JP4449187B2 - 薄膜形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機械部品、金型、切削工具、摺動部品などの耐摩耗性、摺動特性および表面保護機能向上のために用いられる、セラミックス膜、非晶質炭素膜などの薄膜の形成装置および形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
機械部品、金型、切削工具、摺動部品などの分野において、耐摩耗性、摺動特性、表面保護機能向上などの目的で、表面に薄膜をコーティングする技術が広く使われている。薄膜の種類としては、硬度、耐摩耗性などにすぐれた、TiN、TiAlN、CrNなどの窒化物が一般に用いられており、薄膜の形成方法としては、基材と薄膜との密着性が優れており、圧縮残留応力による高硬度膜の形成が可能である、真空アーク蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタ法などのPVD法(Physical Vapor Deposition:物理蒸着法)が広く用いられている。
【0003】
これらのPVD法により窒化物膜を形成する場合、基材と膜との密着性を高めるために、窒化物膜を形成する前に、基材表面をArイオンでクリーニングする方法や、真空アーク蒸着法ではArやN2などの雰囲気中かあるいは到達真空下で、窒化物膜の形成に用いる金属ターゲットから発生させた金属イオン、例えばTiNの場合はTiターゲットから発生させたTiイオンを基材表面に照射する方法が用いられている。
【0004】
また、最近では摺動特性に優れた非晶質炭素膜も一部の用途で使用されるようになってきている。非晶質炭素膜は、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)、カーボン硬質膜、a-C、a-C:H、i-C等とも称されている、非晶質の炭素膜または水素化炭素膜である。非晶質炭素膜の形成法としては、CH4等の炭化水素系ガスを用いたプラズマCVD法や、スパッタ蒸着法、イオンプレーティング法、真空アーク蒸着法などが用いられているが、基材と膜の密着性が乏しいため、さまざまな密着性改善方法が報告されている。非晶質炭素膜の密着性改善のための一般的な手法として、基材と非晶質炭素膜の間に様々な中間層を形成する方法が従来から試みられており、例えば特開昭64-79372号公報では、基材上に気相合成法により炭化チタニウムからなる中間層を被覆した後、気相合成法により非晶質炭素膜を形成する方法が示されている。また、基材上に中間層を用いずに直接非晶質炭素膜を形成する場合の基材の前処理として、成膜装置内にArガスを導入し、基材に負のバイアスを印可し、Arグロー放電を発生させ、基材表面をArイオンでエッチングした後に、非晶質炭素膜を形成する方法が報告されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の基材表面をArイオンエッチングした後に、非晶質炭素膜を形成する方法では、Arイオンによるエッチング効果が低く、機械部品や切削工具、金型等として実用可能な密着性が得られない。また上記の炭化チタニウムからなる中間層を基材と非晶質炭素膜の間に形成する方法では、非常に高い面圧下で使用される機械部品や、切削工具、金型に対しては、密着性が不充分であり、非晶質炭素膜を応用できる分野が限られていた。また、窒化物膜のコーティングにおいても、従来よりも高速切削が可能な切削工具の実現や、切削工具、金型をさらに長寿命化させるために、窒化物膜の密着性を従来よりも高めることが要求されている。
さらに真空アーク蒸着法を用いて形成した薄膜では、ターゲットから発生したマクロパーティクルやドロップレットと呼ばれる粗大粒子が膜中に取り込まれるため、表面粗度が悪くなるという問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は従来よりも基材との密着性に優れ、かつ表面平滑性に優れた窒化物膜、非晶質炭素膜を実現するための成膜方法および成膜装置に関するものであり、特に本発明によると機械部品、切削工具、金型等に応用可能な高い密着性を有する非晶質炭素膜を実現することができる。
