明細書
炎症性関節疾患の治療剤 技術分野
本発明は、 ピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、 又はそれ らの水和物若しくは溶媒和物を有効成分として含む、 滑膜細胞の増殖及ぴ Z又は 遊走を抑制するための薬剤、 並びに炎症性関節疾患の治療及ぴ Z又は予防のため の医薬に関する。 背景技術
関節リゥマチ、 変形性関節症及ぴ感染や外傷に起因する関節炎等を含む炎症性 関節疾患は、関節滑膜の炎症を介して軟骨や骨の破壌を惹起する。炎症滑膜には、 血管新生、リンパ球浸潤、並びに滑膜細胞の増殖及ぴ活性化が認められる。特に、 関節リウマチの病態の形成には、 関節局所の滑膜細胞の増殖や遊走が重要である と考えられている。 滑膜細胞の増殖や遊走には、 炎症性サイトカイン (Arend WP, et al. , Arthritis Rheum 1995; 138: 151-60)や酸化ストレス (Ozturk HS, et al. , Rheumatol Int 1999 : 19 (1— 2) : 35 - 7、 Firestein GS, et al. , J Clin Invest 1995 ;96 : 1631-8、 及ぴ Winrow VR, et al. , Br Med Bull 1993; Jul ; 49 (3) : 506- 22) の関与が示唆されている。
関節性疾患の治療のためにはヒアルロン酸ナトリウムが有効であることが知ら れており、 また、 亜鉛が関節炎の治療のために有効であることも知られている。 ヒアルロン酸ナトリゥムは生物適合性及ぴ流動特性が好適であるため、 炎症性関 節疾患の治療に使用されているが、 滑膜細胞の増殖や活性化に対する抑制効果は 実質的に認められない。また、亜鉛についても十分な治療効果は得られていなレ、。 一方、 下記式 ( I ) :
(式中、 R1は水素原子、 ァリール、 炭素数 1〜5のアルキル又は総炭素数 3〜 6のアルコキシカルボニルアルキルを表し、 R2は、水素原子、ァリールォキシ、 ァリールメルカプト、 炭素数 1〜5のアルキル又は炭素数 1〜3のヒ ドロキシァ ルキルを表し、 あるいは、 R1及ぴ R2は、 共同して炭素数 3〜 5のアルキレンを 表し、 R 3は水素原子、 炭素数 1〜 5のアルキル、 炭素数 5〜 7のシクロアルキ ル、 炭素数 1〜 3のヒドロキシアルキル、 ベンジル、 ナフチル又はフエニル、 又 は炭素数 1〜 5のアルコキシ、 炭素数 1〜3のヒ ドロキシアルキル、 総炭素数 2 〜 5のアルコキシカルボニル、 炭素数 1〜 3のアルキルメルカプト、 炭素数 1〜 4のアルキルァミノ、 総炭素数 2〜 8のジアルキルァミノ、 ハロゲン原子、 トリ フルォロメチル、 カルボキシル、 シァノ、 水酸基、 ニトロ、 ァミノ、 及ぴァセト アミ ドからなる群から選ばれる同一若しくは異なる 1〜 3個の置換基で置換され たフエニルを表す。)で表されるピラゾロン誘導体については、医薬の用途として、 脳機能正常化作用 (特公平 5— 31 523号公報)、過酸化脂質生成抑制作用 (特 公平 5— 35 128号公報)、 抗潰瘍作用 (特開平 3— 215425号公報)、 血 糖上昇抑制作用(特開平 3— 215426号公報)、心筋炎の予防及び/又は治療 作用(特開 2004— 137253号公報)、瞎疾患の予防及び Z又は治療作用(特 開 2004— 143149号公報) 及び炎症性腸疾患の予防及び/又は治療作用 (WO 2004/022543号公報) 等が知られている。
また、 上記式 (I) で示されるいくつかの化合物は抗炎症作用を有しているこ と力 S知られ飞レヽる (Izvestiya TimiryazevsKoi ¾el' skohozyai stvennoi Akademii, 1968, (5), 210-14)。 しかしながら、 これらの化合物の抗炎症作用は以下に示す ようにァミノピリンやフエ二ルブタゾンと比較して弱い。 約 0. 2mmo 1 /k g腹腔内投与時の炎症抑制率はァミノピリン 46 %、 フエ二ルブタゾン 49 %に
対し、 3—メチル一 1—フエ-ルー 2—ピラゾロン一 5—オン 32. 6%、 3— メチル一 1—ベンジル一 2—ピラゾロン一 5—オン 27. 6%、 1—フエ二ルー 2—ピラゾロン一5—オン 36. 2%である。
