JP2002079522A - ディスク基板成形金型及び樹脂成形金型 - Google Patents

ディスク基板成形金型及び樹脂成形金型

Info

Publication number
JP2002079522A
JP2002079522A JP2001189974A JP2001189974A JP2002079522A JP 2002079522 A JP2002079522 A JP 2002079522A JP 2001189974 A JP2001189974 A JP 2001189974A JP 2001189974 A JP2001189974 A JP 2001189974A JP 2002079522 A JP2002079522 A JP 2002079522A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molding die
resin molding
film
stamper
mold
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001189974A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002079522A5 (ja
Inventor
Yutaka Makino
由多可 牧野
Shunsaku Yasutomi
俊作 安富
Nobuitsu Kinoshita
伸逸 木下
Toshiaki Yasui
俊明 泰井
Yoshitake Kato
良武 加藤
Masayuki Hatsumi
雅之 初見
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maxell Holdings Ltd
Maxell High Tech Ltd
Original Assignee
Maxell High Tech Ltd
Hitachi Maxell Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Maxell High Tech Ltd, Hitachi Maxell Ltd filed Critical Maxell High Tech Ltd
Priority to JP2001189974A priority Critical patent/JP2002079522A/ja
Publication of JP2002079522A publication Critical patent/JP2002079522A/ja
Publication of JP2002079522A5 publication Critical patent/JP2002079522A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板表面性が高いディスク基板を製造するこ
とができ、かつ耐用寿命の長いディスク基板成形金型を
提供する。 【解決手段】 金型1,2に形成されたキャビティ4の
少なくとも片面にスタンパ9を設置して、キャビティ4
のスタンパ設置面2aに、TiN膜10、SiまたはS
i化合物の膜11、ダイヤモンド状カーボン膜11を順
に形成したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報記録媒体用デ
ィスク基板、情報記録媒体用カートリッジやその収納ケ
ース、液晶用導光板、光学レンズなどを成形する樹脂成
形金型に係り、特に樹脂成形金型の耐久性向上に関す
る。
【0002】
【従来の技術】(従来技術 その1)近年、情報化社会
の到来により、大量のディジタルデータを安価に記録で
きるメディアの要求が高まっている。大量のディジタル
データを安価に記録できるメディアにはランダムアクセ
ス性も求められることから、相変化記録膜や光磁気記録
膜等を用いたRAM記録ディスクや、基板に設けた凹凸
に反射膜を施したROM記録ディスクがある。
【0003】ROM記録ディスクの例のように、光ディ
スクの基本技術の一つに、トラッキング用案内溝やプリ
ピットを精度良く形成する技術がある。光ディスク基板
表面に微細な凹凸を設けるためには、溝やピットが刻ま
れた1枚のスタンパを用い大量複製技術によって、ディ
スク基板を得ている。スタンパは主に射出成形法によっ
て使用されることが多く、基板成形時に、金型のキャビ
ティ面にスタンパを設け、スタンパに設けた凹凸形状を
射出成形時に転写させて、ピットや溝を形成する。
【0004】(従来技術 その2)また近年、マルチメ
ディア化に対応して、大量のデータを高密度で記録し、
かつ迅速に再生する光ディスクが注目されている。この
光ディスクを大量に複製する際には、射出成形法を用い
てディスク基板を作製する。このディスク基板では微細
パターンを精密に転写するために、特許第252125
8号や特開平10−44160号公報に開示されている
ように、金型キャビティ内壁表面にキャビティ内壁より
硬度が高い高硬質層を形成して金型の耐久性を向上させ
ている。
【0005】また最も硬度の高い材料は特許第2794
289号に開示されているダイヤモンド状カーボン膜
(DLC膜)であるが、DLC膜は金型の鋼材に対する
密着力が弱いため、特開平9−228050号公報で開
示されているようにチタン、クロム、ゲルマニウム、シ
リコンなどを下地層に用い密着性を良好にしている。
【0006】ASMOディスクやDVDディスクは、C
Dに比べて高密度化し、ディスク基板に複製するパター
ンが微細化している。また今後も更に高密度化が図ら
れ、パターンが微細化していく。一方、iD−phot
oのようにディスク基板やカートリッジも小型化に伴い
薄肉化している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】(技術課題 その1)
前記(従来技術 その1)で述べたように、スタンパを
キャビティ面に設けた時に、射出成形時の熱により、ス
タンパ表裏の温度差が生じ、ショット毎にスタンパが移
動し、これによりスタンパ裏面とキャビティ面の間で摩
擦を生じ、スタンパ裏面とキャビティ面が荒れるという
問題がある。スタンパ自体は柔い材質でできているた
め、スタンパ裏面の荒れがスタンパ表面に転写し、結果
的にディスク表面が乱れる要因となる。
【0008】従来は、スタンパを数万回使用する毎に、
スタンパを磨き直さなければならなかった。この問題を
解決するため、キャビティのスタンパ設置面に硬質の例
えばDLC膜等を設けることにより、DLC膜とスタン
パとの摩擦を小さくし、スタンパの寿命を伸ばすことが
提案されている(特開平1−234214号公報参
照)。
【0009】しかし、この方法では耐磨耗性に優れ、ス
タンパ裏面の荒れを抑え、スタンパの寿命を伸ばすこと
ができるが、DLCの膜を厚く形成できないので、DL
C膜の強度が弱いと共に、ステンレス等で形成されたキ
ャビティ面との密着性が良くないためDLC膜が剥がれ
易いという問題がある。
【0010】(技術課題 その2)前記(従来技術 そ
の2)で述べたように、微細パターンを転写するため
に、樹脂成形時の射出速度や樹脂温度、金型温度を高く
し、溶融樹脂の流動性及び転写性を高める必要がある。
しかし、高温で揮発・分解した樹脂成分の付着、キャビ
ティからのガス排出部の温度,圧力上昇、ショット毎に
発生する射出圧力衝撃により、前記の密着層を形成した
DLC膜を用いても、成形ショット数50万回から10
0万回で高硬質層の局所剥離や表面凹凸が発生し、ディ
スク基板やカートリッジ表面にこれらの凹凸が転写され
る。
【0011】特にディスク基板では、スタンパ取り付け
面にこれらの凹凸が発生すると凹凸がディスク信号面に
も転写し、フォーカスサーボやトラッキングサーボのエ
ラーになるため、高密度化に伴う金型の耐久性向上が課
題となる。
【0012】一方、成形金型においては、高硬質層が剥
離した部分でキャビティ表面の母材損傷が急激に進行
し、欠落した微粉による周辺損傷も早め、母材の損傷部
