JP2004332003A - α型結晶構造主体のアルミナ皮膜の製造方法およびα型結晶構造主体のアルミナ皮膜で被覆された部材の製造方法 - Google Patents

α型結晶構造主体のアルミナ皮膜の製造方法およびα型結晶構造主体のアルミナ皮膜で被覆された部材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】基材の特性を損なうことのない低温条件で、基材(基材上に予め下地皮膜が形成されたものを含む)上に、耐摩耗性及び耐熱性に優れたα型結晶構造主体のアルミナ皮膜を形成する。
【解決手段】基材(基材上に予め下地皮膜が形成されたものを含む)表面にガスイオンボンバード処理を施した後、表面を酸化処理し、その後にアルミナ皮膜を形成する。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、α型結晶構造主体のアルミナ皮膜の製造方法およびα型結晶構造主体のアルミナ皮膜で被覆された部材の製造方法に関するものであり、詳細には、切削工具、摺動部材、金型等の如き耐摩耗部材に被覆される耐摩耗性及び耐熱性に優れたα型結晶構造主体のアルミナ皮膜を、上記切削工具や摺動部材等の基材の特性を損なうことのない低温条件で形成することのできる有用な製造方法と、該α型結晶構造主体のアルミナ皮膜の被覆された部材の製造方法(以下、これらの方法を単に「本発明法」ということがある)に関するものである。
【0002】
尚、本発明のα型結晶構造主体のアルミナ皮膜は、上記した様々な用途の部材に適用できるが、以下では代表例として切削工具に適用する場合を中心に説明を進める。
【0003】
【従来の技術】
一般に、優れた耐摩耗性や摺動特性が求められる切削工具や摺動部材として、高速度鋼製や超硬合金製等の基材表面に、チタン窒化物やチタンアルミニウム窒化物等の硬質皮膜が、物理蒸着法(以下、PVD法という)や化学蒸着法(以下、CVD法という)等の方法で形成されたものが用いられている。
【0004】
特に切削工具として使用する場合、前記硬質皮膜には耐摩耗性と耐熱性(高温での耐酸化性)が特性として要求されるので、該両特性を有するものとして、特にチタンアルミニウム窒化物(TiAlN)が、切削時の刃先温度が高温となる超硬工具等への被覆材料として近年多く使用されている。この様にTiAlNが優れた特性を発揮するのは、皮膜に含まれるアルミニウムの作用により耐熱性が向上し、800℃程度の高温まで安定した耐摩耗性と耐熱性を維持できるからである。該TiAlNとしては、TiとAlの組成比の異なる様々なものが使用されているが、その大半は、上記両特性を備えたTi:Alの原子比が50:50〜25:75のものである。
【0005】
ところで切削工具等の刃先は、切削時に1000℃以上の高温となる場合がある。この様な状況下、上記TiAlN膜のみでは十分な耐熱性を確保できないため、例えば、特許文献1に示されるように、TiAlN膜を形成した上に、更にアルミナ層を形成して耐熱性を確保することが行われている。
【0006】
アルミナは、温度によって様々な結晶構造をとるが、いずれも熱的に準安定状態にある。しかし、切削工具の如く切削時における刃先の温度が、常温から1000℃以上にわたる広範囲で著しく変動する場合には、アルミナの結晶構造が変化し、皮膜に亀裂が生じたり剥離する等の問題を生じる。ところが、CVD法を採用し、基材温度を1000℃以上に高めることによって形成されるα型結晶構造(コランダム構造)のアルミナだけは、一旦形成されると、以後の温度に関係なく熱的に安定な構造を維持する。したがって、切削工具等に耐熱性を付与するには、α型結晶構造のアルミナ皮膜を被覆することが有効な手段とされている。
【0007】
しかしながら、上述した通りα型結晶構造のアルミナを形成するには、基材を1000℃以上にまで加熱しなければならないため、適用できる基材が限られる。基材の種類によっては、1000℃以上の高温にさらされると軟質化し、耐摩耗部材用基材としての適性が失われる可能性が生じるからである。また、超硬合金の様な高温用基材であっても、この様な高温にさらされると変形等の問題が生じる。また、耐摩耗性を発揮する膜として基材上に形成されたTiAlN膜等の硬質皮膜の実用温度域は一般に最高で800℃程度であり、1000℃以上の高温にさらされると、皮膜が変質し、耐摩耗性が劣化するおそれがある。
