WO2005074057A1 - 電池電極板及び電池電極板の製造方法 - Google Patents

Abstract

　金属箔製芯材に電極活物質を塗布した電池電極板をロールプレス装置によりプレス成形しても、プレスロールの表面の磨耗量が大きくならないようにして、プレスロールの寿命の長期化を図り、以って、プレスロール研削の回数及び研削量を減少させてロール保守費用を削減すると共に、生産能率を向上させる。 　帯状の金属箔製芯材１の少なくとも上下何れかの面に、長手方向へ不連続に複数の電極活物質２が設けられた電池電極板３であって、隣り合う電極活物質２の金属箔製芯材１幅方向端部位置を互いに異ならしめる。

Description

明 細 書

電池電極板及び電池電極板の製造方法

技術分野

[0001] 本発明は電池電極板及び電池電極板の製造方法に関する。

背景技術

[0002] 例えばリチウム電池正極材のような電池電極は、従来、アルミ箔等の金属箔集電体 である金属箔製芯材上に電極合剤である正極活物質 (LiCoO )を塗布して乾燥さ

2

せた後、プレスロールを備えたロールプレス装置によりプレス成形して前記正極活物 質の嵩密度を高めることが行われてレ、る。

[0003] 而して、金属箔製芯材に正極活物質のような電極活物質を塗布し、乾燥して形成 した電池電極板は、図 1、図 2に示されている。図中、 1はアルミ箔等の金属箔集電体 である略同一幅の帯状の金属箔製芯材、 2は金属箔製芯材 1の上下面に面状に塗 布されて乾燥された正極活物質等の電極活物質であり、金属箔製芯材 1及び電極 活物質 2により電池電極板 3が形成されている。電極活物質 2は金属箔製芯材 1の長 手方向へ一定の寸法で不連続に設けられていると共に、金属箔製芯材 1の幅は W、 電極活物質 2の幅は Woである。又、金属箔製芯材 1の幅端部と各電極活物質 2の幅 端部との間の寸法 (W— Wo) Z2は、同一ロットでは全て等しく形成されており、電極 活物質 2の幅端部は電池電極板 3の長手方向へ向けて同一直線上に位置している

[0004] 図 1、図 2に示す電池電極板 3をロールプレス装置のプレスロールによりプレス成形 する状態は図 3、図 4に示されており、図中、 4は上下一対のプレスロール 5, 6を備え たロールプレス装置である。電池電極板 3はプレスロール 5, 6間を通過する際にプレ ス成形され、電極活物質 2は圧縮されてその嵩密度が向上する。

[0005] なお、金属箔製芯材上に電極活物質を塗布する先行技術としては、特許文献 1が あり、ロールプレス装置のプレスロールによりプレス成形して電極活物質の嵩密度を 向上させるようにした先行技術としては、特許文献 2がある。

特許文献 1：特開平 9 - 274909号公報 特許文献 2：特開平 11一 3701号公報

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0006] 金属箔製芯材 1の長手方向へ不連続に塗布された電極活物質 2の幅 Woは、同一 ロットでは全て同一寸法で且つ幅端部の位置は電池電極板 3の長手方向へ向けて 略同一直線状に位置している。このため、ロールプレス装置 4によるプレス成形時に 電極活物質 2の幅端部が当接するプレスロール 5, 6に対する位置もプレスロール 5, 6の幅端部位置に近い略同一位置となる。

[0007] しかるに、乾燥した電極活物質 2は硬いため、ロールプレス装置 4により電池電極板 3のプレス成形を行うと、電極活物質 2の幅端部位置が当接する位置 X (図 4、図 5参 照）におけるプレスロール 5, 6の表面の磨耗量が大きくなり（図 5では、プレスロール 5 側のみ図示）、電池電極板 3の円滑なプレス成形を行うことができなくなる。このため、 従来はプレスロール研削の回数が増大してロール保守費用の増大や生産能率の低 下を招来している。斯かる事情は特許文献 1に示す装置により電極活物質の塗布を 行い、特許文献 2の装置によりプレス成形しても同様である。

[0008] 本発明の目的は、上述の実情に鑑み、金属箔製芯材に電極活物質を塗布し、乾 燥させた電池電極板をロールプレス装置によりプレス成形しても、プレスロールの軸 線方向端部近傍所定位置における表面の磨耗量が大きくならないようにして、プレス ロールの寿命の長期化を図り、以つて、プレスロール研削の回数や研削量を減少さ せてロール保守費用を削減すると共に、生産能率を向上させることにある。 課題を解決するための手段

