JP2001019824A - プロピレン−エチレンブロック共重合体組成物及びそれを成形してなる成形体 - Google Patents

プロピレン−エチレンブロック共重合体組成物及びそれを成形してなる成形体

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JP2001019824A
JP2001019824A JP11193379A JP19337999A JP2001019824A JP 2001019824 A JP2001019824 A JP 2001019824A JP 11193379 A JP11193379 A JP 11193379A JP 19337999 A JP19337999 A JP 19337999A JP 2001019824 A JP2001019824 A JP 2001019824A
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ethylene
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Koji Tsujita
康治 辻田
Yasushi Azuma
泰 東
Satoshi Tamura
聡 田村
Koji Sumitomo
孝司 住友
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 剛性、耐衝撃性等の物性バランスがと
れ、かつ静電防止性及び/又は防曇性に優れたプロピレ
ン−エチレンブロック共重合体組成物及びそれを成形し
てなる成形体を提供する。 【解決手段】 (b)、(c)等の性状を有するプロピ
レン−エチレンブロック共重合体に、静電防止剤及び/
又は防曇剤を配合する。 (b)常温キシレン不溶成分の立体規則性指標〔mmm
m〕分率が98.9%以上であり、 (c)常温キシレン可溶成分について、13C−NMRで
測定したエチレン含有量をx重量%とし、パルスNMR
で測定したT1緩和時間y(ミリ秒)が次の関係式を満
たすこと。 y ≦ 0.0014x3 −0.0897x2 −1.0593x+231.6

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロピレン−エチ
レンブロック共重合体組成物及びそれを成形してなる成
形体に関し、より詳しくは、剛性、耐衝撃等のバランス
がとれ、かつ静電防止性及び/又は防曇性に優れたプロ
ピレン−エチレンブロック共重合体組成物及びそれを成
形してなる成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から剛性と耐衝撃性等の物性バラン
スの向上を目指して、プロピレン−エチレンブロック共
重合体の多くの改良検討が進めれてきたが、その中でも
有力なアプローチとして固体構造面からの検討がある。
すなわち、該共重合体のマトリックスを形成するプロピ
レン単独重合部とゴム状弾性体を形成するエチレン−プ
ロピレン共重合部とからなる固体構造が発現する強度物
性への影響を、それぞれの成分量比、各部の分子量、立
体規則性といった重合因子で捉え、ポリマーデザインに
それを反映し、更にそのポリマーを製造する重合技術に
フィードバックしていくものである。
【0003】それらの検討の成果として、ゴム状弾性体
を形成するエチレン−プロピレン共重合部の分子量の大
きさが剛性と耐衝撃性等の物性バランスに支配的に影響
することが明らかになってきた。しかし、更にもう一
段、特に耐衝撃性の向上が図られた改良品の登場が待望
されている。また、用途によっては、プロピレン系重合
体は静電防止性や防曇性が要求され、特にフィルム,シ
ート,容器等の分野においては、優れた静電防止性と防
曇性が要求されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、剛性、耐衝
撃性等の物性バランスがとれ、かつ静電防止性及び/又
は防曇性に優れたプロピレン−エチレンブロック共重合
体組成物及びそれを成形してなる成形体を提供すること
を目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、特定の条件を満たす新規なプロピレン−
エチレンブロック共重合体に、静電防止剤及び/又は防
曇剤を配合した組成物が本目的に適合することを見いだ
し本発明を完成させたものである。すなわち、本発明の
要旨は下記の通りである。 1.(i)下記(a)〜(c)で示される性状を有する
プロピレン−エチレンブロック共重合体に、(ii)静
電防止剤及び/又は(iii)防曇剤を配合してなるプ
ロピレン−エチレンブロック共重合体組成物。 (a)メルトフローレート(MFR)(230℃、2.
16kg荷重)が0.01〜1,000g/10分であ
り、(b)常温キシレン不溶成分の13C−NMRで測定
した立体規則性指標〔mmmm〕分率が98.9%以上
であり、(c)常温キシレン可溶成分が下記(c1)〜
(c3)の条件を満たすものである。 (c1)3〜50重量%であること、(c2)パルスN
MRで測定したT1緩和時間成分が単一の緩和成分から
なること、(c3)13C−NMRで測定したエチレン含
有量をx重量%とし、パルスNMRで測定したT1緩和
時間y(ミリ秒)が次の関係式を満たすこと。 y ≦ 0.0014x3 −0.0897x2 −1.0593x+231.6 ・・・(1) 2.(ii)成分の配合量が、(i)成分100重量部
に対して0.05〜2重量部である上記1記載のプロピ
レン−エチレンブロック共重合体組成物。 3.(iii)成分の配合量が、(i)成分100重量
部に対して0.1〜5重量部である上記1又は2に記載
のプロピレン−エチレンブロック共重合体組成物。 4.(i)成分のメルトフローレート(MFR)(23
0℃、2.16kg荷重)が0.3〜300g/10分
である上記1〜3のいずれかに記載のプロピレン−エチ
レンブロック共重合体組成物。 5.上記1〜4のいずれかに記載のプロピレン−エチレ
ンブロック共重合体組成物を成形してなる成形体。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、本発明について詳細に説
明する。本発明の構成要件である(i)成分のプロピレ
ン−エチレンブロック共重合体は、主成分としてのプロ
ピレン単独重合体、それとエチレン−プロピレン共重合
体及びエチレン単独重合体とからなる組成物であり、典
型的にはプロピレン−エチレンブロック共重合により製
造できるがこれに限定されるものではなく、上記各重合
体のブレンド物であってもよい。
【0007】本発明を構成する(i)成分のプロピレン
−エチレンブロック共重合体の最大の特徴は、エチレン
−プロピレン共重合部が均一なゴム状弾性体で占めら
れ、その結果、剛性ほか物性を損なうことなく、特に耐
衝撃性が改良されたブロック共重合体を形成しているこ
とにある。本発明の構成要件である(i)成分のプロピ
レン−エチレンブロック共重合体は、メルトフローレー
ト(MFR)(230℃、2.16kg荷重)が0.0
1〜1,000g/10分であり、好ましくは0.3〜
300g/10分である。0.01g/10分より小さ
ければ、成形が困難であり、1,000g/10分より
大きければ物性強度が不充分である。
【0008】また、そのプロピレン−エチレンブロック
共重合体は、常温キシレン不溶成分が13C−NMRで測
定した立体規則性指標〔mmmm〕分率で98.9%以
上である。この常温キシレン不溶成分の13C−NMR測
定方法の詳細は後述する。常温キシレン不溶成分は、主
にプロピレン単独重合部成分であり、この測定方法で得
られた立体規則性指標〔mmmm〕分率は、アイソタク
チックペンタッド分率とも言われ、ポリプロピレン分子
鎖中の全プロピレンモノマー単位において存在する5個
連続してメソ結合しているプロピレンモノマー単位の割
合である。したがって、このアイソタクチックペンタッ
ド分率が高いほど、アイソタクチック構造を有するポリ
プロピレンで占められる割合が高いことを示す。この立
体規則性指標〔mmmm〕分率で98.9%より小さけ
れば、剛性、表面高度、耐熱性が劣り好ましくない。
【0009】本発明の構成要件である(i)成分のプロ
ピレン−エチレンブロック共重合体は、常温キシレン可
溶成分について、先ず可溶成分量が3〜50重量%ある
ことが必要である。この常温キシレン可溶成分は、主に
エチレン−プロピレン共重合部成分であり、該可溶成分
の量が3重量%より少なければ耐衝撃性が不足し、50
重量%より多ければ剛性、表面高度、耐熱性が劣り、好
ましくない。
【0010】更に、本発明の構成要件である(i)成分
であるプロピレン−エチレンブロック共重合体は、常温
キシレン可溶成分について、先ず、パルスNMRで測定
したT1緩和時間成分が単一の緩和成分からなること
と、及び13C−NMRで測定したエチレン含有量をx重
量%とし、パルスNMRで測定したT1緩和時間y(ミ
リ秒)が次の関係式を満たすことである。 y ≦ 0.0014x3 −0.0897x2 −1.0593x+231.6 ・・・(1) この常温キシレン可溶成分は、主にエチレン−プロピレ
ン共重合部成分で結晶性ポリエチレンを含まず、該可溶
成分をパルスNMRで測定したT1緩和時間の測定方法
は後述するが、技術的な意味は、所定の周波数の電磁波
をパルス照射することにより励起された試料の核磁気モ
ーメントが元の状態に戻るに必要な時間の大小が試料の