【0008】
この様な問題に対し、特許文献2には、上記アルミナと同レベルの高硬度を有する(Al,Cr)混合結晶が、500℃以下の低温域で得られた旨報告されている。しかしながら、被削材が鉄を主成分とするものである場合、前記混合結晶皮膜の表面に存在するCrが、切削時に被削材中の鉄と化学反応を起こし易いため、皮膜の消耗が激しく寿命を縮める原因となる。
【0009】
また、O.Zywitzki,G.Hoetzschらは、非特許文献1で、高出力(11−17kW)のパルス電源を用いて反応性スパッタリングを行うことで、750℃でα型結晶構造のアルミナ皮膜を形成できた旨報告している。しかし、この方法でα型結晶構造のアルミナを得るには、パルス電源の大型化が避けられない。
【0010】
この様な問題を解決した技術として、特許文献3には、格子定数が4.779Å以上5.000Å以下で、膜厚が少なくとも0.005μmであるコランダム構造(α型結晶構造)の酸化物皮膜を下地層とし、該下地層上にα型結晶構造のアルミナ皮膜を形成する方法が開示されている。上記酸化物皮膜の成分は、Cr、(Fe,Cr)又は(Al,Cr)のいずれかであることが好ましく、該酸化物皮膜の成分が(Fe,Cr)である場合には、(Fe,Cr(1−x)(ただし、xは0≦x≦0.54)を採用することがより好ましく、また、該酸化物皮膜の成分が(Al,Cr)である場合には、(Al,Cr(1−y)(ただし、yは0≦y≦0.90)を採用することがより好ましいと示されている。
【0011】
また、上記特許文献3には、硬質皮膜としてTi、Cr、Vよりなる群から選択される1種以上の元素とAlとの複合窒化皮膜を形成した上に、中間層として(Al,Cr(1−z))N(ただし、zは0≦z≦0.90)からなる皮膜を形成し、さらに該皮膜を酸化処理してコランダム構造(α型結晶構造)の酸化物皮膜を形成した後に、該酸化物皮膜上にα型アルミナを形成することが有用である旨示されており、この方法によれば、低温の基材温度でα型結晶構造のアルミナが形成できるとされている。
【0012】
上記の方法で得られるアルミナ皮膜は、α型結晶構造を主体とするアルミナであるが、X線回折パターンを詳細に観察すると、γ型等のα型以外の結晶構造のアルミナを示す回折ピークが観察される場合があった。また、ほぼα型結晶構造のみからなるアルミナ皮膜が得られた場合であっても、該皮膜表面をSEM(scanning electron microscope)で観察すると、アルミナ結晶粒間の空隙が大きい場合や、該結晶粒のサイズが不均一である場合があった。従って、より確実に耐摩耗性及び耐熱性に優れたアルミナ皮膜を得るには、更なる改善を要するものと考えられる。
【0013】
【特許文献1】
特許第2742049号公報
【特許文献2】
特開平5−208326号公報
【特許文献3】
特開2002−53946号公報
【非特許文献1】
Surf.Coat.Technol. 86−87 1996 p. 640−647
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の様な事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、α型結晶構造以外の結晶相の生成が抑制され、かつアルミナ結晶粒が微細かつ均一である耐摩耗性及び耐熱性に優れたアルミナ皮膜を、上記切削工具や摺動部材等の基材の特性を損なうことのない低温条件で形成する有用な方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るα型結晶構造主体のアルミナ皮膜の製造方法とは、基材(基材上に予め下地皮膜が形成されたものを含む。以下同じ)上にα型結晶構造を主体とするアルミナ皮膜を形成する方法であって、基材表面にガスイオンボンバード処理を施した後、表面を酸化処理し、その後、酸化処理表面上にアルミナ皮膜を形成するところに要旨を有すものである。
