JP2831574B2 - プロピレンブロック共重合体、その製造方法およびその組成物 - Google Patents

プロピレンブロック共重合体、その製造方法およびその組成物

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JP2831574B2 JP21449994A JP21449994A JP2831574B2 JP 2831574 B2 JP2831574 B2 JP 2831574B2 JP 21449994 A JP21449994 A JP 21449994A JP 21449994 A JP21449994 A JP 21449994A JP 2831574 B2 JP2831574 B2 JP 2831574B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に機械部品、電気・
電子部品、包装材料分野、エンジニアリングプラスチッ
ク代替品等に好適に用いられる、剛性、耐衝撃性、耐熱
性および表面硬度に優れるプロピレンブロック共重合体
およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プロピレンブロック共重合体は、従来の
ポリプロピレンの欠点である耐衝撃性を改善した樹脂と
して、自動車部品、電気・電子部品などの工業材料など
に広く利用されている。該プロピレンブロック共重合体
は、通常多段重合法で製造され、第一段の反応でプロピ
レンを重合した後、第二段の反応でプロピレンとα−オ
レフィンとの共重合を行う方法がとられている。これら
の重合方法としては、例えば特公昭36-15284号公報、特
公昭38-14834号公報、特公昭37-11436号公報、特開昭53
-35788号公報、特開昭53-35789号公報、特開昭48-25781
号公報、特開昭56-55416号公報などが挙げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法で得られるプロピレンブロック共重合体は耐衝撃性に
優れる反面、剛性および耐熱性は逆に低下する傾向にあ
り、これらの改善が望まれていた。また、近年において
は製品の軽量化が志向され各種物性の向上が要求されて
いる。本発明は、かかる状況に鑑みてなされたものであ
り、剛性、耐衝撃性、耐熱性および表面硬度に優れるプ
ロピレンブロック共重合体を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、特定の物性を有するプロピレン単独重合
体部からなるプロピレンブロック共重合体により上記目
的を達成しうることを見出し、この知見に基づいて本発
明を完成するに至った。すなわち、(A)下記(i) ない
し(iv)の物性を有するプロピレン単独重合体部50〜9
7重量%と、 (i) 25℃におけるキシレン抽出不溶部 99.0重
量%以上 (ii) アイソタクチックペンタッド分率 98.0%
以上 (iii) アイソタクチック平均連鎖長 500以上 (iv) カラム分別法による各フラクションのアイソタク
チック平均連鎖長が800以上のものの合計量 10
重量%以上 (B)プロピレン含有量が20〜80モル%である、プ
ロピレンとエチレンおよび/または炭素数4〜12のα
−オレフィンとの共重合体部 50〜3重量%(ただ
し、(A)+(B)=100重量%)からなるプロピレ
ンブロック共重合体およびその製造法を提供するもので
ある。以下、本発明を具体的に説明する。
【0005】本発明におけるプロピレンブロック共重合
体(以下、「BPP」という)は、プロピレン単独重合
体部と、プロピレンとエチレンまたは炭素数4〜12の
α−オレフィンとの共重合体部からなる共重合体であ
る。該α−オレフィンとしては、1−ブテン、3−メチ
ル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチ
ル−1−ペンテン、4−ジメチル−1−ペンテン、ビニ
ルシクロペンタン、ビニルシクロヘキサンなどが挙げら
れる。これらのα−オレフィンは1種でもよく、2種以
上を混合して用いてもよい。
【0006】本発明におけるBPPの(A)プロピレン
単独重合体部は、実質的にプロピレンの単独重合体であ
るが、以下の物性を有することが必要である。 (A)プロピレン単独重合体部は、(i) 25℃における
キシレン抽出不溶部(以下「XI」という)が99.0
重量%以上であり、好ましくは99.5重量%以上、さ
らに好ましくは99.7重量%以上である。XIが9
9.0重量%未満では剛性および耐熱性に劣る。なお、
XIの測定は、ポリプロピレンを135℃のオルトキシ
レンにいったん溶解した後、25℃に冷却してポリマー
を析出させる方法によった。
【0007】また、 (ii) アイソタクチックペンタッド
分率(以下「IP」という)は、98.0%以上である
必要があり、98.5%以上が好ましく、特に99.0
%以上が好適である。IPが98.0%未満では剛性お
よび耐熱性に劣るので好ましくない。なお、IPとは、
同位体炭素による核磁気共鳴(13C−NMR)を使用し
て測定されるポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位
でのアイソタクチック分率である。その測定法は、A.
