WO2002000154A1 - Produit absorbant - Google Patents

Description

明 細 書 吸収体製品 技術分野

本発明はおむつのような吸収体製品に関し、 詳しくは本発明は、 着用者の臀部 に便が直接付着しないように配慮して臀部のスキントラブルの減少を企図した吸 収体製品に関する。 背景技術

おむつかぶれの原因および発症機構に関し、 「皮膚科の臨床」 V o 1 . 3 0、 著 者：山本 一哉、 発行所：金原出版の第 9 4 9頁〜第 9 5 6頁 （1 9 9 8年） に 記載された山本一哉氏の 「いわゆるおむつかぶれ」 によると、 （1 )尿と便とが混 ざるとアンモニアが発生し、 （2 ) このアンモニアが環境をアルカリ性にし、 （3 ) 便中の酵素がアルカリ性雰囲気で強く活性化し、 この酵素およびアンモニアによ つて皮膚の弱った部分が炎症を起こし、 おむつかぶれが発生する。 皮膚の弱った 部分が作り出される原因として、 皮膚と接触するおむつ構成材料の肌触りなどの 機械的刺激や、 おむつ内の湿度が高いために皮膚がふやけた状態となるようなお むつ内側の環境なども指摘されている。

上述したようなおむつかぶれの原因に対し、 高分子吸収部材の技術進歩に伴う 性能向上によって、 例えば排尿後にこれを速やかに吸収してその浸透拡散を少な くすることで、 排便があった場合でもこれと混ざりにくくすることが可能となつ ている。 また、 おむつ内側の環境に関しては、 例えば通気性シ一トをおむつに使 用することによって、 おむつ内の蒸れ対策が可能となり、 皮膚をふやけさせない 効果をあげている。 おむつかぶれに対する対策がこのように進んできたため、 い わゆる使い捨ておむつなどの使用によって発生していたかぶれなどのスキントラ ブルも減少している。

しかしながら、 尿と便とがほぼ同時に排泄された場合や、 軟便に対するかぶれ 防止については、 まだ対策が十分ではなかった。 軟便の場合、 尿と混ざらなくて もこれを放置すれば、 皮膚への負担が大きくなる。 軟便は、 皮膚に当接するおむ つのトップシートをほとんど通過しないので、 水分の一部が吸収体に移行する以 外、 トップシートに残って着用者の臀部に付着することとなる。 このため、 皮膚 にトラブルが発生しないとしても、 おむつ替えの際に臀部に対する払拭作業が煩 雑になる。

このように、 便と尿とが混ざり合ったり、 便が臀部に付着したりするのを防止 するため、 例えば特開昭 6 1— 4 1 3 0 4号公報、 実開平 6— 5 6 1 4号公報、 実開平 6— 2 1 6 2 3号公報、 実開平 6— 1 1 7 2 3号公報、 特開平 1 0— 1 9 2 3 3 9号公報において尿と便とを分離できるおむつが提案されている。

特開昭 6 1 - 4 1 3 0 4号公報に開示されたおむつは、 トップシートの中央に 長さ方向に長い開口部を設け、 その開口部の周縁部に沿って弾性部材を取り付け ることにより、 トツプシ一トにいわゆるコシを持たせて開口部が塞がれないよう に配慮したものである。また、寒開平 6— 5 6 1 4号公報に開示されたおむつは、 表面シートに設けた開口部の下に延在する凹部と、 この開口部の周囲から中央部 に表面シートを延在させてなる弁部とを設け、 開口部によって分離される便が逆 戻りしないように配慮したものである。 実開平 6— 2 1 6 2 3号公報に開示され たおむつは、 長さ方向および幅方向に延在する 2組のフラップを重ね、 これらの 中央に開口部を形成することにより、 便を収納する開口部の面積を広く設定でき るようにしたものである。 さらに、 実開平 6— 1 1 7 2 3号公報に開示されたお むつは、 第 1の表面シートの上に第 2の表面シートを設け、 この第 2の表面シ一 卜の長手方向中央部に設けた開口部を横方向に拡開させる複数の弹性部材をさら に設けたものである。 特開平 1 0— 1 9 2 3 3 9号公報に開示されたおむつは、 吸収体とトップシートとの間にスぺーサを介在させ、 このスぺ一サによって形成 される空間に連通する開口部をトップシートに形成したものである。

特開昭 6 1 - 4 1 3 0 4号公報および実開平 6— 5 6 1 4号公報に開示された おむつの場合、 これを実際に着用した様子を観察すると、 おむつの股下領域が着 用者の両脚の太股によってその中央側に寄せられ、 肌に密着せずに下方に垂れ下 がったような状態となることが判明した。 すなわち、 これらのおむつはトップシ ートまたは表面シート （以下、 これらをトップシートと総称する） の股下領域が 着用者の股下に密着していないので、 トップシートに設けられた開口部が意味を なさず， 便がトップシートの上に広がってしまう不具合が生ずる。 仮に、 トップ シートの開口部の位置と着用者の肛門の位置とが合致していたとしても、 トップ シートが着用者の股下に密着していないので、 開口部が塞がった状態となり、 開 口部を介して便を卜ップシートとバックシー卜との間に導くことができないこと が予想される。

さらに、 実開平 6— 2 1 6 2 3号公報に開示されたおむつの場合、 第 2の表面 シートに形成される開口部の面積を広く取ることによって、 この開口部の位置を 着用者の肛門の位置にほぼ確実に合致させることができるものの、 逆に開口部の 開口面積が大きすぎるため、 この開口部を介して第 2の表面シートと第 1の表面 シートとの間に導かれた便が再び開口部から第 2の表面シートの上に戻ってしま い、 着用者の臀部を汚してしまう可能性が高かった。

また、 実開平 6— 1 1 7 2 3号公報に開示されたおむつの場合、 開口部が幅方 向にのみ拡開されているだけであり、 着用者の股下によって開口部が潰されてし まい、 先の従来例と同様に、 開口部の機能を充分に発揮させることが基本的にで きない。

特開平 1 0— 1 9 2 3 3 9号公報に開示されたおむつの場合、 弾性体を用いた スぺーサによって吸収体とトップシートとの間に便が収容される空間を形成して いるため、 着用者の臀部にトップシートを介してスぺーサが押し当たった状態と なり、 着用感が損なわれる欠点を有する。 また、 トップシートに形成された開口 部の占める割合が低いため、 流動性の低い便の場合にはこれがトップシートの開 口部を速やかに通過しにくくなり、 着用者の臀部を汚してしまう可能性もある。 発明の開示

本発明の目的は、 少なくとも一つの開口部を有するスキンコンタク卜シートを 用いておむつかぶれなどのスキントラブルを減少させることができるおむつ等の 吸収体製品を提供することである。

本発明に従って、 液不透過性のバックシートと、 このバックシート上に重ね合 わされた吸収体と、 から構成される、 着用状態で着用者の前側に位置する前身頃 部分から、 後側に位置する後身頃部分にかけて延びる部分を持つ吸収体製品にお いて、

前記吸収体製品には、 前記着用者の皮膚に接触する最上層となるスキンコン夕 クトシートが配置されており、

前記スキンコンタクトシ一トは、 前記着用者からの排泄物の通過を許容する少 なくとも 1つの開口を有し、

かつ前記吸収体製品と前記スキンコンタクトシートは、 前記吸収体製品の前後 方向両端部では接合され、 前記両端部以外の部位では両者間に空隙を形成するこ とができるように非接触状態に保たれている、

ことを特徴とする吸収体製品が提供される。

本発明の吸収体製品が備えるべき好ましい形態を以下に列挙する。

前記吸収体製品には、 前記吸収体を覆って、 前記スキンコンタクトシ一トとの 間に配置された、 液透過性のトップシートが設けられ、 このトップシートは、 前 記吸収体製品の前後方向両端部では前記スキンコンタクトシートと接触接合状態 にあり、 前記両端部以外の部位では両者間に空隙を形成することができるように 非接触状態に保たれている。

前記スキンコンタクトシートは、 前記吸収体製品の着用状態において前記吸収 体製品の少なくとも股下領域から後身頃領域に直る部分に配置されている。 前記スキンコンタクトシ一トは、 前記吸収体製品の着用状態において前記吸収 体製品の前身頃領域から後身頃領域に亘る部分に配置され、 かつ前記前身頃領域 の横幅方向の中央部にカツトアウト部を有している。

前記スキンコンタクトシートは、 例えば、 網体、 発泡樹脂および弾性部材など で構成される。

前記吸収体は、 少なくとも前記前身頃領域に配置されている。

前記吸収体製品は、 前記スキンコンタクトシートに形成された開口部を囲むよ うに、 前記スキンコンタクトシートに伸長状態で接合された弾性部材をさらに具 えている。

前記吸収体製品は、 前記スキンコンタクトシートに形成された開口部を囲むよ うに、 前記スキンコンタクトシートに伸長状態で接合された少なくとも 4本の弹 性部材をさらに具え、 前記弾性部材は、 それぞれ前記吸収体製品の前記前身頃領 域から前記後身頃領域にかけて延在し、 前記開口部の近傍を通過するように配置 されている。

前記吸収体製品は、 前記スキンコンタクトシートの前記開口部を囲んで交差す るように、 前記スキンコンタクトシ一トにたすき掛けの形態で配置されている弹 性部材をさらに具えている。

前記吸収体製品は、 その前記前身頃領域の一方の側縁部から前記スキンコンタ クトシートの前記開口部の両側緣を通って前記後身頃領域の一方の側緣部に達す るように延びる少なくとも 2本の弾性部材と、

前記吸収体製品の前記前身頃領域の他方の側緣部から前記スキンコンタクトシ 一卜の前記開口部の両側縁を通って前記後身頃領域の他方の側縁部に達するよう に延びる少なくとも 2本の弾性部材とをさらに具えている。

前記吸収体製品は、 その前記前身頃領域の一方の側縁部から前記開口部の両側 縁および前記股下領域を通って前身頃領域の他方の側緣部に亘つて延在する少な くとも 2本の弹性部材と、

前記吸収体製品の前記後身頃領域の一方の側縁部から前記開口部の両側縁およ び前記股下領域を通って前記後身頃領域の他方の側緣部に亘って延在する少なく とも 2本の弹性部材とをさらに具えている。

前記弾性部材は、 前記開口部の相対向する縁部が亙いに接近する方向にほぼ均 等に張力が作用するように配置されている。

前記前身頃領域に対応する部分において、 前記スキンコンタクトシ一トの横幅 方向の中央部にカツトアウト部が形成されている。

前記スキンコンタクトシ一トが液不透過性部分を含む。

前記前身頃領域に対応する部分において、 前記スキンコンタクトシートに第 2 の吸収体が配置されている。

前記バックシートは、 前記着用者の腰周りを覆う前後一対のサイドフラップを 形成し、

かつ、 各サイドフラップの各々の端縁部を相互に接合または重ね合わせること によって、 ウェスト周り開口部と一対の脚周り開口部とを形成し、

さらに前記吸収体製品は、 前記着用者のウェストを囲む伸縮性帯部材をさらに 具え、 前記スキンコンタクトシートがその前後方向端部で前記伸縮性帯部材と連 結され、 これにより前記スキンコンタクトシートが前記着用者の身体に対して適 当範囲内で弾性的に変位可能となされている。

