JP2856131B2 - 磁気記録媒体の突起形成方法及び磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体の突起形成方法及び磁気記録媒体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体の製造方
法またはその装置に関し、詳しくは磁気ディスク装置に
使用されるハードティスクなどの磁気記録媒体およびそ
の製造装置に関するものである。特に、良好なCSS
(コンタクトスタートアンドストップ)特性およびヘッ
ドの媒体表面へのスティッキング特性とヘッドの低浮上
化を同時に可能にする薄膜型の磁気記録媒体の突起形成
方法ならびに磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、ハードディスクはその使用に際し
高速で回転して磁気ヘッドを浮上させ、ハードディスク
への書き込み/読み出し等をこの磁気ヘッドを介して行
っている。ハードディスクは、その磁気特性の向上のた
め、ディスクの基板面あるいは基板面上に設けられたN
iPメッキ等の非磁性体からなる下地層上に、磁気ディ
スクの円周方向にほぼ同心円状に機械的研磨を行って加
工痕を残す加工(以下、機械的テキスチャという)が行
われている。
【0003】近年の情報量の増大と装置の小型軽量化の
要求により、線記録密度及びトラック密度が高くなり、
1ビット当りの面積が小さくなってくると、従来のよう
な機械的テキスチャによるスクラッチ傷は情報読み出し
の際にエラーとなる確率が高くなる。また、内周部にあ
るCSSゾーンのみに機械的テキスチャを施しデータ記
録領域はそのままにする方法もあるが、データ記録領域
の面がCSSゾーンの面の高さよりも高くなり、ヘッド
がシークする時にクラッシュするという問題があった。
【0004】また、こうした機械的テキスチャに代え
て、レーザでテキスチャパターンを作る方法も提案され
ている。レーザによるテキスチャの方法の例は、米国特
許第5,062,021号、同5,108,781号に
開示されており、Nd−YAGの強パルスレーザ光によ
りNiP層を局所的に溶融し、溶融して形成された凹状
の穴部とその周囲に溶融したNiPが表面張力で盛り上
がって固化した直径が2.5〜100μmのリム部から
なるクレータ状の凹凸を多数作り、円環状の凸状リムに
よってヘッドとのCSS特性を改善する試みが提案され
ている。しかし、この方法ではリムの高さは一様で中心
に対して点対称な突起となるため、ヘッド下面との接触
面積が飛躍的には下がらず、ヘッドとディスク間のステ
ィッキングの問題は、機械的テキスチャに較べて改善さ
れているとは言い難い。
【0005】また、突起をフォトリソグラフィを使って
形成する方法も提案されており、日本潤滑学会トライボ
ロジー予稿集(1991−5,A−11),(1992
−10,B−6)にはディスクの全表面に対する面積比
が0.1〜5%の同心円状の凸部、または突起をフォト
リソグラフィによって形成した磁気ディスクのCSSの
テスト結果が開示されている。しかし、この方法では、
突起の頂部が平滑なため、ヘッドの摺動回数と共に摩擦
が増加するという欠点があり、また工業化も容易でない
という問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、CSSゾ
ーンでは、突起の先端の面積を小さくしてヘッドとのス
ティッキングをなくし、しかも平均的な面の高さは、デ
ータゾーンとほぼ同じにして、ヘッドをデータゾーン、
CSSゾーン間でシークした時にヘッドの安定浮上高さ
の変動が少なく、ヘッドクラッシュやヘッドの空間での
不安定化が起こらない磁気記録媒体が望まれている。特
に、ヘッドの極低浮上用高密度媒体には、CSSゾーン
においてもヘッドの浮上安定高さをできるだけ低くし、
且つCSSゾーンでのヘッドのスティキングを防ぐこと
