JP2001114908A - ポリプロピレン二軸延伸フィルム - Google Patents

ポリプロピレン二軸延伸フィルム

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JP2001114908A
JP2001114908A JP29105899A JP29105899A JP2001114908A JP 2001114908 A JP2001114908 A JP 2001114908A JP 29105899 A JP29105899 A JP 29105899A JP 29105899 A JP29105899 A JP 29105899A JP 2001114908 A JP2001114908 A JP 2001114908A
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biaxially stretched
polypropylene film
magnesium
mmmm
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Itaru Kuramoto
格 倉本
Hiroshi Obata
寛 小幡
Takeshi Ota
剛 太田
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水蒸気透過度が小さく水蒸気バリアー性に優
れるポリプロピレン二軸延伸フィルムを提供する。 【解決手段】 JIS K 7129B法による厚み2
5μmにおける水蒸気透過度が4.0g/m2 ・day
以下のポリプロピレン二軸延伸フィルム。GPC法によ
る分子量分布曲線のピークの分子量(Mp)が1000
0以上、Mw/Mnが5.5以下、昇温分別法による1
05℃以下の溶出成分のメソペンタッド分率[mmm
m]とMpが下記式の関係を満たす結晶性ポリプロピレ
ンからなるポリプロピレン二軸延伸フィルム。 [mmmm]>142.4×Mp-0.034−4.0

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリプロピレン二
軸延伸フィルムに関し、詳しくは、水蒸気透過度が小さ
く防湿性に優れ、さらに加熱収縮率も小さく印刷特性に
も優れ、ヒートシール基材に好適なポリプロピレン二軸
延伸フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、熱
可塑性ポリエステル樹脂やポリアミド樹脂等のフィルム
に比較すれば防湿性(水蒸気バリアー性とも言う)に優
れるが、食品包装などの用途において要求される防湿性
能には必ずしも充分ではないという欠点がある。該防湿
性を改善するために、ポリプロピレンにテルペン樹脂若
しくは石油樹脂を配合させることが提案されている(特
開昭59−143613号公報、特開昭60−1639
49号公報、特開昭64−26649号公報、特開平2
−301433号公報、特開平2−301435号公報
等)。しかしながら、これらの方法ではフィルム表面に
石油樹脂がブリードし、フィルムのべたつき、外観不良
などの問題があり、改善が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる状況
に鑑みてなされたものであり、水蒸気透過度が小さく水
蒸気バリアー性に優れ、さらには加熱収縮率も小さく印
刷特性にも優れるポリプロピレン二軸延伸フィルムを提
供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意研究を重ねた結果、特定の結晶性ポ
リプロピレンからなる二軸延伸フィルムが本目的を達成
できることを見出し、これに基づいて本発明を完成させ
た。
【0005】すなわち、本発明は以下に示すポリプロピ
レン二軸延伸フィルムを提供するものである。 1. JIS K 7129B法により測定した厚み2
5μmにおける水蒸気透過度が4.0g/m2 ・day
以下のポリプロピレン二軸延伸フィルム。 2. JIS K 6782法により測定した120℃
におけるMD方向の加熱収縮率が1%以下及びTD方向
の加熱収縮率が2%以下の上記1記載のポリプロピレン
二軸延伸フィルム。 3. ゲルパーミエイションクロマトグラフィー法によ
る分子量分布曲線のピークの分子量(Mp)が1000
0以上であり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
(Mn)の比Mw/Mnが5.5以下であり、昇温分別
法により得られる105℃以下の溶出成分について核磁
気共鳴スペクトルにより求めたアイソタクチックペンタ
ッド分率[mmmm]とMpが下記(1)式の関係を満
たす結晶性ポリプロピレンからなる上記1又は2記載の
ポリプロピレン二軸延伸フィルム。 [mmmm]>142.4×Mp-0.034−4.0・・・(1) 4. 結晶性ポリプロピレンが下記(2)式の関係を満
たす上記3記載のポリプロピレン二軸延伸フィルム。 [mmmm]>142.4×Mp-0.034−2.5・・・(2) 5. 結晶性ポリプロピレンが下記(3)式の関係を満
たす上記3記載のポリプロピレン二軸延伸フィルム。 [mmmm]>142.4×Mp-0.034−1.0・・・(3) 6. 結晶性ポリプロピレン100重量部に対し酸化防
止剤0.001〜1重量部を含有する上記3〜5のいず
れかに記載のポリプロピレン二軸延伸フィルム。 7. 酸化防止剤がリン系酸化防止剤、フェノール系酸
化防止剤及びイオウ系酸化防止剤の1種もしくは2種以
上から選ばれる上記6記載のポリプロピレン二軸延伸フ
ィルム。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明のポリプロピレン二
軸延伸フィルムについて詳細に説明する。
【0007】本発明のポリプロピレン二軸延伸フィルム
は、JIS K 7129B法により測定した厚み25
μmにおける水蒸気透過度が4.0g/m2 ・day以
下、好ましくは3.5g/m2 ・day以下のフィルム
である。本発明のポリプロピレン二軸延伸フィルムは、
水添石油樹脂やテルペン樹脂等を含まなくても高い防湿
性がある。また、他の防湿性の高いフィルムとラミネー
トすることなく単一のフィルム自体で高い防湿性を示
す。水蒸気透過度が4.0g/m2 ・dayを超えると
防湿性が低下して食品包装、医療包装等の分野では使用
されないことがある。なお、一般に水蒸気透過度は、フ
ィルム厚みの影響を受けるが、本発明で言う水蒸気透過
度はフィルム厚み25μmに換算したときの値である。
【0008】本発明のポリプロピレン二軸延伸フィルム
としては、JIS K 6782法により測定した12
0℃におけるMD方向の加熱収縮率が1%以下及びTD
方向の加熱収縮率が2%以下であることが好ましい。さ
らに好ましくは、140℃におけるMD方向の加熱収縮
率が1.5%以下及びTD方向の加熱収縮率が4%以下
である。前記加熱収縮率の範囲を超えるとフィルムに印
刷するときにピッチのずれが発生する恐れがある。ま
た、ヒートシール時にしわができやすくなりヒートシー
ル性が低下することがある。
【0009】本発明のポリプロピレン二軸延伸フィルム
は、前記の要件を充たすものであれば特に制限はない
が、好ましくは以下に述べる結晶性ポリプロピレンによ
り好適に実現される。
【0010】本発明に用いられる結晶性ポリプロピレン
は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー法による
分子量分布曲線のピークの分子量(Mp)が10000
以上であり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
(Mn)の比Mw/Mnが5.5以下であり、かつ昇温
分別法により得られる105℃以下の溶出成分について
核磁気共鳴スペクトルにより求めたアイソタクチックペ
ンタッド分率[mmmm]とMpが下記(1)式の関係
