JP2000076651A - 情報記録用ディスクおよびその製造方法 - Google Patents

情報記録用ディスクおよびその製造方法

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JP2000076651A
JP2000076651A JP11169038A JP16903899A JP2000076651A JP 2000076651 A JP2000076651 A JP 2000076651A JP 11169038 A JP11169038 A JP 11169038A JP 16903899 A JP16903899 A JP 16903899A JP 2000076651 A JP2000076651 A JP 2000076651A
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disk
recording
thin film
outer peripheral
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JP11169038A
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Tatsuo Araki
立夫 荒木
Hiroyuki Ota
博之 太田
Susumu Shibazaki
進 柴崎
Hiroyuki Hirata
弘之 平田
Osamu Ishizaki
修 石崎
Takeshi Maro
毅 麿
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Maxell Holdings Ltd
Original Assignee
Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 平坦性に優れ、記録膜の外周部からの腐食を
防止し、記録再生領域の広いディスク媒体を提供する。 【解決手段】 プラスチックディスク用基板上に、少な
くとも記録層、保護層を含む薄膜を設けた情報記録用デ
ィスクにおいて、基板の記録再生に使用される面の基板
外周端と薄膜の外周端のずれ量が、50μm以内で、か
つ基板側面に薄膜が存在しない情報記録用ディスク

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は記録再生用ディスク
媒体の今後の高密度化のため、ディスクの平坦性に優
れ、記録領域の広い高品位のディスクを低価格で供給可
能とするディスクおよびその製造技術に適用される。
【0002】
【従来の技術】益々発展する情報の高度化に対応し、デ
ィスク型記録メディアについてもたゆまぬ高密度化への
アプローチが成されている。近年、ハードディスク用メ
ディア、光記録用メディアの分野ではめざましい勢いで
高密度化が達成されているが、同時にいかに安価にこの
ような高密度メディアを供給できるかが、産業発展のた
めに重要な課題になっている。このように高密度化と価
格的な観点を両立させる必要性から、特に最近、従来の
光記録用ディスクメディアにプラスチックディスク基板
を応用する取り組みが注目されている。
【0003】ハードディスク等の磁気記録用ディスクと
してはプラスチック基板上に射出成形によりサーボ、ア
ドレス情報などを予め微細に形成し、トラックピッチを
飛躍的に狭めることにより比較的安価に高密度化を達成
しようとするなどの取り組みがある。
【0004】また、最近ハードディスク方式に使われる
ディスクの回転による空気揚力を利用した浮上タイプの
ヘッドスライダーにソリッドイマージョンレンズの光学
素子を組み込み、光磁気記録用に構成されたプラスチッ
クディスクメディアとの組み合わせで超高密度記録を実
現させようとする技術が生まれている。これらの高密度
化のアプローチの特徴は、高密度化と同時にメディアの
価格を可能な限り抑制し、かつ前記浮上型のヘッドを用
いることでアクセス速度を短くし、さらにドライブの構
造をシンプルなものとし、非常にコストパフォーマンス
に優れたシステムを提供することにある。
【0005】このような技術に対応したディスクはディ
スクの前記浮上型ヘッドの走査領域全面にわたり、ヘッ
ド・ディスク間のギャップを変動なく一定に保ち、一般
に1ミクロン以下の極めて近接した隙間で安定して浮上
させることが極めて重要な条件である。また、従来型の
フォーカスサーボ方式を用いる光磁気記録においても高
密度化,アクセスの向上などヘッドとディスクのスペー