前記伸縮性帯部材は、 伸縮性を有する前および後エンドフラップから構成され ており、

前記スキンコンタクトシートは、 その前後方向の両端部でそれぞれ前記エンド フラップの各々に接合され、

前記エンドフラップ間における前記スキンコンタクトシ一卜の前後方向の寸法 は、 前記エンドフラップ間の伸展寸法よりも短く設定されている。

前記スキンコンタクトシ一トの開口部がカツトアウト部である。

前記スキンコンタクトシ一トは、 その前身頃領域の横幅方向中央部に形成され たカツトアウト部と、 その股下領域に形成された開口部とを有している。

前記ェンドフラップは、 前記バックシー卜を前記吸収体側に折り返すことによ り形成されている。

前記エンドフラップには、 前記ウェスト周り開口部に沿って配置され、 着用状 態で伸長された状態となるような長さを有する伸縮弹性部材が設けられている。 前記伸縮性帯部材は、 前記ウェスト周り開口部に沿って形成された前後一対の スリットと、 各スリットを挟んで対向する位置に、 着用状態では伸長状態となる ように取り付けられた弾性部材を具え、 '

前記スキンコンタクトシ一トは、 その前後方向両端部が前記一対のスリットの 近傍において前記伸縮性弾性帯部材にそれぞれ接合され、

前記一対のスリット間に位置する前記スキンコンタクトシートの前後方向の寸 法は、 前記一対のスリツト間の伸展寸法よりも短く設定されている。

前記スキンコンタクトシ一トの開口部がカツトアウト部である。

前記スキンコンタクトシートは、 その前後方向両端部が前記一対のスリット 各々の近傍において前記弹性帯部材に接合され、

前記スキンコンタクトシートの前身頃領域の横幅方向中央部にカツトアウト部 が形成されていると共に、 その股下領域に開口部が形成されており、

前記一対のスリット間に位置する前記スキンコンタクトシ一トの前後寸法は、 前記一対のスリツト間の伸展寸法よりも短く設定されている。

前記スキンコンタクトシートの前後方向両端部のうちの少なくとも一方が、 前 記スリットの、 前記ウェスト周り開口部の開口端に近い側、 または前記スリット よりも股下領域に近い側で前記弹性帯部材に接合されている。

前記バックシートの前身頃領域および後身頃領域の少なくとも一部において、 前記吸収体に隣接する位置に、 前記ウェスト周り開口部に沿って延びるように、 着用状態で伸長状態となる長さの伸縮弾性部材が取り付けられている。

前記スキンコンタクトシ一トには、 第 2の吸収体が取り付けられている。 前記第 2の吸収体は、 前記スキンコンタクトシートに塗工され、 かつ、 高分子 吸収部材とミクロフイブリル状セルロースとの混合物から構成される。 図面の簡単な説明

図 1は、 本発明による吸収体製品であるおむつの一実施形態の外観を表す斜視 図である。

図 2は、 図 1に示したおむつの展開状態を表す平面図である。

図 3は、 図 1に示したおむつの前身頃領域から後身頃に亙る中央部の断面図で ある。

図 4は、 図 2中の IV— IV矢視断面図である。

図 5は、 本発明によるおむつの他の実施例の展開状態を表す平面図である。 図 6は、 本発明によるおむつの別な実施例の展開状態を表す平面図である。 図 7は、 本発明によるおむつの一実施例の外観を表す斜視図である。

図 8は、 図 7に示したおむつの展開図である。

図 9は、 図 8中の I I I一 I I I矢視断面図である。

図 1 0は、 図 7に示した実施例におけるおむつの前身頃領域から後身頃領域に 至る中央断面図である。

図 1 1は、 本発明によるおむつに用いられるスキンコンタクトシートの部分の 他の実施例の展開図である。

図 1 2は、 本発明によるおむつに用いられるスキンコンタクトシートの部分の 別な実施例の展開図である。

図 1 3は、 本発明によるおむつに用いられるスキンコンタクトシートの部分の さらに他の実施例の展開図である。

図 1 4は、 本発明によるおむつに用いられるスキンコンタクトシートの部分の さらに別な実施例の展開図である。

図 1 5は、 図 1 3に対応した実施例におけるおむつの前身頃領域から後身頃領 域に至る中央断面図である。 図 1 6は、 本発明によるおむつの他の実施例の前身頃領域から後身頃領域に至 る中央断面図である。 _ύ

図 1 7は、 本発明によるおむつの別な実施例の前身頃領域から後身頃領域に至 る中央断面図である。

図 1 8は、 本発明によるおむつのさらに他の実施例の前身頃領域から後身頃領 域に至る中央断面図である。

図 1 9は、 本発明によるおむつの一実施例の外観を表す斜視図である。

図 2 0は、 図 1 9に示した実施例のおむつを展開した状態において、 その内側 から見た斜視図である。

図 2 1は、 図 2 0に示したおむつのバックシート側を展張した状態におけるス キンコンタク卜シート側の正面図である。

図 2 2は、 図 2 0に示したおむつのバックシート側を展張していない状態にお けるスキンコンタクトシ一ト側の正面図である。

図 2 3は、 図 1 9に示したおむつの前身頃領域から後身頃領域に至る中央断面 図である。

図 2 4は、 本発明で用いられるスキンコンタクトシートの一例を表す正面図で ある。

図 2 5は、 本発明によるおむつの他の実施例を展開してバックシート側を展張 していない状態におけるスキンコンタクトシ一ト側の正面図である。

図 2 6は、 本発明によるおむつの別な実施例を展開した状態において、 その内 側から見た斜視図である。

図 2 7は、 本発明によるおむつの他の実施例を展開した状態において、 その内 側から見た斜視図である。

図 2 8は、 本発明によるおむつのさらに他の実施例を展開した状態において、 その内側から見た斜視図である。

図 2 9は、 本発明によるおむつのさらに別な実施例を展開した状態において、 その内側から見た斜視図である。

図 3 0は、 本発明によるおむつの異なる実施例を展開した状態において、 その 内側から見た斜視図である。

図 3 1は、 図 3 0に示したおむつのバックシート側を展張した状態におけるス キンコンタクトシート側の正面図である。

図 3 2は、 図 3 0に示したおむつのバックシート側を展張していない状態にお けるスキンコンタクトシ一ト側の正面図である。

図 3 3は、 図 3 0に示したおむつの前身頃領域から後身頃領域に至る中央断面 図である。

図 3 4は、 本発明によるおむつの異なる他の実施例を展開した状態において、 その内側から見た斜視図である。

図 3 5は、 本発明によるおむつの異なる別な実施例を展開した状態において、 その内側から見た,斜視図である。

図 3 6は、 本発明で用いられるスキンコンタクトシートの他の実施例の正面図 である。

図 3 7は、 本発明で用いられるスキンコンタクトシートの別な実施例の正面図 である。 発明を実施するための最良の形態

本発明は既に述べたように、 常に体に接触するように吸収体製品の最表面に配 置され、 尿便の通過をより容易にする開口を有するスキンコンタクトシ一トの形 態に関するものである。 本発明の望ましい実施態様については実施例を用いて詳 細に説明するが、 大きく 3つの形態群に分けて説明する。

第一の形態群は開口、 特に複数の比較的小さな開口部分を持つものであって、 それに場合によってはより大きな開口であるカツトァゥト部分を組み合わせて配 置されたスキンコンタクトシートに関する実施態様群である。

第二の形態群は比較的大きな伸縮帯で囲まれた便処理専用の 1個の開口部分を 持つものであってそれに場合によってはさらに大きな開口であるカツトアウト部 分を組み合わせて配置されたスキンコンタクトシートに関する実施態様群である。 第三の形態群は単数あるいは複数の開口と場合によってはカツトアウト部分を 持つシートの前後あるいは前後いずれかに伸縮性のあるエンドフラップを設け、 その部分をウェス卜部に結合することによって体の動きに応じて常に密着状態を 保つように配置されたスキンコン夕クトシートに関する実施態様群である。

これら 3群の実施態様の説明に先立って本発明を構成する基本要素であるスキ ンコンタクトシート、 バックシート、 トップシート、 吸収体及び弾性部材につい てその求める基本的性質、 材質等について説明しておきたい。

まず本発明の主役であるスキンコンタクトシ一トを構成する材料について説明 する。

開口を持つスキンコンタクトシ一トの構成材料としては化合繊維からなる不織 布や熱可塑性樹脂からなるメッシュシート、 フィルムなどが使用可能であるが、 望ましい材質、 形状について例示する。

このスキンコンタクトシートの材料としては、 尿、 軟便などの液状体が付着し にくい疎水性または撥水性の液透過性材料を採用することが好ましく、 ドライゥ エブと称されナプキンなどの表面シートに用いられる開孔フィルム、 特にステン フリー性を持ったフィラメントネット材が好適である。 例えば、 ポリエチレン、 ポリプロピレン、 ポリウレタン、 シリコーン、 テフロン （商品名：デュポン社製） などのフィラメント、 またはナイロン、 ポリエステルのフィラメントから形成さ れる織布や編布をシリコ一ン榭脂やテフ口ン樹脂で後処理したものを用いること ができる。 なお、 上述したステンフリー性とは、 尿や便などの流動体が円滑に通 過して汚れが付着しにくい性質を有することを意味する。

スキンコンタクトシートは網状をなしていてもよく、 果物などの輸送用緩衝材 として使用されている無架橋法による発泡ポリエチレンからなるミラネット （商 品名： J S P社製） などを利用することができる。

また、 スキンコンタクトシートは、 果物などの緩衝材として一般的に使用され ている発泡スチロール樹脂などの発泡樹脂や、 伸縮可能な弾性部材、 例えばウレ タン樹脂や天然ゴムで構成することができる。 上述した発泡樹脂として、 例えば ポリエチレン、 ポリプロピレン、 またはポリスチレンに発泡剤を添加してシ一ト 状に押し出し成形したものに熱針や吸引により複数の開口部を形成したシートや、 前記原料を網目状に押し出し成形したネットを用いることもできる。

ポリエチレンを原料とする発泡樹脂シートとしてはミラマット （商品名： J S P社製)、 ハイエチレン （商品名： 日立化成社製)、 ソフトロン （商品名：積水化 学社製） が知られており、 ポリプロピレンを原料とする発泡樹脂シ一トとしては ハイエチレン P P (商品名： 日立化成社製）、 ピーマツト （商品名： J S P社製） が知られており、 ポリスチレンを原料とする発泡樹脂シートとしてはポリスチレ ンペーパー、 ミラポ一ド （何れも商品名： J S P社製） などが知られている。 こ れらのうち、 ミラマットが柔軟性および架橋されていないことから、 より好適で ある。

またスキンコンタクトシ一トそれ自体が伸縮性を備えたものであってもよい。 たとえば米国コンウェッド社製のネット状弾性体構造物ゃポリウレタンフィラメ ントによる織物状組織を持った弾性シートを使用すると着用者がたとえ動いても 常時確実にスキンコンタクトシ一トが肌に密接することになり望ましい形態を与 える。

なお目の詰まつた不織布ゃステーブル織状の織布や編布でスキンコンタクトシ ートを構成した場合、 これらの繊維間に尿や便などが付着したり、 尿や便などで 繊維の隙間が目詰まりを起こしたりするので好ましくないので部分的に大きな開 口を設けるなどの工夫が必要である。 また、 スキンコンタクトシートを単一のシ —トで構成する必要はなく、 性質の異なる複数のシートを用い、 これを積層した り、長さ方向あるいは幅方向に接合したりしたものを採用することも可能である。 例えば、 ティッシュなど吸液性シ一トを積層してもよく、 更に、 親水性又は疎水 性の不織布などを長さ方向あるいは幅方向に接合してもよい。 また例えば前身頃 領域と後身頃領域を異なった構成にするなどの手段も講じられる。