を満たす。 [mmmm]>142.4×Mp-0.034−4.0・・・(1) 好ましくは、下記(2)式の関係を満たす。 [mmmm]>142.4×Mp-0.034−2.5・・・(2) さらに好ましくは、下記(3)式の関係を満たす。 [mmmm]>142.4×Mp-0.034−1.0・・・(3) 本発明に用いられる結晶性ポリプロピレンは、ゲルパー
ミエイションクロマトグラフィー法による分子量分布曲
線のピークの分子量(Mp)が10000以上であり、
重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比M
w/Mnが5.5以下である。好ましくは、Mpが20
000以上以上であり、Mw/Mnが5.0以下であ
る。特に好ましくは、Mpが40000以上であり、M
w/Mnが4.5以下である。Mpが10000未満で
あり、Mw/Mnが5.5を超えると得られる二軸延伸
フィルムの剛性、耐熱性、耐傷つき性が低下することが
ある。
【0011】なお、Mp,Mw及びMnは、ゲルパーミ
エイションクロマトグラフィー(GPC)の測定により
求める。即ち、ポリマ−濃度0.2g/ml(%)の
1,2,4−トリクロロベンゼン(BHTを300pp
m含む)溶液240μlを用い、カラムは混合ポリスチ
レンカラム(東ソー(株)製のGMHHR−H(S)H
Tを2本)を使用し、145℃、流速1.0ml/mi
nにて測定することによって求める。なお、測定装置は
(株)ウオーターズ社(製)150Cを用い、検出は,
示差屈折計を使用する。
【0012】また、昇温分別法により得られる105℃
以下の溶出成分とは、ポリプロピレンについて液体クロ
マトグラフィー(HPLC)により105℃以下30℃
以上の温度範囲で溶出する成分である。カラム(GLサ
イエンス社製) は30mmφ×250mm、充填剤はセ
ライト(John Manivile社製 セライト5
60)を使用する。試料濃度については、通常、パラキ
シレン60ml中にポリマー3.0g〜5.0gとなる
ように秤量する。ポリマーの溶解は、130〜140℃
で行う。溶解したポリマーは145℃で60ml注入
し、室温まで徐冷しながらポリマーを充填剤表面に結晶
化させる。徐冷の速度は、5℃/hrで行う。カラム内の
結晶化していない成分の洗浄は、パラキシレンを20m
l/minにて流通させながら30℃にて40分間かけ
て行う。洗浄後カラムを105℃まで1時間50分かけ
て定速で昇温させ、6時間保持した後、パラキシレンを
20ml/min流通させながら48分間の溶出液を分
画し、10倍量のメタノールで再沈し、105℃以下の
溶出成分を得る。
【0013】また、アイソタクチックペンタッド分率
[mmmm]は、立体規則性を表す指標の一つで、この
値が高いほど、アイソタクチック性が高いポリプロピレ
ンである。[mmmm]は、前記の方法により得られる
105℃以下の溶出成分について、13C−NMRにより
測定して求める。[mmmm]は、プロピレン重合体中
の総メチル基数(プロピレンユニットのメチル基由来の
ピーク強度)に対するアイソタクチック連鎖中のメチル
基数(アイソタクチックに結合したプロピレンユニット
の5連鎖における中央のメチル基由来のピーク強度)の
分率である。13C−NMRの測定装置は、日本電子社製
JNM−LA500NMR装置を用いる。試料200m
gを1,2,4−トリクロロベンゼン/重水素化ベンゼ
ン(9/1容積比)混合溶媒3mlに加熱溶解させた
後、内径10mmφのNMR試験管に入れ、130℃に
て10000回の積算を行う。13C核の共鳴周波数は1
25.65MHzで行う。なお、各シグナルの帰属は、
A.Zambelli et.al.,Macromo
lecules,8,687(1975),T.Hay
ashi et.al.,Polymer,29,13
8(1988)に従う。前記(1)式の関係を満たさな
いポリプロピレンでは、得られる二軸延伸フィルムの剛
性、耐熱性、耐傷つき性が低下することがある。
【0014】本発明に用いられる結晶性ポリプロピレン
としては、メルトインデックス(MI)が0.5〜10
g/10分であることが好ましい。MIが0.5g/1
0分未満では、吐出量が著しく低下し生産性が低下する
ことがある。また、10g/10分を超えると、延伸後
のフィルムの厚み均一性が低下することがある。さらに
好ましは、0.8〜5.0g/10分、特に好ましは、
1.0〜4.0g/10分である。なお、MIはJIS
K 7210に準拠し、荷重は2160g、温度は2
30℃にて測定した値である。
【0015】前記の結晶性ポリプロピレンとしては、
(A)マグネシウム化合物とチタン化合物とを電子供与
性化合物および必要に応じてケイ素化合物の存在下、1
20℃以上150℃以下の温度にて接触させた後、10
0℃以上150℃以下の温度にて不活性溶媒により洗浄
したものからなる固体触媒成分、(B)有機アルミニウ
ム化合物および必要に応じて(C)第3成分として電子
供与性化合物からなる触媒を用いてプロピレンを重合す
ることにより製造されるものが好ましい。
【0016】以下に、各触媒成分、調製方法、重合方法
等について説明する。 〔I〕各触媒成分 (A) 固体触媒成分 固体触媒成分は、マグネシウム、チタンおよび電子供与
体を含有するものであり、以下の(a)マグネシウム化
合物、(b)チタン化合物、(c)電子供性化合物およ
び必要に応じてケイ素化合物(d)から形成されるもの
である。 (a)マグネシウム化合物 マグネシウム化合物としては、特に制限はないが、一般
式(I) MgR1 2 ・・・(I) で表されるマグネシウム化合物を好ましく用いることが
できる。
【0017】上記の一般式(I)において、R1 および
2 は、炭化水素基、OR3 基(R 3 は炭化水素基)ま
たはハロゲン原子を示す。ここで、R1 およびR2 の炭
化水素基としては、炭素数1〜12個のアルキル基、シ
クロアルキル基、アリール基、アラルキル基等を、OR
3 基としては、R3 が炭素数1〜12個のアルキル基、
シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基等を、ハ
ロゲン原子としては、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素等を
挙げることができる。また、R1 およびR2 は、同一で
も異なってもよい。
【0018】上記の一般式(I)で示されるマグネシウ
ム化合物の具体例としては、ジメチルマグネシウム,ジ
エチルマグネシウム,ジイソプロピルマグネシウム,ジ
ブチルマグネシウム,ジヘキシルマグネシウム,ジオク
チルマグネシウム,エチルブチルマグネシウム,ジフェ
ニルマグネシウム,ジシクロヘキシルマグネシウム等の
アルキルマグネシウム,アリールマグネシウム;ジメト
キシマグネシウム,ジエトキシマグネシウム,ジプロポ
キシマグネシウム,ジブトキシマグネシウム,ジヘキシ
ロキシマグネシウム,ジオクトキシマグネシウム,ジフ
ェノキシマグネシウム,ジシクロヘキシロキシマグネシ
ウム等のアルコキシマグネシウム,アリロキシマグネシ
ウム;エチルマグネシウムクロリド,ブチルマグネシウ
ムクロリド,ヘキシルマグネシウムクロリド,イソプロ
ピルマグネシウムクロリド,イソブチルマグネシウムク
ロリド,t−ブチルマグネシウムクロリド,フェニルマ
グネシウムブロミド,ベンジルマグネシウムクロリド,
エチルマグネシウムブロミド,ブチルマグネシウムブロ
ミド,フェニルマグネシウムクロリド,ブチルマグネシ
ウムイオダイド等のアルキルマグネシウムハライド,ア
リールマグネシウムハライド;ブトキシマグネシウムク
ロリド,シクロヘキシロキシマグネシウムクロリド,フ
ェノキシマグネシウムクロリド,エトキシマグネシウム
ブロミド,ブトキシマグネシウムブロミド,エトキシマ
グネシウムイオダイド等のアルコキシマグネシウムハラ
イド,アリロキシマグネシウムハライド;塩化マグネシ
ウム,臭化マグネシウム,ヨウ化マグネシウム等のハロ
ゲン化マグネシウム等を挙げることができる。