スの狭小化は必須の課題である。
【0006】プラスチック基板を用いる記録再生用ディ
スク媒体は、一般に射出成形法若しくは射出圧縮成形で
形成されるディスク基板上にスパッタ,蒸着法などによ
り記録再生に必要な薄膜を形成し、その後保護膜などの
後加工が付加されて製造される。また、このようにして
製造されたディスク媒体は予めスタンパと称される媒体
のフォーマット情報が微細な幾何形状として加工された
薄板円盤状の金属片を金型に組み込むことで射出成形時
にこの幾何形状を基板に転写させる、或いはミラー状の
媒体に磁気若しくは光磁気により後から書き込むなどの
方法でフォーマット情報が付与される。かかるディスク
媒体に付与されたフォーマット情報により記録再生可能
なエリアおよびこの領域の両側に隣接する所謂リードイ
ン,アウトなどの領域が定義される。これら記録再生可
能なエリアおよびこの領域の両側に隣接する所謂リード
イン,アウトなど記録再生に不可欠なディスク上の領域
を限られたディスクの面積のなかで最大に有効利用する
ことが、常に要請されている。
【0007】特に外周領域は単位径当たりの面積が大き
く記録容量に大きく影響するため、いかにして最外周の
近くまで記録再生に不可欠なディスク上の領域を広げら
れるかは重要な課題であった。
【0008】しかしながら、従来の製造技術ではプラス
チック基板の射出成形に関わる制約から、特にディスク
の外周部領域で上述のようなヘッドの安定した浮上特性
を得ることが極めて困難であった。即ち、溶融した樹脂
材料を金型に高圧で注入し、固化させて所望の形状に形
成することを原理とする射出成形法に於いては、例えば
金属の稜線で構成される境界部とその他の領域では溶融
した樹脂材料の固化速度が異なるために収縮の不均一性
が生じる。この現象は粘弾性流体である樹脂材料の圧力
損失から、材料の流動長に対応してより顕著になる。
【0009】ディスクを射出成形により製造する場合に
おいては、ディスクの内径部より樹脂材料が注入され、
放射状に材料が外周部まで充填されていくが、上述の理
由によりディスクの外周部分では金型キャビティーの面
で構成される最外周部の陵線に当たる部分とその近傍で
特に大きな収縮差を生じ、外周部では溶融樹脂の固化速
度が速いために収縮率が小さくなる。図1は、射出成型
によるプラスチックディスク基板の断面模試図である。
記録領域3の外側の外周部領域2が盛り上がり、滑り台
形状1が形成される。この滑り台形状1の頂点高さとそ
の幅は金型の温度,圧力など射出成形の条件と製品の厚
み、ディスク径など形状に関係し、例えば板厚1.2mm,
外形88mmのディスクでは頂点高さでおよそ10ミクロン、
その幅でおよそディスクの最外周から2〜3mmの領域
が影響を受ける。浮上高さ数十μm以下の空気ベアリン
グによる浮上ヘッドを用いた場合、最外周部では、この
盛り上がりにより、浮上ヘッドの姿勢変動をきたした
り、最悪の場合、最外周部でのこの盛り上がりと浮上ヘ
ッドが衝突し、ヘッド、メディアが損傷するという問題
が起こる。
【0010】この外周部が盛り上がるという現象はプラ
スチックの射出成形に固有の特徴的な現象で、その対策
として溶融樹脂の固化速度を一定にすることを狙い、金
型の温度差を設けるなどの試みがなされている(特開平
5−212755)。しかしこのような方法を用いても
精度,安定性に劣るなど従来の金型成形技術では解決困
難であった。
【0011】また、この盛り上がり部を避けるため、記
録再生領域を内周側に縮めるという方法も考えられる
が、ディスク型メディアでは、最外周部が最も記録密度
が高いため、この方法では、メディア本来の記録効率を
落としてしまうという問題点がある。
【0012】さらに別の手法として、特開昭62−23
1733、特開平8−77602に見られるように、射
出成型時のキャビティー径の設計値を大きく設定して、
射出成型を行い、厚み変動の大きい外周部を切削法等で
除去し、ディスク基板を作製する方法が挙げられてい
る。
【0013】上記方法では確かに基板の平坦性は確保で
きる。しかし、切削後に薄膜を成膜するため、切削粉が
基板に付着し易くなり、薄膜形成後に切削粉を内部に咬
み込み、咬みこんだ箇所から腐食し易くなる。特に、基
板の外周端では薄膜の付き方が乱れ付着力が弱くなるた
め腐食を生じ易い。また膜が基板側面に回り込み膜が付
着する。このように側面についた膜は膜厚が薄く、付着
力が弱いため腐食し易い。さらにディスクを高速回転さ
せた時に剥がれ易く、同時に基板外周端についた膜まで
