JP6243796B2 - ダイヤモンドライクカーボン膜の成膜方法 - Google Patents
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Description
係る構成によると、金属基材と下地層との密着性をより一層優れたものとすることができる。
(1)金属基材を真空チャンバ内に設置して、真空に減圧する工程
(2)金属基材表面をアルゴンイオンでボンバードする工程
(3)前記金属基材表面上に下地層を成膜する工程
(4)前記下地層上にDLC膜を成膜する工程
以下、これらの工程と本発明の成膜方法に用いる成膜装置について説明する。
尚、下記に記載した条件以外の条件については、公知の技術を適宜用いることができる。
図1は、本発明のDLC膜の成膜方法に係る第1成膜装置の模式図である。本成膜装置は、真空チャンバ10、真空チャンバ10内を真空に排気するための真空排気系1、真空チャンバ10内の温度を制御するためのヒータ4、熱電子を発生させるためのWフィラメント3、Wフィラメント3に電流を流すためのWフィラメント用電源2、スパッタリング用またはアークイオンプレーティング用蒸発源(ターゲット)5、混合ガス導入口6、公転サンプルステージ7、自転サンプルステージ8、交流電源9を備えている。
本工程は、上記(1)の工程後に、金属基材表面に吸着した水分や洗浄工程で残留した成分をクリーニングするために、アルゴン(以下、「Ar」と記載する。)イオンでボンバードを行う工程である。洗浄工程で残留した成分とは、具体的には、防錆油由来の不純物等である。(1)または(2)の工程の前に、真空チャンバ10内や金属基材表面の吸着水分を蒸発させるために、真空チャンバ10内を100〜1200℃の温度範囲で加熱する工程を設けてもよい。ボンバードのための不活性ガスとしては、安価で入手し易いことから、Arガスを用いる。Arガスの純度は99.9%以上が好ましいが、それ以下でも問題はない。
金属基材表面をArイオンでボンバードする工程は、図1の第1成膜装置を用いて行う。始めに、Arガスを真空チャンバ10内に導入し、ガス圧が0.2Pa〜4Paの所定の圧力になるまで待つ。ここで、ガス圧は任意に設定可能である。所定の圧力になった後、真空チャンバ10内に設置されたWフィラメント3に外部電源2から2〜20Aの電流を流す。このことによって、Wフィラメント3が赤熱され、熱電子が放出される。熱電子は、Arガスと衝突することによって、Arがイオン化(正電荷)される。
本工程は、(2)の工程で金属基材表面をクリーニングした後に、密着性を確保するために、下地層を金属基材表面上に成膜する工程である。下地層を形成する材料としては、鉄系金属基材の場合にはCr、Ti、W、WCなどを用いるのが良く、非鉄系金属基材の場合には同種の金属を用いることが好ましい。このことによって密着性を向上させることができる。
第2成膜装置においては、自転サンプルステージ8と真空チャンバ10との間に電源11によって直流電圧が印加される。
下地層を成膜するためには、金属基材に、直流電圧または交流電圧を印加することによって、ターゲットの成分を有効に金属基材に付着させる。直流電圧を印加するときは、通常、真空チャンバ10に対して金属基材が負の電位となるように印加される。尚、直流電圧は、通常の直流電圧であってもよいし、パルス直流電圧であってもよい。
本工程で、下地層上にDLC膜を成膜する。DLC膜の成膜方法は、PVD法、CVD法のいずれの方法でも良い。
DLC膜を成膜するためには、金属基材に、直流電圧または交流電圧を印加することによって、ターゲットの成分を有効に金属基材に付着させる。
神戸製鋼社製アンバランストマグネトロンスパッタリング(UBM202)装置を用いて成膜を行った。金属基材は、密着性評価用として表面を鏡面研磨した超硬合金(UTi20t、三菱マテリアル社製)および高速度工具鋼SKH51(HRC65)を用いた。成膜装置としては、図1に示した第1成膜装置に相当する2つのグループの自転サンプルステージを有する成膜装置を用い、金属基材をこれら自転サンプルステージにセットした。
各試験片の成膜条件と評価結果を表1に示した。
上記のNo.4の条件にてArイオンボンバード工程およびDLC膜成膜工程を実施し、中間の下地層成膜工程の印加電源、電圧を変化させたときの結果を表2に示した。成膜装置としては、金属基材に交流電圧を印加するときは、第1成膜装置を用い、金属基材に直流電圧を印加するときは、第2成膜装置を用いた。
2 Wフィラメント用電源
3 Wフィラメント
4 ヒータ
5 スパッタリング用またはアークイオンプレーティング用蒸発源
6 混合ガス導入口
7 公転サンプルステージ
8 自転サンプルステージ
9 交流電源
10 真空チャンバ
11 電源
Claims (2)
- 真空チャンバ内に、第1のグループの金属基材と第2のグループの金属基材の2つのグループの金属基材を設置して、真空に減圧する工程と、
アルゴンガスのガス圧を0.2〜4Paとした後のアルゴンガス雰囲気下で、前記真空チャンバ内に設けられたタングステンフィラメントに2〜20Aの電流を流し、前記第1のグループの金属基材と前記第2のグループの金属基材との間に最大値で350V〜1600Vの交流電圧を1〜120分間印加することによって、前記金属基材表面をアルゴンイオンでボンバードする工程と、
前記アルゴンイオンでボンバードされた金属基材表面上に、PVD法によって下地層を成膜する工程と、
前記下地層上に、PVD法またはCVD法によってダイヤモンドライクカーボン膜を成膜する工程とを有するダイヤモンドライクカーボン膜の成膜方法。 - 前記下地層を成膜する工程で、前記金属基材に、−40V〜−1000Vの直流電圧または最大値で40V〜1000Vの交流電圧を印加することを特徴とする請求項1に記載のダイヤモンドライクカーボン膜の成膜方法。
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