糸田 » プロピレン系ランダム共重合体及びプロピレン系樹脂組成物、 及びそ れらのフィルム、 並びにプロピレン系樹脂多層積層体 技術分野
本発明は、 プロピレン系ランダム共重合体及びプロピレン系樹脂組成 物、 及びそれらのフィルム、 さらにはプロピレン系樹脂多層積層体に関 し、 詳しくは、 成形性、 ヒートシ一ル性等のフィルム物性の改良された プロピレン系ランダム共重合体及びプロピレン系樹脂組成物、 及びそれ らのフィルム、 さらにはプロピレン系樹脂多層積層体に関する。
4^景技術
結晶性ブロピレン系重合体のフィルムは、 その優れた剛性、 透明性、 及び防湿性等を活かして広く包装用フィルムとして使用されている。 包 装用フィルムは、 しばしば袋状に加工して使用されているが、 フィルム を袋状に加工し内容物を充填した後に袋口を閉じる一連の操作は、 通常 加熱した棒により圧締してフィルムどうしを溶融接着するヒートシール と呼ばれる操作により行われている。 近年、 これら一連の製袋、 包装ェ 程は生産性向上のため大型製膜機による高速製膜化が図られており、 ヒ —トシール性に優れた素材の開発が強く要望されている。 また、 これら 二次加工工程を円滑に行うため包装用フィルムには、 スリ ップ性、 アン チブロッキング性が優れていることが必須の特性として要求されている。
し力、し、 プロピレン単独重合体のフィルムは、 ヒ一トシ一ルするには 高い温度で、 かつ長い時間の圧締が必要であるという欠点を有する。 そ
こで、 この欠点を改良する目的でエチレンや 1ーブテン、 及びその他の α—ォレフィンとプロピレンとの共重合が広く行われてきた。
しかしながら、 チーダラ一ナッタ触媒を用いてプロピレン系重合体を 製造するる従来技術においては、 充分なヒー トシール性改良効果を得る ために多量のエチレンや 1ーブテン、 及びその他の α—ォレフィン等の コモノマーを共重合する必要があった。 また、 これらのコモノマーはし ばしば低分子量成分に集中して含まれており、 結晶性に乏しいべとっき の原因成分 (以下べとっき成分と呼ぶ) になっていた。 そのため、 ポリ プロピレンフィルム本来の特徴である剛性が大きく低下したり、 フィル ムどうしがプロッキングして二次加工に支障をきたしたり、 プリ一ド白 化によるタト観不良を起こしたりして実用に耐えるものとはならなかった。
この欠点を改良するため従来技術においては、 ベとつき成分を不活性 溶剤中に溶解し、 除去する試みが行われてきた。 しかしながら、 ベとつ き成分を効率的に洗い落とし、 かつヒートシール性に寄与する低温融解 成分が洗浄により減少するのを抑制することは非常に困難であり、 工業 的に満足のいくものではなかった。
一方、 近年いわゆるメタ口セン系触媒によるプロピレン系重合体の適 用が盛んに検討されている。 メタ口セン系触媒による重合体は分子量分 布や組成分布が極めて狭いことが特徴である。 ところが、 成形安定性を 保持したり、 成形体に幾つもの相反する物性を持たせたりするためには 分子量分布や組成分布を逆に広げた方が良いことが指摘されており、 メ タロセン系触媒によるプロピレン系重合体の組成物がいろいろと提案さ れている。 しかしながら、 工業的に満足のいく方法によって用途、 成形 法に合わせた樹脂特性の重合体を自由に得ることは未だに出来ていない 状況である。
発明の開示
本発明は、 上記観点からなされたもので、 ポリプロピレンのフィルム が本来有する剛性、 透明性及び防湿性等の好ましい特性を損なうことな く、 優れたヒートシ一ル性を発現し、 かつ高速製袋に必要なスリップ性 及びアンチプロッキング性を兼ね備えたフィルムを得ることができ、 ま た製膜速度を高速化してもフィルム品質の低下が極めて小さいプロピレ ン系ランダム共重合体及びプロピレン系樹脂組成物、 及びそれらのフィ ルム、 さらにはプロピレン系樹脂多層積層体を提供することを目的とす るものである
すなわち、 本発明は以下に述べる第一発明〜第四発明からなるもので ある。
[第一発明]
1. プロピレンとエチレンのランダム共重合体であって、 下記の①〜③ を満たすプロピレン系ランダム共重合体。
® 1 3 C- NMRにより測定した共重合体中のエチレン単位の含有量 (ひ (重量%) ) が 0. 2〜: 1. 0重量%である。
②昇温分別クロマトグラフの主溶出ピ一ク温度を T p (°C) としたとき、 (T p - 5) °C〜 (T p + 5) °Cの温度範囲において溶出する量 (Wp (重量%) ) が 20重量%以上である。
③昇温分別ク口マトグラフの 0°C以下の温度範囲において溶出する量(W 0 重量%) ) とひが下記 ( I一 1 ) 式の関係を満たす。
W0 ≤ (3 + 2 α) /4 - - - ( 1— 1 )
2. 示差走査型熱量計 (D S C) により測定した共重合体の融点 (Tm (°C) ) と ctが下記式 ( I一 2) の関係を満たす上記 1に記載のプロピ
、共重合体。
Tm≤ 1 6 0— 5 a - - - ( 1— 2)
3. 昇温分別クロマトグラフの主溶出ピーク温度を T p (°C) としたと き、 (Tp + 5) °C以上の温度範囲において溶出する量 (WH (重量%) ) とひが下記式 ( 1— 3) の関係を満たす上記 1または 2に記載のプロピ レン系ランダム共重合体。
0. 1≤WH ≤ 3ひ · · · ( 1-3)
4. 共重合体中の沸騰ジェチルェ一テル抽出成分量 (E (重量%) ) が 2. 5重量%以下であり、 かつ Eと αが下記式 ( I一 4) の関係を満た す上記 1〜 3のいずれかに記載のプロピレン系ランダム共重合体。
Ε≤ (2 α+ 1 5) //10 · · · ( 1-4)
5. メルトインデックス (Μ I ( g Ζ 1 0 m i η ) ) 力 S 0. 1〜 200 g / 1 0 m i nである上記 1〜 4のいずれかに記載のプロピレン系ラン ダム共重合体。
6. 1 3C- NMRにより測定した共重合体中の立体規則性指標 (P (モ ル0 /0) ) が 98モル0 /0以上である上記 1〜 5のいずれかに記載のプロピ レン系ランダム共重合体。
7. αが 3〜 7重量0 /0である上記 1〜6のいずれかに記載のプロピレン 系ランダム共重合体。
8. 上記 1〜7のいずれかに記載のプロピレン系ランダム共重合体から なるフィルム。
[第二発明]
1. ( i ) プロピレンとエチレンのランダム共重合体に、 ( i i ) 核剤 を配合してなるプロピレン系ランダム共重合体組成物であって、 示差走 査型熱量計 (DS C) で測定した、 結晶化曲線における最高温度側のピ ーク トップ温度 T c (°C) と融解曲線における最低温度側のピーク トツ プ温度 Tm (°C) とが、 下記式 ( II— 1)
T c≥ 0. 7 5 XTm- 5 · · · ( II— 1 ) を満たし、 かつ昇温分別クロマトグラフの 0°C以下の範囲において溶出 する量 W0 (重量0 /0) が 6重量0 /0以下であることを特徴とするプロピレ ン系ランダム共重合体組成物。
2. ( i ) プロピレンとエチレンとのランダム共重合体であって、 下記 の④〜⑥の条件を満たすプロピレン系ランダム共重合体に、 ( i i ) 核 剤を配合してなるプロピレン系ランダム共重合体組成物。
④ 1 3 C— NMRにより測定した共重合体中のエチレン単位の含有量 γ (重量%) が 0. 2〜: L 0重量%であり、
⑤昇温分別クロマトグラフの主溶出ビーク温度を T p r (°C) としたと き、 (T p r— 5) °C〜 (T p r + 5) Cの温度範囲において溶出する 量 Wp r (重量%) が 2 0重量%以上であり、
⑥昇温分別クロマトグラフの 0°C以下の温度範囲において溶出する量 W O r (重量%) と γが下記式 ( II一 2) の関係を満たす。
WO r≤ (3 + 2 γ) /A . · · ( II- 2)
3. ( i i ) 成分の配合量が、 ( i ) 成分 1 0 0重量部に対して 0. 0 0 1〜5重量部である上記 1又は 2に記載のプロピレン系ランダム共重 合体組成物。
4. ( i ) 成分において、 メルトインデックス M I (gZ l O m i n) が 0. l〜200 gZl 0m i nである上記 1〜 3のいずれかに記載の プロピレン系ランダム共重合体組成物。
5. ( i ) 成分において、 1 3 C— NMRにより測定した共重合体中の 立体規則性指標 P (モル%) が 9 8モル。 /。以上である上記 1〜4のいず れかに記載のプロピレン系ランダム共重合体組成物。
6. 上記 1〜 5のいずれかに記載のプロピレン系ランダム共重合体組成
物力
8. 上記 1〜 5のいずかに記載のプロピレン系ランダム共重合体組成物 を少なくともその一層成分とする多層フィルム。
[第三発明]
1. (A) プロピレンとエチレンからなるプロピレン系ランダム共重合 体 55〜99重量部、 (B) 示差走査型熱量計により測定した結晶化温 度 TCB (°C) 力 (A) 成分の同結晶化温度 Tc A (°C) より高いプロピ レン系重合体 45〜 1重量部からなる樹脂組成物であって、 示差走査型 熱量計により測定した結晶化曲線における最高温度側のピーク トップ温 度 Tc (°C) と融解曲線における最低温度側のピーク トップ温度 Tm CO とが式 ( III一 1)
Tc ≥ 0. 75 X 'Γ m 一 5 · · · ( III一 1) の関係を満たし、 かつ昇温分別クロマトグラフィー (TRE F) の 0°C 以下の温度範囲において溶出する量 WO (wt%)が 6 wt% 以下であるプ口ピ レン系樹脂組成物。
2. (A) 成分が、 昇温分別クロマトグラフィー (TRE F) において 主溶出ピーク温度を Tp (°C) とし、 (Tp - 5) °C〜 (Tp +5) 。 の 温度範囲で溶出する量を Wp(wt%)とした場合、 式 ( III一 2)
20≤Wp ≤ 65 · · · ( III- 2)
の関係を満足するプロピレンとエチレンからなるプロピレン系ランダム 共重合体である上記 1記載のァロピレン系樹脂組成物。
3. 示差走査型熱量計により測定した (B) 成分の結晶化温度 TCB (°C) が (A) 成分の同結晶化温度 Tc A (°C) より 1 0°C以上高い上記 1又は 2に記載のプロピレン系樹脂組成物。
4. (A) 成分が、 下記 (a,l) 〜 (a,3) の性状を有するプロピレン
とエチレンからなるプロピレン系ランダム共重合体である上記 1〜3の いずれかに記載のプロピレン系樹脂組成物。
(a'l) 1 3 C— NMRにより測定した共重合体中のエチレン単位の含有 量 a, (wt%) が 0. 2〜: L 0wt% であり、
(a'2) 昇温分別クロマトグラフィー (TRE F) において主溶出ピー ク温度を Tpr (。C) とし、 (Tpr— 5) °C〜 (Tpr+ 5) °Cの温度範囲 で溶出する量 Wpr(wt%) が 20wt% 以上であり、 及び
(a,3) 昇温分別クロマトグラフィー (TRE F) の 0°C以下の温度範 囲において溶出する量 W0r(wt%) と o;' (wt%)が式 ( III一 3) の関係を 満たす。
W0r≤ (3 + 2 α')/4 · · · ( III - 3)
5. (B) 成分が、 示差走査型熱量計により測定した融解曲線における 示差熱量 AHB (J/g) と融点 TmB (°C) が式 ( III一 4) の関係を満 たすプロピレン系重合体である上記 1〜4のいずれかに記載のプロピレ ン系樹脂組成物。
ΔΗΒ ≥TmB/2 + 10 · · · ( III— 4)
6. 上記 1〜5のいずれかに記載のプロピレン系樹脂組成物からなるフ イルム。
[第四発明]
1. 最外層の少なくとも一方が下記のプロピレン系重合体 [A] からな る層により構成されているプロピレン系樹脂多層積層体。
プロピレン系重合体 [A]
プロピレンとエチレンのランダム共重合体であって、 下記の①〜③を 満たすプロピレン系ランダム共重合体。
① 1 3 C— N M Rにより測定した共重合体中のェチレン単位の含有量 Vが 0. 2〜 10重量%である
②昇温分別クロマトグラフの主溶出ピーク温度を Tp (°C) としたとき、 (Tp-5) °C〜 (Tp + 5) °Cの温度範囲において溶出する量 Wpが 20重量%以上である
③昇温分別クロマトグラフの 0°C以下の温度範囲において溶出する量 W0 (重量%) と γが下記 (A1) 式の関係を満たす
W0 ≤ (3 + 2 γ) /4 - - - (A 1 )
2. プロピレン系重合体 [Α] がさらに下記の関係を満たす上記 1記載 のプロピレン系樹脂多層積層体。
④示差走査型熱量計 (DS C) により測定した共重合体の融点 Tm C) と γが下記式 (Α2) の関係を満たす
Tm≤ 1 60— 5 γ · · · (A 2 )
3. プロピレン系重合体 [A] がさらに下記の関係を満たす上記 1また は 2記載のプロピレン系樹脂多層積層体。
⑤昇温分別クロマトグラフの主溶出ピーク温度を T p (°C) としたとき、 (Tp + 5) °C以上の温度範囲において溶出する量 WH (重量%) と γ が下記式 (A3) の関係を満たす
0. 1≤WH ≤ 37 · - - (A3)
4. プロピレン系重合体 [A] がさらに下記の関係を満たす上記 1〜3 のいずれかに記載のブロピレン系樹脂多層積層体。
⑥共重合体中の沸騰ジェチルェ一テル抽出成分量 Eが 2. 5重量%以下 であり、 かつ Eと γが下記式 (Α4) の関係を満たす
Ε≤ (2 γ+ 1 5) /10 · · · (Α4)
5. プロピレン系重合体 [Α] における γが 3〜7重量0 /0である上記 1 〜4のいずれかに記載のプロピレン系樹脂多層積層体。
6. プロピレン系重合体 [Λ] のメノレ トインデックス M Iが 0. 1〜2 00 g/ 1 0 m i nである上記 1〜 5のいずれかに記載のプロピレン系
7. プロピレン系重合体 [A] の1 3 C— NMRにより測定した立体規則 性指標 Pが 98モル%以上である上記 1〜 6のいずれかに記載のプロピ レン系樹脂多層積層体。
8. プロピレン系重合体 [A] のゲノレパーミエ一シヨンクロマトグラフ (GPC) 法により測定した重量平均分子量 M wと数平均分子量 M nの 比 (Mw/Mn) が 2〜 6である上記 1〜 7のいずれかに記載のプロピ レン系樹脂多層積層体。
9. 引張弾性率 TM (MP a ) とヒートシール温度 H ST (°C) が以下 の関係を満たす上記 1〜8のいずれかに記載のプロビレン系樹脂多層積 層体。
T ≥ 40 XHST-4000 (HS T≥ 1 1 5)
かつ、
ΤΜ≥ 600 (HS Τ< 1 1 5)
10. プロピレン系重合体 [Α] からなる最外層の少なく とも一方と、 最外層と少なくともエチレン含有量が異なるプロピレン系重合体 [A] から選ばれる少なく とも一層以上の層を積層してなる上記 1〜 9のいず れかに記載のプロピレン系樹脂多層積層体。
1 1. 上記 1〜1 0のいずれかに記載のプロピレン系多層積層体であつ て、 Tダイキャスト成形法により得られたプロピレン系樹脂多層積層体。 発明を実施するための最良の形態
以下に、 第一発明〜第四発明について、 その実施の形態を説明する。
〔第一発明〕
1. プロピレン系ランダム共重合体
本第一発明 (以下、 この項において、 単に 「本発明」 と呼ぶことがあ る) のプロピレン系ランダム共重合体は、 プロピレンとエチレンのラン ダム共重合体であって、 下記の①〜③を満たす。
① 1 3 C- NM Rにより測定した共重合体中のエチレン単位の含有量 (α (重量%) ) が 0. 2〜1 0重量0 /0である。
好ましくは 0. 5〜9重量%、 より好ましくは 1〜8重量%、 最も好 ましくは 3〜 7重量%である。
エチレン単位の含有量が 0. 2重量0 /0未満では、 ヒートシール性の改 良効果が望めない また 1 0重量0 /0を超えるとフィルムの剛性が満足で きないものになり好ましくない。
また、 本発明のフロピレン系ランダム共重合体は、 示差走査型熱量計 (D S C) により測定した共重合体の融点 (Tm (°C) ) と ο;が下記式 ( 1- 2) の関係を満たしていることが好ましく、
Tm≤ 1 6 0— 5ひ . · · ( 1- 2)
より好ましくは、
Tm≤ 1 6 0— 6 α · · · ( 1— 5)
を満たしている場合である。
この関係を満たしていない場合は、 ヒートシール性が不充分になり易 く、 またアンチプロッキング性の低いものになる場合がある。
②昇温分別クロマトグラフの主溶出ピーク温度を T p (°C) としたとき、
(T p - 5) °C〜 (T p + 5) 。Cの温度範囲において溶出する量 (Wp
(重量%) ) が 2 0重量%以上である。
好ましくは、
20≤Wp , かつ (8 0— 1 5 a) ≤Wp · · · ( 1— 6)
であり、 より好ましくは、
30≤Wp、 かつ (90— 1 2ひ) ≤Wp · · · ( 1— 7)
である。
Wpが 20重量%未満の場合は、 主溶出ピークの裾が高温側及び Z又 は低温側に大きく伸びている場合であり、 低温側の成分は製膜したフィ ルムをべとついたものにするので好ましくなく、 高温側の成分はヒート シール性を不充分にし、 透明性の成形条件依存性を大きくするので好ま しくない。
また、 本発明のプロピレン系ランダム共重合体は、 主溶出ピークの高 温側の成分が、 チル口一ルリ リースなどの成形性や剛性に寄与している ため全く無いよりもある程度の量が存在していた方が好ましく、 本発明 のプロ ピレン系ランダム共重合体は (Tp + 5) CC以上の温度範囲にお いて溶出する量 (WH (重量%) ) と αが下記式 ( 1— 3) の関係を満 たしていることが好ましい。
0. 1≤WH ≤ 3 α · - - ( 1-3)
さらに好ましくは、
WH ≤ (3ひ一 3) 、 かつ (3 α— 1 5) ≤WH · · · ( 1—8) を満たしている場合である。
③昇温分別クロマトグラフの 0 °C以下の温度範囲において溶出する量 (W0 (重量%) ) と ひが下記式 ( 1— 1) の関係を満たす。
W0 ≤ (3 + 2 a) /4 - « - ( I— 1 )
好ましくは、
W0 ≤ (2 + 2 a) /4 - « - ( 1-9)
を満たす。
W0 が ( 1— 1) の関係を満たさない場合、 製膜したフィルムがベと ついたものなり、 添加剤、 低分子量成分などのプリ一ドによる トラブル
が起こり易くなり好ましくない。
また、 本発明のプロピレン系ランダム共重合体は、 共重合体中の沸騰 ジェチルエーテル抽出成分量 (E (重量%) ) が 2. 5重量%以下であ り、 かつ Eと αが下記式 ( I一 4) の関係を満たしていることが好まし い。
Ε≤ (2 α + 1 5) /10 - - - ( 1—4)
さらに好ましくは、
Ε≤ (α+ 5) /5 · - - ( 1- 10)
を満たしている場合である。
この場合、 製膜したフィルムがべとついたものにならずに好ましい。 また、 本発明のプロピレン系ランダム共重合体は、 メルトインデック ス (M I (gZl Om i n) ) 力 SO. :!〜 200 gZ l 0m i nである ことが好ましレヽ。 より好ましくは:!〜 40 gZ] Om i nであり、 さ らに好ましくは 2〜20 gZl 0m i nである。 メノレトインデックスが この範囲から外れると成形性に劣るものになることがある。
また、 本発明のプロピレン系ランダム共重合体は、 1 3C— NMRによ り測定した共重合体中の立体規則性指標 (P (モル%) ) が 98モル% 以上であることが好ましい。 より好ましくは 98. 5モル0 /0以上である。 立体規則性指標 P力 S 98モル0 /0未満であると製膜したフィルムの剛性、 アンチプロッキング性が不充分になる場合がある。
なお、 前記ひ, Tm, Wp, WH , WO , Ε, M I及び Ρは実施例に おいて述べる測定方法により求めることができる。
2. プロピレン系ランダム共重合体の製造方法
本発明のプロピレン系ランダム共重合体は (Α) マグネシウム化合物 とチタン化合物とを電子供与性化合物および必要に応じてケィ素化合物 の存在下、 1 20°C以上 1 50°C以下の温度にて接触させた後、 100°C
以上 1 50°C以下の温度にて不活性溶媒により洗浄したものからなる固 体触媒成分、 (B) 有機アルミニウム化合物および必要に応じて (C) 第 3成分として電子供与性化合物からなる触媒を用いてプロピレンとェ チレンを共重合することにより製造することができる。
以下に、 各触媒成分、 調製方法、 重合方法等について説明する。
〔 I〕 各触媒成分
(A) 固体触媒成分
固体触媒成分は、 マグネシウム、 チタンおよび電子供与体を含有する ものであり、 以下の (a) マグネシウム化合物、 (b) チタン化合物、
(c) 電子供性化合物および必要に応じてケィ素化合物 (d) からなる 固体触媒成分から形成されるものである。
(a) マグネシウム化合物
マグネシウム化合物としては、 特に制限はないが、 一般式 ( I )
Mg R 1 · · · ( I )
で表されるマグネシゥム化合物を好ましく用いることができる。 上記の一般式 ( 1 ) において、 は、 炭化水素基、 OR3 基 (R3は炭 化水素基) またはハロゲン原子を示す。 ここで、 R 1および R2の炭化水 素基としては、 炭素数 1〜 1 2個のアルキル基、 シクロアルキル基、 ァ リール基、 ァラルキル基等を、 OR3基としては、 R3が炭素数 1〜1 2 個のアルキル基、 シクロアルキル基、 ァリール基、 ァラルキル基等を、 ハロゲン原子としては、 塩素、 臭素、 ヨウ素、 フッ素等を挙げることが できる。 また、 尺1ぉょび1^2は、 同一でも異なってもよい。
上記の一般式( I ) で示されるマグネシウム化合物の具体例としては、 ジメチルマグネシゥム, ジェチルマグネシゥム, ジイソプロピルマグネ
マグネシウム, ェチノレブチノレマグネシウム, ジフエ二ノレマグネシウム, ジシク口へキシノレマグネシウム等のァノレキノレマグネシウム, ァリ一ノレマ グネシゥム; ジメ トキシマグネシゥム, ジェトキシマグネシゥム, ジプ 口ポキシマグネシウム, ジブトキシマグネシウム, ジへキシロキシマグ ネシゥム, ジォク トキシマグネシウム, ジフエノキシマグネシウム, ジ シク口へキシロキシマグネシウム等のアルコキシマグネシウム, ァリロ キシマグネシゥム ;ェチルマグネシゥムクロリ ド, ブチノレマグネシゥム クロリ ド, へキシルマグネシウムク口リ ド, ィソプロピルマグネシウム クロリ ド, イソブチゾレマグネシゥムクロリ ド, t 一ブチノレマグネシゥム クロリ ド, フェニノレマグネシゥムプロミ ド, ベンジノレマグネシゥムクロ リ ド, ェチノレマグネシウムブロミ ド, ブチノレマグネシウムブロミ ド, フ ェエルマグネシゥムクロリ ド, ブチルマグネシゥムィォダイ ド等のァノレ キノレマグネシゥムハライ ド, ァリ一ノレマグネシゥムノ、ライ ド; ブトキシ マグネシゥムクロリ ド, シクロへキシロキシマグネシゥムクロリ ド, フ エノキシマグネシゥムクロリ ド, ェトキシマグネシゥムブロミ ド, ブト コキシマグネシゥムハライ ド, ァリロキシマグネシゥムハライ ド;塩化 マグネシウム, 臭化マグネシウム, ヨウ化マグネシウム等のハロゲン化 マグネシウム等を挙げることができる。
