JP2021112270A - パンツタイプ使い捨ておむつ - Google Patents

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Abstract

【課題】弾性伸縮部材の端部の引き込みを抑止するとともに、サイドシール部の接着力の低下を防止したパンツタイプ使い捨ておむつを提供すること。【解決手段】上記課題は、前身頃F及び後身頃Bを形成する外装体20を備え、前記前身頃Fにおける前記外装体20の両側部と前記後身頃Bにおける前記外装体20の両側部とがそれぞれ接合されてサイドシール部21が形成されることにより、ウエスト開口部及び左右一対のレッグ開口部が形成されており、前記外装体20における前身頃F及び後身頃Bの少なくとも一方には、一方のサイドシール部21から他方のサイドシール部21まで湾曲しながら延在する湾曲弾性部材26、28が接着剤により接着されており、前記サイドシール部21において、前記湾曲弾性部材26、28が配置された領域B3に塗布された前記接着剤の量が、前記湾曲弾性部材26、28が配置されている領域から離れた領域B4に塗布された接着剤の量よりも多い、パンツタイプ使い捨ておむつにより解決される。【選択図】図10

Description

本発明は、サイドシール部の接着力の低下を抑えたパンツタイプ使い捨ておむつに関する。
パンツタイプ使い捨ておむつは、前身頃及び後身頃を有する外装体と、この外装体の内面に固定された、吸収体を含む内装体とを備え、前記外装体の前身頃と後身頃とが両側部において接合されてサイドシール部が形成されることにより、ウエスト開口部及び左右一対のレッグ開口部が形成されているものである。
パンツタイプ使い捨ておむつの着用者が大量に排尿した場合、吸収体が尿を吸収して吸収体の重量が増加するため、おむつの股間部が下方に垂れ下がる。その結果、着用者の肌とおむつの間に隙間が生じて、尿漏れの生じるおそれがある。このように、排尿後におむつのフィット性が低下してしまうことを防ぐため、足回りに湾曲弾性部材を配置したおむつが製造、販売されている。この湾曲弾性部材を用いておむつの股間部を引き上げることで尿漏れの発生を抑えている。
おむつの製造工程において、湾曲弾性部材自体に接着剤を直接塗布することは困難である。例えば、湾曲弾性部材は位置決めガイドを通過し、その位置決めガイドがライン方向と直交する方向に往復移動することによって湾曲形状となる。そのため、湾曲弾性部材に接着剤を直接塗布した場合、位置決めガイドが往復移動する際に、接着剤がラインに飛散してしまうリスクがあるからである。そのため、例えば、外装体の基になる2枚の布状のシートのうち、下側のシートの上面に接着剤を塗布した後、その塗布した接着剤の上に湾曲弾性部材を載置し、さらにその上に上側のシートを被せ、上下のシートの間に湾曲弾性部材を挟み込んだ状態で、それを上下からロールで押圧してホットメルト接着する方法が採られている。このようにして2枚のシートの間に湾曲弾性部材を接着した後、2枚の布状のシートを横断方向(シートの流れ方向と直交する方向)に所定の間隔で切断することによって、個々のおむつの原型が出来上がる。このシートの切断に伴って湾曲弾性部材も同時に切断されることになるが、一般的に湾曲弾性部材の直径が細いことに起因して、湾曲弾性部材と前記シートの接地面積が少なく接着が強くないため、湾曲弾性部材の端部がおむつの幅方向内側へ向かって引き込まれやすいという問題があった。湾曲弾性部材の引き込みが生じると、おむつの幅方向端部に収縮力が働きにくくなるため、幅方向端部におけるおむつのフィット性が低下してしまう。
なお、本発明に関連する先行技術文献としては、下記の特許文献1が挙げられる。この特許文献1には、レッグギャザー形成用のレッグ部弾性部材を伸長状態で配した吸収性物品が開示されている。レッグ部弾性部材は股下部で切断されており、吸収体が存在する部位において弾性伸縮性が発現しないようになっている。そして、その弾性伸縮性を発現しない部分を有するレッグ部弾性部材の所定の部位が、第2固定手段により吸収性物品の構成材に固定されている。
特開2002−035030号公報
前述の問題を解決するために、湾曲弾性部材の端部に別の接着剤を塗布して、湾曲弾性部材の接着強度を高める方法が考えられる。しかし、通常の場合、湾曲弾性部材の端部はサイドシール部に位置するため、湾曲弾性部材の端部に別の接着剤を塗布した場合、サイドシール部分に塗布される接着剤の量が増えることになる。このサイドシール部の接着は、前述の弾性伸縮部材とは異なる接着方法、例えば超音波接着によって行われることが多い。このとき、超音波接着を行う際に両シートの間に接着剤が多く塗布されていると、超音波が伝わりづらくなり、サイドシール部の接着強度が低下しやすいという問題がある。また、サイドシール部を超音波接着する際に、上下のシートの間に不純物が挟まれていない方が、シール強度が高いという傾向がある。湾曲弾性部材の接着剤も前述の不純物に含まれるため、サイドシール部の接着強度を高めることを考慮すると、サイドシール部の接着剤の量をできるだけ少なくした方が良いという問題がある。また、サイドシール部の接着剤の量が多いと、サイドシール部に位置するシートの外表面から接着剤が染み出し、製造装置におけるシートの運搬に用いるコンベア等に付着してしまうおそれがある。さらに、サイドシール部の接着剤の量が多いことにより、サイドシール部分のシートの柔らかさが失われるため、当該部分が着用者の肌に接したときに不快感を覚えやすいという問題もある。
そこで本発明の主たる課題は、弾性伸縮部材の端部の引き込みを抑止しつつ、かつ、サイドシール部の接着力の低下を防止したパンツタイプ使い捨ておむつを提供することにある。
この課題を解決するための態様は、次の通りである。
<第1の態様>
前身頃及び後身頃を形成する外装体を備え、
前記前身頃における前記外装体の両側部と前記後身頃における前記外装体の両側部とがそれぞれ接合されてサイドシール部が形成されることにより、ウエスト開口部及び左右一対のレッグ開口部が形成されており、
前記外装体における前身頃及び後身頃の少なくとも一方には、一方のサイドシール部から他方のサイドシール部まで湾曲しながら延在する湾曲弾性部材が接着剤により接着されており、
前記サイドシール部において、
前記湾曲弾性部材が配置された領域に塗布された前記接着剤の量が、前記湾曲弾性部材が配置されている領域から離れた領域に塗布された前記接着剤の量よりも多い、
ことを特徴とするパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
第1の態様のパンツタイプ使い捨ておむつは、サイドシール部において、湾曲弾性部材が配置された領域に塗布された接着剤の量が、湾曲弾性部材が配置されている領域から離れた領域に塗布された接着剤の量よりも多いことを特徴とする。
