するレーザ光のフォーカシング制御およびトラッキン
グ制御とが行なわれる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の対物レンズ駆動装置100においては、レーザ光を
光ディスクの記録トラックに追従するようにフォーカシ
ング制御及びトラッキング制御する場合に、対物レンズ
101を組み付けたレンズ保持体102が弾性支持部材
110A乃至110Dの大きな振動によって大きくブレ
ることがある。対物レンズ駆動装置100は、対物レン
ズ101を光ディスクに対してフォーカシング方向及び
トラッキング方向に正確に駆動動作させることができな
いといった事態が生じて、情報信号の再生或いは情報信
号の記録が正確に行われないといった問題が発生するこ
とがある。
【0011】すなわち、従来の対物レンズ駆動装置10
0に備えられる弾性支持部材110A乃至110Dは、
一般に断面が円形であってフォーカシング方向及びトラ
ッキング方向成分のバネ定数がほぼ等しい金属ワイヤが
用いられている。これら弾性支持部材110A乃至11
0Dは、フォーカシング方向及びトラッキング方向に対
して、材料特性によって規定されるほぼ等しい固有の一
次共振周波数を有している。対物レンズ駆動装置100
は、これら弾性支持部材110A乃至110Dの固有の
一次共振周波数帯域中で上述したフォーカシング制御動
作或いはトラッキング制御動作が行われると、弾性支持
部材110A乃至110Dが共振して大きく振動する現
象が発生して安定した対物レンズの制御動作が行い得な
くなるといった問題が発生する。
【0012】かかる問題点を解決する方法としては、例
えば弾性支持部材110A乃至110Dに緩衝材を接合
することによって、これら弾性支持部材110A乃至1
10Dの一次共振周波数をフォーカシング制御動作或い
はトラッキング制御動作の周波数帯域外に移動させる構
造が採用されている。
【0013】しかしながら、かかる対策は、対物レンズ
駆動装置100の製造コストを増大させることになる。
また、緩衝材は、弾性支持部材110A乃至110Dに
それぞれしっかりと密着させるようにして接合されてい
ない場合には、上述した作用が奏せられない。このた
め、緩衝材の接合作業は、極めて面倒でありかつ精密で
熟練を必要とするといった問題点があった。また、緩衝
材の接合作業は、小型化された対物レンズ駆動装置への
適用は困難であるといった問題点があった。
【0014】したがって、本発明は、弾性支持部材が一
次共振周波数をフォーカシング制御動作或いはトラッキ
ング制御動作の周波数帯域外に移動されるように構成さ
れることによって対物レンズの安定した制御動作が行わ
れ得るように構成した対物レンズ駆動装置を提供するこ
とを目的に提案されたものである。
【0015】また、本発明は、一次共振周波数がフォー
カシング制御動作或いはトラッキング制御動作の周波数
帯域外に移動されるように形成されることによって対物
レンズの安定した制御動作が行われ得るようにした、対
物レンズ駆動装置に備えられる弾性支持部材の製造方法
を提供することを目的に提案されたものである。
【0016】
【課題を達成するための手段】この目的を達成した本発
明に係る対物レンズ駆動装置は、対物レンズが取付けら
れた対物レンズ保持体と、この対物レンズ保持体を対物
レンズの光軸と平行なフォーカシング方向と対物レンズ
の光軸と直交するトラッキング方向とに駆動する電磁駆
動手段と、一端部が固定部に固定されるとともに他端部
が対物レンズ保持体に固定されてこの対物レンズ保持体
をフォーカシング方向とトラッキング方向とに弾性変位
自在に支持する複数の弾性支持部材とを備える。これら
弾性支持部材には、一端部と他端部との間に、フォーカ
シング方向の一次共振周波数とトラッキング方向の一次
共振周波数のうちのいずれか一方の一次共振周波数に対
して他方の一次共振周波数を低くするバネ定数制御部が
少なくとも一箇所に形成されて構成される。
【0017】弾性支持部材に形成されるバネ定数制御部
は、それぞれ弾性支持部材の他の部位の断面形状と異に
しかつフォーカシング方向又はトラッキング方向に撓み
やすい断面形状に形成される。
【0018】また、弾性支持部材に形成されるバネ定数
制御部は、それぞれフォーカシング方向又はトラッキン
グ方向のいずれか一方の方向と直交する方向を長軸とし
た断面形状に形成される。
【0019】さらに各弾性支持部材は、フォーカシング
方向のバネ定数とトラッキング方向のバネ定数とをほぼ
等しくする断面形状の線状部材を材料にして形成され、
それぞれバネ定数制御部が、フォーカシング方向のバネ
定数とトラッキング方向のバネ定数とを異にする断面形
状に形成される。
