JPH0873530A - プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体およびその製造法 - Google Patents

プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体およびその製造法

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JPH0873530A
JPH0873530A JP21006294A JP21006294A JPH0873530A JP H0873530 A JPH0873530 A JP H0873530A JP 21006294 A JP21006294 A JP 21006294A JP 21006294 A JP21006294 A JP 21006294A JP H0873530 A JPH0873530 A JP H0873530A
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和幸 渡辺
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 柔軟性、耐衝撃性および透明性に優れるのみ
ならず、ヒートシール性も良好なプロピレン−α−オレ
フィンを共重合体を提供する。 【構成】 エチレンまたは炭素数が4〜20であるα−
オレフィンの含有量が2.5〜30重量%であり、かつ
下記 (i)〜(iv)の物性を有するプロピレン−α−オレフ
ィンランダム共重合体。(i) 示差走査型熱量計(DS
C)により測定した溶解曲線の主吸熱ピークの半値幅A
(℃)が3.15B+7.4≦A≦4.0B+21.0
であること、(ii)クロス分別クロマトグラフ(CFC)
により測定される主溶出ピーク温度Tf(℃)がTf≦
115−4.17Bであること、 (iii)上記主溶出ピー
ク温度Tfの半値幅σ(℃)がσ≧1.7B+5.0で
あること、(iv)CFCの測定において温度70℃以下の
溶出量Wf(重量%)がWf≦9.75B−13.8で
あること(ただし、上記式中、Bはα−オレフィンの含
有量(重量%)を表す)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に自動車部品、電気
・電子部品、包装材料分野に好適に用いられる、柔軟
性、耐衝撃性および透明性に優れるのみならず、ヒート
シール性も良好なプロピレン−α−オレフィンランダム
共重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレンは、一般に安価であり、
かつその特長である軽量性、透明性、機械的強度、耐熱
性、耐薬品性などの性質を生かし、自動車部品、電気・
電子部品などの工業材料、各種包装材料などに広く利用
されている。近年、製品の高機能化あるいはコスト低減
化に伴い、これらの材料に対する特性向上が強く要望さ
れている。これらの特性のうち、柔軟性、耐衝撃性、透
明性などを改良する方法としてプロピレンと他のα−オ
レフィンを共重合した後、ラジカル発生剤で処理する方
法(特開昭58-32610号公報など)、あるいはn−デカン
含有量など特定の物性を有するプロピレン−エチレン共
重合体(特開平4-202409号公報など)などが提案されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法では、いずれも特性の改良がいまだ不十分である。し
かも、前者の方法では工程が煩雑でコスト上の問題もあ
った。本発明は、かかる状況に鑑みてなされたものであ
り、柔軟性、耐衝撃性および透明性に優れるのみなら
ず、ヒートシール性も良好なプロピレン−α−オレフィ
ンランダム共重合体を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、特定の物性を有するプロピレン−α−オ
レフィンランダム共重合体により上記目的を達成しうる
ことを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに
至った。すなわち、エチレンまたは炭素数が4〜20で
あるα−オレフィンの含有量が2.5〜30重量%であ
り、かつ下記 (i)〜(iv)の物性を有するプロピレン−α
−オレフィンランダム共重合体を提供するものである。 (i) 示差走査型熱量計(DSC)により測定した溶解曲
線の主吸熱ピークの半値幅A(℃)が次式に示される範
囲にあること 3.15B+7.4≦A≦4.0B+21.0 (ii) クロス分別クロマトグラフ(CFC)により測定
される主溶出ピーク温度Tf(℃)が次式に示される範
囲にあること Tf≦115−4.17B (iii)上記主溶出ピーク温度Tfの半値幅σ(℃)が次
式に示される範囲にあること σ≧1.7B+5.
