JP4129115B2 - 油圧制御弁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,リニアソレノイド部,このリニアソレノイド部の出力により前進駆動されるスプール,このスプールを摺動可能に嵌装するバルブボディ,及び前記スプールをその後退方向に付勢する戻しばねを備え,前記バルブボディには,油圧源に連なる供給ポートと,油圧作動部に連なる出力ポートと,オイルタンクに開放されるドレンポートとを設ける一方,前記スプールには,その前進・後退に応じて前記出力ポート及びドレンポート間を遮断・導通する第1ランド部と,前記供給ポート及び出力ポート間を導通・遮断する第2ランド部と,これら第1及び第2ランド部間を連結する環状溝部とを設け,さらに前記バルブボディ及びスプール間に,該スプールを後退方向に付勢する油圧を前記出力ポートから受ける反力油室を設け,前記供給ポートから前記出力ポートに前記リニアソレノイド部の出力に対応した出力油圧を引き出すようにした油圧制御弁の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
かゝる油圧制御弁は,例えば特開平8−303627号公報に開示されているように,既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
かゝる油圧制御弁では,リニアソレノイド部の出力や出力油圧の急変時にスプールが振動することがあり,その振動によれば,出力油圧に脈動が生じることになり,好ましくない。そこで,一般に,スプールの振動を防止すべく,バルブボディ及びスプール間にダンパ油室を設け,このダンパ油室をオリフィスを介して外部のオイルタンクに連通することが知られている(例えば特開平5−164223号公報参照)。しかしながら,従来のものでは,ダンパ油室に気泡が溜まり易く,オリフィスの減衰特性が変動する虞がある。
【0004】
本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたもので,スプールに常に安定した減衰力を付与し得て,その振動を確実に防止することができ,しかもコンパクトに構成し得る前記油圧制御弁を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために,本発明は,リニアソレノイド部,このリニアソレノイド部の出力により前進駆動されるスプール,このスプールを摺動可能に嵌装するバルブボディ,及び前記スプールをその後退方向に付勢する戻しばねを備え,前記バルブボディには,油圧源に連なる供給ポートと,油圧作動部に連なる出力ポートと,オイルタンクに開放されるドレンポートとを設ける一方,前記スプールには,その前進・後退に応じて前記出力ポート及びドレンポート間を遮断・導通する第1ランド部と,前記供給ポート及び出力ポート間を導通・遮断する第2ランド部と,これら第1及び第2ランド部間を連結する環状溝部とを設け,さらに前記バルブボディ及びスプール間に,該スプールを後退方向に付勢する油圧を前記出力ポートから受ける反力油室を設け,前記供給ポートから前記出力ポートに前記リニアソレノイド部の出力に対応した出力油圧を引き出すようにした油圧制御弁において,バルブボディに,スプールの端面が臨むと共に前記戻しばねを収容するダンパ油室と,このダンパ油室の真横に隣接する油溜め室とを設け,前記ダンパ油室及び油溜め室間の隔壁に,該ダンパ油室の上部を該油溜め室に連通するオリフィスを,該油溜め室の外側壁に穿設した大径のドリル孔を通して穿設し,前記ドリル孔をプラグで閉塞したことを第1の特徴とする。
【0006】
この第1の特徴によれば,リニアソレノイド部の出力の急変や出力油圧の急変によりスプールが振動を起こしても,それに伴うダンパ油室の容積変化により,ダンパ油室及び油溜め室間で作動油がオリフィスを通して行き来するため,オリフィスの減衰効果によりスプールの振動を抑え,出力油圧の脈動を防ぐことができる。しかも,オリフィスがダンパ油室の上部に配置されることで,ダンパ油室から油溜め室への気泡の排出が確実となり,ダンパ油室及びオリフィスの減衰機能を常に正常に保ち,スプールに安定した減衰力を付与することができる。またダンパ油室は,スプールの戻しばねを収容するばね室を兼ねるので,専用のばね室を設ける必要がなく,油圧制御弁のコンパクト化に寄与し得る。さらにオリフィスからの気泡の排出性を損なうことなく,ダンパ油室の真横への油溜め室の形成を可能にし,バルブボディの更なるコンパクト化を図ることができる。しかも油溜め室外壁に邪魔されることなく,ダンパ油室及び油溜め室間の隔壁にオリフィスを容易に穿設することができる。
