JP4464840B2 - パンツ型使い捨ておむつ - Google Patents

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本発明は、指先が多少不自由であったり、握力が弱いなどの高齢者であっても、容易に着用が可能なパンツ型使い捨ておむつに関する。
従来より、おむつ離れを促進する、或いはその都度止着テープを用いての装着作業から大人を解放し、装着を簡便化するなどの目的のために、パンツ型使い捨て紙おむつがテープ型使い捨て紙おむつと共に市場に提供されている。
このパンツタイプの紙おむつは、たとえば図17に示されるように、ポリエチレンなどからなる不透液性バックシート50上に、前部と後部の腰回り部分に弾性伸縮部材51,52を配設するとともに、一方の脚回りの前身頃F端から製品紙おむつの下部を巡って他方の脚回りの前身頃F端に連続した第1弾性伸縮部材53と、一方の脚回りの後身頃B端から製品紙おむつの股下部分を巡って他方の脚回りの後身頃B端に連続した第2弾性伸縮部材54を配設し、この不透液性バックシート50上に吸収体55を配置し、さらにこの上に透液性トップシート56を重ね、予め砂時計状に形成されたものを前後方向に折り畳み、図18に示されるように、折り畳んだ両側縁部分をシール溶着または超音波溶着法により接合することにより、ウエスト開口部と左右一対のレッグ開口部とが形成されたパンツ型使い捨ておむつとしたものである。
かかるパンツ型使い捨ておむつの装着は、ウエスト開口部の縁を手で把持し、足をレッグ開口部に通した後、そのまま腰部まで引き上げ着用するようにしている。
しかしながら、指先が多少不自由であったり、握力が弱くなった高齢者の場合には、ウエスト開口縁をうまく把持することができず、紙おむつを腰部まで引き上げるのに苦労することがあった。
このような問題点に鑑み、下記特許文献1では、表面シートと、裏面シートと、これら両シートの間に配置された吸収体とを有し、前後身頃の相対する両縁部を接合してパンツ型に成形し、前記前身頃の少なくとも一方の腰回り部における裏面シート表面に、上部が固定され、下部側が自由縁とされる帯状シートがおむつの幅方向に配置されているパンツ型使い捨ておむつが開示されている。かかる使い捨ておむつの場合は、指先を前記帯状シートに引っ掛けることにより、指先が不自由であっても、簡便におむつを腰部まで引き上げ可能としている。
特開2001−178772号公報
しかしながら、上記特許文献1記載のパンツ型使い捨ておむつの場合は、前記帯状シートに指を引っ掛けることができても、上方に引上げた際に、帯状シートがめくれ上がることがあるため、帯状シートの自由縁部を掴まないと、うまく引上げできず、やはり一人では着用がしづらいなどの問題があった。
そこで本発明の主たる課題は、指先が多少不自由であったり、握力が弱いなどの高齢者であっても、容易に着用が可能なパンツ型使い捨ておむつを提供することにある。
前記課題を解決するために請求項に係る本発明として、吸収体を含む吸収性本体と、この吸収性本体の外面側に一体的に設けられた外装シートとからなり、製品状態で前記外装シートの前身頃と後身頃とが両側部において接合されることによりウエスト開口部及び左右一対のレッグ開口部が形成されたパンツ型使い捨ておむつにおいて、
前記外装シートは、前記ウエスト開口部回りに配置されたウエスト部弾性伸縮部材と、前身頃及び後身頃に上下方向に間隔をおいて水平方向に沿って配置された複数の腰回り弾性伸縮部材群と、前身頃及び後身頃に前身頃と後身頃とを接合する一方側接合縁から股下側に延び、その股下部を迂回するようにして他方側接合縁に到達する複数本の湾曲弾性伸縮部材群とを備えるとともに、該湾曲弾性伸縮部材群は、前記外装シートの縁部と、前記吸収性本体と、前記腰回り弾性伸縮部材群とに囲まれる当該外装シートの領域全体をほぼ覆うように形成され、
かつ前記前身頃両側部の少なくとも一方側であって、かつ前記腰回り弾性伸縮部材の間であるとともに、前記湾曲弾性伸縮部材の間に、水平方向に延びるスリット孔を形成したことを特徴とするパンツ型使い捨ておむつが提供される。
上記請求項記載の本発明においては、前身頃両側部の少なくとも一方側であって、かつ前記腰回り弾性伸縮部材の間であるとともに、前記湾曲弾性伸縮部材の間に、水平方向に延びるスリット孔を形成するようにしたものである。従って、前記腰回り弾性伸縮部材群によるシャーリング機能および前記湾曲弾性伸縮部材群によるシャーリング機能を損なわずに、前記スリット孔を形成することができる。
ところで、パンツ型使い捨ておむつの着用者は、高齢者であることや、疾病や傷害などの影響により体力が低下するなどして、腕力が弱かったり、腕が背中側や臀部側に十分にまわらなかったりする場合がある。そして、そのような着用者が紙おむつを使用する際に、紙おむつの前身頃側や脇部側を掴んで引き上げるようにして腰回りに着用しなければならないことがあるが、従来のおむつの場合、図12に示すように、おむつの後身頃のウエスト部が臀部の膨らみに引っ掛かり、十分に引き上げられず、おむつが不完全な状態で着用されてしまうことがあった。そして、おむつの着用が不完全な状態であり、腰回りにフィットしていないことによって、尿などの体液漏れの原因となってしまうことがあった。
そこで、前記外装シートは前身頃及び後身頃に前身頃と後身頃とを接合する一方側接合縁から股下側に延び、その股下部を迂回して他方側接合縁に到達するとともに、互いに交差することなく間隔をおいて配置された複数本の湾曲弾性伸縮部材群を備えているため、おむつのずり落ちを防止するとともに、ショーツやブリーフのように身体のラインに沿わせて密着させることができる。
