JPH078677U - 電磁スプール弁 - Google Patents

電磁スプール弁

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JPH078677U
JPH078677U JP4287393U JP4287393U JPH078677U JP H078677 U JPH078677 U JP H078677U JP 4287393 U JP4287393 U JP 4287393U JP 4287393 U JP4287393 U JP 4287393U JP H078677 U JPH078677 U JP H078677U
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聰 数藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電磁制御スプール弁においてリニアソレノイ
ド部内部の油への異物及び空気の混入を防止する。 【構成】 電磁制御スプール弁は、圧油供給通路23、ド
レン通路25及び出力通路24に連通する各環状溝13,15,
17をもつ滑動孔4が形成された弁本体3と、滑動孔に軸
線方向に滑動自在に嵌挿され、且つ軸線方向の変位によ
り出力通路に連通する環状溝を圧油供給通路に連通する
環状溝又はドレン通路に連通する環状溝に選択的に可変
絞り開閉するように各環状溝に対応してランド部29,31
が形成されたスプール5とを備えたスプール弁部1及び
弁本体に結合され、空間部に油が充填されたソレノイド
ハウジング40,44を備え、スプールを変位作動するリニ
アソレノイド部2から構成され、そして、ドレン通路に
連通する環状溝が弁本体に形成されたドレン油路20を介
してソレノイドハウジングの空間部に連通している。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、電磁スプール弁、例えば圧力制御電磁スプール弁や電磁開閉スプ ール弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術における電磁スプール弁としては、例えば実開平3−117178 号公報に記載されたものがある。 その電磁スプール弁においては、スプール弁部とそれを作動するように同軸線 関係にあるリニアソレノイド部とから構成され、例えば自動車のオートマチック トランスミッションに用いられている。
【0003】 スプール弁部は、ミッションハウジングに形成された中空横孔に埋め込まれて おり、スプール弁部と同軸線関係にあるリニアソレノイド部は、その基端がスプ ール弁部の端部に固着されて、油タンク中の油面より上方の空気中に突出してい る。 スプール弁部において、スプールハウジング滑動孔が軸線方向に貫通して形成 され、滑動孔には、スプールが軸線方向に滑動自在に嵌挿されている。
【0004】 滑動孔の内周面には、リニアソレノイド部側から順に上方に向うドレン通路が 連通した大径孔部、供給通路が連通した環状溝、出力通路が連通した環状溝が形 成されている、ドレン通路は、リニアソレノイド部のハウジングの上側外周面に 開口している。
【0005】 弁スプールには、軸線方向の変位により出力通路に連通する環状溝を圧油供給 通路に連通する環状溝又はドレン通路に連通する環状溝に選択的に可変絞り開閉 するように各環状溝に対応してランド部が形成されている。そしてスプールを変 位作動するリニアソレノイド部のソレノイドハウジング空間部には油が充填され ている。
【0006】 上記の電磁スプール弁において、制御された励磁電流によるリニアソレノイド 部の作動によりスプールが軸線方向に変位作動し、圧油供給通路とドレン通路と を遮断の上、出力通路を圧油供給通路とドレン通路と選択的に可及絞り開閉し、 出力通路への油圧を制御し、ドレン通路からの油は、リニアソレノイド部のハウ ジングの上側外周面の開口から外部に流出する。
