JP2004074727A - 光ディスク基板の成形金型及び光ディスク - Google Patents

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Abstract

【課題】キャビティからガス及び空気を短い充填時間中の間に十分に金型外に放出させて、高精細な転写性と内部歪みの少ない光ディスク基板を成形する。
【解決手段】可動鏡面盤9の周囲を囲ってキャビティ27の側面を形成するキャビティリング13と固定側型盤4に装着されたスタンパ8との間に形成されたクリアランス20をガス抜き用のガスベントとするとともに、キャビティリング13の下面に溝25を設け、キャビティ押え14に貫通穴26を設け、キャビティリング13と可動鏡面盤9間に形成されたクリアランス28もガス抜き用のガスベントとして使用し、成形中にキャビティ8内の生じるガス等を効率良く型外に放出する。
【選択図】  図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば光ディスク基板の成形金型及び光ディスク、特にDVD等のように厚さが薄く形成された光ディスク基板等の良好な機械特性と高度な転写性を得ることに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から種類の光ディスクが読み取り専用と追記用及び書換え用のそれぞれの用途に応じて利用されている。この1枚の光ディスクに対してより大きな容量の情報を搭載することが要求されるようになり、例えばDVDやDVD以上の大きな容量の情報を搭載した新たな光ディスクについての取り組みが進められている。この光ディスクの大容量化に対する取り組みとしては、CDやMOのように光ディスクの厚さが1.2mmであったのをDVDでは0.6mmと薄くしている。また、光ディスク上に情報を意味させたピット列や光ピックアップのトラッキッングのための案内溝をより緻密に転写させている。
【0003】
このような光ディスクに用いられる基板は射出成形法あるいは射出圧縮成形法で成形して作製されている。この光ディスク基板の成形方法はいずれも金型を閉止して形成したキャビティ内に溶融させた材料樹脂を充填する。そして金型外へ取り出し可能な温度になるまで溶融樹脂を金型内で冷却し固化させて所定の基板形状にまで成形する。この光ディスク基板を成形するキャビティ内には光ディスクに必要な情報がピット列あるいは案内溝として刻み込まれているスタンパがセットされており、溶融樹脂をキャビティ内へ充填してから固化させるまでの工程中に成形される光ディスク基板上にスタンパに刻まれた必要な情報を転写させる。金型内で成形された光ディスク基板は金型内における冷却工程が完了した後に金型外へ取り出され、成形以降の次工程へ受け渡され光ディスクが作製される。
【0004】
この光ディスクの情報の読み書きが正確に行われるためには、微細なピット列あるいはグルーブが光ディスク基板上へ精密に転写されることが必要となる。そのため材料樹脂を高い温度で溶融させて流動性を高めるとともに、高い流動性を保持したままキャビティ中へ充填されるように高速充填する。また、金型温度についても流動性の低下を避けるために高めに設定して成形を行う。
【0005】
このように材料樹脂を高い温度で溶融してキャビティ内に射出充填させた場合、材料樹脂からはオリゴマーといわれる材料樹脂中に含まれる低分子成分や離型剤などの添加剤成分が成形中にガス化する現象が必ず生じる。そこで例えば特開平11−34121号公報等に示すように、発生したガスをガスベントを通過させて外部へ放出するようにしている。このガスベントは、例えば図5の成形金型の外周端部の部分断面図に示すように、可動側鏡面盤9の周囲を囲ってキャビティ27の側面を形成するキャビティリング13と固定側型盤4に装着されたスタンパ8との間に形成されているクリアランス20をガス逃げ用とし、キャビティリング13のクリアランス20の外周側部分に設けた凹部17をガス溜まりとし、突当てリング19に刻んだ溝30と固定型ガイドリング7に設けた貫通穴31を組み合わせてガス逃げ導路とし、発生したガスを通過させて外部へ放出するようにしている。このガスベントは、型閉によってキャビティ27中に閉じこめられた空気が、材料樹脂の充填圧力によって型外に押し出される際の流動経路としての働きも有する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