除去修正量が増え、キャビティそのものの耐用年数を短
縮させることになる。
【0013】更に樹脂成形物を金型から剥がすときに生
じる静電気により、成形バリや成形装置内の微小な浮遊
塵埃が金型キャビティ表面に付着し、付着物がシリカの
ような硬質物である場合、ディスク基板成形に用いるス
タンパを変形・損傷させることがある。また樹脂成形物
がレンズや回折格子のような光学部品の場合、乱反射や
収差異常など特性不良の原因になる。
【0014】本発明の第1の目的は、前記(従来の技術
その1)の欠点を解消し、基板表面性が高いディスク
基板を製造することができ、かつ耐用寿命の長いスタン
パを持つディスク基板成形金型を提供することにある。
【0015】本発明の第2の目的は、前記(従来の技術
その2)の欠点を解消し、ディスク基板やカートリッ
ジケースのような樹脂成形物の成形用金型において、耐
久性に優れた樹脂成形金型を提供することにある。
【0016】本発明の第3の目的は、前記(従来の技術
その2)の欠点を解消し、静電気による微小塵埃の付
着を低減した樹脂成形金型を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的を達成す
るため、本発明の第1の手段は、金型に形成されたキャ
ビティの少なくとも片面にスタンパを設置して、キャビ
ティ内で樹脂成形を行うディスク基板成形金型におい
て、前記キャビティのスタンパ設置面に、窒化チタン
膜、シリコン又はシリコン化合物の膜、ダイヤモンド状
カーボン膜を順に積層して形成したことを特徴とするも
のである。
【0018】DLC膜をキャビティのスタンパ設置面に
設けることにより、DLC膜は射出成形時の熱によるス
タンパの移動に起因する摩擦、磨耗による寿命の低下を
防ぐ役割を果たす。
【0019】またTiN膜をDLC膜とスタンパ設置面
の間に設けることにより、DLC単層と比較して、DL
C膜を含む膜自体の強度を向上させる。
【0020】さらに、DLC膜とTiN膜との間にSi
またはSi化合物の膜を設けることにより、DLC膜と
TiN膜を含むスタンパ設置面との密着性を向上させ、
総じてDLC膜の寿命を向上させることができる。
【0021】Si化合物としては、SiC、SiN、S
iO、SiO2等が挙げられる。また、Siの含有率を
60重量%以上にすれば密着性が向上する。
【0022】スタンパ設置面(キャビティ面)の材質と
しては、STAVAX,ELMAX,SUS440C,SUS420J2,HPM38,SM3な
どのステンレス鋼材、及びSKD11 やSK3 などの鋼材が使
用される。
【0023】本発明の金型内に射出充填するプラスチッ
ク材料、すなわち基板材料としては、例えばポリエーテ
ルイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニ
レンサルファイド樹脂、ポリアレート樹脂、ポリエーテ
ルケトン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリスチレン
樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、ポリメチルメタクリ
レート樹脂、ポリカーボネート樹脂、熱可塑性ノルボル
ネン系樹脂、アモルファスポリオレフィン樹脂などの耐
熱性、流動性、転写性に優れた樹脂材料が好ましく、こ
れらの樹脂材料のいずれかを含んだポリマーアロイ樹脂
でもよい。
【0024】さらに本発明に従えば、本発明の金型を用
いて製造された基板が提供される。また、本発明により
提供された基板を備える情報記録ディスクが提供され
る。情報記録ディスクは、コンパクトディスク(C
D)、光磁気ディスク(MO)、ディジタルバーサタイ
ルディスク(DVD)、追記型光ディスク(CD−R)
等の光ディスク、あるいは磁気ディスクに適用し得る。
【0025】例えば本発明に係る基板を用いて磁気ディ
スクを製造する場合、例えば基板上にCr、Mo、A
l、Ti、Si等の下地層、Co−Pt、Co−Pd、
Co−Cr−Pt、Co−Ni−Cr等の磁性層、及び
C、SiO2等の保護層を順次スパッタリング等により
成膜する。最後に潤滑膜として炭化水素系、フッ化炭素
系潤滑剤をスピンコート等により塗布する。こうして得
られた磁気ディスクは記録面の平滑性及び平面性に優れ
るために、高密度な記録動作並びに充分な再生信号出力
による再生動作を実現することができる。
【0026】本発明の基板を用いて、光磁気ディスク、
コンパクトディスク、デジタルバーサタイルディスク等
の光ディスクを製造するためには、光ディスクの種類に
応じて、基板上に反射膜を設けたり、あるいは記録層と
しての相変化記録膜、光磁気記録膜、色素膜等を誘電体
層とともに設ける。光ディスク及び磁気ディスクの製造
方法は、任意の知られた方法を適用できる。
【0027】前記第2の目的を達成するため、本発明の
第2の手段は、固定金型と可動金型が閉じて形成される
キャビティの内壁表面部の少なくとも一部が、色の異な
る高硬質層を2層以上積層した構造になっていることを
特徴とするものである。
【0028】金型キャビティ内壁表面に高硬質層を2層
以上積層することで実効的なキャビティ内壁硬度を高く
し、高硬質層間に高硬質層より柔らかく、密着性に優れ
た層を形成することで、高硬質層の密着性と耐衝撃性を
付与することができ、より耐久性に優れた樹脂金型を提
供する。
【0029】また2層以上の高硬質層の色が各々異なる
ため、表面側の第1高硬質層が磨耗・欠落した場合は、
その下側の第2高硬質層が露出し色が変化するため、色
の変化を第1高硬質層の寿命検知手段に用いることがで
きる。第2高硬質層でキャビティ表面の母材を保護して
いる間に金型メンテナンスを計画実施することにより、
母材の損傷による損傷部除去修正が不要となり、修正費
軽減及び樹脂成形金型の耐用年数の長寿命化を図ること
ができる。
【0030】樹脂成形金型ではスタンパ取付時、鏡面と
基板成形用スタンパの間に静電気により塵埃が付着する
と樹脂圧力により塵埃付着部のスタンパが変形し、この
部分でフォーカスサーボが外れるようなディスク基板が
できる。
【0031】また、ディスクカートリッジや光学レンズ
などのスタンパを用いない樹脂成形金型においても、塵
埃付着と成形ショット数の増加によりキャビティ内壁に
傷が発生し、デザインされたパターンが潰れた、ディス
クカートリッジや表面に傷の付いたレンズになる。
【0032】前記第3の目的を達成するため、本発明の
第3の手段は、前記第1高硬質層の最表面であるDLC
膜表面に炭素、ホウ素、リン、リチウムのグループから
選ばれる元素を膜表面にイオン注入することで、電気抵
抗を例えば105 Ω・cm以下に下げて導電性を付与
し、耐久性硬質層の金型保護効果と塵埃付着防止のため
の帯電防止効果を有する樹脂成形金型を提供することが
できる。またDLC膜表面への窒素やアルゴンのイオン
注入により、DLCの表面構造が緻密になり膜の耐久性
が向上する。
【0033】さらに本発明は、下記に示すような特徴を
有する。 .前記高硬質層の硬度がキャビティ内壁表面と比較し
てビッカース硬度あるいはヌープ硬度で2倍以上である
ことを特徴とするものである。
【0034】.前記高硬質層がキャビティ内壁表面部
の上層側に設けた第1高硬質層と、キャビティ内壁表面
部の下層側に設けた第2高硬質層とを有し、その第2高
硬質層の膜厚が0.5〜10μmの範囲に規制されてい
ることを特徴とするものである。
【0035】.前記第2高硬質層がチタン、クロム、
シリコン、アルミニウムのグループから選ばれた金属の
窒化物、酸化物、炭化物で構成され、かつその金属の含
有率が化学量論組成の80〜120%の範囲であること
を特徴とするものである。
【0036】.前記キャビティ内壁表面部の上層側に
設けた第1高硬質層がダイヤモンド状カーボン膜であ
り、キャビティ内壁表面部の下層側に設けた第2高硬質
層との間に、チタン、クロム、シリコン、ゲルマニウ
