JPH08153325A - 磁気記録媒体及び基板 - Google Patents
磁気記録媒体及び基板Info
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- JPH08153325A JPH08153325A JP29507594A JP29507594A JPH08153325A JP H08153325 A JPH08153325 A JP H08153325A JP 29507594 A JP29507594 A JP 29507594A JP 29507594 A JP29507594 A JP 29507594A JP H08153325 A JPH08153325 A JP H08153325A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 基板の磁性層側表面に、突起高さが1〜10
0nmであり、突起頂部から1nm低い高さにおける等
高線で囲まれた図形の面積の平均値が2μm2 以下であ
り、突起高さの1/2の高さにおける等高線で囲まれた
図形の面積の平均値が10μm2 である突起を、該表面
1mm2 当たり10〜108 個有する磁気記録媒体及び
基板。 【効果】 CSS時の摩擦が極端に小さくなり、磁気ヘ
ッドの媒体表面へのスティキングも発生しなくなる。ま
た、磁気ヘッドをデータ記録領域とCSS領域との間で
シークした時に磁気ヘッドの安定浮上高さの変動が少な
く、ヘッドクラッシュや磁気ヘッドの空間での不安定化
が起こらず、更に、極めて滑らかに行なうことができ
る。さらに、磁気ヘッドの浮上高さを小さくでき、デー
タのエラーも減少する。
0nmであり、突起頂部から1nm低い高さにおける等
高線で囲まれた図形の面積の平均値が2μm2 以下であ
り、突起高さの1/2の高さにおける等高線で囲まれた
図形の面積の平均値が10μm2 である突起を、該表面
1mm2 当たり10〜108 個有する磁気記録媒体及び
基板。 【効果】 CSS時の摩擦が極端に小さくなり、磁気ヘ
ッドの媒体表面へのスティキングも発生しなくなる。ま
た、磁気ヘッドをデータ記録領域とCSS領域との間で
シークした時に磁気ヘッドの安定浮上高さの変動が少な
く、ヘッドクラッシュや磁気ヘッドの空間での不安定化
が起こらず、更に、極めて滑らかに行なうことができ
る。さらに、磁気ヘッドの浮上高さを小さくでき、デー
タのエラーも減少する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体及び基板
に関し、詳しくは磁気ディスク装置に使用されるハード
ティスク等の磁気記録媒体及びそのための基板に関する
ものである。特に、良好なCSS(コンタクトスタート
アンドストップ)特性及び磁気ヘッドの媒体表面へのス
ティッキング特性向上と磁気ヘッドの低浮上化を同時に
可能にする薄膜型の磁気記録媒体及びその基板に関す
る。
に関し、詳しくは磁気ディスク装置に使用されるハード
ティスク等の磁気記録媒体及びそのための基板に関する
ものである。特に、良好なCSS(コンタクトスタート
アンドストップ)特性及び磁気ヘッドの媒体表面へのス
ティッキング特性向上と磁気ヘッドの低浮上化を同時に
可能にする薄膜型の磁気記録媒体及びその基板に関す
る。
【0002】
【従来の技術】通常、ハードディスクへの情報の書き込
み/読み出し等は磁気ヘッドを介して行っており、その
際にハードディスクは高速で回転して磁気ヘッドを浮上
させている。ハードディスクは、磁気特性の向上のた
め、非磁性基板面上あるいは非磁性基板上に設けられた
NiPメッキ等の非磁性体からなる下地層上に、ディス
クの円周方向にほぼ同心円状に機械的研磨を行って加工
痕を残す加工(以下、機械的テキスチャという)が行わ
れている。
み/読み出し等は磁気ヘッドを介して行っており、その
際にハードディスクは高速で回転して磁気ヘッドを浮上
させている。ハードディスクは、磁気特性の向上のた
め、非磁性基板面上あるいは非磁性基板上に設けられた
NiPメッキ等の非磁性体からなる下地層上に、ディス
クの円周方向にほぼ同心円状に機械的研磨を行って加工
痕を残す加工(以下、機械的テキスチャという)が行わ
れている。
【0003】近年の情報量の増大と装置の小型軽量化の
要求により、線記録密度及びトラック密度が高くなり、
1ビット当りの面積が小さくなってくると、従来のよう
な機械的テキスチャによるスクラッチ傷は情報読み出し
の際にエラーとなる確率が高くなる。そのため、ディス
ク内周部にあるCSS領域のみに機械的テキスチャを施
しデータ記録領域はそのままにする方法も提案されてい
るが、この場合はデータ記録領域の面がCSS領域の面
の高さよりも高くなってしまい、磁気ヘッドがシークす
る時にクラッシュするという問題があった。
要求により、線記録密度及びトラック密度が高くなり、
1ビット当りの面積が小さくなってくると、従来のよう
な機械的テキスチャによるスクラッチ傷は情報読み出し
の際にエラーとなる確率が高くなる。そのため、ディス
ク内周部にあるCSS領域のみに機械的テキスチャを施
しデータ記録領域はそのままにする方法も提案されてい
るが、この場合はデータ記録領域の面がCSS領域の面
の高さよりも高くなってしまい、磁気ヘッドがシークす
る時にクラッシュするという問題があった。
【0004】また、こうした機械的テキスチャに代え
て、レーザでテキスチャパターンを作る方法も提案され
ている。レーザによるテキスチャの例は、米国特許第
5,062,021号、同5,108,781号等に開
示されており、Nd−YAGの強パルスレーザ光により
NiP層を局所的に溶融することにより、図5に示すよ
うに、溶融して形成された凹状の穴部6とその周囲の溶
融したNiPが表面張力により盛り上がって固化して形
成された直径が2.5〜100μmのリム部7からなる
クレータ状の凹凸を多数作り、円環状の凸状リムによっ
て磁気ヘッドとのCSS特性を改善する試みが提案され
ている。しかし、この方法では磁気ヘッド下面との接触
面積が飛躍的には下がらず、磁気ヘッドとディスク間の
スティッキングの問題は、機械的テキスチャに較べて改
善されているとは言い難い。
て、レーザでテキスチャパターンを作る方法も提案され
ている。レーザによるテキスチャの例は、米国特許第
5,062,021号、同5,108,781号等に開
示されており、Nd−YAGの強パルスレーザ光により
NiP層を局所的に溶融することにより、図5に示すよ
うに、溶融して形成された凹状の穴部6とその周囲の溶
融したNiPが表面張力により盛り上がって固化して形
成された直径が2.5〜100μmのリム部7からなる
クレータ状の凹凸を多数作り、円環状の凸状リムによっ
て磁気ヘッドとのCSS特性を改善する試みが提案され
ている。しかし、この方法では磁気ヘッド下面との接触
面積が飛躍的には下がらず、磁気ヘッドとディスク間の
スティッキングの問題は、機械的テキスチャに較べて改
善されているとは言い難い。
【0005】また、突起をフォトリソグラフィを使って
形成する方法も提案されている。フォトリソグラフィに
よる例は、日本潤滑学会トライボロジー予稿集(199
1−5,A−11),(1992−10,B−6)に開
示されており、ディスクの全表面に対する面積比が0.
