JP2009063022A - 電動スプール弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】 スリーブの前端をオイル開放部に露出させ、オイル排出経路とアクチュエータ呼吸経路を共にスリーブの前端のオイル開放部に連通させる構造であっても、容積変動室への異物の侵入を防ぐことのできる電動スプール弁を提供する。
【解決手段】 スリーブ13の前端に独立した前端中心開口13bと前端外側開口31を設ける。作動オイルの排出を行うオイル排出経路は、スプール内軸穴14aを通り前端中心開口13bに連通する。電磁アクチュエータ12内を呼吸させるアクチュエータ呼吸経路は、スリーブ13の外面呼吸溝32を通り前端外側開口31に連通する。オイル排出経路とアクチュエータ呼吸経路が独立するため、オイル排出経路の排出オイルがアクチュエータ呼吸経路内に直接流入せず、電磁アクチュエータ12内へ新規に吸い込まれるオイルを極めて小さくでき、オイル混入異物がプランジャ17の摺動面に到達する不具合を回避できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、オイルの供給と排出の切替が可能なスプール弁を備えた電動スプール弁に関する。
(従来技術)
オイルの供給と排出の切替が可能なスプール弁を備えた電動スプール弁の一例として、1つの入力ポート、2つの出力ポート、2つの排出ポートを備える五方弁構造の電磁スプール弁が知られている。
この種の電磁スプール弁は、例えば、内燃機関(以下、エンジンと称す)のカムシャフトの進角量を油圧制御するオイル・フロー・コントロール・バルブ(以下、OCVと称す)であり、吸気バルブまたは排気バルブの少なくても一方の開閉タイミングを可変させるバルブタイミング調整装置(以下、VVTと称す)などに用いられる。
ここで、VVTは、油圧制御により機械的にカムシャフトを駆動するバルブタイミング可変機構(以下、VCTと称す)と、このVCTの油圧制御を行う油圧回路と、油圧回路に設けられるOCVを電気的に制御するECU(エンジン・コントロール・ユニットの略:制御装置)とから構成される。
VVTに用いられるOCVは、スリーブとスプールを組み合わせたスプール弁と、このスプール弁の端部に設けられて、スプールを軸方向に駆動する電磁アクチュエータ(電動アクチュエータの一例)とからなる。
スリーブには、1つの入力ポートと、進角室の油圧をコントロールする進角室出力ポートと、遅角室の油圧をコントロールする遅角室出力ポートと、進角室の油圧をドレンさせる進角室排出ポートと、遅角室の油圧をドレンさせる遅角室排出ポートとが設けられ、スプールの軸方向位置が電磁アクチュエータでコントロールされることで、進角室出力ポートと遅角室出力ポートの発生油圧がコントロールされ、その結果、エンジンのバルブタイミングがコントロールされるようになっている。
OCVは、スプール弁がエンジン(固定部材の一例:例えば、シリンダヘッド)に装着されるものであり、スプール弁をエンジンの外部からエンジンに形成された組付け穴に挿入し、電磁アクチュエータをエンジンの外面に固定することで、OCVがエンジンに組み付けられる。
OCVがエンジンに組み付けられることで、スプール弁がエンジンの適正な位置に合致して、スリーブに形成された各ポートがエンジンに形成された油路と連通する。そして、電磁アクチュエータはエンジンの外部に露出した状態で配置される。
一方、電磁アクチュエータの内部には、作動に伴って空間容積が変化する容積変動室(以下、プランジャのスプールに近い側の容積変動室を第1容積変動室、プランジャのスプールから離れた側の容積変動室を第2容積変動室と称す)がある。
電磁アクチュエータは、上述したように、エンジンの外部に露出するものであるため、第1、第2容積変動室を電磁アクチュエータの外部に連通させることが困難であり、第1、第2容積変動室をスプール弁に設けられたアクチュエータ呼吸経路を介してエンジン内のオイル開放部に連通させる必要がある。
近年、OCVが取り付けられるエンジン側の油路構造を簡単化するとともに、OCVから排出されるオイルの流れ抵抗を減らす目的で、スプール弁の挿入前端(以下、OCVにおけるエンジン挿入側の端部を前端、反対側の端部を後端と称す)をオイル開放部(例えば、エンジンにおけるシリンダヘッドの内部空間)に露出させる構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このように、スリーブの前端をオイル開放部に露出させる構造では、特許文献1に示される技術のように、出力ポートから排出されるオイルを、スプールの内部に形成したスプール内軸穴、およびスリーブの前端側の中心部に形成した前端中心開口を通るオイル排出経路によりスリーブの前端からオイル開放部に排出させる構造が有用となる。
しかし、この構造を採用すると、特許文献1に示されるように、電磁アクチュエータ内の第1、第2容積変動室を低圧側に連通させるアクチュエータ呼吸経路も、スプールの内部に形成したスプール内軸穴の内部を通ってしまう。即ち、アクチュエータ呼吸経路とオイル排出経路は、スプール内軸穴を共用する構造となってしまう。