ム、モリブデン、タングステン、タンタル、アルミニウ
ムのグループから選ばれる密着層を少なくとも1層設け
たことを特徴とするものである。
【0037】.前記第2高硬質層は、前記密着層の窒
化物、酸化物、炭化物から選ばれた高硬質層から構成さ
れていることを特徴とするものである。
【0038】.前記高硬質層上にスタンパを設置し
て、そのスタンパに設けた凹凸形状を成形時に転写して
ディスク基板を得ることを特徴とするものである。
【0039】.固定金型と可動金型が閉じて形成され
るキャビティの内壁表面部の少なくとも一部が、色の異
なる少なくとも第1高硬質層と第2高硬質層を積層した
構造になっており、上層側の前記第1高硬質層の剥離な
どによる金型寿命の予知を、第1高硬質層と第2高硬質
層の色の違いで検知し、当該樹脂成形金型の保守管理を
行なうことを特徴とするものである。
【0040】
【発明の実施の形態】(実施例1〜3)本発明の実施形
態に係る樹脂成形金型の構造を図1に示す。金型100
を用いて基板を製造するには、固定金型1と可動金型2
とを型閉じした後、固定金型1に設けられたスプール3
からキャビティ4内に成形機シリンダ(図示せず)で加
熱溶融された樹脂を一定量射出する。
【0041】可動金型2にスタンパ9が取り付けられ、
中心部に設けられたスタンパ押さえ5によって半径方向
の動きを規制する。外周リング6はディスク基板の外周
位置を規制する。図示していないが、可動金型2の内部
に細孔が幾つか設けれられ、真空吸着によりスタンパ9
がスタンパ設置面2aに取り付けられる。
【0042】スタンパ9は、固定金型1,移動金型2の
どちらにでも設けることができるが、本実施形態は移動
金型2側に設置している。図2に示すように、可動金型
2のスタンパ設置面2aとスタンパ9の間に、スパッタ
リングによりTiN膜10、Si膜11、さらにプラズ
マCVD法によりDLC膜12を順次形成した。
【0043】図3に示すようにTiN膜10、Si膜1
1ならびにDLC膜12の膜厚を種々変えて実施例1〜
3の積層構造とした。なお、スタンパ9の厚みは実施例
および比較例とも0.3mmとした。
【0044】キャビティ内4に充填された樹脂は一定時
間圧縮された後、ゲートカットパンチ7を突出してディ
スク内径穴を形成する。そして金型を型開きして、エジ
ェクタスリーブ8により固化した樹脂基板を突き出す。
こうしてバリのない高品質の情報記録ディスク基板が成
形される。
【0045】本実施例では、溶融したポリカーボネート
樹脂(帝人化成製AD5503)を金型100のキャビ
ティ4内に射出した。キャビティ4内に樹脂が充填され
た後、冷却による樹脂の体積収縮分を補充するために一
定時間保圧した後、ゲートカットパンチ7を突出してデ
ィスク内径穴を形成する。その後自然冷却を行ない、冷
却後エジェクタスリーブ8を突出して、固化したディス
ク基板を離型した。こうして直径120mm、孔径15m
m、厚み1.2mmのポリカーボネート樹脂製のディスク
基板を得た。
【0046】次いでこのディスク基板の片側に、第1誘
電体層としてSiNを70nm、記録層としてTbFe
Coを20nm、第2誘電体層としてSiNを20n
m、反射層としてAlを60nmの順に形成して光磁気
ディスクを作製した。
【0047】(比較例1)スタンパとスタンパ設置面と
の間にTiN膜のみを2μm設けた以外は前記実施例と
同様にして光磁気ディスクを作製した。
【0048】(比較例2)スタンパとスタンパ設置面と
の間にDLC膜のみを1μm設けた以外は前記実施例と
同様にして光磁気ディスクを作製した。
【0049】[スタンパの評価]スタンパの寿命評価
は、実施例1〜3と比較例1、2で作製した光磁気ディ
スクについて、ラジアルノイズ評価法で評価した。評価
装置はオーディオデベレップメント社製の(CD CATS SA3
advanced)装置を使用した。
【0050】評価方法は、光を内周側から外周側に一定
間隔のピッチで当て、反射率が65%以上になるように
トラッキングをかけ、トラッキング位置が基準位置から
30nm以上光レンズがずれた時をエラーと判断し、エ
ラーが1ヶ所でも生じた時に、スタンパの裏面研磨を行
う。スタンパの裏面研磨するまでに、ディスク基板を作
製した枚数を裏面研磨サイクルのショット回数とする。
また裏面研磨サイクルを行った直後に作製したディスク
基板のラジアルノイズを評価し、直ちにエラーが生じた
状態を膜寿命と判断した。
【0051】スタンパの裏面研磨の方法は、SIBERT INS
TRUMENT社製、裏面研磨機(MRF 150)を使用し、500〜300
0番の研磨材(HERMES)によって、スタンパ裏面を研磨し
た。これらの評価結果を図3に示す。この図の結果から
明らかなように、実施例1〜3のものは比較例1、2に
比べてDLC膜の寿命を大幅に延長することができる。
【0052】(実施例4)図4は、実施例4に係る樹脂
成形金型のキャビティを構成する鏡面部の一部拡大断面
図である。この図において金型鏡面部13は、光ディス
クの光入射面及び情報形成面(スタンパ設置面)に相当
する。焼き入れ・焼き戻しされた鋼製金型2の金型鏡面
を表面粗度Rmax.0.5μm以下に研磨し、洗浄に
より研磨粒子を除去・乾燥させる。鏡面部13を真空チ
ャンバーに設置し、10-4Pa程度まで真空にしながら
240℃まで加熱する。
【0053】まずアルゴンガスなどの不活性ガスで鏡面
部13の表面を逆スパッタし、表面の酸化層を除去す
る。次に鏡面部13に対向して設置したチタンターゲッ
トに対してアルゴンガスによりスパッタリングを始め、
鏡面部13の表面に膜厚100nm以下のチタン膜14
を形成させる。チタン膜14は鏡面を構成する鋼材との
密着層になる。この後、スパッタガス中の窒素濃度を除
々に高め、反応性スパッタリングにより第2高硬質層と
して黄金色の窒化チタン膜15を形成後、窒素ガスの供
給を止め、純アルゴンガスに戻してチタン膜16をスパ
ッタリングで30nm形成する。
【0054】前記窒化チタン膜15の膜厚を10μm以
上にすると内部応力が大きく、クラックが発生したり膜
が剥離したりすることがあるため、膜厚10μm以下が
望ましく、耐衝撃性保護膜としての効果を得るには膜厚
0.5μm以上必要であり、従って窒化チタン膜15
(第2高硬質層)の膜厚は0.5〜10μmの範囲が望
ましい。次に、前記鏡面部13に対向して設置したシリ
コンターゲットのスパッタリングにより膜厚100nm
以下のシリコン膜17を積層する。
【0055】次に真空チャンバーに可動金型2を移し、
炭化水素をイオン化蒸着することにより第1高硬質層と
して膜厚3μm以下の黒色のDLC膜18を前記シリコ
ン膜17上に形成させる。さらにDLC膜18の表面に
炭素イオン注入を行い、表面に導電性を付与させる。し
かる後、金型2の加熱を止め、真空中で室温まで冷却し
てから、チャンバーを大気圧に戻して取り出す。
【0056】第2密着層14は第1密着層16S同じ金
属の場合(この実施例ではチタン)、ターゲットを1つ
に統一でき、スパッタ槽としては小型化できる。シリコ
ン膜17のシリコンはカーボンの格子定数I近いため、
密着性もよく、エピタキシャル成長による均質なDLC
膜18がシリコン膜17上に形成されると共に圧縮に対
して強くなる。
【0057】DLC膜18の形成方法としては、イオン
ビーム法以外にイオン化蒸着、スパッタリングのような
物理蒸着(PVD)やマイクロ波プラズマCVD、高周
波プラズマCVDなどのプラズマCVD(化学蒸着)が
挙げられる。
【0058】以上のように鋼製金型2より硬度の高い硬
質層18,15を2層形成した金型を真空槽から取り出
し、ダイヤモンドペーストによる仕上げ研磨で表面粗度
Rmax.0.1μm以下に研磨・洗浄後、樹脂成形金
型に組み付ける。
【0059】この金型を用いてDVD−ROM基板の射
出成形を行ったところ、成形10万ショットまでスタン
パ裏面及び成形基板にラジアルノイズ16nm以上のサ
ーボエラーとなる凹凸は発生せず、電気信号特性評価で
もラジアルノイズは10nm以下であった。
