JPH08129749A - 磁気記録媒体および基板 - Google Patents

磁気記録媒体および基板

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JPH08129749A
JPH08129749A JP24282794A JP24282794A JPH08129749A JP H08129749 A JPH08129749 A JP H08129749A JP 24282794 A JP24282794 A JP 24282794A JP 24282794 A JP24282794 A JP 24282794A JP H08129749 A JPH08129749 A JP H08129749A
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magnetic recording
protrusion
substrate
magnetic
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JP24282794A
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Toshihiko Kuriyama
俊彦 栗山
Junichi Kozu
順一 神津
Yuzo Seo
雄三 瀬尾
Yoji Arita
陽二 有田
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 CSS時の摩擦が極端に小さく、また、ヘッ
ドの媒体表面へのスティキングを制御でき、ヘッドが安
定して浮上することが可能な磁気記録媒体および基板を
提供する。 【構成】 非磁性基板上に、少なくとも、下地層、磁性
層を有する磁気記録媒体および基板であって、下地層の
磁性層側表面に、高さが1〜60nmの突起を1mm2
あたり102 〜108 個有し、且つ、各突起の頂点から
1nm下の高さにおける等高線で囲まれた図形の面積の
平均値が2μm2 以下であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体および基
板に関し、詳しくは磁気ディスク装置に使用されるハー
ドティスクなどの磁気記録媒体およびそのための基板に
関するものである。特に、良好なCSS(コンタクトス
タートアンドストップ)特性およびヘッドの媒体表面へ
のスティッキング特性とヘッドの低浮上化を同時に可能
にする薄膜型の磁気記録媒体ならびにその基板に関す
る。
【0002】
【従来の技術】通常、ハードディスクはその使用に際し
高速で回転して磁気ヘッドを浮上させ、ハードディスク
への書き込み/読み出し等をこの磁気ヘッドを介して行
っている。ハードディスクは、その磁気特性の向上のた
め、ディスクの基板面あるいは基板面上に設けられたN
iPメッキ等の非磁性体からなる下地層上に、磁気ディ
スクの円周方向にほぼ同心円状に機械的研磨を行って加
工痕を残す加工(以下、機械的テキスチャという)が行
われている。
【0003】近年の情報量の増大と装置の小型軽量化の
要求により、線記録密度及びトラック密度が高くなり、
1ビット当りの面積が小さくなってくると、従来のよう
な機械的テキスチャによるスクラッチ傷は情報読み出し
の際にエラーとなる確率が高くなる。また、内周部にあ
るCSSゾーンのみに機械的テキスチャを施しデータ記
録領域はそのままにする方法もあるが、データ記録領域
の面がCSSゾーンの面の高さよりも高くなり、ヘッド
がシークする時にクラッシュするという問題があった。
【0004】また、こうした機械的テキスチャに代え
て、レーザでテキスチャパターンを作る方法も提案され
ている。レーザによるテキスチャの方法の例は、米国特
許第5,062,021号、同5,108,781号に
開示されており、Nd−YAGの強パルスレーザ光によ
りNiP層を局所的に溶融し、図3に示すように、溶融
して形成された凹状の穴部6とその周囲に溶融したNi
Pが表面張力で盛り上がって固化した直径が2.5〜1
00μmのリム部7からなるクレータ状の凹凸を多数作
り、円環状の凸状リムによってヘッドとのCSS特性を
改善する試みが提案されている。しかし、この方法では
ヘッド下面との接触面積が飛躍的には下がらず、ヘッド
