JPH09180252A - 光記録媒体の基板およびその製造方法 - Google Patents

光記録媒体の基板およびその製造方法

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JPH09180252A
JPH09180252A JP7352599A JP35259995A JPH09180252A JP H09180252 A JPH09180252 A JP H09180252A JP 7352599 A JP7352599 A JP 7352599A JP 35259995 A JP35259995 A JP 35259995A JP H09180252 A JPH09180252 A JP H09180252A
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optical recording
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JP7352599A
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Fumio Kinoshita
文男 木下
Toshihiro Hatsu
敏博 発
Toshiharu Nakanishi
俊晴 中西
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  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板とスタンパーや金型との離型性を向上
し、面反り等の変形を抑制し、機械特性に優れた光記録
媒体の基板およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 記録情報エリアを有する情報面と、該情
報面の裏側の平坦面とを有する光記録媒体の基板におい
て、前記情報面の記録情報エリアの外の領域または情報
面の記録情報エリアの外の領域と該領域に対応する裏側
平坦面の領域との両領域に、表面粗さRmaxが20n
m〜100nmの微小な条溝および/または凹部を形成
したことを特徴とする光記録媒体の基板およびその製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光記録媒体の基板
およびその製造方法に関する。より詳しくは、例えば、
相変化書き換え型光記録媒体、光磁気記録媒体、追記型
光記録媒体等に使用されるポリカーボネート樹脂、ある
いはポリメチルメタアクリレート樹脂等の透明性熱可塑
性樹脂により成形される光記録媒体の基板およびその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光の照射により、情報の再生あるいは記
録、再生さらには消去が可能である光記録媒体は、通称
CD、CD−ROMなどの再生専用型光ディスク、同じ
くライトワンスの記録再生型光ディスク、同じくリライ
タブル型の記録・再生・消去・書換え可能型光ディスク
などがある。光ディスクは磁気記録方式の磁気ディスク
にくらべ、大容量であること、非接触方式での記録再生
等が可能で取り扱いが容易であること、傷や汚れに強い
ことなどの特徴があり、近年、大きな需要拡大が期待さ
れている。
【0003】これらの光記録媒体はグルーブとプリフォ
ーマットで構成される記録情報エリア(グルーブエリ
ア)が転写された基板上に光学的情報記録層が形成され
たものである。一般的にこれら光記録媒体の基板は、以
下のようにして成形される。すなわち、射出成形法や射
出圧縮成形法により、記録情報エリアが形成されたスタ
ンパーを装着した金型のキャビティ内にポリカーボネー
ト樹脂、あるいはポリメチルメタアクリレート樹脂等の
透明性熱可塑性樹脂を溶融状態で射出充填し、次いで冷
却・固化させることによりスタンパーの記録情報エリア
が転写された基板が成形される。この基板には主として
スタンパーの記録情報を精密に転写すること、複屈折が
小さいこと、情報面の面ぶれや加速度等に代表される機
械特性が良好であることなどが特性として要求される。
このため、上記方法においては、金型温度を高くする、
射出速度を速くする、成形温度を高くする、保圧を十分
にかけるなどの成形条件を採ることで転写性の改良を図
ることが一般的に行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うにして成形される光記録媒体の基板においては、機械
特性、特に面振れや軸方向加速度などが局部的に増大す
ることがあるという問題があった。また、グルーブが変
形したり、ピットずれや多重転写が発生するおそれがあ
るという問題があった。さらには、スタンパーに付着し
た樹脂からの発生ガスに起因する汚れを除去しにくいと
