JPH09243472A - 力学量センサ - Google Patents

力学量センサ

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JPH09243472A
JPH09243472A JP5125596A JP5125596A JPH09243472A JP H09243472 A JPH09243472 A JP H09243472A JP 5125596 A JP5125596 A JP 5125596A JP 5125596 A JP5125596 A JP 5125596A JP H09243472 A JPH09243472 A JP H09243472A
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JP
Japan
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mechanical quantity
strain resistance
layer
resistance element
insulating layer
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Application number
JP5125596A
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English (en)
Inventor
Masato Shoji
理人 東海林
Katsumi Takatsu
克己 高津
茂裕 ▲吉▼内
Shigehiro Yoshiuchi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種力学量を計測するために使用される力学
量センサにおいて、歩留まりが良好で、高精度な力学量
センサを提供することを目的とする。 【解決手段】 金属基板1上に1層あたり30μm以下
の膜厚を有する少なくとも3層の多層絶縁層2を構成
し、この多層絶縁層2上に歪抵抗素子R1,R2,R
3,R4を構成することにより、歩留まりが良好で、高
精度な力学量センサを提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は歪抵抗素子を用いた
力学量センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、力学量を検出するセンサの中で、
スクリーン印刷によって形成された厚膜状の抵抗体を歪
計測計として適用した抵抗器歪計が、たとえば特開昭5
5−52924号公報等で提案されている。図4はこの
様な抵抗器歪計の中で、力学量センサとして圧力センサ
に応用した例を示し、図4(a)は平面図を、図4
(b)は断面図を示す。51はセラミックス基板もしく
はエナメル被覆された金属の基体である。基体51の表
面にはスクリーン印刷ののち焼成された厚膜状の歪抵抗
素子R11,R12,R13,R14が形成されてい
る。これらの歪抵抗素子はホイートストーンブリッジ回
路を構成するように配線されている。基体51は周囲を
固定され、圧力センサの力学量感知部としてダイアフラ
ムを形成する。
【0003】図4(b)に示すように基体51の裏面に
荷重(圧力)Fが加えられると、基体51は上向きに膨
らむ力を受け、力の大きさに応じて歪抵抗素子R11,
R12,R13,R14が歪み、抵抗値が変化する。こ
の場合、R11,R13は正方向、R12,R14は負
方向に変化するので、ホイートストーンブリッジ回路は
不均衡となり、歪に応じた電気的出力を得ることができ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような抵抗器歪計を用いて圧力センサを構成すると、基
体がセラミックス基板の場合はセラミックス自体がもろ
いため、高圧力や衝撃圧力が印加されると割れが発生
し、圧力センサが破壊する可能性があった。
【0005】このような課題を避けるために、従来例に
も記述されているエナメル被覆した金属を基体としてダ
イアフラムを構成した圧力センサを実際に作製した例を
以下に述べる。
【0006】図5は従来の技術を用いて作製した圧力セ