その結果、VCT側(進角室および遅角室)から排出されるエンジンオイルが、スプール内軸穴から第1、第2容積変動室へ流入し、VCT側から排出されるエンジンオイルに混入した異物が、第1、第2容積変動室へ侵入し、プランジャの摺動面に到達する可能性がある。
エンジンオイルに混入した異物がプランジャの摺動面に到達すると、プランジャの摺動性が悪化して作動不良の要因となったり、摩耗の要因となってしまう。
特開2003−97756号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、スリーブの前端をオイル開放部に露出させ、オイル排出経路とアクチュエータ呼吸経路が共にスリーブの前端のオイル開放部に連通する構造であっても、容積変動室への異物の侵入を防ぐことのできる電動スプール弁の提供にある。
[請求項1の手段]
請求項1の手段の電動スプール弁におけるスリーブの前端には、中心部と外周部とに独立した前端中心開口と前端外側開口とが設けられる。そして、オイル排出経路は、スプール内軸穴を通り前端中心開口に連通する連通路であり、アクチュエータ呼吸経路は、スリーブの外周面を通り前端外側開口に連通して、オイル排出経路とは独立した連通路である。
これにより、スリーブの前端部のみがオイル開放部に連通する構造を採用しても、オイル排出経路とアクチュエータ呼吸経路とがそれぞれ独立してオイル開放部に連通するため、オイル排出経路を流れるオイルがアクチュエータ呼吸経路内に直接流入することがない。また、アクチュエータ呼吸経路は、オイル排出経路とは独立してスリーブの前端に到達する通路であるために通路長が長く、大きな容積を備えるため、容積変動室の容積変動に伴ってアクチュエータ呼吸経路内のオイルが移動しても、オイル開放部から容積変動室に到達するオイルを減らすことができる。
このように、容積変動室へのオイルの侵入が抑えられるため、オイルに含まれる異物が容積変動室に侵入する確率を低く抑えることができ、オイルに混入した異物がプランジャの摺動面に到達する不具合を回避することができる。
[請求項2の手段]
請求項2の手段を採用する電動スプール弁におけるスプール内軸穴は、前端側が前端中心開口と連通し、後端側が閉塞して設けられる。そして、スリーブの外周面には、スリーブの前端から後端側へ伸び、前端側で前端外側開口と連通する外面呼吸溝が設けられており、アクチュエータ呼吸経路は外面呼吸溝を通って前端外側開口と連通する。
外面呼吸溝がスプール内軸穴(オイル排出経路)のバイパス路となり、オイル排出経路とアクチュエータ呼吸経路とを独立させることができる。
[請求項3の手段]
請求項3の手段の電動スプール弁におけるスリーブの前端には、中心部と外周部とに独立した前端中心開口と前端外側開口とが設けられる。また、スプール内軸穴の内部には、前端外側開口に連通する第1空間と、前端中心開口に連通する第2空間とに区画する仕切部材が配置される。そして、オイル排出経路は、スプール内軸穴における第1空間を通り前端外側開口に連通する連通路であり、アクチュエータ呼吸経路は、スプール内軸穴における第2空間を通り前端中心開口に連通して、オイル排出経路とは独立した連通路である。
これにより、上記「請求項1の手段」と同様、スリーブの前端部のみがオイル開放部に連通する構造を採用しても、オイル排出経路とアクチュエータ呼吸経路とがそれぞれ独立してオイル開放部に連通するため、オイル排出経路を流れるオイルがアクチュエータ呼吸経路内に直接流入することがない。また、アクチュエータ呼吸経路は、独立した通路長が長く、大きな容積を備えるため、容積変動室の容積変動に伴ってアクチュエータ呼吸経路内のオイルが移動しても、オイル開放部から容積変動室に到達するオイルを減らすことができる。
このように、容積変動室へのオイルの侵入が抑えられるため、オイルに含まれる異物が容積変動室に侵入する確率を低く抑えることができ、オイルに混入した異物がプランジャの摺動面に到達する不具合を回避することができる。
[請求項4の手段]
請求項4の手段を採用する電動スプール弁における仕切部材は、パイプ形状を呈して、スプール内軸穴の内部の外周を第1空間に区画し、スプール内軸穴の内部の内周を第2空間に区画するものであり、パイプ形状を呈する仕切部材の後端内部は、スプール内軸穴の後端側において容積変動室側と連通する。そして、アクチュエータ呼吸経路は、パイプ形状を呈する仕切部材の内部の第2空間を通って前端中心開口と連通する。
パイプ形状を呈する仕切部材の内部の第2空間(アクチュエータ呼吸経路)が、スプール内軸穴においてオイル排出経路のバイパス路を形成し、オイル排出経路とアクチュエータ呼吸経路とを独立させることができる。
電動スプール弁は、固定部材(例えば、エンジン)の内部に前端側から挿入されるスプール弁と、このスプール弁の後端に設けられてスプール弁を駆動する電動アクチュエータ(例えば、電磁アクチュエータなど)とからなる。
スプール弁は、内部に軸方向へ伸びる挿通穴が形成されたスリーブと、このスプール弁の挿通穴の内周面において軸方向へ摺動自在に支持され、スリーブに形成された出力ポートのオイル供給およびオイル排出の切替を行うスプールとからなる。
このスプール弁は、スリーブが固定部材に組み付けられた状態でスリーブの前端部がオイル開放部に露出するものであり、出力ポートから排出されるオイルが、スプールの内部に形成されたスプール内軸穴を通って排出される。
