WO2002005662A1 - Produits de beaute ou aliments physiologiquement fonctionnels contenant des sphingoglycolipides et procedes permettant de les fabriquer - Google Patents

Description

明 細 書 スフインゴ糖脂質を含有する機能性食品または化粧品、 及びその製造方法 <技術分野 >

本発明は、 スフインゴ糖脂質を含有する機能性食品または化粧品、 及びその製 造方法に関するものである。

<背景技術 >

最近の研究によれば、 複合脂質、 なかでも糖脂質に顕著な生理活性を有するも のがあることが明らかにされてきた。 例えば、 脂肪酸とスフインゴシンからなる セラミ ド、 糖と脂肪酸とスフインゴシンからなるセレブロシドは、 人間の皮膚の 角質層に多く存在し、 体内から水分の蒸発を防ぐ働きをしていることが明らかと なっている。 この高い保湿性を生かした美容分野への利用、 さらにはエラスター ゼ抑止効果や遊離基抑止効果を生かした製薬分野への応用も進んでいる。

従来、 これらスフインゴ糖脂質を中心としたセラミ ド関連物質は牛の脳などか ら抽出され、 供給されていた。 しかし 1 986年に狂牛病が発生してからは、 ヒ トへの感染の可能性から、 供給量が激減し、 安全な植物起源のセラミ ド関連物質 への回帰現象が生じている。

最近、 植物由来のセラミ ド関連物質は効果が動物由来のものと遜色無く、 何の 副作用も毒性も無いことがわかったことから植物原料からセラミ ド関連物質を抽 出する検討が盛んに行われている。 これまで植物由来のスフインゴ糖脂質、 特に その中でもグリコシルセラミ ドとしては、 コメ （Agric. Biol. Chem. , 49， 2

753 (1 985)) および米糠 （特開昭 62- 1 87404号公報、 特開平 1 1 - 279586号公報）、小麦（Agric. Biol. Chem.， 49， 3609 (1 985)、 特表平 6— 5076 53号公報）、 大豆 （Chem. Pharm. Bull. , 38 (1 1) , 2

933 (1 990)、特開平 7— 2683号公報） などの穀物および豆類由来のも のが知られている。 これまでのセラミ ドの摂取方法としては、 皮膚化粧料、 養毛化粧料、 入浴剤な どに添加し、 皮膚から吸収されるものがほとんどであった。 しかし近年、 小麦由 来のセラミ ドが 3質量％含まれる小麦抽出物を毎日 2 O m gずつ 1ヶ月間服用す ることによって皮膚の水分保持機能が改善されることが報告され （F r a g r a n c e J o u r n a l , 2 3 ( 1 ) ， 8 1 ( 1 9 9 5 ) )、 「食べる化粧品」 とし て経口摂取することが注目されている。

また最近、 化粧品については、 動物 （馬）、 発酵 （酵母）、 合成のセラミ ドが配 合された化粧品が販売されているが、 植物由来のセラミ ドは、 安全性が高いこと からイメージが良く、 そのことを特徴とした化粧品も多く販売されている。

しかしながら、 植物由来のスフインゴ糖脂質を得るための植物原料として、 利 用されているものは、 現在までのところ穀類、 豆類に限られており、 これらのス フインゴ糖脂質含有量はさほど多くなく、 いずれも 0 . 0 1質量％程度である。 しかも、 これら植物原料はすべて人類が食用としているものばかりであり、 スフ ィンゴ糖脂質抽出後の残渣は食品としての価値も喪失してしまう。 このように、 ごくわずかのスフインゴ糖脂質成分を抽出するために、 非常に多くの食品原料の 食品としての価値を喪失させてしまうのが植物原料の問題点であった。 一方、 食 品加工業界を見渡せば、 こんにゃく トビ粉は、 こんにゃく芋を原料とするこんに やく製造時の副産物として、 年間 3 , 0 0 0〜4， 0 0 0 トン生じるにもかかわ らず、 特有のえぐ味と刺激臭を有するため、 一部、 肥料、 コンクリート等の増粘 剤として利用されているものの、食品としては全く利用されていない資源である。 また、 綿実油粕は、 綿実を搾り、 綿実油を取得する際に生じる副産物であり、 1 0年ほど前までは植物性蛋白質飼料として利用されていたが、 近年は牛乳の脂肪 率向上のための高エネルギー飼料として、 綿実をそのまま給与する農家が増え、 利用価値の向上が望まれているものである。

本発明は、 化粧品、 食品向けの機能性素材として注目を集めている植物原料由 来のスフインゴ糖脂質を含有した機能性食品または化粧品に関し、 従来用いられ ていた動物組織からの抽出による方法で指摘の多かった、 製品安全性について何 ら問題がなく、 かつ、 植物原料からの抽出物でありながら、 現在までのところ、 食品としての価値を有することのなかった原料を用いる機能性食品および化粧品 を提供することを目的とするものである。 く発明の開示 >

本発明者らは、 穀類、 豆類といった従来用いられていた植物原料以上に、 高濃 度でスフィンゴ糖脂質を含有する植物原料を探索した結果、 食品としては利用さ れていない、 こんにゃく (Konjac ; Amorphophallus Kon.iac) の製粉工程において 副生するこんにゃく トビ粉 （Tobiko ; Fly Powder) などの芋類や、 綿実油粕など の油粕といった植物由来天然資源中に、 スフインゴ糖脂質が、 穀類、 豆類に匹敵 あるいは凌駕する濃度で含まれていることを予想外に突き止め、 本発明を完成さ せるに至った。 さらに具体的には、 こんにゃく製造時に大量に発生し、 食用とし ては、 利用価値の低いこんにゃく トビ粉をはじめとし、 さつま芋、 じやが芋など も含む芋類、 または綿実油粕などの油粕に、 スフインゴ糖脂質それも、 セレブ口 シド類が豊富に含まれていること、 および、 有機溶剤を用いることにより、 これ ら天然物から当該成分を、 効率的に抽出できること、 さらに、 これらの抽出物を 食品および化粧品に添加することにより、 従来用いられている植物原料 （穀類） 由来のスフインゴ糖脂質を含有する食品および化粧品よりも、 保湿作用などが高 いことを見いだし、 本発明を完成させるに至った。

すなわち本発明の第一態様は、 芋類または油粕由来のスフインゴ糖脂質を含有 することを特徴とする機能性食品であり、好ましくは芋類がこんにゃく芋である。 本発明の第二態様は、 スフインゴ糖脂質及び植物ステロールを含有する機能性 食品であり、 好ましくはスフインゴ糖脂質が芋類または油粕から抽出されたもの であり、 好適には、 芋類がこんにゃく芋である。

本発明の第三態様は、 芋類または油粕由来のスフインゴ糖脂質を含有すること を特徴とする化粧品であり、 好ましくは芋類がこんにゃく芋である。

更に、 本発明の第四態様は、 芋類または油粕に有機溶剤を添加し、 スフインゴ 糖脂質を抽出することを特徴とするスフインゴ糖脂質含有物、 機能性食品または 化粧品の製造方法を要旨とするものである。 く発明を実施するための最良の形態 >

以下本発明について詳細に説明する。

本発明で原料として使用する植物原料は、 さつま芋、 じやが芋、 里芋、 山芋、 こんにゃく芋、 長芋などの芋類や、 綿実油粕、 菜種油粕、 ヤシ油粕、 パーム油粕 などの油粕など芋類や油粕であれば、 いかなるものでも良く、 そのままでも良い し、 乾燥、 すりつぶし、 加熱などの操作によって加工されていてもよい。 これら の中で好ましい例としてはこんにやく芋が挙げられ、 特に大量に廃棄されるもの であり、安価に入手できることからこんにゃく トビ粉を使用することが好ましい。 本発明で用いられるスフインゴ糖脂質は、 例えば上記した植物原料から有機溶 剤による以下のような抽出操作により取得することができる。