ンサのダイアフラム部の平面図を示す。歪抵抗素子や導
体は印刷後、高温で焼成されるため、ダイアフラム60
を構成する金属基板61は耐熱材として板厚2mmのステ
ンレス鋼(SUS430)基板を用いた。エナメル被覆
としての多層絶縁層62(図中、斜線で示す)はホウケ
イ酸鉛系のガラスペーストを直径16mmに印刷後、85
0℃で焼成して形成した。多層絶縁層62は印刷焼成時
のピンホールによる金属基板61−導体63間の導通を
避けるため、ごく一般に行われている如く、2回印刷焼
成を行った。この基板上に銀パラジウム系の導体63と
RuO2系の歪抵抗素子R11,R12,R13,R1
4をそれぞれ図5に示すように印刷し、850℃で焼成
した。このように金属を芯にした基体を構成することに
より、高圧力や衝撃圧力で割れたり破壊することはなく
なった。64は検出回路である。
【0007】なお、ダイアフラム60のシミュレーショ
ンによる応力解析の結果、多層絶縁層62の直径が16
mmの場合、金属基板61の歪抵抗素子R12,R14が
存在する部分にはほとんど歪が加わらないことが明らか
になったことから、この部分を力学量非感知部とし、R
11,R13のみの変化で出力を得ることとした。ま
た、R12,R14に歪が加わらないことから、R1
2,R14をYAGレーザートリミングすることにより
歪抵抗素子のホイートストーンブリッジのバランスを調
整した。
【0008】上記のダイアフラム60について、金属基
板61−導体63間の絶縁抵抗を評価した結果、約70
%が絶縁不良を起こしており、極めて歩留まりが悪いこ
とが明らかになった。これは、多層絶縁層62の膜厚が
2層合計30μm弱と薄いためであると考えられる。
【0009】さらに、良品について歪抵抗素子R12,
R14のレーザートリミングを実施したところ、トリミ
ング先端が金属基板61にまで達していることがダイア
フラム60の断面観察より明らかになった。この場合、
歪抵抗素子R12,R14中に含まれるRuO2導電粒
子が金属基板61に接し、絶縁不良を起こす可能性が大
きくなる。
【0010】これは、膜厚が薄いためだけでなく、今回
用いた多層絶縁層62の色が青系統のもの(JIS Z
8721による5PB6/6)であったため、レーザー
光を吸収しやすく、多層絶縁層62全体がトリミングさ
れたためと思われる。
【0011】そこで、良品の中で、トリミングをしなく
ても最初からホイートストーンブリッジのバランスが取
れていたダイアフラム60について、その周囲を本体に
プロジェクション溶接することにより実際に圧力センサ
を構成し、出力特性を−40℃から125℃で測定し
た。歪抵抗素子R11,R12,R13,R14は検出
回路64内でホイートストーンブリッジ回路となるよう
配線した。なお、検出回路64は室温下に置き、ダイア
フラム60部分のみ温度を変えた。その結果、オフセッ
ト(0点)のドリフトが約20%F.S.(フルスケー
ル)と著しく悪いことがわかった。
【0012】これは、ダイアフラム60上で歪抵抗素子
R11,R12,R13,R14がバラバラの位置、方
向に配されているため、焼成時の熱分布の差が原因とな
り、各歪抵抗素子の温度特性にばらつきが生じるためと
思われる。
【0013】また、印刷時に導体63と歪抵抗素子R1
1,R12,R13,R14の位置関係がずれることに
より、各歪抵抗素子の温度特性にばらつきが生じるため
とも考えられる。
【0014】さらに、溶接部分に近接した歪抵抗素子R
12,R14は溶接熱の影響を受けやすいため、R1
1,R13に比べ温度特性が異なると考えられる。
【0015】以上のことより、従来の技術ではダイアフ
ラムの歩留まりが悪く、さらに圧力センサに組み立てた
とき0点ドリフトが大きく、非常に精度が悪いという課
題があった。
【0016】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、歩留まりがよく、高精度の力学量センサを提供する
ことを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の力学量センサは、力学量の加わる金属基板
と、前記金属基板の表面を被覆するように印刷焼成さ
れ、1層あたり30μm以下の膜厚を有する少なくとも