これらのマグネシゥム化合物の中でも、 重合活性および立体規則性の 面から、 マグネシウムハライ ド、 ァノレコキシマグネシウム、 ァノレキルマ グネシゥム、 アルキルマグネシウムハライ ドが好適に使用できる。
上記のマグネシウム化合物は、 金属マグネシウム、 またはマグネシゥ ムを含有する化合物から調製することができる。
—例としては、 金属マグネシウムにハロゲンおよびアルコール類を接 触させる方法が挙げられる。
ここで、 ハロゲンとしては、 ヨウ素、 塩素、 臭素、 フッ素が挙げられ る。 これらの中ではヨウ素が好ましい。 アルコール類としては、 メタノ 一ノレ、 ェタノ一ノレ、 プロノくノーノレ、 ブタノ一ノレ、 シクロへキサノーノレ、 オタタノール等が挙げられる。 また、 他の一例として、 Mg (OR4) 2 で表されるマグネシウムァ ルコキシ化合物 (式中、 R4は、 炭素数 1〜20個の炭化水素基を示す。 ) にハ口ゲン化物を接触させる方法が挙げられる。
上記のハロゲン化物としては、 四塩化ケィ素、 四臭化ケィ素、 四塩化 スズ、 四臭化スズ、 塩化水素等が挙げられる。 これらの中では、 重合活 性および立体規則性の面から、 四塩化ケィ素が好ましい。 上記の R 4と しては、 メチル基, ェチル基, プロピル基, イソプロピル基, ブチル基, イソブチル基, へキシル基, ォクチル基等のアルキル基; シクロへキシ ル基, ァリル基, プロぺニル基, ブテュル基等のアルケニル基; フエ二 ル基, ト リル基, キシリル基等のァリール基; フエネチル, 3—フエ二 ルプロピル基等のァラルキル基等が挙げられる。 これらの中では特に炭 素数 1〜1 0個のアルキル基が好ましい。
さらに、 マグネシウム化合物は、 シリカ、 アルミナ、 ポリスチレン等 の支持体に担持されていてもよい。
以上のマグネシウム化合物は、 単独で用いてもよいし、 2種以上を組 み合わせて用いてもよい。 また、 ヨウ素などのハロゲン、 珪素、 アルミ ニゥム等の他の元素を含有してしてもよく、 アルコール、 エーテル、 ェ ステル類などの電子供与体を含有してもよい。
(b) チタン化合物
チタン化合物としては、 特に制限はないが、 一般式 ( I I )
T i X 1 p (OR5) 4-p ♦ · · ( I I )
で表されるチタン化合物を好ましく用いることができる。
上記の一般式 ( I I ) において、 X 1はハロゲン原子を示し、 その中 でも塩素原子および臭素原子が好ましく、 塩素原子が特に好ましい。 R
5は炭化水素基であって、 飽和基や不飽和基であってもよく、 直鎖状の ものや分枝鎖を有するもの、 あるいは環状のものであってもよく、 さら にはィォゥ、 窒素、 酸素、 ケィ素、 リンなどのへテロ原子を含むもので あってもよい。 好ましくは炭素数 1〜 1 0個の炭化水素基、 特にアルキ ル基、 アルケニル基、 シクロアルケニル基、 ァリール基およびァラルキ ル基などが好ましく、 直鎖または分岐鎖のアルキル基が特に好ましい。 一 O R 5が複数存在する場合にはそれらは互いに同じでも異なってもよ レ、。 R 5の具体例としては、 メチル基、 ェチル基、 n —プロピル基、 ィ ソプロピル基、 n—ブチル基、 s e c—ブチル基、 イソブチノレ基、 n— ペンチノレ基、 n—へキシル基、 n—ヘプチル基、 n—ォクチノレ基、 n— デシル基、 ァリル基、 ブテニル基、 シクロペンチル基、 シクロへキシル 基、 シクロへキセニル基、 フエ二/レ基、 トリル基、 ベンジノレ基、 フエネ チル基など力挙げられる。 pは 0〜 4の整数を示す。
上記の一般式 ( I I ) で示されるチタン化合物の具体例としては、 テ トラメ トキシチタン, テトラエトキシチタン, テトラー n—プロポキシ チタン, テトライソプロポキシチタン, テトラー n—ブトキシチタン, テトライソブトキシチタン, テトラシクロへキシロキシチタン, テトラ フエノキシチタン等のテトラアルコキシチタン; 四塩化チタン, 四臭化 チタン, 四ヨウ化チタン等のテトラハロゲン化チタン; メ トキシチタン トリクロリ ド, エトキシチタントリクロリ ド, プロポキシチタントリク 口リ ド, n—ブトキシチタントリクロリ ド, エトキシチタントリブロミ ド等のトリハロゲン化アルコキシチタン;ジメ トキシチタンジクロリ ド,
ジェトキシチタンジク口リ ド, ジィソプロポキシチタンジク口リ ド, ジ 一 n—プロポキシチタンジクロリ ド, ジエトキシチタンジブロミ ド等の ジハロゲン化ジアルコキシチタン; トリメ トキシチタンクロリ ド, トリ エトキシチタンクロリ ド, トリイソプロポキシチタンクロリ ド, トリ一 n—フロポキシチタンク口リ ド, トリー n—ブトキシチタンク口リ ド等 のモノハロゲン化トリアルコキシチタンなどを挙げることができる。 こ れらの中で、 重合活性の面から、 高ハロゲン含有チタン化合物、 特に四 塩化チタンが好ましい。 これらのチタン化合物は、 それぞれ単独で用い てもよく、 また 2種以上を組み合わせて用いてもよい。
( c ) 電子供与性化合物
電子供与性化合物としては、 アルコール類、 フエノール類、 ケトン類、 アルデヒ ド類、 有機酸もしくは無機酸のエステル類、 モノエーテル、 ジ ェ一テルもしくはポリエーテル等のエーテル類等の含酸素電子供与体や、 アンモニア、 ァミン、 二 ト リル、 イソシァネー ト等の含窒素電子供与性 化合物を挙げることができる。 前記の有機酸としては、 カルボン酸が挙 げられ、 具体的にはマロン酸等が挙げられる。
これらの中では、 多価カルボン酸のエステル類が好ましく、 さらに好 ましくは、 芳香族多価カルボン酸のエステル類である。 重合活性の面か ら、 特に芳香族ジカルボン酸のモノエステルおよび またはジエステル が好ましい。 また、 エステル部の有機基が直鎖、 分岐または環状の脂肪 族炭化水素が好ましい。
具体的には、 フタル酸、 ナフタレン一 1, 2—ジカルボン酸, ナフタ レン一 2, 3—ジカノレボン酸、 5, 6, 7 , 8—テトラヒ ドロナフタレ ン一 1, 2—ジカルボン酸、 5, 6, 7, 8—テトラヒ ドロナフタレン - 2 , 3—ジカルボン酸、 インダン一 4, 5—ジカルボン酸、 インダン — 5, 6—ジカルボン酸等のジカルボン酸のメチル、 ェチル、 n—プロ
ピノレ、 イソプロピノレ、 n—ブチノレ、 イソブチル、 tーブチノレ、 n—ペン チル、 1—メチルブチル、 2—メチノレブチノレ、 3—メチルブチル、 1,
1ージメチノレブ口ピル、 1一メチルペンチノレ、 2—メチノレペンチル、 3 —メチグレペンチノレ、 4ーメチノレペンチノレ、 1ーェチノレブチノレ、 2—ェチ ルブチル、 n—へキシル、 シクロへキシル、 n—へプチル、 n—ォクチ /レ、 n—ノニノレ、 2—メチノレへキシノレ、 3—メチノレへキシノレ、 4ーメチ ノレへキシノレ、 2—ェチノレへキシノレ、 3—ェチノレへキシノレ、 4—ェチノレへ キシル、 2—メチルペンチル、 3—メチルペンチル、 2—ェチルペンチ ル、 3—ェチルベンチル等のジアルキルエステルが挙げられる。 これら の中では、 フタル酸ジエステル類が好ましく、 また、 エステル部の有機 基の炭素数が 4個以上の直鎖または分岐の脂肪族炭化水素が好ましい。 この具体例としては、 フタル酸ジ一 n—ブチル、 フタル酸ジイソブチ ル、 フタル酸ジ一 n—へブチル、 フタル酸ジェチルなどを好ましく挙げ ることができる。 また、 これらの化合物はそれぞれ単独で用いてもよ いし、 2種以上を組み合わせて用いてもよい:
(d) ケィ素化合物
固体触媒成分の調製に、 前記 (a) 、 (b) および (c) 成分に加え て、 場合により (d) 成分として、 下記の一般式 ( 1 1 1 ) 、
S i (OR6) q X24 - q …… ( I I I )
(R6は炭化水素基、 X2はハロゲン原子、 qは 0〜3の整数を示す。 ) で表されるケィ素化合物を用いることができる。 ケィ素化合物を用いる ことにより、 触媒活性および立体規則性の向上ならびに生成ポリマー中 の微粉量の低減が図れることがある。
上記の一般式 ( I I I ) において、 X 2はハロゲン原子を示し、 これ らの中で塩素原子および臭素原子が好ましく、塩素原子が特に好ましい。
R 6は炭化水素基であって、 飽和基や不飽和基であってもよく、 直鎖状 のものや分枝鎖を有するもの、 あるいは環状のものであってもよく、 さ らにはィォゥ、 窒素、 酸素、 ケィ素、 リンなどのへテロ原子を含むもの であってもよい。 好ましくは炭素数 1〜 1 0個の炭化水素基、 特にアル キル基、 アルケニル基、 シクロアルケニル基、 ァリール基およびァラル キル基などが好ましい。 —O R 6が複数存在する場合にはそれらは互い に同じでも異なってもよい。 R 6の具体例としては、 メチル基、 ェチル 基、 n—プロピル基、 イソブロピノレ基、 n—ブチノレ基、 s e c—ブチノレ 基、 イソブチル基、 n—ペンチル基、 n—へキシル基、 n—へプチル基、 n—ォクチル基、 n —デシル基、 ァリル基、 ブテュル基、 シクロペンチ ル基、 シクロへキシル基、 シクロへキセニル基、 フ -ニル基、 トリノレ基、 ベンジル基、 フエネチル基などが挙げられる。 qは 0〜3の整数を示す。 上記の一般式 ( I I I ) で示されるケィ素化合物の具体例としては、 四塩化ケィ素、 メ トキシトリクロロシラン、 ジメ トキシジクロロシラン、 トリメ トキシクロロシラン、 ェトキシトリクロロシラン、 ジェトキシジ クロロシラン、 トリエトキシクロロシラン、 プロポキシトリクロロシラ ン、 ジプロボキシジクロロシラン、 トリプロポキシクロロシランなどを 挙げることができる。 これらの中で特に四塩化ケィ素が好ましい。 これ らのケィ素化合物は、 それぞれ単独で用いてもよく、 また 2種以上を組 み合わせて用いてもよい。
( B ) 有機アルミニウム化合物
本発明の結晶性ポリプロピレンの製造に用いられる (B ) 有機アルミ ニゥム化合物としては、 特に制限はないが、 アルキル基、 ハロゲン原子、 水素原子、 アルコキシ基を有するもの、 アルミノキサンおよびそれらの 混合物を好ましく用いることができる。 具体的には、 トリメチルアルミ
二ゥム, トリェチルアルミニウム, トリイソプロピルアルミニウム, ト リィソブチルアルミニウム, トリォクチルアルミニウム等のトリアルキ ノレアノレミニゥム ; ジェチノレアノレミニゥムモノクロリ ド, ジィソプロピノレ アルミニウムモノクロリ ド, ジイソブチルアルミニウムモノクロリ ド, ジォクチルァノレミニゥムモノクロリ ド等のジアルキルアルミニウムモノ クロリ ド; ェチルアルミニウムセスキク口リ ド等のアルキノレアルミニゥ ムセスキハライ ド; メチルアルミノキサン等の鎖状アルミノキサン等を 挙げることができる。 これらの有機アルミニウム化合物の中では、 炭素 数 1〜5個の低級アルキル基を有するトリアルキルアルミニウム、 特に トリメチルァノレミニゥム, トリエチノレアノレミニゥム, トリプロビルァノレ ミニゥムおよびトリイソブチルアルミニウムが好ましい。 また、 これら の有機アルミニウム化合物はそれぞれ単独で用いてもよいし、 2種以上 を組み合わせて用いてもよい。
( C ) 第 3成分 (電子供与性化合物)
本発明の結晶性ポリプロピレン重合用触媒の調製には必要に応じて、 ( C ) 電子供与性化合物が用いられる。 この (C ) 電子供与性化合物と しては、 S i—〇一 C結合を有する有機ケィ素化合物、 窒素含有化合物、 リン含有化合物、 酸素含有化合物を用いることができる。 このうち、 重 合活性および立体規則性の面から、 S i —〇一 C結合を有する有機ケィ 素化合物、 エーテル類およびエステル類を用いることが好ましく、 特に
S i 一 o—c結合を有する有機ケィ素化合物を用いることが好ましい。 この S i—O— C結合を有する有機ケィ素化合物の具体例としては、 テトラメ トキシシラン、 テトラエトキシシラン、 テトラブトキシシラン、 テトライソブトキシシラン、 トリメチルメ トキシシラン、 トリメチノレエ トキシシラン、 トリェチルメ トキシシラン、 トリェチルエトキシシラン、 ェチルイソプロピルジメ トキシシラン、 プロピルイソプロピルジメ トキ
シシラン、 ジイソプロピルジメ トキシシラン、 ジイソプチルジメ トキシ シラン、 イソプロピルイソブチルジメ トキシシラン、 ジー tーブチルジ メ トキシシラン、 tーブチルメチルジメ トキシシラン、 tーブチルェチ ルジメ トキシシラン、 t—ブチルプロピルジメ トキシシラン、 tーブチ ルイソプロピルジメ トキシシラン、 tーブチルブチルジメ トキシシラン、 tーブチルイソブチルジメ トキシシラン、 t—ブチル ( S—ブチル) ジ メ トキシシラン、 tーブチルァミノレジメ トキシシラン、 tーブチノレへキ シルジメ トキシシラン、 t一ブチルへプチルジメ トキシシラン、 t—ブ チルォクチルジメ トキシシラン、 tーブチノレノニルジメ トキシシラン、 t一ブチルデシルジメ トキシシラン、 t _ブチル (3, 3 , 3—トリフ ルォロメチルプロピル) ジメ トキシシラン、 シクロへキシルメチルジメ トキシシラン、 シクロへキシルェチルジメ トキシシラン、 シクロへキシ ルプロピルジメ トキシシラン、 シクロペンチノレ一 t—ブチルジメ トキシ シラン、 シクロへキシノレ一 tーブチノレジメ トキシシラン、 ジシクロペン チルジメ トキシシラン、 ジシクロへキシルジメ トキシシラン、 ビス (2 ーメチルシクロペンチル) ジメ トキシシラン、 ビス (2, 3—ジメチノレ シクロペンチノレ) ジメ トキシシラン、 ジフエ二/レジメ トキシシラン、 フ ェニルトリエトキシシラン、 メチルトリメ トキシシラン、 ェチルトリメ トキシシラン、 プロピルトリメ トキシシラン、 ィソプロビルトリメ トキ シシラン、 プチルトリメ トキシシラン、 イソブチルトリメ トキシシラン、 t—プチルトリメ トキシシラン、 s—ブチルトリメ トキシシラン、 アミ ノレトリメ トキシシラン、 イソアミノレトリメ トキシシラン、 シク口ペンチ ルトリメ トキシシラン、 シクロへキシルトリメ トキシシラン、 ノルボル ナントリメ トキシシラン、 ィンデュルトリメ トキシシラン、 2—メチル シクロペンチ^^トリメ トキシシラン、 シクロペンチノレ ( t—ブトキシ) ジメ トキシシラン、 イソプロピル ( t 一ブトキシ) ジメ トキシシラン、
t—ブチル (イソブトキシ) ジメ トキシシラン、 t—ブチル ( t—ブト キシ) ジメ トキシシラン、 テキシルトリメ トキシシラン、 テキシルイソ プロポキシジメ トキシシラン、 テキシル ( t一ブトキシ) ジメ トキシシ ラン、 テキシルメチルジメ トキシシラン、 テキシルェチルジメ トキシシ ラン、 テキシルイソプロピルジメ トキシシラン、 テキシルシクロペンチ ルジメ トキシシラン、 テキシルミ リスチルジメ トキシシラン、 テキシル シク口へキシルジメ トキシシラン等が挙げられる。
また、 下記の一般式 ( I V) 、 R ' (IV)
(式中、 R 7〜R 9は水素原子また 炭化水素基を示し、 それらは互いに 同一でも異なってもよく、 隣接する基と互いに結合して環を形成してい てもよ 。 R 1 0及び R 1 1は炭化水素基を示し、 それらは互いに同一で も異なってもよく、 隣接する基と互いに結合して環を形成していてもよ レ、。 R 1 2及び R 1 3は炭素数が 1〜 2 0のアルキル基を示し、 それらは 互いに同一でも異なってもよい。 mは 2以上の整数であり、 nは 2以上 の整数である。 ) で表されるケィ素化合物を用いることができる。
上記の一般式 ( I V) において、 具体的には、 R 7〜R 9としては、 水 素原子、 メチル基、 ェチル基、 n—プロピル基等の直鎖状炭化水素基、 イソプロピル基、 イソブチル基、 t一ブチル基、 テキシル基等の分岐状 炭化水素基、 シクロブチル基、 シクロペンチル基、 シクロへキシル基等 の飽和環状炭化水素基、 フエニル基、 ペンタメチルフエニル基等の不飽
和環状炭化水素基が挙げられる。 これらのうち、 好ましくは水素、 炭素 数 1 〜 6の直鎖状炭化水素基であり、 特に好ましくは水素、 メチル基、 ェチル基である。
上記の一般式 ( I V) において、 R 1 0および R 1 1としては、 メチル 基、 ェチル基、 n—プロピル基等の直鎖状炭化水素基、 イソプロピル基、 イソブチル基、 t 一ブチル基、 テキシル基等の分岐状炭化水素基、 シク ロブチル基、 シクロペンチル基、 シクロへキシル基等の飽和環状炭化水 素基、 フエニル基、 ペンタメチルフユニル基等の不飽和環状炭化水素基 が挙げられる。 また、 これらは同じでも良く、 異なっていても良い。 こ れらのうち、 好ましくは炭素数 1 〜 6の直鎖状炭化水素基であり、 特に 好ましくはメチル基、 ェチル基である。
上記の一般式 ( I V) において、 R 1 2および R 1 3としては、 メチル 基、 ェチル基、 n—プロピル基、 ィソプロピル基、 n—ブチル基、 ィソ ブチノレ基、 s e c—ブチノレ基、 t—ブチノレ基、 n —ペンチノレ基、 n —へ キシル基、 n—才クチル基等の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基が挙 げられる。 また、 これらは同じでも良く、 異なっていても良い。 これら のうち、 好ましくは炭素数 1 〜 6の直鎖状炭化水素基であり、 特に好ま しくはメチル基である。
上記の一般式 ( I V ) で示されるケィ素化合物の好ましい化合物とし ては具体的に、 ネオペンチル n—プロピルジメ トキシシラン、 ネオペン チノレ n—ブチノレジメ トキシシラン、 ネオペンチノレ n—ペンチ^/ジメ トキ シシラン、 ネオペンチノレ n —へキシノレジメ トキシシラン、 ネオペンチノレ n—へプチルジメ トキシシラン、 イソブチル n—プロピルジメ トキシシ ラン、 イソブチル n—ブチノレジメ トキシシラン、 イソブチル n—ペンチ ルジメ トキシシラン、 イソブチル n —へキシルジメ トキシシラン、 イソ
ブチノレ n—へプチルジメ トキシシラン、 2—シクロへキシノレプロピノレ n 一プロピノレジメ トキシシラン、 2—シクロへキシノレブチノレ n—プロピノレ ジメ トキシシラン、 2—シクロへキシノレペンチル n—プロピノレジメ トキ シシラン、 2—シクロへキシルへキシル n—プロピルジメ トキシシラン、 2—シクロへキシルヘプチル n—プロピノレジメ トキシシラン、 2—シク 口ペンチルプロピル n—プロピルジメ トキシシラン、 2—シクロペンチ ルブチル n—プロピルジメ トキシシラン、 2—シクロペンチルペンチノレ η—プロピノレジメ トキシシラン、 2—シクロペンチルへキシル η—プロ ピノレジメ トキシシラン、 2—シクロペンチルヘプチル η—プロピルジメ トキシシラン、 イソペンチル η—プロピノレジメ トキシシラン、 イソペン チル η—ブチノレジメ トキシシラン、 イソペンチル η—ペンチルジメ トキ シシラン、 イソペンチル η —へキシルジメ トキシシラン、 イソペンチル η —へプチルジメ トキシシラン、 イソペンチルイソブチルジメ トキシシ ラン、 イソペンチ^ ·ネオペンチノレジメ トキシシラン、 ジイソペンチノレジ メ トキシシラン、 ジイソへプチルジメ トキシシラン、 ジイソへキシノレジ メ トキシシラン等が挙げられる。特に好ましい化合物の具体例としては、 ネオペンチノレ η—プロピルジメ トキシシラン、 ネオペンチル η—ペンチ ノレジメ トキシシラン、 イソペンチルネオペンチルジメ トキシシラン、 ジ イソペンチルジメ トキシシラン、 ジイソへプチルジメ トキシシラン、 ジ イソへキシルジメ トキシシランが挙げられ、 さらに好ましい化合物の具 体例としては、 ネオペンチル η—ペンチルジメ トキシシラン、 ジイソぺ ンチルジメ トキシシランが挙げられる。
上記の一般式 ( I V) で示されるケィ素化合物は、 任意の方法によつ て合成することができる。 代表的な合成経路は、 下記のとおりである。
B
または
〔2〕
この合成経路において、 原料化合物 〔 1〕 は市販されているか、 また は公知のアルキル化、ハロゲン化等により得ることができる。化合物〔1〕 に対して、 公知のグリニャール反応により、 一般式 ( I V) で表される 有機ケィ素化合物を得ることができる。
これらの有機ケィ素化合物はそれぞれ単独で用いてもよいし、 2種以
上を組み合わせて用いてもよい。
窒素含有化合物の具体例としては、 2, 6 —ジイソプロピルピペリジ ン, 2, 6 —ジイソプロピノレー 4ーメチノレピペリジン, N—メチル 2, 2 , 6 , 6—テトラメチルピペリジンなどの 2, 6—置換ピぺリジン類; 2, 5—ジイソプロピノレアゾリジン, N—メチル 2, 2, 5, 5—テト ラメチルァゾリジンなどの 2, 5 —置換ァゾリジン類; N, N , Ν ' , N ' ーテトラメチルメチレンジァミン, Ν, Ν , N ' , N ' —テトラエ チルメチレンジァミンなどの置換メチレンジアミン類; 1, 3—ジベン ジ ィミダゾリジン, 1, 3—ジペンジノレー 2一フエニノレイミダゾリジ ンなどの置換ィミダゾリジン類等が挙げられる。
リン含有化合物の具体例としては、 トリェチルホスファイ ト、 トリ η 一プロピノレホスフアイ ト、 ト リイソプロピノレホスフアイ ト、 ト リ η—ブ チルホスファイ ト、 トリイ ソブチルホスファイ ト、 ジェチノレ η—ブチノレ ホスフアイ ト、 ジェチルフエニルホスフアイ トなどの亜リン酸エステノレ 類等である。
酸素含有化合物の具体例としては、 2, 2 , 6 , 6—テトラメチルテ トラヒ ドロフラン, 2, 2 , 6, 6—テトラエチノレテ 卜ラヒ ドロフラン などの 2, 6 —置換テトラヒ ドロフラン類; 1 , 1ージメ トキシ一 2, 3, 4, 5—テトラクロロシクロペンタジェン, 9, 9—ジメ トキシフ ルオレン, ジフエ二ルジメ トキシメタンなどのジメ トキシメタン誘導体 等が挙げられる。
〔 I I〕 固体触媒成分の調製
前記 (Α) の固体触媒成分の調製方法としては、 上記の (a ) マグネ シゥム化合物、 (b ) チタン化合物、 (c ) 電子供与体、 および必要に 応じて (d ) ケィ素化合物を、 温度を除き通常の方法で接触させればよ く、 接触手順については特に問わない。 例えば、 各成分を炭化水素など