剥がしてしまうことがある。
【0014】これらの現象より、基板外周部でのドロッ
プアウトを多く生じ、結果として記録できるエリアが狭
くなる等の問題を生じていた。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前述したよう
な従来の技術では達成できなかった射出成形ディスク基
板に固有のディスクの外周部の滑り台状の形状を平坦化
すると共に、記録膜の外周部からの腐食を防止し、記録
再生に使用できる領域の広いディスク媒体を提供可能と
するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記の課題
を解決するため種種検討を重ねた結果、プラスチックデ
ィスク用基板上に、少なくとも記録層、保護層を含む薄
膜を設けた情報記録用ディスクにおいて、基板の記録再
生に使用される面の基板外周端と薄膜の外周端のずれ量
が50μm以内で、かつ基板側面に薄膜が存在しない情
報記録用ディスクを作製することにより、射出成形ディ
スク基板に固有のディスクの外周部の滑り台状の形状を
平坦化すると共に、記録膜の外周部からの腐食を防止
し、記録再生に使用できる領域の広いディスク媒体を提
供できることを見出した。
【0017】また上記構成の媒体を作製する方法として
は、プラスチックディスク用基板上に、少なくとも記録
層、保護層を含む薄膜を設けた後に、記録再生に使用さ
れる領域とその同一面上の外周領域の径方向の単位長さ
△rに対する厚み変化量を△tとした時の厚み変化率(10
0*△t/△r(%))が0.2%より大きい領域を除去す
ると共に、基板の記録再生に使用される面の基板外周端
と薄膜の外周端のずれ量が50μm以内になるように基
板外周端を加工する工程が挙げられる。
【0018】このように、基板上に、記録層、保護層を
含む薄膜形成後、厚み変化率が0.2%より大きい領域を
除去し、基板の記録再生に使用される面の基板外周端と
薄膜の外周端のずれ量が50μm以内に抑え、基板側面
に薄膜が存在しないことにより、記録膜の外周部からの
腐食を防止し、記録再生に使用できる領域の広いディス
ク媒体を提供することができる。
【0019】プラスチック基板は、吸水性が高いため
に、基板両面に薄膜を設け基板側端まで膜が覆ってしま
うと、基板内部に含んだ水分を外部に逃がすことができ
ず、基板表面と薄膜の界面に水分がたまることにより、
薄膜が膨れたり、基板と薄膜の界面より薄膜の腐食が進
行するという問題がある。本発明では基板側面に薄膜が
存在せず、基板を薄膜で完全に覆ってしまうことがない
ので、基板の吸水による薄膜の膨れや腐食を防止するこ
とができる。
【0020】我々が鋭意検討した結果、プラスチック製
ディスクにおいては、で厚み変化率を0.2%以下に抑え
れば、ディスクの外周部領域においても、ヘッドが安定
した浮上性を示し、これにより広い記録エリアの確保を
可能とし、前記課題を解決することが出来ることを見出
した。
【0021】この厚み変化率の適性値と限界はヘッドの
サイズなどの要素によって多少変化するが、浮上型ヘッ
ドに用いられるスライダーのディスク径方向の幅寸法の
最小予測値との対比などから、単位長さ当たりの肉厚変
化として外周部の盛り上がり状態を捕られば十分に実用
性がある。そこで形状測定器などで測定したディスク表
面のプロファイルで肉厚の変化を捕らえることとし、単
位長さ当たりの肉厚変化の最大値でディスクの平坦性を
評価することとした。なお厚み変化率の△rは0.5mm単
位で測定するものとする。
【0022】次にこのようなディスク媒体の製造方法に
ついて具体的に説明する。
【0023】前述したように、従来の射出成形で形成さ
れるプラスチック製ディスクでは安定して厚み変化率が
0.2%以下とすることは出来ないことから、プラスチ
ック基板上に記録層、保護層等を含む薄膜を設けた後、
記録再生に使用される領域とその同一面上の外周領域の
最外周部から厚み変化率が0.2%より大きい領域を除
去して所望のディスクを得る。即ち、予め所定のディス
ク外形寸法よりも、削除分を見込み従来の射出成形法に
よりオーバーサイズのディスク基板を製造しておき、後
加工により厚み変化率が0.2%より大きい領域を除去
し、かつ基板の記録再生に使用される面の基板外周端と
薄膜の外周端のずれ量が50μm以内になり、基板側面
に薄膜が設けられることがないように外周端を加工する
ことにより、所望のディスクを得ることができる。
【0024】厚み変化率が0.2%より大きい領域を除