【0007】
すなわち、上記を実現するための薄膜形成装置として、少なくとも1基の陰極アーク式蒸発源と、基材に負のバイアス電圧を印可するための電源と、少なくとも1基のスパッタ蒸発源を備えたことを特徴とする薄膜形成装置、あるいは、少なくとも1基の陰極アーク式蒸発源と、基材に負のバイアス電圧を印可するための電源と、少なくとも1基のフィルタード陰極アーク式蒸発源を備えたことを特徴とする薄膜形成装置、あるいは、少なくとも1基の陰極アーク式蒸発源と、基材に負のバイアス電圧を印可するための電源と、陰極の蒸着面を含む領域に、蒸発面での磁束密度が5×10-4T以上、1.5×10-1T以下の磁界を形成する磁界形成手段を備えた、少なくとも1基の陰極アーク式蒸発源を備えたことを特徴とする薄膜形成装置を用いる。
【0008】
また、薄膜形成方法として、基材前処理用の陰極アーク式蒸発源にIVa、Va、VIa、IIIbから選ばれた少なくとも1種の元素からなる金属ターゲットを装着し、H2、He、Ne、Ar、Kr、Xe、N2から選ばれた少なくとも1種の雰囲気ガス中、0.005Pa以上、5Pa以下の圧力下あるいは、1×10-6Pa以上、0.1Pa以下の到達真空下において、基材に負のバイアスを印可しながら、少なくとも前記金属ターゲットから発生させた金属イオンを基材に照射した後に、薄膜を形成することを特徴とする薄膜形成方法を用いる。
【0009】
【作用】
本発明の薄膜形成方法は、基材との密着性に優れた薄膜を得るための基材の前処理方法に特徴があり、基材前処理用に陰極アーク式蒸発源を用い、この蒸発源から発生させた金属イオンを基材表面に照射させる。陰極アーク式蒸着源とは、アーク蒸発源に装着した金属ターゲットのカソードと、アノードの間に直流電圧を印可することにより、ターゲット表面にアーク放電を発生させ、ターゲット物質を蒸発、イオン化させるものである。陰極アーク式蒸発源には、ターゲット周辺に配置した磁気コイルによる磁界により高密度のプラズマが得られるタイプのものや、蒸発源から発生したイオンの進行方向を磁場により偏向させてマクロパーティクルの基材への飛来を抑えたフィルタードカソードと呼ばれるタイプなど、様々なものがあり、本発明では公知のどのようなタイプのものでも使用することができるが、基材前処理用の蒸発源としては前記したような特別な機能をもたないものでも構わない。陰極アーク式蒸発源は、イオン化率が高いため、基材表面をエッチングする速度が速く、クリーニング効果が高い。
【0010】
陰極アーク式蒸発源には、 IVa、Va、VIa、IIIbから選ばれた少なくとも1種の元素からなる金属ターゲットを装着し、これらの金属イオンを基材表面に照射させる。これらの元素は陰極アーク式蒸発源により蒸発させやすく、高いイオン密度を得ることができるため、望ましい。これらの元素の中でも特にTi、V、Cr、Zrイオンはエッチング速度が速く特に望ましい。Crはアーク放電により昇化しやすいため、前処理時に基材表面に付着するドロップレットが極めて少なく、表面の平滑な膜が形成可能であるため、さらに望ましい。真空アーク蒸着法により薄膜を形成する場合、従来の手法では、成膜に用いる蒸発源と前処理用の蒸発源は共通であり、例えばTiNを形成する場合では成膜に使用するTiターゲットの装着された蒸発源を用いてArやN2雰囲気中でTiイオン照射により前処理を行っていたが、本手法では前処理用に前記した金属ターゲットを装着した専用の蒸発源を使用して、前処理を行う。
【0011】
イオン照射は、成膜チャンバー内を真空排気し、1×10-6Pa以上、0.1Pa以下の到達真空下において行う。到達真空度はできるだけ低いほうが望ましいが、一般的な真空成膜装置では前記した範囲以下の到達真空度を得ることが難しく、また実現出来る装置であっても、これ以下の真空度に達するのに時間がかかりすぎるために、実用的でない。圧力が前記した範囲以上であると、前処理終了時から成膜を開始するまでに間に、基材表面にガスが吸着したり、基材表面に酸化膜が形成されたりして、膜の密着力が低下するため望ましくない。あるいはアーク放電をより安定させる目的で、外部からH2、He、Ne、Ar、Kr、Xe、N2から選ばれた少なくとも1種の雰囲気ガスを導入し、0.005Pa以上、5Pa以下の圧力下で行ってもよい。圧力がこれ以下である場合には、ガス導入の効果がないため望ましくなく、これ以上である場合は、基材のエッチング速度が遅くなったり、基材表面に金属膜が形成されるため望ましくない。