【0019】これらのマグネシウム化合物の中でも、重
合活性および立体規則性の面から、マグネシウムハライ
ド、アルコキシマグネシウム、アルキルマグネシウム、
アルキルマグネシウムハライドが好適に使用できる。
【0020】上記のマグネシウム化合物は、金属マグネ
シウム、またはマグネシウムを含有する化合物から調製
することができる。
【0021】一例としては、金属マグネシウムにハロゲ
ンおよびアルコール類を接触させる方法が挙げられる。
【0022】ここで、ハロゲンとしては、ヨウ素、塩
素、臭素、フッ素が挙げられる。これらの中ではヨウ素
が好ましい。アルコール類としては、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、ブタノール、シクロヘキサノー
ル、オクタノール等が挙げられる。
【0023】また、他の一例として、Mg(OR4 2
で表されるマグネシウムアルコキシ化合物(式中、R4
は、炭素数1〜20個の炭化水素基を示す。)にハロゲ
ン化物を接触させる方法が挙げられる。
【0024】上記のハロゲン化物としては、四塩化ケイ
素、四臭化ケイ素、四塩化スズ、四臭化スズ、塩化水素
等が挙げられる。これらの中では、重合活性および立体
規則性の面から、四塩化ケイ素が好ましい。上記のR4
としては、メチル基,エチル基,プロピル基,イソプロ
ピル基,ブチル基,イソブチル基,ヘキシル基,オクチ
ル基等のアルキル基;シクロヘキシル基,アリル基,プ
ロペニル基,ブテニル基等のアルケニル基;フェニル
基,トリル基,キシリル基等のアリール基;フェネチ
ル,3−フェニルプロピル基等のアラルキル基等が挙げ
られる。これらの中では特に炭素数1〜10個のアルキ
ル基が好ましい。
【0025】さらに、マグネシウム化合物は、シリカ、
アルミナ、ポリスチレン等の支持体に担持されていても
よい。
【0026】以上のマグネシウム化合物は、単独で用い
てもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。ま
た、ヨウ素などのハロゲン、珪素、アルミニウム等の他
の元素を含有してしてもよく、アルコール、エ−テル、
エステル類などの電子供与体を含有してもよい。 (b)チタン化合物 チタン化合物としては、特に制限はないが、一般式(I
I) TiX1 p (OR5 4-p ・・・(II) で表されるチタン化合物を好ましく用いることができ
る。
【0027】上記の一般式(II)において、X1 はハ
ロゲン原子を示し、その中でも塩素原子および臭素原子
が好ましく、塩素原子が特に好ましい。R5 は炭化水素
基であって、飽和基や不飽和基であってもよく、直鎖状
のものや分枝鎖を有するもの、あるいは環状のものであ
ってもよく、さらにはイオウ、窒素、酸素、ケイ素、リ
ンなどのヘテロ原子を含むものであってもよい。好まし
くは炭素数1〜10個の炭化水素基、特にアルキル基、
アルケニル基、シクロアルケニル基、アリール基および
アラルキル基などが好ましく、直鎖または分岐鎖のアル
キル基が特に好ましい。−OR5 が複数存在する場合に
はそれらは互いに同じでも異なってもよい。R5 の具体
例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イ
ソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソ
ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプ
チル基、n−オクチル基、n−デシル基、アリル基、ブ
テニル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シク
ロヘキセニル基、フェニル基、トリル基、ベンジル基、
フェネチル基などが挙げられる。pは0〜4の整数を示
す。
【0028】上記の一般式(II)で示されるチタン化
合物の具体例としては、テトラメトキシチタン,テトラ
エトキシチタン,テトラ−n−プロポキシチタン,テト
ライソプロポキシチタン,テトラ−n−ブトキシチタ
ン,テトライソブトキシチタン,テトラシクロヘキシロ
キシチタン,テトラフェノキシチタン等のテトラアルコ
キシチタン;四塩化チタン,四臭化チタン,四ヨウ化チ
タン等のテトラハロゲン化チタン;メトキシチタントリ
クロリド,エトキシチタントリクロリド,プロポキシチ
タントリクロリド,n−ブトキシチタントリクロリド,
エトキシチタントリブロミド等のトリハロゲン化アルコ
キシチタン;ジメトキシチタンジクロリド,ジエトキシ
チタンジクロリド,ジイソプロポキシチタンジクロリ
ド,ジ−n−プロポキシチタンジクロリド,ジエトキシ
チタンジブロミド等のジハロゲン化ジアルコキシチタ
ン;トリメトキシチタンクロリド,トリエトキシチタン
クロリド,トリイソプロポキシチタンクロリド,トリ−
n−プロポキシチタンクロリド,トリ−n−ブトキシチ
タンクロリド等のモノハロゲン化トリアルコキシチタン
などを挙げることができる。これらの中で、重合活性の
面から、高ハロゲン含有チタン化合物、特に四塩化チタ
ンが好ましい。これらのチタン化合物は、それぞれ単独
で用いてもよく、また2種以上を組み合わせて用いても
よい。 (c)電子供与性化合物 電子供与性化合物としては、アルコール類、フェノール
類、ケトン類、アルデヒド類、有機酸もしくは無機酸の
エステル類、モノエーテル、ジエーテルもしくはポリエ
ーテル等のエーテル類等の含酸素電子供与体や、アンモ
ニア、アミン、ニトリル、イソシアネート等の含窒素電
子供与性化合物を挙げることができる。前記の有機酸と
しては、カルボン酸が挙げられ、具体的にはマロン酸等
が挙げられる。
【0029】これらの中では、多価カルボン酸のエステ
ル類が好ましく、さらに好ましくは、芳香族多価カルボ
ン酸のエステル類である。重合活性の面から、特に芳香
族ジカルボン酸のモノエステルおよび/またはジエステ
ルが好ましい。また、エステル部の有機基が直鎖、分岐
または環状の脂肪族炭化水素が好ましい。
【0030】具体的には、フタル酸、ナフタレン−1,
2−ジカルボン酸,ナフタレン−2,3−ジカルボン
酸、5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1,2
−ジカルボン酸、5,6,7,8−テトラヒドロナフタ
レン−2,3−ジカルボン酸、インダン−4,5−ジカ
ルボン酸、インダン−5,6−ジカルボン酸等のジカル
ボン酸のメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピ
ル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチ
ル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチル
ブチル、1,1−ジメチルプロピル、1−メチルペンチ
ル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メ
チルペンチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、
n−ヘキシル、シクロヘキシル、n−ヘプチル、n−オ
クチル、n−ノニル、2−メチルヘキシル、3−メチル
ヘキシル、4−メチルヘキシル、2−エチルヘキシル、
3−エチルヘキシル、4−エチルヘキシル、2−メチル
ペンチル、3−メチルペンチル、2−エチルペンチル、
3−エチルペンチル等のジアルキルエステルが挙げられ
る。これらの中では、フタル酸ジエステル類が好まし
く、また、エステル部の有機基の炭素数が4個以上の直
鎖または分岐の脂肪族炭化水素が好ましい。
【0031】この具体例としては、フタル酸ジ−n−ブ
チル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジ−n−ヘプチ
ル、フタル酸ジエチルなどを好ましく挙げることができ
る。
【0032】また、これらの化合物はそれぞれ単独で用
いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。 (d)ケイ素化合物 固体触媒成分の調製に、前記(a)、(b)および
(c)成分に加えて、場合により(d)成分として、下
記の一般式(III)、 Si(OR6 q 2 4-q ……(III) (R6 は炭化水素基、X2 はハロゲン原子、qは0〜3
の整数を示す。) で表されるケイ素化合物を用いることができる。ケイ素
化合物を用いることにより、触媒活性および立体規則性
の向上ならびに生成ポリマー中の微粉量の低減が図れる
ことがある。
【0033】上記の一般式(III)において、X2
ハロゲン原子を示し、これらの中で塩素原子および臭素
原子が好ましく、塩素原子が特に好ましい。R6 は炭化
水素基であって、飽和基や不飽和基であってもよく、直
鎖状のものや分枝鎖を有するもの、あるいは環状のもの
であってもよく、さらにはイオウ、窒素、酸素、ケイ
素、リンなどのヘテロ原子を含むものであってもよい。
好ましくは炭素数1〜10個の炭化水素基、特にアルキ
ル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アリール基
およびアラルキル基などが好ましい。−OR6 が複数存
在する場合にはそれらは互いに同じでも異なってもよ
い。R6 の具体例としては、メチル基、エチル基、n−
プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−
ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシ
ル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル
基、アリル基、ブテニル基、シクロペンチル基、シクロ
ヘキシル基、シクロヘキセニル基、フェニル基、トリル
基、ベンジル基、フェネチル基などが挙げられる。qは
0〜3の整数を示す。
【0034】上記の一般式(III)で示されるケイ素
化合物の具体例としては、四塩化ケイ素、メトキシトリ
クロロシラン、ジメトキシジクロロシラン、トリメトキ
シクロロシラン、エトキシトリクロロシラン、ジエトキ
シジクロロシラン、トリエトキシクロロシラン、プロポ
キシトリクロロシラン、ジプロポキシジクロロシラン、
トリプロポキシクロロシランなどを挙げることができ
る。これらの中で特に四塩化ケイ素が好ましい。これら
のケイ素化合物は、それぞれ単独で用いてもよく、また
2種以上を組み合わせて用いてもよい。 (B)有機アルミニウム化合物 (B)有機アルミニウム化合物としては、特に制限はな
いが、アルキル基、ハロゲン原子、水素原子、アルコキ
シ基を有するもの、アルミノキサンおよびそれらの混合
物を好ましく用いることができる。具体的には、トリメ
チルアルミニウム,トリエチルアルミニウム,トリイソ
プロピルアルミニウム,トリイソブチルアルミニウム,
トリオクチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウ
ム;ジエチルアルミニウムモノクロリド,ジイソプロピ
ルアルミニウムモノクロリド,ジイソブチルアルミニウ
ムモノクロリド,ジオクチルアルミニウムモノクロリド
等のジアルキルアルミニウムモノクロリド;エチルアル
ミニウムセスキクロリド等のアルキルアルミニウムセス
キハライド;メチルアルミノキサン等の鎖状アルミノキ
サン等を挙げることができる。これらの有機アルミニウ
ム化合物の中では、炭素数1〜5個の低級アルキル基を
有するトリアルキルアルミニウム、特にトリメチルアル
ミニウム,トリエチルアルミニウム,トリプロピルアル
ミニウムおよびトリイソブチルアルミニウムが好まし
い。また、これらの有機アルミニウム化合物はそれぞれ
単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いて
もよい。 (C)第3成分(電子供与性化合物) 必要に応じて用いられる(C)電子供与性化合物として
は、Si−O−C結合を有する有機ケイ素化合物、窒素
含有化合物、リン含有化合物、酸素含有化合物を用いる
ことができる。このうち、重合活性および立体規則性の
面から、Si−O−C結合を有する有機ケイ素化合物、
エーテル類およびエステル類を用いることが好ましく、
特にSi−O−C結合を有する有機ケイ素化合物を用い
ることが好ましい。
【0035】このSi−O−C結合を有する有機ケイ素
化合物の具体例としては、テトラメトキシシラン、テト
ラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、テトライソ
ブトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチ
ルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエ
チルエトキシシラン、エチルイソプロピルジメトキシシ
ラン、プロピルイソプロピルジメトキシシラン、ジイソ
プロピルジメトキシシラン、ジイソブチルジメトキシシ
ラン、イソプロピルイソブチルジメトキシシラン、ジ−
t−ブチルジメトキシシラン、t−ブチルメチルジメト
キシシラン、t−ブチルエチルジメトキシシラン、t−
ブチルプロピルジメトキシシラン、t−ブチルイソプロ
ピルジメトキシシラン、t−ブチルブチルジメトキシシ
ラン、t−ブチルイソブチルジメトキシシラン、t−ブ
チル(s−ブチル)ジメトキシシラン、t−ブチルアミ
ルジメトキシシラン、t−ブチルヘキシルジメトキシシ
ラン、t−ブチルヘプチルジメトキシシラン、t−ブチ
ルオクチルジメトキシシラン、t−ブチルノニルジメト
キシシラン、t−ブチルデシルジメトキシシラン、t−
ブチル(3,3,3−トリフルオロメチルプロピル)ジ
メトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラ
ン、シクロヘキシルエチルジメトキシシラン、シクロヘ
キシルプロピルジメトキシシラン、シクロペンチル−t
−ブチルジメトキシシラン、シクロヘキシル−t−ブチ
ルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラ
ン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、ビス(2−メ
チルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ビス(2,3
−ジメチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ジフェ
ニルジメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、
メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラ
ン、プロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリメ
トキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、イソブチル
トリメトキシシラン、t−ブチルトリメトキシシラン、
s−ブチルトリメトキシシラン、アミルトリメトキシシ
ラン、イソアミルトリメトキシシラン、シクロペンチル
トリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラ
ン、ノルボルナントリメトキシシラン、インデニルトリ
メトキシシラン、2−メチルシクロペンチルトリメトキ
シシラン、シクロペンチル(t−ブトキシ)ジメトキシ
シラン、イソプロピル(t−ブトキシ)ジメトキシシラ
ン、t−ブチル(イソブトキシ)ジメトキシシラン、t
−ブチル(t−ブトキシ)ジメトキシシラン、テキシル
トリメトキシシラン、テキシルイソプロポキシジメトキ
シシラン、テキシル(t−ブトキシ)ジメトキシシラ
ン、テキシルメチルジメトキシシラン、テキシルエチル