【0007】 その際、リニアソレノイド部の内部空間はスプールハウジングの大径孔部に接 し、リニアソレノイド部における作動による呼吸作用に伴ってリニアソレノイド 部内部の油は、スプールハウジングの大径孔部からドレン通路に対し流出入する 。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】
上記の従来の技術における電磁スプール弁、即ち実開平3−117178号公 報に記載された電磁スプール弁においては、油圧作動機器に接続された出力通路 からの油排出のドレン通路は、スプール弁部とリニアソレノイド部との接合域に まで達した上で同域において上方に伸びリニアソレノイド部の上側外周面に開口 している。
【0009】 従って、油圧作動機器において発生した鉄粉や塵埃等が混入した油がスプール 弁部中をリニアソレノイド部の結合部にまで流れた上で外部に流出するので、リ ニアソレノイド部の結合部において、その油のリニアソレノイド部内部への侵入 がリニアソレノイド部の作動による呼吸作用で生じる。その結果、リニアソレノ イド部内部に充填されている油に鉄粉や塵埃等が混入し、リニアソレノイド部の 作動に障害をもたらす。
【0010】 又、油タンクの油面より上方の空気中の位置に設置された場合において、ドレ ン通路の開口がリニアソレノイド部の上側外周面であるので、油のレベルはそこ まで一応保たれて、リニアソレノイド部内部の油の充填状態も保たれているとは いえ、温度変化による収縮・膨張、油の蒸発、他の個所からの漏洩等により油の レベルが低下すると忽ちリニアソレノイド部内部への空気の侵入が起り得る。そ の結果、油中空気の混入により電磁スプール弁の作動における油による振動吸収 作用が阻害される。 この考案は、上記のような欠点がない電磁スプール弁を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この考案の電磁スプール弁は、圧油供給通路、ドレン通路及び出力通路に連通 する各環状溝をもつ滑動孔が形成された弁本体と、滑動孔に軸線方向に滑動自在 に嵌挿され、且つ軸線方向の変位により出力通路に連通する環状溝を圧油供給通 路に連通する環状溝又はドレン通路に連通する環状溝に選択的に可変絞り開閉す るように各環状溝に対応してランド部が形成されたスプールとを備えたスプール 弁部及び弁本体に結合され、空間部に油が充填されたソレノイドハウジングを備 え、スプールを変位作動するリニアソレノイド部から構成されている。
【0012】 そして、ドレン通路に連通する環状溝が弁本体に形成されたドレン油路を介し てのみソレノイドハウジングの空間部に連通している。更には、油タンクの油面 より上方の空気中の位置に設置される形式では、弁本体の取付部におけるドレン 通路の開口が電磁スプール弁の最高部位より上方に位置することが好ましい。
【0013】
【作用】
上記の電磁スプール弁において、制御された励磁電流によるリニアソレノイド 部の作動によりスプールが軸線方向に変位作動し、圧油供給通路とドレン通路と を遮断の上、出力通路を圧油供給通路とドレン通路と選択的に可変絞り開閉し、 出力通路への油圧を制御する。 その際、リニアソレノイド部における作動による呼吸作用に伴ってリニアソレ ノイド部内部の油は、ドレン通路を通って環状溝を介してドレン通路に対し流出 入する。
【0014】 油圧作動機器において発生した鉄粉や塵埃等が混入した油が環状溝を介してド レン通路へ流れる際、リニアソレノイド部内部は、その環状溝にはスプール弁部 に軸線方向に形成されたドレン通路を介して離れているので、油圧作動機器から ドレン通路への油は、リニアソレノイド部における軸線方向変位部の呼吸作動及 び往復動するスプールの呼吸作動による内部の油の流出入に際し、リニアソレノ イド部に侵入しない。
【0015】 そして、電磁スプール弁が油タンクの油面より上方の空気中の位置に設置され た場合において、ドレン通路の開口が電磁スプール弁の最高部位より上方に位置 するので、温度変化による収縮・膨張や他の個所からの漏洩等により油のレベル が多少低下しても、リニアソレノイド部内部への空気は侵入しない。
