JP2970466B2 - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体の製造方
法に関し、詳しくは磁気ディスク装置に使用されるハー
ドディスク、磁気テープなどの磁気記録媒体の製造方法
に関するものである。特に、磁気ディスク装置において
は、良好なCSS(コンタクトスタートアンドストッ
プ)特性およびヘッドの媒体表面へのスティッキング特
性とヘッドの低浮上化を同時に可能にする薄膜型の磁気
記録媒体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、ハードディスクはその使用に際
し、ディスクを高速で回転して磁気ヘッドを浮上させ、
ハードディスクへの書き込み/読み出し等をこの磁気ヘ
ッドを介して行っている。ハードディスクは、その磁気
特性の向上のため、ディスクの基板面あるいは基板面上
に設けられたNiPメッキ等の非磁性体からなる下地層
上に、磁気ディスクの円周方向にほぼ同心円状に機械的
研磨を行って加工痕を残す加工(以下、機械的テキスチ
ャという)が行われている。また、表面性と硬度に優れ
るガラス基板を使う場合には、弗酸でガラスの表面をエ
ッチングして表面に凹凸を付ける方法や微小な粒子を基
板の表面に塗布する方法が用いられている。
【0003】近年の情報量の増大と装置の小型軽量化の
要求により、線記録密度及びトラック密度が高くなり、
1ビット当りの面積が小さくなってくると、従来のよう
な機械的テキスチャによるスクラッチ傷は情報読み出し
の際にエラーとなる確率が高くなる。また、内周部にあ
るCSSゾーンのみに機械的テキスチャを施しデータ記
録領域はそのままにする方法もあるが、データ記録領域
の面がCSSゾーンの面の高さよりも高くなり、ヘッド
がシークする時にクラッシュするという問題があった。
【0004】また、こうした機械的テキスチャに代え
て、レーザでテキスチャパターンを作る方法も提案され
ている。レーザによるテキスチャの方法の例は、米国特
許第5,062,021号、同5,108,781号に
開示されており、Nd−YAGの強パルスレーザ光によ
りNiP層を局所的に溶融し、溶融して形成された凹状
の穴部とその周囲に溶融したNiPが表面張力で盛り上
がって固化した直径が2.5〜100μmのリム部から
なるクレータ状の凹凸を多数作り、円環状の凸状リムに
よってヘッドとのCSS特性を改善する試みが提案され
ている。しかし、これらの特許に記載の方法は、レーザ
ビームの照射範囲が広く、かつレーザの出力も大出力で
あるため、NiPの溶融範囲が広くなり、溶融した液面
の中心部が盛り上がらずにクレータ状となってしまうの
が特徴であり、この場合、凸部分先端とヘッド下面との
接触面積が飛躍的には下がらず、ヘッドとディスク間の
スティッキングの問題は、機械的テキスチャに較べて改
善されているとは言い難い。
【0005】また、先に本発明者らは特願平6−152
131号において、パルスレーザで作成した凸状突起を
テキスチャパターンとして利用する方法を提案した。こ
の方法はCSS特性改善に極めて有効であるが、この場
合でも凸状突起の頂部の曲率が小さいと、高温、高湿等
の環境ではCSS特性が劣化するという問題が生じるこ
とがある。
【0006】また、突起をフォトリソグラフィを使って
形成する方法も提案されており、日本潤滑学会トライボ
ロジー予稿集(1991−5,A−11),(1992
−10,B−6)にはディスクの全表面に対する面積比
が0.1〜5%の同心円状の凸部、または突起をフォト
リソグラフィによって形成した磁気ディスクのCSSの
テスト結果が開示されている。しかし、この方法では、
突起の頂部が平滑なため、ヘッドの摺動回数と共に摩擦
が増加するという欠点があり、また工業化も容易でない
という問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】磁気記録媒体の高密度
化、媒体の表面性の向上に伴い、ヘッドと媒体の摺動特
性の改善を工業的に有利な方法で行うことが望まれてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、こうした高密
度磁気記録媒体用の媒体の製造方法に対してなされたも
のであり、その要旨は、磁気記録媒体の基板または下地
層の表面に、エネルギー線を照射して基板または下地層
の表面に突起を形成した後、基板または下地層の表面に
研削量が0.1mg/cm 2 以下の機械的なテキスチャ
を施し、その後、必要とする下地層、磁気記録層または
保護層を成膜することを特徴とする磁気記録媒体の製造
方法、に存する。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいては、まず、磁気記録媒体の基板または下地層の表
