WO2000053386A1 - Moule et procede de moulage de resine pour la formation d'un revetement dur sur un moule - Google Patents

Moule et procede de moulage de resine pour la formation d'un revetement dur sur un moule Download PDF

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Yukio Miya
Osamu Sugiyama
Hidefumi Kasai
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Citizen Watch Co., Ltd.
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Definitions

  • the stamper 6 is made of nickel, and has a large number of irregularities 6a for forming grooves or pits for recording information of a disk to be formed on the front surface (the surface on the cavity side).
  • the surface on the contact side is finished to a mirror surface.
  • the surface 2a of the movable mold 2 that comes into contact with the stamper 6 is also mirror-finished, and the mold surface 2a is interposed on the mold surface 2a via the intermediate layer 20, as shown in FIG.
  • a diamond-like carbon (DLC) film 30 which is a hard film, is formed.
  • DLC diamond-like carbon
  • the stamper 6 expands somewhat at the high temperature of the molten resin 7 (about 360 ° C.), and slides on the mold surface 2 a while receiving a high resin pressure (about 400 kgZcm 2 ). Because of the high wear resistance and lubricity, the mold surface 2a does not wear or the contact surface of the stamper 6 itself does not wear. According to the results of the experiment, the mold surface 2a was not damaged even after 200,000 times of molding (shot).
  • test piece 92A As a test piece corresponding to the mold according to the present invention, a lower intermediate layer made of titanium and an upper intermediate layer made of silicon were formed on the surface of the base material, each having a thickness of 0.5 ⁇ m, A DLC film with a thickness of 1.0 ⁇ m was provided thereon (specimen 92A). In comparison with the conventional mold, a DLC film having a thickness of 1. O / m directly formed on the base of the above-mentioned test piece (referred to as a test piece 92B) was used.
  • two target holders 56 and each of them are placed in the vacuum chamber 51.
  • a titanium holder is set as a target 55 in one of the target holders 56, and tundastain, tungsten carbide, and the like are set as targets 55 in the other target holder 56.
  • targets 55 are set either silicon carbide or titanium carbide.
  • first intermediate layer forming step only the shutter of the target holder 56 on which titanium is set as the target 55 is opened to perform a sputtering process, and titanium is applied to the surface 2 a of the mold 2.
  • the lower layer 21 mainly composed of a film is formed to a thickness of about 0.5 ⁇ m.
  • FIG. 12 is a sectional view of a plasma CVD apparatus for explaining still another example of the method of forming a DLC film.

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Description

明 細 書 樹脂成形用金型および樹脂成形用金型への硬質被膜形成方法 技 術 分 野
この発明は、 固定金型と可動金型とからなり、 両金型が閉鎖されたときにキヤビ ティを形成する一方の金型表面に、 スタンパを取り付けて使用される樹脂成形用金 型、 例えばコンパク トディスク, 光ディスク, 光磁気ディスク, レーザディスク等 を成形するための金型、 およびその樹脂成形用金型のキヤビティを形成する表面の スタンパと接触する部分への硬質被膜形成方法に関する。 背 景 技 術
音楽や映像などが記録されたコンパク トディスク, 光ディスク, 光磁気ディスク, レーザディスク等のディスク状の記録媒体を製造するには、 固定金型と可動金型と からなる樹脂成形用金型の、 両金型が閉鎖されたときにキヤビティを形成する金型 の一方 (一般に可動型) の表面にスタンパ (母型) を取り付け、 そのキヤビティ内 に榭脂を射出して加圧注入し、 樹脂を成形すると同時にスタンパの表面の凹凸形状 を転写している。
