JPH1050300A - 薄層電極製造用プレスロール、該ロールを用いた薄層電極製造用プレス装置および同薄層電極の製造方法 - Google Patents

薄層電極製造用プレスロール、該ロールを用いた薄層電極製造用プレス装置および同薄層電極の製造方法

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JPH1050300A
JPH1050300A JP8200171A JP20017196A JPH1050300A JP H1050300 A JPH1050300 A JP H1050300A JP 8200171 A JP8200171 A JP 8200171A JP 20017196 A JP20017196 A JP 20017196A JP H1050300 A JPH1050300 A JP H1050300A
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elastic
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electrode
thin
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JP8200171A
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Shigemasa Nakazawa
重雅 中沢
Kenjiro Nakayama
健次郎 中山
Toshisuke Katou
俊祐 加藤
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Yamauchi Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リチウムイオン二次電池等に組み込まれる薄
層電極の製造に使用されるプレスロール、同プレス装置
および薄層電極の製造方法を提供する。薄層電極の正極
または負極活物質よりなる電極材の密度にムラを生じる
ことなく、活物質の高密度化および均質化、並びに薄層
電極表面の平滑化を果たす。一定容積の電池ケースに対
する電極活物質の充填量を増大する。ロール寸法精度の
維持、表面性の管理、ロール設置上の精度管理等のロー
ルメンテナンスを容易にする。 【解決手段】 薄層電極製造用プレスロール1 は、ロー
ル芯2 と、ロール芯2 の外側に設けられた弾性材料から
なる弾性被覆層3 とを有している。薄層電極の製造は、
電極用金属箔の表面に、正極または負極の活物質を含む
ペースト状の合剤を塗布した後、該合剤塗布金属箔を、
上記弾性プレスロール1 と、該弾性プレスロール1 と同
様の弾性ロール、金属ロールまたはセラミックロールと
の間に挾んで加圧する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウムイオン二
次電池等に組み込まれる薄層電極の製造に使用される薄
層電極製造用プレスロール、該ロールを用いた薄層電極
製造用プレス装置および同薄層電極の製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ビデオカメラ、携帯電話、携帯パ
ーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ等、携帯用電
子・電気機器の普及には目ざましいものがあり、また環
境問題の高まりから、排気ガスを発生しない電気自動車
の開発が急がれている。
【0003】このような状況にあって、小型、軽量、高
エネルギー密度の電池への要求がますます高まりつつあ
る。
【0004】現在、小型、軽量、高エネルギー密度の電
池として、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電
池、リチウム電池等が市場に出されているが、中でも、
リチウムイオン二次電池は、その需要が急速に伸びてい
る。
【0005】このリチウムイオン二次電池は、通常、正
極合剤、負極合剤、セパレータおよび電解液を主な構成
材料としており、該電池の製造プロセスについては、例
えば「リチウムイオン二次電池」(日刊工業新聞社、平
成8年3月29日発行)等の刊行物に記載されている。
【0006】ここで、リチウムイオン二次電池の製造工
程は、正極合剤、および負極合剤の混練、各合剤の電
極用金属箔へのコーティング、乾燥、プレスを行なう薄
層電極の製造工程、正極側薄層電極、負極側薄層電
極、および電気絶縁材よりなるセパレータの積層・巻取
り工程、電池ケースへの薄層電極積層体の挿入、およ
び電解液の注入工程、電池ケースの封口工程、の4工
程に大別される。
【0007】上記薄層電極の製造工程においては、集電
体となる金属箔の表面に、正極または負極の活物質を含
むペースト状の合剤を塗布して、乾燥し、さらにロール
プレスなどにより圧縮して、薄層電極を製造するもので
あるが、ここで、薄層電極をプレスするのは、塗布層中
の活物質の高密度化、および薄層電極表面の平滑化によ
って、一定容積の電池ケースに対する薄層電極の活物質
の充填量を増大し、以降の薄層電極の巻取り工程での歩
留まりを良くし、かつ不良品を少なくして、生産性を向
上するためである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ロールプレスによる薄層電極の製造は、2本あるいはそ
れ以上の金属ロールを用いて行なっており、このため、
まず第1に、摩耗による金属ロール表面精度のムラ、熱
膨張による金属ロール表面精度のムラ、金属ロール製造
時の寸法精度上のムラ等に起因して、薄層電極の正極ま
たは負極活物質よりなる電極材の密度にムラを生じやす
いという問題があった。また第2に、金属ロールの寸法
精度の維持、金属ロールの表面性の管理、金属ロール設
置上の精度の管理等の金属ロールのメンテナンスが非常
に面倒であるという問題があった。さらに第3に、金属
ロール表面には、正極または負極活物質よりなる電極材
が粘着しやすいという問題があった。
【0009】本発明の目的は、上記の従来技術の問題を
解決し、薄層電極の正極または負極活物質よりなる電極
材の密度にムラを生じることなく、活物質の高密度化お
よび均質化、並びに薄層電極表面の平滑化を果たすこと
ができて、一定容積の電池ケースに対する薄層電極の活
物質の充填量を増大し、もって薄層電極の巻取り工程の
歩留まりを良くするとともに、不良品を少なくして、生
産性を向上することができるうえに、ロール寸法精度の
維持、ロール表面性の管理、ロール設置上の精度の管理
等のロールのメンテナンスを容易に行ない得、かつロー
ルの弾性被覆層の表面に、正極または負極活物質よりな
る電極材の粘着が生じない薄層電極製造用プレスロール
を提供しようとするにある。
【0010】また本発明のいま1つの目的は、均質で寸
法精度の良い薄層電極を製造することができ、かつロー
ルメンテナンスが容易で、ひいては設備費およびランニ
ングコストを大幅に低減することができて、リチウムイ
オン二次電池等に組み込まれる高性能の薄層電極を、市
場に安価に供給し得る薄層電極製造用プレス装置および
同薄層電極の製造方法を提供しようとするにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明による薄層電極製造用プレスロールは、リ
チウムイオン二次電池等に組み込まれる薄層電極の製造
に使用されるプレスロールであって、ロール芯と、ロー
ル芯の外側に設けられた弾性材料からなる弾性被覆層と
を有することを特徴としている。
【0012】つぎに、本発明による薄層電極製造用プレ
ス装置は、ロール芯の外側に弾性材料からなる弾性被覆
層が設けられている弾性プレスロールと、該弾性プレス
ロールと同様の弾性ロール、金属ロールまたはセラミッ
クロールとを備えていることを特徴としている。
【0013】また、本発明による薄層電極の製造方法