加えて、特に前記湾曲弾性伸縮部材群は、前記外装シートの側縁と、前記吸収性本体と、前記腰回り弾性伸縮部材群とに囲まれる当該外装シートの領域全体をほぼ覆うように形成されているので、その外装シートの領域全体が、ほぼ均一に湾曲弾性伸縮部材群により収縮されることとなり、従来のようにその領域の内側が膨らんでしまい、ポケット様の空間が形成されてしまうことはない。このように、パンツ型使い捨ておむつ(外装シート)の内側に着用の妨げになるポケット様の空間が無ければ、着用者がパンツ型使い捨ておむつを脱ぎ履きする際に、その内側に足指や踵が引っ掛かりにくくなるので、パンツ型使い捨ておむつの外装シートを着用し易くなる。
前記湾曲弾性伸縮部材群は後身頃に備えられているので、例えばおむつの着用者が片手でおむつを引き上げるような場合でも、前身頃に作用した作用力が接合端部を介して後身頃の湾曲弾性伸縮部材に伝わり、後身頃が好適に臀部を覆うように引き上げることができ、おむつを腰回りに良好に着用することができる。
つまり、湾曲弾性伸縮部材は、股下部側を迂回するように湾曲しているため、後身頃の湾曲弾性伸縮部材に伝わった作用力は、おむつの後身頃を下側から引き上げるように作用するので、おむつの着用者が、腕力が弱かったり、腕が背中側や臀部側に十分にまわらなかったりする状態であっても、スリット孔に指を差し込んで引き上げるようにすることによって、後身頃が臀部を覆うように引き上げることができ、おむつを好適に着用することができる。
前記湾曲弾性伸縮部材群は、前身頃及び後身頃に備えられているので、パンツ型使い捨ておむつ(外装シート)の内側における着用の妨げになるポケット様の空間が前身頃と後身頃からともに無くなる。よって、着用者がパンツ型使い捨ておむつを脱ぎ穿きをする際に、その内側に足指や踵が引っ掛かりにくくなるので、パンツ型使い捨ておむつをより着用し易くなる。
また、湾曲弾性伸縮部材群は、股下部に迂回するように湾曲しているため、おむつを引き上げる作用力が湾曲弾性伸縮部材に伝わると、おむつを下側から持ち上げるように作用するので、おむつの着用者が、腕力が弱かったり、腕が背中側や臀部側に十分にまわらなかったりする状態であっても、おむつを腰回りにフィットするように引き上げることができ、おむつを好適に着用することができる。
請求項に係る本発明として、前記スリット孔の周囲に着色を施してある請求項1記載のパンツ型使い捨ておむつが提供される。
上記請求項記載の本発明においては、前記スリット孔の周囲に着色を施し一目でスリット孔の位置を把握できるようにしたものである。従って、視力に多少の障害があっても、容易にスリット孔の位置を確認することができ、指先を容易に前記スリット孔に挿入することができる。
請求項に係る本発明として、前記スリット孔の長手寸法は30〜100mmとされる請求項1、2いずれかに記載のパンツ型使い捨ておむつが提供される。
上記請求項記載の本発明においては、前記スリット孔の長手寸法を30〜100mmとするものである。スリット孔の長手寸法が30mm未満の場合は、親指を容易に挿入しづらくなる。また、100mmの寸法があれば親指を除く4本の指を挿入するのに十分であり、かつ必要以上に長くするとフィット性が損なわれるため、スリット孔の長手寸法は30〜100mmの寸法で形成するのが望ましい。
以上詳説のとおり本発明によれば、指先が多少不自由であったり、握力が弱いなどの高齢者であっても、パンツ型使い捨ておむつを容易に着用することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
《第1参考形態例》
図1は本第1参考形態例に係るパンツ型使い捨ておむつ1Aの製品状態を示す斜視図であり、図2は一部破断展開図である。
図1および図2に示されるように、本パンツ型紙おむつ1Aは、不織布などからなる透液性トップシート11と、ポリエチレン等からなる防水フィルム12とにより、綿状パルプなどからなる吸収体本体13を含む構造の吸収性本体10の外面側に外装シート20が一体的に設けられた構造の紙おむつである。
前記吸収体本体13は、図示例では略砂時計状を成し、クレープ紙によって囲繞され、全体として変形が可能な半剛性の性質を有するもので、内部には粉状の高分子吸収ポリマーが含有されている。
この吸収体本体13の上面に対して、透液性トップシート11がほぼ全面においてホットメルト接着剤により固定され、吸収体本体13の下面に対して防水フィルム12が同じくホットメルト接着剤により固定され、吸収性本体10が構成されている。前記吸収性本体10の表面両側部にはギャザーシートによって立体ギャザーB、Bが設けられている。
前記吸収性本体10に対しては、その外面側に一体的に外装シート20が設けられている。この外装シート20は、図2にも示されるように、上層不織布20A及び下層不織布20Bからなる2層構造の不織布シートとされ、前記上層不織布20Aと下層不織布20Bとの間に各種弾性伸縮部材が配設され、伸縮性が付与されている。平面形状は、中間両側部に夫々脚部開口を形成するために形成された凹状の脚回りカットライン29により、全体として擬似砂時計形状を成している。
具体的には、図1に示される展開形状において、前身頃Fの開口部および後身頃Bの開口部において、たとえば帯ゴムなどからなる、図示例では各8本のウエスト部弾性伸縮部材24…、24…がそれぞれ設けられている。