面に、エネルギー線を照射して基板または下地層の表面
に突起を形成する。ついで、突起が形成された基板また
は下地層の表面に研削量が0.1mg/cm 2 以下の
械的なテキスチャを施す。磁気記録媒体を製造するため
には、通常、非磁性基板上に膜厚が通常20〜200n
mのCr、あるいはCu等の下地層を設ける。場合によ
っては基板と上記層との間に更に膜厚が通常100〜2
0,000nmのNipからなる下地層を設けても良
い。
【0010】磁気記録媒体の基板または下地層の表面
に、エネルギー線を照射して基板または下地層の表面に
突起を形成する好ましい方法としては、磁気記録媒体用
基板またはこの上に下地層を設けた基板を回転させなが
ら、その表面に円周方向に沿って、出力を精度良く制御
したエネルギー線を照射して表面に突起を形成する。レ
ーザ光としては、Ar等のガスレーザ又は単一モードで
連続発振が可能なYAG等の固体レーザを変調器で適当
なパルス長にしたもの、あるいは、YAG、YLF等の
固体Qスイッチレーザ、あるいは半導体レーザ等が使わ
れる。パルス幅としては100ns以上が好ましい。
【0011】本発明において、エネルギー線の照射によ
り形成された溶融液体部中で、エネルギー線の走査方向
と直角の方向には殆んど温度勾配がつかず、走査方向の
みに温度勾配が発生するような状態をつくると、液体表
面は温度が低い方が表面張力が高いため、溶融液体部の
うち温度の低い部分で丸く凸部となり、最後に固化する
高温部分、つまりビームが走査された最後の部分は凹部
となり、急冷固化されることにより、後述するような好
ましい形状の突起を形成することができる。
【0012】こうした条件を達成するためには、エネル
ギー線の照射による磁気記録媒体の基板または下地層の
表面の溶融範囲を5μm以下の範囲とするのが好まし
い。特には、エネルギビーム走査方向と直角な方向にお
ける溶融範囲を5μm以下、好ましくは2.5μm以
下、更に好ましくは2μm以下とするのが好ましい。溶
融範囲が5μmを超えると、溶融部分の中心部分は凸状
とはならずに逆に凹状にへこみ、液体になった部分の周
囲の部分が凸状に盛り上がる。これは、溶融範囲が広い
と冷却時に溶融液体中に温度勾配が生じるためと思われ
る。通常、表面張力は温度が低い部分で大きいために周
囲から冷却された外周部分の表面張力が大きくなり、盛
り上がるものと思われる。
【0013】好ましくは、照射するエネルギー線が、連
続状またはパルス状のレーザビーム、特にはパルス状の
レーザビームであり、被照射表面において、1回当りの
照射時間におけるパルス状レーザの走査距離がパルス状
レーザのスポット径の通常1/4以上、好ましくは1/
2以上とする。
【0014】本発明において、エネルギー線の走査方向
とは、静止した被照射媒体上でエネルギー線が走査する
方向のみならず、エネルギー線は静止させておき、被照
射媒体を回転させた状態で照射する場合の被照射媒体の
回転方向、あるいはエネルギー線及び被照射媒体を移動
させた場合等をも示す相対的なものである。また、本発
明においてエネルギー線のスポット径とはエネルギーの
84%が集中する1/e2 の径をいう。
【0015】突起高さはレーザの強度とその平均照射時
間、及びディスクの線速度を調節することによって自由
に制御され、突起の密度は、1周当たりの突起の個数、
パルスレーザの半径方向の照射間隔、及び上記の突起の
高さを制御する条件を調節することにより自由に制御さ
れる。また、半径方向については連続的に移動させ、渦
巻状の走査を行なうようにすると時間的に効率がよい。
通常、レーザの強度は20〜500mW、平均照射時間
は0.05〜5μsec、レーザのスポット径は0.2
〜4μm、基板の線速度は1〜15m/secが好まし
い。ここで、レーザの平均照射時間とは、1つの突起を
形成させるのにレーザを下地層表面に照射した時間を示
す。
【0016】レーザビームの照射面積を変えるには、通
常、用いるレーザの波長と対物レンズの開口率を変えれ
ばよく、開口率が0.1〜0.95の対物レンズを用い
ることにより、ビームの照射径は0.3〜6μm程度ま
で制御できる。本発明に用いるビームの照射径は2μm
以下、更に望ましくは1μm以下が望ましい。レーザの
システムとしては連続発振ができるAr等のガスレーザ
に変調器を用いたものや、固体レーザのYAG、あるい
は半導体レーザ等が利用できるが、いずれにしてもスポ
ット径が小さくできるシステムが望ましい。
【0017】本発明の好ましい態様として、ハードディ
スク等においては、突起は磁気ヘッドがCSS(コンタ
クトスタートアンドストップ)を行なう領域に存在し、