抽出溶媒として使用する有機溶剤としては、 原料およびスフインゴ糖脂質と抽 出中に反応し、 本発明の効果を損なうものでなければいかなるものでも使用でき る。 また、 一種類の溶媒を単独で用いても複数の溶媒を混合して用いても良い。 かかる有機溶剤としては、 例えばメタノール、 エタノール、 1 -プロパノール、 2 - プロパノール、 1一 ブタノール、 2 - ブタノーノレ、 tert- ブタノール等のァ レコ一ノレ類、エチレングリコール、プロピレンダリコール、ブチレングリコール、 グリセリン等の多価アルコール、 アセトン、 メチルェチルケトン等のケトン類、 酢酸メチル、 酢酸ェチル等のエステル類、 テトラヒドロフラン、 ジェチルエーテ ノレ等のエーテノレ類、 ジクロロメタン、 ジクロロエタン、 クロロホノレム等のハロゲ ン化炭化水素類、 へキサン、 ペンタン、 石油エーテル等の脂肪族炭化水素類、 ト ルェン等の芳香族炭化水素類、 ポリエチレングリコール等のポリエーテル類、 ピ リジン類などが挙げられる。 これらの中で好ましい例としては、 メタノール、 ェ タノール、ァセトン、へキサンが挙げられ、特に好ましい例としてはメタノール、 エタノールが挙げられる。 また、 これらの極性有機溶剤で抽出する際には抽出効 率をあげるために例えば水、 界面活性剤などの添加物を本発明の効果をそこなわ ない範囲で加えることができる。

抽出に使用する有機溶剤の量は原料となる植物に対して望ましくは 1〜 3 0倍 量程度、 さらに望ましくは 1〜1 0倍量程度が好ましい。 有機溶剤の使用量がこ の範囲以下にしないことで、 より原料全体に溶媒が行き渡らせ、 より十分に抽出 を行うことができ、 この範囲を超える量の溶媒を添加してももはや抽出量に影響 はないので、 この範囲を超えないことで後の濃縮工程での溶媒除去作業の負担を 減らすことができる。

抽出温度は使用する溶媒の沸点にもよるが、 メタノール、 エタノールを用いた 場合では、 好ましくは、 室温から 7 0 °C、 さらに好ましくは室温程度から 6 0 °C の範囲がよい。 抽出温度がこの範囲以下にしないことで、 抽出効率をより上げる ことができ、 この範囲以上の温度をかけても抽出効率に大きな影響はないので、 この範囲を超えないことで、 エネルギー使用量を減らせることができる。

抽出時間は、 1 0分〜 2 4時間、 好ましくは 1〜 1 0時間である。 抽出時間が この範囲より短くしないことで、 より十分に抽出を行うことができ、 この範囲を 超えても抽出量の増大は見込めないので、 この範囲を超えないことでより短時間 に抽出を行うことができる。

なお、 抽出操作は 1回のみの回分操作に限定されるものではない。 抽出後の残 渣に再度新鮮な溶媒を添加し、 抽出操作を施すこともできるし、 抽出溶媒を複数 回抽出原料に接触させることも可能である。 すなわち、 抽出操作としては、 回分 操作、 半連続操作、 向流多段接触操作のいずれの方式も使用可能である。 また、 ソックスレー抽出など公知の抽出方法を使用してもよい。

次に、 抽出残渣を分離除去する。 分離の方法は特に限定されず、 例えば吸引ろ 過、 フィルタープレス、 シリンダープレス、 デカンター、 遠心分離器、 ろ過遠心 機などの公知の方法を用いることができる。

このようにして得られた抽出液は濃縮工程に送られることが好ましい。 濃縮方 法は特に限定されず、 例えばエバポレーターのような減圧濃縮装置やエバポール (大川原製作所） のような遠心式薄膜真空蒸発装置を用いたり、 加熱による溶剤 除去により、 濃縮することができる。

上記濃縮物はこのままでも使用できるが、 引き続いて不純物類を取り除き、 よ り純度を向上せしめる必要のある場合は、常法による精製が可能である。例えば、 水洗浄、 へキサン洗浄、 シリカゲルカラムや樹脂カラム、 逆相カラムなどを通す 方法、 極性の異なる溶媒による分配、 再結晶法などが挙げられる。 特に、 純度の 高いスフインゴ糖脂質を得る必要がある場合には、 アル力リ性溶液により処理し た後、クロ口ホルムやジェチルェ テルなどで分配し、有機層を分取して濃縮し、 さらにシリカゲルクロマトグラフィーによってスフインゴ糖脂質を分離すること が好ましい。

次に、 本発明における得られた濃縮物中のスフインゴ糖脂質の分析方法である 力 最も簡便な分析方法としては薄層クロマトグラフ法があげられる。 スフイン ゴ糖脂質、 中でもダルコシルセラミ ドが市販されているのでこれを標準とし、 シ リカゲル薄層プレートを用いてクロロホルム一メタノール系など適当な溶媒系を 用いて展開させ、 濃硫酸やアンスロン試薬などで発色させれば、 上記濃縮物中に 高含量でスフインゴ糖脂質が存在することが容易に判定できる。 その他、 高速液 体クロマトグラフ法、 各種クロマトグラフ一マススぺク トロメ トリー法などの常 法によりスフインゴ糖脂質類が豊富に含まれることは判定できる。

本発明における機能性食品とは、 経口摂取によって、 皮膚の保湿、 肌荒れの改 善、美肌、 ァトビー性皮膚炎、 アレルギー性皮膚炎、 乾癬、吹き出物、皮膚老化、 養毛、 育毛、 抗ガン、 抗エイズ、 高血圧症、 高コレステロール血症、 動脈硬化な どから選ばれる 1つ又は複数に効果があるものである。 本発明の機能性食品は、 濃縮液をそのまま摂取してもよいが、 取り扱いを容易にするために食品的におよ び/または飲料的に許容される担体およぴ /または希釈剤と混合して、 例えば粉 末、 錠剤、 カプセル剤、 ゲル、 水分散液、 エタノール溶液、 食用油溶液の形態に するのが好ましい。

粉末、 錠剤、 カプセル剤に使用する担体としては、 デキス トリン、 シクロデキ ストリン、 馬鈴薯でんぷん、 トウモロコシでんぷん、 乳糖などが好ましい。 ゲル に使用する担体としては、 ゼラチン、 寒天、 グァーガム、 アラビアガム、 コン- ャクマンナン、 などが好ましい。 水分散液に使用する水は特に限定されず、 温泉 水や海洋深層水などでも良い。また、本発明を損なわない範囲で糖類やアミノ酸、 無機塩類を含有しても良く、 さらには果汁や炭酸水であっても良い。 水分散液に は本発明の濃縮物を効果的に分散させる目的で乳化剤を添加することが好ましい。 該乳化剤としては、 例えばショ糖脂肪酸エステル、 グリセリン脂肪酸エステル、 ポリグリセリン脂肪酸エステル、 プロピレングリコール脂肪酸エステル、 大豆レ シチンなどが挙げられる。 ェタノール溶液のェタノールは醸造アルコールを使用 することが好ましく、 濃度は特に限定されない。 食用油溶液に使用する食用油は 特に限定されず、 大豆油、 菜種油、 ォリーブ油、 胡麻油、 紅花油、 小麦胚芽油な どを使用することができる。 また、 食用油に本発明の濃縮物を効果的に分散させ る目的で乳化剤を使用することができる。 該乳化剤としては、 大豆レシチン、 シ ョ糖脂肪酸エステル、 グリセリン脂肪酸エステル、 ポリグリセリン脂肪酸エステ ル、 プロピレングリコール脂肪酸エステルなどが挙げられる。

経口摂取の方法は、 上記形態のような本発明の機能性食品単独で摂取しても良 いし、 食品および/または飲料に混合して摂取しても良い。 該食品および/また は飲料は特に限定されるものではなく、 例えばパン、 うどん、 そば、 ご飯等主食 となるもの、 クツキ一、 ケーキ、 ゼリー、 プリン、 キャンディー、 チュ一^ f ンガ ム、 ヨーグルトなどの菓子類、清涼飲料水、酒類、栄養ドリンク、 コーヒー、茶、 牛乳などの飲料が挙げられる。 また、 効果を促進するためにビタミン類、 コラー ゲン、 スクヮラン、 大豆レシチン、 植物ステロール類、 ヒアルロン酸、 ソルビト ール、 キチン、 キトサン、 ダルコサミン、 ナイァシン、 ナイァシンアミ ド、 セン テラアジアチカエキス、 ポリフエノール類、 コーェンザィム Q 1 0、 ピクノジェ ノール、 海洋深層水などを加えることができる。 これらの中でも、 植物ステロー ルを加えることが皮膚の保湿、 ァトビー性皮膚炎などに効果が高く好ましい。 本発明で使用する植物ステロールは植物から抽出されたものであればいかなる ものでも用いることができる。 具体的には米糠油、 綿実油、 大豆油などの製油に 際し生成する脱臭スカム油などの廃棄物を用いることもできるし、 こんにゃく ト ビ粉ゃ甘庶糖工場廃棄物から抽出することもできる。また、 j8—シトステロール、 カンペステローノレ、 スチグマステロ一ノレ、 シトスタノ一ノレ、 カンペスタノーノレ、 スチグマスタノ一ル及ぴこれらの誘導体を単独で使用することもできるし、 2種 類以上を混合して使用することもできる。 誘導体としては人工的に合成したもの でも天然物でもよく、 本発明の効果を損なわない限りいかなるものでも使用でき るが、 糖が結合したステロール配糖体、 エステル化物、 アミ ド結合を有する化合 物などが好ましい。