とディスク間のスティッキングの問題は、機械的テキス
チャに較べて改善されているとは言い難い。
【0005】また、突起をフォトリソグラフィを使って
形成する方法も提案されており、日本潤滑学会トライボ
ロジー予稿集(1991−5,A−11),(1992
−10,B−6)にはディスクの全表面に対する面積比
が0.1〜5%の同心円状の凸部、または突起をフォト
リソグラフィによって形成した磁気ディスクのCSSの
テスト結果が開示されている。しかし、この方法では、
突起の頂部が平滑なため、ヘッドの摺動回数と共に摩擦
が増加するという欠点があり、また工業化も容易でない
という問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、CSSゾ
ーンでは、突起の先端の面積を小さくしてヘッドとのス
ティッキングをなくし、しかも平均的な面の高さは、デ
ータゾーンとほぼ同じにして、ヘッドをデータゾーン、
CSSゾーン間でシークした時にヘッドの安定浮上高さ
の変動が少なく、ヘッドクラッシュやヘッドの空間での
不安定化が起こらない磁気記録媒体が望まれている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明はこうした高密度
磁気記録用の媒体に対してなされたもので、その第1の
要旨は、非磁性基板上に、少なくとも、下地層、磁性層
を有する磁気記録媒体であって、下地層の磁性層側表面
に存在する突起の高さが1〜60nmの範囲内であり、
該突起が1mm2 あたり102 〜108 個存在し、且
つ、各突起の頂点から1nm下の高さにおける等高線で
囲まれた図形の面積の平均値が2μm2 以下であること
を特徴とする磁気記録媒体、に存する。また、本発明の
第2の要旨は、非磁性基板上に下地層を有する磁気記録
媒体用基板であって、下地層の表面に存在する突起の高
さが1〜60nmの範囲内であり、該突起が1mm2
たり102 〜108 個存在し、且つ、各突起の頂点から
1nm下の高さにおける等高線で囲まれた図形の面積の
平均値が2μm2 以下であることを特徴とする磁気記録
媒体用基板、に存する。また、本発明の第3の要旨は、
非磁性基板上に、少なくとも、下地層、磁性層を有する
磁気記録媒体であって、下地層の磁性層側表面に、高さ
が1〜60nmの突起を1mm2 あたり102 〜108
個有し、且つ、各突起の頂点から1nm下の高さにおけ
る等高線で囲まれた図形の面積の平均値が2μm2 以下
であることを特徴とする磁気記録媒体、に存する。更
に、本発明の第4の要旨は、非磁性基板上に下地層を有
する磁気記録媒体用基板であって、下地層の表面に、高
さが1〜60nmの突起を1mm2 あたり102 〜10
8 個有し、且つ、各突起の頂点から1nm下の高さにお
ける等高線で囲まれた図形の面積の平均値が2μm2
下であることを特徴とする磁気記録媒体用基板、に存す
る。以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】本発明において、下地層がその磁性層側表
面に有する突起の高さは、JIS表面粗さ(B060
1)により規定される、粗さ曲線の中心線を基準とした
場合の突起の高さを表す。この突起の高さは、好ましく
は1〜60nm、更に好ましくは10〜60nmであ
り、60nmを超えるとCSS特性は良いがヘッドの安
定浮上高さは下げられず、1nm未満では基板が元来有
する細かな凹凸に埋もれてしまい所望の効果は得られな
い。また、本発明においては、下地層の磁性層側表面
に、高さが1〜60nmの突起を1mm2 あたり102
〜108 個有する。102 個未満では基板のうねり等に
よりヘッド下面を突起のみで支えるのは難しく、また1
8 個を超えた突起を作ろうとすると互いに干渉しあっ
て突起の高さをそろえるのが難しくなり、その好ましい
存在密度は1mm2 あたり103 〜10 6 個である。こ
こで突起の存在密度は媒体全体での平均密度ではなく、
突起存在部での単位面積当たりの密度をいう。また、本
発明における各突起は、その頂点から1nm下の高さに
おける等高線で囲まれた図形の面積の平均値(以下、等
高線面積という)が2μm2 以下であり、好ましくは、
0.001〜1.0μm2、より好ましくは0.001
〜0.5μm2 、更に好ましくは0.001〜0.2μ