3層の多層絶縁層と、前記多層絶縁層の表面に印刷焼成
された歪抵抗素子と、前記歪抵抗素子に接続するように
印刷焼成した導体を備え、前記金属基板に印加した力学
量を前記歪抵抗素子の抵抗値の変化として検出し、電気
的に出力するように構成したものであり、歩留まりがよ
く、高精度の力学量センサを構成することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、力学量の加わる金属基板と、前記金属基板の表面を
被覆するように印刷焼成され、1層あたり30μm以下
の膜厚を有する少なくとも3層の多層絶縁層と、前記多
層絶縁層の表面に印刷焼成した歪抵抗素子と、前記歪抵
抗素子に接続するように印刷焼成した導体を備え、前記
金属基板に印加した力学量を前記歪抵抗素子の抵抗値の
変化として検出し、電気的に出力するように構成した力
学量センサであり、絶縁不良を改善でき、力学量センサ
の歩留まりが向上するという作用を有する。
【0019】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の力学量センサにおいて、多層絶縁層が歪抵抗素子のト
リミング時のレーザー光を吸収しにくい色である構成を
有し、レーザートリミング時の力学量センサの歩留まり
が向上するという作用を有する。
【0020】請求項3に記載の発明は、力学量が加わる
力学量感知部と、力学量が加わらない力学量非感知部を
有する金属基板と、前記金属基板の表面を被覆するよう
に印刷焼成した多層絶縁層と、前記力学量感知部および
前記力学量非感知部の多層絶縁層の表面に焼成した各々
2個、合計4個の同一方向に同列に配した歪抵抗素子
と、前記歪抵抗素子がホイートストーンブリッジを形成
するように接続した導体を備え、前記力学量感知部に印
加した力学量を前記歪抵抗素子の抵抗値の変化として検
出し、電気的に出力するように構成した力学量センサで
あり、歪抵抗素子の焼成時のばらつきを低減でき、力学
量センサの0点ドリフトが改善され、高精度化が可能に
なるという作用を有する。
【0021】請求項4に記載の発明は、請求項1ないし
3のいずれかに記載の力学量センサにおいて、歪抵抗素
子の幅が、前記歪抵抗素子に接続される導体の幅より広
い構成を有し、力学量センサの0点ドリフトが改善さ
れ、高精度化が可能になるという作用を有する。
【0022】請求項5に記載の発明は、力学量が加わる
力学量感知部と力学量が加わらない力学量非感知部を有
する金属基板と、前記力学量感知部と力学量非感知部の
表面に間隔を設けてそれぞれ被覆するように印刷焼成し
た多層絶縁層と、前記金属基板の多層絶縁層が設けられ
た反対面に上記多層絶縁層の間隔部分と対応するように
溶接された本体と、前記力学量感知部および前記力学量
非感知部の多層絶縁層の表面に焼成した各々2個、合計
4個の歪抵抗素子と、前記歪抵抗素子がホイートストー
ンブリッジを形成するように接続した導体を備え、前記
力学量感知部に印加した力学量を前記歪抵抗素子の抵抗
値の変化として検出し、電気的に出力するように構成し
た力学量センサであり、金属基板と本体の溶接時に4個
の歪抵抗素子に加わる溶接熱のばらつきを低減でき、力
学量センサの0点ドリフトが改善され、高精度化が可能
になるという作用を有する。
【0023】(実施の形態1)以下、本発明の実施の形
態について、力学量センサとして、圧力センサを例に図
1から図3を用いて説明する。図1は本発明の実施形態
による圧力センサのダイアフラム部の平面図を、図2は
圧力センサ検出部の断面図をそれぞれ示す。1は厚さ2
mmのステンレス鋼(SUS430)の金属基板で、その
表面には1層あたり厚さ約20μmのホウケイ酸鉛系の
ガラスペーストを3回印刷焼成した多層絶縁層2が形成
される。この多層絶縁層2は図1に示すような同心円パ
ターン(斜線部)で、力学量感知部3、力学量非感知部
4の上にそれぞれ設けてある。力学量感知部3と力学量
非感知部4上の多層絶縁層2の間隔10は2mmとした。
上記多層絶縁層2の表面には銀パラジウム系の導体5と
RuO2系の歪抵抗素子R1,R2,R3,R4をそれ
ぞれ印刷し、850℃で焼成した。歪抵抗素子R1,R
2,R3,R4は検出回路9内でホイートストーンブリ