本発明による吸収体製品は、 前後一対のサイドフラップ部の端縁部を相互に重 ね合わせてテープで止める展開型おむつに適用することも可能であり、 あるいは 前後一対のサイドフラップ部の端緣部を予め相互に融着接合したパンツ型おむつ に適用することも可能である。

本発明におけるバックシートとして、 液不透過性のシ一トを単独で用いたり、 あるいはこれに 1枚〜複数枚の不織布を積層して用いたりすることが可能である。 液不透過性のバックシートとしては、 ポリエチレンシート、 特に通気性を持たせ るための微孔を形成したポリエチレンシートや、 熱可塑性樹脂にフィラーを加え て延伸したシートの如き透湿性を持つ材料を採用し、 蒸れに対して快適性を持た せたものが好ましい。 この場合、 単一のシートを単独で用いることも可能である が、 少なくとも 1枚の不織布を積層するようにしてもよい。 例えば、 ポリエチレ ン、 ポリプロピレン、 ポリエステルなどの熱可塑性樹脂を原料とする合成繊維か らなる不織布をバックシートの表面に手触りを良くするために貼り付けることが 可能である。 この場合、 不織布が液不透過性であっても、 あるいは液透過性であ つても良い。

トップシートとしては、 液透過性の不織布または多数の小孔を形成した樹脂フ イルムを用いることができる。 不織布の場合、 ポリエチレン、 ポリプロピレン、 ポリエステル、 その他の熱可塑性樹脂から製造される合成繊維を単独で原料とし て用いたり、 あるいはこの合成繊維とセルロースパルプ、 レーヨン繊維などの親 水性繊維とを混合したものを原料として用いたりして形成した乾式不織布であつ てよぐ液透過性を増すために親水化処理を必要に応じて施すことも有効である。 多数の小孔を形成した樹脂フィルムの場合、 ポリエチレン、 ポリプロピレンなど の熱可塑性樹脂に多数の小孔を形成してメッシュ状にしたものであってよい。 本 発明においてトップシートを用いる理由は、 吸収体成分の離脱や移動を防止する のが目的であるから、 吸収体が成形シート状または安定化したシート状をなす場 合には、 液透過性を促進するためにトップシートを部分的にカットアウトし、 あ るいはトツプシ一トを省略し、 この吸収体の上面をトップシートとして機能させ ることも可能である。

吸収体は、 木材パルプや非木材パルプを綿状にしたフラッフパルプを主材とし たものに高分子吸収部材 （S A P) を併用したものが好ましく、 その他に吸収紙 単独、 または熱融着繊維などの混合物や積層物が用いられる。 また、 S A Pの飛 び出し防止のために全体をティシュで包み込んだ積層構造とすること力好ましい。 吸収体は、 このような構成のものの他に、 高分子吸収部材とミクロフイブリル状 セルロースとをプロピレングリコールまたはメタノールの水溶液に分散した塗工 液をスキンコンタクトシートに直接塗工するか、 この塗工液をポリエチレン、 ポ リプロピレン、 ポリエステル、 その他の熱可塑性樹脂を原料とした合成繊維から なる不織布に塗工したものでも良い。

なお、 上述したミクロフイブリル状セルロースは、 木材パルプを高シェア下で 開繊して得られる平均繊維長 0 . 1匪以下の極微細繊維である。

伸縮性帯部材としては、 本発明の対象となる一般的な吸収体製品において使用 される天然ゴム製のリポン状をなす平ゴム、 ウレタン糸、 糸ゴム、 伸縮性のネッ ト、 伸縮性フィルムなどの伸縮弾性体をそのまま使用するか、 あるいはバックシ ートまたはトップシートなどと同じシ一ト材料にホットメルト接着剤やヒートシ ールなどの手段で伸長状態で接合して複合弾性体としたものを別体として貼合し て使用することができ、 任意の幅寸法および伸長倍率で使用できる。 実施例

本発明による吸収体製品としてのおむつの実施例について、 図 1〜図 6を参照 しながら詳細に説明する。 しかしながら、 本発明はこのような実施例に限らず、 これらをさらに組み合わせたり、 この明細書の請求の範囲に記載された本発明の 概念に包含されるべき他の技術にも応用したりすることができる。 以下、 同様と する。

本発明の吸収体製品の 1つの形態である、 第 1群の実施例によるおむつの外観 を図 1に示し、 その展開形状を図 2に示し、 前身頃領域から後身頃領域に至る中 央断面形状を図 3に示し、図 2中の IV— IV矢視断面構造を図 4に示す。すなわち、 本実施例におけるおむつ 1 0は全体としてパンツ型をなし、 いわゆるおむつカバ 一を構成する液不透過性のバックシート 1 1と、 このバックシート 1 1の幅方向 中央部に重ね合わされる液透過性のセンタートップシー卜 1 2 Cと、 一定幅を有 するこのセンタートップシート 1 2 Cの幅方向両側縁部に内側縁部が重なるよう に、 バックシート 1 1の幅方向両側縁側に重ね合わされ、 液透過性を有する左右 一対のサイドトップシート 1 2 Sと、 これらバックシート 1 1とセンタ一および 左右一対のサイドトップシート 1 2 C、 1 2 S (以下、 これらを一括してトップ シート 1 2と略記する） との間に配置されておむつ 1 0の前身頃領域 1 O Fから 後身頃領域 1 O Rに亙って延在するほぼ砂時計型のシート状をなす吸収体 1 3と、 おむつ 1 0のウェスト周り開口部 1 4に沿って伸長状態でバックシート 1 1の折 り返し部分 （ウェスト周り開口部 1 4 ) に保持される伸縮可能な複数本のウェス ト周り弾性部材 1 5と、 おむつ 1 0の脚周り開口部 1 6に沿って伸長状態でバッ クシ一ト 1 1とトップシ一ト 1 2との間に保持される伸縮可能な複数本の脚周り 弹性部材 1 7と、 トップシート 1 2上に配置されておむつ 1 0の前身頃領域 1 0 Fから後身頃領域 1 O Rに亙って延在し、 その長手方向両端部 1 8 E力 トップシ ート 1 2側であるバックシート 1 1の折り返し部分に接合されるスキンコンタク トシート 1 8とを具えている。 本実施例ではトップシート 1 2をセンタートップ シート 1 2 Cと左右一対のサイドトップシート 1 2 Sとに分けているが、 これら を単一のシー卜で構成することも当然可能である。

また、 本実施例における吸収体 1 3として、 高分子吸収部材 （S A P ) とミク ロフイブリル状セルロースとの混合物をシート基材に塗工したものや、 S A Pと ミクロフイブリル状セルロースとの混合物をシート基材間に挟持したものからな るパルプレスシ一トを採用しており、このようなパルプレスシ一トを用いた場合、 吸収体 1 3自体の厚さを非常に薄くすることができるため、着用性が良好となる。 このパルプレスシートは、 吸水性と形状保持性とに優れたものであり、 基本構成 としてパルプを使用していないことから、 吸液後に濡れたままの状態が続くこと はなく、 雑菌の繁殖を招きにくく、 従って衛生面にも優れたものである。 このパ ルプレスシートとしては、 不織布上に S A Pとミクロフイブリル状セルロースと の混合物を塗工したメガシン（製品名：日本吸収体技術研究所製）、 あるいはティ シュ間に S A Pとミクロフイブリル状セルロースとの混合物を挟み込んだシート などが知られている。

なお、 吸収体 1 3として、 上述したパルプレスシートとパルプとを併用したも のであってもよい。 この場合、 パルプシートの下面全体にパルプレスシートを配 置したり、 部分的に尿などの液体の吸収量を増やしたい個所に重点的にパルプレ スシ一トを配置したりすることも可能である。

本実施例におけるスキンコンタクトシート 1 8は、 発泡ポリエチレン樹脂を網 状に成形してその全面に多数の網目の開口部 1 9を形成したものであり、 その長 手方向両端部 1 8 Eがバックシート 1 1の折り返し部分に伸長状態で接合され、 その長手方向に沿って伸長可能となっている。 このように、 スキンコンタクトシ —ト 1 8に形成された多数の開口部 1 9を介して便がスキンコンタクトシート 1 8とトップシ一ト 1 2との間の空隙 2 1に導かれる。

このスキンコンタクトシ一ト 1 8の開口率、 すなわちスキンコンタクトシート 1 8の単位面積当たりに占める開口部 1 9の面積の割合は、 1 0〜9 0 %の範囲 にあることが好ましい。 開口率が 1 0 %よりも低くなると、 便がスキンコンタク トシ一ト 1 8を通過しにくくなり、 逆に 9 0 %を越えた場合にはスキンコンタク トシ一ト 1 8自体の強度が低下する上、 スキンコンタクトシ一ト 1 8の開口部 1 9を通過した便が逆戻りし易くなる。

なお、 本実施例では、 スキンコンタクトシート 1 8のおむつ 1 0の前身頃領域 となる部分の幅方向中央部には、 ほぼ V字状をなすカツトァゥト部 2 0が形成さ れており、 このようなカットアウト部 2 0を形成することにより、 スキンコン夕 クトシ一ト 1 8を介さずに尿をトップシート 1 2から吸収体 1 3に導くことがで きる。 このため、 着用者の肌が尿で濡れるのを防止することができるが、 本実施 例のように多数の開口部 1 9が形成されたスキンコンタクトシート 1 8では、 こ のスキンコンタクトシ一ト 1 8の開口部 1 9を介して尿が直ちにトップシート 1 2から吸収体 1 3に吸収されるため、 カツトアウト部 2 0は必ずしも必要ではな い。

このように、 伸縮可能なスキンコンタクトシート 1 8がおむつ 1 0の前身頃領 域 1 0 Fから後身頃領域 1 O Rにかけて延在しているため、 スキンコンタクトシ ート 1 8はトップシート 1 2の内側で吊り下げられた構造となり、 着用時にスキ ンコンタクトシート 1 8がその長手方向に引き延ばされ、 スキンコンタクトシ一 ト 1 8が着用者の肌に密着状態で確実に当接すると共にトップシート 1 2とスキ ンコンタクトシート 1 8との間に空隙 2 1が形成される。 このため、 スキンコン タクトシート 1 8が着用者の肌に密着しても、 その蒸れを防止することができる 上、 着用者がどのような動きをしても網目の開口部 1 9の何れかを開いた状態に 保つことができ、 これら開口部 1 9を通して便をトップシート 1 2上に確実に導 くことができる。

なお、 着用者の尿は、 スキンコンタクトシート 1 8のカットアウト部 2 0によ つてスキンコンタクトシート 1 8を介することなく、 トップシート 1 2から吸収 体 1 3内に迅速に吸収される。 また、 上述した実施例ではパンツ型のおむつ 1 0 について説明したが、 本発明はおむつ 1 0の前身頃領域 1 O Fの左右両側と後身 頃領域 1 0 Rの左右両側とを重ね合わせてテープで止めるようにした展開型のお むつにも応用することができる。

ウェスト周り開口部 1 4および脚周り開口部 1 6に配置される弾性部材 1 5、 1 7は、 いわゆる使い捨ておむつにおいて一般的に用いられている天然ゴム製の 平ゴムやウレタン糸、 糸ゴムなどの伸縮可能な弾性部材が使用され、 ホットメル ト接着剤などを用いて接着固定される。

