JP2006307318A - αアルミナ層形成部材の製法および表面処理法 - Google Patents

αアルミナ層形成部材の製法および表面処理法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006307318A
JP2006307318A JP2005357984A JP2005357984A JP2006307318A JP 2006307318 A JP2006307318 A JP 2006307318A JP 2005357984 A JP2005357984 A JP 2005357984A JP 2005357984 A JP2005357984 A JP 2005357984A JP 2006307318 A JP2006307318 A JP 2006307318A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alumina layer
alumina
film
layer
alpha
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005357984A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshimitsu Obara
利光 小原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2005357984A priority Critical patent/JP2006307318A/ja
Publication of JP2006307318A publication Critical patent/JP2006307318A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】αアルミナ皮膜を形成した場合であっても、工具では工具寿命を延ばし、摺動部材や金型などでは、摩擦抵抗を低下させることのできる皮膜形成技術を提供すること。
【解決手段】基材表面にαアルミナ層が形成された部材を製造する方法であって、(1)基材の少なくとも一部の面に、α型結晶構造のアルミナ層を形成する工程、(2)得られたアルミナ層の表面にイオンボンバード処理を施す工程、を含む。この製法を採用することで、工具に適用した場合は工具寿命を延長し、摺動部材や金型に適用した場合は摩擦抵抗を効果的に低減できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、チップ、ドリル、エンドミルなどの切削工具、摺動部材(自動車用摺動部材など)および金型などにおいて、表面にαアルミナ層が形成された部材の製法および表面処理法に関するものである。
切削工具や摺動部材および金型などの部材では、一般に、優れた耐摩耗性や摺動特性が求められるため、高速度鋼や超硬合金などからなる基材の表面に、チタン窒化物やチタンアルミニウム窒化物などの硬質皮膜を形成している。さらに部材の耐熱性を高めるため、前記硬質皮膜の上に、コランダム構造を有する酸化アルミニウム(六方晶系アルミナ、αアルミナと称されることもある)を形成することもある。
これらの硬質皮膜や酸化アルミニウムは、通常、化学的気相成長法(以下、CVD法という)や物理的気相成長法(以下、PVD法という)などの方法を用いて形成されている。中でもPVD法は、比較的低い温度でαアルミナ層を形成することができ、基材の熱変形を生じさせることがない点でCVD法よりも優れていることから、好ましく採用されている(特許文献1,2など)。
特許文献1には、格子定数が4.779Å以上、5.000Å以下で、膜厚が0.005μm以上であるコランダム構造の酸化物皮膜を下地層として形成し、この上に、PVD法によりαアルミナ皮膜を形成する方法が開示されている。この特許文献1には、前記酸化物皮膜の成分としてCr、(Fe,Cr)、(Al,Cr)などが好ましいこと、このうち(Fe,Cr)としては、(Fe,Cr(1−x)(ただし、0≦x≦0.54)が特に望ましく、また(Al,Cr)としては、(Al,Cr(1−y)(ただし、yは0≦y≦0.90)が特に望ましいことも明らかにされている。そして実施例には、Ti,Cr,Vなどの1種以上とAlとの複合窒化皮膜を形成した上に、中間層として(Al,Cr(1−z))N(ただし、zは0≦z≦0.90)よりなる皮膜を形成し、この中間層皮膜を酸化処理した後、その上にαアルミナ層を形成することが記載されている。
また前記特許文献2には、耐熱性や耐摩耗性に優れていることから、近年工具用硬質皮膜としても利用されているTiAlN皮膜の上に、PVD法を採用してαアルミナ層を形成する方法が開示されている。この特許文献2でも、TiAlN硬質皮膜の表面を酸化処理した後で、αアルミナの成膜を行っている。
特開2002−53946号公報 国際特許2004/015170号公報
しかし上記の様な方法でαアルミナ皮膜を形成した切削工具でも、厳しい切削条件で使用したり、粘性の高い被削材の加工に適用した場合は、工具寿命を縮めることがあった。また、摺動部材や金型などの表面にαアルミナ層を形成した場合には、接触面での摩擦抵抗が大きくなり、それらの性能に悪影響を与えることがあった。