このような榭脂成形用金型の固定金型と可動金型は、 例えば特開昭 6 2 - 2 6 7 9 3 7号公報 (J P, 6 2— 2 6 7 9 3 7, A) に見られるように、 樹脂成形金型 用鋼によって形成され、 少なく ともスタンパ取り付け面およびキヤビティ形成面に は焼き入れ焼戻しが施され、 耐摩耗性の向上が図られている。
そして、 上記スタンパ取り付け面およびキヤビティ形成面が鏡面状態に仕上げら れ、 射出成形されるディスクの寸法精度の高精度化が図られている。 また、 スタン パはニッケルによって作られており、 金型のスタンパ取り付け面と接する面が鏡面 状態に仕上げられている。 このような榭脂成形用金型による射出成形時には、 キヤビティ内に高温の溶融樹 脂が射出され、 高い圧力が加えられるため、 ショッ ト毎にスタンパがその高温と高 圧による膨張と収縮を繰り返し、 キヤビティを形成する金型の表面と摺接して、 そ の表面を摩耗させる。 金型のスタンパ取り付け面が摩耗すると、 スタンパにキズが 入ったり、 割れが発生したりする恐れがある。
また、 スタンパは成形するディスクによって交換されるが、 金型は共通に使用さ れるものであり、 高価なものでもあるから、 長期間に亘つて摩耗することなく使用 できることが望まれる。
そのため、 例えば上記の特開昭 6 2 - 2 6 7 9 3 7号公報には、 光ディスク製造 用金型において、 スタンパ取り付け面に、 そのスタンパ取り付け面を構成する金型 の材料よりも硬度が高く、 かつ耐摩耗性に優れた材料からなる硬質層、 例えば炭化 チタン (T i C ) や炭化珪素 (S i C ) , 窒化チタン (T i N) などの薄膜を形成 することを提案している。
さらに、 特開平 1— 2 3 4 2 1 4号公報 (J P , 1 - 2 3 4 2 1 4 , A) には、 上記のようなディスク成形用金型のキヤビティを構成する表面のスタンパを支持す る部分に、 ダイヤモンド状薄膜を被覆することによって、 その耐摩耗性および低摩 擦性を大幅に向上させ、 スタンパおよび金型の耐用寿命を大幅に延ばすことが提案 されている。
前者のように、 樹脂成形用金型のキヤビティを形成する金型表面のスタンパ取り 付け面に、 そのスタンパ取り付け面を構成する材料よりも硬度が高く、 かつ耐摩耗 性に優れた材料からなる硬質層を形成することは、 成形用金型のスタパ取り付け面 の耐摩耗性を高め、 金型の耐用寿命を延ばすのに有効であるが、 その硬質膜として、 炭化チタン (T i C ) や炭化珪素 (S i C ) , 窒化チタン (T i N) などを形成す るだけでは、 充分ではなかった。
また、 後者のように、 その硬質層としてダイヤモンド状薄膜 (ダイヤモンドライ ク ·力一ボン膜: D L C膜と略称する) を被覆することにより、 成形用金型のスタ ンパ取り付け面の耐摩耗性を飛躍的に高めるとともに、 スタンパとの摩擦抵抗を著 しく低減し、 スタンパおよび金型の耐用寿命を大幅に延ばすことが期待される。 しかしながら、 樹脂成形金型用鋼で形成された金型のキヤビティを形成する表面 に直接 D L C膜を形成したのでは、 D L C膜の金型表面への密着力が弱いため、 形 成した D L C膜の表面を鏡面仕上げするためにポリシングゃラッピングを行おうと すると、 D L C膜が剥離してしまったり、 使用中に内部応力等によって D L C膜が 剥離してしまうなどの問題があることが判った。
この発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、 榭脂成形用金 型のキヤビティを形成する金型の表面の少なくともスタンパと接触する部分に、 強 い密着力で容易に剥離しないように硬質被膜である D L C膜を形成して、 樹脂成形 用金型の耐用寿命を飛躍的に延ばし、 スタンパにも損傷を与えないようにしてその 寿命も延ばすことを目的とする。 発 明 の 開 示
この発明は上記の目的を達成するため、 次のように構成した榭脂成形用金型と、 その樹脂成形用金型への硬質被膜形成方法を提供する。
すなわち、 この発明による樹脂成形用金型は、 固定金型と可動金型とからなり、 両金型が閉じられたときにキヤビティを形成する金型の表面に、 スタンパを取り付 けて使用される樹脂成形用金型であって、 上記金型の表面の少なくともスタンパと 接触する部分に、 該金型の表面との密着力を高める中間層を介して硬質被膜である ダイヤモンドライク ·カーボン膜を形成したものである。
その中間層は、 シリコン, タングステン, 炭化チタン, 炭化珪素, および炭化ク ロムのうちのいずれかによつて形成された 1層構造であってもよい。
さらに、 その中間層を、 クロム又はチタンを主体とする下層と、 シリコン又はゲ ルマニウムを主体とする上層とからなる 2層構造にするとなおよい。 あるいは、 その中間層を、 チタンを主体とする下層と、 タングステン, 炭化タン グステン, 炭化珪素, および炭化チタンのうちのいずれかを主体とする上層との 2 層構造にしてもよい。
さらにまた、 上記中間層を、 チタンを主体とする下層と、 炭化チタン又は炭化珪 素を主体とする中層と、 炭素を主体とする上層との 3層構造にしてもよい。
これらの中間層を介して、 上記金型表面のスタンパと接触する部分に形成された ダイヤモンドライク · カーボン膜は、 表面粗さが 0 . 2から 0 . 0 2 /x mとなるよ うにするのが望ましい。
この発明による樹脂成形用金型への硬質被膜形成方法は、 固定金型と可動金型と からなり、 両金型が閉じらたときにキヤビティを形成する金型の表面に、 スタンパ を取り付けて使用される樹脂成形用金型への硬質被膜形成方法であって、
次の各工程を有することを特徴とする。
上記スタンパを取り付ける表面を洗浄した金型を真空槽内にセットして排気する 工程、
排気した該真空槽内にアルゴンを導入してイオン化し、 シリ コン, タングステン, 炭化チタン, 炭化珪素, および炭化クロムのうちのいずれかをターゲッ トとするス パッタリング処理によって、 上記金型の表面の少なく とも上記スタンパと接触する 部分に中間層を形成する中間層形成工程、
上記真空槽内のアルゴンを排出して、 該真空槽内に炭素を含むガスを導入するェ 程、
該真空槽内にプラズマを発生させ、 プラズマ C V D処理によって前記中間層の表 面にダイヤモンドライク · カーボン膜を形成する工程、
上記中間層形成工程に代えて、 排気した真空槽内にアルゴンを導入してイオン化 し、 クロム又はチタンをターゲッ トとするスパッタリング処理によって、 上記金型 の表面の少なく とも上記スタンパと接触する部分にクロム又はチタンを主体とする 中間層の下層を形成する第 1の中間層形成工程と、
該工程に続いて、 シリコン又はゲルマニウムをターゲットとするスパッタリング 処理によって、 上記下層上にシリコン又はゲルマニウムを主体とする中間層の上層 を形成する第 2の中間層形成工程とを実施して、 2層の中間層を形成するとなおよ い。
あるいは、 上記中間層形成工程に代えて、 排気した真空槽内にアルゴンを導入し てイオン化し、 チタンをターゲットとするスパッタリング処理によって、 上記金型 の表面の少なくとも上記スタンパと接触する部分にチタンを主体とする中間層の下 層を形成する第 1の中間層形成工程と、