は、電極用金属箔の表面に、正極または負極の活物質を
含むペースト状の合剤を塗布した後、該合剤塗布金属箔
を、ロール芯の外側に弾性材料からなる弾性被覆層が設
けられている弾性プレスロールと、該弾性プレスロール
と同様の弾性ロール、金属ロールまたはセラミックロー
ルとの間に挾んで加圧して、薄層電極を製造することを
特徴としている。
【0014】上記において、薄層電極製造用プレスロー
ルのロール芯は、外周面に繊維補強下巻層を有するもの
であっても良い。
【0015】繊維補強下巻層を構成する繊維材として
は、例えばガラス繊維等の無機繊維、およびポリアミド
繊維、ポリエステル繊維等の有機繊維のどちらを使用し
てもよい。
【0016】上記弾性材料は、天然ゴム、合成ゴム、熱
硬化性樹脂および熱可塑性樹脂よりなる群の中から選択
される。すなわち、高分子弾性材料であれば、材質は特
に限定されない。
【0017】実際には、電極材の物性、プレス温度、加
圧力、送り速度等の点でさまざまなプレス条件が考えら
れるため、プレス条件に応じて最適な高分子弾性材料が
選択され、かつ配合等が選択されるべきである。
【0018】ここで、合成ゴムとしては、ポリウレタン
ゴム、シリコーンゴム、またはフッ素ゴムが挙げられ、
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、架橋ポリエステ
ルアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイソシアヌレー
ト樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、またはジアリルフタ
レート樹脂が挙げられ、熱可塑性樹脂としては、ポリア
ミド樹脂、またはポリカーボネート樹脂が挙げられる。
【0019】また弾性被覆層の厚さは、最終的に5〜1
00mm、好ましくは10〜30mmとする。弾性被覆
層の厚さが5mm未満であれば、弾性被覆層に過大な応
力がかゝり、弾性被覆層の破損を招くおそれがある。ま
た弾性被覆層の厚さが100mmを越えると、繰返し応
力による内部発熱の蓄積によって局部発熱を生じ、やは
り弾性被覆層の破損につながるおそれがあるので好まし
くない。
【0020】また、弾性被覆層の表面硬度は、スプリン
グ式硬さ試験機による硬度(ショアーD硬度)で30〜
99°の範囲にあり、かつ弾性被覆層の表面粗さ(R
a)が0.01〜0.2μmの範囲にあるのが好まし
い。
【0021】ここで、弾性被覆層の表面硬度が30°未
満に軟らかいと、充分な加圧力が得られず、薄層電極の
高密度化、密度の均一化、平滑化等の点で不十分となる
ので、好ましくない。また弾性被覆層の表面硬度が99
°を越えて硬い場合には、プレスロールの弾性被覆層の
成形が困難となるうえに、硬過ぎて弾性材料の特徴が充
分に生かされなくなるので、好ましくない。
【0022】また、薄層電極を平滑化するという点か
ら、プレスロールの弾性被覆層の表面には平滑性が要求
される。プレスロールの弾性被覆層の表面粗さは、JI
S B0601に定義される算術平均粗さ(Ra)で
0.2μm以下とするのが好ましい。プレスロールの弾
性被覆層の表面は平滑であればあるほど好ましい。しか
しながら、プレスロールの弾性被覆層の表面粗さ(R
a)を0.01μmよりも平滑にすることはプレスロー
ルの製造上困難である。
【0023】従って、本発明による薄層電極製造用プレ
スロールの好ましい表面粗さ(Ra)の範囲は、0.0
1〜0.2μmであり、より好ましくは0.01〜0.
1μmである。さらに好ましい表面粗さ(Ra)の範囲
は、0.01〜0.05μmである。
【0024】ところで、プレスロールと電極材との粘着
が問題となるような場合には、プレスロールの弾性被覆
層の表面に離型性を付与することによって、この問題を
回避するのが好ましい。
【0025】ここで、プレスロールの弾性被覆層の表面
に離型性を付与するには、例えば弾性材料中に、離型性
付与材を充填剤として混入する。この離型性付与材とし
ては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)、ポリテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプ
ロピレン共重合体(PFEP)等のフッ素系樹脂の粉末
や、液状あるいは粉末状のシリコーン樹脂等を使用する
のが好ましい。
【0026】なお、プレスロールの弾性被覆層の表面に
離型性を付与するために、弾性被覆層表面に、紫外線処
理等の表面処理を施してもよい。
【0027】また、本発明による上記プレスロールを用
いた薄層電極製造用プレス装置と、薄層電極の製造方法
において、弾性材料からなる弾性被覆層が設けられてい
る弾性プレスロールの相手側となるロールは、本発明に
よる弾性プレスロールと同様の弾性ロールであっても構
わないし、従来使用されていた金属ロールであっても構
わない。また相手側となるロールはセラミックプレスロ
ールであってもよい。
【0028】なお、上記セラミックスプレスロールは、
ロール芯と、ロール芯の外側に設けられたセラミックス
系材料を含む被覆層とを有するものである。
【0029】また、セラミックスプレスロールは、被覆
層の少なくとも表面側部分において、セラミックス系材
料の粒子間の間隙に、離型性を有する有機高分子物質が
充填されている場合がある。
【0030】さらにセラミックスプレスロールは、被覆
層の表面が、離型性を有する有機高分子物質によって覆
われている場合がある。
【0031】また、セラミックスプレスロールは、その
被覆層が、セラミックス系材料と離型性を有する有機高
分子物質との混合溶射によって形成されたものであって
も良い。
【0032】ここで、セラミックスプレスロールの被覆
層に含まれるセラミックス系材料は、具体的には、例え
ばグレイアルミナ、ホワイトアルミナ、チタニア、アル
ミナ・チタニア、ムライト、ジルコニア・ムライト、お
よびタングステンカーバイト等の金属化合物が挙げられ
る。場合によっては、上記セラミックス材料に、その他
の金属、合金、高分子材料等を混合して使用することも
できる。
【0033】上記溶射材料の粒子径は、10〜200μ
m程度である。
【0034】またセラミックス系の材料からなる被覆層
は、セラミックスの粉末を原料とし、これをフレーム溶
射法、爆発溶射法、プラズマ溶射法(水安定化プラズマ
溶射法、ガスプラズマ溶射法等)、アーク溶射法、線爆
溶射法等によって溶射することにより形成することがで
きる。なお、溶射の際、被溶射体となるロール芯を回転
させることにより、均一な厚さの被覆層を形成すること
ができる。
【0035】セラミックス系の材料からなる被覆層の厚
さは、ロールの寸法、加圧力などにより異なるが、通常
0.1〜20mm程度である。
【0036】また、薄層電極を平滑化するという点か
ら、プレスロールのセラミックス被覆層の表面には平滑
性が要求される。プレスロールのセラミックス被覆層の
表面粗さは、JIS B0601に定義される算術平均
粗さ(Ra)で、0.01〜0.5μmの範囲である。
【0037】また、上記離型性を有する有機高分子物質
は、具体的には、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリ
ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、およびワ
ックス等が挙げられる。
【0038】被覆層の少なくとも表層部分において、セ
ラミックス系材料の粒子間の間隙に離型性を有する有機
高分子物質を充填させれば、セラミックプレスロールと
電極材との間においても離型性を向上させることができ
るので好ましい。
【0039】被覆層への有機高分子物質の充填は、次の
方法によって行なうことができる。
【0040】すなわち、セラミックス系材料からなる被
覆層の表面に、離型性を有する有機高分子物質の原料な
いしは溶液を、コーター、刷毛塗り、スプレー等の手段