本発明はこの様な事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、αアルミナ皮膜を形成した場合であっても工具寿命を延ばすことができ、また摺動部材や金型などに適用した場合は、摩擦抵抗を効果的に低下させることのできる技術を提供することにある。
上記課題を解決し得た本発明に係るαアルミナ層形成部材の製法とは、
(1)基材の少なくとも一部の面に、α型結晶構造のアルミナ層を形成する工程、
(2)得られたアルミナ層の表面にイオンボンバード処理を施す工程、
を含むことを特徴とする。本発明によれば工具寿命を延ばすことができ、また摺動部材や金型などに適用した場合は摩擦抵抗を低減できる。
上記イオンボンバード処理は、プラズマ中の希ガスイオンや金属イオンを用いて行うことが好ましい。また上記アルミナ層は、PVD法によって形成することが好まく、その際、上記工程(1),(2)は同一の装置内で行なうのが有利である。
また上記工程(1)を実施する前に、該工程(1)で形成する予定のαアルミナ層の下層として、予め硬質皮膜を形成しておく工程(0)を加えることも、本発明を実施する際の好ましい態様である。その際に形成する硬質皮膜の好ましい構成素材はTiAlNである。
なお、本明細書で「αアルミナ」とは、α型結晶構造(六方晶構造)を主体とするアルミナを意味しており、アルミナ層中のα型結晶構造が70%以上、好ましくは90%以上、更に好ましくは100%(アルミナ層中の全てがα型結晶構造)であるものは、優れた耐熱性を発揮できるので好ましい。
本発明に係るαアルミナ層形成部材の製法によれば、αアルミナ層表面の平滑性が高まるため、工具寿命を延ばすことができ、また摺動部材や金型などに適用した場合には、摩擦抵抗を低減できる。
本発明者らは先に述べた様な問題の解決を期して研究を進め、様々の条件で形成したアルミナ皮膜について表面性状や切削性能を評価した。その結果、耐熱性や耐酸化性に優れたαアルミナ皮膜であっても、ある切削条件では被削材の凝着などが問題となって切削性能が悪化することを知った。ところが、形成するアルミナ皮膜の表面を平滑化してやれば切削性能が向上することを突き止めた。
より詳細に説明すると、αアルミナ皮膜は、その成膜過程で下地近傍からアルミナ表層にかけてグレインが大きく柱状に成長する特性があり、該皮膜の表面には、多数の山が隆起形成された様な凹凸が存在し、表面粗さが増大していた。
その具体例として、TiAlN皮膜上に形成したαアルミナ皮膜の電子顕微鏡写真を図1および図2に示す。図1は断面のTEM(透過電子顕微鏡)写真であり、図2は表面のSEM(走査電子顕微鏡)写真である。図1のTEM写真から分かる様に、αアルミナ皮膜の場合、成膜過程でその下地(基材、または基材の上に形成された皮膜:この図の例ではTiAlN皮膜)の近傍からアルミナの表層部にかけてグレインが大きく柱状に成長しており、アルミナ皮膜の表層付近では数百nm〜数μmまで大きくなっている。その結果、図2に示す如く皮膜表面に多数の山が隆起した様な凹凸が観察される。
一般に、アモルファス構造やγ型結晶構造のアルミナはグレインが小さいのに対し、αアルミナ皮膜は表面粗度が大きく(粗く)なる傾向があり、αアルミナ皮膜と同様に耐熱・耐磨耗性皮膜としてよく用いられているTiN皮膜やTiAlN皮膜と比較した場合でも、αアルミナ皮膜は表面粗度が大きく(粗く)なる傾向がある。そして、この大きい表面粗さの故に、αアルミナ皮膜を形成した切削工具では、工具への被削材の凝着が起こり易くなって工具寿命を短縮し、また、αアルミナ皮膜を形成した摺動部材や金型では、摩擦抵抗を高める原因になっていた。
そこで本発明では、上記の様な問題の改善策として、αアルミナ皮膜(α型結晶構造のアルミナ層)の表面をイオンボンバード処理することとした。この処理を行えば、イオンがαアルミナ皮膜表面の突起(グレインの尖った凸部)に衝突してこの突起が削られ、表面を効率よく平滑化できる。図3は、イオンボンバード処理した後のαアルミナ皮膜表面のSEM写真である。この図3からも分かる様に、αアルミナ皮膜表面に存在する大きなグレインの尖った部分はイオンボンバード処理によって丸められ、またグレインの形も崩されて平坦化されている。この様に表面が平滑化されることで、工具の場合は、該工具表面への被削材の凝着が防止されて工具寿命を延長できる。また被削材の凝着に起因する加工精度の低下が抑制されると共に、加工できる被削材の制限なども克服できる。さらに摺動部材や金型の場合は、摩擦抵抗を低減することができる。
前記イオンボンバード処理のためのガスイオンは、例えばガスを導入した真空チャンバー中で放電(A;熱電子放出用のフィラメントに電流を流して加熱し、更に、フィラメントとチャンバー間に電圧を印加することによるフィラメントからの熱電子の放出、B;電極間に電圧を印加することによるグロー放電やアーク放電など)を行い、ガスプラズマを発生させることによって得ることができる。
前記ガスとしては、希ガス類(例えば、He、Ne、Ar、Kr、Xeなど)が好ましく使用される。希ガス類は、基材や皮膜、装置などを腐食することがなく、また基材と反応して新たな化合物を形成する虞もないからである。希ガスの中でも特に好ましいのはArである。Arは安価であり、しかも効率よくイオンボンバード処理できるからである。