また、前身頃Fにおいては水平方向に沿って、例えば糸ゴムからなる複数本の、図示の例では5本の腰回り弾性伸縮部材25,25…が設けられているとともに、後身頃Bにおいても水平方向に沿ってたとえば糸ゴムからなる複数本の、図示の例では5本の腰回り弾性伸縮部材25,25…が設けられている。
一方、脚回り部位には、脚開口部に沿って1本または複数本の、図示の例では3本の脚回り弾性伸縮部材30…,31…が設けられている。これら脚回り弾性伸縮部材の配設態様としては、種々の形態が考えられるが、図示される配置態様は股間部において前記脚回り弾性伸縮部材が吸収体13を横断して配設されている配置態様である。具体的には、一方の脚回りの前身頃F端側から股間部を巡って他方の脚回りの前身頃F端側に連続して配設された1または複数の、図示例では3本の脚回り第1弾性伸縮部材30,30…と、一方の脚回りの後身頃B端側から股間部を巡って他方の脚回りの後身頃B端に連続して配設された1または複数の、図示例では3本の脚回り第2弾性伸縮部材31,31…とから構成されている。
前記弾性伸縮部材24,25,30,31としては、通常使用されるスチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等の素材を用いることができる。
前記紙おむつは、図2に示されるように、略中央の折り畳みラインLにて前身頃Fと後身頃Bを重ね合わせ、その両側縁部を熱シール、超音波溶接法等の溶着方法にて接合することによって、製品状態でウエスト開口部と左右一対のレッグ開口部が形成されたパンツ型に成形される。
図1及び図2に示されるように、かかるパンツ型使い捨ておむつ1Aに対して本発明では、指先が多少不自由であったり、握力が弱いなどの高齢者であっても、容易に着用が可能なように、前身頃Fのほぼ中央部であって、かつ前記腰回り弾性伸縮部材25,25の間に、水平方向に延びるスリット孔27を形成する。このスリット孔27は前記外装シート20を貫通するように形成されるもので、前身頃Fに形成することにより、本紙おむつ1Aの着用に際して、前記レッグ開口部に左右の足を挿通した後、指先を前記スリット孔27に挿入して引っ掛けた後、そのままおむつ1Aを上方に引上げることができる。なお、前記スリット孔27を後身頃Bに形成した場合には、視認しづらい、手が届きづらいなどの問題が生じ、着用時の利便性が損なわれる結果となる。
前記スリット孔27は、前記腰回り弾性伸縮部材25,25の方向に沿って形成することにより、腰回り弾性伸縮部材25,25による伸縮力が水平方向に作用するようになり、装着状態では大きな開口が形成されることが無く、閉じた状態か、僅かに上下方向に開いた状態となるため、肌が外部に大きく露出することがなく、冷えなどの2次障害を引き起こす事がない。
前記スリット孔27の長手寸法Bは、30〜100mm、好ましくは30〜40mmまたは80〜100mmとされる。例えば、前記スリット孔27に親指を挿入させようとした場合には、30〜40mm程度とし親指を挿入し易くするのが望ましく、また親指を除く4本の指を挿入させるようにした場合には、80〜100mmの寸法とするのが望ましい。
また、前記スリット孔27の周囲に対して着色を施し、一目でスリット孔27の位置を確認し易いようにすれば、弱視などの視覚障害を持つ高齢者であっても容易にスリット孔27の位置を確認できるようになる。
前記スリット孔27は、前身頃Fのほぼ中央に形成する以外に、図3に示されるように、前身頃Fの両側部に形成するようにしても良いし、図4に示されるように、前身頃Fの片がわ側部に形成するようにしてもよい。スリット孔27を側部近傍に形成することにより、前身頃Fと後身頃Bとのシール接合縁に近接することになるため、スリット孔27端部からの破れを効果的に防止できるようになる。
本発明形態例》
次いで、おむつ構造の異なるパンツ型使い捨ておむつ1Bに対して、本発明を適用した場合の例について、図5〜図10に基づいて詳述する。
図5は本発明形態例に係るパンツ型使い捨て紙おむつ1Bの製品状態外観図であり、図6は展開状態での組み立て図である。
図5及び図6に示されるように、本パンツ型使い捨て紙おむつ1B(以下、単に紙おむつという。)は、不織布などからなる透液性表面シート11と、ポリエチレン等からなる防漏シート12との間に、綿状パルプなどの吸収体13を介在させた吸収性本体10と、この吸収性本体10の外面側に一体的設けられた外装シート20とからなり、製品状態で前記外装シート20の前身頃Fと後身頃Bとが両側部において接合されることによりウエスト開口部及び左右一対のレッグ開口部が形成された構造のパンツ型紙おむつである。
以下、前記吸収性本体10、外装シート20、およびその組立構造の順で説明する。
(吸収性本体10の構造)
先ず最初に、吸収性本体10の構造の一例について図7及び図8に基づいて詳述する。
吸収性本体10は、前述したように、不織布などからなる透液性表面シート11と、ポリエチレン等からなる防漏シート12との間に、綿状パルプなどの吸収体13を介在させた構造とされ、体液を吸収保持するものである。
前記吸収体13は、図示例では平面形状を略砂時計状として成形されたものが使用され、股下部では吸収体の幅寸法を狭めることにより股間部への当たりを弱くし着用者にゴワ付き感を与えないようにしている。この吸収体13は、形状保持と透液性表面シート11を透過した体液の拡散性向上のためにクレープ紙14によって囲繞されている。なお、前記吸収体13としては、嵩を小さくできるエアレイド吸収体を用いるのが望ましい。