【0007】
また本発明は,第1の特徴に加えて,前記油溜め室に前記ドレンポートを接続し,また前記オリフィスより高位置で上端を開口すると共に,下端を前記オイルタンクに開放するドレン管を前記油溜め室に配設し,前記油溜め室の天井に,前記オリフィスからドレン管に向かって上る斜面を形成したことを第2の特徴とする。
【0008】
この第2の特徴によれば,ドレンポートから排出される作動油によって,オリフィスより高いレベルまで油溜め室を満たし,オリフィスの減衰特性を安定させることができ,しかも,オリフィスから油溜め室に排出された気泡を油溜め室の天井部の斜面によりドレン管へスムーズに誘導して,油溜め室外への排出を促すことができる。さらに,前記斜面の形成により,油溜め室におけるドレン管より上方の空間が必然的に小容積化するため,該空間内の残留空気量を少なくすることができ,したがってドレン管への残留空気の早期排出を可能にする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下,本発明の実施の形態を,添付図面に例示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0010】
添付図面において,図1は本発明の実施例に係る油圧制御弁の縦断面図,図2は図1のリニアソレノイド部拡大図,図3は図1のバルブ部の拡大図(休止状態),図4は図3の4−4線断面図,図5はスプールの平面図,図6は図3の6−6線断面図,図7は図6の7−7線断面図,図8はバルブ部の作動状態を示す,図3に対応する拡大図である。
【0011】
先ず,図1において,油圧制御弁1は,例えば自動車用自動変速機におけるクラッチ油圧の制御用であって,リニアソレノイド部Sとバルブ部Vとからなっており,そのバルブ部Vのバルブボディ20がボルト5(図6参照)により自動車のミッションケース2の上面に固着される。
【0012】
図2に示すように,リニアソレノイド部Sは,磁性体よりなる一端を開放した有底円筒状のハウジング3,このハウジング3に収容されるコイル組立体4,ハウジング3の閉塞端壁に一体に連設されてコイル組立体4の内側に配置される円筒状のヨーク6,ハウジング3の開放端に結合されると共に,コイル組立体4の内側でヨーク6と所定の間隔を存して対置される固定コア7,及びヨーク6及び固定コア7に摺動可能に嵌装される可動コア8を備える。コイル組立体4は,合成樹脂製のボビン9と,これに巻装されたコイル10と,これらを収容するように成形された合成樹脂製のコイルケース11よりなるもので,そのコイルケース11に一端部には,ハウジング3外方に突出するカプラ12が一体に連設され,このカプラ12内にコイル10に連なる接続端子13が配設される。
【0013】
ヨーク6の,固定コア7との対向面は,その軸線に対して垂直に形成され,また固定コア7の,ヨーク6との対向面は円錐状に形成される。
【0014】
可動コア8には,その中心部を貫通する出力杆14が固着されており,この出力杆14の一端部は,ハウジング3の閉塞端壁に設けられた袋状の第1軸受孔151 に第1ブッシュ161 を介して摺動可能に支承され,その他端部は,固定コア7の中心部を貫通する第2軸受孔152 に第2ブッシュ162 を介して摺動可能に支承される。
【0015】
而して,コイル10を流れる電流値に比例した電磁推力を可動コア8を介して出力杆14に付与することができる。
【0016】
第1ブッシュ161 は,第1軸受孔151 の内周面に圧入して固着されるもので,この第1ブッシュ161 外周面には,その両端面間を連通する軸方向の第1連通溝171 が設けられる。また第2ブッシュ162 は,第2軸受孔152 の内周面に圧入して固着されるもので,この第2ブッシュ162 外周面にも,その両端面間を連通する軸方向の第2連通溝172 が設けられる。さらに可動コア8の外周面には,その端面間を連通する軸方向の第3連通溝173 が設けられる。
【0017】
次に図3に示すように,バルブ部Vは,固定コア7側でハウジング3とかしめ結合されるバルブボディ20と,このバルブボディ20に出力杆14と同軸状に形成された弁孔21に嵌装されて出力杆14の前端に当接するスプール22と,このスプール22をその後退方向,即ち出力杆14との当接方向へ付勢する戻しばね23と,バルブボディ20に圧入されて戻しばね23の外端を支承する栓体24とから構成され,栓体24のバルブボディ20への圧入深さによって戻しばね23のセット荷重が調整される。