0 (iv) CFCの測定において温度70℃以下の溶出量W
f(重量%)が次式に示される範囲にあること Wf≦9.75B−13.8 (ただし、上記式中、Bはα−オレフィンの含有量(重
量%)を表す) 以下、本発明を具体的に説明する。
【0005】本発明におけるプロピレン−α−オレフィ
ンランダム共重合体は、プロピレンとエチレンまたは炭
素数が4〜20であるα−オレフィンとのランダム共重
合体(以下「RPP」という)である。α−オレフィン
の具体例としては、1−ブテン、3−メチル−1−ブテ
ン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペン
テン、4−ジメチル−1−ペンテン、ビニルシクロペン
タン、ビニルシクロヘキサンなどが挙げられる。これら
のα−オレフィンは1種でも良く2種以上を混合しても
よい。
【0006】本発明のRPPに占めるα−オレフィンの
含有量は、2.5〜30重量%であり、2.7〜28重
量%が好ましく、とりわけ2.9〜26重量%が好適で
ある。α−オレフィンの含有量が2.5重量%未満では
柔軟性が劣る。一方、30重量%を超えると耐熱性が低
下するので好ましくない。また、本発明のRPPは、示
差走査型熱量計(DSC)により測定した溶解曲線の主
吸熱ピークの半値幅A(℃)が次式に示される範囲にあ
ることが必要である。なお、以下の式中のBはすべてα
−オレフィンの含有量(重量%)を表す。 3.15B+7.4≦A≦4.0B+21.0 半値幅Aが上記式の下限を下回ると柔軟性および透明性
に劣る。一方、上限を超えると耐熱性が低下する。ま
た、Aの好ましい範囲は3.15B+7.9≦A≦4.
0B+20.0 であり、特に次の範囲が好適であ
る。 3.15B+8.1≦A≦4.0B+19.0
【0007】なお、示差走査型熱量計(DSC)は示差
走査型熱量測定に用いる熱量計であり、該示差走査型熱
量測定は、試料を一定速度で昇降温させたときに生ずる
熱的変化を熱エネルギー量として定量する方法である。
溶解曲線はDSCを用いて試料約3〜5mgを230℃
で5分間融解後、29℃/分の速度で20℃まで降温
し、5分間保持した後、20℃/分の速度で230℃ま
で昇温することにより得られる。また、半値幅Aとは、
上記溶解曲線において主吸熱ピーク高さの50%に相当
する高さの位置におけるピーク幅をいう。
【0008】また、本発明のRPPは、クロス分別クロ
マトグラフ(CFC)により測定される主溶出ピーク温
度Tf(℃)が次式に示される範囲にあることが必要で
ある。 Tf≦115−4.17B Tfが上記式の上限を超えると柔軟性および耐衝撃性に
劣る。また、Tfの好ましい範囲はTf≦114−4.
17B であり、特に、次の範囲が好適である。 Tf≦113−4.17B
【0009】ここで、クロス分別クロマトグラフ(Cros
s Fractionation Chromatograph)(以下「CFC」とい
う)とは、昇温分別装置と呼ばれるもので、試料をカラ
ム内の充填剤に吸着させ、カラム温度を一定の速度で昇
温しながら各温度で分別し、溶出するポリマーごとにオ
ンラインでゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(GPC)で測定する装置である。この測定装置によ
り、溶出温度−分子量−成分量の三次元で合成樹脂の構
成分布を得ることができる。該CFCについては Takao
Usumi et al;Jounal of Applied Polymer Symposium V
ol.52,p145-158(1993)および特開平5-9218号公報に詳細
に記載されている。TfはCFCにおいて最も大きなピ
ークが現れたときの温度をいう。
【0010】また、本発明のRPPは、上記主溶出ピー
ク温度Tfの半値幅σ(℃)が次式に示される範囲にあ
ることが必要である。 σ≧1.7B+5.0 半値幅σが上記下限を下回ると耐衝撃性および透明性に
劣る。また、σの好ましい範囲は σ≧1.8B+5.0 特に、次の範囲が好適である。 σ≧1.9B+5.0
【0011】さらに、本発明のRPPは、CFCの測定
において温度70℃以下の溶出量Wf(重量%)が次式
に示される範囲にあることが必要である。 Wf≦9.75B−13.8 溶出量Wfが上記式の上限を超えると成形品表面にベタ
ツキが発生し好ましくない。また、Wfの好ましい範囲
は Wf≦9.75B−14.3 特に、次の範囲が好適である。 Wf≦9.75B−14.8
【0012】本発明のRPPの重合は、ヘキサン、ヘプ
タン、灯油などの不活性炭化水素またはプロピレンなど