前記吸収体13の表面側(肌当接面側)を覆う透液性表面シート11としては、有孔または無孔の不織布や多孔性プラスチックシートなどが好適に用いられる。不織布を構成する素材繊維は、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。これらの加工法の内、スパンレース法は柔軟性、ドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド法は嵩高でソフトである点で優れている。透液性表面シート11に多数の透孔を形成した場合には、尿などが速やかに吸収されるようになり、ドライタッチ性に優れたものとなる。前記透液性表面シート11は、吸収体13の側縁部を巻き込んで吸収体13の裏面側まで延在している。
前記吸収体13の裏面側(非肌当接面側)を覆う防漏シート12は、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどの不透液性プラスチックシートが用いられるが、近年はムレ防止の点から透湿性を有するものが好適に用いられる。この遮水・透湿性シートは、たとえばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートであり、仮にシート厚が同じであれば無孔シートよりも剛性が低下するため、柔軟性の点で勝るものとなる。
一方、立体ギャザーBSを形成するギャザー不織布15は、図8に示されるように、折返しによって二重シートとした不織布が用いられ、前記透液性表面シート11によって巻き込まれた吸収体13の側縁部をさらにその上側から巻き込んで吸収体13の裏面側まで延在して接着されている。より具体的には、前記ギャザー不織布15は、紙おむつの長手方向中間部では、立体ギャザーBS形成部分を残し、幅方向中間部から吸収体13の裏面側に亘る範囲がホットメルト接着剤等によって接着され、また長手方向前後端部では、前記幅方向中間部から一方側端縁までの区間が吸収体13の裏面側に亘る範囲で接着されるとともに、前記立体ギャザーBSを形成する部分を吸収体13の上面部にて折り畳むようにしながらホットメルト接着剤等により接着している。
前記二重シート不織布によって形成されたギャザー不織布15の内部には、起立先端側部分に複数本の糸状弾性伸縮部材16、16…が配設されている。前記糸状弾性伸縮部材16、16…は、製品状態において図8(B)に示されるように、弾性伸縮力により吸収体側縁部より突出する不織布部分を起立させて立体ギャザーBSを形成するためのものである。
前記防漏シート12は、前記二重シート状のギャザー不織布15の内部まで進入し、図8に示されるように、立体ギャザーBSの下端側において防漏壁を構成するようになっている。かかる防漏シート12としては、排便や尿などの褐色が出ないように不透明のものを用いるのが望ましい。不透明化としては、プラスチック中に、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、ホワイトカーボン、クレイ、タルク、硫酸バリウムなどの顔料や充填材を内添してフィルム化したものが好適に使用される。
前記糸状弾性伸縮部材16としては、通常使用されるスチレン系ゴム、オレフィン系ゴム、ウレタン系ゴム、エステル系ゴム、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリスチレン、スチレンブタジエン、シリコン、ポリエステル等の素材を用いることができる。また、外側から見え難くするため、太さは925dtex以下、テンションは150〜350%、間隔は7.0mm以下として配設するのがよい。なお、糸状弾性伸縮部材に代えて、ある程度の幅を有するテープ状弾性伸縮部材を用いるようにしてもよい。
前述のギャザー不織布15を構成する素材繊維も前記透液性表面シート11と同様に、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工方法に得られた不織布を用いることができるが、特にはムレを防止するために坪量を抑えて通気性に優れた不織布を用いるのがよい。さらに前記ギャザー不織布15については、尿などの透過を防止するとともに、カブレを防止しかつ肌への感触性(ドライ感)を高めるために、シリコン系、パラフィン金属系、アルキルクロミッククロイド系撥水剤などをコーティングした撥水処理不織布を用いるのが望ましい。
(外装シート20の構造)
外装シート20は、図9に示されるように、上層不織布20A及び下層不織布20Bからなる2層構造の不織布シートとされ、前記上層不織布20Aと下層不織布20Bとの間に各種弾性伸縮部材が配設され、伸縮性が付与されている。平面形状は、中間両側部に夫々脚部開口を形成するために形成された凹状の脚回りカットライン29により、全体として擬似砂時計形状を成している。
本発明に係る外装シート20においては、前記弾性伸縮部材として、同図9に示される展開形状において、前記ウエスト開口部回り23に配置されたウエスト部弾性伸縮部材24,24…と、前身頃F及び後身頃Bに、上下方向に間隔をおいて水平方向に沿って配置された複数の腰回り弾性伸縮部材群25,25…とを有するとともに、前身頃F及び後身頃Bのそれぞれにおいて、前記腰回り弾性伸縮部材群25,25…とは別に、前身頃Fと後身頃Bとを接合する一方側接合縁から股下側に延び、股下側の吸収性本体10を横断して前身頃と後身頃との他方側接合縁に到達するとともに、互いに交差することなく間隔をおいて配置された複数本の湾曲弾性伸縮部材群26…、28…を備えるものである。なお、本外装シート20では、前記脚回りカットライン29に沿って実質的に連続する、第1参考形態例で示したような脚回り弾性伸縮部材は設けられていない。