現在、DVD系の各種光ディスクが普及し、また、DVD以上に記録容量が大容量化された様々な光ディスクシステムが提案されているように、1枚の光ディスクに情報をより高密度に記録して、より多くの情報を搭載させる動きが進んでいる。このような動きは、光ディスク基板に転写させるピット列あるいはグルーブがより緻密になるとともに、高密度記録された情報の読み書きを行うレーザ光をより小さなスポットに絞り込むために光ディスク基板の板厚をより薄板化させる必要がある。この緻密になったピット列あるいはグルーブを精密に転写し、同時に薄板化された光ディスク基板を成形するためには、材料樹脂をより流動性を高めた状態でキャビティ内に充填させる成形を行う必要がある。
【0007】
材料樹脂をより流動性を高めた状態でキャビティ内に充填させるためには、材料樹脂を溶融させる温度をより高めに設定するとともにキャビティ中に、より高速に充填することが有効である。例えば厚さ1.2mmのCD系光ディスク基板をポリカーボネートを材料として成形する場合、材料樹脂を溶融させるシリンダ温度設定の最高温度設定は、ほぼ340℃、射出充填時間は、ほぼ0.3sec程度である。一方、厚さ0.6mmのDVD系光ディスク基板を成形する場合では、材料樹脂を溶融させるシリンダ温度設定の最高温度設定が380〜395℃、射出充填時間は0.1sec以下となることが通例である。
【0008】
このように材料樹脂を溶融させる温度を高く設定すると、成形中に材料樹脂から発生するガスの量が増大する。この増大したガスとともにキャビティ27内に閉じこめられた空気を、より短くなった材料樹脂の射出充填時間中にガスベントを通過させて金型外へ放出させる必要が生じる。しかしガスや空気を金型に放出するガスベントの入り口であるガス逃げ用のクリアランス20は、その部分にバリが発生しないように5〜15μm程度と非常に薄く設定されているだけでなく、固定型ガイドリング7に設けた貫通穴31も、図6の側面図に示すように、比較的小さい口径でキャビティの円周方向に対して8方向程度に形成されていることが通例である。そのため材料樹脂を速い速度で充填し、同時に材料樹脂から多くのガスを発生させる大容量光ディスク基板の成形において、短くなった射出充填時間中にキャビティ中からガス及び空気を金型外へ放出させることは困難である。
【0009】
この射出充填中にガス及び空気をキャビティから型外へ十分に放出させることができないと、キャビティ中に材料樹脂が充填されるにしたがってキャビティ中に残留したガスまたは空気が圧縮されて高い圧力を発生させる。この圧力はキャビティ中への材料樹脂の流動を阻害させ、成形される光ディスク基板へのピット列あるいはグルーブの転写が低下するだけでなく、光ディスク基板内部に歪みが残留する原因となる。また、発生したガスを金型外に十分に放出させることができないと、スタンパ8及びキャビティリング13のガス逃げ用のクリアランス20及びその近傍にガス化した気体成分が凝集して固化・付着し、付着した固形片が成形動作中に飛散してスタンパ8のキャビティ表面あるいは可動鏡面盤9の表面に再付着して成形される光ディスク基板上に欠陥を生じさせる原因となる。
【0010】
この発明はかかる短所を改善し、高い温度で溶融させた材料樹脂を高速でキャビティ中に充填する光ディスク基板等の成形においても、キャビティからガス及び空気を短い充填時間中の間に十分に金型外に放出させて、高精細な転写性と内部歪みの少ない光ディスク基板の成形金型及び形成された光ディスクを提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明の成形金型は、光ディスク基板を作製する成形金型において、可動鏡面盤の周囲を囲ってキャビティ側面を形成するキャビティリングと固定側金型に装着されたスタンパとの間に形成されたクリアランスをガス抜き用のガスベントとするとともに、キャビティリングの下面とキャビティリングの外周部に配置されたキャビティ押えにガスを逃す導路を設け、キャビティリングと可動鏡面盤間に形成されたクリアランスもガス抜き用のガスベントとして使用し、成形中にキャビティ内の生じるガス等を効率良く型外に放出することを特徴とする。
【0012】
前記キャビティリングと固定側金型に装着されたスタンパとの間に形成されたクリアランス及びキャビティリングと可動鏡面盤間に形成されたクリアランスからガスを逃す導路を、少なくとも16方向に放射状に設け、短い射出充填時間でも十分にキャビティからガスや空気を型外へ放出させる。
【0013】
また、キャビティリングと固定側金型に装着されたスタンパとの間に形成されたクリアランスからガスを逃す導路と、キャビティリングと可動鏡面盤間に形成されたクリアランスからガスを逃す導路とを、互い違いに半周期ずれた位置に配置し、短い射出充填時間でも十分に、かつキャビティから円周方向で均一にガスや空気を型外へ放出させる。
【0014】
