明 細 書
ド及び流体制御弁
技術分野
本発明は、 流体制御弁のスプールを駆動する比例型のソレノィド及びソレノィ ドを使用した流体制御弁に関するものである。
背景技術
(従来の技術)
図 1は、 従来のこの種のソレノイドの構成例を示す断面図である。 このソレノ ィドは、 励磁コイルに供給する電流に比例した電磁力を発生する比例型のソレノ イドである。 ソレノイド 1 0 0は、 円筒状のケーシング 1 0 1を具備し、 ケーシ ング 1 0 1内に軸方向に移動可能なプランジャー 1 0 2と、 プランジャー 1 0 2 の外周を取り囲むようにポビン 1 0 3に巻かれた励磁コイル 1 0 4が配置される。 ケーシング 1 0 1の側面がカバー 1 0 5と蓋体 1 0 6で施蓋される。
プランジャー 1 0 2の発生する力及び変位をソレノィド 1 0 0の外部に伝達す るプッシュピン 1 0 7が蓋体 1 0 6の中心部を貫通して突出する。 蓋体 1 0 6は 磁性体からなり円板状の蓋部 1 0 6 aからプランジャー 1 0 2の外周の一部を取 り巻くように突出した円筒状部 1 0 6 bを有する。 円筒状部 1 0 6 bの先端がテ ーパ形状部になっており、 このテ一パ形状部には非磁性円筒体 1 0 8のテーパ形 状部が係合している。 非磁性円筒体 1 0 8の反蓋体 1 0 6側には磁性円筒体 1 0 9が係合し、 蓋体 1 0 6の円筒状部 1 0 6 bと非磁性円筒体 1 0 8と磁性円筒体 1 0 9でプランジャー 1 0 2を取り囲むように構成される。
上記円筒状部 1 0 6 bのテーパ形状部と非磁性円筒体 1 0 8のテーパ形状部は 励磁コイル 1 0 4が発生する軸方向の磁束の一部を外周側に逃がし、 プランジャ 一 1 0 2の軸方向の吸引力を、 プランジャーの位置に依らず一定に保つようにし ている。 蓋体 1 0 6にはプランジャー 1 0 2が収容される空間 1 1 0に連通する 貫通孔 1 1 1が設けられる。 この貫通孔 1 1 1は、 プランジャー 1 0 2が変位す ると空間 1 1 0の内部の流体の容積が変化するので、 変化分の流体を外部へ出し 入れするための孔である。
図 1において、 プランジャー 1 0 2が実線の位置から右に d Xだけ移動し破線
の位置まで変位すると、 プランジャー 1 0 2の左側空間では API_ d x分だけ流体が 右側空間から流れ込む。 一方、 右側空間では (Apt— APIN) d x分の流体が排出さ れる。 これらの容積の差 APIN d Xがソレノィド 1 0 0の外部から貫通孔 1 1 1を 通って該ソレノイド 1 0 0の内部へ吸い込まれる。 ここで、 APIjはプランジャーの 断面積、 APINはプッシュピン 1 0 7の断面積である。
上記従来のソレノィド 1 0 0では、 蓋体 1 0 6に形成された貫通孔 1 1 1は、 プランジャー 1 0 2を収容する円筒孔の空間 1 1 0の上面よりも低い位置にある ため、 空間 1 1 0の内部に空気溜り 1 1 2ができてしまう。 即ち、 図 1において、 プランジャー 1 0 2の軸心から貫通孔 1 1 1の最上面までの距離 D hが、 プラン ジャー 1 0 2の軸心から空間 1 1 0の最上面までの距離 D iより小さい。 このた め、 空間 1 1 0内部の空気が抜けずに上方に溜まる (空気溜り 1 1 2を形成す る) 構造となっている。
上記空気溜り 1 1 2が無い場合に、 例えばプランジャー 1 0 2が図中の右側へ 変位すると、 ブランジャー 1 0 2の右側の流体が左側へ流れることになるが、 こ のとき左右を入れ替わる流体の粘性によってプランジャー 1 0 2に適度なダンピ ング作用を与えている。 しかし、 空間 1 1 0内に空気があると、 その空気は作動 流体として使用する液体に比べると粘性が極めて小さいために、 プランジャー 1 0 2に与えるダンピング作用が小さくなり、 振動するという問題が発生する。 また、 後述するダンピング絞りを備えた流体制御弁においてソレノィド 1 0 0 内部に空気溜り 1 1 2が存在すると、 スプールの変位に伴うソレノィド側の空間 の容積変化が空気の圧縮性によって吸収されてしまい、 ダンピング絞りとしての 作用が得られずスプールが振動し、 流体制御弁の動作が安定しないという問題が 発生する。
