明細書 荷重センサ及びその製造方法、 それに用いるペース卜及びその製 造方法 技術分野
本発明は車両の座席下に設けて乗員の体重を測定し、 その体重に よってエアーバックの動作方法を調整するスマートエアーバッグあ るいは各種荷重を測定する荷重センサ及びその製造方法並びにそれ らに用いるガラスペース 卜及びその製造方法に関するものである。 背景技術
従来、 金属基板上にガラス層を介して、 感歪抵抗体を形成してな る荷重センサが、 特開平 5— 4 5 2 3 8号公報等で提案されている。
F i . 1 7は、 こう した従来の荷重センサの構造を説明する.断 面図であり、 配線が単層の荷重センサの一例である。 F i g . 1 7 において、 金属弾性体 1 の上に、 ガラスホ一ロー 2 を形成し、 その 上に配線 3 a , 感歪抵抗体 4を形成する。 しかしガラスホー口一 2 に特に結晶質ガラスを用いた場合、 析出される結晶の結晶化度を大 きくすると、 その表面が荒れてしまうことが知られている。
特開平 6 - 1 3 7 8 8 0 5号公報では、 こう した結晶化ガラスの 表面粗さを低減するために、 結晶化ガラス層の上に金属アルコキシ ド層を形成し、 その表面粗さを小さく している。 そしてその上に配 線パターンゃ感歪抵抗体を形成することを提案している。
しかし金属アルコキシド層は一般のガラスに比べ、 強度や膜質が
弱いため、 高信頼性や強度面が求められる分野に用いるには困難が 伴なう。 また金属アルコキシド層自体も、 ルテニウムォキサイ ド (R u〇 2) 系の感歪抵抗体と相互拡散しやすいため、 感歪抵抗体のゲー ジファクタ一 (歪みに対する抵抗値変化) や T C R (抵抗値の温度 変化率) が影響されやすいという問題点がある。
ここで、 荷重センサ用に提案されてきた結晶化ガラスの問題点や 課題について更に詳しく説明する。 表 1 は特開平 6 — 1 3 7 8 0 5 号公報や日本特許第 2 9 7 9 7 5 7号公報に提案されている、 配線 単層用の結晶化ガラスの組成を示す。 M g Oが 1 6〜 5 0 w t (重 量) % , B a〇が 0〜 5 0 w t %, C a Oが 0〜 2 0 w t %, L a 2 03が 0〜 4 0 w t %, B 2〇 3が 5〜 3 4 w t %, S i 02が 7〜 3 0 w t % , MO 2 (Mは Z r , T i , S nの少なく とも 1種) を 0〜 5 w t % , P 2 O 5を 0〜 5 w t %含む。
ガラス成分 全組成 (w t %)
M g〇 1 6〜 5 0
B a〇 0〜 5 0
C a O 0〜 2 0
L a 203 0 -4 0
B 203 5〜 34
S i 02 7〜 3 0
M ( Z r, T i , S n) 〇 2 0〜 5
P 2o5 0〜 5
また、 これらの他にも特開平 8 — 1 7 8 7 6 8号公報, 特開平 8 — 3 0 4 2 0 0号公報, 特開平 8 — 1 4 5 8 1 4号公報及び特開平 9 — 8 3 2 5号公報等において同様な結晶化ガラスの組成が提案さ'
れている。
しかし、 結晶化ガラスの上に直接感歪抵抗体を形成すると、 その 表面粗さのために、 特性がばらつきやすいという問題点が生じる。 結晶化ガラスの表面粗さを低減するために、 たとえば特開平 6— 1 3 7 8 8 0 5号公報では、 結晶化ガラス層の上に金属アルコキシド 層を形成し、 その表面粗さを小さくすることを提案している。 そし てその上に配線パターンゃ感歪抵抗体を形成することを提案してい る。
しかし金属アルコキシド層は一般のガラスに比べ、 強度や膜質が 弱いため、 高信頼性や強度面が求められる分野に用いるには困難が 伴なう。 また金属アルコキシド層自体も、 R u〇 2系の感歪抵抗体と 相互拡散しやすいため、 感歪抵抗体のゲージファクタ一 (歪みに対 する抵抗値変化) や T C R (抵抗値の温度変化率) が影響されやす いという問題点が生じる。 また、 こう した材料は元々、 多層化を目 的とした材料ではないため、 多層化した際に予期せぬ問題点が発生 しゃすかった。
また日本特許第 3 0 1 0 1 6 6号 (米国特許 5 , 8 9 8, 3 5 9 号公報) では、 ガラス層と抵抗体との相互拡散の影響を押さえる方 法としてインターフェース層を形成することを提案している。
F i g . 1 8はインターフェース層を形成した場合を説明するも のであり、 金属弾性体 1の上に、 ガラス層 5 と、 イン夕一フエ一ス 層 6を介して配線 3 bと感歪抵抗体 4とを形成する。
日本特許第 3 0 1 0 1 6 6号ではこのイン夕一フェース層 6 とし て、 ガラスマトリ ックス中に懸濁させた粒子状アルミナと粒子状酸 化亜鉛とを含むものを提案している。
表 2は日本特許第 3 0 1 0 1 6 6号に提案された、 イ ンタ一フエ ース層 8の組成である。 アルミナが 1 5 w t (重量) %から 3 5 w t % , 酸化亜鉛が 3 w t %から 6 w t %, ガラスフ リ ッ ト混合物が 3 4w t %から 5 3 w t %からなる。
表 2
表 3は前記ガラスフリ ッ ト混合物の組成を示す。 酸化鉛が 5 0 w t (重量) %から 7 4 w t % (インタ一フェース層としては、 1 7 w t %から 3 9 w t % ) , 酸化ホウ素が 1 O w t %から 2 5 w t % (同 3 w t %から 1 3 w t %), シリカが 8 w t %カゝら 2 6 w t % (同 2 w t %から 1 4 w t %) である。
表 3
また表 4は表 2 と表 3の結果を整理しなおしたものである。 日本 特許第 3 0 1 0 1 6 6号公報に示されたインタ一フェース層 8の組 成は、 アルミナが 1 5〜 4 1. 4 w t % , 酸化亜鉛が 3〜 6 w t %,
酸化鉛が 1 7〜 3 9. 2 w t % , 酸化ホウ素が 2. 7〜 1 3. 8 w— t % , シリカが 0〜 6. 4 w t % , チタニア等が 0〜 1 . 6 w t % として再計算することができる。 また、 日本特許第 3 0 1 0 1 6 6 号公報では、 ガラス中にアルミナと酸化亜鉛の両方を含ませること によって高ゲージ率化を提案している。
表 4
しかし、 日本特許第 3 0 1 0 1 6 6号公報に示されたものは、 抵 抗体の特性安定化は可能ではあるが、 配線の多層化時の課題には考 慮されていないため、 配線を多層化すると後述の F i g . 2 0で説 明するような問題点が発生する。
こうした感歪抵抗体とのマッチングのために非晶質ガラスが提案 されてきている。 特開平 9 一 2 4 3 4 7 2号公報では、 配線単層の 荷重センサの製造に、 結晶化ガラスの代りにホウケィ酸鉛ガラスを 使う ことを提案している。 特開平 9 _ 2 4 3 4 7 2号公報では、 1 層当り 3 0 m以下の膜厚を有するホウゲイ酸鉛ガラスからなる絶 縁層を、 印刷, 焼成, 印刷, 焼成と繰返して少なく とも 3層の多層 絶縁層とすることを提案している。 しかしホウケィ酸鉛ガラスの場 合、 特開平 9一 2 4 3 4 7 2号公報に記載されているように、 4 0
zm程度の厚い膜厚で焼成すると内部にクラックが入りやすいこと が知られている。
また、 特開平 1 1 一 3 2 6 0 9 0号公報では、 配線単層の荷重セ ンサを提案している。 しかし、 こう した配線が単層の従来の荷重セ ンサの構造では、 配線の引き回し設計に自由度が無いため、 荷重セ ンサ基板の上に半導体やチップ部品を高密度実装することが難しか つた
更に、 特開平 1 1 — 3 5 1 9 5 2号公報 (U S 6, 3 4 5 , 5 4 3 ) 等に提案されているように、 荷重センサの基板上に、 各種部 品を実装した状態で、 乗用車に搭載することが望まれている。 しか し、 金属弾性体を直接、 乗用車のシャーシに固定するため、 乗用車 からのノイズを拾いやすい可能性がある。 こうした問題点を克服す るために、 たとえば、 特開 2 0 0 3 — 9 7 9 9 7号公報では、 車載 用の荷重センサの EM I (電磁界干渉) 特性を改善するために、 配 線を多層化することを提案している。
F i g . 1 9は、 配線を多層化した荷重センサの一例を示す断面 図である。 F i g . 1 9において、 金属弾性体 1 の上に、 複数の下 部ガラス 7 a , 7 bおよび 7 c を形成し、 更にその上には内部電極 9 aが、 更に内部電極 9 aを覆うように、 上部ガラス 8 a, 8 bお よび 8 c を複数層形成する。 そして上部ガラス 8 c の上には配線 1 0 a、 感歪抵抗体 1 2 を形成し、 これらを保護層 1 1 a, l i bお よび 1 1 cが保護する。 このような荷重センサの配線の多層化は、 EM I対策以外に、 荷重センサの小型化と、 高機能化 (たとえば、 荷重センサの基板の上に半導体チップや各種チップ部品を高密度に 実装する) にも不可欠であり従来の配線単層の荷重センサでは、 こ
うした要求に充分に応じ切れなかった。 このように配線を多層化す る場合、 特開 2 0 0 3 - 9 7 9 9 7号公報で提案されているように、 1層ずつ、 印刷, 焼成を繰り返して多層化することも考えられるが、 その製造コス トが問題になる。 そのため複数層の同時焼成が望まれ ている。
F i g . 2 0は荷重センサを多層化した場合の課題を説明する図 である。 F i g . 1 9 と同じ箇所には同じ符号を用い、 符号 l i d は保護層である。 とりわけ、 クラック 1 3が層間や層内に発生する 様子を説明する図である。 発明者らの実験によると、 こうしたクラ ック 1 3は、 異なるガラスを多層化した場合に発生しやすいことを 知見した。
たとえば、 熱膨張係数の違うガラス同士や、 非晶質ガラスと結晶 質ガラスをサンドイッチ状に組合わせた場合、 層間にクラックが発 生しやすかつた。 また複数のガラス層を同時焼成した場合にもこう した問題点が発生しやすいことを知見した。 このように、 ガラス層 を多層化した場合、 一層一層個別に焼成する場合は問題が発生しに くいが、 製造コス トが大幅にアップしてしまう。
一方、 多層を一度に焼成することでコス トダウンを実現しようと しても、 多層印刷時にはインキのレべリ ングが、 多層焼成時は熱膨 張のマッチング等、 色々な問題点が発生してしまい、 従来提案され ていた荷重センサ用のガラス材料や工法では、 こう した問題点を克 服することができなかった。
従来、 提案されていた荷重センサは配線が単層だったため、 市場 から要求される高性能化には充分に対応できなかつた。 そのため荷 重センサの配線を多層化することが望まれている。 しかし、 従来の
材料では配線の多層化自体が難しいと更に層数が増加するにつれて その製造コストダウンが課題になっていた。 発明の開示
本発明は、 荷重センサの配線の多層化を容易に実現でき、 更にそ の製造コス トダウンが実現できる荷重センサ及びその製造方法を提 供する。
また、 少なく とも金属基板に接するガラス材料として多層化に適 した結晶化ガラスを用いることで、 再焼成時でのクラック防止を可 能にすると共に機械的強度の向上を図る。 また、 少なく とも感歪抵 抗体の下に非晶質ガラスを形成することで従来の結晶化ガラスで課 題になっていた感歪抵抗体とのマッチングを可能にする。 熱膨張係 数の異なる金属弾性体に対しても、 結晶化ガラスの中に添加するセ ラミック粉を添加し、 コンポジッ トガラス化することで、 結晶化ガ ラスと金属基板、 あるいは結晶化ガラスと非晶質ガラスとの同時焼 成でのマッチング性を改善することができる。 これによつて、 その 製品の応用範囲を拡大し、 更に各種ペース トを硬化性とすることで スクリーン印刷での多層印刷時での印刷塗膜のレべリング性を改善 することができる。 このため、 塗膜のピンホールを低減でき、 製品 の歩留アップと焼成コス トの削減が可能になり、 高性能で低コス ト の荷重センサを安価に提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の一例は次の構成を有する。 本発明は、 金属弾性体上に、 厚み 1 0〜 2 0 0 mで結晶質ガラ ス層が形成され、 前記結晶質ガラス層上には厚み 5〜 1 0 0 mで 非晶質ガラス層が形成され、 前記非晶質ガラス層上には各々厚み 5
〜 5 0 mで銀配線及び感歪抵抗体が互いに一部が重なるように形 成される。 前記結晶質ガラス層及び非晶質ガラス層に形成された孔 を介して、 前記金属弾性体が前記銀配線の一部と接続され、 少なく とも前記感歪抵抗体を覆うように厚み 2 0 0 m以下の保護層が形 成されてなる荷重センサである。 更に金属弾性体上に形成したガラ ス層の上に、 非晶質ガラス介して感歪抵抗体を形成することで、 前 記感歪抵抗値と結晶質ガラスが直接接することによる特性変化を防 止できる高精度な荷重センサを提供する。
また本発明は、 金属弾性体上に厚み 5 0 / m未満の内部電極を埋 め込みながら、 上下にそれぞれ厚み 1 0 〜 2 0 0 ^ mで結晶質ガラ ス層が形成される。 前記結晶質ガラス層上には厚み 5〜 1 0 0 m で非晶質ガラス層が形成され、 前記非晶質ガラス層上には厚み 5〜 5 0 mで銀配線及び感歪抵抗体が形成される。 更に前記結晶質ガ ラス層及び非晶質ガラス層に形成された孔を介して、 前記内部電極 が前記配線の一部と接続される。 更に、 少なく とも前記感歪抵抗体 を覆うように厚み 2 0 0 m以下の'保護層が形成されてなる荷重セ ンサ、 結晶化ガラスの内部に内部電極を埋込むことで、 荷重センサ の E M I特性を改善できると共に、 多層を同時に焼成した際のクラ ック発生を防止できる。 結晶質ガラスの上には、 非晶質ガラスを介 して感歪抵抗体を形成することで、 前記感歪抵抗値と結晶質ガラス が直接接することによる特性変化を防止できる高精度な荷重センサ を提供する。
また本発明は、 金属弾性体上に第 1の結晶化ガラスペース トを厚 み 1 0〜 3 0 0 2 mで印刷した後、 8 0 0〜 9 0 0 X で一括して焼 成した後、 更に非晶質ガラスペース トを厚み 1 0〜 3 0 で印
刷し 8 0 0〜 9 0 0 °Cで焼成し、 更に配線ゃ感歪抵抗体を印刷し 8 0 0〜 9 0 0 °Cで個別に焼成し、 少なく とも前記感歪抵抗体を覆う ようにガラスペース トを印刷し 4 0 0〜 7 0 0 で焼成した後、 所 定の電子部品を実装する構成を有する。 第 1の結晶化ガラスペース トを複数層化した場合でも、 この複数層を一括で焼成でき、 荷重セ ンサの製造コス トを抑えられるという作用効果が得られる。
また本発明の非晶質ガラスペース トは、 ガラス組成が、 S i 02が 6 0〜 8 0 w t %, &〇が 5〜 1 5 セ %, 13〇が 3〜 1 5 t % , アルミナが 1〜 : L 0 w t %, Z 1"〇 2が 2〜 1 0 w t %であり . その平均粒径は 0. l〜 5 mで、 ペース ト中のガラス濃度が 6 0 〜 8 0 w t %で、 溶剤と樹脂よりなるビヒクル中に分散されてなる という構成を有する。 これにより、 荷重センサとして一括焼成可能 で高品質な非晶質ガラスべ一ス トを提供でき、 荷重センサの製造品 質を高められ、 荷重センサの製造コス トを下げられる作用効果が得 られる。
また本発明の結晶質ガラスべ一ス トは、 ガラス組成が、 M g Oが 3 0〜 5 5 w t %, B 203が 5〜 3 0 w t %, S i 〇2が 1 0〜 2 5 w t % , B a Oが 5〜 2 5 w t % , アルミナが 1〜 3 0 w t % , C a Oは 0〜 6 w t %, Z r O 2 , S n 02は 0〜 5 w t %の範囲であ り、 その平均粒径は 0. l〜 5 x mで、 ペース ト中のガラス濃度が 6 0〜 8 0 w t %で、 溶剤と樹脂よりなるビヒクル中に分散されて なるという構成を有する。 これにより荷重センサとして一括焼成可 能で高品質な結晶化ガラスを提供でき、 荷重センサの製造品質を高 められ、 荷重センサの製造コストを下げられる作用効果が得られる。
図面の簡単な説明
F i g . 1は配線を単層とした荷重センサの断面図、 F i g . 2 は配線を多層化した荷重センサの断面図、 F i g . 3は荷重センサ を製造する様子を説明する断面図、 F i g . 4は本発明の非晶質ガ ラスと結晶化ガラスの同時焼成する様子を示す断面図、 F i g . 5 は金属弾性体上に結晶質ガラスペース トを多層印刷する様子を説明 する断面図、 F i g . 6は硬化型ガラスペース トを用いて多層印刷 する様子を示す図、 F i g . 7はレべリ ングの様子を説明する図、 F i g . 8はは内部電極とガラスの複数層を同時に焼成する場合を 示す断面図、 F i g . 9は内部電極を下地となる結晶化ガラスと共 にこれら複数層を一括して焼成する様子について説明する断面図、 F i g . 1 0は内部電極の上下を結晶化ガラスで挟んだ状態でこれ ら複数層を一括で焼成する様子について説明する断面図、 F i g . 1 1は基板となる金属弾性体の反りを説明する図、 F i g . 1 2は コンポジッ トガラスの拡大模式断面図、 F i g . 1 3はコンポジッ トガラスの熱膨張係数を変化させる様子を説明する図、 F i g . 1 4はコンポジッ トガラスの課題について説明する図、 F i g . 1 5 はコンポジッ トガラスべ一ス トの製造方法を説明する図、 F i g . 1 6はコンポジッ トガラスペ一ス トの製造方法を説明する図、 F i g . 1 7は従来の荷重センサの構造を説明する断面図、 F i g . 1 8はイン夕一フェース層を形成した場合の説明図、 F i g . 1 9は 配線を多層化した荷重センサの一例を断面で示す図、 F i g . 2 0 は多層化した場合の課題を説明する図である。 発明を実施するための最良の形態
(実施の形態 1 )