によってコーティングし、有機高分子物質をセラミック
ス系材料の粒子間の間隙に浸透させる。その後、この高
分子物質の溶液の溶剤を揮散させることにより、離型性
を有する有機高分子物質は、被覆層の少なくとも表層部
分において、セラミックス系材料の粒子間の間隙に密に
充填する。
【0041】また、被覆層の表面が、離型性を有する有
機高分子物質によって覆われている状態としてもよい。
この場合も、プレスロールと電極材との間の離型性を向
上させることができるので好ましい。
【0042】被覆層の表面を、離型性を有する有機高分
子物質で覆う場合、セラミックス系材料からなる被覆層
の表面に、離型性を有する有機高分子物質の原料ないし
は溶液を、比較的粘度の高い状態で、コーター、刷毛塗
り、スプレー等の手段によってコーティングすればよ
い。
【0043】この場合、被覆層がセラミックス系材料の
溶射によって形成されているため、セラミックス系材料
の粒子間の間隙に有機高分子物質が入り込み、容易には
剥がれない。
【0044】また、被覆層の表面を、離型性を有する有
機高分子物質によって一旦覆った後、研削によって有機
高分子物質のコーティング層の表層部を削り取ることに
よっても、被覆層の少なくとも表層部分において、セラ
ミックス系材料の粒子間の間隙に離型性を有する有機高
分子物質を充填させた状態とすることができる。
【0045】このように、弾性プレスロールの相手側と
なるセラミックプレスロールの表面は、セラミックス系
材料の粒子と離型性を有する有機高分子物質とが混在し
た状態としてもよいし、有機高分子物質によって完全に
覆われた状態としてもよい。
【0046】セラミックス被覆層中に、離型性を有する
有機高分子物質を含ませる別の方法として、被覆層を、
セラミックス系材料と離型性を有する有機高分子物質と
の混合溶射によって形成してもよい。
【0047】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を、
図面を参照して説明する。
【0048】まず図1を参照すると、リチウムイオン二
次電池等に組み込まれる薄層電極の製造に使用される本
発明による薄層電極製造用プレスロール(1) は、枢軸(2
a)を備えた金属製ロール芯(2) と、ロール芯(2) の外側
に設けられた弾性材料からなる弾性被覆層(3) とを有す
るものである。
【0049】ロール芯(2) の外周面には、通常、熱硬化
性樹脂含浸繊維材からなる繊維補強下巻層(4) を設ける
のが好ましい。繊維補強下巻層(4) と弾性被覆層(3) と
の間には、接着剤層(5) が介在させられる。
【0050】ここで、金属製ロール芯(2) の外周面に、
熱硬化性樹脂を含浸した繊維材を、例えば1〜50m
m、好ましくは6〜15mmの厚さに巻回して、繊維補
強下巻層(4) を形成する。なおこれに先だって、金属ロ
ール芯(2) の外周面には、サンドブラストなどにより粗
面化しておくと、ロール芯(2) と下巻層(4) との結合が
より強固なものとなる。
【0051】繊維補強下巻層(4) を構成する繊維材とし
ては、無機繊維および有機繊維のどちらを使用してもよ
いが、硬くて弾性回復率が高く、樹脂との接着性もよ
く、しかも締圧力の高い無機繊維、例えばガラス繊維、
カーボン繊維、金属繊維等を使用するのが好ましく、ま
た例えばポリアミド繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリ
イミド繊維、ポリエステル繊維、フェノール系繊維、ア
クリル繊維等の有機繊維を使用しても勿論よい。この繊
維材の形状は、糸、ロービング、クロステープ等であ
り、特に得られるロール(1) の強度上クロステープまた
はロービングとクロステープとの併用が好ましいが、無
機繊維および有機繊維の織布、不織布、あるいはいわゆ
る組布(縦糸と横糸の接点を接着剤により接合した網状
物)などであって、その形状はテープ状のものゝ使用が
好ましい。
【0052】これらの繊維材に含浸せしめる熱硬化性樹
脂としては、例えばエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル
樹脂、ジアリルフタレート樹脂等を使用する。また熱硬
化性樹脂には、前述のようなシリカ粉末等の無機粉末よ
りなる充填材を混入してもよい。
【0053】なお、金属製ロール芯(2) の外周面には、
このような繊維補強下巻層(4) を形成しない場合もあ
る。
【0054】上記薄層電極製造用プレスロール(1) は、
例えばつぎの方法により製造する。
【0055】まず、所定の大きさを有する金属製ロール
芯(2) の外周面をサンドブラスト等により粗面化し、こ
のロール芯(2) の外周面に樹脂含浸繊維材を巻き付け
て、繊維補強下巻層(4) を形成する。
【0056】ここで、繊維補強下巻層(4) は、例えばシ
リカ粉末等の充填材を混入した熱硬化性樹脂を含浸せし
めたガラスロービングをロール芯(2) の周面に巻き付
け、ついでこのガラスロービングの外周に同様の熱硬化
性樹脂を含浸したガラスクロステープを巻き付け、さら
にこのテープ層の外周に同様の熱硬化性樹脂を含浸した
ポリエステル不織布を巻き付けたのち、熱硬化性樹脂を
加熱硬化させることにより、形成する。
【0057】つぎに、これとは別に、所定の配合を有す
る熱硬化性樹脂原料混合物を、回転成形用円筒金型に注
入し、回転成形して、熱硬化性樹脂製筒体を作成し、該
筒体を二次加熱した後、外周面および内周面を切削し
て、所定寸法の被覆層形成用筒体を得る。
【0058】なお、弾性被覆層(3) 表面に離型性を付与
する場合には、フッ素系樹脂等の離型性付与材を混入す
れば、良い。
【0059】そして、下巻層(4) を有するロール芯(2)
に、該被覆層形成用筒体を嵌め被せて、下巻層(4) と被
覆層形成用筒体とを接着剤層(5) を介して接着一体化
し、さらにロール外周面を切削し、研摩して、所定の寸
法と表面硬度を有する薄層電極製造用プレスロール(1)
を製造する。
【0060】なお、上記弾性被覆層用筒体は、つぎのよ
うにして製造してもよい。
【0061】すなわち、主剤および硬化剤からなる熱硬
化性樹脂原料に、必要に応じて充填材およびフッ素系樹
脂等の離型性付与材の粉末を混入し、該混合物を、垂直
に立てた円筒金型に注入し、所定の温度で硬化させたの
ち、取り出した筒体の外周面および内周面を切削して、
所定寸法の弾性被覆層用筒体とする。
【0062】図3に示す本発明による薄層電極製造用プ
レスロール(1) は、枢軸(2a)を備えた金属製ロール芯
(2) と、合成ゴムからなる弾性被覆層(3) とを有してい
る。
【0063】そして、ロール芯(2) の外周面には、熱硬
化性樹脂含浸繊維材からなる第1繊維補強下巻層(4a)お
よび第2繊維補強下巻層(4b)が設けられている。
【0064】この薄層電極製造用プレスロール(1) は、
つぎの方法によって製造する。
【0065】まず、金属製ロール芯(2) を回転させなが
ら、その周囲に、熱硬化性樹脂とガラスビーズとを混合
した混合液を含浸させたガラスクロステープを巻き付け
て、第1繊維補強下巻層(4a)を形成し、つぎにその上
に、熱硬化性樹脂とガラスビーズとを混合した混合液を
含浸させたポリエステル製不織布テープを巻き付けて、
第2繊維補強下巻層(4b)を形成したのち、加熱し、熱硬
化性樹脂を加熱硬化させる。
【0066】つぎに、第2繊維補強下巻層(4b)の外周面
に接着剤を塗布し、このロール芯(2) を円筒状の成形型
の中心に垂直に立てて収容し、成形型枠と第2繊維補強
下巻層(4b)との間に、液状合成ゴム原料を注入し、加熱
して硬化させ、冷却後、脱型し、ロール外周面を切削
し、研磨して、所定寸法を有する薄層電極製造用プレス
ロール(1) を得るものである。
【0067】図4〜図6に、上記プレスロール(1) を用
いて本発明によりリチウムイオン二次電池等の薄層電極
を製造する装置を示す。
【0068】まず図4において、薄層電極製造用プレス