ジメトキシシラン、テキシルイソプロピルジメトキシシ
ラン、テキシルシクロペンチルジメトキシシラン、テキ
シルミリスチルジメトキシシラン、テキシルシクロヘキ
シルジメトキシシラン等が挙げられる。
【0036】また、下記の一般式(IV)、
【0037】
【化1】
【0038】(式中、R7 〜R9 は水素原子または炭化
水素基を示し、それらは互いに同一でも異なってもよ
く、隣接する基と互いに結合して環を形成していてもよ
い。R10及びR11は炭化水素基を示し、それらは互いに
同一でも異なってもよく、隣接する基と互いに結合して
環を形成していてもよい。R12及びR13は炭素数が1〜
20のアルキル基を示し、それらは互いに同一でも異な
ってもよい。mは2以上の整数であり、nは2以上の整
数である。)で表されるケイ素化合物を用いることがで
きる。
【0039】上記の一般式(IV)において、具体的に
は、R7 〜R9 としては、水素原子、メチル基、エチル
基、n−プロピル基等の直鎖状炭化水素基、イソプロピ
ル基、イソブチル基、t−ブチル基、テキシル基等の分
岐状炭化水素基、シクロブチル基、シクロペンチル基、
シクロヘキシル基等の飽和環状炭化水素基、フェニル
基、ペンタメチルフェニル基等の不飽和環状炭化水素基
が挙げられる。これらのうち、好ましくは水素、炭素数
1〜6の直鎖状炭化水素基であり、特に好ましくは水
素、メチル基、エチル基である。
【0040】上記の一般式(IV)において、R10およ
びR11としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基
等の直鎖状炭化水素基、イソプロピル基、イソブチル
基、t−ブチル基、テキシル基等の分岐状炭化水素基、
シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基
等の飽和環状炭化水素基、フェニル基、ペンタメチルフ
ェニル基等の不飽和環状炭化水素基が挙げられる。ま
た、これらは同じでも良く、異なっていても良い。これ
らのうち、好ましくは炭素数1〜6の直鎖状炭化水素基
であり、特に好ましくはメチル基、エチル基である。
【0041】上記の一般式(IV)において、R12およ
びR13としては、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s
ec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−
ヘキシル基、n−オクチル基等の直鎖状もしくは分岐状
のアルキル基が挙げられる。また、これらは同じでも良
く、異なっていても良い。これらのうち、好ましくは炭
素数1〜6の直鎖状炭化水素基であり、特に好ましくは
メチル基である。
【0042】上記の一般式(IV)で示されるケイ素化
合物の好ましい化合物としては具体的に、ネオペンチル
n−プロピルジメトキシシラン、ネオペンチルn−ブチ
ルジメトキシシラン、ネオペンチルn−ペンチルジメト
キシシラン、ネオペンチルn−ヘキシルジメトキシシラ
ン、ネオペンチルn−ヘプチルジメトキシシラン、イソ
ブチルn−プロピルジメトキシシラン、イソブチルn−
ブチルジメトキシシラン、イソブチルn−ペンチルジメ
トキシシラン、イソブチルn−ヘキシルジメトキシシラ
ン、イソブチルn−ヘプチルジメトキシシラン、2−シ
クロヘキシルプロピルn−プロピルジメトキシシラン、
2−シクロヘキシルブチルn−プロピルジメトキシシラ
ン、2−シクロヘキシルペンチルn−プロピルジメトキ
シシラン、2−シクロヘキシルヘキシルn−プロピルジ
メトキシシラン、2−シクロヘキシルヘプチルn−プロ
ピルジメトキシシラン、2−シクロペンチルプロピルn
−プロピルジメトキシシラン、2−シクロペンチルブチ
ルn−プロピルジメトキシシラン、2−シクロペンチル
ペンチルn−プロピルジメトキシシラン、2−シクロペ
ンチルヘキシルn−プロピルジメトキシシラン、2−シ
クロペンチルヘプチルn−プロピルジメトキシシラン、
イソペンチルn−プロピルジメトキシシラン、イソペン
チルn−ブチルジメトキシシラン、イソペンチルn−ペ
ンチルジメトキシシラン、イソペンチルn−ヘキシルジ
メトキシシラン、イソペンチルn−ヘプチルジメトキシ
シラン、イソペンチルイソブチルジメトキシシラン、イ
ソペンチルネオペンチルジメトキシシラン、ジイソペン
チルジメトキシシラン、ジイソヘプチルジメトキシシラ
ン、ジイソヘキシルジメトキシシラン等が挙げられる。
特に好ましい化合物の具体例としては、ネオペンチルn
−プロピルジメトキシシラン、ネオペンチルn−ペンチ
ルジメトキシシラン、イソペンチルネオペンチルジメト
キシシラン、ジイソペンチルジメトキシシラン、ジイソ
ヘプチルジメトキシシラン、ジイソヘキシルジメトキシ
シランが挙げられ、さらに好ましい化合物の具体例とし
ては、ネオペンチルn−ペンチルジメトキシシラン、ジ
イソペンチルジメトキシシランが挙げられる。
【0043】上記の一般式(IV)で示されるケイ素化
合物は、任意の方法によって合成することができる。代
表的な合成経路は、下記のとおりである。
【0044】
【化2】
【0045】この合成経路において、原料化合物〔1〕
は市販されているか、または公知のアルキル化、ハロゲ
ン化等により得ることができる。化合物〔1〕に対し
て、公知のグリニャール反応により、一般式(IV)で
表される有機ケイ素化合物を得ることができる。
【0046】これらの有機ケイ素化合物はそれぞれ単独
で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0047】窒素含有化合物の具体例としては、2,6
−ジイソプロピルピペリジン,2,6−ジイソプロピル
−4−メチルピペリジン,N−メチル2,2,6,6−
テトラメチルピペリジンなどの2,6−置換ピペリジン
類;2,5−ジイソプロピルアゾリジン,N−メチル
2,2,5,5−テトラメチルアゾリジンなどの2,5
−置換アゾリジン類;N,N,N’,N’−テトラメチ
ルメチレンジアミン,N,N,N’,N’−テトラエチ
ルメチレンジアミンなどの置換メチレンジアミン類;
1,3−ジベンジルイミダゾリジン,1,3−ジベンジ
ル−2−フェニルイミダゾリジンなどの置換イミダゾリ
ジン類等が挙げられる。
【0048】リン含有化合物の具体例としては、トリエ
チルホスファイト、トリn−プロピルホスファイト、ト
リイソプロピルホスファイト、トリn−ブチルホスファ
イト、トリイソブチルホスファイト、ジエチルn−ブチ
ルホスファイト、ジエチルフェニルホスファイトなどの
亜リン酸エステル類等である。
【0049】酸素含有化合物の具体例としては、2,
2,6,6−テトラメチルテトラヒドロフラン,2,
2,6,6−テトラエチルテトラヒドロフランなどの
2,6−置換テトラヒドロフラン類;1,1−ジメトキ
シ−2,3,4,5−テトラクロロシクロペンタジエ
ン,9,9−ジメトキシフルオレン,ジフェニルジメト
キシメタンなどのジメトキシメタン誘導体等が挙げられ
る。 〔II〕固体触媒成分の調製 前記(A)の固体触媒成分の調製方法としては、上記の
(a)マグネシウム化合物、(b)チタン化合物、
(c)電子供与体、および必要に応じて(d)ケイ素化
合物を、温度を除き通常の方法で接触させればよく、接
触手順については特に問わない。例えば、各成分を炭化
水素などの不活性溶媒の存在下で接触させてもよいし、
予め炭化水素などの不活性溶媒で各成分を希釈して接触
させてもよい。この不活性溶媒としては、例えば、オク
タン、デカン、エチルシクロヘキサンなどの脂肪族炭化
水素、脂環式炭化水素またはこれらの混合物を挙げるこ
とができる。
【0050】ここで、チタン化合物は、上記のマグネシ
ウム化合物のマグネシウム1モルに対して、通常、0.
5〜100モル、好ましくは、1〜50モル使用する。
このモル比が前記範囲を逸脱すると触媒活性が不十分と
なることがある。また、上記の電子供与体は、上記のマ
グネシウム化合物のマグネシウム1モルに対して、通
常、0.01〜10モル、好ましくは、0.05〜1.