【0020】さらにまた、弾性支持部材に形成されるバ
ネ定数制御部は、それぞれフォーカシング方向又はトラ
ッキング方向のいずれか一方の方向と直交する方向を長
軸とした断面形状に形成される。
【0021】また、各弾性支持部材は、断面形状が円形
の線状部材を材料にして形成され、バネ定数制御部が、
それぞれフォーカシング方向又はトラッキング方向のい
ずれか一方の方向と直交する方向を長軸とした楕円形状
に形成される。
【0022】本発明に係る対物レンズ駆動装置は、対物
レンズが取付けられた対物レンズ保持体と、この対物レ
ンズ保持体を対物レンズの光軸と平行なフォーカシング
方向と対物レンズの光軸と直交するトラッキング方向と
に駆動する電磁駆動手段と、一端部が固定部に固定され
るとともに他端部が対物レンズ保持体に固定されてこの
対物レンズ保持体をフォーカシング方向とトラッキング
方向とに弾性変位自在に支持する複数の弾性支持部材と
を備える。これら弾性支持部材は、それぞれフォーカシ
ング方向の一次共振周波数とトラッキング方向の一次共
振周波数のうちのいずれか一方の一次共振周波数に対し
て他方の一次共振周波数が低くなるような断面形状を有
する線状部材によって形成される。
【0023】各弾性部材は、フォーカシング方向のバネ
定数とトラッキング方向のバネ定数とを異にする断面形
状に形成される。
【0024】また、各弾性部材は、それぞれフォーカシ
ング方向又はトラッキング方向のいずれか一方の方向と
直交する方向を長軸とした断面形状に形成される。
【0025】上述した目的を達成した本発明に係る対物
レンズ駆動装置に備えられる弾性支持部材の製造方法
は、一端部が固定部に固定されるとともに他端部が対物
レンズ保持体に固定されることによってこの対物レンズ
保持体をフォーカシング方向とトラッキング方向とに弾
性変位自在に支持するための対物レンズ駆動装置に備え
られる弾性支持部材が、塑性加工を可能とする材料であ
りかつフォーカシング方向のバネ定数とトラッキング方
向のバネ定数とをほぼ等しくする断面形状である線状素
材が素材として用いられ、この素材の少なくとも一方向
より圧力を加えることによって、少なくとも一部の部位
をフォーカシング方向のバネ定数とトラッキング方向の
バネ定数とが異にされた断面形状に形成されて製造され
る。
【0026】素材の線状部材には、少なくとも一部の部
位の断面形状が、フォーカシング方向又はトラッキング
方向のいずれか一方の方向と直交する方向を長軸とした
断面形状の線状部材が素材として用いられる。
【0027】
【作用】以上のように構成した本発明に係る対物レンズ
駆動装置によれば、複数の弾性支持部材にそれぞれ形成
されたバネ定数制御部によって、フォーカシング方向の
一次共振周波数或いはトラッキング方向の一次共振周波
数のいずれか一方の一次共振周波数が他方の一次共振周
波数に対して低くされることにより、弾性支持部材の一
次共振周波数を、全体としてフォーカシング制御動作或
いはトラッキング制御動作の周波数帯域外に移動するこ
とになる。これによって、対物レンズ駆動装置は、フォ
ーカス制御信号或いはトラッキング制御信号に基づいて
対物レンズがフォーカシング方向或いはトラッキング方
向へと正確に駆動変位されて、レーザ光を光ディスクの
信号記録面に正確に集光させるとともに、光ディスクの
記録トラックへ正確に追従させる。
【0028】また、本発明に係る対物レンズ駆動装置に
よれば、複数の弾性支持部材は、フォーカシング方向の
一次共振周波数或いはトラッキング方向の一次共振周波
数のいずれか一方の一次共振周波数が他方の一次共振周
波数に対して低くされる断面形状を有することにより、
一次共振周波数が全体としてフォーカシング制御動作或
いはトラッキング制御動作の周波数帯域外に移動される
ことになる。これによって、対物レンズ駆動装置は、フ
ォーカス制御信号或いはトラッキング制御信号に基づい
て対物レンズがフォーカシング方向或いはトラッキング
方向へと正確に駆動変位されて、レーザ光を光ディスク
の信号記録面に正確に集光させるとともに、光ディスク
の記録トラックへ正確に追従させる。
【0029】本発明に係る対物レンズ駆動装置に備えら
れる弾性支持部材の製造方法によれば、素材として用い
られるフォーカシング方向のバネ定数とトラッキング方
向のバネ定数とがほぼ等しい断面形状の線状素材に塑性
加工等による圧力をかけることによって、フォーカシン
グ方向のバネ定数とトラッキング方向のバネ定数とを異
にする断面形状の弾性支持部材が極めて容易に形成され
る。かかる弾性支持部材を備えた対物レンズ駆動装置
は、弾性支持部材の一次共振周波数が、全体としてフォ
ーカシング制御動作或いはトラッキング制御動作の周波