装置(10)は、金属ロール(11)と、弾性プレスロール(1)
とからなっている。弾性プレスロール(1) は、ロール芯
(2)と、ロール芯(2) の外側に設けられた弾性材料から
なる弾性被覆層(3) とを有している。
【0069】このプレス装置(10)により正極または負極
の薄層電極(15)(16)を製造するには、同図に示すよう
に、厚さ10〜20μmの電極用金属箔(12)の両表面
に、正極の活物質を含むペースト状合剤(13)または負極
の活物質を含むペースト状合剤(14)を均一な厚さに塗布
する。続いて乾燥器中を通過させ、ペースト中の分散溶
媒を除去する。その後、該合剤塗布金属箔(12)を、弾性
プレスロール(1) と金属ロール(11)との間に挾んで加圧
することにより、所定の均一な厚さの薄層電極(15)(16)
とする。
【0070】ここで、正極の活物質を含む合剤(13)は、
正極活物質、導電剤、バインダなどを有機溶剤に溶解し
たものを混練してペースト状としたものである。
【0071】正極活物質としては、例えばLiCo
2 、LiMn2 4 などが、導電剤としてはアセチレ
ンブラック、カーボン、グラファイトなどが、バインダ
としてはポリビニリデンフルオライド(PVDF)など
が、有機溶剤としてはN−メチルピロリドンなどが用い
られる。正極の集電体すなわち電極用金属箔(12)として
は、例えばアルミニウム箔が用いられる。
【0072】弾性プレスロール(1) と金属ロール(11)に
よるプレスの条件は、線圧が10〜800kg/cm程
度、プレス温度が室温〜200℃程度、プレス速度が1
〜50m/分程度である。
【0073】一方、負極の活物質を含む合剤(14)は、負
極活物質、導電剤、バインダなどを有機溶剤に溶解した
ものを混練してペースト状としたものである。
【0074】負極活物質としてはカーボン、グラファイ
トなどが、バインダとしてはPVDFなどが、有機溶媒
としてはN−メチルピロリドンなどがそれぞれ用いられ
る。負極の集電体すなわち電極用金属箔(12)としては、
例えば銅箔が用いられる。
【0075】なお、このようにして製造した正極および
負極の薄層電極(15)(16)は、両者の間にセパレータを介
してロール状に巻き上げた後、所定の電池ケース内に挿
入し、さらに電池ケース内に電解液を注入し、封口して
リチウムイオン二次電池が完成する(図示略)。
【0076】図5の薄層電極製造用プレス装置(10)は、
ロール芯(2) の外側に弾性材料からなる弾性被覆層(3)
が設けられている弾性プレスロール(1) と、該弾性プレ
スロールと同様の弾性ロール(1) とを備えているもので
ある。
【0077】図6の薄層電極製造用プレス装置(10)は、
上記弾性プレスロール(1) と、ロール芯(2) の外側にセ
ラミックス材料を含む被覆層(7) が設けられたセラミッ
クプレスロール(6) とを組み合わせたものである。
【0078】本発明によれば、薄層電極製造用プレスロ
ール(1) が、弾性材料からなる弾性被覆層(3) を有する
ため、ロールの表面精度や寸法精度にある程度のムラが
あったとしても、ロール弾性被覆層(3) 表面の弾性によ
ってこれらのムラを緩和することができる。
【0079】また、薄層電極(15)(16)の正極または負極
の活物質を含む合剤(13)(14)の塗布層は、通常ある程度
の凹凸を有しているが、本発明によれば、プレスロール
(1)の弾性被覆層(3) によりこれらの凹凸に対して均一
な圧力で接触するので、薄層電極(15)(16)の密度を均一
化することができる。
【0080】これに対し、従来の金属ロール同士の組み
合わせでは、塗布層の凹部と凸部とで加圧力に差が生
じ、薄層電極の密度にムラが生じやすく、かつ金属ロー
ル同士の場合、硬質であるため、ロールの表面精度等の
ムラが、そのまま薄層電極側の精度に影響していた。
【0081】また、本発明によれば、薄層電極製造用プ
レスロール(1) が、弾性材料からなる弾性被覆層(3) を
有するため、従来の金属ロールに比べて表面に傷がつき
にくく、摩耗しにくい。また仮に、プレスロール(1) 表
面に傷がついたり、摩耗したりしたとしても、弾性被覆
層(3) を構成する弾性材料であれば容易に表面研磨がで
きて、研磨によって元の平滑な表面状態とすることがで
きのるので、メンテナンスが容易である。さらに、プレ
スロール(1) 設置のさいの軸芯振れ等の多少の設定誤差
は、ロール弾性被覆層(3) の弾性によって緩和・吸収す
ることができ、プレスロール(1) の設置作業が容易であ
る。
【0082】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を図面を参照して説
明する。
【0083】実施例1 図1を参照すると、リチウムイオン二次電池に組み込ま
れる薄層電極の製造に使用される本発明による薄層電極
製造用プレスロール(1) は、枢軸(2a)を備えた鉄製ロー
ル芯(2) と、ロール芯(2) の外側に設けられたエポキシ
樹脂からなる弾性被覆層(3) とを有している。
【0084】ロール芯(2) の外周面には、エポキシ樹脂
含浸繊維材からなる繊維補強下巻層(4) が設けられ、繊
維補強下巻層(4) と弾性被覆層(3) との間には、接着剤
層(5) が介在させられている。
【0085】上記の薄層電極製造用プレスロール(1)
は、つぎの方法によって製造した。
【0086】まず、面長720mmおよび外径255m
mの大きさを有する鉄製ロール芯(2) の外周面をサンド
ブラストにより粗面化し、このロール芯(2) の外周面に
エポキシ樹脂含浸繊維材を巻き付けて、厚さ4mmの繊
維補強下巻層(4) を形成した。
【0087】ここで、繊維補強下巻層(4) は、シリカ粉
末を混入したエポキシ樹脂原料を含浸せしめたガラスロ
ービングをロール芯(2) の周面に巻き付け、ついでこの
ガラスロービングの外周に同様のエポキシ樹脂原料を含
浸したガラスクロステープを巻き付け、さらにこのテー
プ層の外周に同様のエポキシ樹脂原料を含浸したポリエ
ステル不織布を巻き付け、エポキシ樹脂原料を110℃
で加熱硬化させたものである。
【0088】つぎに、これとは別に、主剤100重量部
および硬化剤38重量部からなるエポキシ樹脂原料に、
平均粒子径0.5μmのシリカ粉末200重量部を混入
した混合物を、回転成形用円筒金型に注入し、金型温度
80℃、回転数1300rpmで回転成形して、シリカ
粉末を高含有率で表面部分に含有せしめたエポキシ樹脂
製の筒体を作成した。さらに取り出した筒体を温度90
〜180℃で二次加熱させた後、外周面および内周面を
切削し、外径300mm、内径264.6mm、および
長さ760mmの被覆層用筒体とした。
【0089】そして、下巻層(4) を有するロール芯(2)
に被覆層用筒体を嵌め被せ、下巻層(4) と被覆層用筒体
との間に形成された環状空隙部に、エポキシ樹脂を主剤
とする接着剤を注入して、これを80℃の温度で加熱硬
化させ、下巻層(4) と被覆層用筒体とを厚さ0.8mm
の接着剤層(5) を介して接着一体化した。さらにロール
外周面を切削し、研摩して、図1に示す薄層電極製造用
プレスロール(1) を得た。
【0090】こうして得られたプレスロール(1) は、面
長720mmおよび外径295mmを有するものであっ
た。またこのロール(1) の表面硬度は96°(ショアー
D)であり、表面粗さ(Ra)は0.04μmであっ
た。
【0091】実施例2 この実施例2の本発明による薄層電極製造用プレスロー
ル(1) は、弾性被覆層(3) が、架橋ポリエステルアミド
樹脂からなるものである。この実施例2のその他の点
は、上記実施例1の場合と同様であり、図面において同
一のものには同一の符号を付した。
【0092】この実施例2において、被覆層用筒体を、
つぎのようにして製造した。
【0093】すなわち、架橋ポリエステルアミド樹脂の
原料である2,2´−(1,3−フェニレン)ビス(2
−オキサゾリン)91重量部、およびアジピン酸30.