サイドシール部のうちの湾曲弾性部材が配置された領域に塗布する接着剤の量を多くすることによって、湾曲弾性部材の端部と外装体の接着が従来品よりも強固になる。その結果、湾曲弾性部材の端部がおむつの幅方向内側へ向かって引き込まれることを従来品よりも抑制することができる。
また、第1の態様のパンツタイプ使い捨ておむつは、サイドシール部のうちの湾曲弾性部材が配置されている領域から離れた領域に塗布する接着剤の量を少なくしたことも特徴とする。前述のように、サイドシール部に塗布される接着剤の量が多いと、サイドシール部の接着力が低下してしまう問題があるため、本態様ではサイドシール部のうち、湾曲弾性部材が配置されている領域から離間した領域に塗布する接着剤の量を少なくすることにより、サイドシール部の接着力が低下を防いでいる。同時に、サイドシール部の幅方向外側端部から接着剤が漏れ出す可能性を低くすることができる。さらに、サイドシール部の外表面に接着剤が漏れ出て硬くなり、その硬くなった部分に着用者が触れて不快感を覚えるという可能性を低くすることができる。
<第2の態様>
前記サイドシール部において、
前記湾曲弾性部材が幅方向に沿って直線状に配置されており、
前記湾曲弾性部材が配置された領域に、幅方向に沿って直線状に接着剤の塗布量の多い領域が形成されている、
前記第1の態様のパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
第2の態様のパンツタイプ使い捨ておむつは、湾曲弾性部材が幅方向に沿って直線状に配置されており、前記湾曲弾性部材が配置された領域に、幅方向に沿って直線状に接着剤の塗布量の多い領域が形成されていることを特徴とする。
サイドシール部に配置される湾曲弾性部材の長さは短いほど好ましい。サイドシール部において、湾曲弾性部材が配置された領域に接着剤を多く塗布するため、サイドシール部に配置する湾曲弾性部材の長さが長くなるほど、接着剤を塗布する領域も増える。その結果、サイドシール部の接着力を低下させてしまうからである。
サイドシール部において、湾曲弾性部材を斜め方向に配置するよりも、幅方向に沿って直線上に配置する方が、サイドシール部に配置する湾曲弾性部材の長さが短くなる。そこで、本態様においては、サイドシール部において、湾曲弾性部材を幅方向に沿って直線状に配置することにした。それとともに、この湾曲弾性部材が配置された領域に、幅方向に沿って直線状に接着剤の塗布量の多い領域を形成することとした。すなわち、この接着剤の塗布量が多い領域から離れた領域では、接着剤の塗布量が少ないことになる。
このような構成にすることで、サイドシール部において、湾曲弾性部材を接着するための接着剤の塗布量をできる限り少なくすることができる。その結果、サイドシール部の接着力の低下を抑えることができる。また、このように湾曲弾性部材を接着する接着剤の塗布量を少なくしたとしても、湾曲弾性部材が配置された領域の前記接着剤の塗布量は多いため、湾曲弾性部材の引き込みの抑止効果が高い。
<第3の態様>
前記パンツタイプ使い捨ておむつの幅方向一端部から他端部まで、幅方向に沿って直線状に接着剤の塗布量の多い領域が形成されている、
前記第2の態様のパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
第3の態様のパンツタイプ使い捨ておむつは、パンツタイプ使い捨ておむつの幅方向一端部から他端部まで、幅方向に沿って直線状に接着剤の塗布量の多い領域が形成されていることを特徴とする。
パンツタイプ使い捨ておむつの製造において、前記おむつの幅方向中間部分に接着剤の塗布量の多い領域を設けず、前記おむつのサイドシール部にだけ接着剤の塗布量の多い領域を形成することは容易でない。高速で移動するシート(外装体を構成するシート)に対して前記接着剤を塗布することになるが、この接着剤の塗布量を多くしたり少なくしたりという制御を間欠的に行わなければならず、しかも、接着剤の塗布量を多くした部分がサイドシール部となる部分と合致しなければならないからである。なお、前記接着剤の塗布工程において、前記シートの流れ方向(MD方向)はおむつの幅方向と同じで方向あり、前記シートの流れ方向(MD方向)と交差する方向をCD方向という。
そこで、本態様においては、パンツタイプ使い捨ておむつの幅方向一端部から他端部まで、幅方向に沿って直線状に接着剤の塗布量の多い領域を形成することにした。このような構成のおむつは、例えば、CD方向のある一部分にだけ、接着剤を多く塗布し続けることによって製造することができる。このように、接着剤の塗布量を間欠的に変更する必要がなくなるため、おむつが製造しやすくなる。しかも、接着剤を間欠的に塗布する態様においては、接着剤の塗布量を多くするタイミングがズレて、サイドシール部に接着剤の塗布量の多い領域が形成されていない不良品が発生してしまう可能性があるが、おむつを本態様の構成にすることで、このような不良品の発生を防ぐことができる。
<第4の態様>
前記サイドシール部には、
前記前身頃の外装体と前記後身頃の外装体の接着部分と非接着部分があり、
前記湾曲弾性部材を配置した領域の単位面積当たりの前記接着部分の面積が、
前記湾曲弾性部材から離れた領域の単位面積当たりの前記接着部分の面積よりも大きい、
前記第1〜第3のいずれか1つの態様のパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
第4の態様のパンツタイプ使い捨ておむつは、サイドシール部に、前身頃の外装体と後身頃の外装体の接着部分と非接着部分があり、湾曲弾性部材を配置した領域の単位面積当たりの前記接着部分の面積が、湾曲弾性部材から離れた領域の単位面積当たりの前記接着部分の面積よりも大きいことを特徴とする。
湾曲弾性部材を配置した領域では、湾曲弾性部材の引き込みを防止するために、接着剤の塗布量を多くしている。接着剤の塗布量が多いと、サイドシール部の接着力が弱くなる問題がある。このような不都合を回避するため、湾曲弾性部材を配置した領域においては、前身頃の外装体と後身頃の外装体の単位面積当たりの接着部分の面積を大きくした。このように、前身頃の外装体と後身頃の外装体の接着部分の面積を大きくすることにより、サイドシール部の接着力を強化することができる。例えば、前身頃の外装体と後身頃の外装体のサイドシール部の接着に超音波接着を用いることができるが、湾曲弾性部材を配置した領域においては、この接着のパターンを接着力の強いバーパターンにすることができる。このバーパターンとは、例えば、一つの接着部分の形状が幅方向に沿って延在する横長の長方形を為し、この長方形の接着部分が、おむつの縦方向に沿って間欠的に複数個直列状に配置されているものをいう。もちろん、このようなバーパターンに限定されるものではなく、単位面積当たりの接着部分の面積が大きくなれば、他のパターンを用いても良い。例えば、接着部分の形状を点状にしたドットパターンを用いる場合には、単位面積当たりの接着部分の数を多くしたり、1つ1つの接着部分の大きさを大きくしたりすることで、単位面積当たりの接着部分の面積を大きくしてもよい。