Zambelli;Macromolecules,
,925(1973)、同,,687(1975)
および同,13,267(1980)に記載された方法
に従った。
【0008】また、(iii) アイソタクチック平均連鎖長
(以下「N」という)は500以上、好ましくは700
以上、特に好ましくは800以上である必要がある。N
が500未満では剛性および耐熱性に劣る。ここで、N
とは、ポリプロピレン分子内のメチル基のアイソタクチ
ック部分の平均的な長さを表すものであり、その測定方
法は、J.C.Randall;Polymer Se
quese Distribution,Academ
icPress,New York 1977,Cha
pter2)に記載されている方法に拠った。
【0009】具体的には、ポリプロピレンを1,2,4
−トリクロロベンゼン/重水素化ベンゼンの混合溶媒に
ポリマー濃度が10重量%となるように温度130℃に
加温して溶解する。この溶液を10mmΦのガラス製試
料管に入れ、IPと同様の方法で13C−NMRスペクト
ルを測定する。このスペクトル図の例を図1に示す。図
1のaは、ポリプロピレンにおけるメチル基領域のスペ
クトルであり、bはそのスペクトルの拡大図である。ス
ペクトルは、ペンタッド単位すなわち隣接するメチル基
5個をひとつの単位として測定され、メチル基のアイソ
タクチシティー(構造的にはmmmm,mmmrなどの
10種類がある)によって吸収ピークが異なる。図1の
bに吸収ピークとアイソタクチシティーとの対応を示
す。
【0010】一方、重合理論としてShan−Nong
ZHUなど;Polymer Journal,vo
l.15,No.12,p859−868(1983)
に記載された2サイトモデルがある。すなわち、重合時
の活性種が触媒側とポリマー末端の2種類あるとするも
のであり、触媒側は触媒支配重合、もう一方は末端支配
重合と呼ばれるものである(詳細については、古川淳
二;高分子のエッセンスとトピックス2,「高分子合
成」,P73(株)化学同人発行(1986)に記載さ
れている)。
【0011】上記文献によると、結局、2サイトモデル
は、 α:触媒支配重合(エナンチオモルフィック過程)によ
る重合末端にD体およびL体が付加する確率、すなわち
アイソタクチック連鎖中の乱れの程度の指標 σ:末端支配重合(ベルヌーイ過程)により重合末端と
同じものが付加するメソ体ができる確率 ω:αサイトの割合 としてペンタッド単位でのアイソタクチシティーの異な
る10種類のアイソタクチック強度を理論的に計算でき
る。そして、前記NMRによる測定強度と、上記理論強
度とが一致するようにα、σおよびωを最小自乗法で求
め、次式により各ペンタッド単位を求める。
【0012】
【表1】 ただし、β=α(1−α)
【0013】次に、前記J.C.Randallの文献
に記載された平均連鎖長(N)の定義式; N=メソ体の連鎖数/メソ体のユニット数 に当てはめて求められるが、実際には次式により求める
ことができる。 N=1+(A1 +A2 +A3 )/0.5(A4 +A5
6 +A7 ) さらに、(iv)カラム分別法による各フラクションのアイ
ソタクチック平均連鎖長(以下「Nf 」という)が80
0以上のものの合計量は全体の10重量%以上であるこ
とが必要であり、好ましくは30重量%以上、特に好ま
しくは50重量%である。Nf が800以上であるもの
の合計量が10重量%未満では剛性、表面硬度および耐
熱性の改良効果に乏しい。
【0014】ここで、カラム分別法とは、前記キシレン
抽出不溶部をパラキシレンに温度130℃で溶解後、セ
ライトを加え、10℃/時間の降温速度で温度30℃ま
で下げ、セライトに付着させ、次に、スラリー状セライ
トをカラムに充填し、パラキシレンを展開液として温度
30℃から2.5℃毎に段階的に温度を上昇し、ポリプ
ロピレンをフラクション別に分取する方法である。詳細
については、Masahiro Kakugo et
al;Macromolecules,vol.21,
p314−319(1988)に記載されている。分取
したポリプロピレンのNf は、前記Nの測定法を用いて
測定される。
【0015】また、本発明におけるBPPの(B)プロ
ピレンとエチレンおよび/またはα−オレフィンとの共
重合体部は、プロピレン含有量が20〜80モル%であ
り、25〜75モル%が好ましく、特に30〜70モル
%が好適である。プロピレン含有量が20モル%未満で
は成形品の外観が著しく低下するので好ましくない。一
方、80モル%を超えると耐衝撃性が低下する。
【0016】本発明のBPPにおいて(A)重合体部の
占める割合は、50〜97重量%であり、55〜95重
量%が好ましく、とりわけ60〜90重量%が好適であ
る。(A)重合体部の割合が50重量%未満では耐熱性
が低下する。一方、97重量%を超えると耐衝撃性およ
び柔軟性が低下するので好ましくない。
【0017】本発明のBPPの重合は、ヘキサン、ヘプ
タン、灯油などの不活性炭化水素またはプロピレンなど
の液化α−オレフィン溶媒の存在下で行うスラリー法、
無溶媒下の気相重合法などにより、温度条件としては室