また金属イオンは、例えば真空中あるいはガス雰囲気中でアーク放電やグロー放電を行う際に、その電極(金属)から発生させて使用すればよい。αアルミナ層の下層として用いる硬質皮膜(後述)を形成するための金属(Ti,Alなど)を上記電極とし、該電極から金属イオンを発生させてもよい。
イオン発生のための条件や方法は、αアルミナ層を削り取るのに十分なイオンを発生させることができる限り格別の制限はなく、チャンバー内のガス圧力や基材とイオンの衝突条件に応じて適宜設定できるが、具体例を示すと以下の通りである。すなわち、熱電子放出を利用して希ガスイオン(例えばArイオン)を発生させる場合、熱電子放出用フィラメントとチャンバー間に流す電流は、1A以上、好ましくは5A以上、さらに好ましくは7A以上にすることが推奨される。電流を大きくするほど、希ガスプラズマを高密度で発生できる。しかし電流を大きくし過ぎると、プラズマ密度が高くなり過ぎて基材上でアーキングが生じ易くなり、また基材の凸部が局所的にエッチングされ易くなる。その結果として、工具分野では刃先が丸くなり易くなる。しかも基材温度が上昇し、基材が熱変形を起こし易くなる。そのため前記電流は、50A以下、好ましくは30A以下、さらに好ましくは20A以下程度にするのがよい。
この時の希ガスの圧力は、例えば、10Pa以下程度、好ましくは7Pa以下程度、さらに好ましくは5Pa以下程度が推奨される。しかし、チャンバー内へ導入する希ガス量を減らして内部圧力を下げ過ぎると、プラズマが発生し難くなり(高密度のプラズマが得られ難くなるため、例えば、フィラメントに流す電流量を増大する必要が生じ)コスト高となる。そのためチャンバー内に導入する希ガスの圧力は、例えば、0.1Pa以上、好ましくは0.5Pa以上、更に好ましくは1Pa以上とするのがよい。
また金属イオンを発生させる場合の例として、真空中あるいはガス雰囲気中で、金属ターゲットを装着したアーク放電用カソードとチャンバー間でアーク放電させれば、ターゲットに使用した金属のイオンを得ることができる。この際、アーク放電電流が少ないと安定放電を持続し難くなり、また多過ぎるとカソードやターゲットに対する熱負荷が大きくなり過ぎて装置が壊れる原因となるので、アーク放電電流は50〜200A程度が好ましい。
発生したイオンは、αアルミナ層(基材)に効率よく衝突させることが望ましい。その具体例として、たとえば基材にバイアス電圧(負のバイアス電圧、正負が反転するパルスバイアス電圧など)を印加すれば、イオンを基材(αアルミナ皮膜表面)に効率よく引き込ませることができ、ボンバード効果が向上する。
バイアス電圧は、例えば、負の値とし、かつ絶対値で100V以上、好ましくは200V以上、さらに好ましくは250V以上にすることが望ましい。バイアス電圧が大きくなるほど、ボンバード効果は向上する。しかしバイアス電圧を大きくし過ぎると、基材(αアルミナ層表面)に入射するイオンのエネルギーが高くなり過ぎ、前述した様なアーキングや局所エッチングが発生し易くなり、工具刃先が丸くなったり、基材温度が高くなり過ぎるといった不具合を生じ易くなる。従ってバイアス電圧は、例えば、負の値であり、かつ絶対値で1000V以下、好ましくは700V以下、さらに好ましくは500V以下にするのがよい。
基材にパルスバイアス電圧を印加する場合、周波数は、例えば10kHz以上、好ましくは15kHz以上、さらに好ましくは20kHz以上とする。周波数が低すぎるとアーキングが発生し易くなる。周波数の上限は特には限定されないが、一般に周波数が高くなるほど電源コストは上がるので、500kHz以下程度(例えば、300kHz以下程度)が実用的である。
イオンボンバード処理の時間は、前記条件(チャンバー内のガス圧力、イオン発生条件、イオン衝突条件など)に応じて適宜設定できるが、例えば、5分以上、1時間以下程度であることが多い。
前記イオンボンバード処理に供される部材は、少なくとも基材の一部の面にαアルミナ層が形成されていればよく、その形成方法としては、PVD法やCVD法などの公知の方法を適用できる。中でも、PVD法(特に反応性スパッタリング法、例えばアンバランスドマグネトロン(UBM)スパッタリングカソードなどの如きマグネトロンスパッタリングカソードを利用した反応性スパッタリング法)は、基材の熱変形を防止できるので好ましい。
またPVD法を採用する場合は、αアルミナ層の形成とイオンボンバード処理とを同一の装置内で行なうことができ、αアルミナ層形成部材の製造工程を簡素化できる。ちなみに、イオンボンバード処理に用いる装置は、PVD法で用いる装置に比べて仕様が比較的近似しているので、αアルミナ層の形成にPVD法を採用すれば、αアルミナ層の形成とイオンボンバード処理とで仕様をあまり変える必要がなく、これらを同一装置内で行なうことができる。
前記アルミナ層は、基材に直接形成してもよいが、基材に他の層(例えば、硬質皮膜からなる下層)を形成した後でその上に積層することが望ましい。αアルミナ層と基材との間に硬質皮膜を形成しておけば、得られるαアルミナ層形成部材の耐摩耗性を更に向上できるからである。