分子運動性の高低を示す。T1が小さいことは、試料の
分子運動の周波数領域が低いことに対応する。T1が小
さい試料の耐衝撃性が高いことは、衝撃試験の測定のタ
イムスケールと上記周波数領域が近いことを示唆する。
【0011】また、T1緩和時間成分が単一成分である
ということは、均一な成分に近い性状を有することを意
味する。つまり、式(1)が意味することは、エチレン
−プロピレン共重合部がエチレン濃度に対し、分子運動
の周波数領域が低く、単一成分に近いゴム状弾性体で構
成されることを示す。それらは、測定結果を横軸に可変
時間τ(180°パルスと90°パルスの照射時間間
隔)をとり、縦軸に90°パルス照射後の信号強度M
(τ)としたときのln{M(∞)−M(τ)}をとっ
てプロットしたとき、T1がその直線の傾き(右肩下が
り)のマイナス逆数値で与えられる。ここで、T1が小
さければ緩和時間の傾きが大きく、より短時間で減衰す
る。更に、上記のプロットした点を結んだ線が幾つもの
傾きの異なる直線で構成される場合は複数成分から構成
されることから単一成分であるには単一の直線で構成さ
れる必要がある。
【0012】本発明の(i)成分のプロピレン−エチレ
ン共重合体は、常温キシレン可溶成分がパルスNMRで
測定したT1緩和時間成分が単一でなければ、耐衝撃強
度が劣る。又、式(I)を満たさなければ、耐衝撃強度
が低下する。以上で示されるプロピレン−エチレンブロ
ック共重合体は、従来にない新しい領域の重合体であ
り、その示す物性的特徴も剛性と耐衝撃強度、ロックウ
ェル硬度と耐衝撃強度及び熱変形温度と耐衝撃強度とい
った物性バランスが高度のレベルでバランスしている。
【0013】次いで、本発明の構成要件である(i)成
分のプロピレン−エチレンブロック共重合体の製造法に
ついて説明する。そのプロピレン−エチレンブロック共
重合体は上記の特性を満足すれば、その製造方法に限定
されるものではないが、高い立体規則性を有するプロピ
レン単独重合体を有し、しかもエチレンとの共重合性に
優れた重合体を、特にMFRが0.3〜300g/10
分程度の高分子量体で得るには、メタロセン系触媒を用
いるよりむしろチーグラー型触媒を用いる方が好まし
い。具体的に、例えば、(A)(a)チタン化合物、
(b)マグネシウム化合物、(c)電子供与体と、必要
に応じて(d)ケイ素化合物とから形成される固体触媒
成分と、(B)有機アルミニウム化合物と、必要に応じ
て(C)第3成分としての電子供与性化合物とからなる
触媒およびその触媒を用いて重合する方法を挙げること
ができる。特に、本発明に用いる固体触媒成分の調製方
法において、マグネシウム化合物とチタン化合物とを、
電子供与性化合物および必要に応じてケイ素化合物の存
在下、120〜150℃にて接触させた後、100〜1
50℃にて不活性溶媒により洗浄するのがよい。
【0014】以下に、各触媒成分、調製方法、重合方法
等について説明する。各触媒成分 (A) 固体触媒成分 固体触媒成分は、以下の(a)チタン化合物、(b)マ
グネシウム化合物、(c)電子供与体と、必要に応じて
(d)ケイ素化合物とから形成されるものである。
【0015】(a)チタン化合物 チタン化合物としては、特に制限はないが、一般式
(I) TiX1 p (OR1 4-p ・・・(I) で表されるチタン化合物を好ましく用いることができ
る。上記の一般式(I)において、X1 はハロゲン原子
を示し、その中でも塩素原子および臭素原子が好まし
く、塩素原子が特に好ましい。R1 は炭化水素基であっ
て、飽和基や不飽和基であってもよく、直鎖状のものや
分枝鎖を有するもの、あるいは環状のものであってもよ
く、さらにはイオウ、窒素、酸素、ケイ素、リンなどの
ヘテロ原子を含むものであってもよい。好ましくは炭素
数1〜10個の炭化水素基、特にアルキル基、アルケニ
ル基、シクロアルケニル基、アリール基およびアラルキ
ル基などが好ましく、直鎖または分岐鎖のアルキル基が
特に好ましい。OR1 が複数存在する場合にはそれらは
互いに同じでも異なってもよい。R1 の具体例として
は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル
基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル
基、n−オクチル基、n−デシル基、アリル基、ブテニ
ル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘ
キセニル基、フェニル基、トリル基、ベンジル基、フェ
ネチル基などを挙げることができる。pは0〜4の整数
を示す。
【0016】上記の一般式(I)で示されるチタン化合
物の具体例としては、テトラメトキシチタン,テトラエ
トキシチタン,テトラ−n−プロポキシチタン,テトラ
イソプロポキシチタン,テトラ−n−ブトキシチタン,
テトライソブトキシチタン,テトラシクロヘキシロキシ
チタン,テトラフェノキシチタン等のテトラアルコキシ
チタン;四塩化チタン,四臭化チタン,四ヨウ化チタン
等のテトラハロゲン化チタン;メトキシチタントリクロ
リド,エトキシチタントリクロリド,プロポキシチタン
トリクロリド,n−ブトキシチタントリクロリド,エト
キシチタントリブロミド等のトリハロゲン化アルコキシ
チタン;ジメトキシチタンジクロリド,ジエトキシチタ
ンジクロリド,ジイソプロポキシチタンジクロリド,ジ
−n−プロポキシチタンジクロリド,ジエトキシチタン
ジブロミド等のジハロゲン化ジアルコキシチタン;トリ
メトキシチタンクロリド,トリエトキシチタンクロリ
ド,トリイソプロポキシチタンクロリド,トリ−n−プ
ロポキシチタンクロリド,トリ−n−ブトキシチタンク
ロリド等のモノハロゲン化トリアルコキシチタンなどを
挙げることができる。これらの中で、重合活性の面か
ら、高ハロゲン含有チタン化合物、特に四塩化チタンが
好ましい。これらのチタン化合物は、それぞれ単独で用
いてもよく、また二種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0017】(b)マグネシウム化合物 マグネシウム化合物としては、特に制限はないが、一般
式(II) MgR2 3 ・・・(II) で表されるマグネシウム化合物を好ましく用いることが
できる。上記の一般式(II)において、R2 およびR3
は、炭化水素基、OR4 基(R 4 は炭化水素基)または
ハロゲン原子を示す。ここで、R2 およびR3 の炭化水
素基としては、炭素数1〜12個のアルキル基、シクロ
アルキル基、アリール基、アラルキル基等を、OR4
としては、R4 が炭素数1〜12個のアルキル基、シク
ロアルキル基、アリール基、アラルキル基等を、ハロゲ
ン原子としては、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素等を挙げ
ることができる。また、R2 およびR3 は、同一でも異
なってもよい。
【0018】上記の一般式(II)で示されるマグネシウ
ム化合物の具体例としては、ジメチルマグネシウム,ジ
エチルマグネシウム,ジイソプロピルマグネシウム,ジ
ブチルマグネシウム,ジヘキシルマグネシウム,ジオク
チルマグネシウム,エチルブチルマグネシウム,ジフェ
ニルマグネシウム,ジシクロヘキシルマグネシウム等の
アルキルマグネシウム,アリールマグネシウム;ジメト
キシマグネシウム,ジエトキシマグネシウム,ジプロポ
キシマグネシウム,ジブトキシマグネシウム,ジヘキシ
ロキシマグネシウム,ジオクトキシマグネシウム,ジフ
ェノキシマグネシウム,ジシクロヘキシロキシマグネシ
ウム等のアルコキシマグネシウム,アリロキシマグネシ
ウム;エチルマグネシウムクロリド,ブチルマグネシウ
ムクロリド,ヘキシルマグネシウムクロリド,イソプロ
ピルマグネシウムクロリド,イソブチルマグネシウムク
ロリド,t−ブチルマグネシウムクロリド,フェニルマ
グネシウムブロミド,ベンジルマグネシウムクロリド,
エチルマグネシウムブロミド,ブチルマグネシウムブロ
ミド,フェニルマグネシウムクロリド,ブチルマグネシ
ウムイオダイド等のアルキルマグネシウムハライド,ア
リールマグネシウムハライド;ブトキシマグネシウムク
ロリド,シクロヘキシロキシマグネシウムクロリド,フ
ェノキシマグネシウムクロリド,エトキシマグネシウム
ブロミド,ブトキシマグネシウムブロミド,エトキシマ
グネシウムイオダイド等のアルコキシマグネシウムハラ
イド,アリロキシマグネシウムハライド;塩化マグネシ
ウム,臭化マグネシウム,ヨウ化マグネシウム等のハロ
ゲン化マグネシウム等を挙げることができる。
【0019】これらのマグネシウム化合物の中でも、重
合活性および立体規則性の面から、マグネシウムハライ
ド、アルコキシマグネシウム、アルキルマグネシウム、
アルキルマグネシウムハライドが好適に使用できる。上
記のマグネシウム化合物は、金属マグネシウム、または
マグネシウムを含有する化合物から調製することができ
る。一例としては、金属マグネシウムにハロゲン及びア
ルコールを接触させる方法を挙げることができる。ここ
で、ハロゲンとしては、ヨウ素,塩素,フッ素,臭素を
挙げることができる。アルコールとしては、メタノー
ル,エタノール,プロパノール,ブタノール,シクロヘ
キサノール,オクタノール等を挙げることができる。
【0020】また、他の一例として、Mg(OR5 2
で表されるマグネシウムアルコキシ化合物(式中、R5
は、炭素数1〜20の炭化水素基を示す。)にハロゲン