該工程に続いて、 タングステンをタ一ゲットとするスパッタリング処理によって、 上記下層上にタングステンを主体とする中間層の上層を形成する第 2の中間層形成 工程とを実施して、 2層の中間層を形成するようにしてもよい。
また、 排気した真空槽內にアルゴンを導入してイオン化し、 チタンをターゲット とするスパッタリング処理によって、 上記金型の表面の少なくとも上記スタンパと 接触する部分にチタンを主体とする中間層の下層を形成する第 1の中間層形成工程 と、
該工程に続いて、 上記真空槽内に炭素を含むガスを導入し、 タングステン又はシ リコンをターゲットとする反応スパッタリング処理によって、 上記下層上に炭化タ ンダステン又は炭化珪素を主体とする中間層の上層を形成する第 2の中間層形成ェ 程とを実施して、 2層の中間層を形成するようにしてもよい。
あるいはまた、 排気した該真空槽内にアルゴンを導入してイオン化し、 チタンを ターゲットとするスパッタリング処理によって、 前記金型の表面の少なくとも前記 スタンパと接触する部分にチタンを主体とする中間層の下層を形成する第 1の中間 層形成工程と、
該工程に続いて、 前記真空槽内に炭素を含むガスを導入し、 チタン又はシリ コン をターゲッ トとする反応スパッタリング処理によって、 前記下層上に炭化チタン又 は炭化珪素を主体とする中間層の中層を形成する第 2の中間層形成工程と、 該工程に続いて、 前記ターゲッ トのチタン又はシリコンのスパッタ量を漸減させ て、 前記中層上に炭素を主体とする上層を形成する第 3の中間層形成工程とを実施 して、 3層の中間層を形成するようにしてもよい。
これらの樹脂成形用金型への硬質被膜形成方法において、 上記ダイヤモンドライ ク · カーボン膜を形成する工程の後に、 該工程で形成されたダイヤモンドライク ♦ カーボン膜の表面をポリシングとラッビングによって仕上げ研磨する工程を実施す るのが望ましい。
その仕上げ研磨する工程における上記ポリシングとラッビングを、 ダイヤモンド 及びアルミナの粒子径が 0 . 1 μ πιから 4 /z mのダイヤモンドペーストとアルミナ ペース トを使用して行うとよい。 図面の簡単な説明
第 1図は、 第 2図におけるスタンパ取付部の一部拡大断面図である。
第 2図は、 この発明による榭脂成形用金型を用いた射出成形装置の要部を示す断 面図である。
第 3図は、 第 1図における金型の表面付近のごく一部を大幅に拡大して D L C膜 と中間層の構成例を示す模式図である。
第 4図は、 同じく 2層の中間層の構成例を示す模式図である。
第 5図は、 同じく 2層の中間層の他の構成例を示す模式図である。
第 6図は、 同じく 3層の中間層の構成例を示す模式図である。
第 7図は、 摩耗試験機により被膜の耐摩耗性を試験する方法を説明するための図 である。
第 8図は、 この発明による金型と従来の金型に相当する各種の試料に対して引つ かき試験を行って測定した引つかき荷重と引つかきの抵抗値との関係を示す線図で ある。
第 9図は、 この発明による樹脂成形用金型への硬質膜形成方法における中間層形 成工程に使用するスパッタ装置の断面図である。
第 1 0図は、 この発明による榭脂成形用金型への硬質膜形成方法における D L C 膜形成工程に使用するプラズマ C V D装置の一例を示す断面図である。
第 1 1図はそ、 同じくプラズマ C V D装置の他の例を示す断面図である。
第 1 2図は、 同じくプラズマ C V D装置のさらに他の例を示す断面図である。 発明を実施するための最良の形態
以下、 この発明の好ましい実施の形態を図面を参照して説明する。
〔樹脂成形用金型の実施形態〕
第 2図は、 この発明を実施したコンパク トディスク, ビデオディスク等の各種デ イスクを成形するための射出成形装置の要部を示す断面図、 第 1図はそのスタンパ 取付部の一部拡大断面図である。
この射出成形装置は、 固定側ダイプレート 3に固定金型 1を、 可動側ダイプレー ト 4に可動金型 2をそれぞれ固定し、 図示しない型締めシリンダによって可動金型 2を固定金型 1に密着させた状態で、 第 2図に示すように成形品 (ディスク) の形 状をなすキヤビティ 5を形成する。 その固定金型 1 と可動金型 2は鋼材によって製 作され、 この発明の対象とする樹脂成形用金型 1 0を構成している。
固定金型 1の中央部には固定側ブッシュ 1 1が固着され、 そこに固定側ダイプレ —ト 3に取り付けられたスプールブッシュ 1 2が嵌入している、 そのスプールブッ シュ 1 2の中心に、 射出ノズル 8から射出される樹脂をキヤビティ 5へ導くゲート 1 2 aが設けられている。 この固定金型 1にはエアベント孔 1 3が形成されている。 一方、 可動金型 2の中央部にはインナスタンパ押え 1 5と可動側ブッシュ 1 6が 固設され、 その可動側ブッシュ 1 6に、 可動側ダイプレート 4を貫通して設けられ たスプールカツ トパンチ 1 7とェジェクタ 1 8の先端部が嵌入している。 そして、 この可動金型 2のキヤビティ 5を形成する表面 2 aに、 円盤状のスタン パ (母型) 6を密着させて取り付ける。 すなわち、 第 1図に示すように、 厚さ Dを 有するスタンパ 6の中央部をインナスタンパ押え 1 5によって押え、 外周部を外周 リング 1 9によって可動金型 2の表面 (金型表面) 2 aに押え付けて取り付ける。 外周リング 1 9はキヤビティ 5の周壁も形成している。
このスタンパ 6はニッケルによって作られ、 表面 (キヤビティ側の面) に成形す るディスクの記録情報となる溝あるいはピットを形成するための多数の凹凸 6 aが 形成され、 裏面 (可動型に表面に接する側の面) は鏡面状態に仕上げられている。 可動金型 2のスタンパ 6と接触する表面 2 aも鏡面に仕上げられ、 第 1図に円 A で囲んだ部分を拡大して示すように、 その金型表面 2 aに中間層 2 0を介して硬質 被膜であるダイヤモンドライク ·カーボン (D L C ) 膜 3 0を形成している。 この D L C膜 3 0は、 ダイヤモンド状薄膜、 硬質カーボン被膜、 水素ァモルファ ス 'カーボン膜、 i —カーボン膜などとも称され、 ダイヤモンドによく似た構造お ょぴ性質を持つ非晶質の炭素薄膜であり、 ビッカース硬度が 2 0 0 0 k g /mm 2 以上あり、 硬度が高いため耐摩耗性が強く、 且つ摩擦係数が小さく潤滑性があり、 耐蝕性も高いという特性をもっている。
また、 中間層 2 0は、 この D L C膜 3 0の金型表面 2 aとの密着性を高めるため に設ける 1層以上の薄膜層であり、 一層構造の場合、 シリ コン (S i ) , タンダス テン (W) , 炭化チタン (T i C ) , 炭化珪素 (シリコン力一パイ ト : S i C ) , 炭化クロム (C r C ) のうちのいずれかによつて形成する。
このように、 金型表面 2 aに中間層 2 0を介して D L C膜 3 0を形成することに より、 D L C膜 3 0が金型表面 2 aに密着性よく強固に形成され、 その表面を一層 平滑にするためにポリシングゃラッビングを行っても剥離することがなく、 使用中 の熱と圧力による内部応力等によって剥離するようなこともなくなる。
この射出成形装置によってディスクの成形を行う際には、 第 2図に示すように、 固定型 1に可動型 2を合わせて型締めし、 キヤビティ 5を形成する。 そして、 第 2 図に示す射出ノズル 8をスプールブッシュ 12の外端部に密着させて、 溶融樹脂 7 をゲート 1 2 a内へ射出させ、 それをキヤビティ 5内に加圧充填させて行う。