最良の形態1は、スリーブの前端に中心部と外周部とに独立した前端中心開口と前端外側開口とが設けられる。
そして、出力ポートから排出されるオイルをオイル開放部へ導くオイル排出経路は、スプール内軸穴を通り前端中心開口に連通する連通路であり、電動アクチュエータ内に形成される容積変動室をオイル開放部に連通させるアクチュエータ呼吸経路は、スリーブの外周面を通り前端外側開口に連通して、オイル排出経路とは独立した連通路である。
最良の形態2は、スリーブの前端側に中心部と外周部とに独立した前端中心開口と前端外側開口とが設けられる。また、スプール内軸穴の内部には、前端外側開口に連通する第1空間と、前端中心開口に連通する第2空間とに区画する仕切部材が配置される。
そして、出力ポートから排出されるオイルをオイル開放部へ導くオイル排出経路は、スプール内軸穴における第1空間を通り前端外側開口に連通する連通路であり、電動アクチュエータ内に形成される容積変動室をオイル開放部に連通させるアクチュエータ呼吸経路は、スプール内軸穴における第2空間を通り前端中心開口に連通して、オイル排出経路とは独立した連通路である。
本発明をVVTにおけるOCVに適用した実施例1を、図1〜図3を参照して説明する。この実施例1では、先ず図2を参照して「VVTの構造」を説明し、次に図3を参照して本発明の要部が適用されていない「参考例のOCV」を説明し、その後に「実施例1の特徴」において図1を参照して本発明が適用された「実施例1のOCV」を説明する。
〔VVTの構造〕
VVTは、エンジンのカムシャフト(吸気バルブ用、排気バルブ用、吸排気兼用カムシャフトのいずれか)に取り付けられて、バルブの開閉タイミングを連続的に可変可能なVCT1と、このVCT1の作動を油圧制御する油圧回路2と、油圧回路2に設けられるOCV3を電気的に制御するECU4とから構成されている。
(VCT1の説明)
VCT1は、エンジンのクランクシャフトに同期して回転駆動されるシューハウジング5と、このシューハウジング5に対して相対回転可能に設けられ、カムシャフトと一体に回転するベーンロータ6とを備えるものであり、シューハウジング5内に構成される油圧アクチュエータによってシューハウジング5に対してベーンロータ6を相対的に回転駆動して、カムシャフトを進角側あるいは遅角側へ変化させるものである。
シューハウジング5は、エンジンのクランクシャフトにタイミングベルトやタイミングチェーン等を介して回転駆動されるスプロケットにボルト等によって結合されて、スプロケットと一体回転するものである。このシューハウジング5の内部には、図2に示すように、略扇状の凹部7が複数(この実施例1では3つ)形成されている。なお、シューハウジング5は、図2において時計方向に回転するものであり、この回転方向が進角方向である。
一方、ベーンロータ6は、カムシャフトの端部に位置決めピン等で位置決めされて、ボルト等によってカムシャフトの端部に固定されるものであり、カムシャフトと一体に回転する。
ベーンロータ6は、シューハウジング5の凹部7内を進角室7aと遅角室7bに区画するベーン6aを備えるものであり、ベーンロータ6はシューハウジング5に対して所定角度内で回動可能に設けられている。
進角室7aは、油圧によってベーン6aを進角側へ駆動するための油圧室であってベーン6aの反回転方向側の凹部7内に形成されるものであり、逆に、遅角室7bは油圧によってベーン6aを遅角側へ駆動するための油圧室である。なお、各室7a、7b内の液密性は、シール部材8等によって保たれる。
(油圧回路2の説明)
油圧回路2は、進角室7aおよび遅角室7bのオイルを給排して、進角室7aと遅角室7bに油圧差を発生させてベーンロータ6をシューハウジング5に対して相対回転させるための手段であり、クランクシャフト等によって駆動されるオイルポンプ9と、このオイルポンプ9によって圧送されるオイル(油圧)を進角室7aまたは遅角室7bに切り替えて供給するOCV3とを備える。
〔参考例のOCV3〕
OCV3は、スプール弁11と電磁アクチュエータ12(電動アクチュエータの一例)とを結合した電磁スプール弁(電動スプール弁の一例)である。
なお、以下ではOCV3の説明補助のために、OCV3を組付ける際の方向に基づいて図3の左側を前とし、図3の右側を後として説明するが、実際の搭載方向に関わるものではない。
(スプール弁11の説明)
スプール弁11は、スリーブ13、スプール14およびリターンスプリング15を備える。
スリーブ13は、略円筒形状を呈するものであり、スリーブ13の内部には、スプール14を軸方向へ摺動自在に支持する挿通穴13aが形成されている。スリーブ13は、エンジンの外部よりエンジンに挿入固定されるものであり、具体的に前端側よりエンジンのシリンダヘッドに形成された円筒穴状の組付け穴の内部に挿入固定される。
スリーブ13は、エンジンに装着された状態で、前端部がオイル開放部(エンジンヘッド内:エンジンのシリンダヘッドとカムカバーで囲まれる空間:外部と区画された大気圧空間)に露出する。
スリーブ13には、前端から後方へ向かって、エンジンヘッド内に開口する前端中心開口13b、進角室7aに連通する進角室出力ポート13c、オイルポンプ9からオイルの供給を受ける入力ポート13d、遅角室7bに連通する遅角室出力ポート13eが形成されている。