【0016】
前記基材としては、鋼材、超硬合金、サーメット、cBN焼結体、またはセラミックス焼結体を用いるのがよい。
【0017】
また、下地皮膜が形成されたものを基材として使用する場合には、該下地皮膜として、周期律表の4a族,5a族および6a族の元素、Al、Si、Fe、Cu並びにYよりなる群から選択される1種以上の元素とC、N、B、Oの中の1種以上の元素との化合物、またはこれら化合物の相互固溶体、のいずれか1種以上が形成されたものを用いることが推奨される。
【0018】
前記ガスイオンボンバード処理は、真空チャンバー内においてガスプラズマ中で基材に電圧を印加して行うのがよく、前記酸化処理は、酸化性ガス含有雰囲気下で基材温度を650〜800℃に保持して行うのがよい。
【0019】
本発明は、上記α型結晶構造主体のアルミナ皮膜で被覆された部材の製造方法も規定するものであって、該方法は、
▲1▼基材上に下地皮膜を形成する工程、
▲2▼該下地皮膜表面にガスイオンボンバード処理を施す工程、
▲3▼ガスイオンボンバード処理後の下地皮膜表面を酸化処理する工程、
▲4▼次いでα型結晶構造を主体とするアルミナ皮膜を形成する工程
を、同一装置内で順次実施するところに特徴を有する。
【0020】
前記下地皮膜としては、Ti(C,N)、Cr(C,N)、TiAl(C,N)、CrAl(C,N)およびTiAlCr(C,N)よりなる群から選択される1種以上を形成するのが好ましい。前記Ti(C,N)、Cr(C,N)、TiAl(C,N)、CrAl(C,N)、TiAlCr(C,N)は、Ti、Cr、TiAl、CrAl、またはTiAlCrの、それぞれの炭化物、窒化物または炭・窒化物を示す(以下同じ)。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、前述した様な状況の下で、α型結晶構造主体でかつ結晶粒が微細かつ均一であるアルミナ皮膜(以下、単に「α型主体アルミナ皮膜」ということがある)を、前記基材や下地皮膜(以下、特に断りのない限り「基材」には、基材上に予め下地皮膜が形成されたものを含める)の特性を維持できる約800℃以下の温度域で形成するための方法について研究を進めた。
【0022】
その結果、アルミナ皮膜を形成するにあたり、基材表面にガスイオンボンバード処理を施したのち表面を酸化処理しておくことによって、アルミナ皮膜の結晶構造に占めるα型の割合が格段に向上し、かつアルミナ結晶粒が微細かつ均一なものとなることを見出し、上記本発明に想到した。上記方法がα型主体アルミナ皮膜の形成に有効に作用するメカニズムは、後述する実施例における実験結果から、以下の様に一応推定される。
【0023】
上述の通り、従来法によれば、CrN皮膜上にアルミナ皮膜を形成するにあたり、CrN皮膜の表面を酸化させることによって、α型結晶構造を主体とするアルミナ皮膜を形成できる。
【0024】
この方法のメカニズムとして、アルミナ皮膜形成前に、成膜対象である上記CrN皮膜の表面を酸化性雰囲気に曝すことで、その表面にα型結晶構造のアルミナと同一の結晶構造を有するCrが形成され、この表面状態が、アルミナ皮膜形成時におけるα型結晶構造のアルミナ結晶核の生成に好適であることが考えられる。
【0025】
しかしながら、この方法でアルミナ皮膜を形成した場合には、該皮膜表面をSEMで観察すると、後述する比較例として示す様にアルミナ結晶粒が粗大化し、かつ疎らとなっている。その理由として、酸化処理表面の全ての領域がα型結晶構造のアルミナ結晶核の生成に好適な状態でなく、具体的には、酸化処理前のCrN皮膜の表面状態が必ずしも均一でないことから、酸化処理後の表面も不均一な状態となっていることが考えられる。
【0026】
これに対し、本発明の様にガスイオンボンバード処理を行ってから酸化処理した場合には、形成されたアルミナ皮膜の表面をSEMで観察すると、後述する本発明例として示す如く、α型結晶構造のアルミナの結晶粒は、従来法で成膜した場合より微細かつ均一になっている。
【0027】
これらの結果から、酸化処理前にガスイオンボンバード処理を施すことによって、酸化処理で形成されるα型結晶構造のアルミナ結晶核の生成ポイントが、より多数かつ均一に存在するようになったと推定することができる。