上述した実施例では、 スキンコンタクトシート 1 8として発泡樹脂を網状に成 形したものを採用したが、 機械的な多数の開口部が穿設されたシートをスキンコ ンタクトシ一ト 1 8として使用することも可能である。 このような本発明による おむつの他の実施例の展開形状を図 5に示すが、 先の実施例と同一機能の部材に は、 これと同一符号を記すに止め、 重複する説明は省略するものとする。 すなわ ち、 本実施例におけるスキンコンタクトシート 1 8は伸縮可能なシート状弹性部 材にて形成され、 円形の開口部 1 9を所定間隔で多数形成したものである。 個々 の開口部 1 9は 3 mm以上、好ましくは 5腿以上の直径を有し、スキンコンタクト シート 1 8の伸長状態において、 これら開口部 1 9によりスキンコンタクトシ一 卜 1 8が破断しない程度の密度で配列している。

開口部 1 9の形状は、 本実施例のような円形以外に、 長方形、 楕円形、 三角形 や、 複数のスリットを交差してスキンコンタクトシート 1 8に刻設したものなど 適宜選択可能である。

上述した実施例では、 スキンコンタクトシート 1 8をおむつ 1 0の前身頃領域 1 O Fから後身頃領域 1 O Rに亙って形成したが、 少なくとも股下領域から後身 頃領域 1 O Rに亙って配設されていれば良い。 このような本発明によるおむつの 別な実施例の展開形状を図 6に示すが、 先の実施例と同一機能の要素には、 これ と同一符号を記すに止め、 重複する説明は省略するものとする。 すなわち、 本実 施例におけるスキンコンタクトシート 1 8は、 伸縮可能な弹性リポン 2 2を所定 間隔で縦横に配列し、 これらの交差部分を一体的に接合したものであり、 それぞ れ 4本の弹性リポン 2 2で囲まれた矩形をなす多数の開口部 1 9を有する。 この スキンコンタクトシート 1 8は、 おむつ 1 0の股下領域から後身頃領域 1 O Rに 亙って伸長状態で配設され、 その長手方向両端部 1 8 Eが股下領域中央に位置す るトップシート 1 2とバックシート 1 1の折り返し部分とに接合されている。 本実施例においても、 便はスキンコンタクトシート 1 8の開口部 1 9から、 ト ップシ一ト 1 2との間に形成される空隙 2 1 (図示せず：図 3参照） に導かれ、 尿はおむつ 1 0の前身頃領域 1 0 Fにてトツプシ一ト 1 2から吸収体 1 3に吸収 される。

上述したような本発明のおむつの一つの形態 （第 1群） によると、 トップシ一 卜の上に配置され、 少なくともその長手方向両端側がトップシート側に接合され るスキンコンタクトシ一卜に複数の開口部を形成したので、 排便があった場合に は開口部を介して便がスキンコンタクトシートとトップシートとの間に導かれ、 着用者の臀部が汚されず、 結果としてスキントラブルの発生を抑制することがで さる。

スキンコンタクトシートの前身頃領域の幅方向中央部に力ットァゥト部を形成 した場合には、 スキンコンタクトシ一トを介さずに尿をトップシートから吸収体 に導くことができる。

スキンコンタクトシ一トが網状をなしている場合には、 便を迅速にスキンコン タクトシートとトップシートとの間に導くことができる。

スキンコンタクトシートを発泡樹脂で構成した場合には、 着用感を良好に保つ ことができる。

スキンコンタクトシートを伸縮可能な弹性部材で構成した場合には、 スキンコ ンタクトシー卜を着用者に確実に密着させることができる。

吸収体が高分子吸収体とミクロフイブリル状セルロースとの混合物を含む場合 には、 おむつの厚みを薄くして着用感を良好に保つことができる。

本発明の吸収体製品の他の形態である第 2群の実施例によるおむつの外観を図 7に示し、その展開形状を図 8に示し、その I I I一 I I I矢視断面構造を図 9に示し、 実施例におけるおむつの前身頃領域から後身頃領域に至る中央断面形状を図 1 0 に示す。 すなわち、 本実施例におけるおむつ 1 1 0は、 全体としてパンツ型をな す液透過性のトップシート 1 1 1と、 このトツプシ一ト 1 1 1が重ね合わされる 液不透過性のバックシート 1 1 2と、 これらトツプシート 1 1 1とバックシート 1 1 2との間に配置されておむつ 1 1 0の前身頃領域 1 1 O Fから後身頃領域 1 1 O Rに亙って延在するほぼ砂時計型のシート状をなす吸収体 1 1 3と、 おむつ 1 1 0のウェスト周り開口部 1 1 4に沿って伸長状態でトップシ一ト 1 1 1とバ ックシート 1 1 2との間に保持される伸縮可能な複数本のウェスト周り弾性部材 1 1 5と、 おむつ 1 1 0の脚周り開口部 1 1 6に沿って伸長状態でトップシ一ト 1 1 1とバックシート 1 1 2との間に保持される伸縮可能な複数本の脚周り弾性 部材 1 1 7と、 トップシート 1 1 1上に配置されておむつ 1 1 0の前身頃領域 1 1 O Fから後身頃領域 1 1 O Rに亙って延在し、 その長手方向両端部 1 1 8 Eが トップシート 1 1 1に接合されるスキンコンタクトシ一ト 1 1 8と、 このスキン コンタクトシート 1 1 8のおむつ 1 1 0の前身頃領域となる部分の幅方向中央部 に形成されたほぼ V字または U字状をなすカツトアウト部 1 1 9と、 スキンコン タクトシート 118の中央部のおむつ 110の股下領域となる部分に形成された 開口部 120と、 この開口部 120を囲むようにスキンコンタクトシ一ト 118 の長手方向に沿つてそれぞれ伸長状態で接合された 4本 2組の伸縮可能な弾性部 材 121 a、 121 b, 122 a, 122 bとを具えている。

本実施例におけるスキンコンタクトシート 118は、 相互に重ね合わされるァ ッパーシート 118Uとライナーシート 118Lとからなり、 上述した 2組の弾 性部材 121 a、 121 b, 122 a, 122 bは、 これらアッパーシート 1 1 8Uとライナーシート 118 Lとの間に挾持される。 一方の組の弾性部材 121 a、 12 l bは、 前身頃領域の幅方向一端側から開口部 120を挟むように股下 領域を通り、 後身頃領域の幅方向他端側へと延在し、 他方の組の弹性部材 122 a、 122 bは、 前身頃領域の幅方向他端側から開口部 120を挟むように股下 領域を通り、 後身頃領域の幅方向一端側へと延在している。 つまり、 2組の弹性 部材 121 a、 121 b, 122 a, 122 bは、 開口部 120を挟んで相互に 交差するようにスキンコンタクトシート 1 18に対して、 たすき掛けの状態で配 設されており、開口部 120の周囲はこれら 2組の弾性部材 121 a、 121 b、 122 a, 122 bで囲まれた状態となっている。

前記トップシート 1 11としては、 ポリエチレン、 ポリプロピレン、 ポリエス テル、 その他の熱可塑性樹脂を原料とした合成繊維などからなる液透過性の不織 布を用いることが好ましい。

また、 いわゆるおむつカバーを構成するバックシート 112は、 液不透過性の シートを単独で使用することも可能であるが、 複数の不織布を積層したものを用 いることも可能である。 この液不透過性のシートとしては、 液体不透過性のポリ エチレンシート、好ましくは通気性のための微孔を設けたポリエチレンシ一トや、 熱可塑性樹脂にフイラ一を加えて延伸したシートの如き透湿性のある液体不透過 性シートを用いることが好ましく、 このような透湿性を付与することによって蒸 れの心配をなくすることができ、 より快適である。 さらに、 このバックシート 1 12の表面に手触りをよくするため、 ポリエチレン、 ポリプロピレン、 ポリエス テルなどの熱可塑性樹脂を原料とした合成繊維からなる不織布を貼り付けるよう にしてもよい。 この場合、 不織布が液不透過性であってもよいし液透過性であつ てもよい。 吸収体 113は、 木材パルプや非木材パルプを綿状にしたフラッフパルプを主 材としたものに高分子吸収部材 （SAP) を併用したものが好ましく、 その他、 吸収紙単独、 または熱融着繊維などの混合物や積層物が用いられる。 また、 SA Pの飛び出し防止のために全体をティシュ 123で包み込んだ積層構造とするこ とが好ましい。

ウェスト周り開口部 114および脚周り開口部 116に配置される弹性部材 1 15、 117は、 天然ゴム製の平ゴムやウレタン糸、 糸ゴムなどの通常の使いす ておむつに使用される伸縮可能な弾性部材が用いられ、 ホットメルト接着剤など を用いて接着固定される。

スキンコンタクトシート 118としては、 ポリエチレン、 ポリプロピレン、 ポ リエステル、 その他の熱可塑性樹脂を原料とした合成繊維などからなる不織布、 メッシュシ一ト、 フィルムが用いられる。 この場合、 前身頃領域を液透過性の不 織布またはフィルムとし、 股下領域および後身頃領域を液不透過性の不織布、 メ ッシュシート、 フィルムとしてもよい。

弾性部材 121 a、 121 b, 122 a, 122 bは、 天然ゴム製のリポン状 の平ゴム、 ウレタン糸、 糸ゴム、 伸縮性のネット、 伸縮性フィルムなど、 通常の 使いすておむつで使用される伸縮可能な弾性部材をそのまま使用することができ、 任意の幅寸法を有し、 任意の伸長倍率でスキンコンタクトシート 118にホット メルトやヒートシールなどによって接合される。 本実施例では、 各弾性部材 12 l a、 121 b、 122 a、 122 bをそれぞれ 1本ずつ使用したが、 必要に応 じてそれぞれ複数本で構成するようにしてもよい。

開口部 120は任意の形状を採用することができ、 例えば円形、 楕円形、 2本 以上の切れ込みを交差して形成した星型のスリツトなど、 適宜選択可能である。 上述したように、 スキンコンタクトシートに接合される少なくとも 4本の弾性 部材 121 a、 1 1 b, 122 a, 122 bがおむつ 110の前身頃領域 1 1 OFから後身頃領域 11 ORにかけて延在しているため、 スキンコンタクトシー 卜 118は卜ップシ一卜 11 1の内側に吊り下げられた構造となり、 着用時にこ れら弾性部材 121 a、 121 b, 122 a, 122 bが引き延ばされ、 スキン コンタクトシート 1 18が着用者の肌に密着状態で当接すると共にトップシート 1 11とスキンコンタクトシート 118との間に空隙 124が形成され、 ここに 開口部 120を通して便が導かれるようになつている。 このため、 スキンコンタ クトシ一ト 1 18の開口部 120が弾性部材 121 a、 121 b、 122 a、 1 22 bの弹性力によって塞がってしまわないようにすることが必要である。 本実施例においては、 着用時に弾性部材 12 1 a、 121 b、 122 a、 12 2 bによって縮められた状態のスキンコンタクトシ一ト 1 18が図 8に示すよう な展開状態に引っ張られ、 股下領域の中央部が開口部 120を取り囲んで直線状 に引っ張られる 4本の弾性部材 121 a、 121 b, 122 a, 122 bにより 菱形に変形するが、 この変形が開口部 120の周囲にほぼ均等に働き、 菱形の部 分に開口部 120が塞がることなく保持される。 また、 弹性部材 121 a、 12 1 b、 122 a, 122 bがスキンコンタクトシート 1 18の幅方向外側縁部に 配置されているため、 スキンコンタクトシート 1 18が着用者の皮膚に当接して その位置ずれを防止できる上、 万が一、 便がスキンコンタクトシート 1 18の開 口部 120からトップシート 1 1 1上に導かれず、 スキンコンタクトシート 1 1 8と着用者の臀部との間に残留した場合でも、 スキンコンタクトシート 1 18の 幅方向外側縁部からの漏れを防止するギヤザ一として機能させることができる。 なお、 着用者の尿は、 スキンコンタクトシ一卜 1 18のカットアウト部 1 1 9 によってスキンコンタクトシート 1 18を介することなく、 トップシート 1 1 1 から吸収体 1 13内に迅速に吸収される。 また、 上述した実施例ではパンツ型の おむつ 1 10について説明したが、 本発明はおむつ 1 10の前身頃領域 1 10 F の左右両側と後身頃領域 1 10 Rの左右両側とを重ね合わせてテープで止めるよ うにした展開型のおむつにも応用することができる。