前端中心開口13bは、スリーブ13の先端部に設けられるものであり、外部(エンジンヘッド内)と内部(挿通穴13a内)とを連通する比較的大きい開口面積(排出オイルの通過抵抗が極めて小さい開口面積)を有する軸方向の貫通穴である。
入力ポート13d、進角室出力ポート13cおよび遅角室出力ポート13eは、スリーブ13の側面に形成された穴であり、各軸方向位置において外部(エンジンに形成された油路)と内部(挿通穴13a内)とを連通する径方向の貫通穴である。
スプール14は、スリーブ13の内径寸法(挿通穴13aの径)にほぼ一致した外径寸法を有するポート遮断用の大径部(ランド)を4つ備える。
スプール14の軸心には、前端中心開口13bに向けて開口する軸方向へ伸びたスプール内軸穴14aが形成されている。このスプール内軸穴14aは、スプール14の前端より後端近くまで切削形成された比較的大きい開口面積(排出オイルの通過抵抗が小さい開口面積)の軸穴であり、スプール内軸穴14aの先端側が前端中心開口13bと連通する。
また、スプール内軸穴14aの後部には、比較的小さい開口面積(排出オイルの通過抵抗が軸方向貫通穴14aの中間部の通過抵抗より大きくなる開口面積)のスプール呼吸孔14bが設けられており、スプール内軸穴14aがスプール呼吸孔14bを介して電磁アクチュエータ12側の内部空間と連通するように設けられている。
各大径部の間には、スプール14の軸方向位置に応じて複数の入出力ポート(13c〜13e)の連通状態を変更する進角室ドレン用小径部14c、オイル出力用小径部14d、遅角室ドレン用小径部14eが形成されている。
進角室ドレン用小径部14cは、遅角室7bに油圧が供給されている時に進角室7aの油圧をドレンするためのものであり、進角室ドレン用小径部14cに導かれた排出オイルは、進角室ドレン用小径部14cの底とスプール内軸穴14a内とを連通する進角側スプールドレン孔14f(内外貫通穴)を介してスプール内軸穴14aの内部に導かれ、前端中心開口13bを通ってエンジンヘッド内に排出される。
オイル出力用小径部14dは、入力ポート13dと常に連通し、入力ポート13dから供給されるオイルを進角室7aまたは遅角室7bへ供給するためのものである。
遅角室ドレン用小径部14eは、進角室7aに油圧が供給されている時に遅角室7bの油圧をドレンするためのものであり、遅角室ドレン用小径部14eに導かれた排出オイルは、遅角室ドレン用小径部14eの底とスプール内軸穴14a内とを連通する遅角側スプールドレン孔14g(内外貫通穴)を介してスプール内軸穴14aの内部に導かれ、前端中心開口13bを通ってエンジンヘッド内に排出される。
リターンスプリング15は、スプール14を後側に向けて付勢する圧縮コイルスプリングであり、スリーブ13の前側のバネ室13f内において、スリーブ13の軸端壁面とスプール14の間で軸方向に圧縮された状態で配置される。
(電磁アクチュエータ12の説明)
電磁アクチュエータ12は、コイル16、プランジャ17、ステータ18、ヨーク19、コネクタ20を備える。
コイル16は、通電されるとプランジャ17を磁気吸引するための磁力を発生する磁力発生手段であり、樹脂製のボビン21の周囲に絶縁被覆された導線(エナメル線等)を多数巻回したものである。
プランジャ17は、磁気吸引ステータ22(後述する)に磁気吸引される磁性体金属(例えば、鉄:磁気回路を構成する強磁性材料)によって形成された円柱体であり、ステータ18の内側(具体的には、オイルシール用のカップガイドGの内側)で軸方向へ摺動自在に支持される。
ステータ18は、プランジャ17を軸方向に磁気吸引する磁気吸引ステータ22と、カップガイドGの外周を覆い、プランジャ17の周囲と磁気の受け渡しを行う磁気受渡ステータ23とからなる。
磁気吸引ステータ22は、スリーブ13とコイル16との間に挟まれて配置される円盤部22aと、この円盤部22aの磁束をプランジャ17の近傍まで導く筒状部22bとからなる磁性体金属(例えば、鉄:磁気回路を構成する強磁性材料)であって、プランジャ17と筒状部22bとの軸方向間には磁気吸引ギャップ(メインギャップ)が形成される。
筒状部22bは、プランジャ17と軸方向に交差可能に設けられている。筒状部22bの端部にはテーパが形成されており、プランジャ17のストローク量に対して磁気吸引力が変化しない特性に設けられている。
磁気受渡ステータ23は、カップガイドGを介してプランジャ17の外周を覆うとともに、ボビン21の内周に挿入配置されるステータ筒部23a、およびこのステータ筒部23aから外径方向に向かって形成され、外周に配置されるヨーク19と磁気結合されるステータフランジ23bからなる磁性体金属(例えば、鉄:磁気回路を構成する強磁性材料)であり、ステータ筒部23aとプランジャ17の径方向には磁束受渡ギャップ(サイドギャップ)が形成される。
ヨーク19は、コイル16の周囲を覆う円筒形状を呈した磁性体金属(例えば、鉄:磁気回路を構成する強磁性材料)であり、前端に形成された爪部をカシメることでスリーブ13と結合される。
コネクタ20は、コイル16等を樹脂モールドする2次成形樹脂24の一部によって形成された結合手段であり、その内部には、コイル16の導線端部とそれぞれ接続されるコネクタ端子20aが配置されている。このコネクタ端子20aは、一端がコネクタ20内で露出するとともに、他端がボビン21に差し込まれた状態で2次成形樹脂24により樹脂モールドされている。