いう問題もあった。
【0005】本発明者らは光記録媒体の基板成形時の上
記問題点を解決するために鋭意検討した結果、軸方向加
速度の増大は局部的な面変形の発生によるものであるこ
と、また、該局部的な面変形や面振れ、グルーブの変
形、さらには、ピットずれや多重転写は、金型のキャビ
ティ内に、例えばポリカーボネート樹脂を溶融状態で射
出充填し、冷却・固化させ、次いで金型が開いて基板が
スタンパーや、金型キャビティ構成部材の表面から離型
する際、密着部と非密着部が生じることによる剥離むら
が主たる原因であることを見出し、本発明に至った。
【0006】この問題を解消するために、基板成形用原
料に離型剤を添加して対処することも可能であるが、多
量に添加すると金型やスタンパーを汚染したり、基板の
耐久性が低下するため添加量が制約されるという問題が
あった。また、成形条件の制御、例えば、金型温度を下
げることによって離型性は顕著に改良されるが、基板へ
の転写性が低下するので限界がある。離型時のエアーブ
ロー条件の制御も行われるが、これにも限界がある。
【0007】また、基板のスタンパー転写全領域や内周
スタンパーホルダーに対応する領域にグルーブやピット
を成形したりすることにより、変形を防止する方法が提
案されている(特開平6−87142号公報)が、鏡面
側の離型むらに関しては効果が発現されないという問題
があった。また、スタンパーに対向する金型表面に多数
の特定の大きさの凹凸を形成し、アンカー効果により基
板のずれ、ひいてはピットずれや多重転写を防止する方
法が提案されている(特開平6−297514号公報)
が、この方法によって得られる基板の情報面の裏面には
凹凸が形成されてしまうという欠点があった。さらに、
スタンパーの汚れ防止に関しては、未だ効果的な方法が
提案されていない。
【0008】本発明の課題は、面振れや軸方向加速度な
どが小さく、機械特性に優れ、さらには、グルーブの変
形、ピットずれや多重転写等を効果的に抑制した光記録
媒体の基板とその製造方法を提供することにある。ま
た、効果的なスタンパーの汚れ防止対策を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは光記録媒体
の基板成形時の前述のような問題点解決のためさらに鋭
意検討した結果、これらの剥離むら現象は、金型キャビ
ティ構成部材のキャビティ表面が一般的に表面粗さ10
nm前後に高度に研磨仕上げされており、射出圧力や射
出圧縮成形力等によって基板が押圧され、鏡面仕上げ部
が他部に比べて強固に密着することによって発生するこ
とを見出した。また、スタンパーに付着した樹脂の発生
ガスに起因する汚れを除去しにくいのも、記録情報エリ
アに比べ、同様に鏡面部に汚れが強固に密着するために
よることを明らかにし、スタンパーとともに金型キャビ
ティ構成部材の鏡面仕上げ部を適度に粗面化することに
よって、剥離むらを抑制し、ひいては、面振れや軸方向
加速度などが小さく、機械特性に優れ、さらには、グル
ーブの変形、あるいはピットずれや多重転写等を効果的
に抑制した光ディスク基板が得られるとの知見を得るに
至った。
【0010】上記課題を解決するために、本発明の光記
録媒体の基板は、記録情報エリアを有する情報面と、該
情報面の裏側の平坦面とを有する光記録媒体の基板にお
いて、前記情報面の記録情報エリアの外の領域または該
領域に対応する裏側平坦面の領域のいずれかあるいは両
領域に、表面粗さRmaxが20nm〜100nmの微
小な条溝および/または凹部を形成したことを特徴とす
るものからなる。
【0011】また、上記課題を解決するために、本発明
の光記録媒体の基板の製造方法は、スタンパーを装着し
た射出成形金型のキャビティ内に溶融樹脂を射出充填
し、記録情報エリアを有する情報面と、該情報面の裏側
の平坦面とを有する光記録媒体の基板を成形するに際
し、成形される基板の前記情報面の記録情報エリアの外
の領域または該領域に対応する裏側平坦面の領域のいず
れかあるいは両領域に、表面粗さRmaxが20nm〜
100nmの微小な条溝および/または凹部を形成する
ことを特徴とする方法からなる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明に係る光記録媒体の基板の
情報面の記録情報エリアの外の領域、または該領域に対
応する裏側平坦面のいずれかあるいは両領域には、表面
粗さRmaxが20nm〜100nmの微小な条溝およ
び/または凹部が形成される。このような条溝および/
または凹部を形成することにより、基板とスタンパー、
基板と金型との強固な密着が抑制され、基板をスタンパ
ーおよび金型からスムーズに、かつ剥離むらを発生させ
ることなく離型することができるので、基板の成形性が
向上する。また、スタンパーに樹脂が付着しにくくなる