温〜130℃、好ましくは50〜90℃、圧力2〜50
kg/cm2 の条件で行われる。重合工程における反応
器は、当該技術分野で通常用いられるものが適宜使用で
き、例えば攪拌槽型反応器、流動床型反応器、循環式反
応器を用いて連続式、半回分式、回分式のいずれの方法
でもよい。
【0018】本発明のBPPは、公知のチーグラー・ナ
ッタ型触媒、例えば三塩素チタン系触媒あるいは塩化マ
グネシウム担持型チタン触媒では得られない。本発明の
BPPを得る触媒の例としては、マグネシウム化合物、
チタン化合物、ハロゲン含有化合物および電子供与性化
合物を必須成分とする固体触媒を、更に一般式:TiXa
・Yb (式中、XはCl,Br,Iのハロゲン原子を、Y
は電子供与性化合物を、aは3もしくは4を、bは3以
下の整数をそれぞれ表す)で示されるチタン化合物で処
理後、ハロゲン含有化合物で洗浄し、更に炭化水素で洗
浄して得られる改良重合触媒が挙げられる。
【0019】記式中のTi Xa は、例えば、R.P.S.Cout
ts,et al,Advan.Organometal.Chem.,9,135(1970), 第4
版新実験化学講座 17 無機錯体・キレート錯体 日本
化学会丸善(1991) p.35, H.K.Kakkoen,et al,J.Organom
et.Chem.,453,175(1993)などに記載されているように、
一般に電子供与性化合物とは容易に錯体を形成すること
が知られている。
【0020】XはCl,Br,Iのハロゲン原子であり、こ
の中で好ましいのはCl である。aは3もしくは4であ
るが、好ましくは4である。Yとしては、一般に含酸素
化合物、含窒素化合物、含リン化合物、含硫黄化合物な
どが挙げられる。含酸素化合物としては、例えばアルコ
ール類、エーテル類、エステル類、酸ハライド類、酸無
水物類などが挙げられる。さらに具体的には、メチルア
ルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブ
チルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコ
ール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニ
ルアルコール、デシルアルコール、2−エチルアルコー
ル、オレイルアルコール、ベンジルアルコール、フェニ
ルエチルアルコール、フェノール、クレゾール、エチル
フェノール、ナフトールなどのアルコール類;メチルエ
ーテル、エチルエーテル、プロピルエーテル、ブチルエ
ーテル、アミノエーテル、ヘキシルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、アニソール、ジフェニルエーテルなどのエ
ーテル類およびジエーテル類;酢酸エチル、クロル酢酸
エチル、プロピオン酸エチル、酪酸エチル、アクリル酸
エチル、クロトン酸エチル、オレイン酸エチル、ステア
リン酸エチル、フェニル酢酸エチル、安息香酸メチル、
安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、
トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、トルイル酸プロ
ピル、トルイル酸ブチル、エチル安息香酸メチル、アニ
ス酸メチル、アニス酸エチル、エトキシ安息香酸メチ
ル、エトキシ安息香酸エチル、ケイ皮酸エチル、フタル
酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジプロピル、
フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジイソブチル、フタ
ル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、γ−ブチロラク
トン、δ−バレロラクトン、炭酸エチレンなどのエステ
ル類;アセチルクロリド、ベンゾイルクロリド、トルイ
ル酸クロリド、フタル酸クロリドなどの酸クロリド類;
無水マレイン酸、無水フタル酸などの酸無水物などが挙
げられる。また、これらの電子供与性化合物は、1種で
もよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも好
ましいものはエステル類であり、特に好ましいものはフ
タル酸エステル類である。Yのbは、前記aが3のとき
はbは1〜3、aが4のときは1または2が好ましく、
特に好ましいのはaが4、bが1の場合である。
【0021】本発明のBPPは、さらに造核剤を配合す
ることにより剛性、耐熱性および耐衝撃強度が向上す
る。該造核剤は、合成樹脂分野において結晶性樹脂に添
加し、核となって結晶を成長させる効果のある物質をい
い、各種の物質がある。具体例としては、例えばカルボ
ン酸の金属塩、ジベンジリデンソルビトール誘導体、フ
ォスフェート金属塩、タルクおよび炭酸カルシウムなど
の無機フィラーなどが挙げられる。これらの造核剤は1
種でもよく、2種以上を併用してもよい。
【0022】造核剤の添加量は、無機フィラーを除くと
一般に0.05〜0.5重量%であり、好ましくは0.