【0018】
スプール22には,リニアソレノイド部S側から順に,第1ランド部251 ,第1環状溝部261 ,第2ランド部252 ,第2環状溝部262 ,第3ランド部253 が設けられ,第1及び第2ランド部251 ,252 は同径に形成され,第3ランド部253 は,第2ランド部252 よりも小径に形成される。
【0019】
図3〜図5において,第2ランド部252 の第1環状溝部261 に隣接する端面には,該第2ランド部252 外周面に開口する増圧制御溝27が,また第1ランド部251 の第1環状溝部261 に隣接する端面には,該第1環状溝部261 外周面に開口する減圧制御溝28が設けられる。各制御溝27,28の横断面形状は,三日月状(図5参照)や,チャンネル状等自由であるが,その底面は,各ランド部251 ,252 の外周面から第1環状溝部261 に向かって傾斜した斜面とされる。また各制御溝27,28の本数は自由であるが,図4に示すように,対応するランド部251 ,252 の端面の直径線上にその中心を挟んで一対設けられることが好ましい。
【0020】
さらに第1環状溝部261 の外周面には,それに隣接する第2ランド部252 の端面に始端が連続的に続くと共に,終端が該第1環状溝部261 の中間部で終わる,溝底がU字状に湾曲した環状溝29が設けられる。
【0021】
一方,バルブボディ20の弁孔21には,出力杆14及びスプール22の当接部を臨ませる作動室30,この作動室30に隣接していて第1ランド部251 が常時摺動自在に嵌合する第1環状ランド部311 ,第1ランド部251 の,第1環状溝部261 側端部が嵌合したり離脱したりする第2環状ランド部312 ,第2ランド部252 の,第1環状溝部261 側端部が嵌合したり離脱したりする第3環状ランド部313 ,第2ランド部252 が常時摺動自在に嵌合する第4環状ランド部314 ,第3ランド部253 が常時摺動自在に嵌合する第5環状ランド部315 ,第3及び第4環状ランド部313 ,314 間に挟まれるように配置される供給油室32,第2及び第3環状ランド部312 ,313 間に挟まれるように配置される出力油室33,第1及び第2環状ランド部311 ,312 間に挟まれるように配置されるドレン油室34,第4及び第5環状ランド部314 ,315 に挟まれるように配置される反力油室35,並びにスプール22及び栓体24の両対向端面が臨むダンパ油室36が設けられ,このダンパ油室36に前記戻しばね23が収容される。
【0022】
さらにバルブボディ20には,供給油室32に連なる供給ポート37,出力油室33に連なる出力ポート38,ドレン油室34に連なるドレンポート39,作動室30に連なるブリーザポート40が設けられる。その供給ポート37は,ミッションケース2の供給油路41を介して油圧ポンプ等の油圧源42に接続され,出力ポート38は,自動変速機におけるクラッチ等の油圧作動部44に直接連なる出力油路43に接続され,ドレンポート39は,連通路45を介してバルブボディ20内の後述する油溜め室49(図7参照)に連通され,ブリーザポート40は,ブリーザ通路47を介してオイルタンク46に接続される。
【0023】
出力油室33は,また,スプール22に形成したフィードバック油路48を介して反力油室35に連通される。
【0024】
図6及び図7に示すように,バルブボディ20には,ダンパ油室36の真横に隣接して油溜め室49が設けられ,ダンパ油室36の最上部は,水平方向のオリフィス50を介して上記油溜め室49に連通される。このオリフィス50は,油溜め室49の外壁の,オリフィス50との同軸位置に加工された大径のドリル孔51を利用して穿設されるもので,その穿設後,ドリル孔51はボールプラグ52で閉塞されると共に,ドリル孔51の外端周縁がプラグ52側にかしめられる。こうすることにより,油溜め室46の外側壁に邪魔されることなく,ダンパ油室36及び油溜め室46間の隔壁にオリフィス50を穿設することができる。
【0025】
油溜め室49には,ミッションケース2の上面からオリフィス50より高い位置まで起立して開口するドレン管53が配設され,油溜め室49の天井には,オリフィス50側からドレン管53側へ上る斜面54が形成される。ドレン管53の下端は,ミッションケース2のドレン油路55を介しオイルタンク46に開放される。
【0026】