去し、基板外周端と薄膜の外周端のずれ量が〜μm以内
になるように、外周端を加工する方法としては、例えば
YAGレーザーなどのレーザー光線により切除する方
法,ウオータージェットなどのように高水圧を細径ノズ
ルより噴射し切断する方法および旋盤などの機械加工に
より切削工具により所定の寸法まで切削する方法等、い
づれの方法によっても製造可能である。特に種々の試作
の結果、加工後の外形側面の粗さ、端面のかえり、バリ
の発生等の仕上がり状態から、旋盤などの機械切削によ
る方法が最も良い仕上がり状態が得られる。
【0025】機械切削の場合、旋盤加工のバイトの切り
込み方式、被加工物であるディスクの回転数、バイトの
送り速度などを調整し、一定の条件の下で極めて良好な
ディスク基板を製造可能である。
【0026】このようにして、所望の前記厚み変化率が
0.2%より小さい良好なディスクを得ることが可能と
なるが、この種のディスク媒体は高密度化に資するもの
で、前述したようにヘッドとメディア間が狭小であるこ
とから、加工の過程で切り子などの塵埃の付着はヘッド
およびメディアのクラッシュに至り、致命的な欠陥を生
じる。特にプラスチック基板は絶縁体であるがゆえに静
電気の吸引力により付着した塵埃の除去は大変困難なも
のとなる。このような理由から、塵埃の除去において、
プラスチック基板の成形後、少なくともデータの記録再
生に必要な薄膜を形成した後に、不必要個所を除去する
工程が有効となるのである。
【0027】また上記方法の特徴は、導電体である金属
膜を付加した後に、厚み変化率が0.2%より大きい箇
所を除去する工程を取ることで、静電気による塵埃の付
着を防止できる。また仮に塵埃が付着した場合でも記録
再生に必要な薄膜の最上層にカーボン、SiN,SiO
2,SiCなどの硬質な膜を保護膜として形成しておく
ことで、テープクリーニング、ヘッドバーニッシュなど
の方法で容易に除去し易いという利点を持つ。
【0028】この場合、テープクリーニング法として
は、プラスチック基板に記録膜、保護膜を作製後に、デ
ィスクを回転させながらラッピングテープ4000#〜8000
#をディスク表面に圧縮式により押し当て、ディスク表
面をわずかに研磨する工程であり、ヘッドバーニッシュ
は、浮上ヘッドをディスク面に摺動させて、ディスク表
面の突起を取り削る工程である。これらの工程により、
外周加工によって切削した切り子、塵埃がディスクに付
着しても機械的に取り去ることが可能になる。
【0029】プラスチックディスク基板の材質について
は一般的にメディアとしての特性から適用および検討さ
れているポリカーボネイト、ノルボルネン系熱可塑性樹
脂、ポリエーテルイミドなどが前記の加工性においても
良好で、特にノルボルネン系熱可塑性樹脂が旋盤などの
機械加工により切削工具により所定の寸法まで切削する
方法で、最も加工条件を広く設定することが出来た。
【0030】また、外周端面の形状としては、通常は図
2に示すようにディスク基板表面に対して垂直方向にな
るように加工するが、図3に示すようにV字状、また図
4に示すように円弧状に加工することもできる。図3、
図4の場合は、基板側面のみならず、それぞれV字に加
工する面、円弧に加工する面にも薄膜が存在しないの
で、腐食を防止することができる。その他凸状となるよ
う形成しても良い。何れにしても本発明のように、記録
再生膜を含む薄膜を成膜後に外周加工する場合、上記形
状にすることにより、ケース等での搬送時に端面の膜の
剥がれを防止し、加工後の腐食、塵埃の発生の防止を促
進できる。
【0031】本発明に使用する基板としてはポリカーボ
ネート、ノルボルネン系アモルファスポリオレフィン、
ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルフォン、フェノ
ール樹脂等の材料が適する。
【0032】本発明の使用用途として光記録媒体に適用
する場合は、例えば、基板/反射層/(第2誘電体層)
/記録層/透明誘電体層(第1誘電体層)/保護膜/潤
滑剤層の積層構造にし得る。透明誘電体層の最表面層に
は、カーボン、水素化カーボン、窒素化カーボン、DL
C、珪素含有カーボンなどを用いることができる。記録
層としては、光磁気記録方式では、TbFeCo、DyFeCo、Gd
FeCoとTbFeCoの2層膜、その他磁気超解像で用いられる
膜などを用いることができる。また、相変化方式ではGe
SbTe,InAgSn等を用いることができ、Write Once方式で
は、色素もしくはGeSbTe、TePbSe、AuSn等を用いること