データ記録領域には存在しないかあるいは低い密度で存
在する磁気記録媒体の作成方法が挙げられる。このよう
にすることにより、データ記録領域においては磁性層表
面を平滑にすることができるため、従来のようなスクラ
ッチ傷によるエラーを減少させることができる。
【0018】また、さらに好ましい態様として、突起を
磁気ヘッドがCSSを行なう領域に作成しデータ記録領
域には作成せず、あるいは低い密度で作成し、かつその
突起の高さをデータ記録領域に向かって減少するように
磁気記録媒体を作成することが挙げられる。突起高さを
データ記録領域に向かって減少させることにより、デー
タ記録領域からCSSゾーンあるいは逆の方向にヘッド
を安定にシークすることができる。また、突起の密度を
データ記録領域に向かって減少させることにより突起高
さを低減させた場合と同様な効果を得ることができる。
また、該突起の高さおよび密度の両方をデータ記録領域
に向かって減少させることも好ましい。また、テープ等
に対しては、テープ両端の摺動特性が走行に影響を与え
るので、テープの両端部分に本発明による突起を作成す
ると、より効果的である。
【0019】突起高さをデータ記録領域に向かって減少
させるためには、エネルギー線の出力をデータ記録領域
に向かって減少させる等の方法が挙げられる。また、突
起密度をデータ記録領域に向かって減少させるために
は、エネルギー線の照射間隔をデータ記録領域に向かっ
て大きくする等の方法が挙げられる。
【0020】本発明において、エネルギー線被照射媒体
表面に作成される突起の高さは、JIS表面粗さ(B0
601−1982)により規定される、粗さ曲線の中心
線を基準とした場合の突起の高さを表す。この突起の高
さは、好ましくは1〜60nm、特に好ましくは10〜
60nmであり、60nmを超えるとハードディスク等
ではCSS特性は良いがヘッドの安定浮上高さは下げら
れず、また、テープ等では媒体と磁気ヘッドのスペーシ
ングが大きくなって出力が低下する。また、1nm未満
では基板が元来有する細かな粗さに埋もれてしまい所望
の効果は得られない。
【0021】また、前述の突起高さを有する突起は、1
mm2 あたり10〜108 個存在するのが好ましい。1
0個未満では基板のうねり等によりヘッド下面を突起の
みで支えるのは難しくなり、また108 個を超えて突起
を作ろうとすると互いに干渉しあって突起の高さをそろ
えるのが難しくなり、特に好ましい存在密度は1mm 2
あたり103 〜106 個である。ここで突起の存在密度
は媒体全体での平均密度ではなく、突起存在部での単位
面積当たりの密度をいう。また、該突起は、その頂点か
ら1nm下の高さにおける等高線で囲まれた図形の面積
の平均値(以下、等高線面積という)が2μm2 以下で
あるのが好ましく、さらには、1.0μm2 以下、更に
好ましくは0.5μm2 以下、特に好ましくは0.2μ
2 以下の範囲の値を有する。2μm2 を超えるとヘッ
ドとの間にスティッキングが発生しやすくなる。なお、
この等高線面積は、レーザ干渉による表面形状測定装
置、例えば、米国ザイゴ社製ザイゴ(ZYGO)で測定
が可能である。
【0022】本発明においては、上述のようにして基板
または下地層の表面に表面に突起を生成した後、該表面
に機械的テキスチャを施す。機械的テキスチャの程度
は、研削量が0.1mg/cm2 以下、更に望ましくは
0.05mg/cm2 以下、より更に好ましくは0.0
2mg/cm2 以下になるようなテキスチャが好まし
い。この機械的テキスチャの目的は基板が有するポリッ
シュ痕を消すことと、レーザによって作成した凸状突起
の頂部を機械的に研削して鋭い小さな突起を先端に作る
ことである。
【0023】本発明においては、上述のようにして基板
または下地層の表面に表面に突起を生成し、さらに機械
的テキスチャを施した後、必要とする下地層、磁気記録
層または保護層を製膜する。本発明において、磁気記録
媒体の基板としては、通常アルミニウム合金板またはガ
ラス基板等の非磁性基板が用いられるが、銅、チタン等
の金属基板、セラミック基板、樹脂基板又はシリコン基
板等を用いることもできる。基板の熱伝導率は、エネル
ギー線照射による熱の冷却の関係から重要であり、好ま
しくは100Watt/mK以下である。
【0024】非磁性基板上に膜厚が通常20〜200n
mのCr、あるいはCu等の下地層を設け、場合によっ
ては基板と上記層との間に更に膜厚が通常100〜2
0,000nmの例えばNiP合金等非磁性体からなる
下地層を設けてもよい。下地層は、通常無電解メッキ法
またはスパッタ法により形成される。また下地層の熱伝
導率、層の厚みもエネルギー線照射による熱の冷却の関
係から重要であり、熱伝導率は好ましくは100Wat