【0028】
このメカニズムについて詳細は明らかでないが、例えば次の様に考えることができる。即ち、本発明の方法では、上記CrN等の皮膜表面に存在する吸着水分、コンタミネーション、自然酸化膜が、ガスイオンボンバード処理で除去されて、酸素と化合しやすい状態となった表面を酸化処理するため、皮膜表面に、α型結晶構造のアルミナ結晶核の生成ポイントとなる酸化物が微細かつ均一に形成されたものと考えられる。
【0029】
以下に、本発明法における好ましい実施態様等について詳述する。
【0030】
<ガスイオンボンバード処理について>
本発明法は、上述の通り、アルミナ皮膜を形成するにあたり、基材表面にガスイオンボンバード処理を施したのち表面を酸化処理することを特徴とするものであり、該ガスイオンボンバード処理の詳細な条件まで特に限定されず、基材表面をエッチングできる条件を適宜採用すれば良い。
【0031】
具体的な方法として例えば後述する図1に示す様に、フィラメント励起のプラズマを利用する次の様な方法が挙げられる。即ち、Ar等の不活性ガスを真空チャンバー内に導入した状態で、フィラメントから熱電子を発生させて放電を生じさせ、該放電で生じたプラズマ中のAr等のガスイオンを、基材に印加した負の電圧で加速して衝突させることで、基材表面をエッチングする方法である。
【0032】
前記電圧の印加は、上記の通り負の直流電圧を連続的または断続的に印加する他、高周波の交流電圧を印加してもよい。
【0033】
発生したAr等のガスイオンを基材に向けて加速させ、該基材表面のエッチングを十分に行うには、前記負の直流電圧を−100V以上(好ましくは−300V以上)とするのがよい。しかし上記負の電圧が大きすぎると、アーク放電が生ずる等の悪影響が懸念されるため、−2000V以下(好ましくは−1000V以下)に抑えるのがよい。また高周波の交流電圧を印加する場合には、発生するセルフバイアスを前記直流電圧と同程度とするのがよい。
【0034】
使用するガスイオン種は、エッチング効果を有するものであれば特に限定されず、Ar、Kr、Xe等の希ガスを使用することができる。その中でも、比較的安価でありかつ一般に使用されているArガスを使用することが好ましい。
【0035】
上記プラズマの生成は、上記フィラメントによる方法の他、ホロカソード放電やRF(ラジオ周波数)放電等の方法で行ってもよい。
【0036】
また、より簡便な方法として、Ar等の不活性ガスを真空チャンバー内に導入した状態で、基材に負の直流電圧または高周波の交流電圧を印加してグロー放電を発生させ、該放電で生じたプラズマ中のガスイオン(Arイオン等)を、印加した電圧で加速させてエッチングを行ってもよい。
【0037】
ガスイオンボンバード処理の別の具体的態様として、イオンビームソースから発生させた高加速のガスイオンを、基材表面に衝突させる方法を採用することもできる。
【0038】
<基材および下地皮膜について>
本発明法では、基材として、切削工具等の部材を構成する基材をそのまま使用する他、耐摩耗性等の特性を付与すべく、該基材上に予め単層または多層の下地皮膜を形成したものを用いることもできる。本発明は、該基材や下地皮膜の具体的な種類まで規定するものではないが、優れた耐熱性や耐摩耗性等の要求される切削工具、摺動部材、金型等の製造に本発明法を適用するには、該基材や下地皮膜として下記のものが好ましく使用される。
【0039】
基材としては、高速度鋼等の鋼系材料、超硬合金、サーメット、またはcBN(立方晶窒化ほう素)焼結体やセラミックス焼結体を用いることができる。
【0040】
基材上に下地皮膜を形成させたものを用いる場合には、基材の種類は特に問わない。前記下地皮膜としては、例えば、周期律表の4a族,5a族および6a族の元素、Al、Si、Fe、Cu並びにYよりなる群から選択される1種以上の元素とC、N、B、Oの中の1種以上の元素との化合物、または、これら化合物の相互固溶体、のいずれか1種以上を形成すれば、α型結晶構造のアルミナ形成に有利な酸化物層ができるので好ましい。
【0041】