本発明で使用する植物ステロールは、周知の方法により取得することができる。 代表的な例としては、 大豆油の製造工程中の脱臭工程において、 油脂を水蒸気蒸 留する際に留出される脱臭スカム油をアルカリ処理した後、 へキサンなどの有機 溶剤を加えて抽出し、 アセトンなどの溶解度の低い溶媒を加えて晶析させる方法 が挙げられる。

また、 食品用の植物ステロールとして市販されているもの （エーザィ （株） 商 品名フィ トステロール F、 築野食品工業 （株） など） も本発明で用いることがで さる。

本発明において、 植物ステロールをスフインゴ糖脂質と同時に摂取する場合に は、 そのスフインゴ糖脂質は、 合成、 醱酵、 動植物由来のものどれでもよいが、 食品として利用する観点から、 安全性が高く、 食経験のある植物由来のスフイン ゴ糖脂質が好ましい。 植物由来のスフインゴ糖脂質は、 食用とされる植物から抽 出されたものであればいかなるものでも良いが、 好ましくは小麦、 小麦ふすま、 大麦、 米、 米糠、 トウモロコシなどの穀類、 大豆などの豆類、 ほうれん草、 小松 菜、青梗菜などの緑黄色野菜、 さつま芋、 じやが芋、里芋、 山芋、 こんにゃく芋、 長芋などの芋類、 綿実油粕、 菜種油粕、 ヤシ油粕、 パーム油粕などの油粕から抽 出されたものが挙げられ、 さらに好ましくは、 芋類または油粕から抽出されたも のが挙げられる。 この中でも、 こんにゃく芋から抽出されたスフインゴ糖脂質が 効果が高く、 最も好ましい。

スフィンゴ糖脂質及ぴ植物ステロールを他の食品および/または飲料に混合す る場合のそれらの含有量としては、 含有させる食品や食品摂取量により異なるの で一概に規定できないが、 これらの物質の体内への摂取量として表わすことがで きる。 スフインゴ糖脂質は 1 日の摂取量として 1 g以上、 1 0 0 g以下が好ま しく、 植物ステロールは 1日の摂取量として l m g以上、 1 0 0 0 g以下が好ま しいので、 そのような摂取量になる様に食品中の含有量を調整する。 次に、 植物から抽出したスフインゴ糖脂質含有物を粉末に加工するには得られ た含有物を凍結乾燥法、 スプレードライ法、 真空乾燥法などを用いて乾燥し、 必 要に応じて例えば乳鉢、 サンプルミル、 スピードミル、 ブレンダー、 ミキサ 等 を用いて粉砕することによって得られる。 場合によっては粉末に粘性が残ること があるが、 そのような場合は本発明の効果を損なわない程度に粉末化を促進する 担体を添加することができる。担体としては例えばコーンスターチ、馬鈴薯澱粉、 デキストリン、 シクロデキストリン、 小麦粉、 パン粉、 食塩、 ゼォライト、 タル ク、 力キガラ等を用いることができる。

錠剤に加工するには上記のように得られた粉末をそのまま打錠機に導入して打 錠する方法を用いることができる。 打錠の際に本発明の効果を損なわない範囲で バインダーを添加しても良い。

力プセル剤に加工するには、 従来公知の医薬用または食品用力プセルに上記の ように得られた粉末及び/又は溶液状のものを導入すればよい。 カプセルには本 発明の効果を損なわない限りいかなるものも用いることができる。

ゲルに加ェするには、 本発明の効果を損なわな！/、範囲で従来公知のいかなる方 法も用いることができる。 例えば、 得られたスフインゴ糖脂質含有物を水に分散 およびノまたは溶解して従来公知のゲル化剤、 增粘多糖類などを添加する方法を 用いることができる。 ゲル化剤としては好ましくはゼラチンゃ寒天など食品用に 用いられるものが挙げられる。

水分散液を製造するには、 スフインゴ糖脂質含有物を所定量の水に導入して攪 拌しても良いし、 本発明の効果を損なわない範囲で、 超音波処理をしたり、 従来 公知の乳化剤、 分散剤を添加して分散を促進しても良い。

ェタノール溶液はスフインゴ糖脂質含有物がエタノールに可溶であるため、 そ のままエタノールに溶解すればよい。 沈殿の精製や懸濁を防止するために本発明 の効果を損なわない範囲で、 安定剤を添加することができる。

食用油溶液はスフインゴ糖脂質含有物が食用油に可溶であるため、 そのまま食 用油に溶解すればよい。 また、 溶解が困難な場合には、 少量の大豆レシチンや卵 黄レシチンなどに溶解した後、 食用油に溶解すれば簡単に食用油溶液を調製する ことが可能である。 沈殿の精製や懸濁を防止するために本発明の効果を損なわな い範囲で、 安定剤などを添加することも可能である。 また、 このとき、 少し加熱 して食用油の粘度を低下させ、 溶解を促進する事も可能である。

本発明の機能性食品で使用する食用油は食用のものであれば特に限定されず、 例えばラード、 牛脂、 鯨油、 魚油、 パター等の動物性油脂、 菜種油、 大豆油、 ォ リーブ油、 米油、 ヒマヮリ油、 ヤシ油等の植物性油脂、 及び機能性が付与された 合成油、 混合油が挙げられる。 これらは一種類を使用しても良いし、 二種類以上 の食用油を混合して使用しても良い。 これらの中で植物性油脂や健康に配慮され た合成油を使用することが好ましい。

本発明の機能性食品は植物由来の組成物で構成されているため安全性が高く、 経口摂取の量、 間隔は特に限定されるものではないが、 本発明の効果を発現させ るために好ましい摂取量はスフインゴ糖脂質の量に換算して 1日あたり 1 μ g以 上 1 0 0 g以下であり、 3日に 1回から 1日 1 0回程度の頻度で継続して摂取す ることが好ましい。好ましくは 7日以上、さらに好ましくは 1 4日以上摂取する。 本発明でいう化粧品としては、 体の外側から処方することによって皮膚又は毛 髪から浸透し、皮膚の保湿効果、美白効果、皺、 しみ、 そばかす、肌荒れの改善、 養毛、 育毛、 枝毛予防、 さらにはアトピー性皮膚炎、 アレルギー性皮膚炎、 吹き 出物、 乾皮症などから選ばれる 1つ又は複数に効果があるものである。 従って本 発明は、 これらの症状の治療および/または予防に有効量の本発明のスフインゴ 糖脂質を適用することを含むこれらの症状の治療およびノまたは予防方法も提供 可能である。 処方は、 本発明のスフインゴ糖脂質単独でも良いし、 他の化粧品原 料 （すなわち、 化粧的に許容される担体および/または希釈剤） と共に混合して も良い。

化粧的に許容される担体および/または希釈剤は特に限定されないが、 例えば チタンマイ力、 タルク、 シリカ、酸化チタンなどの色材、ォリーブ油、 ヒマシ油、 ホホパ油、 ミツロウ、 ラノリン、 スクヮラン、 セタノール、 流動パラフィン、 メ チノレポリシロキサン、 シリコーンポリエーテルコポリマー、 ベへニノレアノレコーノレ などの油性材料、 グリセリン、 ヒアルロン酸、 ソルビトール、 プロピレングリコ ール、 ジプロピレングリコール、 キチン、 キトサンなどの保湿剤、 アルキル硫酸 塩、 アルキルエーテル硫酸塩などの界面活性剤、 ショ糖脂肪酸エステル、 ポリグ リセリン脂肪酸エステル、 ソルビタン脂肪酸エステル、 レシチン、 ポリオキシェ チレンアルキルエーテル、 アルキルダルコシドなどの乳化剤、 クィンスシード、 キサンタンガム、 カノレボキシメチノレセ^/ロース （CMC) ナトリ ウム、 力/レポキシビ 二ルポリマー、 ポリ ビュルピロリ ドン、 ポリ ビュルアルコールなどのガム質や水 溶性高分子、 その他、 水やエタノールなどが挙げられる。