硬質皮膜としては、IVa族、Va族、VIa族およびAl,Si,Fe,Cu,Yなどの中から選ばれる1つ以上の元素と、C,N,B,Oなどから選ばれる1つ以上の元素とからなる化合物の層やそれらの積層物が挙げられる。これらの化合物の中でも好ましいのは、Cr系硬質膜(CrNなど)、Ti系硬質膜(TiN,TiCN,TiAlN,TiSiNなど)、TiCr系硬質膜(TiAlCrNなど)などであり、中でもTi系硬質膜、特にTiAlNが好ましい。
これら硬質皮膜の形成法としては、PVD法やCVD法など公知の方法を採用できるが、前述した様に、基材の熱変形を防止し易い点や、同一の装置を使用できる点などから、PVD法(特に反応性スパッタリング法、アークイオンプレーティング法など)が好ましい。
上記基材としては、得られるαアルミナ層形成部材の用途などに応じて適宜選択すればよく、具体的には、切削工具を得る場合には基材として超硬合金、サーメット、高速度工具鋼などが好ましく使用される。
基材表面および下層表面は、αアルミナ層と積層する前に予め化学処理(例えば、酸化処理、窒化処理、浸炭処理)を施して反応層を形成しておいてもよく、また、これらの化学処理と共に、又は別に、粗度変更処理(研磨などの平滑化処理、傷付け、イオンボンバードなどの粗面化処理など)を施しておいてもよい。勿論、これら化学処理や粗度変更処理をしておかなくても差し支えない。
また、αアルミナ層の被積層面(正確には、αアルミナ層と基材表面との間、または下層を形成する場合はαアルミナ層と下層表面との間)には、αアルミナ層を積層する前に、結晶構造がαアルミナと類似する物質からなる層を予め形成しておくことも好ましい。被積層面(基材、下層など)とαアルミナ層の接着性を高めることができるからである。この層の好ましい素材は、αCr、αFe、αAlなどの酸化物であるが、中でもαAlは、αアルミナと同じコランダム構造を取るため好ましい。これらCrやαAlなどは、例えばCrNやTiAlNの表面を酸化処理することで、夫々の表面に形成することも可能である。
また本発明では、αアルミナ皮膜の上層として更に他の皮膜(例えば、前述する硬質皮膜)を積層してもよい。本発明ではαアルミナ層の表面が平滑化されているため、このαアルミナ皮膜に硬質皮膜を積層した場合でも該硬質皮膜の表面も平滑となり、本発明の効果を維持できる。
本発明において、前記αアルミナ層や上層、下層は、必ずしも基材の全面に渡って形成しなければならない訳ではなく、耐磨耗性を高め、或いは摩擦抵抗を軽減させる必要がある部分に少なくとも形成されていればよい。また、αアルミナ層および上層、下層の厚みについても、αアルミナ層形成部材の用途に応じて適宜選定すればよいが、αアルミナ層の場合は厚みが薄過ぎると十分な効果が得られないことがあるので、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上、さらに好ましくは1μm以上程度とするのがよい。更に、αアルミナ層形成部材の形態などにも格別の制限はなく、用途に応じて適宜選択すればよい。
本発明の製法によって得られるαアルミナ層形成部材は、表面が平滑化されているため、耐熱性と耐磨耗性が求められるチップやドリル、エンドミルなどの切削工具や、摩擦抵抗の低いことが求められる自動車用摺動部材や金型などの部材として好適に用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
なお以下の実施例では、図4に示す真空成膜装置を用いた。この真空成膜装置は、株式会社神戸製鋼所から市販されている商標名[AIP−S40複合機]を利用したものであって、上述した「同一装置」で行う場合の一例であり、PVD処理[この図示例では、硬質皮膜を形成するためのアークイオンプレーティング(AIP)用蒸発源、およびαアルミナ皮膜を形成するためのスパッタリング用蒸発源]と、イオンボンバード処理のためのイオン発生手段およびイオン衝突手段を備えている。
より詳細には、前記AIP用蒸発源としてアークイオンプレーティングカソード(AIPカソード)7を備え、前記スパッタリング用蒸発源としてスパッタリングカソード[マグネトロンスパッタリングカソード(UBMカソード)]6を備え、前記イオン発生手段として熱電子放出用フィラメント9を備え、前記イオン衝突手段としてバイアス電源8を備えている。なお図中、1はチャンバーを示し、2は基材を示し、3および4は対になって基材回転機構(回転テーブル3、遊星回転治具4)を示し、5は加熱手段(ヒータ)を示す。
本装置のチャンバー1は、真空状態を構成し且つ維持できるものであり、その内部には、チャンバー1内の温度を調節することができるヒータ5と、複数の遊星治具4をその上に配設することができる回転テーブル3とを備えている。そして遊星治具4と回転テーブル3とは、本装置を作動させることで、遊星治具4自体が回転(自転)すると同時に、遊星治具4が複数配設された回転テーブル3も回転(公転)させることができる。遊星回転治具4上には、さらに工具用回転治具を有する回転部材10が装着されている。
実施例1および比較例1では、αアルミナ層形成部材の基材として、膜厚、結晶性および表面性状などの皮膜評価用として鏡面(Ra=0.02μm程度)に研磨した超硬基材スローアウェイチップ(呼び記号:SNMN120408)と、切削試験用の超硬基材スローアウェイチップ(呼び記号:SNGA120408)を使用した。