以下、前記各種弾性伸縮部材毎に詳述する。
前記ウエスト部弾性伸縮部材24,24…は、前身頃Fと後身頃Bとが接合された脇部接合縁21、22の範囲の内、ウエスト開口縁近傍に上下方向に間隔をおいて配設された複数条の糸ゴム状弾性伸縮部材であり、身体のウエスト部回りを締め付けるように伸縮力を与えることにより紙おむつを身体に装着するためのものである。このウエスト部弾性伸縮部材24は、図示例では糸ゴムを用いたが、例えばテープ状の伸縮部材を用いてもよい。
前記腰回り弾性伸縮部材群25,25…は、脇部接合縁21、22の内、概ね上部から下部までの範囲に亘り、上下方向に間隔をおいて水平方向に沿って配設された糸ゴム状の弾性伸縮部材であり、前身頃F及び後身頃Bの腰回り部分に夫々水平方向の伸縮力を与え、紙おむつを身体に密着させるためのものである。なお、前記ウエスト部弾性伸縮部材24、24…と腰回り弾性伸縮部材群25、25…との境界は必ずしも明確でなくてよい。例えば、前身頃F及び後身頃Bに上下方向に間隔をおいて水平方向に配置された弾性伸縮部材の内、数は特定できなくても、上部側の何本かがウエスト部弾性伸縮部材として機能し、残りの弾性伸縮部材が腰回り弾性伸縮部材として機能していればよい。
前記後身頃Bにおいて、前記腰回り弾性伸縮部材群25,25…とは別に配設された背側湾曲弾性伸縮部材群26、26…は、一方側の脇部接合縁22からほぼ脚回りカットライン29に沿うように股下部に延び、前記吸収性本体10上を横断して反対側の脚回りカットライン29にほぼ沿いながら他方側の脇部接合縁22に到達するように配置された複数本、図示例では9本の糸ゴム状弾性伸縮部材であり、これら背側湾曲弾性伸縮部材群26、26…は互いに交差することなく、間隔をおいて配置されている。
前記背側湾曲弾性伸縮部材群26、26…は、従来の脚回り弾性伸縮部材(第1参考形態例参照)とは配置態様が異なるものである。すなわち、2,3本程度の弾性伸縮部材を間隔を密にして実質的に一束として配置されるのではなく、所定の伸縮ゾーンを形成するように所定の間隔を空けて、5本以上、好ましくは7本以上配置され、前記外装シート20の側縁と、前記吸収性本体10と、前記腰回り弾性伸縮部材群25,25…とに囲まれる当該外装シート20の略三角形領域Trb全体をほぼ覆うように形成されている。従って、前記略三角形領域Trbでは、ほぼ均一にそれぞれ背側弾性伸縮部材26,26…により収縮されることになるので、略三角形領域Trbの内側が膨らんでしまい、ポケット様の空間が形成されてしまうことはない。おむつ(外装シート)の内側に着用の妨げになるポケット様の空間が無ければ、着用者がパンツ型使い捨ておむつを脱ぎ履きする際に、その内側に足指や踵が引っ掛かりにくくなるので、パンツ型使い捨ておむつの外装シートを着用し易くなる。また、外装シート20における前記略三角形領域Trbは、湾曲弾性伸縮部材26,26…により覆われて収縮されているので、身体の凹凸や膨らみなどの形状に対応して、外装シート20をフィットさせるように伸縮することができる。つまり、おむつ1の後身頃B側においては、身体の臀部に外装シート20を密着させることができるようになる。
また、前記背側湾曲弾性伸縮部材群26,26…の始終端は、前身頃Fと後身頃Bとの接合縁のほぼ上部から下部の範囲に亘り所定の間隔で接続され、前記吸収性本体10の側縁との交差部において、前記背側湾曲弾性伸縮部材群26,26…と吸収性本体10側縁との鋭角側交差角αは35°以上、好ましくは40°以上、より好ましくは45°以上となる配置パターンで配置されている。因みに図示例では、交差角αが47°前後となるように配置されている。前記交差角αは、水平方向分力と鉛直方向分力のバランスから、大きくとも60°以下とするのが望ましい。
本紙おむつ1Bでは、後身頃Bにおいて、臀部の膨らみ形状に対応して外装シート20をフィットさせるために、臀部の膨らみに対し極力沿う方向に伸縮力を作用させるべく、相対的に緩い傾斜角度で弾性伸縮部材群26,26…を配置するようにしたものであり、図示例のように、交差角α=47°で伸縮部材26、26…が配置されているとすると、与えた伸縮力の73%を水平方向分力として作用させることができるようになり、臀部を包み込むように外装シート20を身体に密着させることができるようになる。その結果、吸収性本体10を中央側に縮こまらせることがなくなるとともに、確実に身体に密着させることにより漏れ防止効果が高まるようになる。
他方、前記外装シート20の前身頃において、前記腰回り弾性伸縮部材群25,25…とは別に配設された腹側湾曲弾性伸縮部材群28,28…も、一方側の脇部接合縁21から脚回りカットライン29に沿うように股下部に延び、吸収性本体10上を横断して反対側の脚回りカットライン29に沿いながら他方側の脇部接合縁21に到達するとともに、交差することなく間隔をおいて配置された複数本の、図示例では8本の糸状弾性伸縮部材である。
この腹側湾曲弾性伸縮部材群28、28…も、従来の脚回り弾性伸縮部材とは配置態様が異なるものである。すなわち、2,3本程度の弾性伸縮部材を間隔を密にして実質的に一束として配置されるのではなく、所定の伸縮ゾーンを形成するように所定の間隔を空けて、5本以上、好ましくは7本以上配置され、前記外装シート20の側縁と、前記吸収性本体10と、前記腰回り弾性伸縮部材群25,25…とに囲まれる当該外装シート20の略三角形領域Trf全体をほぼ覆うように形成されている。これによる効果は先に述べたとおりである。
