WO2004088867A1 - 受信装置 - Google Patents

Abstract

アレーアンテナ（10）を構成する複数のアンテナの受信信号のそれぞれについて拡散符号による相関処理（16）を行なった結果に対してビームフォーミング（18）を行ない、その結果から遅延プロファイルを生成する（20、22、26）ことにより、精度の良いパス検出（26）を実現する。ビームフォーミング（18）のために求めたDOA情報は、受信信号処理部（14）のビームフォーマ（33）に与える初期値としても利用することができる。

Description

技術分野

本発明は、 ァレーアンテナを用いた無線通信装置の受信装置にお けるパス検出及び到来方向推定技術に関する。

明 田

従来技術

書

DS-CDMA 方式の移動通信システムの基地局においては、 移動機か らの電波が建物などの反射により複数の遅延時間の異なる経路を経 て到来するので、 それらをかき集めて合成する RAKE受信が採用され ている。 RAKE受信を行なう受信装置には、 RAKEの各ブインガに与え る逆拡散符号の位相、 すなわち、 パスタイ ミ ングを決定するための パスサーチを行なうサ一チヤが設けられる。 サーチャにおいては、 所定の符号との相関をとるマッチ ドフィルタによる相関処理が行な われ、 その出力を積算して遅延プロフ ァイルを得、 遅延プロファィ ル中のピ一クを検出することでパスタイ ミ ングを得ている。

上記のような基地局の無線通信装置にァレーアンテナを導入して 、 移動機の方向に応じてアンテナの指向性 (ビームフォーマによ り 形成されたビームの方向） を適応的に変更できるようにすれば、 よ り多くの移動機を収容できるよ うになることが期待される。 その場 合に、 移動機の送信パワーはさらに低く制御されるようになること から、 サーチャにおけるパス検出の精度を一層向上させる必要があ る。

下記特許文献 1 には、 アレーアンテナを構成する複数のアンテナ で受信された信号のそれぞれについての相関処理の結果を電力値に 変換した後に単に合計したものから遅延プロファイルを得ることが 記載されている。 特許文献 1にはさらに、 複数の相関処理結果から アンテナ間相関を算出し、 これを積算したものを受信部のビームフ ォーマの初期値とすることにより、 ビームフォーマに与えるウェイ トをサーチャによる同期がとれた後直ちに収束させて受信を開始で きるようにすることが記載されている。 特許文献 1

特開 2002-84216号公報 前記特許文献 1では、 到来位相の異なる複数の電波から得られた 相関処理結果を単に電力合成して遅延プロファイルを得ているので 、 パス検出と精度の向上に限界があるという問題がある。 発明の開示

本発明の目的は、 ァレーアンテナが採用された受信装置のパス検 出の精度を向上することにある。

本発明によれば、 複数のフィ ンガから成って R A K E受信を行な う受信部と受信部の各フィ ンガに与えるパスタイ ミ ングを検出する サーチャとを具備する受信装置であって、 受信部の各フィンガはそ れぞれァレーアンテナを構成する複数のアンテナからの受信信号か らビームフォーミ ングを行なう第 1 のビームフォーマを具備し、 サ 一チヤは、 複数のアンテナからの受信信号のそれぞれについて相関 処理を行なう複数の相関処理部と、 複数の相関処理部の出力に基い て、 到来方向を推定する到来方向演算部と、 到来方向演算部の推定 結果に従って複数の相関処理部の出力に対してビームフォーミング を行なう第 2のビームフォーマと、 第 2のビームフォーマの出力に 基いてパスタイ ミ ングの検出を行なうパス検出部とを具備する受信 装置が提供される。

到来方向演算部の推定結果は第 1のビームフォーマにおいて用い ることができる。

到来方向演算部の推定結果は送信装置に具備される第 3のビーム フォーマにおいても用いることができる。

前述の受信装置は、 複数の相関処理部の後段かつ第 2のビームフ ォーマの前段に設けられた遅延回路をさ らに具備することが好まし レヽ

また前述の受信装置は、 第 2のビームフォーマの後段かつパス検 出部の前段に設けられ、 第 1の平均化時定数で第 2のビームフォー マの出力を平均化する第 1 の平均化部をさらに具備し、 到来方向推 定部は、 複数の相関処理部の出力を入力として到来方向推定の演算 を行なう演算部と、 演算部の出力を第 1の平均化時定数とは異なる 第 2の平均化時定数で平均化する第 2の平均化部を含むことも好ま しい。 図面の簡単な説明