0モル使用する。このモル比が前記範囲を逸脱すると触
媒活性や立体規則性が不十分となることがある。さら
に、ケイ素化合物を用いるときは、上記のマグネシウム
化合物のマグネシウム1モルに対して、通常、0.00
1〜100モル、好ましくは、0.005〜5.0モル
使用する。このモル比が前記範囲を逸脱すると触媒活性
や立体規則性の向上効果が十分に発揮されず、かつ生成
ポリマー中の微粉量が多くなることがある。
【0051】上記の(a)〜(d)成分の接触は、全成
分を加えた後、120〜150℃、好ましくは125〜
140℃の温度範囲にて行う。この接触温度が前記範囲
外では、触媒活性や立体規則性の向上効果が十分に発揮
されない。また、接触は、通常、1分〜24時間、好ま
しくは、10分〜6時間行われる。このときの圧力は、
溶媒を使用する場合はその種類、接触温度などにより、
その範囲は変化するが、通常、0〜5MPa(Gaug
e)、好ましくは0〜1MPa(Gauge)の範囲に
て行う。また、接触操作中は、接触の均一性および接触
効率の面から攪拌を行うことが好ましい。
【0052】さらに、チタン化合物の接触を2回以上行
い、触媒担体としての役割をするマグネシウム化合物に
十分担持させることが好ましい。
【0053】接触操作において溶媒を使用するときは、
チタン化合物1モルに対して、通常、5000ミリリッ
トル以下、好ましくは、10〜1000ミリリットルの
溶媒を使用する。この比が前記範囲を逸脱すると接触の
均一性や接触効率が悪化することがある。
【0054】以上の接触で得られた固体触媒成分は、1
00〜150℃、好ましくは120〜140℃の温度に
て不活性溶媒で洗浄する。この洗浄温度が上記範囲外で
は、触媒活性や立体規則性の向上効果が十分に発揮され
ない。この不活性溶媒としては、例えば、オクタン、デ
カンなどの脂肪族炭化水素、メチルシクロヘキサン、エ
チルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素、トルエン、
キシレンなどの芳香族炭化水素、テトラクロロエタン、
クロロフルオロ炭素類などのハロゲン化炭化水素または
これらの混合物を挙げることができる。これらのなかで
は、脂肪族炭化水素が好ましく使用される。
【0055】洗浄方法としては、特に制限はないが、デ
カンテーション、濾過などの方式が好ましい。不活性溶
媒の使用量、洗浄時間、洗浄回数についても特に制限は
ないが、マグネシウム化合物1モルに対して、通常、1
00〜100000ミリリットル、好ましくは、100
0〜50000ミリリットルの溶媒を使用し、通常、1
分〜24時間、好ましくは、10分〜6時間行われる。
この比が前記範囲を逸脱すると洗浄が不完全になること
がある。
【0056】このときの圧力は、溶媒の種類、洗浄温度
などにより、その範囲は変化するが、通常、0〜5MP
a(Gauge)、好ましくは、0〜1MPa(Gau
ge)の範囲にて行う。また、洗浄操作中は、洗浄の均
一性および洗浄効率の面から攪拌を行うことが好まし
い。
【0057】なお、得られた固体触媒成分は、乾燥状態
または炭化水素などの不活性溶媒中で保存することもで
きる。 〔III〕重合方法 触媒成分の使用量については、特に制限はないが、前記
(A)成分の固体触媒成分は、チタン原子に換算して、
反応容積1リットル当たり、通常0.00005〜1ミ
リモルの範囲になるような量が用いられ、(B)成分の
有機アルミニウム化合物は、アルミニウム/チタン原子
比が通常1〜1000、好ましくは10〜500の範囲
になるような量が用いられる。この原子比が前記範囲を
逸脱すると触媒活性が不十分となることがある。また、
(C)第3成分として有機ケイ素化合物等の電子供与性
化合物を用いるときは、(C)電子供与性化合物/
(B)有機アルミニウム化合物モル比が、通常0.00
1〜5.0、好ましくは0.01〜2.0、より好まし
くは0.05〜1.0の範囲になるような量が用いられ
る。このモル比が前記範囲を逸脱すると十分な触媒活性
および立体規則性が得られないことがある。ただし、予
備重合を行う場合は、さらに低減することができる。
【0058】本発明においては、重合活性、立体規則性
および重合体パウダー形態の面から、所望に応じ、先ず
オレフィンの予備重合を行ったのち、本重合を行っても
よい。この場合、前記(A)固体触媒成分、(B)有機
アルミニウム化合物および必要に応じて(C)電子供与
性化合物を、それぞれ所定の割合で混合してなる触媒の
存在下に、オレフィンを通常1〜100℃の範囲の温度
において、常圧ないし5MPa(Gauge)程度の圧
力で予備重合させ、次いで触媒と予備重合生成物との存
在下に、プロピレンを本重合させる。
【0059】予備重合に用いられるオレフィンとして
は、一般式(V) R14−CH=CH2 ・・・(V) で表されるα−オレフィンが好ましい。
【0060】上記の一般式(V)において、R14は水素
原子または炭化水素基であって、炭化水素基は飽和基や
不飽和基であってもよい。具体的にはエチレン、プロピ
レン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−
ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、3−メチル−1
−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、ビニルシクロ
ヘキサン、ブタジエン、イソプレン、ピペリレン等を挙
げることができる。これらのオレフィンは1種用いても
よいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。前記オレ
フィンの中で、特にエチレン、プロピレンが好適であ
る。
【0061】この本重合における重合形式については特
に制限はなく、溶液重合、スラリー重合、気相重合、バ
ルク重合等のいずれにも適用可能であり、さらに、回分
式重合や連続重合のどちらにも適用可能であり、異なる
条件での2段階重合や多段重合にも適用可能である。
【0062】さらに、反応条件については、その重合圧
は、特に制限はなく、重合活性の面から、通常、大気圧
〜8MPa(Gauge)、好ましくは0.2〜5MP
a(Gauge)、重合温度は、通常、0〜200℃、
好ましくは、20〜90℃、さらに好ましくは、40〜
90℃の範囲で適宜選ばれる。重合時間は原料のプロピ
レンの重合温度によって左右され一概に定めることがで
きないが、通常、5分〜20時間、好ましくは、10分
〜10時間程度である。
【0063】分子量は、連鎖移動剤の添加、好ましくは
水素の添加を行うことで調節することができる。また、
窒素等の不活性ガスを存在させてもよい。
【0064】異なる重合条件で、2段階以上にわたって
重合することもできる。
【0065】また、前記触媒成分は、(A)成分と
(B)成分と(C)成分とを所定の割合で混合し、接触
させたのち、ただちにプロピレンを導入して重合をおこ
なってもよいし、接触後、0.2〜3時間程度熟成させ
たのち、プロピレンを導入して重合を行ってもよい。さ
らに、この触媒成分は不活性溶媒やプロピレンなどに懸
濁して供給することができる。
【0066】重合後の後処理は常法により行うことがで
きる。すなわち、気相重合法においては、重合後、重合
器から導出されるポリマー粉体に、その中に含まれるオ
レフィンなどを除くために、窒素気流などを通過させて
もよいし、また、所望に応じて押出機によりペレット化
してもよく、その際、触媒を完全に失活させるために、
少量の水、アルコールなどを添加することもできる。ま
た、バルク重合法においては、重合後、重合器から導出
されるポリマーから完全にモノマーを分離したのち、ペ
レット化することができる。
【0067】本発明のポリプロピレン二軸延伸フィルム
としては、前記の結晶性ポリプロピレンからなるもので
あってもよいが、さらに前記の結晶性ポリプロピレンに
酸化防止剤0.001〜1重量部を添加してなる結晶性
ポリプロピレン樹脂組成物からなるものであってもよ
い。酸化防止剤の添加量はとしては、0.01〜1重量
部が好ましい。
【0068】酸化防止剤としては、リン系酸化防止剤、
フェノール系酸化防止剤及びイオウ系酸化防止剤から1
種又は2種以上が選ばれる。好ましくは、リン系酸化防
止剤とフェノール系酸化防止剤を併用する場合である。
この場合、通常リン系酸化防止剤とフェノール系酸化防
止剤の重量部の比率が、リン系酸化防止剤の重量部:フ
ェノール系酸化防止剤の重量部=0.1〜50となるよ
うに用いることが好ましく、さらに好ましくは、0.5
〜10となるように用いることである。
【0069】これらの酸化防止剤を用いた場合、耐衝撃
性、剛性の低下を防止することができるので好ましい。