数帯域外に移動されることになる。したがって、弾性支
持部材は、制御部から送出されるフォーカス制御信号或
いはトラッキング制御信号に基づいて、対物レンズをフ
ォーカシング方向或いはトラッキング方向へと正確に駆
動変位させて、レーザ光を光ディスクの信号記録面に正
確に集光させるとともに、光ディスクの記録トラックへ
正確に追従させるようにする。
【0030】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について図面
を参照して説明する。実施例対物レンズ駆動装置1は、
レーザ光源、ビームスプリッタやマルチレンズ等からな
る光学系或いは光検出器等が備えられた光ピックアップ
装置に組み立てられる。光ピックアップ装置は、レーザ
光源から出射したレーザ光を対物レンズ駆動装置1によ
って制御動作される対物レンズ2へと入射する。レーザ
光は、対物レンズ2によってこの光ピックアップ装置が
備えられる再生装置に装填された光ディスクの信号記録
面に集光されて照射される。レーザ光は、光ディスクの
信号記録面において反射され、再び対物レンズ2へ戻り
レーザ光として入射される。
【0031】光ピックアップ装置は、対物レンズ2から
の戻りレーザ光をビームスプリッタによって分光し、入
射レーザ光と戻りレーザ光との対物レンズ2の光軸と平
行な方向であるフォーカシング方向と光軸と直交する方
向であるトラッキング方向の差異成分を光検出器によっ
て検出する。検出されたフォーカシング方向とトラッキ
ング方向の差異成分は、フォーカスエラー信号或いはト
ラッキングエラー信号として制御部を介して対物レンズ
駆動装置1へと供給される。
【0032】対物レンズ駆動装置1は、このようにして
戻りレーザ光から得られるフォーカスエラー信号及びト
ラッキングエラー信号に応じた制御電流によって対物レ
ンズ2を駆動する。対物レンズ2は、光ディスクの記録
トラックに追従して、光軸と平行なフォーカシング方向
に制御されるフォーカシング制御動作及び光軸と直交す
るトラッキング方向に制御されるトラッキング制御動作
とが行なわれる。
【0033】対物レンズ駆動装置1は、図1乃至図3に
示すように、光学系の一部を構成する対物レンズ2と、
この対物レンズ2が組み付けられる対物レンズ保持体3
と、対物レンズ2をフォーカシング方向とトラッキング
方向とにそれぞれ駆動する電磁駆動手段4を構成するフ
ォーカシングコイル5と、一対のトラッキングコイル6
A、6Bと、マグネット7及びヨーク部材8と、支持体
ホルダ9と、弾性支持部材10A乃至10Dを主たる構
成部材としている。
【0034】対物レンズ保持部材3は、合成樹脂材料に
よって成形され、略々角筒状のボビン部31と、その一
方側面部に一体に形成された円筒形状のレンズホルダ部
32とから構成されている。レンズホルダ部32には、
高さ方向に貫通するレンズ穴33に対物レンズ2が組み
付けられている。このレンズホルダ部32と隣り合うボ
ビン部31は、互いに連通する幅方向を長手方向とした
矩形の大口径部34と開口形状が略正方形の小口径部3
5とからなる略凸字状のコイル組込み穴36が高さ方向
に貫通して設けられている。コイル組込み穴36とレン
ズ穴33とは、互いに平行している。コイル組込み穴3
6の大口径部34は、コイル組込み部を構成し、また小
口径部35は、ヨーク貫通部を構成する。
【0035】フォーカシングコイル5は、対物レンズ保
持部材3のボビン部31とほぼ等しい高さ寸法を有する
角筒状のボビン41の外周部に捲線を施して構成され
る。このフォーカシングコイル5は、捲線の巻き方向が
レンズホルダ部32に組み付けられた対物レンズ2の光
軸と平行となるようにして、ボビン部31の大口径部3
4内に組み込まれる。フォーカシングコイル5は、大口
径部34内に組み込まれた状態において、この大口径部
34の内壁と相対する外周部とが接着剤等によって接合
されることによりボビン部31と一体化されている。
【0036】トラッキングコイル6A、6Bは、それぞ
れ偏平な角筒状のボビン61A,61Bの外周部に捲線
を施して構成される。これらトラッキングコイル6A、
6Bは、長手寸法が対物レンズ保持部材3のボビン部3
1とほぼ等しい高さ寸法とされるとともに幅寸法が大口
径部34の長手方向の寸法の1/2よりもやや小とされ
ている。トラッキングコイル6A、6Bは、大口径部3
4と小口径部35との境界部に位置して、フォーカシン
グコイル5の一方側面部に接着剤等によって接合されて
対物レンズ保持部材3のボビン部31に組み付けられ
る。これらトラッキングコイル6A、6Bは、ボビン部
31の大口径部34内に組み込まれた状態において、捲
線の巻き方向がレンズホルダ部32に組み付けられた対