配線を多層化した荷重センサについて F i g . 1および F i . 2 を用いて説明する。 F i g . 1は配線を単層とした荷重センサの 断面図である。 F i g . 2は配線を多層化した荷重センサの断面図 である。 F i g . 1 において、 1 は金属弾性体でありその上には結 晶化ガラス 1 4 aを形成し、 その上に非晶質ガラス 1 5 aを介して、 配線 1 6 a , 感歪抵抗体 1 7 を形成して、 少なく とも感歪抵抗体 1 7を埋込むように保護層 1 8 aを形成する。
また F i g . 2 において、 1 は金属弾性体であり、 その上には内 部電極 1 9 を内蔵した状態で結晶化ガラス 1 4 bを形成し、 更にそ の上に非晶質ガラス 1 5 bを介して配線 1 6 b , 感歪抵抗体 1 7 を それぞれ形成し、 少なく とも感歪抵抗体 1 7 を埋込むように保護層 1 8 bを形成する。
なお、 F i g . 2は、 結晶化ガラスの中に内部電極 1 9を内蔵す る点で F i g . 1 と相違する。
F i g . 2 に示すように、 本発明では、 設計事項やスペックに応 じて内部電極 1 9を結晶化ガラス 1 4 bの中に埋込むことができ、 荷重センサの EM I (電磁気特性もしくは耐ノイズ性) を改善でき、 更に内部電極の埋込みや、 配線ゃ感歪抵抗体を焼成する際に、 ガラ ス層が再溶解してクラック発生することを防止できる。
また F i g . 1 に示すように、 結晶化ガラス 1 4 aと感歪抵抗体 1 7の間に非晶質ガラス 1 5 aを挟むことで、 結晶化ガラス 1 4 a と感歪抵抗体 1 7の相互作用を防止することができる。
F i g . 3は本発明の荷重センサを製造する様子を説明するため の断面図である。 まず前準備として、 特開平 6 — 1 3 7 8 0 5号公
報を参考に、 所定のガラス原料を混合、 白金坩堝内で溶解し、 これ を急冷し、 ポールミルで粉碎し、 所定の結晶化ガラス粉を作成した。 次に、 この結晶化ガラス粉に、 溶剤 ( ひテルビネオール) に溶かし た樹脂 (ェチルセルロース) を添加し、 セラミック製の 3本ロール を使って混練し、 ペース ト化し、 これを結晶化ガラスペース トとし た。
次に F i g . 3 (A) に示すように、 金属弾性体 1の上に結晶化 ガラスペース ト 2 0 aを所定パターンで印刷した。 そして、 これを 乾燥、 8 5 0 で焼成して、 F i g . 3 (B) に示すように金属弾 性体 1の上に 1層目の結晶化ガラス 2 1 aを形成した。 次に F i g . 3 ( C ) に示すように、 結晶化ガラス 2 1 aの上に、 結晶化ガラス ペース ト 2 0 bを所定形状に印刷した。 そしてこれを乾燥し、 8 5 0 °Cで焼成して、 F i g . 3 (D ) に示すように金属弾性体 1 の上 に、 結晶化ガラス 2 1 a , 2 1 bを形成した。 このように結晶化ガ ラス層を印刷, 焼成を繰り返すことで複数層化することによって、 ペース ト中の塵や気泡、 あるいは印刷時に発生しやすいピンホール 等を防止することができる。
次に F i g . 3 (E) に示すように、 結晶化ガラス 2 l a , 2 1 bの上に、 電極ペース ト 2 2 を所定パターンで印刷する。 そしてこ れを乾燥, 焼成して、 F i g . 3 ( F ) に示すように、 結晶化ガラ ス 2 1 a, 2 l bの上に内部電極 2 3を形成した。 その後、 F i g . 3 (G) に示すように、 内部電極 2 3 を覆うように、 結晶化ガラス ペース 卜 2 0 c を所定パターンで印刷し、 これを乾燥し, 更に 8 5 0 °Cで焼成して F i g . 3 (H) に示すように結晶化ガラス層 2 1 C を形成した。
次に F i g . 3 ( I ) に示すように結晶化ガラス層 2 1 cの上に、 非晶質ガラスペース ト 2 4を所定パターンで印刷し、 これを乾燥, 焼成して F i g . 3 ( J ) に示すように非晶質ガラス 2 5 を形成し た。 次に、 非晶質ガラス 2 5の上に、 配線べ一ス ト (図示していな い) を所定形状に印刷, 乾燥し、 8 5 0 °Cで焼成して F i g . 3 (K) に示すように配線 2 6を形成した。 次に配線 2 6の間に抵抗体べ一 ス ト (図示していない) を所定形状に印刷、 8 5 0 °Cで焼成し、 F
1 g . 3 (L ) に示すように感歪抵抗体 2 7 を形成した。 そして、 感歪抵抗体 2 7の上に保護ペース ト (図示していない) を印刷し、 これを乾燥, 焼成を互いに複数回繰り返すことで、 F i g . 2 に示 すように荷重センサを作成した。
こうして作成した荷重センサの特性を評価したところ、 歪み感度, 温度特性, 信頼性, 耐ノイズ性 (E M I ), 耐静電気特性 (E S D) のすべてにおいて所望の特性を満たし、 車載用としての規格値を満 足することができた。
また金属弾性体 1 と内部電極 2 3 との間、 配線 2 6ゃ感歪抵抗体
2 7 と内部電極 2 3 との間はガラス層が 2層であり、 特に絶縁不良 も発生しなかったので、 ガラス層を各々 3層にする必要が無かった。 比較のため、 従来例 1 として非晶質ガラスペース トだけを用いて 荷重センサの配線の多層化を試みた。 まず、 特開平 9一 2 4 3 4 7 2号公報ゃ特開 2 0 0 3 - 9 7 9 9 7号公報で提案されているホウ ケィ酸鉛系 (B 203— S i O w- P b O) のガラスペース トを用い て、 F i g . 1や F i g . 2に示した構造を作成した。
F i g . 3 (A) 〜 (D) に示した (印刷一乾燥—焼成) 工程を 3回繰り返して、 金属弾性体 1の上に非晶質ガラス層 3層を形成し
た。 次に F i g . 3 (E) 〜 (F) に示すように内部電極 2 3 を形 成し、 更に F i g . 3 (G) 〜 ( J ) に示した (印刷一乾燥一焼成) ' 工程を 3回繰り返して、 内部電極の上に非晶質ガラス層を 3層形成 した。 そして、 F i g . 3 (K), ( L ) の工程によって、 配線ゃ感 歪抵抗体を形成し、 最後に保護層を 3層形成した。
こうした非晶質ガラスだけを用いて多層化した場合、 荷重センサ の特性を評価したところ、 歪み感度, 温度特性, 信頼性, 耐ノイズ 性 (EM I )、 耐静電気特性 (E S D) 共に問題なく、 車載用として の規格値を満足することができた。 また金属弾性体 1 と内部電極 2 3の間、 配線 2 6ゃ感歪抵抗体 2 7 と内部電極 2 3の間は、 ガラス 層が各々 3層であるためか特に絶縁不良も発生しなかった。 しかし 実施の形態 1 と比べて、 ガラスの層数, 印刷, 焼成回数が多いので コスト高になってしまった。
そこで、 試みに、 F i g . 1 と同じ工程にして、 金属弾性体 1 と 内部電極 2 3 との間、 配線 2 6ゃ感歪抵抗体 2 7 と内部電極 2 3 と の間のガラス層を各々 2層にしてみた。 しかしこのような非晶質ガ ラスを用いて、 ガラス層を各々 2層とした場合、 絶縁不良が多発し て、 実用に耐えなかった。 また別の試みとして、 ガラス層の厚みを 4 0 m程度と厚く したところ、 内部にクラックが発生する場合が あった。 このように従来の非晶質ガラスの場合、 どうしても層数削 減しょうとすると課題が残った。
比較のために、 従来例 2 として、 結晶化ガラスペース トだけを用 いて荷重センサの配線の多層化を試みた。 従来例 2 として、 結晶質 ガラスを用いた場合について説明する。
発明者らは、 従来例の結晶化ガラスとして、 特開平 6 - 1 3 7 8
0 5号公報等で提案された、 結晶化ガラス組成を元に、 結晶化ガラ スぺ一ス トを作成した。 まず、 特開平 6 — 1 3 7 8 0 5号公報を参 考に、 所定のガラス原料を混合, 白金坩堝内で溶解し、 これを急冷 し、 ポールミルで粉碎し、 所定の結晶化ガラス粉を作成した。
次に、 この結晶化ガラス粉に、 溶剤 (ひテルビネオール) に溶か した樹脂 (ェチルセルロース) を添加し、 セラミック製の 3本口一 ルを使って混練し、 ペース ト化し、 これを従来の結晶化ガラスべ一 ス トとした。 そして、 F i g . 3 (A) 〜 (H) の工程を行った。 そして F i g . 3 ( I ) 〜 ( J ) の工程では、 非晶質ガラスの代り に結晶化ガラスペース トを用いた。 そして、 F i g . 3 (K) 〜 (L) の工程を経て、 最後に保護層を形成した。 こうして、 従来例 2のサ ンプルを作成した。 この従来例 2の特性を測定したところ、 荷重セ ンサとしての所定感度が得られないばかりか、 抵抗値のばらつきが 大きく、 重量センサとして実用的ではなかった。 この原因は、 感歪 抵抗体の下に形成されガラス層が結晶質ガラスであったためと思わ れる。
そこで、 特開平 6 — 1 3 7 8 8 0 5号公報等を参考に、 結晶化ガ ラス層の上に金属アルコキシド層を形成してみた。 しかし強度や膜 質が弱いため、 車載用の荷重センサとして要求されるスペックを充 分に満足できなかった。 このように、 結晶化ガラスを用いると、 金 属弾性体 1 と内部電極 2 3 との間、 配線 2 6ゃ感歪抵抗体 2 7 と内 部電極 2 3 との間は、 共にガラス層が 2層でも高歩留が得られるが、 感歪抵抗体との抵抗体とのマッチングが難しいという ことを知見し た。
比較のため、 従来例 3 として、 特許 3 0 1 0 1 6 6号 (米国特許
5、 8 9 8、 3 5 9号) で提案されている組成について検討してみ た。 まず、 厚み 2 m mの金属弾性体の上に、 市販のガラスペース ト を印刷し、 8 5 0 °Cで焼成し、 これを F i g . 1 の結晶質ガラス 1 0 a相当とした。 そしてこの上に、 鉛一アルミナ—ホウゲイ酸塩ガ ラスをガラスマ トリ ックスとし、 この中に粒子状アルミナを 1 5〜 3 5 % , 粒子状酸化亜鉛を 3〜 6 %添加したイン夕一フェース層, 非晶質ガラス 1 1 a相当の位置に形成した。 こうして作成した従来 例 3 について、 荷重センサとしての特性を測定したが、 期待した特 性は得られなかった。 これは、 特許 3 0 1 0 1 6 6号公報で提案し ている、 抵抗体材料を用いなかったためであると思われる。
またこの実施例 3の構造で、 内部電極を形成したところ、 F i g . 1 9 に示したような問題点が発生する場合があった。 すなわち、 従 来例 3の材料では、 配線の多層化に限度があることが判った。
なお、 結晶化ガラスの厚みは 1 0〜 2 0 0 mが望ましいとされ る。 結晶化ガラスの厚みが 1 0 m未満の場合、 絶縁不良が発生す る可能性がある。 また結晶化ガラスの厚みが 2 0 0 i mを超えると、 ガラスの材料費が増加するためコス ト高を是認しなければならない。
また非晶質ガラスの厚みは 5〜 1 0 0 mが望ましいとされる。 非晶質ガラスの厚みが 5 m未満の場合、 非晶質ガラスのピンホー ル等で、 歪み抵抗体と結晶化ガラスが接してしまい、 抵抗値が変化 するという不都合が生じるからである。
また少なく とも感歪抵抗体を覆う保護層は、 厚み 2 0 0 m以下 が望ましい。 保護層の厚みが 2 0 0 mを超えると、 保護層を所定 パターンでの形成時に、 パターンの端がダレたり、 滲んだり して半 導体やチップ部品の実装用のランド (保護層中 1 8に形成された部
品を実装するための接続孔で、 この孔の中には配線 2 6が露出して いる) が潰れてしまうことが生じうる。
また、 歪み抵抗体の上に形成するオーバーコート材料は、 P b〇 を 6 0 w t %以上含むガラス層が望ましい。 P b Oを 6 0 w t %以 上含むガラスペース トの場合、 その焼成温度が 4 0 0〜 7 0 0 °C程 度と、 歪み抵抗体の一般的な焼成温度である 8 5 0 °Cより 1 5 0 °C 以上低温のため、 オーバ一コート材料の焼成温度では歪み抵抗体は 影響を受け難い。 またオーバ一コートに榭脂を使う ことも可能であ る。 オーバ一コートに樹脂を使う場合、 シリコン樹脂やエポキシ樹 脂等を用い、 この中に必要に応じてガラスやセラミ ック粉を 5から 5 0 w t %程度フイ ラ一として添加することで、 その機械的強度を 上げられ、 荷重センサを車に取りつける際に、 スパナ等の工具で傷 つき難くなる。 なお、 フイ ラ一の添加量が 5 %未満の場合、 樹脂塗 膜の高強度化の効果が充分ではなくなる。
またフイ ラ一を 5 0 w t %より多く添加した場合、 オーバ一コー トがスカスカになってしまう という不都合が生じる。 また樹脂を用 いたォ一バーコートの場合も厚みは 1 0 m以上で 2 0 0 以下 が望ましい。 また少なく とも感歪抵抗体を覆う保護層は、 厚み 2 0 0 m以下が望ましい。 保護層の厚みが 2 0 0 を超えると、 保 護層を所定パターンでの形成時に、 パターンの端がダレたり、 滲ん だりして半導体やチップ部品の実装用のランド (保護層中 1 8 に形 成された部品を実装するための接続孔で、 この孔の中には配線 2 6 が露出している) が潰れてしまう不都合が生じるからである。
また、 オーバーコートを複数層にすることも効果的である。 更に オーバ一コートを、 ガラスもしくはセラミックからなる材料で厚み
l O ii m以上 2 0 0 z m以下とし、 更にその上に樹脂を主体とする 材料で同様に厚み 1 O i m以上 2 0 0 m未満の第 2のォ一バーコ ートを形成することも可能である。 このように、 ガラスや樹脂を使 つてォ一パーコートを多層化することによって、 感歪抵抗体や配線 の信頼性を改善できる。 またこう した部材には、 P b〇を含むガラ ス材料や市販の樹脂材料を使うことができる。
(実施の形態 2 ) 非晶質ガラスの組成
実施の形態 2では、 配線の多層化や、 結晶質ガラスとの同時焼成 に対応可能な非晶質ガラスの最適化例について説明する。
まず表 5の組成番号 1〜 5に示すように、 S i 02を減らして、 C a〇、 Z r〇 2、 A l 2〇 3、 B 203についてその組成を振ったが良 い結果は得られなかった。 そこで表 5の組成番号 6〜 1 0に示すよ うに、 S i 〇2の量を 4 5〜 6 5 w t %として、 C a O、 Z r 02、 P b〇、 A 1203、 B 203についてその組成を振ったところ良い結果が 得られた。 一方表 5の組成番号 1 1から 1 4に示すように、 S i 〇2 の量を 7 0 w t %以上にした場合、 良い結果は得られなかった。
表 5
成号
組成 (重量部) 表面 耐熱 マッチンク, 総合 粗度 性 性 評価
0- 10 0〜 20 0" •20 0' • 20 0~20 Δ Δ
2 10' 20 0〜20 0- -20 0' -20 0~20 Δ Δ
3 20' 30 0〜20 0- -20 0' -20 0~20 Δ Δ
4 30~40 0〜20 0- -20 0- - 20 0~ 20 Δ △
5 40 0~20 0' 20 0- 20 0〜20 Δ Δ
6 45 0〜20 0~20 0~ 20 0~ 20
7 50 0~20 0〜20 0~ 20 0~ 20
8 55 0~20 0〜20 0〜20 0〜20
9 60 0~ 20 0~20 0~ 20 0~ 20
10 65 0~ 20 0~20 0〜20 0~ 20
〇 〇〇 〇〇△〇△△
11 70 .0〜10 0' 10 0' 10 0~ 10 Δ
12 7 5 0〜10 0' 10 0' 10 0〜10 Δ
13 80 0~ 10 0' 10 0' ,10 0〜10 Δ
〇〇 〇〇 〇〇〇 〇〇〇〇〇〇〇
14 85 0~ 10 0- 10 0- 10 0~ 10 Δ 〇〇 〇〇〇
〇 : 問題無し (良好)
△ : 少し課題有り (改善必要)
X : 課題多い (実用化困 〇〇〇〇 〇〇△〇 △△△△△△難) そこで、 表 6に示すように S i 〇2の最低割合を 4 0 w t % (組成 番号 1 5〜 2 5 に相当) と最大割合を 8 0 w t % (組成番号 2 6〜 3 6に相当) にして、 各組成の割合を変化させてみた。
表 6 組成 組成 (重量部) 表面 耐熱 マッチンク' 口 番号 粗度 性 性 評価
Si02 CaO Zr02 PbO Α1203
15 40 0 0 20 0~20 0 20 Δ 〇 Δ Δ
16 40 5 0~ 20 0~ 20 0 20 厶 〇 〇 〇
17 40 10 0~ 20 0 20 0 20 Δ 〇 〇 〇
18 40 15 0 20 0 20 0 20 Δ 〇 〇 〇
19 40 20 0 20 0 20 0~ 20 Δ X X X
20 40 25 0 20 0 20 0 20 Δ X X X
21 40 10 0 0 20 0~20 Δ 〇 0 〇
22 40 10 5 0 20 0 20 Δ 〇 〇 〇
23 40 10 10 0~ 20 0 20 Δ 〇 〇 〇
24 40 10 15 0 20 0 20 Δ 〇 Δ Δ
25 40 10 20 0 10 0 10 Δ X Δ X
26 80 0 0 10 0 10 0 10 Δ 〇 Δ Δ
27 80 5 0 ~ 10 0~ 10 0 10 Δ 〇 〇 〇
953 o on u 10 0 10 υ υ Ω ο
29 80 15 0 10 0 10 0 10 Δ 〇 〇 〇
30 80 20 0 - 10 0 1U υ~ ΐυ ΖΛ ν A* Λ
31 80 25 0 10 0 10 0 10 Δ X X X
32 80 5 15 0 0~ 10 0 10 Δ 〇 〇 〇
33 80 5 15 5 0 10 0 10 Δ 〇 〇 〇
34 80 5 15 10 0 10 0 10 Δ 〇 〇 〇
35 80 5~ 15 15 0 10 0~ 10 Δ 〇 〇 〇
36 80 5 15 20 0~ 10 0 10 Δ 〇 X X
〇 : 問題無し (良好)
△ : 少し課題有り (改善必要)
X : 課題多い (実用化困難) これ以外にも更に数多くのガラス組成について実験した結果、 表
7に示す組成の割合が、 一番良い結果が得られた。 またこう した実 験の中で、 非晶質ガラスに含まれる酸化鉛の割合が、 感歪抵抗体と
拡散し合い、 抵抗値等に影響を与えることが判った。 発明者らが使 つた抵抗体材料に酸化鉛が含まれていたためであるが、 今後、 酸化 鉛を使わない感歪抵抗体が開発された場合、 表 7から P b 0をゼロ とすることが可能と思われる。