また、黄変化するのを防止することができるので好まし
い。
【0070】特に、リン系酸化防止剤とフェノール系酸
化防止剤を併用する場合、効果が顕著であり好ましい。
【0071】リン系酸化防止剤の具体例として、トリス
ノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t
−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタ
エリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t
−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイ
ト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールホスファイト、2,2−メチ
レンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチル
ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフ
ェニル)−4,4−ビフェニレン−ジ−ホスホナイト、
アデカスタブ1178(旭電化(製))、スミライザー
TNP(住友化学(製))、JP−135(城北化学
(製))、アデカスタブ2112(旭電化(製))、J
PP−2000(城北化学(製))、Weston61
8(GE(製))、アデカスタブPEP−24G(旭電
化(製))、アデカスタブPEP−36(旭電化
(製))、アデカスタブHP−10(旭電化(製))、
SandstabP−EPQ(サンド(製))、フォス
ファイト168(チバ・ガイギー(製))等が挙げられ
る。
【0072】フェノール系酸化防止剤の具体例として、
2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、n−
オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−
4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキ
ス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
イソシアヌレート、4,4’−ブチリデンビス−(3−
メチル−6−t−ブチルフェノール)、トリエチレング
リコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキ
シ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕、3,9−
ビス{2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−
5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−
ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサス
ピロ〔5,5〕ウンデカン、スミライザーBHT(住友
化学(製))、ヨシノックスBHT(吉富製薬
(製))、アンテージBHT(川口化学(製))、イル
ガノックス1076(チバ・ガイギー(製))、イルガ
ノックス1010(チバ・ガイギー(製))、アデカス
タブAO−60(旭電化(製))、スミライザーBP−
101(住友化学(製))、トミノックスTT(吉富製
薬(製))、TTHP(東レ(製))、イルガノックス
3114(チバ・ガイギー(製))、アデカスタブAO
−20(旭電化(製))、アデカスタブAO−40(旭
電化(製))、スミライザーBBM−S(住友化学
(製))、ヨシノックスBB(吉富製薬(製))、アン
テージW−300(川口化学(製))、イルガノックス
245(チバ・ガイギー(製))、アデカスタブAO−
70(旭電化(製))、トミノックス917(吉富製薬
(製))、アデカスタブAO−80(旭電化(製))、
スミライザーGA−80(住友化学(製))等が挙げら
れる。
【0073】イオウ系酸化防止剤の具体例として、ジラ
ウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチ
ル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−
3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトー
ルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)、ス
ミライザーTPL(住友化学(製))、ヨシノックスD
LTP(吉富製薬(製))、アンチオックスL(日本油
脂(製))、スミライザーTPM(住友化学(製))、
ヨシノックスDMTP(吉富製薬(製))、アンチオッ
クスM(日本油脂(製))、スミライザーTPS(住友
化学(製))、ヨシノックスDSTP(吉富製薬
(製))、アンチオックスS(日本油脂(製))、アデ
カスタブAO−412S(旭電化(製))、SEENO
X 412S(シプロ化成(製))、スミライザーTD
P(住友化学(製))等が挙げられる。
【0074】上記の酸化防止剤の具体的な使用例を挙げ
れば、 例1 イルガノックス1010 1000ppm PEP−Q 1000ppm 例2 イルガノックス1076 1200ppm PEP−Q 600ppm フォスファイト168 800ppm 例3 イルガノックス1010 400〜1000ppm フォスファイト168 750〜1500ppm 等があげられる。
【0075】さらに結晶性ポリプロピレン樹脂組成物と
しては、所望に応じ、帯電防止剤や防曇剤などの表面機
能用添加剤、アンチブロッキング剤、耐候剤、熱安定
剤、中和剤、滑剤、造核剤、着色剤、無機又は有機充填
剤などの公知の添加剤を含有するものであってもよい。
【0076】本発明のポリプロピレン二軸延伸フィルム
は、前記の結晶性ポリプロピレン又は結晶性ポリプロピ
レン樹脂組成物を用いて製造できる。フィルムの製膜方
法としては、特に制限はなく、一般的な圧縮成形法、押
し出し成形法、ブロー成形法等により行うことができ
る。二軸延伸の成形条件としては、下記のものが挙げら
れる。
【0077】シート成形時の成形条件 樹脂温度200〜300℃、チルロール温度50℃以下 縦延伸条件 延伸倍率3〜7倍、延伸温度130〜160℃ 横延伸 延伸倍率6〜12倍、延伸温度150〜175℃ また、必要性に応じて温度160℃〜190℃、弛緩率
2〜20%にて熱固定を行い、特にTD方向の加熱収縮
率をほとんど0%にしたり、表面を処理し、表面エネル
ギーを大きくしたり、表面を極性にしたりしてもよい。
表面処理としては、例えばコロナ放電処理、クロム酸処
理、火炎処理、熱風処理、オゾンや紫外線照射などの方
法が挙げられ、表面の凹凸化法としては、例えば、サン
ドブラスト法、溶剤処理法などが挙げられる。
【0078】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限され
るものではない。
【0079】最初に本発明における「樹脂特性の評価方
法」及び「フィルム特性の評価方法」について述べる。 「樹脂特性の評価方法」 (1)Mp,Mw,Mn ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)の
測定結果に基づき算出する。即ち、ポリマ−濃度0.2
g/ml(%)の1,2,4−トリクロロベンゼン(B
HTを300ppm含む)溶液240μlを用い、カラ
ムは混合ポリスチレンカラム(東ソー(株)製のGMH
HR−H(S)HTを2本)を使用し、145℃、流速
1.0ml/minにて測定することによって求める。
検出は,示差屈折計を使用し、測定した。なお、測定装
置は(株)ウオーターズ社(製)150Cを用いた。 (2)昇温分別法により得られた105℃以下の溶出成
分 重合により得られた結晶性ポリプロピレンについて、液
体クロマトグラフィー(HPLC)を測定し求める。試
料調整は、常温でパラキシレン60ml中にポリマー
5.0gを秤量し、130〜140℃で2hr攪拌し溶解
させる。カラム内に試料溶液を135℃の条件下で60
ml注入後、5℃/hrで室温まで徐冷してポリマーを充
填剤表面に結晶化させる。冷却後、パラキシレンを20
ml/minにて流通させながら冷却後30℃にて40
分間かけてカラム内の溶解成分を洗浄する。その後10
5℃まで1時間50分かけて定速で昇温させ、6時間保
持した後、パラキシレンを20ml/min流通させな
がら48分間の溶出液を分画し、10倍量のメタノール
に再沈して、105℃溶出成分を回収した。これを24