08〜0.4重量%、とりわけ0.1〜0.35重量%
が好適である。一方、タルクなどの無機フィラーは5〜
30重量%であり、7〜28重量%が好ましく、特に9
〜25重量%が好適である。これらの造核剤の配合は、
公知の混合方法、例えばリボンブレンダー、タンブラ
ー、ヘンシェルミキサーなどを用いて各成分を混合し、
さらにニーダー、ミキシングロール、バンバリーミキサ
ー、押出機などを用いて溶融混合して得られる。溶融混
合時の温度は、通常170〜280℃であり、好ましく
は190〜260℃で行うとよい。得られた組成物は、
公知の溶融成形法および圧縮成形法により、フィルム、
シート、チューブ、ボトルなどに成形し単体での使用あ
るいは他の材料を積層して積層体としても使用すること
ができる。
【0023】積層方法としては、ポリウレタン系、ポリ
エステル系、ポリアクリル系などの接着剤を用いて、そ
の他の熱可塑性樹脂を積層する、いわゆるドライラミネ
ート成形法、共押出ラミネーション法、共押出法、共射
出成形法、共押出パイプ成形法などが挙げられる。この
ようにして得られた多層積層体は、真空成形、圧空成
形、延伸ブロー成形などの成形法を用いて、再加熱し延
伸する方法により成形体とすることもできる。
【0024】さらに、本発明のBPPには、当業者に慣
用されている添加剤、例えば酸化防止剤、耐候性安定
剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、防曇剤、
顔料、可塑剤、柔軟剤などを本発明の目的を損なわない
範囲で適宜配合してもよい。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明する。なお、各物性の測定方法を以下に示す。 [MFR]JIS K7210に準拠し、タカラ社製メ
ルトインデクサーを使用した。 [エチレン含有量]C.J.Carman et a
l;Macromolecules,10,537(1977) に
記載されている13C−NMR法に拠った。 [曲げ弾性率]JIS K7203に準拠した。 [アイゾット衝撃強度]JIS K7110に準拠し、
上島製作所社製U−Fインパクトテスターを使用してノ
ッチ付きで測定した。 [落錘衝撃強度]ASTM D3029−78に準拠
し、高さ1mから重錘を落下させ、重錘の荷重を100
g毎に変更しながら、試験片20枚のうち50%が破損
するときの荷重を求めた。温度は−20℃の条件で測定
した。 [荷重たわみ温度]JIS K7207B法に準拠し、
荷重4.6kgで測定した。 [ロックウェル硬度]JIS K7202に準拠しスケ
ールRで測定した。 [表面光沢度」JIS K7205に準拠し、日本電色
工業社製VG−1D型グロスメーターを用いた。
【0026】また、使用したBPPの製造例を以下に示
す。 (a)固体触媒の調製 無水塩化マグネシウム56.8gを、無水エタノール1
00g、出光興産社製ワセリンオイル(CP15N)5
00mlおよび信越シリコーン社製シリコーン油(KF
96)500mlからなる混合液に窒素雰囲気下、12
0℃で完全溶解した。この混合物を特殊機化工業社製T
Kホモミキサーを用いて120℃、3000回転/分で
3分間撹拌した。次いで、撹拌を維持しながら2リット
ルの無水ヘプタン中に0℃以下を維持するように冷却し
ながら移送した。得られた白色固体は無水ヘプタンで十
分洗浄し、室温下で真空乾燥した。得られた白色固体3