このとき、 スタンパ 6は溶融樹脂 7の高い温度 ( 360° C程度) で幾分膨張し、 高い樹脂圧力 (400 k gZc m2 程度) を受けながら金型表面 2 aを摺動する力 DLC膜 30が設けられているため、 その高い耐摩耗性と潤滑性により、 金型表面 2 aが摩耗したり、 スタンパ 6自体の接触面が摩耗したりすることがない。 実験の 結果によれば 20万回の成形 (ショ ッ ト) を行っても金型表面 2 aに損傷がなかつ た。
〔中間層の構成〕
次に、 中間層 20の種々な構成例を第 3図乃至第 6図によって説明する。 これら の図は、 可動金型 (以下単に 「金型」 ともいう) 2の表面 2 a付近のごく一部を大 幅に拡大して、 DLC膜 30と中間層 20の構成を示す模式図てある。
第 3図は、 金型表面 2 a上に前述した一層構造の中間層 20を介して硬質膜であ る DLC膜 30を形成したものである。 その中間層は、 シリコン (S i ) , タンダ ステン (W) , 炭化チタン (T i C) , 炭化珪素 (S i C) , 炭化クロム (C r C) のうちのいずれかによつて、 厚さ 1 μ m程度に形成する。 DLC膜 30は、 から 5 μ m程度に形成する。
第 4図は、 2層構造中間層を形成した例であり、 金型表面 2 a上に下層 21と上 層 23からなる中間層 20を形成し、 その上層 23上に DLC膜 30を形成してい る。 その下層 21はクロム (C r) 又はチタン (T i ) を主体として厚さ 0. 5 μ m程度に形成し、 上層 23はシリコン又はゲルマニウムを主体として厚さ 0. 5 μ m程度に形成する。
この場合、 中間層 20の下層 21のクロム又はチタンは金型 2を構成する鋼材と 密着性よく形成することができる。 さらに、 上層 23のシリ コン又はゲルマニウム は、 DLC膜 30を構成する炭素とは周期律表で同じ第 I Vb族の元素であり、 レヽ ずれもダイヤモンド構造を有する。 そのため、 上層 23と DLC膜とは共有結合し て高い密着力で結合する。 そのうえ、 下層のクロム又はチタンと上層のシリコン又 はゲルマニウムとは、 密着性よく被膜形成することができる。
そのため、 金型表面 2 a上に、 このような構成の中間層 20を介して D L C膜 3 0を形成することにより、 一層強固な密着力で D LC膜 30を形成することができ、 金型 2の耐久性を飛躍的に高めることができる。
第 5図は、 2層構造の中間層の他の例を示す。 この例では、 金型表面 2 a上にチ タン (T i ) を主体とする下層 21と、 タングステン (W) , 炭化タングステン
(WC) , 炭化珪素 (S i C) , および炭化チタン (T i C) のうちのいずれかを 主体とする上層 23との 2層構造の中間層 20を形成し、 その上層 23上に DLC 膜 30を形成する。 このようにしても、 第 4図に示した例と同様な DLC膜 30の 密着力が得られる。 中間層 20の下層 21と上層 23はそれぞれ 0. 5 μπι程度の 厚さに形成し、 D LC膜は 1 から 5 /X m程度の膜厚に形成する。
第 6図は、 3層構造の中間層を形成した例を示す。 この例では、 金型表面 2 a上 に、 中間層 20として、 まずチタン (T i ) を主体とする下層 21を形成し、 その 上に炭化チタン (T i C) 又は炭化珪素 (S i C) を主体とする中層 22を形成し、 さらにその上に炭素 (C) を主体とする上層 23を形成する。 そしてその上層 23 上に D L C膜 30を形成する。
この場合、 下層 21と中層 22と上層 23は、 明確に異なる層とせず、 下層 21 の金型表面 2 aに隣接する部分ではチタンの濃度が最も高く、 上層 23に向かって その濃度が次第に薄くなり、 上層 23の DLC膜 30と隣接する部分では炭素の濃 度が最も高く、 下層 21に向かってその濃度が次第に薄くなる傾斜構造にしてもよ い。 むしろ、 そのような傾斜構造にした方が D LC膜 30の密着力を高めることが できる。 これらの各例のように形成した D L C膜 3 0は、 その表面をポリシング及びラッ ビングして、 その表面粗さ R aが 0 . 2から 0 . 0 2 μ m程度の鏡面に仕上げると よい。
上述した各実施形態の樹脂成形用金型では、 その可動金型のキヤビティを形成す る表面にスタンパを取り付ける構造のため、 その可動金型のスタンパと接触する表 面に中間層を介して D L C膜を形成した。 しかし、 これに限るものではなく、 固定 金型のキヤビティを形成する表面にスタンパを取り付ける構造の樹脂成形用金型の 場合には、 その固定金型のスタンパと接触する表面に中間層を介して D L C膜を形 成すればよい。
〔摩耗性試験による耐摩耗性の評価〕
ここで、 この発明による金型および従来の金型と同様な被膜構成の試験片に対し て摩耗試験を行って、 その結果を比較して耐摩耗性を評価した。
ここで使用した摩耗試験機は、 スガ試験機株式会社の商品名 N U S— I S O - 2 の摩耗試験機である。
この摩耗試験機による摩耗試験の方法を、 第 7図を用いて説明する。
第 7図に示すように、 被膜形成した試験片 9 2をその被膜形成面側を下向きにし て、 試験片押え板 9 4と試験片押えネジ 9 5とによって、 試験片取付台 9 3の開口 部に固定する。 さらに、 摩耗輪 9 1に研磨紙 (図示せず) を貼り付ける。 この摩耗 輪 9 1に、 図示しない天秤機構によって研磨紙を試験片 9 2に押しつけるような上 向きの荷重を加える。
そして、 試験片取付台 9 3を、 図示しないモータの回転運動を往復運動に変換す る機構によって往復運動させ、 さらに摩耗輪 9 1を試験片取付台 9 3の 1往復ごと に角度 0 . 9 ° ずつ矢印方向に回転させる。
それによつて、 試験片 9 2は摩耗輪 9 1に貼りつけられた研磨紙の摩耗していな い新しい領域に常に接触することになる。 試験片取付台 9 3の往復回数は自動設定 することができ、 設定した回数で摩耗試験機は自動停止する。
ここで用いた試験片 92は、 その基材として樹脂成形用金型の作製に使用する鋼 材からなる板厚が 1 mmのものを使用し、 その表面を、 表面粗さ R a = 0. 05 μ m〜0. 5 /z mに研磨仕上げしたものである。
そして、 この発明による金型に相当する試験片として、 その基材の表面にチタン による下層の中間層とシリコンによる上層の中間層とを、 いずれも膜厚は 0. 5 μ mに形成し、 その上に膜厚 1. 0 μ mの D L C膜を設けたもの (試験片 92 Aとい う) を用いた。 これと比較する従来の金型に相当するものとして、 上記試験片の基 材上に直接 DLC膜を膜厚 1. O / mに形成したもの (試験片 92Bという) を用 いた。
さらに、 摩耗輪 91に貼りつける研磨紙としては、 メッシュ 600番の S i Cを 用い、 この研磨紙と試験片 92との接触荷重は 830 gとし、 試験片取付台 93の 往復運動回数は 200回の条件として、 上記試験片 92 Aと試験片 92 Bの被膜の 摩耗試験を行った。
その摩耗試験の結果は、 この発明による被膜構造の試験片 92 Aでは、 被膜の剥 離はほとんど発生せず、 試験後も DLC膜の表面状態は変化しなかった。 これに対 して、 従来の被膜構造の試験片 92 Bでは、 DLC膜の剥離が発生し、 試験片の表 面の鋼材が肉眼で観察でき、 DLC膜が剥離していることがわかった。