[硬質皮膜の形成]
そして上記図4の装置を用い、それら基材の上に、予めPVD法(この例では、アークイオンプレーティング法)で厚さ2〜3μmのTiAlN硬質皮膜を形成した。すなわち遊星回転治具4にSNMN120408を取り付け(図中2)、回転部材10にSNGA120408を取り付け(図中11)、真空のチャンバー内に約4Paとなる様に窒素を導入し、チャンバー1内でTiAl合金ターゲットを装着したカソード7との間に電圧を印加してアーク放電による金属イオン蒸気を発生させ、バイアス電源8によってバイアス電圧を印加し、基材上にTi0.55Al0.45N(原子比)の硬質皮膜を形成した。
[硬質皮膜の平滑処理]
次に、チャンバー1内が真空になる様に一旦排気し、ヒータ5を用いて基材2の温度を550℃まで上昇させた。そして、チャンバー1内にArガスを1.33Paの圧力で導入し、熱電子放出フィラメント9とチャンバーの間で4Aの放電を発生させてArプラズマを生成した。このArプラズマ生成を継続しながら、30kHzの周波数でパルス化したDC電圧を−300V、−350V、−400V、−450Vでそれぞれ2分間、−500Vで10分間の合計で18分間印加してイオンボンバード処理を行なった。
[酸化処理]
次に、ヒータ5で基材2を750℃まで加熱した。装置内に、酸素ガスを流量300ml/分で、圧力が約0.75Paになるまで導入し、基材2の表面を酸化処理した。
[αアルミナ層の形成]
次に、チャンバー1内をArと酸素の混合ガス雰囲気にした。アルミターゲットを装着した2台のスパッタリングカソード6に対し、2台合計で平均5kWの電力を投入してパルスDCスパッタリングを行い、前記酸化処理温度とほぼ同じ加熱条件でαアルミナ層の形成を行い、αアルミナ層形成部材を製造した。その際のバイアス電圧は、−300V・30kHzパルスDCとした。アルミナ層形成時には、成膜による入熱の影響で基板の温度が若干上昇した。なお、アルミナ層の形成にあたっては、放電電圧制御とプラズマ発光分光を利用し、放電状態をいわゆる遷移モードに保った。
[イオンボンバード処理]
比較例1では、以上の操作で終了としたが、実施例では、更にその後、同チャンバー1内にArガスを2.66Paの圧力で導入し、熱電子放出フィラメント9とチャンバー1間で10Aの放電を発生させ、Arプラズマを生成させた。
そして実施例1では、このArプラズマを上記αアルミナ層形成部材2に照射しながら、30kHzの周波数でパルス化したDC電圧を−300Vで5分間、−400Vで10分間、トータル15分間のバイアス電圧を印加してイオンボンバード処理を行った。また実施例2では、同様にArプラズマを上記αアルミナ層形成部材2に照射しながら、30kHzの周波数でパルス化したDC電圧を−200V,−250V,−300V,−350Vでそれぞれ2分間、−400Vで30分間、トータル38分間のバイアス電圧を印加してイオンボンバード処理を行い、αアルミナ皮膜の表面を平坦化した。
実施例1,2および比較例1で得られたアルミナ皮膜の結晶構造は、CuKα線を用いて薄膜X線回折分析(薄膜XRD分析)を行い、X線入射角を1°とし、α型とγ型結晶構造からの回折ピークの高さより判定した。またSEM写真を撮影して表面性状を調べた。切削性については、上記アルミナ積層皮膜を成膜したSNGA120408超硬チップを使用し、[被削材:FCD400、切削速度:200m/分、送り:0.2mm/回転、切り込み:3.0mm、形態:ドライ]の条件で連続切削試験を実施し、工具すくい面のクレータ磨耗の深さを評価した。
評価結果を表1に示すと共に、実施例1のSEM写真を図3に、比較例1のSEM写真を図2に、実施例2のSEM写真を図5に、それぞれ示す。
上記表1の結果から、比較例1および実施例1,2ともに、アルミナ皮膜はα型結晶構造主体であった。しかしイオンボンバード処理していない比較例1では、図2に示す様に数百nm〜数μmの尖った山形のαアルミナのグレインがはっきりと観察された。それに対しイオンボンバード処理を施した実施例1では、図3に示す様にαアルミナの大きなグレインの尖った部分が丸くなり、グレインの形も崩れており、比較例1に比べて表面が比較的平坦になっているのが観察された。
そして実施例1では、比較例1に比べて切削試験でのクレータ摩耗の深さが浅くなっており、工具寿命が高められる。また実施例2では、図5のSEM写真からも明らかな如く、実施例1と比較してもグレインの形が崩れて細かくなり、一段と平坦化していることが分かる。
TiAlNの膜上に、Alを形成した際の、グレインが大きく柱状に成長した状態のTEM写真である。 比較例で得たαアルミナ層形成部材の表面状態を示すSEM写真である。 実施例で得たαアルミナ層形成部材の表面状態を示すSEM写真である。 本発明の表面処理方法を行なうための装置の一例である真空成膜装置の概略構成の図である。 他の実施例で得たαアルミナ層形成部材の表面状態を示すSEM写真である。
符号の説明
1 チャンバー
2 基材
3 回転テーブル
4 遊星回転治具
5 ヒータ
6 スパッタリングカソード
7 AIP用蒸発源
8 バイアス電源
9 熱電子放出用フィラメント
10 回転部材
11 基材
12 熱電対