【0016】
【実施例】
この考案の実施例における電磁スプール弁を図面に従って説明する。 なお、以下の説明における左右方向は、図1における方向である。 図1に示された実施例の圧力制御電磁スプール弁は、例えば自動車のオートマ チック・トランスミッション用に用いられるものである。
【0017】 実施例の圧力制御電磁スプール弁は、スプール弁部1とそれを作動するように 同軸線関係にあるリニアソレノイド部2とから構成されている。スプール弁部1 は、ミッションハウジング(機器)の立壁部Hの上端部近傍に形成された中空横 孔hに嵌着されており、スプール弁部1と同軸線関係にあるリニアソレノイド部 2は、その基端がスプール弁部1の露出端に固着されて、ミッションハウジング とミッションケースとの間に形成された油タンクT中の油面より上方の空気中に 突出している。
【0018】 スプール弁部1において、ミッションハウジング(機器)の立壁部Hの中空横 孔hに嵌着された非磁性体からなる円筒形のスプールハウジング3には、滑動孔 4が軸線方向に貫通して形成され、滑動孔4には、スプール5が軸線方向に滑動 自在に嵌挿されている。滑動孔4の後端(右端)は、滑動孔4に調節自在に螺着 された蓋栓6により密封閉鎖されている。
【0019】 滑動孔4の内周面には、リニアソレノイド部2側から順に大径孔部7、第1環 状溝9、第2環状溝11、第3環状溝13、第4環状溝15、第5環状溝17及び大径孔 部19が形成されている。なお、第3環状溝13の第4環状溝15側には、小突起の凹 欠部が形成されている。
【0020】 第1環状溝9は、斜上方に向う部分円弧室9aとして、第3環状溝13、第4環 状溝15及び第5環状溝17は、下方に向う部分円弧室13a、部分円弧室15a及び部 分円弧室17aとして夫々スプールハウジング3の外周面に達している。第4環状 溝15は、部分円弧室15aとは別に部分円弧室9aとは位相がずれた斜上方に向う 部分円弧室15bとしてスプールハウジング3の外周面に達していると共に、第5 環状溝17も部分円弧室17aとは別に部分円弧室9aとは同一位相で斜上方に向う 部分円弧室17bとしてスプールハウジング3の外周面に達している。(図2、図 3参照)
【0021】 スプールハウジング3の外周面には互に円周的に位相がずれた軸線方向のドレ ン溝20及びフィードバック制御圧溝21が形成され、ドレン溝20は、第1環状溝9 の部分円弧室9aと第5環状溝17の部分円弧室17bとを連通しており、フィード バック制御圧溝21の一端は、オリフィス22を介して第2環状溝11と連通している と共に、他端は第4環状溝15の部分円弧室15bに開口している。(図2、図3参 照)
【0022】 ミッションハウジングの立壁部Hのスプール弁部嵌着域には、ポンプPに接続 された供給通路23及び油圧作動部Aに接続された出力通路24が中空横孔hに開口 して形成され、更に中空横孔hから下向きに連通するドレン通路25は、図3に示 すように途中で水平方向に向きが変えられ、さらに上方向に向きが変えられ、特 に立壁部Hの頂面の開口Nで外部に連通している。そして、供給通路23は第3環 状溝13の部分円弧室13aに、出力通路24は、第4環状溝15の部分円弧室15aに、 ドレン通路25は第5環状溝17の部分円弧室17aに夫々連通している。又、大径孔 部19は、外部に直接開口連通している。
【0023】 スプール5には、リニアソレノイド部2側(左側)から順に先端小径部26、第 1ランド部27、第1環状溝部28、第2ランド部29、第2環状溝部30及び第3ラン ド部31が順次形成されている。 滑動孔4は、大径孔部7・第2環状溝11間が他部より適宜量だけ小径となって おり、従って、スプール5の第1ランド部27は、他のランド部より同様に小径と なっている。即ち、第1ランド部27と第2ランド部29との間には段差が形成され 、第1環状溝部28の両端面には、面積差が存在する。