この試験片 92 Aと 92 Bの被膜構造の相違点は、 基材の表面に 2層の中間層を 介して D L C膜を形成しているか、 基材の表面に直接 D LC膜を形成しているかの 点である。 この摩耗試験の結果から、 2層の中間層を設けることによって、 DLC 膜の密着性が強固になり、 被膜の耐摩耗性が著しく向上することが分かった。 また、 上記基材の表面に、 それぞれシリコン, タングステン, 炭化チタン, 炭化 珪素, 炭化クロムのいずれかによる 1層の中間層を膜厚 0. 5 m程度に形成し、 その上に膜厚 1. 0 /X m程度の D L C膜を形成した試験片を作成し、 それらに対し てそれぞれ上記と同じ条件で摩耗試験を行ったところ、 いずれも上記試験片 Aの場 合と同様に、 往復運動回数 200回では、 DLC膜の表面状態はほとんど変化しな かった。 したがって、 1層の中間層を設けることによつても、 DLC膜の密着性が 強固になり、 被膜の耐摩耗性が著しく向上し、 実用上問題ないことが分かった。 〔引つかき試験による表面物性の評価〕
次に、 この発明による金型おょぴ従来の金型に相当する各種試料に対して、 引つ かき試験を行うことによりその被膜の機械的性質 (特に耐摩耗性) を評価した。 こ の引つかき試験に使用した測定機は、 HE I DON— 14型の表面性測定機である。 この表面性測定機を使用した引つかき試験によれば、 引つかき時に生じる抵抗力 を測定することによって、 被膜の表面物性を評価できる。
そこで、 以下に記載する (A) から (F) の 5種類の試料を作成して、 上記表面 性測定機を使用して引つかき時に生じる抵抗力を測定した。 これらの試料の基材は いずれも樹脂成形用金型に使用する鋼材で、 その表面は研磨加工されている。
(A) 基材の表面に直接 D L C膜を形成したもの。
(B) 基材の表面に炭化チタン (T i C) による中間層を介して D LC膜を形成し たもの。
(C) 基材の表面に炭化珪素 (S i C) による中間層を介して D L C膜を形成した もの。
(D) 基材の表面にチタン (T i ) による下層の中間層とシリ コン (S i ) による 上層の中間層を介して D L C膜を形成したもの。
(E) 基材の表面にチタン (T i ) による下層の中間層と炭化珪素 (S i C) によ る上層の中間層を介して D L C膜を形成したもの。
(F) 基材の表面にチタン (T i ) による下層の中間層と炭化珪素 (S i C) によ る中層の中間層と炭素を主体とする上層の中間層を介して DLC膜を形成した もの。 そして、 D L C膜の膜厚はいずれの試料とも 1. O /i mであり、 炭化チタン, 炭 化珪素 (シリコン力一バイ ト) , チタン, およびシリコン (珪素) による各中間層 の膜厚はいずれも 0. 5 / mである。
表面性測定機を使用した被膜の表面物性の測定は、 先端角度が 90° で先端曲率 半径が 50 /xmのダイヤモンド圧子を使用し、 引つかき速度は 3 OmmZ分とし、 引つかき荷重は 1 0 g rから 500 g rまで 1 0 g rおきに変化させた。
その測定結果である引つかき荷重と引つかき抵抗値との関係を、 第 8図のグラフ に示す。
なお、 この第 8図のグラフは、 引つかき荷重を 1 0 g rから 1 0 g rずつ増加し て加え、 そのときの引つかき抵抗力による抵抗値を測定してプロットし、 その平均 値を直線で近似してグラフ化している。
第 8図のグラフは、 縦軸に引つかき抵抗力による抵抗値を示し、 横軸に引つかき 荷重を示す。 そして曲線 A, B, C, D, E, Fがそれぞれ試料 (A) から試料 (F) の測定結果を示している。 なお、 曲線 Eと Fは殆ど同じであった。
この第 8図から明らかなように、 引つかき荷重がある値以上になると抵抗力が急 激に変化している。 このように特性曲線に変曲点が発生する現象は、 この変曲点以 下の臨界荷重では、 圧子は単なる摩擦流動を示し、 荷重の増加とともに直線的に引 つかき抵抗値が増加していく力 臨界荷重以上になると、 セラミックス基板上に形 成した被膜に亀裂が発生しているためと考えられる。 そして発生した亀裂のために、 引つかき抵抗値は急激な増加を示し、 摩擦係数が増大する。
このように、 第 8図の特性曲線の変曲点である臨界荷重の値によって、 基材に対 する被膜の密着力を評価することができる。
そして、 第 8図に示されるように、 基材上に直接硬質カーボン膜を形成した従来 の試料 (A) の場合の臨界荷重は 80 g rである。
これに対して、 発明の実施例に相当する 1層の中間層を有する被膜構造の試料 ( B ) の場合の臨海加重は 1 8 0 g r、 試料 (C ) の場合の臨海加重は 2 2 0 g r であり、 2層の中間層を有する被膜構造の試料 (D ) の場合の臨界荷重は 3 5 0 g r、 試料 (E ) および (F ) の場合の臨界荷重は 3 8 0 g rである。
すなわち、 この発明による金型では、 従来の金型よりも D L C膜が 2倍以上の密 着力を有して形成されていることになる。
〔硬質被膜形成方法の実施形態〕
次に、 第 9図から第 1 2図によって、 前述したこの発明による榭脂成形用金型に おける可動金型 (単に「金型」ともいう) 2の表面 2 aの少なくともスタンパと接触 する部分への硬質膜の形成方法について説明する。
まず、 金型の表面に前述した中間層 2 0を形成する中間層形成工程について、 第 9図を用いて説明する。
第 9図は、 中間層を形成するのに使用するスパッタ装置の断面図である。
この図に示すように、 ガス導入口 5 3と排気口 5 4を備えた真空槽 5 1内の一壁 面の近傍に、 ターゲットホルダ 5 6が固設されており、 そこに中間層の材料である ターゲット 5 5をセット (配置) する。
この真空槽 5 1内に、 スタンパを取り付ける表面 2 aを洗浄した金型 2 (簡略化 して図示している) を、 表面 2 aがターゲット 5 5と対向するようにセット (配置) する。
この金型 2は直流電源 5 8に接続し、 ターゲット 5 5はタ一ゲット電源 5 7に接 続する。 なお、 図示を省略しているが、 ターゲット 5 5と金型 2との間には、 ター ゲット 5 5を覆う位置と露出させる位置とに開閉可能なシャツタが設けられている。 そのシャッタを最初はタ一ゲット 5 5を覆う位置にしておく。
そして、 図示しない排気手段により真空槽 5 1内を真空度が 4 X 1 0 - 3パスカル ( 3 X 1 0 - 5 torr) 以下になるように、 排気口 5 4から真空排気する。
その後、 ガス導入口 5 3からスパッタガスとしてアルゴン (A r ) ガスを導入し て、 真空槽 5 1内の真空度が 4 X 1 0 - 1パスカル ( 3 X 1 0 - 3 torr) になるよう に調整する。
さらにその後、 金型 2には直流電源 5 8からマイナス 5 0 Vの直流負電圧を印加 する。 またターゲット 5 5にはタ一ゲッ ト電源 5 7からマイナス 5 0 0 Vからマイ ナス 6 0 0 Vの直流電圧を印加する。
すると、 真空槽 5 1の内部にプラズマが発生し、 イオン化したアルゴンによって 金型 2の表面 2 aをイオンボンバードして、 その表面に形成されている酸化膜等を 除去する。