以上の結果より、 非晶質ガラスとしては、 表 7 に示すように、 S i 〇2が 4 0〜 8 0 w t %, アルミナが 1〜 1 0 w t % , C a〇が 5 〜 1 5 w t %, P b Oが 3〜 1 5 w t %, Z r〇 2が 3〜 : L 0 w t % の組成が最適であることがわかった。 また、 B 203を適量添加する ことで、 ガラスの焼結性、 電極材料とのマッチング性 (接着強度, 同時焼成でのクラック防止等) が改善できることが確められた。
表 7
F i g . 4は、 こうして作成した非晶質ガラスと、 従来の結晶化 ガラスを組合わせて同時焼成する様子を示す断面図である。 F i g . 4 (A) において、 2 8は結晶化ガラスペース ト、 2 9は非晶質ガ ラスペース トである。 まず、 従来の結晶化ガラスペース ト 2 8 と実 施の形態 2の非晶質ガラスべ一ス ト 2 9 を、 F i g . 4 (A) に示 すように多層化して、 これを 8 5 0 °C (トータル焼成時間 1時間) のメッシュベルト炉で同時焼成したところ、 F i g . 4 ( B ) に示 すように、 結晶質ガラス 3 0 a と非晶質ガラス 3 1 aが得られ、 そ
の内部構造に異常は発生していなかった。
比較のために、 従来例の非晶質ガラスとして、 特開平 9 — 2 4 3 4 7 2号公報, 特開 2 0 0 3 — 9 7 9 9 7号公報で提案されている ホウケィ酸鉛系 (B2〇 3— S i 〇2— P b O) ガラスと、 従来の結晶 化ガラスを同時に焼成実験した。 まず F i g . 4 (A) に示すよう に、 金属基板上 1 に市販の結晶化ガラス 2 9を印刷し、 その上に特 開平 9 一 2 4 3 4 7 2号公報ゃ特開 2 0 0 3— 9 7 9 9 7号公報で 提案されているホウケィ酸鉛系 (B 203 _ S i 〇w— P b〇) を印 刷し、 これらを同時に 8 5 0 °Cで焼成し、 その断面を観察したとこ ろ F i g . 4 (C) のような結果が得られた。
F i g . 4 ( C ) において、 1 3はクラックである。 クラック 1 3は F i g . 4 ( C) に示すように、 非晶質ガラス 3 0 bと結晶質 ガラス 3 l bの界面や、 非晶質ガラス 3 l b内部に発生しやすかつ た。 このように、 従来の非晶質ガラスの場合、 非晶質ガラスを同時 に焼成することは難しいことが判った。
一方、 本発明で提案した非晶質ガラスを市販の結晶化ガラスと組 合わせて、 荷重センサを作成し、 自作の自動車衝突衝撃装置を用い て耐カを測定したところ、 所望な耐力が得られていることが判つた。 特に、 金属弾性体との接着に結晶質ガラスを使う ことで、 荷重セン サ自体の耐力が、 非晶質ガラスだけを使った場合よりも改善される ことも判った。 これは、 非晶質ガラスに比べて、 結晶化ガラスの方 が強度が高く、 たとえクラックが発生しても、 非晶質ガラスのよう に伝播しにくいためと思われる。
なお非晶質ガラスの作業温度もしくは軟化点は、 5 0 0 t:以上が 望ましい。 5 0 0 °C未満の場合、 感歪抵抗体を 8 5 0 °C等の高温で
焼成した場合、 感歪抵抗体と反応し特性を変化させてしまうことが 考えられる。 また非晶質ガラスの作業温度は 7 0 0〜 9 0 0 °Cが望 ましい。 作業温度が 7 0 0 °C未満の非晶質ガラスの場合、 感歪抵抗 体を 8 5 0 °C等の高温で焼成した場合、 感歪抵抗体と反応し、 特性 を変化させる場合がある。 また作業温度が 9 0 0 °Cを超える非晶質 ガラスの場合、 金属弾性体に耐熱性に優れた高価な材料を使う必要 がある。
(実施の形態 3 ) 結晶質ガラスの最適化
実施の形態 3では、 市販の非晶質ガラス (たとえば、 ホウケィ酸 鉛系 B 203— S i 〇 2— P b O) と組合わせても、 同時焼成可能な結 晶化ガラスについて最適化した。
表 8は結晶質ガラス組成の最適化例である。 表 8は、 M g〇の割 合を振ったものである。 その結果 M g〇の割合は、 結晶性と相関が あるため、 3 0〜 5 5 w t %が良いことが判った。 そこで、 表 9, 表 1 0および表 1 1 に示すように、 S i 〇 2, B 2〇 3, B a O , Z r
O 2 , A 1 2〇 3等について最適化を行った。
その結果、 S i 〇 2や B 203の添加によつて焼結性は改善され、一 定量のアルミナが添加されることで特性が改善されることが判った, また C a〇の添加量は、 0〜 6 w t %が望ましかった。 C a Oの添 加量が増えれば表面が粗くなってしまい、 他のペース 卜のスクリ一 ン印刷工程で不良発生の原因となる可能性がある。 また上記の表に は示していないが、 S n O 2についても検討すると、 その添加量は 0
〜 5 w t %が良い結果が得られた。
以上のように、 結晶質ガラスとしては M g〇が 3 0〜 5 5 w t %、
アルミナが l〜 3 0 w t %, 3 1 〇 2が 1 0〜 2 5 セ %, B a〇が 5〜 2 5 w t %, 82〇3が 5〜 3 0 ^" 1: %, C a Oは 0〜 6 w t %, Z 〇 2ゃ 3 11〇 2は 0〜 5 1: %が望ましぃ。 また他の元素として は、 Z r 02, S n〇 2は 0. 1〜 5 w t %を含増せることも可能で ある。
なお、 P b O, Z n Oは、 出発原料や粉体やインキ化の途中で不 純物として極少量混入させる分には実用上支障はないが、 理想的に は含まないことが望ましい。 なお、 焼成工程で多少拡散するぐらい なら、 実用上支障ないが、 こうした元素がもしガラス中に 0. l w t %以上含まれると、 信頼性に悪影響を与え、 たとえば、 P b Oや Z n〇は水溶性であるため、 信頼性を低下させてしまう ことが予測 できる。
こうして最適化した結晶化ガラスを用いて、 荷重センサを作成し、 自作の自動車衝突衝撃装置を用いて耐カを測定したところ、 実用上 充分な耐力が得られた。 しかしこの結晶化ガラスの上に、 感歪抵抗 体を直接形成した場合、 抵抗体の特性 (温度特性、 抵抗値の安定性 等) が影響を受ける場合があった。
表 8 組成 組成 (重量部) 表面 耐熱 マッチンク' 口 番号 ■ J 粗度 性 性 評価
MgO Si02 B203 J 2 Α2 3
1 0 G 9·0 o 20 f v ^ o X Δ χ
2 Ω 90 Π 20 0 5 0 5 10 30 〇 X Δ X
3 10 u -20 0 5 0~ 5 10 30 〇 X Δ Xt 15 0 20 0 ~20 u 。 V o u \j o X Λ χ
20 0 20 0 20 u Λ u u o X A χ n u ~20 Γ Uΐ ζ f ui o ^ u u n X A χ
7 30 0~20 0 ~ 20 0 5 0 5 10~30 〇 X Δ Δ
8 u ~20 0 5 0 5 10~30 〇 〇 Δ 〇
Q y 40 0 20 0 -20 U u o U V ο リ υ 45 0 20 0 ~20 U U 1 Γΐ QO ο π
50 0 20 0 ~20 V f ui o u o u π
12 55 0 20 0 20 0 5 0 5 10~30 〇 〇 〇 〇
13 60 0 20 0 ~ 20 0 5 0 5 10~30 〇 〇 〇 〇
14 65 0 20 0 ~20 0 5 0 5 10~ 30 〇 〇 Δ 〇
15 70 0 20 0 ~ 20 0 5 0 5 10~ 30 X 〇 X Δ
16 74 0 20 0 ~20 0 5 0 5 10~30 X 〇 X X
17 80 0 20 0 20 0 5 0 5 10 30 X 〇 X X
18 85 0 20 0 ~20 0 5 0 5 10~30 X 〇 X X
〇 : 問題無し (良好)
△ : 少し課題有り (改善必要)
X : 課題多い (実用化困難)
表 9
〇 : 問題無し (良好)
△ : 少し課題有り (改善必要)
X : 課題多い (実用化困難)
表 1 0 組成 組成 (重量部) 表面 耐熱 マツチシク' ネ公 番口
-粗度 性 性 評価
MgO Si02 B 2ο3 BaO Zr02 A1 2ο3
35 35~ 55 10 25 0 0 -5 0 5 0- -5 〇 △ X X
36 35~ 55 10~25 5 0 -5 0 5 0- -5 〇 〇 〇 〇
37 35~55 10 25 10 0- -5 0~ 5 0' 5 ο ο ο 〇
38 35~55 10~25 15 0 -5 0 5 0 5 〇 〇 〇 〇
69 35~55 10~25 20 0Λ -' 5 0 5 0' -5 〇 〇 〇 〇
40 35~ 55 10 25 25 0- -5 0 5 0' -5 〇 〇 〇 〇
41 35~ 55 10~25 30 0- -5 0 5 0' 5 〇 Δ 〇 〇
35~ 55 10~25 35 0 -5 U 0 0- 5 Λ Λ
43 35~ 55 10 25 40 0- -5 0 5 0' 〜 5 〇 厶 X X
44 35~55 10~25 0 0 -5 0 5 0' -5 〇 Δ X X
45 35~55 10 25 5~ 30 0 ϋ 5 0- 5 V
リ Ζ ΛΛ 人 X
46 35~55 10~25 5~ 30 5 0 5 0- 5 〇 〇 〇 〇
47 35~ 55 10 25 5~ 30 10 0 5 0 - 5 〇 〇 〇 〇
48 35~55 10~25 5 30 15 0 5 0 -5 〇 〇 〇 〇
49 35~ 55 10~25 5~ 30 20 0 5 0 5 〇 〇 〇 〇
50 35~55 10~25 5 30 25 0 5 0- -5 〇 Δ 〇 〇
51 35~ 55 10~25 5~ 30 30 0 5 0 5 〇 △ X X
52 35~ 55 10~25 5~ 30 35 0 5 0 5 〇 Δ X X
〇 : 問題無し (良好)
△ : 少し課題有り (改善必要)
X : 課題多い (実用化困難)
表 1 1 組成 組成 (重量部) 表面 耐熱 マッチンク' '1>5 A口- 番号 粗度 性 性 評価
MgO Si 02 B 203 BaO Zr02 A1203
53 35~ 55 10 ~25 5〜 30 5〜 25 0 0~ 5 〇 △ X Δ
54 35~ 0 o 丄 U ~ 0 0〜 30 5~ 25 5 0~ 5 〇 〇 〇 〇
55 35〜 55 10 ~25 5~ 30 5~ 25 10 0~5 〇 〇 〇 〇
56 35〜 55 10 ~25 5〜 30 5~ 25 0〜 5 0 Δ 〇 Δ Δ
57 35〜 55 10 ~25 5〜 30 0〜 5 0〜 5 1 〇 〇 〇 〇
58 35~ 55 10 ~25 5〜 30 0〜 5 0〜5 5 〇 〇 〇 〇
59 35〜 55 10 ~25 5〜 30 0〜 5 0〜 5 10 〇 〇 〇 〇
60 35~ 55 10 ~25 5〜 30 0〜 5 0~5 15 〇 〇 〇 〇
61 35〜 55 10 ~25 5〜 30 0~ 5 0〜5 20 〇 〇 〇 〇
62 35〜 55 10 ~25 5〜 30 0〜 5 0~ 5 25 〇 〇 〇 〇
63 35〜 55 10 ~25 5〜 30 0~ 5 0~ 5 30 〇 〇 〇 〇
64 35〜 55 10 ~25 5~ 30 0~ 5 0〜5 35 〇 〇 〇 〇
65 35〜 55 10 ~25 5〜 30 0~ 5 0~ 5 40 Δ X Δ X
〇 : 問題無し (良好)
△ : 少し課題有り (改善必要)
X : 課題多い (実用化困難) その場合、 F i g . 1や F i g . 2 に示したように、 こうした結 晶化ガラスの上に非晶質ガラスを形成することで、 荷重センサとし ての電気的特性を安定化できる。 なお、 本発明の結晶化ガラスが、 一般の非晶質ガラスだけを使って作成した荷重センサに比べて耐カ が高かった理由は、 内部にクラックが発生したとしても、 結晶化ガ ラスを構成する粒界で止るためと思われる。
以上のように、 実施の形態 3の結晶化ガラスの場合、 非晶質ガラ スとのマッチング性も高く、 市販の非晶質ガラスとの同時焼成も可
能であり、 荷重センサの低コス ト化が可能であった。
またこうして得られた結晶化ガラスをペース ト化し、 従来の非晶 質ガラスとして、 特開平 9 一 2 4 3 4 7 2号公報ゃ特開 2 0 0 3 — 9 7 9 9 7号公報で提案されているホウケィ酸鉛系 (B 2 O 3 - S i 〇w— P b O) ガラスとを選び、 同時焼成の実験を行った。 F i g . 4に示すように、 金属弾性体上に所定形状で印刷した、 そして この上に市販の非晶質ガラスペース トを印刷し、 同時に焼成したが、 F i g . 4 (B ) に示すように、 非晶質ガラス及び結晶質ガラスに は異常は発生しなかった。
比較のために、 従来例の結晶化ガラスとして、 表 1で提案されて いる結晶化ガラスを選び、 同様に F i g . 4に示すような同時焼成 の実験を行った。 まず F i g . 4 (A) に示すように、 金属基板上 に従来の結晶化ガラスペース トを印刷し、 その上に市販の非晶質ガ ラスペ一ス トを印刷し、 これらを同時に 8 5 0でで焼成し、 その断 面を観察したところ F i g . 4 ( C ) のように、 クラックが発生し、 結晶質ガラスと非晶質ガラスを同時に焼成することは難しいことが 判つた。
たとえクラック 1 5が発生していなかったとしても、 従来の非晶 質ガラスでは車載用の耐久性の高い荷重センサとしての性能は実用 的ではなかった。 これは、 従来の結晶化ガラス (たとえば、 表 1 ) に比べ、 本ガラスはアルミナが一定以上含まれ、 B a Oや B 2〇 3の 割合が少なめであることも一原因と考えられた。 また実施の形態 3 で提案する結晶化ガラスは、 後述するように、 セラミック粉と同時 に焼結しコンポジッ トガラス化させやすい特徴があることも判った。
(実施の形態 4 ) 印刷積層 (硬化)
実施の形態 4では、 多層印刷したガラス層の焼成コストを下げる ために一括焼成する場合について説明する。 実施の形態 1で説明し たように、 ガラス層を多層化する際、 1層ごとに印刷, 乾燥, 焼成 を繰り返した場合、 層数の増加につれて、 焼成回数が増加し、 製品 のコス トアップにつながる。 しかし、 ガラスを多層化する際、 印刷、 乾燥を繰返し、 ガラス層を多層化した後、 一括焼成しょう としても、 塗膜の平滑性が低下し、 多層印刷したガラス層にピンホールや厚み ムラが発生しやすいという問題点が生じる。
そこで、 実施の形態 4では、 結晶化ガラスペース トに、 硬化型べ —ス トを採用することによって、 こう した課題を解決する方法につ いて説明する。
まず比較のため、 従来例として、 結晶質ガラスペース トを多層化 した場合に発生しやすい、 ピンホールや厚みムラについて F i g . 5を用いて説明する。 F i g . 5は、 金属弾性体上に結晶質ガラス ペース トを多層印刷する様子を説明する断面図である。 F i g . 5 ( A ) のように、 金属弾性体 1の上に印刷された結晶化ガラスべ一 ス ト 3 2 aは、 一定時間後にレべリング (表面平滑化) する。 これ は結晶化ガラスペース ト 3 2 aに含まれている溶剤成分が、 金属弾 性体 1 の中に染込まないためである。 F i g . 5 ( B ) において、 3 3 aは結晶質ガラス乾燥膜であり、 結晶質ガラスペース ト 3 2 a がレべリングした後、 溶剤が揮発, 乾燥されたものである。 F i g . 5 ( C ) は、 結晶質ガラス乾燥膜 3 3 aの上に、 結晶化ガラスべ一 ス ト 3 2 aを印刷する様子である。
矢印 3 4は、 結晶質ガラスべ一ス ト 3 2 bに含まれる溶剤成分が、
下地となる結晶質ガラス乾燥膜 3 3 aに染込む様子を示す。 そして 溶剤成分が下地に染込んだ結果、 結晶.質ガラスペースト 3 2 bに含 まれる溶剤成分が少なくなり、 結晶質ガラスべ一ス ト 3 2 bの粘度 が上がり、 ペース トの流動性が低下し、 表面に凹凸 3 5やピンホー ル (図示していない) が発生する。 その結果、 F i g . 5 (D ) に 示すように、 結晶質ガラス乾燥膜 3 3 bの表面に凹凸 3 5が残る。 こう した凹凸 3 5は焼成しても消えない。 これは結晶質ガラスは、 非晶質ガラスに比べて焼成時の流動性が少ないためである。
その結果、 F i g . 5 ( E ) に示すように、 こうした上に内部電 極 3 6 aを形成すると、 内部電極 3 6 a と金属弾性体 1 の間で、 絶 縁不良が発生しやすくなった。
そこで、 発明者らはこう した課題を解決するために、 様々な実験 を繰り返した。 その結果、 こう した課題は、 F i g . 5 に示すよう に、 ペース 卜中の溶剤が下地に染込むことが主原因であることが判 つた。 そこで、 硬化型のガラスペーストを開発した。
F i g . 6は発明者らが開発した硬化型ガラスペース トを用いて 多層印刷する様子を示す。 F i g . 6 (A) 〜 F i g . 6 (E) は、 本発明の硬化型ガラスペース トを用いて金属基板上にガラス層を印 刷によって多層に形成する様子を説明するための断面図である。 F i g . 6 (A) は金属基板 1 の上に、 硬化型ガラスべ一ス ト 3 7 a をスクリーン印刷等で印刷された状態を示している。 この状態では 金属基板 1 の中に硬化型ガラスペース ト 3 7 a中の溶剤は染み込ま ないためにすぐにレべリングする。
その後、 この硬化型ガラスべ一ス ト 3 7 aを、 熱や光、 電子ビー ム等で硬化。 もしくは不溶化させ、 F i g . 6 ( B ) に示す硬化済
みガラスペース ト 3 8 aを形成する。 この硬化済みガラスペース ト 3 8 aの表面は充分レべリングされており、 更にこの硬化されたガ ラスペ一ストには溶剤は殆んど染込まなつている。
次に F i g . 5 ( C ) に示すように、 更に 2層目となるガラス層 を形成するために、 硬化型ガラスべ一ス ト 3 7 bを印刷する。 F i g . 6 ( C) において、 硬化済みガラスペース ト 3 8 aは、 硬化済 みであるので、 その上に印刷された硬化型ガラスペース ト 3 7 bの 溶剤は、 矢印 3 4のように染みこもうとしても殆ど染み込まない。 そのため、 硬化型ガラスペース ト 3 8 bは、 F i g . 5 ( C ) のよ うな凹凸 3 5, 厚みムラ、 ピンホールを発生させることなく、 すぐ にレペリ ングする。