の不活性溶媒の存在下で接触させてもよいし、 予め炭化水素などの不活 性溶媒で各成分を希釈して接触させてもよい。 この不活性溶媒としては、 例えば、 オクタン、 デカン、 ェチルシクロへキサンなどの脂肪族炭化水 素、 脂環式炭化水素またはこれらの混合物を挙げることができる。
ここで、 チタン化合物は、 上記のマグネシウム化合物のマグネシウム
1モルに対して、 通常、 0. 5〜 1 00モル、 好ましくは、 1〜50モ ル使用する。 このモル比が前記範囲を逸脱すると触媒活性が不十分とな ることがある。 また、 上記の電子供与体は、 上記のマグネシウム化合物 のマグネシウム 1モルに対して、 通常、 0. 0 1〜 1 0モル、 好ましく は、 0. 05〜 1. 0モル使用する。 このモル比が前記範囲を逸脱する と触媒活性や立体規則性が不十分となることがある。 さらに、 ケィ素化 合物を用いるときは、 上記のマグネシウム化合物のマグネシウム 1モル に対して、 通常、 0. 00 1〜 1 00モル、 好ましくは、 0. 005〜 5. 0モル使用する。 このモル比が前記範囲を逸脱すると触媒活性や立 体規則性の向上効果が十分に発揮されず、 かつ生成ポリマー中の微粉量 が多くなることがある。
上記の (a) 〜 (d) 成分の接触は、 全成分を加えた後、 1 20〜 1 50 °C、 好ましくは 1 25〜 1 40 °Cの温度範囲にて行う。 この接触温 度が前記範囲外では、 触媒活性や立体規則性の向上効果が十分に発揮さ れない。 また、 接触は、 通常、 1分〜 24時間、 好ましくは、 1 0分〜 6時間行われる。 このときの圧力は、 溶媒を使用する場合はその種類、 接触温度などにより、 その範囲は変化するが、 通常、 0〜50 k gZc m2G、 好ましくは 0〜1 0 k gZ c m2 Gの範囲にて行う。 また、 接触 操作中は、 接触の均一性および接触効率の面から攪拌を行うことが好ま しい。
さらに、 チタン化合物の接触を 2回以上行い、 触媒担体としての役割
をするマグネシウム化合物に十分担持させることが好ましい。
接触操作において溶媒を使用するときは、 チタン化合物 1モルに対し て、 通常、 5000ミリ リ ツトル以下、 好ましくは、 10〜: L 000ミ リ リツトルの溶媒を使用する。 この比が前記範囲を逸脱すると接触の均 一性や接触効率が悪化することがある。
以上の接触で得られた固体触媒成分は、 1 00〜1 50°C、 好ましく は 1 20〜140°Cの温度にて不活性溶媒で洗浄する。 この洗浄温度が 上記範囲外では、 触媒活性や立体規則性の向上効果が十分に発揮されな レ、。 この不活性溶媒としては、 例えば、 オクタン、 デカンなどの脂肪族 炭化水素、 メチルシクロへキサン、 ェチルシクロへキサンなどの脂環式 炭化水素、 トルエン、 キシレンなどの芳香族炭化水素、 テトラクロロェ タン、 クロ口フルォロ炭素類などのハロゲン化炭化水素またはこれらの 混合物を挙げることができる。 これらのなかでは、 脂肪族炭化水素が好 ましく使用される。
洗浄方法としては、 特に制限はないが、 デカンテ一シヨン、 濾過など の方式が好ましい。 不活性溶媒の使用量、 洗浄時間、 洗浄回数について も特に制限はないが、 マグネシウム化合物 1モルに対して、 通常、 1 0 0〜 1 00000ミ リ リ ッ トル、 好ましくは、 1 000〜 50000ミ リ リ ッ トルの溶媒を使用し、 通常、 1分〜 24時間、 好ましくは、 1 0 分〜 6時間行われる。 この比が前記範囲を逸脱すると洗浄が不完全にな ることがある。
このときの圧力は、 溶媒の種類、 洗浄温度などにより、 その範囲は変 化するが、 通常、 0〜50 k g/cm2G、 好ましくは、 0〜: 1 0 k g
ZcmS Gの範囲にて行う。 また、 洗浄操作中は、 洗浄の均一性および 洗浄効率の面から攪拌を行うことが好ましい。
なお、 得られた固体触媒成分は、 乾燥状態または炭化水素などの不活 性溶媒中で保存することもできる。
〔 I I I〕 重合方法
本発明の結晶性ポリプロピレンを製造する際の触媒成分の使用量につ いては、 特に制限はないが、 前記 (A) 成分の固体触媒成分は、 チタン 原子に換算して、 反応容積 1 リッ 卜ル当たり、 通常 0. 00005〜1 ミリモルの範囲になるような量が用いられ、 (B) 成分の有機アルミ二 ゥム化合物は、 アルミニウムノチタン原子比が通常 1〜 1 000、 好ま しくは 1 0〜500の範囲になるような量が用いられる。 この原子比が 前記範囲を逸脱すると触媒活性が不十分となることがある。 また、 (C) 第 3成分として有機ケィ素化合物等の電子供与性化合物を用いるときは、 (C) 電子供与性化合物 Z (B) 有機アルミニウム化合物モル比が、 通 常 0. 00 1〜5. 0、 好ましくは 0. 0 1〜2. 0、 より好ましくは 0. 05〜1. 0の範囲になるような量が用いられる。 このモル比が前 記範囲を逸脱すると十分な触媒活性および立体規則性が得られないこと がある。 ただし、 予備重合を行う場合は、 さらに低減することができる。 本発明においては、 重合活性、 立体規則性および重合体パウダー形態 の面から、 所望に応じ、 先ずォレフィンの予備重合を行ったのち、 本重 合を行ってもよい。 この場合、 前記 (A) 固体触媒成分、 (B) 有機ァ ルミニゥム化合物および必要に応じて (c) 電子供与性化合物を、 それ ぞれ所定の割合で混合してなる触媒の存在下に、 ォレフィンを通常 1〜 100°Cの範囲の温度において、 常圧ないし 50 k g //c m2G程度の 圧力で予備重合させ、 次いで触媒と予備重合生成物との存在下に、 プロ ピレンを本重合させる。
予備重合に用いられるォレフィンとしては、 一般式 (V)
R 1 4 -CH=CH 2 · · · (V)
で表されるひーォレフィンが好ましい。
上記の一般式 (V) において、 R1 4は水素原子または炭化水素基であ つて、 炭化水素基は飽和基や不飽和基であってもよい。 具体的にはェチ レン、 プロピレン、 1ーブテン、 1—ペンテン、 1一へキセン、 1一へ プテン、 1—ォクテン、 1—デセン、 3—メチルー 1一ペンテン、 4— メチノレー 1—ペンテン、 ビニノレシクロへキサン、 ブタジエン、 イソプレ ン、 ピペリレン等を挙げることができる。 これらのォレフィンは 1種用 いてもよいし、 2種以上組み合わせて用いてもよい。 前記ォレフィンの 中で、 特にエチレン、 プロピレンが好適である。
この本重合における重合形式については特に制限はなく、 溶液重合、 スラリー重合、 気相重合、 バルク重合等のいずれにも適用可能であり、 さらに、 回分式重合や連続重合のどちらにも適用可能であり、 異なる条 件での 2段階重合や多段重合にも適用可能である。
さらに、 反応条件については、 その重合圧は、 特に制限はなく、 重合 活性の面から、 通常、 大気圧〜 80 k g/cm2 G、 好ましくは 2〜5
0 k g/cm2G、 重合温度は、 通常、 0〜200 、 好ましくは、 2 0〜90°C、 さらに好ましくは、 40〜 90°Cの範囲で適宜選ばれる。 重合時間は原料のプロピレンの重合温度によって左右されー概に定める ことができないが、 通常、 5分〜 20時間、 好ましくは、 1 0分〜 1 0 時間程度である。
分子量は、 連鎖移動剤の添加、 好ましくは水素の添加を行うことで調 節することができる。 また、 窒素等の不活性ガスを存在させてもよい。 異なる重合条件で、 2段階以上にわたって重合することもできる。 また、 本発明においては、 前記触媒成分については、 (A) 成分と (B)
成分と (c ) 成分とを所定の割合で混合し、 接触させたのち、 ただちに プロピレンを導入して重合をおこなってもよいし、 接触後、 0 . 2〜3 時間程度熟成させたのち、 プロピレンを導入して重合を行ってもよい。 さらに、 この触媒成分は不活性溶媒やプロピレンなどに懸濁して供給す ることができる。
本発明においては、 重合後の後処理は常法により行うことができる。 すなわち、 気相重合法においては、 重合後、 重合器から導出されるポリ マ一粉体に、 その中に含まれるォレフィンなどを除くために、 窒素気流 などを通過させてもよいし、 また、 所望に応じて押出機によりペレット 化してもよく、 その際、 触媒を完全に失活させるために、 少量の水、 ァ ルコールなどを添加することもできる。 また、 バルタ重合法においては、 重合後、 重合器から導出されるポリマーから完全にモノマ一を分離した のち、 ベレッ ト化することができる。
3 . フイノレム
本発明のフィルムは、 前記のプロピレン系ランダム共重合体を用いて 製膜したフィルムである。フィルムを製造する方法には特に制限はなく、 通常の Tダイキャス ト製膜法等が用いられる。 すなわち、 前記のプロピ レン系ランダム共重合体のパウダーに必要に応じて各種の添加剤を処方 し、 混練機にて押出し造粒し、 ペレット化し、 Tダイキャスト製膜する ことができる。 通常、本発明のプロピレン系ランダム共重合体を用いて、 Tダイキャスト製膜法により、 引取速度が 5 O mZm i nまたはこれ以 上の高速製膜条件においても、 厚みが 1 0〜5 0 0 / mのフィルムを得 ることができる。 また、 前述の好ましい特性を有することから、 共押出 製膜法による積層フィルムの製造に際して、 その少なくとも一層成分と して好適に使用できる。 製膜法は、 大型製膜機により高速製膜が実施さ れる Tダイキャス ト製膜法が好ましいが、 特にこれに限らず、 溶融押出
成形法によりフィルムを製造できる方法であれば、 どのような製膜法で あよい。
所望に応じて用いられる各種添加剤としては、 酸化防止剤、 中和剤、 スリ ップ剤、 アンチブロッキング剤、 防曇剤、 又は帯電防止剤等が挙げ られる。 これらの添加剤は、 1種用いてもよく、 2種以上を組み合わせ て用いてもよい。 例えば、 酸化防止剤としては、 リン系酸化防止剤、 フ エノ一ル系酸化防止剤及びィォゥ系酸化防止剤等が挙げられる。
リン系酸化防止剤の具体例としては、 トリスノユルフェニルホスファ イ ト、 トリス (2, 4—ジ一 t—ブチルフエニル) ホスファイ ト、 ジス テアリルペンタエリスリ ト一ルジホスファイ ト、 ビス (2, 4ージ一 t —ブチノレフエ二ノレ) ペンタエリスリ トーノレホスファイ ト、 ビス (2, 6 —ジ一 t—ブチルー 4ーメチノレフエニル) ペンタエリスリ トールホスフ アイ ト、 2, 2—メチレンビス (4, 6—ジー t一ブチルフエニル) ォ クチノレホスファイ ト、 テトラキス (2, 4ージ一 tーブチノレフエ二ノレ) 一 4, 4ービフエ二レン一ジ一ホスホナイ ト、 アデカスタブ 1 1 78 (旭 電化 (製) ) 、 スミライザ一 TN P (住友化学 (製) ) 、 J P— 1 3 5
(城北化学 (製) ) 、 アデカスタブ 21 1 2 (旭電化 (製) ) 、 J P P -2000 (城北化学 (製) ) 、 We s t o n 6 1 8 (G E (製) ) 、 アデカスタブ P E P— 24 G (旭電化 (製) ) 、 アデカスタブ PE P— 36 (旭電化 (製) ) 、 アデカスタブ HP— 1 0 (旭電化 (製) ) 、 S a n d s t a b P-EPQ (サンド (製) ) 、 フォスファイ ト 168 (チ バスぺシャリティケミカルズ社 (製) ) 等が挙げられる。
フエノール系酸化防止剤の具体例としては、 2, 6—ジー t一ブチル 一 4—メチノレフエノーノレ、 n—ォクタデシノレ一 3— (3, , 5, 一ジ一 t—ブチル一 4, ーヒ ドロキシフエニル) プロピオネート、 テトラキス
〔メチレン一 3— (3, 5—ジ一 tーブチノレー 4ーヒ ドロキシフエ二ノレ)
プロピオネート〕 メタン、 トリス (3, 5—ジ一 t—ブチルー 4ーヒ ド ロキシベンジル) イソシァヌレート、 4, 4, 一ブチリデンビス一 (3 —メチノレ一 6— t—ブチルフエノ一ノレ) 、 トリエチレングリコーノレ一ビ ス 〔3— (3— t—ブチル一4—ヒ ドロキシー 5—メチルフエニル) プ 口ピオネート〕 、 3, 9—ビス { 2— 〔3— (3— t—ブチルー 4—ヒ ドロキシ一 5—メチノレフエ二ノレ) プロピオニルォキシ〕 一 1, 1—ジメ チルェチル } — 2, 4, 8, 1 0—テトラオキサスピロ 〔5, 5〕 ゥン デカン、 スミライザ一 BHT (住友化学 (製) ) 、 ヨシノックス BHT
(吉富製薬 (製) ) 、 アンテージ BHT (川口化学 (製) ) 、 ィルガノ ックス 1 076 (チバスぺシャリティケミカルズ社 (製) ) 、 ィルガノ ックス 1 0 1 0 (チバスぺシャリティケミカルズ社 (製) ) 、 アデカス タブ AO— 60 (旭電化 (製) ) 、 スミライザ一 B P— 1 0 1 (住友化 学(製)) 、 トミノックス TT (吉富製薬(製) ) 、 TTHP (東レ (製)) 、 ィルガノックス 3 1 1 4 (チバスぺシャリティケミカルズ社 (製) ) 、 アデカスタブ AO— 20 (旭電化 (製) ) 、 アデカスタブ AO— 40 (旭 電化 (製) ) 、 スミライザ一 BBM— S (住友化学 (製) ) 、 ヨシノッ クス BB (吉富製薬 (製) ) 、 アンテージ W— 300 (川口化学 (製) ) 、 ィルガノックス 245 (チバスぺシャリティケミカルズ社 (製) ) 、 ァ デカスタブ AO— 70 (旭電化 (製) ) 、 トミノックス 9 1 7 (吉富製 薬 (製) ) 、 アデカスタブ AO— 80 (旭電化 (製) ) 、 スミライザ一 GA-80 (住友化学 (製) ) 等が挙げられる。
ィォゥ系酸化防止剤の具体例としては、 ジラウリル一 3, 3 ' ーチォ ジプロピオネート、 ジミ リスチルー 3, 3 ' 一チォジプロピオネート、 ジステアリル一 3, 3, 一チォジプロピオネート、 ペンタエリスリ トー ルテトラキス (3—ラウリルチオプロピオネート) 、 スミライザ一 TP L (住友化学 (製) ) 、 ヨシノックス DLTP (吉富製薬 (製) ) 、 ァ
ンチオックス L (日本油脂(製))、スミライザ一 TPM (住友化学(製))、 ヨシノックス DMTP (吉富製薬 (製) ) 、 アンチオックス M (日本油 月旨 (製) ) 、 スミライザ一 TP S (住友化学 (製) ) 、 ヨシノックス D STP (吉富製薬 (製) ) 、 アンチオックス S (日本油脂 (製) ) 、 ァ デカスタブ AO— 4 1 2 S (旭電化 (製) ) 、 S E ENOX 41 2 S (シプロ化成 (製) ) 、 スミライザ一 TDP (住友化学 (製) ) 等が挙 げられる。
これらのなかで好ましいフエノール系酸化防止剤としては、 チバスべ シャリティケミカルズ社 (製) ィルガノックス 1 0 1 0 :物質名 :ペン タエリスリチルーテトラキス [ 3— (3, 5—ジー tーブチノレ一 4—ヒ ドロキシフエ二ノレ) プロピオネート]
チバスぺシャリティケミカルズ社 (製) ィルガノ ックス 1 0 76 :物質 名 :ォクタデシノレ一 3— (3, 5—ジー t—ブチノレー 4—ヒ ドロキシフ ヱニル) プロピオネート
チバスぺシャリティケミカルズ社 (製) ィルガノ ックス 1 330 :物質 名 : 1, 3, 5— トリメチル一 2, 4, 6—トリス (3, 5—ジ一 t— ブチノレ一 4—ヒ ドロキシベンジノレ) ベンゼン
チバスぺシャリティケミカルズ社 (製) ィルガノ ックス 3 1 1 4 :物質 名 : トリス (3, 5—ジ一 t—ブチノレー 4ーヒ ドロキシベンジル) イソ シァヌレイ ト等が挙げられる。
また、 好ましいリン系酸化防止剤としては、 チバスべシャリティケミカ ルズ社 (製) ィルガフォス 1 68 :物質名: トリス ( 2, 4—ジ— t— ブチルフヱニル) フォスフアイ ト
チバスぺシャリティケミカルズ社 (製) P— E PQ :物質名 :テトラキ ス (2, 4—ジ一 tーブチノレフエ二ル) 4, 4' ービフエ二レン一ジ一 フォスフアイ ト等が挙げられる。
本発明において酸化防止剤を用いる場合は、 前記プロピレン系ランダ ム共重合体 1 00重量部に対し 0. 00 1〜 1重量部程度添加すればよ レ、。 これにより、 黄変等を防ぐことができて好ましい。
中和剤としては、 ステアリン酸カルシウム、 ステアリン酸亜鉛、 ステ アリン酸マグネシウム、 ハイ ドロタルサイ ト類 (例えば、 協和化学工業
(製) の DHT— 4 A:組成式: Mg 4. 5 A 1 2 (OH) ι 3 CO3 - 3. 5 Η2θ) 、 リチウムアルミニウム複合水酸化物 (例えば、 水澤化 学工業 (製) のミズ力ラック :組成式: [L i 2 A 14 (OH) 1 2] C O3 - mH20, ただし m 3) 等が特に好ましい。
アンチブロッキング剤としては、 富士シリシァ (製) の合成シリカ系 アンチブロッキング剤 「サイリシァ」 :ゃ水澤化学工業 (製) の合成シ リカ系アンチブロッキング剤 「ミズ力シル」 等が特に好ましい。
スリップ剤としては、 エル力酸アミ ド、 ォレイン酸アミ ド、 ステアリ ン酸アミ ド、 ベへニン酸アミ ド、 エチレンビスステアリン酸アミ ド、 ェ チレンビスォレイン酸アミ ド、 ステアリ ノレエルカアミ ド、 ォレイルパル ミ トアミ ドが特に好ましい。
本発明において各種の添加剤は、 前記プロピレン系ランダム共重合体 100重量部に対し 0. 00 1〜 1重量部程度添加すればよい。 添加剤 処方の具体例としては、 下記の例を挙げることができる。
添加剤処方例 (A)
①酸化防止剤
チバスペシャルティケミカルズ社のイノレガノックス 1010 :
1000 p p m チバスペシャルティケミカルズ社のィルガフォス 1 68 :
1000 p p m
②中和剤
ステアリン酸カルシウム: 1000 p p m
③アンチプロッキング剤
富士シリシァ社のシリカ系アンチブロッキング剤: 1000 p pm
④スリップ剤
エル力酸アミ ド: 250 p pm
添加剤処方例 (B)
①酸化防止剤
チバスぺシヤノレティケミカノレズ社のイノレガノックス 1 0 10 :
1000 p p m チバスぺシヤノレティケミカルズ社のイノレガフォス 1 68 :
1000 p p m
②中和剤
ステアリン酸カノレシゥム : 1 000 p p m
③アンチブロッキング剤
富士シリシァ社のシリカ系アンチブロッキング剤: 2300 p pm
④スリップ剤
エルカ酸ァミ ド: 500 p p m
[第二発明]
以下に、 本第二発明 (以下、 この項において、 単に 「本発明」 と呼ぶ ことがある) について詳細に説明する。
本発明のプロピレン系ランダム共重合体組成物は、 ( i ) プロピレン とエチレンのランダム共重合体に、 ( i i ) 核剤を配合してなるプロピ レン系ランダム共重合体組成物であって、 示差走査型熱量計 (DS C) で測定した、 結晶化曲線における最高温度側のピーク トップ温度 T c (°C) と融解曲線における最低温度側のピーク トップ温度 Tm (°C) と
力 下記式 ( II一 1)
T c≥ 0. 75 XTm- 5 · · · ( II- 1 )
を満たし、 かつ昇温分別クロマトグラフの 0°C以下の範囲において溶出 する量 W0 (重量%) が 6重量%以下であることが必須である。
まず、 本発明の ( i ) 成分であるプロピレン系ランダム共重合体は、 プロピレンとエチレンとの共重合体である。 プロピレン単独重合体では 低温ヒートシール性が不満足なものになるからである。 なお、 ( i ) 成 分のプロピレン系ランダム共重合体の製造方法については後述する。 本発明のプロピレン系ランダム共重合体組成物は、 この ( i ) 成分に、 ( i i ) 成分の核剤を配合したものであるが、 核剤についても後述する。 また、 本発明のプロピレン系ランダム共重合体組成物は、 上記式 ( II - 1) を満足する必要がある。 式 ( II— 1) を満足しないと、 成形性や フィルム物性の改良効果が小さいものになる。 下記式 ( II一 3) を満た すとより好ましく、 下記式 ( II一 4) を満たすと更に好ましい。
T c≥ 0. 75 XTm · · . ( II— 3)
T c≥ 0. 75 XTm+ 5 · · · ( II一 4)
さらに、 本発明のプロピレン系ランダム共重合体組成物は、 昇温分別 クロマトグラフの 0°C以下の範囲において溶出する量 W0 (重量%) が 6重量0 /0以下である必要がある。 W0が 6重量0 /0を超えると、 フィルム、 繊維、 シート、 成形体等がベとついたものとなる。 また、 添加剤、 低分 子量成分のブリードによる外観トラブルが起こり好ましくない。 より好 ましくは 5重量%以下、 更に好ましくは 4重量%以下である。
なお、 ( i ) 成分のプロピレン系ランダム共重合体の製造方法につい ては後述する。 本発明のプロピレン系ランダム共重合体組成物は、 この ( i ) 成分に、 ( i i ) 成分の核剤を配合したものであるが、 核剤につ いても後述する。
また、 本発明は、 ( i ) プロピレンとエチレンとのランダム共重合体 であって、 下記の④〜⑥の条件を満たすプロピレン系ランダム共重合体 に、 ( i i ) 核剤を配合してなるプロピレン系ランダム共重合体組成物 である。
これは、 前記の発明をより具体化したものとしての意義を有する。
④ 1 3 C— NMRにより測定した共重合体中のエチレン単位の含有量 γ (重量%) が 0. 2〜10重量%でぁる。
好ましくは 0. 5〜9重量%、 より好ましくは 1〜8重量%、 最も好 ましくは 3〜 7重量%である。
エチレン単位の含有量が少なすぎると、 ヒ一トシ一ル性の改良効果が 望めない。 またエチレン単位の含有量が多すぎると、 フィルムの剛性が 満足できないものになり好ましくない。
また、 本発明の ( i ) 成分のプロピレン系ランダム共重合体は、 示差 走査型熱量計 (DS C) により測定した共重合体の融点 Tm r (°C) と γが下記式 ( 11— 25) の関係を満たしていることが好ましく、
Tm r≤ 1 60— 5 y · · · ( II— 5) より好ましくは、
Tm r≤ 1 60— 6 y · · · ( II— 6 )
を満たしている場合である。
この関係を満たしていない場合は、 ヒートシール性が不充分になり易 く、 またアンチプロッキング性の低いものになる場合がある。
⑤昇温分別クロマトグラフの主溶出ピーク温度を Tp r (°C) としたと き、 (Tp r— 5) °C〜 (Tp r + 5) °Cの温度範囲において溶出する 量 Wp r (重量%) が 20重量%以上である。
