明 細 書 芳香族ポリエステル組成物、 その成形体およびボトルの製造法 技術分野
本発明は、 エチレンナフタレンジカルボキシレートコポリマーとエチレンテレ フタレート (コ) ポリマ一からなる芳香族ポリエステル組成物、 その成形体およ びボトルの製造法に関する。 さらに詳しくは、 ブレンド時の相溶性に優れ、 優れ た透明性と熱劣ィヒ性の小さい芳香族ポリエステル組成物、 その成形体およびボト ルの製造法に関する。
背景技術
ポリエチレンテレフ夕レートおよびポリエチレンナフタレンジカルボキシレ一 トポリマ一はその優れた特性から主に飲料用途において用いられている。 しかし ながら、 ポリエチレンテレフ夕レートは透明性の点では優れるものの、 耐熱性に やや問題があり、 耐熱性の向上が まれている。 一方、 ポリエチレンナフ夕レン ジカルポキシレートは透明性、 耐熱性、 紫外線遮断性、 バリア性等の優れた特性 を持つものの、 汎用樹脂に比べコストが高く、 コストの低下がなければ広く普及 するには困難な状況にある。 これら各々のポリエステルの欠点を克服するためテ レフタル酸成分を共重合したポリエチレンナフ夕レンジカルポキシレート、 ナフ 夕レンジカルボン酸成分を共重合したポリエチレンテレフタレートまたは、 ェチ レンテレフタレート単位を主な繰り返し単位とするポリエステルとエチレンナフ 夕レンジ力ルポキシレート単位を主な繰り返し単位とするポリエステルとのブレ ンド等が提案されている。
テレフタル酸成分あるいはナフタレンジカルボン酸成分を共重合したポリエス テルは両者の特性を持つものの、 共重合成分の量を増やすと非晶性に近くなり、 ハンドリング性の点で劣るものとなる。 一方、 エチレンテレフ夕レート単位を主
位を主な繰り返し単位とするポリエステルとのブレンドはハンドリング性にも優 れ、 任意のブレンド量に容易に変更できるなど利点がある。 しかしながら、 両者 の相溶性の問題から透明性の高いポリエステルを得るためにはブレンド条件とし て、 高温、 長滞留時間というポリエステルにとって好ましくない条件下とする必 要があり必ずしも十分とは言えなかつた。
特開平 11—43589号公報には、 ポリエチレンテレフ夕レート樹脂 (A) 99〜60重量%とポリエチレンナフタレート樹脂 (B) 1〜40重量%とから なるポリエステル樹脂組成物が開示されている。 この組成物において、 それぞれ の樹脂は下記の特性を有している。
すなわち、 前記ポリエチレンテレフ夕レート樹脂 (A) は、 (1) 主たる繰り 返し単位がエチレンテレフ夕レートであって、 (2) ジカルボン酸成分としてテ レフタル酸を 85モル%以上、 (3) グリコ一ル成分としてエチレングリコール を 85モル%以上およびジエチレングリコールを 1.0〜5.0モル%含み、 (4) 末端メチルエステル基濃度と末端カルボキシル基濃度の合計が 30 e q/106 g以下であり、 (5) 樹脂 (A) のチップの嵩密度が 0. 83〜0. 97gZc m3である。 また、 前記ポリエチレンナフタレート樹脂 (B) は、 (1) 主たる 繰り返し単位がエチレン— 2, 6—ナフ夕レンジカルボキシレートであって、 (2) ジカルボン酸成分として 2, 6—ナフ夕レンジカルボン酸を 85モル%以上、(3) グリコール成分としてエチレングリコールを 85モル%およびジエチレンダリコ —ルを 1. 0〜5. 0モル%含み、 (4) 末端メチルエスェテル基濃度と末端力 ルポキシル基濃度の合計が 30eciZl 06g以下であり、 (5)樹脂 (B) の チップの嵩密度が 0. 83〜0. 97 gZ cm3である。
発明の開示
本発明の目的は、 エチレンナフタレンジカルポキシレートコポリマーとェチレ ンテレフタレ一ト (コ) ポリマーからなる芳香族ポリエステル組成物を提供する ことにある。
本発明の他の目的は、 相溶性、 透明性、 耐熱性およびガスバリア性に優れた芳 香族ポリエステル組成物を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、 本発明の上記芳香族ポリエステル組成物の優れた 性能を備えた、 該芳香族ポリエステル組成物からなる成形体例えばボトルを提供 することにある。
本発明のさらに他の目的は、 本発明の上記芳香族ポリエステル組成物の優れた 性能を損うことなく、 該優れた性能をそのまま備えたボトルを製造する、 ボトル の製造法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的および利点は以下の説明から明らかになろう。
本発明によれば、 本発明の上記目的および利点は、 第 1に、
