JPH0953722A - 車輛用油圧緩衝器の摺動部材 - Google Patents

車輛用油圧緩衝器の摺動部材

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JPH0953722A
JPH0953722A JP22600395A JP22600395A JPH0953722A JP H0953722 A JPH0953722 A JP H0953722A JP 22600395 A JP22600395 A JP 22600395A JP 22600395 A JP22600395 A JP 22600395A JP H0953722 A JPH0953722 A JP H0953722A
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JP
Japan
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plating
metal
sliding member
vehicle
vapor deposition
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Withdrawn
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JP22600395A
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English (en)
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Shigeo Kinoshita
茂男 木下
Osamu Nagai
修 永井
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SHOWA AUTO ENG
Showa Corp
Original Assignee
SHOWA AUTO ENG
Showa Corp
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Publication date
Application filed by SHOWA AUTO ENG, Showa Corp filed Critical SHOWA AUTO ENG
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 繊維強化樹脂チューブ又はロッドを基材とす
る軽量の車輌用油圧緩衝器の摺動部材において、蒸着皮
膜の密着性と面粗度を向上し、耐摩耗性、耐傷付き性、
低フリクション性を向上すること。 【構成】 繊維強化樹脂チューブ又はロッドの外周に金
属メッキを施した車輌用油圧緩衝器の摺動部材におい
て、前記金属メッキの外周に、更に、金属、セラミック
等の蒸着皮膜を形成したもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動二輪車用フロ
ントフォークのインナチューブや油圧緩衝器のピストン
ロッド等の車輌用油圧緩衝器の摺動部材に関する。
【0002】
【従来の技術】自動二輪車用フロントフォークのインナ
チューブ等では、通常、鋼のチューブの表面を研磨した
上にCr等の金属メッキを施しているが、レース仕様の
ように軽量を要求されるものにおいては鋼のチューブの
代わりにCFRP(炭素繊維強化プラスチック)のチュ
ーブを使用しているものがある。CFRPのチューブは
炭素繊維の束にエポキシ、ポリエステル等の樹脂を含浸
し、加熱硬化したものであるので表面は柔らかく、且つ
滑面性に劣る。従って、耐摩耗性、耐傷付き性、低フリ
クションを要求されるインナチューブに、CFRPチュ
ーブの表面を研磨しただけのものを使用したのでは、摺
動によるチューブ表面の傷付き、フリクションの増大の
ためにオイルシールのシールリップを損傷し油漏れを招
いてしまう等の不都合がある。
【0003】そこで従来、CFRPチューブを用いたイ
ンナチューブの摺動性、オイルシール性の向上を図るた
め、特開昭59-53287号公報に記載の如く、CFRP製の
パイプの表面に真空蒸着法、スパッタリング法、イオン
プレーティング法等の乾式法により金属層を形成したフ
ォークパイプが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、CFRP
製のパイプの表面に直接イオンプレーティング法等によ
り金属層を形成するものには、以下の如くの問題点があ
り、実用化していない。 CFRPの熱劣化(変形、分解)を極力抑えるために
は、蒸着処理の雰囲気温度を低温度とする必要がある