さらに、スキンコンタクトシート 1 18に対する弾性部材 12 1 a、 12 1 b、 122 a, 1 22 bの接合パターンとして、前記たすき掛けのパターンに限らず、 図 1 1〜図 14に示すようなパターンを採用することも可能であり、 このような 本発明の他の実施例を以下に列挙するが、 上述した実施例と同一機能の部材には これと同一符号を記すに止め、 重複する説明は省略するものとする。

すなわち、 図 1 1〜図 14に示した実施例は、 何れもスキンコンタクトシート 18の部分を展開状態でそれぞれ示したものであり、 図 1 1に示した実施例は、 一方の組の弾性部材 12 1 a、 12 1 bが前身頃領域の幅方向一端側から開口部 120を挟むように股下領域を通り、 後身頃領域の幅方向一端側へと延在し、 他 方の組の弾性部材 122 a、 122 bが前身頃領域の幅方向他端側から開口部 1 20を挟むように股下領域を通り、後身頃領域の幅方向他端側へと延在している。 従って、 スキンコンタクトシ一ト 118の幅方向外側に位置する弾性部材 121 b、 122bは、 スキンコンタクトシート 118の幅方向両側縁に沿って配設さ れるが、 スキンコンタクトシ一ト 118の幅方向内側に位置する弾性部材 121 a、 122 aは、 開口部 120を囲むように湾曲し、 これら一対の弹性部材 12 1 a、 122 aによって開口部 120が囲まれた状態となっている。 この場合、 弾性部材 121 a、 122 bおよび弹性部材 121 b、 122 aを開口部 120 の側緣部でそれぞれ重なり合うか、 または交差するように配置することも可能で あるが、 図示のように重なり合わないように配置することが好ましい。

その理由は、 弹性部材 121 a、 122 bおよび弹性部材 121 b、 122 a が交差すると、 開口部 120周辺の張力が不均一となり、 スキンコンタクトシー ト 118にしわが入り、 着用者に違和感を与える可能性があるからである。 しか も、 弾性部材 121 b、 122 bは、 それぞれスキンコンタクトシート 1 18の 幅方向側緣部を着用者に密着させる働きをするため、 弾性部材 121 a、 122 aが交差するとスキンコンタクトシート 118の密着性力悪くなつてしまう。 この実施形態においては、 着用時にスキンコンタクトシート 1 18が引っ張ら れると、 その幅方向両側縁部に位置する弾性部材 121 b、 122 bが伸長する ため、 開口部 120が幅方向両側に引っ張られると同時に弹性部材 121 a、 1 22 aの伸長方向にも引っ張られ、 先の実施例と同様に、 弾性部材 121 a、 1 22 aで囲まれた開口部 120の変形がその周囲でほぼ均等に働き、 この開口部 120が塞がることなく保持される。

図 12に示した実施例は、 一方の組の弹性部材 121 a、 121 bが前身頃領 域の一方の側縁部から開口部 120を挟むように股下領域を通って前身頃領域の 他方の側縁部にかけて延在し、 他方の組の弾性部材 122 a、 122 bが後身頃 領域の一方の側縁部から開口部 120を挟むように股下領域を通って後身頃領域 の他方の側縁部にかけて延在している。 つまり、 弹性部材 121 b、 122 bが 開口部 120を越えて相互に交差し、 これら弾性部材 121 b、 122 bによつ て開口部 120が囲まれた状態となっている。 弾性部材 121 a、 122 bおよ び弾性部材 121 b、 122 aがそれぞれ重なり合うか、 または交差するように 配置することも可能であるが、 図示のように重なり合わないように配置すること が好ましい。

その理由は、 弾性部材 1 2 1 a、 1 2 2 bおよび弹性部材 1 2 1 b、 1 2 2 a が交差すると、 開口部周辺の張力が不均一となってスキンコンタクトシート 1 1 8にしわが入り、 着用者に違和感を与える可能性があるからである。

本実施形態においても、 着用時にスキンコンタクトシート 1 1 8が引っ張られ た場合、開口部 1 2 0を囲む弹性部材 1 2 1 b、 1 2 2 bが伸長状態に保持され、 先の実施例と同様に、 弾性部材 1 2 1 b、 1 2 2 bで囲まれた開口部 1 2 0の変 形がその周囲でほぼ均等に働き、この開口部 1 2 0が塞がることなく保持される。 図 1 3に示した実施例は、 図 1 1に示した実施例におけるカツトアウト部 1 1 9をなくし、 代わりにスキンコンタクトシート 1 1 8の前身頃領域に台形をなす 第 2の吸収体 1 2 5を配置したものであり、 その前身頃領域から後身頃領域に至 る中央断面形状を図 1 5に示す。 すなわち、 第 2の吸収体 1 2 5をスキンコンタ クトシート 1 1 8の前身頃領域に配置した場合には、 吸収体 1 1 3の厚みを全体 的に薄く設定することが可能であり、 排尿後でもスキンコンタクトシート 1 1 8 を乾いた状態に保つことができる。 本実施例ではライナーシート 1 1 8 Lの裏側 にカバーシー卜 1 1 8 Cで覆われた第 2の吸収体 1 2 5を配置したが、 アツパ一 シート 1 1 8 Uとライナ一シート 1 1 8 Lとの間に第 2の吸収体 1 2 5を配置す ることも可能である。 この第 2の吸収体 1 2 5は、 先の吸収体 1 1 3と同じ構成 のものを採用することも可能であるが、 高分子吸収部材とミクロフイブリル状セ ルロースをプロピレングリコールやメタノールと水の混合溶液に分散した塗工液 をスキンコンタクトシートに直接塗工するか、 あるいはポリエチレン、 ポリプロ ピレン、 ポリエステル、 その他の熱可塑性樹脂を原料とした合成繊維からなる不 織布に塗工して形成したウェブをスキンコンタクトシートに貼り付けたものが好 ましい。

なお、 上述したミクロフイブリル状セルロースは、 木材パルプを高シェア下で 開繊して得られる平均繊維長 0 . 1匪以下の極微細繊維である。

図 1 4に示した実施例もカットアウト部 1 1 9をなくし、 スキンコンタクトシ —ト 1 1 8の前身頃領域に菱形をなす第 2の吸収体 1 2 5を配置したものである が、 図 1 2に示した実施例に対し、 さらに弾性部材 1 2 1 c、 1 2 2 cを追加し たものである。 追加された一方の組の弹性部材 1 2 1 cは、 その屈曲端が他方の 組の弹性部材 1 2 2 aの屈曲端と対向するように配置され、 同様に、 追加された 他方の組の弾性部材 1 2 2 cは、 その屈曲端が一方の組の弾性部材 1 2 1 aの屈 曲端と対向するように配置されている。 開口部 1 2 0は、 弾性部材 1 2 1 a、 1 2 2 bにより囲まれ、 第 2の吸収体 1 2 5は、 弾性部材 1 2 1 b、 1 2 2 aによ り囲まれた状態となっている。

弾性部材 1 2 1 b、 1 2 2 aをこのように配置することにより、 弾性部材 1 2 1 b、 1 2 2 aに囲まれた第 2の吸収体 1 2 5を配置した領域がこれら弹性部材 1 2 1 b , 1 2 2 aの収縮力によって凹んだ窪みを形成し、 この窪みが尿を第 2 の吸収体 1 2 5で吸収するまでの間の尿溜まりとして機能する。

便と尿とが混ざり合わないように、 股下領域における吸収体 1 1 3の形状など に図 1 6〜図 1 8に示すような工夫を加えることも可能であり、 このような本発 明のさらに別な実施例を以下に列挙するが、 上述した実施例と同一機能の部材に はこれと同一符号を記すに止め、 重複する説明は省略するものとする。

すなわち、 図 1 6〜図 1 8に示した実施例は、 何れもおむつ 1 1 0の中央部を その前身頃領域 1 1 O Fから後身頃領域 1 1 O Rに亙って破断した構造をそれぞ れ示したものであり、 図 1 6に示した実施例は、 開口部 1 2 0の直下の股下領域 に開口部 1 2 0よりも前身頃領域に位置する堰部 1 1 3 Dを吸収体 1 1 3の肉厚 を増大することでその幅方向に亙って形成し、 開口部 1 2 0からトップシート 1 1 1上に導かれた便が前身頃領域に移動して尿と混ざったり、 逆に前身頃領域か ら尿が股下領域に移動して便と混ざったりしにくくなるように配慮したものであ る。

また、 図 1 7に示した実施例は、 開口部 1 2 0と対向する股下領域から後身頃 領域にかけての吸収体 1 1 3の表面に便の移動を抑制し得る波形部 1 2 0 Sを形 成する一方、 開口部 1 2 0から波形部 1 2 0 Sに導かれた便が前身頃領域へ移動 するのを阻止する堰 1 2 6を股下領域の幅方向に沿ってトップシート 1 1 1によ り形成し、 この堰 1 2 6の上端部をスキンコンタクトシート 1 1 8に当接するよ うに配置したものである。

図 1 8に示した実施例は、 開口部 1 2 0と対向する股下領域から後身頃領域に かけての吸収体 1 1 3の厚みを薄くしてポケット部 1 2 7を形成し、 開口部 1 2 0からこのボケット部 1 2 7に導かれた便がトップシート 1 1 1上で移動しにく くなるように配慮したものである。

上述したような本発明のおむつの他の形態 （第 2群） によると、 スキンコンタ クトシ一卜の股下領域の部分に設けられた開口部を囲むように、 スキンコンタク トシ一トに伸長状態で伸縮可能な弹性部材を接合したので、 スキンコンタクトシ

—トを着用者に密着させることができる上、 開口部が弹性部材の伸長力によって 広げられた状態に保持され、 排便があった場合には開口部を介して便がスキンコ ン夕クトシートとトップシートとの間に導かれ、 着用者の臀部が汚されず、 結果 としてスキントラブルの発生を抑制することができる。

また、 2本 1組の弾性部材を 2組、 開口部を囲んで交差するようにスキンコン タクトシートにたすき掛け状態で配置した場合や、 少なくとも 2本の弾性部材を おむつの前身頃領域の一方の側縁部から開口部を挟むように股下領域を通つて前 身頃領域の他方の側縁部にかけて延在させると共に少なくとも 2本の弾性部材を おむつの後身頃領域の一方の側縁部から開口部を挟むように股下領域を通つて後 身頃領域の他方の側縁部にかけて延在させた場合には、 開口部の周囲にほぼ均一 な収縮力が作用するため、 これら弾性部材を伸長させた状態では開口部が塞がれ ることなく、 これを確実に開口させることができる。

おむつの前身頃領域となるスキンコンタクトシートの幅方向中央部にカツトァ ゥト部を形成した場合には、 尿をトップシートとバックシー卜との間に配された 吸収体に迅速に吸収させることができる。 この場合、 スキンコンタクトシートを 液不透過性にすることにより、 着用者の臀部を乾燥状態に保つことができる。 おむつの前身頃領域となるスキンコンタクトシートの部分に第 2の吸収体を配 置した場合には、 尿をここに迅速に吸収させて便と混ざらないようにすることが できる。