【0012】
蒸発源から発生させた金属イオンは、基材に印可された負のバイアス電圧により加速され、基材表面に照射される。このようにして高い運動エネルギーをもった金属イオンを基材表面に照射することにより、基材表面の付着物や酸化層が除去され、高い密着力が得られる。基材に印可する負のバイアスとしては、直流バイアス、パルス直流バイアス、高周波バイアス、直流バイアスと高周波バイアスの併用などが使用可能であるが、高周波バイアスの単独での印可は高いVDCが得られないため望ましくない。特に絶縁体の基材を使用する際には、チャージアップの防止や異常放電の防止のため、パルス直流バイアスを用いることがさらに望ましい。基材に印可する負のバイアス電圧としては、VDCの絶対値が300V以上、1500V以下であることが望ましい。この範囲以下の電圧では、イオンが十分に加速されないため、基材表面をエッチングすることができず、この範囲以上の電圧では基材の温度が上昇しすぎるため望ましくない。
【0013】
このイオン照射処理では、蒸発源から発生させた金属イオン以外にも、アークプラズマ中の金属ラジカルやマクロパーティクルなどの金属中性粒子、電子、雰囲気ガスのイオンやラジカルなどが基材表面に照射されるが、基材表面のエッチングは主に金属イオンによって行われる。
【0014】
イオン照射処理中はイオン衝撃により基材の温度が上昇するが、成膜開始時の基材温度が0℃以上、500℃以下であれば、非晶質炭素膜が形成可能である。基材の温度がこれより高いと膜質がグラファイトに近くなり、膜の硬度が低下したり、極端に密着力が低下したりするため、望ましくない。非晶質炭素膜形成開始時の基材温度が0℃以上、300℃以下である時に最も高い密着力が得られる。非晶質炭素膜形成開始時に基材の温度がこれよりも高いと、成膜初期にグラファイトが生成し、基材と非晶質炭素膜の密着力が低下してしまう。温度がこれより低いと、基材表面に雰囲気中のガスが吸着しやすくなり、基材と非晶質炭素膜の密着力が低下するため、望ましくない。イオン照射後、この温度範囲まで基材を冷却した後に、非晶質炭素膜を形成しても良いが、基材冷却時に基材表面が汚染され密着力低下の原因となるため、イオン照射時に基材の温度が300℃より上昇しないように、イオン照射の条件を設定するか、基材を冷却しながらイオン照射することがより望ましい。また、基材に一部のダイス鋼やCr-Mo鋼などの低温焼き戻しの鋼材を用いる場合には、基材の軟化を防止するため、成膜開始時の基材温度が0℃以上、200℃以下、より望ましくは0℃以上、150℃以下であることが望ましい。
【0015】
本発明の手法は、TiN、TiAlN、CrN、VN、ZrN、Si3N4、TiC、SiC、TiCN、Al2O3などの公知のあらゆるセラミックス薄膜、および非晶質炭素膜、あるいはこれらの積層膜や複合膜、あるいはこれらに微量元素を添加したものなどの成膜に用いることができる。ここでCrNとはCrN、Cr2N、あるいはこれらが混合したものを総称したものを指す。この中でもTiN、TiAlN、CrN、非晶質炭素膜およびこれらの積層膜、複合膜、あるいはこれらに微量元素を添加したものは、切削工具、金型、摺動部品などに広く用いられているため、特に望ましい。この中でも非晶質炭素膜は、従来手法では密着力が低く用途が限られていたが、本手法を用いることにより従来使用できなかった高負荷下での使用が可能となるため、さらに望ましい。
【0016】
本発明で形成する非晶質炭素膜はヌープ硬度(HV)が、1200以上、8000以下であることが望ましい。これより硬度が低いと、耐摩耗性が低く、使える用途が制限されてしまい、これより硬度が高いと膜の内部応力が高すぎて膜が剥離しやすくなるため、望ましくない。