1重量部を160℃の加熱下で混合、攪拌し、ついで亜
リン酸トリフェニルを1重量部添加した。ついでこの配
合物を、125℃に予備加熱した回転成形用円筒金型に
注入し、1300rpmで回転成形して筒体を作成し
た。
【0094】つぎに金型より取り出した筒体を温度90
〜180℃で二次加熱させた後、筒体の外周面および内
周面を切削し、外径300mm、内径264.6mm、
および長さ760mmの弾性被覆層用筒体を得た。
【0095】そして、この架橋ポリエステルアミド樹脂
からなる弾性被覆層用筒体を用いて、実施例1の場合と
同様に、薄層電極製造用プレスロール(1) を作成した。
【0096】こうして得られたプレスロール(1) は、面
長720mmおよび外径295mmを有するものであっ
た。またこのプレスロール(1) の弾性被覆層(3) の表面
硬度は93°(ショアーD)であり、表面粗さ(Ra)
は0.02μmであった。
【0097】実施例3 この実施例3の本発明による薄層電極製造用プレスロー
ル(1) は、弾性被覆層(3) が、離型性付与材を混入した
エポキシ樹脂からなるものである。この実施例3のその
他の点は、上記実施例1の場合と同様であり、図面にお
いて同一のものには同一の符号を付した。
【0098】この実施例3において、被覆層用筒体を、
つぎのようにして製造した。
【0099】すなわち、主剤100重量部、および硬化
剤32重量部からなるエポキシ樹脂原料に、平均粒子径
0.5μmのシリカ粉末85重量部、および離型性付与
材としてフッ素樹脂(PTFE)粉末40重量部を混入
した混合物を、回転成形用円筒金型に注入し、金型温度
80℃、回転数1300rpmで回転成形して、シリカ
粉末およびフッ素樹脂粉末を高含有率で表面部分に含有
せしめたエポキシ樹脂製の筒体を作成した。さらに取り
出した筒体を温度90〜180℃で二次加熱させた後、
外周面および内周面を切削し、外径300mm、内径2
64.6mm、および長さ760mmの被覆層用筒体と
した。
【0100】そして、この離型性付与材含有エポキシ樹
脂からなる弾性被覆層用筒体を用いて、実施例1の場合
と同様に、薄層電極製造用プレスロール(1) を作成し
た。
【0101】こうして得られたプレスロール(1) は、面
長720mmおよび外径295mmを有するものであっ
た。またこのプレスロール(1) の弾性被覆層(3) の表面
硬度は89°(ショアーD)であり、表面粗さ(Ra)
は0.2μmであった。
【0102】実施例4 図2を参照すると、実施例4の薄層電極製造用プレスロ
ール(1) は、上記実施例3のプレスロール(1) より繊維
補強下巻層を除いたものであり、枢軸(2a)を備えた鉄製
ロール芯(2) と、ロール芯(2) の外側に設けられたエポ
キシ樹脂からなる弾性被覆層(3) とを有しており、ロー
ル芯(2) と弾性被覆層(3)との間には、接着剤層(5) が
介在させられている。
【0103】この実施例4において、被覆層用筒体を、
つぎのようにして製造した。
【0104】まず、面長720mmおよび外径255m
mの大きさを有する鉄製ロール芯(2) の外周面をサンド
ブラストにより粗面化した。
【0105】つぎに、これとは別に、主剤100重量
部、および硬化剤32重量部からなるエポキシ樹脂原料
に、平均粒子径0.5μmのシリカ粉末85重量部、お
よび離型性付与材としてフッ素樹脂(PTFE)粉末4
0重量部を混入した混合物を、回転成形用円筒金型に注
入し、金型温度80℃、回転数1300rpmで回転成
形して、シリカ粉末およびフッ素樹脂粉末を高含有率で
表面部分に含有せしめたエポキシ樹脂製の筒体を作成し
た。さらに取り出した筒体を温度90〜180℃で二次
加熱させた後、外周面および内周面を切削し、外径30
0mm、内径261mm、および長さ760mmの被覆
層用筒体とした。
【0106】そして、上記ロール芯(2) に被覆層用筒体
を嵌め被せ、ロール芯(2) と被覆層用筒体との間に形成
された環状空隙部に、エポキシ樹脂を主剤とする接着剤
を注入して、これを80℃の温度で加熱硬化させ、ロー
ル芯(2) と被覆層用筒体とを厚さ3mmの接着剤層(5)
を介して接着一体化した。さらにロール外周面を切削
し、研摩して、図2に示す薄層電極製造用プレスロール
(1) を得た。
【0107】こうして得られたプレスロール(1) は、面
長720mmおよび外径295mmの大きさを有するも
のであった。またこのロール(1) の弾性被覆層(3) の表
面硬度は、89°(ショアーD)であり、表面粗さ(R
a)は0.2μmであった。
【0108】実施例5 図3を参照すると、実施例5の薄層電極製造用プレスロ
ール(1) は、枢軸(2a)を備えた鉄製ロール芯(2) と、ポ
リウレタンゴムからなる弾性被覆層(3) とを有してい
る。
【0109】ロール芯(2) の外周面には、エポキシ樹脂
含浸繊維材からなる第1繊維補強下巻層(4a)と、第2繊
維補強下巻層(4b)とが設けられている。
【0110】この薄層電極製造用プレスロール(1) は、
つぎの方法によって製造した。
【0111】まず、面長720mmおよび外径255m
mの大きさを有する鉄製ロール芯(2) の外周面をサンド
ブラストにより粗面化し、このロール芯(2) を回転させ
ながら、その周囲に、エポキシ樹脂原料とガラスビーズ
とが重量比で1:1になるように混合した混合液を含浸
させたガラスクロステープを巻き付けて、厚さ4mmの
第1繊維補強下巻層(4a)を形成した。
【0112】つぎにその上に、エポキシ樹脂原料とガラ
スビーズとが重量比で1:1になるように混合した混合
液を含浸させたポリエステル製不織布テープを巻き付け
て、厚さ2mmの第2繊維補強下巻層(4b)を形成した。
【0113】そして、このロール芯を10rpmで回転
させながら80℃で5時間加熱し、エポキシ樹脂原料配
合物を加熱硬化させた。
【0114】つぎに、第2繊維補強下巻層(4b)の外周面
にイソシアネート系の接着剤を塗布し、この下巻層(4a)
(4b)を有するロール芯(2) を、円筒状の成形型の中心に
垂直に立てて収容し、成形型枠と第2繊維補強下巻層(4
b)との間に、アジプレンL−167(ユニロイヤルケミ
カル社製)100重量部と4・4´メチレンビスオルソ
クロロアニリン19.5重量部との脱泡混合物からなる
液状ポリウレタン原料配合物を注入し、100℃で15
時間加熱して硬化せしめた。冷却後、脱型し、ロール外
周面を切削し、研磨して、図3に示す薄層電極製造用プ
レスロール(1)を得た。
【0115】こうして得られたプレスロール(1) は、外
径295mm、および面長720mmを有するものであ
った。またこのロール(1) の表面硬度は、35°(ショ
アーD)であり、表面粗さ(Ra)は0.2μmであっ
た。
【0116】実施例6 つぎに、本発明により上記薄層電極製造用プレスロール