0gを無水ヘプタン200ml中に懸濁させ、0℃で撹
拌しながら四塩化チタン500mlを1時間かけて滴下
した。次に、加熱を始めて40℃になったところでフタ
ル酸ジイソブチル4.96gを加え、100℃まで約1
時間で上昇させた。100℃で2時間反応した後、熱時
ろ過にて固体部分を採取した。得られた固体部分に四塩
化チタン500mlを加え、撹拌下120℃で1時間反
応した後、再度熱時ろ過にて固体部分を採取し、60℃
のヘキサン1リットルで7回、さらに室温のヘキサン1
リットルで3回洗浄した。
【0027】(b)TiCl4 [C64 ( COOi
49)2]の調製 四塩化チタン19gを含むヘキサン1リットルの溶液
に、フタル酸ジイソブチル27.8gを、0℃を維持し
ながら約30分間で滴下した。滴下終了後、40℃に昇
温し30分間反応した。反応終了後、固体部分を採取し
ヘキサン500mlで5回洗浄し目的物を得た。
【0028】(c)重合触媒成分の調製 上記(a)で得られた固体触媒20gをトルエン300
mlに懸濁させ、25℃で上記(b)で得られたTiC
4 [C64 ( COOi49)2]5.2gで1時間
処理して担持させた。担持終了後、熱時ろ過にて固体部
分を採取し、トルエン300mlと四塩化チタン10m
lに再懸濁させ、90℃で1時間撹拌洗浄し、熱時ろ過
にて固体部分を採取し、その後、この反応物っを90℃
のトルエン500mlで5回、室温のヘキサン500m
lで3回洗浄した。
【0029】予備重合 窒素雰囲気下、内容積3リットルのオートクレーブ中
に、n−ヘプタン500ml、トリエチルアルミニウム
6.0g、ジシクロペンチルジメトキシシラン3.9
g、および上記(c)で得られた重合触媒成分10gを
投入し、0〜5℃の温度範囲で5分間撹拌した。次に、
重合触媒成分1gあたり10gのプロピレンが重合する
ようにプロピレンをオートクレーブ中に供給し、0〜5
℃の温度範囲で1時間予備重合した。得られた予備重合
固体触媒成分は、n−ヘプタンで500mlで3回洗浄
を行い、以下の本重合に使用した。
【0030】本重合 (1) 第一段重合;窒素雰囲気下、内容積60リットルの
撹拌機付きオートクレーブに上記の方法で調製された予
備重合固体触媒2.0g、トリエチルアルミニウム1
1.4g、ジシクロペンチルジメトキシシラン6.84
gを入れ、次いでプロピレン18kg、プロピレンに対
して13000モルppmになるように水素を装入し、
70℃まで昇温し1時間重合を行った。その後、未反応
のプロピレンを除去し重合を終結させた。反応終了後、
反応生成物をサンプリングした。 (2) 第二段重合;第一段重合終了後、液体プロピレンを
除去し、温度75℃でエチレン/プロピレン=40/6
0(モル比)の混合ガス2.2Nm3 /時間、水素20
Nリットル/時間の供給速度で40分間共重合した。重
合終了後、未反応ガスを除去し重合を終結した。その結
果、エチレン含有量が9.7重量%およびMFRが1
7.8g/10分であるプロピレン−エチレンブロック
共重合体(以下「BPP1」という)8.0kgを得
た。
【0031】同様にして、第一段重合時の水素装入量、
第二段重合時の重合時間、エチレン量を調整し、エチレ
ン含有量が10.5重量%およびMFRが8.1g/1
0分であるプロピレン−エチレンブロック共重合体(以
下「BPP2」という)ならびにエチレン含有量が8.