物レンズ2の光軸と直交している。
【0037】ヨーク部材8は、図2に示すように、珪素
鋼等の高透磁率金属板を材料にして全体が略H字状を呈
して形成され、両側片部81、82を連結する連結部8
3の両側縁部にそれぞれヨーク片83、84が一体に立
ち上がり形成されている。ヨーク部材8は、両側片部8
1、82と連結部83とで構成された空間部をレーザ光
の光路として、光ピックアップ装置に組み付けられる。
ヨーク片83、84は、それぞれ対物レンズ保持部材3
のコイル組込み穴36の大口径部34と小口径部35と
に位置して貫通される対向間隔を以って連結部83に形
成されている。ヨーク部材8の両側片部81、82に
は、側縁部にフォーカシングコイル5及びトラッキング
コイル6A、6Bに駆動電流を供給するための制御部と
の接続部85A乃至85Cが一体に立ち上がり形成され
ている。
【0038】一方のヨーク片83は、対物レンズ駆動装
置1の構成各部材を組み立てた状態において、対物レン
ズ保持部材3の大口径部34に組み付けられたフォーカ
シングコイル5に貫通される。また、他方のヨーク片8
4には、ヨーク片83との対向側面にマグネット7が接
合されている。このヨーク片84は、対物レンズ保持部
材3の小口径部35に貫通される。マグネット7は、ヨ
ーク片84が小口径部35に貫通された状態において、
幅方向に併設された一対のトラッキングコイル6A、6
Bに跨がって対向位置される。
【0039】支持体ホルダ9は、合成樹脂材料によっ
て、互いに対向する両側面部91、92と、天井部92
とからなる略下向きコ字状に形成されている。この支持
体ホルダ9は、両側面部91、92の脚部91A、92
Aがヨーク部材8の両側片部81、82上に接合される
ことによって一体的に組み合わされる。ヨーク部材8と
支持体ホルダ9との間には、互いに組み合わせた状態に
おいて、レーザ光源から対物レンズ2へとレーザ光が導
かれる光路が構成される。
【0040】支持体ホルダ9には、一方の側面部91に
上下方向に離間して弾性支持部材10A、10Bの一端
部がそれぞれ固定され、他方の側面部92に上下方向に
離間して弾性支持部材10C、10Dの一端部がそれぞ
れ固定される。これら弾性支持部材10A乃至10D
は、後述するように充分な弾性を有する部材によって形
成されており、他端部側がそれぞれ対物レンズ保持部材
3の両側面部に固定されている。したがって、対物レン
ズ保持部材3は、支持体ホルダ9に対して、弾性支持部
材10A乃至10Dを介して弾性変位自在に支持され
る。なお、対物レンズ保持部材3或いは支持体ホルダ9
には、図示しないが、弾性支持部材10A乃至10Dの
端部がそれぞれ嵌合されることによって位置決め固定す
るための嵌合凹部等が形成されている。
【0041】弾性支持部材10A乃至10Dは、充分な
機械的強度を有しかつ比較的軽量であるとともに廉価な
ピアノ線等の弾性を有する線状部材を素材によって形成
される。例えば、図1において上側に位置される弾性支
持部材10Aと弾性支持部材10Cとは、基端部におい
て支持体ホルダ9の幅寸法とほぼ等しい連結部を介して
一体に連結された全体としてコ字状として構成される。
また、下側に位置される弾性支持部材10Bと弾性支持
部材10Dも、基端部において支持体ホルダ9の幅寸法
とほぼ等しい連結部を介して一体に連結された全体とし
てコ字状として構成される。
【0042】これら弾性支持部材10A乃至10Dは、
対物レンズ保持部材3及び支持体ホルダ9の外周部を連
結部で取り囲むようにしてこれら対物レンズ保持部材3
及び支持体ホルダ9に対して接着、超音波溶着等の方法
によって固定される。この場合、弾性支持部材10Aと
弾性支持部材10Cとは、同一面を構成するようにして
対物レンズ保持部材3及び支持体ホルダ9に固定され、
また弾性支持部材10Bと弾性支持部材10Dも、これ
ら弾性支持部材10Aと弾性支持部材10Cと平行な同
一面を構成するようにして対物レンズ保持部材3及び支
持体ホルダ9に固定される。
【0043】弾性支持部材10A乃至10Dは、上述し
た接着、超音波溶着法以外にの方法として、例えば連結
部側を対物レンズ保持部材3或いは支持体ホルダ9に対
してインサート成形法を利用して固定するとともに、他
端部を支持体ホルダ9或いは対物レンズ保持部材3に対
して接着、超音波溶着等の方法によって固定してもよ
い。さらにまた、弾性支持部材10A乃至10Dは、対
物レンズ保持部材3と支持体ホルダ9とを一時に成形す
る際に、インサート成形法を利用してこれら対物レンズ
保持部材3と支持体ホルダ9と固定してもよい。さらに
また、弾性支持部材10A乃至10Dは、それぞれ独立
の部材によって構成し、上述した各方法によって対物レ