(A) ( a) . エチレンナフタレンジカルボキシレ一卜単位が全繰り返し単位に 対し 9 4〜 8 0モル%並びにエチレンテレフタレート単位および Zまたはェチレ ンイソフタレート単位が全繰り返し単位に対し 6〜2 0モル%からなり、 ジェチ レンダリコール単位含有量が 0 . 8〜2 . 5重量%であり、 末端力ルポキシル基 数が 4 0 e q / 1 0 6 g以下でありそして全末端基数が 9 5 e q / 1 0 6 g以上 である、 エチレンナフタレンジカルボキシレートコポリマ一および (b) . ェチ レンテレフ夕レート単位が全繰り返し単位に対し 1 0 0〜8 0モル%並びにェチ レンナフタレンジ力ルポキシレー卜単位および Zまたはェチレンイソフタレート 単位が全繰り返し単位に対し 0〜2 0モル%からなり、 ジエチレングリコール単 位含有量が 1 . 2〜 2 . 4重量%であり、 末端力ルポキシル基数が 3 0 e 1 0 6 g以下であり、 固有粘度が 0 . 7以上でありそして溶融温度が 2 5 0 °C以下 である、 エチレンテレフタレート (コ) ポリマーからなり、 そしてエチレンナフ タレンジカルボキシレートコポリマーおよびエチレンテレフ夕レート (コ) ポリ マーそれぞれの含有量は、 これらの合計重量を基準にして、 5〜9 5重量%ぉょ び 9 5〜5重量%でぁり、
(B) . エチレンナフタレンジカルボキシレ一トコポリマ一とエチレンテレフタ レート (コ) ポリマ一の間の相溶化度が 0 . 1 5〜0. 5でありそして
(C) . エチレンナフタレンジカルボキシレートコポリマーの全繰り返し単位と エチレンテレフ夕レート (コ) ポリマ一の全繰り返し単位の合計に対してェチレ
'—ト単位の割合が 5 0モル%以下の場合、 下記式
(1)
Tm≤254-28 XEN ··· (1)
ここで、 ENはこのポリエステル組成物中のエチレンナフタレンジカル ポキシレート単位の含有モル分率であり、 そして、 Tmはこのポリエス テル組成物の融点 CC) である、
で表される関係を満足し、 そしてエチレンナフ夕レンジカルボキシレ一トコポリ マ一の全繰り返し単位とエチレンテレフ夕レート (コ) ポリマ一の全繰り返し単 位の合計に対してエチレンナフタレンジカルポキシレ一ト単位の割合が 50モ ル%を超える場合、 下記式 (2)
Tm≤267 - 54XEN ··· (2)
ここで、 Tmおよび ENの定義は上記式 (1) に同じである、 で表される関係を満足する、 ことを特徴とする芳香族ポリエステル組成物によつ て達成される。
本発明によれば、 本発明の上記目的および利点は、 第 2に、 本発明の上記芳香 族ポリエステル組成物からなる成形体例えばボトルによって達成される。
また、 本発明によれば、 本発明の上記目的および利点は、 第 3に、 上記芳香族 ポリエステル組成物で特定されたエチレンナフタレンジカルポキシレートコポリ マー (a) とエチレンテレフ夕レート (コ) ポリマー (b) とを、 これらの合計 重量に対しそれぞれが 5〜 95重量%および 95〜 5重量%となる割合で、 成形 温度 275〜 325 :、 滞留時間 80〜 230秒、 可塑化時間 5〜 40秒および 剪断速度 50〜200 s e c—1の射出成形条件下で溶融混練して予備成形体を 形成し、 次いで予備成形体を金型温度 80〜160° (:、 ブロー圧力 25〜40 k g f Zcm2および金型接触時間 5〜20秒のブロー成形条件下でブロー成形す る、 ことを特徴とするボトルの製造方法によって達成される。
発明の最良の実施態様
以下、 本発明について詳述する。 最初に、 本発明の芳香族ポリエステル組成物 について詳述する。
本発明の芳香族ポリエステル組成物は、
トコポリマ一 (a) とエチレンテレフタレ一ト (コ) ポリマー (b ) からなり、 それぞれの含有量は、 両者の合計重量を基準にして、 それぞれ 5〜9 5重量%お よび 9 5〜5重量%である。
エチレンナフ夕レンジカルボキシレートコポリマー (a ) は、 全繰り返し単位 に対し、 エチレンナフタレンジカルボキシレート単位を 9 4〜8 0モル%で含有 する。 残りの 6〜2 0モル%はエチレンテレフタレ一ト単位および Zまたはェチ レンイソフタレート単位からなる。 エチレンテレフ夕レート単位および Zまたは エチレンイソフタレート単位が 2 0モル%を超えて共重合されると、 得られる芳 香族ポリエステルの結晶性が低下してハンドリング性が劣ィ匕しまた耐熱性やガス バリア性も低下するため好ましくない。