上記下地皮膜の代表的なものとして、Ti(C,N)、Cr(C,N)、TiAl(C,N)、CrAl(C,N)、TiAlCr(C,N)、即ち、Ti、Cr、TiAl、CrAl、またはTiAlCrの、それぞれの炭化物、窒化物、炭・窒化物が挙げられ、切削工具等に汎用されている硬質皮膜として、例えばTiN、TiC、TiCN、TiAlN、CrN、CrAlN、TiAlCrNを単層または多層形成することができる。
【0042】
下地皮膜の膜厚は、該皮膜に期待される耐摩耗性や耐熱性等を十分に発揮させるため、0.5μm以上とするのがよく、より好ましくは1μm以上である。しかし下地皮膜の膜厚が厚すぎると、切削時に該皮膜に亀裂が生じ易くなり長寿命化が図れなくなるので、下地皮膜の膜厚は20μm以下、より好ましくは10μm以下に抑えるのがよい。
【0043】
上記下地皮膜の形成方法は特に限定されないが、PVD法で形成することが好ましく、該PVD法としてAIP(イオンプレーティング)法や反応性スパッタリング法を採用することがより好ましい。また、PVD法で硬質皮膜を形成する方法を採用すれば、下地皮膜の形成と後述するα型主体アルミナ皮膜の形成を同一装置内で成膜を行うことができるので、生産性向上の観点からも好ましい。
【0044】
<酸化処理方法について>
本発明では、前記ガスイオンボンバード処理後に下地表面の酸化処理を行う。該酸化処理の条件についても特に限定されないが、α型結晶構造のアルミナ結晶核の生成に有利な酸化物含有層を効率よく形成するには、下記の条件で酸化を行うことが好ましい。
【0045】
即ち、前記酸化は、酸化性ガス含有雰囲気で行うことが好ましい。その理由は効率よく酸化できるからであり、例えば酸素、オゾン、H等の酸化性ガスを含有する雰囲気が挙げられ、その中には大気雰囲気も勿論含まれる。
【0046】
また前記酸化は、基材温度を650〜800℃に保持して熱酸化を行うことが望ましい。基材温度が低過ぎると十分に酸化が行われないからであり、好ましくは700℃以上に高めて行うことが望ましい。基材温度を高めるにつれて酸化は促進されるが、基材温度の上限は、本発明の目的に照らして1000℃未満に抑えることが必要である。本発明では、800℃以下でも後述するα型主体アルミナ皮膜の形成に有用な酸化物含有層を形成することができる。
【0047】
本発明では、上記酸化処理のその他の条件について格別の制限はなく、具体的な酸化方法として、上記熱酸化の他、例えば酸素、オゾン、H等の酸化性ガスをプラズマ化して照射する方法を採用することも勿論有効である。
【0048】
この工程は、次の工程で成膜するアルミナ皮膜の成膜装置中で行うのが望ましく、酸化性ガスの雰囲気中で基材温度を高めて上記熱酸化を行う方法が、好ましい実施形態として挙げられる。
【0049】
<アルミナ皮膜の形成方法について>
α型主体アルミナ皮膜の形成方法は特に限定されないが、CVD法では1000℃以上の高温域で行う必要があるので好ましくなく、低温域で成膜することのできるPVD法を採用することが望ましい。PVD法としてスパッタリング法、イオンプレーティング法、蒸着法等が挙げられるが、その中でも、スパッタリング法が好ましく、特に反応性スパッタリングは、安価なメタルターゲットを用いて高速成膜を行うことができるので好ましい。
【0050】
また、アルミナ皮膜形成時の基材温度も特に規定しないが、約650〜800℃の温度域で行うと、α型主体アルミナ皮膜が形成され易いので好ましい。更には、前記酸化処理工程に引き続き、酸化処理時の基材温度を一定に保ってα型主体アルミナ皮膜を形成すれば、基材や硬質皮膜の特性を維持できる他、生産性にも優れているので好ましい。
【0051】
形成するアルミナ皮膜の膜厚は、0.1〜20μmとすることが望ましい。該アルミナ皮膜の優れた耐熱性を持続させるには、0.1μm以上確保することが有効だからであり、より好ましくは1μm以上である。しかしアルミナ皮膜の膜厚が厚すぎると、該アルミナ皮膜中に内部応力が生じて亀裂等が生じ易くなるので好ましくない。従って、前記膜厚は20μm以下とするのがよく、より好ましくは10μm以下、更に好ましくは5μm以下である。
【0052】
<成膜プロセスについて>