が、その場合には、コーティングされた皮膜の密着性が
悪く、皮膜が剥離し易い。このため、皮膜の持つ耐摩耗
性、耐傷付き性等が得られない。
【0005】蒸着皮膜の表面粗さは下地の面粗度に依
存する。従って、下地であるCFRPの表面は必要とさ
れる面粗度まで予め磨きあげておく必要があるが、CF
RPは磨きにより繊維が露出し必要とされる下地面粗度
を確保できないことがある。このため、フォークパイプ
に施した蒸着皮膜の表面粗さを小さくすることは、結果
的に困難であり、低フリクション性を得ることができな
い。
【0006】イオンプレーティング法等の蒸着処理で
は、下地の前処理としてのイオンボンバード処理によ
り、下地の表面汚損物質を金属イオン或いはガスイオン
のスパッタ効果で清浄化し、その後、皮膜成分をプラズ
マとして被着材に堆積させる。これらのスパッタ粒子、
プラズマ粒子の衝突エネルギーは、軟質のCFRPの表
面を熱変形させて荒らすものとなり、結果として、この
荒れたCFRPの表面に形成される蒸着皮膜の面粗度を
悪くする結果、低フリクション性を損なう。
【0007】本発明は、繊維強化樹脂チューブ又はロッ
ドを基材とする軽量の車輌用油圧緩衝器の摺動部材にお
いて、蒸着皮膜の密着性と面粗度を向上し、耐摩耗性、
耐傷付き性、低フリクション性を向上することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、繊維強化樹脂チューブ又はロッドの外周に金属メッ
キを施した車輌用油圧緩衝器の摺動部材において、前記
金属メッキの外周に、更に、金属、セラミック等の蒸着
皮膜を形成したものである。
【0009】請求項2に記載の本発明は、請求項1に記
載の本発明において更に、前記金属メッキが繊維強化樹
脂チューブ又はロッドの外周に無電解Niメッキ又は無
電解Cuメッキを施した後、Crメッキを施したもので
ある。
【0010】請求項3に記載の本発明は、請求項1に記
載の本発明において更に、前記金属メッキが繊維強化樹
脂チューブ又はロッドの外周に無電解Niメッキを施し
たものである。
【0011】請求項4に記載の本発明は、繊維強化樹脂
チューブ又はロッドの外周に薄肉の軽金属パイプを接着
固定した車輌用油圧緩衝器の摺動部材において、前記軽
金属パイプの外周に金属、セラミック等の蒸着皮膜を形
成したものである。
【0012】請求項5に記載の本発明は、繊維強化樹脂
チューブ又はロッドの外周に薄肉の軽金属パイプを接着
固定した車輌用油圧緩衝器の摺動部材において、前記軽
金属パイプの外周に金属メッキを施し、更に、該金属メ
ッキの外周に金属、セラミック等の蒸着皮膜を形成した
ものである。
【0013】請求項6に記載の本発明は、請求項5に記
載の本発明において更に、前記金属メッキが前記軽金属
パイプの外周に無電解Niメッキ又は無電解Cuメッキ
を施したものである。
【0014】請求項7に記載の本発明は、請求項4〜6
のいずれかに記載の本発明において更に、前記軽金属パ
イプが、Al合金、Mg合金、Ti合金等の軽金属パイ
プであるものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
(請求項1〜3の発明)繊維強化樹脂チューブ又はロッ
ドの外周に金属メッキを施し、更に、金属メッキの外周
に金属、セラミック等の蒸着皮膜を形成する。
【0016】金属メッキは、(a) 無電解Niメッキ又は
無電解Cuメッキを施した後、Crメッキを施したも
の、或いは(b) 無電解Niメッキを施したものを採用で
きる。
【0017】尚、繊維強化樹脂チューブ又はロッドの表
面は研磨されて、その上に金属メッキを施される。ま
た、金属メッキの表面は 0.2S程度に研磨されて、その
上に蒸着皮膜を施される。
【0018】請求項1〜3の発明によれば、下記〜
の作用効果がある。 TiN等の蒸着粒子をCFRP等の繊維強化樹脂チュ
ーブ又はロッドに直接衝突堆積させるものでなく、蒸着
粒子を金属メッキに衝突堆積させるものであるため、コ
ーティングされた皮膜の密着性が良く、皮膜の剥離がな
い。このため、皮膜の持つ耐摩耗性、耐傷付き性等を得
ることができる。
【0019】従来のように繊維強化樹脂チューブ又は
ロッドの外周を研磨して面粗度を上げ、この上に直接蒸
着処理を施す場合、繊維強化樹脂チューブ又はロッドの
外周を研磨する際に繊維が露出することがあるが、本発
明では、CFRP等の繊維強化樹脂チューブ又はロッド
の外周に金属メッキを施した後、金属メッキ層の外周を
研磨して面粗度を上げるので従来のように繊維が露出す
るようなことがない。また、蒸着皮膜の表面粗さも、下
地金属メッキの面粗度を反映して小さくなり、低フリク
ション性を向上できる。
【0020】蒸着皮膜の下地が硬く、熱変形しにくい