また、 上記式 (I) の化合物のうち、 3—メチル _ 1一フエ二ルー 2—ピラゾ リン _ 5—オンを有効成分とする製剤は、 2001年 6月以来、 脳保護剤 (一般 名 「エダラボン」、 商品名 「ラジカット」:三菱ゥヱルファーマ株式会社製造 *販 売) として上巿されている。 この 「エダラボン」 は、 活性酸素に対して高い反応 性を有することが報告されている (Kawai, H. , et al. , J. Phamacol. Exp. Ther. 281(2), 921, 1997 ;及ぴ Wu, TW. et al. , Life Sci, 67(19), 2387, 2000) 0 こ のように、 エダラボンは活性酸素をはじめとする種々のフリーラジカルを消去す ることで、細胞障害などを防ぐ働きをするフリーラジカルスカベンジャーである。 しかしながら、 滑膜細胞の増殖に対するエダラボンの影響、 並びに関節リウマチ 等の炎症性関節疾患に対するエダラボンの有効性についてはこれまで報告がなレ、。
[特許文献 1] 特公平 5— 3 1523号公報
[特許文献 2] 特公平 5— 35128号公報
[特許文献 3] 特開平 3— 215425号公報
[特許文献 4 ] 特開平 3— 215426号公報
[特許文献 5] 特開 2004— 1 37253号公報
[特許文献 6] 特開 2004— 143149号公報
[特許文献 7] WO 2004Z022543号公報
[非特許文献 1] Arend WP, et al. , Arthritis Rheum 1995; 138: 151 - 60 [非特許文献 2] Ozturk HS, et al. , Rheumatol Int 1999: 19 (1-2): 35 - 7
[非特許文献 3] Firestein GS, et al. , J Clin Invest 1995 ;96: 1631- 8
[非特許文献 4] Winrow VR, et al. , Br Med Bull 1993; Jul; 49 (3): 506-22 [非特許文献 5 ] Izvestiya Timiryazevskoi Sel, skohozyaistvennoi Akademii, 1968, (5), 210-14
[非特許文献 6 ] Kawai, H. , et al. , J. Phamacol. Exp. T er. , 281 (2), 921,
1997
[非特許文献 7 ] Wu, TW. et al., Life Sci, 67 (19) , 2387, 2000 発明の開示
本発明の課題は、 滑膜細胞の増殖及び/又は遊走を抑制するための薬剤、 並び に炎症性関節疾患の治療及び/又は予防のための医薬を提供することにある。 本発明者らは、 上記課題を解決することを目的として、 式 (I ) で示されるピ ラゾロン誘導体を用いて、 ヒ ト滑膜細胞の増殖能及び遊走能に及ぼす影響につい て検討した。 その結果、 上記ピラゾロン誘導体の投与により、 ヒ ト滑膜細胞の増 殖及び遊走を抑制できることを見出し、 本発明を完成するに至った。
即ち、 本発明によれば、 下記式 (I ) :
(式中、 R 1は、 水素原子、 ァリール基、 炭素数 1〜5のアルキル基又は総炭素 数 3〜 6のアルコキシカルボエルアルキル基を表し; R 2は、 水素原子、 ァリー ルォキシ基、 ァリールメルカプト基、 炭素数 1〜 5のアルキル基又は炭素数 1〜 3のヒ ドロキシアルキル基を表し;あるいは、 R 1及ぴ R 2は、 共同して炭素数 3 〜5のアルキレン基を表し; R 3は、 水素原子、 炭素数 1〜5のアルキル基、 炭 素数 5〜 7のシクロアルキル基、 炭素数 1〜 3のヒ ドロキシアルキル基、 ベンジ ル基、 ナフチル基、 フエニル基、 又は炭素数 1〜 5のアルキル基、 炭素数 1〜5 のアルコキシ基、 炭素数 1〜 3のヒ ドロキシアルキル基、 総炭素数 2〜5のアル コキシカルボエル基、 炭素数 1〜 3のアルキルメルカプト基、 炭素数 1〜4のァ ルキルアミノ基、 総炭素数 2〜 8のジアルキルアミノ基、 ハロゲン原子、 トリフ ルォロメチル基、 カルボキシル基、 シァノ基、 水酸基、 ニトロ基、 アミノ基及び ァセトアミ ド基からなる群から選ばれる同一若しくは異なる 1〜 3個の置換基で
置換されたフ 二ル基を表す。)
で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、 又はそれら の水和物若しくは溶媒和物を有効成分として含む、 滑膜細胞の増殖及び/又は遊 走を抑制するための薬剤が提供される。
本発明の好ましい態様によれば、 式 (I ) で示されるピラゾロン誘導体は、 3 ーメチルー 1—フエ二ルー 2—ピラゾリン一 5一オンである。