ので、スタンパーの汚染が防止できる。さらに、良好な
成形性を担保することにより、光記録媒体をより小型、
軽量化するための基板の薄肉化(例えば、1.2mm程
度の厚さから0.6mm程度の厚さへの薄肉化)や、よ
り大容量化するためのトラックの狭ピッチ化(例えば、
1.2μm程度のピッチから1.0μm以下のピッチへ
の狭ピッチ化)の促進に容易に対応できる。
【0013】なお、上記情報面は、記録情報エリアと、
該エリアの径方向外側に形成されるエリア(以下、単に
外周非情報エリアと言うこともある)と径方向内側に形
成されるエリア(以下、単に内周非情報エリアと言うこ
ともある)とを有している。したがって、本発明の「記
録情報エリアの外の領域」には、内周非情報エリア、外
周非情報エリアが含まれる。
【0014】また、本発明に係る光記録媒体の基板の、
記録情報エリアに対応する裏側平坦面は平滑面として形
成されるので、光記録媒体成形後のドライブ時の入射光
や反射光の散乱による信号不良を招くおそれはなく、光
記録媒体としての良好な記録・再生特性が確保される。
【0015】上記条溝および/または凹部を基板上に形
成(以下、単に粗面化と言うこともある。)するために
は、粗面化したい領域に対応するスタンパーおよび金型
面を粗面化すればよい。スタンパー、金型面への粗面化
部形成方法はとくに限定されるものではないが、金型面
に対しては、たとえば旋削、研削、研磨あるいはエッチ
ングを施すことにより粗面化することができる。また、
スタンパーに対しては、スタンパー作成時にその元とな
るマスタ作成工程におけるレーザカッティング時に粗面
化することができる。
【0016】なお、実際に基板上の所定領域に所定の条
溝および/または凹部が形成されたか否かは、原子間力
顕微鏡(たとえば、ナノスコープIII(東洋テクニカ
社製))を用いて測定することができる。
【0017】本発明に係る光記録媒体の基板は、ポリカ
ーボネートを主成分とする樹脂組成物から成形すること
ができる。ポリカーボネートは、たとえば、2価フェノ
ールとカーボネート先駆体の反応によって得られる透明
なものである。2価フェノールとしてはハイドロキノ
ン、4,4′−ジオキシジフェニル、ビス(ヒドロキシ
フェニル)アルカン、ビス(ヒドロキシフェニル)シク
ロアルカン、ビス(ヒドロキシフェニル)エーテル、ビ
ス(ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(ヒドロキシフ
ェニル)スルフィド、ビス(ヒドロキシフェニル)スル
ホン、及びこれらの低級アルキル、ハロゲン等の置換体
を用いることができる。
【0018】上記ポリカーボネート樹脂組成物の粘度平
均分子量は、13,000〜18,000の範囲にある
ことが好ましい。13,000未満では、成形される基
板の強度が不十分となり、光記録媒体として実用的な強
度が得られない。また、18,000を越えると、成形
時の樹脂の流動性が低下し、転写性や光学的歪量等に問
題が出やすい。
【0019】なお、上記ポリカーボネート樹脂組成物に
は、本発明の目的を損なわない範囲で、各種添加剤(た
とえば、リン系安定剤等)が添加されてもよい。
【0020】上記のように調製されたポリカーボネート
樹脂組成物を用いて、本発明に係る基板が成形される。
成形は、一般に射出成形により、円盤状の基板が形成さ
れる。基板成形においては、所定の金型内に、細密なト
ラック状の凹凸条やピットが片面に形成されたスタンパ
ーが装着され、溶融樹脂が充填され保圧が加えられて成
形される。スタンパーの形状が基板の記録層付与側の
面、つまり情報記録エリアを有する情報面に転写され、
所定の冷却が行われた後、型開きして離型される。
【0021】成形された基板の情報面に、所定の記録層
が設けられる。記録層は、基板上にまず保護層を設け、
その上に形成するようにしてもよい。また、形成された
記録層の上に、さらに保護層、反射層等各種の層を設け
てもよい。
【0022】記録層には、たとえば、Te−Ge−Sb
−Pd合金、Te−Ge−Sb−Pd−Nb合金、Nb
−Ge−Sb−Te合金、Pt−Ge−Sb−Te合
金、Ni−Ge−Sb−Te合金、Ge−Sb−Te合
金、Co−Ge−Sb−Te合金、In−Sb−Te合
金、In−Se合金、およびこれらを主成分とする合金
が用いられる。これら合金を、基板上に、あるいは基板
上に設けられた保護層上に、たとえばスパッタリングで
膜付けし、記録層が形成される。
【0023】また、これらの組成は次式で表される範囲
にあることが熱安定性と繰返し安定性に優れている点か
ら好ましい。 Mz (Sbx Te(1-x) 1-y-z (Ge0.5 Te0.5 y 0.35≦x≦0.5 0.20≦y≦0.5 0≦z≦0.05 ここでMはパラジウム、ニオブ、白金、銀、金、コバル
トから選ばれる少なくとも一種の金属を表す。また、