1〜5%の同心円状の突起をフォトリソグラフィによっ
て形成した磁気ディスクのCSSのテスト結果が示され
ている。しかし、この方法では、突起の頂部が平滑なた
め、磁気ヘッドの摺動回数と共に摩擦が増加するという
欠点があり、また工業化も容易でないという問題があっ
た。
形成する方法も提案されている。フォトリソグラフィに
よる例は、日本潤滑学会トライボロジー予稿集(199
1−5,A−11),(1992−10,B−6)に開
示されており、ディスクの全表面に対する面積比が0.
1〜5%の同心円状の突起をフォトリソグラフィによっ
て形成した磁気ディスクのCSSのテスト結果が示され
ている。しかし、この方法では、突起の頂部が平滑なた
め、磁気ヘッドの摺動回数と共に摩擦が増加するという
欠点があり、また工業化も容易でないという問題があっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、磁気記録
媒体のCSS領域では、突起の先端の面積を小さくして
磁気ヘッドとのスティッキングをなくし、しかも平均的
な面の高さをデータ記録領域とほぼ同じ高さにして、磁
気ヘッドをデータ記録領域とCSS領域との間でシーク
した時に磁気ヘッドの安定浮上高さの変動が少なく、ヘ
ッドクラッシュや磁気ヘッドの空間での不安定化が起こ
らない磁気記録媒体が望まれている。
媒体のCSS領域では、突起の先端の面積を小さくして
磁気ヘッドとのスティッキングをなくし、しかも平均的
な面の高さをデータ記録領域とほぼ同じ高さにして、磁
気ヘッドをデータ記録領域とCSS領域との間でシーク
した時に磁気ヘッドの安定浮上高さの変動が少なく、ヘ
ッドクラッシュや磁気ヘッドの空間での不安定化が起こ
らない磁気記録媒体が望まれている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、こうした高密
度記録用の磁気記録媒体に対してなされたもので、その
第1の要旨は、ケイ素基板上に磁性層を有する磁気記録
媒体であって、基板の磁性層側表面に、突起高さが1〜
100nmであり、突起頂部から1nm低い高さにおけ
る等高線で囲まれた図形の面積の平均値が2μm2 以下
であり、突起高さの1/2の高さにおける等高線で囲ま
れた図形の面積の平均値が10μm2 である突起を、該
表面1mm2 当たり10〜108 個有することを特徴と
する磁気記録媒体、に存する。
度記録用の磁気記録媒体に対してなされたもので、その
第1の要旨は、ケイ素基板上に磁性層を有する磁気記録
媒体であって、基板の磁性層側表面に、突起高さが1〜
100nmであり、突起頂部から1nm低い高さにおけ
る等高線で囲まれた図形の面積の平均値が2μm2 以下
であり、突起高さの1/2の高さにおける等高線で囲ま
れた図形の面積の平均値が10μm2 である突起を、該
表面1mm2 当たり10〜108 個有することを特徴と
する磁気記録媒体、に存する。
【0008】また、本発明の第2の要旨は、ケイ素基板
上に磁性層を有する磁気記録媒体用基板であって、基板
の磁性層側表面に、突起高さが1〜100nmであり、
突起頂部から1nm低い高さにおける等高線で囲まれた
図形の面積の平均値が2μm 2 以下であり、突起高さの
1/2の高さにおける等高線で囲まれた図形の面積の平
均値が10μm2 である突起を、該表面1mm2 当たり
10〜108 個有することを特徴とする磁気記録媒体用
基板、に存する。
上に磁性層を有する磁気記録媒体用基板であって、基板
の磁性層側表面に、突起高さが1〜100nmであり、
突起頂部から1nm低い高さにおける等高線で囲まれた
図形の面積の平均値が2μm 2 以下であり、突起高さの
1/2の高さにおける等高線で囲まれた図形の面積の平
均値が10μm2 である突起を、該表面1mm2 当たり
10〜108 個有することを特徴とする磁気記録媒体用
基板、に存する。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
磁気記録媒体及び基板は、基板の磁性層側表面に、突起
高さが1〜100nmであり、突起頂部から1nm低い
高さにおける等高線で囲まれた図形の面積の平均値が2
μm2 以下であり、突起高さの1/2の高さにおける等
高線で囲まれた図形の面積の平均値が10μm2 である
突起を、該表面1mm2 当たり10〜108 個有するこ
とを特徴とする。特に、突起の磁気記録媒体表面に平行
な断面の形状がほぼ円形であることが好ましい。
磁気記録媒体及び基板は、基板の磁性層側表面に、突起
高さが1〜100nmであり、突起頂部から1nm低い
高さにおける等高線で囲まれた図形の面積の平均値が2
μm2 以下であり、突起高さの1/2の高さにおける等
高線で囲まれた図形の面積の平均値が10μm2 である
突起を、該表面1mm2 当たり10〜108 個有するこ
とを特徴とする。特に、突起の磁気記録媒体表面に平行
な断面の形状がほぼ円形であることが好ましい。
【0010】突起の高さは、通常、1〜100nm、好
ましくは1〜60nm、更に好ましくは5〜40nmで
あり、100nmを超えると突起密度が低くてもCSS
特性は良いが磁気ヘッドの安定浮上高さはを下げること
が困難になることがあり、下1nm未満では基板が元来
有する細かな凹凸に埋もれてしまい所望の効果を得るこ
とが困難になることがある。本発明において、突起の高
さは、JIS表面粗さ(B0601−1982)により
規定される、粗さ曲線の中心線を基準とした場合の突起
の高さを表す。
ましくは1〜60nm、更に好ましくは5〜40nmで
あり、100nmを超えると突起密度が低くてもCSS
特性は良いが磁気ヘッドの安定浮上高さはを下げること
が困難になることがあり、下1nm未満では基板が元来
有する細かな凹凸に埋もれてしまい所望の効果を得るこ
とが困難になることがある。本発明において、突起の高
さは、JIS表面粗さ(B0601−1982)により
規定される、粗さ曲線の中心線を基準とした場合の突起