化物を接触する方法を挙げることができる。そのハロゲ
ン化物としては、四塩化ケイ素,四臭化ケイ素,四塩化
スズ,四臭化スズ,塩化水素等が挙げることができる。
これらの中では、重合活性及び立体規則性の面から、四
塩化ケイ素が好ましい。上記のR5 としては、メチル
基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−
ブチル基,イソブチル基,ヘキシル基,オクチル基,シ
クロヘキシル基等のアルキル基;プロペニル基,ブテニ
ル基等のアルケニル基;フェニル基,トリル基,キシリ
ル基等のアリール基;フェネチル基,3−フェニルプロ
ピル基等のアラルキル基などを挙げることができる。さ
らに、マグネシウム化合物は、シリカ,アルミナ,ポリ
スチレンなどの支持体に担持されていてもよい。以上の
マグネシウム化合物は単独でもよいし、二種以上組み合
わせて用いてもよい。また、ヨウ素などのハロゲン、珪
素、アルミニウムなどの他の元素を含有していてもよ
く、アルコール、エーテル、エステル類などの電子供与
体を含有してもよい。
【0021】(c)電子供与体 電子供与体としては、アルコール類、フェノール類、ケ
トン類、アルデヒド類、有機酸もしくは無機酸のエステ
ル類、モノエーテル、ジエーテルもしくはポリエーテル
等のエーテル類等の含酸素電子供与体や、アンモニア、
アミン、ニトリル、イソシアネート等の含窒素電子供与
体を挙げることができる。これらの中では、多価カルボ
ン酸のエステル類が好ましく、さらに好ましくは、芳香
族多価カルボン酸のエステル類である。重合活性の面か
ら、特に芳香族ジカルボン酸のモノエステルやジエステ
ルが好ましい。また、エステル部の有機基が直鎖、分岐
または環状の脂肪族炭化水素が好ましい。
【0022】具体的には、ジカルボン酸のジアルキルエ
ステルを挙げることができる。その場合、ジカルボン酸
として、フタル酸、ナフタレン−1, 2−ジカルボン
酸、ナフタレン−2,3−ジカルボン酸、5,6,7,
8−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸、
5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2,3−ジ
カルボン酸、インダン−4,5−ジカルボン酸、インダ
ン−5,6−ジカルボン酸等を挙げることができる。ま
た、アルキル基として、メチル、エチル、n−プロピ
ル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチ
ル、n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチ
ル、3−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、1
−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペ
ンチル、4−メチルペンチル、1−エチルブチル、2−
エチルブチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、n−ヘ
プチル、n−オクチル、n−ノニル、2−メチルヘキシ
ル、3−メチルヘキシル、4−メチルヘキシル、2−エ
チルヘキシル、3−エチルヘキシル、4−エチルヘキシ
ル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−エ
チルペンチル、3−エチルペンチル等を挙げることがで
きる。これらの中では、フタル酸ジエステル類が好まし
い。この具体例としては、フタル酸ジ−n−ブチル、フ
タル酸ジイソブチル、フタル酸ジ−n−ヘプチル、フタ
ル酸ジエチルなどを好ましく挙げることができる。ま
た、これらの化合物はそれぞれ単独で用いてもよいし、
二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0023】(d)ケイ素化合物 固体触媒成分の調製に、前記(a)、(b)および
(c)成分に加えて、必要に応じて(d)成分として、
一般式(III) Si(OR6 q 2 4-q ・・・(III) で表されるケイ素化合物を用いることができる。ケイ素
化合物を用いることにより、触媒活性および立体規則性
の向上ならびに生成ポリマー中の微粉量の低減が図れる
ことがある。
【0024】上記の一般式(III)において、X2 はハロ
ゲン原子を示し、これらの中で塩素原子および臭素原子
が好ましく、塩素原子が特に好ましい。R6 は炭化水素
基であって、飽和基や不飽和基であってもよく、直鎖状
のものや分枝鎖を有するもの、あるいは環状のものであ
ってもよく、さらにはイオウ、窒素、酸素、ケイ素、リ
ンなどのヘテロ原子を含むものであってもよい。好まし
くは炭素数1〜10個の炭化水素基、特にアルキル基、
アルケニル基、シクロアルケニル基、アリール基および
アラルキル基などが好ましい。OR6 が複数存在する場
合にはそれらは互いに同じでも異なってもよい。R6
具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル
基、イソブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、
n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、アリ
ル基、ブテニル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル
基、シクロヘキセニル基、フェニル基、トリル基、ベン
ジル基、フェネチル基などが挙げられる。qは0〜3の
整数を示す。
【0025】上記の一般式(III)で示されるケイ素化合
物の具体例としては、四塩化ケイ素,メトキシトリクロ
ロシラン,ジメトキシジクロロシラン,トリメトキシク
ロロシラン,エトキシトリクロロシラン,ジエトキシジ
クロロシラン,トリエトキシクロロシラン,プロポキシ
トリクロロシラン,ジプロポキシジクロロシラン,トリ
プロポキシクロロシランなどを挙げることができる。こ
れらの中で特に四塩化ケイ素が好ましい。これらのケイ
素化合物は、それぞれ単独で用いてもよく、また二種以
上を組み合わせて用いてもよい。
【0026】(B)有機アルミニウム化合物 本発明を構成する(i)成分の製造に用いられる(B)
有機アルミニウム化合物としては、特に制限はないが、
アルキル基、ハロゲン原子、水素原子、アルコキシ基を
有するもの、アルミノキサンおよびそれらの混合物を好
ましく用いることができる。具体的には、トリメチルア
ルミニウム,トリエチルアルミニウム,トリイソプロピ
ルアルミニウム,トリイソブチルアルミニウム,トリオ
クチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;ジ
エチルアルミニウムモノクロリド,ジイソプロピルアル
ミニウムモノクロリド,ジイソブチルアルミニウムモノ
クロリド,ジオクチルアルミニウムモノクロリド等のジ
アルキルアルミニウムモノクロリド;エチルアルミニウ
ムセスキクロリド等のアルキルアルミニウムセスキハラ
イド;メチルアルミノキサン等の鎖状アルミノキサン等
を挙げることができる。これらの有機アルミニウム化合
物の中では、炭素数1〜5個の低級アルキル基を有する
トリアルキルアルミニウム、特にトリメチルアルミニウ
ム,トリエチルアルミニウム,トリプロピルアルミニウ
ムおよびトリイソブチルアルミニウムが好ましい。ま
た、これらの有機アルミニウム化合物はそれぞれ単独で
用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0027】(C)第3成分としての電子供与性化合物 本発明を構成する(i)成分の重合体を製造するため
に、必要に応じて、(C)第3成分としての電子供与性
化合物を重合時に添加する。この(C)第3成分として
の電子供与性化合物としては、Si−O−C結合を有す
る有機ケイ素化合物、窒素含有化合物、リン含有化合
物、酸素含有化合物を用いることができる。このうち、
重合活性および立体規則性の面から、Si−O−C結合
を有する有機ケイ素化合物、エーテル類およびエステル
類を用いることが好ましく、特にSi−O−C結合を有
する有機ケイ素化合物を用いることが好ましい。
【0028】このSi−O−C結合を有する有機ケイ素
化合物の具体例としては、テトラメトキシシラン,テト
ラエトキシシラン,テトラブトキシシラン,テトライソ
ブトキシシラン,トリメチルメトキシシラン,トリメチ
ルエトキシシラン,トリエチルメトキシシラン,トリエ
チルエトキシシラン,エチルイソプロピルジメトキシシ
ラン,プロピルイソプロピルジメトキシシラン,ジイソ
プロピルジメトキシシラン,ジイソブチルジメトキシシ
ラン,イソプロピルイソブチルジメトキシシラン,ジ−
t−ブチルジメトキシシラン,t−ブチルメチルジメト
キシシラン,t−ブチルエチルジメトキシシラン,t−
ブチルプロピルジメトキシシラン,t−ブチルイソプロ
ピルジメトキシシラン,t−ブチルブチルジメトキシシ
ラン,t−ブチルイソブチルジメトキシシラン,t−ブ
チル(s−ブチル)ジメトキシシラン,t−ブチルアミ
ルジメトキシシラン,t−ブチルヘキシルジメトキシシ
ラン,t−ブチルヘプチルジメトキシシラン,t−ブチ
ルオクチルジメトキシシラン,t−ブチルノニルジメト
キシシラン,t−ブチルデシルジメトキシシラン,t−