(シャフト25の説明)
OCV3は、プランジャ17による前方への駆動力をスプール14へ伝えるとともに、スプール14に与えられたリターンスプリング15の付勢力をプランジャ17へ伝えるシャフト25を備える。
このシャフト25は、非磁性体の金属板(例えば、ステンレス板等)をカップ形状に加工した中空部品であり、内部の中空部によりシャフト内空間25aが形成される。
シャフト内空間25aは、シャフト25の前端に形成された穴を介してスプール呼吸孔14bと連通する。また、シャフト25には、軸方向の中間部において内外を連通するシャフト呼吸孔25bが形成されている。これにより、スプール14とプランジャ17の間(プランジャ17の前側)の第1容積変動室αは、シャフト呼吸孔25b→シャフト内空間25a→スプール呼吸孔14b→スプール内軸穴14aを介して前端中心開口13bと連通し、プランジャ17の移動に伴う容積変動(呼吸)が可能になる。
一方、カップ形状に加工されたシャフト25の後端には、カップ開口が設けられている。このカップ開口は、プランジャ17の軸心に貫通形成されたプランジャ内呼吸通路17aと連通する。これにより、プランジャ17の後側の第2容積変動室βは、プランジャ内呼吸通路17a→シャフト内空間25a→スプール呼吸孔14b→スプール内軸穴14aを介して前端中心開口13bと連通し、プランジャ17の移動に伴う容積変動(呼吸)が可能になる。
ここで、カップガイドGの前側には、磁気吸引ステータ22と磁気結合してプランジャ17の吸引力を高める磁性体金属製の磁気対向部材26が挿入されており、この磁気対向部材26は、非磁性体金属(例えば、ステンレス板等)よりなる板バネ27によって固定されている。なお、磁気対向部材26および板バネ27は、廃止されたものであっても良い。
図3中に示す符号28はシール用のOリング、符号29はOCV3をエンジンに固定するためのブラケットである。
(ECU4の説明)
ECU4は、周知のコンピュータである。このECU4は、各種センサ等により読み込まれたエンジン運転状態(乗員による運転状態を含む)と、メモリに記憶されたプログラムとに基づいてコイル16の通電量(供給電流)をデューティ比制御するVVT制御機能を備えており、コイル16の通電量が制御されることでスプール14の軸方向位置が制御され、その結果、進角室7aおよび遅角室7bの油圧が制御されて、カムシャフトの進角位相をエンジン運転状態に応じた進角位相に制御する。
(VVTの作動説明)
車両の運転状態に応じてECU4がカムシャフトを進角させる際、ECU4はコイル16への供給電流量を増加させる。すると、コイル16の発生する磁力が増加し、プランジャ17とシャフト25とスプール14が前側(進角側)へ移動する。すると、入力ポート13dと進角室出力ポート13cの連通割合が増加するとともに、遅角室出力ポート13eと前端中心開口13bの連通割合が増加する。この結果、進角室7aの油圧が増加し、逆に遅角室7bの油圧が減少して、ベーンロータ6がシューハウジング5に対して相対的に進角側へ変位し、カムシャフトが進角する。
逆に、車両の運転状態に応じてECU4がカムシャフトを遅角させる際、ECU4はコイル16への供給電流量を減少させる。すると、コイル16の発生する磁力が減少し、プランジャ17とシャフト25とスプール14が後側(遅角側)へ移動する。すると、入力ポート13dと遅角室出力ポート13eの連通割合が増加するとともに、進角室出力ポート13cと前端中心開口13bの連通割合が増加する。この結果、遅角室7bの油圧が増加し、逆に進角室7aの油圧が減少して、ベーンロータ6がシューハウジング5に対して相対的に遅角側へ変位し、カムシャフトが遅角する。
〔実施例1の特徴〕
(実施例1の背景1)
上述のように、スプール弁11の前端をオイル開放部に露出させ、スリーブ13の前端に前端中心開口13bを設けて、進角室出力ポート13cおよび遅角室出力ポート13eから排出されるオイルを、スプール内軸穴14a→前端中心開口13bを通るオイル排出経路で排出させる構造を採用することで、エンジンの油路構造を簡単化することができる。
また、第1、第2容積変動室α、βを、シャフト内空間25a→スプール内軸穴14a→前端中心開口13bを通るアクチュエータ呼吸経路で連通させる構造を採用することで、電磁アクチュエータ12内のアクチュエータ呼吸経路を簡素化できる。
しかし、図3に示すように、アクチュエータ呼吸経路とオイル排出経路がスプール内軸穴14aを通路として共用する構造であると、進角室7aおよび遅角室7bから排出されたオイル(エンジンオイル)がスプール内軸穴14a→スプール呼吸孔14b→シャフト内空間25aを通って第1、第2容積変動室α、βへ導かれ、VCT1側から排出されるエンジンオイルに混入した異物が第1、第2容積変動室α、βへ侵入し、異物がプランジャ17の摺動面に到達する可能性がある。
(実施例1のOCV3)
この実施例1のOCV3は、上記の不具合を回避するために、次の手段を採用している。
(a−1)エンジンヘッド内に露出するスリーブ13の前端には、中心部と外周部とに独立した前端中心開口13bと前端外側開口31とが設けられている。