の液化α−オレフィン溶媒の存在下で行うスラリー法、
無溶媒下の気相重合法などにより、温度条件としては室
温〜130℃、好ましくは50〜90℃、圧力2〜50
kg/cm2 の条件で行われる。重合工程における反応
器は、当該技術分野で通常用いられるものが適宜使用で
き、例えば攪拌槽型反応器、流動床型反応器、循環式反
応器を用いて連続式、半回分式、回分式のいずれの方法
でもよい。
【0013】本発明のRPPを得るための好ましい触媒
の例としては、マグネシウム化合物、チタン化合物、ハ
ロゲン含有化合物および電子供与性化合物を必須成分と
する固体触媒を、更に一般式:Ti Xa ・Yb (式中、
XはCl,Br,Iのハロゲン原子を、Yは電子供与性化合
物を、aは3もしくは4を、bは3以下の整数をそれぞ
れ表す)で示されるチタン化合物で処理後、ハロゲン含
有化合物で洗浄し、更に炭化水素で洗浄して得られる改
良重合触媒が挙げられる。
【0014】上記式中のTi Xa は、例えば、R.P.S.Co
utts,et al,Advan.Organometal.Chem.,9,135(1970), 第
4版新実験化学講座 17 無機錯体・キレート錯体 日
本化学会丸善(1991) p.35, H.K.Kakkoen,et al,J.Organ
omet.Chem.,453,175(1993)などに記載されているよう
に、一般に電子供与性化合物とは容易に錯体を形成する
ことが知られている。
【0015】XはCl,Br,Iのハロゲン原子であり、こ
の中で好ましいのはCl である。aは3もしくは4であ
るが、好ましくは4である。Yとしては、一般に含酸素
化合物、含窒素化合物、含リン化合物、含硫黄化合物な
どが挙げられる。含酸素化合物としては、例えばアルコ
ール類、エーテル類、エステル類、酸ハライド類、酸無
水物類などが挙げられる。さらに具体的には、メチルア
ルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブ
チルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコ
ール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニ
ルアルコール、デシルアルコール、2−エチルアルコー
ル、オレイルアルコール、ベンジルアルコール、フェニ
ルエチルアルコール、フェノール、クレゾール、エチル
フェノール、ナフトールなどのアルコール類;メチルエ
ーテル、エチルエーテル、プロピルエーテル、ブチルエ
ーテル、アミノエーテル、ヘキシルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、アニソール、ジフェニルエーテルなどのエ
ーテル類およびジエーテル類;酢酸エチル、クロル酢酸
エチル、プロピオン酸エチル、酪酸エチル、アクリル酸
エチル、クロトン酸エチル、オレイン酸エチル、ステア
リン酸エチル、フェニル酢酸エチル、安息香酸メチル、
安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、
トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、トルイル酸プロ
ピル、トルイル酸ブチル、エチル安息香酸メチル、アニ
ス酸メチル、アニス酸エチル、エトキシ安息香酸メチ
ル、エトキシ安息香酸エチル、ケイ皮酸エチル、フタル
酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジプロピル、
フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジイソブチル、フタ
ル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、γ−ブチロラク
トン、δ−バレロラクトン、炭酸エチレンなどのエステ
ル類;アセチルクロリド、ベンゾイルクロリド、トルイ
ル酸クロリド、フタル酸クロリドなどの酸クロリド類;
無水マレイン酸、無水フタル酸などの酸無水物などが挙
げられる。また、これらの電子供与性化合物は、1種で
もよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも好
ましいものはエステル類であり、特に好ましいものはフ
タル酸エステル類である。Yのbは、前記aが3のとき
はbは1〜3、aが4のときは1または2が好ましく、
特に好ましいのはaが4、bが1の場合である。
【0016】さらに、本発明の樹脂組成物には、所望に