反対に、湾曲弾性部材を配置した領域から離れた領域においては、前身頃の外装体と後身頃の外装体の単位面積当たりの接着部分の面積を小さくした。接着部分の面積を小さくする方法は特に限定されるものではないが、例えば、接着部分に前記ドットパターンを用いる場合には、単位面積当たりの接着部分(ドット部分)の数を少なくしたり、1つ1つの接着部分(ドット部分)の大きさを小さくしたりすることで、単位面積当たりの接着部分の面積を小さくすることができる。湾曲弾性部材の配置領域から離れた領域において、単位面積当たりの接着部分の面積を小さくすることにより、おむつの使用後にサイドシール部が引き裂きやすくなるという利点がある。
なお、湾曲弾性部材を配置した領域の単位面積当たりの接着部分の面積が大きいとは、「湾曲弾性部材を配置した領域」と「湾曲弾性部材から離れた領域」を対比して、湾曲弾性部材から離れた領域の単位面積当たりの接着部分の面積よりも大きいことをいう。同様に、湾曲弾性部材から離れた領域の単位面積当たりの接着部分の面積が小さいとは、「湾曲弾性部材を配置した領域」と「湾曲弾性部材から離れた領域」を対比して、湾曲弾性部材を配置した領域の単位面積当たりの接着部分の面積よりも小さいことをいう。すなわち、「湾曲弾性部材を配置した領域」と「湾曲弾性部材から離れた領域」を対比したときの相対的に大きさのことをいう。
以上のとおり、本発明によれば、弾性伸縮部材の端部の引き込みが抑止されているとともに、サイドシール部の接着力の低下を防止したパンツタイプ使い捨ておむつを提供することができる。
展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの平面図(内面側)である。 展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの平面図(外面側)である。 図1のC−C断面図である。 図1のA−A断面図である。 図1のB−B断面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの装着状態の斜視図である。 ウエスト部弾性部材、腰回り弾性部材を接着する接着剤の塗布パターンの一例を示す平面図である。 湾曲弾性部材、腰回り弾性部材を接着する接着剤の塗布パターンを示す平面図である。 湾曲弾性部材を接着する接着剤の塗布量が多い部分を示す平面図である。 図9のM部分の拡大図である。(10A)と(10B)は別の実施形態であり、接着剤の塗布量の多い領域が異なる。 (11A)図10Aや図10Bとは別の実施形態であり、接着剤の塗布量の多い領域が異なる。(11B)前身頃の外装体と後身頃の外装体の接着部分の説明図である。 (12A)(12B)11Bの変形例であり、前身頃の外装体と後身頃の外装体の接着部分が異なる。 展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつの平面図であり、接着剤の塗布量が多い領域の変形例である。
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しつつ詳説する。なお、用語「伸長率」は自然長を100%としたときの値を意味する。
図1〜図6は実施形態のパンツタイプ使い捨ておむつ1を示している。このパンツタイプ使い捨ておむつ1(以下、単におむつともいう。)は、前身頃F及び後身頃Bをなす外装体20と、この外装体20の内面に固定され一体化された内装体10とを有しており、内装体10は液透過性表面シート11と液不透過性裏面側シート12との間に吸収体13が介在されてなるものである。製造に際しては、外装体20の内面(上面)に対して内装体10の裏面がホットメルト接着剤Gなどの接合手段によって固定された後に、内装体10および外装体20が前身頃F及び後身頃Bの境界である縦方向中央で折り畳まれ、その両側部が相互に超音波接着など(熱溶着、ホットメルト接着剤でも良い)によって接合されてサイドシール部21が形成されることによって、ウエスト開口部及び左右一対のレッグ開口部が形成されたパンツタイプ使い捨ておむつとなる。
(外装体の構造例)
外装体20は、図3〜図5にも示されるように、それぞれ上層不織布20A及び下層不織布20B(つまり、この形態では下層不織布が最外側不織布となる)からなる2層構造の不織布シートとされ、上層不織布20Aと下層不織布20Bとの間、及び下層不織布20Bをウエスト開口縁で内面側に折り返してなる折り返し部分20Cの不織布間に各種弾性部材が配設され、伸縮性が付与されている。平面形状は、中間両側部にそれぞれレッグ開口部を形成するために形成された凹状の脚回りライン29により、全体として擬似砂時計形状をなしている。
特に、図示形態の外装体20においては、弾性部材として、図1〜図2に示される展開形状において、ウエスト開口部近傍23に配置されたウエスト部弾性部材24と、前身頃F及び後身頃Bに、縦方向に間隔をおいて幅方向に沿って配置された複数の腰回り弾性部材25とを有するとともに、前身頃F及び後身頃Bのそれぞれにおいて、腰回り弾性部材群25とは別に、一方のサイドシール部21から一方のレッグ開口部に沿って股間部に向かい、股間部を横断し、かつ他方のレッグ開口部に沿って他方のサイドシール部21に至るパターンで湾曲しつつ延在する、互いに交差することなく間隔をおいて配置された複数本の湾曲弾性部材26,28を備えている。これら、弾性部材24〜28は、それぞれその延在方向に沿って所定の伸長率で伸長された状態で固定されている。なお、本外装体20では、脚回りライン29に沿って前身頃Fのサイドシール部21から後身頃Bのサイドシール部21まで連続する、所謂脚回り弾性部材は設けられていない。
ウエスト部弾性部材24は、前身頃Fと後身頃Bとが接合されたサイドシール部21の範囲の内、ウエスト開口縁近傍に縦方向に間隔をおいて配置された複数条の糸ゴム等の細長状弾性部材であり、身体のウエスト部回りを締め付けるように伸縮力を与えることによりおむつを身体に装着するためのものである。このウエスト部弾性部材24は、図示例では糸ゴムを用いたが、例えばテープ状の伸縮部材を用いてもよい。また、図示形態のウエスト部弾性部材24は、ウエスト部における下層不織布20Bの折り返し部分20Cの不織布間に挟持されているが、上層不織布20Aと下層不織布20Bとの間に挟持しても良い。
腰回り弾性部材25は、サイドシール部21の内、概ね上部から下部までの範囲に亘り、縦方向に間隔をおいて配置された糸ゴム等の細長状弾性部材であり、前身頃F及び後身頃Bの腰回り部分に夫々幅方向の伸縮力を与え、おむつを身体に密着させるためのものである。なお、ウエスト部弾性部材24と腰回り弾性部材25との境界は必ずしも明確でなくてよい。例えば、前身頃F及び後身頃Bに縦方向に間隔をおいて幅方向に配置された弾性部材の内、数は特定できなくても、上部側の何本かがウエスト部弾性部材として機能し、残りの弾性部材が腰回り弾性部材として機能していればよい。