次に,この実施例の作用について説明する。
【0027】
リニアソレノイド部Sの非通電時には,図3に示すように,スプール22は戻しばね23の付勢力をもって右動限位置(後退限位置)を占め,供給ポート37及び出力ポート38間を遮断すると共に,出力ポート38及びドレンポート39間を導通させるので,ミッションケース2の出力油路43は,ドレンポート39及び連通路45を介して油溜め室49に開放される。
【0028】
また,リニアソレノイド部Sの通電時には,その電流値に比例した電磁推力が可動コア8から出力杆14を介してスプール22に作用する。これに伴いスプール22が戻しばね23の反発力に抗して左方へ前進すると,ドレンポート39及び出力ポート38間を遮断すると共に,供給ポート37及び出力ポート38間を導通させることにより,ミッションケース2内の油圧源42の油圧が供給油路41,供給ポート37,出力ポート38及び出力油路43を通して油圧作動部44に供給されると共に,フィードバック油路48を介して反力油室35にも伝達する。反力油室35では,スプール22の大径の第2ランド部252 及び小径の第3ランド部253 の対向端面が臨んでいるので,それら対向端の面積差に油圧を乗じた右向きの押圧力が戻しばね23の反発力と共にスプール22に反力として作用する。その結果,スプール22は,出力杆14の電磁推力と上記反力との釣合いを図るように左右動する。即ち,電磁推力の方が勝るときは,スプール22が左動(前進)して供給ポート37及び出力ポート38間の導通量を増し,反力の方が勝るときは,スプール22が右動(後退)して供給ポート37及び出力ポート38間を遮断し,出力ポート38及びドレンポート39間の導通量を増加する。その結果,油圧作動部44には,リニアソレノイド部Sに流れる電流値に比例した油圧を供給することができる。
【0029】
ところで,スプール22の第2ランド部252 により供給ポート37及び出力ポート38間が導通される出力油圧の増圧制御時には,第2ランド部252 の増圧制御溝27により供給ポート37及び出力ポート38間が導通され,またスプール22の第1ランド部251 により出力ポート38及びドレンポート39間が導通される出力油圧の減圧制御時には,第1ランド部251 の減圧制御溝28により出力ポート38及びドレンポート39間が導通される。その際,各制御溝27,28の開口部を,先ず作動油が流れることから出力油圧の増減制御を安定良く行いつゝ,各制御溝27,28の僅少の開度変化で比較的大きい流量変化をもたらすことができ,これは,可動コア8の微小ストロークをもって出力の大流量制御,即ち出力油圧の迅速な制御を可能にすることを意味する。したがって,油圧作動部44には所望の油圧を迅速に供給できて,その作動の応答性の向上に寄与し得る。
【0030】
また第1ランド部251 の減圧制御溝28及び第2ランド部252 の増圧制御溝27は,対応するランド部の端面の直径線上にその中心を挟んでそれぞれ一対設けられるので,各一対の減圧制御溝28及び増圧制御溝27を作動油が流れることにより,第1及び第2ランド部251 ,252 周囲での作動油の偏流を防ぎ,その偏流によるスプール22に対するサイドスラストの発生を回避して,スプール22のスムーズな作動を確保することができ,また各制御溝27,28の加工工数を最小限に抑えて,生産性の向上をも図ることができる。
【0031】
このような出力油圧の制御中,出力ポート38からドレンポート39へ排出された作動油は,連通路45を経て油溜め室49に移る。またコイル10への通電を解除して,スプール22が戻しばね23の付勢力で当初の後退限位置に戻ったときも,出力ポート38側の高圧の作動油がドレンポート39及び連通路45を通して油溜め室49に排出される。これにより,油溜め室49は作動油で満たされ,その油面がドレン管53の上端以上となると,油溜め室49の作動油はドレン管53へ流出してオイルタンク46に戻る。したがって,油溜め室49は,ドレン管53の上端レベルまで作動油で常に満たされることになる。
【0032】
またダンパ油室36に連なるオリフィス50は,その油面下に没するので,油溜め室49の油はそのオリフィス50を通ってダンパ油室36をも満たす。そして,このダンパ油室36の油中に気泡が存在する場合は,その気泡はオリフィス50から油溜め室49に移り,該室49の天井の斜面54に誘導されてドレン管53に向かい,ドレン管53へ流出する油と共にオイルタンク46に排出される。こうしてダンパ油室36は,常に気泡を含まない油で満たされることになる。