t/mK以下、また、層厚さは好ましくは50〜30,
000nm、特に好ましくは100〜15,000nm
である。
【0025】磁気記録層は、無電解メッキ、電気メッ
キ、スパッタ、蒸着等の方法によって形成され、Co−
P、Co−Ni−P、Co−Ni−Cr、Co−Ni−
Pt、Co−Cr−Ta、Co−Cr−Pt、Co−C
r−Ta−Pt系合金等の強磁性合金薄膜を形成し、そ
の膜厚は通常30から70nm程度である。
【0026】磁気記録層上には、通常、更に保護層が設
けられるが、保護層としては蒸着、スパッタ、プラズマ
CVD、イオンプレーティング、湿式法等の方法によ
り、炭素膜、水素化カーボン膜、TiC、SiC等の炭
化物膜、SiN、TiN等の窒化膜等、SiO、Al
O、ZrO等の酸化物膜等が成膜される。これらのうち
特に好ましくは、炭素膜、水素化カーボン膜であり、さ
らには、炭素を主成分とし水素の存在比率(H/C、原
子数%)が0.1〜40at%、なかでも1〜30at
%である水素化カーボン膜が好ましい。
【0027】また、保護層上には、通常、潤滑剤層が設
けられる。ただし、スライダー面にダイヤモンド状カー
ボンの層を有する磁気ヘッドを使う場合は、媒体とのト
ライボロジ的な性質が改善されるので、必ずしも保護層
を設ける必要はない。
【0028】
【実施例】次に、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施
例によって限定されるものではない。 実施例1〜および比較例1 直径95mmのディスク状Al基板上に膜厚10μmの
NiP(熱伝導率、約10Watt/mK)をメッキし
た後、表面粗さRaが2nm以下になるように表面研磨
を行ってNiP下地層を有する基板を得た。次に、レー
ザの強度163mW、平均照射時間0.6μsec、レ
ーザの集光に用いた対物レンズの開口率NAとして、エ
ネルギーの84%(1/e2 )が集中するスポット径
(1.22×λ/NA)が1.0μm、基板の線速度1
714m/secの範囲内の条件で、ディスクの内周部
の半径18〜21mmのCSS領域にArパルスレーザ
を照射してNiP下地表面にピッチ10μmの渦巻線状
に突起を作成した。なお、Arレーザの波長は488n
mを使用した。
【0029】レーザによる突起生成の後、粒径が約1μ
mの遊離ダイヤモンド砥粒を用い、表−1に記載した研
磨量となるよう基板面に周方向の機械テキスチャを施し
た。図1および図3は、それぞれ実施例1及び比較例1
で得られたNiP下地層の表面形状をレーザ干渉による
表面形状測定装置(米国ザイゴ社製「ZYGO」)で観
察した結果を表す図であり、図2および図4はその断面
図である。
【0030】本発明による突起は図1に示すような形状
を示している。その頂部の形状は、機械的テキスチャに
より削られるため、テキスチャ方向と平行な断面(図2
のa断面)では、レーザによって作成された突起先端形
状よりも滑らかなになっているが、機械的テキスチャ方
向に直角方向の断面(図2のb断面)においては、突起
先端はレーザによって作成された突起を更に細かく分割
されたような形状を有している。
【0031】次いで,スパッタ法により,上記NiP基
板上に、順次、Cr中間層(100nm)、Co−Cr
−Ta合金磁性膜(50nm)を製膜した。さらに、カ
ーボン保護膜を(20nm)を形成し、その後、浸漬法
によりフッ素系液体潤滑剤(モンテエジソン社製「DO
L−2000」)を2nm塗布して、磁気記録媒体を作
製した。
【0032】表−1に実施例と比較例の基板へのレーザ
による突起作成条件、線速度、レーザの強度、レーザの
平均照射時間、平均突起密度(レーザ照射のインターバ
ルに相当)、平均突起高さ、レーザの集光に用いた対物
レンズの開口率NA、およびその後の機械テキスチャに
よる表面の単位面積当りの研削量を示す。
【0033】
【表1】 表−1 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 基板 レーザ 平均 平均 平均 対物 研削量 線速度 強度 照射時間 突起密度 突起高さ レンズ (mm/sec) (mW) (μsec)(個/mm2) (nm) 開口率 (mg/cm2) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例1 1714 163 0.6 9260 30 0.6 0.03 実施例2 1714 163 0.6 9260 30 0.6 0.02 比較例1 1714 163 0.6 9260 35 0.6 − −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0034】表−2にこれらのディスクのCSSテスト