好ましくは、
20≤Wp r、 かつ (80— 1 5 y ) ≤Wp r · · · ( II— 7)
であり、 より好ましくは、
3 0≤Wp r、 かつ (9 0— 1 2 y ) ≤Wp r · · · ( II— 8) である。
Wp rが 2 0重量%未満の場合は、 主溶出ピークの裾が高温側及び/ 又は低温側に大きく伸びている場合であり、 低温側の成分は製膜したフ イルムをべとついたものにするので好ましくなく、 高温側の成分はヒー トシール性を不充分にし、 透明性の成形条件依存性を大きくするので好 ましくなレ、。
また、 本発明の ( i ) 成分のプロピレン系ランダム共重合体は、 主溶 出ピークの高温側の成分が、 チルロールリ リースなどの成形性や剛性に 寄与しているため全く無いよりもある程度の量が存在していた方が好ま しく、 本発明のプロピレン系ランダム共重合体は (T p r + 5 ) °C以上 の温度範囲において溶出する量 (WHr (重量%) ) と γが下記式 ( II一 29) の関係を満たしていることが好ましい。
0. 1 ≤WHr≤ 3 y · · · ( II— 9)
さらに好ましくは、
WHr≤ (37- 3) 、 かつ (3 γ— 1 5) ≤WHr · · · ( 11— 10) を満たしている場合である。
⑥昇温分別クロマトグラフの o°c以下の温度範囲において溶出する量 w
O r (重量%) と γが下記式 ( II一 2) の関係を満たす。
WO r≤ (3 + 27 ) /A · · · ( 11- 2)
好ましくは、
WO r≤ (2 + 27) /4 · · . ( 11-11)
を満たす。
W0 Γが ( II— 2) の関係を満たさない場合、 製膜したフィルムがべ とついたものなり、 添加剤、 低分子量成分などのブリードによるトラブ
ルが起こり易くなり好ましくない。
また、 本発明の ( i ) 成分のプロピレン系ランダム共重合体は、 共重 合体中の沸騰ジェチルエーテル抽出成分量 E r (重量%) が 2. 5重量% 以下であり、 かつ E rと γが下記式 ( 11— 12) の関係を満たしているこ とが好ましい。
E r≤ (27 + 1 5) /10 · · · ( 11— 12)
さらに好ましくは、
E r≤ (γ + 5) /5 . · · ( 11— 13)
を満たしている場合である。
この場合、 製膜したフィルムがベとついたものにならずに好ましい。 さらに、 本発明にかかるプロピレン系ランダム共重合体は、 メルトイ ンデックス M I (gZl Om i n) 力 0. l〜200 gZl 0 m i nで あることが好ましい。 より好ましくは 1〜40 gZ 1 Om i nであり、 さらに好ましくは 2〜20 g/1 0m i nである。 M Iがこの範囲から 外れると成形性が劣ることがある。
また、 本発明にかかるプロピレン系ランダム共重合体は、 1 3 C— N MRにより測定した共重合体中の立体規則性指標 P (モル%) が 98モ ル0 /0以上であることが好ましい。 より好ましくは 98. 5モル0 /0以上で ある。 立体規則性が 98モル0 /0未満であるとフィルムの剛性やアンチブ 口ッキング性が不十分なものになる場合がある。
また、 本発明にかかるプロピレン系ランダム共重合体は、 ゲルパ一ミ エーシヨンクロマトグラフ法 (GPC) により測定される重量平均分子 量 Mwと数平均分子量 Mnの比 (Mw/Mn) が 2〜 6であることが好 ましい。 この場合、 フィルムの透明性及び成形性も優れたものとなり好 ましい。 さらに好ましくは、 2. 5〜5である。
次に、 本発明にかかるプロピレン系ランダム共重合体の製造法につい
て説明する。
本発明の ( i ) 成分のプロピレン系ランダム共重合体は (A) マグネ シゥム化合物とチタン化合物とを電子供与性化合物および必要に応じて ケィ素化合物の存在下、 1 20°C以上 1 50°C以下の温度にて接触させ た後、 1 00°C以上 1 50°C以下の温度にて不活性溶媒により洗浄した ものからなる固体触媒成分、 (B) 有機アルミニウム化合物および必要 に応じて (C) 第 3成分として電子供与性化合物からなる触媒を用いて プロピレンとエチレンを共重合することにより製造することができる。 以下に、 各触媒成分、 調製方法、 重合方法等について説明する。
各触媒成分
(A) 固体触媒成分
固体触媒成分は、 マグネシウム、 チタンおよび電子供与体を含有する ものであり、 以下の (a) マグネシウム化合物、 (b) チタン化合物、 (c) 電子供性化合物および必要に応じてケィ素化合物 (d) からなる 固体触媒成分から形成されるものである。
(a) マグネシウム化合物
マグネシウム化合物としては、 第一発明において述べた内容がそのま ま適用される。
(b) チタン化合物
チタン化合物についても、 第一発明において述べた内容がそのまま適 用される。
(c) 電子供与性化合物
電子供与性化合物についても、 第一発明において述べた内容がそのま ま適用される。
(d) ケィ素化合物
ゲイ素化合物についても、 第一発明において述べた内容がそのまま適
用される。
(B) 有機アルミニウム化合物
本発明の結晶性ポリプロピレンの製造に用いられる (B) 有機アルミ ニゥム化合物についても、 第一発明において述べた内容がそのまま適用 される。
(C) 第 3成分 (電子供与性化合物)
本発明のプロピレンランダム共重合体を製造するには、 (C) 電子供 与性化合物が用いられるが、 この (C) 電子供与性化合物についても、 第一発明において述べた内容がそのまま適用される。
固体触媒成分の調製
前記 (A) の固体触媒成分の調製方法としては、 上記の (a) マグネ シゥム化合物、 (b) チタン化合物、 (c) 電子供与体、 および必要に 応じて (d) ケィ素化合物を、 温度を除き通常の方法で接触させればよ く、 接触手順については特に問わない。 例えば、 各成分を炭化水素など の不活性溶媒の存在下で接触させてもよいし、 予め炭化水素などの不活 性溶媒で各成分を希釈して接触させてもよレ、。具体的な手法については、 第一発明のところで述べた内容がそのまま適用される。
重合方法
本発明を構成する ( i ) 成分のプロピレン系ランダム共重合体を製造 する際の触媒成分の使用量については、 特に制限はないが、 前記 (A) 成分の固体触媒成分は、 チタン原子に換算して、 反応容積 1 リ ットル当 たり、 通常◦. 00005〜1 ミリモルの範囲になるような量が用いら れ、 (B) 成分の有機アルミニウム化合物は、 アルミニウム/チタン原 子比が通常 1〜 1 000、 好ましくは 1 0〜 500の範囲になるような 量が用いられる。 この原子比が前記範囲を逸脱すると触媒活性が不十分 となることがある。 また、 (C) 第 3成分として有機ケィ素化合物等の
電子供与性化合物を用いるときは、 (C) 電子供与性化合物 (B) 有 機アルミニウム化合物モル比が、 通常 0. 00 1〜5. 0、 好ましくは 0. 0 1〜2. 0、 より好ましくは 0. 05〜1. 0の範囲になるよう な量が用いられる。 このモル比が前記範囲を逸脱すると十分な触媒活性 および立体規則性が得られないことがある。 ただし、 予備重合を行う場 合は、 さらに低減することができる。
本発明を構成する ( i ) 成分のプロピレン系ランダム共重合体の重合 においては、 重合活性、 立体規則性および重合体パウダー形態の面から、 所望に応じ、 先ずォレフィンの予備重合を行ったのち、 本重合を行って もよい。 この場合、 前記 (A) 固体触媒成分、 (B) 有機アルミニウム 化合物および必要に応じて (C) 電子供与性化合物を、 それぞれ所定の 割合で混合してなる触媒の存在下に、 ォレフィンを通常 1〜1 00°Cの 範囲の温度において、 常圧ないし 50 k gZc m2 G程度の圧力で予備 重合させ、 次いで触媒と予備重合生成物との存在下に、 プロピレンとコ モノマーであるエチレンを本重合させる。
予備重合に用いられるォレフィンとしては、 第一発明において述べた 内容がそのまま適用される。
この本重合における重合形式については特に制限はなく、 溶液重合、 スラリー重合、 気相重合、 バルク重合等のいずれにも適用可能であり、 さらに、 回分式重合や連続重合のどちらにも適用可能であり、 異なる条 件での 2段階重合や多段重合にも適用可能である。
さらに、 反応条件については、 その重合圧は、 特に制限はなく、 重合 活性の面から、 通常、 大気圧〜 80 k gZcm2G、 好ましくは 2〜5
0 k gZc m2G、 重合温度は、 通常、 0〜200°C、 好ましくは、 2 0〜90°C、 さらに好ましくは、 40〜90°Cの範囲で適宜選ばれる。
重合時間は原料のプロピレン /ェチレンの重合温度によつて左右され一 概に定めることができないが、 通常、 5分〜 2 0時間、 好ましくは、 1 0分〜 1 0時間程度である。 原料の混合比は、 重合温度、 圧力などによ り左右され一概に定めることができないが、 通常、 エチレン 0 . 1〜2 0モル% (残りプロピレン) である。 分子量は、 連鎖移動剤の添加、 好 ましくは水素の添加を行うことで調節することができる。 また、 窒素等 の不活性ガスを存在させてもよい。
異なる重合条件で、 2段階以上にわたって重合することもできる。 また、 本発明を構成する ( i ) 成分のプロピレン系ランダム共重合体 を製造する重合においては、 前記触媒成分については、 (A) 成分と (B ) 成分と (C ) 成分とを所定の割合で混合し、 接触させたのち、 ただちに プロピレンとエチレンを導入して重合をおこなってもよいし、 接触後、 0 . 2〜3時間程度熟成させたのち、 プロピレンとエチレンを導入して 重合を行ってもよい。 さらに、 この触媒成分は不活性溶媒やプロピレン などに懸濁して供給することができる。
本発明を構成する ( i ) 成分のプロピレン系ランダム共重合体におい ては、 重合後の後処理は常法により行うことができる。 すなわち、 気相 重合法においては、 重合後、 重合器から導出されるポリマー粉体に、 そ の中に含まれるォレフィンなどを除くために、 窒素気流などを通過させ てもよいし、 また、 所望に応じて押出機によりペレッ ト化してもよく、 その際、 触媒を完全に失活させるために、 少量の水、 アルコールなどを 添加することもできる。 また、 バルク重合法においては、 重合後、 重合 器から導出されるポリマーから完全にモノマーを分離したのち、 ペレツ ト化することができる。
次に、 ( i ) 成分のプロピレン系ランダム系共重合体に配合される ( i i ) 成分の核剤について説明する。
( i i ) 成分
( i i ) 成分の核剤については、 特に限定されないが、 有機リン酸系 核剤、 ソルビトール系核剤、 芳香族カルボン酸系核剤、 高融点ポリマ一 系核剤、 無機系核剤、 ロジン酸系核剤、 アミ ド系核剤から好適に選択す ることができる。 その核剤について順に説明する。
有機リン酸系核剤
有機リン酸系核剤としては、 例えば、 下記一般式 (VI)
(式中、 R1 5は酸素、ィォゥまたは炭素数 1〜10の炭化水素基であり、 R1 6、 R1 7は水素または炭素数 1〜10の炭化水素基であり、 R1 6、 R1 7は同種であっても異種であってもよく、 R1 6同士、 R1 7同士ま たは R1 6と R1 7が結合して環状となっていてもよく、 Mは 1〜3価の 金属原子であり、 rは 1〜3の整数である。 )
で表される化合物を挙げることができる。
上記一般式 (VI) で表される化合物の具体的なものとしては、 ナトリ ゥム一 2, 2, ーメチレン一ビス (4, 6—ジ一 t—ブチノレフエニル)
ホスフェート、 ナトリウム一 2, 2, ーェチリデン一ビス (4, 6—ジ — tーブチノレフエ二ノレ) ホスフェー ト、 リチウム一 2, 2 ' —メチレン —ビス一 (4, 6—ジ一 tーブチノレフエ二ノレ) ホスフェート、 リチウム — 2, 2 ' ーェチリデン—ビス (4, 6—ジ一 t一ブチルフエニル) ホ スフェ一ト、 ナトリ ウム一 2, 2, ーェチリデン一ビス (4— i一プロ ピル一 6— t—ブチルフエニル) ホスフェート、 リチウム一 2, 2, ― メチレン一ビス (4一メチル一6― t—ブチノレフエ二ノレ) ホスフエ一ト、 リチウム一 2, 2, ーメチレン一ビス (4—ェチノレ一 6— t—ブチノレフ ェニノレ) ホスフェート、 カルシウム一ビス [ 2, 2, 一チォビス (4— メチノレ一 6—!:ーブチノレフエ二ノレ) ホスフエ一ト] 、 カノレシゥムービス
[ 2 , 2, ーチォビス (4一ェチル一 6— t—ブチノレフエ二ノレ) ホスフ エート] 、 カルシウム一ビス [ 2, 2, ーチォビス一 (4, 6—ジ一 t —ブチルフエニル) ホスフェート] 、 マグネシウム一ビス [ 2, 2, 一 チォビス (4, 6—ジ一 tーブチノレフエ二ノレ) ホスフエ一 ト] 、 マグネ シゥム一ビス [ 2, 2 ' ーチォビス一 (4一 t—ォクチノレフエ二ノレ) ホ スフエー卜] 、 ナトリウム一 2, 2, 一ブチリデンービス (4, 6—ジ —メチルフエニルホスフェート、 ナトリウム一 2, 2, 一ブチリデンー ビス (4, 6—ジ一 t—プチノレフエ二ノレ) ホスフェート、 ナトリウム一 2, 2, 一 t—ォクチノレメチレン一ビス (4, 6—ジ一メチノレフエ二ノレ) ホスフェート、 ナトリウム一 2, 2, 一 tーォクチルメチレン一ビス (4, 6—ジ一 t—ブチルフエニル) ホスフェート、 カノレシゥム一ビス一 (2, 2 ' —メチレン一ビス (4, 6—ジ一 t—ブチルフエ二ノレ) ホスフエ一 ト) 、 マグネシウム一ビス [ 2, 2 ' —メチレン一ビス (4, 6—ジ一 t—ブチルフエ二ノレ) ホスフェート] 、 バリウム一ビス [ 2, 2, 一メ チレン一ビス (4, 6—ジ一 t一ブチルフエニル) ホスフェート] 、 ナ トリウム一 2, 2, ーメチレン一ビス (4一メチル一 6— t—ブチノレフ
ェニル) ホスフェート、 ナトリウム一 2, 2, 一メチレン一ビス (4— ェチル一 6— t—プチノレフエ二ノレ) ホスフェート、 ナトリウム (4, 4, —ジメチル一 5, 6 ' ージ一 t—ブチル一 2, 2, 一ビフエニル) ホス フェート、 カルシウム一ビス [ ( 4, 4, 一ジメチノレ一 6 , 6, 一ジー t—ブチル一 2, 2, -ビフエニル) ホスフエ一ト] 、 ナトリゥム一 2, 2 ' —ェチリデンービス (4— m—ブチル一 6— t—ブチルフエニル) ホスフェート、 ナトリウム一 2, 2, 一メチレン一ビス (4, 6—ジ一 メチルフエニル) ホスフエ一ト、 ナトリウム一 2, 2, ーメチレン一ビ ス (4, 6—ジ一ェチノレフエ二ノレ) ホスフェート、 カリウム一 2, 2, —ェチリデン一ビス (4, 6—ジー t一ブチルフエ二ノレ) ホスフェート、 カルシウム一ビス [ 2, 2, 一ェチリデン一ビス (4, 6—ジ _ t—ブ チノレフェニル) ホスフェー ト] 、 マグネシウム一ビス [ 2, 2 ' ーェチ リデン一ビス (4, 6 -ジ一 t —ブチノレフエニル) ホスフェート] 、 ノ リウム一ビス [ 2, 2 ' —ェチリデン一ビス (4, 6—ジ一 t—ブチル フエニル) ホスフェート] 、 アルミニウムー トリス [ 2, 2, 一メチレ ン一ビス (4, 6—ジー t —ブチノレフエ二ノレ) ホスフェート] 、 ァゾレミ 二ゥム一 トリス [ 2, 2, 一ェチリデン一ビス (4, 6—ジ一 tーブチ ルフエニル) ホスフエ一ト] 、 ビス (2, 4, 8, 1 0—テトラ一 t— ブチル一 6—ヒ ドロキシ一 1 2 H—ジベンゾ [ d, g ] [ 1, 3, 2 ] ジォキソホスホシン一 6—ォキサイ ド) 水酸化アンモニゥム塩およびこ れらの二種以上の混合物等を挙げることができる。特にナトリウム一 2, 2, 一メチレン一ビス (4, 6—ジ一 t—プチ/レフェ二/レ) ホスフエ一 ト、 ビス (2, 4, 8, 1 0—テトラー t —ブチルー 6—ヒ ドロキシ一 1 2 H—ジベンゾ [ d, g ] [ 1, 3, 2 ] ジォキソホスホシン一 6— ォキサイド) 水酸化アンモニゥム塩が好ましい。
また有機リン酸系核剤としては、 下記一般式 (VII)
(式中、 R 1 8は水素または炭素数 1〜1 0の炭化水素基であり、 Mは 1 〜 3価の金属原子であり、 sは 1〜3の整数である。 )
で表される化合物をも挙げることができる。
上記一般式 (VII)で表される化合物の具体的なものとしては、 ナトリ ゥムービス (4— t —ブチルフエニル) ホスフェート、 ナトリ ウムービ ス (4ーメチノレフエ二ノレ) ホスフェー ト、 ナトリウム一ビス (4ーェチ ノレフエ二ノレ) ホスフェート、 ナトリ ウム一ビス (4— i—プロピノレフェ ニル) ホスフェー ト、 ナトリウム一ビス (4— t ーォクチノレフエニル) ホスフェート、 カリ ウム一ビス (4'— t —ブチノレフエ二ノレ) ホスフエ一 ト、 カノレシゥム一ビス (4— t—ブチノレフエ二ノレ) ホスフェー ト、 マグ ネシゥム一ビス (4一 t—ブチノレフエ二ノレ) ホスフェート、 リチウム一 ビス (4— t—ブチノレフエ二ノレ) ホスフエ一ト、 ァノレミニゥム一ビス (4 一 t—ブチルフエニル) ホスフエ一トおよびこれらの二種以上の混合物 等を挙げることができる。 特にナトリウム一ビス (4— t—ブチルフエ ニル) ホスフェートが好ましい。
ソルビトール系核剤
ソルビトール系核剤としては、 例えば、 下記一般式 (VIII)
(式中、 各 R 1 9は同一または異なっていてもよく、 水素、 塩素などのハ ロゲン、 または炭素数 1 〜 1 0の炭化水素基である。 tおよび uはそれ ぞれ 0〜 5の整数である。 ) で表される化合物を挙げることができる。 上記一般式 (VII I) で表される化合物の具体的なものとしては、 1 , 3, 2, 4ージベンジリデンソノレビトール、 1 , 3—べンジリデン一 2, 4— ρ—メチルベンジリデンソノレビトール、 1 , 3—ベンジリデン一 2, 4— p—ェチルベンジリデンソノレビトール、 1 , 3— ρ—メチルベンジ リデン一 2, 4一べンジリデンソルビトール、 1 , 3— p—ェチルベン ジリデン一 2, 4—ベンジリデンソルビトール、 1 , 3— ρ—メチルベ ンジリデン _ 2, 4— p—ェチノレベンジリデンソノレビトビト—ノレ、 1 , 3 - p —ェチルベンジリデンー 2, 4— p—メチルベンジリデンソノレビ ト一ノレ、 1 , 3, 2, 4—ジ (p—メチルベンジリデン) ソノレビトール、 1, 3 , 2 , 4ージ (p—ェチノレべンジリデン) ソルビトーノレ、 1 , 3, 2 , 4—ジ (p— n—プロピルべンジリデン) ソルビト一ル、 1 , 3, 2 , 4ージ (p _ i —プロピノレべンジリデン) ソルビトール、 1 , 3, 2 , 4—ジ (p— n—ブチルベンジリデン) ソルビトール、 1 , 3 , 2 , 4—ジ (p— s —ブチノレべンジリデン) ソノレビトーノレ、 1 , 3 , 2, 4 —ジ (p — t—ブチノレべンジリデン) ソノレビト一ノレ、 1 , 3, 2 , 4—
ジ (2 ' , 4 ' ージメチルベンジリデン) ソノレビトーノレ、 1 , 3, 2, 4 —ジ ( p —メ トキシベンジリデン) ソノレビトーノレ、 1 , 3, 2, 4— ジ (p—エトキシベンジリデン) ソルビトール、 1 , 3—ベンジリデン — 2— 4— p —クロノレべンジリデンソノレビト一ノレ、 1 , 3— p—クロノレ ベンジリデン一 2, 4 —ベンジリデンソルビトール、 1 , 3— p—クロ ノレべンジリデンー 2 , 4— p —メチルベンジリデンソノレビトール、 1 , 3— p —クロルべンジリデンー 2, 4— p—ェチノレべンジリデンソノレビ トーノレ、 1 , 3— p —メチノレべンジリデン一 2, 4— p—クロノレべンジ リデンソルビトール、 1 , 3— p —ェチルベンジリデン一 2, 4 - p - クロルべンジリデンソルビトールおよび 1 , 3, 2 , 4ージ (p —クロ ルベンジリデン) ソルビトールおよびこれらの二種以上の混合物筝を挙 げることができ、 特に 1 , 3, 2 , 4 —ジベンジリデンソルビト一ル、 1 , 3, 2 , 4—ジ (p—メチルベンジリデン) ソノレビトーノレ、 1 , 3, 2, 4—ジ (p —ェチルベンジリデン) ソルビトーノレ、 1 , 3— p—ク ロルベンジリデンー 2, 4 一 p —メチルベンジリデンソノレビトール、 1 , 3, 2 , 4—ジ (p—クロルべンジリデン) ソルビト一ルおよびそれら の二種以上の混合物が好ましい。
またソルビトール系核剤としては、 下記一般式 (IX)
(式中、 各 R 2 0は同一または異なっていてもよく、 炭素数 1または 2の
アルキル基である。 )
で表される化合物をも挙げることができる。
芳香族カルボン酸系核剤
芳香族カルボン酸系核剤としては、 下記式 (X )
〇 C00 ~A】 卿
で表されるァノレミニゥムヒ ドロキシージ p— t—ブチルベンゾエートな どを挙げることができる。
高融点ポリマー系核剤
高融点ポリマーとしては、 ポリビニルシクロへキサン, ポリビニルシ ク口ペンタン等のポリ ビニルシク口ァノレ力ン、 ポリ 3—メチルペンテン 一 1、 ポリ 3—メチルプテン一 1、 'ポリアルケニルシランなどを挙げる ことができる。
無機系核剤
無機系核剤としては、 シリカ, ケィ藻土, アルミナ, 酸化チタン, 酸 化マグネシウム, 軽石粉, 軽石バル一ン, 水酸化アルミニウム, 水酸化 マグネシウム, 塩基性炭酸マグネシウム, ドロマイ ト, 硫酸カルシウム, チタン酸カリウム, 硫酸バリウム, 亜硫酸カルシウム, タノレク, クレー, マイ力, アスベス ト, ガラス繊維, ガラスフレーク, ガラスビーズ, ケ ィ酸カルシウム, モンモリ ロナイ ト, ベントナイ ト, グラフアイ ト, ァ ルミニゥム粉, 硫化モリブデンなどを挙げることができる。 特に、 タル クが好ましい。
ロジン酸系核剤
ロジン酸系核剤としては、 例えばロジン酸ナトリウム塩, ロジン酸力
リゥム塩, ロジン酸マグネシウム塩等のロジン酸金属塩が使用される。 なお、 ロジン酸金属塩は、 ロジン酸と金属化合物との反応生成物であ り、 ロジン酸金属塩と未反応のロジン酸との混合物、 および未反応の口 ジン酸を含まないロジン酸金属塩の両方を意味する。
ロジン酸と反応して金属塩を形成する金属化合物としては、 ナトリウ ム, カリウム, マグネシウムなどの金属元素を有し、 かつ前記ロジン酸 と造塩する化合物を挙げることができ、 具体的には前記金属の塩化物、 硝酸塩、 酢酸塩、 硫酸塩、 炭酸酸化物、 水酸化物などを挙げることがで きる。