後身頃Bにおいて、腰回り弾性部材25とは別に配設された背側湾曲弾性部材26は、糸ゴム等の細長状弾性部材である。背側湾曲弾性部材26は、一本であっても良いが複数本であるのが好ましく、図示例では3本の糸ゴム状弾性部材であり、これら背側湾曲弾性部材26は互いに交差することなく、間隔をおいて配置されている。この背側湾曲弾性部材群26は、2,3本程度の弾性伸縮部材を間隔を密にして実質的に一束として配置されるのではなく、所定の伸縮ゾーンを形成するように3〜20mm、好ましくは6〜16mm程度の間隔を空けて、好ましくは3本以上配置される。
外装体20の前身頃Fにおいて、腰回り弾性部材群25とは別に配設された腹側湾曲弾性部材28は糸ゴム等の細長状弾性部材である。腹側湾曲弾性部材28は、一本であっても良いが複数本であるのが好ましく、図示例では3本の糸状弾性部材であり、これら腹側湾曲弾性部材28は、互いに交差することなく、間隔をおいて配置されている。この腹側湾曲弾性部材群28も、2,3本程度の弾性伸縮部材を間隔を密にして実質的に一束として配置されるのではなく、所定の伸縮ゾーンを形成するように3〜20mm、好ましくは6〜16mm程度の間隔を空けて、好ましくは3本以上配置される。
なお、図示例では、前身頃F及び後身頃Bに配置された腰回り弾性部材25及び湾曲弾性部材26,28は、図7及び図8に示すように、製造時に外装体に対して連続的に固定した後に、内装体と重なる部分の一部または全部が、所定の切断パターンCPで細かく切断されて収縮力が作用しない非収縮部分(つまり、図7及び図8の切断パターンCPと重なる部分)とされ、この非収縮部分より側方に湾曲しつつ延在する部分が収縮力の作用する収縮部分(つまり、図7及び図8の切断パターンCPより側方の、腰回り弾性部材25及び湾曲弾性部材26,28が連続的に残された部分)とされている。このため、腰回り弾性部材25及び湾曲弾性部材26,28は、一方側のサイドシール部21から内装体10を横切って他方(反対)側のサイドシール部21まで連続的に設けた後に、内装体と重なる部分の一部または全部が、細かく切断される。これにより、内装体(特に吸収体13)の幅方向の縮こまりをより防止することができる。もちろん、腰回り弾性部材25及び湾曲弾性部材26,28を、内装体10を横切って連続的に配置することもできる。
上述した外装体20は、例えば特開平4−28363号公報や、特開平11−332913号公報記載の技術により製造することができる。また、湾曲弾性部材26,28を内装体10上で切断し不連続化するには、特開2002−35029号公報、特開2002−178428号公報及び特開2002-273808号公報に記載される切断方法が好適に採用される。
図示例とは異なり、湾曲弾性部材を、前身頃F及び後身頃Bのいずれか一方にのみ設けるだけでも良い。また、湾曲弾性部材26,28を、前身頃F及び後身頃Bの両方に設ける場合、前身頃F側に配置された湾曲弾性部材の群の一部又は全部と、後身頃B側に配置された湾曲弾性部材の群の一部又は全部とが交差する形態(図示せず)も採用できるが、図示例のように、前身頃F側に配置された湾曲弾性部材28の群と、後身頃B側に配置された湾曲弾性部材の群とは互いに交差することなく縦方向中間部、特に前身頃Fに若干偏った位置で縦方向に離間している形態が好適である。
さらに、湾曲弾性部材26,28はその全体が湾曲していなくても良く、部分的に直線状の部分を有していても良い。
弾性部材24〜28の固定時の伸長率は適宜定めることができるが、通常の子供用のおむつの場合、ウエスト部弾性部材24は230〜320%程度、腰回り弾性部材25は230〜320%程度、湾曲弾性部材26,28は160〜300%程度とすることができる。
(弾性部材のホットメルト接着剤による固定)
ウエスト部弾性部材24、腰回り弾性部材25及び湾曲弾性部材26,28は、外装体20を構成する一対のシート層20A,20Bの間に挟まれるとともに、それらシート層20A,20Bに対してホットメルト接着剤により接着固定されており、そのホットメルト接着剤の塗布量は外装体20の柔軟性を大きく左右する。よって、図7に示すように、ウエスト部弾性部材24及び腰回り弾性部材25の固定のための接着部分B1は、ウエスト部弾性部材24の配置部分及びその近傍、腰回り弾性部材25の配置部分及びその近傍のみとするのが好ましい。
図7は、製造工程におけるホットメルト接着剤の塗布領域B1を示しており、ウエスト部弾性部材24及び腰回り弾性部材25を両シート層20A,20Bに固定するためのホットメルト接着剤B1は、実質的に各弾性部材24,25の配置部位及びその近傍にのみ塗布されている。このような接着剤の塗布は、外周面に接着剤を塗布した弾性部材24,25を両シート層20A,20Bで挟むことにより実現することができ、そのような弾性部材24,25の外周面への接着剤の塗布は、例えばノードソン社のシュアラップノズルにより行うことができる。
図8は、製造工程におけるホットメルト接着剤の塗布領域B2を示しており、湾曲弾性部材26,28は二点鎖線で示されるように内装体10を横切る部分の切断前の状態を示している。なお、図8においては、図面を見やすくするため、ウエスト部弾性部材24及び腰回り弾性部材25の表示を便宜的に省いている。図8に示すように、ホットメルト接着剤は使い捨ておむつのほぼ全面(塗布領域B2の位置)にも塗布される。これは、上層不織布20Aと下層不織布20B間の接着に用いられるとともに、腰回り弾性部材25、
湾曲弾性部材26,28の接着に用いられる。なお、おむつの製造において、初期の工程では上層不織布20Aや下層不織布20Bは布状のシートであり、足回りライン29の内側の部分(着用者の足が挿入される部分FH)にも不織布があるため、その部分FHにも接着剤が塗布されるが、当該部分は後の工程において切り落とされる。なお、図8に示す接着剤は、上層不織布20Aおよび下層不織布20Bのいずれか一方に塗布されるのが一般的である。
上記では、図7と図8に示したように、塗布領域B1、B2の両方に接着剤を塗布することによっておむつを製造することを説明した。本発明は、図10の(10A)に示すように、湾曲弾性部材28、26(前身頃Fでは腹側湾曲弾性部材28をいい、後身頃Bでは背側湾曲弾性部材26をいう。)を接着するための接着剤の塗布において、湾曲弾性部材28、26が配置された領域B3に塗布した接着剤の量が、前記湾曲弾性部材28、26が配置された領域から離れた領域B4に塗布した接着剤の量よりも多いことを特徴とする。なお、以下の説明では、湾曲弾性部材28、26が配置された領域B3を配置領域B3といい、湾曲弾性部材28、26が配置された領域B3から離れた領域B4を離間領域B4という。また、以下の説明では、湾曲弾性部材28、26のうち、腹側湾曲弾性部材28を例に説明するが、背側湾曲弾性部材26においても同様である。