【0033】
そこで,スプール22が出力油圧の制御中,出力杆14の出力の急変や出力油圧の急変等により軸方向の振動を起こせば,それに伴うダンパ油室36の容積変化により,ダンパ油室36及び油溜め室49間で作動油がオリフィス50を通して行き来するため,オリフィス50の減衰効果によりスプール22の軸方向振動を抑えることができ,したがってスプール22の振動による出力油圧の脈動を未然に防いで,油圧作動部44の安定した作動状態を確保することができる。
【0034】
ところで,油溜め室49は,ダンパ油室36の最上部に位置する水平方向のオリフィス50を介してダンパ油室36と連通するので,油溜め室49をダンパ油室36の真横に配設することが可能となり,油溜め室49をダンパ油室36の上部に配設する場合に比して,バルブボディ20のコンパクト化を図ることができる。しかも,油溜め室49の天井に,オリフィス50からドレン管53に向かって上る斜面54を形成したので,ダンパ油室36からオリフィス50を経て油溜め室49に出た気泡をスムーズにドレン管53へと誘導して,ドレン管53からの排出を促すことができる。
【0035】
また前記斜面54の形成により,油溜め室49におけるドレン管53より上方の空間が必然的に小容積化するため,該空間内の残留空気量を少なくすることができ,したがってドレン管53への残留空気の早期排出を可能にする。
【0036】
さらに上記ダンパ油室36は,スプール22の戻しばね23を収容するばね室を兼ねるので,専用のばね室を設ける必要がなく,油圧制御弁1のコンパクト化に寄与し得る。
【0037】
一方,リニアソレノイド部Sでは,出力杆14の作動,後退時,出力杆14は,第1及び第2軸受孔152 に嵌装された第1及び第2ブッシュ161 ,162 によって摺動をガイドされるが,その際,第1及び第2ブッシュ161 ,162 は,第1及び第2連通溝171 ,172 をそれぞれ外周面に持っているので,第1及び第2連通溝171 ,172 を通して第1及び第2ブッシュ161 ,162 の各両端間で空気又は油の流通が生じ,出力杆14のスムーズな摺動を確保することができる。また可動コア8も外周面に第3連通溝173 を備えるので,可動コア8の外周面と,ヨーク6及び固定コア7の内周面との間のギャップを極小に設定しても,可動コア8の作動,後退時,第3連通溝173 を通して可動コア8の両端間でも空気又は油の流通が生じ,可動コア8のスムーズな動きを確保することができる。
【0038】
本発明は,上記実施例及び変形例に限定されるものではなく,その要旨を逸脱することなく,種々の設計変更が可能である。
【0039】
【発明の効果】
以上のように本発明の第1の特徴によれば,リニアソレノイド部,このリニアソレノイド部の出力により前進駆動されるスプール,このスプールを摺動可能に嵌装するバルブボディ,及び前記スプールをその後退方向に付勢する戻しばねを備え,前記バルブボディには,油圧源に連なる供給ポートと,油圧作動部に連なる出力ポートと,オイルタンクに開放されるドレンポートとを設ける一方,前記スプールには,その前進・後退に応じて前記出力ポート及びドレンポート間を遮断・導通する第1ランド部と,前記供給ポート及び出力ポート間を導通・遮断する第2ランド部と,これら第1及び第2ランド部間を連結する環状溝部とを設け,さらに前記バルブボディ及びスプール間に,該スプールを後退方向に付勢する油圧を前記出力ポートから受ける反力油室を設け,前記供給ポートから前記出力ポートに前記リニアソレノイド部の出力に対応した出力油圧を引き出すようにした油圧制御弁において,バルブボディに,スプールの端面が臨むと共に前記戻しばねを収容するダンパ油室と,このダンパ油室の真横に隣接する油溜め室とを設け,前記ダンパ油室及び油溜め室間の隔壁に,該ダンパ油室の上部を該油溜め室に連通するオリフィスを,該油溜め室の外側壁に穿設した大径のドリル孔を通して穿設し,前記ドリル孔をプラグで閉塞したので,リニアソレノイド部の出力の急変や出力油圧の急変によりスプールが振動を起こしても,オリフィスの減衰効果によりスプールの振動を抑え,出力油圧の脈動を防ぐことができる。しかも,オリフィスがダンパ油室の上部に配置されることで,ダンパ油室から油溜め室への気泡の排出が確実となり,ダンパ油室及びオリフィスの減衰機能を常に正常に保ち,スプールに安定した減衰力を付与することができる。またダンパ油室は,スプールの戻しばねを収容するばね室を兼ねるので,専用のばね室を設ける必要がなく,油圧制御弁のコンパクト化に寄与し得る。さらにオリフィスからの気泡の排出性を損なうことなく,ダンパ油室の真横への油溜め室の形成を可能にし,バルブボディの更なるコンパクト化を図ることができる。しかも油溜め室外壁に邪魔されることなく,ダンパ油室及び油溜め室間の隔壁にオリフィスを容易に穿設することができる。