前記下地皮膜の形成(基材上に下地皮膜を形成したものを用いる場合)、前記ガスイオンボンバード処理、前記酸化処理、および前記α型結晶構造を主体とするアルミナ皮膜の形成の全ての工程を、同一装置内で行えば、処理物を移動させることなく連続して処理を行うことができるので、α型結晶構造主体のアルミナ皮膜で被覆された部材を効率よく製造することができる。
【0053】
また、この様に同一装置内で行えば、下地皮膜形成時の基材温度(約350〜600℃程度)を低下させることなく、続けて前記ガスイオンボンバード処理や前記酸化処理を行うことができるので、基材の加熱に要する時間やエネルギーを抑えることもできる。
【0054】
具体的には、AIP蒸発源、マグネトロンスパッタリングカソード、ヒーター加熱機構、基材回転機構等を備え、後述する実施例で示す様な装置に、例えば超硬合金製の基材を設置し、まず下地皮膜としてTiAlN等の硬質皮膜をAIP法等を採用して形成した後、真空チャンバー内にArを導入し、基材に負の直流電圧を印加してガスイオンボンバード処理を行い、次に、前述した様な酸素、オゾン、H等の酸化性ガス雰囲気中で該硬質皮膜の表面を熱酸化させ、その後に反応性スパッタリング法等を採用して、α型結晶構造主体のアルミナ皮膜を形成することが挙げられる。
【0055】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0056】
<実施例1>
実験では、表面を鏡面研磨(Ra=0.02μm程度)したサイズが12.7mm×12.7mm×5mmの超硬合金製の基材上に、予めAIP法で下地皮膜として膜厚2〜3μmのTiAlN皮膜を形成したものを用意した。尚、前記TiAlNの皮膜組成は、Ti0.55Al0.45Nである。
【0057】
比較例として、前記TiAlN皮膜またはCrN皮膜の表面を酸化処理してから、アルミナ皮膜の形成を行った。該酸化処理とアルミナ皮膜の形成は、図1に示す真空成膜装置(神戸製鋼所製 AIP−S40複合機)で行った。
【0058】
上記酸化処理は、具体的に次の様にして行った。即ち、試料(基材)2をチャンバー1内の回転テーブル3上の遊星回転治具4にセットし、チャンバー1内がほぼ真空状態となるまで排気した後、チャンバー1内部の側面に2箇所と中央部に設置したヒーター5で試料2を750℃(酸化処理工程での基材温度)となるまで加熱した。試料2の温度が所定の温度となった時点で、チャンバー1内に、酸素ガスを流量300sccm、圧力0.75Paとなるよう導入し、20分間加熱保持して酸化を行った。
【0059】
尚、上記下地皮膜の形成、酸化処理および後述するアルミナ成膜は、前記図1における回転テーブル3を回転(公転)させるとともに、その上に設置した遊星回転治具4(基材保持用パイプ)も回転(自転)させながら行った。
【0060】
次に、酸化処理後の下地皮膜上に、アルミナ皮膜を形成した。該アルミナ皮膜の形成は、アルゴンと酸素雰囲気中で、基材温度を前記酸化処理工程とほぼ同程度(750℃)とし、図1における2台のアルミニウムターゲットを装着したスパッタリングカソード6に約2.5kWのパルスDC電力を加え、反応性スパッタリング法を採用して行った。該アルミナ皮膜の形成は、放電電圧およびアルゴン−酸素の流量比率をプラズマ発光分光法を利用して制御し、放電状態をいわゆる遷移モードにして行った。この様にして膜厚が約2μmのアルミナ皮膜を形成した。
【0061】
また本発明例として、下記のガスイオンボンバード処理を酸化処理前に実施する以外は、上記比較例と同様にして実験を行った。即ち、前記TiAlN皮膜またはCrN皮膜の表面にガスイオンボンバード処理を施した後、酸化処理してから、アルミナ皮膜の形成を行った。
【0062】
ガスイオンボンバード処理は次の様にして行った。試料(基材)2をチャンバー1内の回転テーブル3上の遊星回転治具4にセットし、チャンバー1内がほぼ真空状態となるまで排気した後、チャンバー1内部の側面に2箇所と中央部に設置したヒーター5で試料を550℃となるまで加熱した。試料の温度が所定の温度となった時点で、チャンバー1内に、Arガスを圧力0.75Paとなるよう導入し、熱電子放出用フィラメント9(図1の紙面に対して垂直にワイヤ状に張っている)から熱電子を放出し、フィラメント9近傍のArガスをプラズマ化することによって、Arプラズマを生成した。