図10〜図12の態様では、配置領域B3の幅方向の長さをN1で示しており、この長さN1はサイドシール部21の幅方向の全幅とほぼ同じ長さになっている。他方、配置領域B3の縦方向の長さをP1で示している。この長さP1は、最も股間側に位置する腹側湾曲弾性部材28Uの上端部分(図10Aでは、腹側湾曲弾性部材28の外側部分が相当する。以下同様。)から下側(股間側)に0.5〜10mm離間した位置(すなわち、U1が0.5〜10mmとなる)を配置領域B3の下端とすることが好ましい。前記U1の長さは、より好ましくは0.5〜8mmであり、さらに好ましくは0.5〜5mmである。また、前記の長さP1は、最も腹側に位置する腹側湾曲弾性部材28Tの上端部分(図10Aでは、腹側湾曲弾性部材28の外側部分が相当する。以下同様。)から上側(腹側)に0.5〜10mm離間した位置(すなわち、T1が0.5〜10mmとなる)を配置領域B3の上端とすることが好ましい。前記T1の長さは、より好ましくは0.5〜8mmであり、さらに好ましくは0.5〜5mmである。
他方、離間領域B4とは、背側湾曲弾性部材26から一定の距離を置いて離れた領域をいう。具体的には、最も腹側に位置する腹側湾曲弾性部材28Tの上端部分から上側(腹側)に10mm以上離れた領域を離間領域B4とすることが好ましく、15mm離れた領域を離間領域B4とすることがより好ましく、20mm以上離れた領域を離間領域B4とすることがさらに好ましい。同様に、最も股間側に位置する腹側湾曲弾性部材28Uの上端部分から下側(股間側)に10mm以上離れた領域を離間領域B4とすることが好ましく、15mm以上離れた領域を離間領域B4とすることがより好ましく、20mm以上離れた領域を離間領域B4とすることがさらに好ましい。図10〜図12の態様では、最も腹側に位置する腹側湾曲弾性部材28Tの上端部分から上側(腹側)に約20mm離れた位置を離間領域B4の下側端部(股間側端部)としている。すなわち、最も腹側に位置する腹側湾曲弾性部材28Tの上端部分から離間領域B4の下側端部までの距離P3を約20mmとしている。そして、この図10〜図12の態様では、配置領域Bの上側端部(腹側端部)から離間領域B4の下側端部(股間側端部)までの距離P2を約15mmとしている。
なお、離間領域B4の幅方向の長さや、縦方向の長さは特に限定されないが、図10〜図12の態様では、離間領域B4の幅方向の長さをサイドシール部21の幅方向の全幅とほぼ同じ長さとし、離間領域B4の縦方向の長さもサイドシール部21の幅方向の全幅と同じ長さにしている。すなわち、離間領域B4の形状は、縦方向の長さと幅方向の長さがほぼ同じ正方形になっている。
以上のように、サイドシール部21のうちの腹側湾曲弾性部材28が配置された領域B3に塗布する接着剤の量を多くすることによって、腹側湾曲弾性部材28の端部と不織布(上層不織布20Aや下層不織布20B)との接着が従来品よりも強固になる。その結果、腹側湾曲弾性部材28の端部がおむつの幅方向内側へ向かって引き込まれることを抑制することができる。
また、前述のように、サイドシール部21に腹側湾曲弾性部材28を接着するための接着剤を多く塗布すると、サイドシール部21の接着力が低下してしまうという問題がある。そこで、本発明では、サイドシール部21のうちの腹側湾曲弾性部材28が配置されている領域から離れた領域B4に塗布する接着剤の量を少なくすることにより、サイドシール部21の接着力の低下を防いでいる。同時に、サイドシール部21の幅方向外側端部から接着剤が漏れ出す可能性を低くしたり、サイドシール部21の外表面に接着剤が漏れ出て硬くなり、その硬くなった部分に着用者が触れて不快感を覚えるという可能性を低くすることもできる。
(他の実施態様)
図10の(10A)の実施形態では、接着剤の塗布量が多い領域を配置領域B3の全領域とした。しかし、本発明は、このような実施形態に限られるものではなく、接着剤の塗布量が多い領域を配置領域B3の一部の領域としてもよい。例えば、図10(10B)や図11(11A)に示すように、腹側湾曲弾性部材28の周辺部にだけ、接着剤の塗布量が多い領域を形成してもよい。接着剤の塗布量が多い領域を配置領域B3の一部の領域とすることにより、図10(10A)の実施形態と比べて、サイドシール部21の接着力の低下をより抑えることができる。
図10(10B)の態様では、腹側湾曲弾性部材28T、28M、28Uの各位置を基準として、縦方向の腹側および股間側にそれぞれ一定の距離離間した範囲に、接着剤の塗布量が多い領域B3sT、B3sM、B3sUを形成している。例えば、各腹側湾曲弾性部材28T、28M、28Uを基準として、腹側に10mm、股間側に10mm、それぞれ離間した範囲に接着剤の塗布量が多い領域B3sT、B3sM、B3sUを形成することが好ましい。この場合、接着剤の塗布量が多い領域B3sT、B3sM、B3sUの縦方向の長さS1、S2、S3は、それぞれ20mmとなる。前記範囲は、腹側に5mm、股間側に5mmの範囲とすることがより好ましく、腹側に0.5mm、股間側に0.5mmの範囲とすることがさらに好ましい。腹側湾曲弾性部材28からの縦方向の離間距離(腹側および股間側の離間距離)が0.5mmより短くなると、腹側湾曲弾性部材28が引き込まれやすいという問題がある。他方、腹側湾曲弾性部材28からの縦方向の離間距離(腹側および股間側の離間距離)が10mmよりも長くなると、サイドシール部21の接着力が低下しやすいという問題がある。
以上の説明では、腹側湾曲弾性部材28からの離間距離を腹側および股間側でそれぞれ同じ距離にしたが、異なる距離にしても良い。例えば、腹側湾曲弾性部材28を基準として、腹側に10mm離間した位置および股間側に5mm離間した位置までを、接着剤の塗布量が多い領域B3sT、B3sM、B3sUとしてもよい。腹側湾曲弾性部材28から腹側までの離間距離と、腹側湾曲弾性部材28から股間側までの離間距離をそれぞれ異なる距離とする場合は、腹側の距離よりも股間側の距離を長くすることが好ましい。腹側湾曲弾性部材28が引き込まれる際、腹側湾曲弾性部材28の端部が股間側に向かって引き込まれるため、接着剤の塗布量が多い領域B3sT、B3sM、B3sUの股間側の距離を長くすることで、腹側湾曲弾性部材28の引き込みを抑える効果が高くなる。具体的には、腹側への離間距離7mmとし、股間側への離間距離を8mmとすることが好ましく、腹側への離間距離5mmとし、股間側への離間距離を6mmとすることがより好ましい。
また、以上の説明では、接着剤の塗布量が多い領域B3sT、B3sM、B3sUの縦方向の長さS1、S2、S3をそれぞれ同じ距離としたが、異なる距離にしても良い。この縦方向の長さS1、S2、S3をそれぞれ異なる距離にする場合は、腹側に位置する領域ほど長くすることが好ましい。すなわち、領域B3sTの縦方向の長さS1を領域B3sMの縦方向の長さS2よりも長くすることが好ましく、領域B3sMの縦方向の長さS2を領域B3sUの縦方向の長さS3よりも長くすることが好ましい。腹側湾曲弾性部材28の端部の股間側への引き込み力は、腹側に位置する腹側湾曲弾性部材28ほど強いため、腹側に位置する領域ほど接着剤の塗布量を多くすることで、腹側湾曲弾性部材28の引き込みを抑えやすくなる。具体的には、長さS1を10mm〜16mm、長さS2を8mm〜16mm、長さS3を5mm〜16mmとすることが好ましい。
