JPH1166551A - 磁気記録媒体とその製造方法 - Google Patents
磁気記録媒体とその製造方法Info
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- JPH1166551A JPH1166551A JP22921097A JP22921097A JPH1166551A JP H1166551 A JPH1166551 A JP H1166551A JP 22921097 A JP22921097 A JP 22921097A JP 22921097 A JP22921097 A JP 22921097A JP H1166551 A JPH1166551 A JP H1166551A
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- magnetic recording
- magnetic
- css
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Abstract
(57)【要約】
【構成】非磁性基板上に、必要に応じて下地層とその上
の中間層を介し、少なくとも磁性層を有し、場合により
磁性層上に保護層を設けた磁気記録媒体であって、CS
Sゾーンにおける平均粗さ面がデータゾーンにおける平
均粗さ面より低く、かつ媒体表面上における一つの窪み
の面積Sが0.25〜100μm2 である窪みをCSS
ゾーンに1mm2 あたり10〜108 個備えており、該
窪みの平均深さが1〜30nmであることを特徴とする
磁気記録媒体。 【効果】本発明により、磁気記録媒体の基板または下地
層の表面に深さが制御された窪みを作成することがで
き、CSS時の摩擦が極端に小さくなり、また、ヘッド
の媒体表面へのスティキングも発生しなくなる。特に、
高温、高湿下等の環境テストにおいても安定なCSS特
性を示す磁気記録媒体を得ることができる。またヘッド
クラッシュやヘッドの空間での不安定化が起こらない。
の中間層を介し、少なくとも磁性層を有し、場合により
磁性層上に保護層を設けた磁気記録媒体であって、CS
Sゾーンにおける平均粗さ面がデータゾーンにおける平
均粗さ面より低く、かつ媒体表面上における一つの窪み
の面積Sが0.25〜100μm2 である窪みをCSS
ゾーンに1mm2 あたり10〜108 個備えており、該
窪みの平均深さが1〜30nmであることを特徴とする
磁気記録媒体。 【効果】本発明により、磁気記録媒体の基板または下地
層の表面に深さが制御された窪みを作成することがで
き、CSS時の摩擦が極端に小さくなり、また、ヘッド
の媒体表面へのスティキングも発生しなくなる。特に、
高温、高湿下等の環境テストにおいても安定なCSS特
性を示す磁気記録媒体を得ることができる。またヘッド
クラッシュやヘッドの空間での不安定化が起こらない。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体及びその
製造方法に関するものである。特に、磁気ディスク装置
においては、良好なCSS(コンタクトスタートアンド
ストップ)特性およびヘッドの媒体表面へのスティッキ
ング特性とヘッドの低浮上化を同時に可能にする薄膜型
の磁気記録媒体の製造方法に関する。
製造方法に関するものである。特に、磁気ディスク装置
においては、良好なCSS(コンタクトスタートアンド
ストップ)特性およびヘッドの媒体表面へのスティッキ
ング特性とヘッドの低浮上化を同時に可能にする薄膜型
の磁気記録媒体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、ハードディスクはその使用に際
し、ディスクを高速で回転して磁気ヘッドを浮上させ、
ハードディスクへの書き込み/読み出し等をこの磁気ヘ
ッドを介して行っている。ハードディスクは、その磁気
特性の向上のため、ディスクの基板面あるいは基板面上
に設けられたNiPメッキ等の非磁性体からなる下地層
上に、磁気ディスクの円周方向にほぼ同心円状に機械的
研磨を行って加工痕を残す加工(以下、機械的テキスチ
ャという)が行われている。また、表面性と硬度に優れ
るガラス基板を使う場合には、弗酸でガラスの表面をエ
ッチングして表面に凹凸を付ける方法や微小な粒子を基
板の表面に塗布する方法が用いられている。
し、ディスクを高速で回転して磁気ヘッドを浮上させ、
ハードディスクへの書き込み/読み出し等をこの磁気ヘ
ッドを介して行っている。ハードディスクは、その磁気
特性の向上のため、ディスクの基板面あるいは基板面上
に設けられたNiPメッキ等の非磁性体からなる下地層
上に、磁気ディスクの円周方向にほぼ同心円状に機械的
研磨を行って加工痕を残す加工(以下、機械的テキスチ
ャという)が行われている。また、表面性と硬度に優れ
るガラス基板を使う場合には、弗酸でガラスの表面をエ
ッチングして表面に凹凸を付ける方法や微小な粒子を基
板の表面に塗布する方法が用いられている。
【0003】近年の情報量の増大と装置の小型軽量化の
要求により、線記録密度及びトラック密度が高くなり、
1ビット当りの面積が小さくなってくると、従来のよう
な機械的テキスチャによるスクラッチ傷は情報読み出し
の際にエラーとなる確率が高くなる。また、内周部にあ
るCSSゾーンのみに機械的テキスチャを施しデータ記
録領域はそのままにする方法もあるが、データ記録領域
の面がCSSゾーンの面の高さよりも高くなり、ヘッド