処方の形態としては限定されるものではなく、 化粧水、 乳液、 モイスチャーク リーム、 日焼け止め、 日焼け用化粧品、 パック、 ファンデーション、 おしろい、 ほお紅、 アイメークアップ、 香水、 オーデコロン、 リップクリーム、 口紅等とし て皮膚に塗布してもよいし、 養毛料、 育毛料、 ポマード、 セッ トローション、 へ ァスプレー、染毛料、ヘアトニック、まつげ化粧料として毛髪に塗布してもよい。 また、 洗顔クリーム、 洗顔石鹼、 シャンプー、 リンス、 トリートメント、 さらに は浴用剤などに添加して処方してもよい。

本発明の化粧品に含有させるスフインゴ糖脂質の抽出方法は、 機能性食品に含 有させるスフィンゴ糖脂質の抽出方法と同じである。 抽出したスフインゴ糖脂質 は、 そのままで本発明の化粧品として用いることもできるが、 エタノールなどの 有機溶媒に溶解させたり、 水に分散させると取り扱いが容易になる。

エタノール溶液はスフインゴ糖脂質含有物がエタノールに可溶であるため、 そ のままェタノールに溶解すればよい。 沈殿の精製や懸濁を防止するために本発明 の効果を損なわなレ、範囲で、 安定剤を添加することができる。

水分散液を製造するには、 スフインゴ糖脂質含有物を所定量の水に導入して攪 拌しても良いし、本発明の効果を損なわない範囲で、加熱や超音波処理をしたり、 従来公知の乳化剤、 分散剤を添加して分散を促進しても良い。 特に、 大豆または 卵黄レシチンや水素添加レシチンなどの乳化剤に溶解させた後、 水分散液とする のが好ましい。

本発明の化粧品には効果を促進するためにビタミン類、 コラーゲン、 スクワラ ン、 大豆レシチン、 植物ステロール類、 ヒアルロン酸、 ソルビトール、 キチン、 キトサン、 グリセリン、 プチレングリコール、 プロピレングリコール、 ナイァシ ン、 ナイァシンアミド、 ガラクトシルセラミ ドなどを加えることもできる。

本発明の化粧品は、 芋類または油粕由来のスフインゴ糠脂質を含有することか ら安全性が高く、 スフインゴ糖脂質の含有量は特に限定されるものではないが、 本発明の効果を発現させるために好ましい芋類または油粕由来スフインゴ糖脂質 の含有量は 0 . 0 0 1質量。/。から 1 0 0質量。/。である。 含有量をこれより少なくし ないことにより本発明の効果の発現をより早く、 より十分に得ることができ 本発明の機能性食品または化粧品を、 経口摂取または皮膚に塗布したときの代 表的な効果としては皮膚の保湿や肌荒れの改善などがあげられる。 皮膚の保湿に ついては経表皮水分損失量 （TEWL) の測定、 角質水分量の測定など従来公知の測 定方法を用いてその効果を知ることができる。 TEWL の測定には例えば Evaporimeter (Servo Med |± スウェーアン)、 Tewameter (Courage + Khazaka社 ド イツ） などを用いることができる。 また、 角質水分量の測定には例えば Corneometer (Courage +Khazaka社 ドィッ）、 Skikon - 200 (アイ ·ビィ ·エス（株）） などを用いることができる。 肌荒れの改善については目視と当事者の感覚によつ てその効果を知ることができる。 美白効果についても目視で効果を知ることがで きるがメグザメーター MX 1 6 (Courage + Khazaka社 ドイツ） などの皮膚色測 定機器を用いて定量的に測定することもできる。

本発明の機能性食品または化粧品を、 経口摂取または皮膚に塗布した際の効果 は、 芋類または油粕中含まれるスフインゴ糖脂質が皮膚への特異な作用を有する 結果、 特に肌荒れ、 アトピー性皮膚炎、 アレルギー性皮膚炎、 吹き出物の改善に おいて従来公知の植物原料である小麦、 米糠、 大豆などと比較して優れるもので ある。

<実施例 >

以下、 本発明を実施例によって具体的に説明するが、 本発明はこれに限定され るものではない。 まず、 以下の実施例において用いた測定装置、 測定方法につい て説明する。 (1) スフインゴ糖脂質の定性方法

スフィンゴ糖脂質の定性にはシリ力ゲル薄層クロマトグラフィー（TLC) を使用 した。 所定量の試料をシリカゲルプレート （メルク社製 Sillicagel60F254 タイプ、 層厚 0. 5 mm) にアプライし、 クロロホルム：メタノール：水 = 87 ： 1 3 : 2 (容量比） の展開槽に導入し、 展開した。 展開後はシリカゲルプレート をドライヤーなどで乾燥し、 硫酸噴霧して加熱することによって発色した。

(2) スフインゴ糖脂質の定量方法

スフインゴ糖脂質の定量には高速液体クロマトグラフィー （HPLC) を用いた。 Waters製 LC Module 1を用い、 カラムは GLサイエンス社製 Inertsil SIL 100A を用いた。 溶媒はクロ口ホルム：メタノール = 9 ： 1 (容量比） を用い、 流速 1. Oml/分で 3 7 °Cで測定した。 検出には光散乱検出器 （ALLTECH社製 500 ELSD) を用いた。

(3) 角質水分量の測定方法

角質水分量の測定は Courage + Khazaka社製 Corneometer CM825を用い、毎 回左眼 1 cm下の同じ部位で測定した。 測定は 1人あたり 1 0回行った平均をそ の人のデータとし、 被験者全員の平均値であらわした。 実施例 1 (こんにゃく トビ粉からのスフインゴ糖脂質の抽出）

こんにゃく トビ粉 1 k gを攪拌槽に仕込み、 そこにエタノール 2 Lを加え、 常 温で 2時間攪拌した。 その後、 ろ過により抽出液と残渣を分離した。 抽出液をェ パポレーターにより濃縮し、 茶褐色の蠟状濃縮物 1 0. 7 gを得た。 これを上記 の定性、 定量方法に基づいて測定したところ、 TLC によってスフインゴ糖脂質の スポットが検出され、 HPLCによってスフインゴ糖脂質が 0. 55 g含有されてい ることがわかった。 トビ粉抽出物中のスフインゴ糖脂質の純度は 5. 1質量％で あつに。 実施例 2 (綿実油粕からのスフインゴ糖脂質の抽出）

綿実油粕 1 k gを攪拌槽に仕込み、 そこにエタノール 2 Lを加え、 常温で 5時 間撹拌した。 その後、 濾過により抽出液と残渣を分離した。 抽出液をエバポレー ターにより濃縮し、 茶褐色の蠟状濃縮物 8 . 4 gを得た。 これを、 上記定性、 定 量方法に基づいて測定したところ、 TLC によってスフインゴ糖脂質のスポットが 検出され、 HPLCによってスフインゴ糖脂質が 0 . 4 1 g含有されていることがわ かった。 綿実油粕抽出物中のスフインゴ糖脂質の純度は 4 . 9質量％であった。 実施例 3 (じやが芋皮からのスフインゴ糖脂質の抽出）

じやが芋の皮を i 0 0 μ πι以下に粉枠したもの 1 k gを攪拌槽に仕込み、 そこ にエタノール 2 Lを加え、 常温で 2時間攪拌した。 その後、 ろ過により抽出液と 残渣を分離した。抽出液をエバポレーターにより濃縮し、黄色の蠟状濃縮物 1 0 . 2 gを得た。 これを上記の定性、 定量方法に基づいて測定したところ、 TLC によ つてスフインゴ糖脂質のスポットが見られ、 HPLCによって定量したスフインゴ糖 脂質は 0 . 4 2 gであり、 じやが芋皮抽出物中の純度は 4 . 1質量％であった。 比較例 1 (小麦粉からのスフインゴ糖脂質の抽出） '

