JPH10218771A - ピラゾロン系化合物またはその塩を含有する血小板由来血管内皮細胞増殖因子活性阻害剤 - Google Patents

ピラゾロン系化合物またはその塩を含有する血小板由来血管内皮細胞増殖因子活性阻害剤

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JPH10218771A
JPH10218771A JP3850397A JP3850397A JPH10218771A JP H10218771 A JPH10218771 A JP H10218771A JP 3850397 A JP3850397 A JP 3850397A JP 3850397 A JP3850397 A JP 3850397A JP H10218771 A JPH10218771 A JP H10218771A
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JP3850397A
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Keizo Miyata
宮田  敬三
Hirohiko Kimura
博彦 木村
Yoshimasa Kuroda
賢聖 黒田
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Ishihara Sangyo Kaisha Ltd
Original Assignee
Ishihara Sangyo Kaisha Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 生体内の核酸合成・代謝および血管新生に係
わるタンパクに対する阻害化合物であって、更には悪性
腫瘍、癌転移、糖尿病性網膜症、リューマチ性関節炎、
乾せんなど血管の異常増殖を伴う疾患の予防・治療に有
用なピラゾロン系化合物またはその塩を含有する血小板
由来血管内皮細胞増殖因子活性阻害剤を提供する。 【解決手段】 一般式(I): (式中、R1 は置換されてもよいアルキル基、置換され
てもよいアルキルチオ基、置換されてもよいシクロアル
キル基、置換されてもよいフェニル基、置換されてもよ
いピリジニル基などであり、R2 は水素原子、ハロゲン
原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、置換さ
れてもよいアルキル基などである)で表わされるピラゾ
ロン系化合物またはその塩を含有することを特徴とする
血小板由来血管内皮細胞増殖因子活性阻害剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、悪性腫瘍、癌転移、糖
尿病性網膜症、リューマチ性関節炎、乾せんなど血管の
異常増殖を伴う疾患の予防又は治療に有用なピラゾロン
系化合物またはその塩を含有する血小板由来血管内皮細
胞増殖因子活性阻害剤に関する。
【0002】
【従来の技術】チミジンホスホリラーゼは、ピリミジン
ヌクレオチドの代謝に関係する酵素である。近年、血小
板由来血管内皮細胞増殖因子がこのものと同一の活性を
もつことが明らかになった。血小板由来血管内皮細胞増
殖因子は血管新生に関与する因子の一つであるが、この
物質のチミジンホスホリラーゼ活性を阻害することによ
り、血管新生を阻害できることが知られている(例え
ば、Miyaderaら、 CancerResearch, 55, 1687-1690, 19
95 )。また、慢性関節リウマチ患者の滑膜液や血液に
有意に高く発現しているグリオスタチンもまた血小板由
来血管内皮細胞増殖因子と同様にチミジンホスホリラー
ゼ活性を有している。従って、血小板由来血管内皮細胞
増殖因子、チミジンホスホリラーゼおよびグリオスタチ
ンは同一物質であると推測されている(Takeuchiら、Ar
thritis & Rheumatism, 37, 662-672,1994)。血小板由
来血管内皮細胞増殖因子活性阻害剤としては、5-ニトロ
ウラシルや6-アミノ-5- クロロウラシルなどウラシル誘
導体が知られている。しかしながら、本発明の血小板由
来血管内皮細胞増殖因子活性阻害剤は、それらとは化学
構造が異なる。
【0003】本発明でいう後記一般式(I)で表わされ
るピラゾロン系化合物またはその塩のうち多くの化合物
は公知である。例えば4,4−ジブロモ−1,3−ジメ
チル−2−ピラゾリン−5−オンは特開昭62−281
865号公報および同62−281866号公報に、
4,4−ジブロモ−1−メチル−3−フェニル−2−ピ
ラゾリン−5−オンはジャーナル・オブ・ユニバーシテ
ィ・クエート・サイエンス(J. Univ.Kuwait, Sci) 197
6,3巻,39−56頁に、4,4−ジブロモ−3−メチ