こうしてレべリ ングした硬化型ガラスペース ト 3 7 bを硬化させ ることで、 F i g . 6 (D) に示すように、 2層目のガラス層を形 成する硬化済みガラスペースト 3 8 bの表面も、 凹凸や, 厚みムラ, ピンホール等の無い平滑な表面となる。
その結果、 F i g . 6 (E) に示すように、 内部電極 3 6 bを形 成しても、 内部電極 3 6 bと金属弾性体 1 の間で絶縁不良が発生し にくい。 このようにして、 硬化型のガラスペース トを使って、 印刷 多層化した場合、 焼成前のガラス塗膜に凹凸や厚みムラ、 ピンホー ル等の欠陥の発生を抑制できるため、 荷重センサの歩留を高められ、 製造コス トを下げられる。
一方、 従来のガラスペース トの場合、 ペース トの中の溶剤成分が 下地に染み込むために印刷直後から急激に粘度が上がり レべリ ング しなくなることから、 その表面には大きなムラが発生することとな る。 このムラはスクリーン印刷の場合、 スクリーン版のメッシュが
粗くなればなるほど発生しやすくなる。
そのため、 ガラス層の厚みを厚く しょうとして、 スクリーン版の メッシュを粗く したとしても、 膜厚は厚くなつてもかえってムラが 発生しやすくなるために、 製品歩留りを低下させることがあった。 そのため、 従来はより細かいメッシュ (細かいほどムラが発生しに くい) を使って多層印刷されていたが、 細かいメッシュを使うほど 膜厚が薄くなるため、 必要な膜厚を得るためには、 印刷回数を増や す必要があり、 工数増加になっていた。
F i g . 7は、 こうしたレべリングの様子を説明するものである。 F i g . 7 において X軸は印刷してからの時間 (単位は分) であり、 F i g . 5 (C) や (D), F i g . 6の (C) や (D) に相当する また F i g . 7 の Y軸は、 印刷直後からレべリングするまでのベー ス ト表面の表面の凹凸 (F i g . 5の Cや D参照) を、 非接触のレ 一ザ一式表面粗さ計で測定したものである。 F i g . 7 において、 a (X印に相当) は、 結晶化ガラス粉を用いて作成した硬化型ガラス ペース トであり、 印刷後、 すぐに凹凸が減り、 レべリングすること が判る。 また F i g . 7 において C (〇印に相当) は、 非晶質ガラ ス粉を用いて作成した硬化型ガラスべ一ス トであり、 印刷後、 すぐ に凹凸が減り、 レべリ ングすることが判る。 一方、 F i g . 7の b (き印に相当) は、 従来の溶剤乾燥型のガラスペース トの場合であ り、 印刷した後はその凹凸は低減しにくい。
なお、 実施の形態 4では、 結晶化ガラスペース トの硬化型にした が、 非晶質ガラスペース トや、 内電ペース ト、 配線べ一ス トもこう した硬化型ペース トにすることで、 多層印刷した時のレべリ ング性 を大きく改善でき、 荷重センサの低コス ト化と歩留アップが可能と
なる。 またこう した硬化型ペース トの作成において、 従来より提案 されている非晶質ガラス粉や結晶化ガラスを使うことも可能であり . また本発明で提案する非晶質ガラスや結晶質ガラス、 あるいは後述 するコンポジッ トガラスへの応用することは容易である。
(実施の形態 5 ) 硬化型絶縁ペース トの内容
次に硬化型べ一ス トに用いる部材について、 詳しく説明する。 ま ず硬化型ガラスペーストに用いるガラス粉としては平均粒径が 0 . 1 〜 1 0 mが最適である。 平均粒径が 0 . 1 a m未満のガラス粉 は高価である。 また平均粒径が 1 0 を超えるガラス粉は 2 0か ら 3 0 /x mの大きなガラス粉が含まれている可能性がある。 また硬 化型ガラスべ一ス トに含まれるガラス粉末は、 6 0〜 8 0 w t %の 範囲が望ましい。 6 0 w t %未満の場合、 硬化した後、 焼成すると 出来あがったガラスがポ一ラス (内部に隙間が発生する) になった り、 焼成時の膜厚収縮が大きくなり過ぎて、 複数層を同時焼成する ときにクラックが発生する可能性がある。 またガラスペース ト中に ガラス粉を 8 0 w t %以上含ませた場合、 ペース ト中の流動成分(樹 脂や溶剤) が少なくなつて、 ペース トの流動性が低下し、 レベリン グしにく くなる場合がある。 また硬化型ガラスペース トに含まれる 樹脂分は 1 〜 2 0 w t %が望ましい。 樹脂が 1 w t %未満の場合、 硬化した塗膜の強度が低く、 多層印刷した時に剥がれたり、 取れた りすることがある。 また樹脂分が 2 0 w t %を越えた場合、 ペース トの硬化に問題は無いが、 硬化後のペース トを焼成する際、 樹脂成 分の分解量が大きくなり、 たとえば、 焼成炉の中で多量の煙が発生 すると共に、 塗膜がブクブクと膨れたり、 割れ出したりする可能性
がある。 またペース ト中の溶剤量は 1 0〜 4 0 w t %が望ましい。 溶剤量が 1 0 w t %未満の場合、 ィンキの粘度が高くなり、 連続印 刷性やレペリング性に影響を与える場合がある。 また溶剤量が 4 0 w t %以上の場合、 インキの乾燥時間が長くなる。 なお、 硬化型べ —ス トにおいて、 無溶剤化も可能であるが、 溶剤は 1 0 w t %以上、 含まれていることが望ましい。 これはまったくの無溶剤にした場合、 スクリーン印刷に必要な粘度までペース ト粘度を下げるには、 かな りの樹脂量添加が必要になり、 こうした樹脂が焼成時にクラック等 の発生原因になる可能性があるためである。 なお、 硬化型インキに 添加する溶剤としては、 沸点 1 5 0 °C以上のものが望ましい。 沸点 が 1 5 0 °C未満の溶剤は、 印刷機上での乾燥が速すぎて、 連続印刷 性ゃィンキの機上安定性に影響を与える場合がある。
このような硬化型のペース トを作成するには、 ィ ンキのバインダ 成分 (樹脂成分) として、 硬化型の樹脂を選ぶ。 硬化型樹脂として は、 光 (U V ) や電子ビーム (E B ) , 熱硬化型の樹脂が市販されて いる。 なお、 本発明の場合、 ペース トは焼成するため、 灰分の少な い硬化型の樹脂を選ぶ必要がある。 また多少の灰分 (たとえば 1 % 程度) が残っていたとしても、 こうした灰分は酸化物の場合が多い ので、 本発明の場合、 ガラス成分の一部になり、 品質に影響を値無 いことが多い。
硬化型ガラスペース トに含まれる樹脂成分は、 1 〜 2 0 w t %が 望ましい。 樹脂成分が l w t %未満の場合、 硬化してできた塗膜 (特 に焼成前) の物理的強度が低い場合がある。 このように硬化後での 塗膜強度が低い場合、 その上に次のガラスべ一ス ト等をスクリーン 印刷等で印刷する際に、 塗膜が剥がれたり、 傷付いたり して製品の
歩留まりを下げる場合がある。
特に硬化型絶縁ペース ト中の樹脂の 5〜 1 0 0 w t %を硬化型樹 脂とすることで、 多層印刷時のペース ト溶剤の染み込みを防止する 効果を有効に発揮させることができる。 このように、 ペース ト中に 非硬化型樹脂を予め添加しておく ことによって、 絶縁べ一ス トの製 造を容易にできると共に、 スクリーン印刷機上で絶縁ペース トが硬 化してしまい、 後で取れなくなることがない。 たとえば、 硬化絶縁 ペース ト中の樹脂成分のうち、 5 0 %を熱硬化型のキシレン樹脂、 残り 5 0 %を溶剤に可溶なェチルセルロース樹脂とすることで、 万 一、 インキがスクリーン版の上で硬化しても (あるいは硬化しかけ ても)、 ェチルセルロースの溶剤可溶性を活かして、 簡単に溶剤で拭 き取れる。 そのため、 スクリーン版に異物として残らないため、 長 時間の安定した印刷 (あるいは無人印刷) が可能になる。 硬化型樹 脂としては熱, 光, 電子線照射のいずれか一つ以上の作用によって 硬化する樹脂を用いることができる。
特に生産性を考慮すると一液性の硬化型樹脂がより望ましい。 二 液性の硬化型樹脂は母体となる樹脂に反応開始剤を添加することで 樹脂の硬化が始まる。 しかし、 こう した二液性の樹脂で絶縁ペース 卜を作製した場合、 使用直前に反応開始剤を添加, 混合する必要が あり、 そのために工程が煩雑になる。
一方、 一液性の硬化型樹脂は反応開始剤を添加しなく とも、 上記 方法により硬化するために、 本発明の硬化型樹脂として使いやすい。 またこう した樹脂はひ一テルピネオールやプチルカルビトール、 ィ ソホロン等と言ったスク リーン印刷に広く使われる高沸点溶剤によ く溶解するため、 粘度調整もしゃすい。 また印刷後にスクリーン版
を洗浄する場合においても、 酢酸ブチル等で簡単にクリーニングす ることができる。 こうした硬化型樹脂としてはエポキシ樹脂, フエ ノール樹脂が使いやすい。 たとえば、 フエノール樹脂やエポキシ樹 脂を使うことができる。 なおこう した用途に二液型の硬化樹脂を使 う と、 ペース ト化させるのが煩雑であり、 更に反応開始剤を添加し た後のペース トのポッ トライフが短くなる。 一液型硬化樹脂の場合、 反応開始剤の添加が不要でありペース ト化も容易である。 たとえば キシレンフエノ一ルホルムアルデヒド樹脂に代表される一液型樹脂 は Q!テルピネオールやイソホロン, 酢酸ブチル等の溶剤にも溶けや すいため、 インキ化も容易であり、 スク リーン印刷した後の洗浄も 簡単である。
こう した硬化性樹脂を用いてガラスペース トゃ電極べ一ス トを製 造する場合、 ぺ一ス ト中に添加する有機溶剤が沸点 1 5 0 °C以上の ものが望ましい。 沸点 1 5 0 °C未満の有機溶剤は印刷工程中に自然 蒸発しやすいために、 作業工程中でペース トの粘度が変化して印刷 表面にピンホールが発生したり、 レべリ ングしにく くなることが生 じ得る。
なお、 ペース ト中の樹脂成分はすべてを熱硬化性樹脂にする必要 はない。 ペース トに含まれる樹脂性分の中の 5〜 1 0 0 w t %を硬 化性樹脂にすればよい。 このように硬化性で無い樹脂、 たとえば広 くバインダー樹脂として知られるェチルセルロース樹脂ゃブチラ一 ル樹脂、 アク リル樹脂等を加えておく ことで、 万一インキがスクリ —ン版の上で硬化、 あるいはゲル化しても、 ェチルセル口一ス等の 溶剤可溶性を活かして簡単に拭取れる。
また、 硬化型ペース ト中に含まれる有機溶剤は沸点 1 5 0 °C以上
。 のものが望ましい。 このように硬化型ペース ト内に有機溶剤を含ま せることで、 硬化型ペーストの粘度調整や固形分調整が容易になる ため、 年間を通して製造品質を安定化できる。 なお沸点 1 5 0 °C未 満の有機溶剤の場合、 印刷工程中に自然蒸発しやすいため、 作業行 程中でペース ト粘度が変化し、 印刷された塗膜の厚みバラツキを発 生させる場合がある。 またこう した有機溶剤は、 硬化型ペース ト中 に溶剤が 1 0〜 4 0 w t %含まれていることが望ましい。 硬化型べ 一ス ト中の溶剤が 1 0 w t %未満の場合、 溶剤による粘度や固形分 調整の範囲が狭くなつてしまう。 また溶剤が 4 0 w t %以上含まれ る場合、 インキの乾燥による膜厚変化が大きくなる。
なお硬化型ペース トの粘度は印刷性とレペリ ング性の観点から 1 0〜 1 0 0 0 0ボイズ (回転式粘度計の場合の回転数は 1 0〜 1 0 O r p mの範囲、 もしくはズリ速度で l〜 1 0 0 Z s の範囲) が望 ましい。 なおこうした硬化型ペース トは、 ある程度チキソ性 (ズリ 速度で粘度が変るレオ口ジー的現象) が有る方が望ましい。 そのた めペース トの粘度比 (たとえば、 回転数 1 0 r p mと 5 0 r p m、 あるいはズリ速度 17 s と 5 / s ) 等は、 1. 0以上、 望ましくは 1.
2以上が望ましい。 なお粘度比が 5 を超えるとチキソ性が高くなり すぎて、 レべリングまでの時間が長くなりあまり実用的ではない)。
なお、 こう して作成した硬化型ガラスペース トは、 従来のェチル セルロース等の樹脂を使った溶剤希釈型ガラスペース トに比べて、 焼結後 ( 8 0 0〜 9 0 0 °Cでの焼成後) のガラス自体に違いは無い が、 その焼成プロファイルに明らかな違いが観察される。 そこで、 発明者らは従来提案されている結晶化ガラス粉を用いて、 フエノー ル樹脂を使った硬化型ガラスペース トと、 ェチルセルロース樹脂を
使った従来型のガラスペース トを作成し、 これを所定量、 白金容器 にセッ トし、 室温から 9 0 0 °Cまでの熱分析 ( T Gノ D T Aと呼ば れる) を行った。 その結果、 互いの特徴が、 特に D TAグラフ (図 示していない) に現れた。 従来型の場合、 1 5 0〜 2 0 0 °Cで溶剤 成分が蒸発する吸熱ピークが観察された。
その後、 3 0 0 °C前後でェチルセルロース樹脂が熱分解する発熱 ピークが観察され、 その後は特に変化がなく、 8 0 0 °C付近でガラ スの結晶化によると思われる発熱ピークが観察された。
一方、 硬化型の場合、 1 5 0〜 2 0 0でで溶剤成分が蒸発する吸 熱ピークが観察された後は、 3 0 0〜 4 5 0 °C付近に樹脂が硬化す ることによる発熱と思われるブロードなピークが観察され、 最後に 5 0 0〜 5 5 0 °Cで、 硬化した樹脂が熱分解すると思われる発熱ピ —クが観察され、 その後は特に変化が無く、 8 0 0 °C付近でガラス の結晶化によると思われる発熱ピークが観察された。
以上の熱分析の結果から、 硬化型樹脂の場合、 樹脂が硬化される ことで、 耐熱性が上がり、 ペース トの熱分解温度を上げることが判 る。 そこで、 ここで用いたガラスペース 卜を用いて、 F i g . 1 0 (A) (なお、 F i g . 1 0については、 後の実施の形態で説明する) に示したように、 焼結抑制剤を添加していない内部電極を埋込み、 この内部電極と共に同時焼成したところ、 硬化型ガラスペース トの 場合、 F i g . 1 0 (B) に示すように、 (焼結抑制剤を添加してい ない内部電極にも関らず) 特に問題なく多層の同時焼成ができる場 合があった。
一方、 従来型のガラスペーストの場合、 すべてが F i g . 1 0 (C) に示すように、 各種クラックが発生した。 以上の実験結果と、 熱分
祈の結果より、 硬化型樹脂を使うことで、 内部電極が焼成, 収縮す る場合 ( 5 0 0 °C前後からと考えられる) での、 クラック防止の効 果があることが判った。 つまり従来型のガラスべ一ス トでは、 内部 電極の収縮が始る温度では、 ガラス粉同士は結着力が低い状態 (樹 脂成分が熱分解されて無くなつているため) なので、 金属の収縮に よって、 ガラス層が割れてしまい、 これがクラックの発生原因にな ると考えられる。
一方、 硬化型ガラスペース トの場合、 内部電極の収縮が始る温度 では、 ガラス粉同士の結着力は強い (硬化されることで耐熱性が上 がった樹脂成分が、 まだ残っている) ため、 金属の収縮でのガラス 層の割れを防止できていると思われる。
このように、 硬化型樹脂を用いることで、 従来のガラス組成でも、 ある程度の焼結抑制が可能であることが判る。 このような、 硬化型 樹脂を使った焼結抑制技術を使う ことで、 ガラスと金属の同時焼成 を可能にするだけでなく、 熱異種ガラス同士 (たとえば、 軟化点や 転移点の異なるガラス同士、 あるいは結晶質ガラスと非晶質ガラス 等) であっても、 多層化した状態での同時焼成を行いやすい効果が 得られる。 このように、 樹脂を硬化型にすることで、 樹脂の耐熱温 度を上げ、 焼結時の割れを防止する場合、 焼成後のガラスや電極に はこう した樹脂成分が焼失して残っていないため、 特性に影響を与 えることは無い。 しかし、 樹脂 (有機物) を使うため、 せいぜい 6 0 0 °C付近までの、 焼結抑制 (もしくは同時焼成でのクラック防止) 効果しか得られないが、 これでもかなりのクラック防止効果がある。
またこうした有機物を用いたクラック防止技術と、 後述する電極 への焼結抑制剤の添加 (無機物を用いたクラック防止技術) と併用
することで、 クラック防止や複数多層の同時焼成を更に容易にする ことは言うまでもない。
また硬化もしくは不溶化後のガラスペース トの厚みは 1 2〜 3 0 0 mが望ましい。 1 2 m未満の場合、 印刷時にピンホールが発 生する場合がある。 また 1 2 m未満の場合、 焼成後のガラス層の 厚みが 1 0 m未満と、 更に薄くなるため絶縁不良を発生させる可 能性がある。 ガラスペース ト の厚みが 3 0 0 mを超える場合、 硬 化させながら多層印刷しても、 印刷積層数が増えるためコス トアツ プになる。 また 3 0 0 / mを超える場合、 焼成後のガラス層の厚み が 2 0 0 mを超えるため、 荷重センサの厚みや重さが増加し、 更 にガラスの材料費もアップする。
(実施の形態 6 )
次に実施の形態 6 として、 硬化型の結晶化ガラスペース卜の製造 方法について説明する。
まず、 結晶化ガラスとして、 表 8〜表 1 1で示した材料を、 白金 製坩堝の中に秤量し、 これを高熱で溶解した。 その後、 溶解させた ガラス成分を水中に投下し、 急冷した。 その後、 これをボールミル を使って長時間粉砕した。 その後、 分級し、 粒径 1 0 m以下のガ ラス粉を用意した。 次にインキ用のビヒクルとして、 硬化型樹脂を えらび、 これに溶剤に溶解された硬化型フエノール樹脂を用い、 こ こにガラス粉を所定量添加して、 セラミ ック製の 3本ロールで混練 した。 なおセラミックロールには水冷装置を接続し、 ロール混練時 のロール発熱による樹脂硬化を防止した。 また 1 ロッ トが 1 K g程 度の少量の場合、 適当な容器の中でスパチュラ等の治具を使って手
でプレミキシングした後、 そのまま 3本ロールで混練しても問題が 無かったが (多少の凝集体が残っていてもロール上で肉眼で検出で き、 必要に応じてロール回数を増加するこで対策できた)。 しかし 1 ロッ トが 1 0 K g以上の場合、 手でプレミキシングすることは体力 的に負担がかかりすぎるので、 プラネ夕リーミキサーやニーダ一等 の機械を使って、 プレミキシングした後、 3本ロールで混練するこ とが望ましい。
こう して作成したガラスべ一ス トに所望に応じて溶剤を添加し、 粘度調整した後、 濾過し完成させた。 なお、 濾過には市販の開口が 1 0〜 2 0 mのスクリーン型フィルターを使い、 所望に応じて加 圧濾過することで濾過効率を上げられる。