この発明の光ディスクは、前記光ディスク基板の成形金型により成形された光ディスク基板を使用して作製し、微細ピットやグル−ブ形状の転写性を向上するとともに内部に残留する歪みを小さく抑えたことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の光ディスク基板を成形する成形金型の構成を示す断面図である。図に示すように、光ディスク基板を成形する金型1は固定側金型2と可動側金型3を有する。固定側金型2は固定側型盤4の中心に樹脂を供給するためのスプルーブッシュ5が設けられ、スプルーブッシュ5の外側に光ディスク基板のクランプエリアを形成するスタンパ押え6が設けられている。固定側型盤4の外周部には固定側ガイドリング7が設けられている。この固定側型盤4の表面にスタンパ8が取り付けてある。可動側金型3は可動鏡面盤9の中心に光ディスク基板の中心穴を形成するためのカットパンチ10と成形した光ディスク基板を突き出すためのフローティングパンチ11が設けられ、フローティングパンチ11の外側に光ディスク基板のクランプエリアを形成するブッシュ12が設けられている。可動鏡面盤9の外周部には光ディスク基板の外径を形成するキャピティリング13が設けられ、可動鏡面盤9とキャピティリング13の外側にはキャビティ押え14が設けられている。キャビティリング13は可動側金型3の開閉方向と平行に摺動可能になっており、キャビティリング13と可動鏡面盤9の間にボールリテーナ15を設け、キャビティリング13と可動鏡面盤9間のかじりを防止している。また。キャビティリング13は押付けバネを有する突出し機構16により金型開閉方向と同じ方向に押し出される。キャピティリング13の固定側金型2側の先端部は、図2の部分拡大図に示すように、中央部に凹部17を有し、外周部には凸部18を有し、この凸部18が型閉動作時に、固定側型盤4に設けた突当てリング19に突き当たり、スタンパ8とキャピティリング13の先端内周部で一定幅のクリアランス20を形成する。また、キャビティリング13は外周面に固定側ガイドリング7の位置決め面21に係合する突当り面22を有し、型開時にキャビティリング13が前進して突当り面22が固定側ガイドリング7の位置決め面21に押付けられて位置決めされる。
【0016】
突当てリング19の下面には、図3の可動側金型3の下面図と図4の固定側ガイドリング7とキャビティ押え14及び突当てリング19の側面図に示すように、多数例えば円周方向に16等分した溝23が放射状に設けられている。また、固定側ガイドリング7には、溝23と対応する位置に貫通穴24を有する。さらに、キャビティリング13の下面にも、突当てリング19の溝23と同様な多数の溝25が設けられ、キャビティ押え14には、溝25に対応する位置に貫通穴26を有する。このキャビティリング13の下面に設けた溝25とキャビティ押え14に設けた貫通穴26は、突当てリング19に設けた溝23と固定側ガイドリング7に設けた貫通穴24と半周期ずれた位置に設けられている。
【0017】
この突当てリング19に設けた溝23とキャビティリング13に設けた溝25と、固定側ガイドリング7に設けた貫通穴24とキャビティ押え14に設けた貫通穴26は外周側にいくほど幅を大きくして流体抵抗が小さくなるように形成している。また、突当てリング19に設けた溝23は、外周側の溝幅W1の合計は、突当てリング19の外周面の円周長の少なくとも1/3になるように形成され、キャビティリング13に設けた溝25も、外周側の溝幅の合計がキャビティリング13の外周面の円周長の少なくとも1/3になるように形成され、各溝23,25の深さDは少なくとも2mmに形成されている。さらに、固定側ガイドリング7とキャビティ押え14にそれぞれ設けた多数の貫通穴24,26は、突当てリング19に設けた溝23とキャビティリング13に設けた溝25の断面積を投影した状態で、溝23,25よりも少なくとも大きな断面積の長穴形状で形成されている。
【0018】
この金型1を成形機に取り付け、固定側金型2と可動側金型3の中心軸が一致するように閉じる。その後、スプルーブッシュ5より溶融した樹脂を高圧力でスタンパ8を有するキャビティ27内に充填して冷却し固化させてから可動側金型3を移動して金型1を開いて成形した光ディスク基板を取り出す。この光ディスク基板を成形するとき、発生したガス及びキャビティ中に閉じこめられた空気を、キャビティリング13とスタンパ8との間に形成されているクリアランス20をガス逃げ用のクリアランスとし、キャビティリング13のクリアランス20の外周側前面部分に設けた凹部17をガス溜まりとし、突当てリング19の溝23と固定型ガイドリング7の貫通穴24をガス逃げ導路としてガスベントを構成して型外に排出する。このガスベンドを構成する突当てリング19の溝23と固定型ガイドリング7の貫通穴24は多数例えば少なくとも16個が放射状に設けられ、かつ溝23と貫通穴24の断面積を大きくしてあるから、成形中に発生したガス及びキャビティ27中に閉じこめられた空気を、短い射出充填時間中に型外に放出することができる。