ル−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オンはジャー
ナル・オブ・ザ・インディアン・ケミカル・ソサイエテ
ィ(J. IndianChem. Soc.) 1977,54巻,5号, 485 −
487 頁に、4,4−ジブロモ− 1,3−ジフェニル−
2−ピラゾリン−5−オンはツアイトシュリフト・フュ
ール・ヘミー(Z. Chem) 1980,20巻,12号,437
−438 頁に、また4,4−ジブロモ−3−メチル−1−
(p−ニトロフェニル)−2−ピラゾリン−5−オンは
ズルナール・フュール・プラクティシェ・ヘミー(J. P
rakt. Chem) 1984,326 巻,3号,367 −373 頁に記載
されている。また、特開平2−225469号公報に
は、一般式(I)の化合物またはその塩の多くがグラム
陽性菌、グラム陰性菌、白癬菌、真菌類などに対する抗
菌活性を持つことが記載されている。しかしながら、一
般式(I)の化合物またはその塩が血小板由来血管内皮
細胞増殖因子阻害活性を持つことについては、これら先
行文献中に記載も示唆もない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】悪性腫瘍、癌転移、糖
尿病性網膜症、リューマチ性関節炎、乾せんなど血管の
異常増殖を伴う疾患の予防又は治療において、血管新生
因子を阻害することは有効だと考えられる。そして、こ
のような考えをもとに、血小板由来血管内皮細胞増殖因
子活性阻害剤を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、血小板由
来血管内皮細胞増殖因子活性を阻害する化合物につき、
鋭意探索を試みた結果、下記一般式(I)で表わされる
化合物またはその塩が優れた阻害作用を有していること
を見出し、本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、一般式(I):
【化2】
【0007】(式中、R1 は置換されてもよいアルキル
基、置換されてもよいアルキルチオ基、置換されてもよ
いシクロアルキル基、置換されてもよいフェニル基、置
換されてもよいピリジニル基、置換されてもよいアルキ
ルカルボニルオキシアルキル基または置換されてもよい
ピリミジニル基であり、R2 は水素原子、ハロゲン原
子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、置換され
てもよいアルキル基、置換されてもよいアルコキシ基、
置換されてもよいアルキルチオ基、置換されてもよいシ
クロアルキル基、置換されてもよいアルコキシカルボニ
ル基、置換されてもよいアルキルカルボニルアミノ基、
置換されてもよいフェニル基、置換されてもよいフェニ
ルカルボニルアミノ基、または置換されてもよいピリジ
ニル基である)で表わされるピラゾロン系化合物または
その塩を含有することを特徴とする血小板由来血管内皮
細胞増殖因子活性阻害剤に関する。
【0008】前記一般式(I)で表わされるピラゾロン
系化合物の塩としては、薬学的に許容できる塩であれば
よく、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩などの鉱酸塩、
p−トルエンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、メ
タンスルホン酸塩などの有機酸塩が挙げられる。
【0009】前記一般式(I)中のR1 に含まれる置換
されてもよいアルキル基、置換されてもよいアルキルチ
オ基、置換されてもよいシクロアルキル基、置換されて
もよいフェニル基、置換されてもよいピリジニル基、置
換されてもよいアルキルカルボニルオキシアルキル基お
よび置換されてもよいピリミジニル基並びにR2 に含ま
れる置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいア
ルコキシ基、置換されてもよいアルキルチオ基、置換さ
れてもよいシクロアルキル基、置換されてもよいアルコ
キシカルボニル基、置換されてもよいアルキルカルボニ
ルアミノ基、置換されてもよいフェニルカルボニルアミ
ノ基、置換されてもよいフェニル基および置換されても
よいピリジニル基の置換基としては、ハロゲン原子; ニ
トロ基;シアノ基; スルホン基; カルボキシ基; ハロゲ
ン原子で置換されてもよいアルキル基; ハロゲン原子で
置換されてもよいアルコキシ基; ハロゲン原子で置換さ
れてもよいアルキルチオ基; ハロゲン原子で置換されて
もよいアルコキシカルボニル基; ハロゲン原子で置換さ
れてもよいアルキルスルフィニル基; ハロゲン原子で置
換されてもよいアルキルスルホニル基; ハロゲン原子で
置換されてもよいフェニル基などが挙げられ、これらの