【0040】
また本発明の第2の特徴によれば,前記油溜め室に前記ドレンポートを接続し,また前記オリフィスより高位置で上端を開口すると共に,下端を前記オイルタンクに開放するドレン管を前記油溜め室に配設し,前記油溜め室の天井に,前記オリフィスからドレン管に向かって上る斜面を形成したので,ドレンポートから排出される作動油によって,オリフィスより高いレベルまで油溜め室を満たし,オリフィスの減衰特性を安定させることができ,しかも,オリフィスから油溜め室に排出された気泡を油溜め室の天井部の斜面によりドレン管へスムーズに誘導して,油溜め室外への排出を促すことができる。さらに前記斜面の形成により,油溜め室におけるドレン管より上方の空間が必然的に小容積化するため,該空間内の残留空気量を少なくすることができ,したがってドレン管への残留空気の早期排出を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る油圧制御弁の縦断面図。
【図2】図1のリニアソレノイド部拡大図。
【図3】図1のバルブ部の拡大図(休止状態)。
【図4】図3の4−4線断面図。
【図5】スプールの平面図。
【図6】図3の6−6線断面図。
【図7】図6の7−7線断面図。
【図8】バルブ部の作動状態を示す,図3に対応する拡大図。
【符号の説明】
S・・・・ソレノイド部
V・・・・バルブ部
1・・・・油圧制御弁
20・・・バルブボディ
22・・・スプール
23・・・戻しばね
35・・・反力油室
36・・・ダンパ油室
37・・・供給ポート
38・・・出力ポート
39・・・ドレンポート
42・・・油圧源
44・・・油圧作動部
46・・・オイルタンク
48・・・フィードバック油路
49・・・油溜め室
50・・・オリフィス
51・・・ドリル孔
52・・・プラグ
63・・・ドレン管
54・・・斜面
Claims (2)
- リニアソレノイド部(S),このリニアソレノイド部(S)の出力により前進駆動されるスプール(22),このスプール(22)を摺動可能に嵌装するバルブボディ(20),及び前記スプール(22)をその後退方向に付勢する戻しばね(23)を備え,前記バルブボディ(20)には,油圧源(42)に連なる供給ポート(37)と,油圧作動部(44)に連なる出力ポート(38)と,オイルタンク(46)に開放されるドレンポート(39)とを設ける一方,前記スプール(22)には,その前進・後退に応じて前記出力ポート(38)及びドレンポート(39)間を遮断・導通する第1ランド部(251 )と,前記供給ポート(37)及び出力ポート(38)間を導通・遮断する第2ランド部(252 )と,これら第1及び第2ランド部(251 ,252 )間を連結する環状溝部(261 )とを設け,さらに前記バルブボディ(20)及びスプール(22)間に,該スプール(22)を後退方向に付勢する油圧を前記出力ポート(38)から受ける反力油室(35)を設け,前記供給ポート(37)から前記出力ポート(38)に前記リニアソレノイド部(S)の出力に対応した出力油圧を引き出すようにした油圧制御弁において,
バルブボディ(20)に,スプール(22)の端面が臨むと共に前記戻しばね(23)を収容するダンパ油室(36)と,このダンパ油室(36)の真横に隣接する油溜め室(49)とを設け,前記ダンパ油室(36)及び油溜め室(49)間の隔壁に,該ダンパ油室(36)の上部を該油溜め室(49)に連通するオリフィス(50)を,該油溜め室(49)の外側壁に穿設した大径のドリル孔(51)を通して穿設し,前記ドリル孔(51)をプラグ(52)で閉塞したことを特徴とする,油圧制御弁。 - 請求項1記載の油圧制御弁において,
前記油溜め室(49)に前記ドレンポート(39)を接続し,また前記オリフィス(50)より高位置で上端を開口すると共に,下端を前記オイルタンク(46)に開放するドレン管(53)を前記油溜め室(49)に配設し,前記油溜め室(49)の天井に,前記オリフィス(50)からドレン管(53)に向かって上る斜面(54)を形成したことを特徴とする,油圧制御弁。
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