エチレンナフタレンジカルポキシレートコポリマー (a ) は、 グリコール成分 は実質的にエチレングリコールからなり、 ジエチレングリコール単位を 0 . 8〜 2 . 5重量%含有する。 ジエチレングリコール単位の含有量が 2 . 5重量%を超 えると得られるポリエステルの非晶性が高くなり乾燥時の融着が問題となり、 0 . 8重量%末端では得られるポリエステルの靱性が低くなり、 割れ易く、 ハンドリ ング性が低下する。ジエチレンダリコール単位は好ましくは 0 . 8〜 1 . 2重量% で含有される。
また、 エチレンナフタレンジ力ルポキシレ一卜コポリマー (a ) は、 カルボキ シル末端基濃度が 4 0当量 トン以下であることが好ましく、 さらに好ましくは 3 0当量/トン以下である。 力ルポキシル末端基濃度が 4 0当量/トンを超える 場合、 エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエチレンテレフ 夕レートとブレンドする際相溶化速度が遅くなるという点で好ましくない。 エチレンナフタレンジカルボキシレートコポリマー (a ) は、 全末端数が 9 5 当量 Zトン以上であることが好ましく、 さらに好ましくは 1 0 5当量 Zトン以上 であり、 特に好ましくは 1 2 0当量 Zトン以上である。 主たる繰り返し単位がェ チレンテレフ夕レートであるエチレンテレフタレートと (コ) ポリマー (b) と のブレンドにおいて相溶性を向上させるにはエチレンナフタレンジ力ルポキシレ —トコポリマー (a ) とエチレンテレフタレ一卜 (コ) ポリマー (b ) との間で
エステル交換反能が進行することが必要であり、 全末端数が 95当量 Zトン未満 である場合、 エステル交換反応に寄与する末端基の反応機会が減少し、 結果とし てエステル交換反応の遅延をもたらし、相溶化速度が低下するため好ましくない。 エチレンナフタレンジ力ルポキシレ一トコポリマー(a)の全末端数は下記式によ つて求められる。
全末端数 =2X 106/ (DPX244. 2 + 62. 1)
ここで D Pはェチレンナフタレンジカルボキシレ一トコポリマー( a )の重合度 を表し、 下記式から計算される。
DP= (3. 8 X 104X I V1· 18- 62. 1) /242. 2
ここで I Vはエチレンナフタレンジカルポキシレートコポリマー(a)の固有粘度 を表す。
本発明の芳香族ポリエステル組成物を構成するもう一方の成分であるエチレン テレフ夕レート (コ) ポリマー (b) は、 全繰り返し単位に対し、 エチレンテレ フタレート単位を 100〜80モル%、 好ましくは、 100〜90モル%で含有 する。 残りの 0〜20モル%、 好ましくは 0〜10モル%はエチレンナフタレン ジカルポキシレ一ト単位およびノまたはェチレンイソフタレート単位からなる。 全繰り返し単位に対しエチレンテレフタレ一ト単位を 100モル%で含有する場 合には、 エチレンテレフタレート (コ) ポリマーはエチレンテレフ夕レートポリ マ一 (ホモポリマー) である。 エチレンナフタレンジカルボキシレー卜単位およ び Zまたはエチレンイソフタレート単位が 20モル%を超えて共重合されると、 得られる芳香族ポリエステルの結晶性が低下して乾燥時の融着が顕著となりハン ドリング性が低下する。
エチレンテレフ夕レート (コ) ポリマ一 (b) は、 グリコール成分は実質的に エチレングリコールからなり、ジエチレングリコール単位を 1. 2〜2. 4重量% で含有する。 ジエチレングリコール単位の含有量が 1. 2重量%より低いと、 得 られるポリエステルの溶融流動性が低下して成形性が悪くなり、一方 2.4重量% を超えると最終的に得られる成形品例えばポトルの強度が低くなる。
エチレンテレフ夕レート (コ) ポリマー (b) の力ルポキシル基末端数は 30
e a/l 06g以下、 好ましくは 25 e dZl 06 g以下である。 30 e qZl 0 6 gを超えると力ルポキシル基末端によるポリエステル主鎖の切断が多くなり好 ましくない。
また、 エチレンテレフタレート (コ) ポリマー (b) の固有粘度は 0. 7以上 である。 固有粘度が 0. 7未満であるとボトル形成性が低下する。 固有粘度はテ トラクロロェタン:フエノール =4: 6 (重量比)の混合溶媒中、 35°Cでの測定 値から算出した値である。