の高さを表す。
【0011】また、本発明における突起は、通常、突起
頂部から1nm低い高さにおける等高線で囲まれた図形
の面積の平均値(以下、等高線面積という)が2μm2
以下であり、好ましくは、1.0μm2 以下、より好ま
しくは0.5μm2 以下、更に好ましくは0.2μm2
以下の値を有する。該等高線面積が、2μm2 を超える
と磁気ヘッドとの間にスティッキングが発生しやすくな
り、CSSを作動することが不可能となる場合がある。
また、突起高さの1/2の高さの位置における等高線面
積の大きさも、用いる潤滑剤によってはCSS特性に影
響し、通常、好ましくは10μm2 以下、更に好ましく
は5μm2 以下、より好ましくは2μm 2 以下がよい。
なお、これらの等高線面積は、レーザ干渉による表面形
状測定装置、例えば、米国ザイゴ社製「ZYGO」で測
定することが可能である。
頂部から1nm低い高さにおける等高線で囲まれた図形
の面積の平均値(以下、等高線面積という)が2μm2
以下であり、好ましくは、1.0μm2 以下、より好ま
しくは0.5μm2 以下、更に好ましくは0.2μm2
以下の値を有する。該等高線面積が、2μm2 を超える
と磁気ヘッドとの間にスティッキングが発生しやすくな
り、CSSを作動することが不可能となる場合がある。
また、突起高さの1/2の高さの位置における等高線面
積の大きさも、用いる潤滑剤によってはCSS特性に影
響し、通常、好ましくは10μm2 以下、更に好ましく
は5μm2 以下、より好ましくは2μm 2 以下がよい。
なお、これらの等高線面積は、レーザ干渉による表面形
状測定装置、例えば、米国ザイゴ社製「ZYGO」で測
定することが可能である。
【0012】また、本発明においては、基板の磁性層側
表面に、上記のような突起を1mm 2 当たり10〜10
8 個有することを特徴とする。基板表面1mm2 当たり
に存在する該突起の密度が10個未満では、基板のうね
り等により磁気ヘッド下面を突起のみで支えるのは難し
くなることがあり、また108 個を超えた突起を作ろう
とすると互いに干渉しあって突起の高さをそろえるのが
難しくなることがある。したがって、突起の好ましい存
在密度は基板表面1mm2 当たり102 〜10 6 個、よ
り好ましくは1mm2 当たり103 〜105 個である。
ここで、突起の存在密度とは媒体全体での平均密度では
なく、突起存在部での単位面積当たりの密度をいう。必
要な突起密度は媒体の表面性に依存し、ケイ素基板のよ
うなウネリが少なく表面粗さも小さい基板では、突起密
度が小さくても十分効果がある。
表面に、上記のような突起を1mm 2 当たり10〜10
8 個有することを特徴とする。基板表面1mm2 当たり
に存在する該突起の密度が10個未満では、基板のうね
り等により磁気ヘッド下面を突起のみで支えるのは難し
くなることがあり、また108 個を超えた突起を作ろう
とすると互いに干渉しあって突起の高さをそろえるのが
難しくなることがある。したがって、突起の好ましい存
在密度は基板表面1mm2 当たり102 〜10 6 個、よ
り好ましくは1mm2 当たり103 〜105 個である。
ここで、突起の存在密度とは媒体全体での平均密度では
なく、突起存在部での単位面積当たりの密度をいう。必
要な突起密度は媒体の表面性に依存し、ケイ素基板のよ
うなウネリが少なく表面粗さも小さい基板では、突起密
度が小さくても十分効果がある。
【0013】本発明の好ましい態様として、突起は磁気
ヘッドがCSSを行なう領域(CSS領域)のみに存在
し、データ記録領域には存在しない磁気記録媒体が挙げ
られる。このような構成にすることにより、データ記録
領域においては磁性層の配向のみを目的とした周方向の
軽いテキスチャ等を採用することもでき、表面をより平
滑にすることができる。したがって、従来のようにCS
Sの改善を目的とした機械的テキスチャによるスクラッ
チ傷によるエラーを減少させることができる。
ヘッドがCSSを行なう領域(CSS領域)のみに存在
し、データ記録領域には存在しない磁気記録媒体が挙げ
られる。このような構成にすることにより、データ記録
領域においては磁性層の配向のみを目的とした周方向の
軽いテキスチャ等を採用することもでき、表面をより平
滑にすることができる。したがって、従来のようにCS
Sの改善を目的とした機械的テキスチャによるスクラッ
チ傷によるエラーを減少させることができる。
【0014】また、さらに好ましい態様として、突起
が、磁気ヘッドがCSSを行なう領域のみに存在しデー
タ記録領域には存在せず、かつデータ記録領域に近い側
の突起、又は全ての突起の高さがデータ記録領域に向か
って減少している磁気記録媒体が挙げられる。突起高さ
をデータ記録領域に向かって減少させることにより、デ
ータ記録領域からCSS領域あるいは逆の方向に磁気ヘ
ッドを安定にシークすることができる。この場合、デー
タ記録領域では、基板あるいは下地層の表面加工は全く
行なわず、ケイ素基板の極めて平滑な面の性質をそのま
ま磁性層の表面性に反映させることにより、磁気ヘッド
の浮上高さを下げ高密度記録用の磁気記録媒体とするこ
ともできる。
が、磁気ヘッドがCSSを行なう領域のみに存在しデー
タ記録領域には存在せず、かつデータ記録領域に近い側
の突起、又は全ての突起の高さがデータ記録領域に向か
って減少している磁気記録媒体が挙げられる。突起高さ
をデータ記録領域に向かって減少させることにより、デ
ータ記録領域からCSS領域あるいは逆の方向に磁気ヘ
ッドを安定にシークすることができる。この場合、デー
タ記録領域では、基板あるいは下地層の表面加工は全く
行なわず、ケイ素基板の極めて平滑な面の性質をそのま
ま磁性層の表面性に反映させることにより、磁気ヘッド
の浮上高さを下げ高密度記録用の磁気記録媒体とするこ
ともできる。
【0015】また、突起はCSS領域のみならず、デー
タ記録領域に存在していてもよい。これにより、データ
記録領域上に磁気ヘッドが停止してしまった場合等にお