2 の範囲の値を有する。2μm2 を超えるとヘッドと
の間にスティッキングが発生しやすくなり、CSSを作
動することは不可能となる。なお、この等高線面積は、
レーザ干渉による表面形状測定装置、例えば、米国ザイ
ゴ社製〔ZYGO〕で測定が可能である。
【0009】本発明の媒体の好ましい態様として、突起
は磁気ヘッドがCSS(コンタクトスタートアンドスト
ップ)を行なう領域のみに存在し、データ記録領域には
存在しない磁気記録媒体が挙げられる。このような構成
にするとにより、データ記録領域においては磁性層表面
を平滑にすることができるため、従来のようなスクラッ
チ傷によるエラーを減少させることができる。また、さ
らに好ましい態様として、突起が、磁気ヘッドがCSS
を行なう領域のみに存在しデータ記録領域には存在せ
ず、かつその突起の高さがデータ記録領域に向かって減
少している磁気記録媒体、または、その突起の密度がデ
ータ記録領域に向かって減少している磁気記録媒体が挙
げられる。突起高さをデータ記録領域に向かって減少さ
せることにより、データ記録領域からCSSゾーンある
いは逆の方向にヘッドを安定にシークすることができ
る。また、突起の密度をデータ記録領域に向かって減少
させることにより、突起高さを順次変化させた場合と同
様な効果を得ることができる。また、突起の高さおよび
密度の両方をデータ記録領域に向かって減少させること
も好ましい方法である。
【0010】本発明の磁気記録媒体を製造するための好
ましい方法としては、基板上にNiP等の下地層を設け
た磁気記録媒体用基板を回転させながら、その表面に円
周方向に沿って、出力を精度良く制御したエネルギービ
ームを照射して表面に突起を形成する方法等が挙げられ
る。エネルギービームとしては、パルスレーザ、電子
線、X線などが挙げられ、中でもパルスレーザを用いる
ことが好ましく、以下、パルスレーザを用いた場合を例
として本発明を説明する。
【0011】本発明において、突起の生成機構は未だ十
分解明されていないが、次のように考えられる。図2は
突起の予想される生成機構を示す概念図である。図2
(a)で、パルスレーザ3が照射された下地層4の局所
的に過熱されたスポット部5は一部溶融し、基板の回転
(方向を矢印で示す)、またはレーザビームの走査によ
って溶融部分が移動する。図2(b)に示すように最初
にビームが当った部分はその後、温度が下がり温度勾配
が生ずる。一般に、溶融液体においては、低温側の方が
表面張力が大きく、この表面張力の差により、最初にビ
ームで照射され溶融しその後低温になった部分が、後か
ら溶融した部分の液体を取り込み盛り上がる。したがっ
て、図2(c)に示すように、最後に溶融した部分には
凹部ができ、レーザビームの走査方向に対して突起の後
部に凹部を有することとなる。つまり、突起の中心を通
り、レーザビームの走査方向を含む垂直断面形状が、突
起底部の片側部分に凹部を有することとなる。本発明に
おいて、レーザビームの走査方向とは、静止したディス
ク上でレーザビームが走査する方向のみならず、レーザ
ビームは静止させておき、ディスクを回転させた状態で
照射する場合のディスクの回転方向をも示すこととす
る。
【0012】レーザビームの走査あるいは基板の回転が
遅いか、あるいはレーザビームのパワーが大きい等の条
件によっては、熱収縮により突起底部の周囲に凹部がで
きる場合もある。この現象の解明は十分ではないが、局
所的に加熱されたスポット部は膨張するが、その回りは
冷えていて変形しにくいため、膨張した部分は外気です
ぐに冷やされ突起として残る。そして突起の周囲は、熱
収縮による凹みができる。また、突起の頂部は平坦では
なく、適度な曲率を有する半球状である。
【0013】米国特許第5,062,021号、同5,
108,781号記載の方法においては、レーザビーム
の照射範囲が広く、かつレーザの出力も1.5W等の大
出力であるため、NiPの溶融範囲が広く、溶融した液
面の中心部が盛り上がらずにクレータ状となってしま
う。これに対し、本発明においては、レーザビームを狭
い範囲に絞り、出力も低い条件下で精度良く突起を制御
するため、NiPの溶融範囲が狭く、溶融した液面の中
心部が凸状に盛り上がり、固化した後に突起となる点で
前記米国特許とは大きく異なる。したがって、先端の面
積も非常に小さな突起ができる。