より当業者に慣用されている添加剤、例えば酸化防止
剤、耐候性安定剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防
止剤、防曇剤、顔料、可塑剤、柔軟剤などを本発明の目
的を損なわない範囲で適宜配合できる。
【0017】本発明のプロピレン−α−オレフィンラン
ダム共重合体は、公知の溶融成形法および圧縮成形法に
より射出成形体、フィルム、シート、チューブ、ボトル
などに成形でき、単体での使用および他の材料と積層し
た積層体としても使用できる。積層方法としては、ポリ
ウレタン系、ポリエステル系、ポリアクリル系などの接
着剤を用いて、その他の熱可塑性樹脂を積層する、いわ
ゆるドライラミネート成形法、共押出ラミネーション
法、共押出法、共射出成形法、共押出パイプ成形法など
が挙げられる。このようにして得られた多層積層体は、
真空成形、圧空成形、延伸ブロー成形などの成形法を用
いて、再加熱し延伸する方法により成形体とすることも
できる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明する。本発明における各物性の測定方法および装置を
以下に示す。 [示差走査型熱量計(DSC)による融解曲線の測定] 装 置:PERKIN−ELNER社製DSC7型 試料重量:約3〜5mg 測定方法:試料を230℃で5分間融解後、20℃/分
の速度で20℃まで降温した後、20℃/分で230℃
まで昇温することにより融解曲線を得ることができる。
得られた主吸熱ピークよりその半値幅を求めた。
【0019】[クロス分別クロマトグラフ] 装 置:油化電子社製T−150A型クロス分別クロ
マトグラフ 試料重量:オルトジクロルベンゼンにポリマー濃度が
0.4重量%になるように調整し、温度140〜160
℃でポリマーを溶解する。 TREFカラム:4.6mmφ×150mm 充填剤 :ガラスビーズ カラム温度分布:±0.1℃以内 TREF温度 :140℃ GPCカラム :SHODEX UT806M、807 検出部 :紫外吸光検出法(MIRAN−1A) 溶 媒:オルトジクロルベンゼン(BHT0.1重量
部) 流 量:1.0ml/分 注入量 :0.5ml 昇温速度:1℃/分 測定方法:ポリマー溶液をTREFに導入し、次いで、
降温速度140℃/分で、0℃まで降温し充填剤に吸着
させ降温後30分間保持する。次に、上記昇温速度14
0℃まで昇温し、溶出曲線を得る。
【0020】[エチレン含有量]C.J.Carman
et al;Macromolecules,10,53
7(1977) に記載されている13C−NMR法に拠った。 [MFR]JIS K7210に準拠し、タカラ社製メ
ルトインデクサーを使用した。 [アイゾット衝撃強度]JIS K7110に準拠し、
上島製作所社製U−Fインパクトテスターを使用した。 [透明性(HAZE)]JIS K7216に準拠し
た。 [ヒートシール強度]テスター社製ヒートシーラーを使
用して圧力2kg/cm2 、シール時間1秒の条件でヒ
ートシールを行い、15mm幅の短冊状試験片を作成し
た。得られた各試験片について、オリエンテック社製引
張試験機を用いて剥離速度300mm/分の条件でT型
剥離し、ヒートシール強度を測定した。 [落下衝撃試験]ブロー成形で成形した容器(容量30
0ml)20個に水を290g充填し、温度0℃の条件
で1mの高さからコンクリート床に落下させ破損した割
合を%で示した。
【0021】また、使用したプロピレン−α−オレフィ
ンの製造例を以下に示す。 (a)固体触媒の調製 無水塩化マグネシウム56.8g(597mmol)
を、無水エタノール100g(174mmol)、出光
興産社製ワセリンオイル(CP15N)500mlおよ
び信越シリコーン社製シリコーン油(KF96)500
mlからなる混合液に窒素雰囲気下、120℃で完全溶
解した。この混合物を特殊機化工業社製TKホモミキサ
ーを用いて120℃、3000回転/分で3分間撹拌し
た。次いで、撹拌を維持しながら2リットルの無水ヘプ
タン中に0℃以下を維持するように冷却しながら移送し
た。得られた白色固体は無水ヘプタンで十分洗浄し、室
温下で真空乾燥した。得られた白色固体30gを無水ヘ
プタン200ml中に懸濁させ、0℃で撹拌しながら四
塩化チタン500ml(4.5mol)を1時間かけて
滴下した。次に、加熱を始めて40℃になったところで
フタル酸ジイソブチル4.96g(17.8mmol)
を加え、100℃まで約1時間で上昇させた。100℃
で2時間反応した後、熱時ろ過にて固体部分を採取し
た。得られた固体部分に四塩化チタン500ml(4.