ができる。
【0033】第2誘電体層は随意に設け得る。第2誘電
体層を構成する材料としては、第1誘電体層と同様の一
般的なセラミック材料を用いることができる。例えば、
SiNx、SiOx、SiCx、SiNxOy、SiCxOy、SiCxNyOz、AlNx
AlSixNyOz、AlOx、ZnS、TaOx、TiOx、水素化カーボン、
DLCなどを用いることができるが、熱伝導率の高いAl
Nx、AlSixNy、水素化カーボン、DLCなどを用いることが
好ましい。
【0034】反射層としては、AlまたはAl合金(AlTi、A
lCr、AlTa、AlNd、AlNb、AlCu、AlAg、AlAu等)を用いる
ことができ、これらの他に、Cu、Ag、Au、もしくはこれ
らの合金を用いることができる。潤滑剤としては、フッ
素系のパーフルオロポリエーテル及びその末端にアルコ
ール基、カルボキシル基、ピペロニル基を導入した誘導
体、または飽和もしくは不飽和脂肪酸及びその金属塩等
の各種潤滑剤を用いることができる。
【0035】基板と反射層との間には、SiOx、SiNx、Al
Nx、TaOxなどのセラミック層、またはNiP,NiB,CoZr,CoM
o,AlTi,AlTa,AlCr等の金属アモルファス層を耐食性向上
のため形成しても良い。また、このセラミック層または
金属アモルファス層と反射層および基板との密着力を上
げるため、これらの層と反射層および/もしくは基板と
の間にさらにTi,Ta,Cr,Mo,V,Nb等の層を形成してもよ
い。
【0036】本発明を光記録媒体に適用する場合、有機
色素層やTe化合物などの無機物層にレーザーで穴を空け
記録する追記型や、TbFeCoやDyFeCoなどの希土類金属と
遷移金属の合金層を記録層とする光磁気方式の書き換え
型、Ge合金やIn合金のように結晶相と非晶質相が可逆に
変化することを利用する相変化方式の書き換え型など、
何れの記録再生方式に従う光記録媒体に適用することが
できる。再生だけであれば、凹凸ピットや穴の有無、結
晶層とアモルファス相との反射率の違いから情報を再生
する方式でも利用できる。
【0037】本発明の基板を磁気ディスクに適用する場
合には、例えば、基板上に、Cr、Mo、Al、Ti、
Si等の下地層、磁性層として、、CoCr、CoPt、CoCrNi、C
oCrPt、CoCrNiPt、CoCrPtTa、CoCrPtW、CoCrPtMo、CoCrPt
Nb、CoCrPtTi、CoNiPt、CoNiPtTa、CoNIPtW、CoNiPtMo、C
oNiPtNb、CoNiPtTi、CoCrTa、CoNiCrPtTa、CoNiCrPtW、C
oNiCrPtMo、CoNiCrPtNb、CoNiCrPtTi等のCo合金、さら
にC、SiN,SiC,SiO2等の保護膜を順次スパ
ッパリング等により成膜する。保護層の上には、潤滑剤
として、炭化水素系、フッ化炭素系潤滑剤をスピンコー
ト等により塗布する。磁性層は、Cr、Mo、Ag、Cr合金等
の非磁性金属によって2層以上に分割されていても良
く、また、組成の異なるCo合金が2層以上直接に積層さ
れていても良い。
【0038】
【発明の実施の形態】
【0039】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。
【0040】(実施例1)最初に、最終仕上がり寸法
が、外径Φ95mm、内径Φ25mm、板厚1.2mmのディスク基
板をノルボルネン系熱可塑性樹脂の作製を行うために、
予め外径がΦ100mmとなるディスク基板を射出成形法に
より作製し、ディスク基板上にスパッタ法により、SiN
膜(50nm)、CrTi下地膜(30nm)、CoCrPt膜(20nm)、カーボ
ン膜(10nm)を連続的に順次成膜し、この上にフッ素系の
潤滑剤をディップコーターにより塗布した後に、バーニ
ッシュ処理を施した。その後、切削法により外周部を除
去し、外径寸法を仕上がり寸法のΦ95mmになるようにそ
れぞれ仕上げた。切削方法は、図5で示したように、射
出成形により作製したディスク5を、空気流制御板6
A、6Bで、上下からディスク内周部を挟み込む状態で
クランプすることにより、空気流制御板6A内に送りこ
まれた圧縮空気が、常にディスク表面を放射状に外周側
に流れる。このような構成の装置を用い、切削バイト7
で外周端面を除去すると、切削屑が圧縮空気によりディ
スク外周側に飛ばされることにより、切削屑のディスク
表面の付着を防止する。更に真空排気系9で、空気流を
外側に引くようにした。この時の最大の厚み変化率は0.