小麦粉 1 k gを攪拌槽に仕込み、 そこにエタノール 2 Lを加え、 常温で 5時間 撹拌した。 その後、 濾過により抽出液と残渣を分離した。 抽出液をエバポレータ 一により濃縮し、 濃黄褐色の蠟状濃縮物 6 . 8 gを得た。 これを、 上記定性、 定 量方法に基づいて測定したところ、 TLC によって確認したスフインゴ糖脂質のス ポットは薄く、 HPLCによって定量したスフインゴ糖脂質は◦ . 0 5 gであり、 小 麦粉抽出物中のスフィンゴ糖脂質の純度は 0 . 7質量％と少なかつた。 比較例 2 (米糠からのスフインゴ糖脂質の抽出）

脱脂米糠 1 k gを攪拌槽に仕込み、 そこにエタノール 3 Lを加え、 常温で 2時 間攪拌した。 その後、 ろ過により抽出液と残渣を分離した。 抽出液をエバポレー ターにより濃縮し、 茶褐色の蠟状濃縮物 2 2 . 3 gを得た。 これを上記の定性、 定量方法に基づいて測定した。 TLC によって確認したスフインゴ糖脂質のスポッ トは薄く、 グリセ口糖脂質、 ステロール類等のスポットが濃く発色した。 HPLCに よって定量したスフインゴ糖脂質は 0 . 3 8 gであり、 脱脂米糠抽出物中の純度 は 1 . 7質量％であった。 以上のように、 トビ粉から、 有機溶剤を用いて得られる抽出物は、 スフインゴ 糖脂質成分は抽出物に対して、 5 . 1質量％、抽出原料に対して 0 . 0 5 5質量％ とともに高い。 すなやち、 トビ粉抽出物中にスフインゴ糖脂質成分はきわめて高 濃度、 高純度で存在することがわかった。 また、 じやが芋皮や綿実油粕抽出物中 にも従来抽出原料として使われていた小麦粉、米糠と比較しても、充分高い濃度、 純度でスフインゴ糖脂質成分が含まれていることがわかる。 このように、 芋類及 び油粕から、きわめて高濃度で、スフインゴ糖脂質類を取り出すことに成功した。 実施例 4 (粉末状機能性食品の製造）

実施例 1で得られたこんにゃく トビ粉抽出物 1 0 . O gを 2 0 . 0 gのェタノ ールに溶解させ、 2 0 0 gの水中に攪拌しながら導入し、 そのまま分散状態で攪 拌した。 3 0分経過後、 塩化ナトリウム 5 . O gを導入し、 さらに 1 0分間攪拌 することによって、茶褐色の沈殿が得られた。この沈殿の重量は 6 . 8 gであり、 HPLCによって測定したスフインゴ糖脂質の含有量は 0 . 4 5 gであった。 水洗作 業後の抽出物中のスフインゴ糖脂質の純度は 6 . 6質量％まで向上した。 この水 洗作業をさらに 1回繰り返し、 こんにゃく トビ粉由来スフインゴ糖脂質を含有し た沈殿物 Aが 6 . 4 g得られた。 HPLCで測定したスフィンゴ糖脂質の含有量は 0 . 4 4 gであった。 2回の水洗作業後のスフインゴ糖脂質の純度は 6 . 9質量⁰ /₀ま で向上した。

次に、 上記沈殿物 A 5 . 0 gを 1 5 m 1のエタノールに溶解した。 このエタノ ール溶液を、 水 5 0 m 1中にコーンスターチ 1 5 . 0 gを分散させた懸濁液中に 攪拌しながら導入し、 そのまま沸騰水中で 5分間加熱した。 コーンスターチが溶 解及び膨潤するにしたがって、 懸濁液の粘度は上昇し、 ペース ト状になった。 該 ペースト状組成物を真空乾燥機中で 5 0 °C、 1 2時間乾燥することで乳白色の固 体を得た。 これをプレンダ一で破砕し、 こんにゃく トビ粉由来スフインゴ糖脂質 を含有する粉末状の機能性食品 1 9. 3 gを得た。 このようにして得られた粉末 をエタノール中に浸漬し、 可溶成分を溶かし出して TLC分析を行ったところ、 ス フインゴ糖脂質のスポットが明確に確認された。 実施例 5 (粉末状機能性食品の製造）

実施例 4における沈殿物 A 5. 0 gを 1 5m 1のエタノールに溶解した。 この エタノール溶液を、 水 2 Om l中に j8—シクロデキストリン 1 0. 0 gを分散さ せた懸濁液中に攪拌しながら導入した。 攪拌を続けると懸濁液の粘度は上昇し、 ペースト状になった。 該ペースト状組成物を真空乾燥機中で 50°C、 1 2時間乾 燥することで乳白色の固体を得た。 これをプレンダ一で破砕し、 こんにゃく トビ 粉由来スフインゴ糖脂質を含有する粉末状の機能性食品 14. 8 gを得た。 この ようにして得られた粉末をエタノール中に浸漬し、 可溶成分を溶かし出して TLC 分析を行ったところ、 スフインゴ糖脂質のスポットが明確に確認された。 実施例 6 (粉末状機能性食品の製造）

実施例 4における沈殿物 A 5. 0 gを 1 5m 1のエタノールに溶解した。 この エタノール溶液を、 水 5 Om 1中にコーンスターチ 1 5. 0 gを分散させた懸濁 液中に攪拌しながら導入し、 そのまま沸騰水中で 5分間加熱した。 コーンスター チが溶解及び膨潤するにしたがって、 懸濁液の粘度は上昇し、 ペース ト状になつ た。 該ペースト状組成物にさらに 450m lの水を加えて攪拌し、 低粘度の分散 液を得た。 この分散液を攪拌しながら、 入口温度 250°C、 出口温度 1 50°C、 ァトマィザ一回転数 3 5000 r pmのスプレードライ乾燥機 （大川原化工機 (株） 製 スプレードライヤ LT- 8型） に送液速度 3 L/分で送液し、 粉末化を行 レ、、 こんにゃく トビ粉由来スフインゴ糖脂質を含有する粉末状の機能性食品を得 た。 得られた粉末は 1 8. 7 gで、 薄い褐色を呈していた。 このようにして得ら れた粉末をエタノール中に浸漬し、 可溶成分を溶かし出して TLC分析を行つたと ころ、 スフインゴ糖脂質のスポットが明確に確認された。 実施例 7 (水分散液状機能性食品の製造）

実施例 4における沈殿物 A 5. 0 gを、 水 500m 1中にデカグリセリンモノ ステアレート （商品名 SYグリスター MSW— 750、 阪本薬品工業 （株） 製） 2. 5 gと共に導入し、 ャマト科学製 BRANS0N3200を用いて超音波によって 30分間分散処理した。 このようにしてこんにゃく トビ粉由来スフインゴ糖脂質 を含有する水分散液状の機能性食品が得られた。 得られた水分散液は均一で、 3 ケ月後も沈殿は生じなかつた。 実施例 8 (ゲル状'機能性食品の製造）

実施例 4における沈殿物 A 5. 0 gを 1 5m 1のエタノールに溶解した。 この エタノール溶液を、 60°Cに加熱した水 2 Om 1中にゼラチン 1 5. 0 gを溶解 させた水溶液中に攪拌しながら導入し、 そのまま室温まで放冷した。 該水溶液は 室温で黄土'色の硬いゲルになった。 このようにしてこんにゃく トビ粉由来スフィ ンゴ糖脂質を含有するゲル状の機能性食品が得られた。 比較例 3 (小麦粉由来スフインゴ糖脂質含有食品の製造）

比較例 1で得られた小麦粉抽出物 5 gを 10. 0 gのエタノールに溶解させ、 100 gの水中に攪拌しながら導入し、 そのまま分散状態で攪拌した。 30分経 過後、塩化ナトリゥム 2. 5 gを導入し、さらに 10分間攪拌することによって、 茶色の沈殿が得られた。 この沈殿の重量は 3. 6 gであり、 HPLCによって測定し たスフインゴ糖脂質の含有量は 0. 04 gであった。 水洗作業後の抽出物中のス フインゴ糖脂質の純度は 1. 1質量％であった。 この水洗作業をさらに 1回繰り 返し、 小麦粉由来スフィンゴ糖脂質を含有する沈殿物 3. 4 gを得た。 HPLCで測 定したスフインゴ糖脂質の含有量は 0. 04 gであった。 2回の水洗作業後のス フインゴ糖脂質の純度は 1. 2質量⁰ /。であった。