がシークする時にクラッシュするという問題があった。
要求により、線記録密度及びトラック密度が高くなり、
1ビット当りの面積が小さくなってくると、従来のよう
な機械的テキスチャによるスクラッチ傷は情報読み出し
の際にエラーとなる確率が高くなる。また、内周部にあ
るCSSゾーンのみに機械的テキスチャを施しデータ記
録領域はそのままにする方法もあるが、データ記録領域
の面がCSSゾーンの面の高さよりも高くなり、ヘッド
がシークする時にクラッシュするという問題があった。
【0004】また、こうした機械的テキスチャに代え
て、レーザでテキスチャパターンを作る方法も提案され
ている。先に本発明者らは特願平6−152131号に
おいて、パルスレーザで作成した凸状突起をテキスチャ
パターンとして利用する方法を提案した。この方法はC
SS特性改善に極めて有効であるが、突起部に十分な強
度がない場合、CSS時のディスクの摩耗量が増加し、
特に高温、高湿等の環境ではCSS特性が劣化するとい
う問題が生じることがある。
て、レーザでテキスチャパターンを作る方法も提案され
ている。先に本発明者らは特願平6−152131号に
おいて、パルスレーザで作成した凸状突起をテキスチャ
パターンとして利用する方法を提案した。この方法はC
SS特性改善に極めて有効であるが、突起部に十分な強
度がない場合、CSS時のディスクの摩耗量が増加し、
特に高温、高湿等の環境ではCSS特性が劣化するとい
う問題が生じることがある。
【0005】また、突起をフォトリソグラフィを使って
形成する方法も提案されており、日本潤滑学会トライボ
ロジー予稿集(1991−5,A−11),(1992
−10,B−6)にはディスクの全表面に対する面積比
が0.1〜5%の同心円状の凸部、または突起をフォト
リソグラフィによって形成した磁気ディスクのCSSの
テスト結果が開示されている。しかし、この方法は、工
業化が容易でないという問題があった。
形成する方法も提案されており、日本潤滑学会トライボ
ロジー予稿集(1991−5,A−11),(1992
−10,B−6)にはディスクの全表面に対する面積比
が0.1〜5%の同心円状の凸部、または突起をフォト
リソグラフィによって形成した磁気ディスクのCSSの
テスト結果が開示されている。しかし、この方法は、工
業化が容易でないという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】こうした問題に鑑み、
磁気記録媒体の高密度化、媒体の表面性の向上に伴い、
ヘッドと媒体の摺動特性の改善が望まれている。
磁気記録媒体の高密度化、媒体の表面性の向上に伴い、
ヘッドと媒体の摺動特性の改善が望まれている。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは鋭意
検討の結果、ディスク表面の突起により引き起こされる
ものであること、一方テキスチャの目的はディスク表面
があまりに平滑であると、ディスクとそれを読みとるた
めのヘッドが固着してしまうことを防ぐことであり、突
起は必ずしも必要ではないことを見出し本発明に到達し
た。すなわち本発明の目的は、ヘッドとの摺動特性に優
れ、かつクラッシュしにくい磁気記録媒体を提供するこ
とにあり、かかる目的は、磁気記録媒体のCSSゾーン
における平均粗さ面がデータゾーンにおける平均粗さ面
より低く、かつCSSゾーンに複数の窪みを有し、該窪
みの面積Sが0.25〜100μm2 、個数が1mm2
あたり10〜108 個、平均深さが1〜30nmである
ことを特徴とする磁気記録媒体および、該磁気記録媒体
を製造する方法として、レーザ光照射により複数の突起
と窪みを形成した後に、突起を取り除くことにより窪み
を複数形成することを特徴とする磁気記録媒体の製造方
法、に存する。
検討の結果、ディスク表面の突起により引き起こされる
ものであること、一方テキスチャの目的はディスク表面
があまりに平滑であると、ディスクとそれを読みとるた
めのヘッドが固着してしまうことを防ぐことであり、突
起は必ずしも必要ではないことを見出し本発明に到達し
た。すなわち本発明の目的は、ヘッドとの摺動特性に優
れ、かつクラッシュしにくい磁気記録媒体を提供するこ
とにあり、かかる目的は、磁気記録媒体のCSSゾーン
における平均粗さ面がデータゾーンにおける平均粗さ面
より低く、かつCSSゾーンに複数の窪みを有し、該窪
みの面積Sが0.25〜100μm2 、個数が1mm2
あたり10〜108 個、平均深さが1〜30nmである
ことを特徴とする磁気記録媒体および、該磁気記録媒体
を製造する方法として、レーザ光照射により複数の突起
と窪みを形成した後に、突起を取り除くことにより窪み
を複数形成することを特徴とする磁気記録媒体の製造方
法、に存する。
【0008】以下、本発明を主として製造方法を通して
詳細に説明する。本発明においては、通常まず、磁気記
録媒体の基板または下地層の表面に、レーザ光を照射し
て基板または下地層の表面に複数の突起及び窪みを形成
する。ついで、該基板または下地層の表面を機械的に研
磨することにより、突起を取り除き窪みを残す。
詳細に説明する。本発明においては、通常まず、磁気記
録媒体の基板または下地層の表面に、レーザ光を照射し
て基板または下地層の表面に複数の突起及び窪みを形成
する。ついで、該基板または下地層の表面を機械的に研
磨することにより、突起を取り除き窪みを残す。
【0009】磁気記録媒体を製造するためには、通常、