ロジン酸としては、 ガムロジン、 トール油ロジン、 ウッ ドロジンなど の天然ロジン;不均化ロジン、 水素化ロジン、 脱水素化ロジン、 重合口 ジン、 ひ, jS —エチレン性不飽和カルボン酸変性ロジンなどの各種変性 口ジン;前記天然口ジンの精製物、 前記変性ロジンの精製物などを例示 できる。
天然ロジンには、 ビマル酸, サンダラコピマル酸, パラス トリン酸, イソピマノレ酸, ァビエチン酸, デヒ ドロアビエチン酸, ネオアビェチン 酸, ジヒ ドロピマル酸, ジヒ ドロアビエチン酸, テトラヒ ドロアビエチ ン酸などの樹脂酸が、 通常複数種含まれている。
また、 前記 a, j3—エチレン性不飽和カルボン酸変性ロジンの調製に 用いられる不飽和カルボン酸としては、 例えばマレイン酸, 無水マレイ ン酸, フマル酸, ィタコン酸, 無水ィタコン酸, シトラコン酸, アタリ ル酸, メタクリル酸などを挙げることができる。
ロジン酸金属塩の好ましい例として、 下記一般式 (XIa)と (Xlb)
a) (XI b)
( R 2 1、 R 2 2および R 2 3は、 互いに同一でも異なっていてもよく、 水素原子、 アルキル基、 シクロアルキル基またはァリ一ル基を示し、 M は 1〜 3価の金属ィオン、 Vはその金属イオン Mの価数と同一の整数で あり、 1〜3の整数である。 ) で表される化合物を挙げることができる。
R 2 l〜R 2 3のアルキル基として具体的には、 メチル基, ェチル基, n—プロピル基, イソプロピル基, n—ブチル基, イソブチル基, t— ブチル基, 各種ペンチル基, 各種へプチル基, 各種ォクチル基などの炭 素原子爭女が 1〜8のアルキル基を挙げることができ、 これらの基はヒ ド 口キシル基、 カルボキシル基、 アルコキシ基、 ハロゲンなどの置換基を 有していてもよい。
R 2 1〜R 2 3のシクロアルキル基として具体的には、 シクロペンチル 基、 シクロへキシル基、 シクロへプチル基などの炭素原子数が 5〜8の シクロアルキル基を挙げることができ、 これらの基はヒ ドロキシル基、 カルボキシル基、 アルコキシ基、 ハロゲンなどの置換基を有していても よい。
R R 2 3のァリール基としては、 フエニル基、 トリノレ基、 ナフチ ル基などの炭素原子数が 6〜 1 0のァリール基を挙げることができ、 こ
れらの基はヒ ドロキシル基、 カルボキシル基、 アルコキシ基、 ハロゲン などの置換基を有していてもよい。
以上の R 2 1〜R 2 3においては、 R 2 1がイソプロピル基であり、 R 2 2および R 2 3がメチル基である化合物がより好ましい。
また、 Mは 1〜 3価の金属イオンであり、 具体的にはリチウム, ナト リウム, カリウム, ノレビジゥム, セシウム等の 1価の金属イオン;ベリ リウム, マグネシウム, カルシウム, ストロンチウム, バリウム, 亜ロゝ 等の 2価の金属イオン;アルミニウムなどの 3価の金属イオンを挙げる ことができる。 これらのうち 1価または 2価の金属ィオンであることが 好ましく、 ナトリウムイオン, カリウムイオン, マグネシウムイオンで あることがより好ましい。
化合物 (XIa)として具体的には、 例えばデヒ ドロアビエチン酸リチウ ム, デヒ ドロアビエチン酸ナトリウム, デヒ ドロアビエチン酸カリウム, デヒ ドロアビエチン酸ベリリゥム,デヒ ドロアビエチン酸マグネシウム, デヒ ドロアビエチン酸カルシウム, デヒ ドロアビエチン酸亜鉛, デヒ ド 口ァビエチン酸ァルミニゥムなどのデヒ ドロアビエチン酸金属塩などを 挙げることができ、 デヒ ドロアビエチン酸ナトリウム, デヒ ドロアビエ チン酸カリウム, デヒ ドロアビエチン酸マグネシウムが好ましく用いら れる。
化合物(Xlb)として具体的には例えばジヒ ドロアビエチン酸リチウム, ジヒ ドロアビエチン酸ナトリウム, ジヒ ドロアビエチン酸カリウム, ジ ヒ ドロアビエチン酸ベリ リゥム, ジヒ ドロアビエチン酸マグネシウム, ジヒ ドロアビエチン酸カルシウム, ジヒ ドロアビエチン酸亜鉛, ジヒ ド 口ァビエチン酸ァルミニゥムなどのジヒ ドロアビエチン酸金属塩などを 挙げることができ、 ジヒ ドロアビエチン酸ナトリウム, ジヒ ドロアビエ チン酸カリウム, ジヒ ドロアビエチン酸マグネシウムが好ましく用いら
れる。
ァミ ド系核剤
特開平 6— 240058号公報、 特開平 6— 256 590号公報記載 の尿素誘導体、 特開平 5— 2629 36号公報記載のジカルボン酸アミ ド系化合物、 特開平 7— 278374号公報記載のトリ力ルバリル酸系 アミ ド化合物、 特公平 4一 3456 8号記載の含硫黄含有アミ ド等を使 用することができる。
上記 ( i i ) 成分は、 単独で使用しても、 二種以上組み合わせて使用 上記の核剤を配合することにより、 フィルムの性質が低下することな く、 高速成形が可能となる。
( i i ) 成分の配合量は、 ( i ) 成分のプロピレン系ランダム共重合 体 1 00重量部に対して、 好ましくは 0. 00 1〜5重量部、 さらに好 ましくは 0. 00 ;!〜 1重量部、 特に好ましくは 0. 005〜0. 5重 量部である。 その量が少なすぎると、 上記の効果が十分にでない場合が あり、 その量が多すぎると、 量に見合った効果がでない場合がある。 本発明のプロピレン系ランダム共重合体組成物には、 ( i i ) 成分の 他に、 必要により用途に応じて酸化防止剤, 中和剤, アンチブロッキン グ剤, スリップ剤などの添加剤を配合することができる。
好ましい酸化防止剤として、 ペンタエリスリチルーテトラキス [3— (3, 5—ジ一 t—ブチノレ一 4—ヒ ドロキシフエニル) プロピオネート ( 「ィルガノックス 1 0 1 0」 , チバ · スペシャルティ ·ケミカルズ社 製) 、 ォクタデシル一 3— (3, 5—ジ一 tーブチルー 4ーヒ ドロキシ フエニル) プロピオネート ( 「ィルガノックス 1 076」 , チバ 'スぺ シャルティ 'ケミカルズ社製) 、 1, 3, 5—トリメチル— 2, 4, 6 — ト リス (3, 5—ジ一 tーブチルー 4—ヒ ドロキシベンジル) ベンゼ
ン ( 「ィルガノックス 1 3 30」 , チノく · スペシャルティ · ケミカルズ 社製) 、 トリス (3, 5—ジー t—ブチル一 4ーヒ ドロキシベンジル) ィソシァヌレイ ト ( 「ィルガノックス 3 1 14」 , チバ · スペシャルテ ィ 'ケミカルズ社製) 等のフヱノール系酸化防止剤; トリス (2, 4- ジ一 t—ブチ フエニル) ホスファイ ト ( 「ィ /レガフォス 1 6 8」 , チ バ 'スペシャルティ 'ケミカルズ社製) 、 テトラキス (2, 4—ジ一 t —ブチノレフエニル) 4, 4 ' —ビフエ二レン一ジ一ホスファイ ト ( 「P 一 E PQ」 , チバ 'スペシャルティ ·ケミカルズ社製) 等のリン系酸化 防止剤を挙げることができる。
好ましい中和剤として、 ステアリン酸カルシウム、 ステアリン酸亜鉛、 ステアリン酸マグネシウム、 Mg 4. 5 A 1 2 (OH) i 3 CO3 - 3. 5 H20 ( 「DHT— 4A」 , 協和化学工業社製) 等のハイ ドロタルサイ ト類、 [L i 2 A 1 4 (OH) 1 2] CO3 · 3 H2O ( 「ミズ力ラック」 , 水澤化学工業社製) 等のリチウムアルミニウム複合水酸化物塩などを挙 げることができる。
好ましいアンチプロッキング剤として、 「サイ リシァ」 (富士シリシ ァ社製) 、 「ミズ力シル」 (水澤化学工業社製) 等の合成シリカ系化合 物を挙げることができる。
好ましいスリップ剤として、 エル力酸アミ ド, ォレイン酸アミ ド, ス テアリン酸アミ ド, ベへニン酸アミ ド, エチレンビスステアリン酸アミ ド, エチレンビスォレイン酸アミ ド, ステアリルエル力酸アミ ド, ォレ ィノレパルミチン酸アミ ド等の脂肪酸アミ ドを挙げることができる。
さらに、 本発明のプロピレン系ランダム共重合体組成物には、 静電防 止剤, 防曇剤, 耐候剤, 着色剤, 無滴剤, 難燃剤, 難燃助剤, 抗菌剤, 無機又は有機充填剤などの公知の添加剤を配合してもよレ、。
さらに本発明にかかるフィルムは、 前
合体を用いて製膜したフィルムである。 フィルムを製造する方法には特 に制限はなく、 通常の Tダイキャスト製膜法等が用いられる。 すなわち、 前記のプロピレン系ランダム共重合体のパウダーに必要に応じて各種の 添加剤を処方し、 混練機にて押出し造粒し、 ペレッ ト化し、 Tダイキヤ スト製膜することができる。 通常、 本発明のプロピレン系ランダム共重 合体を用いて、 Tダイキャス ト製膜法により、 引取速度が 50mZm i nまたはこれ以上の高速製膜条件においても、 厚みが 1 0〜500 μιη のフィルムを得ることができる。 また、 前述の好ましい特性を有するこ とから、 共押出製膜法による積層フィルムの製造に際して、 その少なく とも一層成分として好適に使用できる。 製膜法は、 大型製膜機により高 速製膜が実施される Τダイキャスト製膜法が好ましいが、 特にこれに限 らず、 溶融押出成形法によりフィルムを製造できる方法であれば、 どの ような製膜法でもよレ、。
[第三発明]
以下に、 本第三発明 (以下、 この項において、 単に 「本発明」 と呼ぶ ことがある) について詳細に説明する。
[13 本第三発明の樹脂組成物は、
(Α) プロピレンとエチレンからなるプロピレン系ランダム共重合体、 好ましくは更に昇温分別クロマトグラフィー (T RE F) において主溶 出ピーク温度を Tp (°C) とし、 (Tp - 5) °C〜 (Tp + 5) °Cの温 度範囲で溶出する量を Wp(wt%)とした場合に式 ( III一 2)
20≤Wp ≤ 65 · · · ( III- 2)
の関係を満足するプロピレン系ランダム共重合体 55〜99重量部、 好 ましくは 65〜98. 5重量部、 より好ましくは 75〜98重量部、 (B) 示差走査型熱量計により測定した結晶化温度 TCB (°C) が (A)
成分の同結晶化温度 TCA (°C) より高い、 好ましくは 10°C以上高い、 より好ましくは 2 0°C以上高い、 更に好ましくは 3 0°C以上高いプロピ レン系重合体、 好ましくは更に示差走査型熱量計により測定した融解曲 線における示差熱量 ΔΗΒ (J/g) と融点 TmB (°C) が式 ( III— 4)
ΔΗΒ ≥TmB/2 + 1 0 . · . ( III— 4)
を満たすプロピレン系重合体 45〜 1重量部、 好ましくは 35〜 1. 5 重量部、 より好ましくは 25〜 2重量部からなる樹脂組成物であって、 示差走査型熱量計により測定した結晶化曲線における最高温度側のピ一 ク トップ温度 Tc(°C) と融解曲線における最低温度側のピークトップ温 度 Tm(°C) と式 ( III— 1)
Tc ≥ 0. 75 XTm - 5 · · · ( III— 1 ) 好ましくは Tc ≥ 0. 75 XTm · · · ( III- 1— 2) より好ましくは Tc ≥ 0. 75 XTm + 5 · · · ( III— 1— 3) を満たし、 かつ昇温分別クロマトグラフィー (TRE F) の 0°C以下の 温度範囲において溶出する量 WO (wt%)が 6 wt% 以下、 好ましくは 5 wt% 以下、 より好ましくは 4wt% 以下であるプロピレン系樹脂組成物である。
(A) 成分のプロピレンとエチレンのプロピレン系ランダム共重合体 については、 コモノマ一含量、 全体のメルトインデックス等のポリマー 特性や重合触媒の種類、 重合方法に特に制限はない。 これらを特定した ものについて 〔2〕 に後述する。 なお、 好ましくは昇温分別クロマトグ ラフィー (TREF) において主溶出ピーク温度を Tp CO とし、 (T p -5) °C〜 (Tp + 5) °Cの温度範囲で溶出する量を Wp(wt%)とした 場合に式 ( III一 2)
20≤Wp ≤ 65 · · · ( III- 2) より好ましくは 20≤Wp ≤ 60 · · · ( III— 2— 2)
を満たし、 更に好ましくは式 ( III一 2— 2) に加えて、 コモノマ一 (ェ
チレン) 量 a (wt%)と関係式 ( III— 2— 3)
80 - 1 5 a ≤Wp · · · ( III— 2— 3) を満たし、
より更に好ましくは式 ( ΙΠ— 2— 4) と式 ( ΙΠ— 2— 5) の両式
20≤Wp ≤ 60 · · · ( III- 2 -4)
90 - 1 2 a ≤Wp ≤ 1 0 5 - 7. 5 a · · ( III- 2-5) を満たすプロピレン系ランダム共重合体がよい。
なお、 昇温分別クロマトグラフィー (TRE F) による測定方法につ いては、 実施例にて述べる。
(B) 成分のプロピレン系重合体については、 示差走査型熱量計によ り測定した結晶化温度 TCB (°C) が (A) 成分の同結晶化温度 TCA(°C) より高いプロピン系重合体であればよい。 従って、 プロピレン単独重合 体、 プロピレン一エチレンブロック共重合体、 プロピレン一 ォレフィ ン共重合体等が挙げられる。 この (B) 成分の結晶化温度 TCB (°C) が (A) 成分の同結晶化温度 TCA (°C) より高くなければ、 成形性ゃフィ ルム物性の改良効果が不充分となる。
また、 好ましくは更に示差走査型熱量計により測定した融解曲線にお ける示差熱量 ΔΗΒ (J/g) と融点 TmB (°C) が式 ( ΙΠ— 4)
ΔΗΒ ≥TmBZ2 + 1 0 · · · ( ΠΙ—4) より好ましくは ΔΗΒ ≥TmB/2+ 1 5 · · · ( III— 4— 2) を満たすプロピレン系重合体がよい。
式 ( III— 4) の関係を満たすプロピレン系重合体は、 融点が低いわ りに結晶性の高い樹脂を意味する。 なお、 示差走査型熱量計による結晶 化温度、 示差熱量、 融点等の測定法については、 実施例にて述べる。
さらに、 (A) 成分のプロピレン、 エチレン及び 又は 1ーブテンの プロピレン系ランダム共重合体は 5 5重量部より少なければ、 低温ヒー
トシール性が不充分となり、 99重量部より多ければ成形性やフィルム 物性の改良効果が不充分となる。
得られた樹脂組成物の Tcと Tm が式 ( III— 1) の関係を満たさ なければ、 成形性やフィルム物性の改良効果が不充分となる。
また、 昇温分別クロマトグラフィー (TREF) の 0°C以下の温度範 囲において溶出する量 W0(wt%)が 6wt% を越えるとフィルム、 シート、 繊維等成形品はべトつきが顕著になり、 併せて添加剤や低分子量成分の ブリードによる外観トラブルが起こりやすくなる。
〔2〕 上記 〔1〕 で説明した本発明の樹脂組成物に用いる下記 (a'l) 〜 (a '3) の性状を有する特定なプロピレンとエチレンのプロピレン系 ランダム共重合体である (A) 成分について説明する。
(a'l) 1 3 C— NMRにより測定した共重合体中のエチレン単位の含有 量 a Ot%) 力 SO. 2〜1 0wt% であり、 好ましくは 0. 5〜9wto/。 、 よ り好ましくは 1〜 8 wt% 、 更に好ましくは 3〜 7 wt% であり、
最も好ましくは、 示差走査型熱量計により測定した共重合体の融点 (Tm r( °C))とひとが式 (a ' 1— 2)
Tmr≤ 1 60 - 5 α · · · (a' l— 2)
を満たし、
好ましくは式 (a'l— 3)
Trar≤ 160 - 6 α · · · (a'l— 3)
を満たし、
(a,2) 昇温分別クロマトグラフィー (TREF) において主溶出ピー ク温度を Tpr (°C) とし、 (Tpr— 5) °C〜 (Tpr+5) °Cの温度範囲 で溶出する量 (Wpr(wt%) ) が 20wt% 以上であり、
好ましくは式 (a,2— 2)
20≤Wpr, かつ 80— 1 5ひ ≤Wpr · · · (a'2- 2)
を満たし、
より好ましくは式 (a '2— 3)
3 0≤Wpr, かつ 9 0— 1 2 ct ≤Wpr - · · (a '2- 3)
を満たし、
更に好ましくは主溶出ピーク温度の高温側の成分、すなわち(Tpr+ 5 ) °C 以上の溶出成分 (Whr(wt%) ) が式 (a,2— 4)
0. 1≤Whr≤ 3 α · · · (a '2- 4)
を満たし、
好ましくは式 (a '2— 5)
0. 1 ≤Whrかつ 3 ひ 一 1 5≤Whr≤ 3 ひ — 3 · · · ( a ' 2— 5 ) を満たし、 及び
(a,3) 昇温分別クロマトグラフィー (TRE F) の 0°C以下の温度範 囲において溶出する量 W0r(wt%) と a (wt%)が式 ( III— 3)
W0r≤ (3 + 2 )/ · · · ( III— 3)
を満たし、
好ましくは式 (a '3— 2)
W0r≤ (2 + 2 a)/ 4 · · · (a ' 3— 2)
を満たし、
更に好ましくは共重合体中の沸騰ジェチルェ一テル抽出量 Er(wt%)) と a (wt%)が式 (a '3— 3)
Er ≤ 2. 5かつ Er ≤ (2 a + 1 5) / 1 0 · · · (a'3— 3) を満たし、
好ましくは式 (a,3— 4)
Er ≤ 2. 0かつ Er ≤ (a + 5) /5 · · · (a '3-4) を満たす。
〔2— 1〕 上記のプロピレン系ランダム共重合体は、 上記 (a ' l) で示
す共重合体中のエチレン単位の含有量 αが 0. 2wt% より少なければヒ ートシール性の改良効果が望めないし、 10wt% より多ければフィルム の剛性が不充分となる。 更に、 エチレン単位の含有量に合わせて共重合 体の融点 Tmr( °C) が低下していることが望ましい。 従って、 Tmrとひ が上記式 (a' l— 2) を満たしていない場合はヒートシール性が不充分 になり易く、 またァンチブ口ッキング性が低くなり易い。
[2- 2] 上記プロピレン系ランダム共重合体は、 上記 (a '2) で示す 昇温分別クロマトグラフィー (TREF) において主溶出ピーク温度を Tpr (°C) とし、 (Tpr— 5) °C〜 (Tpr+ 5) °Cの温度範囲で溶出す る量 Wpr (wt%) が 20 wt% より少なければ、 主溶出ピークの裾が高温側 或いは低温側に大きく伸びていることを示す。
すなわち、 それぞれ高温側、 低温側の成分が多くなることを意味し、 高 温側成分が多いとヒートシール性が不十分になり、 透明性の成形条件依 存性が大きくなるし、 低温側の成分が多いとフィルム、 繊維、 シート、 成形体等がベトついたものになり易い。
また、 主溶出ピークの高温側の成分は、 キャス ト成形におけるチルロ —ルリ リースなどの成形性やフィルムの剛性を高める作用があり、 併せ て (B) 成分のプロピレン系重合体との相溶性を維持する上でも有効で ある。 従って、 (Tpr+ 5) °C以上の溶出成分 Whr(wt%) 、 式 (a '2 —4) の関係を満たせばよい。
〔2— 3〕 上記プロピレン系ランダム共重合体は、 上記 (a,3) で示す 昇温分別クロマトグラフィー (TREF) の 0°C以下の温度範囲におい て溶出する量 W0r(wt%) と a (wt%)が上記式 (6) の関係を満たさなけれ ばフィルム、 シート、 繊維等の成形体がべトついたものになり、 添加剤、 低分子量成分のブリ一ドなどによる トラブルが起こり易くなり好ましく なレ、。
また、 共重合体中の沸騰ジェチルェ一テル抽出量 Er(wt%)と a (wt%)が 上記式 (a,3— 3) を満たす場合は、 フィルム、 シート、 繊維等の成形 体がベトついたものにならず好ましい。
〔2— 4〕 上記プロピレン系ランダム共重合体は、 メルトインデックス (M i r ) 0. 1〜200 g/ 1 0分であるのが好ましい。 M I r がこ の範囲から外れると成形性に劣るものになりやすく好ましくない。 より 好ましくは 1〜40 gZ 1 0分である。 更に好ましくは 2〜20 g/1 0分である。
[2- 5] 上記プロピレン系ランダム共重合体は、 1 3 C— NMRにより 測定した共重合体中の立体規則性指標 Pr (モル%) は 98モル%以上で あるのが好ましい。 立体規則性が低下するとフィルムの剛性、 アンチブ ロッキング性が不満足なものになり易い。 より好ましくは 98. 5モル% 以上である。
[2- 6] 上記プロピレン系ランダム共重合体は、 ゲルパーミエーショ ンクロマトグラフィーにより測定された重合平均分子量 Mw と数平均分 子量 Mn との比 Mw ZMn はフィルムの透明性の観点から 6以下である ことが好ましく、 また成形性の観点から 2以上であることが好ましい。 特に 2. 5≤Mw ZMn 5が好適である。
なお、 沸騰ジェチルエーテル抽出量、 コモノマー含量、 立体規則性指 標、 M I及び Mw/Mnの測定方法については実施例にて述べる。
〔3〕 上記 〔1〕 、 〔2〕 で示されるプロピレン系ランダム共重合体の 製造法について以下に示す。
本発明におけるプロピレン系ランダム共重合体は (A) マグネシウム 化合物とチタン化合物とを電子供与性化合物および必要に応じてケィ素 化合物の存在下、 1 20〜 1 50°Cの温度にて接触させた後、 1 00〜 1 50°Cの温度にて不活性溶媒により洗浄したものからなる固体触媒成
分、 (B) 有機アルミニウム化合物および必要に応じて (C) 第 3成分 として電子供与性化合物からなる触媒を用いてプロピレンとエチレンを 共重合することにより製造することができる。
以下に、 各触媒成分、 調整方法、 重合方法等について説明する。 各触媒成分
(A) 固体触媒成分
固体触媒成分は、 マグネシウム、 チタンおよび電子供与体を含有する ものであり、 以下の (a) マグネシウム化合物、 (b) チタン化合物、 (c) 電子供性化合物および必要に応じてケィ素化合物 (d) からなる 固体触媒成分から形成されるものである。
(a) マグネシウム化合物
マグネシウム化合物としては、 第一発明において述べた内容がそのま ま適用される。
(b) チタン化合物
チタン化合物についても、 第一発明において述べた内容がそのまま適 用される。
(c) 電子供与性化合物
電子供与性化合物についても、 第一発明において述べた内容がそのま ま適用される。
(d) ケィ素化合物
ケィ素化合物についても、 第一発明において述べた内容がそのまま適 用される。
(B) 有機アルミニウム化合物
本発明におけるプロピレンランダム共重合体の製造に用いられる (B) 有機アルミニウム化合物についても、 第一発明において述べた内容がそ
のまま適用される。
(C) 第 3成分 (電子供与性化合物)
本発明におけるプロピレンランダム共重合体を製造するには、 (C) 電子供与性化合物が用いられる。 この (C) 電子供与性化合物について も、 第一発明において述べた内容がそのまま適用される。
固体触媒成分の調製