Claims (7)

  1. (1)基材の少なくとも一部の面に、α型結晶構造のアルミナ層を形成する工程、
    (2)得られたアルミナ層の表面にイオンボンバード処理を施す工程、
    を含むことを特徴とするαアルミナ層形成部材の製法。
  2. 前記イオンボンバード処理を、プラズマ中の希ガスイオンまたは金属イオンを用いて行なう請求項1に記載のαアルミナ層形成部材の製法。
  3. 前記アルミナ層の形成を、物理的気相成長法によって行う請求項1または2に記載のαアルミナ層形成部材の製法。
  4. 前記工程(1)および(2)を、同一の装置内で行なう請求項3に記載のαアルミナ層形成部材の製法。
  5. (0)前記工程(1)の前工程であって、該工程(1)で形成する予定のα型結晶構造のアルミナ層の下層として、予め硬質皮膜を形成しておく工程、
    を含む請求項1〜4のいずれかに記載のαアルミナ層形成部材の製法。
  6. 前記工程(0)で形成する硬質皮膜が、TiAlNからなるものである請求項5に記載のαアルミナ層形成部材の製法。
  7. 部材の表面に形成されているα型結晶構造のアルミナ層をイオンボンバード処理し、該アルミナ層表面の平滑性を高めることを特徴とするαアルミナ層形成部材の表面処理法。
JP2005357984A 2005-03-31 2005-12-12 αアルミナ層形成部材の製法および表面処理法 Pending JP2006307318A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005357984A JP2006307318A (ja) 2005-03-31 2005-12-12 αアルミナ層形成部材の製法および表面処理法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005102445 2005-03-31
JP2005357984A JP2006307318A (ja) 2005-03-31 2005-12-12 αアルミナ層形成部材の製法および表面処理法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006307318A true JP2006307318A (ja) 2006-11-09