非磁性基板上に膜厚が通常20〜200nmのCr、あ
るいはCu等の下地層を設ける。場合によっては基板と
上記層との間に更に膜厚が通常100〜20,000n
mのNiPからなる下地層を設けてもよい。磁気記録媒
体の基板または下地層の表面に、レーザ光を照射して基
板または下地層の表面に窪みを形成する好ましい方法と
しては、磁気記録媒体用基板またはこの上に下地層を設
けた基板を回転させながら、その表面に円周方向に沿っ
て、出力を精度良く制御したレーザ光線を照射して表面
に窪みを形成する。レーザ光としては、Ar等のガスレ
ーザ又は単一モードで連続発振が可能なYAG等の固体
レーザを変調器で適当なパルス長にしたもの、あるい
は、YAG、YLF等の固体Qスイッチレーザ、あるい
は半導体レーザ等が使われる。パルス幅としては100
ns以上が好ましい。
非磁性基板上に膜厚が通常20〜200nmのCr、あ
るいはCu等の下地層を設ける。場合によっては基板と
上記層との間に更に膜厚が通常100〜20,000n
mのNiPからなる下地層を設けてもよい。磁気記録媒
体の基板または下地層の表面に、レーザ光を照射して基
板または下地層の表面に窪みを形成する好ましい方法と
しては、磁気記録媒体用基板またはこの上に下地層を設
けた基板を回転させながら、その表面に円周方向に沿っ
て、出力を精度良く制御したレーザ光線を照射して表面
に窪みを形成する。レーザ光としては、Ar等のガスレ
ーザ又は単一モードで連続発振が可能なYAG等の固体
レーザを変調器で適当なパルス長にしたもの、あるい
は、YAG、YLF等の固体Qスイッチレーザ、あるい
は半導体レーザ等が使われる。パルス幅としては100
ns以上が好ましい。
【0010】本発明において、レーザ光線の照射により
形成された溶融液体部中で、レーザ光線の走査方向と直
角の方向には殆んど温度勾配がつかず、走査方向のみに
温度勾配が発生するような状態をつくると、液体表面は
温度が低い方が表面張力が高いため、溶融液体部のうち
温度の低い部分で丸く凸部となり、最後に固化する高温
部分、つまりビームが走査された最後の部分は凹部とな
り、急冷固化されることにより、後述するような形状の
突起及び窪みを形成することができる。
形成された溶融液体部中で、レーザ光線の走査方向と直
角の方向には殆んど温度勾配がつかず、走査方向のみに
温度勾配が発生するような状態をつくると、液体表面は
温度が低い方が表面張力が高いため、溶融液体部のうち
温度の低い部分で丸く凸部となり、最後に固化する高温
部分、つまりビームが走査された最後の部分は凹部とな
り、急冷固化されることにより、後述するような形状の
突起及び窪みを形成することができる。
【0011】好ましくは、照射するレーザ光線が、パル
ス状のレーザビームであり、被照射表面において、1回
当りの照射時間におけるパルス状レーザの走査距離がパ
ルス状レーザのスポット径の通常1/4以上、好ましく
は1/2以上とする。本発明において、レーザ光線の走
査方向とは、静止した被照射媒体上でレーザ光線が走査
する方向のみならず、レーザ光線は静止させておき、被
照射媒体を回転させた状態で照射する場合の被照射媒体
の回転方向、あるいはレーザ光線及び被照射媒体を移動
させた場合等をも示す相対的なものである。また、本発
明においてレーザ光線のスポット径とはエネルギーの8
4%が集中する1/e2 の径をいう。
ス状のレーザビームであり、被照射表面において、1回
当りの照射時間におけるパルス状レーザの走査距離がパ
ルス状レーザのスポット径の通常1/4以上、好ましく
は1/2以上とする。本発明において、レーザ光線の走
査方向とは、静止した被照射媒体上でレーザ光線が走査
する方向のみならず、レーザ光線は静止させておき、被
照射媒体を回転させた状態で照射する場合の被照射媒体
の回転方向、あるいはレーザ光線及び被照射媒体を移動
させた場合等をも示す相対的なものである。また、本発
明においてレーザ光線のスポット径とはエネルギーの8
4%が集中する1/e2 の径をいう。
【0012】窪み深さはレーザの強度とその平均照射時
間、及びディスクの線速度を調節することによって自由
に制御され、窪みの密度は、1周当たりの窪みの個数、
パルスレーザの半径方向の照射間隔、及び上記の窪みの
深さを制御する条件を調節することにより自由に制御さ
れる。また、半径方向については連続的に移動させ、渦
巻状の走査を行なうようにすると時間的に効率がよい。
通常、レーザの強度は20〜500mW、平均照射時間
は0.05〜5μsec、レーザのスポット径は0.2
〜4μm、基板の線速度は1〜15m/secが好まし
い。ここで、レーザの平均照射時間とは、1つの突起及
び窪みを形成させるのにレーザを下地層表面に照射した
時間を示す。
間、及びディスクの線速度を調節することによって自由
に制御され、窪みの密度は、1周当たりの窪みの個数、
パルスレーザの半径方向の照射間隔、及び上記の窪みの
深さを制御する条件を調節することにより自由に制御さ
れる。また、半径方向については連続的に移動させ、渦
巻状の走査を行なうようにすると時間的に効率がよい。
通常、レーザの強度は20〜500mW、平均照射時間
は0.05〜5μsec、レーザのスポット径は0.2
〜4μm、基板の線速度は1〜15m/secが好まし
い。ここで、レーザの平均照射時間とは、1つの突起及
び窪みを形成させるのにレーザを下地層表面に照射した
時間を示す。
【0013】レーザビームの照射面積を変えるには、通