金属メッキからなる。このため、蒸着皮膜の前処理とし
てのイオンボンバード処理のスパッタ粒子、或いは蒸着
処理のプラズマ粒子の衝突エネルギーが下地表面を熱変
形させて荒らすことがなく、結果として、蒸着皮膜の面
粗度を良くし、低フリクション性を向上できる。
【0021】(請求項4、7の発明)繊維強化樹脂チュ
ーブ又はロッドの外周に軽金属パイプを接着固定し、更
に、軽金属パイプの外周に金属、セラミック等の蒸着皮
膜を形成する。
【0022】軽金属パイプは、Al合金、Mg合金、T
i合金等を採用できる。尚、軽金属パイプの表面は 0.2
S程度に研磨されて、その上に蒸着皮膜を施される。
【0023】請求項4、7の発明によれば、下記〜
の作用効果がある。 TiN等の蒸着粒子をCFRP等の繊維強化樹脂チュ
ーブ又はロッドに直接衝突堆積させるものでなく、蒸着
粒子を軽金属パイプに衝突堆積させるものであるため、
CFRP等のチューブ又はロッドの外周にコーティング
する場合に比べ、コーティングされた皮膜の密着性が良
く、皮膜の剥離がない。このため、皮膜の持つ耐摩耗
性、耐傷付き性等を得ることができる。
【0024】蒸着皮膜の下地となる軽金属パイプの面
粗度は繊維強化樹脂チューブ又はロッドの面粗度を上げ
る場合に比べ容易に小さくできる。このため、蒸着皮膜
の表面粗さも、下地軽金属パイプの面粗度を反映して小
さくなり、低フリクション性を向上できる。
【0025】蒸着皮膜の下地が硬く、熱変形しにくい
軽金属パイプからなる。このため、蒸着皮膜の前処理と
してのイオンボンバード処理のスパッタ粒子、或いは蒸
着処理のプラズマ粒子の衝突エネルギーが下地表面を熱
変形させて荒らすことがなく、結果として、蒸着皮膜の
面粗度を良くし、低フリクション性を向上できる。
【0026】(請求項5〜7の発明)請求項4、7のよ
うに軽金属パイプの表面に直接蒸着皮膜を堆積する場合
には、軽金属パイプの表面に生成される酸化皮膜が蒸着
皮膜の密着性を阻害するので、本項の発明では、繊維強
化樹脂チューブ又はロッドの外周に軽金属パイプを接着
固定し、その軽金属パイプの外周に、更に、金属メッキ
を施し、そして、金属メッキの外周に金属、セラミック
等の蒸着皮膜を形成する。
【0027】軽金属パイプは、Al合金、Mg合金、T
i合金等を採用できる。金属メッキは、無電解Niメッ
キ又は無電解Cuメッキを採用できる。
【0028】尚、軽金属パイプの表面は 0.2S程度に研
磨されて、その上に金属メッキを施される。また、金属
メッキの表面も 0.2S程度に研磨されて、その上に蒸着
皮膜を施される。
【0029】請求項5〜7の発明によれば、下記〜
の作用効果がある。 TiN等の蒸着粒子をCFRP等の繊維強化樹脂チュ
ーブ又はロッドに直接衝突堆積させるものでなく、蒸着
粒子を金属メッキに衝突堆積させるものであるため、コ
ーティングされた皮膜の密着性が良く、皮膜の剥離がな
い。このため、皮膜の持つ耐摩耗性、耐傷付き性等を得
ることができる。
【0030】蒸着皮膜の下地となる金属メッキの面粗
度は、軽金属パイプの表面研磨面を反映する等により容
易に小さくできる。このため、蒸着皮膜の表面粗さも、
下地金属メッキの面粗度を反映して小さくなり、低フリ
クション性を向上できる。
【0031】蒸着皮膜の下地が硬く、熱変形しにくい
金属メッキからなる。このため、蒸着皮膜の前処理とし
てのイオンボンバード処理のスパッタ粒子、或いは蒸着
処理のプラズマ粒子の衝突エネルギーが下地表面を熱変
形させて荒らすことがなく、結果として、蒸着皮膜の面
粗度を良くし、低フリクション性を向上できる。
【0032】尚、本発明の実施において用いられる繊維
強化樹脂、蒸着処理法について説明する。
【0033】(繊維強化樹脂)Al合金、Mg合金、T
i合金等の軽金属パイプの外周に炭素繊維のフィラメン
トにエポキシ樹脂を含浸させ、半硬化させたシート状の
プリプレグを多数枚積層してパイプ状に巻き、その後樹
脂を加熱硬化させる。繊維は炭素繊維の他に芳香族ポリ
アミド繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、シリコンカーバ
イト繊維等が挙げられる。また、樹脂はエポキシ樹脂の
他にポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹
脂等が挙げられる。また、プリプレグシートを用いる代
わりにAlパイプ等の軽金属パイプの上にフィラメント
ワインディング法により繊維強化プラスティック層を形
成してもよい。炭素繊維の巻角はパイプ軸方向に対し 0
〜±15°とした層を全層の80%以上含むようにしてフォ
ークパイプの縦弾性係数を高める。尚、材料強度の優れ
たCFRPを好適に採用すれば、Al合金、Mg合金、
Ti合金等の軽金属パイプは必ずしも必要でなく繊維強