更に、 作動流体に水を使用する場合、 空間 1 1 0の内部に空気があるとプラン ジャー 1 0 2や周囲の部材を酸化させ、 摩擦が大きくなつたり、 性能が劣化する という問題が生じる。
発明の開示
(発明が解決しょうとする課題)
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、 ソレノィドの内部空間に空気が溜
ることがなく、 プランジャーやスプールの振動がなく動作が安定し、 且つプラン ジャーや周囲部材の酸化により、 摩擦が大きくなつたり、 性能が劣化することの ないソレノィド及び該ソレノィドを用いた流体制御弁を提供することを目的とす る。
(課題を解決するための手段)
上記課題を解決するため本発明の第 1の特徴は、 円筒状の励磁コイルと、 励磁 コイル内を移動可能なプランジャーを備え、 励磁コイルに電流を供給してプラン ジャーを移動させる電磁力を発生するソレノィドにおいて、 プランジャーを収容 するプランジャー収容空間の側面を閉鎖する蓋体に、 ソレノィド外部からプラン ジャー収容空間に貫通する貫通孔を上下に設け、 上側の貫通孔の最上面をプラン ジャー収容空間の最上面より高いか又は等しい位置とし、 下側貫通孔の最下面は プランジャー収容空間の最下面より低いか又は等しい位置とする。
また、 本発明の第 2の特徴は、 スリーブ内を摺動するスプールを有する流体制 御弁本体と、 プランジャーとプランジャーを移動させる磁気力を発生する励磁コ ィルを有し、 流体制御弁本体に取り付けられ、 プランジャーの移動でスプールに 移動力を与えるソレノィドを具備する流体制御弁において、 ソレノィドの流体制 御弁本体取付け面側の蓋体に、 プランジャーを収容する空間に連通する貫通孔を 上下に設け、 上側の貫通孔の最上面はプランジャー収容空間の最上面より高いか 又は等しい位置とし、 下側貫通孔の最下面はプランジャー収容空間の最下面より 低いか又は等しい位置とし、 流体制御弁本体にソレノイドの蓋体に設けた上下の 貫通孔より高い位置と低い位置に貫通孔に連通する縦穴を設け、 上側の縦穴を夕 ンクポー卜へ連通させたことである。
上記のようにソレノィドの蓋体に、 プランジャー収容空間に貫通する貫通孔を 上下に設け、 上側の貫通孔の最上面をプランジャー収容空間の最上面より高いか 又は等しい位置とし、 下側貫通孔の最下面はプランジャー収容空間の最下面より 低いか又は等しい位置とすることにより、 ソレノィド内部の空気を外部へ排出す ることができるので、 ソレノイドのプランジャー、 流体制御弁のスプールの動作 を安定化させることができる。
また、 下側の貫通孔によって、 ソレノイド内部に発生する摩耗粉を外部に排出
するので、 摩耗粉の中をプランジャーが摺動して摩耗が促進することを防ぎ、 耐 久性を向上させること力できる。
流体制御弁の作動流体として水を使用した場合に、 ソレノィド内部の空気を排 除するから、 構成部材の接水部の酸化を防ぐことができる。
流体制御弁本体側にソレノィドの蓋体の上側に設けた貫通孔より高い位置に縦 穴を設け、 タンクポートに連通するように構成したので、 ソレノイドの内部の空 気を流体制御弁の外部に排出することができる。
流体制御弁本体側にソレノィドの蓋体の下側に設けた貫通孔より低い位置に縦 穴を設けたので、 プランジャーの摺動により発生した摩擦粉は該縦穴内に堆積さ せることができる。 しかも、 縦穴内に堆積した摩耗粉が流体制御弁の動作によつ て拡散したり、 逆流することがない。
図面の簡単な説明
図 1は、 従来のソレノイドの構成例を示す断面図。
図 2は、 本発明に係るソレノイドの構成例を示す断面図。
図 3は、 本発明に係る流体制御弁の構成例を示す断面図。
図 4は、 図 3の A— A矢視図である。
(符号の説明)