常、用いるレーザの波長と対物レンズの開口率を変えれ
ばよく、開口率が0.1〜0.95の対物レンズを用い
ることにより、ビームの照射径は0.3〜6μm程度ま
で制御できる。本発明に用いるビームの照射径は2μm
以下、更に望ましくは1μm以下が望ましい。レーザの
システムとしては連続発振ができるAr等のガスレーザ
に変調器を用いたものや、固体レーザのYAG、あるい
は半導体レーザ等が利用できるが、いずれにしてもスポ
ット径が小さくできるシステムが望ましい。
常、用いるレーザの波長と対物レンズの開口率を変えれ
ばよく、開口率が0.1〜0.95の対物レンズを用い
ることにより、ビームの照射径は0.3〜6μm程度ま
で制御できる。本発明に用いるビームの照射径は2μm
以下、更に望ましくは1μm以下が望ましい。レーザの
システムとしては連続発振ができるAr等のガスレーザ
に変調器を用いたものや、固体レーザのYAG、あるい
は半導体レーザ等が利用できるが、いずれにしてもスポ
ット径が小さくできるシステムが望ましい。
【0014】本発明の好ましい態様として、ハードディ
スク等においては、窪みは磁気ヘッドがCSS(コンタ
クトスタートアンドストップ)を行なう領域に存在し、
データ記録領域には存在しない磁気記録媒体の作成方法
が挙げられる。このようにすることにより、データ記録
領域においては磁性層表面を平滑にすることができるた
め、従来のようなスクラッチ傷によるエラーを減少させ
ることができる。
スク等においては、窪みは磁気ヘッドがCSS(コンタ
クトスタートアンドストップ)を行なう領域に存在し、
データ記録領域には存在しない磁気記録媒体の作成方法
が挙げられる。このようにすることにより、データ記録
領域においては磁性層表面を平滑にすることができるた
め、従来のようなスクラッチ傷によるエラーを減少させ
ることができる。
【0015】また、さらに好ましい態様として、窪みを
磁気ヘッドがCSSを行なう領域に作成しデータ記録領
域には作成せず、かつその窪みの深さをデータ記録領域
に向かって減少するように磁気記録媒体を作成すること
が挙げられる。窪み深さをデータ記録領域に向かって減
少させることにより、データ記録領域からCSSゾーン
あるいは逆の方向にヘッドを安定にシークすることがで
きる。また、窪みの密度をデータ記録領域に向かって減
少させることにより窪み深さを低減させた場合と同様な
効果を得ることができる。また、該窪み深さおよび密度
の両方をデータ記録領域に向かって減少させることも好
ましい。
磁気ヘッドがCSSを行なう領域に作成しデータ記録領
域には作成せず、かつその窪みの深さをデータ記録領域
に向かって減少するように磁気記録媒体を作成すること
が挙げられる。窪み深さをデータ記録領域に向かって減
少させることにより、データ記録領域からCSSゾーン
あるいは逆の方向にヘッドを安定にシークすることがで
きる。また、窪みの密度をデータ記録領域に向かって減
少させることにより窪み深さを低減させた場合と同様な
効果を得ることができる。また、該窪み深さおよび密度
の両方をデータ記録領域に向かって減少させることも好
ましい。
【0016】上記の結果、CSSゾーンにおける平均粗
さ面が、データゾーンから離れるに従って低くなること
になるが、その度合いとしては、該平均粗さ面のデータ
ゾーンに最も近いCSSゾーンの部分と遠いCSSゾー
ンの部分との差が、0.5nmから10nmの範囲にあ
ることが好ましい。なぜなら、0.5nmより小さい
と、充分な窪みの効果が得られにくく、10nmより大
きいとデータ領域−CSS領域間をヘッドが安定してシ
ークできない恐れがあるからである。ここで、平均粗さ
面とは、CSS領域の高さデータを適当な領域に分割し
てそこでの平均値を求め、その値をその領域のほぼ中央
の位置における高さの値とし、それらの点を相互に結ん
でできた面のことを言う。分割する領域の面積は、その
結果できる平均粗さ面が大方滑らかになる範囲でできる
だけ小さくなるように選ばれ、通常20μm角から10
0μm角程度に選ばれる。そしてこの平均粗さ面を基準
として窪みの面積や深さを求める。
さ面が、データゾーンから離れるに従って低くなること
になるが、その度合いとしては、該平均粗さ面のデータ
ゾーンに最も近いCSSゾーンの部分と遠いCSSゾー
ンの部分との差が、0.5nmから10nmの範囲にあ
ることが好ましい。なぜなら、0.5nmより小さい
と、充分な窪みの効果が得られにくく、10nmより大
きいとデータ領域−CSS領域間をヘッドが安定してシ
ークできない恐れがあるからである。ここで、平均粗さ
面とは、CSS領域の高さデータを適当な領域に分割し
てそこでの平均値を求め、その値をその領域のほぼ中央
の位置における高さの値とし、それらの点を相互に結ん
でできた面のことを言う。分割する領域の面積は、その
結果できる平均粗さ面が大方滑らかになる範囲でできる
だけ小さくなるように選ばれ、通常20μm角から10
0μm角程度に選ばれる。そしてこの平均粗さ面を基準
として窪みの面積や深さを求める。
【0017】窪み深さをデータ記録領域に向かって減少
させるためには、レーザ光線の出力をデータ記録領域に
向かって減少させる等の方法が挙げられる。また、窪み
密度をデータ記録領域に向かって減少させるためには、
レーザ光線の照射間隔をデータ記録領域に向かって大き
くする等の方法が挙げられる。本発明において、レーザ
光線により被照射媒体表面に作成される窪みの深さは、