サイドシール部21において、図10(10B)の態様では、腹側湾曲弾性部材28を幅方向に沿って直線状に配置しているが、図11(11A)の態様では、腹側湾曲弾性部材28を幅方向内側から外側へ向かって斜め上方へ延在するように配置している。この2つの態様においては、図11(11A)の態様よりも図10(10B)の態様の方が好ましい。図11(11A)に示すように、サイドシール部21で腹側湾曲弾性部材28を斜めに配置した場合、図10(10B)の態様と比べて、サイドシール部21に存在する腹側湾曲弾性部材28の長さが長くなる。その結果、接着剤の塗布量が多い領域B3sT、B3sM、B3sUの縦方向の長さを長くしなければならなくなり、その結果、サイドシール部21の接着力の低下を招くことになるからである。具体的には、領域B3sTの縦方向の長さS1は、図11(11A)よりも図10(10B)の方が短く、領域B3sMの縦方向の長さS2も、図11(11A)よりも図10(10B)の方が短く、領域B3sUの縦方向の長さS3も、図11(11A)よりも図10(10B)の方が短い。
(サイドシール部21の接着態様)
前述のように、サイドシール部21の接着は、超音波接着など(熱溶着、ホットメルト接着剤でも良い)によって行われる。その際、サイドシール部21の全領域を接着するようにしても良いが、おむつを使用した後にサイドシール部21を引き裂くことが多く、その引き裂きやすさを考慮すると、サイドシール部21の接着領域を一部の領域とすることが好ましい。より具体的には、縦方向に沿って、間欠的に複数の接着部分Eを設けることが好ましい。
その際、サイドシール部21の接着部分Eの接着面積をおむつの縦方向の位置によって変えることが好ましい。より具体的には、湾曲弾性部材28、26を配置した領域B3の単位面積当たりの接着部分Eの面積を湾曲弾性部材28、26から離れた領域B4の単位面積当たりの接着部分Eの面積よりも大きくすることが好ましい。以下の説明においては、図11(11B)と図12(12A)(12B)を参照しながら、腹側湾曲弾性部材28がある腹側を例に説明するが、背側湾曲弾性部材26がある背側においても同様である。
図11(11B)の実施態様では、前身頃Fの外装体20と後身頃Bの外装体20を接着する接着部分Eを複数個設けている。各接着部分Eは、幅方向に沿って延在する横長の長方形状であり、縦方向に沿って腹側から股間側へ向かって間欠的に設けられている。また、隣接する接着部分E、Eの間は非接着部分Zとなっている。
図11(11B)の実施態様では、サイドシール部21のうち、腹側湾曲弾性部材28を配置した領域B3では、縦方向に隣接する前記接着部分E、Eの離間距離を短くすることにより、単位面積当たりの接着部分Eの面積を大きくしている。反対に、腹側湾曲弾性部材28を配置した領域B3から離れた領域B4では、縦方向に隣接する前記接着部分E、E間の距離を長くすることにより、単位面積当たりの接着部分Eの面積を小さくしている。ここで、縦方向に隣接する接着部分E、Eの離間距離が「長い」「短い」とは、領域B3と領域B4との対比において、「長い」「短い」ことをいう。同様に、単位面積当たりの接着部分Eの面積が「大きい」「小さい」とは、領域B3と領域B4との対比において、「大きい」「小さい」ことをいう。なお、図11(11B)においては、領域B3に設けられた接着部分Eを符号E1で示し、領域B4に設けられた接着部分Eを符号E2で示している。
より具体的には、領域B3において、縦方向に隣接する接着部分E1、E1間の離間距離(腹側に接着部分E1aがあり、股間側に接着部分E1bがあり、前記接着部分E1a、E1bがそれぞれ隣接している状態にあると仮定した場合、接着部分E1aの股間側端縁と接着部分E1bの腹側端縁の間の距離をいう。以下同じ。)を0.5mm〜3.0mmとすることが好ましく、0.8mm〜2.7mmとすることがより好ましく、1.0mm〜2.0mmとすることがさらに好ましい。前記離間距離が0.5mmよりも短くなると、サイドシール部21が引き裂きづらくなるおそれがある。他方、前記離間距離が3.0mmよりも長くなると、領域B3において、腹側Fの外装体20と背側Bの外装体20の接着が不十分になるおそれがある。また、領域B3において、単位面積(縦方向の長さが10mm、幅方向の長さが10mmの正方形。以下、同じ。)当たりの接着部分E1の面積を15mm2〜50mm2にすることが好ましく、16mm2〜35mm2にすることがより好ましく、20mm2〜35mm2にすることがさらに好ましい。領域B3における単位面積当たりの接着部分E1の面積が15mm2よりも小さいと腹側Fの外装体20と背側Bの外装体20の接着が不十分になるおそれがある。他方、領域B3における単位面積当たりの接着部分E1の面積が50mm2よりも大きいとサイドシール部21が引き裂きづらくなるおそれがある。
さらに、領域B4において、縦方向に隣接する接着部分E2、E2間の離間距離(腹側に接着部分E2aがあり、股間側に接着部分E2bがあり、前記接着部分E2a、E2bがそれぞれ隣接している状態にあるときに、接着部分E2aの股間側端縁と接着部分E2bの腹側端縁の間の距離をいう。以下同じ。)を2mm〜6mmとすることが好ましく、2.5mm〜5mmとすることがより好ましく、3mm〜4mmとすることがさらに好ましい。前記離間距離が2mmよりも短くなると、サイドシール部21が引き裂きづらくなるおそれがある。他方、前記離間距離が6mmよりも長くなると、領域B4において、腹側Fの外装体20と背側Bの外装体20の接着が不十分になるおそれがある。また、領域B4において、単位面積(縦方向の長さが10mm、幅方向の長さが10mmの正方形。以下、同じ。)当たりの接着部分E2の面積を10mm2〜20mm2にすることが好ましく、13mm2〜17mm2にすることがより好ましく、14mm2〜16mm2にすることがさらに好ましい。領域B4における単位面積当たりの接着部分E2の面積が10mm2よりも小さいと腹側Fの外装体20と背側Bの外装体20の接着が不十分になるおそれがある。他方、領域B4における単位面積当たりの接着部分E2の面積が20mm2よりも大きいとサイドシール部21が引き裂きづらくなるおそれがある。