硬度の測定は、押し込み式で行う。ダイヤモンド製のヌープ圧子を用い、荷重50g、荷重負荷時間10秒間とし、測定点10点の平均値とする。被膜表面の凹凸が大きく圧痕の形状が見にくい時は、#8000のダイヤモンドペーストでバフ研摩を施し、圧痕形状が観察できるようにする。
【0017】
非晶質炭素膜の厚みは、0.05μm以上、10μm以下であることが望ましい。これより薄いと、非晶質炭素自体の低摩擦係数、高硬度といった特性が発揮できず、これよりも厚いと、膜の表面粗さが粗くなりすぎて摩擦係数が増加したり、膜が剥離しやすくなるため、実用には適さない。
【0018】
本発明で用いる基材の材質に関しては、特に限定されない。窒化ケイ素、窒化アルミ、アルミナ、ジルコニア、炭化ケイ素などのセラミックスや、高速度鋼、ステンレス鋼、SKD等の鉄系合金、アルミニウム合金、鉄系焼結体、タングステンカーバイト系金属の超硬合金、ダイヤモンド焼結体、立方晶窒化ホウ素焼結体など、用途に応じて用いることができる。
【0019】
前記した前処理を行った基材上に薄膜を形成する方法としては、スパッタ蒸着法、イオンプレーティング法、真空アーク蒸発法、プラズマCVD法など、公知のいずれの方法も用いることができるが、以下に述べるような成膜装置を用いることが望ましい。
【0020】
第1の方法は薄膜の形成をスパッタ法で行う方法であり、基材にイオンを照射するための、少なくとも1基の陰極アーク式蒸発源と、基材に負のバイアス電圧を印可するための電源と、少なくとも1基のスパッタ蒸発源を備えた薄膜形成装置を用いる。陰極アーク式蒸発源とスパッタ蒸発源は、薄膜の形成可能な面積を拡大するために、それぞれ複数の蒸発源を使用することも可能である。従来のスパッタ成膜装置では、成膜前処理としてArイオンで基材表面をエッチングする方法が一般に用いられているが、本装置は陰極アーク式蒸発源から発生させた金属イオン照射を行うため、従来法よりも優れた密着力が得られる。スパッタ法は平滑な表面を有する薄膜を形成可能であるため、このような装置を用いることにより、高密着で表面の平滑な薄膜が形成可能となる。
【0021】
スパッタ蒸発源としては、直流マグネトロンスパッタ蒸発源、高周波マグネトロンスパッタ蒸発源、アンバランスドマグネトロン(UBM)スパッタ蒸発源など、公知の蒸発源を用いることができる。
【0022】
第2の方法は薄膜の形成を真空アーク蒸着法で行う方法であり、基材にイオンを照射するための、少なくとも1基の陰極アーク式蒸発源と、基材に負のバイアス電圧を印可するための電源と、少なくとも1基の陰極アーク式蒸発源を備えたことを特徴とする薄膜形成装置を用いる。イオン照射を行うための陰極アーク式蒸発源と成膜を行うための陰極アーク式蒸発源は、薄膜の形成可能な面積を拡大するために、それぞれ複数の蒸発源を使用することも可能である。成膜を行うための陰極アーク式蒸発源としては公知のあらゆるアーク式蒸発源が使用可能であるが、本発明においては、フィルタード陰極アーク式蒸発源、あるいは陰極の蒸着面を含む領域に、蒸発面での磁束密度が5×10-4T以上、1.5×10-1T以下の磁界を形成する磁気コイルなどの磁界形成手段を備えた陰極アーク式蒸発源を用いる。このような蒸発源は、成膜時にマクロパーティクルが基材に付着することを抑制でき、表面の平滑な薄膜が形成可能となる。フィルタード陰極アーク式蒸発源は様々なタイプがあるが、本発明においては公知のいづれのタイプも使用可能である。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の具体的な実施の形態については実施例で示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0024】
【実施例】
(実施例1)基材に対し陰極アーク式蒸発源を用いた金属イオン照射を行った後、スパッタ法を用いて、TiN膜、TiAlN膜、CrN膜、非晶質炭素膜を形成した。基材には、JIS規格K10のタングステンカーバイト系超硬合金、SUS304、SCM415、SKD11を使用した。基材は表面を清浄にするために、アセトン中で超音波洗浄を10分以上行ったのちに、真空槽内の基材ホルダに装着した。