前記 (A) の固体触媒成分の調製方法としては、 上記の (a) マグネ シゥム化合物、 (b) チタン化合物、 (c) 電子供与体、 および必要に 応じて (d) ケィ素化合物を、 温度を除き通常の方法で接触させればよ く、 接触手順については特に問わない。 例えば、 各成分を炭化水素など の不活性溶媒の存在下で接触させてもよいし、 予め炭化水素などの不活 性溶媒で各成分を希釈して接触させてもよい。具体的な手法については、 第一発明のところで述べた内容がそのまま適用される。 重合方法
本発明におけるプロピレン系ランダム共重合体を製造する際の触媒成 分の使用量については、 特に制限はないが、 前記 (A) 成分の固体触媒 成分は、 チタン原子に換算して、 反応容積 1 リッ トル当たり、 通常 0. 00005〜1 ミリモルの範囲になるような量が用いられ、 (B) 成分 の有機アルミニウム化合物は、 アルミニウム チタン原子比が通常 1〜 1000、好ましくは 10〜500の範囲になるような量が用いられる。 この原子比が前記範囲を逸脱すると触媒活性が不十分となることがある。 また、 (C) 第 3成分として有機ケィ素化合物等の電子供与性化合物を 用いるときは、 (C) 電子供与性化合物 Z (B) 有機アルミニウム化合 物モル比が、 通常◦. 00 1〜5. 0、 好ま-しくは 0. 0 1〜2. 0、 より好ましくは 0. 05〜1. 0の範囲になるような量が用いられる。 このモル比が前記範囲を逸脱すると十分な触媒活性および立体規則性が
得られないことがある。 ただし、 予備重合を行う場合は、 さらに低減す ることができる。
本発明におけるプロピレン系ランダム共重合体の重合においては、 重 合活性、 立体規則性および重合体パウダー形態の面から、 所望に応じ、 先ずォレフィンの予備重合を行ったのち、 本重合を行ってもよい。 この 場合、 前記 (A) 固体触媒成分、 (B) 有機アルミニウム化合物および 必要に応じて (C) 電子供与性化合物を、 それぞれ所定の割合で混合し てなる触媒の存在下に、 ォレフィンを通常 1〜 1 00°Cの範囲の温度に おいて、 常圧ないし 50 k g/c m2 G程度の圧力で予備重合させ、 次 いで触媒と予備重合生成物との存在下に、 プロピレンとコモノマーであ るエチレンを本重合させる。
予備重合に用いられるォレフィンとしては、 第一発明において述べた 内容がそのまま適用される。
この本重合における重合形式については特に制限はなく、 溶液重合、 スラリー重合、 気相重合、 バルタ重合等のいずれにも適用可能であり、 さらに、 回分式重合や連続重合のどちらにも適用可能であり、 異なる条 件での 2段階重合や多段重合にも適用可能である。
さらに、 反応条件については、 その重合圧は、 特に制限はなく、 重合 活性の面から、 通常、 大気圧〜 80 k g/cm2G、 好ましくは 2〜5
O k gノ cm2G、 重合温度は、 通常、 0〜200°C、 好ましくは、 2 0〜90°C、 さらに好ましくは、 40〜90°Cの範囲で適宜選ばれる。 重合時間は原料のプロピレン Zェチレンの重合温度によつて左右されー 概に定めることができないが、 通常、 5分〜 20時間、 好ましくは、 1 0分〜 1 0時間程度である。 原料の混合比は、 重合温度、 圧力などによ り左右され一概に定めることができないが、 通常、 エチレン 0. 1〜2
0モル% (残りプロピレン) である。 分子量は、 連鎖移動剤の添加、 好 ましくは水素の添加を行うことで調節することができる。 また、 窒素等 の不活性ガスを存在させてもよい。
異なる重合条件で、 2段階以上にわたって重合することもできる。 また、 本発明におけるプロピレン系ランダム共重合体を製造する重合 においては、 前記触媒成分については、 (A) 成分と (B ) 成分と (C ) 成分とを所定の割合で混合し、 接触させたのち、 ただちにプロピレンと エチレンを導入して重合をおこなってもよいし、 接触後、 0 . 2〜3時 間程度熟成させたのち、 プロピレンとエチレンを導入して重合を行って もよい。 さらに、 この触媒成分は不活性溶媒やプロピレンなどに懸濁し て供給することができる。
本発明におけるプロピレン系ランダム共重合体においては、 重合後の 後処理は常法により行うことができる。 すなわち、 気相重合法において は、 重合後、 重合器から導出されるポリマー粉体に、 その中に含まれる ォレフィンなどを除くために、 窒素気流などを通過させてもよいし、 ま た、 所望に応じて押出機によりペレッ ト化してもよく、 その際、 触媒を 完全に失活させるために、 少量の水、 アルコールなどを添加することも できる。 また、 バルタ重合法においては、 重合後、 重合器から導出され るポリマーから完全にモノマーを分離したのち、 ペレツト化することが できる。
〔3〕 樹脂組成物
本発明の樹脂組成物は、 (A) 成分の前記プロピレン系ランダム共重 合体と (B ) 成分の前記プロピレン系重合体を所定の割合で配合し、 さ らに必要に応じて酸化防止剤、 中和剤、 アンチブロッキング剤、 スリツ プ剤、 帯電防止剤、 核剤などの各種添加剤を処方し、 二軸混練機等を用 いて混練 ·造粒することにより得ることができる。
所望に応じて用いられる各種添加剤としては、 酸化防止剤、 中和剤、 スリ ップ剤、 アンチブロッキング剤、 防曇剤、 又は帯電防止剤等が挙げ られる。 これらの添加剤は、 1種用いてもよく、 2種以上を組み合わせ て用いてもよい。 酸化防止剤、 中和剤、 スリ ップ剤、 アンチブロッキン グ剤については、 具体的には第一発明のところで述べたものがそのまま 適用される。
また、 本発明の樹脂組成物は、 主にフィルム用途に用いられるが、 そ のフィルム用途の添加剤処方の具体例についても第一発明のところで述 ベたものがそのまま適用される。
〔4〕 フィルム
本発明のフィルムは、 前記プロピレン系樹脂組成物を用いて製膜した フィルムである。 フィルムを製造する方法には特に制限はなく、 溶融押 出成形法によりフィルムを製造できる方法であればどのような製膜法で もよい。 具体的には第一発明のところで述べたものがそのまま適用され る。 [第四発明]
本第四発明 (以下、 この項において、 単に 「本発明」 と呼ぶことがあ る) は、 プロピレン系樹脂多層積層体である。 さらに詳しくは、 最外層 (ヒートシ一ル層ともいう) の少なくとも一方がベたつきが少なく、 低 温ヒートシ一ル性に優れる特定のプロピレン系重合体からなるプロピレ ン系樹脂多層積層体である。 以下、 本発明のプロピレン系樹脂多層積層 体について詳しく説明する。
本発明のプロピレン系樹脂多層積層体は、 最外層の少なくとも一方が 下記のプロピレン系重合体 [A] からなる層により構成されている樹脂 多層積層体である。
プロピレン系重合体 [A]
プロピレンとエチレンのランダム共重合体であって、 下記の①〜③を 満たすプロピレン系ランダム共重合体。
① 1 3 C— NMRにより測定した共重合体中のエチレン単位の含有量 γが 0, 2〜10重量%である
②昇温分別クロマトグラフの主溶出ピーク温度を T p (°C) としたとき、 (T p - 5) °C〜 (T p + 5) 。Cの温度範囲において溶出する量 Wpが
20重量%以上である
③昇温分別クロマトグラフの 0°C以下の温度範囲において溶出する量 W0 (重量%) と γが下記 (A 1) 式の関係を満たす
W0 ≤ (3 + 2 y) /4 - « - (A 1 )
プロピレン系重合体 [A] について詳しく説明する。
プロピレン系重合体 [A]
本発明におけるプロビレン系共重合体 [A] は、 プロピレンとェチレ ンのランダム共重合体であって、 下記の①〜③を満たす。
①1 3 C- NMRにより測定した共重合体中のエチレン単位の含有量 γ力 0. 2〜10重量0 /0である。
好ましくは 0. 5〜9重量%、 より好ましくは 1〜8重量%、 最も好 ましくは 3〜 7重量%である。
γが 0. 2重量%未満では、 ヒートシール性の改良効果が望めない。 また 10重量%を超えるとフィルムの剛性が満足できないものになり好 ましくない。
また、 本発明におけるプロピレン系ランダム共重合体は、 ④示差走査 型熱量計 (DS C) により測定した共重合体の融点 Tm (°C) と γが下 記式 (Α2) の関係を満たしていることが好ましく、
Tm≤ 160— 5 γ · · · (A 2)
より好ましくは、
Tm≤ 1 60— 67 · · · (A 5)
を満たしている場合である。
この関係を満たしていない場合は、 ヒートシール性が不充分になり易 く、 またアンチプロッキング性の低いものになる場合がある。
②昇温分別クロマ卜グラフの主溶出ピーク温度を Tp (°C) としたとき、
(Tp-5) °C〜 (Tp + 5) の温度範囲において溶出する量 Wp (重 量%) が 20重量%以上である。
好ましくは、
20≤Wp、 かつ (80— 1 5 γ ) ≤Wp · · · (A 6)
であり、 より好ましくは、
30≤Wp、 かつ ( 90— ] 27 ) ≤Wp · · · (A 7)
である。
Wpが 20重量%未満の場合は、 主溶出ビークの裾が高温側及び/又 は低温側に大きく伸びている場合であり、 低温側の成分は製膜したフィ ルムをべとついたものにするので好ましくなく、 高温側の成分はヒ一ト シール性を不充分にし、 透明性の成形条件依存性を大きくするので好ま しくない。
また、 本発明におけるプロピレン系ランダム共重合体は、 主溶出ピー クの高温側の成分が、 チルロールリ リースなどの成形性や剛性に寄与し ているため全く無いよりもある程度の量が存在していた方が好ましく、 本発明におけるプロピレン系ランダム共重合体は、 ⑤ (T p + 5) 以 上の温度範囲において溶出する量 WH (重量%) と γが下記式 (A3) の関係を満たしていることが好ましい。
0. 1≤WH ≤ 3 γ · - - (A3)
さらに好ましくは、
WH ≤ (3 7 - 3) 、 かつ (3 γ— 1 5) ≤WH · · · (A 8) を満たしている場合である。
③昇温分別クロマトグラフの 0°C以下の温度範囲において溶出する量 W0 (重量%) と γが下記式 (A 1 ) の関係を満たす。
W0 ≤ (3 + 2 γ) /4 - - - (A 1 )
好ましくは、
W0 ≤ (2 + 2 y ) / A - - - (A 9)
を満たす。
W0 (A 1 ) の関係を満たさない場合、 製膜したフィルムがべとつ いたものなり、 添加剤、 低分子量成分などのブリードによるトラブルが 起こり易くなり好ましくない。
また、 本発明におけるプロピレン系ランダム共重合体は、 ⑥共重合体 中の沸騰ジェチルェ一テル抽出成分量 E (重量%) が 2. 5重量%以下 であり、 かつ Eと γが下記式 (Α 4) の関係を満たしていることが好ま しい。
Ε≤ (2 γ + 1 5) / 1 0 - - - (Α4)
さらに好ましくは、
Ε≤ (7 + 5) /5 · · · (A 1 0)
を満たしている場合である。
この場合、 製膜したフィルムがベとついたものにならずに好ましい。 また、 本発明におけるプロピレン系ランダム共重合体は、 メルトイン デックス Μ I力 SO . l〜2 0 0 g/ 1 0 m i nであることが好ましい。 より好ましくは l〜40 gZl 0m i nであり、 さらに好ましくは 2〜 20 g/ 1 0 m i nである。 メルトインデックスがこの範囲から外れる と成形性に劣るものになることがある。
また、 本発明におけるブロピレン系ランダム共重合体は、 1 3 C— N MRにより測定した共重合体中の立体規則性指標 Pが 98モル%以上で あることが好ましい。 より好ましくは 98. 5モル0 /。以上である。 立体 規則性指標 Pが 98モル0 /0未満であると製膜したフィルムの剛性、 アン チブロッキング性が不充分になる場合がある。
また、 本発明におけるフロピレン系ランダム共重合体は、 ゲルパ一ミ ェ一シヨンクロマトグラフ法 (G PC) により測定される重量平均分子 量 Mwと数平均分子量 Mnの比 (MwZMn) が 2〜 6であることが好 ましい。 この場合、 フィルムの透明性及び成形性も優れたものとなり好 ましい。 さらに好ましくは、 2. 5〜5である。
なお、 前記 γ, Tm, Wp, WH , WO , E, M I, P及ぴ MwZM nは実施例において述べる測定方法により求めることができる。
本発明のプロピレン系樹胎多層積層体としては、 引張弾性率 TM (M P a) とヒートシール温度 HST (°C) が以下の関係を満たすことが好 ましい。
TM≥ 40 X H S T— 4000 ( H S T≥ 1 1 5 )
- つ、
TM≥ 600 (H S T< 5)
さらに好ましくは、
TM≥ 40 XHST- 3900 (H S Τ≥ 5)
かつ、
TM≥ 700 (HS T< 1 1 5)
特に好ましくは、
TM≥ 40 X H S T- 3800 (H S T≥ 1 1 5 )
かつ、
TM≥ 800 (HS T< 1 1 5)
である。
本発明のプロピレン系樹脂多層積層体としては、 最外層 (ヒートシ一 ル層ともいう) の少なくとも一方が前記プロピレン系重合体 [ A] から なるものであれば、 その他の層 (中間層またはラミネート層ともいう) 構成については特に制限はなく、 前記プロピレン系重合体 [A ] と同一 であってもよく、 異なっていてよい。 好ましくは、 最外層と少なくとも エチレン含有量が異なる前記プロピレン系重合体 [ A] 又はプロピレン, エチレン及びブテン一 1からなるプロピレン系重合体から選ばれる少な くとも一層以上の層からなる場合である。 より具体的には、 最外層より もエチレン含有量が低い前記プロピレン系重合体 [ A ] 及び/またはプ ロピレン, エチレン及びブテン一 1からなるプロピレン系重合体から選 ばれる場合である。
前記プロピレン系重合体 [ Λ ] 以外のプロピレン系重合体としては、 結晶性を示すブロビレン系重合体が挙げられる。 結晶性を示すプロピレ ン系重合体としては、 特に制限はなく、 例えば、 プロピレン単独重合体、 プロピレン一エチレンランダム共重合体、 プロピレン一エチレン一 1 一 ブテンランダム共重合体、 ブロピレン一エチレンブロック共重合体など が挙げられる。 また、 結晶性プロピレン系重合体の分子量については、 何れの場合にも成形性の観点から選択され、 Tダイキャス トフイノレム成 形にはメルトインデックスが 2〜 2 0 g / 1 O m i n程度のものが好ま しく、 シート成形には l〜1 0 g Z l O m i n程度のものが好ましい。 これらの中から、 フィルムゃシー卜の目的とする用途により任意に選択 して用いることができる。 具体的に例をあげれば耐熱性、 ヒートシール 強度が重視される用途には融点が高く、 結晶性の高いプロピレン系単独 重合体が好ましく、 特開平 8— 8 5 7 1 1号公報に記載されたものを例 示することができる。 すなわち、
( 1 )立体規則性指標であるアイソタクチックべンタッド分率 Pが 8 5. 0〜9 2. 0モル0 /0及び n—ヘプタン不溶部量 Hが 9 8. 0〜 9 7. 0 重量%であり、 かつ Pと Hとの関係が、 式
0. 7 5 0 P + 2 7. 1 2 5 <H
を満たすこと、 及び (2) メルトインデックス (M l ) が l〜20 gZ 1 0m i nであり、 かつ温度 1 7 5 °Cにおいて、 周波数分散測定により 得られる周波数 ω 0 = 1 0 ° r a dZ s e cにおける緩和時間 τ ( s e c) と M I との関係が、 式
て ≤ 0. 6 5 - 0. 0 2 5M I
を満たすポリプロピレン系重合体が挙げられる。
さらに好ましくは、
( 1, ) 立体規則性指標であるアイソタクチックベンタッド分率 が 8 5. 0〜 9 2. 0モル0 /o及び n—ヘプタン不溶部量 Hが 8 6. 0〜 9 7. 0重量%であり、 かつ Pと Hとの関係が、 式
0. 7 5 0 P十 2 6. 0 0 0 <H
を満たすこと、 及び (2, ) メルトインデックス (M l ) が l〜2 5 g Z l O m i nであり、 かつ温度 1 7 5°Cにおいて、 周波数分散測定によ り得られる周波数 ω θ = 1 00 r a d/ s e cにおける緩和時間 τ ( s e c) と M I との関係が、 式 て ≤ 0. 6 3 - 0. 0 2 5M I
を満たすポリプロピレン系重合体が挙げられる。
なお、 前記の P, H, M I , ω θ及び τの意味、 測定方法並びにプロ ピレン系重合体の製造方法等に関しては特開平 8— 8 5 7 1 1号公報に 記載されたとおりである。
またフィルムゃシ一卜の低温ヒートシ一ル性を改良する場合には、 結 晶性プロピレン系重合体も低温ヒ一トシ一ル性に優れたプロピレン、 ェ
チレンランダム共重合体やプロピレン、 エチレン、 1 —ブテンランダム 共重合体などが好ましく、 特開平 9— 2 0 8 6 2 9号公報、 特開平 9 - 2 7 2 7 1 8号公報、 特開平 1 0— 1 3 0 3 3 6号公報などに記載され たものを例示することができる。 すなわち、 プロピレンとエチレンの共 重合体であって、 下記の①〜⑤を満足するプロピレン系共重体が挙げら れる (特開平 9一 2 0 8 6 2 9号公報)
① 共重合体中のエチレン単位の合有量 (X (w t %) ) が 3〜 1 0 w t %である。
② 共重合体のメノレ トインデックス (M I (g/ 1 0 m i n) ) 力 4 〜1 2 g/l 0m i nである
③ 沸騰ジェチルエーテル抽出量 (E (w t %) ) と; ίが式 ( I ) また は ( I I ) の関係を満たす
Ε≤ 0. 2 5 %十 1. 1 ( % = 3〜 6 w t %) · · · ( I )
E≤ 2. 6 (ズ = 6〜 : L 0 w t %) · · · ( I I )
④ 示差走査型熱量計で測定した融点 (Tm (°C) ) とズが式 ( I I I ) または ( I V) の関係を満たす
Tm≤ 1 4 0 (% = 3〜5 w t %) · · · ( I I I )
Tm≤ 1 6 5 - 5 χ ( χ = 5〜 ; 1 0 w t %) · · · ( I V)
⑤ 1 3 C— NMRで測定した P P P連鎖部のアイソタクチック トライア ッド分率 (mm (mo 1 %) ) 力 9 8. 0 m o 1 %以上である
または、 プロピレンとエチレンのランダム共重合体であって、 下記の ①〜⑤を満足するプロピレン系ランダム共重合体が挙げられる。 (特開 平 9一 2 7 2 7 1 8号公報)
① 共重合体中のエチレン単位の合有量 (ズ (w t %) ) が 0. 2〜4 w t %である
② 共重合体のメルトインデックス (M I (8 1 0111 1 11) ) カ 4〜
1 2 g / 1 O m i nである
③ 沸騰ジェチルエーテル抽出量 (E (w t %) ) と が式 ( IV— 1 ) の関係を満たす
E≤ 0. 2 5 %十 1. 1 · ♦ · ( IV— 1 )
④ 示差走査型熱量計で測定した融点 (Tm (°C) ) と χが式 ( IV— 2) の関係を満たす
Tm≤ 1 6 5 - 5 % · · · ( IV— 2)
⑤ 1 3 C— NMRで測定した P P P連鎖部のアイソタクチック トライア ッド分率 (mm (m o 1 o/o) ) 力 9 8. O mo 1 %以上である
次に、 エチレン Z 1—ブテン Zプロピレン共重合体としては、 特開平 1 1— 6 0 6 3 9号公報に記載してあるものが挙げられる。 すなわち、 プロピレン、 エチレン及び 1—ブテンの共重合体であって、 下記の① 〜⑥を満足するブロヒ レン系ランダム共重合体。
①共重合体中のエチレン単位の合有量 (a mo 1 %) と 1ーブテン単 位の合有量 (/? ■ m o 1 %) ( IV— 1 ) 式を満たす
4≤ α + β≤ 1 5 · - - ( IV— 1 )
②共重合体のメルトインデックス (M I (g/ l O m i n) ) 力 1〜 1
③沸騰ジェチルエーテル抽出量 (E) と (ひ + ) の関係が (ct + i3) ≤ 1 2の場合には式 ( IV— 2) を、 (α + /3) > 1 2の場合には式 ( I V- 3) の関係を満たす
Ε≤ 0. 2 (ο; + ) 十 0. 6 · · · ( IV- 2)
E≤ 3. 0 · · · ( IV— 3)
④示差走査型熱量計で測定した融点 (Tm (°C) ) と (ひ + /3) が式 ( IV- 4) の関係を満たす
Tm≤ 1 6 4 - 3. 6 ( α + j3 ) · · · ( IV— 4)
⑤ 1 3 C— NM Rで測定した立体規則性指標 P (m o 1 %)が 9 8 m o 1 % 以上である
⑥ゲルパ一ミエインヨンクロマトグラフィー (G P C ) により測定した 重量平均分子量 (M w) と数平均分子量 (M n ) の比 (Mw/M n ) が 6以下である
(特開平 1 1 一 (う 0 6 3 9号公報)
なお、 各バラメーターの意味及び測定方法並びに各重合体の製造方法 は、 それぞれの公報の記載のとおりである。
本発明における結晶性ブ口ビレン系重合体が結晶性を示さないもので は、 フィルムやシートの剛性、 耐熱性が低下することがある。
ところで、 本発明における中間層またはラミネート層としては、 前記 したプロピレン系ランダム共重合体と結晶性プロピレン系重合体をヘン シェルミキサー等を用いてドライブレンドしたものからなる樹脂層であ つてもよく、 或いは、 単軸又は 2軸押出機、 バンバリ一ミキサー等を用 いて、 溶融混練したものからなる樹脂層であってもよい。 配合の割合は 通常、 プロピレン系ランダム共重合体を 1〜 9 9重量%、 好ましくは 1 0〜 9 0重量0 /0、 特に好ましくは 2 0〜 8 0重量0 /0で配合する。 プロピ レン系ランダム共重合体が 1重量%未満であると透明性、 耐衝擊性が低 下したりすることがある。
次に、前記プロピレン系ランダム共重合体(プロピレン系重合体 [A] ) の製造方法について述べる。
本発明におけるプロピレン系ランダム共重合体は (A) マグネシウム 化合物とチタン化合物とを電子供与性化合物および必要に応じてケィ素 化合物の存在下、 1 2 0〜 1 5 0 °Cの温度にて接触させた後、 1 0 0〜 1 5 0 °Cの温度にて不活性溶媒により洗浄したものからなる固体触媒成 分、 (B ) 有機アルミニウム化合物および必要に応じて (C ) 第 3成分
として電子供与性化合物からなる触媒を用いてプロピレンとエチレンま たはプロピレンとエチレンを共重合することにより製造することができ る。
以下に、 各触媒成分、 調整方法、 重合方法等について説明する。
各触媒成分
(A) 固体触媒成分