本発明の別の側面によれば、 上記式 (I ) で示されるピラゾロン誘導体若しく はその生理学的に許容される塩、 又はそれらの水和物若しくは溶媒和物を有効成 分として含む、炎症性関節疾患の治療及び Z又は予防のための医薬が提供される。 本発明の好ましい態様によれば、 上記医薬は、 式 (I ) で示されるピラゾロン 誘導体の血漿中未変化体濃度の最大値 C m a xが 1 5〜3 0 0 0 n g Zm lとな るように投与される。
本発明の好ましい態様によれば、 式 (I ) で示されるピラゾロン誘導体が 3— メチルー 1一フエニノレー 2—ピラゾリン一 5一オンである。
本発明の好ましい態様によれば、 炎症性関節疾患は、 滑膜細胞の増殖及び Z又 は遊走に起因する疾患である。
本発明の好ましい態様によれば、炎症性関節疾患は、 関節リウマチ 、変形性関 節症、 感染性関節炎又は外傷性関節炎である。
本発明のさらに別の局面によれば、 上記式 (I ) で示されるピラゾロン誘導体 若しくはその生理学的に許容される塩、 又はそれらの水和物若しくは溶媒和物の 有効量をヒトを含む哺轧動物に投与する工程を含む、 滑膜細胞の増殖及び/又は 遊走を抑制する方法が提供される。
本発明のさらに別の局面によれば、 上記式 (I ) で示されるピラゾロン誘導体 若しくはその生理学的に許容される塩、 又はそれらの水和物若しくは溶媒和物の 予防及び Z又は治療有効量をヒトを含む哺乳動物に投与する工程を含む、 炎症性 関節疾患の治療及び Z又は予防する方法が提供される。
本発明のさらに別の側面によれば、 滑膜細胞の増殖及ぴ 又は遊走を抑制する
ための薬剤の製造のための式 (I ) で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生 理学的に許容される塩、 又はそれらの水和物若しくは溶媒和物の使用が提供され る。
本発明のさらに別の側面によれば、 炎症性関節疾患の治療及ぴ Z又は予防のた めの医薬の製造のための式 (I ) で示されるピラゾロン誘導体若しくはその生理 学的に許容される塩、又はそれらの水和物若しくは溶媒和物の使用が提供される。 図面の簡単な説明 ― ―
図 1は、 I L— 1 ]3刺激による滑膜細胞増殖に及ぼすエダラボンの用量依存性 効果 (n= 1 3) を測定した結果 (平均土 SE) を示す。
氺 : Pく 0. 0 1、 氺 * : P< 0. 00 1、 * * * : P< 0. 000 1 † : P< 0. 00 1
図 2は、 I L— 1 刺激による滑膜細胞遊走に及ぼすエダラボンの用量依存性 効果 (n= 1 0) を測定した結果 (平均土 SD) を示す。
* : Pく 0. 0 5 vs エダラボン 0MZ I L- 1 j3 O n g/m 1
# : Pく 0. 0 5 vs エダラボン OM/ I L- 1 j8 1 0 n g/m 1 発明を実施するための最良の形態
本発明による滑膜細胞の増殖及び Z又は遊走を抑制するための薬剤、 並びに本 発明による炎症性関節疾患の治療及び/又は予防のための医薬 (以下、 これらを 総称して、 本発明の薬剤と称する) は、 本明細書に定義する式 (I ) で示される ピラゾロン誘導体若しくはその生理学的に許容される塩、 又はそれらの水和物若 しくは溶媒和物を含む。
本発明で用いる式( I )で示される化合物は、互変異性により、以下の式( ) 又は (1 ") で示される構造をもとりうる。 本明細書の式 (I ) には、 便宜上、 互 変異性体のうちの 1つを示したが、 当業者には下記の互変異性体の存在は自明で ある。 本発明の薬剤の有効成分としては、 下記の式 (1 ' ) 又は (1 ") で表され
る化合物若しくはその生理学的に許容される塩、 又はそれらの水和物若しくは溶 媒和物を用いてもよい。
式 (I ) において、 R
1の定義におけるァリール基は単環性又は多環性ァリー ル基のいずれでもよレ、。例えば、 フエニル基、ナフチル基などのほ力、 メチル基、 ブチル基などのアルキル基、 メ トキシ基、 ブトキシ基などのアルコキシ基、 塩素 原子などのハロゲン原子、 又は水酸基等の置換基で置換されたフエニル基等が挙 げられる。 ァリール部分を有する他の置換基 (ァリールォキシ基など) における ァリール部分についても同様である。