(1) を用いてリチウムイオン二次電池用薄層電極を製造
した。
【0117】図4を参照すると、薄層電極製造用プレス
装置(10)は、上記実施例3による弾性プレスロール(1)
と、金属ロール(11)とからなっている。
【0118】弾性プレスロール(1) は、鉄製ロール芯
(2) と、シリカ粉末およびフッ素樹脂粉末を高含有率で
表面部分に含有せしめたエポキシ樹脂からなる弾性被覆
層(3)とを有し、ロール芯(2) の外周面には、エポキシ
樹脂含浸繊維材からなる繊維補強下巻層(4) が設けら
れ、繊維補強下巻層(4) と弾性被覆層(3) との間には、
接着剤層(5) が介在させられたものである。
【0119】ここで、鉄製ロール芯(2) は、面長720
mmおよび外径255mmの大きさを有するものであ
り、エポキシ樹脂弾性被覆層(6) は、厚さ15.2m
m、および有効面長720mmを有するものであり、繊
維補強下巻層(4) は、厚さ4mmを有するものであり、
接着剤層(5) は、厚さ0.8mmを有するものである。
【0120】そして、この弾性プレスロール(1) に対す
る金属ロール(11)として、ヒータを内蔵した面長720
mmおよび直径400mmの大きさを有する鉄製ロール
を使用し、金属ロール(11)のヒータの温度を120℃に
設定した。
【0121】このプレス装置(10)により、まず正極の薄
層電極(15)を製造するには、同図に示すように、厚さ2
0μmの電極用アルミニウム箔(12)の両表面に、正極活
物質としてLiCoO2 、導電剤としてアセチレンブラ
ック、バインダとしてポリビニリデンフルオライド(P
VDF)、および有機溶剤としてN−メチルピロリドン
を所定の配合割合で含むペースト状合剤(13)を、均一な
厚さに塗布した。続いて乾燥器中を通過させ、ペースト
中の分散溶媒を除去し、該合剤塗布アルミニウム箔(12)
を、弾性プレスロール(1) と金属ロール(11)との間に挾
んで加圧することにより、厚さ150μmを有する正極
の薄層電極(15)を得た。
【0122】弾性プレスロール(1) と金属ロール(11)に
よるプレスの条件は、線圧を100kg/cm、プレス
温度を120℃、プレス速度を25m/分とした。
【0123】これに対し、上記プレス装置(10)により、
負極の薄層電極(16)を製造するには、同図に示すよう
に、厚さ20μmの電極用銅箔(12)の両表面に、負極活
物質としてカーボン、バインダとしてPVDF、有機溶
媒としてはN−メチルピロリドンを所定の配合割合で含
むペースト状合剤(14)を、均一な厚さに塗布した。続い
て乾燥器中を通過させ、ペースト中の分散溶媒を除去
し、該合剤塗布銅箔(12)を、弾性プレスロール(1) と金
属ロール(11)との間に挾んで加圧することにより、厚さ
150μmを有する負極の薄層電極(16)を得た。
【0124】なお、弾性プレスロール(1) と金属ロール
(11)によるプレスの条件は、上記正極の薄層電極(15)を
製造する場合と同様であった。
【0125】つぎに、このようにして製造した正極およ
び負極の薄層電極(15)(16)を、両者の間にセパレータ
(図示略)を介してロール状に巻き上げた後、所定の電
池ケース(図示略)内に挿入し、さらに電池ケース内に
電解液を注入し、封口してリチウムイオン二次電池を完
成した。
【0126】このように、この実施例6によれば、薄層
電極製造用プレスロール(1) 自体に、シリカ粉末および
フッ素樹脂粉末を高含有率で表面部分に含有せしめたエ
ポキシ樹脂弾性被覆層(3) が設けられているため、得ら
れた薄層電極(15)(16)は、密度の均一性および表面の平
滑性が共に良好であった。またプレス中に電極材がロー
ル(1) 表面に粘着することもなかった。
【0127】また、本発明によれば、薄層電極製造用プ
レスロール(1) が、エポキシ樹脂弾性被覆層(3) を有す
るため、従来の金属ロールに比べて表面に傷がつきにく
く、摩耗しにくい。また仮に、プレスロール(1) 表面に
傷がついたり、摩耗したりしたとしても、弾性被覆層
(3) を構成する弾性材料であれば容易に表面研磨ができ
て、研磨によって元の平滑な表面状態とすることができ
のるので、メンテナンスが容易である。さらに、プレス
ロール(1) 設置のさいの軸芯振れ等の多少の設定誤差
は、ロール弾性被覆層(3) の弾性によって緩和・吸収す
ることができ、プレスロール(1) の設置作業が容易であ
った。
【0128】実施例7 また、本発明により上記薄層電極製造用プレスロール
(1) を用いてリチウムイオン二次電池用薄層電極を製造
した。
【0129】図5を参照すると、この実施例7の薄層電
極製造用プレス装置(10)は、上記実施例3による一対の
弾性プレスロール(1)(1)を備えているものである。
【0130】ここで、各弾性プレスロール(1) の鉄製ロ
ール芯(2) は、面長720mmおよび外径255mmの
大きさを有するものであり、シリカ粉末およびフッ素樹
脂粉末を高含有率で表面部分に含有せしめたエポキシ樹
脂弾性被覆層(6) は、厚さ15.2mm、および有効面
長720mmを有するものであり、繊維補強下巻層(4)
は、厚さ4mmを有するものであり、接着剤層(5) は、
厚さ0.8mmを有するものである。
【0131】このプレス装置(10)により、正極の薄層電
極(15)および負極の薄層電極(16)を製造した。なお、一
対の弾性プレスロール(1)(1)によるプレスの条件は、線
圧を200kg/cm、プレス温度を室温、プレス速度
を25m/分とした。
【0132】つぎに、こうして製造した正極および負極
の薄層電極(15)(16)を、両者の間にセパレータ(図示
略)を介してロール状に巻き上げ、電池ケースへの挿入
工程、電池ケース内への電解液の注入、封口の工程を経
て、リチウムイオン二次電池を完成した。
【0133】この実施例7によれば、シリカ粉末および
フッ素樹脂粉末を高含有率で表面部分に含有せしめたエ
ポキシ樹脂弾性被覆層(3) を有する一対の弾性プレスロ
ール(1)(1)を使用しているため、得られた薄層電極(15)
(16)は、密度の均一性および表面の平滑性が共に良好で
あった。またプレス中に電極材がロール(1) 表面に粘着
することもなかった。
【0134】また、この実施例7によれば、エポキシ樹
脂弾性被覆層(3) を有する一対の弾性プレスロール(1)
(1)を使用しているため、ロール(1) 表面に、さらに傷
がつきにくく、摩耗しにくかった。また、プレスロール
(1) 設置のさいの軸芯振れ等の多少の設定誤差は、ロー
ル弾性被覆層(3) の弾性によってより一層緩和・吸収す
ることができ、弾性プレスロール(1)(1)の設置作業が容
易であった。
【0135】実施例8 つぎに、本発明により上記薄層電極製造用プレスロール
(1) を用いてリチウムイオン二次電池用薄層電極を製造
した。
【0136】図6を参照すると、薄層電極製造用プレス