固体触媒成分は、 マグネシウム、 チタンおよび電子供与体を含有する ものであり、 以下の (a) マグネシウム化合物、 (b) チタン化合物、
(c) 電子供性化合物および必要に応じてケィ素化合物 (d) からなる 固体触媒成分から形成されるものである。
(a) マグネシウム化合物
マグネシウム化合物としては、 第一発明において述べた内容がそのま ま適用される。
(b) チタン化合物
チタン化合物についても、 第一発明において述べた内容がそのまま適 用される。
(c) 電子供与性化合物
電子供与性化合物についても、 第一発明において述べた内容がそのま ま適用される。
(d) ケィ素化合物
ケィ素化合物についても、 第一発明において述べた内容がそのまま適 用される。
(B) 有機アルミニウム化合物
本発明におけるプロピレンランダム共重合体の製造に用いられる (B) 有機アルミニウム化合物についても、 第一発明において述べた内容がそ のまま適用される。
(C) 第 3成分 (電子供与性化合物)
本発明におけるプロピレンランダム共重合体を製造するには、 ( C ) 電子供与性化合物が用いられる。 この (C) 電子供与性化合物について も、 第一発明において述べた内容がそのまま適用される。
固体触媒成分の調製
前記 (A) の固体触媒成分の調製方法としては、 上記の (a) マグネ シゥム化合物、 (b) チタン化合物、 (c) 電子供与体、 および必要に 応じて (d) ケィ素化合物を、 温度を除き通常の方法で接触させればよ く、 接触手順については特に問わない。 例えば、 各成分を炭化水素など の不活性溶媒の存在下で接触させてもよいし、 予め炭化水素などの不活 性溶媒で各成分を希釈して接触させてもよレ、。具体的な手法については、 第一発明のところで述べた内容がそのまま適用される。
重合方法
本発明におけるフロビレン系ランダム共重合体を製造する際の触媒成 分の使用量については、 特に制限はないが、 前記 (A) 成分の固体触媒 成分は、 チタン原子に換算して、 反応容積 1 リッ トル当たり、 通常 0. 00005〜1 ミリモルの範囲になるような量が用いられ、 (B) 成分 の有機アルミニウム化合物は、 アルミニウム/チタン原子比が通常 1〜 1000、好ましくは 1 0〜500の範囲になるような量が用いられる。 この原子比が前記範囲を逸脱すると触媒活性が不十分となることがある。 また、 (C) 第 3成分として有機ケィ素化合物等の電子供与性化合物を 用いるときは、 (C) 電子供与性化合物 Z (B) 有機アルミニウム化合 物モル比が、 通常 0. 00 1〜5. 0、 好ましくは 0. 0 :!〜 2. 0、 より好ましくは 0. 05〜 1. 0の範囲になるような量が用いられる。 このモル比が前記範囲を逸脱すると十分な触媒活性および立体規則性が 得られないことがある。 ただし、 予備重合を行う場合は、 さらに低減す
ることができる。
本発明におけるプロピレン系ランダム共重合体の重合においては、 重 合活性、 立体規則性および重合体パウダー形態の面から、 所望に応じ、 先ずォレフィンの予備重合を行ったのち、 本重合を行ってもよい。 この 場合、 前記 (A) 固体触媒成分、 (B) 有機アルミニウム化合物および 必要に応じて (C) 電子供与性化合物を、 それぞれ所定の割合で混合し てなる触媒の存在下に、 ォレフィンを通常 1〜 1 00':Cの範囲の温度に おいて、 常圧ないし 50 k g/c m2 G程度の圧力で予備重合させ、 次 レ、で触媒と予備重合生成物との存在下に、 プロピレンとコモノマーであ るエチレンを本重合させる。
予備重合に用いられるォレフィンとしては、 第一発明において述べた 内容がそのまま適用される。
この本重合における重合形式については特に制限はなく、 溶液重合、 スラリー重合、 気相 _®合、 バルタ重合等のいずれにも適用可能であり、 さらに、 回分式重合や連続道合のどちらにも適用可能であり、 異なる条 件での 2段階重合や多段重合にも適用可能である。
さらに、 反応条件については、 その重合圧は、 特に制限はなく、 重合 活性の面から、 通常、 大気圧〜 80 k g/cm2G、 好ましくは 2〜5
0 k gZc m2G、 重合温度は、 通常、 0〜200°C、 好ましくは、 2 0〜90°C、 さらに好ましくは、 40〜90°Cの範囲で適宜選ばれる。 重合時間は原料のプロピレン/ェチレンの重合温度によつて左右されー 概に定めることができないが、 通常、 5分〜 20時間、 好ましくは、 1 0分〜 1 0時間程度である。 原料の混合比は、 重合温度、 圧力などによ り左右され一概に定めることができないが、 通常、 エチレン 0. 1〜2 0モル% (残りプロピレン) である。 分子量は、 連鎖移動剤の添加、 好
ましくは水素の添加を行うことで調節することができる。 また、 窒素等 の不活性ガスを存在させてもよい。
異なる重合条件で、 2段階以上にわたって重合することもできる。 また、 本発明におけるプロピレン系ランダム共重合体を製造する重合 においては、 前記触媒成分については、 (A) 成分と (B ) 成分と (C ) 成分とを所定の割合で混合し、 接触させたのち、 ただちにプロピレンと エチレンを導入して重合をおこなってもよいし、 接触後、 0 . 2〜3時 間程度熟成させたのち、 プロピレンとエチレンを導入して重合を行って もよい。 さらに、 この触媒成分は不活性溶媒やプロピレンなどに懸濁し て供給することができる。
本発明におけるプロピレン系ランダム共重合体においては、 重合後の 後処理は常法により行うことができる。 すなわち、 気相重合法において は、 重合後、 重合器から導出されるポリマ一粉体に、 その中に含まれる ォレフィンなどを除くために、 窒素気流などを通過させてもよいし、 ま た、 所望に応じて押出機によりペレッ ト化してもよく、 その際、 触媒を 完全に失活させるために、 少量の水、 アルコールなどを添加することも できる。 また、 バルタ重合法においては、 重合後、 重合器から導出され るポリマーから完全にモノマーを分離したのち、 ペレツ ト化することが できる。
ところで、 本発明においては、 前記のプロピレン系ランダム共重合体 のパウダーに必要に応じて各種の添加剤を処方して用いてもよい。 所望 に応じて用いられる各種添加剤としては、 酸化防止剤、 中和剤、 スリ ツ プ剤、 アンチブロッキング剤、 防曇剤、 又は帯電防止剤等が挙げられる。 これらの添加剤は、 1種用いてもよく、 2種以上を組み合わせて用いて もよい。
酸化防止剤、 中和剤、 スリップ剤、 アンチブロッキング剤については、
具体的には第一発明のところで述べたものがそのまま適用される。
本発明のプロピレン系樹脂多層積層体を製造する方法には特に制限は なく、 例えば、 溶融共押出し成形法により製造する方法が挙げられる。 なかでも、 大型成形機により高速成形が実施できる τダイキャスト成形 法が特に好ましい。 引取速度は通常 5 Om/m 1 nまたはこれ以上の高 速製膜条件であってもよい。 多層積層体の厚みには特に制限はないが、 通常 1 0〜5000 μιη程度である。 次に実施例に基づいて、 各発明を具体的に説明する。
[第一発明]
「樹脂特性評価法」
① 1 3 C— NMRによるエチレン単位の含有量ひ (重量0 /0) 及び立体規則 性指標 Ρ (モル%) の測定
1 3 C— NMRのスへク トルは日本電子社製の」 NM-EX400型 N MR装置を使用し、 以下の条件にて測定した。
NMR測定条件
試料濃度: 22 OmgZNMR溶媒 3ミ リ リ ッ トル
NMR溶媒: 1、 2、 4一トリクロ口ベンゼン/ベンゼン一 d 6
= 90/10 (体積比) 測定温度: 1 30°C
パノレス幅: 45°
パルス繰り返し時間: 4秒
積算回数: 4000回
得られたプロピレン系ランダム共重合体の各シグナルの帰属を表 I一 1 に示す。 化学シフ ト値は、 シグナル (1) 、 (1 1) 、 (1 2) 、 (1
3) については、 計算範囲で示し、 それ以外のシグナルについては、 ピ —ク トップ位置で示した。 全シグナルを計算範囲で示すと表 1— 2のよ うに表される。 なお、 Pはプロピレン単位、 Eはエチレン単位を示す。 従って、 P P Pは、 プロピレン単位が.3個連続していることを、 また、 EE Eは、 エチレン単位が 3個連続していることを示している。
表ェ - 1
表エ - 2 帰 Γ禹 (ppm)
注)
化学シフト基準
S (55のピークトップを 30. 01 ppmとした
プロピレン系ランダム共重合体中のエチレン単位の含有量 (α 量%) ) は各シグナル強度から次式に従い算出した。
α = 2 X/ (300— X) X 1 00
X=E t/S X 1 00
E t = I EEE +2/3 ( I PEE + I EPE ) +1/3 ( I PPE + I PEP ) S = I EPE + I PPE + I EEE + I PPP + I PEE + I PEP
I EPE = I (4) I PPP = I (8)
I PPE - I (5) I PEE = I (9)
I EEE = I (7) Z 2 + I (6) Z4 I PEP 二 I (10)
但し、 例えば I (1) は表 I— 1又は表 I一 2におけるシグナルの番号
(1) のシグナル強度である。
また、 立体規則性指標 (P (モル。 /0) ) は次式から算出した。
P = { I (\\)/ ( I (11) + I (12)+ I (13)— I (4)一 I (5))} X 1 00 この P値は共重合体分子鎖のプロピレン連鎖領域におけるトライアツ ド単位のァイソタクチック分率である。 なお、 この式においては mr領 域に現れる P P E連鎖の中央のプロピレン単位のメチル炭素のシグナル 強度は S a y (2番のシグナル) のシグナル強度により代用している。 また、 r r領域に現れる E P E連鎖中のプロピレン単位のメチル炭素の シグナル強度は Τ δ δ (4番のシグナル) のシグナル強度により代用し ている。
②昇温分別クロマトグラフ (TREF)
温度 1 3 5°Cに調節した TRE Fカラムに試料溶液を導入し、 次いで 速度 5°C/h rにて徐々に まで降温し、試料を充填剤に吸着させる。 その後カラムを速度 40°CZh rにて 1 35 tまで昇温し、 溶出曲線を 得た。
以下に測定装置、 及び測定条件を示 一。
1) 測定装置
TREFカラム: G Lサイエンス社製シリカゲルカラム
(4. 60 X 1 50 mm)
フローセル: G Lサイエンス社製 光路長 1 mm K B rセル 送液ポンプ:センシュゥ科学社製 S S C— 3 10◦ポンプ
バルブオーブン: G Lサイエンス社製 MOD E L 554オーブン TRE Fオーブン: G Lサイエンス社製
二系列温調器:理学工業社製 R E X— C 100温調器
検出器:液体ク口マトグラフィ一用赤外検出器
FOXBORO社製 M I RAN 1 A CVF
1 0方バルブ:バルコ社製 電動バルブ
ループ:バルコ社製 5 0 0 μ リ ツ トノレノレ一プ
2) 測定条件
溶媒:オルトジクロルベンゼン
試料濃度: 7. 5 g/リ ッ トル
注入量: 5 00 μリットノレ
ポンプ流量: 2. 0ミリリツ トル/分
検出波数: 3. 4 1 μ τη
力ラム充填剤: クロモソノレブ Ρ ( 3 0〜 6 0メッシュ)
カラム温度分布: ± 2. 0。C以内
③示差走査型熱量計 (D S C) による共重合体の融点 (Tm (°C) ) パーキンエルマ一社製の D S C 7型示差走査型熱量計を用いて測定し た。 あらかじめ試料 1 0 m gを窒素雰囲気化 2 3 0 Cで 3 m i n溶融し た後、 〗 0 CZm i nで 2 (TCまで降温する。 この温度で 3 m i n保持 した後、 1 0 CZm i nで昇温させて得られた融解吸熱曲線の最大ピー クのピーク 卜ップ温度を融点とした。
④共重合体中の沸騰ジェチルエーテル抽出量 (E (重量%) )
1 mm0メッシュパスの大きさに粉砕したペレツトを円筒ろ紙に 3 g、 抽出溶剤のジェチルエーテルを平底フラスコに 1 6 0ミリ リツトル入れ、 リフラックス頻度を 1回 Z 5m i n程度にして 1 0時間のソックスレー 抽出を行う。 抽出終了後、 口一タリーエバポレータ一によりジェチルェ 一テルを回収し、 さらに真空乾燥器により恒量になるまで乾燥し沸騰ジ ェチルエーテル抽出量とした。
⑤メノレトインデックス (M I (g/ 1 Om i n) )
J I S K 7 2 1 0に従い、 温度 2 3 0° (:、 荷重 2 1 6 0 gで測定し た。
[フィルム品質の評価法]
製膜したフィルムは全て温度 40°Cにて 24時間のァニール処理を行 レ、、 更に温度 23 ± 2°C、 湿度 50 ± 1 0%で 1 6時間以上の状態調節 した後に同じ温度、 湿度条件下で測定を行った。
①ヒ一トシ一ル温度
J I S Z— 1 707に準拠して測定した。 具体的には表面温度計に より較正されたヒ一トシ一ルバ一により以下の条件にてシールし、 室温 で一昼夜放置した後、 室温で剥離速度を 20 Omm/ m i nにした T型 剥離法により剥離強度を測定した。 ヒ一トシール温度は剥離強度が 30 0 g / 1 5 mm (幅 1 5 mmの試験片に対し剥離時の実荷重が 300 g ) になる温度と定義し、 シール温度一剥離強度曲線から計算により求めた。 シール条件
シーノレ面:金属ローノレ面 Z金属口一ノレ面
シーノレ面積: 1 5 X 1 0 mm シール圧力: 2. O k g/ cm2
シール時間: ].秒
シール温度: ヒートシール温度を内挿できるように数点
②アンチブロッキング性
2枚のフィルムについて、 一枚の金属口一ル面ともう一枚の反金属口 ール面とを以下の条件にて密着させ、 1 0 X 1 0 cmの治具にそれぞれ を固定し、 1 0 X 1 0 cmの面積の密着強度を以下の条件の引剥試験に より測定した。
密着条件
その 1 : 温度 60° (:、 3時間、 荷重 36 g/ c m2 面積 10 X 1 0 c m
その 2 : 温度 5 O :、 7日間、 荷重 1 5 g/ c m2 面積 1 0 X 1 0 c m
引剥試験条件
テストスピ一ド: 20 mm/ m i n
ロードセノレ : 2 K g
③スリップ性
フィルムを張ったスレツ トを、 フィルムを張ったガラス板の上に静置 した後、 ガラス板を傾けてゆき、 スレッ トが滑り出したときのガラス板 の傾き角 0の t a nで評価した。 測定には東洋精機製作所製の摩擦角測 定器を使用した。 以下に条件を示す。
測定面:金属ロール面 Z金属口一ノレ面
傾斜速度: 2. 7 / s e c
スレツ ド重量: 1 K g スレツド断面積: 6 5 c m2 面間圧力: 1 5 g / c m2
④透明性 (ヘイズ)
J I S K 7 1 0 5に従い測定した。
⑤耐衝撃性
東洋精機製作所製のフィルムィンパク トテスタ一において 1Z2イン チ衝撃頭を用いた衝撃破壊強度により評価した。
⑥引張弾性率
J I S K7 1 2 7に準拠した引張試験により以下の条件にて測定し た。
ク口スへッド速度 : 500 mm/ m i n
口一ドセル: 1 0 K g
測定方向 :マシン方向 (MD)
〔実施例 I一 1〕
(マグネシゥム化合物の調製)
攪拌機付反応層 (内容積 80リ ッ トル) を窒素ガスで十分に置換し、 脱水ェタノ一ル 20リ ッ トル、 金属マグネシゥム 1. 06 k g及びョゥ 素 106 gを投入し、 攪拌しながら還流条件下で系内から水素ガスの発 生が無くなるまで反応させ、 固体状反応生成物を得た。 この固体状反応 生成物を含む反応物を減圧乾燥することにより目的のマグネシウム化合 物 (固体触媒の担体) を得た。
(固体触媒成分の調製)
窒素で置換した攪拌機付反応層 (内容積 80リ ッ トル) に前記マグネ シゥム化合物 4. O k gを投入し、 さらに、 脱水処理したへブタンを 2 0リ ツ トル加えた。 40 Cに加熱し四塩化珪素 600 ミ リ リ ツ トルを加 'え、 20分攪拌し、 ジ一 n—ブチルフタレートを 850ミ リ リ ットル加 えた。 溶液を 7 (TCまで昇温し、 引き続き四塩化チタンを 1 9. 25リ ットル投入した。 内温を 1 25°Cとし 2時間接触反応させた。 その後、 1 25°Cの脱水ヘプタンを用いて充分洗浄を行った。 さらに四塩化チタ ンを 30. 50リ ッ トル加え、 内温を 1 25°Cとし 2時間接触反応させ た。 その後 1 2 5°Cの脱水ヘプタンを用いて充分洗浄を行い固体成分
[A] を得た。
(予備重合)
窒素で置換した攪拌機付反応層(内容積 80リツ トル)に固体成分 [A] を 1. O k gを投入し、 さらに脱水処理したヘプタンを 8. 4リットル カロえた。 40°Cに加熱し卜リェチルアルミニウム 43ミリ リッ トルとジ シクロペンチルジメ トキシシランを 1 1 6ミリ リツ トノレカ卩ぇた。 これに
プロピレンを常圧で流通させ 2 時間反応させた。 その後、 固体成分を脱 水ヘプタンを用いて充分洗浄を行い触媒成分を得た。
(重合)
内容積 200リ ツ トルの攪拌器付重合槽に前記の固体触媒成分を成分 中のチタン原子換算で 3 mm o 1 Zk g— P Pで、 トリエチルアルミ二 ゥムを 4mm o 1 /k g— P Pで、 ジシク口ペンチルジメ トキシシラン を l mmo 1 /k g— P Pでそれぞれ供給し、 重合温度 80°C、 重合圧 力 (全圧) 28 k gZc m2 Gでプロピレンとエチレンを反応させた。 重合装置内のエチレン濃度を 2. 5mo 1 %, 水素濃度を 5. 0 m o 1 % として重合を行い、 その結果、 2 w t %のエチレン含有量及び M. Iが 7. 1のプロピレン系ランダム共重合体を得た。
(ペレツト化及び製膜)
こうして得られたフロビレン系ランダム共重合体のパウダーについて 上記の 「樹脂特性評価法」 に従い評価した結果を表 I一 3に示した。 ま た、 プロピレン系ランダム共重合体のハウダ一に、 前記 (A) の添加剤 処方を施し、 東芝機械 (株) の Mo d e 1 3 5 B押出機にてペレッ ト化 した。 得られたプロピレン系ランダム共重合体のペレツ トを三菱重工製 75mm0押出機を用い、 Tダイ出口における樹脂温度 265 ° ( 、 チル ロール温度 25°C、 引取速度 1 50m/ m i nの条件にて膜厚 30 μ m のフイノレムに成形した。 得られたフィルムについて、 上記の 「フイノレム 品質の評価法」 に従い評価した結果を表 I一 3に示した。
なお、 表中、 「実施例 I一 1」 は、 便宜上、 「実施例 1」 と記してあ る。 実施例 I一 2以降も同様である。 また、 第二発明, 第三発明, 第四 発明における各表においても、 同様の表記を用いている。
〔比較例 I一 1〕
固体触媒成分の調製において、 接触反応温度を 1 25°Cから 1 1 0°C
に変更し、 さらに反応後 1 2 5°C脱水ヘプタンを用いて洗浄する行程を 8 0° C脱水ヘプタンを用いるように変更した以外は、 実施例 1— 1 と 同様に行った。 結果を表 I一 3に示した。
〔実施例 I一 2〕
重合装置内のエチレン濃度を 5. 0モル%、 水素濃度を 8. 5モル% に、 添加剤処方を前記 (B) に変え三菱重工製 7 5 mm0押出機を用い、 Tダイ出口における樹脂温度 2 4 3°C、 チルロール温度 4 0° (:、 引取速 度 1 2 5 m/ m i nの条件にて膜厚 3 0 μ mのフィルムに成形した以外 は、 実施例 I一 1と同様に行った。 結果を表 I一 3に示した。
〔実施例 I一 3〕
重合装置内のヱチレン濃度を 7. 5モル0 /0、 水素濃度を 1 2. 2モル0 /0 に変えた以外は、 実施例 I一 2と同様に行った。 結果を表 I一 3に示し た。
〔比較例 I一 2〕
固体触媒成分の調製において、 接触反応温度を ] 2 5 :Cから 1 1 0 C に変更し、 さらに反応後 1 2 5 °C脱水ヘプタンを用いて洗浄する行程を 8 0° C脱水ヘプタンを用いるように変更した以外は、 実施例 1— 2と 同様に行った。 結果を表 I一 3に示した。
〔実施例 I一 4〕
重合装置内のエチレン濃度を 2. 7モル0 /0に変更したこと, 及び立体 規則性指標 Pを次式から求めたこと以外は、 実施例 I一 1 と同様に行つ た。 結果を表 I一 4に示した。
P= I (11)/ ( I (11 ) + I (12) + I (13)— I (4) 一 I (5)) X 1 0 0 この P値は共重合体分子鎖のプロピレン連鎖領域におけるトライアツ ド単位のァイソタクチック分率である。 なお、 この式においては m r領 域に現れる P P E連鎖の中央のプロピレン単位のメチル炭素のシグナル
強度は T 3 «5 ( 5番のシグナル) のシグナル強度により代用している。 また、 r r領域に現れる E P E連鎖中のプロピレン単位のメチル炭素の シグナル強度を Τ δ δ ( 4番のシグナル) のシグナル強度により代用し ている。 Ρの算出方法には、 前記実施例 I一 1において記載した方法と 本実施例において記載した方法があるが、 実質的には多くの場合同一の 結果を示すものである。 両者が異なる場合には、 本実施例の算出方法を 用いることがより適切である。
〔実施例 I一 5〕
重合装置内のエチレン濃度を 5 . 3モル%に変更したこと、 及び Ρの 算出方法を実施例 I一 4と同様に行ったこと以外は、 全て実施例 I一 2 と同様に行った。 結果を表 I一 4に示した。
〔実施例 I一 6〕
重合装置内のエチレン濃度を 7 . 9モル%に変更したこと、 及び の 算出方法を実施例 ]ー4と同様に行ったこと以外は、 全て実施例 I一 2 と同様に行った:-. 結果を表 ]ー4に示した。
一 3
実施例 1 比較例 1 実施例 2 実施例 3 比較例 1
C (重量%) 2.0 2.1 4.0 6.0 4.1 樹 Wp (重量%) 了 9.1 了 5.5 53.1 31.8 39.9
W0 (重量%) 1.53 2.10 2.18 2.93 3.28 脂 (3+2 な) /4 1.75 1.80 2.75 3.75 2.80
M 1 (g/10min) 了.1 了 .1 T.4 7.5 7.6 待 P (モル'/') 99.2 99.2 99.1 98.8 98.8
T m (。C) 146.4 147.5 133.5 120.5 135.9 性 (160-5な) 150.0 149.5 140.0 120.0 129.5
WH (重量%) 1.0 0.6 7.3 1.9 2.0
3 a 6.0 6.3 12.0 18.0 12.3
E (重量%) 0.9 1.0 1.4 1.9 2.0
(2α+15)/10 1.90 '1.92 2.30 2.70 2.32 添 スリクプ剤 (ppm) 250 250 500 500 500 力!]