[0009] 本発明の電池電極板は、帯状の金属箔製芯材の少なくとも上下何れかの面に、長 手方向へ不連続に複数の電極活物質面が設けられた電池電極板であって、複数の 電極活物質面のうち少なくとも 1箇所の電極活物質面における金属箔製芯材幅方向 における幅端部位置を、他の電極活物質面における金属箔製芯材幅方向における 幅端部位置とは異ならしめたことを特徴とするものである。

[0010] 又、本発明の電池電極板は、帯状の金属箔製芯材の少なくとも上下何れかの面に

、長手方向へ不連続に複数の電極活物質面が設けられた電池電極板であって、隣 り合う電極活物質面の金属箔製芯材幅方向端部位置を互いに異ならしめたことを特 徴とするものである。

[0011] 又、本発明の電池電極板は、電極活物質面の幅を略同一とすることができ、電極 活物質面の幅を異ならしめることができ、電極活物質面のうち所定の電極活物質面 の幅を略同一とし、他の電極活物質面の幅を異ならしめることもできる。

[0012] 本発明の電池電極板は、帯状の金属箔製芯材の少なくとも上下何れかの面に、長 手方向へ不連続に複数の電極活物質面が設けられた電池電極板であって、所定の 電極活物質面の幅を金属箔製芯材の長手方向一端側と他端側において異ならしめ たことを特徴とするものである。

[0013] 又、本発明の電池電極板は、帯状の金属箔製芯材の上下面に、長手方向へ不連 続に複数の電極活物質面が設けられた電池電極板であって、上下の電極活物質面 の金属箔製芯材幅方向における幅端部位置を異ならしめたことを特徴とするもので ある。

[0014] 又、本発明の電池電極板は、上下面に設けた電極活物質面の幅を略同一とするこ とができ、上下面に設けた電極活物質面の幅を異ならしめることもできる。

[0015] 本発明の電池電極板の製造方法は、帯状の金属箔製芯材の少なくとも上下何れ 力の面に、長手方向へ不連続に複数の電極活物質面が設けられた電池電極板の製 造方法であって、複数の電極活物質面のうち少なくとも 1箇所の電極活物質面にお ける金属箔製芯材幅方向における幅端部位置を、他の電極活物質面における金属 箔製芯材幅方向における幅端部位置とは異ならしめて、前記金属箔製芯材に電極 活物質面を形成することを特徴とするものである。

[0016] 又、本発明の電池電極板の製造方法は、帯状の金属箔製芯材の少なくとも上下何 れかの面に、長手方向へ不連続に複数の電極活物質面が設けられた電池電極板の 製造方法であって、隣り合う電極活物質面の金属箔製芯材幅方向端部位置を互い に異ならしめて、前記金属箔製芯材に電極活物質面を形成することを特徴とするも のである。

[0017] 又、本発明の電池電極板の製造方法は、帯状の金属箔製芯材の少なくとも上下何 れかの面に、長手方向へ不連続に複数の電極活物質面が設けられた電池電極板の 製造方法であって、所定の電極活物質面の幅を金属箔製芯材の長手方向一端側と 他端側において異ならしめて、前記金属箔製芯材に電極活物質面を形成することを 特徴とするものである。

[0018] 又、本発明の電池電極板の製造方法は、帯状の金属箔製芯材の上下面に、長手 方向へ不連続に複数の電極活物質面が設けられた電池電極板の製造方法であって 、上下の電極活物質面の金属箔製芯材幅方向における幅端部位置を異ならしめて 、前記金属箔製芯材に電極活物質面を形成することを特徴とするものである。

発明の効果

[0019] 本発明の電池電極板及び電池電極板の製造方法によれば、金属箔製芯材に電極 活物質面を設けた電池電極板をロールプレス装置によりプレス成形しても、各電極 活物質面の幅端部のプレスロールに対する当接位置が種々となるため、電極活物質 面の幅端部によるプレスロールの表面の磨耗量が大きくならず、従って、プレスロー ルの寿命の長期化を図ることができ、以つて、プレスロール研削の回数及び研削量 が減少することにより、ロール保守費用を削減することができると共に、生産能率が向 上する、という優れた効果を奏し得る。

図面の簡単な説明

[0020] [図 1]従来の電池電極板及び電池電極板の製造方法の一例を示す平面図である。

[図 2]図 1の II一 II方向矢視図である。

[図 3]電池電極板をロールプレス装置によりプレス成形する状態を示す側面図である [図 4]図 3の IV— IV方向矢視図である。

[図 5]図 3、図 4に示すロールプレス装置によりプレス成形した際のプレスロールの磨 耗状態を示す模式図である。

[図 6]本発明の電池電極板及び電池電極板の製造方法の一実施例を示す平面図で ある。

[図 7]図の 6の VII— VII方向矢視図である。

[図 8]本発明の電池電極板及び電池電極板の製造方法の別の実施例を示す平面図 である。 [図 9]本発明の電池電極板及び電池電極板の製造方法の更に別の実施例を示す断 面図である。