こう して作成した硬化型ガラスペース トを使って、 F i g . 6 (A) 〜 (E) のようにして、 印刷, 硬化を繰返して多層印刷したが特に 問題点を見つけることはできなかった。 またこれを焼成したが、 特 に異常を見つけることもできなかった。 また比較のために、 従来ィ ンキとして、 ビヒクルとして硬化型フエノール樹脂の代りに、 ェチ ルセルロースを 0;テルピネオールに溶解したものを用いて同様にィ ンキを作成した。 これを用いて、 多層印刷したところ、 F i g . 5 (A) 〜 (E) に示すような結果が得られた。 またこれを焼成した ところ、 金属弾性体と内部電極の間に絶縁不良が発生しやすかつた。 そこで、 絶縁不良の発生したサンプルの断面を観察したところ、 F i g . 5 (E) に示したように、 ガラス層に厚みムラが多く、 更に 焼結済みのガラス内部にも空洞が生じていた。
なお硬化温度は 1 0 0 °C以上で 1 0秒以上, 4 0 0 °C未満で 3 0 分未満が望ましい。 硬化温度が 1 0 0 未満の場合、 インキ混練時
やインキを自然放置させておく とインキ粘度が増加する可能性があ る。 硬化温度が 4 0 0 °C以上の場合、 一部樹脂が分解し出すため、 硬化性樹脂にこうした樹脂を添加して印刷性を改善することが難し くなる場合がある。 また硬化時間は 1 0秒以上 3 0分以内が望まし い、 特に 1 0 0 °Cで 1 0秒以内に硬化し始めるような樹脂は、 イン キ混練時に粘度が変化したり、 ポッ トライフが短くなる可能性があ る。
なお硬化温度を 4 0 0 °C以上で 3 0分以上に設定すると、 添加し た樹脂の一部が分解し始める可能性があり、 その上に次のガラス層 等を印刷した場合、 そのレペリング性が低下することが生じうる。
また、 硬化 (もしくは不溶化) に光を使うことができる。 たとえ ば U V (紫外線), I R (遠赤を含む遠赤外線) を用いることで硬化 できる。 こう した光硬化性樹脂は、 スクリーン印刷用に、 たとえば、 ポスタ一のォ一バーコ一ト材料として、 各メ一力一から市販されて いる。 またこうした光硬化型樹脂でも、 B C A (プチルカルビトー ルアセテート) やひテルピネオ一ル等の沸点が 1 5 0 以上の高沸 点溶剤で希釈できるものが市販されている。 本発明にはこうしたも のを使う こともできる。
またこ こで、 硬化装置の設定を 4 0 0 °Cとしておいても、 荷重セ ンサの場合、 金属弾性体に熱容量が大きいため、 中々温度が上がら ない場合がある。 そうした場合、 ホッ トプレート等を使って直接加 熱してもよい。
なお、 結晶化ガラスに用いる結晶化ガラスとしては、 表 8〜表 1 1 に示した以外のものを用いることができる。 特に本発明で提案す る荷重センサの場合、 金属弾性体を用いるため、 熱膨張係数が 9 0 X
1 E - 7 / °C ( 9 p p m / °C ) から、 1 5 0 X 1 E _ 7 /°C ( 1 5 p pm/°C) 程度の、 市販の結晶化ガラスを選ぶことができる。
なお、 この場合、 ガラス粉の平均粒径は 5 m未満が望ましい。 平均粒径が 5 m以上の場合、 2 0〜 3 0 mの大きな塊が残って いる場合があり、 これらが印刷性に影響を与える可能性がある。 ま たペース ト粘度としては、 1 0〜 1 0 0 0 0ボイズの範囲が適当で ある。 粘度が 1 0ボイズ未満の場合、 粘度が低すぎて、 高膜厚が得 難く、 更に印刷パターンが滲んだり、 ダレたりする可能性がある。 また粘度が 1 0 0 0 0ボイズを超える場合、 粘度が高すぎて、 塗膜 にピンホールが発生する可能性がある。 なおこうしたペース トの場 合、 粘度は粘度計のズリ速度 (あるいは回転数) によって、 大きく 変化する場合がある。 そのため、 ペース ト粘度の測定は、 ズリ速度 が 1〜 1 0 0 Z sの範囲で行うことが望ましい。 (実施の形態 7 )
次に実施の形態 7 として、 非晶質ガラスペース卜の硬化型ペース トについて説明する。
まず、 非晶質ガラスとして、 表 5〜表 7で示した材料を、 白金製 坩堝の中に秤量し、 これを高熱で溶解した。 その後、 溶解させたガ ラス成分を水中に投下し急冷した。 その後、 これをポールミルを使 つて長時間粉碎した。 その後、 粒径 1 0 m未満のガラス粉を分級 によって回収した。 次にインキ用のビヒクルとして、 硬化型樹脂を 選び、 これに溶剤に溶解された硬化型フエノール樹脂を用い、 ここ にガラス粉を所定量添加して、 セラミック製の 3本ロールで混練し た。 なおセラミ ックロールには水冷装置を接続し、 ロール混練時の
ロール発熱による樹脂硬化を防止した。 また 1 ロッ トが 1 K g程度 の少量の場合、 適当な容器の中でスパチュラ等の治具を使って手で プレミキシングした後、 そのまま 3本ロールで混練しても問題が無 かった。 なお多少の凝集体が残っていてもロール上で肉眼で検出で き、 必要に応じて口一ル回数を増加するこで対策することができた。
しかし 1 ロッ トが 1 O K g以上の場合、 手でプレミキシングする ことは体力的に負担がかかりすぎるので、 プラネ夕リ一ミキサーや 二一ダ一等の機械を使って、 プレミキシングした後、 3本ロールで 混練することが望ましい。
こうして作成したガラスペース トに必要に応じて溶剤を添加し、 粘度調整した後、 濾過し完成させた。 なお、 濾過には市販の開口が
1 0〜 2 0 i mのスクリーン型フィルターを使い、 所望に応じて加 圧濾過することで濾過効率を上げられる。
こうして作成した硬化型ガラスペース トを使って、 F i g . 5 ( A ) 〜 (E ) に示すようにして、 印刷, 硬化を繰返して多層印刷したが 特に問題点を見つけることはできなった。 またこれを焼成したが、 特に異常を見つけることもできなつた。
また比較のために、 従来インキとして、 ビヒクルとして硬化型フ ェノール樹脂の代りに、 ェチルセルロースを αテルピネオールに溶 解したものを用いて、 同様にインキを作成した。 これを用いて、 多 層印刷したところ、 F i g . 4 ( Α ) 〜 (E ) に示すような結果が 得られた。 またこれを焼成したところ、 金属弾性体と内部電極の間 に絶縁不良が発生しやすかつた。 そこで、 絶縁不良の発生したサン プルの断面を観察したところ、 F i g . 4 ( E ) に示したように、 ガラス層に厚みムラが多く、 更に焼結済みのガラス内部にも空洞が
多かった。
なお硬化温度は 1 0 0 °C以上で 1 0秒以上、 4 0 0 °C未満で 3 0 分未満が望ましい。 硬化温度が 1 0 0 °C未満の場合、 インキ混練時 やインキを自然放置させておく とインキ粘度が増加する可能性があ る。 硬化温度が 4 0 0 °C以上の場合、 一部樹脂は分解しだすため、 硬化性樹脂にこうした樹脂を添加して印刷性を改善することが難し くなる場合がある。 また硬化時間は 1 0秒以上 3 0分以内が望まし い、 特に 1 0 0 °Cで 1 0秒以内に硬化し始めるような樹脂は、 ィン キ混練時に粘度変化したり、 ポッ トライフが短くなることが考えら れる。
また 4 0 0 °C以上で 3 0分以上の必要な場合は、 添加した樹脂の 一部が分解し始める可能性があり、 その上に次のガラス層等を印刷 した場合、 そのレペリング性が低下する場合がある。
なお、 非晶質ガラスに用いる材料として、 表 5〜表 7 に示した以 外のものを用いることができる。 特に本発明で提案する荷重センサ の場合、 金属弾性体を用いるため、 熱膨張係数が 9 0 X 1 E - 7 / °C から、 1 5 0 X 1 E— 7 Z °C程度の、 市販の非晶質ガラスの中から、 感歪抵抗体とのマッチング性を良い材料を選べばよい。 ガラス粉の 平均粒径は 5 m未満が望ましい。 平均粒径が 5 m以上の場合、 2 0 〜 3 0 mの大きな塊が残っている場合があり、 これらが印刷 性に影響を与える可能性がある。 またペース ト粘度としては、 1 0 〜 1 0 0 0 0ボイズの範囲が適当である。 粘度が 1 0ボイズ未満の 場合、 粘度が低すぎて、 高膜厚が得難く、 更に印刷パターンが滲ん だり、 ダレたりする可能性がある。 また粘度が 1 0 0 0 0ボイズを 超える場合、 粘度が高すぎて塗膜にピンホールが発生する可能性が
ある。 なおこう したペース トの場合、 粘度は粘度計のズリ速度 (あ るいは回転数) によって、 大きく変化する場合がある。 そのため、 ペース ト粘度の測定は、 ズリ速度が 1〜 1 0 0 Z s の範囲で行うこ とが望ましい。
(実施の形態 8 )
次に実施の形態 8 として、 硬化型の電極ペース トの製造方法につ いて説明する。
まず、 内電ペース トとして、 銀を主体とした導電粉を選び、 ここ に予め溶剤に溶解された硬化型フエノール樹脂を用い、 金属製の 3 本ロールで混練した。 なお 3本ロールには水冷装置を接続し、 口一 ル混練時のロール発熱による樹脂硬化を防止した。 また 1 ロッ トが 1 K g程度の少量の場合、 適当な容器の中でスパチュラ等の治具を 使って手でプレミキシングした後、 そのまま 3本ロールで混練して も問題が無かった。 なお多少の凝集体が残っていてもロール上で肉 眼で検出でき、 必要に応じてロール回数を増加するこで対策できた。
しかし 1 ロッ トが 1 0 K g以上の場合、 手でプレミキシングする ことは体力的に負担がかかりすぎるので、 プラネタリ一ミキサーや 二一ダ一等の機械を使って、 プレミキシングした後、 3本ロールで 混練することが望ましい。 こうして作成した電極ペース トに所望に 応じて溶剤を添加し、 粘度調整した後、 濾過し完成させた。 なお、 濾過には市販の開口が 1 0〜 2 0 mのスクリーン型フィル夕一を 使い、 必要に応じて加圧濾過することで濾過効率を上げられる。
こうして作成した電極べ一ス トを使って、 F i g . 5 ( A ) 〜 (E ) に示すようにして、 印刷, 硬化を繰返して多層印刷したが特に問題
は発生しなかった。 またこれを焼成したが、 特に異常を見つけるこ ともなかった。 また比較のために、 従来インキとして、 ビヒクルと して硬化型フエノール樹脂の代りに、 ェチルセル口一スを aテルピ ネオールに溶解したものを用いて、 同様にインキ作成した。 これを 用いて、 多層印刷したところ、 F i g . 4 ( A ) 〜 (E ) に示すよ うな結果が得られた。 またこれを焼成したところ、 電極ペース ト上 に印刷したガラス材料に印刷ムラに起因する凹凸が多数発生してい た。
金属弾性体と内部電極の間に絶縁不良が発生しやすかつた。 そこ で、 絶縁不良の発生したサンプルの断面を観察したところ、 F i g .
4 ( E ) に示したように、 ガラス層に厚みムラが多く、 更に焼結済 みのガラス内部にも空洞が多かった。
なお硬化温度は 1 0 0 以上で 1 0秒以上、 4 0 0 °C未満で 3 0 分未満が望ましい。 硬化温度が 1 0 0 °C未満の場合、 インキ混練時 ゃィンキを自然放置させておく とィンキ粘度が増加する可能性があ る。 硬化温度が 4 0 0 °C以上の場合、 一部樹脂は分解し出すため、 硬化性樹脂にこうした樹脂を添加して印刷性を改善することが難し くなる場合がある。 また硬化時間は 1 0秒以上 3 0分以内が望まし い。
特に 1 0 0 °Cで 1 0秒以内で硬化し始めるような樹脂を採用する と、 インキ混練時に粘度変化したり、 ポッ トライフが短くなる可能 性がある。 また硬化温度を 4 0 0 °C以上で 3 0分以上に設定すると、 添加した樹脂の一部が分解し始める可能性があり、 その上に次のガ ラス層等を印刷した場合、 そのレベリ ング性が低下する場合がある。 なお、 本発明では、 硬化型べ一ス トは、 電極ペース トだけでなく、
ガラスペーストと組合わせることができる。
次に、 硬化型の電極べ一ス トに使用する硬化型樹脂について説明 する。 まず、 硬化型樹脂としては一液型の硬化樹脂が望ましい。 こ うした用途に、 一般のフエノール樹脂, エポキシ樹脂を用いること ができる。 なお、 二液性の樹脂で絶縁ペース トを作製した場合、 使 用直前に反応開始剤を添加, 混ぜる必要がある。 そのため、 一般の 製造工程において、 工程が煩雑になると共に、 どう しても反応開始 剤の秤量間違いが発生しやすい。
一方、 キシレン樹脂等に代表される一液型の硬化樹脂は反応開始 剤を添加せずとも、 加熱だけで硬化するため、 本発明の硬化型樹脂 として使いやすい。 なお、 硬化型電極ペース トとしては、 金属粉が 1 0〜 8 0 w t %含まれていることが望ましい。 金属粉が 1 0 w t %以下の場合、 必要な導通性が得られない場合がある。
また金属粉が 8 0 w t %より多い場合、 印刷後に充分なレベリ ン グ (平滑化) が得られない場合がある。 また硬化型電極べ一ス ト中 に含まれる樹脂成分は、 l〜 2 0 w t %以下が望ましい。 樹脂成分 が l w t %未満の場合、 硬化してできた未焼成絶縁層 (硬化後) の 物理的強度が低い場合がある。 未焼成絶縁層 (硬化後) の強度が低 い場合、 その上に次の絶縁ペース トをスク リーン印刷等で印刷する 際に、 電極パターンが割れたり, 傷付いたり, メッシュ状に凹んだ りする場合があり、 製品の歩留まりを下げる場合がある。
また、硬化型電極ペース ト中に含まれる有機溶剤は、 沸点 1 5 0 °C 以上のものが望ましい。 このように硬化絶縁ペース ト内に有機溶剤 を含ませることで、 ペース トの粘度調整やペース トの固形分調整が 容易になるため、 長期間に渡り製造品質を安定化することができる。
なお沸点 1 5 0 °C未満の有機溶剤の場合、 印刷工程中に自然蒸発し やすいため、 作業行程中でペース ト粘度が変化し、 未焼成絶縁層 (硬 化後) の厚みバラツキを発生させる場合がある。
またこう した有機溶剤は、 ペース ト中に溶剤が 1 0〜 4 0 w t % 含まれていることが望ましい。 ペース ト中の溶剤が 1 0 w t %未満 の場合、 溶剤による粘度や固形分調整の範囲が狭くなつてしまう。 また溶剤が 4 0 w t %以上含まれる場合、 インキの乾燥による膜厚 変化が大きくなり、 場合によっては乾燥 (もしくは硬化) 後のみ電 極の内部が多孔質になる場合がある。 なお絶縁ペーストの粘度は 1 0ボイズ以上 1 0 0 0 0ボイズ以下が望ましい。 1 0ボイズ未満で は、 ィンキ粘度が低すぎてスクリ一ン印刷がしにく くなる。
またインキ粘度が 1 0 0 0 0ボイズを超えると、 粘度が高すぎて、 いく ら下地が硬化していても、 充分なレべリングを行う ことは難し い。 なお、 絶縁ペース ト中の樹脂の 5〜 1 0 O w t %を一液硬化型 樹脂とすることで、 絶縁ペース トの製造を容易にできると共に、 ス クリ一ン印刷機上で絶縁べ一ス トが硬化してしまい、 後で取れなく なることがない。
たとえば、 硬化絶縁ペース ト中の樹脂成分のうち、 5 0 %を熱硬 化型のキシレン樹脂、 残り 5 0 %を溶剤に可溶なェチルセルロース 樹脂とすることで、 万一、 インキがスク リーン版の上で硬化しても (あるいは硬化しかけても)、 ェチルセルロースの溶剤可溶性を活か せば簡単に溶剤で拭き取れる。 そのため、 スクリーン版に異物とし て残らないため、 長時間の安定した印刷, あるいは無人印刷が可能 になる。
なお、 硬化温度は 1 0 0 °C以上, 1 0秒以上が望ましい。 硬化し
やすい樹脂、 たとえば、 1 0 0 °C未満, 1 0秒未満で硬化する樹脂 をペース 卜に用いた場合、 印刷工程中、 あるいは冷喑所に保存して いてもペーストのポッ トライフが短くなる可能性がある。
なお、 金属粉としては平均粒径 0 . l〜 1 0 ^ mが望ましく、 ぺ 一ス ト中には、 こうした銀を主体とする金属粉が 6 0〜 8 0 w t % 以上含まれることが望ましい。 このように、 安価で抵抗値の低い銀 を電極に用いることで電子部品の低コス ト化が可能になる。 なお、 所望に応じてパラジウムや白金を添加、 もしくは合金として添加す ることで、 はんだ濡れ性やマイグレーショ ン防止等が可能になり、 電子部品の信頼性を高められる。
なお複数の未焼成の絶縁層を必要に応じて電極層と共に、 基板上 に形成されたまま同時に焼成することも可能である。 実施の形態 1 から 3では、 多層化印刷時の品質向上について説明した。 しかし、 こうして硬化, 形成された複数の未焼成の絶縁層を金属基板上に形 成されたまま同時に焼成することも可能である。 このよう に複数の 未焼成の絶縁層を未焼成の電極層と共に同時に焼成することで、 焼 成炉の数を減らせ、 製造コス トを大幅に下げられる。
また、 これらの焼成温度は 6 0 0〜 9 5 0 °C (望ましくは 6 0 0 〜 9 0 0 °C ) が望ましい。 6 0 0 °C未満の場合、 導電率ゃ基材との 接着力が不充分な場合がある。 また 9 5 0 °Cより高い焼成温度が必 要な場合、 配線材料として安価な銀を主体とした導体粉が使えず、 更に金属基板自体により高価な特殊なもの (高耐力、 耐酸化性、 耐 熱性) を使う必要がある。 また焼成は、 窒素ガスや水素ガス等を使 つた還元雰囲気ではなくて、 一般の酸素を含むエアーを用いた、 酸 化雰囲気で行う ことが望ましい。 このように、 酸化雰囲気で焼成す
ることで、 絶縁体内部に硬化型樹脂が残留炭素として残りにく くで きるため、 絶縁層の信頼性を上げられる。
また硬化型の電極べ一ストの場合、 粒径が 0. l〜 1 0 /z mの金 属粉が、 6 0〜 8 0 w t %, ガラス粉もしくはセラミック粉が 1〜 1 0 w t % , 樹脂が 1〜 2 0 w t % , 沸点 1 5 0 °C以上の溶剤が 1 0〜 4 0 w t %含まれていることが望ましい。 また粘度は 1 0〜 1 0 0 0 0ボイズで、 かつ樹脂中の 5〜 1 0 0 %が硬化型樹脂である ことが望ましい。
金属粉の平均粒径が 0. 1 m未満の場合、 焼結時の収縮開始温 度が下がり、 同時焼成しにく い場合がある。 また 1 0 mを超える と、 厚みムラが発生しやすく、 ファインパターンの形成も難しくな る。 また金属粉の添加量が 6 0 w t %未満の場合、 抵抗値が高くな る場合がある。 また 8 0 w t %以上の場合、 溶剤等の有機成分が少 なくなる分、 インキ粘度が変化しやすくなり、 取扱いが難しい。 ガ ラス粉もしく はセラミック粉は、 粉でなくてとも有機化合物 (いわ ゆる、 金属レジネート) であっても良いが、 これらの添加量が l w t %未満の場合、 添加効果が少なくなり、 基材との密着性が低下す ることがある。