【0060】図5は比較例3に係る樹脂成形金型のキャ
ビティを構成する鏡面部の断面図で、金型2の鏡面部1
3にシリコン膜17と炭素イオン注入をしないDLC膜
18を積層した構造になっている。
【0061】図4に示す実施例4の金型では10万ショ
ット毎にスタンパを交換して使用した場合でも、成形3
00万ショットまで金型鏡面及び基板表面にサーボエラ
ーとなる凹凸が発生せず、図5に示す比較例3の金型2
を使用した場合に比べて2倍以上の耐久性が得られた。
また、本発明の金型鏡面表面の電気抵抗は102 Ω・c
m〜105 Ω・cmの範囲にあり、炭素イオン注入をし
ないDLC膜が1013Ω・cm〜1016Ω・cmである
のに比べ導電性が高く、成形基板のバリ剥離物のような
微小異物が静電気によって金型に吸着しにくくなるた
め、異物による外観不良が殆ど発生せず、比較例3(図
5)の炭素イオン注入をしないDLC膜18を用いたも
のに比べ歩留りが5%以上向上した。
【0062】本実施例では炭素イオン注入したDLC膜
を用いたが、窒素イオン注入したDLC膜を用いると窒
素イオン注入しないDLC膜に比べ、成形ショット数に
対する耐久性がさらに改善された。
【0063】(実施例5)図6は、実施例5に係る樹脂
成形金型のキャビティを構成する鏡面部の一部拡大断面
図である。この図において金型鏡面部13は、光ディス
クの光入射面及び情報形成面(スタンパ設置面)に相当
する。焼き入れ・焼き戻しされた鋼製金型2の金型鏡面
を表面粗度Rmax.0.5μm以下に研磨し、洗浄に
より研磨粒子を除去・乾燥させる。鏡面部13を真空チ
ャンバーに設置し、10-4Pa程度まで真空にしながら
240℃まで加熱する。
【0064】まずアルゴンガスなどの不活性ガスで鏡面
部13の表面を逆スパッタし、表面の酸化層を除去す
る。次に鏡面部13に対向して設置したチタンターゲッ
トに対してアルゴンガスによりスパッタリングを始め、
鏡面部13の表面に膜厚100nm以下のチタン膜14
を形成させる。チタン膜14は鏡面を構成する鋼材との
密着層になる。この後、スパッタガス中の窒素濃度を除
々に高め、反応性スパッタリングにより第2高硬質層と
して黄金色の窒化チタン膜15を形成後、窒素ガスから
メタンガスあるいはエタンガスに切替え、密着層として
炭化チタン膜35をスパッタリングで30nm形成す
る。
【0065】前記炭化チタン膜35の膜厚を10μm以
上にすると内部応力が大きく、クラックが発生したり膜
が剥離したりすることがあるため、膜厚10μm以下が
望ましく、耐衝撃性保護膜としての効果を得るには膜厚
0.5μm以上必要であり、従って窒化チタン膜15の
膜厚は0.5〜10μmの範囲が望ましい。
【0066】次に真空チャンバーに可動金型2を移し、
炭化水素をイオン化蒸着することにより第1高硬質層と
して膜厚3μm以下の黒色のDLC膜18を前記窒化チ
タン膜15上に形成させる。さらにDLC膜18の表面
に炭素イオン注入を行い、表面に導電性を付与させる。
しかる後、金型2の加熱を止め、真空中で室温まで冷却
してから、チャンバーを大気圧に戻して取り出す。
【0067】以上のように鋼製金型2より硬度の高く、
互いに色の異なる硬質層18,15を2層形成した鏡面
を真空槽から取り出し、ダイヤモンドペーストによる仕
上げ研磨で表面粗度Rmax.0.1μm以下に研磨・
洗浄後、樹脂成形金型に組み付ける。
【0068】この金型を用いてDVD−ROM基板の射
出成形を行ったところ、成形10万ショットまでスタン
パ裏面及び成形基板にラジアルノイズ16nm以上のサ
ーボエラーとなる凹凸は発生せず、電気信号特性評価で
もラジアルノイズは10nm以下であった。
【0069】さらに10万ショット毎にスタンパを交換
して使用した場合、成形200万ショットまで信号記録
領域に対応する金型鏡面及び基板表面にサーボエラーと
なる凹凸が発生しないが、200万から300万ショッ
トにおいて、スタンパ押さえでスタンパを保持する記録
領域外の金型鏡面部で僅かなDLC膜18の剥離が発生
する。
【0070】ここでは黒色のDLC膜18(第1高硬質
層)と色の異なる黄金色の窒化チタン膜15(第2高硬
質層)を設けているので、DLC膜18の剥離部を色の
違いをもって剥離の初期段階で検知できるので、金型保
守管理として、高硬質層を剥離液により剥離・除去した
後、軽く仕上げ研磨することで済む。
【0071】一方、炭化物膜では黒色あるいは灰色のた
め黒色のDLC膜18との色による区別がつきにくく、
金属中間層では金型母材との区別がつかず、DLC膜1
8の剥離部が大きくなるまで発見しにくいので、第2高
硬質層や金型鏡面の金型母材まで磨耗、変形が進行して
いる場合があり、剥離処理後も深く研磨する必要が生
じ、かつ、保守に要する時間がかかるのと、金型母材の
寿命が短くなる。さらに、剥離したDLC薄片や剥離部
の凹凸で磨耗したスタンパ磨耗粉が、スタンパに微小突
起を形成したり、スタンパ表面に付着してスタンパの破
損やディスク欠陥の原因となる。以上のことは、前記実
施例4においても言えることである。
【0072】また、本発明の金型鏡面表面の電気抵抗は
102 Ω・cm〜105 Ω・cmの範囲にあり、炭素イ
オン注入をしないDLC膜が1013Ω・cm〜1016Ω
・cmであるのに比べ導電性が高く、成形基板のバリ剥
離物のような微小異物が金型に静電気によって吸着しに
くくなるため、異物による外観不良が殆ど発生せず、炭
素イオン注入をしないDLC膜を用いたものに比べ歩留
りが5%以上向上した。
【0073】さらにスタンパ取付け時に50μm以下の
目に見えない小さな浮遊塵埃の付着もほとんどなく、溶
剤を含むクリーンルーム用ワイプで表面を軽く拭うだけ
で塵埃を除去でき、スタンパ交換の時間短縮が図れ、ス
タンパと金型表面の間に噛み込む硬質塵埃によるスタン
パ破損が激減した。
【0074】本実施例では炭素イオン注入したDLC膜
を用いたが、窒素イオン注入したDLC膜を用いると窒
素イオン注入しないDLC膜に比べ、成形ショット数に
対する耐久性がさらに改善された。
【0075】本実施例ではDLC膜18の形成にイオン
ビームPVDを用いたが、プラズマCVDでDLC膜を
形成するときにジボランガスを混合してDLC膜中に1
00ppm程度のホウ素をドープしても電気抵抗102
Ω・cm前後の高い導電性が得られる。また、ジボラン
ガスの代わりにフォスゲンガスでリンを1000ppm
程度ドープしても電気抵抗105 Ω・cm前後の導電性
が得られ、帯電防止効果を有している。
【0076】図12は、本発明で使用される各種高硬質
層と金型母材として使用されるステンレス鋼のビッカー
ス硬度を比較した表でる。この表から明らかなように、
各種高硬質層の硬度は金型母材の硬度の2〜13.3倍
となっている。また高硬質層のうち第2高硬質層はチタ
ン、クロム、シリコン、アルミニウムのグループから選
ばれた金属の窒化物、酸化物、炭化物で構成され、かつ
その金属の含有率が化学量論組成の80〜120%の範
囲にある。
【0077】図13は、DLC膜中の不純物とDLC膜
の電気抵抗との関係を示す表である。この表から明らか
なように、何もイオン注入しない純粋なDLC膜の電気
抵抗値は1013〜1016Ω・cmもあり、そのため帯電
によるトラブルを生じるが、DLC膜の表面に炭素、ホ
ウ素、リン、リチウムのグループから選ばれる元素をイ
オン注入することにより、DLC膜に導電性が付与さ
れ、帯電防止効果が発揮される。(実施例6)光ディス
クドライブ装置用対物レンズや眼鏡用レンズなどの光学
部品の場合、表面に傷を付けると商品価値が無くなる。
ここでは光ディスクドライブ装置用対物プラスチックレ
ンズを成形する金型を例にとって図7〜図9とともに説
明する。図7は可動金型の平面図、図8固定金型と可動
金型を閉じた状態での樹脂成形用金型の断面図、図9は
図8A部の拡大断面図である。
【0078】DVDや光磁気ディスクなどの用途、仕様
に合わせてレンズNAやレンズ収差を考慮して設計され