符号の説明

[0021] 1 金属箔製芯材

2 電極活物質 (電極活物質面）

3 電池電極板

Wl、 W2、 W3、 W4、 W5 幅

発明を実施するための最良の形態

[0022] 以下、本発明の実施例を、添付図面を参照して説明する。

図 6、図 7は本発明の一実施例である。図中、図 1、図 2と同一の符号を付した部分 は同一物を表わしており、基本的な構成は従来のものと略同様である。而して、本実 施例の特徴とするところは、図 6に示すように、金属箔製芯材 1の長手方向へ不連続 に設けられた複数の電極活物質 2の金属箔製芯材 1幅方向における幅端部位置を 夫々異ならしめるようにしている点である。

[0023] 図 6においては、帯状の金属箔製芯材 1の幅は Wであり、又、金属箔製芯材 1の長 手方向へ不連続に塗布された複数の電極活物質 2の幅は、上下面の何れにおいて も、全て Woと同一である。しかし、各電極活物質 2の一方の幅端部と金属箔製芯材 1 の一方の幅端部間の寸法 Al、 Bl、 Cl、 Dlは夫々異なっており、又、電極活物質 2 の他方の幅端部と金属箔製芯材 1の他方の幅端部間の寸法 A2、 B2、 C2、 D2も夫 々異なっている。なお、電極活物質 2は金属箔製芯材 1の上下何れかの面にのみ塗 布するようにしても良い。

[0024] 図 6においては、金属箔製芯材 1の一方の幅端部と電極活物質 2の一方の幅端部 との間の寸法は、 A1 >B1、 B1 < C1、 CI >D1に形成されており、金属箔製芯材 1 の他方の幅端部と電極活物質 2の他方の幅端部との間の寸法は、 A2< B2、 B2 > C 2、 C2< D2iこ形成されてレ、る。寸法 Al、 Bl、 Cl、 Dl及び A2、 B2、 C2、 D2iま、電 池電極板 3のプレス成形後に行われる金属箔製芯材 1の左右両側におけるトリミング 寸法の範囲内の大きさであり、トリミングを行った場合は、寸法 Al、 Bl、 Cl、 Dl及び A2、 B2、 C2、 D2は零となる。すなわち、トリミング後は、金属箔製芯材 1には全幅に 亘り電極活物質 2が塗布された状態となり、電池電極板 3の幅方向において、金属箔 製芯材 1のみの部分がない状態となる。

[0025] なお、金属箔製芯材 1の幅端部と電極活物質 2の幅端部との間の寸法は、 1ロット における全ての電極活物質 2において異ならしめるようにしても良いし、或は金属箔 製芯材 1の幅端部と電極活物質 2の幅端部との間の寸法が異なる複数の電極活物 質 2を一つのグループとして、この電極活物質 2のグループを金属箔製芯材 1の長手 方向へ繰返し設けるようにしても良レ、。又、各電極活物質 2の幅 Woを異ならしめるこ とにより、金属箔製芯材 1の幅端部と電極活物質 2の幅端部との間の寸法を異ならし めるようにしても良い。

[0026] 本実施例によれば、金属箔製芯材 1に電極活物質 2を塗布した電池電極板 3を口 ールプレス装置によりプレス成形しても、各電極活物質 2における幅端部のプレス口 ール軸線方向に対する当接位置が種々となる。このため、電極活物質 2の幅端部に よるプレスロールの表面の磨耗量が大きくならず、従って、プレスロールの寿命の長 期化を図ることができ、以つて、プレスロール研削の回数及び研削量が減少すること により、ロール保守費用を削減することができると共に、生産能率が向上する。

[0027] 図 8は本発明の別の実施例である。本実施例では、金属箔製芯材 1の長手方向へ 設けられた複数の電極活物質 2のうち所定の電極活物質 2の金属箔製芯材 1長手方 向一端側における幅を W1、金属箔製芯材 1長手方向他端側における幅を W2とし、 他の電極活物質 2の金属箔製芯材 1長手方向一端側における幅を W3、金属箔製芯 材 1長手方向中間部における幅を W4、金属箔製芯材 1長手方向他端側における幅 を W5とし、各幅 W1— W5において、金属箔製芯材 1の幅端部と電極活物質 2の幅 端部との間の寸法を異ならしめた例である。この実施例では、 W1 >W2、 W3<W4 <W5である。

[0028] 本実施例においても、電極活物質 2は金属箔製芯材 1の上下両面に塗布しても良 いし、或は上下何れかの面に塗布するようにしても良レ、。又、本実施例においても、 前記実施例と同様の作用効果を奏することができる。