ンズ保持部材3或いは支持体ホルダ9に対して固定して
もよい。
【0044】弾性支持部材10A乃至10Dには、対物
レンズ保持部材3と支持体ホルダ9との間にバネ定数制
御部11A乃至11Bがそれぞれ形成されている。これ
らバネ定数制御部11A乃至11Bは、フォーカシング
方向とトラッキング方向とでバネ定数が異にされた形状
を呈する部位として、対物レンズ保持部材3と支持体ホ
ルダ9との間に構成されている。すなわち、バネ定数制
御部11A乃至11Bは、例えば断面形状がフォーカシ
ング方向とトラッキング方向とで寸法を異にした断面形
状に形成されている。
【0045】弾性支持部材10A乃至10Dの素材とな
るピアノ線は、一般に断面形状が円形であってフォーカ
シング方向成分とトラッキング方向成分とのバネ定数が
一定であり、固有の一次共振周波数を有している。素材
のピアノ線は、上述したバネ定数制御部11A乃至11
Bを形成するために、コ字状に折曲した後、例えば図4
及び図5に示すように、このピアノ線15の直径よりも
小間隔に設定された一対の圧延ローラ16、17によっ
て圧延処理が施こされる。ピアノ線15は、圧延ローラ
16、17との間に押し込まれるにしたがって、図5に
示すように、トラッキング方向に押し潰されて、断面円
形の形状からトラッキング方向が長軸とされた楕円形状
とされる。
【0046】上述した圧延ローラ16、17を用いる方
法は、ピアノ線15に軸方向に長い部分に亘ってバネ定
数制御部11A乃至11Dを形成する場合において有効
な方法である。後述するように、バネ定数制御部11A
乃至11Dは、弾性指示部材10A乃至10Dの一部分
に形成してもよい。コ字状に折曲された素材のピアノ線
15は、例えば図6に示したように、矩形のダイ18と
ポンチ19とを用いてプレス加工を施すことによって、
バネ定数制御部11A乃至11Dを形成することができ
る。
【0047】すなわち、ピアノ線15は、ダイ18上に
載置した状態でポンチ19によって押し潰すことによ
り、バネ定数制御部11A乃至11Dが形成される。こ
のプレス加工によって形成されるバネ定数制御部11A
乃至11Dは、図7に示すように、弾性支持部材10A
乃至10Dの一部の領域がダイ18とポンチ19との長
さ寸法に対応してトラッキング方向に押し潰されること
により、断面円形の形状からトラッキング方向が長軸と
された楕円形状の部位として構成される。
【0048】また、弾性支持部材10A乃至10Dを形
成する素材は、上述した断面が円形のピアノ線15ばか
りでなく、例えば図8に示した断面形状が正方形である
弾性を有する線状部材15Aを用いることができる。こ
の線状部材15Aもまた、断面形状が正方形とされるこ
とからフォーカシング方向成分とトラッキング方向成分
とのバネ定数が一定であり、固有の一次共振周波数を有
している。この線状素材15Aは、上述した圧延ローラ
16、17とを用いた圧延加工或いはダイ18とポンチ
19とを用いたプレス加工を施すことによって、断面形
状がトラッキング方向を長手方向とした断面矩形のバネ
定数制御部11A乃至11Dが形成される。
【0049】上述した種々の方法は、線状部材15に断
面形状がトラッキング方向を長軸としたバネ定数制御部
11A乃至11Dを形成する場合を説明したが、線状部
材の向きを90°変えて圧延加工等を施すことにより、
断面形状がフォーカシング方向を長軸としたバネ定数制
御部11A乃至11Dを形成するようにしてもよいこと
は勿論である。
【0050】さらに、線状部材15には、図9に示すよ
うに、軸方向に沿って複数箇所にバネ定数制御部11A
乃至11Dを形成するようにしてもよいことは勿論であ
る。複数のバネ定数制御部11A乃至11Dの形成方法
としては、上述したダイ18とポンチ19とを用いたプ
レス加工が有効である。
【0051】弾性支持部材10A乃至10Dは、トラッ
キング方向を長軸とした断面形状をのバネ定数制御部1
1A乃至11Bを有する場合に、これらバネ定数制御部
11A乃至11B部分がトラッキング方向に対してフォ
ーカシング方向により撓みやすくなる。このように、弾
性支持部材10A乃至10Dは、バネ定数制御部11A
乃至11Bを有することにより、フォーカシング方向と
トラッキング方向の一次共振周波数が異にされて構成さ
れる。このフォーカシング方向とトラッキング方向の一
次共振周波数は、バネ定数制御部11A乃至11Dの断
面形状、長さ寸法によって容易に変更可能である。
【0052】なお、弾性支持部材10A乃至10Dに
は、フォーカシングコイル5及びトラッキングコイル6
A、6Bの捲線の一端部がそれぞれ接続されることによ
って、フォーカシング信号及びトラッキング信号に応じ
た制御電流の供給線として作用する。