図12(12A)は、図11(11B)とは別の実施態様である。図12(12A)では、領域B3に位置する接着部分E1の1個当たりの面積を大きくし、領域B4に位置する接着部分E2の1個当たりの面積を小さくしている。このように、接着部分Eの1個当たりの面積を領域B3と領域B4で変えることにより、湾曲弾性部材28、26を配置した領域B3の単位面積当たりの接着部分Eの面積を湾曲弾性部材28、26から離れた領域B4の単位面積当たりの接着部分Eの面積よりも大きくしてもよい。なお、図12(12A)では、隣接する接着部分E、E間の離間距離(腹側に接着部分Eaがあり、股間側に接着部分Ebがあり、前記接着部分Ea、Ebがそれぞれ隣接している状態にあるときに、接着部分Eaの股間側端縁と接着部分Ebの腹側端縁の間の距離をいう。以下同じ。)をすべて同じにしている。なお、図12(12A)のような態様において、領域B3の接着部分E1や領域B4の接着部分E2の形状は円形である。この接着部分E1の直径は、例えば0.3mm〜0.8mmにすることが好ましく、0.4mm〜0.7mmとすることがより好ましく、0.5mm〜0.6mmとすることがさらに好ましい。
また、図12(12B)は、図11(11B)や図12(12A)とは別の実施態様である。図12(12B)では、各接着部分E(E1、E2)の面積をすべて同じにしているが、領域B4では1列とし、領域B3では2列としている。このように、接着部分Eを設ける数を領域B3で多く、領域B4で少なくすることによって、湾曲弾性部材28、26を配置した領域B3の単位面積当たりの接着部分Eの面積を湾曲弾性部材28、26から離れた領域B4の単位面積当たりの接着部分Eの面積よりも大きくしてもよい。
図13にさらに別の実施形態を示した。図13は、接着剤の塗布量の多い領域B3が、サイドシール部21だけではなく、サイドシール部21の幅方向内側にも形成されている形態である。具体的には、おむつの幅方向一端部から他端部まで、幅方向に沿って直線状に接着剤の塗布量の多い領域B3を形成している。
このような構成のおむつは、例えば、CD方向のある一部分にだけ、接着剤を多く塗布し続けることによって製造することができる。接着剤の塗布量を間欠的に変更する必要がなくなるため、おむつが製造しやすくなる。しかも、接着剤を間欠的に塗布する態様においては、接着剤の塗布量を多くするタイミングがズレて、サイドシール部21に接着剤の塗布量の多い領域が形成されていない不良品の発生を防ぐことができる。なお、図13に示すように、接着剤の塗布量を多くした領域B3の幅方向端部は、湾曲弾性部材28、26の端部と重なっている。
以上の説明では、接着剤の塗布量が多い領域B3を形成するために、図7や図8の接着剤とは別の新たな接着剤を塗布する形態を示したが、このような形態に限定されるものではない。例えば、図8で示したように、塗布領域B2に塗布する接着剤において、隣接領域N1に該当する部分の塗布量を他の部分よりも多くすることによって、接着剤の塗布量が多い領域B3を形成してもよい。
接着剤の塗布量が多い領域B3に塗布される接着剤の量は約11〜25g/m2であり、接着剤の塗布量が少ない領域B4に塗布される接着剤の量は約1〜5g/m2である。また、接着剤の塗布量が多い領域B3の塗布量は、接着剤の塗布量が少ない領域B4の塗布量の約2〜25倍の量である。
また、図9においては、接着剤の塗布量が多い領域B3を前身頃Fの腹側湾曲弾性部材28と後見頃Bの背側湾曲弾性部材26の両方に設けたが、いずれか一方にのみ設けてもよい。
また、図10〜図12の実施施形態では、3本の腹側湾曲弾性部材28の端部を縦方向に所定の距離を置いて離間させつつ略平行に配置しているが、略平行に設けない形態にしてもよい。
また、接着剤の塗布量の多い部位B3を形成する際に、図8で示すベタ塗りの接着剤とは別の補強用の接着剤(湾曲弾性部材26、28の端部の引き込みを防止するための補強用の接着剤)を塗布する場合は、べた塗りの接着剤を塗布したシート(例えば、下層不織布20B)とは反対側のシート(例えば上層不織布20A)に対して、補強用の接着剤を塗布するとよい。なお、べた塗りの接着剤は、上層不織布20Aと下層不織布20Bの接着およびその間に配置される湾曲弾性部材26、28の接着の基本となる接着剤であり、補強用の接着剤は、湾曲弾性部材26、28の端部の引き抜けを防止するための接着剤である。べた塗りの接着剤と補強用の接着剤は、異なる種類のものを用いてもよいが、同じ種類のものを用いても良い。べた塗りの接着剤と補強用の接着剤は、特に限定されないが、例えばホットメルト接着剤を用いることができる。また、ホットメルト接着剤は、特に限定されないが、例えばEVA系、粘着ゴム系(エラストマー系)、オレフィン系、ポリエステル・ポリアミド系などの種類のものを用いることができる。
(内装体の構造例)
内装体10は、図4〜図6に示すように、不織布などからなる液透過性表面シート11と、ポリエチレン等からなる液不透過性裏面側シート12との間に、吸収体13を介在させた構造を有しており、表面シート11を透過した排泄液を吸収保持するものである。
吸収体13の表面側(肌当接面側)を覆う液透過性表面シート11としては、有孔または無孔の不織布や多孔性プラスチックシートなどが好適に用いられる。不織布を構成する素材繊維は、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。これらの加工法の内、スパンレース法は柔軟性、ドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド法は嵩高でソフトである点で優れている。液透過性表面シート11に多数の透孔を形成した場合には、尿などが速やかに吸収されるようになり、ドライタッチ性に優れたものとなる。液透過性表面シート11は、吸収体13の側縁部を巻き込んで吸収体13の裏面側まで延在している。
吸収体13の裏面側(非肌当接面側)を覆う液不透過性裏面側シート12は、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどの液不透過性プラスチックシートが用いられるが、近年はムレ防止の点から透湿性を有するものが好適に用いられる。この遮水・透湿性シートは、たとえばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートである。
吸収体13としては、公知のもの、例えばパルプ繊維の積繊体、セルロースアセテート等のフィラメントの集合体、あるいは不織布を基本とし、必要に応じて高吸収性ポリマーを混合、固着等してなるものを用いることができ、図示例では平面形状を略方形状として成形されたものが使用され、その幅寸法は股間部への当たりによって着用者にゴワ付き感を与えない寸法幅となっている。この吸収体13は、形状及びポリマー保持等のため、必要に応じてクレープ紙等の、液透過性及び液保持性を有する包装シート14によって包装することができる。吸収体13の形状は、図示形態のように長方形状とする他、背側及び腹側に対して股間部の幅が狭い砂時計形状(括れ形状)とすることもできる。