のできる媒体が望まれている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明はこうした高密度
磁気記録用の媒体の製造方法に関してなされたもので、
その要旨は、磁気記録媒体用基板上に必要に応じて、下
地層及び中間層を介して、磁性層及び保護層を有する磁
気記録媒体の基板表面あるいはいずれかの層の表面に、
エネルギー密度の分布がスポット中心に対して非対称で
あるレーザビームを照射することによって、中心線山高
さ(Rp)頂点から1 nm 下の高さにおける等高線で囲
まれた図形面積の平均値が1μm2以下の凸部、および
この凸部に隣接して凹部を有する突起を形成することを
特徴とする磁気記録媒体の突起形成方法に存する。
【0008】さらに、本発明の他の要旨は、磁気記録媒
体用基板上に必要に応じて下地層及び中間層を介して、
磁性層及び保護層を有する磁気記録媒体の基板表面ある
いは何れかの層の表面に、中心線山高さ(Rp)2〜6
0nmで頂点から1nm下の高さにおける等高線で囲ま
れた図形面積の平均値が1μm2以下の凸部、及びこの
凸部に隣接して凹部を有する複数の突起を有し、該突起
が、リムの高さに高低差を有する、中心に対して非対称
リム部を有するクレータ形状のリムの一部として形成さ
れてなることを特徴とする磁気記録媒体に存する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において、下地層または基
板がその磁性層側表面に有する突起の高さは、JIS表
面粗さ(B0601)により規定される、粗さ曲線の中
心線を基準とした場合の突起の高さを表す。この突起の
高さは、好ましくは1〜50nm、更に好ましくは5〜
30nmであり、30nmを超えるとCSS特性は良い
が、安定浮上高さが高くなってしまうので、CSS ゾーン
全域に渡り、こうした突起高さにすることはできない。
また、1nm未満では基板が元来有する細かな凹凸に埋
もれてしまい所望の効果は得られない。
【0010】また、本発明においては、下地層または基
板の磁性層側表面に、高さが1〜100nmの突起を1
mm2 あたり10 〜108個有する。10個未満では基
板のうねり等によりヘッド下面を突起のみで支えるのは
難しく、また108 個を超えた突起を作ろうとすると互
いに干渉しあって突起の高さをそろえるのが難しくな
り、その好ましい存在密度は1mm2 あたり102 〜1
6 個、更に好ましくは103〜105個である。ここで
突起の存在密度は媒体全体での平均密度ではなく、突起
存在部での単位面積当たりの密度をいう。
【0011】また、本発明における各突起に存在する複
数の凸部は、その頂点から1nm下の高さにおける等高
線で囲まれた図形の面積の平均値(以下、等高線面積と
いう)が1μm2以下であり、好ましくは0.5μm2
下、より好ましくは0.2μm2以下、更に好ましくは
0.1μm2以下の値を有する。
【0012】また、突起高さの1/2の高さの位置にお
ける等高断面積の大きさも、用いる潤滑剤や湿度等の環
境によってはCSS特性に影響し、好ましくは2μm2
以下、更に好ましくは1μm2以下がよい。 また、本
発明における突起の先端形状は急峻になっているため潤
滑材による磁気ヘッドの媒体表面への吸着防止の効果を
発揮する。 なお、こうした等高線面積や断面形状は、
レーザ干渉による表面形状測定装置、例えば、米国ザイ
ゴ社製ザイゴ〔ZYGO〕で測定が可能である。
【0013】本発明の媒体の好ましい態様として、突起
は磁気ヘッドがCSS(コンタクトスタートアンドスト
ップ)を行なう領域のみに存在し、データ記録領域には
存在しない磁気記録媒体が挙げられる。このような構成
にすることにより、データ記録領域においては磁性層の
配向のみを目的とした周方向の軽いテキスチャ等を採用
することができ、表面をより平滑にすることができる。
したがって、従来のようにCSSの改善を目的とした表
面の粗い機械的テキスチャに見られる深いスクラッチ傷