装置(10)は、上記実施例3による弾性プレスロール(1)
と、セラミックプレスロール(6) とからなっている。
【0137】弾性プレスロール(1) は、鉄製ロール芯
(2) と、シリカ粉末およびフッ素樹脂粉末を高含有率で
表面部分に含有せしめたエポキシ樹脂からなる弾性被覆
層(3)とを有し、ロール芯(2) の外周面には、エポキシ
樹脂含浸繊維材からなる繊維補強下巻層(4) が設けら
れ、繊維補強下巻層(4) と弾性被覆層(3) との間には、
接着剤層(5) が介在させられたものである。
【0138】ここで、鉄製ロール芯(2) は、面長720
mmおよび外径255mmの大きさを有するものであ
り、エポキシ樹脂弾性被覆層(6) は、厚さ15.2m
m、および有効面長720mmを有するものであり、繊
維補強下巻層(4) は、厚さ4mmを有するものであり、
接着剤層(5) は、厚さ0.8mmを有するものである。
【0139】そして、この弾性プレスロール(1) に対す
るセラミックプレスロール(6) は、ロール芯(2) の外周
に設けられたセラミックス被覆層(7) と、被覆層(7) の
表面に形成された離型性を有する有機高分子物質として
のフッ素樹脂コーティング層とを有するものである。
【0140】このセラミックプレスロール(6) は、つぎ
の方法によって製造した。
【0141】すなわち、面長720mm、直径255m
mの鋳鉄製円筒状ロール芯(2) の表面を、有機溶剤(ト
リクレン)で洗浄、脱脂し、ついでサンドブラストによ
り錆と異物を除去するとともに粗面化した。
【0142】つぎに、このロール芯(2) を回転させなが
ら、表面に、プラズマ溶射機でアルミナ・チタニア(A
2 3 −TiO2 )粉末を溶射し、厚み約150μm
のセラミックス被覆層(7) を形成した。
【0143】このセラミックス被覆層(7) の表面を研削
した後、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキ
ルビニルエーテル共重合体(PFA)を所定の割合で含
む溶液を、スプレーにより、セラミックス被覆層(7) 表
面および表面側部分のセラミックス粒子同士の間隙に充
填されるようにコーティングし、溶剤を揮散させて樹脂
を硬化させ、厚み約150μmのコーティング層を形成
した。
【0144】ついで、ロール表面を研磨仕上げし、外径
255.5mm、面長720mm、表面粗さ(Ra)
0.10μmの薄層電極製造用セラミックプレスロール
(6) を得た。
【0145】なお、このセラミックプレスロール(6) の
表面をさらに研削してコーティング層を削り取り、セラ
ミックプレスロール(6) の表面を、セラミックス系材料
の粒子とその粒子間の間隙に充填されたテトラフルオロ
エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合
体(PFA)とが混在した状態としてもよい。
【0146】このプレス装置(10)により、まず正極の薄
層電極(15)を製造するには、同図に示すように、厚さ2
0μmの電極用アルミニウム箔(12)の両表面に、正極活
物質としてLiCoO2 、導電剤としてアセチレンブラ
ック、バインダとしてポリビニリデンフルオライド(P
VDF)、および有機溶剤としてN−メチルピロリドン
を所定の配合割合で含むペースト状合剤(13)を、均一な
厚さに塗布した。続いて乾燥器中を通過させ、ペースト
中の分散溶媒を除去し、該合剤塗布アルミニウム箔(12)
を、弾性プレスロール(1) とセラミックプレスロール
(6) との間に挾んで加圧することにより、厚さ150μ
mを有する正極の薄層電極(15)を得た。
【0147】弾性プレスロール(1) とセラミックプレス
ロール(6) によるプレスの条件は、線圧を100kg/
cm、プレス温度を室温、プレス速度を25m/分とし
た。
【0148】これに対し、上記プレス装置(10)により、
負極の薄層電極(16)を製造するには、同図に示すよう
に、厚さ20μmの電極用銅箔(12)の両表面に、負極活
物質としてカーボン、バインダとしてPVDF、有機溶
媒としてはN−メチルピロリドンを所定の配合割合で含
むペースト状合剤(14)を、均一な厚さに塗布した。続い
て乾燥器中を通過させ、ペースト中の分散溶媒を除去
し、該合剤塗布銅箔(12)を、弾性プレスロール(1) とセ
ラミックプレスロール(6) との間に挾んで加圧すること
により、厚さ150μmを有する負極の薄層電極(16)を
得た。
【0149】なお、弾性プレスロール(1) とセラミック
プレスロール(6) によるプレスの条件は、上記正極の薄
層電極(15)を製造する場合と同様であった。
【0150】つぎに、このようにして製造した正極およ
び負極の薄層電極(15)(16)を、両者の間にセパレータ
(図示略)を介してロール状に巻き上げた後、所定の電
池ケース(図示略)内に挿入し、さらに電池ケース内に
電解液を注入し、封口してリチウムイオン二次電池を完
成した。
【0151】このように、この実施例8によれば、一方
の薄層電極製造用プレスロール(1)自体に、シリカ粉末
およびフッ素樹脂粉末を高含有率で表面部分に含有せし
めたエポキシ樹脂弾性被覆層(3) が設けられており、他
方のプレスロール(6) には、表面にフッ素樹脂コーティ
ング層を有するセラミックス被覆層(7) が設けられてい
るため、得られた薄層電極(15)(16)は、密度の均一性お
よび表面の平滑性が共に良好であった。またプレス中に
電極材がロール(1) 表面に粘着することもなかった。
【0152】また、本発明によれば、薄層電極製造用プ
レスロール(1) が、エポキシ樹脂弾性被覆層(3) を有す
るため、従来の金属ロールに比べて表面に傷がつきにく
く、摩耗しにくい。また仮に、プレスロール(1) 表面に
傷がついたり、摩耗したりしたとしても、弾性被覆層
(3) を構成する弾性材料であれば容易に表面研磨ができ
て、研磨によって元の平滑な表面状態とすることができ
のるので、メンテナンスが容易である。さらに、プレス
ロール(1) 設置のさいの軸芯振れ等の多少の設定誤差
は、ロール弾性被覆層(3) の弾性によって緩和・吸収す
ることができ、プレスロール(1) の設置作業が容易であ
った。
【0153】
【発明の効果】本発明による薄層電極製造用プレスロー
ルは、上述のように、リチウムイオン二次電池等に組み
込まれる薄層電極の製造に使用されるプレスロールであ
って、ロール芯と、ロール芯の外側に設けられた弾性材
料からなる弾性被覆層とを有するものであるから、ロー
ルの表面精度や寸法精度にある程度のムラがあったとし
ても、弾性被覆層表面の弾性によってこれらのムラを緩
和することができる。
【0154】薄層電極の正極または負極の活物質を含む
合剤の塗布層は、通常、ある程度の凹凸を有している