いて、磁気ヘッドのスティッキングを防止することが可
能となる。この場合、データ記録領域の突起高さはCS
S領域の突起高さより低いことが好ましく、データ記録
領域の突起密度がCSS領域の突起密度より小さいこと
が好ましい。
タ記録領域に存在していてもよい。これにより、データ
記録領域上に磁気ヘッドが停止してしまった場合等にお
いて、磁気ヘッドのスティッキングを防止することが可
能となる。この場合、データ記録領域の突起高さはCS
S領域の突起高さより低いことが好ましく、データ記録
領域の突起密度がCSS領域の突起密度より小さいこと
が好ましい。
【0016】本発明の磁気記録媒体を製造するための好
ましい方法としては、基板を回転させながら、その表面
に円周方向に沿って、ビーム径が小さく出力を精度良く
制御したエネルギー線を照射して表面に突起を形成する
方法等が挙げられる。エネルギー線としては、パルスレ
ーザ、電子線、X線等が挙げられ、中でもパルスレーザ
を用いることが好ましく、以下、パルスレーザを用いた
場合を例として本発明を説明する。
ましい方法としては、基板を回転させながら、その表面
に円周方向に沿って、ビーム径が小さく出力を精度良く
制御したエネルギー線を照射して表面に突起を形成する
方法等が挙げられる。エネルギー線としては、パルスレ
ーザ、電子線、X線等が挙げられ、中でもパルスレーザ
を用いることが好ましく、以下、パルスレーザを用いた
場合を例として本発明を説明する。
【0017】本発明において、突起の生成機構について
は今だ解明されていないが、次のように考えられる。図
4は突起の予想される生成機構を示す概念図である。図
4に示すように、パルスレーザ3が照射され、局所的に
過熱された基板上のスポット部5は一部溶融し、基板の
回転(方向を矢印で示す)、又はレーザビームの走査に
よって溶融部分が僅かな距離だけ移動する。現象として
は、最初にレーザビームが照射され、始めに溶融する部
分が凹部となり、レーザビームが走査されて最後に固化
したと思われる部分に突起が生成する。ケイ素の密度
は、固体で2.32、液体で2.51であり、レーザビ
ームの照射によって溶解した部分の体積は小さくなる。
狭い範囲ではあるが、レーザビームが走査され、溶融し
ている部分に温度差があると、温度の高い部分に質量の
移動が起こり、固化するときに膨張、突起ができるもの
と思われるが、質量の移動の原因等は不明である。
は今だ解明されていないが、次のように考えられる。図
4は突起の予想される生成機構を示す概念図である。図
4に示すように、パルスレーザ3が照射され、局所的に
過熱された基板上のスポット部5は一部溶融し、基板の
回転(方向を矢印で示す)、又はレーザビームの走査に
よって溶融部分が僅かな距離だけ移動する。現象として
は、最初にレーザビームが照射され、始めに溶融する部
分が凹部となり、レーザビームが走査されて最後に固化
したと思われる部分に突起が生成する。ケイ素の密度
は、固体で2.32、液体で2.51であり、レーザビ
ームの照射によって溶解した部分の体積は小さくなる。
狭い範囲ではあるが、レーザビームが走査され、溶融し
ている部分に温度差があると、温度の高い部分に質量の
移動が起こり、固化するときに膨張、突起ができるもの
と思われるが、質量の移動の原因等は不明である。
【0018】このようにしてできた突起の頂部は平坦で
はなく、適度な曲率を有している。本発明において、レ
ーザビームの走査方向とは、静止した基板上でレーザビ
ームが走査する方向のみならず、レーザビームは静止さ
せておき、基板を回転させた状態で照射する場合のディ
スクの回転方向をも示すこととする。レーザビームの走
査あるいは基板の回転が遅いか、あるいはレーザビーム
のパワーが大きい等の条件によっては、熱収縮により突
起底部の周囲に凹部ができる場合もあるが、この現象の
解明も十分ではない。
はなく、適度な曲率を有している。本発明において、レ
ーザビームの走査方向とは、静止した基板上でレーザビ
ームが走査する方向のみならず、レーザビームは静止さ
せておき、基板を回転させた状態で照射する場合のディ
スクの回転方向をも示すこととする。レーザビームの走
査あるいは基板の回転が遅いか、あるいはレーザビーム
のパワーが大きい等の条件によっては、熱収縮により突
起底部の周囲に凹部ができる場合もあるが、この現象の
解明も十分ではない。
【0019】前述の米国特許第5,062,021号、
同5,108,781号記載の方法においては、レーザ
ビームの照射範囲が広く、かつレーザの出力も1.5W
等の大出力であるため、NiPの溶融範囲が広く、溶融
した液面の中心部が盛り上がらずにクレータ状となって
しまう。これに対し、本発明においては、レーザビーム
を狭い範囲に絞り、出力も低い条件下で精度良く突起を
制御するため、溶融範囲が狭く、溶融した液面の中心部
の内、最後に固化する部分が凸状に盛り上がり突起とな
る点で前記米国特許とは大きく異なる。したがって、先
端の面積も非常に小さく、急峻なCSSにとって好まし
い突起ができる。
同5,108,781号記載の方法においては、レーザ
ビームの照射範囲が広く、かつレーザの出力も1.5W
等の大出力であるため、NiPの溶融範囲が広く、溶融
した液面の中心部が盛り上がらずにクレータ状となって
しまう。これに対し、本発明においては、レーザビーム
を狭い範囲に絞り、出力も低い条件下で精度良く突起を
制御するため、溶融範囲が狭く、溶融した液面の中心部
の内、最後に固化する部分が凸状に盛り上がり突起とな
る点で前記米国特許とは大きく異なる。したがって、先
端の面積も非常に小さく、急峻なCSSにとって好まし
い突起ができる。
【0020】また、突起高さはレーザのスポット径、強
度とその平均照射時間、及びディスクの線速度を調節す
ることによって自由に制御することができ、突起の密度
は、1周当たりの突起の個数、パルスレーザの半径方向
の照射間隔、及び上記の突起の高さを制御する条件を調