本発明の吸収体製品の他の形態である第 3群の実施例によるおむつの外観を図 1 9に示し、 その展開形状を図 2 0に示し、 そのバックシ一ト側を展張した状態 および展張していない状態のスキンコンタクトシート側の正面形状をそれぞれ図 2 1および図 2 2に示し、 おむつの前身頃領域から後身頃領域に至る中央断面形 状を図 2 3に示す。 すなわち、 本実施例におけるおむつ 2 1 0は、 着用者の腰周 りを覆う前後一対のサイドフラップ部 2 1 1が形成された液不透過性のバックシ —ト 2 1 2と、 このバックシート 2 1 2に重ね合わされる液透過性のトップシ一 ト 2 1 3と、 これらバックシート 2 1 2とトップシ一卜 2 1 3との間に配置され ておむつ 2 1 0の前身頃領域 2 1 O Fから後身頃領域 2 1 O Rに亙って延在する ほぼ砂時計型輪郭のシート状をなす吸収体 2 1 4とを有し、 全体としてパンツ型 をなすように前後一対のサイドフラップ部 2 1 1の側端緣部が相互に融着されて 接合部 2 1 5を形成し、 これによりおむつ 2 1 0のウェスト周り開口部 2 1 6と 左右一対の脚周り開口部 2 1 7とが同時に形成される。

本実施例におけるおむつ 2 1 0は、 ウェスト周り開口部 2 1 6を構成するバッ クシート 2 1 2およびトップシ一ト 2 1 3の先端部が内側 （トップシ一ト 2 1 3 側） に折り返され、 ウェスト周り開口部 2 1 6に沿って延在する前後一対のスリ ット 2 1 8をこの折り返し部分に形成することにより、 両端部が接合部 2 1 5で 止められた前後一対のエンドフラップ 2 1 9が形成される。 これらエンドフラッ プ 2 1 9およびウェスト周り開口部 2 1 6には、 ウェスト周り開口部 2 1 6に沿 つて伸長状態でトップシート 2 1 3とバックシート 2 1 2との間に保持される伸 縮可能な複数本のエンドフラップ用弹性部材 2 2 0およびウェスト周り弹性部材 2 2 1が配設され、 同様に、 脚周り開口部 2 1 7に沿って伸長状態でトップシ一 ト 2 1 3とバックシート 2 1 2との間に保持される伸縮可能な複数本の脚周り弾 性部材 2 2 2が配設されている。

スキンコンタクトシート 2 2 3は、 トップシート 2 1 3上に配置されておむつ 2 1 0の前身頃領域 2 1 O Fから後身頃領域 2 1 O Rに亙って延在し、 その長手 方向両端部 2 2 3 Eが前後一対のエンドフラップ 2 1 9に接合されている。 スキ ンコンタクトシート 2 2 3の長さは、 展張状態における前後一対のスリット 2 1 8の間隔よりも短く設定されており、 従ってバックシート 2 1 2およびトップシ ート 2 1 3を展張した状態では、 図 2 1に示すようにエンドフラップ 2 1 9が伸 長してスリット 2 1 8が大きく開口した状態となり、 逆にスリット 2 1 8を塞い だ状態にすると、 図 2 2に示すようにバックシート 2 1 2およびトツプシート 2 1 3が弛んだ状態となる。 このように、 スキンコンタクトシート 2 2 3の長さを 展張状態における前後一対のスリット 2 1 8の間隔よりも短く設定することによ り、 おむつ 2 1 0の着用時に肌に密着するスキンコンタクトシート 2 2 3とノ ッ クシ一ト 2 1 2およびトップシ一卜 2 1 3との間に空隙 2 2 4を形成することが できる。

スキンコンタクトシート 2 2 3の股下領域には、 便をスキンコンタクトシート 2 2 3とトップシート 2 1 3との間に形成される空隙 2 2 4からトップシート 2 1 3上に導くための楕円形をなす開口部 2 2 9が形成されており、 スキンコンタ クトシート 2 2 3の股下領域から後身頃領域に亙って液不透過性にすることによ り、 便と尿とが混ざり合ったとしても、 これらと着用者の臀部とがスキンコン夕 クトシ一ト 2 2 3によって仕切られているため、 着用者の臀部を清浄に保つこと ができる。

つまり、 尿はスキンコンタクトシ一ト 2 2 3を透過してトップシート 2 1 3と バックシート 2 1 2との間に保持された吸収体 2 1 4に吸収される。 また、 便は スキンコンタクトシ一ト 2 2 3の股下領域に形成された開口部 2 2 9からスキン コンタクトシート 2 2 3とトップシート 2 1 3との間の空隙 2 2 4に導かれ、 ト ップシ一ト 2 1 3上に保持される。 このため、 尿と便とが混ざり合うのを防止し ておむつかぶれを抑制することができる。

スキンコンタクトシート 2 2 3のみを抽出して図 2 4に示す。 スキンコンタク トシート 2 2 3には、 その長手方向に沿って延在する第 2の吸収体 2 2 5を所与 の間隔で縞状に形成することも可能であり、 これによつて肌触りのドライ感を良 好にすることができる。 この第 2の吸収体 2 2 5は、 S A Pとミクロフイブリル 状セルロースとの混合物を含み、 スキンコンタクトシート 2 2 3に塗工形成する ことによって、 その厚みを薄くし、 着用時の違和感を緩和することができる。 上述した実施例では、 エンドフラップ 2 1 9をウェスト周り開口部 2 1 6の全 域に亙って形成したが、 スキンコンタクトシート 2 2 3の長手方向両端部 2 2 3 Eの幅と同程度の幅を有していればよく、 また前身頃領域および後身頃領域にお けるウェスト周り開口部 2 1 6近傍以外の領域にも弾性部材を配設することがで きる。 ，

このような本発明によるおむつの他の実施例において、 その展開状態における バックシート側を展張していない状態のスキンコンタクトシ一卜 2 2 3側の正面 形状を図 2 5に示すが、 先の実施例と同一機能の部材にはこれと同一符号を記す に止め、 重複する説明は省略するものとする。 すなわち、 本実施例においては前 身頃領域および後身頃領域におけるウェスト周り開口部 2 1 6と脚周り開口部 2 1 7との間のサイドフラップ部 2 1 1を含む領域には、 吸収体 2 1 4に隣接して 複数本の弹性部材 2 3 2がウェスト周り開口部 2 1 6に沿って伸長状態で配設さ れている。 また、 脚周り弾性部材 2 2 2は、 これら弾性部材 2 3 2と直交するよ うに、 その長手方向両端部が前身頃領域の弾性部材 2 3 2と後身頃領域にある弹 性部材 2 3 2とに近接状態で配設されている。

エンドフラップ 2 1 9は、 おむつ 2 1 0の幅方向中央部分にのみ配設され、 ス リット 2 1 8がウェスト周り開口部 2 1 6に沿って形成されている。 そして、 こ のスリット 2 1 8よりもそのウェスト周り開口部 2 1 6側がトップシ一ト 2 1 3 に一体的に接合され、 自由状態にある股下領域側に複数本のェンドフラップ用弹 性部材 2 2 0が伸長状態で @H設されている。 スキンコンタクトシ一ト 2 2 3はそ の長手方向両端部 2 2 3 Eがスリット 2 1 8よりも股下領域側のェンドフラップ 2 1 9の部分に一体的に接合されている。 本実施例においても、 スキンコンタク トシート 2 2 3の長さは、 おむつ 2 1 0の展張状態における前後一対のスリット 2 1 8の間隔よりも短く設定されており、 これによつておむつ 2 1 0の着用時に スキンコンタクトシート 2 2 3を着用者の肌に密着させることができる。

上述した実施例では、 スキンコンタクトシ一ト 2 2 3の少なくとも前身頃領域 を液透過性とすることにより、 尿がスキンコンタクトシ一ト 2 2 3を透過してト ップシート 2 1 3から吸収体 2 1 4に吸収されるようにしたが、 スキンコンタク トシ一ト 2 2 3の前身頃領域の幅方向中央部にカツトアウト部を形成することに より、 スキンコンタクトシート 2 2 3を介さずに尿を直接トップシート 2 1 3か ら吸収体 2 1 4に吸収させることも可能である。

このような本発明によるおむつの他の実施例の外観を図 2 6に展開状態で示す

·Λ ? ifc 生 ·¾ΛΓιΙ Μ¾·^3 ώΙ?*+ ί. ί.·+ — き; 3チ ί. §Η Eを伸縮可能なエンドフラップ 2 1 9に接合するようにした。 しかしながら、 お むつ 2 1 0の内側と外側とに貫通するスリツトをウェスト周り開口部 2 1 6に沿 つて形成し、 このスリットよりもウェスト周り開口部の直近側にスキンコン夕ク トシート 2 2 3の長手方向両端部 2 2 3 Eを接合するようにしてもよい。

このような本発明によるおむつの別な実施例の外観を図 2 7に展開状態で示す が、 先の実施例と同一機能の部材にはこれと同一符号を記すに止め、 重複する説 明は省略するものとする。 すなわち、 本実施例におけるバックシート 2 1 2は、 その長手方向両端部がトップシ一ト 2 1 3側に折り返され、 トップシート 2 1 3 と一体的に接合される折り返し部 2 2 7を形成しており、 この折り返し部 2 2 7 にはウェスト周り開口部 2 1 6に沿つて延在する前後一対のスリット 2 2 8が形 成されている。 本実施例におけるスリット 2 2 8は、 おむつ 2 1 0の内側から外 側まで貫通し、 従ってウェスト周り開口部 2 1 6はおむつ 2 1 0の前身頃領域お よび後身頃領域がテープ状となり、 本実施例ではこの部分にスキンコンタクトシ ート 2 2 3の長手方向両端部 2 2 3 E力 S接合される。 ウェスト周り弹性部材 2 2 1は、 スリット 2 2 8を挟んで折り返し部 2 2 7の全域に配設されており、 本実 施例においてもスキンコンタクトシート 2 2 3の長手方向両端部 2 2 3 Eが接合 される部分の前後の折り返し部 2 2 7間の距離は、 スキンコンタクトシート 2 2 3の長さよりも長く設定されている。

なお、 本実施例におけるスキンコンタクトシート 2 2 3の前身頃領域には、 第 2の吸収体 2 2 5が配設され、 さらに後身頃領域がネット状に形成されてこれが 本発明の開口部を構成している。

従って、 おむつ 2 1 0の着用時には、 スキンコンタクトシート 2 2 3に引っ張 られてウェスト周り開口部 2 1 6のテープ状となった部分が伸長し、 スキンコン 夕クトシート 2 2 3とバックシート 2 1 2およびトップシート 2 1 3との間に空 隙が形成されるのは、 先の実施例と同じであり、 便はネット状をなすスキンコン タクトシ一卜 2 2 3の後身頃領域を通過してトップシ一ト 2 1 3上に保持される。 上述したスキンコンタクトシ一ト 2 2 3に代え、 図 2 4に示したスキンコンタ クトシート 2 2 3を図 2 8の実施例に示すように配設することも可能である。 こ の場合には、 尿がスキンコンタクトシート 2 2 3の第 2の吸収体 2 2 5に保持さ れると共に便が開口部 2 2 9を通ってトップシート 2 1 3上に保持されるため、 尿と便とをさらに混ざり合いにくくすることができる。