によるエラーを減少させることができる。
【0014】また、さらに好ましい態様として、突起
が、磁気ヘッドがCSSを行なう領域のみに存在しデー
タ記録領域には存在しないか、または、存在する場合で
も、CSSゾーンでの突起高さに較べ低い突起を有する
磁気記録媒体が挙げられる。また、CSSゾーンでの突
起の高さがデータ記録領域側でデータ記録領域に向かっ
て減少し、かつ、突起密度が突起高さの低い所で高くな
っている磁気記録媒体も本発明には好ましい熊様であ
る。こうすることにより、データ領域でのヘッドの浮上
高さを極限まで下げることができ、また、ヘッドをCS
Sゾーンの突起高さの低い所から高い所へ、媒体が回転
している状態でヘッド低面が突起に接触しながらシーク
を行ない、そのままCSSを行なうことができる。この
場合、高速でヘッドのスライダ面と摺動する突起高さの
低い部分は、突起密度が高いことが望ましい。
【0015】データ領域においても突起をつくる場合、
突起高さ、密度を下げるのは、データ領域でのヘッド浮
上高さをできるだけ下げるのと、万が一、トラブルでヘ
ッドがデータゾーンで停止した時に媒体面に吸着するの
を防ぐためである。通常は、データ領域のCSSは、1
00回もできれば十分であり、突起高さはCSSゾーン
のそれの1/2以下、また、密度も1/10〜1/10
4 ぐらいにするのが好ましい。
【0016】本発明の磁気記録媒体を製造するための好
ましい方法としては、Al基板等、または基板上にNi
P等の下地層を設けた磁気記録媒体用基板を回転させな
がら、その表面に円周方向に沿って、出力を精度良く制
御し、特徴あるエネルギ密度分布を有するレーザビーム
を照射することにより、集光ビーム部分に突起、および
凹部を形成する。
【0017】本発明における、具体的な方法としては、
レーザスポットを非対称にして、溶融部分の中心に対し
て非対称な温度分布を作成する方法、あるいは、複数の
強度の異るレーザビームを使う方法等が考えられる。
単純にレーザビームの光学系内にスリット等を入れた
り、また、複数のレーザビームを重ね合わせることによ
り通常のガウシアン分布とは異る非対称なレーザスポッ
トを作成することもできるが、望ましい方法としては、
複数のレーザビームの内、例えば、強度の強いレーザス
ポットの側にエネルギーの弱いレーザを当てて熱干渉さ
せる方法が制御性がよい。
【0018】この場合、強度の強いビームの当った部分
は溶融するが、この溶融部分において、弱いビーム を
当てた部分に近い、より熱的に影響を受ける部分は温度
が他の部分よりも高くなる。
【0019】一般に液体の表面張力は、低温側で大き
く、高温になる程小さいため、上記のいずれの場合にお
いても、低温側の部分が表面張力で丸まり、高温部分の
液体を取り込み凸部分を形成、最後に凝固する高温部分
に凹部が生成する。
【0020】パルスレーザビームとしては連続発振する
レーザを変調器(EOM、AOM)でパルスに状にし、
光の経路の一部にスリット等を設けるかあるいは照射時
間が極めて短い固体Qスイッチパルスレーザと半導体レ
ーザ等組み合わせるか、あるいはレーザビームの一部を
分割後、分割したエネルギの低いビームを基のビームの
集光点近傍に集光させるようにする。また、集光したビ
ームスポット径は、鋭い突起をつくるために、できるだ
け小さいことが望ましい。
【0021】溶融領域は、熱拡散によって温度が下がり
凝固するが、溶融部分で高温に過熱つれた部分の温度の
下がり方は他の部分よりも温度の下がり方は緩やかであ
り、最初に低温になる部分は表面張力が大きくなるため
盛り上がり、高温部分の液体を取り込み凸部分となり、
最後に凝固する部分が凹部となる。従って、凸部分に隣
接して凹部を有する突起が形成される。
【0022】なお、本発明において特徴的な突起を作る
ためには、パルスレーザのスポット径の長径方向で、10
μm以下、望ましくは 5μm以下、更に望ましくは2.