ブチル(3,3,3−トリフルオロメチルプロピル)ジ
メトキシシラン,シクロヘキシルメチルジメトキシシラ
ン,シクロヘキシルエチルジメトキシシラン,シクロヘ
キシルプロピルジメトキシシラン,シクロペンチル−t
−ブチルジメトキシシラン,シクロヘキシル−t−ブチ
ルジメトキシシラン,ジシクロペンチルジメトキシシラ
ン,ジシクロヘキシルジメトキシシラン,ビス(2−メ
チルシクロペンチル)ジメトキシシラン,ビス(2,3
−ジメチルシクロペンチル)ジメトキシシラン,ジフェ
ニルジメトキシシラン,フェニルトリエトキシシラン,
メチルトリメトキシシラン,エチルトリメトキシシラ
ン,プロピルトリメトキシシラン,イソプロピルトリメ
トキシシラン,ブチルトリメトキシシラン,イソブチル
トリメトキシシラン,t−ブチルトリメトキシシラン,
s−ブチルトリメトキシシラン,アミルトリメトキシシ
ラン,イソアミルトリメトキシシラン,シクロペンチル
トリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラ
ン、ノルボルナントリメトキシシラン,インデニルトリ
メトキシシラン,2−メチルシクロペンチルトリメトキ
シシラン,シクロペンチル(t−ブトキシ)ジメトキシ
シラン,イソプロピル(t−ブトキシ)ジメトキシシラ
ン,t−ブチル(イソブトキシ)ジメトキシシラン,t
−ブチル(t−ブトキシ)ジメトキシシラン,テキシル
トリメトキシシラン,テキシルイソプロポキシジメトキ
シシラン,テキシル(t−ブトキシ)ジメトキシシラ
ン,テキシルメチルジメトキシシラン,テキシルエチル
ジメトキシシラン,テキシルイソプロピルジメトキシシ
ラン,テキシルシクロペンチルジメトキシシラン,テキ
シルミリスチルジメトキシシラン,テキシルシクロヘキ
シルジメトキシシランなどを挙げることができる。ま
た、下記の一般式(IV)
【0029】
【化1】
【0030】(式中、R7 〜R9 は水素原子または炭化
水素基を示し、それらは互いに同一でも異なってもよ
く、隣接する基と互いに結合して環を形成していてもよ
い。R10及びR11は炭化水素基を示し、それらは互いに
同一でも異なってもよく、隣接する基と互いに結合して
環を形成していてもよい。R12及びR13は炭素数が1〜
20のアルキル基を示し、それらは互いに同一でも異な
ってもよい。mは2以上の整数であり、nは2以上の整
数である。)で表されるケイ素化合物を用いることがで
きる。
【0031】上記の一般式(IV)において、具体的に
は、R7 〜R9 としては、水素原子,メチル基,エチル
基,n−プロピル基等の直鎖状炭化水素基、イソプロピ
ル基,イソブチル基,t−ブチル基,テキシル基等の分
岐状炭化水素基、シクロブチル基、シクロペンチル基、
シクロヘキシル基等の飽和環状炭化水素基、フェニル
基、ペンタメチルフェニル基等の不飽和環状炭化水素基
を挙げることができる。これらのうち、好ましくは水
素、炭素数1〜6の直鎖状炭化水素基であり、特に好ま
しくは水素、メチル基、エチル基である。
【0032】上記の一般式(IV)において、R10および
11としては、メチル基,エチル基,n−プロピル基等
の直鎖状炭化水素基、イソプロピル基,イソブチル基,
t−ブチル基,テキシル基等の分岐状炭化水素基、シク
ロブチル基,シクロペンチル基,シクロヘキシル基等の
飽和環状炭化水素基、フェニル基,ペンタメチルフェニ
ル基等の不飽和環状炭化水素基を挙げることができる。
また、これらは同じでも良く、異なっていても良い。こ
れらのうち、好ましくは炭素数1〜6の直鎖状炭化水素
基であり、特に好ましくはメチル基,エチル基である。
【0033】また、上記の一般式(IV)において、R12
およびR13としては、メチル基,エチル基,n−プロピ
ル基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチル基,
sec−ブチル基,t−ブチル基,n−ペンチル基,n
−ヘキシル基,n−オクチル基等の直鎖状もしくは分岐
状のアルキル基を挙げることができる。また、これらは
同じでもよく、異なっていても良い。これらのうち、好
ましくは炭素数1〜6の直鎖状炭化水素基であり、特に
好ましくはメチル基である。
【0034】上記の一般式(IV)で示されるケイ素化合
物の好ましい化合物としては具体的に、ネオペンチルn
−プロピルジメトキシシラン,ネオペンチルn−ブチル
ジメトキシシラン,ネオペンチルn−ペンチルジメトキ
シシラン,ネオペンチルn−ヘキシルジメトキシシラ
ン,ネオペンチルn−ヘプチルジメトキシシラン,イソ
ブチルn−プロピルジメトキシシラン,イソブチルn−
ブチルジメトキシシラン,イソブチルn−ペンチルジメ
トキシシラン,イソブチルn−ヘキシルジメトキシシラ
ン,イソブチルn−ヘプチルジメトキシシラン,2−シ
クロヘキシルプロピルn−プロピルジメトキシシラン,
2−シクロヘキシルブチルn−プロピルジメトキシシラ
ン,2−シクロヘキシルペンチルn−プロピルジメトキ
シシラン,2−シクロヘキシルヘキシルn−プロピルジ
メトキシシラン,2−シクロヘキシルヘプチルn−プロ
ピルジメトキシシラン,2−シクロペンチルプロピルn
−プロピルジメトキシシラン,2−シクロペンチルブチ
ルn−プロピルジメトキシシラン,2−シクロペンチル
ペンチルn−プロピルジメトキシシラン,2−シクロペ
ンチルヘキシルn−プロピルジメトキシシラン,2−シ
クロペンチルヘプチルn−プロピルジメトキシシラン,
イソペンチルn−プロピルジメトキシシラン,イソペン
チルn−ブチルジメトキシシラン,イソペンチルn−ペ
ンチルジメトキシシラン,イソペンチルn−ヘキシルジ
メトキシシラン,イソペンチルn−ヘプチルジメトキシ
シラン,イソペンチルイソブチルジメトキシシラン,イ
ソペンチルネオペンチルジメトキシシラン,ジイソペン
チルジメトキシシラン,ジイソヘプチルジメトキシシラ
ン,ジイソヘキシルジメトキシシランなどを挙げること
ができる。
【0035】特に好ましい化合物の具体例としては、ネ
オペンチルn−プロピルジメトキシシラン,ネオペンチ
ルn−ペンチルジメトキシシラン,イソペンチルネオペ
ンチルジメトキシシラン,ジイソペンチルジメトキシシ
ラン,ジイソヘプチルジメトキシシラン,ジイソヘキシ
ルジメトキシシランを挙げることができ、さらに好まし
い化合物の具体例としては、ネオペンチルn−ペンチル
ジメトキシシラン,ジイソペンチルジメトキシシランを
挙げることができる。上記の一般式(IV)で示されるケ
イ素化合物は、任意の方法によって合成することができ
る。代表的な合成経路は、下記のとおりである。
【0036】
【化2】
【0037】この合成経路において、原料化合物〔1〕
は市販されているか、または公知のアルキル化、ハロゲ
ン化等により得ることができる。化合物〔1〕に対し
て、公知のグリニャール反応により、一般式(IV)で表
される有機ケイ素化合物を得ることができる。上記の有
機ケイ素化合物はそれぞれ単独で用いてもよいし、二種
以上を組み合わせて用いてもよい。
【0038】窒素含有化合物の具体例としては、2,6
−ジイソプロピルピペリジン,2,6−ジイソプロピル
−4−メチルピペリジン,N−メチル2,2,6,6−
テトラメチルピペリジンなどの2,6−置換ピペリジン
類;2,5−ジイソプロピルアゾリジン,N−メチル
2,2,5,5−テトラメチルアゾリジンなどの2,5
−置換アゾリジン類;N,N,N’,N’−テトラメチ
ルメチレンジアミン,N,N,N’,N’−テトラエチ
ルメチレンジアミンなどの置換メチレンジアミン類;
1,3−ジベンジルイミダゾリジン,1,3−ジベンジ
ル−2−フェニルイミダゾリジンなどの置換イミダゾリ
ジン類等を挙げることができる。
【0039】リン含有化合物の具体例としては、トリエ
チルホスファイト,トリn−プロピルホスファイト,ト
リイソプロピルホスファイト,トリn−ブチルホスファ
イト,トリイソブチルホスファイト,ジエチルn−ブチ
ルホスファイト,ジエチルフェニルホスファイトなどの
亜リン酸エステル類等である。酸素含有化合物の具体例
としては、2,2,6,6−テトラメチルテトラヒドロ
フラン,2,2,6,6−テトラエチルテトラヒドロフ
ランなどの2,6−置換テトラヒドロフラン類;1,1
−ジメトキシ−2,3,4,5−テトラクロロシクロペ
ンタジエン,9,9−ジメトキシフルオレン,ジフェニ
ルジメトキシメタンなどのジメトキシメタン誘導体等を
挙げることができる。
【0040】固体触媒成分の調製 前記(A)の固体触媒成分の調製方法としては、上記の
(a)チタン化合物、(b)マグネシウム化合物、
(c)電子供与体、および必要に応じて(d)ケイ素化
合物を、接触温度条件を除き通常の方法で接触させれば
よく、接触手順については特に問わない。例えば、各成
分を炭化水素などの不活性溶媒の存在下で接触させても
よいし、予め炭化水素などの不活性溶媒で各成分を希釈
して接触させてもよい。この不活性溶媒としては、例え
ば、オクタン、デカン、エチルシクロヘキサンなどの脂
肪族炭化水素、脂環式炭化水素またはこれらの混合物を
挙げることができる。
【0041】ここで、チタン化合物は、上記のマグネシ
ウム化合物のマグネシウム1モルに対して、通常、0.
5〜100モル、好ましくは、1〜50モル使用する。
このモル比が前記範囲を逸脱すると触媒活性が不十分と
なることがある。また、上記の電子供与体は、上記のマ
グネシウム化合物のマグネシウム1モルに対して、通
常、0.01〜10モル、好ましくは、0.05〜1.