内装体10の両側部には脚周りにフィットする立体ギャザーBSが形成されているのが好ましい。この立体ギャザーBSはギャザー不織布15により形成される、ギャザー不織布としては、図4及び図5に示されるように、折返しによって二重シートとした不織布が好適に用いられ、液透過性表面シート11によって巻き込まれた吸収体13の側縁部をさらにその上側から巻き込んで吸収体13の裏面側まで延在して接着されている。より具体的には、ギャザー不織布15は、おむつ1の長手方向中間部では、立体ギャザーBS形成部分を残し、幅方向中間部から吸収体13の裏面側に亘る範囲がホットメルト接着剤等によって接着され、また長手方向前後端部では、幅方向中間部から一方側端縁までの区間が吸収体13の裏面側に亘る範囲で接着されるとともに、立体ギャザーBSを形成する部分を吸収体13の上面部にて折り畳むようにしながらホットメルト接着剤等により接着している。
二重シート不織布によって形成されたギャザー不織布15の内部には、起立先端側部分に複数本の糸状弾性伸縮部材16が配設されている。糸状弾性伸縮部材16は、製品状態において図4に二点鎖線で示すように、弾性伸縮力により吸収体側縁部より突出する不織布部分を起立させて立体ギャザーBSを形成するためのものである。
液不透過性裏面側シート12は、二重シート状のギャザー不織布15の内部まで進入し、図4に示されるように、立体ギャザーBSの下端側において防漏壁を構成するようになっている。この液不透過性裏面側シート12としては、排便や尿などの褐色が出ないように不透明のものを用いるのが望ましい。不透明化としては、プラスチック中に、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、ホワイトカーボン、クレイ、タルク、硫酸バリウムなどの顔料や充填材を内添してフィルム化したものが好適に使用される。
糸状弾性伸縮部材16としては、通常使用されるスチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等の素材を用いることができる。また、外側から見え難くするため、太さは925dtex以下、テンションは150〜350%、間隔は7.0mm以下として配設するのがよい。なお、糸状弾性伸縮部材に代えて、ある程度の幅を有するテープ状弾性伸縮部材を用いるようにしてもよい。
前述のギャザー不織布15を構成する素材繊維も液透過性表面シート11と同様に、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、アミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工方法に得られた不織布を用いることができるが、特にはムレを防止するために坪量を抑えて通気性に優れた不織布を用いるのがよい。さらにギャザー不織布15については、尿などの透過を防止するとともに、カブレを防止しかつ肌への感触性(ドライ感)を高めるために、シリコン系、パラフィン金属系、アルキルクロミッククロイド系撥水剤などをコーティングした撥水処理不織布を用いるのが望ましい。
(前後押えシート)
図1及び図4にも示されるように、外装体20の内面上に取り付けられた内装体10の前後端部をカバーし、且つ内装体10の前後縁からの漏れを防ぐために、前後押えシート50,60が設けられている。図示形態について更に詳細に説明すると、前押えシート50は、前身頃F内面のうちウエスト側端部の折り返し部分20Cの内面から内装体10の前端部と重なる位置まで幅方向全体にわたり延在しており、後押えシート60は、後身頃B内面のうちウエスト側端部の折り返し部分20Cの内面から内装体10の後端部と重なる位置まで幅方向全体にわたり延在している。前後押えシート50,60の股下側縁部に幅方向の全体にわたり(中央部のみでも良い)若干の非接着部分を設けると、接着剤が食み出ないだけでなく、この部分を表面シートから若干浮かせて防漏壁として機能させることができる。
図示形態のように、前後押えシート50,60を別体として取り付けると、素材選択の自由度が高くなる利点があるものの、資材や製造工程が増加する等のデメリットもある。そのため、外装体20をおむつ1内面に折り返してなる折り返し部分20Cを、内装体10と重なる部分まで延在させて、前述の押えシート50,60と同等の部分を形成することもできる。
本発明は、上記例のようなパンツタイプ使い捨ておむつにおいて利用できるものである。
B…後身頃、F…前身頃、1…パンツタイプ使い捨ておむつ、10…内装体、11…液透過性表面シート、12…液不透過性裏面側シート、13…吸収体、14…包装シート、15…ギャザー不織布、16…糸状弾性伸縮部材、20…外装体、20C…折り返し部分、21…サイドシール部、24…ウエスト部弾性部材、25…腰回り弾性部材、26,28…湾曲弾性部材、26…背側湾曲弾性部材、28…腹側湾曲弾性部材、29…脚回りライン、B3…湾曲弾性部材(26、28)が配置された領域、B4…湾曲弾性部材(26、28)が配置された領域(B3)から離れた領域、E…接着部分

Claims (4)

  1. 前身頃及び後身頃を形成する外装体を備え、
    前記前身頃における前記外装体の両側部と前記後身頃における前記外装体の両側部とがそれぞれ接合されてサイドシール部が形成されることにより、ウエスト開口部及び左右一対のレッグ開口部が形成されており、
    前記外装体における前身頃及び後身頃の少なくとも一方には、一方のサイドシール部から他方のサイドシール部まで湾曲しながら延在する湾曲弾性部材が接着剤により接着されており、
    前記サイドシール部において、
    前記湾曲弾性部材が配置された領域に塗布された前記接着剤の量が、前記湾曲弾性部材が配置されている領域から離れた領域に塗布された前記接着剤の量よりも多い、
    ことを特徴とするパンツタイプ使い捨ておむつ。
  2. 前記サイドシール部において、
    前記湾曲弾性部材が幅方向に沿って直線状に配置されており、
    前記湾曲弾性部材が配置された領域に、幅方向に沿って直線状に接着剤の塗布量の多い領域が形成されている、
    請求項1記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
  3. 前記パンツタイプ使い捨ておむつの幅方向一端部から他端部まで、幅方向に沿って直線状に接着剤の塗布量の多い領域が形成されている、
    請求項2記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
  4. 前記サイドシール部には、
    前記前身頃の外装体と前記後身頃の外装体の接着部分と非接着部分があり、
    前記湾曲弾性部材を配置した領域の単位面積当たりの前記接着部分の面積が、
    前記湾曲弾性部材から離れた領域の単位面積当たりの前記接着部分の面積よりも大きい、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のパンツタイプ使い捨ておむつ。
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