置換基の数は1ケ或いは同一もしくは相異なる2ケ以上
であってもよく、また上記のハロゲン原子で置換されて
もよいそれぞれの特定の基は1ケ或いは同一もしくは相
異なる2ケ以上のハロゲン原子で置換されてもよい。
【0010】前記一般式(I)中のR1 およびR2 に含
まれるアルキル基またはアルキル部分としては、一般に
炭素数1〜10のもので、直鎖状或いは分岐状のいずれ
のものでもよく、例えばメチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、
ノニル基、デシル基などが挙げられ、またR1 およびR
2 に含まれるシクロアルキル基としては、一般に炭素数
3〜8のものであり、例えばシクロプロピル基、シクロ
ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シク
ロヘプチル基、シクロオクチル基などが挙げられる。ま
た前記一般式(I)中のR1 およびR2 に含まれるハロ
ゲン原子としては、弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃
素原子が挙げられる。
【0011】前記一般式(I)中のR1 としては、置換
されてもよいアルキル基、置換されてもよいシクロアル
キル基、置換されてもよいフェニル基、置換されてもよ
いピリジニル基、置換されてもよいアルキルカルボニル
オキシアルキル基および置換されてもよいピリミジニル
基が望ましい。また、R2 としては水素原子、置換され
てもよいアルキル基、置換されてもよいアルコキシ基、
置換されてもよいシクロアルキル基、置換されてもよい
アルコキシカルボニル基、置換されてもよいフェニル
基、置換されてもよいフェニルカルボニルアミノ基、ま
たは置換されてもよいピリジニル基が望ましい。
【0012】前記一般式(I)で表される化合物または
その塩のうち、一般式(I' ):
【化3】
【0013】(式中、R1 は置換されてもよいアルキル
基、置換されてもよいアルキルチオ基、置換されてもよ
いシクロアルキル基、置換されてもよいフェニル基、置
換されてもよいピリジニル基、置換されてもよいアルキ
ルカルボニルオキシアルキル基または置換されてもよい
ピリミジニル基であり、R2'は置換されてもよいフェニ
ルカルボニルアミノ基である)で表わされる化合物また
はその塩ならびに一般式(I''):
【0014】
【化4】
【0015】(式中、R1'は置換されてもよいアルキル
カルボニルオキシアルキル基、R2 は水素原子、ハロゲ
ン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、置換
されてもよいアルキル基、置換されてもよいアルコキシ
基、置換されてもよいアルキルチオ基、置換されてもよ
いシクロアルキル基、置換されてもよいアルコキシカル
ボニル基、置換されてもよいアルキルカルボニルアミノ
基、置換されてもよいフェニル基、置換されてもよいフ
ェニルカルボニルアミノ基または置換されてもよいピリ
ジニル基である)で表わされる化合物またはその塩は新
規化合物である。
【0016】一般式(I' )の化合物としては、R1
置換されてもよいアルキル基、置換されてもよいシクロ
アルキル基、置換されてもよいフェニル基、置換されて
もよいピリジニル基、置換されてもよいアルキルカルボ
ニルオキシアルキル基または置換されてもよいピリミジ
ニル基である化合物が望ましく、4,4−ジブロモ−3
−ベンゾイルアミノ−1−フェニル−2−ピラゾリン−
5−オンが特に望ましい。
【0017】一般式(I'')の化合物としては、R2
水素原子、置換されてもよいアルキル基、置換されても
よいシクロアルキル基、置換されてもよいアルコキシカ
ルボニル基、置換されてもよいフェニル基、置換されて
もよいフェニルカルボニルアミノ基または置換されても
よいピリジニル基である化合物が望ましく、4,4−ジ
ブロモ−1−(2−アセトキシエチル)−3−メチル−
2−ピラゾリン−5−オンが特に望ましい。
【0018】前記一般式(I)で表わされるピラゾロン
系化合物またはその塩は、例えば下記の方法により製造
することができる。
【化5】
【0019】(式中、R1 およびR2 は前述の通りであ
る) 上記反応は、通常溶媒の存在下で行なわれ、この溶媒と
しては上記の反応を阻害しないものであればいずれのも
のでもよいが、例えば酢酸、プロピオン酸などのカルボ
ン酸、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホル
ム、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性
極性溶媒、水などが挙げられる。また、臭素化剤として
は臭素、ピリジニウムブロマイド パーブロマイド、4