この腹側弾性伸縮部材群28,28…の始終端も、前身頃Fと後身頃Bとの脇部接合縁21,21のほぼ上部から下部の範囲に亘り、所定の間隔で接続され、前記吸収性本体10の側縁との交差部において、前記腹側湾曲弾性伸縮部材群28,28…と吸収性本体10側縁との鋭角側交差角θが30°以下、好ましくは28°以下となる配置パターンで配置されている。因みに、図示例では交差角θが26°前後となるように配置されている。前記交差角θは、水平方向分力と鉛直方向分力のバランスから、少なくとも20°以上とするのが望ましい。
本紙おむつ1においては、身体の前側部分には身体の後側臀部のような引掛かりとなる膨らみがないため、紙おむつのずり落ちは主として前身頃側Fで顕著に発生する傾向にあるとの知見に鑑み、相対的にきつい傾斜角度で弾性伸縮部材群28,28…を配置するようにしたものであり、図示例のように、交差角θ=26°で伸縮部材28、28…が配置されているとすると、与えた伸縮力の90%を上方向分力として作用させることができ、紙おむつのずり落ちを効果的に防止できるようになる。
図5及び図9に示されるように、かかるパンツ型使い捨ておむつ1Bに対して本発明では、指先が多少不自由であったり、握力が弱いなどの高齢者であっても、容易に着用が可能なように、前身頃Fの両脇部であって、かつ前記腰回り弾性伸縮部材25,25の間であるとともに、前記腹側湾曲弾性伸縮部材28,28の間に、水平方向に延びるスリット孔27、27を形成する。かかるスリット孔27の作用効果は前記第1参考形態例と同様であるが、本形態例では前記腰回り弾性伸縮部材25,25によるシャーリング効果(フィット効果)と、前記腹側湾曲伸縮部材28,28によるシャーリング効果(フィット効果)とを損なわないように、これら弾性伸縮部材25…、28…の間に前記スリット孔27が形成される。
なお、本発明形態例では、前身頃Fの両側部に夫々スリット孔27,27を形成するようにしたが、どちらか一方に形成してもよい。或いは、前記第1参考形態例における図2の態様と同様に、前身頃Fのほぼ中央部であって、かつ前記腰回り弾性伸縮部材25,25の間に、水平方向に延びるスリット孔27を形成するようにしてもよい。
ところで、上記本発明形態例に係る使い捨ておむつ1Bにおいては、吸収体13の縮こまりを防止するために、図10に示されるように、前記腹側湾曲弾性伸縮部材28,28…及び背側湾曲弾性伸縮部材群26,26…を前記吸収性本体10上において切断し不連続としてもよい。
発明形態例に係るおむつ1Bでは、更に前記湾曲弾性伸縮部材26…、28…を配設することによって、高齢者のように腕力が弱い着用者であっても、好適におむつを着用できるようになる。すなわち、湾曲弾性伸縮部材26…と、湾曲弾性伸縮部材28との始終端部は、腰回り弾性伸縮部材25…が配設されている前身頃Fの脇部接合縁21と後身頃Bの脇部接合縁22の巾方向の幅とほぼ同じ範囲に配設されているので、着用者がおむつ1を着用する際に、前身頃Fや後身頃Bを引き上げる際の作用力が湾曲弾性伸縮部材26…、28…に伝わり、股下部を容易に引き上げることができ、おむつ1Bの股下部を身体の股下周囲に好適に装着することができる。特に、湾曲弾性伸縮部材26…、28…は、幅広く弾性部材が配設されている帯状の領域を形成していることにより、前身頃Fや後身頃Bを引き上げる際の作用力が湾曲弾性伸縮部材26…や湾曲弾性伸縮部材28…に伝わりやすいので、より軽い力でもおむつ1Bを引き上げることができる。よって、高齢者のように腕力が弱い着用者であっても、好適におむつを着用できるようになる。
また、前身頃Fと後身頃Bとは接合縁部21,22により接合されていることによって、前身頃Fに作用した作用力が後身頃Bを介して湾曲弾性伸縮部材26…に伝わり、後身頃Bに作用した作用力が前身頃Fを介して湾曲弾性伸縮部材28…に伝わるようになっている。そして、例えば着用者が片手で前身頃Fに形成されたスリット孔に指先を引っ掛けて、おむつ1Bを引き上げるような場合でも、図11に示すように、前身頃Fに作用した作用力が接合縁部21,22を介して後身頃Bの湾曲弾性伸縮部材26に伝わり、後身頃Bが好適に臀部を覆うように引き上げることができ、おむつ1Bを腰回りに良好に着用することができるようになっている。特に、湾曲弾性伸縮部材26…は、股下部側を湾曲しているため、股下部側の吸収性本体10を臀部側に引き上げるように、より確実に臀部に密着させて、尿などの体液漏れを防止することが可能になる。
また、おむつ1Bは、腰回りにフィットするように引き上げ易いので、不完全な状態で着用されてしまうことを低減することができ、それによって、体液漏れや、装着感の悪さや装着時の見た目の悪さ、身体が圧迫されたことなどによる血流障害や、身体が擦られたことなどによる肌荒れなどのスキントラブル等の問題を軽減することができる。このように、おむつ1Bは、好適に着用することができる。なお、おむつ1Bにおいて、前身頃Fに配設される湾曲弾性伸縮部材28…と、後身頃Bに配設される湾曲弾性伸縮部材26…とを共に備えることに本発明は限定されず、少なくとも一方の湾曲弾性伸縮部材26…,28…が備えられる構成であればよい。
《第2参考形態例》
図13は、第2参考形態例に係るパンツ型使い捨ておむつ1Cの斜視図である。図14は第2参考形態例に係るパンツ型使い捨ておむつ1Cの組立て構成を説明するための説明図である。