15%、基板外周端と薄膜の外周端のずれ量は20μmであ
った。
【0041】(実施例2)外周部の除去方法を、YAG
レーザにした他は実施例1と同様にしてディスクを作製
した。この時の最大の厚み変化率は0.12%、基板外周端
と薄膜の外周端のずれ量は10μmであった。
【0042】(実施例3)外周部の除去方法を、ウオー
タージェット法にし、バーニッシュを施さなかった他は
実施例1と同様にしてディスクを作製した。この時の最
大の厚み変化率は0.17%、基板外周端と薄膜の外周端の
ずれ量は40μmであった。
【0043】(実施例4)基板両面に薄膜を設けた他は
実施例1と同様にしてディスクを作製した。この時の厚
み変化率は0.16%、基板外周端と薄膜の外周端のずれ量
は30μmであった。
【0044】(比較例1)予め外径がΦ95mmと設定寸法
となるディスクを射出成形法により作製し、外周部の除
去を施さなかった他は、実施例1と同様にしてディスク
を作製した。この時の最大の厚み変化率は0.52%、基板
外周端と薄膜の外周端のずれ量は薄膜が基板側面に回り
込んだため測定できなかった。
【0045】(比較例2)外周部を除去する工程を、ス
パッタ法による薄膜形成前に行った以外は実施例1と同
様にして、ディスクを作製した。この時の最大の厚み変
化率は0.15%、基板外周端と薄膜の外周端のずれ量は薄
膜が基板側面に回り込んだため測定できなかった。
【0046】(比較例3)射出成形時に予め、金型表面
を荒らして、厚み変化率が極端に大きくし、ディスクを
射出成形により作製した後の工程は実施例1と同様にし
てディスクを作製した。この時の最大の厚み変化率は0.
31%、基板外周端と薄膜の外周端のずれ量は100μmで
あった。
【0047】(比較例4)外周部を除去する工程を、ス
パッタ法による薄膜形成前に行った以外は実施例4と同
様にして、ディスクを作製した。この時の最大の厚み変
化率は0。17%、また基板外周端と薄膜の外周端のずれ量
は薄膜が基板側面に回り込んだため測定できなかった。
【0048】以上実施例1〜4、比較例1〜4までの測
定条件を表1に付す。
【0049】
【表1】
【0050】(厚み変化率の測定)最大厚み変化率は、
触針式形状測定器(東京精密SURFCOM723B)を用いて最
外周から内周側に向かい10mm迄の半径方向のディスクの
形状を測定し、各半径での0.5mm毎の板厚変化量から厚
み変化率を測定し、最大値を最大厚み変化率とした。
【0051】(基板の記録再生に使用される面の基板外
周端と薄膜の外周端のずれ量の測定)記録再生に使用さ
れる面の基板外周端と薄膜の外周端のずれ量の測定は、
工具顕微鏡を用いて1周で8点、45度毎に基板外周端
と薄膜の外周端を半径方向に測定、平均値により示し
た。
【0052】(ディスクの浮上性能)実施例1〜4、比
較例1〜4について、ヘッドの浮上性能を調べた。測定
方法はグライド試験装置(フェーズメトリックス製MS
A900)によりヘッドとのヒット数を測定した。但
し、測定結果はピエゾセンサーからの出力をディスク1
周分につき512等分し、その中で出力が1Vを超した部分
をカウントし、その総カウント数をヒット数として表示
した。ヘッドは半径30mmから94.8mmまでピッチ0.1mmで
送った。またヘッド走行後のヘッドの走行面の汚れ状態
を光学顕微鏡で観察した。走行後のヘッド走行面の状態
を、☆:汚れは観察されない、○:僅かに汚れが観察され
る、▽:走行面の約2〜30%に汚れが観察される、△:走
行面の30〜70%で汚れが観察される、×:走行面のほぼ
全面に汚れが観察されるという基準で判断した。
【0053】(腐食テスト)作製したディスクを80℃
90%RHの恒温高湿槽内に100時間保存して、側面
および最外周から10mmの範囲内での腐蝕点を調べ、
単位面積(mm2)当たりの個数を示した。評価基準は
1個未満を○、1 〜10 までを△、10以上を×で
示した。
【0054】実施例1〜5、比較例1〜5のヘッド浮上特
性と腐食テストの結果を表2に示す。
【0055】
【表2】
【0056】
【発明の効果】本発明は前述したような従来の技術では
達成できなかった射出成形ディスク基板に固有のディス
クの外周部の滑り台状の形状を平坦化すると共に、記録
膜の外周部からの腐食を防止し、空気揚力による浮上型
記録再生ヘッドをディスク最外周部まで安定に浮上走行
させることが可能な、記録再生領域の広いディスク媒体