【0063】
そしてArプラズマ中で、基材に対し、バイアス電源8によりDC電圧(30kHzの周波数でパルス化)を−300Vで5分間、次に−400Vで10分間、合計15分間印加してガスイオンボンバード処理を行った。尚、この場合も、回転テーブル3および遊星回転治具4を回転させながら処理を行った。
【0064】
次にヒーター5で基材を750℃まで加熱した後は、前記比較例と同様に酸化処理とアルミナ皮膜の形成を行い、膜厚が約2μmのアルミナ皮膜を形成した。
【0065】
本実施例では行わなかったが、図1に示すように、AIP蒸発源(アーク蒸発源)7を設置して、下地皮膜の形成を上記ガスイオンボンバード処理、酸化処理およびアルミナ皮膜の形成を行う装置1内で行ってもよい。
【0066】
この様にして得られたアルミナ皮膜の表面を薄膜X線回折装置で分析し、アルミナ皮膜の結晶構造を特定した。その結果を図2(比較例)および図3(本発明例)に示す。
【0067】
図2から、X線回折の主要なピークは、α型結晶構造のアルミナを示す回折ピーク(以下、「αアルミナピーク」という)であり、その他に下地皮膜のTiAlNを示す回折ピーク、およびγ型結晶構造のアルミナを示す回折ピーク(以下、「γアルミナピーク」という)も若干見られる。このことから、従来の方法でアルミナ皮膜を形成すると、α型結晶構造のアルミナとγ型結晶構造のアルミナの混合した皮膜が形成していることがわかる。
【0068】
これに対し、本発明例の結果を示す図3では、γアルミナピークがかろうじて確認できるレベルにまでγ型結晶構造のアルミナの生成が抑制されており、その分、α型結晶構造のアルミナの比率が高まっていることが明らかである。
【0069】
また、これらのアルミナ皮膜の表面をSEMで観察(倍率:10,000倍)した結果を図4に示す。図4(a)は、比較例におけるアルミナ皮膜表面を示すSEM観察写真であり、図4(b)は、本発明例におけるアルミナ皮膜表面を示すSEM観察写真である。
【0070】
図4(a)から、比較例におけるアルミナ皮膜は、結晶粒(白色部分)と結晶粒の成長していない平坦な部分(黒色部分)に分かれており、成長した結晶粒は粗大化し、かつ疎らに存在していることがわかる。これに対して、図4(b)に示す本発明例のアルミナ皮膜は、均一かつ微細な結晶粒で構成されており、前記比較例の皮膜表面と明らかに相違している。
【0071】
<実施例2>
下地皮膜としてCrN皮膜を形成する以外は、上記実施例1と同様にして実験を行い、得られたアルミナ皮膜の表面を薄膜X線回折装置で分析して、該皮膜の結晶構造を特定した。その結果を図5(比較例)および図6(本発明例)に示す。
【0072】
図5および図6から、アルミナと判別される回折ピークは、どちらも全てα型結晶構造を示すものであり、本発明例と比較例のどちらもほぼα型結晶構造のみからなるアルミナ皮膜が得られており、この薄膜X線回折分析では、本発明例と比較例のアルミナ皮膜に顕著な相違はみられない。しかし、図5と図6の回折ピークの高さを比較すると、前記図6における回折強度は、図5と比較して若干小さめであることがわかる。これは後述する結晶粒の微細化の影響によるものと考えられる。
【0073】
また、これらのアルミナ皮膜の表面を、上記実施例1と同様にSEMで観察した。その結果を図7に示す。図7(a)は、比較例におけるアルミナ皮膜表面を示すSEM観察写真であり、図7(b)は、本発明例におけるアルミナ皮膜表面を示すSEM観察写真である。
【0074】
図7(b)に示す通り本発明例のアルミナ皮膜は、より細かい結晶粒で構成されており、また結晶粒間の空孔が、比較例のアルミナ皮膜[図7(a)]と比較してかなり小さく、結晶粒の緻密化が進んでいることがわかる。前記薄膜X線回折上では顕著な差はみられなかったが、該SEM観察では、この様に表面状態の相違が顕著であり、本発明例のアルミナ皮膜は、より優れた特性を発揮するものと思われる。
【0075】