【0024】 リニアソレノイド部2において、基端側にフランジ部41が形成された円筒状部 材である磁性体からなる第1ソレノイドハウジング40の外周面には、外部の電源 制御部から導線51を介して励磁電流が通電されるソレノイド42が嵌装され、フラ ンジ部41がスプールハウジング3の先端のフランジ部(左側端面)に固着されて いる。 内向きフランジ部43をもつ筒状体の磁性体からなる第2ソレノイドハウジング 44は、ソレノイド42の外周を覆い、その口縁部は、第1ソレノイドハウジング40 のフランジ部41及びスプールハウジング3の先端フランジ部に固着されている。
【0025】 第1ソレノイドハウジング40の中空孔及びスプールハウジング3の大径孔部7 には、スプール45及び転がり軸受46、46を介して非磁性体の弁棒47が軸線方向に 滑動自在に嵌挿され、弁棒47の後端部(左端部)付近には、磁性体のプランジャ 48が取付けられ、プランジャ48は、第2ソレノイドハウジング44の内向きフラン ジ部43の中央開口内に僅少な隙間をもって遊嵌され、先端(右端)は、円筒形先 端部48aとなり、第1ソレノイドハウジング40の後端小径部となっているヨーク 部40aに対向し、適宜の間隙で嵌まり得るようになっている。プランジャ48を貫 通して連通孔49が形成され、連通孔49は、プランジャ27の往復動における呼吸作 用に寄与する。
【0026】 第2ソレノイドハウジング44の内向きフランジ部43の外端面には、蓋板50が中 空孔を閉鎖するように取付けられ、リニアソレノイド部2の内部空間には、油が 充填されている。 スプール弁部1において、スプール5の外端面と蓋栓6の内端面に形成された ばね挿着穴との間には、後端小径部32を囲繞して圧縮コイルばね33が嵌装されて いる。
【0027】 従って、蓋栓6は、調節された所定のねじ込み位置に捩じ込まれており、その 結果、圧縮コイルばね33は、所定の予圧の初期ばね力が与えられ、スプール5は 、圧縮コイルばね33の予圧の初期ばね力により付勢変位され、その先端が常時、 弁棒47の右端に当接され、延いては弁棒47は、その先端(左端)が蓋板50に向っ て付勢変位される。
【0028】 そして、スプールハウジング3の第1環状溝9・第2環状溝11間、第2環状溝 11・第3環状溝13間及び第5環状溝17・大径孔部19間は、夫々スプール5の第1 ランド部27、第2ランド部29及び第3ランド部31により、常時遮断されている。
【0029】 上記の圧力制御電磁スプール弁の作用について説明する。 図1のスプール5及び弁棒47の上側半分は、ソレノイド42が励磁されていない 状態を示し、下側半分は、導線51を介して制御信号による励磁電流がソレノイド 42に印加されている状態を示す。 そこで、ソレノイド42が励磁されていない場合は、弁棒47の先端は、蓋板50に 当接され、プランジャ48の右端面は、第1ソレノイドハウジング40のヨーク部 40aと適宜の間隔をあけて対向している。
【0030】 ソレノイド42が励磁されていない状態では、蓋栓6の螺入調節で調節設定され た圧縮コイルばね33の初期ばね力Fs0(=Kx0)がスプール5に作用し、スプー ル5は、図1で左行し、リニアソレノイド部2の弁棒47の先端が蓋板50に当接す るまで突出した最左端位置になり、出力通路24、即ち第4環状溝15は、第2ラン ド部29により絞られた最大開度で第3環状溝13、即ち供給通路23に連通すると共 に、第3ランド部31により第5環状溝17、即ちドレン通路25と遮断される。
【0031】 従って、ポンプPから供給通路27に供給される圧油は、第3環状溝13、第2環 状溝30及び第4環状溝15を介して出力通路24へ、即ち油圧作動部Aへ供給され、 ドレン通路25を介しての油槽Tに流出しないので、油圧作動部Aの油圧は増大し 、最高圧にとなる。
【0032】 外部の制御装置からの制御された励磁電流が導線51を介してソレノイド42に印 加されると、第1ソレノイドハウジング40、第2ソレノイドハウジング44及びプ ランジャ48により構成される磁力線回路が構成され、その励磁電流の大きさに応 じた大きさの吸引力Fm がヨーク40aとプランジャ48との間に働き、弁棒47は、 スプール5を押圧し、圧縮コイルばね33を圧縮する。