を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ディスクの射出成形時に外周部に生じる盛り上
がりを示す図である。
【図2】本発名の外周端面を示す図である。
【図3】本発名の外周端面を示す図である。
【図4】本発名の外周端面を示す図である。
【図5】本発明の外周部の盛り上がりを切削法により除
去する方法を示す図である。
【符号の説明】
1 滑り台形状 2 外周部領域 3 記録領域 4 センタホール部 5 ディスク 6A 空気流制御板 6B 空気流制御板 7 切削バイト 8 チャック 9 真空排気系 10 薄膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 11/10 511 G11B 11/10 511B 511A 531 531C 541 541A (72)発明者 柴崎 進 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 平田 弘之 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 石崎 修 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 麿 毅 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックディスク用基板上に、少な
    くとも記録層、保護層を含む薄膜を設けた情報記録用デ
    ィスクにおいて、基板の記録再生に使用される面の基板
    外周端と薄膜の外周端のずれ量が、50μm以内で、か
    つ基板側面に薄膜が存在しないことを特徴とする情報記
    録用ディスク
  2. 【請求項2】 請求項1において、基板両面に薄膜を設
    けた情報記録ディスク。
  3. 【請求項3】 請求項1においてプラスチックディスク
    用材料が、ポリカーボネイト、ノルボルネン系熱可塑性
    樹脂、ポリエーテルイミドのいずれかからなることを特
    徴とした情報記録用ディスク
  4. 【請求項4】 プラスチックディスク用基板上に、少な
    くとも記録層、保護層を含む薄膜を設けた後に、記録再
    生に使用される領域とその同一面上の外周領域の径方向
    の単位長さ△rに対する厚み変化量を△tとした時の厚
    み変化率(100*△t/△r(%))が0.2%より大きい領
    域を除去し、基板の記録再生に使用される面の基板外周
    端と薄膜の外周端のずれ量が50μm以内になるように製
    造されることを特徴とする情報用記録ディスクの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記厚み変化率が
    0.2%より大きい領域を除去する方法が切削法である
    ことを特徴とする情報用記録ディスクの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4においてプラスチックディスク
    用材料が、ポリカーボネイト、ノルボルネン系熱可塑性
    樹脂、ポリエーテルイミドのいずれかからなることを特
    徴とした情報用記録ディスクの製造方法
  7. 【請求項7】 請求項4において、前記プラスチックデ
    ィスク用基板が空気揚力による浮上型記録再生ヘッドと
    の組み合わせで使用されることを特徴とする情報用記録
    ディスクの製造方法
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6657942B2 (en) 2000-07-24 2003-12-02 Samsung Electronics Co., Ltd. Optical recording and reproducing apparatus having floating swing arm and optical disk for use therewith
JP2006310678A (ja) * 2005-05-02 2006-11-09 Ricoh Opt Ind Co Ltd 微細表面構造形成用基板、微細表面構造物品の製造方法及びその製造方法で製造された微細表面構造物品

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