次に、 図示しないシャツタを開いてターゲッ ト 5 5を露出させ、 プラズマ中のァ ルゴンイオンによってターゲッ ト 5 5の表面をスパッタする。 そして、 このターゲ ッ ト 5 5がシリコンであれば、 その表面から叩き出されたシリコンの分子が金型 2 の表面 2 aに付着して、 シリ コン膜からなる中間層を形成する。 このスパッタリン グ処理によって中間層が所定の膜厚に形成されるように、 この中間層形成工程を実 施する。
第 3図に示した 1層の中間層 2 0を形成する場合には、 タ一ゲッ ト 5 5として、 シリ コン, タングステン, 炭化チタン, 炭化珪素 (シリ コンカーバイ ト) , および 炭化クロムのうちのいずれかをセッ トして、 上記スパッタリング処理を行う。 それによつて、 金型 2の表面 2 aに、 シリコン膜, タングステン膜, 炭化チタン 膜, 炭化珪素 (シリコンカーバイ ト) 膜, あるいは炭化クロム膜のいずれかによる 中間層 2 0を形成する。
炭化チタン膜あるいは炭化珪素膜による中間層を形成する場合には、 次のような 方法をとることもできる。
すなわち、 ターゲッ ト 5 5として、 チタンあるいはシリ コン (珪素) をセッ トし て、 アルゴンイオンによるスパッタを行うと同時に、 ガス導入口 5 3から炭素を含 むガスとして例えばメタン (C H 4 )ガスを導入して、 スパッタされたチタンあるい はシリコンの分子とガス中の炭素とによる反応スパッタリング処理によって、 金型 2の表面 2 aに炭化チタン膜あるいは炭化珪素膜による中間層 2 0を形成する。 また、 第 4図に示した下層 2 1 と上層 2 3からなる 2層の中間層 2 0を形成する 場合には、 真空槽 5 1内に 2個のターゲッ トホルダ 5 6と、 その各々に対するシャ ッタとを設け、 その一方のターゲッ トホルダ 5 6にタ一ゲッ ト 5 5としてクロム又 はチタンをセッ トし、 他方のタ一ゲッ トホルダ 5 6にターゲット 5 5としてシリコ ン又はゲルマニウムをセッ トする。
そして、 まず第 1の中間層形成工程においては、 ターゲッ ト 5 5としてクロム又 はチタンをセッ トしたタ一ゲッ トホルダ 5 6側のシャッタのみを開いてスパッタリ ング処理を行って、 金型 2の表面 2 aにクロム又はチタンを主体とする膜による下 層 2 1を、 膜厚 0 . 5 /x m程度に形成する。
続いて、 第 2の中間層形成工程によって、 ターゲッ ト 5 5としてシリ コン又はゲ ルマニウムをセッ トしたタ一ゲッ トホルダ 5 6側のシャッタのみを開いてスパタリ ング処理を行って、 上記下層 2 1上にシリコン又はゲルマニウムを主体とする膜に よる上層 2 3を、 膜厚 0 . 5 /X m程度に形成する。
さらに、 第 5図に示した下層 2 1 と上層 2 3からなる 2層の中間層 2 0を形成す る場合も同様に、 真空槽 5 1内に 2個のターゲッ トホルダ 5 6と、 その各々に対す るシャツタとを設け、 その一方のタ一ゲッ トホルダ 5 6にタ一ゲッ ト 5 5としてチ タンをセッ トし、 他方のターゲッ トホルダ 5 6にターゲッ ト 5 5としてタンダステ ン, 炭化タングステン, 炭化珪素, 炭化チタンのうちのいずれかをセッ トする。 そして、 まず第 1の中間層形成工程において、 ターゲッ ト 5 5としてチタンをセ ッ トしたターゲッ トホルダ 5 6側のシャッタのみを開いてスパッタリング処理を行 つて、 金型 2の表面 2 aにチタンを主体とする膜による下層 2 1を、 膜厚 0 . 5 μ m程度に形成する。
続いて、 第 2の中間層形成工程によって、 ターゲッ ト 5 5としてタングステン, 炭化タングステン, 炭化珪素, 炭化チタンのうちのいずれかをセッ トしたタ一ゲッ トホヘルダ 5 6側のシャッタのみを開いてスパタリング処理を行い、 上記下層 2 1 上にタングステン, 炭化タングステン, 炭化珪素, 炭化チタンのいずれかを主体と する膜による上層 2 3を、 膜厚 0 . 5 μ πι程度に形成する。
あるいは、 上記第 1の中間層形成工程によって、 金型 2の表面 2 aにチタンを主 体とする中間層の下層 2 1を形成した後、 第 2の中間層形成工程では、 ターゲッ ト 5 5としてタングステン又はシリコンをセッ トしたターゲッ トホルダ 5 6側のシャ ッタのみを開く とともに、 真空槽 5 1内に炭素を含むガス例えばメタン (C H4)ガ スを導入して、 スパッタされたタングステン又はシリコンの分子とガス中の炭素と による反応スパッタリング処理によって、 上記下層 2 1上に炭化タングステン又は 炭化珪素を主体とする中間層の上層 2 3を形成することもできる。
さらに、 第 6図に示した下層 2 1 と中層 2 2と上層 2 3とからなる 3層の中間層 2 0を形成する場合も、 中層 2 2を炭化珪素を主体とする膜にする場合には、 真空 槽 5 1内に 2個のタ一ゲッ トホルダ 5 6 と、 その各々に対するシャッタとを設け、 その一方のターゲットホルダ 5 6にターゲッ ト 5 5としてチタンをセッ トし、 他方 のターゲッ トホルダ 5 6にターゲッ ト 5 5としてシリ コンをセットする。
そして、 まず第 1の中間層形成工程において、 ターゲッ ト 5 5としてチタンをセ ッ トしたターゲッ トホルダ側のシャツタのみを開いてスパッタリング処理を行い、 金型 2の表面 2 aにチタンを主体とする膜による下層 2 1を形成する。
続いて、 第 2の中間層形成工程で、 ターゲッ ト 5 5としてシリ コンをセッ トした ターゲットホルダ側のシャツタのみを開いて、 真空槽 5 1内に炭素を含むガス、 例 えばメタン (C H 4)ガスを導入し、 スパッタされたシリ コン分子とガス中の炭素と による反応スパッタリング処理によって、 上記下層 2 1上に炭化珪素を主体とする 膜による中層 2 2を形成する。
その後、 第 3の中間層形成工程で、 真空槽 5 1内の図示しないシャツタを徐々に 閉じてターゲット 55としてのシリコンの露出量を減少させて、 シリコンのスパッ タ量を漸減させ、 上記中層 22上に炭素の比率が次第に多くなる炭素を主体とする 上層 23を形成する。
なお、 中層 22を炭化チタンを主体とする膜にする場合には、 真空槽 51内のタ 一ゲットホルダ 56とシャツタは一組でよく、 そこにチタンをセットして、 上記第 1, 第 2, 第 3の中間層形成工程と同様に各工程を実行すればよい。 しかし、 第 1 の中間層形成工程と第 2の中間層形成工程との間で 2つのシャツタの開閉切換を行 う必要はない。
次に、 上記のような各種の中間層形成工程によって、 少なくともスタンパと接触 する表面 2 a上に中間層 20を形成した金型 2の、 中間層 20上に D LC膜 30を 形成する工程について、 第 10図から第 12図を用いて説明する。 つまり、 この D LC膜の形成工程としては 3種類の D LC膜形成方法ある。
はじめに、 第 10図を用いて DLC膜の第 1の DLC膜形成方法を説明する。 第 10図はそのためのプラズマ CVD装置の断面図である。
この第 1の D L C膜形成方法は、 ガス導入口 63と排気口 65とを有し、 内部上 方にアノード 79とフィラメント 8 1とを備えた真空槽 6 1を使用する。 そして、 この真空槽 6 1内に、 少なくともスタンパと接触する面 2 aに中間層 20を形成し た金型 2を配置する。 その金型 2を支持する部材は図示を省略している。