5μm以下にする。また、照射部分のスポットでの総出
力は5W以下、好ましくは1W以下、更に好ましくは5
00mW以下であり、その下限は通常、50mWが好ま
しい。また、基板の回転数にもよるが、好ましい形状の
突起を作るための照射時間は 2μs以下、望ましく
は、1μs以下、更に好ましくは、0.5μs以下が望
ましい。
【0023】Al基板あるいはガラス基板にNiP、あ
るいはCr層を下地層として付けた基板に上記パルスレ
ーザビームを照射した場合、上記のような特徴ある形状
の突起となる。また、このようにして出来た突起の頂部
は平坦ではなく、適度な曲率を有している。
【0024】なお、上述した条件の中でもレーザスポッ
トの平均的なエネルギー密度が500〜700mW/μ
2以上でスポット径3μm以上の場合には、突起が、
クレータ形状のリム部の一部として形成された形とな
る。すなわち、突起が、リムの高さに高低差を有する、
中心に対して非対称なリム部を有するクレータ形状のリ
ムの一部として形成される。リムの高さの低いところ
は、実質的にCSS時のヘッド下面と接触しないため良
好なCSS特性を得ることができる。リム部において実
質的な突起を形成する部分とより低い高さを有するリム
部との高低差は前者に対する後者の高さの比として2以
上、好ましくは3〜5程度で、リムの開口端面が基板表
面に対して傾斜しているものである。
【0025】エネルギー密度がガウシアン分布を有する
レーザビームを用いるか、あるいはエネルギー密度が比
対称でもレーザビームのパワーが大き過ぎ、溶融範囲が
大き過ぎると、一つの円形状の大きな溶融範囲が生じ、
最後に凝固する中央部分が凹部となり周囲に点対称で高
さが一様のクレータ状のリムが形成され、米国特許第
5,062,021号、同5,108,781号記載の
方法において作成された突起形状と同じものができる。
【0026】したがって、本発明においては、エネルギ
ー密度をスポット中心に対して非対称にし、かつ、レー
ザビームを狭い範囲に絞り、溶融部分を最適な範囲にす
るため、急峻な突起が生成、特徴的な突起形成になる点
で前記米国特許とは大きく異なる。望ましい溶融範囲
(長軸方向)は5μm以下である。このようにして出来
た突起先端の面積は非常に小さく、CSSにとって好ま
しい突起となる。
【0027】また、突起高さはレーザのスポットの面
積、エネルギ分布、出力を調節することによって自由に
制御され、突起の密度は、1周当たりの突起の個数、パ
ルスレーザの半径方向の照射間隔、及び上記の突起の高
さを制御する条件を調節することにより自由に制御させ
る。レーザビームの照射面積を変えるには、通常、対物
レンズの開口率を変えればよく、開口率が0.05〜
0.95の対物レンズを用いることにより、ビームの照
射径は12〜0.7μm程度まで制御することができ
る。
【0028】本発明において、非磁性基板としては通常
アルミニウム合金板またはガラス基板が用いられるが、
銅、チタン等の金属基板、Si基板、セラミック基板、
樹脂基板等を用いることもできる。下地層は好ましくは
NiP合金層であり、通常無電解メッキ法またはスパッ
タ法により形成される。また、通常この上にCr層を製
膜するが、このCr層に突起を作ることもできる。
【0029】下地層の厚みはレーザ照射による発熱と熱
伝導による放熱の関係から重要であり、好ましくは50
〜20,000nm、特に好ましくは100〜15,0
00nmである。
【0030】下地層の上にはCr層、あるいはCu層等
を磁性層との間に設けるのが好ましく、その膜厚は通常
20〜200nm、好ましくは50〜100nmであ
る。下地層上または中間層上に設ける磁性層は、無電解
メッキ、電気メッキ、スパッタ、蒸着等の方法によって
形成され、Co−P、Co−Ni−P、Co−Ni−C
r、Co−Ni−Pt、Co−Cr−Ta、Co−Cr
−Pt、Co−Cr−Ta−Pt系合金等の強磁性合金
薄膜が形成され、その膜厚は通常30から70nm程度
である。
【0031】この磁性層上には保護層が設けられるが、
保護層としては蒸着、スパッタ、プラズマCVD、イオ
ンプレーティング、湿式法等の方法により、炭素膜、水