AFMでディスク面の窪みを含む面を測定し、高さデー
タのヒストグラムの最大値を与える高さの値と、高さデ
ータの最小値との差として求めた。この窪み深さは、好
ましくは1〜30nm、特に好ましくは10〜30nm
であり、窪み深さの平均が30nmを超えるとヘッドの
安定浮上に悪影響があり、また、1nm未満では基板が
元来有する細かな粗さに埋もれてしまい所望の効果は得
られない。
させるためには、レーザ光線の出力をデータ記録領域に
向かって減少させる等の方法が挙げられる。また、窪み
密度をデータ記録領域に向かって減少させるためには、
レーザ光線の照射間隔をデータ記録領域に向かって大き
くする等の方法が挙げられる。本発明において、レーザ
光線により被照射媒体表面に作成される窪みの深さは、
AFMでディスク面の窪みを含む面を測定し、高さデー
タのヒストグラムの最大値を与える高さの値と、高さデ
ータの最小値との差として求めた。この窪み深さは、好
ましくは1〜30nm、特に好ましくは10〜30nm
であり、窪み深さの平均が30nmを超えるとヘッドの
安定浮上に悪影響があり、また、1nm未満では基板が
元来有する細かな粗さに埋もれてしまい所望の効果は得
られない。
【0018】そして窪みの面積としては、0.25〜1
00μm2 である。窪みの面積は平均粗さ面での窪みの
開孔面の面積をいうものとする。また、前述の窪み深さ
を有する窪みは、1mm2 あたり10〜108 個存在す
るのが好ましい。10個未満では十分な効果が得られ
ず、また108 個を超えて窪みを作ろうとすると互いに
干渉しあって窪みの深さをそろえるのが難しくなり、特
に好ましい存在密度は1mm2 あたり103 〜106 個
である。ここで窪みの存在密度は媒体全体での平均密度
ではなく、窪み存在部での単位面積当たりの密度をい
う。
00μm2 である。窪みの面積は平均粗さ面での窪みの
開孔面の面積をいうものとする。また、前述の窪み深さ
を有する窪みは、1mm2 あたり10〜108 個存在す
るのが好ましい。10個未満では十分な効果が得られ
ず、また108 個を超えて窪みを作ろうとすると互いに
干渉しあって窪みの深さをそろえるのが難しくなり、特
に好ましい存在密度は1mm2 あたり103 〜106 個
である。ここで窪みの存在密度は媒体全体での平均密度
ではなく、窪み存在部での単位面積当たりの密度をい
う。
【0019】本発明においては、上述のようにして基板
または下地層の表面に突起及び窪みを生成した後、該表
面を機械的に研磨することにより、窪みを形成する。機
械的に研磨する方法としては、通常の機械的テキスチャ
ーを用いることができる。通常の機械的テキスチャーの
目的は基板が有するポリッシュ痕を消すことと、その後
に形成される磁性層の磁気特性を向上させることであ
る。窪みを形成する方法としては、基板に通常の機械的
テキスチャーを施した後に、レーザで複数の突起及び窪
みを作成し、その後に再び機械的テキスチャーで突起を
研磨して、窪みのみを残す方法もあるが、工程の簡素化
のためには、まず、レーザで突起及び窪みを作成したの
ちに、機械的テキスチャーでポリッシュ痕の除去、磁気
特性の向上のためのテキスチャーと同時に、突起除去の
研磨を行ってしまうのが好ましい。
または下地層の表面に突起及び窪みを生成した後、該表
面を機械的に研磨することにより、窪みを形成する。機
械的に研磨する方法としては、通常の機械的テキスチャ
ーを用いることができる。通常の機械的テキスチャーの
目的は基板が有するポリッシュ痕を消すことと、その後
に形成される磁性層の磁気特性を向上させることであ
る。窪みを形成する方法としては、基板に通常の機械的
テキスチャーを施した後に、レーザで複数の突起及び窪
みを作成し、その後に再び機械的テキスチャーで突起を
研磨して、窪みのみを残す方法もあるが、工程の簡素化
のためには、まず、レーザで突起及び窪みを作成したの
ちに、機械的テキスチャーでポリッシュ痕の除去、磁気
特性の向上のためのテキスチャーと同時に、突起除去の
研磨を行ってしまうのが好ましい。
【0020】この結果としてCSSゾーンにおける平均
粗さ面がデータゾーンにおける平均粗さ面より低くな
る。本発明において、磁気記録媒体の基板としては、通
常アルミニウム合金板またはガラス基板等の非磁性基板
が用いられるが、銅、チタン等の金属基板、セラミック
基板、樹脂基板又はシリコン基板等を用いることもでき
る。
粗さ面がデータゾーンにおける平均粗さ面より低くな
る。本発明において、磁気記録媒体の基板としては、通
常アルミニウム合金板またはガラス基板等の非磁性基板
が用いられるが、銅、チタン等の金属基板、セラミック
基板、樹脂基板又はシリコン基板等を用いることもでき
る。
【0021】非磁性基板上に膜厚が通常20〜200n
mのCr、あるいはCu等の下地層を設け、場合によっ
ては基板と上記層との間に更に膜厚が通常100〜2
0,000nmの例えばNiP合金等非磁性体からなる
下地層を設けてもよい。下地層は、通常無電解メッキ法
またはスパッタ法により形成される。磁気記録層は、無
電解メッキ、電気メッキ、スパッタ、蒸着等の方法によ
って形成され、Co−P、Co−Ni−P、Co−Ni
−Cr、Co−Ni−Pt、Co−Cr−Ta、Co−
Cr−Pt、Co−Cr−Ta−Pt系合金等の強磁性
合金薄膜を形成し、その膜厚は通常30から70nm程
度である。
mのCr、あるいはCu等の下地層を設け、場合によっ
ては基板と上記層との間に更に膜厚が通常100〜2