そして、 この真空槽 6 1内を真空度が 4 X 1 0- 3パスカル(3 X 1 0- 5 torr)以 下になるように、 図示しない排気手段によって排気口 65から真空排気する。
その後、 ガス導入口 63から炭素を含むガスとしてベンゼン (CeH6) を真空槽 6 1内に導入して、 真空槽 6 1内の圧力を 6. 67 X 10-1パスカル ( 5 X 10 -3 torr) になるようにする。
そして、 金型 2には直流電源 73から直流電圧を印加し、 さらにアノード 79に はァノ一ド電源 75から直流電圧を印加し、 フィラメント 81にはフィラメント電 源 77から交流電圧を印加する。
このとき、 直流電源 73から金型 2に印加する直流電圧はマイナス 3 k Vとし、 ァノード電源 75からァノ一ド 79に印加する直流電圧はプラス 50 V、 フィラメ ント電源 77からフィラメント 81に印加する電圧は 3 OAの電流が流れるように 10 Vの交流電圧とする。
それによつて、 真空槽 61内の金型 2の周囲領域にプラズマが発生して、 プラズ マ CVD処理によって、 金型 2上の中間層 20 (多層の中間層の場合はその上層 2 3) の表面にダイヤモンドライク · カーボン (DLC) 膜を形成することができる。 この DLC膜 5は、 膜厚 1 /X mから 5 μ mに形成する。
なお、 説明の便宜上、 中間層形成工程で使用する真空槽 51と DLC膜形成工程 で使用する真空槽 61を別にして説明したが、 同じ真空槽を使用してこれらの各ェ 程を連続して行なうことができる。 その場合には、 中間層形成工程が完了した後、 真空槽内のアルゴンを排出して炭素を含むガスを導入する。 第 1 1図は D L C膜形成方法の他の例を説明するための、 プラズマ CVD装置の 断面図である。
この第 1 1図に示す装置を使用する場合には、 ガス導入口 63と排気口 65とを 有する真空槽 6 1内に、 中間層 20を形成した金型 2を配置し、 真空槽 6 1の内部 を図示しない排気手段によって、 真空度が 4 X 10- 3パスカル (3 X 10- 5 torr) 以下になるように、 排気口 65から真空排気する。
その後、 ガス導入口 63から炭素を含むガスとしてメタンガス (CH4) を真空 槽 6 1の内部に導入して、 真空度を 0. 1 torrになるようにする。
そして、 金型 2には、 発振周波数が 1 3. 56 MHzの高周波電源 69から高周 波電力(radio freqency power)を、 マッチング回路 67を介して印加する。 それに よって、 金型 2の周囲にプラズマが発生し、 プラズマ CVD処理により、 金型 20 上に形成された中間層 20 (多層の中間層の場合はその上層 23) の表面に DLC 膜を形成することができる。
第 12図は DLC膜形成方法のさらに他の例を説明するための、 プラズマ CVD 装置の断面図である。
この第 1 2図に示す装置を使用する場合には、 ガス導入口 63と排気口 65とを 有する真空槽 61内に、 中間層 20を形成した金型 2を配置し、 図示しない排気手 段によって、 真空槽 6 1内を真空度が 4 X 10- 3パスカル (3 X 1 0-5 torr) 以 下になるように、 排気口 65から真空排気する。
その後、 ガス導入口 63から炭素を含むガスとしてメタンガス (CH4) を真空 槽 61内に導入し、 真空度が 1 3. 33パスカル (0. 1 torr) になるようにする。 そして、 金型 2に直流電源 83からマイナス 600 Vの直流電圧を印加して、 そ の周囲にプラズマを発生させ、 プラズマ CVD処理により、 金型 2上に形成された 中間層 20 (多層の中間層の場合はその上層 23) の表面のに D L C膜を形成する ことができる。
これらの D L C膜形成方法の場合も、 中間層形成工程と同じ真空槽を使用して、 中間層形成工程と連続して行なうことができる。 その場合には、 中間層形成工程が 完了した後、 真空槽内のアルゴンを排出して炭素を含むガスを導入する。
なお、 第 10図から第 12図によって説明した方法によって DLC膜を形成する 場合に、 炭素を含むガスとしてメタンガスやベンゼンガスを用いる例で説明したが、 メタン以外にエチレンなどの炭素を含むガスや、 あるいはへキサンなどの炭素を含 む液体の蒸発蒸気を使用することもできる。
つぎに、 このようにして金型 2の表面 2 a上に中間層 20を介して形成した DL C膜 30の表面をより平滑にするために、 DLC膜 30の表面をポリシングとラッ ビングによって仕上げ研磨する工程を実施し、 表面粗さ R aが 0. 2から 0. 02 /X mになるようにするとよい。
その場合、 布にダイヤモンドペース ト又はアルミナペース トを付けてポリシング し、 円盤状の板にダイヤモンドペース ト又はアルミナペース トを付けてラッピング する。 そのときのダイャモンドペース ト又はアルミナペース ト中のダイャモンド又 はアルミナの粒子径は 0. 1 μ mから 4 μ m程度で、 ポリシングには 1 μ m以上の ものを、 ラッピングには 1 m以下のものを使用するのがよい。
このような研磨工程を行っても、 DLC膜は金型表面に中間層を介して強固に形 成されているため、 剥離するようなことはない。
〔この発明によつて形成する各被膜の厚さについて〕
(1) この発明により、 金型の表面にチタン (T i ) 又はクロム (C r) を主体と する下層と、 シリ コン (S i ) 又はゲルマニウム (G e) を主体とする上層とから なる 2層の中間層を介して D L Cの膜を形成する場合の、 有効な各膜厚の範囲は次 のと う りである。
丁 1又は ]:膜 3 1又は06膜 DLC膜 有効な膜厚の範囲 0.005~1.0/im 0.005〜1.0(im 0.3 〜10(im 好ましい範囲 0.05 〜0.8|im 0.05 〜0.8/im 0· 5 〜 5 πι 最も好ましい範囲 0.1 〜0.6μπι 0.1 〜0.6|im 0.8 〜 3(im
(2) この発明により、 金型の表面にシリコン (S i ) , タングステン (W) , 炭 化チタン (T i C) , 炭化珪素 (S i C) , 炭化クロム (C r C) のいずれかによ る単層の中間層を介して D LCの膜を形成する場合の、 有効な各膜厚の範囲は次の と う りである。
中間層 DLC膜
有効な膜厚の範囲 : 0.005〜 2 )im 0.3 〜10(im
好ましい範囲 : 0.05 〜1.5(im 0.5 〜 5/im
最も好ましい範囲 : 0.1 〜1.2μπι 0.8 〜 3μπι 産業上の利用可能性
以上説明してきたように、 この発明によれば、 樹脂成形用金型のキヤビティを形 成する金型の表面の少なく ともスタンパと接触する部分に、 強い密着力で容易に剥 離しないように硬質被膜である D L C膜を形成して、 樹脂成形用金型の耐用寿命を 飛躍的に延ばし、 スタンパにも損傷を与えないようにしてその寿命も延ばすことが できる。

Claims

請 求 の 範 囲
1 . 固定金型と可動金型とからなり、 両金型が閉じられたときにキヤビティを形成 する金型の表面に、 スタンパを取り付けて使用される樹脂成形用金型であって、 前記金型の表面の少なく ともスタンパと接触する部分に、 該金型の表面との密着 力を高める中間層を介してダイヤモンドライク · カーボン膜を形成したことを特徴 とする樹脂成形用金型。