0モル使用する。このモル比が前記範囲を逸脱すると触
媒活性や立体規則性が不十分となることがある。さら
に、ケイ素化合物を用いるときは、上記のマグネシウム
化合物のマグネシウム1モルに対して、通常、0.00
1〜100モル、好ましくは、0.005〜5.0モル
使用する。このモル比が前記範囲を逸脱すると触媒活性
や立体規則性の向上効果が十分に発揮されず、かつ生成
ポリマー中の微粉量が多くなることがある。
【0042】上記の(a)〜(d)成分の接触は、全成
分を加えた後、120〜150℃、好ましくは125〜
140℃の温度範囲にて行う。この接触温度が前記範囲
外では、触媒活性や立体規則性の向上効果が十分に発揮
されない。また、接触は、通常、1分〜24時間、好ま
しくは、10分〜6時間行われる。このときの圧力は、
溶媒を使用する場合はその種類、接触温度などにより、
その範囲は変化するが、通常、0〜50kg/cm
2 G、好ましくは0〜10kg/cm2 Gの範囲にて行
う。また、接触操作中は、接触の均一性および接触効率
の面から攪拌を行うことが好ましい。
【0043】さらに、チタン化合物の接触を2回以上行
い、触媒担体としての役割をするマグネシウム化合物に
十分担持させることが好ましい。接触操作において溶媒
を使用するときは、チタン化合物1モルに対して、通
常、5000ミリリットル以下、好ましくは、10〜
1,000ミリリットルの溶媒を使用する。この比が前
記範囲を逸脱すると接触の均一性や接触効率が悪化する
ことがある。
【0044】以上の接触で得られた固体触媒成分は、1
00〜150℃、好ましくは120〜140℃の温度に
て不活性溶媒で洗浄する。この洗浄温度が上記範囲外で
は、触媒活性や立体規則性の向上効果が十分に発揮され
ない。この不活性溶媒としては、例えば、オクタン,デ
カンなどの脂肪族炭化水素、メチルシクロヘキサン,エ
チルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素、トルエン,
キシレンなどの芳香族炭化水素,テトラクロロエタン,
クロロフルオロ炭素類などのハロゲン化炭化水素または
これらの混合物を挙げることができる。これらのなかで
は、脂肪族炭化水素が好ましく使用される。
【0045】洗浄方法としては、特に制限はないが、デ
カンテーション、濾過などの方式が好ましい。不活性溶
媒の使用量、洗浄時間、洗浄回数についても特に制限は
ないが、マグネシウム化合物1モルに対して、通常、1
00〜100,000ミリリットル、好ましくは、1,
000〜50,000ミリリットルの溶媒を使用し、通
常、1分〜24時間、好ましくは、10分〜6時間行わ
れる。この比が前記範囲を逸脱すると洗浄が不完全にな
ることがある。
【0046】このときの圧力は、溶媒の種類、洗浄温度
などにより、その範囲は変化するが、通常、0〜50k
g/cm2 G、好ましくは、0〜10kg/cm2 Gの
範囲にて行う。また、洗浄操作中は、洗浄の均一性およ
び洗浄効率の面から攪拌を行うことが好ましい。更に、
洗浄は好ましくは5回以上繰り返すと効果的である。な
お、得られた固体触媒成分は、乾燥状態または炭化水素
などの不活性溶媒中で保存することもできる。
【0047】重合方法 本発明を構成する(i)成分の製造における触媒の成分
の使用量については、特に制限はないが、(A)成分の
固体触媒成分は、チタン原子に換算して、反応容積1リ
ットル当たり、通常0.00005〜1ミリモルの範囲
になるような量が用いられ、(B)成分の有機アルミニ
ウム化合物は、アルミニウム/チタン原子比が通常1〜
1,000、好ましくは10〜500の範囲になるよう
な量が用いられる。この原子比が前記範囲を逸脱すると
触媒活性が不十分となることがある。また、(C)第3
成分として有機ケイ素化合物等の電子供与性化合物を用
いるときは、(C)電子供与性化合物/(B)有機アル
ミニウム化合物モル比が、通常0.001〜5.0、好
ましくは0.01〜2.0、より好ましくは0.05〜
1.0の範囲になるような量が用いられる。このモル比
が前記範囲を逸脱すると十分な触媒活性および立体規則
性が得られないことがある。ただし、予備重合を行う場
合は、さらに低減することができる。
【0048】本発明を構成する(i)成分の製造におけ
るプロピレンとエチレンのブロック共重合においては、
重合活性、立体規則性および重合体パウダー形態の面か
ら、所望に応じ、先ずプロピレンの予備重合を行ったの
ち、本重合を行ってもよい。この場合、前記(A)固体
触媒成分、(B)有機アルミニウム化合物および必要に
応じて(C)電子供与性化合物を、それぞれ所定の割合
で混合してなる触媒の存在下に、プロピレンを通常1〜
100℃の範囲の温度において、常圧ないし50kg/
cm2 G程度の圧力で予備重合させ、次いで触媒と予備
重合生成物との存在下に、プロピレンとエチレンを本重
合させる。
【0049】予備重合に用いられオレフィンとしては、
下記一般式(V) R14−CH=CH2 ・・・(V) で表されるα−オレフィンが好ましい。上記の一般式
(V)において、R14は水素原子または炭化水素基であ
って、炭化水素基は飽和基でも不飽和基でもよい。具体
的には、エチレン,プロピレン,1−ブテン,1−ペン
テン,1−ヘキセン,1−ヘプテン,1−オクテン,1
−デセン,3−メチル−1−ペンテン,4−メチル−1
−ペンテン,ビニルシクロヘキセン,ブタジエン,イソ
プレン,ピペリレン等を挙げることができる。これらの
オレフィンは一種用いてもよいし、二種以上組み合わせ
て用いてもよい。中でも、エチレン,プロピレンが好適
である。
【0050】この本重合における重合形式については特
に制限はなく、溶液重合、スラリー重合、気相重合、バ
ルク重合等のいずれにも適用可能であり、さらに、回分
式重合や連続重合のどちらにも適用可能であり、異なる
条件での2段階重合や多段重合にも適用可能である。本
発明を構成する(i)成分のブロック共重合体の製法
は、バッチ法又は連続法のいずれも一般的には先ずプロ
ピレン単独重合部を作り、次いで共重合部を作る。
【0051】例えば連続法で製造する場合は、前段の重
合槽に原料プロピレンガスに分子量調整剤の水素ガス、
触媒を供給し、重合時間で重合量をコントロールしてプ
ロピレン単独重合部を製造し、次いで後段の重合槽に移
動して更に原料プロピレンガスに共重合モノマー、水素
ガス、及び必要に応じて触媒を加えて共重合部を製造
し、ブロック共重合体を得ることができる。
【0052】さらに、反応条件については、その重合圧
は、特に制限はなく、重合活性の面から、通常、大気圧
〜80kg/cm2 G、好ましくは2〜50kg/cm
2 G、重合温度は、通常、0〜200℃、好ましくは、
30〜100℃の範囲で適宜選ばれる。重合時間は、通
常、5分〜20時間、好ましくは、10分〜10時間程
度である。
【0053】分子量は、連鎖移動剤の添加、好ましくは
水素の添加を行うことで調節することができる。また、
窒素等の不活性ガスを存在させてもよい。また、本発明
における触媒成分については、(A)成分と(B)成分
と(C)成分とを所定の割合で混合し、接触させたの
ち、ただちにプロピレンを導入して重合を行ってもよい
し、接触後、0.2〜3時間程度熟成させたのち、プロ
ピレンとエチレンを導入して重合を行ってもよい。さら
に、この触媒成分は不活性溶媒やプロピレンなどに懸濁
して供給することができる。
【0054】本発明を構成する(i)成分の製造におい
ては、重合後の後処理は常法により行うことができる。
すなわち、気相重合法においては、重合後、重合器から
導出されるポリマー粉体に、その中に含まれるプロピレ
ンやエチレンなどを除くために、窒素気流などを通過さ
せてもよいし、また、所望に応じて押出機によりペレッ
ト化してもよく、その際、触媒を完全に失活させるため
に、少量の水、アルコールなどを添加することもでき
る。また、バルク重合法においては、重合後、重合器か
ら導出されるポリマーから完全にモノマーを分離したの
ち、ペレット化することができる。
【0055】次に、(i)成分のプロピレン−エチレン
ブロック共重合体に配合される(ii)成分と(ii
i)成分の添加剤について説明する。 (ii)成分 (ii)成分として用いられる静電防止剤としては、従
来から静電防止剤または帯電防止剤として使用されてい
るものが特に限定されることなく使用でき、例えば、ア
ニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン
性界面活性剤、両性界面活性剤などを挙げることができ
る。
【0056】上記アニオン性界面活性剤としては、脂肪
酸またはロジン石鹸、N−アシルカルボン酸塩、エーテ
ルカルボン酸塩、脂肪酸アミン塩等のカルボン酸塩;ス
ルホコハク酸塩、エステルスルホン酸塩、N−アシルス
ルホン酸塩等のスルホン酸塩;硫酸化油、硫酸エステル
塩、硫酸アルキル塩、硫酸アルキルポリオキシエチレン
塩、硫酸エーテル塩、硫酸アミド塩等の硫酸エステル
塩;リン酸アルキル塩、リン酸アルキルポリオキシエチ
レン塩、リン酸エーテル塩、リン酸アミド塩等のリン酸
エステル塩などを挙げることができる。
【0057】前記カチオン性界面活性剤としては、アル
キルアミン塩等のアミン塩;アルキルトリメチルアンモ
ニウムクロリド、アルキルベンジルジメチルアンモニウ
ムクロリド、アルキルジヒドロキシエチルメチルアンモ
ニウムクロリド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロ
リド、テトラアルキルアンモニウム塩、N,N−ジ(ポ
リオキシエチレン)ジアルキルアンモニウム塩、N−ア
ルキルアルカンアミドアンモニウム塩等の第4級アンモ
ニウム塩;1−ヒドロキシエチル−2−アルキル−2−
イミダゾリン、1−ヒドロキシエチル−1−アルキル−