x、y、z及び数字は各元素の原子の数(各元素のモル
数)を表す。特にパラジウム、ニオブについては少なく
とも一種を含むことが好ましい。この場合zは0.00
05以上であることが必要である。
【0024】次に、本発明に係る光記録媒体の基板およ
びその製造方法の例について、図面を参照して説明す
る。図1は、本発明の一実施態様に係る光記録媒体の基
板を示しており、図3は、図1の基板を射出成形により
成形する際の様子を示している。また、本発明の理解を
容易にすべく、図2に従来の光記録媒体の基板を示し
た。なお、同一箇所には、同一番号を付しその説明は省
略した。図において1は、基板を示している。基板1は
円盤状に形成されており、情報面2と該情報面2の裏側
の平坦面3とを有している。情報面2は、記録情報エリ
ア4と該エリア4の径方向外側に形成された外周非情報
エリア5と記録情報エリア4の径方向内側に形成された
情報面側内周平坦エリア6、インナースタンパホルダエ
リア12、可動側ブッシュエリア13、エジェクタスリ
ーブエリア14を有している。そして、エリア6、1
2、13、14により、内周非情報エリア6′が形成さ
れ、エリア4、5、6によりグルーブエリア15が形成
されている。エリア5、6、12、13、14には表面
粗さRmaxが20nm〜100nmの条溝11が形成
されている。本実施例においてはエリア5、6、12、
13、14の全てに条溝11が設けられているが、必要
に応じてその一部、例えばエリア5、6のみに条溝11
を設けるような組合せをすることも可能である。なお、
記録情報エリア4には複数のグルーブ7が形成されてい
る。
【0025】一方、平坦面3は、記録情報エリア4に対
応する記録情報エリア対応エリア8と、外周非情報エリ
ア5に対応する外周非情報エリア対応エリア9と、内周
非情報エリア6′に対応するグルーブエリア外対応エリ
ア10とを有している。エリア9、10には、表面粗さ
Rmaxが20nm〜100nmの微小な条溝11が形
成されている。本実施例においては、エリア9、10の
両方に条溝11が形成されているが、エリア9にのみ条
溝11を形成したものであってもよい。
【0026】なお、条溝11に代えて表面粗さRmax
が20nm〜100nmの凹部を形成することも可能で
ある。さらに、条溝11と凹部の両方を形成するように
してもよい。
【0027】これに対し、図2に示す従来のスタンパー
には、エリア5、6′、9、10に条溝11を設けるな
どの粗面化処理はなされていない。
【0028】図3は、図1の基板1を射出成形により成
形する際の様子を示している。図3において、20は射
出成形用金型を示している。射出成形用金型20は、パ
ーティングライン(PL)を境に固定側21と可動側2
2とで構成されている。固定側21には、固定側取付板
23が設けられており、該取付板23の略中央には射出
成形機のノズル(図示略)の先端が当接するノズルタッ
チエリア24が形成されている。固定側取付板23には
固定側背板25が設けられており、該固定側の背板25
には固定側型板26が設けられている。固定側型板26
の外縁は固定側ガイドリング27に覆われている。
【0029】可動側22の可動側型板28は、固定側型
板26に対向して設けられている。可動側型板28に
は、インナースタンパホルダ32によってスタンパー3
0が装着されている。その外周部にはキャビティリング
29が装着されている。また、可動側金型26の中心部
には可動側ブッシュ33が固装され、さらにその内側に
は、ゲートや基板を突き出すためのエジェクタスリーブ
34とエジェクタピン35が滑動自在に装着されてい
る。そして、固定側型板26、キャビティリング29、
スタンパー30によりキャビティ31が形成されるよう
になっている。
【0030】スタンパー30の面30aには、基板1の
記録情報エリア4を形成する凹凸部(図示略)およびエ
リア5、6に条溝11を形成するための条溝形成部(図
示略)が設けられている。また基板の12、13、14
の箇所に当接する33、34、35の各部分にも条溝1
1を形成するための条溝形成部(図示略)が設けられて
いる。また、固定側型板26の面26aには、エリア
9、10に条溝11を形成する条溝形部(図示略)が設
けられている。
【0031】そして、キャビティ31内に溶融樹脂(本
実施例においてはポリカーボネート)が充填され、冷却
・固化され、上記のような情報面2、平坦面3を有する
基板1が成形されるようになっている。
【0032】
【実施例】
実施例1〜4、比較例1〜2 粘度平均分子量が15000のポリカーボネートに表1
に示すように離型剤を配合し、片面にピッチが0.9μ
mのグルーブとピットとを有する直径120mm、肉厚
0.6mmの基板を、型締圧力75TONの射出成形機
を用いて、シリンダー温度350℃、金型温度130℃