節することにより自由に制御することができる。レーザ
の強度は、通常、20〜1000mW、特に好ましくは
200〜700mW、平均照射時間は、通常、0.05
〜10μsec、好ましくは1〜10μsec、特に好
ましくは2〜5μsec、スポット径は、通常、0.2
〜4μm、特に好ましくは0.8〜1.5μm、基板の
線速度は、通常、0.5〜15m/sec、特に好まし
くは3〜10m/sec、さらには5〜10m/sec
が好ましい。ここで、レーザの平均照射時間とは、1つ
の突起を形成させるのにレーザを基板に照射した時間を
示す。レーザビームの照射面積を変えるには、通常、対
物レンズの開口率を変えればよく、例えば、開口率が
0.1〜0.95の対物レンズを用いることにより、ビ
ームの照射径は0.7〜6μm程度まで制御することが
できる。
度とその平均照射時間、及びディスクの線速度を調節す
ることによって自由に制御することができ、突起の密度
は、1周当たりの突起の個数、パルスレーザの半径方向
の照射間隔、及び上記の突起の高さを制御する条件を調
節することにより自由に制御することができる。レーザ
の強度は、通常、20〜1000mW、特に好ましくは
200〜700mW、平均照射時間は、通常、0.05
〜10μsec、好ましくは1〜10μsec、特に好
ましくは2〜5μsec、スポット径は、通常、0.2
〜4μm、特に好ましくは0.8〜1.5μm、基板の
線速度は、通常、0.5〜15m/sec、特に好まし
くは3〜10m/sec、さらには5〜10m/sec
が好ましい。ここで、レーザの平均照射時間とは、1つ
の突起を形成させるのにレーザを基板に照射した時間を
示す。レーザビームの照射面積を変えるには、通常、対
物レンズの開口率を変えればよく、例えば、開口率が
0.1〜0.95の対物レンズを用いることにより、ビ
ームの照射径は0.7〜6μm程度まで制御することが
できる。
【0021】本発明において、ケイ素基板としては、純
ケイ素基板又はケイ素に強度を付加するために微量添加
元素を入れたケイ素合金基板が用いられる。磁気記録媒
体としては、基板上に直接、磁性層を製膜する場合もあ
るが、通常は、下地層として非磁性体からなる層、例え
ばNiP合金層を無電解メッキ法又はスパッタ法により
形成する。本発明のケイ素基板とは、このようにケイ素
基板上に下地層を形成したものも含む。
ケイ素基板又はケイ素に強度を付加するために微量添加
元素を入れたケイ素合金基板が用いられる。磁気記録媒
体としては、基板上に直接、磁性層を製膜する場合もあ
るが、通常は、下地層として非磁性体からなる層、例え
ばNiP合金層を無電解メッキ法又はスパッタ法により
形成する。本発明のケイ素基板とは、このようにケイ素
基板上に下地層を形成したものも含む。
【0022】ケイ素基板(基板上に下地層を形成したも
のも含む)の上にはCr層、Cu層等からなる中間層を
磁性層との間に設けるのが好ましく、その膜厚は、通
常、20〜200nm、好ましくは50〜100nmで
ある。ケイ素基板(基板上に下地層を形成したものも含
む)上又は中間層上に設ける磁性層は、通常、Co−
P、Co−Ni−P、Co−Ni−Cr、Co−Ni−
Pt、Co−Cr−Ta、Co−Cr−Pt、Co−C
r−Ta−Pt系合金等の強磁性合金薄膜を無電解メッ
キ、電気メッキ、スパッタ、蒸着等の方法によって成膜
することにより形成され、その膜厚は、通常、30〜7
0nm程度である。
のも含む)の上にはCr層、Cu層等からなる中間層を
磁性層との間に設けるのが好ましく、その膜厚は、通
常、20〜200nm、好ましくは50〜100nmで
ある。ケイ素基板(基板上に下地層を形成したものも含
む)上又は中間層上に設ける磁性層は、通常、Co−
P、Co−Ni−P、Co−Ni−Cr、Co−Ni−
Pt、Co−Cr−Ta、Co−Cr−Pt、Co−C
r−Ta−Pt系合金等の強磁性合金薄膜を無電解メッ
キ、電気メッキ、スパッタ、蒸着等の方法によって成膜
することにより形成され、その膜厚は、通常、30〜7
0nm程度である。
【0023】この磁性層上には保護層が設けられるが、
保護層としては蒸着、スパッタ、プラズマCVD、イオ
ンプレーティング、湿式法等の方法により、炭素膜、水
素化カーボン膜、TiC、SiC等の炭化物膜、Si
N、TiN等の窒化膜等、SiO、Al2O3、ZrO等
の酸化物膜等が成膜される。これらのうち,特に好まし
くは、炭素膜、水素化カーボン膜である。また、保護層
上には通常、潤滑剤層が設けられる。
保護層としては蒸着、スパッタ、プラズマCVD、イオ
ンプレーティング、湿式法等の方法により、炭素膜、水
素化カーボン膜、TiC、SiC等の炭化物膜、Si
N、TiN等の窒化膜等、SiO、Al2O3、ZrO等
の酸化物膜等が成膜される。これらのうち,特に好まし
くは、炭素膜、水素化カーボン膜である。また、保護層
上には通常、潤滑剤層が設けられる。
【0024】
【実施例】次に、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施
例によって限定されるものではない。 実施例1〜3、比較例1〜4 基板として直径64mmのディスク状基板であり、表面
粗さRaが1nm以下のミラーウェハー状ケイ素基板を
用いた。次に、表−1に記載した強度に精度良く制御さ
れた波長λ=488nmのアルゴンパルスレーザーを、
表−1に記載した条件下でケイ素基板上に照射して突起
を形成させ、磁気ディスク用基板を得た。
明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施
例によって限定されるものではない。 実施例1〜3、比較例1〜4 基板として直径64mmのディスク状基板であり、表面
粗さRaが1nm以下のミラーウェハー状ケイ素基板を
用いた。次に、表−1に記載した強度に精度良く制御さ
れた波長λ=488nmのアルゴンパルスレーザーを、
表−1に記載した条件下でケイ素基板上に照射して突起
を形成させ、磁気ディスク用基板を得た。