【0014】また、突起高さはレーザの強度とその平均
照射時間、及びディスクの線速度を調節することによっ
て自由に制御され、突起の密度は、1周当たりの突起の
個数、パルスレーザの半径方向の照射間隔、及び上記の
突起の高さを制御する条件を調節することにより自由に
制御させる。通常、レーザの強度は20〜500mW、
平均照射時間は0.05〜100μsec、レーザのス
ポット径は0.2〜4μm、基板の線速度は0.8〜1
5m/secが好ましい。ここで、レーザの平均照射時
間とは、1つの突起を形成させるのにレーザを下地層表
面に照射した時間を示す。レーザビームの照射面積を変
えるには、通常、対物レンズの開口率を変えればよく、
開口率が0.1〜0.95の対物レンズを用いることに
より、ビームの照射径は0.7〜6μm程度まで制御で
きる。
【0015】本発明において、非磁性基板としては通常
アルミニウム合金板またはガラス基板が用いられるが、
銅、チタン等の金属基板、セラミック基板、樹脂基板又
はシリコン基板等を用いることもできる。下地層は好ま
しくはNiP合金層であり、通常無電解メッキ法または
スパッタ法により形成される。またその厚みはレーザ照
射による発熱と熱伝導による放熱の関係から重要であ
り、好ましくは50〜20,000nm、特に好ましく
は100〜15,000nmである。
【0016】下地層の上にはCr層、あるいはCu層等
の中間層を磁性層との間に設けるのが好ましく、その膜
厚は通常20〜200nm、好ましくは50〜100n
mである。下地層上または中間層上に設ける磁性層は、
無電解メッキ、電気メッキ、スパッタ、蒸着等の方法に
よって形成され、Co−P、Co−Ni−P、Co−N
i−Cr、Co−Ni−Pt、Co−Cr−Ta、Co
−Cr−Pt、Co−Cr−Ta−Pt系合金等の強磁
性合金薄膜が形成され、その膜厚は通常30から70n
m程度である。この磁性層上には保護層が設けられる
が、保護層としては蒸着、スパッタ、プラズマCVD、
イオンプレーティング、湿式法等の方法により、炭素
膜、水素化カーボン膜、TiC、SiC等の炭化物膜、
SiN、TiN等の窒化膜等、SiO、AlO、ZrO
等の酸化物膜等が成膜される。これらのうち特に好まし
くは、炭素膜、水素化カーボン膜である。又、保護層上
には通常、潤滑剤層が設けられる。
【0017】
【実施例】次に、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施
例によって限定されるものではない。 実施例1〜5、比較例1〜6 表面粗さRaが1nm以下になるように表面研磨した直
径95mmのディスク状ガラス基板上にスパッタ法によ
り膜厚100〜150nmのNiP下地層を製膜した。
次に、表−1に記載した強度に精度良く制御された波長
λ=514.5nmのアルゴンパルスレーザを、表−1
に記載した条件下でNiP層に照射してほぼ同じ高さの
突起を形成させ、磁気ディスク用基板を得た。
【0018】図1(a)は、実施例1で得られた基板の
NiP層の表面形状を、レーザ干渉による表面形状測定
装置(米国ザイゴ社製「ZYGO」)で観察した結果を
表す図である。図1(b)は、図1(a)の突起のレー
ザの走査方向を含む垂直断面図であり、図1(c)は、
突起の中心を通り、図(b)の垂直な方向の断面図であ
り、1は突起、2はレーザビームの走査方向に対して突
起の後ろ側の凹部を示す。本発明の突起は図1(a)〜
(c)および図2(c)に示すような形状を示し、その
孤立した突起の頂部は平坦ではなく適度な曲率を有する
半球状をしている。次いで、スパッタ法により、上記基
板のNiP下地層上に、順次、Cr中間層(100n
m)、Co−Cr−Ta合金磁性膜(50nm)及びカ
ーボン保護膜を(20nm)を形成し、その後、浸漬法
によりフッ素系液体潤滑剤(モンテエジソン社製商品名
DOL−2000)を2nm塗布して、磁気記録媒体を
作製した。表−1に実施例1〜5および比較例2〜5の
基板の線速度、レーザの強度、レーザの平均照射時間、
平均突起密度(レーザ照射のインターバルに相当)、平
均突起高さ、等高線面積および、レーザの集光に用いた
対物レンズの開口率NAを示す。エネルギーの84%が
集中するスポット径は、1.22×λ/NAで表され
る。
【0019】