の条件で射出成形した。この際、表1に示す態様で基板
上の情報面の内、外周非情報エリア(情報面側)、情報
面の内、外周非情報エリアに対応する裏側平坦面の内、
外周非情報エリア対応エリア(裏面側)に、表面粗さR
maxが20nm〜100nmの微小な条溝および/ま
たは凹部(粗化仕上げ部)を形成した。
【0033】得られた基板の面反りと軸方向加速度を、
機械特性測定器(小野測器(株)製、LM−100)で
測定した。一般的に、離型不良で局部的変形が発生する
と、軸方向加速度が大きくなる。したがって、軸方向加
速度が小さいということは、離型性が良好で、かつ、局
部的な変形が抑制され、グルーブの変形やピットずれ等
も抑制されていると判断できる。これらの結果を併せて
表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】表1から明らかなように、情報面側、裏面
側の両面にあるいはいずれか一方の面に粗面化仕上げ部
を形成した場合は、面反りが小さく、局部的変形に起因
する軸方向加速度の増大も防止されていることがわかる
(実施例1〜4)。また、離型剤の配合量を大幅に低減
しても面反りが抑制されていることがわかる(実施例
2)。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光記録媒
体の基板およびその製造方法によるときは、面反り等の
変形が効果的に抑制され、軸方向加速度が小さい、優れ
た機械特性を有する光記録媒体の基板を得ることができ
る。
【0037】また、離型性が良好であるから、グルーブ
の変形、ピットずれや多重転写等についても、効果的に
抑制できる。さらに、良好な離型性により、スタンパー
の汚れについても抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る光記録媒体の基板の斜
視図である。
【図2】従来の光記録媒体の基板の斜視図である。
【図3】図1の光記録媒体の基板を成形する金型の部分
拡大断面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 情報面 3 平坦面 4 記録情報エリア 5 外周非情報エリア 6 情報面側内周平坦エリア 6′内周非情報エリア 7 グルーブ 8 記録情報エリア対応エリア 9 外周非情報エリア対応エリア 10 内周非情報エリア対応エリア 11 条溝 12 インナースタンパホルダエリア 13 可動側ブッシュエリア 14 エジェクタスリーブエリア 15 グルーブエリア 20 射出成形用金型 21 固定側 22 可動側 23 固定側取付板 24 ノズルタッチエリア 25 固定側背板 26 固定側型板 26a 面 27 固定側ガイドリング 28 可動側型板 29 キャビティリング 30 スタンパー 30a 記録面 31 キャビティ 32 インナースタンパホルダ 33 可動側ブッシュ 34 エジェクタスリーブ 35 エジェクタピン

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録情報エリアを有する情報面と、該情
    報面の裏側の平坦面とを有する光記録媒体の基板におい
    て、前記情報面の記録情報エリアの外の領域または該領
    域に対応する裏側平坦面の領域のいずれかあるいは両領
    域に、表面粗さRmaxが20nm〜100nmの微小
    な条溝および/または凹部を形成したことを特徴とする
    光記録媒体の基板。
  2. 【請求項2】 スタンパーを装着した射出成形金型のキ
    ャビティ内に溶融樹脂を射出充填し、記録情報エリアを
    有する情報面と、該情報面の裏側の平坦面とを有する光
    記録媒体の基板を成形するに際し、成形される基板の前
    記情報面の記録情報エリアの外の領域または該領域に対
    応する裏側平坦面の領域のいずれかあるいは両領域に、
    表面粗さRmaxが20nm〜100nmの微小な条溝
    および/または凹部を形成することを特徴とする、光記
    録媒体の基板の製造方法。
JP7352599A 1995-12-28 1995-12-28 光記録媒体の基板およびその製造方法 Pending JPH09180252A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006137179A (ja) * 2004-10-14 2006-06-01 Olympus Corp 射出成形品
JP2007226932A (ja) * 2006-01-27 2007-09-06 Sony Disc & Digital Solutions Inc ディスク製造方法、ディスク記録媒体

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