またその添加量が 1 0 w t %を超えると、 抵抗値を上げる場合が ある。 また樹脂が 1 w t %未満の場合、 電極ペース トの硬化後の塗 膜強度が低下して、 取れやすくなつたり、 傷付きやすくなつたりす る。 また樹脂が 2 0 w t %を超えると、 塗膜強度は高くなるが、 焼 成時の樹脂分解量が多くなり、 焼成途中に膨れたり、 割れたりする 場合がある。
また溶剤の沸点は 1 5 0 °C以上が望ましい。 1 5 0 °C以下の溶剤
では、 印刷機上でペース トがすぐ乾いてしまい、 連続印刷性に影響 を与える。 また溶剤が 1 0 w t %未満の場合、 ペース トが乾燥しや すくなると共に、 インキ粘度が変化しやすい。
また 4 0 w t %を超えるばあい、 インキ乾燥に時間がかかりすぎ る。 また粘度が 1 0ボイズ以下の場合、 印刷時にパターンがにじみ やすく、 高精度なパターン形成が難しくなる場合がある。
また粘度が 1 0 0 0 0ボイズを超えると、 粘度が高すぎてフアイ ンパターンの印刷が難しい。 また樹脂中の硬化型樹脂の割合が 5 w t %未満の場合、 硬化しない場合がある。 また 1 0 0 %が硬化性樹 脂であっても支障ないが、 この場合、 硬化性樹脂は溶剤可溶型のも のが望ましい。 溶剤可溶型の硬化性樹脂を用いることで、 インキ中 の固形分 (揮発成分以外) を増やせ、 塗膜を厚くできと共に、 印刷 終了後の設備や版を、 有機溶剤で洗浄できるため作業性が良い。 ま たペース ト粘度も溶剤量で最適値に調整できる。
またこうして形成される内部電極の厚みは 5 0 m未満が望まし い。 5 を超える場合、 電極コス トが上がると共に、 この厚み が段差となり、 その上に形成するガラス層や配線, 抵抗体等の形成 に影響を与える場合がある。 (実施の形態 9 ) 内電共材
実施の形態 9は、 内部電極の組成を最適化することで、 ガラスと 内部電極を同時焼成時に発生しやすい課題を解決する。 まず内部電 極 5 としては銀が 8 0 w t %以上とし、 更に内部電極の上下に形成 されている結晶質ガラス材料や、 アルミナ材料を、 無機系の焼結抑 制剤として合せて 1〜 2 0 w t %を添加することが望ましい。
たとえば、 F i g . 2 において、 内部電極 1 9には、 内部電極 1 9を上下に挟んでいる結晶化ガラス 1 4 bを構成するガラス材料や, コンポジッ トガラス材料を、 予め内部電極ペース ト中に添加してお く ことが望ましい。 こうすることで、 内部電極ペース トを結晶質ガ ラスと焼成した場合の接合をより強固なものにできると共に、 内部 電極 1 9の熱膨張係数を結晶化ガラス層 1 4 bに近づけられるため に、 ガラス層と同時に焼成してもその応力集中を抑制でき、 クラッ クが発生しにくい。
次に F i g . 8 を用いて、 内部電極とガラスの複数層を同時に焼 成する場合について説明する。 このように複数層を焼成することで、 製造コス トを下げられる。 F i g . 8 (A) において、 金属弾性体 1の上に、 結晶質ガラス 3 9 a, 3 9 bが形成 (焼成済み) されて いる。 またこの結晶質ガラス 3 9 hの上には、 内部電極ペース ト 4 0が所定パターンで印刷され、 その上に更に結晶質ガラスべ一ス ト 4 1が所定パターンで印刷されている。 このように、 多層印刷する 場合、 ペース トを硬化型にしておく ことで、 そのレべリ ング性を改 善でき、 印刷塗膜の厚みバラツキやピンホールを減らせる。
実施の形態 9では、 内部電極ペース トととその上を覆っている結 晶化ガラスペース トの同時焼成について説明する。
F i g . 8 ( B ) において、 結晶質ガラス 3 9 c と内部電極 4 2 は、 結晶質ガラスペース ト 4 1 と内部電極ペース 卜 4 1が同時に焼 成されたものである。 F i g . 8 ( B ) に示すように、 予め内部電 極ペース ト 4 0 に予め焼結抑制材を添加しておく ことで、 内部電極 ペース トとその上を覆っている結晶化ガラスペース トを同時焼成し ても特に課題は発生しない。
一方、 F i g . 8 ( C) に示すように、 内部電極べ一ス ト 4 0 に 焼結抑制材が添加されていない場合、 内部電極 4 2 bの周囲と、 そ の周囲を囲む結晶化ガラス 3 9 c にクラック 4 3が発生しやすい。 なお、 F i g . 8 ( C ) において、 結晶化ガラス 3 9 a , 3 9 bは、 予め焼成されて結晶化している (結晶化することで、 融点が 1 0 0 0 °C以上に上がる) ため、 内部電極ペース ト 4 1 を 8 5 0 °C程度で 焼成しても、 クラック 4 3は発生しにくい。
なお、 焼結抑制材としては、 セラミック粉や金属レジネート (有 機金属) を用いることができる。
また F i g . 9は、 内部電極を下地となる結晶化ガラスと共に、 これら複数層を一括して焼成する様子を説明するための断面図であ る。 F i g . 9 (A) において、 金属弾性体 1 の上に、 複数の結晶 化ガラスペース ト 4 1 b, 4 1 cが印刷積層された上に、 更に内部 電極ペース ト 4 0 bが所定形状に印刷されている。 予め内部電極べ 一ス ト 4 0 bに焼結抑制材を添加しておく ことで、 F i g . 9 ( B ) にその断面で説明するように、 内部電極 4 2 bや、 その下地となる 結晶化ガラス 3 9 c, 3 9 dに課題は発生しない。 一方、 F i g . 9 (C) に示すように、 内部電極ペース ト 4 0 bに焼結抑制材が添 加されていない場合、 内部電極 4 2 b周囲と、 その下の結晶化ガラ ス 3 9 c、 3 9 dにクラック 4 3が発生しやすくなる。 こう したク ラックの発生原因は、 金属とガラスの焼成収縮の違いであり、 これ らのクラック 4 3は、 結晶化ガラス同士の界面や、 内部電極との界 面にも発生する場合がある。
F i g . 1 0は、 内部電極の上下を結晶化ガラスで挟んだ状態で、 これら複数層を一括で焼成する様子を示す断面図である。 F i g .
1 0 (A) において、 金属弾性体 1 の上に、 複数の結晶化ガラスべ —ス ト 4 1 d, 4 1 e を印刷し、 更に内部電極ペース ト 4 0 cが所 定形状に印刷され、 更に結晶化ガラスペース ト 4 1 f に覆われてい る。 予め内部電極ペースト 4 0 c に結抑制材を添加しておく ことで、 F i g . 1 0 (B) にその断面で説明するように、 内部電極ペース ト 4 0 c とそれを上下に挟む結晶化ガラスペース ト 4 1 e、 4 1 f を同時焼成しても、 特に課題は発生しない。
一方、 F i g . 1 0 ( C ) に示すように、 内部電極ペース ト 4 0 cに焼結抑制材が添加されていない場合、 内部電極 4 2 cの周囲と、 それを埋込む結晶化ガラス 3 9 f やその界面にクラック 4 3が発生 しゃすい。 またこれらのクラック 4 3は、 結晶化ガラス同士の界面 や、 内部電極との界面にも発生する場合がある。
なお、 こうした電極ペース トに、 セラミック粉や結晶化ガラスを 焼結抑制剤として添加する場合、 これらは粉末状で添加すると、 焼 結後に凝集体として残り、 信頼性を低下させる場合がある。 そのた め、 セラミック粉を添加する場合、 これらを予めペース ト状に分散 しておく ことが望ましい。 なお、 ガラスペース トや電極材料を硬化 型ペース トとすることでも、 F i g . 8から F i g . 1 0示したよ うに、 複数層の同時焼成時でのクラック発生を防止することができ る。
これはペース トを硬化させることによって、 硬化後のペース トの 焼成収縮開始温度が、 一般のェチルセルロース等の樹脂を用いた場 合より 1 0 0〜 2 0 0 °C程度高温側にシフ トするためである。 更に 硬化型ペース トにこうした焼成抑制剤を添加することで相乗効果も 期待でき、 その分、 焼結抑制剤の添加量を減らし、 電極の導電率を
高められ、 焼結抑制剤にく らべ、 硬化型樹脂の方が大幅に安価なた め、 電極材料のコス トダウンも図れる。
またこう した技術を使って、 F i g . 2 に示すように、 内部電極 1 9 を内蔵したまま結晶化ガラス 1 4 bを同時焼成したり、 内部電 極 1 9 と結晶化ガラス 1 9 と非晶質ガラス 1 5 bを同時焼成したり 内部電極 1 9 と結晶化ガラス 1 9 と非晶質ガラス 1 5 bと配線 1 6 bを同時焼成できることは言うまでもない。 また前述したように、 硬化型樹脂を使ったクラック防止技術と、 ここで説明した焼結抑制 剤を用いたクラック防止技術を併用することで、 更に同時焼成が容 易になる。
なお、 内部電極としては、 銀を主体としながら、 所望に応じて、 すなわち、設計事項やスペックに応じて、 B i 203を 1〜 1 5w t % 添加することが望ましい。 B i 203の添加量が 1 w t %未満の場合、 ガラスとの接着力が低い場合がある。 また 1 5 w t %を超えると、 抵抗値が所定の範囲を超えたり、 ビスマスのガラス層への拡散によ る影響が考えられる。 また S i 〇2や C u Oを 0. 5〜: L 0 w t %含 ませることが望ましい。 これらが 0. 5 w t %未満の場合、 ガラスの 接着性が低下する場合がある。 また 1 0 w t %を超えると、 抵抗値 を上げたり、 ガラスへの拡散による影響が考えられる。 また、 こう した S i 〇 2や C u Oは、 電極の焼結抑制の効果も期待できる。
(実施の形態 1 0 )
実施の形態 1 0では、 感歪抵抗体に接続される配線材料について 説明する。 感歪抵抗体に接続される配線を利用して、 各種半導体や チップ部品をはんだ実装することで製品のコス トを抑えられる。 ま
たこう した部品実装は、 メーカーで行われず、 ユーザーにて行われ る場合がある。 一般のアルミナ基板等を用いたハイブリ ッ ド I Cに 比べて、 荷重センサは金属基板を使っている分熱容量が大きい。
そのため、 荷重センサに予めはんだリフローを行ったとしても、 一般の回路基板に比べて、 はんだが付き難い場合がある。 そのため、 はんだ付けに時間がかかり、 荷重センサの配線がはんだ喰われする ことがある。 このはんだ喰われとは、 配線を形成する電極材料が、 はんだの中に溶解してしまい、 その厚みが薄くなつたり、 無くなつ たりすることで、 こうしたはんだ喰われが発生すると、 実装された 部品の接着強度や引張り強度が低下することが考えられる。
こうした、 荷重センサに特有な課題に対しては、 配線に用いる電 極材料に、 銀パラジウムを用いることが望ましい。 特にパラジウム の含有率を 5 %以上、 望ましくは 1 0 %以上とすることで、 様々な はんだ付け条件においても、 はんだ喰われの発生を抑制できる。 なお、 配線にはんだ付けするには、 はんだ喰われの他に、 配線材 料のはんだに対する濡れ性も重要な要素である。 こうしたはんだに 対する濡れ性を改善するには、 配線材料に酸化ビスマスを添加する ことが望ましい。 酸化ビスマスの添加量は、 1〜 2 0 w t %程度、 望ましくは 5 w t %以上 2 0 w t %未満が良い。 酸化ビスマスの添 加量が 1 w t %未満の場合、 添加効果が得られない場合がある。
また 2 0 w t %を超えると、 添加した酸化ビスマスが焼成後に配 線パターンの周辺に析出して、 特性を低下させたり、 感歪抵抗体の 電気特性に影響を与える場合もある。 また、 3 1 〇 2ゃ(: 11 0を 0 . 5〜 5 w t %添加しておく ことで、 下地との密着力を向上できる。 また部品実装部 (もしくははんだ付け部分) には、 銀パラジウム
を配線材料とすることが望ましいが、 感歪抵抗体との接続には必ず しも銀パラジウムを用いる必要は無く、 パラジウム含有率の低い (た とえば 1 w t % )、 安価な銀を主体とした電極材料を用いることがで きる。 こう して、 パラジウムの含有率の高い材料をはんだ実装部、 安価な配線材料をそれ以外の部分と、 部分的に分けて印刷すること ができる。
本発明で提案するように、 特に非晶質ガラスペース トを硬化型と しておく ことで、 この上に印刷する配線パターンのレペリ ング性を 改善できるため、 配線の膜厚均一化が改善される。
また特に異なる配線インキを組合わせて印刷する場合にも、 優れ た効果得られる。 また印刷後 (焼成前) の配線の厚みが均一であれ ばあるほど、 焼成後の配線の厚みも均一化できるため、 この上に印 刷する感歪抵抗体の印刷性も改善でき、 更には後工程での部品実装 性 (はんだ付け性) も安定化できる。
(実施の形態 1 1 ) コンポジッ トガラスの説明 (結晶質 +セラ ミック)
次に実施の形態 1 1 として、 様々な種類の金属弾性体を用いて荷 重センサを製造する方法について説明する。 荷重センサの用途が広 がるにつれて、 市場からは、 荷重センサに対して様々な要求があり、 こうした二一ズゃ用途に応じて、 様々な形状, 材質の金属弾性体を 使い分ける必要がある。 たとえば、 外見寸法の違い, 基板厚みの違 い、 加工方法の違い, 厚みや材質の違い, 取り付け孔の有無等であ る。 こうした部材を使いながら、 配線を多層化した荷重センサを市 場に提供する必要がある。
しかし、 従来提案されていたガラス材料では、 それぞれ熱膨張係 数が固定されているため、 そうした対応に課題が残っていた。
F i g . 1 1 はこうした基板となる金属弾性体の反りを説明する ものである。 F i g . 1 1 (A) は、 金属弾性体 1 の上にガラス層 4 4を形成した例である。 また 4 5は金属弾性体 1 の反りである。
F i g . 1 1 ( B) は金属板の厚みとその反りの関係を示したもの である。 F i g . 1 1 (B ) に比べると、 金属弾性体 1 の厚みが増 加するにつれて、 反り量は小さくなるが、 一定の値を超えると、 ガ ラス層 4 4が破壊したり剥がれたりする可能性はある。 一般に荷重 センサは、 指定された金属基板 (材質, 厚み, 形状等) に対して各々 ガラス材料を最適化し、 作り込むために、 F i g . 1 1 (B) に示 すような問題点発生することは無い。 しかし、 同じ金属弾性体を使 つた場合でも、 その厚みを 0. 2 mm, 1 mm, 2 mmおよび 5 m mの場合に変化させた場合、 同じガラス材料では対応しきれない。 これは、 F i g . 1 1 ( B ) に示した理由だけではなくて、 基板の 厚みが変わることでの加工方法の違い、 あるいは加工歪みの残留量 等も影響する。 同じ金属弾性体を用いた場合でも、 厚み l mmで打 ち抜くのと、 厚み 5 m mで打ち抜くのでは、 加工方法, 手順も大き く異なるため、 単一の熱膨張係数を有する材料では対応しきれない。 そのため、 無数のガラス材料を開発する必要が有り、 コス トアップ の原因になっていた。
そこで、 実施例 1 1では、 荷重センサに使うガラス材料をコンポ ジッ ト化し、 その熱膨張係数を微調整することで、 こうした用途に 応えようとするものである。
F i g . 1 2は、 コンポジッ トガラスの拡大模式断面図である。
F i g . 1 2において、 結晶化ガラス 4 6の内部にセラミック粉 4 7が分散された状態で同時焼成され、 コンポジッ トガラス 4 8 を形 成している。
このように、 ガラスの中にセラミック粉を分散させた状態で、 こ れを同時焼成させることで形成したコンポジッ トガラスは、 そこに 添加するセラミック粉 4 7の種類や添加量を微調整し、 そのコンポ ジッ トガラスの熱膨張係数を微調整することができる。
従来、 金属弾性体に応じて、 夫々ガラス材料を開発する必要があ つた。 このようにガラス材料をコンポジッ ト化することで、 一種類 のガラス材料であっても、 多様な金属弾性体に対応でき、 荷重セン ザのコス トダウンが可能になる。 またこうした手法を使えば、 結晶 化ガラス以外に、 非晶質ガラスでもコンポジッ ト化できる。
まず実施の形態 1 1 として、 本発明の特徴であるコンポジッ トガ ラス層を用いた荷重センサについて説明する。 実施の形態 1 1では、 F i g . 1 の結晶質ガラス層 1 4 aや、 F i g . 2 の結晶質ガラス 層 1 4 bの部分に、 コンポジッ トガラスを使うことになる。
F i g . 1 3は、 コンポジッ トガラスの熱膨張係数を変化させる 様子を説明する図である。 F i g . 1 3 (A) は金属弾性体 1 の上 にコンポジッ トガラス 4 8を形成したものである。 このときのコン ポジッ トガラスの熱膨張係数を測定したものが、 F i g . 1 3 (B) である。 F i g . 1 3 ( B ) において、 X軸はコンポジッ トガラス 層へのフイ ラ一の添加量であり、 Y軸は出来あがったコンポジッ ト ガラスの熱膨張係数である。 F i g . 1 3 (B ) より、 フイ ラ一 A を添加して作成したコンポジッ トガラスの方が、 フイラ一添加量の 増加に連れて熱膨張係数が低下することが判る。 またフィ ラー Bを
添加したコンポジッ トガラスの場合、 フィ ラー添加量の増加に連れ て熱膨張係数が増加することが判る。
また F i g . 1 3 ( B ) より、 フイ ラ一添加量が 5 w t %未満の 場合、 その熱膨張係数の変化が小さく、 フィ ラーの添加効果が少な い場合があることが判る。 また F i g . 1 3 ( B ) に示すようにフ ィ ラー添加量が 4 0 w t %を超える場合、 コンポジッ 卜ガラスが焼 結しにく くなり、 その機械的強度が低下することがある。 このよう、 フイ ラ一の種類や、 添加量を調整することで、 熱膨張係数の可変範 囲を広げられるため、 一つのガラス材料であっても、 様々な熱膨張 係数を有する金属弾性体に適用できる。