【表1】 表−1 ─────────────────────────────────── 基板 レーザ 平均 平均 平均 等高線 対物 線速度 強度 照射時間 突起密度 突起高さ 面積 レンズ (mm/sec) (mW) (μsec)(個/mm2) (nm) (μm2) 開口率 ─────────────────────────────────── 実施例1 1714 50 1.25 9260 18 0.09 0.6 2 1714 62 1.25 9260 16 0.15 0.4 3 1714 27 1.25 37040 4 0.14 0.95 4 1714 68 1.25 4120 18 0.19 0.3 5 1714 50 1.25 740 18 0.09 0.6 比較例1 レーザ照射無し 2 1714 8 1.25 9260 <1 ─── 0.95 3 1714 110 1.25 9260 81 0.12 0.3 4 1714 73 1.25 9260 16 2.21 0.13 5 1714 27 1.25 93 4 0.12 0.95 6 機械的テキスチャ ───────────────────────────────────
【0020】また、比較例6は従来の機械的テキスチャ
法で、Raが約2nmの粗さのテキスチャを施したAl
合金基板を用いた。各々、スパッタ以降は実施例1〜5
と同様のプロセスで作製した。表−2にこれらのディス
クのCSSテスト前の静止摩擦係数(初期スティクショ
ン)及びCSS2万回後の摩擦力を示した。CSSテス
トはヘッド浮上量1.6μインチ、ロードグラム6gf
の薄膜ヘッド(スライダ材質AlTiC)を用いた。C
SSゾーンの安定浮上高さは比較例−3を除きすべて
1.0〜1.1μインチであった。
【0021】
【表2】 表−2 ─────────────────────────────────── 初期スティクション CSS2万回後の (摩擦係数) 摩擦力 ─────────────────────────────────── 実施例1 0.15 3gf 2 0.17 8gf 3 0.21 7gf 4 0.49 13gf 5 0.72 16gf 比較例1 測定不能(吸着によりヘッドクラッシュ) 2 5.32 吸着ドライブ停止(1200回) 3 0.16 ヘッドクラッシュ( 900回) 4 1.16 29gf 5 1.25 38gf 6 0.78 36gf ───────────────────────────────────
【0022】図4は、実施例1および比較例6のCSS
2000回毎の摩擦力を測定した結果を示す図である。
縦軸は摩擦力、横軸はCSS回数を示す。図4より本発
明の媒体がCSS時の摩擦が極端に小さく、またその性
能の持続性が優れることが分かる。
【0023】
【発明の効果】本発明において、下地層の表面上に突起
の高さとその先端の形状、突起の存在領域および密度が
制御された表面形状が形成するため、磁気ヘッド下面と
磁気記録媒体の表面との接触面積が少なく、CSS時の
摩擦が極端に小さくなり、また、ヘッドの媒体表面への
スティキングも全く発生しなくなる。また、ヘッドのC
SSゾーンのみにこうした突起を作った場合、平均的な
面の高さはほとんど変わらないため、ヘッドをデータゾ
ーン、CSSゾーン間でシークした時にヘッドの安定浮
上高さの変動が少なく、ヘッドクラッシュやヘッドの空
間での不安定化が起こらない。更に、この突起の高さや
密度をデータゾーンに近づくにしたがって制御すること
もできるため、ヘッドのデータゾーン、CSSゾーン間
でのシークは極めて滑らかに行なうことができる。この
場合データゾーンでは、従来のような機械的テキスチャ
による表面の傷を作る必要がないので、ヘッドのフライ
ングハイトを小さくでき、また、前記傷によるデータの
エラーも減少するため高密度の磁気記録媒体の製造が可
能となり、工業的な意義は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】表面形状測定装置により観察した本発明のNi
P基板表面の突起の形状を示す図であり、(a)は斜視
図、(b)は突起の中心を通りレーザの走査方向を含む
垂直断面図、(c)は突起の中心を通り図1(b)の垂
直な方向の断面図である。
【図2】本発明の突起の予想される生成機構を示す概念
図である。