また、 図 2 9に示すように、 スキンコンタクトシート 2 2 3の股下領域から後 身領域に亙ってその幅方向中央部をカツ卜アウトして開口部を形成することも可 能である。 本実施例では、 テープ状となるスキンコンタクトシート 2 2 3の後身 頃領域に伸縮可能な弾性部材 2 3 1を伸長状態で配設することにより、 着用時に おいてスキンコンタクトシ一ト 2 2 3が確実に着用者の肌に密着するように配慮 している。

このように、 スキンコンタクトシート 2 2 3の構成は、 必要に応じて任意に変 更可能である。 また、 上述した図 2 8、 図 2 9において、 先の実施例と同一機能 の部分にはこれと同一符号を記してある。

本発明によるおむつのさらに他の実施例の外観を図 3 0に展開状態で示し、 そ のパックシート側を展張した状態および展張していない状態のスキンコンタクト シート 2 2 3側の正面形状をそれぞれ図 3 1および図 3 2に示し、 おむつの前身 頃領域から後身頃領域に至る中央断面形状を図 3 3に示すが、 先の実施例と同一 機能の部材にはこれと同一符号を記すに止め、 重複する説明は省略するものとす る。

すなわち、 本実施例ではバックシート 2 1 2とトツプシ一ト 2 1 3とで挟まれ たウェスト周り弾性部材 2 2 1をおむつ 2 1 0の内側と外側と達するスリット 2 2 8によって分断し、 おむつ 2 1 0の前身頃領域および後身頃領域がテープ状と なったウェスト周り開口部 2 1 6にスキンコンタクトシ一ト 2 2 3の長手方向両 端部 2 2 3 Eを接合したものである。

従って、 図 2 7〜図 2 9に示した実施例と同様に、 着用時にはスキンコンタク トシート 2 2 3に引っ張られてウェスト周り開口部 2 1 6のテープ状となった部 分が伸長し、 スキンコンタクトシ一ト 2 2 3とバックシート 2 1 2およびトップ シート 2 1 3との間に空隙 2 2 4が形成される。

上述した実施例では、 エンドフラップ用弾性部材 2 2 0やウェスト周り弹性部 材 2 2 1を利用して着用時におけるエンドフラップ 2 1 9やテープ状をなすゥェ スト周り開口部 2 1 6を伸長させるようにしたが、 それ自体伸長する伸縮シート をエンドフラップとして利用することも可能である。

このような本発明によるおむつのさらに別な実施例の外観を図 3 4に展開状態 で示すが、 先の実施例と同一機能の部材にはこれと同一符号を記すに止め、 重複 する説明は省略するものとする。 すなわち、 本実施例におけるエンドフラップ 2 1 9は、 それ自体伸縮弹性を有する伸縮シートを用いており、 ウェスト周り開口 部 2 1 6に沿って配設され、 その両端部が接合部 2 1 5に対して一体的に接合さ れている。 本実施例においても、 スキンコンタクトシート 2 2 3の長手方向両端 部 2 2 3 Eが接合されるエンドフラップ 2 1 9の部分の前後の距離は、 スキンコ ンタクトシート 2 2 3の長さよりも長く設定されている。

従って、 着用時にはエンドフラップ 2 1 9がスキンコンタクトシ一ト 2 2 3に 引っ張られて内側に弾性変位し、 スキンコンタクトシート 2 2 3とバックシ一ト 2 1 2およびトップシ一ト 2 1 3との間に空隙が形成される。

なお、本実施例においてエンドフラップ 2 1 9として用いられる伸縮シートは、 伸縮弾性を有する不織布などの他に、 天然ゴム製のリポン状の平ゴム、 ウレタン 糸、 糸ゴム、 伸縮性ネット、 伸縮性フィルムなどを不織布で挟持し、 ホットメル ト接着剤やヒートシールなどの手段で固定したものを用いることも可能である。 伸縮シートがスキンコンタクトシート 2 2 3の長手方向に沿って伸長し得るも のであれば、 これをウェスト周り開口部 2 1 6の開口端に沿って接合することも 可能であり、 このような本発明によるおむつのさらに別な実施例の外観を図 3 5 に展開状態で示すが、 先の実施例と同一機能の部材にはこれと同一符号を記すに 止め、 重複する説明は省略するものとする。 すなわち、 スキンコンタクトシート 2 2 3の長手方向両端部 2 2 3 Eが接合される前後一対のェンドフラップ 2 1 9 は、 縦伸びおよび横伸びが可能な伸縮シートを使用してウェスト周り開口部 2 1 6に沿って配置され、 ウェスト周り開口部 2 1 6の開口端側がトップシート 2 1 3側に一体的に接合されている。 さらに、 この接合部分にはバックシート 2 1 2 が折り返され、 ウェスト周り弾性部材 2 2 1が挟み込まれた状態となっている。 従って、 おむつ 2 1 0の着用時にはスキンコンタクトシート 2 2 3に引っ張られ てエンドフラップ 2 1 9が伸長し、 着用者の肌にスキンコンタクトシート 2 2 3 が密着状態となる。

上述した実施例では、 スキンコンタクトシ一ト 2 2 3の股下領域に楕円形の開 口部 2 2 9を形成したが、 開口部 2 2 9の形状は適宜変更可能であり、 図 3 6に 示すような形状のカットアウト部 2 3 0であってもよい。 図 3 6は、 本発明によ るスキンコンタクトシ一ト 2 2 3の他の実施例の外観を表し、 上述した第 2の吸 収体 2 2 5がスキンコンタクトシート 2 2 3の長手方向に沿ってカツトァゥト部 2 3 0を挟んでほぼ平行に塗布されている。 開口部 2 2 9に代えてカツトアウト 部 2 3 0を形成した場合には、 このカツトァゥト部 2 3 0からスキンコンタクト シート 2 2 3とトップシート 2 1 3との間の空隙に導かれる便の逆流を先の実施 例よりも抑制することが可能であり、 着用者の臀部をより清浄に保つことができ る。

上述したカツトァゥト部 2 3 0を図 3 7に示すようにその後身頃領域の全体に 亙ってその長手方向一端部 2 2 3 Eまで延在させ、 これらの間隔を拡げて Y字状 にトップシート 2 1 3側に配設するようにしてもよい。 便はこのカットアウト部 2 3 0を通ってトップシート 2 1 3上に導くことができる。

本発明のさらに別の形態 （第 3群） によると、 少なくとも一方のウェスト周り 開口部に沿って吸収体側に伸縮性帯部材を形成すると共に吸収体面上にスキンコ ンタクトシートを配置し、 伸縮性帯部材とスキンコンタクトシートの長手方向端 部とを接合してスキンコンタクトシートに伸縮性を付与したので、 このおむつを 着用した場合、 スキンコンタクトシートによって引っ張られる伸縮性帯部材の収 縮力により、 スキンコンタクトシ一トを常に着用者の肌に密着した状態に保持す ることができる。

吸収体とスキンコンタクトシートとの間に液透過性のトップシ一トを配置した 場合には、 尿が吸収体に吸収され易くなり、 また、 仮に着用者の肌がトップシー トに触れることがあっても、 濡れた吸収体に直接触れることを防止することが可 能となる。

ウェスト周り開口部に沿って配置され、 その両端部が吸収体側に接合されたゥ エスト周り開口部に沿って伸縮性を有するェンドフラップによって伸縮性帯部材 を形成し、 このエンドフラップをウェスト周り開口部に沿って前後一対配置し、 スキンコンタクトシートの長手方向両端部を一対のエンドフラップに接合し、 少 なくともその前身頃領域を液透過性とし、 その股下領域に開口部を形成し、 一対 のエンドフラップ間に位置するスキンコンタクトシ一トの長さ寸法を一対のェン ドフラップ間の伸展寸法よりも短く設定した場合には、 スキンコンタクトシート によって引っ張られるエンドフラップの収縮力により、 スキンコンタクトシート を着用者に密着状態で当接し、 バックシー卜との間に空隙を形成することができ る。 また、 便が開口部を通ってバックシート上に導かれ、 スキンコンタクトシー トを介して着用者の臀部と便とを隔離することができ、排泄後に着用者の動きや、 便の流動性によりバックシート上で便の付着範囲が広がった場合でも、 着用者の 臀部を汚しにくくなり、 結果的にスキントラブルが発生しにくいおむつを提供す ることができる。

スキンコンタクトシートの開口部がカツトァゥト部の場合、 このカットアウト 部からバックシート上に導かれた便の逆流が抑制される結果、 着用者の臀部をよ り清浄に保つことができる。

ウェス卜周り開口部に沿って配置され、 その両端部が吸収体側に接合されたゥ ェスト周り開口部に沿つて伸縮性を有するェンドフラップにより伸縮性帯部材を 形成し、 このエンドフラップをウェスト周り開口部に沿って前後一対配置し、 ス キンコンタクトシ一卜の長手方向両端部を一対のエンドフラップに接合し、 その 前身頃領域の幅方向中央部にカツトァゥト部を形成すると共にその股下領域に開 口部を形成し、 一対のエンドフラップ間に位置するスキンコンタクトシートの長 さ寸法を一対のエンドフラップ間の伸展寸法よりも短く設定した場合には、 スキ ンコンタクトシートによって引っ張られるエンドフラップの収縮力により、 スキ ンコンタクトシートを着用者に密着状態で当接し、 バックシートとの間に空隙を 形成することができる。 また、 尿がスキンコンタクトシートのカットアウト部か ら吸収体に迅速に吸収され、 便がスキンコンタクトシートに形成された開口部か らバックシート上に保持される結果、 これらの混ざり合いを阻止することができ る。

少なくともバックシートを吸収体側に折り返すことによって、 エンドフラップ を形成した場合には、 バックシートと同じ素材をエンドフラップとして使用する ことができるため、 エンドフラップとして高価な弾性シートを使用する必要がな くなり、 おむつの製造コストを抑制することができる。

エンドフラップがウェスト周り開口部に沿って伸長状態で配設される伸縮弾性 部材を有する場合には、 伸縮弾性部材として任意の素材をその要求に応じて使用 することが可能であり、 これにより着用者の肌に対するスキンコンタクトシート の当接強度を自由に設計することができる。 ウェスト周り開口部に沿って前後一対のスリットを形成し、 このスリッ卜に沿 つて当該スリットを挟んで伸縮弾性部材を伸長状態で配設して伸縮性帯部材を形 成し、 スキンコンタクトシ一卜の長手方向両端部を一対のスリットの近傍に接合 し、少なくともその前身頃領域を液透過性とし、その股下領域に開口部を形成し、 一対のスリツト間に位置するスキンコンタクトシートの長さ寸法を一対のスリツ ト間の伸展寸法よりも短く設定した場合には、 スキンコンタクトシートによって 引っ張られる伸縮性帯部材の収縮力により、 スキンコンタクトシートを着用者に 密着状態で当接し、 バックシートとの間に空隙を形成することができる。 また、 尿が液透過性を有するスキンコンタクトシー卜の前身頃領域から吸収体に吸収さ れ、 便がスキンコンタクトシートに形成された開口部からバックシート上に保持 される結果、 これらの混ざり合いを阻止することができる。