図13及び図14に示すように、パンツ型使い捨ておむつ(以下、おむつと言う)1Cは、紙おむつ1C装着時に外側に接する面側に位置し、不透液性のバックシート32を構成する第一の外面シート32aと、同じくバックシート32を構成し、第一の外面シート32aと反対側の面であって、紙おむつ1C装着時に人体に接する面側に位置する第二の外面シート32bと、紙おむつ1C装着時に、体液が排出される面に接する位置に設けられた透液性のトップシート33と、トップシート33によって包装された吸収体34からなり、矩形状であるバックシート32の長手方向中央部を吸収体34が内側に位置するように幅方向に沿って折り返すことによって形成された、折り返し部35と、一箇所の腰回り開口部36、二箇所の脚回り開口部37、37及び接合部38、38を有する。
バックシート32を構成する第一の外面シート32aと第二の外面シート32bは、吸収体34等で吸収した体液を下着にもたらさないためのシートであり、不透液性を有する素材を用いる。
例えば不透液性シートとしては、ポリエチレン等の少なくとも遮水性を有するシート材であり、ムレ防止の観点から透湿性を有するシート材であることが好ましい。この遮水性と透湿性とを具備するシート材としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を溶融混練してシートを成形した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シート材が好適に用いられる。
第一の外面シート32aと第二の外面シート32bとの間には、弾性部材39,40が挟み込まれている。弾性部材39,40として、例えば糸ゴムが利用出来る。腰回り開口部36を形成する腰回り部41に複数本の糸ゴム39…が配されており、脚回り開口部37、37を形成する脚回り部42に複数本の糸ゴム40,40…が配されている。これらの糸ゴム39…,40…が配されていることにより、腰回り部41及び脚回り部42,42で紙おむつ1Cが好適に装着者の腰回り及び脚回りに密着することとなり、フィット感を上げることが実現するのみならず、腰回り開口部36及び脚回り開口部37、37からのモレを防ぎ、使用感を向上させることが出来る。
前記トップシート33は、紙おむつ1Cを装着した際に人体に接する面に設けられ、体液を受けて、吸収体34まで輸送する役割を果たす、透液性のシートである。透液性シートとしては、例えば、有孔または無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどにより形成されるものが挙げられる。不織布は、繊維を織ったり編んだりすることなく、「繊維どうしを化学的方法、機械的方法または、それらの組み合わせにより、結合や絡み合せを行った構造物」であり、不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。また、不織布を製造する方法としては、公知の方法を適宜用いることができ、例えば、乾式法、湿式法、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、或いはこれらを組み合わせた方法等によって不織布を製造することができる。
透液性であるトップシート33に多数の透孔を形成した場合には、尿などの体液がより速やかに吸収されるようになり、ドライタッチ性に優れたものとなる。
吸収体34は、紙おむつ1Cの使用時に体液としての尿等の水様成分を吸収する働きを成すものであり、綿やパルプ等の吸収性素材や、繊維或いはフィルム等のシート状基材と高吸収性ポリマーのような高吸水性樹脂とが組み合わされて形成された吸収体コア(図示略)が、透液性のクレープ紙(図示略)により覆われて構成されている。単層構造であっても良いし、複数層に分かれた構造でも構わない。吸収体34は、人体の腹側部から両脚の間を通り背側部に亘る位置に装着されている。
以下に、折り返し部35、腰回り開口部36及び脚回り開口部37、37、接合部38、38について併せて説明する。
折り返し部35は、矩形状のバックシート32の長手方向中央部を幅方向に沿って吸収体34が内側になるように折り返すことによって形成されたもので、折り返すことによって、本願発明のおむつ1Cは容易に成形することが出来る。
つまり、図14に示すように、矩形状のバックシート32の長手方向中央部に、幅方向に沿って二箇所のスリット43,43が形成され、当該スリット43,43の間にトップシート33で包装された吸収体34が載置された上で(図14(A))、バックシート32が、吸収体34が内側に位置する様に、長手方向に折り返されて(図14(B))折り返し部35が形成される。そして、バックシート32の長手方向両側縁部同士が重ね合わせられ(図14(C))、重なったバックシート32の長手両側縁部同士が、例えばホットメルトやヒートシール、超音波シールなどにより接合される(図14(D))ことによって、接合部38、38が形成され、同時に、腰回り開口部36、脚回り開口部37、37が形成される。
つまり、例えば股下部、腹側部、背側部といった複数のパーツを集めてそれらをパーツ毎に接合したり、各開口部について個別に形成したりすることなく、折り返し部35及び二箇所の接合部38、38を形成することによって、腰回り開口部36及び二箇所の脚回り開口部37、37が構成されることとなる。つまり、一回折り返して接合部38、38を形成することによって、容易にパンツ型の紙おむつとしての形状を成すことが可能になる。