1 0 :ソレノィド、 1 1 :ケ一シング、 1 2 プランジャー、 1 3 :ボビン、 1 4 :励磁コイル、 1 5 :カバー、 1 6 :蓋体、 1 7 :プッシュピン、 1 8 :非 磁性円筒体、 1 9 :磁性円筒体、 2 0 :空間、 2 1 :貫通孔、 2 2 :貫通孔、 3 0 :流体制御弁本体、 3 1 :静圧軸受、 3 2 :静圧軸受、 3 3 :スプール、 3 5 :スリーブ、 3 6 :パネ、 3 7 :ポンプポート、 3 8 :静圧軸受絞り、 3 9 : 制御ポート、 4 0 :制御ポート、 5 0 :中間プレート、 5 1 :貫通孔、 5 2 :貫 通孔、 5 3 :ダンピング絞り部、 5 4 :横穴、 5 5 :縦穴、 5 6 : プラグ、 5 7 :横穴、 5 8 :プラグ、 6 0 :変位センサ、 7 0 :コントローラ、 7 1 :入力 端子、 P : 目標位置信号、 Q:偏差信号、 S :スプール位置信号。
発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明の実施の形態例を図面に基づいて説明する。 図 2は、 本発明に係 るソレノィドの構成例を示す断面図である。 このソレノィドも図 1の従来の比例
型のソレノィドと同様、 励磁コイルに供給する電流に比例した電磁力を発生する ソレノイドである。 このソレノイド 1 0は、 円筒状のケ一シング 1 1を具備し、 ケ一シング 1 1内に軸方向に移動可能なプランジャー 1 2と、 プランジャー 1 2 の外周を取り囲むようにポビン 1 3に巻かれた励磁コイル 1 4が配置される。 ケ 一シング 1 1の側面がカバ一 1 5と蓋体 1 6で施蓋される。
プランジャー 1 2の発生する力及び変位をソレノィド 1 0の外部に伝達するプ ッシュピン 1 7が蓋体 1 6の中心部を貫通して突出する。 蓋体 1 6は、 磁性体か らなり円板状の蓋部 1 6 aからプランジャー 1 2の外周の一部を取り巻くように 突出した円筒状部 1 6 bを有する。 円筒状部 1 6 bの先端がテ一パ形状になって おり、 テーパ形状部には非磁性円筒体 1 8のテーパ形状部が係合する。 非磁性円 筒体 1 8の蓋体 1 6の反対側は、 磁性円筒体 1 9が係合し、 蓋体 1 6の円筒状部 1 6 bと非磁性円筒体 1 8と磁性円筒体 1 9でプランジャー 1 2を取り囲むよう に構成される。
上記円筒状部 1 6 bのテーパ形状部と非磁性円筒体 1 8のテーパ形状部は、 励 磁コイル 1 4が発生する軸方向の磁束の一部を外周側に逃がし、 プランジャー 1 2の軸方向の吸引力をプランジャーの位置に依らず一定に保つようになつている。 以上の構成、 作用は従来の比例型ソレノィドと全く同じである。
本ソレノィド 1 0は、 プランジャー 1 2を収容する円筒状の空間 2 0に連通す る貫通孔 2 1、 2 2を蓋体 1 6の上下の 2箇所に設けている。 そして、 貫通孔 2 1、 2 2のそれぞれの端面は空間 2 0の軸心から離れた位置に位置する。 即ち、 空間 2 0の軸心から上側貫通孔 2 1の最上面までの距離 D hを軸心から空間 2 0 の最上面までの距離 (空間 2 0の断面半径) D iより大きくし、 空間 2 0の軸心 から下側貫通孔 2 2の最下面までの距離 D hを軸心から空間 2 0の最上面までの 距離 D iより大きくしている。 なお、 距離 D hと距離 D iを等しく (D h = D Ϊ ) してもよい。
上記のように蓋体 1 6の上下に貫通孔 2 1、 2 2を設けることにより、 プラン ジャー 1 2を収容する空間 2 0に残留する空気は上側の貫通孔 2 1を通ってソレ ノィド 1 0の外部に排出する。 そして空気が排出された分の流体は下側の貫通孔 2 2を通ってソレノィド 1 0の内部に吸込まれる。