(b−1)進角室出力ポート13cと遅角室出力ポート13eから排出されるオイルをエンジンヘッド内へ導くオイル排出経路は、スプール内軸穴14a→前端中心開口13bを通る連通路である。
(c−1)第1、第2容積変動室α、βをエンジンヘッド内に連通させるアクチュエータ呼吸経路は、スリーブ13の外周面→前端外側開口31を通り、オイル排出経路とは独立した連通路である。
上記の各手段を図1を参照して具体的に説明する。なお、図1(および後述する図4、図5)では、参考例で示した磁気対向部材26および板バネ27を廃止した例を示すが、磁気対向部材26および板バネ27を搭載するものであっても良い。
オイル開放部と連通するスリーブ13の前端部には、参考例のOCV3で説明した前端中心開口13bとは別に、前端外側開口31が設けられている。この実施例1における前端外側開口31は、後述する外面呼吸溝32の前端部である。具体的に、スリーブ13の前端の外周には、スリーブ13の外径寸法(エンジンに形成された組付け穴の内径寸法にほぼ一致した外径寸法)より小径の小径部が設けられており、小径部と大径部の段差面において後述する外面呼吸溝32の前端部が開口して、この開口部が実施例1における前端外側開口31を成す。
実施例1のOCV3におけるオイル排出経路は、参考例のOCV3と同じであり、進角室出力ポート13cおよび遅角室出力ポート13eから排出されるオイルは、進角側スプールドレン孔14fおよび遅角側スプールドレン孔14g→スプール内軸穴14a→前端中心開口13bを通りエンジンヘッド内に排出される。このように、オイル排出経路は、スプール内軸穴14a→前端中心開口13bを通る連通路である。
なお、この実施例1におけるスプール内軸穴14aは、スプール14の前端より後端近くまで切削形成された軸穴であり、スプール内軸穴14aの後端は閉塞されて、スプール内軸穴14aが電磁アクチュエータ12側の内部空間と連通しないように設けられている。
スリーブ13の外周面には、図1(b)、(c)に示すように、前端から後端側へ伸び、前端で前端外側開口31と連通する外面呼吸溝32が設けられている。
この外面呼吸溝32は、スプール内軸穴14a(オイル排出経路)のバイパス路として機能するものであり、外面呼吸溝32の後端は、スリーブ13におけるOリング28の装着溝に到達しない部位まで延びる。また、外面呼吸溝32の後端の底部には、スリーブ13の内外を連通する呼吸孔33が形成されており、第1容積変動室αと外面呼吸溝32が呼吸孔33を介して連通するようになっている。
ここで、第1容積変動室αと第2容積変動室βは、プランジャ内呼吸通路17aとシャフト内空間25aを介して連通する。このため、第1、第2容積変動室α、βは、呼吸孔33→外面呼吸溝32→前端外側開口31を通りエンジンヘッド内と連通する。このように、アクチュエータ呼吸経路は、オイル排出経路とは独立した連通路として設けられている。
(実施例1の効果)
実施例1のOCV3は、上述したように、スリーブ13の前端の中心部と外周部に独立した前端中心開口13bと前端外側開口31が設けられており、オイル排出経路はスプール内軸穴14aを通り前端中心開口13bに連通する連通路で、アクチュエータ呼吸経路はスリーブ13の外面に形成された外面呼吸溝32を通り前端外側開口31に連通する連通路である。
これにより、スリーブ13の前端部のみがエンジンヘッド内に露出する構造を採用しても、オイル排出経路とアクチュエータ呼吸経路とがそれぞれ独立してエンジンヘッド内に連通するため、オイル排出経路を流れるオイルがアクチュエータ呼吸経路内に直接流入する不具合がない。
また、アクチュエータ呼吸経路は、オイル排出経路とは独立してスリーブ13の前端に到達する通路であるために通路長が長く、大きな容積を備える。これにより、前端外側開口31から第1容積変動室αに至るアクチュエータ呼吸経路の容積を、プランジャ17の作動に伴う第1容積変動室αと第2容積変動室βの容積変化量の差以上に設けることが容易になる。
このように、アクチュエータ呼吸経路の容積が大きくなるため、容積変動によりアクチュエータ呼吸経路から第1容積変動室αに出入りするオイルを、常にアクチュエータ呼吸経路内に保持でき、第1、第2容積変動室α、βに吸い込まれるオイル量のうち、新しく入れ代わるオイルを極めて小さくすることができる。
上述したように、第1、第2容積変動室α、βへのオイルの侵入が抑えられるため、オイルに含まれる異物が第1、第2容積変動室α、βに侵入する確率を低く抑えることができ、プランジャ17の摺動性の悪化を回避できるとともに、プランジャ17の摺動面の摩耗を抑えることができる。即ち、OCV3の信頼性を高めることができる。
図4を参照して、実施例2を説明する。なお、以下の各実施例において、上記実施例1と同一符号は、同一機能物を示すものである。
上記実施例1では、スリーブ13の外周面に外面呼吸溝32を形成することで、アクチュエータ呼吸経路をスプール内軸穴14aの外部に独立して設けた例を示した。
これに対し、実施例2は、スプール内軸穴14aの内部に、独立したアクチュエータ呼吸経路を設けるものである。
実施例2のOCV3は、スプール内軸穴14aの内部に、独立したアクチュエータ呼吸経路を設けるべく、次の手段を採用している。
(a−2)スリーブ13の前端には、中心部と外周部とに独立した前端中心開口13bと前端外側開口31とが設けられている。