F i g . 1 2の結晶化ガラス 4 6の結晶化ガラスの熱膨張係数を 8. 5 p p m/°Cとした場合、 これに熱膨張係数 7 p p m/°Cのァ ルミナからなるセラミック粉 4 7を添加することで、 出来あがった コンポジッ トガラスの熱膨張係数を低下することができる。 また熱 膨張係数 9. 5 p p m/°Cのジルコニァを、 F i g . 1 2のセラミ ック粉 4 7 として添加することで、 出来あがったコンポジッ トガラ スの熱膨張係数を増加することができる。
また、 結晶化ガラス 4 7 自体の熱膨張係数が 1 0や 1 3 p p m Z°Cと大きいものを選んだ場合でも、 このようにしてコンポジッ ト 化することで、 熱膨張係数を調整できる。
特に金属弾性体 1の熱膨張係数より も小さい熱膨張係数を有する 結晶化ガラス 4 6を選ぶことで、 結晶化ガラス 4 6よりも熱膨張係 数の高いフイラ一 (フイラ一 Bに相当) を添加した状態においても、 コンポジッ トガラス層 4 8には圧縮応力を発生する。
このように結晶化ガラス 4 6 o自体の熱膨張係数は固有のもので
あるが、 本発明で提案するようにフィ ラ一としてセラミック粉を添 加し、 コンポジッ ト化させることで、 その熱膨張係数を数%から十 数%程度増減できる。
なお、 結晶化ガラスに加えるフイ ラ一の添加率は、 5 w t %以上 4 0 w t %未満が望ましい。 つまり、 コンポジッ トガラスを構成す る結晶化ガラスとセラミック粉の割合は、 結晶化ガラス : セラミ ツ ク粉 = 9 5 : 5〜 6 0 : 4 0の間が望ましい。 この理由は、 F i g . 3 ( B ) で説明するように、 フイ ラ一の添加量が 5 w t %部未満の 場合、 できあがったコンポジッ トガラス層 1 3 aの熱膨張係数の変 化も少なく、 コンポジッ トガラス 4 8の特徴である結晶化ガラス 4 6の利点 (たとえば、 結晶化した後は溶解温度が上昇し材料が相互 拡散しにくい等) とセラミック粉 4 7の利点 (安定しており相互拡 散しにくい、 熱膨張係数が材料によって異なる等) の相乗効果 (コ ンポジッ トガラス層 4 8 となることで再溶解されにく く、 結晶化し た後は相互拡散しにくい、 熱膨張係数を必要に応じて増減できる) が得られない場合があるためである。
またフイ ラ一の添加量が 4 0 w t %を超えると、 F i g . 1 3 ( B ) に示すようにコンポジッ トガラスが焼結しにく くなり、 その 強度が低下する場合がある。 これはセラミック粉 4 7の表面を濡ら すのに必要なガラス量が足りなくなつたためである。 できあがった コンポジッ トガラス 4 8に微細な孔等が発生したり、 絶縁抵抗を下 げてしまう ことがある。 このように、 フィ ラーの添加量は、 コンポ ジッ トガラスの 5 w t %以上 4 0 w t %以下が望ましく、 この範囲 内で熱膨張係数を増減できる。 またそれ以上の熱膨張係数の調整を 行う場合は、 異なる熱膨張係数を有する結晶化ガラス 1 5を選び、
これに同様に各種フィ ラーを添加することで対応できる。
本発明のコンポジッ トガラス 4 8 に添加するセラミック粉 4 7 と しては、 アルミナ (A 1 203、 熱膨張係数は 6. 5〜 8. O p p m /°C)、 M g 0 (熱膨張係数は 1 3 p p m/°C)、 フオルステライ ト ( 2 M g O * S i 〇 2、 熱膨張係数は組成割合によつて 8〜: L 1 p p m/°C)、 ジルコニァ (熱膨張係数は 1 0. 4 p p m/°C)、 酸化チ タン、 酸化カルシウム、 酸化マグネシウム、 スピネル ( M g〇 · A 1 2 O 3) 等が望ましい。 またこれらの平均粒径は、 0. 0 1〜 5 m程度が望ましい。 0. 0 1 z m未満の場合、 コス ト高になる。
また平均粒径が 5 / mより大きな場合、 ガラスとの同時焼成しに くい場合がある。 また本実施の形態で提案した結晶化ガラス以外の 市販の結晶化ガラスについても、 このようにセラミ ック粉をフイ ラ —として添加することで、 できあがったガラスコンポジッ ト材料の 熱膨張係数を微調整できるため、 各々の製品に対して最適設計が可 能になる。
なおセラミック粉としては、 熱膨張係数は 6 p p mZ°C以上、 1 5 p p m/°C未満のものが望ましい。 6 p pm/°C未満や 1 5 p p m/°C以上のセラミック粉 2 3は、 コンポジッ トガラス化しても金 属弾性体 1 とのマッチングが難しい場合がある。
特に、 コンポジッ トガラスの中のセラミ ック粉はガラスと殆ど反 応しないため、 焼成後にもそのまま F i g . 1 2 に示すように残つ ていることが多い。 そのため、 コンポジッ トガラスの熱膨張係数の 計算は、 結晶化ガラスの熱膨張係数と、 それに添加するセラミック 粉の熱膨張係数との比例計算で簡単に求められる。
なお F i g . 1 2は簡略化したものであるが、 実際のコンポジッ
トガラスの断面を S EM (走査型電子顕微鏡) や XMA (X線マイ クロ分析) で解析すると、 結晶化ガラスが形成する粒界と、 そこに 拡散したセラミ ック粉が見える。 またこれらを元素分析すると、 結 晶化ガラスからは、 結晶化ガラスを構成する複数の元素 (たとえば、 M g〇、 S i 〇 2、 A 1 203等) が交じり合ってまんべんに検出さ れるが、 セラミ ック粉から固有の元素 (セラミック粉にアルミナを 用いた場合、 アルミと酸素の元素が特異的に高強度で検出される。
またセラミック粉に酸化ジルコニァを用いた場合、 ジルコニァと 酸素の元素が特異的に高強度で検出されるが髙濃度で検出できるた め、 これら元素が結晶化ガラスに元々含まれてたものか、 あるいは コンポジッ トガラスを構成するためにフイ ラ一として添加されたも のについては、 判別が容易である。
なおコンポジッ トガラス 2 4の ト一タルの厚みは少なく とも 1 0 m以上 2 0 0 z m以下が望ましい。 厚み 1 0 z m未満の場合、 ガ ラスペ一ス トをスクリーン印刷した際に発生するピンホール等の影 響を受けやすい。 また厚みが 2 0 0 mを超える場合、 ガラスのコ ス 卜が増加する。
また、 コンポジッ トガラスの製造法は、 結晶ガラス粉とセラミ ツ ク粉よりなるガラスペース トを焼成することであるが、 この方法を 用いて、 非晶質ガラスとセラミック粉よりなるコンポジッ トガラス も作成できる。 この場合、 非晶質ガラス粉とセラミ ック粉の両方を 所定比率 (望ましくは重量比で非晶質ガラス粉 : セラミック粉 = 9 5 : 5〜 6 0 : 4 0の間で) でブレンドしてなるガラスペース 卜を、 8 0 0〜 9 0 0での間で焼成すればよい。 8 0 0〜 9 0 0 °Cの間で 焼成することで、 セラミック粉にダメージを残すことなく非晶質ガ
ラス中に分散できる。 またこの場合、 一部のセラミ ック粉は非晶質 ガラス中に溶解する可能性はあるが、 殆んどのセラミック粉は非晶 質ガラス中に、 一種のフイ ラ一として分散された状態になる。 その ため、 所定の分析方法 (X M A等) を用いれば、 それが非晶質ガラ スなのか、 その中に分散されたセラミック粉なのかが判別できる)。
また同様にして、 非晶質ガラス粉に結晶質ガラスをブレンドして 作成する非晶質コンポジッ トガラスは、 重量比で非晶質ガラス : 結 晶質ガラス = 9 5 : 5〜 5 0 : 5 0の割合が望ましい。 非晶質ガラ スの割合が、 9 5 w t %を超える場合、 特にコンポジッ ト化する必 要が無い場合がある。 また非晶質ガラスの割合が 5 0 w t %未満の 場合、 非晶質を主体としたコンポジッ トガラスと呼ぶより、 結晶質 ガラスを主体としたコンポジッ トガラスと呼ぶべきであろう。
また結晶質ガラスに非晶質ガラスをブレンドして作成する結晶質 コンポジッ トガラスは、 重量比で、 結晶質ガラス : 非晶質ガラス = 9 5 : 5〜 5 0 : 5 0の割合が望ましい。 結晶質ガラスの割合が、 9 5 w t %を超える場合、 特にコンポジッ ト化する必要が無い楊合 がある。 また結晶質ガラスの割合が 5 0 w t %未満の場合、 結晶質 を主体としたコンポジッ トガラスと呼ぶより、 非晶質ガラスを主体 としたコンポジッ トガラスと呼ぶべきである。 またコンポジッ トガ ラス中のガラスの結晶性に関しては、 X R D ( X線回折) 等を使つ て解析できる。 たとえば、 非晶質 S i 〇 2の場合、 ハローと呼ばれる ブロードな盛り上がりが観察される。 また結晶質 S i 0 2 (たとえば 石英) では、 複数のシャープな回折線が観察される。 また、 こう し た回折図形のピーク位置 (d値と呼ばれる) やピークの強度比に、 市販の物質解析ソフ トウェアを組合わせて解析することで、 物質の
特定も容易である。
なお、 オーバーコートにガラス材料を用いる場合、 オーバーコー トガラスの中の酸化鉛の割合は 6 0 w t %以上 9 5 w t %未満含む ものが望ましい。 酸化鉛の量が 6 0 w t %未満の場合、 焼成温度が 高くなるため感歪抵抗体 3 f が再熱処理されることになり、 抵抗値 や温度特性がずれてしまうことがある。
また酸化鉛の割合が 9 5 w t %以上の場合、 耐水性が低くなる場 合がある。 またォ一バーコ一トガラス 1 4の厚みは、 1 0 z m以上 2 0 0 m未満が望ましい。 1 0 ^ m未満の場合、 ゴミゃ気泡によ るピンホールが発生する可能性がある。 またオーバ一コートガラス 1 4の厚みが 2 0 0 m以上の場合、 焼成時にオーバ一コートガラ ス 1 4が流れて広がりすぎて、 パターン不良を発生させる場合があ る。 またオーバ一コートガラス 1 4は 2層以上が望ましい。 オーバ 一コートガラスの印刷を 2層以上にすることで、 たとえ 1層にゴミ や気泡によるピンホールが発生したとしても、 不良原因になりにく い。
なお、 オーバ一コート層に樹脂を用いる場合、 樹脂層にセラミツ ク粉を 5 w t %以上 5 0 w t %未満含ませることが望ましい。 樹脂 層にセラミック粉を添加させることで、 物理的強度を上げられるた め耐摩耗性も上がり傷つきにく くなる。 セラミック粉の含有量が 5 w t %未満の場合、 添加効果が得られない場合がある。 セラミ ック 粉の含有量が 5 O w t %以上の場合、 オーバーコー ト樹脂層の流動 性や充填性が下がる場合がある。 また樹脂のォ一バーコ一卜層の厚 みは l O ^ m以上 2 0 0 m未満が望ましい。 1 0 m未満の場合、 ゴミゃ気泡によるピンホールが発生する可能性がある。 またオーバ
—コート樹脂層の厚みが 2 0 0 m以上の場合、 硬化時にオーバ一 コート樹脂がダレて流れて広がりすぎてパターン不良を発生させる 場合がある。 またオーバ一コート樹脂は 2層以上が望ましい。 ォ一 バ一コート樹脂を 2層以上にすることで、 たとえオーバ一コートの 1層にゴミゃ気泡によるピンホールが発生したとしても不良原因に なりにくい。
また、 オーバ一コートを複数層にする場合、 ガラス同士、 または、 樹脂同士で複数層を形成してもよいが、 これらを組合せても良い。 この場合、 感歪抵抗体 3 f に近い方にガラスやセラミックを主成分 とする第 1 のオーバ一コート層を厚み 1 0 x m以上 2 0 0 / m未満 で、 更にその上に樹脂を主成分とする第 2のオーバーコート層を厚 み 1 0 x m以上 2 0 0 m未満で形成することが望ましく、 こうす ることで互いの特徴を活かすことができる。
この場合、 熱処理温度の関係から、 ガラスを主成分とするオーバ 一コー トの上に樹脂を主成分としたオーバーコートを形成すること が望ましい。 樹脂を主成分とするオーバーコ一ト材は、 各種電装品 の保護用や、 半導体のベアチップ実装に使われている品番から選ぶ ことができる。 なおこうしたォ一バ一コートの厚みは 1 0 x m未満 ではピンホール等の心配があり、 2 0 0 m以上の場合は形成に手 間がかかるためコス ト高になるため、 荷重センサ用としては、 それ ぞれ厚み 1 0 z m以上 2 0 0 ; m未満が望ましい。
また、 配線パターンの厚みは 3 / m以上 5 0 m未満が望ましい。 3 m未満の場合、 配線パターン 6を形成する電極が薄くなりすぎ 局所的に導通が得られなくなる部分が発生する場合があり、 配線抵 杭が高くなつたり、 基板と第 1の電極間に形成される容量成分が設
計値より低くなることがある。 また厚みが 5 0 mを超えると、 コ ストが上がる場合がある。
また配線パターンの中には、 ガラス成分もしくはセラミック部材 が 3 w t %以上 2 0 w t %未満含まれることが望ましい。 配線パ夕 —ン中に、 コンポジッ トガラスを形成するガラス成分、 あるいはセ ラミック部材を予め添加しておく ことで、 熱膨張係数をガラス層に 合わせることができ、 更にガラス層との接着力を上げられるため、 ガラス層との層間剥離等の発生を防止できる。 ここで添加量が 3 w t %未満の場合、 こうした効果が少ない場合がある。 また添加量が 2 0 w t %を超える場合、 配線抵抗を上げてしまう。 特に、 荷重セ ンサのようにアルミナ基板等のセラミ ック基板に比べ熱膨張係数が 2〜 3倍と大きなため、 ちょっとした熱膨張係数の違いがこう した 層間剥離等の不良の発生原因になりやすい。
なおコンポジッ トガラス層を複数層化する場合、 1層当たりの厚 みは 5 m以上 7 0 z m未満が望ましい。 5 m未満の場合、 必要 な絶縁が得られない場合がある。 また 1層当り 7 0 mを超える場 合、 印刷時にインキが滲んだり、 ダレたり して高精度の印刷が難し くなる。
なお、 ガラス層やコンポジッ トガラス層、 電極等は 8 0 0〜 9 0 0 °Cの酸化雰囲気で焼成されることが望ましい。 8 0 0 °C未満では 充分な焼結強度がえられない場合がある。 また 9 0 0 を超える高 温で焼成すると、 焼成コス トが増加すると共に金属弾性体の強度が 低下したり、 より耐熱性の高い高価な金属基板を使う必要が発生す る場合がある。
(実施の形態 1 2 )
次に実施の形態 1 2 として、 コンポジッ トガラスペース トの製造 方法について説明する。 F i g . 1 4は、 コンポジッ トガラスにピ ンホールが発生する可能性があることについて説明するものである, F i g . 1 4において、 4 9はセラミック粉凝集体であり、 5 0は ピンホールである。 F i g . 1 4に示すように、 セラミ ック粉 4 7 が、 結晶化ガラス 4 6の内部に均一に分散されている場合、 こうし たピンホールは発生しないが、 セラミック粉 4 7の分散が不充分で、 セラミック粉凝集体 4 9が発生すると、 F i g . 1 4に示すように、 ピンホール 5 0が発生することがある。 これは結晶化ガラスの焼成 温度では、 セラミック粉が焼結しないためであり、 特にセラミック 粉が凝集体を形成した状態でコンポジッ トガラス中に残っていると 非常に小さな確率ではあっても、 ピンホール 5 0の発生原因となる。
こうしたピンホ一ル 5 0 を防止するためには、 コンポジッ トガラ ス中のセラミック材料の分散を均一化することで対策できる。
次に、 コンポジッ トガラスペ一ストの製造方法について、 F i g . 1 5, F i g . 1 6を用いて説明する。 F i g . 1 5 , F i g . 1 6はコンポジッ トガラスペ一ス トの製造方法を説明する図であり、 本実施の形態 1 2では、 コンポジッ トガラスに用いるセラミック粉 を、 予め溶剤中に分散しておき、 ここにガラス粉を添加して混練す るものである。 このように、 ガラス粉とセラミック粉を個別に、 各々 に最適な条件で分散することで、 セラミツク粉の凝集体を含まない コンポジッ トガラスペース トを提供できる。
F i g . 1 5 (A) において、 符号 5 1 a〜 5 I dは所定原料で あり、 具体的には、 セラミック粉, 溶剤, 分散剤および少量の樹脂
等である。 次にこれらの所定原料は、 F i g . 1 5 ( B ) に示すよ うに、 分散装置 5 2の中で、 ビーズ 5 3によって分散される。 なお、 分散装置 5 2 として、 回転ポールミル, 攪拌ポールミル, シンマル エンタープライズ製のダイノミル等のビーズを用いた攪拌式や、 振 動式, 回転式の分散装置を使うことが望ましい。
セラミック粉を、 溶剤や少量の分散剤 (もしくは少量の樹脂、 こ れは樹脂の種類によっては樹脂を加えることでセラミック粉の濡れ 性が改善されるため、 当然であるが樹脂を加えすぎると粘度が上が つてピーズでの分散が難しくなるので、 樹脂を添加する場合、 少量 に限定される) と共に、 こうした分散装置で分散することで、 凝集 体無く分散できる。
この分散において、 セラミック粉, 溶剤, 分散剤もしくは少量の 樹脂からなるスラリーの粘度は、 l c p (センチボイズ) 以上 1 0 P (ボイズ) 以下が望ましい。 1 c p以内の低粘度のスラリーの場 合、 分散機中ではセラミック粉は解れていても、 粘度が低すぎて、 これを取出して、 濾過する時に沈殿してしまう ことがある。 またス ラリ一粘度が 1 0ボイズを超える場合、 ビーズを使った分散機では、 分散能力が発揮できず、 ビーズとスラリーの除去も難しくなる場合 がある。 なおビーズを使う場合、 ビーズの大きさは 1 0 c m以下が 望ましい。 ビーズの大きさは小さいほうが、 より細かいセラミ ック 粉に対しても分散効果が高いが、 ビーズ同士の衝突のエネルギーが 小さくなるので、 一定馬力以上の動力を用いた分散装置を使う こと が望ましい。 こう した分散機の場合、 特に回転式の場合、 リ ップシ ール (分散装置のシール機構の一種) の性能にもよるが、 0 . 3 m m η φ以下のビーズでは使いにくいことがあるので、 注意が必要と
なる。 またビーズ材料としては、 市販のアルミナ製やジルコニァ製 (イッ トリア入りが望ましい) が望ましい。 またセラミック粉と同 じ成分のビーズ材料を選定することで、 ビーズ 2 9が研磨されて、 不純物としてスラリー中に混入した場合でも、 その影響を防止でき る。
こうして作成したスラリーは F i g . 1 5 (C) に示すように濾 過される。 F i g . 1 5 ( C ) において、 5 5 aは濾過装置、 5 6 aはフィルターである。 スラリーは、 F i g . 1 5 ( C ) の矢印 5 4に示されるように、 濾過装置 5 5 aにセッ トされたフィル夕一 5 6 aに注がれ濾過された後、 容器 5 7 aに回収される。