ッジを形成するよう配線してある。なお、図1に示すよ
うに、歪抵抗素子R1,R2,R3,R4は同一方向に
同列に配した。また、歪抵抗素子R1,R2,R3,R
4と導体5の接続する部分において、歪抵抗素子R1,
R2,R3,R4の幅は、導体5の幅より広くなるよう
なパターンで印刷した。このようにして完成したダイア
フラム6は間隔10に幅1.5mmのリング状溶接電極を
当てることにより、圧力導入口7を有する本体8とプロ
ジェクション溶接される。溶接後、歪抵抗素子R2,R
4はホイートストーンブリッジバランスを調整するため
YAGレーザートリミングされる。なお、上記多層絶縁
層2は焼成後に、トリミング時のレーザー光を吸収しに
くい白色(JIS Z8721によるN8)となるもの
を用いた。
【0024】次にこのような圧力センサの動作について
説明する。圧力が圧力導入口7から印加されると、ダイ
アフラム6の力学量感知部3がたわみ、力学量感知部3
の表面に設けられた歪抵抗素子R1,R3が歪む。その
結果、歪抵抗素子のR1,R3の抵抗値が変化する。一
方、力学量非感知部4上の歪抵抗素子R2,R4の抵抗
値は圧力を印加しても変化しないので、これら4個の歪
抵抗素子のブリッジ回路が不均衡となり、この変化を検
出回路9で検出することにより、圧力変化を電圧の変化
として出力する。このような構成の圧力センサに対し
て、ダイアフラム6の歩留まりを検討したところ、金属
基板1−導体5間の絶縁不良を起こすものはなく、10
0%良品が得られた。これは、多層絶縁層2の膜厚合計
が平均約60μmと厚くなったためである。
【0025】ここで、多層絶縁層2の合計膜厚を厚くす
るには1層あたりの膜厚を厚くすればよいと考えられる
が、実際に膜厚を1層あたり約40μmに厚くして多層
絶縁層を焼成すると多数のクラックが発生し、絶縁層と
して全く使用できなかった。これはガラスペーストに含
まれる有機成分がガスとなって抜ける際、薄い膜厚のも
のに比べガス総量が増え、発泡するためと思われる。そ
こで、1層の膜厚とクラック発生の関係を検討した結
果、膜厚が30μmを越えるとクラックが発生しやすい
ことが判明した。このことから、膜厚が1層あたり30
μm以下であればクラック発生のない多層絶縁層を形成
することができた。但し、今回作製したサンプルの印刷
時の膜厚誤差は最大±5μmであったので、30μm狙
いで印刷した場合、最大35μmの膜厚となり、クラッ
クが発生する可能性がある。従って、1層あたりの膜厚
は25μm以下が望ましい。
【0026】この結果から、1層あたりの膜厚は厚くで
きないため、印刷焼成回数を増やし、絶縁層を多層化す
ることによって膜厚を厚くし、絶縁不良を改善しなけれ
ばならない。そこで、1層あたり膜厚約20μmの絶縁
層の印刷焼成回数と絶縁不良率の関係を求めた。その結
果、従来例(膜厚約30μm)で約70%あった絶縁不
良率が、2回印刷焼成(膜厚約20μm×2=約40μ
m)で約10%、3回(膜厚約20μm×3=約60μ
m)以上で0%となり、少なくとも3回印刷焼成すれば
歩留まりが良好な多層絶縁層を形成することができた。
【0027】なお、先に述べた1層の膜厚とクラック発
生の関係の検討結果より、1層の膜厚を25μmとし、
印刷焼成回数を2回で済ませる構成も考えられるが、こ
の場合は、膜厚誤差が1層あたり最大±5μmあるた
め、2層で±10μmの誤差が存在しうる。もし、薄め
に形成された場合、膜厚は25×2−10=40μmと
なり、絶縁不良が発生する可能性を否定できない。従っ
て、印刷焼成回数は少なくとも3回必要であった。但
し、印刷焼成回数が増えると製造コストが増大するた
め、印刷焼成回数は3回が望ましい。以上の構成によ
り、絶縁不良がなくなり、圧力センサの歩留まりが向上
した。
【0028】また、上記の構成の圧力センサにおいて、
ダイアフラム6の断面観察により、歪抵抗素子R2,R
4のレーザートリミング先端深さを求めた。ここで、多
層絶縁層2は先述と同様、1層あたり膜厚20μmの絶
縁層を3回印刷焼成して作製した。その結果、トリミン
グ先端は約36μmの深さまで達していた。多層絶縁層
2の合計膜厚は約60μmであったので、膜厚誤差(3
回印刷焼成なので±5×3=±15μm)を考慮しても