た形状に加工されたプラスチックレンズ用金型1,2の
キャビティ4の内壁表面にアルミニウム膜19、酸化ア
ルミニウム膜20、シリコン膜21の順にスパッタリン
グによりそれぞれ膜厚50nm、500nm、50nm
の薄膜を積層する。次にメタノール・水素混合ガスを
2.45ギガヘルツのマイクロ波で励起させ、膜厚3μ
mのDLC膜22を形成する。図7の符号23はゲート
である。
【0079】次に金型1,2を回転させながらキャビテ
ィ表面の酸素プラズマ処理を行い表面粗度Rmax.が
0.1μm以下になるように仕上げ、次いでDLC膜2
2に対して炭素イオン注入を行った。
【0080】この金型を用いて光ディスクドライブ装置
用対物レンズの成形を行った。耐久性を得るために設け
た高硬質層(DLC膜22)に導電性が付与されている
ので、静電気による微小異物の付着を抑制できる。成形
されたレンズは反射防止コートあるいは/及びハードコ
ートを施して光ピックアップに組み込まれる。
【0081】成形ショットに対する耐久性をさらに持た
せるためや、光ディスクカートリッジ用金型のように大
型成形物で射出圧が高い場合、第2高硬質層の酸化アル
ミニウムをさらに厚くしてもよく、第2高硬質層はSi
N、SiO、SiC、TiC、TiO、AlNのような
窒化物、酸化物、炭化物やSiAlONのような複合誘
電体でもよい。
【0082】(実施例7)図10は実施例7に係る液晶
用導光板用金型の平面図、図11は図10B−B線上の
拡大断面図である。成形樹脂としてはアクリル樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、アモルファスポリオレフィン樹脂
(商品名:JSR社製アートン、日本ゼオン社製ゼオネ
ックス)のような光透過率の高い材料を用いる。
【0083】キャビティ母材30にはSUS鋼、真鍮、
リン青銅等を用い、その表面にNiPメッキ、無酸素C
uメッキ等を100μm程度施す。その後、切削等によ
りV溝31を多数繰り返した微細パターンに加工する。
無酸素Cuメッキ等の場合は、その上に防錆目的でNi
Pメッキを1μm程度施すこともできる。
【0084】従来はこのままで金型として使用していた
が、使用中に表面に付着した樹脂カス等をウェスで拭き
取るときに傷が付いて、金型として使用不能になること
が多々ある。また、メッキ面が表面に露出しているとキ
ャビティ内での樹脂の流動抵抗が高く、転写性が良くな
い。
【0085】そこで本実施例では前記V溝31を繰り返
して多数形成したNiPメッキや無酸素Cuメッキ面上
にスパッタリングによりTiN膜32を0.3〜1μm
程度、さらにスパッタリングによりSi膜33を0.1
μm程度、さらにまたDLC膜34を0.3〜2μm程
度成膜することにより、傷付き防止及び流動抵抗低減に
よる転写性の向上を図ることができた。
【0086】また成形樹脂との摩擦によりDLC膜34
が剥離する時期が硬質層の2層(TiN膜32とDLC
膜34)の色の違いから明確になるため、DLC膜34
の部分的な剥離が確認できる。そのためキャビティ母材
30上に形成された微細パターンが変形する前に、Ti
N膜32、Si膜33、DLC膜34を剥離液により除
去し、洗浄した後、再度TiN膜32、Si膜33、D
LC膜34を成膜するなどの適正なメンテナンスにより
金型寿命が延びるとともに、再び前記微細パターンを形
成する必要がないためメンテナンス工程の短縮化が図れ
る。
【0087】本実施例は液晶用導光板用金型について説
明したが、母材表面に同心円状にV字形状の回折格子を
刻み、外側ほど格子ピッチをつめて回折角を大きくして
拡大投影するプロジェクタ用フレネルレンズの樹脂成形
金型においても本発明を適用して同じ作用効果を得るこ
とができる。
【0088】
【発明の効果】請求項1記載の本発明は前述のように、
キャビティ内のスタンパ設置面にTiN膜、Si系の
膜、DLC膜を順次積層して設けることにより、図3の
結果から明らかなようにDLC膜の寿命を延ばすことが
でき、そのために耐用寿命が長く、しかも基板表面性の
高いディスク基板を製造することができるディスク基板
成形金型の提供が可能となる。
【0089】請求項2記載の本発明は前述のように、キ
ャビティの内壁表面部の少なくとも一部が、色の異なる
高硬質層を2層以上積層した構造になっているから、表
面側の第1高硬質層が磨耗・欠落した場合は、その下側
の第2高硬質層が露出し色が変化するため、色の変化を
第1高硬質層の寿命検知手段に用いることができる。第
2高硬質層でキャビティ表面の母材を保護している間に
金型メンテナンスを計画実施することにより、母材の損
傷による損傷部除去修正が不要となり、修正費軽減及び
樹脂成形金型の耐用年数の長寿命化を図ることができ
る。
【0090】請求項7記載の本発明は前述のように、第
1高硬質層の最表面であるDLC膜表面に炭素、ホウ
素、リン、リチウムのグループから選ばれる元素を膜表
面にイオン注入することで、電気抵抗を下げて導電性を
付与し、耐久性硬質層の金型保護効果と塵埃付着防止の
ための帯電防止効果を有する樹脂成形金型を提供するこ
とができる。またDLC膜表面への窒素やアルゴンのイ
オン注入により、DLCの表面構造が緻密になり膜の耐
久性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る樹脂成形金型の断面図
である。
【図2】その金型のスタンパ設置面付近の拡大断面図で
ある。
【図3】本発明の実施例1〜3と比較例1,2を説明す
るための表である。
【図4】本発明の実施例4に係る可動金型の一部拡大断
面図である。
【図5】比較例3に係る可動金型の一部拡大断面図であ
る。
【図6】本発明の実施例5に係る可動金型の一部拡大断
面図である。
【図7】本発明の実施例6に係る対物レンズを成形する
金型の平面図である。
【図8】その対物レンズの樹脂成形金型の断面図であ
る。
【図9】図8A部の拡大断面図である。
【図10】本発明の実施例7に係る液晶導光板を成形す
る金型の平面図である。
【図11】図10B−B線上の拡大断面図である。
【図12】本発明で使用される各種高硬質層と金型母材
として使用されるステンレス鋼のビッカース硬度を比較
した表である。
【図13】DLC膜中の不純物とDLC膜の電気抵抗と
の関係を示す表である。
【符号の説明】
1 固定金型 2 可動金型 2a スタンパ設置面 3 スプール 4 キャビティ 5 スタンパ押さえ 6 外周リング 7 ゲートカットパンチ 8 エジェクタスリーブ 9 スタンパ 10 TiN膜 11 Si膜 12 DLC膜 13 金型鏡面部 14 チタン膜(第2密着層) 15 窒化チタン膜(第2高硬質層) 16 チタン膜(第1密着層) 17 シリコン膜 18 DLC膜(第1高硬質層) 19 アルミニウム膜 20 酸化アルミニウム膜(第2高硬質層) 21 シリコン膜 22 DLC膜(第1高硬質層) 30 キャビティ母材 31 V溝 32 TiN膜(第2高硬質層) 33 Si膜 34 DLC膜(第1高硬質層) 35 炭化チタン膜(第2高硬質層) 100 金型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安富 俊作 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 木下 伸逸 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 泰井 俊明 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 加藤 良武 茨城県結城郡石下町大字蔵持691 株式会 社マクセルハイテック内 (72)発明者 初見 雅之 茨城県結城郡石下町大字蔵持691 株式会 社マクセルハイテック内 Fターム(参考) 4F202 AA28 AF01 AG05 AG19 AH38 AH79 AJ02 AJ09 AM14 AR12 AR20 CA11 CB01 CD14 CD22 CK11 CK43