【0053】以上のように構成された実施例対物レンズ
駆動装置1は、フォーカシングコイル5にフォーカスエ
ラー信号に応じた駆動電流が供給されると、このフォー
カシングコイル5に流れる電流とマグネット7からの磁
束とによって対物レンズ保持部材3に対して対物レンズ
2と平行な方向に駆動させる磁気的駆動力を発生させ
る。この磁気的駆動力は、弾性支持部材10A乃至10
Dを図1において矢印Fで示す対物レンズ2の光軸と平
行なフォーカシング方向へと弾性変位させる。したがっ
て、対物レンズ保持部材3は、フォーカシング方向に調
動され、対物レンズ2を光ディスクの信号記録面に対し
て接離する方向に調動してこの信号記録面上に入射レー
ザ光が集光されるようにする。
【0054】対物レンズ駆動装置1は、トラッキングコ
イル6A、6Bのいずれか一方にトラッキングエラー信
号に応じた駆動電流が供給されると、これらトラッキン
グコイル6A、6Bに流れる電流とマグネット7からの
磁束とによって対物レンズ保持部材3に対して対物レン
ズ2と直交する方向に駆動させる磁気的駆動力を発生さ
せる。この磁気的駆動力は、弾性支持部材10A乃至1
0Dを図1において矢印Tで示す対物レンズ2の光軸と
直交する左右いずれか一方のトラッキング方向へと弾性
変位させる。したがって、対物レンズ保持部材3は、左
右いずれかのトラッキング方向に調動され、対物レンズ
2を光ディスクの記録トラックに正確に追従させ、この
記録トラックに入射レーザ光が集光されるようにする。
【0055】実施例対物レンズ駆動装置1は、対物レン
ズ2のフォーカシング制御動作及びトラッキング制御動
作に際して、対物レンズ保持部材3を弾性変位自在に支
持する弾性支持部材10A乃至10Dの共振振動がバネ
定数制御部11A乃至11Dを形成することによって防
止される。すなわち、弾性支持部材10A乃至10D
は、素材である断面円形のピアノ線15がそのまま用い
られた場合には、フォーカシング方向とトラッキング方
向とが同一の固有の一次共振周波数を有することにな
る。対物レンズ駆動装置1は、上述したように弾性支持
部材10A乃至10Dの対物レンズ保持部材3と支持体
ホルダ9との間にバネ定数制御部11A乃至11Dを形
成することにより、これら弾性支持部材10A乃至10
Dのフォーカシング方向の共振周波数とトラッキング方
向の共振周波数とが異にされて構成される。
【0056】対物レンズ駆動装置1は、対物レンズ2の
フォーカシング制御動作又はトラッキング制御動作が弾
性支持部材10A乃至10Dの素材が有する固有共振周
波数の帯域中で行われる場合においても、これら弾性支
持部材10A乃至10Dにバネ定数制御部11A乃至1
1Dが形成されていることにより、共振周波数帯域外へ
と移動された構成とされている。したがって、対物レン
ズ保持部材3は、対物レンズ2のフォーカシング制御動
作又はトラッキング制御動作が行われた場合において
も、弾性支持部材10A乃至10Dの共振振動の発生が
防止されて安定した状態でフォーカシング方向或いはト
ラッキング方向に動作される。
【0057】したがって、対物レンズ2は、フォーカシ
ングエラー信号に基づいて光ディスクの信号記録面に対
して接離する方向に調動されて、この信号記録面上に入
射レーザ光を集光する。また、対物レンズ2は、トラッ
キングエラー信号に基づいて光ディスクの記録トラック
に正確に追従動作されて、この記録トラックに入射レー
ザ光を集光する。対物レンズ駆動装置1は、以上のよう
に対物レンズ2を精密に制御動作することによって、光
ディスクに記録された情報信号を正確に再生する。
【0058】なお、本発明は、上述した対物レンズ駆動
装置1に限定されるものではなく、例えば光ディスクを
挟んで対物レンズ2に対向された磁気ヘッドを有し、光
ディスクからの情報信号の再生動作ばかりでなく信号記
録面に情報信号を記録可能とした光ピックアップ装置に
備えられる対物レンズ駆動装置等にも採用される。
【0059】
【発明の効果】上述したように本発明に係る対物レンズ
駆動装置によれば、対物レンズが組み付けられた対物レ
ンズ保持部材をフォーカシング方向とトラッキング方向
とに弾性変位自在に支持する複数の弾性支持部材にそれ
ぞれバネ定数制御部を形成し、これらバネ定数制御部に
よって弾性支持部材のフォーカシング方向の一次共振周
波数とトラッキング方向の一次共振周波数のいずれか一
方の共振周波数を他方の一次共振周波数に対して低くす
るように構成したことにより、弾性支持部材の全体の一
次共振周波数が対物レンズのフォーカシング制御動作或
いはトラッキング制御動作の周波数帯域外に移動される
ようになる。したがって、対物レンズ駆動装置は、対物
レンズの制御動作に際して共振振動の発生が防止され