R 1 , R 2及び R 3の定義における炭素数 1〜5のアルキル基は直鎖状、 分枝鎖状 のいずれでもよい。例えば、 メチル基、ェチル基、プロピル基、イソプロピル基、 ブチル基、 イソブチル基、 sec—ブチル基、 tert—ブチル基、 ペンチル基等が挙げ られる。 アルキル部分を有する他の置換基 (アルコキシカルボニルアルキル基) におけるアルキル部分についても同様である。
R 1の定義における総炭素数 3〜6のアルコキシカルボニルアルキル基としては、 メ トキシカルボニルメチル基、 エトキシカルポニルメチル基、 プロポキシカルボ ニルメチル基、 メ トキシカルボニルェチル基、 メ トキシカルボニルプロピル基等 が挙げられる。
R 2の定義におけるァリールォキシ基としては、 p—メチルフエノキシ基、 p ーメ トキシフエノキシ基、 p—クロロフエノキシ基、 p—ヒ ドロキシフエノキシ 基等が挙げられ、 ァリールメルカプト基としては、 フエ二ルメルカプト基、 p— メチルフエ二ルメルカプト基、 p—メ トキシフエ二ルメルカプト基、 p—クロ口 フエ二ルメルカプト基、 p—ヒ ドロキシフエ二ルメルカプト基等が挙げられる。
R 2及び R 3の定義における炭素数 1〜3 のヒ ドロキシアルキル基としては、 ヒ ドロキシメチル基、 2—ヒドロキシェチル基、 3—ヒ ドロキシプロピル基等が挙げ られる。 R 3の定義における炭素数 5〜7のシクロアルキル基としては、 シクロぺ ンチル基、 シクロへキシル基、 シクロへプチル基等が挙げられる。
R 3の定義において、 フエニル基の置換基における炭素数 1〜5のアルコキシ基 としては、 メ トキシ基、 エトキシ基、 プロポキシ基、 イソプロポキシ基、 ブトキ シ基、ペンチルォキシ基等が挙げられ、総炭素数 2〜5のアルコキシ力ルポニル基 としては、 メ トキシカルボニル基、 エトキシカルボニル基、 プロポキシカルボ二 ル基、ブトキシカルボニル基等が挙げられ、炭素数 1〜3のアルキルメルカプト基 としては、 メチルメルカプト基、 ェチルメルカプト基、 プロピルメルカプト基等 が挙げられ、炭素数 1〜4のアルキルアミノ基としては、 メチルァミノ基、 ェチル アミノ基、 プロピルアミノ基、 プチルァミノ基等が挙げられ、総炭素数 2〜8のジ アルキルアミノ基としては、 ジメチルァミノ基、 ジェチルァミノ基、 ジプロピル アミノ基、 ジブチルァミノ基等が挙げられる。
本発明の薬剤の有効成分として好適に用いられる化合物( I ) として、例えば、 以下に示す化合物が挙げられる。
3—メチノレ一 1 _フエ二 7レ一 2—ピラゾリンー 5—オン;
3—メチノレー 1— ( 2—メチノレフエ二ノレ) 一 2—ピラゾリン一 5—オン; 3—メチル一 1— ( 3—メチルフエニル) 一 2—ピラゾリン一 5—オン; 3—メチル一 1— ( 4一メチルフエニル) 一 2—ピラゾリン一 5—オン; 3ーメチルー 1一 (3, 4ージメチルフエニル)一 2—ビラゾリンー 5一オン; 1― ( 4 _ェチルフエニル) 一 3—メチノレ一 2—ピラゾリンー 5—オン; 3—メチノレ一 1— ( 4—プロピ /レフェニノレ) 一 2—ピラゾリン一 5—オン; 1 - ( 4一ブチルフエニル) —3—メチルー 2—ピラゾリン一 5—オン; 1一 ( 3—トリフルォロメチルフエニル) 一 3—メチル一 2 _ピラゾリン一 5 一オン;
1 - ( 4—トリフルォロメチルフエニル) 一 3—メチルー 2—ピラゾリン一 5
オン;
1— ( 2—メ トキシフエ二ル) 一 3 _メチル一 2—ピラゾリン _ 5—オン; 1― ( 3—メ トキシフエ二ル) 一 3—メチル一 2—ピラゾリン一 5—オン; 1一 (4ーメ トキシフエニル) 一 3—メチル一 2—ピラゾリン一 5—オン; 1— ( 3 , 4—ジメ トキシフエニル) 一 3—メチル一 2—ピラゾリン一 5—ォ ン;
1— ( 4一エトキシフエニル) 一 3—メチル一 2 _ピラゾリン一 5—オシ; 3—メチルー 1— ( 4一プロポキシフエニル) 一 2—ピラゾリン一 5—オン; 1— ( 4—ブトキシフエニル) 一 3—メチルー 2—ピラゾリン一 5 _オン; 1一 (2—クロ口フエニル) 一 3—メチノレー 2—ピラゾリン一 5—オン; 1一 (3—クロ口フエニル) 一 3—メチルー 2—ピラゾリン一 5—オン; 1一 (4—クロ口フエ二ノレ) 一 3—メチノレー 2—ピラゾリン一 5—オン; 1一 (3, 4—ジクロロフエニル) 一 3—メチルー 2—ビラゾリン一 5—オン; 1一 (4一ブロモフエニル) 一 3—メチノレー 2—ピラゾリン一 5 _オン; 1一 (4一フルオロフェニノレ) 一 3—メチノレ一 2—ピラゾリン一5—オン; 1一 (3—クロ口一4—メチノレフエ二ノレ) 一 3—メチノレー 2—ピラゾリン一 5 —オン;