(b−2)スプール内軸穴14aの内部には、前端外側開口31に連通する第1空間34と、前端中心開口13bに連通する第2空間35とに区画する仕切部材36が固定配置されている。
(c−2)進角室出力ポート13cと遅角室出力ポート13eから排出されるオイルをオイル開放部へ導くオイル排出経路は、スプール内軸穴14aにおける第1空間34を通り前端外側開口31に連通する連通路である。
(d−2)電磁アクチュエータ12内に形成される第1、第2容積変動室α、βをオイル開放部に連通させるアクチュエータ呼吸経路は、スプール内軸穴14aにおける第2空間35を通り前端中心開口13bに連通して、オイル排出経路とは独立した連通路である。
上記の各手段を図4を参照して具体的に説明する。
スリーブ13の前端には、独立した前端中心開口13bと前端外側開口31が設けられている。前端中心開口13bは、上述した実施例1と同じである。実施例2の前端外側開口31は、後述するドレン孔37をオイル開放部へ連通させる切欠部である。
また、この実施例2では、スプール14の後部に参考例で示したスプール呼吸孔14bが形成されるとともに、シャフト25の前端に穴が形成され、スプール呼吸孔14bの後端がシャフト内空間25と連通するように設けられている。
仕切部材36は、パイプ形状を呈して、スプール内軸穴14aの内部の外周を第1空間34に区画し、スプール内軸穴14aの内部の内周を第2空間35に区画するものである。具体的に、仕切部材36は、金属板(例えば、ステンレス板、鉄板等)を大径部と小径部の2段のパイプ形状に加工した中空部品である。
大径部と小径部の段差部は、進角側スプールドレン孔14fの前方に位置し、大径部がスプール内軸穴14aの内周面に圧入される。一方、小径部の後端は、スプール呼吸孔14bの内周面に圧入される。これにより、進角側スプールドレン孔14fおよび遅角側スプールドレン孔14gに連通する第1空間34と前端中心開口13bとが仕切部材36で遮断され、第1、第2容積変動室α、βに連通するシャフト内空間25aが第2空間35を介して前端中心開口13bと連通する。
スリーブ13の前側には、第1空間34と前端外側開口31とを常時連通させるドレン孔37が形成されている。このドレン孔37は、前端外側開口31と連通するとともに、スプール14の全移動範囲{図4(a)の最遅角位置および図4(b)の最進角位置を参照}において進角側スプールドレン孔14fと常時連通する位置に形成されている。
これにより、進角室出力ポート13cおよび遅角室出力ポート13eから排出されるオイルは、進角側スプールドレン孔14fおよび遅角側スプールドレン孔14g→スプール内軸穴14aの第1空間34→前端外側開口31を通りエンジンヘッド内に排出される。このように、オイル排出経路は、スプール内軸穴14aにおける第1空間34を通り前端外側開口31に連通する連通路である。
上述したように、仕切部材36の内部の第2空間35(アクチュエータ呼吸経路)が前端中心開口13bとシャフト内空間25aを連通し、仕切部材36の内部の第2空間35(アクチュエータ呼吸経路)がスプール内軸穴14aにおいてオイル排出経路のバイパス路として機能する。
このため、第1、第2容積変動室α、βは、シャフト内空間25a→スプール内軸穴14aの第2空間35→前端中心開口13bを通りオイル開放部と連通する。このように、アクチュエータ呼吸経路は、オイル排出経路とは独立した連通路として設けられる。
この実施例2を採用しても、オイル排出経路とアクチュエータ呼吸経路がそれぞれ独立してエンジンヘッド内に連通するため、実施例1と同様の効果を得ることができる。
図5を参照して、実施例3を説明する。
上記実施例2は、上記実施例1と同様、スリーブ13に対して進角室出力ポート13c、入力ポート13d、遅角室出力ポート13eを千鳥状に配置(進角室出力ポート13c、入力ポート13d、遅角室出力ポート13eのそれぞれをスリーブ13に1穴づつ交互に配置)する例を示した。
これに対し、この実施例3のOCV3は、スリーブ13に対して進角室出力ポート13c、入力ポート13d、遅角室出力ポート13eを径方向の一方から他方まで貫通形成するとともに、進角室出力ポート13c、入力ポート13d、遅角室出力ポート13eのそれぞれに連通する独立した環状溝を形成し、スプール弁11の組付け方向の自由度を高めたものである。
実施例1は、スリーブ13の外周面に軸方向へ延びる外面呼吸溝32を設けてオイル排出経路とアクチュエータ呼吸経路を独立させるものであったため、進角室出力ポート13c、入力ポート13d、遅角室出力ポート13eのそれぞれに環状溝を形成することができなかった。
これに対し、この実施例3は、進角室出力ポート13c、入力ポート13d、遅角室出力ポート13eのそれぞれに環状溝を形成しても、実施例2と同様、仕切部材36を用いてオイル排出経路とアクチュエータ呼吸経路を独立させることができる。
〔変形例〕
上記の実施例では、電動アクチュエータの一例として電磁アクチュエータ12を用いる例を示したが、作動に伴って内部で容積変動を行う他の電動アクチュエータであっても良い。
上記の実施例では、磁気吸引ステータ22と磁気受渡ステータ23とを別体に設ける例を示したが、磁気吸引ステータ22と磁気受渡ステータ23とを一体のステータ18として設け、磁気吸引ステータ22と磁気受渡ステータ23の間に磁気遮断部や磁気抵抗部を設けても良い。