て、フォーカス制御信号或いはトラッキング制御信号に
基づいて対物レンズをフォーカシング方向とトラッキン
グ方向とに安定した状態で正確に駆動変位させ、レーザ
光を光ディスクの信号記録面に正確に集光させるととも
に、光ディスクの記録トラックへ正確に追従させて情報
信号の高精度の記録再生を可能とする。
【0060】また、本発明に係る対物レンズ駆動装置に
よれば、対物レンズが組み付けられた対物レンズ保持部
材をフォーカシング方向とトラッキング方向とに弾性変
位自在に支持する複数の弾性支持部材が、それぞれフォ
ーカシング方向の一次共振周波数とトラッキング方向の
一次共振周波数とを異にする断面形状を有して構成され
ていることにより、全体の一次共振周波数が対物レンズ
のフォーカシング制御動作或いはトラッキング制御動作
の周波数帯域外に移動されるようになる。したがって、
対物レンズ駆動装置は、対物レンズの制御動作に際して
共振振動の発生が防止されて、フォーカス制御信号或い
はトラッキング制御信号に基づいて対物レンズをフォー
カシング方向とトラッキング方向とに安定した状態で正
確に駆動変位させ、レーザ光を光ディスクの信号記録面
に正確に集光させるとともに、光ディスクの記録トラッ
クへ正確に追従させて情報信号の高精度の記録再生を可
能とする。
【0061】また、本発明に係る対物レンズ駆動装置に
備えられる弾性支持部材の製造方法によれば、素材とし
て用いられる線状部材としてフォーカシング方向のバネ
定数とトラッキング方向のバネ定数とがほぼ等しい比較
的廉価な線状部材が用いられて、これら線状部材に塑性
加工等を施してフォーカシング方向のバネ定数とトラッ
キング方向のバネ定数とを異にする断面形状の弾性支持
部材を製造することから、これら弾性支持部材を備える
ことによって、対物レンズの制御動作に際して共振振動
の発生が防止されて、フォーカス制御信号或いはトラッ
キング制御信号に基づいて対物レンズをフォーカシング
方向とトラッキング方向とに安定した状態で正確に駆動
変位させ、レーザ光を光ディスクの信号記録面に正確に
集光させるとともに、光ディスクの記録トラックへ正確
に追従させて情報信号の高精度の記録再生を可能とする
対物レンズ駆動装置を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る対物レンズ駆動装置の実施例を示
す斜視図である。
【図2】同対物レンズ駆動装置の分解斜視図である。
【図3】同対物レンズ駆動装置の要部分解斜視図であ
る。
【図4】同対物レンズ駆動装置に備えられる弾性支持部
材の製造方法を模式的に説明する図であり、素材である
ピアノ線に圧延加工を施してバネ定数制御部を形成する
方法を示す。
【図5】同圧延加工によるピアノ線の形状変化の状態を
模式的に示した図である。
【図6】同対物レンズ駆動装置に備えられる弾性支持部
材の他の製造方法を模式的に説明する図であり、素材で
あるピアノ線にプレス加工を施してバネ定数制御部を形
成する方法を示す。
【図7】同プレス加工によってバネ定数制御部を形成し
た弾性支持部材の形状を説明する要部側面図である。
【図8】断面が正方形である線状部材を素材として形成
した弾性支持部材の形状を説明する要部側面図である。
【図9】複数のバネ定数制御部が形成された弾性支持部
材の要部側面図である。
【図10】従来の対物レンズ駆動装置を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 対物レンズ駆動装置 2 対物レンズ 3 対物レンズ保持部材 4 電磁駆動手段 5 フォーカシングコイル 6 トラッキングコイル 7 マグネット 8 ヨーク部材 9 支持体ホルダ 10A乃至10D 弾性支持部材 11A乃至10D ハネ定数制御部 15 ピアノ線(線状素材)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対物レンズが取付けられた対物レンズ保
    持体と、 この対物レンズ保持体を対物レンズの光軸と平行なフォ
    ーカシング方向と対物レンズの光軸と直交するトラッキ
    ング方向とに駆動する電磁駆動手段と、 一端部が固定部に固定されるとともに他端部が対物レン
    ズ保持体に固定されてこの対物レンズ保持体をフォーカ
    シング方向とトラッキング方向とに弾性変位自在に支持
    する複数の弾性支持部材とを備え、 これら弾性支持部材には、一端部と他端部との間に、フ
    ォーカシング方向の一次共振周波数とトラッキング方向
    の一次共振周波数のうちのいずれか一方の一次共振周波
    数に対して他方の一次共振周波数を低くするバネ定数制