Family

ID=37474529

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005357984A Pending JP2006307318A (ja) 2005-03-31 2005-12-12 αアルミナ層形成部材の製法および表面処理法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006307318A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009090455A (ja) * 2007-09-21 2009-04-30 Sumitomo Electric Ind Ltd 切削工具
WO2009057680A1 (ja) * 2007-10-31 2009-05-07 Ebara-Udylite Co., Ltd. 成膜装置及び成膜方法
JP2009142982A (ja) * 2007-12-14 2009-07-02 Seco Tools Ab 被膜付き切削工具インサート
JP2010058135A (ja) * 2008-09-02 2010-03-18 Hitachi Metals Ltd ダイカスト用被覆金型およびその製造方法
WO2012165696A1 (ko) * 2011-06-03 2012-12-06 한국야금 주식회사 절삭공구용 코팅층
WO2013031915A1 (ja) * 2011-08-30 2013-03-07 京セラ株式会社 切削工具
WO2013133441A1 (ja) * 2012-03-09 2013-09-12 三菱マテリアル株式会社 高速断続切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を発揮する表面被覆切削工具
WO2013183576A1 (ja) * 2012-06-06 2013-12-12 シャープ株式会社 型基材、型基材の製造方法、型の製造方法および型

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62228305A (ja) * 1986-03-31 1987-10-07 Kyocera Corp アルミナコ−テイング工具およびその製造方法
JPH0266168A (ja) * 1988-08-30 1990-03-06 Nissin Electric Co Ltd コーティング方法
JPH02164784A (ja) * 1988-12-15 1990-06-25 Matsushita Electric Works Ltd セラミック回路基板の製造方法
JPH06316758A (ja) * 1992-12-18 1994-11-15 Sandvik Ab 被覆物体
JP2004332007A (ja) * 2003-04-30 2004-11-25 Kobe Steel Ltd α型結晶構造のアルミナ皮膜

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62228305A (ja) * 1986-03-31 1987-10-07 Kyocera Corp アルミナコ−テイング工具およびその製造方法
JPH0266168A (ja) * 1988-08-30 1990-03-06 Nissin Electric Co Ltd コーティング方法
JPH02164784A (ja) * 1988-12-15 1990-06-25 Matsushita Electric Works Ltd セラミック回路基板の製造方法
JPH06316758A (ja) * 1992-12-18 1994-11-15 Sandvik Ab 被覆物体
JP2004332007A (ja) * 2003-04-30 2004-11-25 Kobe Steel Ltd α型結晶構造のアルミナ皮膜