なお、 フィル夕— 5 6 aとしては、 開口が 1 0〜 2 0 mの市販 の網を用いることができるが、 デプス型 (体積濾過型) と呼ばれる ような、 繊維を糸巻状に加工したフィルタ一を使えば、 多量のスラ リーを圧力損失を最小限にしながら (つまり、 フィル夕一が詰りに くい状態で) 濾過できる。 またこう した濾過は、 スラリー自体の自 重で行ってもよいが、 エア一圧力 (圧空) やダイヤフラムポンプ等 を用いることで、 作業効率を上げられる。 こう して F i g . 1 5 (C) の矢印 1 8 cのように注がれたスラリーは、 濾過され、 矢印 5 4の ようにして容器 5 7 aに回収される。
次に F i g . 1 6を用いて、 凝集体無く分散されたセラミック粉 を用いて、 コンポジッ トガラスペース トを作成する様子を説明する。 F i g . 1 6 (A) において、 所定材料 5 1 e〜 5 1 h, セラミツ ク粉が分散されてなるスラリー F i g . 1 5 (C) の容器 5 7 aに 回収されたもの、 結晶化ガラス粉, 樹脂, 分散剤等である。 こ こで 樹脂に硬化型樹脂を使うこともできる。 また樹脂の一部を分散剤と
して用いることもできる。 また必要に応じて、 着色剤等を加えてお く ことで、 各層の厚みを色や元素で判別しやすい、 製品管理がやり やすくなる。
F i g . 1 6 ( B ) において、 5 8は混練機であり、 内部には所 定の攪拌治具 5 9が内蔵されている。 こうした混練機 5 8としては、 プラネタリ一ミキサ一、 二一ダ一、 自動乳鉢等を用いることができ る。 このように混練機 5 8の内部に、 攪拌治具 5 9 をセッ トするこ とで、 高粘度の材料でも安定して混練できる。 特に、 本発明で提案 する荷重センサの場合、 コンポジッ トガラスペ一ス トの印刷には、 スクリーン印刷を用いることでコス トダウンが可能になる。
しかしコンポジッ トガラスペース トをスクリーン印刷するには、 その粘度が低すぎると、 印刷後にパターンが滲んだり、 所定厚みが 得られない場合があるため、 一定以上の高粘度が必要になる。 その ため、 こうしたコンポジッ トガラスを混練する場合、 非常に高粘度 (たとえば、 数万ボイズ以上の粘土状態で、 自重ではまったく流動 しない) の場合が多く、 こうした攪拌治具 3 4を備える、 混練機 3 3を用いることが望ましい。
F i g . 1 6 ( B ) に示すように、 所定材料 5 1 e〜 5 1 hは、 各々所定量が、 混練機 5 8に投入され、 内蔵された攪拌治具 5 9が、 矢印 5 4に回転することで混練される。 なお、 ここで材料の添加順 番は、 互いに反応しあわないように工夫することが望ましい。 たと えば、 ガラス粉と樹脂, スラリーとガラス粉等を一度に多量で混練 すると、 かえって凝集体を作成する場合がある。 こうした凝集体形 成 (たとえば、 ソルベントショ ック等と呼ばれることもある) を防 止するには、 少量ずつを添加する、 あるいは凝集しにくいもの同士
の組合せを予め確めておく ことなどで、 防止できる。
そして、 F i g . 1 6 ( C ) に示したように、 3本ロール 6 0等 の混練機を用いて混練することで、 スラリー中のセラミック粉とガ ラス粉を均一に分散し、 コンポジッ トガラスペース トを作成できる。 最後に F i g . 1 6 (D ) に示したように、 濾過装置 5 5 b、 フィ ル夕一 5 6 bを用いて濾過することで、 コンポジッ トガラスペース ト中のゴミゃ凝集体を除去できる。
次に更に詳しく説明する。 まず、 一例として、 F i g . 1 5〜 F i - 1 6 に示すようにして、 コンポジッ トガラスペース トを作成 した。 セラミック粉だけを予め分散しスラリー化し、 濾過した後、 F i g . 1 5に示すようにして結晶化ガラス粉と混ぜてコンポジッ トガラスペース トを作成した。 まず F i g . 1 5 (A) において、 所定材料 5 1 aをセラミック粉とした。 具体的には、 市販の粒径 0. 4 111であるが、 凝集体を多数含む安価なアルミナ粉 (数百円/ K g ) を用いた。 次に、 このアルミナ粉に、 吸油量を僅かに超える程 度の少量の溶剤 (吸油量の詳細は J I S - K 5 1 0 1 に記載されて いる) の溶剤 (プチルカルビトールアセテート等) と分散剤を加え、 高濃度であるが、 低粘度のアルミナスラリーを作成し、 これを市販 のビーズミルを用いて、 一定時間分散した。 なおビーズにはアルミ ナ製の直径 2 mmの物を用いた。 こう して分散してできたアルミナ をグライン ドメ一ター (詳細は J I S - K 5 6 0 0 に記載されてい る) を持ちて評価したが、 3 im以上の凝集体は検出されなかった。 またこのアルミナスラリーを粒度分布計を用いて、 粒度分布を測定 したが、 一次粒子まで解されていることが判った。
またこのアルミナスラリー中には所定量の分散剤が添加されてい
るため、 高濃度 (アルミナ含有率 6 0 w t %以上、 望ましくは 8 0 w t %以上) であるが、 粘度は 1 0ボイズ (ズリ速度 1 Z sから 1 0 0 / s の範囲において) 未満であったにも関らず、 2 4時間後に も分散は安定していた。 なおこのアルミナスラリーを長時間保存す る場合は、 回転架台等にセッ トした状態で適当に回転させておくと 沈殿防止やセラミック粉の再凝集を防止できる。 こうして作成した、 アルミナスラリーは、 F i g . 1 3 ( C ) に示すように開口 1 0 mのフィルタ一で問題無く濾過できた。 次に、 F i g . 1 6 (A) に示すようにして、 このアルミナスラリーを、 ガラス粉は他のバイ ンダ一等と秤量、 F i g . 1 6 ( B ) に示すようにしてプレミキシ ングし、 最後に F i g . 1 6 ( C ) に示すようにロール混練した。 こう して作成したコンボジッ 卜ガラスペース トは、 2 0 mフィル 夕一で問題無く濾過できた。 その後、 粘度調整されて完成される。 なお、 粘度は 1 0ボイズ以上 1 ひ 0 0 0ボイズ以下が望ましい。 こ れ以外の粘度範囲の場合、 印刷しにくい難しい場合がある。
こうして作成した、 コンポジッ トガラスペース トを用いて F i g . 1 5 に示す荷重センサを作成したが、 特に問題無かった。 またの断 面を S EMや XMAで解析したところ、 F i g . 1 2のようであり、 結晶化ガラス 2 3 aの中に均一に分散されたアルミナが検出された。
このように、 セラミック粉を凝集体無く分散させる場合、 どうし ても工数がかかってしまうため、 より低コス トに効率良く分散する ことが望まれている。 こうした場合、 セラミックスラリーを高濃度 にしておくことで、 分散効率を高められ、 製造コス トも下げられる。 特に、 セラミックスラリーを高濃度 (たとえば、 吸油量の 1 0 %増 から 5 0 %増までの溶剤量で) で分散することが重要である。 溶剤
添加量が吸油量以下の場合、 セラミックスラリ一の粘度が高すぎて、 ビーズ分散は難しい。 また吸油量の 1 0 0 %増し (つまり、 J I S に従って測定した吸油量が 5 0 gだった時、 溶剤を 1 0 0 gとする こと) にした場合、 セラミックスラリーの粘度は充分低いが、 溶剤 量が多すぎて、 コンポジッ トインキ組成にいて、 溶剤量が増えすぎ、 途中で溶剤を減らす必要がある場合がある。
(実施の形態 1 3 )
実施の形態 1 3では、 本発明に用いる金属弾性体について更に詳 しく説明する。
本発明において、 結晶化ガラスは金属弾性体上で焼成されるため、 耐熱性が優れるのは当然であるが、 更に耐力が要求される。 こう し た用途には、 オーステナイ ト系合金や時効硬化合金 (特に N i 基合 金) や、 C o基合金 (たとえば、 インコネル) 等、 あるいはフェラ ィ ト系ゃオーステナイ ト系の耐熱性鋼を必要に応じて使い分ければ よい。 たとえば、 フェライ ト系の耐熱合金を用いることで、 歪みセ ンサの高精度な加工が容易になると共に、 その加工後の残留応力、 加工歪み等を少なくできる。 また必要に応じて金属弾性体内部にァ ルミを含有させておく ことで、 熱処理時に添加したアルミが金属弾 性体上に酸化アルミ皮膜を形成し、 耐熱性や耐酸化性を改善できる。 更に、 結晶質ガラスにアルミナを添加しておく ことで、 アルミを含 有した金属弾性体との熱処理での接着力 (剥離強度) を大幅に改善 する効果もある。
こう した部材としては、 A I S I (米国鋼鉄協会) タイプの 3 0 0や 4 0 0シリーズの合金として、 S U S 3 0 4 , 3 1 6 , 4 0 4 ,
4 3 0 , S 1 7及び 4 4 4が適当である。
また他の金属弾性体であってもその表面に耐熱処理を行う ことで 使う こともできる。 こうした合金は、 その組成によって 9 0 X 1 E— 7から 1 4 0 X I E— 7 / t:の範囲内で一つの決った熱膨張係数を 有する。 しかし、 荷重センサのように、 所定形状に加工した場合、 その加工時に金属弾性体の内部に歪みが残ってしまい、 この上にガ ラスペ一ストを印刷、 焼成した場合、 本来の熱膨張係数以上に変形 してしまうことが多い。
たとえば、 ガラスと金属基板の熱膨張係数の差から計算される基 板の反り量以上に金属基板が基板が基板が大きく反ってしまう。 た とえば、 同じ S U S材料を用いた場合でも、 厚みが 0 . 5 m mのと きと、 厚みが 2 m mの時、 厚みが 5 m mの時でプレス (打抜き) に よって、 所定の基板形状に加工した場合でも、 反り量が変化してし まう。 特に同じ金属材料を用いたとしても、 その厚みが変化すれば おのずと加工方法が変るためであり、 そしてこの反り量は、 同じ金 属組成であるにもかかわらず、 加工時の圧力, 方法, 手順, 金型の 違い等で変化してしまう。 またこう した反り対策として、 加工後に 反り修正を行う こともできるが、 その反り修正をしても、 残留応力 や熱処理時の変形量をゼロにすることは難しい。
そのため、 こうした所定形状に加工され、 内部に応力が残る金属 基板の表面に荷重センサを形成する場合、 こう した反りに応じて、 ガラスの熱膨張係数をマッチングさせる必要がある。 その場合、 本 発明で提案したように、 結晶化ガラスや非晶質ガラスをコンポジッ トガラス化することで、 使用材料は同じままで熱膨張係数を微調整 できるため、 こうした加工方法での反りに対しても、 ガラス側で容
易に対応できる。
なお、 本発明に用いる金属弾性体の厚みは 1 m m以上が望ましい。 これは F i g . 1 1 に示すように、 金属弾性体の厚みが 1 m m未満 の場合、 金属弾性体側が弱い力で曲るため、 ガラスと金属弾性体と の熱膨張係数の差が、 少々ずれていても、 ガラス層が割れたり、 剥 がたりはしにく い。 一方、 本発明の場合、 金属弾性体の厚みが l m m以上 (あるいは 5 m m以上のように、 変形しにく い場合でも) の 場合でも、 ガラスと金属弾性体の熱膨張係数の差を調整できる。
このように、 本発明に用いる金属弾性体の厚みの上限は特に無い。 ただ、 実用的には、 金属弾性体の厚みが 1 m mを超えると、 ガラス 層の形成時の熱処理装置が高価になり、 熱処理時の熱ムラも大きく なるため、 金属弾性体の厚みは 1 m m以下が望ましい。 しかしこれ とて、 熱処理の均一性 (できれば、 設定温度 ± 5から 1 0 °C以内) が 可能であれば、 特に問題はない。
なお、 金属弾性体にアルミを添加しておく ことで、 その耐熱性を 改善できる。 これは、 添加したアルミがガラス等の焼成時に表面に 拡散、 アルミナの層を形成するためである。 この時、 結晶化ガラス 層、 非晶質ガラス層にもすベてあるミナを添加しておく ことで、 ァ ルミナが互いの層の共通元素となり、 層間の接着性やマッチング性 を改善でき、 荷重センサとしての耐久性を改善できる。 なおアルミ (もしくはアルミナ) の添加量は l w t %以上が望ましい。 l w t % 未満の場合、 添加効果が得られない場合がある。 同様に、 結晶化ガ ラス層、 非晶質ガラス層、 感歪抵抗体の 3層にも、 アルミナを共通 元素として添加しておく ことで、 これら 3層間の層間の同時焼成で のマッチングを改善できるのみならず、、 感歪抵抗体と非晶質ガラス
層とのマッチングも改善できるため、 荷重センサの電気的特性が安 定する。
また配線は、 その一部が感歪抵抗体に接続され、 所定のブリ ッジ 回路 (ホイ一トス 卜一ンブリ ッジ等) を形成したり、 結晶質ガラス 層及び非晶質ガラス層に形成された複数の貫通孔を介して、 互いに 内部電極を介して電気的に接続させられる。 このように、 内部電極 を、 多層配線に利用することで、 チップ部品や半導体部品の高密度 実装に対応できるため、 荷重センサの小型化と低コス ト化が可能に なる。
また感歪抵抗体にその一部が接続される配線は、 少なく とも A g が 6 0 w t %以上 9 0 w t %未満、 B i 203が 5 w t %以上 3 0 w t %未満が望ましい。 銀が 6 0 w t %未満の場合、 配線抵抗が高く なるため、 ブリ ッジ回路に誤差が出る可能性がある。 また銀が 9 0 w t %以上の場合、 はんだ付けしょうとしても、 銀が喰われやすく なり、 はんだ付け後の引張り強度が低下する場合がある。 また B i 2 O 3が 5 w t %未満の場合、 下地に対する接着力が低下する場合があ り、 3 0 w t %を超えると、 余分な B i 2〇 3が配線パターンの周辺 に滲み出し (あるいは染み出し) 場合がある。 (実施の形態 1 4 )
実施の形態 1 4では、 コンポジッ トガラスべ一ス トの金属弾性体 上への形成方法について説明する。 金属弾性体上に、 スクリーン印 刷を用いて、 コンポジッ トガラスペース トを直接形成することも可 能であるが、 こう したペース トを他の支持フィルム (たとえば、 P E Tフィルム) の上に、 所定パターンで印刷しておき、 これを金属
弾性体上に転写し、 金属弾性体と共に 8 0 0〜 9 0 0 °Cの酸化雰囲 気内で焼成することもできる。
また、 こうしたコンポジッ トペース トを、 支持フィルム上に、 塗 ェ機 (セラミックグリーンシー ト等の形成装置) を用いて、 シート 状に連続形成し、 これを金型で所定形状に打ち抜いた後、 金属弾性 体上に転写し、 金属弾性体と共に 8 0 0〜 9 0 0 °Cの酸化雰囲気内 で焼成することもできる。 このように、 被印刷体を金属弾性体から、 フィルムにすることで、 連続印刷が可能になり、 印刷コス トを下げ られる。 またシート成形することで、 印刷で課題であった塗膜のピ ンホールを防止できるため、 製品歩留を上げられる。 なお、 こうし た効果等には、 特開 2 0 0 3 - 6 9 1 9 2号公報等を参照すること ができる。
なお、 感歪抵抗体は、 少なく とも P b Oを 1 0〜 3 0 w t %、 S i 02 を 1 0〜 6 0 w t %、 ルテニウム化合物を 5 ~ 3 0 w t %含 んだものが望ましい。 こうした感歪み抵抗体の場合、 P b Oが 1 0 w t %未満の場合、 G F (ゲージファクタ一、 歪みに対する抵抗値 変化に相当、 G Fが高いほど高感度で望ましい) が低い場合がある。 また P b Oが 3 0 w t %を超えると、 抵抗値が高くなりすぎて、 ブ リ ッジ回路を組んだ場合でも半導体チップで増幅しにくい場合があ る。
また S i O 2が 1 0 w t %以下の場合、 G Fが低い場合がある。 ま た 6 0 w t %を超えると、 抵抗値が高くなりすぎて、 使用する半導 体チップの入力とマッチングさせにくい場合がある。 またルテニゥ ム化合物が 5 w t %以下の場合、 抵抗値が高くなりすぎたり、 G F が小さくなる場合がある。 また 3 0 w t %以上の場合、 抵抗体べ一
スト価格が高くなつてしまったり、 抵抗値が低くなりすぎて、 半導 体チップの入力スペックのマッチングが難しくなつたり、 荷重セン サ全体の消費電力を増加させてしまう場合がある。 また、 ここでル テニゥム化合物としては、 R u O、 P b R u O化合物 (P b 2 R u 2 o 6. 5等)、 P b B i R u O ( P b 3 B i 2 R u 4〇 1 4, P b 4 B i 2 R u 301 9、 P b B i s R ti g O i。等々) が有る。 このようなルテニゥ ム化合物は、 抵抗体の高 G F化の中で最適化したルテニウム化合物 の一例であり、 実際に XD (X線回折法) に、 市販データベース ( J C P D S ) で解析した例であるが、 これ以外のパイロクロア系 (R u P b O系) であっても、 本発明の用途に用いることができる。 なお、 結晶化ガラスの熱膨張係数は 8 p p m Z °C以上 1 4 p p m /°C未満もしくは、 金属弾性体との熱膨張係数差が 3 p pmZ°C未 満が望ましい、 これ以外の範囲の場合、 荷重センサとしての耐力が 得られない場合がある。 また結晶化ガラスの結晶化率は 2 0 %以上 が望ましい。 結晶化ガラスの結晶化率が 2 0 %未満の場合、 結晶化 ガラスとしての特性が得られない場合がある。 なお結晶化率に関し ては、 X線回折で評価できる。
なお 4 0 0 °C以上の焼成は、 すべて酸化雰囲気内で行う ことが望 ましい。 これは、 ガラスや電極のぺ一ス ト中に残っている有機成分 を完全に分解するためである。 焼成時の雰囲気が酸化雰囲気になつ ていない場合、 有機成分の分解が不充分で、 ガラスの中に残り、 信 頼性を低下する場合がある。 また焼成炉への投入エアー量が不足す ると、 還元雰囲気になり、 特に酸化鉛等が還元されてしまい、 特性 を低下する場合がある。
産業上の利用可能性
本発明にかかるか荷重センサ及びその製造方法、 それに用いるぺ ース ト及びその製造方法は、 荷重センサの製造に用いるガラス材料 を最適化すると共に、 多層の一括焼成を可能し、 更に金属弾性体の 選択範囲を広げられるため、 荷重センサを車載用のスマートエアー パッグ等に有用である。