1一 (3—メチルメルカプトフエニル) 一 3—メチル一 2—ピラゾリン一 5— オン;
1一 (4—メチルメルカプトフエニル) _ 3—メチル一 2—ピラゾリン一 5— オン;
4一 (3—メチル一5—ォキソ一 2—ピラゾリン一 1—ィル) 安息香酸; 1一 (4—エトキシカノレポ二ノレフエ二ノレ) 一 3—メチノレー 2—ピラゾリ ン一 5 —オン;
1一 (4—ニトロフエニル) 一 3—メチルー 2—ピラゾリン一 5—オン; 3ーェチノレ一 1一フエ二ノレ一 2—ピラゾリン一 5—オン;
1一フエニル一 3—プロピル一 2—ビラゾリン一 5—オン;
1, 3—ジフエ二ルー 2—ピラゾリン一 5—オン;
3—フエ二ルー 1一 (p—トリル) 一 2—ピラゾリン一 5—オン;
1— ( 4—メ トキシフエニル) 一 3—フエ二ルー 2 _ピラゾリン一 5—オン; 1— ( 4一クロ口フエニル) 一 3—フエ二ノレ一 2—ピラゾリン一 5—オン; 3 , 4—ジメチノレ一 1—フエ二ルー 2—ピラゾリン一 5—オン;
4ーィソブチノレー 3—メチルー 1一フエ二ノレ一 2—ピラゾリンー 5—オン; 4一 (2—ヒドロキシェチル) _ 3—メチルー 1 _フエ-ルー 2—ピラゾリン 一 5—オン;
3—メチル一4一フエノキシ一 1—フエニル一 2—ビラゾリン一 5—オン; 3—メチルー 4一フエ二ルメルカプト一 1一フエ二ルー 2—ピラゾリン一 5— オン;
3 , 3, , 4, 5 , 6 , 7—へキサヒドロ一 2—フエニル一 2 H—インダゾール - 3—オン;
3― (ェトキシカルボニルメチル) - 1一フエ-ルー 2—ビラゾリン一 5—才 ン;
1 _フエ二ルー 2—ビラゾリンー 5—オン;
3—メチルー 2—ビラゾリン _ 5 _オン;
1, 3ージメチル一 2 -ピラゾリン一 5—オン:
1—ェチル _ 3—メチル _ 2—ビラゾリン一 5—オン;
1—ブチル一 3—メチル一 2—ビラゾリンー 5—オン;
1 - ( 2—ヒドロキエチル) 一 3—メチルー 2—ピラゾリン一 5 _オン;
1ーシク口へキシルー 3—メチルー 2—ビラゾリン一 5—オン;
1一ベンジル一 3—メチルー 2—ビラゾリン一 5—オン;
1 - ( CK—ナフチル) 一 3—メチル一 2—ピラゾリン一 5—オン;
1—メチル一 3—フエ二ルー 2—ビラゾリンー 5—オン;
3—メチル一 1— ( 4一メチルフエニル) 一2—ピラゾリン一 5—オン;
1一 (4—ブチルフエニル) 一 3—メチルー 2—ピラゾリン一 5 _オン;
1一 (4—メ トキシフエニル) 一 3—メチルー 2—ピラゾリン一 5—オン; 1一 (4—ブトキシフエニル) ー3—メチル _ 2—ピラゾリン一5—オン; 1— ( 4一クロ口フエュル) 一3—メチル一2—ピラゾリン一 5—オン; 1— ( 4ーヒ ドロキシフエニル) 一 3—メチル一 2—ピラゾリン一 5—オン; 1— ( 3 , 4—ジヒドロキシフエニル) 一 3—メチル一 2—ピラゾリン一 5— オン;
1一 (2—ヒ ドロキシフエニル) 一 3—メチノレ一 2—ピラゾリン一 5—オン; 1 - ( 3—ヒ ドロキシフエニル) 一 3—メチル一 2—ピラゾリン一 5—オン; 1 - ( 4—ヒ ドロキシフエニル) 一 3—メチルー 2—ピラゾリン一 5—オン; 1 - ( 3 , 4—ヒ ドロキシフエニル) 一 3—メチル一2—ピラゾリン一 5—ォ ン;
1一(4—ヒ ドロキシフエニル)一 3—フエ二ルー 2—ピラゾリンー 5—オン; 1一 (4ーヒ ドロキシメチルフエニル) 一 3—メチル一 2—ピラゾリン一 5— オン;
1— ( 4ーァミノフエ-ル) 一 3—メチル一2—ピラゾリン一 5 _オン; 1一(4ーメチルァミノフエニル)一 3—メチル一 2—ビラゾリン一 5—オン; 1 - ( 4ーェチルァミノフエニル)一 3—メチルー 2—ビラゾリンー 5—オン; 1一(4—ブチルァミノフエニル)一3—メチル一 2—ビラゾリンー5—オン; 1 - ( 4—ジメチルァミノフエニル) 一 3—メチル一 2—ピラゾリン一 5—ォ ン;
1 - (ァセトアミ ドフエニル) 一 3—メチルー 2—ピラゾリン一 5—オン;及 ぴ
1— ( 4—シァノフエニル) 一 3—メチルー 2—ピラゾリン一 5—オン 本発明の薬剤の有効成分としては、 式 (I ) で表される遊離形態の化合物のほ 力 \生理学的に許容される塩を用いてもょレ、。生理学的に許容される塩としては、 塩酸、 硫酸、 臭化水素塩、 リン酸等の鉱酸との塩;メタンスルホン酸、 p—トル エンスルホン酸、 ベンゼンスルホン酸、 酢酸、 グリコール酸、 グルクロン酸、 マ