前の静止摩擦係数(初期スティクション)及びCSS2
万回後の摩擦力を示した。CSSテストはヘッド浮上量
1.6μインチ、ロードグラム6gfの薄膜ヘッド(ス
ライダ材質Al2O3TiC)を用いた。CSSゾーン
の安定浮上高さは、全て1.2μインチであった。な
お、実験の条件としては、常温、常湿で行なった。表−
3は、表−2に示した実験を温度が35°C、湿度が8
0%の条件で行なったものである。
【0035】
【表2】 表2 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 初期スティクション CSS2万回後の (摩擦係数) 摩擦力 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例1 0.18 7gf 実施例2 0.24 10gf 比較例1 0.19 8gf −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0036】
【表3】 表−3 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 初期スティクション CSS2万回後の (摩擦係数) 摩擦力 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例1 0.20 6gf 実施例2 0.27 8gf 比較例1 0.25 21gf −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、磁気記録媒体の基板ま
たは下地層の表面に先端形状および高さが制御された突
起を作成し、更にその突起先端に機械的にテキスチャを
施すため、形成した突起の先端の面積をさらに小さくす
ることができる、したがって、磁気ヘッド下面と磁気記
録媒体表面との接触面積が少なくなるため、CSS時の
摩擦が極端に小さくなり、また、ヘッドの媒体表面への
スティキングも全く発生しなくなる。特に、高温、高湿
下等の環境テストにおいても安定なCSS特性を示す磁
気記録媒体を得ることができる。
【0038】また、ヘッドのCSS領域のみにこうした
突起を作った場合でも、機械的なテキスチャはデータ記
録領域とCSS領域とを均一に行なうため、それぞれの
平均的な面の高さはほとんど変わらず、ヘッドをデータ
記録領域とCSS領域との間でシークした時にヘッドの
安定浮上高さの変動が少なく、ヘッドクラッシュやヘッ
ドの空間での不安定化が起こらない。
【0039】更に、このレーザによる突起の高さや密度
をデータゾーンに近付くにしたがって制御することもで
きるため、ヘッドのデータ記録領域とCSS領域間での
シークは極めて滑らかに行なうことができ、ヘッドのフ
ライングハイトを小さくできる。したがって、高密度の
磁気記録媒体の製造が可能となり、工業的な意義は極め
て大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】表面形状装置により観察した本発明の実施例1
のNiP下地層表面の突起の形状を示す斜視図。
【図2】図1の突起の機械的テキスチャ方向と平行な断
面(a断面)および機械的テキスチャ方向に直角方向の
断面(b断面)を示す図。
【図3】表面形状装置により観察した本発明の比較例1
のNiP下地層表面の突起の形状を示す斜視図。
【図4】図3の突起のディスクの周方向に平行な断面
(a断面)およびディスクの周方向に直角方向の断面
(b断面)を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神津 順一 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 5/84 G11B 5/82

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気記録媒体の基板または下地層の表面
    に、エネルギー線を照射して基板または下地層の表面に
    突起を形成した後、基板または下地層の表面に研削量が
    0.1mg/cm 2 以下の機械的なテキスチャを施し、
    その後、必要とする下地層、磁気記録層または保護層を
    成膜することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
JP9699395A 1994-07-04 1995-04-21 磁気記録媒体の製造方法 Expired - Fee Related JP2970466B2 (ja)

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