4重量%およびMFRが16.7g/10分であるプロ
ピレン−エチレンブロック共重合体(以下「BPP3」
という)を得た。また、第二段重合の際、さらにブテン
−1を供給した以外はBPP1と同様にして、エチレン
含有量が8.4重量%、ブテン−1含有量が0.7重量
%およびMFRが16.7g/10分であるプロピレン
−エチレンブロック共重合体(以下「BPP4」とい
う)を得た。
【0032】さらに、比較例用として次の2種類のBP
Pを用いた。東ソー・アクゾ社製AA型三塩化チタン
6.0g、ジエチルアルミニウムクロライド23.5g
を触媒成分として用い、プロピレン18kg、プロピレ
ンに対して8000モルppmになるように水素を装入
し、70℃まで昇温し、以下BPP1と同様にして重合
した結果、エチレン含有量が9.8重量%およびMFR
が18.2g/10分であるもの(以下「BPP5」と
いう)、および前記(a)で調整された触媒を用いたこ
とおよび第一段重合時の水素量を9300モルppmと
した以外はBPP1と同様にして重合を行い、エチレン
含有量が10.1重量%およびMFRが18.4g/1
0分であるもの(以下「BPP6」という)を得た。
【0033】以上の共重合体の第一段重合終了時にサン
プリングした、プロピレン単独重合体部について、X
I、IP、NおよびNf を測定した。その結果を表2に
示す。なお、IPの測定条件は以下のとおりである。 測定器 日本電子社製 JNM−GSX400 測定モード :プロトンデカップリング法 パルス幅 :8.0μs パルス繰返時間 :3.0s 積算回数 :20000回 溶 媒 :1,2,4−トリクロロベンゼン/
重ベンゼンの混合溶媒(75/25重量%) 内部循環 :ヘキサメチルジシロキサン 試料濃度 :300mg/3.0ml溶媒 測定温度 :120℃
【0034】
【表2】
【0035】さらに、造核剤としてp−t−ブチル安息
香酸アルミニウムを用いた。
【0036】実施例1〜7、比較例1〜4 表3に種類および配合量が示されているBPPおよび造
核剤ならびに安定剤としてジ−t−ブチル−p−クレゾ
ール 0.05重量%、ペンタエリスリチル−テトラキ
ス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニルプロピオネート 0.10重量%およびカルシウ
ムステアレート 0.10重量%を配合し、川田製作所
社製スーパーミキサー(SMV20型)を用いて混合
し、ナカタニ機械社製二軸押出機(AS30型)を用い
てペレット化した。得られた各ペレットを東芝機械社製
射出成形機(IS−170FII)を用いて、温度220
℃、金型冷却温度50℃で各試験片を作製した。得られ
た試験片を相対湿度50%、温度23℃の恒温室に2日
放置後、曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度(ノッチ付
き)、落錘衝撃強度、荷重たわみ温度、ロックウェル硬
度および表面光沢度を測定した。得られた結果を表3に
示す。
【0037】
【表3】
【0038】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、剛性、耐衝撃
性、耐熱性および表面硬度に優れるので、特に自動車部
品、電気・電子部品、包装材料分野などに有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリプロピレンのメチル領域における核磁気共
鳴スペクトルの例である。
【符号の説明】
a ・・・ スペクトル図 b ・・・ aの拡大図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−194685(JP,A) 特開 平4−279617(JP,A) 特開 平6−329737(JP,A) 特開 平8−12717(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 297/06 - 297/08 C08F 4/60 - 4/70 C08L 53/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記(i) ないし(iv)の物性を有す
    るプロピレン単独重合体部 50〜97重量%と、 (i) 25℃におけるキシレン抽出不溶部 99.0重
    量%以上 (ii) アイソタクチックペンタッド分率 98.0%
    以上 (iii) アイソタクチック平均連鎖長 500以上 (iv) カラム分別法による各フラクションのアイソタク
    チック平均連鎖長が800以上のものの合計量 10
    重量%以上 (B)プロピレン含有量が20〜80モル%である、プ
    ロピレンとエチレンおよび/または炭素数4〜12のα
    −オレフィンとの共重合体部 50〜3重量%(ただ
    し、(A)+(B)=100重量%)からなるプロピレ
    ンブロック共重合体。
  2. 【請求項2】 マグネシウム化合物、チタン化合物、ハ
    ロゲン含有化合物および電子供与性化合物を必須成分と
    する固体触媒を、更に一般式:TiXa ・Yb (式中、
    XはCl,Br、Iのハロゲン原子を、Yは電子供与性
    化合物を、aは3もしくは4を、bは3以下の整数をそ
    れぞれ表す)で示されるチタン化合物で処理後、ハロゲ
    ン含有化合物で洗浄し、更に炭化水素で洗浄して得られ
    る改良固体触媒成分を用いてなる請求項1記載のプロピ
    レンブロック共重合体の製造法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のプロピレンブロック共重
    合体に少なくとも造核剤を0.05〜30重量%配合し
    たプロピレンブロック共重合体組成物。
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