時間風乾後、80℃の窒素気流乾燥機にて10時間乾燥
させ、回収した。なお、カラム(GLサイエンス社製)
は30mmφ×250mm、充填剤はセライト(Joh
n Manivile社製 セライト560)を使用し
た。温度はオーブン中央部で温度をモニターし、温調器
で管理した。 (3)アイソタクチックペンタッド分率[mmmm] 前記の方法により得られた105℃以下の溶出成分につ
いて、13C−NMRにより測定して求める。[mmm
m]は、プロピレン重合体中の総メチル基数(プロピレ
ンユニットのメチル基由来のピーク強度)に対するアイ
ソタクチック連鎖中のメチル基数(アイソタクチックに
結合したプロピレンユニットの5連鎖における中央のメ
チル基由来のピーク強度)の分率である。13C−NMR
の測定は、日本電子社製JNM−LA500NMR装置
を用いて行った。すなわち、試料200mgを1,2,
4−トリクロロベンゼン/重水素化ベンゼン(9/1容
積比)混合溶媒3mlに加熱溶解させた後、内径10m
mφのNMR試験管に入れ、130℃にて10000回
の積算を行った。13C核の共鳴周波数は125.65M
Hzで行った。なお、各シグナルの帰属はA.Zamb
elli et.al.,Macromolecule
s,8,687(1975),T.Hayashi e
t.al.,Polymer,29,138(198
8)に従った。 「フィルム特性の評価方法」 (1)水蒸気透過率 JIS K 7129B法(赤外センサー法)に準拠し
て測定した。 (1)加熱収縮率 JIS K 6782に準拠して測定した。 〔実施例1〕 (固体触媒成分の調製)窒素で置換した内容積5Lの攪
拌器付三つ口フラスコにジエトキシマグネシウム160
gを投入し、さらに脱水処理したオクタンを600ml
加えた。40℃に加熱し四塩化珪素24mlを加え、2
0分攪拌し、ジブチルフタレートを16ml加えた。溶
液を80℃まで昇温し、引き続き四塩化チタンを滴下ロ
ートを用いて770ml滴下した。内温を125℃とし
2時間接触反応させた。その後、125℃の脱水オクタ
ンを用いて充分洗浄を行った。さらに四塩化チタンを1
220ml加え、内温を125℃とし2時間接触反応さ
せた。その後125℃の脱水オクタンを用いて充分洗浄
を行い固体成分[A]を得た。 (予備重合)窒素で置換した内容積1Lの攪拌器付三つ口
フラスコに固体成分[A]を48g投入し、さらに脱水
処理したヘプタンを400ml加えた。40℃に加熱し
トリエチルアルミニウム2.0mlとジイソペンチルジ
メトキシシランを6.3ml加えた。これにプロピレン
を常圧で流通させ2時間反応させた。その後、固体成分
を脱水ヘプタンを用いて充分洗浄を行い触媒成分を得
た。 (重合)内容積10Lの攪拌器付ステンレス製オートク
レーブを十分乾燥し、窒素置換の後、内部に脱水処理し
たヘプタンを6L加えた。攪拌しながら内温が80℃に
なるまで昇温した。昇温後、トリエチルアルミニウム4
0.0mmol、続いてジシクロペンチルジメトキシシ
ラン5.0mmol加え、さらに上記固体触媒製分をT
i当たりで0.1mmol加え、水素0.0784MP
a(Gauge)を導入後、全圧が0.0784MPa
(Gauge)になるまでプロピレンを導入した。全圧
が0.0784MPa(Gauge)になった時点から
1時間重合を実施した。その後降温、脱圧し内容物を取
り出し、エバポレーターで溶媒を除去し、真空乾燥して
ポリプロピレンを得た。
【0080】得られたポリプロピレンパウダーについ
て、前記「樹脂特性の評価方法」に従い測定し得られた
結果を表1に示した。
【0081】得られたポリプロピレンパウダーに、下記
の添加剤を加え、東芝機械(株)のModel35B押
出機を用いて混練し造粒し、ペレットを得た。得られた
ペレットを用いMIをJIS K 7210に準拠して
測定した。荷重は2160g、温度は230℃にて行っ
た。得られた結果を表1に示した。添加剤処方 ・イルガノックス1010(チバスペシャルテイ ケミカ
ルズ(株)製)1000ppm ・イルガフォス168(チバスペシャルテイ ケミカルズ
(株)製)1000ppm ・ステアリン酸カルシウム(日本油脂(株)製)500
ppm ・DHT−4A(協和化学(株)製)500ppm二軸延伸フィルムの成形 前記で得たペレットを用い、下記の成形条件にて成形し
た。 (1)シート成形 伸晃機械製作所製35mmφシート成形機 樹脂温度260℃、チルロール温度30℃ (2)延伸 岩本製作所製ロール延伸機を用い、フィルム厚みが25
μmとなるように下記の条件にて行った。 縦延伸 延伸倍率4.6倍 延伸温度140℃で実施。 横延伸 延伸倍率9.2倍 延伸温度164℃、168℃、170℃のいずれかで実
施。各実施例比較例の延伸温度は表2に記載。
【0082】予熱時間68秒 延伸速度5172%/min 得られたフィルムについて前記「フィルム特性の評価方
法」に従い測定し得られた結果を表1に示した。 〔実施例2〕実施例1において、重合時の水素導入量を
0.117MPa(Gauge)とした以外は実施例1
と同様に行った。結果を表1に示す。 〔比較例1〕出光石油化学(株)製のホモポリプロピレ
ンF200Sを用いて二軸延伸フィルムを成形したこと
以外は実施例1と同様に行い得られた結果を表2に示
す。 〔比較例2〕出光石油化学(株)製のホモポリプロピレ
ンF300SPを用いて二軸延伸フィルムを成形したこ
と以外は実施例1と同様に行い得られた結果を表2に示
す。
【0083】
【表1】
【0084】
【表2】
【0085】
【発明の効果】本発明のポリプロピレン二軸延伸フィル
ムは、水蒸気バリアー性及び加熱収縮率に優れ、印刷用
紙、ラベル、粘着テープ、食品包装用フィルム等に好適
に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 23/10 C08L 23/10 // B29C 55/12 B29C 55/12 B29K 23:00 B29K 23:00 B29L 7:00 B29L 7:00 Fターム(参考) 4F071 AA20 AA81 AA83 AC11 AC13 AC15 AE05 AF05 AF08 BB08 BC01 4F210 AA11A AA11D AB06 AE01 AG01 QC05 QG01 QG18 4J002 BB121 EJ016 EV006 EW006 FD076 4J100 AA03P CA01 DA01 DA04 DA36 DA41

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 JIS K 7129B法により測定し
    た厚み25μmにおける水蒸気透過度が4.0g/m2
    ・day以下のポリプロピレン二軸延伸フィルム。
  2. 【請求項2】 JIS K 6782法により測定した
    120℃におけるMD方向の加熱収縮率が1%以下及び
    TD方向の加熱収縮率が2%以下の請求項1記載のポリ
    プロピレン二軸延伸フィルム。
  3. 【請求項3】 ゲルパーミエイションクロマトグラフィ
    ー法による分子量分布曲線のピークの分子量(Mp)が
    10000以上であり、重量平均分子量(Mw)と数平
    均分子量(Mn)の比Mw/Mnが5.5以下であり、
    昇温分別法により得られる105℃以下の溶出成分につ
    いて核磁気共鳴スペクトルにより求めたアイソタクチッ
    クペンタッド分率[mmmm]とMpが下記(1)式の
    関係を満たす結晶性ポリプロピレンからなる請求項1又
    は2記載のポリプロピレン二軸延伸フィルム。 [mmmm]>142.4×Mp-0.034−4.0・・・(1)
  4. 【請求項4】 結晶性ポリプロピレンが下記(2)式の
    関係を満たす請求項3記載のポリプロピレン二軸延伸フ
    ィルム。 [mmmm]>142.4×Mp-0.034−2.5・・・(2)
  5. 【請求項5】 結晶性ポリプロピレンが下記(3)式の
    関係を満たす請求項3記載のポリプロピレン二軸延伸フ
    ィルム。 [mmmm]>142.4×Mp-0.034−1.0・・・(3)
  6. 【請求項6】 結晶性ポリプロピレン100重量部に対
    し酸化防止剤0.001〜1重量部を含有する請求項3
    〜5のいずれかに記載のポリプロピレン二軸延伸フィル
    ム。
  7. 【請求項7】 酸化防止剤がリン系酸化防止剤、フェノ
    ール系酸化防止剤及びイオウ系酸化防止剤の1種もしく
    は2種以上から選ばれる請求項6記載のポリプロピレン
    二軸延伸フィルム。
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