【0033】 その結果、スプール5は、図1で右行し、圧縮コイルばね33のばね力Fs(= k(x0 +x))と励磁電流の大きさに応じた大きさの吸引力Fm とが平衡する まで、即ちxだけ変位する。 励磁電流の増大に応じて、出力通路24、即ち第4環状溝15と第3環状溝13、即 ち供給通路23との連通は、第2ランド部29により次第に絞られると共に、出力通 路24、即ち第4環状溝15と第5環状溝17、即ちドレン通路25との連通は、第3ラ ンド部31により次第に開放され、遂には、出力通路24は、供給通路23と遮断され ると共に、ドレン通路25と最大開度で連通する。
【0034】 その際の励磁電流による制御の作動範囲において、油圧作動部Aへ供給される 圧油が第4環状溝15からフィードバック制御圧溝21、オリフィス22及び第2環状 溝11を介して第1環状溝部28にも供給され、第1環状溝部18における両端面の面 積差△Aにフィードバック圧pを乗じた油圧p・△Aがソレノイド42の吸引力 Fm に付加されて働く。
【0035】 その結果、スプール5は、ソレノイド42による吸引力Fm とフィードバック油 圧力p・△Aとの和が圧縮コイルばね33のばね力Fs (=K(x0 +x))と平 衡する位置になり、供給通路23、即ち第3環状溝13と出力通路24、即ち第4環状 溝15との連通の絞りは、ソレノイド42による吸引力Fm 、即ち励磁電流の大きさ により設定される上記の平衡位置に応じた開度となる。
【0036】 上記の作動範囲において、励磁電流の大きさで設定される絞りに応じた油圧作 動部Aの油圧に変動が生じると、フィードバック圧pが変動し、それによりスプ ール5が変位して、第2ランド部29が、第3環状溝13と第4環状溝15との連通関 係を、即ち供給通路23と出力通路24との連通関係を変動したり遮断したりして油 圧の変動を吸収して励磁電流の大きさにより設定される出力油圧を維持するよう にフィードバック制御が行われる。
【0037】 励磁電流の最大時には、出力通路24は、供給通路23と遮断されると共に、ドレ ン通路25と最大開度で連通するので、油圧作動部Aから油は、出力通路24、第4 環状溝15、第2環状溝部30、第5環状溝17及びドレン通路25を通って外部に流出 する。 圧力制御電磁スプール弁において、リニアソレノイド部2における軸線方向変 位部の呼吸作動及び往復動するスプール5の第1ランド部27の呼吸作動による各 流出入は、第1環状溝9、ドレン溝20及び第5環状溝17を介してドレン通路25に より行われる。
【0038】 油圧作動部Aは、出力通路24、即ち第4環状溝15から第2環状溝部30を介して 隣接する第5環状溝17、即ちドレン通路25に連通しており、他方、リニアソレノ イド部2とは、ドレン通路25に連通している第5環状溝17から更にドレン溝20を 介し、第5環状溝17から最も離れている第1環状溝9によって連通している。従 って、油圧作動部Aからの油が、リニアソレノイド部2における軸線方向変位部 の呼吸作動及び往復動するスプール5の第1ランド部27の呼吸作動による内部の 油の流出入に際し、リニアソレノイド部2に侵入する虞れはない。
【0039】 しかも、ドレン通路25は、ミッションハウジング(機器)の立壁部Hの頂面に 開口しているので、即ちドレン通路25を含めての圧力制御電磁スプール弁内部の 全空間より上方位置においてのみ開口しているので、ドレン通路25を含めての圧 力制御電磁スプール弁内部の全空間に充満している油の液位はドレン通路25の開 口に維持される。従って、油圧振動の原因となる圧力制御電磁スプール弁内部空 間の油中への空気の混入、即ち該空間への空気の侵入は生じない。
【0040】 又、スプール5と弁棒47の軸動による第1環状溝9を含む空間Sの呼吸は、ド レン溝20内の油が出入りすることにより行われるため、油圧作動部Aからの油が 空間Sに侵入する虞れがない。更にプランジャ48が軸動する空間Uの呼吸は、空 間S内の油が出入りすることにより行われるため、油圧作動部Aからの油が空間 Uに侵入する虞れがない。