2−イミダゾリン等のアルキルイミダゾリン誘導体;イ
ミダゾリニウム塩、ピリジニウム塩、イソキノリウム塩
などを挙げることができる。
【0058】前記非イオン性活性剤としては、アルキル
ポリオキシエチレンエーテル、p−アルキルフェニルポ
リオキシエチレンエーテル等のエーテル型、脂肪酸ソル
ビタンポリオキシエチレンエーテル、脂肪酸ソルビトー
ルポリオキシエチレンエーテル、脂肪酸グリセリンポリ
オキシエチレンエーテル等のエーテルエステル型、脂肪
酸ポリオキシエチレンエステル、モノグリセリド、ジグ
リセリド、ソルビタンエステル、しょ糖エステル、2価
アルコールエステル、ホウ酸エステル等のエステル型、
ジアルコールアルキルアミン、ジアルコールアルキルア
ミンエステル、脂肪酸アルカノールアミド、N,N−ジ
(ポリオキシエチレン)アルカンアミド、アルカノール
アミンエステル、N,N−ジ(ポリオキシエチレン)ア
ルカンアミン、アミンオキシド、アルキルポリエチレン
イミン等の含窒素型などを挙げることができる。
【0059】前記両性界面活性剤としては、モノアミノ
カルボン酸、ポリアミノカルボン酸等のアミノ酸型;N
−アルキルアミノプロピオン酸塩、N,N−ジ(カルボ
キシエチル)アルキルアミン塩等のN−アルキル−β−
アラニン型、N−アルキルベタイン、N−アルキルアミ
ドベタイン、N−アルキルスルホベタイン、N,N−ジ
(ポリオキシエチレン)アルキルベタイン、イミダゾリ
ニウムベタイン等のベタイン型;1−カルボキシメチル
−1−ヒドロキシ−1−ヒドロキシエチル−2−アルキ
ル−2−イミダゾリン、1−スルホエチル−2−アルキ
ル−2−イミダゾリン等のアルキルイミダゾリン誘導体
を挙げることができる。
【0060】上記界面活性剤としては、非イオン性界面
活性剤、両性界面活性剤が好ましく、中でもモノグリセ
リド、ジグリセリド、ホウ酸エステル、ジアルコールア
ルキルアミン、ジアルコールアルキルアミンエステル、
アミド等のエステル型または含窒素型の非イオン性界面
活性剤;ベタイン型の両性界面活性剤が好ましい。静電
防止剤としては市販品を使用することもでき、例えば、
エレクトロストリッパーTSS(花王社製、商標、グリ
セリンモノステアレート)、エレクトロストリッパーE
A(花王社製、商標、ラウリルジエタノールアミン)、
デノン331P(丸菱油化社製、商標、ステアリルジエ
タノールアミンモノステアレート)、エレクトロストリ
ッパーEA−7(花王社製、商標、ポリオキシエチレン
ラウリルアミンカプリルエステル)、レジスタットPE
−139(第一工業製薬社製、商標、ステアリン酸モノ
&ジグリセリドホウ酸エステル)、ケミスタット470
0(三洋化成社製、商標、アルキルジメチルベタイン)
などを挙げることができる。
【0061】これら静電防止剤は、単独でも、組み合わ
せても使用することができる。その配合量は、プロピレ
ン−エチレンブロック共重合体100重量部に対して、
好ましくは0.05〜2重量部、さらに好ましくは、
0.1〜1重量部である。静電防止剤の配合量が、上記
の範囲内にあると、表面固有抵抗を減らして帯電による
障害を防止することができ、電気的特性に優れた組成物
が得られ、しかもプロピレン−エチレンブロック共重合
体の性質、例えば引張強度などを低下することもない。
【0062】(iii)成分 (iii)成分として用いられる防曇剤は、フィルム、
シート、チューブ等の成形品の表面に空気中の水分が凝
縮して成形品を曇らせるのを防止するために配合する薬
剤であり、成形品の表面を親水性にして、生じた水滴を
拡がらせる作用を有するものであれば特に制限はなく、
一般に防曇剤として用いられているものがそのまま使用
できる。
【0063】このような防曇剤としては界面活性剤が用
いられ、例えば、ソルビタンモノオレート、ソルビタン
モノベヘネート、ソルビタンモノステアレート等のソル
ビタン脂肪酸エステル;グリセリンモノオレート、グリ
セリンモノステアレート等のグリセリン脂肪酸エステ
ル;ジクセリンモノオレート、ジグリセリンセスキラウ
レート、ジグリセリンセスキオレート、テトラグリセリ
ンモノオレート、テトラグリセリンモノステアレート、
ヘキサグリセリンモノラウレート、ヘキサグリセリンモ
ノオレート、デカグリセリンモノオレート、デカグリセ
リンモノラウレート等のポリグリセリン脂肪酸エステ
ル;ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキ
シアルキレンエーテル;ラウリルジエタノールアミン等
の脂肪酸アミン;オレイン酸アミド等の脂肪酸アミドな
どを挙げることができるが、これらに限定されるもので
はない。中でも、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリ
セリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンエーテ
ル、脂肪酸アミンが好ましい。
【0064】これらの防曇剤は、単独でまたは二種以上
組み合わせて用いることができる。防曇剤をに種以上を
組み合わせて用いると、初期防曇性と防曇持続性とのバ
ランスに優れる、防曇性発現の温度領域が広くなる(特
に、低温領域において)等の効果がある。二種以上の防
曇剤の組み合わせとしては、例えば脂肪族アミンとグリ
セリン脂肪酸エステルとの組み合わせがあり、具体的に
は、ラウリルジエタノールアミンと、グリセリンモノス
テアレートとの組み合わせが挙げられる。また、脂肪族
アミンとグリセリン脂肪酸エステルとポリグリセリン脂
肪酸エステルとの組み合わせもあり、具体的には、ラウ
リルジエタノールアミンとグリセリンモノステアレート
とジグリセリンセスキラウレートとの組み合わせが挙げ
られる。
【0065】これら防曇剤の配合量は、(i)成分のプ
ロピレン−エチレン共重合体100重量部に対して、好
ましくは0.1〜5重量部、さらに好ましくは0.3〜
3重量部である。防曇剤の配合量が上記範囲にあると、
防曇効果が得られ易く、しかも防曇剤が成形品の表面か
らブリードせず、透明性に優れ、かつ防曇持続性、機械
的特性及び耐熱性にも優れた成形品を得ることができ
る。
【0066】本願の第二発明である成形体は、前記のプ
ロピレン−エチレンブロック共重合体組成物を用いて成
形することにより得ることができる。本発明の成形体と
しては、自動車内装材、架電製品のハウジング材やフィ
ルム、シート等を挙げることができる。また、成形方法
としては、射出成形法、圧縮成形法、射出圧縮成形法、
ガスアシスト射出成形法、押し出し成形法、ブロー成形
法等を挙げることができる。
【0067】なお、本発明の成形体は、所望に応じ前記
プロピレン−エチレンブロック共重合体組成物に、アン
チブロッキング剤、酸化防止剤、耐候剤、熱安定剤、滑
剤、造核剤、着色剤、無滴剤、難燃剤、難燃助剤、抗菌
剤、無機又は有機充填剤などの公知の添加剤を配合して
樹脂組成物を調製した上で製造してもよい。
【0068】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定さ
れるものではない。なお、前記本文及び実施例で用いる
試験方法は、以下の通りである。 (1)メルトフローレート(MFR)の測定 JIS K 7210に準拠し、230℃、2.16k
g荷重で測定する。 (2)常温キシレン可溶成分量の測定 常温(25℃)キシレン可溶成分及び不溶成分は、次の
ようにして取得した。 試料を5±0.05g精秤して1,000ミリリット
ルナス型フラスコに入れ、さらにBHT(酸化防止剤)
1±0.05gを添加したのち、回転子及びパラキシレ
ン700±10ミリリットルを投入する。 次いでナス型フラスコに冷却器を取り付け、回転子を
作動させながら、140±5℃のオイルバスでフラスコ
を120±30分間加熱して、試料をパラキシレンに溶
解させる。次に、1,000ミリリットルビーカーに
フラスコの内容物を注いだのち、ビーカー内の溶液をス
ターラーで攪拌しながら、室温(25℃)になるまで放
冷(8時間以上)後、析出物を金網でろ取する。 ろ液は、さらにろ紙にてろ過したのち、このろ液を
3,000ミリリットルビーカーに収容されたメタノー
ル2,000±100ミリリットル中に注ぎ、この液を
室温(25℃)にてスターラーで攪拌しながら、2時間
以上放置する。 次いで析出物を金網でろ取したのち、5時間以上風乾
後、真空乾燥機にて100±5℃で240〜270分間
乾燥して、25℃キシレン可溶成分を回収する。 一方、上記において金網でろ取した析出物を、再度
上記及びの方法に準じてパラキシレンに溶解したの
ち、3,000ミリリットルビーカーに収容されたメタ
ノール2,000±100ミリリットル中に素早く熱い
まま移し、2時間以上スターラーで攪拌後、一晩室温
(25℃)にて放置する。 次いで析出物を金網でろ取したのち、5時間以上風乾
後、真空乾燥機にて100±5℃で240〜270分間
乾燥して、25℃キシレン不溶成分を回収する。25℃
キシレンに対する可溶成分の含有量(w)は、試料重量
をAg、前記で回収した可溶成分の重量をCgとすれ
ば、 w(重量%)=100×C/A で表され、また不溶成分の含有量は(100−w)重量
%で表される。
【0069】(3)常温キシレン可溶成分の13C−NM
Rによるエチレン含有量の測定13 C−NMRの測定はすべて下記の方法による。すなわ
ち、NMR試料管に試料220mgを採取し、これに
1,2,4−トリクロロベンゼン/重ベンゼン混合溶媒
(容量比90/10)3ミリリットルを加えたのち、キ
ャップをして130℃で均一に溶解後、13C−NMRの
測定を次に示す測定条件で行う。 装置: 日本電子(株)製JNM−EX400 パルス幅: 9μs(45°) パルス繰り返し時間:4秒 スペクトル幅: 20,000Hz 測定温度: 130℃ 積算回数: 1,000回 また、25℃キシレンに対する可溶成分のエチレン単位