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金型に形成されたキャビティの少なくと
    も片面にスタンパを設置して、キャビティ内で樹脂成形
    を行うディスク基板成形金型において、前記キャビティ
    のスタンパ設置面に、窒化チタン膜、シリコン又はシリ
    コン化合物の膜、ダイヤモンド状カーボン膜を順に積層
    して形成したことを特徴とするディスク基板成形金型。
  2. 【請求項2】 固定金型と可動金型が閉じて形成される
    キャビティの内壁表面部の少なくとも一部が、色の異な
    る高硬質層を2層以上積層した構造になっていることを
    特徴とする樹脂成形金型。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の樹脂成形金型において、
    前記高硬質層の硬度がキャビティ内壁表面と比較して2
    倍以上であることを特徴とする樹脂成形金型。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の樹脂成形金型において、
    前記高硬質層がキャビティ内壁表面部の上層側に設けた
    第1高硬質層と、キャビティ内壁表面部の下層側に設け
    た第2高硬質層とを有し、その第2高硬質層の膜厚が
    0.5〜10μmの範囲に規制されていることを特徴と
    する樹脂成形金型。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の樹脂成形金型において、
    前記第2高硬質層がチタン、クロム、シリコン、アルミ
    ニウムのグループから選ばれた金属の窒化物、酸化物、
    炭化物で構成され、かつその金属の含有率が化学量論組
    成の80〜120%の範囲であることを特徴とする樹脂
    成形金型。
  6. 【請求項6】 請求項2記載の樹脂成形金型において、
    前記キャビティ内壁表面部の上層側に設けた第1高硬質
    層がダイヤモンド状カーボン膜であり、キャビティ内壁
    表面部の下層側に設けた第2高硬質層との間に、チタ
    ン、クロム、シリコン、ゲルマニウム、モリブデン、タ
    ングステン、タンタル、アルミニウムのグループから選
    ばれる密着層を少なくとも1層設けたことを特徴とする
    樹脂成形金型。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の樹脂成形金型において、
    前記ダイヤモンド状カーボン膜は、炭素、窒素、ホウ
    素、リン、リチウム、アルゴンのグループから選ばれる
    元素を膜表面にイオン注入したものであることを特徴と
    する樹脂成形金型。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の樹脂成形金型において、
    前記第2高硬質層は、前記密着層の窒化物、酸化物、炭
    化物から選ばれた高硬質層から構成されていることを特
    徴とする樹脂成形金型。
  9. 【請求項9】 請求項2ないし請求項8のいずれか記載
    の樹脂成形金型において、前記高硬質層上にスタンパを
    設置して、そのスタンパに設けた凹凸形状を成形時に転
    写してディスク基板を得ることを特徴とする樹脂成形金
    型。
  10. 【請求項10】 固定金型と可動金型が閉じて形成され
    るキャビティの内壁表面部の少なくとも一部が、色の異
    なる少なくとも第1高硬質層と第2高硬質層を積層した
    構造になっており、上層側の前記第1高硬質層の剥離な
    どによる金型寿命の予知を、第1高硬質層と第2高硬質
    層の色の違いで検知し、当該樹脂成形金型の保守管理を
    行なうことを特徴とする樹脂成形金型の保守管理方法。
JP2001189974A 2000-06-23 2001-06-22 ディスク基板成形金型及び樹脂成形金型 Pending JP2002079522A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001189974A JP2002079522A (ja) 2000-06-23 2001-06-22 ディスク基板成形金型及び樹脂成形金型