【図3】従来の方法による媒体表面の形状を示す斜視図
である。
【図4】実施例1および比較例6のCSS2000回毎
の摩擦力を測定した結果を示す図である。
【符号の説明】
1 突起 2 凹部 3 パルスレーザ 4 下地層 5 スポット部 6 凹状の穴部 7 リム部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 有田 陽二 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化学株式会社横浜総合研究所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基板上に、少なくとも、下地層、
    磁性層を有する磁気記録媒体であって、下地層の磁性層
    側表面に存在する突起の高さが1〜60nmの範囲内で
    あり、該突起が1mm2 あたり102 〜108 個存在
    し、且つ、各突起の頂点から1nm下の高さにおける等
    高線で囲まれた図形の面積の平均値が2μm2 以下であ
    ることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 突起がその底部周囲に凹部を有すること
    を特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 磁気ヘッドがCSS(コンタクトスター
    トアンドストップ)を行なう領域のみに突起が存在する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気記録媒
    体。
  4. 【請求項4】 突起の高さがデータ記録領域に向かって
    減少していることを特徴とする請求項3に記載の磁気記
    録媒体。
  5. 【請求項5】 突起の密度がデータ領域に向かって減少
    していることを特徴とする請求項3又は4に記載の磁気
    記録媒体。
  6. 【請求項6】 突起が、エネルギービーム照射により形
    成されてなることを特徴とする請求項1〜5に記載の磁
    気記録媒体。
  7. 【請求項7】 突起の中心を通り、エネルギービームの
    走査方向を含む垂直断面形状が、突起底部の片側部分に
    凹部を有することを特徴とする請求項6に記載の磁気記
    録媒体。
  8. 【請求項8】 非磁性基板上に下地層を有する磁気記録
    媒体用基板であって、下地層の表面に存在する突起の高
    さが1〜60nmの範囲内であり、該突起が1mm2
    たり102 〜108 個存在し、且つ、各突起の頂点から
    1nm下の高さにおける等高線で囲まれた図形の面積の
    平均値が2μm2 以下であることを特徴とする磁気記録
    媒体用基板。
  9. 【請求項9】 突起が、エネルギービーム照射により形
    成されてなることを特徴とする請求項8に記載の磁気記
    録媒体用基板。
  10. 【請求項10】 突起の中心を通り、エネルギービーム
    の走査方向を含む垂直断面形状が、突起底部の片側部分
    に凹部を有することを特徴とする請求項9に記載の磁気
    記録媒体用基板。
  11. 【請求項11】 非磁性基板上に、少なくとも、下地
    層、磁性層を有する磁気記録媒体であって、下地層の磁
    性層側表面に、高さが1〜60nmの突起を1mm2
    たり102 〜108 個有し、且つ、各突起の頂点から1
    nm下の高さにおける等高線で囲まれた図形の面積の平
    均値が2μm2 以下であることを特徴とする磁気記録媒
    体。
  12. 【請求項12】 非磁性基板上に、下地層を有する磁気
    記録媒体用基板であって、下地層の表面に、高さが1〜
    60nmの突起を1mm2 あたり102 〜108 個有
    し、且つ、各突起の頂点から1nm下の高さにおける等
    高線で囲まれた図形の面積の平均値が2μm2 以下であ
    ることを特徴とする磁気記録媒体用基板。
JP24282794A 1994-09-07 1994-10-06 磁気記録媒体および基板 Pending JPH08129749A (ja)

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