図 1 は、 本発明の一実施例に係る受信機の構成を示す図

図 2は、 図 1のサーチャ 12における処理の一例を示す図

図 3は図 1のサーチャ 12における処理の他の例を示す図 ； および 図 4 a、 図 4 b、 図 5 aおよび図 5 bは遅延プロファイル平均化 時間と D0A プロフアイル平均化時間の関係を示す図である。 発明を実施するための最良の形態

図 1 に本発明の一実施例に係る受信機の構成を示す。

ァレーアンテナ 10の各アンテナで受信された無線周波の信号は、 図示しない周波数変換部及び直交復調部で I相および Q相からなる ベースパンド信号に変換された後、 図示しない A Z D変換器によ り 標本化、 量子化されて複素数のディジタルべ一スパンド信号に変換 され、 パスタイミングを検出するサーチャ 12と、 ァダプティブァレ 一受信を行う受信信号処理部 14に入力される。

本発明のサーチャ 12は、 ァレーアンテナ 10の全てのァンテナの信 号を入力し、 アンテナ毎に設けられた相関処理部 16で拡散符号との 相関をとる。 各アンテナの相関処理後の信号は、 ビームフォーマ 18 によ り信号の到来方向にビームを形成し、 電力変換 （20) 、 時間平 均化 （22) を行って遅延プロフアイル 24を生成することで、 ビーム フォーミ ングの利得を有するパス検出を行う ( 26) 。 またサーチャ 12側のビームフォーマ 18に適用するウェイ トは、 サーチャ 12内でァ ンテナ毎の相関処理後の信号を用いて、 到来方向 （D0A ) を推定し ( 28) 、 ウェイ トに変換する ( 30) ことで得ている。 サーチャ 12で 推定した、 パスタイ ミングの情報は、 アレーアンテナ受信信号処理 部 14でフィ ンガ割当 31、 逆拡散処理 32に用いられ、 D0A 情報は、 ビ ームフォーマ 33のゥエイ ト更新部 34の D0A 情報と してまたはその初 期値として使用できる。 サーチャ 12で得られた D0A 情報を初期値と して使用することで、 サーチャ 12で同期が得られたら直ちに受信信 号処理部 14における受信処理を開始することができる。 サーチャで 得られた D0A 情報を、 図示しない送信部に設けられるビームフォー マのための D0A 情報と して用いることも可能である。

これにより、 アレーアンテナを用いた無線通信システムにおいて 、 アンテナ 1素子当りの受信信号が小さくなつた場合でも、 高感度 で安定したパス検出を行う ことで、 高品質な受信特性を実現する。 同時に到来方向推定を行う ことも可能である。 またアレーアンテナ によ り ビーム形成を行う際に問題となるビーム外から到来する信号 についても、 パス検出することが可能である。

図 1 を参照して説明したサーチャ 12における処理を実施する具体 的な構成を図 2のブロ ック図に示す。

図 1の同相処理 16は図 2のマッチドフィルタ 40および同相加算部 42で実施される。 アレーアンテナで受信された信号は、 アンテナ毎 にマッチドフィルタ 40で拡散コ ー ドとの相関演算を行ない、 同相加 算部 42においてシンボル位相について同相で加算する。 同相加算後 の各アンテナの信号は、 ビームフォーミ ング ( 18) される。 ビーム フォーミ ング後の信号に複素共役を乗算することによって電力に変 換し、 時間平均化するこ とで電力遅延プロファイルを生成し ( 44) 、 しきい値判定に基づく有効パスの検出を行う ( 26) 。

次に D0A 推定の方法について説明する。 アンテナ毎の同相加算さ れた信号は、 アンテナ間の受信位相差を推定することで D0A を推定 できる。 特にアレーアンテナが等間隔直線アレー配置の際は、 図 2 に詳細を示した D0A 推定演算部 45のように隣合うアンテナ間を複素 乗算し （46) (ただし基準側は *で示すよ うに複素共役を使用） 、 等間隔であることから全ての出力を複素加算し （48) 、 時間平均化 ( 50) することによ り、 アンテナ間相関を求めることで D0A 推定を 行う。 ここで、 時間平均化を行って得られた、 D0A 推定を行うため に必要なプロファイルを D0A プロフアイノレと呼ぶこ とにする。 D0A 推定値からゥヱイ トに変換し (図 1 ： 30) 、 遅延プロフアイル生成 のためのビームフォーミ ングのウェイ ト と して用いている。 また、 D0A 検出部 52において、 検出したパスのタイ ミ ングにおける D0A プ 口フアイルの値を参照することにより、 パスごとに D0A 情報を得る こ とができる。