剤 アンチブ! ^キンク' 剤 (ppm) 1000 1000 2300 2300 2300 フ ヒ-トシ-ル温度 (°C) 139 141 127 116 132 ィ 条件 (1) (N/m2) 25 2了 了 13 9 ル 条件 (2) (N/m2) 12 13 6 12 了 ム 静摩擦係数 0.76 0.81 0.25 0.21 0.1了 特 ヘイズ (%) 2.2 2.1 4.3 4.0 4.4 性 フィルムインバ (KJ/m) 13 13 21 破断せず 20 引張弾性率 (MPa) 1020 980 850 600 840
一 4
実施例 4 実施例 5 実施例 6 α (重量%) 2.1 4.2 6.3 樹 Wp (重量%) 了 9.1 52.了 30.5
W0 (重量%) 1.54 2.23 2.88 脂 (3+2 な) /4 1.80 2.85 3.90
M 1 (g/10min) 6.9 6.8 6.6 待 P (モル%) 99.0 99.0 99.1
T m (°C) 145.9 133.1 119.3 性 (160-5 or) 149.5 139.0 128.5
WH (重量%) 1.1 7.5 14.9
3 a 6.3 12.6 18.9
E (重量%) 0.9 1.4 2.1
(2ΛΤ+15)/10 1.90 2.30 2.80 添 スリップ剤 (ppm) 250 500 500 刀 U
剤 アンチブ α7キング 剤 (ppm) 1000 2300 2300 フ ヒ-トシ-ル温度 (°C) 138 127 115 ィ 条件 (1) (N/m2) 25 8 16 ル 条件 (2) (N/m2) 13 6 13 厶 静摩擦係数 0.71 0.24 0.18 特 ヘイズ (%) 2.1 4.1 3.8 性 フィルムインパクト (KJ/m) 14 22 破断せず 引張弾性率 (MPa) 1000 850 590
[第二発明]
「樹脂特性評価法」
① 1 3 C— NMRによるエチレン単位の含有量 ο; (重量%) 及び立体規則 性指標 P (モル。/。) の測定
(ィ) ブロヒレンとエチレンからなるァロピレン系二元ランダム共重合 体の場合
エチレン単位の含有量ひについては、 第一発明おいて記載したのと同 様の方法により算出した。
また、 立体規則性指標 P (モル%) は次式から算出した。
P r = { I (11)/ ( I (11) + I (12)+ I (13) - I (4) - I (5)) } X 1 00 この P r値は共重合体分子鎖のプロピレン連鎖領域における トライァ ッ ド単位のァイソタクチック分率である。 なお、 この式においては m r 領域に現れる P P E連鎖の中央のブロビレン単位のメチル炭素のシグナ ル強度は Τ /3 δ (5番のシグナル) のシグナル強度により代用している。 また、 r r領域に現れる E P E連鎖中のブロピレン単位のメチル炭素の シグナル強度を Τ δ δ (4番のシグナル) のシグナル強度により代用し ている。
(2) 昇温分別クロマトグラフ (TRE F) (Wp t , WHt, WO t , Wp r, WHr, WO r (重量%) )
第一発明のところで記載したのと同じ方法にて求めた。
(3) 示差走査型熱量計 (D S C) による共重合体の結晶化曲線におけ る最高温度側のピーク トップ温度 (T c t, T c r (°C) ) 及び融点 (T m t , Tm r (°C) )
パーキンエルマ一社製の DS C 7型示差走査型熱量計を用いて測定し た。 あらかじめ試料 1 Omgを窒素雰囲気下 230°Cで 3分間溶融した 後、 1 OOCZm i nで 20 °Cまで降温して得られた結晶化発熱曲線にお
ける最高温度側のピーク トップ温度を (T c t, T c r (°C) ) とした。 さらにこの温度で 3分間保持した後、 1 0°C/m i nで昇温させて得ら れた融解吸熱曲線の最大ピークのピーク トップ温度を融点 (Tm t, T m r (°C) ) とした。
(4) 共重合体中の沸騰ジェチルエーテル抽出量 (E t, E r (重量%) ) 第一発明のところで記載したのと同じ方法にて求めた。
(5) メルトインデックス M I (gZl Om i n)
J I S K 72 1 0に従い、 温度 230°C、 荷重 2, 1 60 gで測 定した。
(6) 分子量分布 (MwZMn)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィは以下の条件にて測定した。 重量平均分子量 Mwと数平均分子量 Mnとの比を分子量分布 (MwZMn) として求めた。
カラム: TOSO B M H H R - H (S) HT
溶媒: 1, 2, 4一 トリクロルベンゼン
カラム温度: 145°C
流速: 1. 0ミリリ ツトル/分
検重線: Un i v e r s a l C a l i b r a t i o n
検出器: R I (Wa t e r s 1 50 C)
解析プログラム: HT— G P C (Ve r 1. 0)
「共重合体組成物特性評価法」
(1) 示差走査型熱量計 (DS C) による共重合体組成物の結晶化曲線 における最高温度側のピーク トップ温度 T c (°C) 及び融解曲線におけ る最低温度側のピーク トップ温度 Tm (°C)
パーキンエルマ一社製の D S C 7型示差走査型熱量計を用いて測定し た。 あらかじめ試料 1 Omgを窒素雰囲気下 230°Cで 3分間溶融した
後、 1 0°C/m i nで 20 Cまで降温して得られた結晶化発熱曲線にお ける最高温度側のピーク トップ温度を T c (°C) とした。 さらにこの温 度で 3分間保持した後、 1 0 / m i nで昇温させて得られた融解吸熱 曲線の最低温度側ピークのピーク トップ温度を Tm (°C) とした。
(2) 共重合体組成物中の沸騰ジェチルエーテル抽出量 E (重量%) 前記 「樹脂特性評価法」 に記載と同様の方法にて求めた。
「フィルム品質の評価法」
製膜したフィルムは全て温度 40°Cにて 24時間のァニール処理を行 い、 更に温度 23 ± 2°C、 湿度 50 ± 1 ◦ %で 1 6時間以上の状態調節 した後に同じ温度、 湿度条件下で測定を行った。
(1) ヒートシール温度
第一発明のところで記載したのと同じ方法にて求めた。
(2) アンチブロッキング性
2枚のフィルムについて、 一枚の金属ロール面ともう一枚の反金属口 —ル面とを以下の条件にて密着させ、 1 0 X 1 0 cmの治具にそれぞれ を固定し、 1 0 X 1 0 c mの面積の密着強度を以下の条件の引剥試験に より測定した。
密着条件:温度 50 °C、 7日間、 荷重 1 5 g / cm2 面積 1 0 X 1 0 c m
引剥試験条件:テス トスピード; 20 mm/ min、 口―ドセル; 2 K g
(3) スリップ性 (静摩擦係数)
第一発明のところで記載したのと同じ方法にて求めた。
(4) 透明性 (ヘイズ)
J I S K 7 1 05に従い測定した。
(5) 耐衝撃性
東洋精機製作所製のフィルムィンパク トテスタ一において 1 / 2イン チ衝撃頭を用いた衝撃破壊強度により評価した。
( 6 ) 引張弾性率
第一発明のところで記載したのと同じ方法にて求めた。
プロピレン系ランダム共重合体の製造
〔製造例 II一 1〕
(マグネシゥム化合物の調製)
実施例 I一 1に記載と同様の方法により調製した。
(固体触媒成分の調製)
実施例 I一〗に記載と同様の方法により調製した。
(予備重合)
実施例 I一〗に記載と同様の方法により行った。
(重合)
内容積 2 0 0リ ツ トルの攪拌器付重合槽に上記の触媒成分を成分中の チタン原子換算で 3 ミ リモル k g (ポリマ一) で、 トリェチルアルミ 二ゥムを 4ミリモル Z k g (ポリマー) で、 ジシクロペンチルジメ トキ シシランを 1 ミリモル/ k g (ポリマ一) でそれぞれ供給し、 重合温度
8 0 °C、 重合圧力 (全圧) 2 8 k g Z c m 2 Gでプロピレンとエチレン を反応させた。 この時所定のェチレン含量なるようにェチレン供給量を、 所定の分子量になるように分子量調節剤の水素供給量を調節した。 また この時の重合装置内ガス組成をガスクロマトグラフにより分析したとこ ろ、 エチレン濃度は 5 . 0モル%、 水素濃度は 8 . 5モル。 /。であった。 得られたプロピレン系ランダム共重合体のパウダ一について下記の 「樹 脂特性評価法」 に従い評価した結果を第 II一 1表に示す。
第 II _ 1
〔実施例 II一 1〕
製造例 II一 1で得られたプロピレン系ランダム共重合体 1 00重量部 に、 核剤として、 ビス (2, 4, 8 1 0—テトラ一 t一ブチル一 6— ヒ ドロキシー 1 2 H—ジベンゾ [d g] [1 3 2] ジォキソホス ホシン— 6—ォキサイ ド) 水酸化アンモニゥム塩 (旭電化社製、 アデガ スタブ NA— 21) を 0. 1重量部添加し、 さらに、 酸化防止剤として、 ィルガノックス 1 0 1 0 (チバ . スペシャルティ . ケミカルズ社製) を 0. 1重量部、 ィルガフォス 1 6 8 (チノく ' スペシャルティ ' ケミカル
ズ社製) を 0. 1重量部、 アンチブロッキング剤として、 シリカ系化合 物 (富士シリシァ社製) を 0. 23重量部、 中和剤として、 ステアリン 酸カルシウムを 0. 1重量部、 滑剤として、 エル力酸アミ ドを 0. 05 重量部を添加し、 東芝機械 (株) の Mo d e 1 3 5 B押出機にてペレツ ト化した。 そのペレッ トについて前記の 「共重合体組成物特性評価法」 に従い評価した結果を第 II一 2表に示す。
得られたフ :口ピレン系ランダム共重合体のペレツ トを三菱重工製 75 mm0押出機を用い、 Tダイ出口における樹脂温度 243°C、 チルロー ル温度 40 :、 引取速度 1 25 m/ m i nの条件にて膜厚 30 μ mのフ イルムに成形した。
得られたフィルムについて、 上記の 「フィルム品質の評価法」 に従い 評価した結果を第 II— 2表に示す。
〔参考例 II一 1〕
実施例 II—〗 において、 核剤を使用しなかったこと以外は同様に実施 した。 その結果耳部のチルロールリ リース性が悪くなり、 きれいなフィ ルムを得ることができなかった。
結果の一部を第 II 2表に示す。
T/JP99/0457
第 II —2
[第三発明]
〔樹脂特性の評価方法〕
① 1 3 C— NMRによるエチレン単位の含有量ひ (重量%) 及び立体規則 性指標 P (モル%) の測定
(ィ) プロピレンとエチレンからなるプロピレン系二元ランダム共重合 体の場合
Iチレン単位の含有量ひについては、 第一発明おいて記載したのと同 様の方法により算出した。
また、 立体規則性指標 Pr (モル%) は次式から算出した。
Pr ={ 1 (11)/ ( I (11) + I (12)+ I (13)— I (2) - I 画 X 1 00 この Pr 値は共重合体分子鎖のプロピレン連鎖領域におけるトライア ッド単位のァイソタクチック分率である。 なお、 この式においては m r 領域に現れる P P E連鎖の中央のプロピレン単位のメチル炭素のシグナ ル強度を S a y ( 2番のシグナル) のシグナル強度により、 r r領域に 現れる E P E連鎖中のプロピレン単位のメチル炭素のシグナル強度を T δ δ (4番のシグナル) のシグナル強度により代用している。
②昇温分別クロマトグラフィー (TREF)
第一発明のところにて記載したのと同じ方法により求めた。
③示差走査型熱量計 (DS C) による共重合体の融点 Tm(°C) 、 示差熱 量 ΔΗΒ ( J /g)および樹脂組成物の結晶化温度 T C°C)、融点 Tm (°C) パーキンエルマ一社製の D S C 7型示差走査型熱量計を用いて測定し た。 あらかじめ試料 1 0 m gを窒素雰囲気化 230 で 3 m i n溶融し た後、 1 ◦ r-C/m i nで 20 °Cまで降温する。 この温度で 3 m i n保持 した後、 1 0°C/m i nで昇温させて得られた融解吸熱曲線の最大ピ一 クのピーク トップ温度を融点とした。 また、 同じ方法でプロピレン系樹 脂組成物の D S C測定を行い得られた結晶化曲線から最高温度側のピ一 ク トップ温度を結晶化温度 T c (°C) とし、 融解吸熱曲線の最低温度側の ピーク トップ温度を融点 Tm (°C) とし、 そのときの融解熱量を ΔΗΒ とした。
④共重合体中の沸騰ジェチル工一テル抽出量 E (重量。 /0 )
第一発明のところにて記載したのと同じ方法により求めた。
⑤メルトインデックス M I (gZl Om i n)
J I S K 72 1 0に従い、 温度 230°C、 荷重 2 1 60 gで測定し た。
⑥分子量分布 (Mw/Mn)
第二発明のところにて記載したのと同じ方法により求めた。
〔フィルム品質の評価法〕
製膜したフィルムは全て温度 40°Cにて 24時間のァニール処理を行 レ、、 更に温度 23 ± 2°C、 湿度 50 ± 1 0%で 1 6時間以上の状態調節 した後に同じ温度、 湿度条件下で測定を行った。
①ヒートシール温度
第一発明のところにて記載したのと同じ方法により求めた。
②アンチブロッキング性
第二発明のところにて記載したのと同じ方法により求めた。
③スリップ性
第一発明のところにて記載したのと同じ方法により求めた。
④透明性 (ヘイズ)
J I S K 7105に従い測定した。
⑤耐衝撃性
東洋精機製作所製のフィルムィンパク トテスタ一において 1/2イン チ衝撃頭を用いた衝撃破壊強度により評価した。
⑥引張弾性率
第一発明のところにて記載したのと同じ方法により求めた。 〔プロピレン系重合体の製造〕
(1) プロピレン一エチレン . ランダム共重合体 (A— 1)
(マグネシゥム化合物の調製)
実施例 I— 1に記載と同様の方法により行った。
(固体触媒成分の調製)
実施例 I一 1に記載と同様の方法により行った。
(予備重合)
実施例 I一 1に記載と同様の方法により行った。
(本重合)
内容積 200リ ツ トルの攪拌器付重合槽に前記の固体触媒成分を成分 中のチタン原子換算で 3mm o 1 Zk g— P Pで、 トリエチルアルミ二 ゥムを 4 mm o 1 / k g— P Pで、 ジシク口ベンチノレジメ トキシシラン を 1 mmo 1 Zk g— P Pでそれぞれ供給し、 重合温度 80':C、 重合圧 力 (全圧) 28 k g/c m2Gでプロピレンとエチレンを反応させた。 この時、 所定のエチレン含量になるようにエチレン供給量を、 所定の分 子量になるように分子量調整剤の水素供給量を調整した。 また、 この時 の重合装置内ガス組成をガスクロマトグラフィ一により分析したところ、 エチレン濃度は 7. 5mo 1 %、 水素濃度は 1 2. 2 m o 1 %であった。 得られたポリマーの樹脂特性を測定し、 表 III一 1に示した。
(2) プロピレン一エチレン ' ランダム共重合体 (A— 2)
本重合を以下のように変更したこと、 及び立体規則性指標 P rを下記 の算出方法により求めたこと以外は (A— 1) と同様に行った。
内容積 200リ ツ トルの攪拌器付重合槽に前記の固体触媒成分を成分 中のチタン原子換算で 3mm o 1 Zk g— P Pで、 トリエチルアルミ二 ゥムを 4 mm o 1 Zk g— P Pで、 ジシク口ペンチノレジメ トキシシラン を l mmo lZk g— P Pでそれぞれ供給し、 重合温度 80°C, 重合圧 力 (全圧) 28 k g Z c m2 Gでプロピレンとエチレンを反応させた。 この時、 所定のエチレン含量になるようにエチレン供給量を、 所定の分 子量になるように分子量調整剤の水素供給量を調整した。 また、 この時 の重合装置内ガス組成をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、 エチレン濃度は 7. 9 mo 1 %、 水素濃度は 1 2. 2 mo 1 %であった。 得られたポリマーの樹脂特性を測定し、 表 III一 1に示した。
立体規則性指標 P rは、 次式から算出した。
P r = { I (11)/ ( I (11) + I (12)+ I (13)— I (4)一 I (5))} X 100 但し、 例えば I (1) は表 I一 1におけるシグナル番号 1のシグナル強 度である。
この P r値は共重合体分子鎖のプロピレン連鎖領域における トライァ ッ ド単位のァイソタクチック分率である。 なお、 この式においては m r 領域に現れる P P E連鎖の中央のプロピレン単位のメチル炭素のシグナ ル強度は Τ δ (5番のシグナル) のシグナル強度により代用している。 また、 r r領域に現れる E P E連鎖中のプロピレン単位のメチル炭素の シグナル強度を Τ δ δ (4番のシグナル) のシグナル強度により代用し ている。 ところで、 プロピレン一エチレン · ランダム共重合体における P rの算出方法には、 前記 〔樹脂特性の評価方法〕 の①のィ) 、 具体例 としては (A— 2) において記載した方法と本例において記載した方法 があるが、 実質的には多くの場合同一の結果を示すものである。 両者が 異なる場合には、 本例の算出方法を用いることがより適切である。
(5) プロピレン系重合体 (B— 1)
本重合を以下のように変更した以外は (A— 1) と同様に行った。 内容積 200リ ツ トルの攪拌器付重合槽に前記の固体触媒成分を成分 中のチタン原子換算で 3mm o 1 Zk g— P Pで、 トリエチルアルミ二 ゥムを 4mm o 1 /k g - P Pで供給し、 本重合時にはジシク口ペンチ ルジメ トキシシランを供給せず、 重合温度 80°C、 重合圧力 (全圧) 2
8 k gZ c m2 Gでプロピレンの単独重合を行った。 この時、 所定の分 子量になるように分子量調整剤の水素供給量を調整した。 また、 この時 の重合装置内ガス組成をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、 水素濃度は 4. 4mo l %であった。 また、 J I S K 72 1 0に準 拠し測定したメノレトインデックスは 5. 8 g / 1 0 m i ηであった。
得られたポリマーの樹脂特性を測定し、 表 III— 1に示した。
A— i A— 2 D一 I i
TcA °C 80.4 80.0 TcB C 1 ID. o
I'mr °C 120.5 119.3 TmB °C 164.7 a wt% 6.0 6.3 ΔΗΒ J/g 11了
Wpr wt% 31.8 30.5 TmB/2+10 92
Whr t% 1.9 14.9
Wor t% 2.93 2.88
E r wt% 1.9 2.1
M 1 r g/IOmin 7.5 6.6
Pr mol% 98.8 99.1
M /Mn 3.3 3.8
〔実施例 III一 1〕
(1) プロピレン系樹脂組成物
プロピレン系ランダム共重合体 (A— 1) 90重量部とプロピレン重 合体 (B— 1 ) 1 0重量部を配合した樹脂組成物に、 下記の添加剤を加 え、 東芝機械の Mo d e 1 35 B押出機を用いて混練造粒した。
①酸化防止剤
チバスぺシヤノレティケミカノレズ社のイノレガノ ックス 1 0 1 0 : 1 00 O p pm チバスペシャルティケミカノレズ社のィルガフォス 1 68 : 1 000 p p m
②中和剤
ステアリン酸カノレシゥム: 1000 p p m
③アンチブロッキング剤
富士シリシァ社のシリカ系アンチブロッキング剤: 2 3 0 0 p p m ④スリップ剤
エルカ酸ァミ ド: 5 0 0 p p m
( 2 ) フィルム製膜
このようにして得たプロピレン系樹脂組成物のぺレッ トから三菱重工 業製 7 5 mm ø押出機を用い、 Tダイ出口における樹脂温度 2 4 3 °C、 チルロール温度 4 O :、 引取速度 1 5 0 m/m i nの条件にて膜厚 3 0 μ mのフィルムに成形した。
樹脂組成物を構成する配合比、 樹脂特性及び得られたフィルムの特性 について表 III一 2に示した。
〔比較例 111— 1〕
プロピレン系重合体 (B— 1 ) を配合しなかった以外は、 実施例 II I — 1と同様に行った。 し力、し、 耳部のチル口一ルリ リース性が悪くなり、 きれいなフィルムを得ることが出来なかった。
樹脂組成物を構成する配合比、 樹脂特性及び得られたフィルムの特性 について表 III一 2に示した。
〔実施例 III一 2〕
プロピレン系ランダム共重合体 (A _ l ) の代わりプロピレン系二元 ランダム共重合体 (A— 2 ) を使用したこと以外は全て実施例 ΙΠ— 1 と同様に行った。 樹脂組成物を構成する配合比、 樹脂特性及び得られた フィルムの特性について表 III— 2に示した。
〔比較例 111—2〕
( B— 1 ) を配合しなかったこと以外は全て実施例 II I一 2と同様に 行った。 しかし、 耳部のチルロールリ リース性が悪くなり、 きれいなフ イルムを得ることが出来なかった。
樹脂組成物を構成する配合比、 樹脂特性及ぴ得られたフィルムの特性
:ついて表 I II一 2に示した < 表 m— 2
[第四発明]
「樹脂特性評価法」
① 1 3 C— NM Rによるエチレン単位の含有量 γ (重量0 /0) 及び立体規則 性指標 Ρ (モル%) の測定
(ィ) プロピレンとエチレンからなるプロピレン系二元ランダム共重合 体の場合
エチレン単位の含有量 γについては、 第一発明おいて記載したのと同 様の方法により算出した。
また、 立体規則性指標 Ρ (モル%) は次式から算出した。
Ρ= { I (11)/ ( I (11) + I (12)+ I (13)- I (4)一 I (5))} X 100 この Ρ値は共重合体分子鎖のプロピレン連鎖領域における トライアツ ド単位のァイソタクチック分率である。 なお、 この式においては m r領 域に現れる P P E連鎖の中央のプロピレン単位のメチル炭素のシグナル 強度は Τ δ ( 5番のシダナル) のシグナル強度により代用している。 また、 r r領域に現れる E P E連鎖中のプロピレン単位のメチル炭素の シグナル強度を Τ δ δ (4番のシグナル) のシグナル強度により代用し ている。
②昇温分別クロマトグラフ (TREF)
温度 1 35 °Cに調節した TRE Fカラムに試料溶液を導入し、 次いで 速度 5°CZh rにて徐々に 0°Cまで降温し、試料を充填剤に吸着させる。 その後カラムを速度 40°C/h rにて 1 35 ;Cまで昇温し、 溶出曲線を 得た。 これより、 WO、 Wp、 WH を求めた。
測定装置、 及び測定条件については、 第一発明のところで記載したの と同様である。
③示差走査型熱量計 (DS C) による共重合体の融点 Tm (°C)
パーキンエルマ一社製の DS C 7型示差走查型熱量計を用いて測定し た。 あらかじめ試料 1 Omgを窒素雰囲気化 230°Cで 3 m i n溶融し た後、 1 0 CZm i nで 20°Cまで降温する。 この温度で 3 m i n保持 した後、 1 0°CZm i ηで昇温させて得られた融解吸熱曲線の最大ピー クのピーク トップ温度を融点とした。
④共重合体中の沸縢ジェチルエーテル抽出量 Ε (重量%)
第一発明のところで記載したのと同様の方法で求めた。
⑤メノレトインデックス M I (gZl Om i n)
J I S 72 1 0に従い、 温度 230°C、 荷重 2 1 60 gで測定し た。
⑥ 分子量分布 (Mw/Mn)
第二発明のところで記載したのと同様の方法で求めた。
「積層体の評価法」
成形した積層体は全て温度 40°Cにて 24時間のァニール処理を行い、 更に温度 23 ± 2 °C、 湿度 50 ± 1 0 %で 1 6時間以上の状態調節した 後に同じ温度、 湿度条件下で測定を行った。
①アンチブロッキング性
測定条件 1として、 2枚の積層体について、 一方の積層体の反金属口 —ル面 (二ヒートシール面) と他方の積層体の同じく反金属口一ル面 (= ヒー トシール面) とを以下の条件にて密着させた。 その後、 密着させた 2枚の積層体を 1 0 c mX ] 0 c mの治具にそれぞれを固定し、 1 0 c mX 1 0 cmの面積の密着強度 (単位: NZm2) を以下の条件の引剥 試験により測定した。 密着強度が小さいほどアンチプロッキング性が優 れる。
密着条件: 温度 50°C, 7日間、 荷重 1 5 g / c m 2 、 面積 l O cmX I O cm 引剥試験条件:
テス トスピード : 20 mm/ m i n
ロードセノレ : 2 k g
また、 測定条件 2として密着面を反金属ロール面 (二ヒートシール面) と金属口一ル面 (=ラミネート面) に変更したこと以外は測定条件 1 と 同様に行った。
②ヒートシール温度
第一発明のところで記載したのと同様の方法で求めた。
③透明性 (ヘイズ)
J I S 7 1 05に従い測定した。
④引張弾性率
J I S K7 1 27に準拠した引張試験により以下の条件にて測定し た。
ク口スへッド速度 : 500 mm/ m i n
口—ト、、セノレ : 1 0 k g
測定方向:マシン方向 (MD)
〔実施例 IV— 1〕
(マグネシウム化合物の調製)
実施例 I一 1に記載と同様の方法により行った。
(固体触媒成分の調製)
実施例 I一 1に記載と同様の方法により行った。
(予備重合)
実施例 I一 1に記載と同様の方法により行った。
(重合)
内容積 200リツ トルの攪拌器付重合槽に前記の固体触媒成分を成分 中のチタン原子換算で 3mm o 1 / 8— ?で、 トリェチルアルミ二 ゥムを 4mm o 1 /k g— P Pで、 ジシク口ペンチルジメ トキシシラン を l mmo l Zk g— P Pでそれぞれ供給し、 重合温度 80°C、 重合圧 力 (全圧) 28 k gZ c m2 Gでプロピレンとエチレンを反応させた。 このとき、 所定のエチレン含量になるようにエチレン供給量を、 また所 定の分子量になるように水素供給量を調節した。 またこの時の重合装置
内ガス組成をガスクロマトグラフにより分析したところ、 エチレン濃度 は 7. 5モル0 /0、 水素濃度は 1 2. 2モル0 /。であった。 このようにして プロピレン系二元ランダム共重合体 [A— 1] を得た。
(ペレツト化及び製膜)
こうして得られたプロピレン系ランダム共重合体のパウダーについて 前記の 「樹脂特性評価法」 に従い評価した結果を表 IV— 1に示した。 ま た、 フロピレン系ランダム共重合体のパウダーに、 下記の添加剤処方を 施し、 東芝機械 (株) の Mo d e 1 35 B押出機にてペレツト化した。
①酸化防止剤
チバスぺシヤノレティケミカノレズ社のイノレガノックス 10 1 0 : 1 000 P P m
チバスぺシヤノレティケミカノレズ社のイノレガフォス 1 68 : 1000 p p m
②中和剤
ステアリン酸カルシウム : l O O O p pm
③アンチブロッキング剤
富士シリシァ社のシリカ系アンチプロッキング剤: 2300 p pm
④スリッブ剤
エルカ酸ァミ ド: 500 p p m
(積層体の成形)
江新ェンジニアリング社の Tダイ、 俵谷鉄工所製のフィードブロック 部、 ブラコ一社製の EX40型押出機 (NO. 1 ) 、 田辺プラスチック 機械社製の VS 30— 26型押出機 (NO. 2) 、 陸亜社製の RT— 3 — 30型押出機 (NO. 3、 及び N〇. 4の 2台) からなるフィードブ ロック型 Tダイの多層積層体成形機を用いた。 層構成は N0. 2押出機 により押出された樹脂が 2層に分割され、 第一チルロール面の反対側か
ら順に NO, 1 /NO. 2/NO. 4/NO. 2/NO. 3 の 4種 5 層構成になる。 本発明の実施例 IV— 1においては NO. 1押出機から上 記のプロピレン系ランダム共重合体 [A— 1 ] のペレットを、 NO. 2、 及び NO. 4押出機から出光ポリプロ F— 7 2 4 N Pを、 NO. 3押 出機から出光ボリプロ F— 7 0 4 N Pを押出して、 ブロピレン系ラン ダム重合体 [A_ 1 ] 層ノ F— 7 2 4 N P層/ F— 7 0 4 N P層 = 1 / 3/ 1の層厚み比で全厚み 3 0 μ mの積層体を成形した。 このときフィ —ドブロック部及び Tダイ出口の樹脂温度は 2 3 0 ° (:、 チル口一ル温度 は 3 0°C、 引取速度は 25mZm i nに設定した。
得られた積層体について、 前記 「積層体の評価法」 に従い評価した結 果を表 IV— 2に示した。
〔実施例 IV— 2〕
NO. 2、 及ぴ N〇. 4押出機から出光ポリプロ F— 7 2 4 N Pの 代わりに F— 7 0 4 N Pを押出したこと以外は実施例 IV— 1 と同様に行 つた。 なおこのときの多層積層体の層構成はプロビレン系ランダム重合 体 [A— 1 ] 層/ F— 7 0 4 N P層 = 1 4 (厚み比) である。
得られた結果を表 IV— 2に示した。
〔比較例 IV— 1〕
プロピレンランダム共重合体 [A— 1 ] の代わりに出光ポリプロ F 一 744 N Pを使用したこと以外は実施例 IV— 1と同様に行った。
得られた結果を表 IV— 1及び表 IV— 2に示した。
表 IV — 1
表 IV— 2
産業上の利用分野
以上に述べたように、 本発明によれば、 ポリプロピレンのフィルムが本来有 する剛性、 透明性及び防湿性等の好ましい特性を損なうことなく、 優れたヒ一 トシ一ノ 性を発現し、 かつ高速製袋に必要なスリップ性及びアンチブロッキン グ性を兼ね備えたフィルムを得ることができる。 また製膜速度を高速化しても フィルム品質の低下が極めて小さく、 さらには、 成形性やフィルム特性が改良 されたものである。