    御部が少なくとも一箇所に形成されたことを特徴とする
    対物レンズ駆動装置。
  2. 【請求項2】 バネ定数制御部は、それぞれ弾性支持部
    材の他の部位の断面形状と異にしかつフォーカシング方
    向又はトラッキング方向に撓みやすい断面形状に形成さ
    れたことを特徴とする請求項1に記載の対物レンズ駆動
    装置。
  3. 【請求項3】 バネ定数制御部は、それぞれフォーカシ
    ング方向又はトラッキング方向のいずれか一方の方向と
    直交する方向を長軸とした断面形状に形成されたことを
    特徴とする請求項2記載の対物レンズ駆動装置。
  4. 【請求項4】 各弾性支持部材は、フォーカシング方向
    のバネ定数とトラッキング方向のバネ定数とをほぼ等し
    くする断面形状の線状部材を材料にして形成され、 それぞれバネ定数制御部が、フォーカシング方向のバネ
    定数とトラッキング方向のバネ定数とを異にする断面形
    状に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の対物
    レンズ駆動装置。
  5. 【請求項5】 バネ定数制御部は、それぞれフォーカシ
    ング方向又はトラッキング方向のいずれか一方の方向と
    直交する方向を長軸とした断面形状に形成されたことを
    特徴とする請求項4記載の対物レンズ駆動装置。
  6. 【請求項6】 各弾性支持部材は、断面形状が円形の線
    状部材を材料にして形成され、 バネ定数制御部が、それぞれフォーカシング方向又はト
    ラッキング方向のいずれか一方の方向と直交する方向を
    長軸とした楕円形状に形成されたことを特徴とする請求
    項1記載の対物レンズ駆動装置。
  7. 【請求項7】 対物レンズが取付けられた対物レンズ保
    持体と、 この対物レンズ保持体を対物レンズの光軸と平行なフォ
    ーカシング方向と対物レンズの光軸と直交するトラッキ
    ング方向とに駆動する電磁駆動手段と、 一端部が固定部に固定されるとともに他端部が対物レン
    ズ保持体に固定されてこの対物レンズ保持体をフォーカ
    シング方向とトラッキング方向とに弾性変位自在に支持
    する複数の弾性支持部材とを備え、 これら弾性支持部材は、それぞれフォーカシング方向の
    一次共振周波数とトラッキング方向の一次共振周波数の
    うちのいずれか一方の一次共振周波数に対して他方の一
    次共振周波数が低くなるような断面形状を有する線状部
    材によって形成されたことを特徴とする対物レンズ駆動
    装置。
  8. 【請求項8】 各弾性部材は、フォーカシング方向のバ
    ネ定数とトラッキング方向のバネ定数とを異にする断面
    形状に形成されたことを特徴とする請求項7に記載の対
    物レンズ駆動装置。
  9. 【請求項9】 各弾性部材は、それぞれフォーカシング
    方向又はトラッキング方向のいずれか一方の方向と直交
    する方向を長軸とした断面形状に形成されたことを特徴
    とする請求項8に記載の対物レンズ駆動装置。
  10. 【請求項10】 一端部が固定部に固定されるとともに
    他端部が対物レンズ保持体に固定されることによってこ
    の対物レンズ保持体をフォーカシング方向とトラッキン
    グ方向とに弾性変位自在に支持するための対物レンズ駆
    動装置に備えられる弾性支持部材の製造方法は、 塑性加工を可能とする材料でありかつフォーカシング方
    向のバネ定数とトラッキング方向のバネ定数とをほぼ等
    しくする断面形状である線状素材が用いられ、この素材
    の少なくとも一方向より圧力を加えることによって、少
    なくとも一部の部位をフォーカシング方向のバネ定数と
    トラッキング方向のバネ定数とが異にされた断面形状に
    形成されたことを特徴とする対物レンズ駆動装置に備え
    られる弾性支持部材の製造方法。
  11. 【請求項11】 少なくとも一部の部位の断面形状が、
    フォーカシング方向又はトラッキング方向のいずれか一
    方の方向と直交する方向を長軸とした断面形状の線状部
    材が素材として用いられたことを特徴とする請求項10
    に記載の対物レンズ駆動装置に備えられる弾性支持部材
    の製造方法。
JP30594094A 1993-12-28 1994-12-09 対物レンズ駆動装置、及びこの対物レンズ駆動装置に備えられる弾性支持部材の製造方法 Pending JPH07235070A (ja)

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