次に、 この沈殿物 3. 0 gを水 30 Om 1中にデカグリセリンモノステアレー ト （商品名 SYグリスター MSW— 750、 阪本薬品工業 （株） 製） 1. 5 gと 共に導入し、 実施例 7と同様の方法により、 小麦粉由来スフインゴ糖脂質を含有 する水分散液を得た。 比較例 4 (米糠由来スフインゴ糖脂質含有食品の製造）

比較例 2で得られた米糠抽出物 1 0 gを 20. 0 gのエタノールに溶解させ、 200 gの水中に攪拌しながら導入し、 そのまま分散状態で攪拌した。 30分経 過後、塩化ナトリウム 5. Ogを導入し、 さらに 10分間攪拌することによって、 茶色の沈殿が得られた。 この沈殿の重量は 7. 4 gであり、 HPLCによって測定し たスフインゴ糖脂質の含有量は 0. 24 gであった。 水洗作業後の抽出物中のス フインゴ糖脂質の純度は 3. 2質量％であった。 この水洗作業をさらに 1回繰り 返し、 米糠由来スフインゴ糖脂質を含有する沈殿を 6. 9 g得た。 HPLCで測定し たスフインゴ糖脂質の含有量は 0. 22 gであった。 2回の水洗作業後のスフィ ンゴ糖脂質の純度は 3. 2質量％であった。

次に、 この沈殿物 3. 0 gを水 300m 1中にデカグリセリンモノステアレー ト （商品名 SYグリスター MSW— 750、 阪本薬品工業 （株） 製） 1. 5 gと 共に導入し、 実施例 7と同様の方法により、 米糠由来スフインゴ糖脂質を含有す る水分散液を得た。 試験例 1 (角質水分量に及ぼす影響）

男性、 女性各 1 0人 （20〜 40歳 5人、 40〜 60歳 5人） のボランティア に協力してもらい、 実施例 7で得られた本発明の機能性食品 （水分散液）、比較例 3及び比較例 4で得られた水分散液並びにスフインゴ糖脂質を含んでいない分散 液について、 皮膚の角質水分量向上効果について試験した。 スフインゴ糖脂質を 含んでいない分散液は、 水 30 Om 1中にデカグリセリンモノステアレート （商 品名 SYグリスター MSW— 750、 阪本薬品工業 （株） 製） 1. 5 gを溶解し て調製した。

実施例 7で得られた本発明の機能性食品を 1. 45m l /日ずつ、 比較例 3で 得られた分散液を 8. 5m l /日ずつ、 及び比較例 4で得られた分散液を 3. 2 5m l "日ずつ、 30日間摂取してもらった。 つまり、 いずれもスフインゴ糖脂 質を 1日に lmgずつ摂取したことになる。 また、 対照であるスフインゴ糖脂質 を含んでいない分散液は 1. 45m 1 Z日ずつ摂取した。

それぞれを摂取後、 10日後、 20日後、 30日後の左眼 1 c m下の皮膚の角 質水分量を Corneometerを用いて測定した。 20人の平均の結果を表 1に示す。 表 1

表 1から、 こんにゃく トビ粉由来のスフインゴ糖脂質の摂取が、 小麦粉由来ま たは米糠由来のスフインゴ糖脂質の摂取より、 皮膚の角質水分量の向上に優れた 効果があることがわかった。 試験例 5 (肌荒れ症状の改善効果）

手の甲に肌荒れの症状のある女性 1 0人に協力してもらい、 実施例 7で得られ た本発明の機能性食品（水分散液）、比較例 3及び比較例 4で得られた水分散液並 ぴにスフインゴ糖脂質を含んでいない分散液について、 肌荒れの症状の改善効果 について試験した。 スフインゴ糖脂質を含んでいない分散液は、 水 300m l中 にデカグリセリンモノステアレート （商品名 SYグリスター MSW— 750、 阪 本薬品工業 （株） 製） 1. 5 gを溶解して調製した。

実施例 7で得られた本発明の機能性食品を 1. 45m l /日ずつ、 比較例 3で 得られた分散液を 8. 5m l /日ずつ、 及び比較例 4で得られた分散液を 3. 2 5m l Z日ずつ、 1 5日間摂取してもらった。 つまり、 いずれもスフインゴ糖脂 質を 1日に 1 m gずつ摂取したことになる。 また、 対照であるスフインゴ糖脂質 を含んでいない分散液は 1. 45m 1Z日ずつ摂取した。

その間、 5日後、 1 0日後、 1 5日後に手の甲の状態についてアンケートした。 結果は合計点として表 2に示す。 表 2

アンケート内容と点数： 完治した 4点、

非常に良くなった 3点、

以前より良くなつた 2点、

変わらない 1点、

悪化した 0点

表 2よりこんにやく トビ粉由来のスフインゴ糖脂質の摂取が、 小麦粉由来また は米糠由来のスフインゴ糖脂質の摂取より、 肌荒れの症状の改善に優れた効果を 有することがわかった。 実施例 9 (植物ステロール配合粉末状機能性食品の製造）

実施例 5で得られたこんにゃく トビ粉由来スフインゴ糖脂質含有粉末 1 4 . 8 gに大豆油由来の —シトステロールを主成分とする植物ステロール （エーザィ (株）商品名フィ トステロール F ) (以下、 「フィ トステロール F」と表わす。） 2 . 0 gを導入し、 均一になる様によく撹拌して機能性食品の粉末を製造した。 実施例 1 0 (植物ステロール配合水分散液状機能性食品の製造）

実施例 4における沈殿物 A 5 . 0 gと 「フィ トステロール F」 2 . 0 gを 5 0 °C で 5分間混鍊し、 茶色ペースト状物質を得た。 これを水 5 0 O ml中にデカグリセ リンモノステアレート （商品名 SY グリスター M S W— 7 5 0、 阪本薬品工業 (株） 製） 2 . 5 gと共に導入し、 ャマト科学製 BRANS0N 3 2 0 0を用いて超音 波によって 3 0分間分散処理した。 得られたスフインゴ糖脂質、 植物ステロール 含有水分散液は均一で、 3ヶ月後も沈殿は生じなかった。 実施例 11 (植物ステ口ール配合水分散液状機能性食品の製造）

実施例 4における沈殿物 A 1. 0 gと 「フィ トステロール Fj 2. 0 gを 50°C で 5分間混鍊し、茶色ペースト状物質を得た。 これを水 50 Oml中にデカグリセ リンモノステアレート （商品名 SY グリスター MSW— 750、 阪本薬品工業 (株） 製） 2. 5 gと共に導入し、 ャマト科学製 BRANSON 3200を用いて超音 波によって 30分間分散処理した。 得られたスフインゴ糖脂質、 植物ステロール 含有水分散液は均一で、 3ヶ月後も沈殿は生じなかった。 実施例 12 (植物ステロール配合水分散液状機能性食品の製造）

「ブイ トステロール F」 に代えて |3—シトスタノール （シグマ社製） を使用し た以外は実施例 10と同様の操作を行い、 スフインゴ糖脂質、 植物ステロール含 有水分散液を得た。 該水分散液は均一で、 3ヶ月後も沈殿は生じなかった。 実施例 1 3 (植物ステロール配合ゲル状機能性食品の製造）

実施例 4における沈殿物 A 5. 0 gを 15m 1のエタノールに溶解した。 ここ に「ブイ トステロール F」 2. 0 gを添加し、 30°Cで 5分間撹拌して溶解した。 このエタノール溶液を、 60°Cに加熱した水 20m 1中にゼラチン 15. 0 gを 溶解させた水溶液中に攪拌しながら導入し、 そのまま室温まで放冷した。 該水溶 液は室温で黄土色の硬いゲルになり、 ゲル状の機能性食品が得られた。 実施例 14 (植物ステロール配合小麦粉抽出物の製造）