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000-189860 2000-06-23
JP2000189860 2000-06-23
JP2001189974A JP2002079522A (ja) 2000-06-23 2001-06-22 ディスク基板成形金型及び樹脂成形金型

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002079522A true JP2002079522A (ja) 2002-03-19
JP2002079522A5 JP2002079522A5 (ja) 2008-02-28

Family

ID=26594574

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001189974A Pending JP2002079522A (ja) 2000-06-23 2001-06-22 ディスク基板成形金型及び樹脂成形金型

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002079522A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004113045A1 (ja) * 2003-06-24 2004-12-29 Tdk Corporation スタンパーを保持する面に断熱層とダイヤモンド様炭素膜を施した光ディスク成形金型とそれを使用する成形方法
EP1547748A1 (en) * 2003-12-26 2005-06-29 Technos Co., Ltd., Optical disc mold having diamond-like carbonaceous layer (DLC) and a molding method using the same
DE102004040929A1 (de) * 2004-08-24 2006-03-02 Hachtel, Friedrich Spritzgießform
JP2006198877A (ja) * 2005-01-20 2006-08-03 Toyo Advanced Technologies Co Ltd 樹脂成形用金型
JP2007513470A (ja) * 2003-11-13 2007-05-24 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 保護障壁積層を有する電子デバイス
JP2007276291A (ja) * 2006-04-07 2007-10-25 Maxell Hi Tec Ltd 射出成型用金型部材
JP2009241372A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Hitachi High-Technologies Corp 微細構造転写装置
JP2010000637A (ja) * 2008-06-19 2010-01-07 Sony Corp 流路チップの製造方法および流路チップの製造装置
JP2014058716A (ja) * 2012-09-18 2014-04-03 Nomura Plating Co Ltd 金型、型ロールおよび剥離電鋳品