トリミング先端が金属基板1に達することはなく、良好
なトリミング性であることがわかった。
【0029】なお、上記と同じ多層絶縁層構成で、従来
例と同様、色が青系統のもの(JIS Z8721によ
る5PB6/6)を用いた場合は、トリミング先端が約
50μmの深さまで達していた。多層絶縁層2の合計膜
厚は約60μmであったので、膜厚を厚くすることによ
り従来例と同様のガラスペーストで多層絶縁層2を構成
しても、トリミング先端が金属基板1に達することはな
かったが、膜厚誤差を考慮すると、最小膜厚は60−1
5=45μmとなり、トリミング先端が金属基板1に達
する場合があることが十分考えられる。
【0030】また、レーザー強度を弱くすれば過剰トリ
ミングが避けられると考えられるが、今回用いたレーザ
ートリミング装置はレーザーフォーカスが固定式のもの
のため、多層絶縁層2の膜厚がばらついた場合フォーカ
スが甘くなり、レーザーパワーが歪抵抗素子R2,R4
に十分照射されず、トリミングが不十分になる可能性が
ある。従って、確実にトリミングを行うためには現状の
レーザーパワーを弱めることができなかった。もちろ
ん、レーザーフォーカスが自動式の装置であれば上記の
点は回避されるが、固定式に比べ約3倍もの莫大な設備
投資が必要であり、圧力センサのコストアップが避けら
れない。従って、多層絶縁層2がレーザー光を吸収しに
くい色とすることによって、トリミングのしすぎを防ぐ
ことができ、その結果、特別な設備投資をすることなく
圧力センサの歩留まりを向上することができた。
【0031】次に、本構成の圧力センサにおける0点ド
リフトを検討した。測定条件は従来例と同一であった。
その結果、0点ドリフトは約5%F.S.と、従来に比
べ著しく改善され、高精度な圧力センサを構成すること
ができた。これは、歪抵抗素子R1,R2,R3,R4
を図1に示すように同一方向に同列に配したためであ
る。すなわち、従来例と比べ、4個の歪抵抗素子が同一
方向に向いているため印刷時のばらつきが最小限に抑え
られ、また、同列に配されているため焼成時に均等な昇
降温が得られ、その結果、各歪抵抗素子の温度特性ばら
つきが低減された。
【0032】さらに、歪抵抗素子R1,R2,R3,R
4の幅を導体5の幅より広くしたことからも各歪抵抗素
子の温度特性ばらつきが低減された。すなわち、従来例
の場合、図3(a)に示すように歪抵抗素子Rの幅が導
体5の幅より狭いため、図3(b)に示すように歪抵抗
素子Rが印刷時にずれると、歪抵抗素子Rの実効有効面
積が図中斜線で示すように両者で異なり、各歪抵抗素子
の温度特性にばらつきが生じる。一方、本構成の場合、
歪抵抗素子Rの幅が導体5の幅より広くしたため、図3
(c),(d)に示すように歪抵抗素子Rが印刷時にず
れても、図中斜線で示した実効有効面積に差はなく、各
歪抵抗素子の温度特性ばらつきが低減される。
【0033】また、本構成におけるダイアフラム6上の
力学量感知部3と力学量非感知部4に間隔10を設け、
間隔10を通して金属基板1と本体8とを溶接接合する
ことによっても各歪抵抗素子の温度特性ばらつきが低減
された。すなわち、従来例では、図5のダイアフラム6
0周囲を溶接しているが、溶接部分に近接した歪抵抗素
子R2,R4は溶接熱の影響を受けるため、R1,R3
に比べ温度特性が異なる。一方、本構成では、図1およ
び図2に示すように力学量感知部3と力学量非感知部4
に間隔10を設け、間隔10を通して金属基板1と本体
8とを溶接接合するため、歪抵抗素子R1,R2,R
3,R4にはほぼ均等の溶接熱が加わり、各歪抵抗素子
の温度特性ばらつきが低減される。以上の構成から、0
点ドリフトを低減することができ、高精度の圧力センサ
を実現できた。
【0034】なお、本実施の形態では、圧力センサに限
って説明したが、歪抵抗素子を用いた荷重センサ、重量
センサ、加速度センサなど他の力学量センサにも同等の
構成を適用して実現できるのはもちろんである。
【0035】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、金属基板上に1層あたり30μm以下の膜厚を
有する少なくとも3層の多層絶縁層を印刷焼成すること
により、絶縁不良を改善することができる。また、多層