2 . 前記中間層が、 シリ コン, タングステン, 炭化チタン, 炭化珪素, および炭化 クロムのうちのいずれかによつて形成された 1層構造である請求の範囲第 1項記載 の樹脂成形用金型。
3 . 前記中間層が、 クロム又はチタンを主体とする下層と、 シリ コン又はゲルマ二 ゥムを主体とする上層とからなる 2層構造である請求の範囲第 1項記載の樹脂成形 用金型。
4 . 前記中間層が、 チタンを主体とする下層と、 タングステン, 炭化タングステン, 炭化珪素, および炭化チタンのうちのいずれかを主体とする上層との 2層構造であ る請求の範囲第 1項記載の樹脂成形用金型。
5 . 前記中間層が、 チタンを主体とする下層と、 炭化チタン又は炭化珪素を主体と する中層と、 炭素を主体とする上層との 3層構造である請求の範囲第 1項記載の樹 脂成形用金型。
6 . 前記金型表面のスタンパと接触する部分に前記中間層を介して形成された前記 ダイヤモンドライク · カーボン膜は、 表面粗さ R aが 0 . 2から 0 . 0 2 μ πιであ る請求の範囲第 1乃至 5項のいずれか一項に記載の樹脂成形用金型。
7 . 固定金型と可動金型とからなり、 両金型が閉じられたときにキヤビティを形成 する金型の表面にスタンパを取り付けて使用される樹脂成形用金型への硬質被膜形 成方法であって、
前記スタンパを取り付ける表面を洗浄した金型を真空槽内にセッ トして排気する 工程と、
排気した該真空槽内にアルゴンを導入してイオン化し、 シリコン, タングステン, 炭化チタン, 炭化珪素, および炭化クロムのうちのいずれかをターゲッ トとするス パッタリング処理によって、 前記金型の表面の少なく とも前記スタンパと接触する 部分に中間層を形成する中間層形成工程と、
前記真空槽内のアルゴンを排出して、 該真空槽内に炭素を含むガスを導入するェ 程と、
該真空槽内にプラズマを発生させ、 プラズマ C V D処理によって前記中間層の表 面にダイヤモンドライク · 力一ボン膜を形成する工程と
を有する樹脂成形用金型への硬質被膜形成方法。
8 . 固定金型と可動金型とからなり、 両金型が閉じられたときにキヤビティを形成 する金型の表面にスタンパを取り付けて使用される樹脂成形用金型への硬質被膜形 成方法であって、
前記スタンパを取り付ける表面を洗浄した金型を真空槽内にセッ トして排気する 工程と、
排気した該真空槽内にアルゴンを導入してイオン化し、 クロム又はチタンをター ゲッ トとするスパッタリング処理によって、 前記金型の表面の少なく とも前記スタ ンパと接触する部分にクロム又はチタンを主体とする中間層の下層を形成する第 1 の中間層形成工程と、
該工程に続いて、 シリコン又はゲルマニウムをタ一ゲッ トとするスパッタリング 処理によって、 前記下層上にシリコン又はゲルマニウムを主体とする中間層の上層 を形成する第 2の中間層形成工程と、
前記真空槽内のアルゴンを排出して、 該真空槽内に炭素を含むガスを導入するェ 程と、
該真空槽内にプラズマを発生させ、 プラズマ C V D処理によって前記中間層の上 層の表面にダイヤモンドライク · カーボン膜を形成する工程と
を有する樹脂成形用金型への硬質被膜形成方法。
9 . 固定金型と可動金型とからなり、 両金型が閉じられたときにキヤビティを形成 する金型の表面にスタンパを取り付けて使用される樹脂成形用金型への硬質被膜形 成方法であって、
前記スタンパを取り付ける表面を洗浄した金型を真空槽内にセッ トして排気する 工程と、
排気した該真空槽内にアルゴンを導入してイオン化し、 チタンをターゲッ トとす るスパッタリング処理によって、 前記金型の表面の少なく とも前記スタンパと接触 する部分にチタンを主体とする中間層の下層を形成する第 1の中間層形成工程と、 該工程に続いて、 タングステンをターゲッ トとするスパッタリング処理によって、 前記下層上にタングステンを主体とする中間層の上層を形成する第 2の中間層形成 工程と、
前記真空槽内のアルゴンを排出して、 該真空槽内に炭素を含むガスを導入するェ 程と、
該真空槽内にプラズマを発生させ、 プラズマ C V D処理によつて前記中間層の上 層の表面にダイヤモンドライク · カーボン膜を形成する工程と
を有する樹脂成形用金型への硬質被膜形成方法。
1 0 . 固定金型と可動金型とからなり、 両金型が閉じられたときにキヤビティを形 成する金型の表面にスタンパを取り付けて使用される樹脂成形用金型への硬質被膜 形成方法であって、
前記スタンパを取り付ける表面を洗浄した金型を真空槽内にセッ トして排気する 工程と、
排気した該真空槽內にアルゴンを導入してイオン化し、 チタンをターゲッ トとす るスパッタリング処理によって、 前記金型の表面の少なく とも前記スタンパと接触 する部分にチタンを主体とする中間層の下層を形成する第 1の中間層形成工程と、 該工程に続いて、 前記真空槽内に炭素を含むガスを導入し、 タングステン又はシ リコンをターゲットとする反応スパッタリング処理によって、 前記下層上に炭化タ ンダステン又は炭化珪素を主体とする中間層の上層を形成する第 2の中間層形成ェ 程と、
前記真空槽内のアルゴンを排出して、 該真空槽内に炭素を含むガスを導入するェ 程と、
該真空槽内にプラズマを発生させ、 プラズマ C V D処理によって前記中間層の上 層の表面にダイヤモンドライク · カーボン膜を形成する工程と
を有する樹脂成形用金型への硬質被膜形成方法。
1 1 . 固定金型と可動金型とからなり、 両金型が閉じられたときにキヤビティを形 成する金型の表面にスタンパを取り付けて使用される樹脂成形用金型への硬質被膜 形成方法であって、
前記スタンパを取り付ける表面を洗浄した金型を真空槽内にセッ トして排気する 工程と、
排気した該真空槽内にアルゴンを導入してイオン化し、 チタンをターゲッ トとす るスパッタリング処理によって、 前記金型の表面の少なく とも前記スタンパと接触 する部分にチタンを主体とする中間層の下層を形成する第 1の中間層形成工程と、 該工程に続いて、 前記真空槽内に炭素を含むガスを導入し、 チタン又はシリ コン をターゲッ トとする反応スパッタリング処理によって、 前記下層上に炭化チタン又 は炭化珪素を主体とする中間層の中層を形成する第 2の中間層形成工程と、 該工程に続いて、 前記ターゲッ トのチタン又はシリコンのスパッタ量を漸減させ て、 前記中層上に炭素を主体とする上層を形成する第 3の中間層形成工程と、 前 記真空槽内のアルゴンと炭素を含むガスを排出して、 該真空槽内に再び炭素を含む ガスを導入する工程と、
該真空槽内にプラズマを発生させ、 プラズマ C V D処理によって前記中間層の上 層の表面にダイヤモンドライク · カーボン膜を形成する工程と
を有する樹脂成形用金型への硬質被膜形成方法。
1 2 . 請求の範囲第 7乃至 1 1項のいずれか一項に記載の樹脂成形用金型への硬質 被膜形成方法において、 前記ダイヤモンドライク ♦カーボン膜を形成する工程の後 に、 該工程で形成されたダイヤモンドライク · 力一ボン膜の表面をポリシングとラ ッビングによって仕上げ研磨する工程を有する樹脂成形用金型への硬質被膜形成方 法。
1 3 . 前記仕上げ研磨する工程における前記ポリシングとラッピングを、 ダイヤモ ンド又はアルミナの粒子径が 0 . 1から 4 μ πιのダイヤモンドペース ト又はアルミ ナペース トを使用して行う請求の範囲第 1 2項に記載の樹脂成形用金型への硬質被 膜形成方法。
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