【0025】
本実施例で用いた成膜装置を図1に示す。真空槽1内に水平円盤状の回転テーブル4を具え、この回転テーブル4に垂直に固定された基材ホルダ5を具える。基材ホルダ5を挟む対向する真空槽側壁には、イオン照射用の陰極アーク式蒸発源と成膜用のスパッタ蒸発源11が設置され、陰極アーク式蒸発源には直流アーク電源9が、スパッタ蒸着源11には高周波電源12が接続される。陰極アーク式蒸発源にはターゲット8が、スパッタ蒸発源11にはターゲット10がそれぞれ装着されている。また、基材ホルダ5には回転テーブル4に接続された直流電源7により所定の負のバイアス電圧を付与することができる。そして、真空槽1はガス導入口2とガス排気口3とが設けられている。
【0026】
本装置でのイオン照射方法、薄膜の形成方法を以下に示す。イオン照射用陰極アーク式蒸発源のターゲット8には、Ti、V、Cr、Zrのいずれかを、成膜用スパッタ蒸発源のターゲット10には、TiまたはTi組成50at%、Al組成50at%のTiAl焼結体、またはCrまたは固体炭素を用いた。基材ホルダ5に基材6をセットした後、装置内を0.002Paまでガス排気口3から真空排気した。雰囲気ガスとして、Ar、He、H2、N2、Ne、Kr、Xeのいずれかを真空槽1内が所定の圧力になるようにガス導入口2より導入するか、ガスを導入せずに到達真空度のまま、基板ホルダ5に所定の基板バイアスを印可した。回転テーブル4を5rpmで回転させながら、ターゲット8に所定のアーク電流を流してアーク放電を発生させ、ターゲットの金属イオンを基材6へ衝突させ、基材表面の汚れや酸化物層をエッチング除去した。
【0027】
その後、真空槽1内を真空排気した後に、薄膜の形成を行った。窒化物の形成は以下のように行った。真空槽1内が1Paの圧力になるようにガス導入口2よりN2ガスとArガスを導入した。N2ガスとArガスの分圧はそれぞれ0.5Paとした。基材ホルダ5に-100Vのバイアス電圧を印可し、回転テーブル4を5rpmで回転させながら、スパッタ蒸発源11に高周波電力400Wを投入し、基材上に窒化物薄膜を形成した。
【0028】
非晶質炭素膜の形成時は、真空槽1内が1Paの圧力になるようにガス導入口2よりCH4ガスとArガスを導入し、CH4ガスとArの分圧はそれぞれ0.3Paと0.7Paとした。基材ホルダ5に-200Vのバイアス電圧を印可し、回転テーブル4を5rpmで回転させながら、スパッタ蒸発源11に高周波電力400Wを投入し、基材上に非晶質炭素膜を形成した。
【0029】
膜の基材に対する密着性は、ロックウエル剥離試験および打撃試験により評価した。ロックウエル剥離試験には、ロックウエルCスケール硬度測定用のダイヤモンド圧子を用い、試験荷重150kgfで被膜表面から圧子を押し付けてできた圧痕まわりの剥離状況を光学顕微鏡で観察した。測定は各試料につき5回行った。
打撃試験は、試料の被膜を形成した面に対し、直径1インチのタングステンカーバイト系超硬合金製球を用い仕事量10Jで400回打撃を加え、打痕およびその周辺の剥離状況を光学顕微鏡で観察した。
膜の表面粗さは触針式表面粗さ計を用い、RaとRmaxの値を評価した。測定条件は、測定長さ0.8mm、走査スピード0.06mm/sとした。
【0030】
イオン照射処理と薄膜形成の条件を表1に、評価結果を表2にまとめる。いずれの方法においても、ロックウエル剥離試験、打撃試験ともに剥離は見られず、本発明の手法で形成した薄膜は基材に対し良好な密着性を示した。また、いずれの膜も良好な表面平滑性を示した。
【0031】
【表1】
Figure 0004449187
【0032】
【表2】
Figure 0004449187
【0033】
(実施例2)基材に対し陰極アーク式蒸発源を用いた金属イオン照射を行った後、フィルタード陰極アーク式蒸発源を用いた真空アーク蒸着法により、TiN膜、TiAlN膜、CrN膜、非晶質炭素膜を形成した。基材には実施例1と同じものを用い、実施例1と同様の洗浄を行った。
【0034】