化樹脂だけで必要な強度、剛性が得られれば繊維強化樹
脂のパイプだけでもよい。
【0034】(蒸着処理法)蒸着処理はCVD(化学蒸
着)と、PVD(物理蒸着)に分けられ、CVDには熱
CVD、プラズマCVD、レーザーCVD等があり、P
VDには真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティ
ングがある。CVDは処理温度が概ね500 ℃以上であ
り、PVDは500 ℃以下である。PVDは密着力は劣る
が高速、低温で成膜ができるので本実施例ではPVDを
採用した。また、PVDの中では真空蒸着に比べ皮膜の
密着性が高く、また、密着性では比較的優れているスパ
ッタに比べ、皮膜の析出速度が格段に速いという特長を
もっているイオンプレーティングを選定した。然しなが
ら、最近研究段階ではあるが600 ℃以下の低温で成膜処
理できるプラズマCVDがあり必ずしもイオンプレーテ
ィングに限定されるものではない。
【0035】イオンプレーティング処理には、直流放電
方式、高周波励起方式、ホロカソード方式、活性化反応
蒸着法、クラスターイオンビーム蒸着法、アーク法があ
るが、1.被着材の昇温が少ない、2.反応性が高くイ
オン化率が高い40〜70%(イオン/原子)、3.TiN
ノジュールの発生がない(ボンバード処理の際にTiの
付着が起こりTiNが異常成長したものでアーク法では
著しい)、等の理由によりホロカソード方式を採用し
た。
【0036】蒸着皮膜としては、TiN(金色)のほか
TiAlN(紫色)、CrN(シルバー)、TiCN
(O)(茶色)等が挙げられる。
【0037】
【実施例】
(本発明例1)(請求項1、2の発明) Alパイプの外周にCFRP層を形成し、このCFRP
層の外周に無電解Cuメッキを施した後、Crメッキを
施し、更に、Crメッキの外周にTiNの蒸着皮膜を形
成し、自動二輪車用フロントフォークのインナチューブ
とした(表1)。TiNの蒸着処理条件は表1の通りで
ある。
【0038】
【表1】
【0039】(本発明例2)(請求項1、3の発明) Alパイプの外周にCFRP層を形成し、このCFRP
層の外周に無電解Niメッキを施し、更に、無電解Ni
メッキの外周にTiNの蒸着皮膜を形成し、自動二輪車
用フロントフォークのインナチューブとした(表2)。
TiNの蒸着処理条件は表2の通りである。
【0040】
【表2】
【0041】(本発明例3)(請求項4、7の発明) Alパイプの外周にCFRP層を形成し、このCFRP
層の外周にTiパイプを圧入接着し、更に、Tiパイプ
の外周にTiNの蒸着皮膜を形成し、自動二輪車用フロ
ントフォークのインナチューブとした(表3)。TiN
の蒸着処理条件は表3の通りである。
【0042】
【表3】
【0043】(本発明例4)(請求項5、6、7の発
明) Alパイプの外周にCFRP層を形成し、このCFRP
層の外周にAlパイプを圧入接着し、このAlパイプの
外周に無電解Niメッキを施し、更に、無電解Niメッ
キの外周にTiNの蒸着皮膜を形成し、自動二輪車用フ
ロントフォークのインナチューブとした(表4)。Ti
Nの蒸着処理条件は表4の通りである。
【0044】
【表4】
【0045】本発明例1〜4の自動二輪車用フロントフ
ォークのインナチューブについて、下記(A) 〜(E) の評
価を得た。 (A) 表面硬度(HmV)測定(表5) 1.測定器:マイクロビッカース硬度計 2.測定荷重:25gr 3.測定方法:例えば本発明例1において、無電解Cu
メッキの硬度は無電解Cuメッキ後に表面硬度を測定
し、その後Crメッキを施した後にその表面よりCrメ
ッキ硬度を測定し、更にTiNを施した後TiNの硬度
を測定する方法による。
【0046】表5によれば、本発明例1〜4において
は、TiN皮膜の表面硬度を向上できる。これに対し、
CFRPに直接TiN皮膜を施しても表面硬度の向上に
ならない。
【0047】
【表5】
【0048】(B) 表面粗度測定(表6、表7) 1.測定器:表面粗さ計 2.倍率、駆動速度、測定長さは表6による。
【0049】
【表6】
【0050】表7によれば、本発明例1〜4において
は、TiN処理前の下地面粗度を小さくし、結果として
TiN皮膜の面粗度を小さくできる。これに対し、CF
RPに直接TiN皮膜を施しても面荒れが著しい。
【0051】
【表7】
【0052】(C) フリクション測定(表8) 1.試験機:フリクション試験機 2.測定方法:一定速度における押し工程と引き工程の
動摩擦力の差をフリクション(kgf)とする。
【0053】表8によれば、本発明例1〜4において
は、フリクションを小にできる。これに対し、CFRP
のみ、或いはCFRPに直接TiN皮膜を施したもので
はフリクション大である。