レイン酸、 フマル酸、 シユウ酸、 ァスコルビン酸、 クェン酸、 サリチル酸、 ニコ チン酸、 酒石酸等の有機酸との塩;ナトリウム、 カリウム等のアルカリ金属との 塩;マグネシウム、 カルシウム等のアルカリ土類金属との塩;アンモニア、 トリ ス (ヒドロキシメチル) ァミノメタン、 N, N—ビス (ヒドロキシェチル) ピペラ ジン、 2—アミノー 2—メチルー 1一プロパノール、エタノールァミン、 N—メチ ルグルタミン、 L一グルタミン等のァミンとの塩が挙げられる。 また、 グリシンな どのアミノ酸との塩を用いてもよい。
本発明の薬剤の有効成分としては、 上記式 (I) で表される化合物若しくはそ の生理学的に許容される塩の水和物、 又は上記式 (I) で表される化合物若しく はその生理学的に許容される塩の溶媒和物を用いてもよい。 溶媒和物を形成する 有機溶媒の種類は特に限定されないが、 例えば、 メタノール、 エタノール、 エー テル、 ジォキサン、 テトラヒドロフランなどを例示することができる。 また、 上 記式 (I) で表される化合物は、 置換基の種類により 1以上の不斉炭素を有する 場合があり、 光学異性体又はジァステレオ異性体などの立体異性体が存在する場 合がある。 本発明の薬剤の有効成分としては、 純粋な形態の立体異性体、 立体異 性体の任意の混合物、 ラセミ体などを用いてもよい。
式 (I) で表される化合物はいずれも公知の化合物であり、 特公平 5— 315 23号公報などに記載された方法により当業者が容易に合成できる。
本発明の薬剤の投与量は特に限定されないが、通常は、有効成分である式 (I) で示される化合物の血漿中未変化体濃度の最大値 Cm a xが 15〜3000 n g /m 1、 好ましくは 1 5〜2000 n g /m 1、 より好ましくは 15〜 1 300 n g/m 1 となるように投与する。 このような血漿中未変化体濃度を得るために は、 式 (I) で示される化合物を経口投与の場合には一回あたり 0. l〜1000mg/kg 体重、好ましくは一回あたり 0.5〜50mg/kg体重、 より好ましくは一回あたり 0.5 〜30mg/kg体重、 非経口投与の場合には一回あたり 0.01〜100mg/kg体重、好まし くは一回あたり 0.01〜10rag/kg体重、 より好ましくは一回あたり 0. l~10mg/kg 体重投与すればよい。 上記投与量は 1日 1回又は 2〜3回投与するのが好ましく、
年齢、 病態、 症状により適宜増減してもよい。
本発明の薬剤としては、 上記式 (I ) で表される化合物若しくはその生理学的 に許容される塩、 又はそれらの水和物若しくは溶媒和物をそのまま投与してもよ いが、 一般的には、 有効成分である上記の物質と薬理学的及び製剤学的に許容さ れる添加物を含む医薬組成物を調製して投与することが好ましい。
薬理学的及び製剤学的に許容しうる添加物としては、 例えば、 賦形剤、 崩壌剤 ないし崩壊補助剤、 結合剤、 滑沢剤、 コーティング剤、 色素、 希釈剤、 基剤、 溶 解剤ないし溶解補助剤、 等張化剤、 p H調節剤、 安定化剤、 噴射剤、 及び粘着剤 等を用いることができる。
経口投与に適する医薬組成物には、 添加物として、 例えば、 ブドウ糖、 乳糖、 D—マンニトール、 デンプン、 又は結晶セルロース等の賦形剤;カルボキシメチ ルセルロース、 デンプン、 又はカルボキシメチルセルロースカルシウム等の崩壊 剤又は崩壊補助剤; ヒ ドロキシプロピルセルロース、 ヒ ドロキシプロピルメチル セルロース、 ポリビュルピロリ ドン、 又はゼラチン等の結合剤;ステアリン酸マ グネシゥム又はタルク等の滑沢剤;ヒドロキシプロピルメチルセルロース、白糖、 ポリエチレングリコール又は酸化チタン等のコーティング剤;ワセリン、 流動パ ラフィン、 ポリエチレングリコール、ゼラチン、 力オリン、 グリセリン、精製水、 又はハードフアツト等の基剤を用いることができる。
注射あるいは点滴用に適する医薬組成物には、 注射用蒸留水、 生理食塩水、 プ 口ピレンダリコール等の水性あるいは用時溶解型注射剤を構成しうる溶解剤又は 溶解補助剤;ブドウ糖、 塩化ナトリウム、 D—マンニトール、 グリセリン等の等 張化剤;無機酸、 有機酸、 無機塩基又は有機塩基等の p H調節剤等の添加物を用 いることができる。