−ジメチルアミノピリジニウムブロマイド パーブロマ
イド、N−ブロモサクシンイミド、ジオキサンジブロマ
イド、フェニルトリメチルアンモニウムトリブロマイ
ド、ピロリドンヒドロトリブロマイドなどが挙げられ
る。
【0020】前記反応の出発原料である一般式(II)で
表わされる化合物は、例えば下記の方法のような公知の
方法によって製造することができる。 (1) R2COCH2CO2C2H5 と R1NHNH2とを反応させる方法
(ケミカルアブストラクト,1978,89巻,43765h: 同,1
983,99巻,122368r などに記載) 。 (2) R2C≡CCO2C2H5と R1NHNH2とを反応させる方法
〔ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエ
テイ(J. Am. Chem. Soc.),1941,63巻,1151−1153頁
などに記載〕。 なお、一般式(II)の化合物の代表的な製造例は、特開
平2−225469号公報の第2表に記載されている。
【0021】一般式(I)のピラゾロン系化合物または
その塩は、血小板由来血管内皮細胞増殖因子活性を阻害
する。血小板由来血管内皮細胞増殖因子活性とは、下記
酵素反応を可逆的に触媒する酵素活性である。
【化6】
【0022】血小板由来血管内皮細胞増殖因子はチミジ
ンホスホリラーゼ活性を有する。前記酵素反応によっ
て、2−デオキシ−D−リボ─ス−1−リン酸が生成
し、このものが引き続き加水分解されると脱リン化物で
ある2−デオキシ−D−リボースになる。この2−デオ
キシ−D−リボースは、血管新生物質であることが明ら
かになっている。従って、チミジンホスホリラーゼ活性
を阻害する一般式(I)のピラゾロン系化合物またはそ
の塩は、血管新生阻害剤として働き、悪性腫瘍、癌転
移、糖尿病性網膜症、リューマチ性関節炎、乾せんなど
といった血管の異常増殖を伴う疾患の予防又は治療剤と
して使用することができる。また、前記反応式の反応
は、DNA合成およびRNA合成の代謝経路の一部に当
たるため、本発明の血小板由来血管内皮細胞増殖因子活
性阻害剤は、DNA合成および/またはRNA合成を阻
害する薬剤の少なくとも1種と混合して使用することに
より、より優れた薬効を発揮することができる。DNA
合成および/またはRNA合成を阻害する薬剤として
は、例えば5−フルオロウラシル、、メソトレキセー
ト、シスプラチンなどの抗癌剤などが挙げられる。
【0023】前記一般式(I)で表されるピラゾロン系
化合物またはその塩を医薬の有効成分として用いる場
合、患者の年齢、体重、性別、病気の性質と程度、投与
経路などの投与条件の違いにより一概に規定できない
が、その投与量は成人1日当り約10〜 500mgであり、経
口的ないし非経口的に投与される。薬剤投与は、経口、
静脈内、筋肉内、関節腔内、組織内、皮膚経路、粘膜経
路などの方法でおこなうことができる。投与剤形として
は丸剤、末剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、糖衣剤、
カプセル剤、注射剤、点鼻剤、懸濁剤、滴剤、軟膏剤、
シロップ、舌下錠、座剤、持続性放出製剤などがあげら
れる。これらは、通常の医薬の場合と同様に、通常の医
薬上許容される製剤担体を用い、常法により製造するこ
とができる。
【0024】
【発明の実施形態】
(1)一般式(I)のピラゾロン系化合物またはその塩
を含有することを特徴とする血小板由来血管内皮細胞増
殖因子活性阻害剤。 (2)一般式(I)のピラゾロン系化合物またはその塩
を含有することを特徴とするチミジンホスホリラーゼ活
性阻害剤。 (3)一般式(I)のピラゾロン系化合物またはその塩
を含有することを特徴とする血管新生阻害剤。 (4)一般式(I)のピラゾロン系化合物またはその塩
を含有することを特徴とする悪性腫瘍抑制剤。 (5)一般式(I)のピラゾロン系化合物またはその塩
を含有することを特徴とする癌転移抑制剤。 (6)一般式(I)のピラゾロン系化合物またはその塩
を含有することを特徴とする糖尿病性網膜症治療剤。 (7)一般式(I)のピラゾロン系化合物またはその塩
を含有することを特徴とするリュマチ性関節炎治療剤。 (8)一般式(I)のピラゾロン系化合物またはその塩
を含有することを特徴とする乾せん治療剤。
【0025】
【実施例】本発明をより詳しく述べるため、以下に実施
例を記載するが、これらは本発明を限定するものではな
い。
【0026】合成例1 4,4−ジブロモ−3−ベンゾ
イルアミノ−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン
(化合物No.53)の合成 (1)3−アミノ−1−フェニル−2−ピラゾリン−5
−オン 3.5gにテトラヒドロフラン100mlを加