比較例 1で得られた小麦粉抽出物 3. 0 gと 「フィ トステロール F」 0. 21 gを 50°Cで 5分間混鍊し、 黄土色ペース ト状物質を得た。 水 300m l中にデ カグリセリンモノステアレート （商品名 SYグリスター MSW— 750、 阪本薬 品工業 （株） 製） 1. 5 gと共に導入し、 実施例 10と同様の方法で小麦由来ス フインゴ糖脂質と植物ステロール含有水分散液を得た。 実施例 1 5 (植物ステロール配合米糠抽出物の製造）

比較例 2で得られた米糠抽出物 3. O gと 「フィ トステロール F」 0. 56 g を 50°Cで 5分間混鍊し、 茶色ペースト状物質を得た。 水 300m l中にデカグ リセリンモノステアレート （商品名 SYグリスター MS W— 750、 阪本薬品ェ 業 （株） 製） 1. 5 gと共に導入し、 実施例 1 0と同様の方法で米糠由来スフィ ンゴ糖脂質と植物ステロール含有水分散液を得た。 比較例 5〜 7

比較のため、 ーシトステロールを添加しない以外はすべて実施例 1 0と同様 にしてこんにゃく トビ粉由来スフインゴ糖脂質のみを含む水分散液 （比較例 5)、 「フィ トステロール F」 2. 0 gを乳化剤にデカグリセリンモノステアレート（商 品名 SYグリスター MSW— 750、 阪本薬品工業 （株） 製） 2. 5 gを用い て 500 gの水に分散したもの（比較例 6)、及ぴ前記のデカグリセリンモノステ ァレート 2. 5 gを 500 gの水に溶解しただけのもの（比較例 7)を作成した。 試験例 3 (角質水分量に及ぼす影響）

男性、 女性各 1 0人（20〜 40歳 5人、 40〜 60歳 5人）のボランティアに 協力してもらい、 実施例で得られた各種機能性食品を所定量毎日 30日間摂取し てもらい、 1 0日後、 20日後、 30日後の左眼 1 cm下の皮膚の角質水分量を

Corneometerを用いて測定した。

試験に用いた機能性食品サンプルと摂取量は表 3に示した通りである。

20人の平均の結果を表 3に示す。 表 3力ゝら、 こんにゃく由来のスフインゴ糖 脂質と植物ステロールからなる機能性食品の摂取が皮膚の角質水分量の向上に優 れた効果があることがわかった。 1日当たり摂取量 角質水分量

口 スフインゴ 植物ステロール 初期値 10曰後 20曰後 30日後 糖脂質

実施例 10 水分散液 コンニヤク Γフィトステロール FJ 40 57 69 72

1.45mし 1 mg 5.8mg

実施例 11 水分散液 コンニヤク Γフィトステロール FJ 43 58 66 69

1.45mし 0.2mg 5.8mg

実施例 12 水分散液 コンニヤク βーシトスタノール 39 63 70 73

1.45mし 1. Omg 5.8mg

実施例 14 水分散液 Γフィトステロール F」 42 56 61 64

8.33mし 1. Omg 5.8mg

実施例 15 水分散液 未驗 Γフィトステロール F」 40 55 63 66

3. 13mし 1. Omg 5.8mg

比較例 5 水分散液 コンニヤク 41 55 60 63

1.45mし 1. Omg

比較例 6 水分散液 「フィトステロール FJ 39 42 43 45

1.45mし 5.8mg

比較例 7 溶解液 38 39 43 40

1.45mし

Γフイトス亍ロール FJ：エーザィ (株)製大豆油由来の ーシトステロールを主成分とする植物ステロール

試験例 4 (肌荒れ症状の改善効果）

手の甲に肌荒れの症状のある女性 1 0人に協力してもらい、 実施例で得られた 各種機能性食品のサンプルを所定量毎日 1 5日間摂取してもらった。 その間、 5 日後、 1 0日後、 1 5日後に手の甲の状態についてアンケートした。

用いたサンプルと摂取量は表 4に示した通りである。

結果は合計点として表 4に示す。 表 4よりこんにゃく由来のスフィンゴ糖脂質 と植物ステロールからなる機能性食品の摂取が肌荒れの症状の改善に優れた効果 を有することがわかった。

表 4

ISO

Γフィトステロール F」：エーザィ (株)製大豆油由来の β—シトステロールを主成分とする植物ステロール アンケート内容と点数: 完治した 4点

非常に良くなつた 3点

以前より良くなつた 2点

変わらない 1点

悪化した 0点

実施例 16 (こんにゃく由来スフインゴ糖脂質含有化粧品の製造） カラムにシリカゲル (ナカライテスタ社製シリカゲル 60、 70〜 230メッ シュ） 1 50m lを充填し、 酢酸ェチル：メタノール =9 ： 1の混合溶媒 200m 1を流した。 溶媒の液面がシリカゲルの上端まで達し、 流出が遅くなつたときに 実施例 4における沈殿物 A 1. 9 gをへキサンに溶解して 6. Om lにしたもの を導入した。 その後、 酢酸ェチル： メタノール =9 ： 1の混合溶媒 40 Om 1を流 し、 流出液を 2 Om 1ずつ回収した。 回収した流出液を薄層クロマトグラフィー によって分析した結果、 最初から数えて 1 2番目〜 1 7番目の回収液においてス フインゴ糖脂質の濃いスポットが見られた。 この範囲の流出液を集めて溶媒を留 去したところ 386 mgの固形分が得られた。 HP L Cによってこのスフインゴ 糖脂質含有量を求めたところ、 226mgであり、 得られたスフインゴ糖脂質含 有物中のスフインゴ糖脂質濃度は 58. 5質量％となった。

次いで、 カラムにシリカゲル （ナカライテスタ社製シリカゲル 60、 70〜2 30メッシュ） 1 50m lを充填し、 酢酸ェチル：メタノ一ル= 95 : 5の混合溶 媒 200m lを流した。 溶媒の液面がシリカゲルの上端まで達し、 流出が遅くな つたときに上記のシリカゲルカラムにより得られた固形分 386mgを少量のへ キサンに溶解したものを導入した。 その後、酢酸ェチル：メタノール =95 ： 5の 混合溶媒 80 Om 1を流し、 流出液を 2 Om 1ずつ回収した。 回収した流出液を 薄層クロマトグラフィ一によつて分析した結果、 最初から数えて 20番目〜 26 番目の回収液においてスフインゴ糖脂質のスポットが単独で見られた。 この範囲 の流出液を集めて溶媒を留去したところ 87m gの固形分が得られた。 HPLC によってこのスフインゴ糖脂質含有量を求めたところ、 86mgであり、 得られ たスフインゴ糖脂質含有物中のスフインゴ糖脂質濃度は 98. 9質量％となった。 得られた固形分 50. 6m gを、 水 1 Om 1中に攪拌しながら導入し、 ャマト 科学製 BRANSON 3200を用いて超音波によって 30分間分散処理した。 このよ うにして本発明のこんにゃく トビ粉由来のスフインゴ糖脂質を含有した化粧品が 得られた。 得られたスフインゴ糖脂質含有水分散液は均一で、 1日後も沈殿は生 じなかった。 つまり、 この水分散液中にこんにゃく トビ粉由来のスフインゴ糖脂 質が 5 Omg含まれる。 実施例 1 7 (じやが芋由来スフインゴ糖脂質含有化粧品の製造）

実施例 3で得られたじやが芋皮抽出物 5 gを 1 0. 0 gのエタノールに溶解さ せ、 1 00 gの水中に攪拌しながら導入し'、 そのまま分散状態で攪拌した。 30 分経過後、 塩化ナトリウム 2. 5 gを導入し、 さらに 1 0分間攪拌することによ つて、 薄茶色の沈殿が得られた。 この沈殿の重量は 3. O gであり、 HPLCによつ て測定したスフインゴ糖脂質の含有量は 0. 1 8 gであった。 水洗作業後の抽出 物中のスフインゴ糖脂質の純度は 6. 0質量％であった。 この水洗作業をさらに 1回繰り返したところ、 沈殿の重量は 2. 8 gとなり、 HPLCで測定したスフィン ゴ糖脂質の含有量は 0. 1 8 gであった。 2回の水洗作業後のスフインゴ糖脂質 の純度は 6. 4質量％であった。 このようにして得られたじやが芋皮由来のスフ ィンゴ糖脂質含有物を実施例 1 6で行ったのと同様に 2回のシリカゲルカラムク 口マトグラフィ一によつて精製し、 スフインゴ糖脂質を 96. 8質量⁰ /₀含むスフ ィンゴ糖脂質含有物を 38 m g得た。