本実施例で用いた成膜装置を図2に示す。真空槽13内に水平円盤状の回転テーブル16を具え、この回転テーブル16に垂直に固定された基材ホルダ17を具える。基材ホルダ17を挟む対向する真空槽側壁には、イオン照射用の陰極アーク式蒸発源と成膜用のフィルタード陰極アーク式蒸発源が設置され、イオン照射用の陰極アーク式蒸発源にはターゲット20が、成膜用のフィルタード陰極アーク式蒸発源にはターゲット23がそれぞれ装着されている。イオン照射用の陰極アーク式蒸発源には直流アーク電源21が接続されている。成膜用のフィルタード陰極アーク式蒸発源のターゲット23には直流アーク電源24が接続されている。ターゲット23から蒸発、イオン化されたイオンは、磁気コイル22による磁場により進行方向が偏向させられ、基材表面に到達するが、ターゲット23から発生したマクロパーティクルは磁場で偏向させられずに直進するため、蒸発源の内壁にトラップさせ、基板まで到達しないようになっている。また、基材ホルダ17には回転テーブル16に接続された直流電源19により所定の負のバイアス電圧を付与することができる。そして、真空槽13はガス導入口14とガス排気口15とが設けられている。
【0035】
本装置でのイオン照射方法、薄膜の形成方法を以下に示す。まず、実施例1と同様にして基材表面にイオン照射を行った。
その後、真空槽13内を真空排気した後に、薄膜の形成を行った。窒化物の形成は以下のように行った。真空槽13内が3Paの圧力になるようにガス導入口14よりN2ガスを導入した。 基材ホルダ17に-100Vのバイアス電圧を印可し、回転テーブル16を5rpmで回転させながら、磁気コイル22に電流を流し磁場を発生させ、ターゲット23にアーク電流80Aを流してアーク放電を発生させ基材上に窒化物薄膜を形成した。
【0036】
非晶質炭素膜の形成時は、真空槽13内が0.5Paの圧力になるようにガス導入口14よりArガスを導入し、基材ホルダ17に印可するバイアス電圧を-100V、アーク電流を60Aとした。
【0037】
形成した薄膜は、実施例1と同様にして、密着性、表面粗さの評価を行った。
イオン照射処理と薄膜形成の条件を表3に、評価結果を表4にまとめる。いずれの方法においても、ロックウエル剥離試験、打撃試験ともに剥離は見られず、本発明の手法で形成した薄膜は基材に対し良好な密着性を示した。また、いずれの膜も良好な表面平滑性を示した。
【0038】
【表3】
Figure 0004449187
【0039】
【表4】
Figure 0004449187
【0040】
(実施例3)基材に対し陰極アーク蒸発源を用いた金属イオン照射を行った後、ターゲット前方に磁気コイルを備えた陰極アーク式蒸発源を用いた真空アーク蒸着法により、TiN膜、TiAlN膜、CrN膜、非晶質炭素膜を形成した。基材には実施例1と同じものを用い、実施例1と同様の洗浄を行った。
【0041】
本実施例で用いた成膜装置を図3に示す。真空槽25内に水平円盤状の回転テーブル28を具え、この回転テーブル28に垂直に固定された基材ホルダ29を具える。基材ホルダ29を挟む対向する真空槽側壁には、イオン照射用の陰極アーク式蒸発源と成膜用のターゲット前方に電磁コイルを備えた陰極アーク式蒸発源が設置され、イオン照射用の陰極アーク式蒸発源にはターゲット32が、成膜用の陰極アーク式蒸発源にはターゲット34がそれぞれ装着されている。イオン照射用の陰極アーク式蒸発源には直流アーク電源33が接続されている。成膜用の陰極アーク式蒸発源のターゲット34には直流アーク電源36が接続されている。また成膜用の陰極アーク式蒸発源にはターゲット前方に磁気コイル35が装着されており、磁気コイル35により発生した磁界によりプラズマを閉じ込め、プラズマ密度を高め、ターゲットから発生したマクロパーティクルをイオン化することにより、基材上に到達するマクロパーティクルを低減できるようになっている。また、基材ホルダ29には回転テーブル28に接続された直流電源31により所定の負のバイアス電圧を付与することができる。そして、真空槽25はガス導入口26とガス排気口27とが設けられている。
【0042】