が、本発明によれば、プレスロールの弾性被覆層により
これらの凹凸に対して均一な圧力で接触するので、薄層
電極の密度を均一化することができ、薄層電極の正極ま
たは負極活物質よりなる電極材の密度にムラを生じるこ
となく、活物質の高密度化および均質化、並びに薄層電
極表面の平滑化を果たすことができて、一定容積の電池
ケースに対する薄層電極の活物質の充填量を増大し、も
って薄層電極の巻取り工程の歩留まりを良くするととも
に、不良品を少なくして、生産性を向上することができ
る。
【0155】なお、従来の金属ロール同士の組み合わせ
では、塗布層の凹部と凸部とで加圧力に差が生じ、薄層
電極の密度にムラが生じやすく、かつ金属ロール同士の
場合、硬質であるため、ロールの表面精度等のムラが、
そのまま薄層電極側の精度に影響される欠点を有してい
る。
【0156】また、本発明によれば、薄層電極製造用プ
レスロールが、弾性材料からなる弾性被覆層を有するた
め、従来の金属ロールに比べて表面に傷がつきにくく、
摩耗しにくい。また仮に、プレスロール表面に傷がつい
たり、摩耗したりしたとしても、弾性被覆層を構成する
弾性材料であれば容易に表面研磨ができて、研磨によっ
て元の平滑な表面状態とすることができのるので、ロー
ル寸法精度の維持、ロール表面性の管理等のロールのメ
ンテナンスを容易に行ない得る。
【0157】さらに、プレスロール設置のさいの軸芯振
れ等の多少の設定誤差は、ロール弾性被覆層の弾性によ
って緩和・吸収することができ、プレスロール設置上の
精度の管理が容易であるという効果を奏する。
【0158】なお、本発明の薄層電極製造用プレスロー
ルの弾性材料からなる弾性被覆層中に、離型付与材を混
入して、離型性付与材を混入することにより、ロール弾
性被覆層の表面の離型性が向上することができて、弾性
被覆層の表面に、正極または負極活物質よりなる電極材
の粘着が生じることなく、薄層電極の製造を速やかに生
産性よく実施し得るという効果を奏する。
【0159】また、本発明による上記プレスロールを用
いた薄層電極製造用プレス装置は、ロール芯の外側に弾
性材料からなる弾性被覆層が設けられている弾性プレス
ロールと、該弾性プレスロールと同様の弾性ロール、金
属ロールまたはセラミックロールとを備えているもので
あり、また本発明による上記プレスロールを用いた薄層
電極の製造方法は、電極用金属箔の表面に、正極または
負極の活物質を含むペースト状の合剤を塗布した後、該
合剤塗布金属箔を、ロール芯の外側に弾性材料からなる
弾性被覆層が設けられている弾性プレスロールと、該弾
性プレスロールと同様の弾性ロール、金属ロールまたは
セラミックロールとの間に挾んで加圧することにより、
薄層電極を製造するもので、本発明の薄層電極製造用プ
レス装置および同薄層電極の製造方法によれば、均質で
寸法精度の良い薄層電極を、非常に生産性よく製造する
ことができ、かつロールメンテナンスが容易であり、設
備費およびランニングコストを大幅に低減することがで
きて、リチウムイオン二次電池等に組み込まれる高性能
の薄層電極を、市場に安価に供給し得るという効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による薄層電極製造用プレスロールの実
施例を示す断面図である。
【図2】同プレスロールのいま1つの実施例を示す断面
図である。
【図3】同プレスロールのさらにいま1つの実施例を示
す断面図である。
【図4】本発明による薄層電極製造用プレス装置により
薄層電極を製造する実施例を示す概略側面図である。
【図5】同薄層電極を製造するいま1つの実施例を示す
概略側面図である。
【図6】同薄層電極を製造するさらにいま1つの実施例
を示す概略側面図である。
【符号の説明】
1 薄層電極製造用プレスロール 2 ロール芯 3 弾性被覆層 4 繊維補強下巻層 4a 第1繊維補強下巻層 4b 第2繊維補強下巻層 5 接着剤層 6 セラミックプレスロール 10 薄層電極製造用プレス装置 11 金属ロール 12 電極用金属箔 13 正極の活物質を含む合剤 14 負極の活物質を含む合剤 15 正極の薄層電極 16 負極の薄層電極

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウムイオン二次電池等に組み込まれ
    る薄層電極の製造に使用されるプレスロールであって、
    ロール芯と、ロール芯の外側に設けられた弾性材料から
    なる弾性被覆層とを有することを特徴とする、薄層電極
    製造用プレスロール。
  2. 【請求項2】 ロール芯が、外周に繊維補強下巻層を有
    するものである、請求項1記載の薄層電極製造用プレス
    ロール。
  3. 【請求項3】 弾性材料が、天然ゴム、合成ゴム、熱硬
    化性樹脂および熱可塑性樹脂よりなる群の中から選ばれ
    た少なくとも1つの高分子弾性材料である、請求項1ま
    たは2記載の薄層電極製造用プレスロール。
  4. 【請求項4】 合成ゴムが、ポリウレタンゴム、シリコ
    ーンゴム、またはフッ素ゴムであり、熱硬化性樹脂が、
    エポキシ樹脂、架橋ポリエステルアミド樹脂、ポリウレ
    タン樹脂、ポリイソシアヌレート樹脂、不飽和ポリエス
    テル樹脂、またはジアリルフタレート樹脂であり、熱可
    塑性樹脂が、ポリアミド樹脂、またはポリカーボネート
    樹脂である、請求項3記載の薄層電極製造用プレスロー
    ル。
  5. 【請求項5】 弾性被覆層表面の硬度(ショアーD硬
    度)が30〜99°の範囲にあり、かつ弾性被覆層の表
    面粗さ(Ra)が0.01〜0.2μmの範囲にある、
    請求項1または2記載の薄層電極製造用プレスロール。
  6. 【請求項6】 弾性材料中に離型性付与材を混入するこ
    とにより、弾性被覆層表面に離型性が付与されている、
    請求項1、2または5記載の薄層電極製造用プレスロー
    ル。
  7. 【請求項7】 ロール芯の外側に弾性材料からなる弾性
    被覆層が設けられている弾性プレスロールと、該弾性プ
    レスロールと同様の弾性ロール、金属ロールまたはセラ
    ミックロールとを備えている、薄層電極製造用プレス装
    置。
  8. 【請求項8】 電極用金属箔の表面に、正極または負極
    の活物質を含むペースト状の合剤を塗布した後、該合剤
    塗布金属箔を、ロール芯の外側に弾性材料からなる弾性
    被覆層が設けられている弾性プレスロールと、該弾性プ
    レスロールと同様の弾性ロール、金属ロールまたはセラ
    ミックロールとの間に挾んで加圧することにより、薄層
    電極を製造することを特徴とする、薄層電極の製造方
    法。
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