素化カーボン膜、TiC、SiC等の炭化物膜、Si
N、TiN等の窒化膜等、SiO、Al23、ZrO等
の酸化物膜等が成膜される。これらのうち特に好ましく
は、炭素膜、水素化カーボン膜である。又、保護層上に
は通常、潤滑剤層が設けられる。
【0032】
【実施例】
(実施例1)15μm厚にNi−Pメッキ処理を施され
た 3,600 rpm で回転するハードディスク用Al基板
に、板面パワーがそれぞれ、270 mW, 100 mW、スポット
径が約2.5 μm の二つのレーザビーム( 波長 1,064 nm
)をビーム中心間の距離が約 1μm になるように重ね、
エネルギ密度分布が中心から非対称になるようにし、
0.5μsのパルス幅で照射したところ、高さ 36 nm、
頂部から 1 nm 下の断面積が 0.06μm2、かつ、隣接し
て凹部を有する特徴的な突起が生成した。レーザ干渉に
よる表面形状測定装置(米国ザイゴ社製 ザイゴ(ZY
GO))を用いて突起の形状を測定した結果を図1に示
す。図1(a)は突起形状を3次元的に表現したもの、図
1(b)は突起の垂直断面形状をそれぞれ示す。
【0033】実施例においては、突起密度を、5,000 個
/mm2 になるようにした。 なお、表面形状は3次元表面
構造解析顕微鏡(装置名ZYGO)によって測定した。
次に、スパッタ法により、突起を形成させた上記Al基
板上に、順次、Cr中間層(100nm)、Co−Cr
−Ta合金磁性膜(50nm)及びカーボン保護膜を
(20nm)を形成し、その後、浸漬法によりフッ素系
液体潤滑剤(モンテエジソン社製商品名DOL−200
0)を2nm塗布して、磁気記録媒体を作製した。
【0034】このようにして作成したディスクのCSS
テスト前の静止摩擦係数(初期スティクション)及びC
SS2万回後の摩擦力を測定した結果、初期スティクシ
ョンの摩擦係数が0.32 、CSS 後の摩擦力においても、7
gf と良好な値がえられた。なお、CSS テストはヘッド
浮上量 2.0μインチ、ロードグラム6gfの薄膜ヘッド
(スライダ材質Al23TiC)を用いた。CSS ゾーン
の安定浮上高さは1.7μインチであった。
【0035】(実施例2)15μm厚にNi−Pメッキ
処理を施された 900 rpm で回転するハードディスク用
Al基板に、板面パワーがそれぞれ、700 mW, 200 mW、
スポット径が約 2.5 μm の二つのレーザビーム( 波長
1,064 nm )をビーム中心間の距離が約1.5μm になる
ように重ね、エネルギ密度分布が中心から非対称になる
ようにし、0.5μsのパルス幅で照射したところ、リ
ムの最高部の高さ 40 nm、頂部から1 nm 下の断面積が
0.20μm2、かつ、隣接して凹部を有する特徴的なクレー
タ状突起が生成した。レーザ干渉による表面形状測定装
置(米国ザイゴ社製 ザイゴ(ZYGO))を用いて突
起の形状を測定した結果を図2に示す。図2(a)は突起
形状を3次元的に表現したもの、図2(b)は突起の垂直
断面形状をそれぞれ示す。
【0036】実施例においては、突起密度を、5,000 個
/mm2 になるようにした。 なお、表面形状は3次元表面
構造解析顕微鏡(装置名ZYGO)によって測定した。
次に、スパッタ法により、突起を形成させた上記Al基
板上に、順次、Cr中間層(100nm)、Co−Cr
−Ta合金磁性膜(50nm)及びカーボン保護膜を
(20nm)を形成し、その後、浸漬法によりフッ素系
液体潤滑剤(モンテエジソン社製商品名DOL−200
0)を2nm塗布して、磁気記録媒体を作製した。
【0037】このようにして作成したディスクのCSS
テスト前の静止摩擦係数(初期スティクション)及びC
SS2万回後の摩擦力を測定した結果、初期スティクシ
ョンの摩擦係数が0.45 、CSS 後の摩擦力においても、1
2 gf と良好な値がえられた。なお、CSS テストはヘッ
ド浮上量 2.0μインチ、ロードグラム6gfの薄膜ヘッ
ド(スライダ材質Al23TiC)を用いた。CSS ゾー
ンの安定浮上高さは1.7μインチであった。
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の方