プランジャー 1 2が空間 2 0内を摺動する際、 プランジャー 1 2の外側面と空 間 2 0の内周面とが擦れ、 長時間使用を続けると、 摩耗粉が発生する。 下側の貫 通孔 2 2は、 この摩耗粉を外部に排出する作用を果たす。 プランジャー 1 2が収 容される空間 2 0に摩耗粉が堆積すると、 プランジャー 1 2が摩耗粉の中を摺動 することになり、 空間 2 0の内面の摩耗を促進する。 このため、 下側の貫通孔 2 2を通して発生した摩耗粉を排出することにより、 ソレノイドの使用時間、 即ち 耐久性を向上させることができる。
次に、 上記構成のソレノィド 1 0を用いた本発明に係る流体制御弁について説 明する。 図 3は本発明に係る流体制御弁の構成を示す断面図である。 本流体制御 弁は流体制御弁本体 3 0に中間プレート 5 0を介してソレノィド 1 0を取り付け た構成である。 なお、 6 0は変位センサである。
ソレノイド 1 0は、 先に説明したように、 蓋体 1 6にプランジャー 1 2を収容 する空間 2 0に連通する 2個の貫通孔 2 1 、 2 2を上下に設けており、 それぞれ の貫通孔 2 1、 2 2が空間 2 0の上方、 下方にその最上面、 最下面が来るように 位置する。 中間プレート 5 0には、 ソレノイド 1 0の蓋体 1 6に形成した 2個の 貫通孔 2 1、 2 2よりも高い位置と低い位置にそれぞれ中間プレ一ト 5 0を貫通 するように貫通孔 5 1、 5 2が形成されている。 即ち、 上側の貫通孔 5 1の最上 面の軸心からの距離 D pはソレノィド 1 0の貫通孔 2 1の最上面の軸心からの距 離 D hより大きく (D p≥D h )、 下側の貫通孔 5 2の最下面の軸心からの距離 D pはソレノイド 1 0の貫通孔 2 2の最下面の軸心からの距離 D hより大きく (D p≥D h ) なっている。
中間プレート 5 0の上側の貫通孔 5 1の更に上にはダンピング絞り部 5 3を取 り付けた横穴 5 4が中間プレート 5 0の途中まで設けられる。 そして中間プレー ト 5 0の下面からは上記横穴 5 4に連通する深さの縦穴 5 5が設けられる。 縦穴 5 5は、 中間プレート 5 0に形成した 3つの孔、 即ち、 貫通孔 5 1 、 5 2、 横穴 5 4に連通するようになっている。 この縦穴 5 5は、 加工後に、 下からプラグ 5 6等で封止する。
ソレノィド 1 0の内部に空気が存在した場合、 ソレノィド 1 0の上側に設けた 貫通孔 2 1から空気が外部に排出され、 次に中間プレートの貫通孔 5 1を通って
縦穴 5 5に流れ、 横穴 5 4のダンピング絞り部 5 3を通って排出される。 ダンピ ング絞り部 5 3の下流まで空気が出てしまえば、 流体制御弁本体 3 0の上部の流 路に空気が溜まっても弁の動作、 機能には影響がない。 また、 本実施形態例の流 体制御弁本体 3 0は、 スプール 3 3の両端部に静圧軸受 3 1、 3 2を設けるため、 スプール 3 3の左右の流体を常に排除し、 タンクポ一ト (図示せず) に導くよう な流れができるため、 空気が排除されやすくなる。
ソレノイド 1 0の内部のプランジャー 1 2の摺動によって発生する摩耗粉は、 下側の貫通孔 2 2から外部に排出され中間プレート 5 0の下側貫通孔 5 2を通つ て縦穴 5 5に入るようになつている。 スプール 3 3が動作しても中間プレート 5 0内の流体が動いても、 摩擦粉は縦穴 5 5に入り込んでいるため、 攪拌されたり、 逆流することなく底に堆積する。
図 4は、 中間プレート 5 0の側面を示す図で、 図 3の A— A矢視図である。 ソ レノイド 1 0が発生する摩耗粉は、 微量であるため、 縦穴 5 5に堆積した摩耗粉 はそのまま堆積させても問題はないが、 図 4に示すように中間プレートに横穴 5 7を設け、 使用中はプラグ 5 8等で封止しておき、 弁が動作していないときに排 出するように構成することも可能である。 この際、 プラグ 5 8を取り付ける時に 流体制御弁本体 3 0の内部に空気が混入しても、 上方の縦穴 5 5から排出される ようになつている。 このように摩耗粉をソレノィド 1 0の外部へ排出することに より、 ソレノイド 1 0の耐久性が格段に向上する。