5mol)を加え、撹拌下120℃で1時間反応した
後、再度熱時ろ過にて固体部分を採取し、60℃のヘキ
サン1リットルで7回、さらに室温のヘキサン1リット
ルで3回洗浄した。
【0022】(b)TiCl4 [C64 ( COOi
49)2]の調製 四塩化チタン19g(100mmol)を含むヘキサン
1リットルの溶液に、フタル酸ジイソブチル27.8g
(100mmol)を、0℃を維持しながら約30分間
で滴下した。滴下終了後、40℃に昇温し30分間反応
した。反応終了後、固体部分を採取しヘキサン500m
lで5回洗浄し目的物を得た。
【0023】(c)重合触媒成分の調製 上記(a)で得られた固体触媒20gをトルエン300
mlに懸濁させ、25℃で上記(b)で得られたTiC
4 [C64 ( COOi49)2]5.2g(11m
mol)で1時間処理して担持させた。担持終了後、熱
時ろ過にて固体部分を採取し、トルエン300mlと四
塩化チタン10ml(90mmol)に再懸濁させ、9
0℃で1時間撹拌洗浄し、熱時ろ過にて固体部分を採取
し、その後、この反応物を90℃のトルエン500ml
で5回、室温のヘキサン500mlで3回洗浄した。
【0024】予備重合 窒素雰囲気下、内容積3リットルのオートクレーブ中
に、n−ヘプタン500ml、トリエチルアルミニウム
6.0g(53mmol)、ジシクロペンチルジメトキ
シシラン3.9g(17mmol)、および上記(c)
で得られた重合触媒成分10gを投入し、0〜5℃の温
度範囲で5分間撹拌した。次に、重合触媒成分1gあた
り10gのプロピレンが重合するようにプロピレンをオ
ートクレーブ中に供給し、0〜5℃の温度範囲で1時間
予備重合した。得られた予備重合固体触媒成分は、n−
ヘプタンで500mlで3回洗浄を行い、以下の本重合
に使用した。
【0025】本重合 窒素雰囲気下、内容積60リットルの撹拌機付きオート
クレーブに上記の方法で調製された予備重合固体触媒
1.0g、トリエチルアルミニウム11.4g、ジシク
ロペンチルジメトキシシラン6.84gを入れ、次いで
プロピレン18kg、エチレン140リットルおよび水
素100リットルを装入し、70℃まで昇温し1時間重
合を行った。その後、未反応のプロピレンを除去し重合
を終結させた。その結果、エチレン含有量が3.5重量
%およびMFRが7.3g/10分であるプロピレン−
エチレンランダム共重合体(以下「RPP1」という)
5.0kgを得た。
【0026】同様にして、重合時のプロピレン、エチレ
ンおよび水素の装入量を調整し、エチレン含有量が1
0.2重量%およびMFRが7.6g/10分であるポ
リプロピレン(以下「RPP2」という)、エチレン含
有量が7.1重量%およびMFRが6.8g/10分で
あるポリプロピレン(以下「RPP3」という)、エチ
レン含有量が5.1重量%およびMFRが7.8g/1
0分であるポリプロピレン(以下「RPP4」という)
およびエチレン含有量が2.9重量%およびMFRが
8.1g/10分であるポリプロピレン(以下「RPP
5」という)を得た。
【0027】また、比較例用として次の3種類のRPP
を用いた。東ソー・アクゾ社製AA型三塩化チタン6.
0g、ジエチルアルミニウムクロライド23.5gを触
媒成分として用い、プロピレン18kg。エチレン14
0リットルおよび水素100リットルを装入し、上記本
重合と同様にして重合した結果、エチレン含有量が2.
9重量%およびMFRが32.2g/10分であるポリ
プロピレン(以下「RPP6」という)、エチレン含有
量が2.9重量%およびMFRが3.2g/10分であ
るポリプロピレン(以下「RPP7」という)およびエ
チレン含有量が2.9重量%およびMFRが0.8g/
10分であるポリプロピレン(以下「RPP8」とい
う)を得た。
【0028】実施例1〜5、比較例1〜3 RPP1〜8についてDSCおよびクロス分別クロマト
グラフを測定した。その結果を表1に示す。また、RP
P1〜8の各々100重量部に対して、安定剤としてジ
−t−ブチル−p−クレゾール 0.05重量部、ペン
タエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート 0.