本発明の薬剤の形態は特に限定されず、 当業者に利用可能な種々の形態をとる ことができる。 経口投与に適する薬剤として、 例えば、 固体の製剤用添加物を用 いて錠剤、 散剤、 顆粒剤、 硬ゼラチンカプセル剤、 坐剤、 又はトローチ剤などを 調製することができ、 液状の製剤用添加物を用いてシロップ剤、 乳剤、 軟ゼラチ
ンカプセル剤などを調製することができる。 また、 非経口投与に適する薬剤とし て、 注射剤、 点滴剤、 吸入剤、 坐剤、 経皮吸収剤、 経粘膜吸収剤などを調製する ことができる。 なお、 上記の式 (I ) の化合物を有効成分とする脳保護剤 (点滴 剤) 力 すでに臨床において使用されているので (一般名 「エダラボン」、 商品名 「ラジカツト」 :三菱ゥエルファーマ株式会社製造 ·販売)、 本発明の薬剤におい て上記市販製剤をそのまま用いることができる。
本発明の薬剤の投与経路は特に限定されず、 経口的又は非経口的に投与するこ とができる。 非経口投与の投与経路も特に限定されず、 静脈内、 筋肉内、 皮内、— 皮下に注射投与することができる。
本発明の薬剤は、 炎症性関節疾患の発症に先立って予防的に投与しておくこと もできる。 また、 炎症性関節疾患を発症した患者に対しては、 症状の悪化の防止 ないしは症状の軽減などを目的として、 本発明の薬剤を該患者に投与することが できる。
本発明の薬剤の投与対象となる炎症性関節疾患は最も広義に解釈され、 好まし くは滑膜細胞の増殖及ぴ Z又は遊走に起因する疾患であり、 例えば、 関節リウマ チ、 変形性関節症又は感染や外傷に起因する感染性関節炎や外傷性関節炎等が挙 げられる。 炎症性関節疾患は、 滑膜細胞の増殖と活性化により惹起されると考え られている。 活性化された滑膜細胞はサイト力イン、 プロスタグランジン、 組織 破壌酵素などのケミカルメディエーターを産生し、軟骨や骨の破壊を引き起こし、 関節の炎症を生じさせる。 関節リウマチ、 変形性関節症、 及び感染や外傷患者か ら採取した滑膜細胞はインビトロにおいて増殖するが、 これらの滑膜細胞の増殖 及び遊走は、 本発明で用いる式 (I ) で示されるピラゾロン誘導体により抑制す ることができる。 滑膜細胞の増殖や遊走を抑制することができれば、 関節リウマ チなどの炎症性関節疾患の対症的な治療が可能である。 従って、 式 (I ) で示さ れるピラゾロン誘導体は、 関節リウマチ、 変形性関節症又は感染性あるいは外傷 性関節炎等の炎症性関節疾患の治療及び/又は予防のために有用である。
実施例
以下、 本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、 本発明は下記の実施 例により限定されるものではない。 合成例: 3—メチルー 1—フエ二ルー 2—ピラゾリン一 5—オン (以下、 ェダラ ボンと称す) の合成
エタノール 5 Om 1中にァセト酢酸ェチル 13. 0 g及ぴフエニルヒドラジン 10. 8 gを加え、 3時間還流攪拌した。 反応液を放冷後、 析出した結晶をろ取 し、エタノールより再結晶して、表題の化合物 1 1. 3 gを無色結晶として得た。 収率 67 %
融点 127. 5〜 1 28. 5 °C 実施例 1 :
ヒ ト培養滑膜細胞は関節リウマチ患者より得た。 即ち、 関節リウマチ患者の膝 関節人工関節置換術の際に、患者の同意を得た後、採取した滑膜を培養し (Kumon Y, et al., J Rheumatol 1999 ;26: 785-90)、 これを用いて以下の実験 (1) 及び (2) を行った。
(1) 細胞増殖能に及ぼすエダラボンの影響の検討
96穴培養プレートを用いて細胞増殖能を検討した。 培養滑膜細胞 8 X 103 個/ゥエルを 96穴培養プレートに播種し、 培養プレートに細胞が固着した後、 図 1に示す各種濃度のエダラボンと I L一 1 を添加し、 37 °Cでインキュベー ショ ンした (合計 1 0 0 μ 1 )。 細胞増殖能の評価は、 TetraColor ONE Cell Proliferation Assay System (生化学工業より購入) を用いて行った。 プレート 中のサンプル 100 μ 1に TetraColor ONE試薬 10 μ 1を加え、 37°Cで 1 20 分間インキュベーションした後、 波長 450 nm (対照波長 600 nm) にて吸 光度を測定し、 以下の (A) 及び (B) を比較検討した。
(A) エダラボンの細胞増殖に及ぼす時間依存性効果 (培養 0、 24、 48、 7 2時間後に測定)
エダラボン非投与群では培養 24時間後より有意な滑膜細胞の増殖反応(p < 0.