【0019】
さらに、キャビティリング13の下部に溝25を設け、キャビティ押え14に貫通穴26を設けることにより、通常はガスベントには用いられない可動側鏡面盤9とキャビティリング13の内周面との間のクリアランス28をガス逃げ用のクリアランスに利用することができ、成形中に発生したガス及びキャビティ27中に閉じこめられた空気をより良好に型外へ放出させることができる。
【0020】
この可動側鏡面盤9とキャビティリング13の内周面との間のクリアランス28は、型開閉時における可動側鏡面盤9とキャビティリング13の摺動動作を滑らかに動作させるためボールリテーナ15により一定に保たれている。このクリアランス28は、可動側鏡面盤9とキャビティリング13が摺動動作中にカジることがないだけ広く、かつクリアランス28の部分に大きなバリを発生させないだけ狭い10〜20μm程度に設定されている。
【0021】
通常、このクリアランス28の部分は成形中に発生したガスや空気を型外へ放出させるガスベントとしての機能は有しておらず、成形中にクリアランス28の部分に侵入したガスはクリアランス28やキャビティリング13と可動鏡面盤9と間の他の隙間で凝集して蓄積する。この蓄積したガス成分はキャビティリング13の正確な組み付け位置決めと摺動動作を阻害し、可動鏡面盤9とのクリアランス28の大きさが円周方向で不均一となる。その結果成形される光ディスク基板のクリアランス28に相当する部分に不均一なバリが生じ、可動鏡面盤9からの離型状態も均一で無くなるため、反りやうねりといった光ディスク基板形状の機械的特性が悪化する。さらに、キャビティリング13の組付け精度及び摺動動作の悪化は、キャビティリング13とスタンパ8間のクリアランス20も不均一にさせる。このクリアランス20が広くなった部分では成形中のガスや空気の逃げが良くなるが、その部分みバリが発生する。また、狭くなった部分では成形中に適切なガスや空気の逃げが行われないために、その部分周辺に残留したガスや空気が充填された材料樹脂に圧縮されて高圧化し、その部分への材料樹脂の流動を阻害し、成形された光ディスク基板内に歪みを残留させる。そのため、ある一定数量の光ディスク基板を成形する毎にキャビティリング13周りを分解して清掃するメンテナンス作業を実施する必要がある。このメンテナンス作業は、材料樹脂をより流動性が高い状態で射出充填しなければならない高密度記録型の光ディスク基板成形ほど頻繁に実施する必要が生じる。
【0022】
これに対してキャビティリング13に溝25を設け、キャビティ押え14に貫通穴26を設けて、可動側鏡面盤9とキャビティリング13の内周面との間のクリアランス28をガス逃げ用のクリアランスに利用することにより、成形中にクリアランス28に侵入したガスを型外に放出することができ、キャビティリング13の周辺部に蓄積するガス成分の量を極く少ない量にまで減少させてキャビティリング13周りを分解して清掃するメンテナンス作業を実施する頻度を少なくすることができる。
【0023】
また、キャビティリング13の下面に設けた溝25とキャビティ押え14に設けた貫通穴26は、突当てリング19に設けた溝23と固定側ガイドリング7に設けた貫通穴24と半周期ずれた位置に設けられているから、キャビティ27の円周方向に関してガスと空気の放出を互いに補完し合い、キャビティ27の円周方向に対して一様にガスや空気を逃すことができ、成形される光ディスク基板の円周方向の特性バラツキを小さく抑えることができ、微細ピットやグル−ブ形状の転写性を向上するとともに内部に残留する歪みを小さく抑えることができる。
【0024】
この成形金型1を使用してDVD系の記録型光ディスク基板を成形し、スタンパ8に付着したガスの凝集片による欠陥の1原因となって生じる光ディスクの信号欠陥に関するBook仕様値(PIエラ−280以下)を閾値として判定した結果、1枚のスタンパ8で成形可能な光ディスク基板の枚数は平均で約10万枚程度となり、通常の光ディスク成形用金型での平均値約2万〜4万枚程度と比較して2倍以上の光ディスク基板を成形することができた。また、成形された光ディスク基板の最外周部分の複屈折(ダブルパス)を評価したところ、通例の光ディスク基板成形用金型で成形した光ディスク基板は−55nm〜−15nmの範囲の複屈折分布を有していたのに対して、この発明の成形金型1を使用した場合は−10〜−25nmとなり、最外周部複屈折の中心値及びバラツキ幅が小さく抑えられた。この複屈折の測定結果は、材料樹脂がキャビティ最外周部までより流動性が改善された状態でかつ円周方向のバラツキも小さく充填されていることを示す。
【0025】
【発明の効果】