10重量部およびカルシウムステアレート 0.10重
量部を配合し、川田製作所社製スーパーミキサー(SM
V20型)を用いて混合した後、ナカタニ機械社製二軸
押出機(AS30型)を用いてペレット化した。得られ
た各ペレットを東芝機械社製射出成形機(IS−170
FII)を用いて、温度220℃、金型冷却温度50℃で
各試験片を作製した。得られた試験片を相対湿度50
%、温度23℃の恒温室に2日放置後、曲げ弾性率、ア
イゾット衝撃強度(ノッチ付き)、HAZEおよび脆化
温度を測定した。また、吉井鉄工社製40mmφTダイ
成形機を用いて厚さ60mμのフィルムを成形した。得
られた各フィルムについてヒートシール強度を測定し
た。以上の結果を表1に示す。
【0029】実施例6、比較例4 RPP5およびRPP6を使用して、上記実施例の配合
に加えて造核剤として1,3,2,4−ジベンジリデン
ソルビトール 0.25重量部を配合し、上記方法で各
々ペレットにした。得られたペレットを日本製鋼所社製
ブロー成形機(JB105型)を用いて外径56mmの
容器(容量300ml)を成形した。得られた容器につ
いて胴部分のHAZEおよび落下衝撃試験を測定した。
その結果を表2に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、柔軟性、耐衝撃
性および透明性に優れるのみならず、ヒートシール性も
良好であり、特に自動車部品、電気・電子部品、包装材
料分野などに有用である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンまたは炭素数が4〜20である
    α−オレフィンの含有量が2.5〜30重量%であり、
    かつ下記 (i)〜(iv)の物性を有するプロピレン−α−オ
    レフィンランダム共重合体。 (i) 示差走査型熱量計(DSC)により測定した溶解曲
    線の主吸熱ピークの半値幅A(℃)が次式に示される範
    囲にあること 3.15B+7.4≦A≦4.0B+21.0 (ii) クロス分別クロマトグラフ(CFC)により測定
    される主溶出ピーク温度Tf(℃)が次式に示される範
    囲にあること Tf≦115−4.17B (iii)上記主溶出ピーク温度Tfの半値幅σ(℃)が次
    式に示される範囲にあること σ≧1.7B+5.
    0 (iv) CFCの測定において温度70℃以下の溶出量W
    f(重量%)が次式に示される範囲にあること Wf≦9.75B−13.8 (ただし、上記式中、Bはα−オレフィンの含有量(重
    量%)を表す)
  2. 【請求項2】 α−オレフィンがエチレンおよび/また
    は1−ブテンである請求項1記載のプロピレン−α−オ
    レフィンランダム共重合体。
  3. 【請求項3】 マグネシウム化合物、チタン化合物、ハ
    ロゲン含有化合物および電子供与性化合物を必須成分と
    する固体触媒を、更に一般式:TiXa・Yb(式中、
    XはCl,Br,Iのハロゲン原子を、Yは電子供与性
    化合物を、aは3もしくは4を、bは3以下の整数をそ
    れぞれ表す)で示されるチタン化合物で処理後、ハロゲ
    ン含有化合物で洗浄し、更に炭化水素で洗浄して得られ
    る改良固体触媒成分を用いてなる請求項1記載のプロピ
    レン−α−オレフィンランダム共重合体の製造法。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2記載のプロピレ
    ン−α−オレフィンランダム共重合体を押出成形して得
    られるフィルム成形体。
  5. 【請求項5】 請求項1または請求項2記載のプロピレ
    ン−α−オレフィンランダム共重合体を押出成形して得
    られるブロー成形体。
  6. 【請求項6】 請求項1または請求項2記載のプロピレ
    ン−α−オレフィンランダム共重合体を成形して得られ
    る射出成形体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2000012573A1 (fr) * 1998-09-01 2000-03-09 Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. Copolymere statistique de propylene, compostion de resine de propylene, couche mince de ceux-ci et stratifie de resine de propylene multicouche
JP2000219787A (ja) * 1998-11-26 2000-08-08 Idemitsu Petrochem Co Ltd プロピレン系樹脂組成物及びそのフィルム

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