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6153955B2 (ja) * 1981-09-07 1986-11-20 Handotai Energy Kenkyusho
JPH01234214A (ja) * 1988-03-16 1989-09-19 Tdk Corp 成形用金型とその製造方法
JPH06212429A (ja) * 1992-07-02 1994-08-02 Sumitomo Electric Ind Ltd 硬質炭素膜
JPH07195377A (ja) * 1993-12-28 1995-08-01 Tdk Corp スタンパおよび積層構造
JPH09183622A (ja) * 1995-08-29 1997-07-15 Yasuaki Sakamoto プレス成型用金型、及び、コンピュータのハードディスク用ガラス原盤
JPH09320497A (ja) * 1996-05-27 1997-12-12 Toyota Motor Corp 電界放出型表示装置
JP2000254922A (ja) * 1999-03-08 2000-09-19 Citizen Watch Co Ltd 樹脂成形用金型および樹脂成形用金型への硬質被膜形成方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6153955B2 (ja) * 1981-09-07 1986-11-20 Handotai Energy Kenkyusho
JPH01234214A (ja) * 1988-03-16 1989-09-19 Tdk Corp 成形用金型とその製造方法
JPH06212429A (ja) * 1992-07-02 1994-08-02 Sumitomo Electric Ind Ltd 硬質炭素膜
JPH07195377A (ja) * 1993-12-28 1995-08-01 Tdk Corp スタンパおよび積層構造
JPH09183622A (ja) * 1995-08-29 1997-07-15 Yasuaki Sakamoto プレス成型用金型、及び、コンピュータのハードディスク用ガラス原盤
JPH09194227A (ja) * 1995-08-29 1997-07-29 Yasuaki Sakamoto プレス成型用金型と、この金型で成型されたガラス原盤
JPH09320497A (ja) * 1996-05-27 1997-12-12 Toyota Motor Corp 電界放出型表示装置
JP2000254922A (ja) * 1999-03-08 2000-09-19 Citizen Watch Co Ltd 樹脂成形用金型および樹脂成形用金型への硬質被膜形成方法

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100448640C (zh) * 2003-06-24 2009-01-07 Tdk股份有限公司 压模固定面施以隔热层和类金刚石碳膜的光盘成型模具及使用其的方法
WO2004113045A1 (ja) * 2003-06-24 2004-12-29 Tdk Corporation スタンパーを保持する面に断熱層とダイヤモンド様炭素膜を施した光ディスク成形金型とそれを使用する成形方法
JP2007513470A (ja) * 2003-11-13 2007-05-24 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 保護障壁積層を有する電子デバイス
JP4896729B2 (ja) * 2003-11-13 2012-03-14 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 保護障壁積層を有する電子デバイス
EP1547748A1 (en) * 2003-12-26 2005-06-29 Technos Co., Ltd., Optical disc mold having diamond-like carbonaceous layer (DLC) and a molding method using the same
DE102004040929A1 (de) * 2004-08-24 2006-03-02 Hachtel, Friedrich Spritzgießform
JP2006198877A (ja) * 2005-01-20 2006-08-03 Toyo Advanced Technologies Co Ltd 樹脂成形用金型
JP4690058B2 (ja) * 2005-01-20 2011-06-01 トーヨーエイテック株式会社 樹脂成形用金型
JP2007276291A (ja) * 2006-04-07 2007-10-25 Maxell Hi Tec Ltd 射出成型用金型部材
JP2009241372A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Hitachi High-Technologies Corp 微細構造転写装置
JP4542167B2 (ja) * 2008-03-31 2010-09-08 株式会社日立ハイテクノロジーズ 微細構造転写装置
JP2010000637A (ja) * 2008-06-19 2010-01-07 Sony Corp 流路チップの製造方法および流路チップの製造装置
JP2014058716A (ja) * 2012-09-18 2014-04-03 Nomura Plating Co Ltd 金型、型ロールおよび剥離電鋳品
TWI628314B (zh) * 2012-09-18 2018-07-01 野村鍍金股份有限公司 模具、成形輥及剝離電鑄品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6127017A (en) Substrate for information recording disk, mold and stamper for injection molding substrate, and method for making stamper, and information recording disk
KR100383750B1 (ko) 수지 성형용 금형 및 수지 성형용 금형에의 경질 피막형성 방법
US6238197B1 (en) Injection mould
US6814897B2 (en) Method for manufacturing a molding tool used for substrate molding
US6207247B1 (en) Method for manufacturing a molding tool used for sustrate molding
JP2002079522A (ja) ディスク基板成形金型及び樹脂成形金型
US6354827B1 (en) Stamper assembly for manufacturing optical data storage disks
JPH11192648A (ja) 情報記録ディスク用基板、それを射出成形するための金型及びスタンパ、スタンパの製造方法並びに情報記録ディスク
KR100364136B1 (ko) 다이아몬드상카본 필름이 코팅된 정보기록 디스크 성형용스탬퍼지지금형 및 그 제조방법
US20060134369A1 (en) Optical disc and method of producing the same
JPH07232354A (ja) ディスク基板成形用ディスク原盤、金型、及びこれらの組み合わせ
JP3888580B2 (ja) 記録媒体用基板を製造する方法および射出成形装置
JP3695400B2 (ja) 光ディスク成形用金型装置
JP3807607B2 (ja) 磁気記録媒体用基板の製造方法及び製造装置
WO1994020288A1 (en) Mould for manufacturing disc-shaped information carriers
JP4288815B2 (ja) ディスク基板成形用金型の製造方法
JP2000228037A (ja) 光ディスク用スタンパーおよび光ディスクの製造方法
JP2000076651A (ja) 情報記録用ディスクおよびその製造方法
JPH09180252A (ja) 光記録媒体の基板およびその製造方法
JP2004322358A (ja) 成形用金型及び金型保護板
JP2003141784A (ja) 光ディスク成形用金型装置
JP2003136564A (ja) 光ディスク成形用金型装置
JPH11286021A (ja) 光ディスク用スタンパ
JP2003334818A (ja) 成型用金型及びその製造方法
JP2001126321A (ja) 光ディスク用スタンパ及びその製造方法、及び当該光ディスク用スタンパを用いて作製された光ディスク基板

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Effective date: 20080110

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080110

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20080512

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20080512

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080703

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20080703

A977 Report on retrieval

Effective date: 20100617

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100831

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110105