図 3はサーチャにおける処理の他の例を示す。 図 2の例では、 最 初の D0A 推定を行って初めてビームフォーマのウェイ トを設定する までの間、 ビームフォーミングによるプロファイル生成を行う こと ができない。 連続的に送信されて来る信号をパスサーチする場合に は、 さほど問題とならないが、 短い単一パース トで構成される完結 信号をサーチする場合には、 ウェイ トを推定できたときには既に信 号が終わっていてビームフォーミングを行う ことができない場合が あり、 ァレーアンテナの効果を得てパス検出または信号検出をする ことができない。 そこで図 3に示した例では、 ビームフォーマ 18の 前に遅延回路 60を設けておき、 D0A を推定してウェイ トが求まるま で信号を遅延させることによ り、 常にビームフォーミ ングを行って パス検出を行う ことができ、 完結信号の受信も可能と したものであ る。

さ らに、 プロファィル生成部 44における遅延プ口フアイルの平均 化時間と D0A プロフアイル生成部 50 (図 2 ) における D0A 推定の平 均化時間を異なったものにすることが望ましい。 これは、 遅延プロ フアイルの平均化時間と D0A 推定の平均化時間が同じで両者が同期 してしまう と、 両プロファイルの起源は雑音を含む同一の信号であ るため、 雑音に対してもビームフォーミ ングを行なう結果となり、 ビームフォーミングを行っても雑音抑圧効果が減ってしまうからで ある。 図 4 aおよび図 4 bに移動平均の時、 図 5 aおよび図 5 bに 指数平均の時の平均化時間を示す。 これらの図には遅延プロフアイ ルの平均化時間より も DOA 推定の平均化時間を長く した場合につい て示されているが、 逆に遅延プロフアイルの平均時間のほうを長く しても良い。 遅延プロファイルと D0A 推定の平均化時間を異なった もの、 あるいは異なった時刻にすることで、 雑音の時刻でのウェイ トに相関が出るのを抑えることができる。 発明の効果 本発明のサーチャは、 アレーアンテナを用いてビーム形成を行つ て遅延プロファイルを生成しパス検出を行うため、 高精度なパスサ ーチ動作と到来方向推定が可能である。

以上のことは、 CDMA移動通信システムにァレーアンテナを適用し た際、 パスサーチ特性の劣化及び形成したビームの不完全性による 送信電力の増加を抑えることができる。 従って、 他ユーザからの干 渉量によ りシステム容量が制限される CDMA方式において、 ァレーア ンテナ適用時に特性劣化を招く ことなく、 システム容量の増加が可 能である。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . 複数のフィ ンガから成って RAKE受信を行なう受信部と受信部 の各フィンガに与えるパスタイ ミ ングを検出するサーチャとを具備 する受信装置であって、 受信部の各ブインガはそれぞれアレーアン テナを構成する複数のアンテナからの受信信号からビームフォーミ ングを行なう第 1のビームフォーマを具備し、 サーチャは、

複数のアンテナからの受信信号のそれぞれについて相関処理を行 なう複数の相関処理部と、

複数の相関処理部の出力に基いて、 到来方向を推定する到来方向 演算部と、

到来方向演算部の推定結果に従って複数の相関処理部の出力に対 してビームフォーミ ングを行なう第 2のビームフォ一マと、

第 2のビームフォーマの出力に基いてパスタイ ミ ングの検出を行 なうパス検出部とを具備する受信装置。

2 . 到来方向演算部の推定結果が第 1のビームフォーマにおいて 用いられる請求項 1記載の受信装置。

3 . 到来方向演算部の推定結果が、 送信装置に具備される第 3の ビームフォーマにおいて用いられる請求項 1または 2記載の受信装 置。

4 . 複数の相関処理部の後段かつ第 2のビームフォーマの前段に 設けられた遅延回路をさ らに具備する請求項 1〜 3のいずれか 1項 記載の受信装置。 '

5 . 第 2のビームフォーマの後段かつパス検出部の前段に設けら れ、 第 1 の平均化時定数で第 2のビ一ムフォーマの出力を平均化す る第 1 の平均化部をさらに具備し、

到来方向推定部は、 複数の相関処理部の出力を入力と して到来方 向推定の演算を行なう演算部と、 演算部の出力を第 1の平均化時定 数とは異なる第 2の平均化時定数で平均化する第 2の平均化部を含 む請求項 1〜 4のいずれか 1項記載の受信装置。