えて氷冷し、ベンゾイルクロライド3.1gを加え、攪
拌しながら室温で23時間反応させた。反応終了後、反
応物を水中に投入し、塩化メチレンで抽出した。この抽
出層を水洗後、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で溶
媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクリマト
グラフィー(展開溶媒:塩化メチレン/酢酸エチル=9
/1)により精製して、融点225〜227℃の3−ベ
ンゾイルアミノ−1−フェニル−2−ピラゾリン−5−
オン1.6gを得た。
【0027】(2)酢酸30mlに前記工程(1)で得
られた3−ベンゾイルアミノ−1−フェニル−2−ピラ
ゾリン−5−オン0.9gを溶媒した後、臭素1.08
g加え、攪拌しながら室温で1時間半反応させた。反応
終了後、反応物を水中に投入し、塩化メチレンで抽出し
た。この抽出層を水洗後、硫酸ナトリウムで乾燥した。
減圧下で塩化メチレンを留去し、得られた残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:塩化メチレ
ン) により精製して、融点190℃(分解)の目的物
1.1gを得た。
【0028】合成例2 4,4−ジブロモ−3−エトキ
シカルボニル−1−メチル−2−ピラゾリン−5−オン
(化合物No.54)の合成 3−エトキシカルボニル−1−メチル−2−ピラゾリン
−5−オン 0.54gを酢酸15mlに溶解した後、
臭素0.55gおよび4−ジメチルアミノピリジニウム
ブロマイド パーブロマイド1.26gを加え、攪拌し
ながら室温で20時間反応させた。反応終了後、反応物
を水中に投入し、塩化メチレンで抽出した。この抽出層
を水洗後、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下で塩化メ
チレンを留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクリ
マトグラフィー(展開溶媒:塩化メチレン)により精製
して、油状物質の4,4−ジブロモ−3−エトキシカル
ボニル−1−メチル−2−ピラゾリン−5−オン0.9
1gを得た。
【0029】合成例3 4,4−ジブロモ−3−エトキ
シカルボニル−1−(4−クロロフェニル)−2−ピラ
ゾリン−5−オン(化合物No.55)の合成 3−エトキシカルボニル−1−(4−クロロフェニル)
−2−ピラゾリン−5−オン 0.80gを酢酸40m
lに溶解した後、臭素0.53gおよび4−ジメチルア
ミノピリジニウムブロマイド パーブロマイド1.63
gを加え、攪拌しながら室温で24時間反応させた。反
応終了後、反応物を水中に投入し、塩化メチレンで抽出
した。この抽出層を水洗後、硫酸ナトリウムで乾燥し
た。減圧下で塩化メチレンを留去し、得られた残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:塩化メ
チレン:ヘキサン=1:1)により精製して、融点10
6〜108℃の4,4−ジブロモ−3−エトキシカルボ
ニル−1−(4−クロロフェニル)−2−ピラゾリン−
5−オン0.75gを得た。
【0030】合成例4 4,4−ジブロモ−1−(2−
アセトキシエチル)−3−メチル−2−ピラゾリン−5
−オン(化合物No.56)の合成 (1)2−ヒドラジノエタノール3.8gにメタノール
10mlを加えて氷冷し、アセト酢酸エチル6.5gを
加え、攪拌しながら室温で17時間反応させた。反応終
了後、溶媒を留去し、乾燥し、融点68〜72℃の1−
(2−ヒドロキシエチル)−3−メチル−2−ピラゾリ
ン−5−オン6.36gを得た。
【0031】(2)酢酸50mlに前記工程(1)で得
られた1−(2−ヒドロキシエチル)−3−メチル−2
−ピラゾリン−5−オン1.0gを溶媒した後、4−ジ
メチルアミノピリジウムブロマイド パーブロマイド
5.1gを加え、攪拌しながら室温で22時間反応させ
た。反応終了後、反応物を水中に投入し、酢酸エチルで
抽出した。この抽出層を炭酸水素ナトリウム水溶液、飽
和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下
で酢酸エチルを留去し、得られた残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル/n−ヘ
キサン=1/4)により精製して、油状物質である目的
物1.49gを得た。
【0032】合成例5 4,4−ジブロモ−1−エトキ
シカルボニルメチル−3−メチル−2−ピラゾリン−5
−オン(化合物No.57)の合成 1−エトキシカルボニルメチル−3−メチル−2−ピラ
ゾリン−5−オン 5.89gを酢酸50mlに溶解し
た後、臭素4.96gを加え、攪拌しながら室温で4.