0,000nmの例えばNiP合金等非磁性体からなる
下地層を設けてもよい。下地層は、通常無電解メッキ法
またはスパッタ法により形成される。磁気記録層は、無
電解メッキ、電気メッキ、スパッタ、蒸着等の方法によ
って形成され、Co−P、Co−Ni−P、Co−Ni
−Cr、Co−Ni−Pt、Co−Cr−Ta、Co−
Cr−Pt、Co−Cr−Ta−Pt系合金等の強磁性
合金薄膜を形成し、その膜厚は通常30から70nm程
度である。
【0022】磁気記録層上には、通常、更に保護層が設
けられるが、保護層としては蒸着、スパッタ、プラズマ
CVD、イオンプレーティング、湿式法等の方法によ
り、炭素膜、水素化カーボン膜、TiC、SiC等の炭
化物膜、SiN、TiN等の窒化膜等、SiO、Al
O、ZrO等の酸化物膜等が成膜される。これらのうち
特に好ましくは、炭素膜、水素化カーボン膜であり、さ
らには、炭素を主成分とし水素の存在比率(H/C、原
子数%)が0.1〜40at%、なかでも1〜30at
%である水素化カーボン膜が好ましい。また、保護層上
には、通常、潤滑剤層が設けられる。ただし、スライダ
ー面にダイヤモンド状カーボンの層を有する磁気ヘッド
を使う場合は、媒体とのトライボロジ的な性質が改善さ
れるので、必ずしも保護層を設ける必要はない。
けられるが、保護層としては蒸着、スパッタ、プラズマ
CVD、イオンプレーティング、湿式法等の方法によ
り、炭素膜、水素化カーボン膜、TiC、SiC等の炭
化物膜、SiN、TiN等の窒化膜等、SiO、Al
O、ZrO等の酸化物膜等が成膜される。これらのうち
特に好ましくは、炭素膜、水素化カーボン膜であり、さ
らには、炭素を主成分とし水素の存在比率(H/C、原
子数%)が0.1〜40at%、なかでも1〜30at
%である水素化カーボン膜が好ましい。また、保護層上
には、通常、潤滑剤層が設けられる。ただし、スライダ
ー面にダイヤモンド状カーボンの層を有する磁気ヘッド
を使う場合は、媒体とのトライボロジ的な性質が改善さ
れるので、必ずしも保護層を設ける必要はない。
【0023】
【実施例】次に、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施
例によって限定されるものではない。 (実施例1〜3)直径95mmのディスク状Al基板上
に膜厚10μmのNiPをメッキした後、表面粗さRa
が2nm以下になるように表面研磨を行ってNiP下地
層を有する基板を得た。次に、レーザの強度163m
W、平均照射時間0.6μsec、レーザの集光に用い
た対物レンズの開口率NAとして、エネルギーの84%
(1/e2 )が集中するスポット径(1.22×λ/N
A)が1.0μm、基板の線速度1714m/secの
範囲内の条件で、ディスクの内周部の半径18〜21m
mのCSS領域にArパルスレーザを照射してNiP下
地表面にピッチ10μmの渦巻線状に突起及び窪みを作
成した。なお、Arレーザの波長は488nmを使用し
た。
明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施
例によって限定されるものではない。 (実施例1〜3)直径95mmのディスク状Al基板上
に膜厚10μmのNiPをメッキした後、表面粗さRa
が2nm以下になるように表面研磨を行ってNiP下地
層を有する基板を得た。次に、レーザの強度163m
W、平均照射時間0.6μsec、レーザの集光に用い
た対物レンズの開口率NAとして、エネルギーの84%
(1/e2 )が集中するスポット径(1.22×λ/N
A)が1.0μm、基板の線速度1714m/secの
範囲内の条件で、ディスクの内周部の半径18〜21m
mのCSS領域にArパルスレーザを照射してNiP下
地表面にピッチ10μmの渦巻線状に突起及び窪みを作
成した。なお、Arレーザの波長は488nmを使用し
た。
【0024】レーザによる突起及び窪みの形成の後、粒
径が約1μmの遊離ダイヤモンド砥粒を用い、突起が平
坦になるまで、基板面を周方向に研磨した。図1は、実
施例1で得られたNiP下地層の表面形状をレーザ干渉
による表面形状測定装置(米国ザイゴ社製「ZYG
O」)で観察した結果を表す図であり、図2はその断面
図である。
径が約1μmの遊離ダイヤモンド砥粒を用い、突起が平
坦になるまで、基板面を周方向に研磨した。図1は、実
施例1で得られたNiP下地層の表面形状をレーザ干渉
による表面形状測定装置(米国ザイゴ社製「ZYG
O」)で観察した結果を表す図であり、図2はその断面
図である。
【0025】次いで,スパッタ法により,上記NiP基
板上に、順次、Cr中間層(100nm)、Co−Cr
−Ta合金磁性膜(50nm)を製膜した。 さらに、
カーボン保護膜を(20nm)を形成し、その後、浸漬
法によりフッ素系液体潤滑剤(モンテエジソン社製「D
OL−2000」)を2nm塗布して、磁気記録媒体を
作製した。
板上に、順次、Cr中間層(100nm)、Co−Cr
−Ta合金磁性膜(50nm)を製膜した。 さらに、
カーボン保護膜を(20nm)を形成し、その後、浸漬
法によりフッ素系液体潤滑剤(モンテエジソン社製「D
OL−2000」)を2nm塗布して、磁気記録媒体を
作製した。
【0026】(比較例1〜2)レーザによって突起及び
窪みを形成した後、突起を研磨にて除去することをしな
いこと以外は実施例1(比較例1の場合)、または実施
例2(比較例2の場合)と同様にして磁気記録媒体を製