含有量及び不溶成分のエチレン単位含有量は下記の方法
により求めた値である。
【0070】すなわち、試料の13C−NMRを測定し、
そのスペクトルにおける35〜21ppm〔テトラメチ
ルシラン(TMS)化学シフト基準〕領域の7本のピー
ク強度から、まずエチレン(E),プロピレン(P)の
triad連鎖分率(モル%)を次式により計算する。 fEPE =〔K(Tδδ)/T〕×100 fPPE =〔K(Tβδ)/T〕×100 fEEE =〔K(Sγδ)/4T+K(Sδδ)/2T〕
×100 fPPP =〔K(Tββ)/T〕×100 fPEE =〔K(Sβδ)/T〕×100 fPEP =〔K(Sββ)/T〕×100 ただし、T=K(Tδδ)+K(Tβδ)+K(Sγ
δ)/4+K(Sδδ)/2+K(Tββ)+K(Sβ
δ)+K(Sββ) ここで例えばfEPE はEPEtriad連鎖分率(モル
%)を、K(Tδδ)はTδδ炭素に帰属されるピーク
の積分強度を示す。
【0071】次に、エチレン単位含有量(重量%)を上
記triad連鎖分率を用いて次式により計算する。 エチレン単位含有量(重量%)=28{3fEEE +2
(fPEE +fEPE )+f PPE +fPEP }×100/〔2
8{3fEEE +2(fPEE +fEPE )+fPPE
PEP }+42{3fPPP +2(fPPE +fPEP )+f
EPE PEE }〕
【0072】(4)常温キシレン不溶成分の13C−NM
Rによる立体規則性指標の測定 上記立体規則性指標は下記の方法により求めた値であ
る。すなわち、25℃キシレンに対する不溶成分の13
−NMRスペクトルにおいて、メチル炭素のシグナル
は、立体規則性の影響により低磁場から高磁場にわた
り、mmmm,mmmr,rmmr,mmrr,mmr
m+rrmr,rmrm,rrrr,mrrr,mrr
mの9本のピークに分裂して観測される。この9本のう
ち、ピーク強度の強いmmmm,mmmr,mmrr,
mmrm+rrmr,rrrr,mrrmの6本のピー
クに着目し、該不溶成分の立体規則性指標を次式により
算出する。
【0073】立体規則性指標(%)=Lmmmm×100/
(Lmmmm+Lmmmr+Lmmrr+Lmmrm +rrmr +Lrrrr+L
mrrm) ここで、Lmmmm,Lmmmr,Lmmrr,Lmmrm+rrmr ,L
rrrr及びLmrrmは、それぞれ13C−NMRスペクトルに
おけるmmmm,mmmr,mmrr,mmrm+rr
mr,rrrr及びmrrmのピークのベースラインか
らの高さである。ただし、mmmmのピークは、化学シ
フトとピーク高さの異なる複数の離散点から構成されて
おり、またmmmrのピークはmmmmの主ピークのテ
ーリング上に乗っているので、これらのピークのベース
ラインからの高さは、常法に従って補正を行う。
【0074】(5)常温キシレン可溶成分のパルスNM
Rで測定したT1緩和時間の測定 T1は、縦方向の磁化の回復の時定数であり、最も一般
的な測定方法は、反転回復法(180°−τ−90°パ
ルス法)である。先ず、t=0でθ=180°のパルス
によって磁化を−z’方向に与え、その後熱平衡値M0
への回復が始まる。τ時間経過後に90°パルスを与え
ると磁化はy’軸方向に回転し、磁化の大きさに比例し
たFIDシグナルが観測される。τを連続的に変えれ
ば、信号強度M(τ)の回復曲線が得られる。ブロッホ
の方程式に基づいて、M(0)=−M0 の初期条件によ
って、縦方向の磁化の回復は、 M=M0 {1−2exp(−τ/T1)} で表される。更に、実用的には、ln{M(∞)−M
(τ)}=ln{2M(∞)}−τ/T1となり、ln
{M(∞)−M(τ)}〜τのプロットから得られる直
線の傾きでT1を決定することができる。
【0075】なお、積算の繰り返し実験も含め、一連の
測定を行う場合、磁化が熱平衡状態に戻るまで待つ必要
があり、少なくとも5T1以上の待ち時間(5T1で9
9.3%回復する)を要するので、M(∞)は、τ>5
T1を満たすτに対するM(τ)値を採用した。ブルカ
ー社製パルスNMR装置CXP−90を使用して以下の
条件で測定した。 測定核:水素原子核 測定周波数:90MHZ 測定温度:30℃ 測定法:反転回復法(180°−τ−90°パルス法) 180°:180°パルス 90°:90°パルス τ:可変時間、90°パルス幅:2.3〜2.4μ秒
【0076】(6)耐衝撃性の測定 JIS K 7110に準拠して、射出成形品23℃、
−30℃でのノッチつきアイゾット衝撃強度を測定す
る。 (7)曲げ弾性率の測定 JIS K 7203に準拠して、曲げ弾性率を測定す
る。 (8)表面硬度の測定 JIS K 7202に準拠してロックウエル硬度(R
スケール)を測定する。 (9)熱変形温度の測定 JIS K 7207に準拠して、荷重歪み温度(高荷
重)を測定する。
【0077】(10)静電特性(表面固有抵抗)の評価 射出成形した2mm厚の角板を23℃、50%RHの環
境下で7日間保存した後、JIS K 6911に準じ
て測定した。 (11)防曇性(付着面積)の評価 500ミリリットルのビーカーに55℃の温水を300
ミリリットル入れ、試料の防曇面を内側にしてビーカー
にかぶせ、5℃の部屋で30分間放冷した。そして30
分間経過後フィルム面への水滴の付着を目視観察し、下
記第1表に示す基準で5段階の評価を行った。
【0078】
【表1】
【0079】〔重合触媒の調製〕 (1)触媒Aの調製 (固体触媒成分の調製)窒素で置換した内容積5リット
ルの攪拌機付三つ口フラスコにジエトキマグネシウム1
60gを投入した。更に脱水処理したオクタンを600
ミリリットルを加えた。40℃に加熱し、四塩化珪素2
4ミリリットルを加え、20分間攪拌し、ジブチルフタ
レートを16ミリリットルを加えた。溶液を80℃まで
昇温し、引き続き四塩化チタンを滴下ロートを用いて7
70ミリリットル滴下した。内温を125℃として2時
間接触させた。その後、攪拌を停止して固体を沈降さ
せ、上澄みを抜き出した。100ミリリットルの脱水オ
クタンを加え、攪拌しながら125℃まで昇温し、1分
間保持した後、攪拌を停止して固体を沈降させ、上澄み
を抜き出した。この洗浄操作を7回繰り返した。更に四
塩化チタンを1220ミリリットル加え、内温を125
℃とし、2時間接触させた。その後、125℃の脱水オ
クタンによる洗浄を6回繰り返し、固体触媒成分を得
た。 (予備重合)窒素で置換した内容積1リットルの攪拌機
付き三つ口フラスコに固体触媒成分を48gを投入し
た。更に脱水処理したn−ヘプタンを400ミリリット
ル加えた。40℃に加熱し、トリエチルアルミニウム
2.0ミリリットルとジシクロペンチルジメトキシシラ
ンを6.3ミリリットル加えた。これにプロピレンガス
を常圧で流通させ2時間反応させた。その後、固体成分
を脱水n−ヘプタンを用いて充分洗浄を行い触媒Aを得
た。
【0080】(2)触媒Bの調製 (固体触媒成分の調製)窒素で置換した内容積5リット
ルの攪拌機付三つ口フラスコにジエトキシマグネシウム
160gを投入した。更に脱水処理したn−ヘプタンを
600ミリリットルを加えた。40℃に加熱し、四塩化
珪素24ミリリットルを加え、20分間攪拌し、ジブチ
ルフタレートを25ミリリットルを加えた。溶液を80
℃まで昇温し、引き続き四塩化チタンを滴下ロートを用
いて770ミリリットル滴下した。内温を110℃とし
て2時間接触させた。その後、90℃の脱水n−ヘプタ
ンを用いて7回洗浄を行った。更に四塩化チタンを12
20ミリリットル加え、内温を110℃とし、2時間接
触させた。その後、60℃の脱水n−ヘプタンを用いて
6回洗浄を行い固体触媒成分を得た。 (予備重合)窒素で置換した内容積1リットルの攪拌機
付き三つ口フラスコに固体触媒成分を48gを投入し
た。更に脱水処理したヘプタンを400ミリリットル加
えた。40℃に加熱し、トリエチルアルミニウム2.0
ミリリットルとジシクロペンチルジメトキシシランを
6.3ミリリットル加えた。これにプロピレンガスを常
圧で流通させ2時間反応させた。その後、固体成分を脱
水n−ヘプタンを用いて充分洗浄を行い触媒Bを得た。
【0081】(3)触媒Cの調製 (固体触媒成分の調製)窒素で置換した内容積5リット
ルの攪拌機付三つ口フラスコにジエトキシマグネシウム
160gを投入した。更に脱水処理したn−ヘプタンを
600ミリリットルを加えた。40℃に加熱し、四塩化
珪素24ミリリットルを加え、20分間攪拌し、ジエチ
ルフタレートを23ミリリットルを加えた。溶液を80
℃まで昇温し、引き続き四塩化チタンを滴下ロートを用
いて770ミリリットル滴下した。内温を110℃とし
て2時間接触させた。その後、90℃の脱水n−ヘプタ
ンを用いて7回洗浄を行った。更に四塩化チタンを12
20ミリリットル加え、内温を110℃とし、2時間接
触させた。その後、90℃の脱水n−ヘプタンを用いて
6回洗浄を行い固体触媒成分を得た。 (予備重合)窒素で置換した内容積1リットルの攪拌機
付き三つ口フラスコに固体触媒成分を48gを投入し
た。更に脱水処理したn−ヘプタンを400ミリリット
ル加えた。10℃に保持し、トリエチルアルミニウム
2.7ミリリットルとシクロヘキシルメチルジキメトキ
シランを2ミリリットル加えた。これにプロピレンガス
を常圧で流通させ2時間反応させた。その後、固体成分
を脱水n−ヘプタンを用いて充分洗浄を行い触媒Cを得
た。
【0082】〔製造例1〕窒素ガスで充分乾燥し、次い
でプロピレンガスで置換された内容積5リットルの攪拌
装置付きステンレス製オートクレーブを70℃に保ち、
プロピレンガスで0.5kg/cm2 Gに昇圧した。こ
の状態で水素ガスを5.5kg/cm2 G張り込み、更