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009090455A (ja) * 2007-09-21 2009-04-30 Sumitomo Electric Ind Ltd 切削工具
WO2009057680A1 (ja) * 2007-10-31 2009-05-07 Ebara-Udylite Co., Ltd. 成膜装置及び成膜方法
JP2009142982A (ja) * 2007-12-14 2009-07-02 Seco Tools Ab 被膜付き切削工具インサート
JP2010058135A (ja) * 2008-09-02 2010-03-18 Hitachi Metals Ltd ダイカスト用被覆金型およびその製造方法
WO2012165696A1 (ko) * 2011-06-03 2012-12-06 한국야금 주식회사 절삭공구용 코팅층
US8999532B2 (en) 2011-06-03 2015-04-07 Korloy Inc. Coating layer for cutting tools
JPWO2013031915A1 (ja) * 2011-08-30 2015-03-23 京セラ株式会社 切削工具
CN103764322A (zh) * 2011-08-30 2014-04-30 京瓷株式会社 切削工具
WO2013031915A1 (ja) * 2011-08-30 2013-03-07 京セラ株式会社 切削工具
DE112012003571B4 (de) 2011-08-30 2022-09-15 Kyocera Corp. Schneidwerkzeug
JP2013212575A (ja) * 2012-03-09 2013-10-17 Mitsubishi Materials Corp 高速断続切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を発揮する表面被覆切削工具
CN104159691A (zh) * 2012-03-09 2014-11-19 三菱综合材料株式会社 硬质包覆层在高速断续切削加工中发挥优异的耐崩刀性的表面包覆切削工具
WO2013133441A1 (ja) * 2012-03-09 2013-09-12 三菱マテリアル株式会社 高速断続切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を発揮する表面被覆切削工具
US9452478B2 (en) 2012-03-09 2016-09-27 Mitsubishi Materials Corporation Surface-coated cutting tool having therein hard coating layer capable of exhibiting excellent chipping resistance during high-speed intermittent cutting work
WO2013183576A1 (ja) * 2012-06-06 2013-12-12 シャープ株式会社 型基材、型基材の製造方法、型の製造方法および型
KR20150010789A (ko) * 2012-06-06 2015-01-28 샤프 가부시키가이샤 형 기재, 형 기재의 제조 방법, 형의 제조 방법 및 형
JP5797334B2 (ja) * 2012-06-06 2015-10-21 シャープ株式会社 型基材、型基材の製造方法、型の製造方法および型
KR101677827B1 (ko) 2012-06-06 2016-11-18 샤프 가부시키가이샤 형 기재, 형 기재의 제조 방법, 형의 제조 방법 및 형
US9914243B2 (en) 2012-06-06 2018-03-13 Sharp Kabushiki Kaisha Mold base material, production method for mold base material, mold production method, and mold

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20060219325A1 (en) Method for producing alpha-alumina layer-formed member and surface treatment
JP4205546B2 (ja) 耐摩耗性、耐熱性および基材との密着性に優れた積層皮膜の製造方法
US8323807B2 (en) Process for producing alumina coating composed mainly of α-type crystal structure
WO2017169498A1 (ja) 表面被覆切削工具、およびその製造方法
JP6428899B2 (ja) Wc基超硬合金基体の改質方法
JP2006307318A (ja) αアルミナ層形成部材の製法および表面処理法
JP2006028600A (ja) 耐摩耗性と耐熱性に優れた積層皮膜
JP5190971B2 (ja) 被膜、切削工具および被膜の製造方法
JP5967329B2 (ja) 硬質皮膜、硬質皮膜被覆部材、それらの製造方法、及び硬質皮膜の製造に用いるターゲット及びその製造方法
JP2006152424A (ja) 硬質被膜および硬質被膜被覆加工工具
CA2853137C (en) Drill having a coating
JP2004332004A (ja) アルミナ保護膜およびその製造方法
JP6789503B2 (ja) 硬質皮膜の成膜方法
JP3971293B2 (ja) 耐摩耗性および耐熱性に優れた積層皮膜およびその製造方法、並びに耐摩耗性および耐熱性に優れた積層皮膜被覆工具
JP3971336B2 (ja) α型結晶構造主体のアルミナ皮膜の製造方法およびα型結晶構造主体のアルミナ皮膜で被覆された部材の製造方法
JP3971337B2 (ja) α型結晶構造主体のアルミナ皮膜の製造方法、α型結晶構造主体のアルミナ皮膜で被覆された部材およびその製造方法
JP2004131820A (ja) 高機能ハイス工具製造方法
WO2019035219A1 (ja) 被覆切削工具
KR100682416B1 (ko) α형 결정 구조 주체의 알루미나 피막의 제조 방법, α형결정 구조 주체의 알루미나 피막과 그 알루미나 피막을포함하는 적층 피막, 그 알루미나 피막 또는 그 적층피막으로 피복된 부재와 그 제조 방법, 및 물리적 증착 장치
JP5327534B2 (ja) 硬質被覆層の耐欠損性、耐剥離性に優れる表面被覆切削工具
JP2013075360A (ja) 被膜、切削工具および被膜の製造方法
JP5186631B2 (ja) 被膜、切削工具および被膜の製造方法
JP5229826B2 (ja) 被膜、切削工具および被膜の製造方法
JP2019131861A (ja) 硬質皮膜、硬質皮膜被覆工具及びその製造方法
JP2005313245A (ja) 硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を発揮する表面被覆サーメット製切削工具

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070928

A977 Report on retrieval

Effective date: 20091202

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20091208

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20100205

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100518