作した。図3は、比較例1で得られたNiP下地層の表
面形状をレーザ干渉による表面形状測定装置(米国ザイ
ゴ社製「ZYGO」)で観察した結果を表す図であり、
図4はその断面図である。
窪みを形成した後、突起を研磨にて除去することをしな
いこと以外は実施例1(比較例1の場合)、または実施
例2(比較例2の場合)と同様にして磁気記録媒体を製
作した。図3は、比較例1で得られたNiP下地層の表
面形状をレーザ干渉による表面形状測定装置(米国ザイ
ゴ社製「ZYGO」)で観察した結果を表す図であり、
図4はその断面図である。
【0027】表−1に実施例と比較例の基板へのレーザ
による突起/窪み作成条件、線速度、レーザの強度、レ
ーザの平均照射時間、平均突起密度(レーザ照射のイン
ターバルに相当)、平均窪み深さ( 比較例の場合は平均
突起高さ)、平均窪み面積、レーザの集光に用いた対物
レンズの開口率NAを示す。
による突起/窪み作成条件、線速度、レーザの強度、レ
ーザの平均照射時間、平均突起密度(レーザ照射のイン
ターバルに相当)、平均窪み深さ( 比較例の場合は平均
突起高さ)、平均窪み面積、レーザの集光に用いた対物
レンズの開口率NAを示す。
【0028】
【表1】 表−1 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 基板 レー 平均 平均窪 平均 対物 平均 平均 線 ザ 照射 み/突 窪み レン 突起 窪み 速度 強度 時間 起密度 深さ ズ開 高さ 面積 (mm/sec) (mW) (μsec)(個/mm2) (nm) 口率 (nm) (μm2) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例1 400 700 0.3 40000 10 0.3 -- 3 実施例2 400 850 0.3 40000 16 0.3 -- 4 実施例3 400 1000 0.3 40000 20 0.3 -- 5 比較例1 400 700 0.3 40000 -- 0.3 17 -- 比較例2 400 850 0.3 40000 -- 0.3 24 -- −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0029】表−2にこれらのディスクのCSSテスト
前の静止摩擦係数(初期スティクション)及びCSS2
万回後の摩擦力を示した。CSSテストはヘッド浮上量
1.6μインチ、ロードグラム6gfの薄膜ヘッド(ス
ライダ材質Al2O3TiC)を用いた。CSSゾーン
の安定浮上高さは、全て1.2μインチであった。な
お、実験の条件としては、常温、常湿で行なった。 表
−3は、表−2に示した実験を温度が65°C、湿度が
10%の条件で行なったものである。
前の静止摩擦係数(初期スティクション)及びCSS2
万回後の摩擦力を示した。CSSテストはヘッド浮上量
1.6μインチ、ロードグラム6gfの薄膜ヘッド(ス
ライダ材質Al2O3TiC)を用いた。CSSゾーン
の安定浮上高さは、全て1.2μインチであった。な
お、実験の条件としては、常温、常湿で行なった。 表
−3は、表−2に示した実験を温度が65°C、湿度が
10%の条件で行なったものである。
【0030】
【表2】 表−2 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 初期スティクション CSS2万回後の (摩擦係数) 摩擦力 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例1 0.24 7gf 実施例2 0.18 10gf 実施例3 0.15 13gf 比較例1 0.20 16gf 比較例2 0.17 21gf −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0031】
【表3】 表−3 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 初期スティクション CSS2万回後の (摩擦係数) 摩擦力 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例1 0.22 14gf 実施例2 0.19 17gf 実施例3 0.15 19gf 比較例1 0.25 34gf 比較例2 0.22 45gf −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、磁気記録媒体の基板ま
たは下地層の表面に深さが制御された窪みを作成するこ
とができる、したがって、磁気ヘッド下面と磁気記録媒
体表面との接触面積が少なくなるため、CSS時の摩擦
が極端に小さくなり、また、ヘッドの媒体表面へのステ
ィキングも全く発生しなくなる。特に、高温、高湿下等
の環境テストにおいても安定なCSS特性を示す磁気記
録媒体を得ることができる。
たは下地層の表面に深さが制御された窪みを作成するこ
とができる、したがって、磁気ヘッド下面と磁気記録媒
体表面との接触面積が少なくなるため、CSS時の摩擦
が極端に小さくなり、また、ヘッドの媒体表面へのステ
ィキングも全く発生しなくなる。特に、高温、高湿下等
の環境テストにおいても安定なCSS特性を示す磁気記
録媒体を得ることができる。
【0033】また、ヘッドのCSS領域のみにこうした
窪みを作った場合でも、機械的なテキスチャはデータ記
録領域とCSS領域とを均一に行なうため、それぞれの