0001) が認められたが、 エダラボン (1 X 10— 5M) 投与群では培養 24時間 後には有意な細胞増殖反応がみられず、 培養 48時間後より有意な細胞増殖反応
(p < 0. 0001) が認められた。 また、 培養 24、 48、 72時間のすべての 時点において、 エダラボン非投与群の細胞数は、 エダラボン投与群の細胞数に比し 有意に増加していた。なお、エダラボン投与により細胞 の減少はみられなかった。
(B) エダラボンの細胞増殖に及ぼす用量依存性効果 (培養 48時間後に測定) エダラボンの細胞増殖に及ぼす用量依存性効果を測定した結果を図 1に示す。
1 L— 1 刺激による滑膜増殖反応は、 11^_1 ]3濃度0. 01、 0. 1及ぴ 1 n g/m 1の範囲では用量依存を認めた。 また、 エダラボンの増殖抑制効果は用 量依存性であつたが、 エダラボン濃度 1 X 10一6 Mから増殖抑制効果を認めた。
(2) 滑膜細胞の遊走能に及ぼすエダラボンの影響の検討
24穴培養プレートとケモタキセル (ポアサイズ 8 μπι、 クラボウ) を用いて 細胞遊走能 (走化性) を検討した。 ケモタキセルを 24穴培養プレート内に設置 し、 ケモタキセル内に培養滑膜細胞 5 X 104個を播種した。 上層チャンバ一に エダラボン、 下層チャンバ一には走化性物質である I L一 1 j3を入れて 37°Cで 18時間培養し、 ケモタキセルのポアを通り抜けて遊走してきた細胞数を共焦点 レーザー顕微鏡を用いて計測し、 遊走の指標とした。 測定結果を図 2に示す。
I L— 1 ]3濃度 l O n gZm l刺激下で、 培養滑膜細胞の遊走能は有意に増加 したが、 この遊走はエダラボン濃度 1 X 10一7 Mにより有意に抑制された。
(3) まとめ
式 (1) で示されるピラゾ口ン誘導体は既に述べたように約 0· 2mmo 1 / k g投与において抗炎症作用を有していることが知られている。 エダラボンを例
に取ると、 抗炎症作用を発現することが知られている 0. 2mmo lZk g (3 4. 8mg/k g) を腹腔内投与した時の血漿中未変化体濃度の最大値 Cm a x は、 3000 n gZm 1以上と推定される ( 10 m g /k g腹腔内投与時の血漿 中未変化体濃度の最大値 Cm a xは約 2900 n g/m 1である)。一方、細胞増 殖抑制効果は 1 X 10— 6M (1 74. 2 n gZm l)、 滑膜細胞遊走抑制効果は 1 X 10— 7M (1 7. 4 n gZm 1 ) 以上で発現している。 これらの濃度を比較 すると、 抗炎症作用を示すことが知られている濃度は細胞増殖抑制効果を示す濃 度の 17倍以上であるため、 式 (1) で示されるピラゾロン誘導体はこの誘導体 が有する抗炎症作用に関係なく、 炎症性関節疾患を治療及び Z又は予防しうるも のと考えられる。 産業上の利用可能性
式 (I) で示されるピラゾロン誘導体は、 滑膜細胞の増殖及ぴ Z又は遊走を効 果的に抑制することができ、 炎症性関節疾患の治療及び Z又は予防のための医薬 として有用である。
本出願が主張する優先権の基礎となる出願である特願 2003— 205352 の明細書に記載の内容は全て、 本明細書の開示の一部として本明細書中に引用に より取り込むものとする。