法によれば、磁気記録媒体の基板、下地層、中間層、磁
性層、保護層の少なくともいずれかの表面に、エネルギ
ー密度の分布がスポット中心に対して非対称であるレー
ザビームを照射することによって、頂点から1 nm 下の
高さにおける等高線で囲まれた図形面積の平均値が1μ
2以下の凸部、およびこの凸部に隣接して凹部を有す
る突起を形成するため、突起の高さとその先端の形状、
突起の存在領域および密度が所望の状態に制御できるた
め、磁気ヘッド下面と磁気記録媒体の表面との接触面積
が少なく、CSS時の摩擦が極端に小さくなり、また、
ヘッドの媒体表面へのスティキングも全く発生しなくな
る。また、CSSゾーンでの突起の高さがデータ記録領
域側でデータ記録領域に向かって減少し、かつ、突起密
度が突起高さの低い所で高くなっている磁気記録媒体も
本発明においては容易に作成することが出来、こうする
ことにより、データ領域でのヘッドの浮上高さを極限ま
で下げることができ、また、ヘッドをCSSゾーンの突
起高さの低い所から高い所へ、媒体が回転している状態
でヘッド低面が突起に接触しながらシークを行ないなが
ら CSSを行なうことができるため、高密度の磁気記
録媒体の製造が容易に行なえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1において形成された突起の形状を示
す図
【図2】 実施例2において形成された突起の形状を示
す図

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に必要に応じて、下地層及び中間
    層を介して、磁性層及び保護層を有する磁気記録媒体の
    基板表面あるいはいずれかの層の表面に、エネルギー密
    度の分布がスポット中心に対して非対称である(回転対
    称ではない)レーザビームを照射することによって、中
    心線山高さ(Rp)頂点から1nm下の高さにおける等高
    線で囲まれた図形面積の平均値が1μm2以下の凸部、
    およびこの凸部に隣接して凹部を有する突起を形成する
    ことを特徴とする磁気記録媒体の突起形成方法
  2. 【請求項2】 前記突起が、高低差を有し、かつ中心に
    対して非対称なリム状部の一部として形成されてなるこ
    とを特徴とする請求項1記載の突起形成方法。
  3. 【請求項3】 複数のレーザビームを重ね合わせること
    によりエネルギー密度の分布がスポット中心に対して非
    対称としたレーザビームを用いることを特徴とする請求
    項1に記載の磁気記録媒体の突起作成方法。
  4. 【請求項4】 磁気記録媒体の基板、下地層、中間層、
    磁性層、保護層の少なくともいずれかの表面に、熱的な
    影響が及ぶ間隔を置いて、強度の異る複数のレーザビー
    ムを照射することによって、頂点から1 nm 下の高さに
    おける等高線で囲まれた図形面積の平均値が1μm2
    下の凸部および、この凸部に隣接して凹部を有する突起
    を形成することを特徴とする磁気記録媒体の突起形成方
    法。
  5. 【請求項5】 基板上に必要に応じて下地層及び中間層
    を介して、磁性層及び保護層を有する磁気記録媒体の基
    板表面あるいは何れかの層の表面に、中心線山高さ(R
    p)2〜60nmで頂点から1nm下の高さにおける等
    高線で囲まれた図形面積の平均値が1μm2以下の凸
    部、及びこの凸部に隣接して凹部を有する複数の突起を
    有し、該突起が、リムの高さに高低差を有する、中心に
    対して非対称リム部を有するクレータ形状のリムの一部
    として形成されてなることを特徴とする磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の磁気記録媒体において、
    リムの開口端面が基板表面に対して傾斜していることを
    特徴とする磁気記録媒体。
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