5時間反応させた。反応終了後、反応物を水中に投入
し、酢酸エチルで抽出した。この抽出層を水洗後、硫酸
ナトリウムで乾燥した。減圧下で酢酸エチルを留去し、
得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(展開溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=9:1)により精
製して、油状物質の4,4−ジブロモ−1−エトキシカ
ルボニルメチル−3−メチル−2−ピラゾリン−5−オ
ン2.31gを得た。
【0033】前記した製造方法および合成例に準じて合
成される、本発明でいう一般式(I)で表わされるピラ
ゾロン系化合物の代表例を第1表に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】試験例1血小板由来血管内皮細胞増殖因
子阻害活性(チミジンホスホリラーゼ阻害活性)試験〕 (1) 100mmol/lのチミジン(和光純薬製)、
500mmol/lのK2 HPO4 (ナカライ化学製)
および0.5mol/lの2−モルフォリノエタンスル
ホン酸・1水和物(pH5.6;同仁化学研究所製)を
それぞれ調製した。 (2) ピラゾロン系化合物を10%以下の濃度のジメチ
ルスルホキシド溶液に溶解し、ピラゾロン系化合物濃度
1.0mg/mlの試験用サンプルを調製した。 (3) 5μg/mlのヒト血小板由来血管内皮細胞増殖
因子(シグマ社製)を調製した。
【0038】(4) 100mmol/lのチミジン20
μl、500mmol/lのK2 HPO4 20μl、
0.5mol/lの2−モルフォリノエタンスルホン酸
・1水和物(pH5.6)100μlおよびピラゾロン
系化合物濃度1.0mg/mlの試験用サンプル20μ
lが入ったチュ─ブに、総量200μlとなるように滅
菌水(オ─トクレイブ滅菌したMilli−Q水)およ
び5μg/mlのヒト血小板由来血管内皮細胞増殖因子
20μlを加え、最終的なピラゾロン系化合物濃度が1
00μg/mlとなるようにし、このものを37℃で9
0分間反応させた。 (5) 反応終了後の液50μlに対し、2N−NaOH
を50μl加え、測定液とする。 (6) 測定液の吸光度を吸光光度計(SPECTRAm
ax250:Molecular Devices社
製)を用いて、300nmの波長において測定した。 (7) 0.5mol/lの2−モルフォリノエタンスル
ホン酸・1水和物(pH5.6)緩衝液100μlおよ
びピラゾロン系化合物濃度1.0mg/mlの試験用サ
ンプル20μlに総量200μlとなるように滅菌水を
加え、最終濃度が100μg/mlとなるようにピラゾ
ロン系化合物溶液を調製する。この溶液50μlに対
し、2N−NaOH 50μlを加えた液をバックグラ
ウンド測定用試料とし、このものの300nmの波長に
おける吸光度を測定した。(6) で測定した吸光度とバッ
クグラウンド測定用試料の吸光度との差を吸光度の測定
値(ODsample)とした。 (8) 試験用サンプルを用いず、(1) 〜(7) と同様の操
作を行い、その結果得られた吸光度をコントロールの吸
光度の測定値(OD control)とした。 (9) ピラゾロン系化合物濃度100μg/mlの試験
用サンプルにおける血小板由来血管内皮細胞増殖因子活
性阻害率(チミジンホスホリラーゼ活性阻害率)は、阻
害率=(1−ODsample/OD control)×100
(%)の式によって得た。
【0039】(10) ピラゾロン系化合物濃度0.1μg
/ml、1μg/mlおよび10μg/mlの試験用サ
ンプルについても上記(4) 〜(9) と同様の操作を行い、
血小板由来血管内皮細胞増殖因子活性阻害率(チミジン
ホスホリラーゼ活性阻害率)を測定した。 (11) (9) および(10)の結果から、各ピラゾロン系化合