また、脚回り開口部37、37を形成するスリット43,43は、バックシート32の長手方向中央部に、その幅方向に沿って、つまり、腰回り開口部36を形成するバックシート32の長手方向両側縁部と平行になるよう設けたため、腰回り開口縁部44及び脚回り開口縁部45,45はほぼ平行してなる。さらに、紙おむつ1Cは、矩形状のバックシート32を折り返し形成したので、その長手方向中央部を幅方向に沿って折り返したおむつ1Cも、矩形状を成すことは当然であって、従って、腰回り開口部36の真下に脚回り開口部37、37を形成することが可能になる。
おむつ1Cがこのような構造をとることによって、装着者がおむつ1Cを装着する際に、腰回り開口部36から脚を入れて、真っ直ぐに脚回り開口部37、37に通すことが出来、指をひっかけたりすることがなく、途中で脚の向きを変える必要もないため、履きやすく、また履かせ易い構造となる。
図13及び図14に示されるように、かかるおむつ1Cに対して本発明では、指先が多少不自由であったり、握力が弱いなどの高齢者であっても、容易に着用が可能なように、前身頃Fの両脇部にそれぞれ水平方向に延びるスリット孔27、27を形成する。このスリット孔27、27は前記バックシート32を貫通するように形成されるもので、前身頃Fに形成することにより、本紙おむつ1Cの着用に際して、前記脚回り開口部37,37に左右の足を挿通した後、指先を前記スリット孔27、27に挿入して引っ掛けた後、そのままおむつ1Cを上方に引上げることができる。
なお、本第2参考形態例では、前身頃Fの両側部に夫々スリット孔27,27を形成するようにしたが、どちらか一方に形成してもよい。或いは、前記第1参考形態例における図2の態様と同様に、前身頃Fのほぼ中央部に形成するようにしてもよい。
〔他の形態例〕
(1)上記形態例では、スリット孔27の形成位置として、前身頃Fの上部側に形成するようにしたが、図15(A)に示されるように、前身頃Fの高さ方向中間位置であって、吸収性本体10の上縁近傍の脇部に形成するようにしても良いし、図15(B)に示されるように、前身頃Fの高さ方向中間位置であって、吸収性本体10中間の脇部に形成するようにしてもよい。
(2)上記スリット孔27の形状としては、線状又は図16(A)に示される矩形状以外に、種々の形状パターンとすることができる。例えば、図16(B)に示されるように指を挿入し易いように上下辺を外側に膨出させた形状、図16(C)に示されるように、下辺のみを下側に膨出させた形状、図16(D)に示されるように、広幅部と狭幅部とを連ねた2連の数珠形状、図16(E)に示されるように、広幅部と狭幅部とを連ねた3連の数珠形状、図16(F)に示されるように、指穴を連ねたものなど種々の形状パターンとすることができる。
本第1参考形態例に係るパンツ型使い捨ておむつ1Aの製品状態を示す斜視図である。 その一部破断展開図である。 スリット孔27の他の形成態様を示す図(その1)である。 スリット孔27の他の形成態様を示す図(その2)である。 発明形態例に係るパンツ型使い捨て紙おむつ1の製品状態外観図である。 その展開状態での組み立て図である。 吸収性本体10の平面図である。 (A)は吸収性本体10の展開状態での半横断面図、(B)はその製品状態を示す図である。 外装シート20の展開図である。 外装20の変形例を示す展開図である。 本発明形態例に係るおむつ1Bの着用状態を示す説明図である。 従来のおむつの着用状態を示す説明図である。 第3参考形態例に係るおむつ1Cの製品状態斜視図である。 おむつ1Cの構成を説明するための説明図である。 スリット孔27の形成位置の変形例を示す図である。 スリット孔27の形状例を示す図である。 従来のパンツ型使い捨ておむつの展開図である。 その製品状態を示す斜視図である。
1…紙おむつ、10…吸収性本体、11…透液性表面シート、12…防漏シート、13…吸収体、14…クレープ紙、15…ギャザー不織布、16…糸状弾性伸縮部材、20…外装シート、21・22…脇部接合縁、24…ウエスト部弾性伸縮部材、25…腰回り弾性伸縮部材、26…背側湾曲弾性伸縮部材、27…スリット孔、28…腹側湾曲弾性伸縮部材、29…脚回りカットライン、F…前身頃、B…後身頃

Claims (3)

  1. 吸収体を含む吸収性本体と、この吸収性本体の外面側に一体的に設けられた外装シートとからなり、製品状態で前記外装シートの前身頃と後身頃とが両側部において接合されることによりウエスト開口部及び左右一対のレッグ開口部が形成されたパンツ型使い捨ておむつにおいて、
    前記外装シートは、前記ウエスト開口部回りに配置されたウエスト部弾性伸縮部材と、前身頃及び後身頃に上下方向に間隔をおいて水平方向に沿って配置された複数の腰回り弾性伸縮部材群と、前身頃及び後身頃に前身頃と後身頃とを接合する一方側接合縁から股下側に延び、その股下部を迂回するようにして他方側接合縁に到達する複数本の湾曲弾性伸縮部材群とを備えるとともに、該湾曲弾性伸縮部材群は、前記外装シートの縁部と、前記吸収性本体と、前記腰回り弾性伸縮部材群とに囲まれる当該外装シートの領域全体をほぼ覆うように形成され、
    かつ前記前身頃両側部の少なくとも一方側であって、かつ前記腰回り弾性伸縮部材の間であるとともに、前記湾曲弾性伸縮部材の間に、水平方向に延びるスリット孔を形成したことを特徴とするパンツ型使い捨ておむつ。
  2. 前記スリット孔の周囲に着色を施してある請求項1記載のパンツ型使い捨ておむつ。
  3. 前記スリット孔の長手寸法は30〜100mmとされる請求項1、2いずれかに記載のパンツ型使い捨ておむつ。
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