にプロピレンガスで28kg/cm2 Gまで徐々に昇圧
した。次いで、窒素ガスで置換された60ミリリットル
の触媒投入管にn−ヘプタン20ミリリットル、トリエ
チルアルミニウム4ミリモル、ジシクロペンチルジメト
キシシラン1ミリモル、触媒A0.02ミリモルをそれ
ぞれ採取後、オートクレーブに投入して、60分間プロ
ピレンを重合し、ホモポリマーを調製した。その後オー
トクレーブを外気圧まで脱圧して、窒素雰囲気にて、極
限粘度〔η〕測定用にサンプリングを行い、一旦真空脱
気した。次いで、エチレンガス/プロピレンガスを1:
2のモル比の割合で10kg/cm2 G張り込み、70
℃、10kg/cm2 Gに保ち40分間プロピレンエチ
レン共重合を行った。その後、外気圧まで脱圧し、常温
まで降温した後、オートクレーブを開放し、生成ポリマ
−パウダーを回収した。そのポリマーパウダーについ
て、前記要領で樹脂特性(構造特性)を測定した。その
結果を第2表に示す。 〔製造例2〕エチレン/プロピレンガスの比を1:1の
モル比とした以外は、製造例1と同様に実施した。 〔製造例3〕単独重合部の重合時間を30分間とした以
外は、製造例1と同様に実施した。
【0083】〔製造例4〕共重合部に水素ガスを0.5
kg/cm2 G張り込んだ以外は、製造例1と同様に実
施した。 〔製造例5〕共重合部の重合時間を20分間とした以外
は、製造例1と同様に実施した。 〔製造例6〕共重合部の重合時間を90分間とした以外
は、製造例1と同様に実施した。 〔製造例7〕製造例1の触媒Aの代わりに触媒Bを用い
た以外は製造例1と同様に実施した。 〔製造例8〕製造例1の触媒Aの代わりに触媒Bを用
い、エチレン/プロピレンガスの比を1:1のモル比と
した以外は、製造例1と同様に実施した。
【0084】〔製造例9〕製造例1の触媒Aの代わりに
触媒Bを用い、単独重合部の重合時間を30分間とした
以外は、製造例1と同様に実施した。 〔製造例10〕製造例1の触媒Aの代わりに触媒Bを用
い、共重合部の重合時間を20分間とした以外は、製造
例1と同様に実施した。 〔製造例11〕製造例1の触媒Aの代わりに触媒Cを用
い、ジシクロペンチルジメトキシシランの代わりにシク
ロヘキシルメチルジメトキシシランを用いた以外は、製
造例1と同様に実施した。 〔製造例12〕製造例1の触媒Aの代わりに触媒Cを用
い、ジシクロペンチルジメトキシシランの代わりにシク
ロヘキシルメチルジメトキシシランを用い、共重合部に
水素ガスを0.5kg/cm2 G張り込み、更にエチレ
ンガス/プロピレンガスの比を1:4のモル比とした以
外は、製造例1と同様に実施した。
【0085】〔製造例13〕製造例1の触媒Aの代わりに
触媒Cを用い、ジシクロペンチルジメトキシシランの代
わりにシクロヘキシルメチルジメトキシシランを用い、
エチレンガス/プロピレンガスの比を1:5のモル比と
した以外は、製造例1と同様に実施した。 〔製造例14〕製造例1の触媒Aの代わりに触媒Cを用
い、ジシクロペンチルジメトキシシランの代わりにシク
ロヘキシルメチルジメトキシシランを用い、共重合部に
水素ガスを0.1kg/cm2 G張り込み、更にエチレ
ンガス/プロピレンガスの比を1:4のモル比とした以
外は、製造例1と同様に実施した。 〔製造例15〕製造例1の触媒Aの代わりに触媒Cを用
い、ジシクロペンチルジメトキシシランの代わりにシク
ロヘキシルメチルジメトキシシランを用い、エチレンガ
ス/プロピレンガスの比を1:4のモル比とした以外
は、製造例1と同様に実施した。
【0086】実施例1〜12及び比較例1〜9 上記の製造例1〜15により得られたブロックポリプロ
ピレンパウダー100重量部に、第2表に示す添加剤を
第2表に示す割合で加え、更に、発錆防止剤として、ス
テアリン酸カルシウム(日本油脂社製)を0.1重量
部、DHT−4A(協和化学社製)を0.05重量部、
酸化防止剤として、P−EPQ(クラリアント社製)を
0.075重量部、イルガノックス1010(チバ・ス
ペシャリティ・ケミカルズ社製)を0.15重量部を加
え、よく混合した後、20mm単軸混練押出機にて溶融
混練造粒し、ペレットを作製した。そのペレットを下記
の要領で射出成形及び押出成形して各種試験片を作製し
前記の要領で機械的特性、静電防止性及び防曇性の評価
を実施した。その結果を第2表に示す。 (1)射出成形品の測定用試験片 東芝機械株式会社(製)のIS100FIII型射出成
形機を用い、樹脂温度200℃、金型温度45℃で試験
片を作製した。 (2)押出成形品測定用試験片(フィルム) 田辺プラスチックス機械社製押出成形機を用い、樹脂温
度250℃、チルロール温度45℃、引取速度20m/
minの条件下で膜厚30μmのフィルムに成形した。
【0087】
【表2】
【0088】
【表3】
【0089】
【表4】
【0090】
【表5】
【0091】
【表6】
【表7】
【0092】なお、実施例と比較例に使用した添加剤は
下記の通りである。 静電防止剤A:グリセリンモノステアレート(エレクト
ロストリッパーTS5,花王社製) 静電防止剤B:ステアリルジエタノールアミンモノステ
アレート(デノン331P,丸菱油化工業社製) 防曇剤A:ラウリルジエタノールアミン(エレクトロス
トリッパーEA,花王社製) 防曇剤B:ジグリセリンセスキラウリレート(PA−5
395,丸菱油化工業社製)
【0093】第2表において、ほぼ同じアイゾット衝撃
強度(−30℃)を示す実施例1〜7,10と比較例
1,5を比較すると、本発明のプロピレン−エチレンブ
ロック共重合体組成物は、曲げ弾性率,ロックウェル硬
度,熱変形温度が高く、優れていることがわかる。同様
に、実施例11と比較例4,8,9、実施例9と比較例
3の比較においても同様なことが言える。また、実施例
1〜12と比較例9の比較から、静電防止剤,防曇剤を
使用することにより、静電防止性,防曇性も改良されて
いることは明らかである。
【0094】
【発明の効果】本発明のプロピレン−エチレンブロック
共重合体組成物は、曲げ弾性率とアイゾット衝撃強度
(−30℃、23℃)、ロックウェル硬度とアイゾット
衝撃強度(−30℃、23℃)、熱変形温度(高荷重)
とアイゾット衝撃強度(−30℃、23℃)のいずれの
バランスにおいても優れている。また、静電防止剤、防
曇剤を使用することによりその静電防止性、防曇性も改
良されていることは明らかである。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 BP021 CH052 CM012 EE056 EF006 EG016 EH056 EN006 EN096 EN106 EN116 EN126 EN136 EP016 EU046 EU116 EV186 EV256 EV286 EW046 EY016 FD102 FD106 FD202 FD206 FD312 FD316 4J026 HA04 HA27 HB03 HB04 HB27 HE01 HE02 4J028 AA01A AB01A AC06A BA01A BA01B BA02A BB00A BB01B BC05A BC15B BC16B BC19B BC33A BC34B CA42A CB03C CB22A CB25A CB27A CB33C CB42A CB47C CB52A CB53A CB55A CB62A CB62C CB68A CB72C CB74C CB75C CB79A CB88C CB92A CB92C DA00 EB02 EB04 EC02 ED09 FA01 FA02 FA03 FA04 FA07 GA07 GA21

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i)下記(a)〜(c)で示される性
    状を有するプロピレン−エチレンブロック共重合体に、
    (ii)静電防止剤及び/又は(iii)防曇剤を配合
    してなるプロピレン−エチレンブロック共重合体組成
    物。 (a)メルトフローレート(MFR)(230℃、2.
    16kg荷重)が0.01〜1,000g/10分であ
    り、(b)常温キシレン不溶成分の13C−NMRで測定
    した立体規則性指標〔mmmm〕分率が98.9%以上
    であり、(c)常温キシレン可溶成分が下記(c1)〜
    (c3)の条件を満たすものである。 (c1)3〜50重量%であること、(c2)パルスN
    MRで測定したT1緩和時間成分が単一の緩和成分から
    なること、(c3)13C−NMRで測定したエチレン含
    有量をx重量%とし、パルスNMRで測定したT1緩和
    時間y(ミリ秒)が次の関係式を満たすこと。 y ≦ 0.0014x3 −0.0897x2 −1.0593x+231.6 ・・・(1)
  2. 【請求項2】 (ii)成分の配合量が、(i)成分1
    00重量部に対して0.05〜2重量部である請求項1
    記載のプロピレン−エチレンブロック共重合体組成物。
  3. 【請求項3】 (iii)成分の配合量が、(i)成分
    100重量部に対して0.1〜5重量部である請求項1
    又は2に記載のプロピレン−エチレンブロック共重合体
    組成物。
  4. 【請求項4】 (i)成分のメルトフローレート(MF
    R)(230℃、2.16kg荷重)が0.3〜300
    g/10分である請求項1〜3のいずれかに記載のプロ
    ピレン−エチレンブロック共重合体組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のプロピ
    レン−エチレンブロック共重合体組成物を成形してなる
    成形体。
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