平均的な面の高さはほとんど変わらず、ヘッドをデータ
記録領域とCSS領域との間でシークした時にヘッドの
安定浮上高さの変動が少なく、ヘッドクラッシュやヘッ
ドの空間での不安定化が起こらない。
窪みを作った場合でも、機械的なテキスチャはデータ記
録領域とCSS領域とを均一に行なうため、それぞれの
平均的な面の高さはほとんど変わらず、ヘッドをデータ
記録領域とCSS領域との間でシークした時にヘッドの
安定浮上高さの変動が少なく、ヘッドクラッシュやヘッ
ドの空間での不安定化が起こらない。
【0034】更に、このレーザによる窪みの高さや密度
をデータゾーンに近付くにしたがって制御することもで
きるため、ヘッドのデータ記録領域とCSS領域間での
シークは極めて滑らかに行なうことができ、ヘッドのフ
ライングハイトを小さくできる。したがって、高密度の
磁気記録媒体の製造が可能となり、工業的な意義は極め
て大きい。
をデータゾーンに近付くにしたがって制御することもで
きるため、ヘッドのデータ記録領域とCSS領域間での
シークは極めて滑らかに行なうことができ、ヘッドのフ
ライングハイトを小さくできる。したがって、高密度の
磁気記録媒体の製造が可能となり、工業的な意義は極め
て大きい。
【図1】図1は、表面形状装置により観察した本発明の
実施例1のNiP下地層表面の突起の形状を示す斜視図
である。
実施例1のNiP下地層表面の突起の形状を示す斜視図
である。
【図2】図2は、図1に示した突起の断面図である。
【図3】図3は、表面形状装置により観察した本発明の
比較例1のNiP下地層表面の突起の形状を示す斜視図
である。
比較例1のNiP下地層表面の突起の形状を示す斜視図
である。
【図4】図4は、図3に示した突起の断面図である。
Claims (8)
- 【請求項1】非磁性基板上に、必要に応じて下地層とそ
の上の中間層を介し、少なくとも磁性層を有し、場合に
より磁性層上に保護層を設けた磁気記録媒体であって、
CSSゾーンにおける平均粗さ面がデータゾーンにおけ
る平均粗さ面より低く、かつ媒体表面上における一つの
窪みの面積Sが0.25〜100μm2 である窪みをC
SSゾーンに1mm2 あたり10〜108 個備えてお
り、該窪みの平均深さが1〜30nmであることを特徴
とする磁気記録媒体。 - 【請求項2】CSSゾーンにおける窪みの平均深さが、
データゾーンから離れるにしたがって、単調増加してい
る請求項1に記載の磁気記録媒体。 - 【請求項3】少なくともデータゾーンにおける面内粗さ
Raが3nm以下である請求項1又は2に記載の磁気記録
媒体 - 【請求項4】CSSゾーンにおける平均粗さ面が、デー
タゾーンから離れるに従って低くなっており、該平均粗
さ面のデータゾーンに最も近い部分と遠い部分との差
が、0.5nmから10nmの範囲にある請求項1に記
載の磁気記録媒体。 - 【請求項5】非磁性基板上に、必要に応じて下地層を介
し、少なくとも磁性層を有し、場合により磁性層上に保
護層を設けた磁気記録媒体の製造法において、非磁性基
板、または下地層の表面に、パルス状にレーザ光を集光
照射して突起と窪みを複数形成した後に、少なくとも突
起を取り除く事により窪みを複数形成することを特徴と
する磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項6】基板、または下地層の表面を機械的に研磨
することにより、レーザ光にて形成された突起を取り除
き、複数の窪みを残す請求項5に記載の磁気記録媒体の
製造方法。 - 【請求項7】レーザ光の集光照射条件を変化させること
により、媒体表面上における一つの窪みの面積Sの大き
さを制御する請求項5に記載の磁気記録媒体の製造方
法。 - 【請求項8】レーザ光にて形成された突起を取り除く際
に、基板、または下地層の表面を機械的に研磨する度合
いを制御することにより、媒体表面上における一つの窪
みの面積Sの大きさを制御する請求項5に記載の磁気記
録媒体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22921097A JPH1166551A (ja) | 1997-08-26 | 1997-08-26 | 磁気記録媒体とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22921097A JPH1166551A (ja) | 1997-08-26 | 1997-08-26 | 磁気記録媒体とその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1166551A true JPH1166551A (ja) | 1999-03-09 |
Family
ID=16888554
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22921097A Pending JPH1166551A (ja) | 1997-08-26 | 1997-08-26 | 磁気記録媒体とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1166551A (ja) |
-
1997
- 1997-08-26 JP JP22921097A patent/JPH1166551A/ja active Pending
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