物試験用サンプルの50%血小板由来血管内皮細胞増殖
因子活性阻害濃度(50%チミジンホスホリラーゼ活性
阻害濃度)を求め、これを一般式(I)の化合物の血小
板由来血管内皮細胞増殖因子活性阻害(チミジンホスホ
リラーゼ活性阻害)値(IC50値)として、第2表に示
した。
【0040】
【表4】
【0041】試験例2 (ピラゾロン系化合物のU−9
37細胞に対する細胞障害測定試験) (1) U−937細胞(ヒト組織球性リンパ腫細胞:大
日本製薬より入手)を37℃、5%二酸化炭素、飽和水
蒸気条件下、シャーレ上で培養した。培養液は10%の
牛胎児血清を含むRPMI液(GIBCO社製、No.
31800−071;以下培養液と記載する)を使用し
た。 (2) 化合物No.3、52、54、55および57の
ピラゾロン系化合物を含んだ培養液各々を様々な濃度に
調製し、これらのものをそれぞれ試験用サンプルとし
た。 (3) 試験用サンプルを96ウエルマイクロプレートの
各ウエル毎に50μlずつ注入した。 (4) 2×104 個のU−937細胞を含む150μl
の細胞懸濁液を各ウエルに添加した。 (5) 2日間培養後、上清100μlを捨てる。 (6) Ishiyamaらの方法(Chem.Pharm.Bull.,4
1 (6),1118-1122,1993)に準じて調製したWST−1試
薬(同仁化学研究所製)10μlを各ウエルに加えてよ
く混和した。 (7) 37℃、炭酸ガスインキュベーターで呈色反応を
行った。 (8) 2時間後、吸光度の測定を450nmの波長で、
ELISAプレートリーダー(BIO−RAD社製;モ
デル2550)にて行った。吸光度から各濃度ごとのU
−937の細胞生存率を求め、この値からU−937細
胞50%生存ピラゾロン系化合物濃度(IC50)を求め
たところ、ピラゾロン系化合物のU−937細胞に対す
る細胞障害はいずれの試験用サンプルにおいても100
μg/ml以上であった。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、ピラゾロン系化合物ま
たはその塩を血小板由来血管内皮細胞増殖因子活性阻害
剤として提供することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C07D 231/20 C07D 231/20 Z 401/04 231 401/04 231

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I): 【化1】 (式中、R1 は置換されてもよいアルキル基、置換され
    てもよいアルキルチオ基、置換されてもよいシクロアル
    キル基、置換されてもよいフェニル基、置換されてもよ
    いピリジニル基、置換されてもよいアルキルカルボニル
    オキシアルキル基または置換されてもよいピリミジニル
    基であり、R2 は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ
    基、カルボキシ基、シアノ基、置換されてもよいアルキ
    ル基、置換されてもよいアルコキシ基、置換されてもよ
    いアルキルチオ基、置換されてもよいシクロアルキル
    基、置換されてもよいアルコキシカルボニル基、置換さ
    れてもよいアルキルカルボニルアミノ基、置換されても
    よいフェニル基、置換されてもよいフェニルカルボニル
    アミノ基、または置換されてもよいピリジニル基であ
    る)で表わされるピラゾロン系化合物またはその塩を含
    有することを特徴とする血小板由来血管内皮細胞増殖因
    子活性阻害剤。
  2. 【請求項2】 請求項1のピラゾロン系化合物または
    その塩を含有することを特徴とする血管新生阻害剤。
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