【0054】
【表8】
【0055】(D) 耐摩耗試験(表9) 1.試験機:ストローク耐久試験機 2.試験方法:一定時間の上下作動耐久後の摺動面状態
観察 表9によれば、本発明例1〜4においては、インナチュ
ーブのストロークの上死点と下死点の一部のみに鏡面摩
耗を生じた。これに対し、CFRPのみ、或いはCFR
Pに直接TiN皮膜を施したものでは早期に摺動摩耗傷
を生じた。
【0056】
【表9】
【0057】(E) 耐傷付き試験(表10) 1.試験機:ストローク耐久試験機 2.試験方法:テフロン軸受に試験用ダスト一種(Sl
2 180 〜300 μm )を接着し横荷重をかけ摺動傷の発
生を調べた。
【0058】表10によれば、本発明例1〜4において
は、インナチューブの表面に数μmの傷を生じた。これ
に対し、CFRPに直接TiN皮膜を施したものでは、
TiNが剥離し、摺動部の全域に100 μm の傷を生じ
た。
【0059】
【表10】
【0060】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、繊維強化
樹脂チューブ又はロッドを基材とする軽量の車輌用油圧
緩衝器の摺動部材において、蒸着皮膜の密着性と面粗度
を向上し、耐摩耗性、耐傷付き性、低フリクション性を
向上することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16F 9/32 F16J 1/01 F16J 1/01 C23C 14/24 R // C23C 14/24 18/16 A 18/16 F16F 9/32 J N

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維強化樹脂チューブ又はロッドの外周
    に金属メッキを施した車輌用油圧緩衝器の摺動部材にお
    いて、前記金属メッキの外周に、更に、金属、セラミッ
    ク等の蒸着皮膜を形成したものであることを特徴とする
    車輌用油圧緩衝器の摺動部材。
  2. 【請求項2】 前記金属メッキが繊維強化樹脂チューブ
    又はロッドの外周に無電解Niメッキ又は無電解Cuメ
    ッキを施した後、Crメッキを施したものであることを
    特徴とする請求項1記載の車輌用油圧緩衝器の摺動部
    材。
  3. 【請求項3】 前記金属メッキが繊維強化樹脂チューブ
    又はロッドの外周に無電解Niメッキを施したものであ
    ることを特徴とする請求項1記載の車輌用油圧緩衝器の
    摺動部材。
  4. 【請求項4】 繊維強化樹脂チューブ又はロッドの外周
    に薄肉の軽金属パイプを接着固定した車輌用油圧緩衝器
    の摺動部材において、前記軽金属パイプの外周に金属、
    セラミック等の蒸着皮膜を形成したものであることを特
    徴とする車輌用油圧緩衝器の摺動部材。
  5. 【請求項5】 繊維強化樹脂チューブ又はロッドの外周
    に薄肉の軽金属パイプを接着固定した車輌用油圧緩衝器
    の摺動部材において、前記軽金属パイプの外周に金属メ
    ッキを施し、更に、該金属メッキの外周に金属、セラミ
    ック等の蒸着皮膜を形成したものであることを特徴とす
    る車輌用油圧緩衝器の摺動部材。
  6. 【請求項6】 前記金属メッキが前記軽金属パイプの外
    周に無電解Niメッキ又は無電解Cuメッキを施したも
    のであることを特徴とする請求項5記載の車輌用油圧緩
    衝器の摺動部材。
  7. 【請求項7】 前記軽金属パイプが、Al合金、Mg合
    金、Ti合金等の軽金属パイプであることを特徴とする
    請求項4〜6のいずれかに記載の車輌用油圧緩衝器の摺
    動部材。
JP22600395A 1995-08-11 1995-08-11 車輛用油圧緩衝器の摺動部材 Withdrawn JPH0953722A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007120599A (ja) * 2005-10-27 2007-05-17 Bridgestone Corp 防振装置
JP2008051210A (ja) * 2006-08-24 2008-03-06 Toyota Motor Corp ガスバリヤ構造およびその作製方法
US8215463B2 (en) 2008-02-12 2012-07-10 Honda Motor Co., Ltd. Variable damping-force damper and manufacturing method of the same

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