【0025】図1は、実施例1で得られたケイ素基板表
面形状を、レーザ干渉による表面形状測定装置(米国ザ
イゴ社製「ZYGO」)で観察した結果を表す図であ
る。図2(a)は、図1の突起のレーザの走査方向に沿
った突起の頂部を通る垂直断面図であり、図2(b)
は、突起の中心を通り、図2(a)に対して垂直な方向
の垂直断面図である。図3は図1に示した突起の凸部の
形状を上部から見た場合の形状を示したものであり、本
発明の突起は図1、図2(a)〜(b)及び図3に示す
ような形状を示し、その孤立した突起の頂部は平坦では
なく適度な曲率を有しており、また、基板面に水平な断
面形状は、ほぼ円形で、等方的な形状をしている。
面形状を、レーザ干渉による表面形状測定装置(米国ザ
イゴ社製「ZYGO」)で観察した結果を表す図であ
る。図2(a)は、図1の突起のレーザの走査方向に沿
った突起の頂部を通る垂直断面図であり、図2(b)
は、突起の中心を通り、図2(a)に対して垂直な方向
の垂直断面図である。図3は図1に示した突起の凸部の
形状を上部から見た場合の形状を示したものであり、本
発明の突起は図1、図2(a)〜(b)及び図3に示す
ような形状を示し、その孤立した突起の頂部は平坦では
なく適度な曲率を有しており、また、基板面に水平な断
面形状は、ほぼ円形で、等方的な形状をしている。
【0026】次いで、スパッタ法により、順次、NiP
層、Cr層(膜厚100nm)、Co−Cr−Ta合金
磁性膜(膜厚50nm)及びカーボン保護膜(膜厚20
nm)を形成し、その後、浸漬法によりフッ素系液体潤
滑剤(モンテエジソン社製商品名「DOL−200
0」)を2nmの膜厚に塗布して、磁気記録媒体を製造
した。
層、Cr層(膜厚100nm)、Co−Cr−Ta合金
磁性膜(膜厚50nm)及びカーボン保護膜(膜厚20
nm)を形成し、その後、浸漬法によりフッ素系液体潤
滑剤(モンテエジソン社製商品名「DOL−200
0」)を2nmの膜厚に塗布して、磁気記録媒体を製造
した。
【0027】また、比較例4は従来の機械的テキスチャ
法により、ケイ素基板にNiPをスパッタで製膜した
後、表面粗さRaが約1nmの粗さのテキスチャを施し
た基板を用いたこと以外は、実施例と同様のプロセスで
磁気ディスクを製造した。表−1に実施例1〜3及び比
較例2〜3において、突起を形成したときの条件及びそ
の測定結果(基板の線速度、レーザの強度、レーザの平
均照射時間、平均突起線密度(周方向/半径方向)、平
均突起高さ、突起先端から1nm低い部分での等高線面
積(1)、及び突起高さの1/2の部分での等高線面積
(2))を示した。なお、レーザの集光に用いた対物レ
ンズの開口率NAは全て0.6のものを用いた。エネル
ギーの84%が集中するスポット径は、1.22×λ/
NAで表される。
法により、ケイ素基板にNiPをスパッタで製膜した
後、表面粗さRaが約1nmの粗さのテキスチャを施し
た基板を用いたこと以外は、実施例と同様のプロセスで
磁気ディスクを製造した。表−1に実施例1〜3及び比
較例2〜3において、突起を形成したときの条件及びそ
の測定結果(基板の線速度、レーザの強度、レーザの平
均照射時間、平均突起線密度(周方向/半径方向)、平
均突起高さ、突起先端から1nm低い部分での等高線面
積(1)、及び突起高さの1/2の部分での等高線面積
(2))を示した。なお、レーザの集光に用いた対物レ
ンズの開口率NAは全て0.6のものを用いた。エネル
ギーの84%が集中するスポット径は、1.22×λ/
NAで表される。
【0028】
【表1】 表−1 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 基板 レーザ 平均 平均 平均 等高線 等高線 線速度 強度 照射時間 突起密度 突起高さ 面積(1) 面積(2) (mm/sec) (mW) (μsec) (個/mm) (nm) (μm2) (μm2) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例1 644 500 3.12 100/100 31 0.05 0.71 実施例2 644 500 3.12 200/50 31 0.05 0.71 実施例3 644 500 3.12 10/10 31 0.05 0.71 比較例1 レーザ照射無し 比較例2 644 50 3.12 100/100 1以上 比較例3 644 750 3.12 100/100 108 0.05 2.68 比較例4 機械的テキスチャ −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0029】表−2に、これらのディスクのCSSテス
ト前の静止摩擦係数(初期スティクション)及びCSS
2万回後の摩擦力を示した。CSSテストは磁気ヘッド
浮上量2.0μインチ、ロードグラム6gfの薄膜ヘッ
ド(スライダ材質Al2O3TiC)を用いた。CSS領
域の安定浮上高さは、比較例3を除きすべて1.0〜
1.2μインチであった。
ト前の静止摩擦係数(初期スティクション)及びCSS
2万回後の摩擦力を示した。CSSテストは磁気ヘッド
浮上量2.0μインチ、ロードグラム6gfの薄膜ヘッ
ド(スライダ材質Al2O3TiC)を用いた。CSS領
域の安定浮上高さは、比較例3を除きすべて1.0〜
1.2μインチであった。
【0030】
【表2】 表−2 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 初期スティクション CSS2万回後の (摩擦係数) 摩擦力 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例1 0.14 2gf 実施例2 0.17 4gf 実施例3 0.45 13gf 比較例1 測定不能(吸着によりヘッドクラッシュ) 比較例2 10以上 吸着ドライブ作動せず 比較例3 0.15 ヘッドクラッシュ(100回) 比較例4 5.72 吸着(600回) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、基板の磁性層側の表面