尚、CrN皮膜やTiAlN皮膜等の下地皮膜を設けず、高速度鋼基材、cBN焼結体を基材として上記実施例1,2と同様の条件でアルミナ皮膜を形成する実験を行った場合にも、前記ガスイオンボンバード処理を行った後に酸化処理を行えば、形成されるアルミナの結晶構造は、γ型結晶構造の割合が小さくα型結晶構造主体であり、かつ結晶粒が微細かつ均一であるアルミナ皮膜が形成されることを確認した。
【0076】
【発明の効果】
本発明は以上の様に構成されており、基材や下地皮膜の特性を劣化させることのない比較的低温域で、α型結晶構造以外のアルミナの生成を極力抑制してほぼα型結晶構造のみからなるアルミナ皮膜を確実に形成することができる。また本発明法によれば、得られるアルミナ皮膜は、結晶粒が微細かつ均一であるため、従来よりもより優れた耐摩耗性および耐熱性を期待することができる。
【0077】
更に本発明法は、全ての工程を同一装置内で行うことが可能であるので、効率的にα型結晶構造主体のアルミナ皮膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に用いる装置例を示す概略説明図(上面図)である。
【図2】TiAlN皮膜上に形成したアルミナ皮膜(比較例)の薄膜X線回折結果(成膜温度750℃)である。
【図3】TiAlN皮膜上に形成したアルミナ皮膜(本発明例)の薄膜X線回折結果(成膜温度750℃)である。
【図4】TiAlN皮膜上に形成したアルミナ皮膜の表面をSEMで撮影した顕微鏡観察写真(aは比較例、bは本発明例)である。
【図5】CrN皮膜上に形成したアルミナ皮膜(比較例)の薄膜X線回折結果(成膜温度750℃)である。
【図6】CrN皮膜上に形成したアルミナ皮膜(本発明例)の薄膜X線回折結果(成膜温度750℃)である。
【図7】CrN皮膜上に形成したアルミナ皮膜の表面をSEMで撮影した顕微鏡観察写真(aは比較例、bは本発明例)である。
【符号の説明】
1 チャンバー
2 試料(基材)
3 回転テーブル
4 遊星回転治具
5 ヒーター
6 スパッタリングカソード
7 AIP用蒸発源
8 バイアス電源
9 熱電子放出用フィラメント

Claims (7)

  1. 基材(基材上に予め下地皮膜が形成されたものを含む。以下同じ)上にα型結晶構造を主体とするアルミナ皮膜を形成する方法であって、基材表面にガスイオンボンバード処理を施した後、表面を酸化処理し、その後にアルミナ皮膜を形成することを特徴とするα型結晶構造主体のアルミナ皮膜の製造方法。
  2. 前記下地皮膜が、周期律表の4a族,5a族および6a族の元素、Al、Si、Fe、Cu並びにYよりなる群から選択される1種以上の元素とC、N、B、Oの中の1種以上の元素との化合物、またはこれら化合物の相互固溶体、のいずれか1種以上である請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記基材が、鋼材、超硬合金、サーメット、cBN焼結体、またはセラミックス焼結体である請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記ガスイオンボンバード処理は、真空チャンバー内においてガスプラズマ中で基材に電圧を印加して行う請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記酸化処理は、酸化性ガス含有雰囲気下で基材温度を650〜800℃に保持して行う請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 基材上に下地皮膜を形成する工程、該下地皮膜表面にガスイオンボンバード処理を施す工程、表面を酸化処理する工程、次いでα型結晶構造を主体とするアルミナ皮膜を形成する工程を、同一装置内で順次実施することを特徴とするα型結晶構造主体のアルミナ皮膜で被覆された部材の製造方法。
  7. 前記下地皮膜として、Ti(C,N)、Cr(C,N)、TiAl(C,N)、CrAl(C,N)およびTiAlCr(C,N)よりなる群から選択される1種以上を形成する請求項6に記載の製造方法。
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