【0041】
【考案の効果】
この考案による電磁スプール弁においては、油圧機器の作動油が出力通路スプ ール弁部を介してドレン通路に対し流出する際に、リニアソレノイド部における 作動による呼吸作用に伴ってリニアソレノイド部内部の油もドレン油路に通じる 環状溝に向うドレン油路に対し流出入するが、リニアソレノイド部内部は、その 環状溝にはスプール弁部に軸線方向に形成されたドレン油路を介して離れている ので、鉄粉や塵埃等が混入した油圧作動機器からドレン通路への油は、リニアソ レノイド部に侵入しない。従って、リニアソレノイド部内部に充填されている油 への鉄粉や塵埃等が混入によるリニアソレノイド部の作動の障害は防止される。
【0042】 そして、電磁スプール弁が油タンクの油面より上方の空気中の位置に設置され た場合において、ドレン通路の開口が電磁スプール弁の最高部位より上方に位置 するので、温度変化による収縮・膨張や他の個所からの漏洩等により油のレベル が多少低下しても、リニアソレノイド部内部への空気は侵入しない。従って、電 磁スプール弁の作動における油による振動吸収作用が油への混入空気により阻害 されるようなことはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の実施例における圧力制御電磁スプー
ル弁の断面図である。
【図2】図1のII−II線における断面図である。
【図3】図1のIII −III 線における断面図である。
【符号の説明】
1 スプール弁部 2 リニアソ
レノイド部 3 スプールハウジング 4 滑動孔 5 スプール 6 蓋栓 7 大径孔部 9 第1環状
溝 11 第2環状溝 13 第3環状
溝 15 第4環状溝 17 第5環状
溝 9a,13a,15a,15b,17a,17b 部分円弧室 19 大径孔部 20 ドレン溝 21 フィードバック制御圧溝 22 オリフィ
ス 23 供給通路 24 出力通路 25 ドレン通路 26 先端小径
部 27 第1ランド部 28 第1環状
溝部 29 第2ランド部 30 第2環状
溝部 31 第3ランド部 32 後端小径
部 33 圧縮コイルばね 41 フランジ
部 40 第1ソレノイドハウジング 40a ヨーク
部 42 ソレノイド 43 内向きフ
ランジ部 44 第2ソレノイドハウジング 45 スリーブ 46 転がり軸受 47 弁棒 48 プランジャ 48a 円筒形
先端部 49 連通孔 50 蓋板 51 導線 C ミッションケース H 立壁部 h 中空横孔 N 開口 A 油圧作動部 P ポンプ T 油タンク

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧油供給通路、ドレン通路及び出力通路
    に連通する各環状溝をもつ滑動孔が形成された弁本体
    と、滑動孔に軸線方向に滑動自在に嵌挿され、且つ軸線
    方向の変位により出力通路に連通する環状溝を圧油供給
    通路に連通する環状溝又はドレン通路に連通する環状溝
    に選択的に可変絞り開閉するように各環状溝に対応して
    ランド部が形成されたスプールとを備えたスプール弁部
    及び弁本体に結合され、空間部に油が充填されたソレノ
    イドハウジングを備え、スプールを変位作動するリニア
    ソレノイド部から構成され、ドレン通路に連通する環状
    溝が弁本体に形成されたドレン油路を介してのみソレノ
    イドハウジングの空間部に連通している電磁スプール
    弁。
  2. 【請求項2】 油タンクの油面より上方の空気中の位置
    に設置され、弁本体の取付部におけるドレン通路の開口
    が電磁スプール弁の最高部位より上方に位置する請求項
    1に記載の電磁スプール弁。
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