ウェスト周り開口部に沿って前後一対のスリットを形成し、 このスリットに沿 つて当該スリットを挟んで伸縮弹性部材を伸長状態で配設して伸縮性帯部材を形 成し、 スキンコンタクトシートの長手方向両端部を一対のスリツトの近傍に接合 し、 その前身頃領域の幅方向中央部にカットアウト部を形成すると共にその股下 領域に開口部を形成し、 一対のスリツト間に位置するスキンコンタクトシートの 長さ寸法を一対のスリツト間の伸展寸法よりも短く設定した場合には、 スキンコ ンタクトシ一卜によって引っ張られる伸縮性帯部材の収縮力により、 スキンコン タクトシートを着用者に密着状態で当接し、 バックシートとの間に空隙を形成す ることができる。 また、 尿がスキンコンタクトシートのカットアウト部から吸収 体に吸収され、 便がスキンコンタクトシートに形成された開口部からバックシー ト上に保持される結果、 これらの混ざり合いを阻止することができる。

スキンコンタクトシートの長手方向両端部のうちの少なくとも一方を、 スリッ トよりもウェスト周り開口部の開口端側、 またはスリットよりも股下領域側に接 合した場合には、 スリットを形成していない伸縮性帯部材と比較して伸縮性が改 善されるため、 着用者の動きに対するスキンコンタクトシ一卜の追従性を向上さ せることができる。

ウェスト周り開口部に沿って吸収体に隣接する伸縮弹性部材をバックシートの 前身頃領域および後身頃領域の少なくとも一部に伸長状態で配設した場合には、 吸収体を不必要に変形させることなく、 着用者のウェスト周りに対するおむつの フィット性を高めることができる。

スキンコンタクトシ一トに第 2の吸収体を配した場合、 特に第 2の吸収体が高 分子吸収部材とミクロフイブリル状セルロースとの混合物を含み、 スキンコン夕 クトシートに塗工形成した場合には、 着用者の肌に触れるスキンコンタクトシー トが濡れてもそのドライ感を保つことができる上、 第 2の吸収体の厚みを薄くす ることが可能であり、 着用時の違和感を少なくすることができる。

また、 尿がスキンコンタクトシ一トのカットァゥト部からトップシートを通って 吸収体に迅速に吸収され、 便がスキンコンタクトシートに保持される結果、 これ らの混ざり合いを阻止することができる。 産業上の利用可能性

本発明によれば、 少なくとも一つの開口部を有するスキンコンタクトシートを 用いてその開口の分布状態、 弾性体の配置等の工夫によりおむつかぶれなどのス キントラブルのなレ吸収体製品を提供することができる。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . 液不透過性のバックシートと、 このバックシート上に重ね合わされた吸収 体と、 から構成される、 着用状態で着用者の前側に位置する前身頃部分から、 後 側に位置する後身頃部分にかけて延びる部分を持つ吸収体製品において、 前記吸収体製品には、 前記着用者の皮膚に接触する最上層となるスキンコン夕 クトシ一卜が配置されており、

前記スキンコンタクトシ一トは、 前記着用者からの排泄物の通過を許容する少 なくとも 1つの開口を有し、

かつ前記吸収体製品と前記スキンコンタクトシートは、 前記吸収体製品の前後 方向両端部では接合され、 前記両端部以外の部位では両者間に空隙を形成するこ とができるように非接触状態に保たれている、

ことを特徴とする吸収体製品。

2. 前記吸収体製品には、 前記吸収体を覆って、 前記スキンコンタクトシート との間に配置された、液透過性のトップシ一トが設けられ、このトップシートは、 前記吸収体製品の前後方向両端部では前記スキンコンタクトシ一卜と接触接合状 態にあり、 前記両端部以外の部位では両者間に空隙を形成することができるよう に非接触状態に保たれている、 請求項 1に記載の吸収体製品。

3 . 前記スキンコンタクトシートは、 前記吸収体製品の着用状態において前記 吸収体製品の少なくとも股下領域から後身頃領域に亘る部分に配置されている請 求項 1または 2に記載の吸収体製品。

4. 前記スキンコンタクトシートは、 前記吸収体製品の着用状態において前記 吸収体製品の前身頃領域から後身頃領域に亘る部分に配置され、 かつ前記前身頃 領域の横幅方向の中央部にカツトアウト部を有している請求項 1または 2に記載 の吸収体製品。

5 . 前記スキンコンタクトシートが網体である請求項 1から 4の何れかに記載 の吸収体製品。

6 . 前記スキンコンタクトシートが発泡樹脂で構成されている請求項 1から 5 の何れかに記載の吸収体製品。

7 . 前記スキンコンタクトシートが弾性部材で構成されている請求項 1から 6 の何れかに記載の吸収体製品。

8 . 前記吸収体は、 少なくとも前記前身頃領域に配置されている請求項 1から 7の何れかに記載の吸収体製品。

9 . 前記吸収体製品は、 前記スキンコンタクトシートに形成された開口部を囲 むように、 前記スキンコンタクトシ一トに伸長状態で接合された弾性部材をさら に具えている請求項 1力ら 8の何れかに記載の吸収体製品。

1 0 . 前記吸収体製品は、 前記スキンコンタクトシ一卜に形成された開口部を 囲むように、 前記スキンコンタクトシートに伸長状態で接合された少なくとも 4 本の弾性部材をさらに具え、 前記弾性部材は、 それぞれ前記吸収体製品の前記前 身頃領域から前記後身頃領域にかけて延在し、 前記開口部の近傍を通過するよう に配置されている請求項 1から 8の何れかに記載の吸収体製品。

1 1 . 前記吸収体製品は、 前記スキンコンタクトシートの前記開口部を囲んで 交差するように、 前記スキンコンタクトシ一トにたすき掛けの形態で配置されて いる弹性部材をさらに具えている請求項 1力、ら 8の何れかに記載の吸収体製品。

1 2 . 前記吸収体製品の前記前身頃領域の一方の側縁部から前記スキンコンタ クトシートの前記開口部の両側縁を通って前記後身頃領域の一方の側縁部に達す るように延びる少なくとも 2本の弾性部材と、

前記吸収体製品の前記前身頃領域の他方の側縁部から前記スキンコンタクトシ ―卜の前記開口部の両側縁を通って前記後身頃領域の他方の側縁部に達するよう に延びる少なくとも 2本の弹性部材とをさらに具えている請求項 1から 8の何れ かに記載の吸収体製品。

1 3 . 前記吸収体製品の前記前身頃領域の一方の側縁部から前記開口部の両側 緣および前記股下領域を通つて前身頃領域の他方の側縁部に亘って延在する少な くとも 2本の弾性部材と、

前記吸収体製品の前記後身頃領域の一方の側緣部から前記開口部の両側縁およ び前記股下領域を通って前記後身頃領域の他方の側緣部に亘って延在する少なく とも 2本の弾性部材とをさらに具えている請求項 1力 ら 8の何れかに記載の吸収 体製品。

1 4. 前記弾性部材は、 前記開口部の相対向する緣部が互いに接近する方向に ほぼ均等に張力が作用するように配置されている請求項 1 0から 1 3の何れかに 記載の吸収体製品。

1 5 . 前記前身頃領域に対応する部分において、 前記スキンコンタクトシート の横幅方向の中央部にカツトアウト部が形成されている請求項 1から請求項 1 4 の何れかに記載の吸収体製品。

1 6 . 前記スキンコンタクトシー卜が液不透過性部分を含む請求項 1 5に記載 の吸収体製品。

1 7 . 前記前身頃領域に対応する部分において、 前記スキンコンタクトシ一ト に第 2の吸収体が配置されている請求項 1〜 1 5の何れかに記載の吸収体製品。

1 8 . 前記バックシートは、 前記着用者の腰周りを覆う前後一対のサイドフラ ップを形成し、

かつ、 各サイドフラップの各々の端縁部を相互に接合または重ね合わせること によって、 ウェスト周り開口部と一対の脚周り開口部とを形成し、

さらに前記吸収体製品は、 前記着用者のウェストを囲む伸縮性帯部材をさらに 具え、 前記スキンコンタクトシ一トがその前後方向端部で前記伸縮性帯部材と連 結され、 これにより前記スキンコンタクトシートが前記着用者の身体に対して適 当範囲内で弹性的に変位可能となされている請求項 1から 1 7の何れかに記載の 吸収体製品。

1 9 . 前記伸縮性帯部材は、 伸縮性を有する前および後ェンドフラップから構 成されており、

前記スキンコンタクトシートは、 その前後方向の両端部でそれぞれ前記エンド フラップの各々に接合され、

前記エンドフラップ間における前記スキンコンタクトシートの前後方向の寸法 は、 前記エンドフラップ間の伸展寸法よりも短く設定されている請求項 1 8に記 載の吸収体製品。

2 0 . 前記スキンコンタクトシ一トの開口部がカツトァゥト部である請求項 1 8または 1 9に記載の吸収体製品。

2 1 . 前記スキンコンタクトシートは、 その前身頃領域の横幅方向中央部に形 成されたカツトァゥト部と、 その股下領域に形成された開口部とを有している請 求項 1 9または 2 0に記載の吸収体製品。

2 2 . 前記ェンドフラップは、 前記バックシ一トを前記吸収体側に折り返すこ とにより形成されている請求項 1 9から 2 1の何れかに記載の吸収体製品。

2 3 . 前記エンドフラップには、 前記ウェスト周り開口部に沿って配置され、 着用状態で伸長された状態となるような長さを有する伸縮弹性部材が設けられて いる請求項 2 2に記載の吸収体製品。

2 4. 前記伸縮性帯部材は、 前記ウェスト周り開口部に沿って形成された前後 一対のスリットと、 各スリットを挾んで対向する位置に、 着用状態では伸長状態 となるように取り付けられた弾性部材を具え、

前記スキンコンタクトシートは、 その前後方向両端部が前記一対のスリツ卜の 近傍において前記伸縮性弾性帯部材にそれぞれ接合され、

前記一対のスリツト間に位置する前記スキンコンタクトシ一トの前後方向の寸 法は、 前記一対のスリット間の伸展寸法よりも短く設定されている請求項 1 8か ら 2 3の何れかに記載の吸収体製品。

2 5 . 前記スキンコンタクトシ一卜の開口部がカツトアウト部である請求項 1 8から 2 4の何れかに記載の吸収体製品。

2 6 . 前記スキンコンタクトシートは、 その前後方向両端部が前記一対のスリ ット各々の近傍において前記弾性帯部材に接合され、

前記スキンコンタクトシートの前身頃領域の横幅方向中央部にカツトアウト部 が形成されていると共に、 その股下領域に開口部が形成されており、

前記一対のスリット間に位置する前記スキンコンタクトシ一トの前後寸法は、 前記一対のスリツト間の伸展寸法よりも短く設定されている請求項 1 8から 2 5 の何れかに記載の吸収体製品。

2 7 . 前記スキンコンタクトシートの前後方向両端部のうちの少なくとも一方 が、 前記スリットの、 前記ウェスト周り開口部の開口端に近い側、 または前記ス リットよりも股下領域に近い側で前記弾性帯部材に接合されている請求項 1 8か ら 2 6の何れかに記載の吸収体製品。

2 8 . 前記バックシートの前身頃領域および後身頃領域の少なくとも一部にお いて、 前記吸収体に隣接する位置に、 前記ウェスト周り開口部に沿って延びるよ うに、 着用状態で伸長状態となる長さの伸縮弾性部材が取り付けられている請求 項 1 8から 2 7の何れかに記載の吸収体製品。

2 9 . 前記スキンコンタクトシ一卜には、 第 2の吸収体が取り付けられている 請求項 1 8から請求項 2 8の何れかに記載の吸収体製品。

3 0 . 前記第 2の吸収体は、 前記スキンコンタクトシートに塗工され、 かつ、 高分子吸収部材とミクロフイブリル状セルロースとの混合物からなる請求項 2 9 に記載の吸収体製品。