上に突起の高さとその先端の形状、突起の存在領域及び
密度が制御された表面形状が形成するため、磁気ヘッド
下面と磁気記録媒体の表面との接触面積が少なく、CS
S時の摩擦が極端に小さくなり、また、磁気ヘッドの媒
体表面へのスティキングも全く発生しなくなる。また、
周方向の突起密度を高めにし、半径方向の突起密度を小
さくしてもCSS特性があまり劣化しない性質を利用す
ると、突起形成に要する時間が短縮できる利点がある。
上に突起の高さとその先端の形状、突起の存在領域及び
密度が制御された表面形状が形成するため、磁気ヘッド
下面と磁気記録媒体の表面との接触面積が少なく、CS
S時の摩擦が極端に小さくなり、また、磁気ヘッドの媒
体表面へのスティキングも全く発生しなくなる。また、
周方向の突起密度を高めにし、半径方向の突起密度を小
さくしてもCSS特性があまり劣化しない性質を利用す
ると、突起形成に要する時間が短縮できる利点がある。
【0032】また、CSS領域のみにこうした突起を作
った場合、平均的な面の高さはほとんど変わらないた
め、磁気ヘッドをデータ記録領域とCSS領域との間で
シークした時に磁気ヘッドの安定浮上高さの変動が少な
く、ヘッドクラッシュや磁気ヘッドの空間での不安定化
が起こらない。更に、この突起の高さや密度をデータ記
録領域に近づくにしたがって制御することもできるた
め、磁気ヘッドのデータ記録領域とCSS領域との間で
のシークは極めて滑らかに行なうことができる。
った場合、平均的な面の高さはほとんど変わらないた
め、磁気ヘッドをデータ記録領域とCSS領域との間で
シークした時に磁気ヘッドの安定浮上高さの変動が少な
く、ヘッドクラッシュや磁気ヘッドの空間での不安定化
が起こらない。更に、この突起の高さや密度をデータ記
録領域に近づくにしたがって制御することもできるた
め、磁気ヘッドのデータ記録領域とCSS領域との間で
のシークは極めて滑らかに行なうことができる。
【0033】この場合データ記録領域では、従来のよう
な機械的テキスチャによる表面の傷を作る必要がないの
で、磁気ヘッドの浮上高さを小さくでき、また、前記傷
によるデータのエラーも減少するため高密度の磁気記録
媒体の製造が可能となり、工業的な意義は極めて大き
い。
な機械的テキスチャによる表面の傷を作る必要がないの
で、磁気ヘッドの浮上高さを小さくでき、また、前記傷
によるデータのエラーも減少するため高密度の磁気記録
媒体の製造が可能となり、工業的な意義は極めて大き
い。
【図1】表面形状測定装置により観察した本発明のケイ
素基板表面の突起の形状を示す斜視図である。
素基板表面の突起の形状を示す斜視図である。
【図2】図1の突起の、レーザの走査方向に沿った突起
の頂部を通る垂直断面図(a)及び突起の中心を通る図
2(a)に対して垂直な方向の垂直断面図(b)であ
る。
の頂部を通る垂直断面図(a)及び突起の中心を通る図
2(a)に対して垂直な方向の垂直断面図(b)であ
る。
【図3】図1の突起のの形状を上部から見た場合の形状
を示したものである。
を示したものである。
【図4】本発明の突起の予想される生成機構を示す概念
図である。
図である。
【図5】従来の方法による磁気記録媒体表面の形状を示
す斜視図である。
す斜視図である。
1 突起 2 凹部 3 パルスレーザ 4 非磁性基板 5 スポット部 6 凹状の穴部 7 リム部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年3月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】図1は、実施例1で得られたケイ素基板表
面形状を、レーザ干渉による表面形状測定装置(米国ザ
イゴ社製「ZYGO」)で観察した結果を表す図であ
る。図2(a)は、図1の突起のレーザの走査方向に沿
った突起の頂部を通る垂直断面図であり、図2(b)
は、突起の中心を通り、図2(a)に対して垂直な方向
の垂直断面図である。図3は、図1に示した突起を上方
(図面に垂直な方向)から見た写真であり、従って、図
1に示した突起の基板面に水平な断面の形状を示すもの
である。具体的には、図3は、実施例1で得られたケイ
素基板表面形状を、レーザ干渉による表面形状測定装置
(米国ザイゴ社製「ZYGO」)で観察し、その結果を
高さに応じて異なる色で表示したものである。本発明の
突起は図1、図2(a)〜(b)及び図3に示すような
形状を示し、その孤立した突起の頂部は平坦ではなく適
度な曲率を有しており、また、基板面に水平な断面形状
は、ほぼ円形で、等方的な形状をしている。
面形状を、レーザ干渉による表面形状測定装置(米国ザ
イゴ社製「ZYGO」)で観察した結果を表す図であ
る。図2(a)は、図1の突起のレーザの走査方向に沿
った突起の頂部を通る垂直断面図であり、図2(b)
は、突起の中心を通り、図2(a)に対して垂直な方向
の垂直断面図である。図3は、図1に示した突起を上方
(図面に垂直な方向)から見た写真であり、従って、図
1に示した突起の基板面に水平な断面の形状を示すもの
である。具体的には、図3は、実施例1で得られたケイ
素基板表面形状を、レーザ干渉による表面形状測定装置
(米国ザイゴ社製「ZYGO」)で観察し、その結果を
高さに応じて異なる色で表示したものである。本発明の
突起は図1、図2(a)〜(b)及び図3に示すような
形状を示し、その孤立した突起の頂部は平坦ではなく適
度な曲率を有しており、また、基板面に水平な断面形状
は、ほぼ円形で、等方的な形状をしている。
【手続補正書】
【提出日】平成7年6月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】図1に示した突起を上方(図面に垂直な方向)
から、レーザ干渉による表面形状測定装置で観察した結