絶縁層が歪抵抗素子のトリミング時のレーザー光を吸収
しにくい色とすることによりレーザートリミング時の過
剰トリミングを防止することができる。また、4個の歪
抵抗素子を同一方向に同列に配したので、各歪抵抗素子
の温度特性のばらつきを低減することができる。また、
歪抵抗素子の幅を導体の幅より広くしたことにより、各
歪抵抗素子の実効有効面積を等しくして温度特性のばら
つきを低減することができる。また、ダイアフラム上の
力学量感知部と力学量非感知部に間隔を設け、その間隔
を通して金属基板と本体とを溶接接合する構成とするこ
とにより溶接熱に起因する各歪抵抗素子の温度特性のば
らつきを低減することができる。したがって、歩留まり
が良好で、高精度な力学量センサを提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による圧力センサのダイ
アフラム部の概略平面図
【図2】同圧力センサ検出部の概略断面図
【図3】(a)は従来例の歪抵抗素子と導体の相対位置
の関係を示す平面図 (b)は従来例の印刷ずれ時の歪抵抗素子と導体の相対
位置関係を示す平面図 (c)は本発明の歪抵抗素子と導体の相対位置関係を示
す平面図 (d)は本発明の印刷ずれ時の歪抵抗素子と導体の相対
位置関係を示す平面図
【図4】(a)は従来の抵抗器歪計の平面図 (b)は同断面図
【図5】従来の圧力センサのダイアフラム部の概略平面
【符号の説明】
1,61 金属基板 2,62 多層絶縁層 3 力学量感知部 4 力学量非感知部 5,63 導体 6,60 ダイアフラム 7 圧力導入口 8 本体 9,64 検出回路 10 間隔 51 基体 R,R1,R2,R3,R4,R11,R12,R1
3,R14 歪抵抗素子

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 力学量の加わる金属基板と、前記金属基
    板の表面を被覆するように印刷焼成された1層あたり3
    0μm以下の膜厚を有する少なくとも3層の多層絶縁層
    と、前記多層絶縁層の表面に印刷焼成した歪抵抗素子
    と、前記歪抵抗素子に接続するように印刷焼成した導体
    を備え、前記金属基板に印加した力学量を前記歪抵抗素
    子の抵抗値の変化として検出し、電気的に出力する力学
    量センサ。
  2. 【請求項2】 多層絶縁層が歪抵抗素子のトリミング時
    のレーザー光を吸収しにくい色である請求項1に記載の
    力学量センサ。
  3. 【請求項3】 力学量が加わる力学量感知部と、力学量
    が加わらない力学量非感知部を有する金属基板と、前記
    金属基板の表面を被覆するように印刷焼成した多層絶縁
    層と、前記力学量感知部および前記力学量非感知部の多
    層絶縁層の表面に印刷焼成した各々2個、合計4個の同
    一方向に同列に配した歪抵抗素子と、前記歪抵抗素子が
    ホイートストーンブリッジを形成するように接続した導
    体を備え、前記力学量感知部に印加した力学量を前記歪
    抵抗素子の抵抗値の変化として検出し、電気的に出力す
    る力学量センサ。
  4. 【請求項4】 歪抵抗素子の幅が、前記歪抵抗素子に接
    続される導体の幅より広い構成を有する請求項1から3
    のいずれかに記載の力学量センサ。
  5. 【請求項5】 力学量が加わる力学量感知部と、力学量
    が加わらない力学量非感知部を有する金属基板と、前記
    力学量感知部と力学量非感知部の表面に間隔を設けてそ
    れぞれ被覆するように印刷焼成した多層絶縁層と、前記
    金属基板の多層絶縁層が設けられた反対面に上記多層絶
    縁層の間隔部分と対応するように溶接された本体と、前
    記力学量感知部および前記力学量非感知部の多層絶縁層
    の表面に焼成した各々2個、合計4個の歪抵抗素子と、
    前記歪抵抗素子がホイートストーンブリッジを形成する
    ように接続した導体を備え、前記力学量感知部に印加し
    た力学量を前記歪抵抗素子の抵抗値の変化として検出
    し、電気的に出力する力学量センサ。
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