次に上記構成の流体制御弁の構成及び動作について説明する。 流体制御弁本体 3 0は、 流体制御弁本体 3 0に収容されたスリーブ 3 5と、 スリーブ 3 5内を摺 動可能に嵌装されたスプール 3 3と、 ソレノィド 1 0によりスプール 3 3を軸方 向に移動させようとする力に対抗して力を発生するパネ 3 6を備えている。 スリ ーブ 3 5には供給される流体の流路を切り換える複数のポート (ポンプポート 3 7、 制御ポート 3 9、 4 0、 タンクポート) が形成され、 スプール 3 3がスリー ブ 3 5内を摺動することによって中立位置からいずれかの方向へ変位し、 流路が 切り換えられる。 スプール 3 3をスリーブ 3 5内の任意の位置に定位させること により流路の開度 (弁開度) を連続的に変化させ、 流体の流れ方向を切り換える (ポンプポート 3 7→制御ポート 3 9へ或いはポンプポート 3 7→制御ポート 4
0へと切り換える) と共に、 流量或いは圧力を連続的にコントロールすることが できる。
スプール 3 3の目標位置を入力端子 7 1から入力すると、 目標位置信号 Pと変 位センサ 6 0からフィードバックされた実際のスプール位置信号 Sとにより偏差 信号 Qを作り、 この偏差信号 Qがソレノイド 1 0のコントローラ 7 0へ入力され る。 コントローラ 7 0は偏差信号を直接増幅すると共に、 偏差信号を積分して対 抗するパネ 3 6の弾発力と釣り合うような励磁電流をソレノィド 1 0に供給して スプール 3 3を目標位置に定位させている。
この流体制御弁はスリーブ 3 5に静圧軸受 3 1 、 3 2が形成されており、 静圧 軸受 3 1、 3 2にポンプポート 3 7からの高圧流体を導き、 静圧軸受絞り 3 8を 介して内周側へ噴出させることにより、 スプール 3 3をスリーブ 3 5とは非接触 状態に支持する。 このような静圧軸受 3 1 、 3 2を設けることにより、 作動流体 に潤滑性の低い流体 (例えば、 水) を使用してもスプール 3 3をスリーブ 3 5内 で滑らかに摺動させることができる。
なお、 流体制御弁本体 3 0の構成は一例であり、 流体制御弁本体の構成はこれ に限定されるものではない。 また、 上記例では、 中間プレート 5 0に、 横穴 5 4、 貫通孔 5 1 、 5 2及び縦穴 5 5を設けているが、 これらは流体制御弁本体 3 0に 設けても良い。
発明の効果
以上説明したように、 本発明の特徴によれば、 下記のような優れた効果が得ら れる。
本発明の第 1の特徴によれば、 ソレノィドの蓋体にプランジャー収容空間に貫 通する貫通孔を上下に設け、 上側の貫通孔の最上面をプランジャー収容空間の最 上面より高いか又は等しい位置とし、 下側貫通孔の最下面はプランジャー収容空 間の最下面より低いか又は等しい位置とすることにより、 ソレノイド内部の空気 を外部へ排出することができるので、 プランジャ一の動作が安定化したソレノィ ドを提供できる。
また、 下側の貫通孔によって、 ソレノイド内部に発生する摩耗粉を外部に排出 するので、 摩耗粉の中をプランジャーが摺動して摩耗が促進することを防ぎ、 耐
久性を向上させることができる。 更に、 流体制御弁の作動流体として水を使用し た場合に、 ソレノイド内部の空気を排除するから、 構成部材の接水部の酸化を防 ぐことができる。
本発明の第 2の特徴によれば、 流体制御弁本体に上記ソレノィドを取り付け、 流体制御弁本体側にソレノィドの蓋体の上側に設けた貫通孔より高い位置に縦穴 を設け、 タンクポートに連通するように構成したので、 ソレノイドの内部の空気 を流体制御弁の外部に排出することができ、 スプールの振動がなく流体制御弁の 動作が安定化する。
また、 流体制御弁本体側にソレノィドの蓋体の下側に設けた貫通孔より低い位 置に縦穴を設けたので、 プランジャーの摺動により発生した摩擦粉は縦穴内に堆 積させることができる。 しかも、 縦穴内に堆積した摩耗粉が流体制御弁の動作に よって拡散したり、 逆流することがない。