果をディスプレー上に表示した中間調画像の写真であ
る。
から、レーザ干渉による表面形状測定装置で観察した結
果をディスプレー上に表示した中間調画像の写真であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神津 順一 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内
Claims (14)
- 【請求項1】 ケイ素基板上に磁性層を有する磁気記録
媒体であって、基板の磁性層側表面に、突起高さが1〜
100nmであり、突起頂部から1nm低い高さにおけ
る等高線で囲まれた図形の面積の平均値が2μm2 以下
であり、突起高さの1/2の高さにおける等高線で囲ま
れた図形の面積の平均値が10μm2である突起を、該
表面1mm2 当たり10〜108 個有することを特徴と
する磁気記録媒体。 - 【請求項2】 突起の磁気記録媒体表面に平行な断面の
形状がほぼ円形である請求項1に記載の磁気記録媒体。 - 【請求項3】 突起の底部周囲に凹部を有する請求項1
又は2に記載の磁気記録媒体。 - 【請求項4】 突起が、磁気ヘッドがCSS(コンタク
トスタートアンドストップ)を行なう領域(CSS領
域)のみに存在する請求項1ないし3のいずれか1項に
記載の磁気記録媒体。 - 【請求項5】 突起が、磁気ヘッドがCSS領域及びデ
ータ記録領域に存在する請求項1ないし3のいずれか1
項に記載の磁気記録媒体。 - 【請求項6】 データ記録領域の突起高さがCSS領域
の突起高さより低い請求項5に記載の磁気記録媒体。 - 【請求項7】 データ記録領域の突起密度がCSS領域
の突起密度より小さい請求項5又は6に記載の磁気記録
媒体。 - 【請求項8】 CSS領域のデータ記録領域近傍の突起
高さが、CSS領域の全突起高さの平均値より低い請求
項1ないし7のいずれか1項に記載の磁気記録媒体。 - 【請求項9】 CSS領域の突起の高さがデータ記録領
域に向かって漸減している請求項1ないし8のいずれか
1項に記載の磁気記録媒体。 - 【請求項10】 CSS領域の半径方向の突起密度が周
方向の突起密度よりも小さい請求項1ないし9のいずれ
か1項に記載の磁気記録媒体。 - 【請求項11】 突起が、エネルギー線照射により形成
されてなる請求項1ないし10のいずれか1項に記載の
磁気記録媒体。 - 【請求項12】 突起の中心を通り、照射エネルギー線
の走査方向に平行な垂直断面形状が、突起底部の片側近
傍に凹部を有する請求項11に記載の磁気記録媒体。 - 【請求項13】 ケイ素基板上に磁性層を有する磁気記
録媒体用基板であって、基板の磁性層側表面に、突起高
さが1〜100nmであり、突起頂部から1nm低い高
さにおける等高線で囲まれた図形の面積の平均値が2μ
m2 以下であり、突起高さの1/2の高さにおける等高
線で囲まれた図形の面積の平均値が10μm2 である突
起を、該表面1mm2 当たり10〜108 個有すること
を特徴とする磁気記録媒体用基板。 - 【請求項14】 突起の磁気記録媒体用基板表面に平行
な断面の形状がほぼ円形である請求項13に記載の磁気
記録媒体。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29507594A JPH08153325A (ja) | 1994-11-29 | 1994-11-29 | 磁気記録媒体及び基板 |
DE19524220A DE19524220A1 (de) | 1994-07-04 | 1995-07-03 | Magnetisches Aufzeichnungsmedium, Verfahren zu dessen Herstellung, und Aufnahme- und Wiedergabeverfahren |
KR1019950019855A KR960005459A (ko) | 1994-07-04 | 1995-07-03 | 자기기록매체, 그의 제조방법 및 기록 및 판독방법 |
US08/937,045 US5928759A (en) | 1994-07-04 | 1997-09-24 | Magnetic recording medium, method of producing the same, and recording and reading-out method |
US09/306,909 US6217970B1 (en) | 1994-07-04 | 1999-05-07 | Magnetic recording medium, method of producing the same, and recording and reading-out method |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29507594A JPH08153325A (ja) | 1994-11-29 | 1994-11-29 | 磁気記録媒体及び基板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08153325A true JPH08153325A (ja) | 1996-06-11 |
Family
ID=17815999
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29507594A Pending JPH08153325A (ja) | 1994-07-04 | 1994-11-29 | 磁気記録媒体及び基板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08153325A (ja) |
-
1994
- 1994-11-29 JP JP29507594A patent/JPH08153325A/ja active Pending
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