上記の実施例で示したVCT1および油圧回路2は一例であって、他の構成を備えたVCT1および油圧回路2を用いても良い。
上記の実施例では、VVTに用いられるOCV3に本発明を適用する例を示したが、VVT以外の用途に用いられる電動スプール弁(例えば、自動変速機の油圧制御用の電動スプール弁等)に本発明を適用しても良い。
(a)OCVの軸方向に沿う断面図、(b)スプール弁を前端側から見た図、(c)スリーブの要部外周面を示すOCVの軸方向に沿う一部断面図である(実施例1)。 VVTの概略図である。 本発明の要部が搭載されていないOCVの軸方向に沿う断面図である(参考例)。 (a)最遅角作動時におけるOCVの軸方向に沿う断面図、(b)最進角作動時におけるOCVの軸方向に沿う断面図である(実施例2)。 (a)最遅角作動時におけるOCVの軸方向に沿う断面図、(b)最進角作動時におけるOCVの軸方向に沿う断面図である(実施例3)。
符号の説明
3 OCV(電動スプール弁)
11 スプール弁
12 電磁アクチュエータ(電動アクチュエータ)
13 スリーブ
13b 前端中心開口
13c 進角室出力ポート
13e 遅角室出力ポート
14 スプール
14a スプール内軸穴
31 前端外側開口
32 外面呼吸溝
33 呼吸孔
34 第1空間
35 第2空間
36 仕切部材
37 ドレン孔
α 第1容積変動室
β 第2容積変動室

Claims (4)

  1. 固定部材の内部に前端側から挿入されるスリーブ、このスリーブ内において摺動自在に支持されるスプールを有し、前記スリーブに形成された出力ポートのオイル供給およびオイル排出の切替が可能なスプール弁と、
    前記スリーブの後端側に設けられ、前記スプールに軸方向の駆動力を与える電動アクチュエータとを具備し、
    前記スリーブが前記固定部材に組み付けられた状態で当該スリーブの前端部がオイル開放部に露出し、
    前記出力ポートから排出されるオイルが、前記スプールの内部に形成されたスプール内軸穴を通って排出される電動スプール弁において、
    前記スリーブの前端には、中心部と外周部とに独立した前端中心開口と前端外側開口とが設けられ、
    前記出力ポートから排出されるオイルを前記オイル開放部へ導くオイル排出経路は、前記スプール内軸穴を通り前記前端中心開口に連通する連通路であり、
    前記電動アクチュエータ内に形成される容積変動室を前記オイル開放部に連通させるアクチュエータ呼吸経路は、前記スリーブの外周面を通り前記前端外側開口に連通して、前記オイル排出経路とは独立した連通路であることを特徴とする電動スプール弁。
  2. 請求項1に記載の電動スプール弁において、
    前記スプール内軸穴は、前端側が前記前端中心開口と連通し、後端側が閉塞して設けられ、
    前記スリーブの外周面には、当該スリーブの前端から後端側へ伸び、前端側で前記前端外側開口と連通する外面呼吸溝が設けられ、
    前記アクチュエータ呼吸経路は、前記外面呼吸溝を通って前記前端外側開口と連通することを特徴とする電動スプール弁。
  3. 固定部材の内部に前端側から挿入されるスリーブ、このスリーブ内において摺動自在に支持されるスプールを有し、前記スリーブに形成された出力ポートのオイル供給およびオイル排出の切替が可能なスプール弁と、
    前記スリーブの後端側に設けられ、前記スプールに軸方向の駆動力を与える電動アクチュエータとを具備し、
    前記スリーブが前記固定部材に組み付けられた状態で当該スリーブの前端部がオイル開放部に露出し、
    前記出力ポートから排出されるオイルが、前記スプールの内部に形成されたスプール内軸穴を通って排出される電動スプール弁において、
    前記スリーブの前端には、中心部と外周部とに独立した前端中心開口と前端外側開口とが設けられ、
    前記スプール内軸穴の内部には、前記前端外側開口に連通する第1空間と、前記前端中心開口に連通する第2空間とに区画する仕切部材が配置され、
    前記出力ポートから排出されるオイルを前記オイル開放部へ導くオイル排出経路は、前記スプール内軸穴における前記第1空間を通り前記前端外側開口に連通する連通路であり、
    前記電動アクチュエータ内に形成される容積変動室を前記オイル開放部に連通させるアクチュエータ呼吸経路は、前記スプール内軸穴における前記第2空間を通り前記前端中心開口に連通して、前記オイル排出経路とは独立した連通路であることを特徴とする電動スプール弁。
  4. 請求項3に記載の電動スプール弁において、
    前記仕切部材は、パイプ形状を呈して、前記スプール内軸穴の内部の外周を前記第1空間に区画し、前記スプール内軸穴の内部の内周を前記第2空間に区画するものであり、
    パイプ形状を呈する前記仕切部材の後端内部は、前記スプール内軸穴の後端側において前記容積変動室側と連通し、
    前記アクチュエータ呼吸経路は、パイプ形状を呈する前記仕切部材の内部の前記第2空間を通って前記前端中心開口と連通することを特徴とする電動スプール弁。
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