以上の操作を数回繰り返して製造したじやが芋皮由来のスフィンゴ糖脂質含有 物 5 1. 7mgを水 1 Om 1中に攪拌しながら導入し、 ャマト科学製 BRANSON 3 200を用いて超音波によって 30分間分散処理した。 このようにして本発明の じやが芋由来のスフインゴ糖脂質を含有した化粧品が得られた。 得られたスフィ ンゴ糖脂質含有水分散液は均一で、 1日後も沈殿は生じなかった。 つまり、 この 水分散液中にじやが芋由来のスフィンゴ糖脂質が 50 m g含まれる。 比較例 8 (小麦由来スフインゴ糖脂質含有化粧品の製造）

比較例 1で得られた小麦粉抽出物 5 gを 1 0. 0 gのエタノールに溶解させ、 1 00 gの水中に攪拌しながら導入し、 そのまま分散状態で攪拌した。 30分経 過後、塩化ナトリゥム 2. 5 gを導入し、さらに 10分間攪拌することによって、 茶色の沈殿が得られた。 この沈殿の重量は 3. 6 gであり、 HPLCによって測定し たスフインゴ糖脂質の含有量は 0. 04 gであった。 水洗作業後の抽出物中のス フインゴ糖脂質の純度は 1. 1質量％であった。 この水洗作業をさらに 1回繰り 返したところ、 沈殿の重量は 3. 4 gとなり、 HPLCで測定したスフインゴ糖脂質 の含有量は 0. 04 gであった。 2回の水洗作業後のスフインゴ糖脂質の純度は 1. 2質量⁰ /。であった。 このようにして得られた小麦由来のスフインゴ糖脂質含 有物を実施例 1 6で行ったのと同様に 2回のシリカゲルカラムクロマトグラフィ 一によつて精製し、 スフインゴ糖脂質を 97. 5質量⁰ /₀含むスフインゴ糖脂質含 有物を 2 m g得た。

以上の操作を数回繰り返して製造した小麦由来のスフインゴ糖脂質含有物 51. 3mgを水 1 Om 1中に攪拌しながら導入し、 ャマト科学製 BRANSON 3200を 用いて超音波によって 30分間分散処理した。 得られたスフインゴ糖脂質含有水 分散液は均一で、 1日後も沈殿は生じなかった。 つまり、 この水分散液中に小麦 由来のスフインゴ糖脂質が 5 Omg含まれる。 比較例 9 (米糠由来スフインゴ糖脂質含有化粧品の製造）

比較例 2で得られた脱脂米糠抽出物 1 0 gを 20. 0 gのエタノールに溶解さ せ、 200 gの水中に攪拌しながら導入し、 そのまま分散状態で攪拌した。 30 分経過後、 塩化ナトリウム 5. O gを導入し、 さらに 1 0分間攪拌することによ つて、 茶色の沈殿が得られた。 この沈殿の重量は 7. 4 gであり、 HPLCによって 測定したスフインゴ糖脂質の含有量は 0. 24 gであった。 水洗作業後の抽出物 中のスフインゴ糖脂質の純度は 3. 2質量％であった。 この水洗作業をさらに 1 回繰り返したところ、 沈殿の重量は 6. 9 gとなり、 HPLCで測定したスフインゴ 糖脂質の含有量は 0. 22 gであった。 2回の水洗作業後のスフインゴ糖脂質の 純度は 3. 2質量⁰ /。であった。 このようにして得られた米糠由来のスフインゴ糖 脂質含有物を実施例 1 6で行ったのと同様に 2回のシリカゲルカラムクロマトグ ラフィーによって精製し、 スフインゴ糖脂質を 98. 2質量⁰ /₀含むスフインゴ糖 脂質含有物を 28mg得た。

以上の操作を数回繰り返して製造した米糠由来のスフインゴ糖脂質含有物 50. 9mgを水 1 Om 1中に攪拌しながら導入し、 ャマト科学製 BRANSON 3200を 用いて超音波によって 3 0分間分散処理した。 得られたスフインゴ糖脂質含有水 分散液は均一で、 1日後も沈殿は生じなかった。 つまり、 この水分散液中に米糠 由来のスフインゴ糖脂質が 5 O m g含まれる。 試験例 5 (角質水分量に及ぼす影響）

乾燥肌の女性 1 0人 （2 0〜 4 0歳 5人、 4 0〜 6 0歳 5人） のボランティア に協力してもらい、 実施例 1 6及ぴ 1 7で得られた本発明の化粧品並びに比較例 8及ぴ 9で得られた水分散液の皮膚の角質水分量の向上効果について調べた。 そ れぞれの水分散液 0 . 5 m 1を毎日左側上腕内側に 3 0日間塗布してもらい、 1 0日後、 2 0日後、 3 0日後の左側上腕内側の皮膚の角質水分量を Corneometer を用いて測定した結果を塗布しない対照とともに表 5に示す。 表 5

表 5から、 こんにゃく トビ粉由来およびじやが芋の皮由来のスフインゴ糠脂質 の塗布が皮膚の角質水分量の向上に優れた効果があることがわかった。 実施例 1 8 (スフインゴ糖脂質含有化粧水の製造)、 比較例 1 0

以下の表 6に示す処方例に従って、 こんにゃく トビ粉由来スフインゴ糖脂質を 含有する化粧水 （実施例 1 8 ) を調製した。 また、 この化粧水においてスフイン ゴ糖脂質含有物を除いた以外は同様の処方で調製した化粧水 （比較例 1 0 ) を調 製した。 表 6

試験例 6 (使用感の改善）

実施例 1 8で得た化粧水及び比較例 1 0の化粧水について、 女性 2 0人に 2ケ 月間使用してもらい、 使用感について官能試験を行った。 結果を表 7に示す。 表 7

アンケート内容と点数 かなり良好 2点、

やや良好 1点、

良好とは思わない 0点 _c

表の数値は合計点。 表 7から、 こんにゃく トビ粉由来のスフインゴ糖脂質を含有した化粧水が、 し つとり感の持続やはり、 柔軟性において優れた効果を有することがわかった。 く産業上の利用可能性 >

本発明のスフインゴ糠脂質を含有する機能性食品及び化粧品は、 ヒ トの皮膚に 存在し、 保湿に重要な役割を担っていると考えられているスフインゴ糠脂質を高 濃度に含有し、 ヒ トの皮膚の角質水分量の向上、 肌荒れ、 アトピー性皮膚炎、 ァ レルギ一性皮膚炎、吹き出物の改善などにおいて優れた効果を有するものである。 また、 本発明の製造方法によれば、 スフインゴ糖脂質を含有する機能性食品及び 化粧品を、 食品として全く利用されていないこんにゃく トビ粉、 じやが芋の皮、 油粕などを原料とすることで、 安価に簡単に製造することができる。

本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、 本発明の精神と範 囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にと つて明らかである。

本出願は 2000年 7月 19 日出願の日本出願 No. 2000-219087、 2001年 1月 30 日出願の日本出願 No. 2001-021947、 2001 年 3 月 26 日出願の日本出願 No. 2001-087695、 2001年 6月 21 日出願の日本出願 No. 2001- 188393に基づくもので あり、 その全内容はここに参考として取り込まれる。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . 芋類または油粕由来のスフインゴ糖脂質を含む機能性食品。

2 . スフインゴ糖脂質及び植物ステロールを含む機能性食品。

3 . スフインゴ糖脂質が芋類または油粕から抽出されたものである請求の 範囲第 2項記載の機能性食品。

4 . 芋類がこんにやく芋である請求の範囲第 1項または第 3項記載の機能 性食品。

5 . 芋類または油粕由来のスフインゴ糖脂質を含有する化粧品。

6 . 芋類がこんにゃく芋である請求の範囲第 5項記載の化粧品。

7 . 芋類または油粕に有機溶剤を添加し、 スフインゴ糖脂質を抽出するェ 程を含む請求の範囲第 1項、 第 3項〜第 6項のいずれかに記載の機能性食品また は化粧品の製造方法。

8 . 芋類または油粕に有機溶剤を添加し、 スフインゴ糖脂質を抽出するェ 程を含むスフインゴ糖脂質含有物の製造方法。