[0029] 図 9は本発明の更に別の実施例で、本実施例においては、金属箔製芯材 1の上下 両面に塗布する電極活物質 2の幅端部位置を金属箔製芯材 1の幅方向へずらした 例である。この場合にも、上下面の電極活物質 2自体の幅は同一であっても、或は異 ならしめても良いし、又、電池電極板 3の長手方向のある位置で、上下面の電極活物 質 2の幅を同一とし、電池電極板 3の長手方向の他の位置で、上下面の電極活物質 2の幅を異ならしめるようにしても良い。本実施例は、図 6や図 8に示す実施例と組合 わせると良レ、。更に、本実施例においても、前記実施例と同様の作用効果を奏するこ とができる。

[0030] なお、本発明の電池電極板及び電池電極板の製造方法は電池正極に適用するよ うにしても、或は電池負極に適用するようにしても実施可能なこと、その他、本発明の 要旨を逸脱しない範囲内において種々変更をカ卩ぇ得ることは勿論である。

産業上の利用可能性

[0031] 本発明の電池電極板及び電池電極板の製造方法は、ロール保守費用を削減する ことができると共に、生産能率が向上するよう、電池電極板を製造する際に適用する こと力 Sできる。

Claims

請求の範囲

[1] 帯状の金属箔製芯材の少なくとも上下何れかの面に、長手方向へ不連続に複数の 電極活物質面が設けられた電池電極板であって、複数の電極活物質面のうち少なく とも 1箇所の電極活物質面における金属箔製芯材幅方向における幅端部位置を、他 の電極活物質面における金属箔製芯材幅方向における幅端部位置とは異ならしめ たことを特徴とする電池電極板。

[2] 帯状の金属箔製芯材の少なくとも上下何れかの面に、長手方向へ不連続に複数の 電極活物質面が設けられた電池電極板であって、隣り合う電極活物質面の金属箔 製芯材幅方向端部位置を互いに異ならしめたことを特徴とする電池電極板。

[3] 電極活物質面の幅を略同一とした請求項 1又は 2記載の電池電極板。

[4] 電極活物質面の幅を異ならしめた請求項 1又は 2記載の電池電極板。

[5] 電極活物質面のうち所定の電極活物質面の幅を略同一とし、他の電極活物質面の 幅を異ならしめた請求項 1又は 2記載の電池電極板。

[6] 帯状の金属箔製芯材の少なくとも上下何れかの面に、長手方向へ不連続に複数の 電極活物質面が設けられた電池電極板であって、所定の電極活物質面の幅を金属 箔製芯材の長手方向一端側と他端側において異ならしめたことを特徴とする電池電

[7] 帯状の金属箔製芯材の上下面に、長手方向へ不連続に複数の電極活物質面が 設けられた電池電極板であって、上下の電極活物質面の金属箔製芯材幅方向にお ける幅端部位置を異ならしめたことを特徴とする電池電極板。

[8] 上下面に設けた電極活物質面の幅を略同一とした請求項 7記載の電池電極板。

[9] 上下面に設けた電極活物質面の幅を異ならしめた請求項 7記載の電池電極板。

[10] 帯状の金属箔製芯材の少なくとも上下何れかの面に、長手方向へ不連続に複数の 電極活物質面が設けられた電池電極板の製造方法であって、複数の電極活物質面 のうち少なくとも 1箇所の電極活物質面における金属箔製芯材幅方向における幅端 部位置を、他の電極活物質面における金属箔製芯材幅方向における幅端部位置と は異ならしめて、前記金属箔製芯材に電極活物質面を形成することを特徴とする電 池電極板の製造方法。

[11] 帯状の金属箔製芯材の少なくとも上下何れかの面に、長手方向へ不連続に複数の 電極活物質面が設けられた電池電極板の製造方法であって、隣り合う電極活物質 面の金属箔製芯材幅方向端部位置を互いに異ならしめて、前記金属箔製芯材に電 極活物質面を形成することを特徴とする電池電極板の製造方法。

[12] 帯状の金属箔製芯材の少なくとも上下何れかの面に、長手方向へ不連続に複数の 電極活物質面が設けられた電池電極板の製造方法であって、所定の電極活物質面 の幅を金属箔製芯材の長手方向一端側と他端側において異ならしめて、前記金属 箔製芯材に電極活物質面を形成することを特徴とする電池電極板の製造方法。

[13] 帯状の金属箔製芯材の上下面に、長手方向へ不連続に複数の電極活物質面が 設けられた電池電極板の製造方法であって、上下の電極活物質面の金属箔製芯材 幅方向における幅端部位置を異ならしめて、前記金属箔製芯材に電極活物質面を 形成することを特徴とする電池電極板の製造方法。