本装置でのイオン照射方法、薄膜の形成方法を以下に示す。まず、実施例1と同様にして基材表面にイオン照射を行った。
その後、真空槽25内を真空排気した後に、薄膜の形成を行った。窒化物の形成は以下のように行った。真空槽25内が3Paの圧力になるようにガス導入口26よりN2ガスを導入した。 基材ホルダ29に-100Vのバイアス電圧を印可し、回転テーブル28を5rpmで回転させながら、ターゲット表面での磁束密度が5×10-2Tになるように磁気コイル35に電流を流し、ターゲット34にアーク電流80Aを流してアーク放電を発生させ基材上に窒化物薄膜を形成した。
非晶質炭素膜の形成時は、真空槽25内が0.5Paの圧力になるようにガス導入口26よりArガスを導入し、基材ホルダ29に印可するバイアス電圧を-100V、アーク電流を60Aとした。
【0043】
形成した薄膜は、実施例1と同様にして、密着性、表面粗さの評価を行った。
イオン照射処理と薄膜形成の条件を表5に評価結果を表6にまとめる。いずれの方法においても、ロックウエル剥離試験、打撃試験ともに剥離は見られず、本発明の手法で形成した薄膜は基材に対し良好な密着性を示した。また、いずれの膜も良好な表面平滑性を示した。
【0044】
【表5】
Figure 0004449187
【0045】
【表6】
Figure 0004449187
【0046】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の薄膜形成方法および装置を用いれば、基材との密着性に優れ、表面平滑性に優れた、セラミックス膜、非晶質炭素膜が形成可能となり、機械部品、工具、金型への応用が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で使用した薄膜形成装置の概略図である。
【図2】実施例2で使用した薄膜形成装置の概略図である。
【図3】実施例3で使用した薄膜形成装置の概略図である。
【符号の説明】
1 真空槽
2 ガス導入口
3 排気口
4 回転テーブル
5 基材ホルダ
6 基材
7 直流電源
8 ターゲット
9 直流アーク電源
10 ターゲット
11 スパッタ蒸発源
12 高周波電源
13 真空槽
14 ガス導入口
15 排気口
16 回転テーブル
17 基材ホルダ
18 基材
19 直流電源
20 ターゲット
21 直流アーク電源
22 磁気コイル
23 ターゲット
24 直流アーク電源
25 真空槽
26 ガス導入口
27 排気口
28 回転テーブル
29 基材ホルダ
30 基材
31 直流電源
32 ターゲット
33 直流アーク電源
34 ターゲット
35 磁気コイル
36 直流アーク電源

Claims (4)

  1. 基材前処理用の陰極アーク式蒸発源にTi、V、Cr、Zrから選ばれた少なくとも1種の元素からなる金属ターゲットを装着し、基材に負のバイアスを印可しながら、少なくとも前記金属ターゲットから発生させた金属イオンを基材に照射した後に、0℃以上、300℃以下の基材温度で成膜を開始し、非晶質炭素膜を形成することを特徴とする薄膜形成方法。
  2. 1×10-6Pa以上、0.1Pa以下の到達真空下、あるいはH2、He、Ne、Ar、Kr、Xe、N2から選ばれた少なくとも1種の雰囲気ガス中、0.005Pa以上、5Pa以下の圧力下において、イオン照射を行うことを特徴とする、請求項に記載の薄膜形成方法。
  3. 基材に印可する負のバイアス電圧を300V以上、1500V以下にしてイオン照射を行うことを特徴とする、請求項1または請求項に記載の薄膜形成方法。
  4. 少なくとも1基の陰極アーク式蒸発源と、基材に負のバイアス電圧を印可するための電源により基材前処理を行い、スパッタ蒸発源、あるいはフィルタード蒸発源、あるいは陰極の蒸着面を含む領域に、蒸発面での磁束密度が5×10-4T以上、1.5×10-1T以下の磁界を形成する磁界形成手段を備えた、少なくとも1基の陰極アーク式蒸発源により薄膜を形成することを特徴とする請求項〜請求項のいずれかに記載の薄膜形成方法。
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