この発明は以上説明したように、、可動鏡面盤の周囲を囲ってキャビティ側面を形成するキャビティリングと固定側金型に装着されたスタンパとの間に形成されたクリアランスをガス抜き用のガスベントとするとともに、キャビティリングの下面とキャビティリングの外周部に配置されたキャビティ押えにガスを逃す導路を設け、キャビティリングと可動鏡面盤間に形成されたクリアランスもガス抜き用のガスベントとして使用することにより、成形中にキャビティ内の生じるガス等を効率良く型外に放出することができ、成形した光ディスク基板の微細ピットやグル−ブ形状の転写性を向上するとともに内部に残留する歪みを小さく抑え手良質な光ディスク基板を安定して形成することができる。
【0026】
また、キャビティリングと可動鏡面盤間に形成されたクリアランスもガス抜き用のガスベントとして使用することにより、成形中にキャビティリングと可動鏡面盤間に形成されたクリアランスに侵入したガスを型外に放出することができ、キャビティリングの周辺部に蓄積するガス成分の量を極く少ない量にまで減少させてキャビティリング周りを分解して清掃するメンテナンス作業を実施する頻度を少なくすることができ、生産性を向上することができる。
【0027】
さらに、キャビティリングと固定側金型に装着されたスタンパとの間に形成されたクリアランス及びキャビティリングと可動鏡面盤間に形成されたクリアランスからガスを逃す導路を、少なくとも16方向に放射状に設けることにより、短い射出充填時間でも十分にキャビティからガスや空気を型外へ放出させることができ、、厚さが薄いDVD系等の光ディスク基板を安定して成形することができる。
【0028】
また、キャビティリングと固定側金型に装着されたスタンパとの間に形成されたクリアランスからガスを逃す導路と、キャビティリングと可動鏡面盤間に形成されたクリアランスからガスを逃す導路とを、互い違いに半周期ずれた位置に配置し、短い射出充填時間でも十分に、かつキャビティから円周方向で均一にガスや空気を型外へ放出させることができ、均質な光ディスク基板を安定して成形することができる。
【0029】
また、この成形金型により成形された光ディスク基板を使用して作製した光ディスクは微細ピットやグル−ブ形状を均質にかつ安定して形成されているとともに内部に残留する歪みを小さく抑えらているから、情報を高品質で記録したり読み取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の光ディスク基板を成形する成形金型の構成を示す断面図である。
【図2】成形金型の外周端部の構成を示す部分断面図である。
【図3】可動側金型の下面図である。
【図4】固定側ガイドリングとキャビティ押え及び突当てリングの側面図である。
【図5】従来の成形金型の外周端部の構成を示す部分断面図である。
【図6】従来の成形金型の側面図である。
【符号の説明】
1;金型、2;固定側金型、3;可動側金型、4;固定側型盤、
7;固定側ガイドリング、8;スタンパ、9;可動鏡面盤、
13;キャピティリング、14;キャビティ押え、15;ボールリテーナ、
16;突出し機構、17;凹部、18;凸部、19;突当てリング、
20;クリアランス、23;溝、24;貫通穴、25;溝、26;貫通穴、
27;キャビティ、28;クリアランス。

Claims (4)

  1. 光ディスク基板を作製する成形金型において、
    可動鏡面盤の周囲を囲ってキャビティ側面を形成するキャビティリングと固定側金型に装着されたスタンパとの間に形成されたクリアランスをガス抜き用のガスベントとするとともに、キャビティリングの下面とキャビティリングの外周部に配置されたキャビティ押えにガスを逃す導路を設け、キャビティリングと可動鏡面盤間に形成されたクリアランスもガス抜き用のガスベントとして使用することを特徴とする光ディスク基板の成形金型。
  2. 前記キャビティリングと固定側金型に装着されたスタンパとの間に形成されたクリアランス及びキャビティリングと可動鏡面盤間に形成されたクリアランスからガスを逃す導路を、少なくとも16方向に放射状に設けた請求項1記載の光ディスク基板の成形金型。
  3. 前記キャビティリングと固定側金型に装着されたスタンパとの間に形成されたクリアランスからガスを逃す導路と、キャビティリングと可動鏡面盤間に形成されたクリアランスからガスを逃す導路とを、互い違いに半周期ずれた位置に配置した請求項2記載の光ディスク基板の成形金型。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の光ディスク基板の成形金型により成形された光ディスク基板を使用して作製したことを特徴とする光ディスク。
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