さらに、 エチレンテレフ夕レート (コ) ポリマー (b) の溶融温度 (示差走査 型熱量計で測定される結晶融解温度に相当する、 昇温速度は 2 OtZmi n. ) は 250° 以下、 好ましくは 2 以下である。 溶融温度が 250°Cを超える とエチレンナフタレンジカルボキシレートコポリマー (a) との溶融混練での相 溶化において溶融開始が遅くなり、 相溶ィ匕反応時間が長くなりすぎるため好まし くない。
本発明の芳香族ポリエステル組成物は、 エチレンナフタレンジカルポキシレー トコポリマー (a) とエチレンテレフタレ一ト (コ) ポリマー (b) との単なる ブレンド物とは異なり、 これらの成分 (a) 、 (b) 間に、 下記式で定義される 相溶化度が 0. 15〜0. 5となる範囲で結合が生成している。
相溶化度 ^Pm+P™
ここで PCTは T A単位に隣接する Q A単位の存在確率であり、次式で求められる。
PT=(IraN/2)/(I1ET+(I1./2))
P raは Q A単位に隣接する T A単位の存在確率であり、 次式で求められる。
; TA— EG— TA単位における EG上の水素の積分強度 (NMRに て測定)
Ι ΈΝ; QA— EG— QA単位における EG上の水素の積分強度 (NMRに て測定)
1^.; QA— EG— T A単位における EG上の水素の積分強度 (NMRに て測定)
ここで、 Q Aはナフ夕レンジカルボン酸単位、 T Aはテレフタル酸単位、 EG はェチレングリコ一ル単位である。
上記式で定義される相溶化度は、 上記のとおり、 0. 15〜0. 50であり、 好ましくは 0. 2〜0. 40である。 相溶化度が 0. 15未満であるとエチレン ナフ夕レンジカルボキシレートコポリマーとエチレンテレフ夕レート (コ) ポリ マーとの相溶化が不十分であり、 得られる組成物の透明性が損われ、 0. 50を 超えると得られる組成物の非晶性が強くなり機械強度が低下する。
さらに、 本発明の芳香族ポリエステル組成物は、 該芳香族ポリエステル組成物 の融点 (Tm、 ) が、 それが含有するエチレンナフタレンジカルポキシレート 単位の割合に依存して、 下記いずれかの関係を満足する。
( i) . エチレンナフタレンジカルボキシレートコポリマーの全繰り返し単位と エチレンテレフ夕レート (コ) ポリマーの全繰り返し単位の合計に対してェチレ ンナフタレンジカルポキシレート単位の割合が 50モル%以下の場合、 下記式
(1)
Tm≤254-28XEN - (1)
ここで、 E Nはこのポリエステル組成物中のェチレンナフタレンジカル ポキシレート単位の含有モル分率であり、 そして Tmの定義は上記に同 じである。
(ii) . エチレンナフタレンジカルポキシレートコポリマーの全繰り返し単位と エチレンテレフ夕レート (コ) ポリマーの全繰り返し単位の合計に対してェチレ ンナフタレンジカルポキシレート単位の割合が 50モル%を超える場合、 下記式 (2)
Tm≤267-54XEN … (2)
ここで、 Tmおよび ENの定義は上記式 (1) に同じである。
上記 (i) の場合、 (1) 式を満足しないと、 あるいは上記 (ii) の場合、 (2) 式を満足しないと、 たとえ相溶化度が 0. 15〜0. 5の範囲にあっても、 ェチ レンナフタレンジカルボキシレートコポリマー(a)エチレンテレフ夕レート(コ) ポリマ一 (b) の相溶化が不十分であり、 透明性が損われる。
本発明の芳香族ポリエステル組成物は、 それを構成する繰り返し単位の組成に より、 便宜的に、
( I ) . エチレンナフタレンジカルボキシレートコポリマーおよびエチレンテレ フタレート (コ) ポリマーそれぞれの含有量がこれらの合計重量を基準にして 5 〜5 0重量%および 9 5〜5 0重量%である組成物と、
(Π) . エチレンナフ夕レンジカルボキシレートコポリマーおよびエチレンテレ フタレート (コ) ポリマーそれぞれの含有量がこれらの合計重量を基準にして 5 0重量%を超え 9 5重量%以下および 5 0重量%未満 5重量%以上である組成物 とに分けることができる。
上記組成物 ( I ) は、 エチレンテレフタレート (コ) ポリマーの性質をェチレ ンナフタレンジカルボキシレートコポリマーで補完ないし増強するものとして把 握することができ、 他方組成物 ( Π ) は、 エチレンナフタレンジカルボキシレ一 トコポリマーの性質をエチレンテレフ夕レート (コ) ポリマーで補完ないし増強 するものであると同時に、 コストダウンの意味合も持つ組成物として把握するこ とができる。
本発明におけるエチレンナフタレンジ力ルポキシレ一トコポリマー(a)は、 直 接エステル化法、 エステル交換法のいずれによっても製造できる。 また使用する エステル交換反応触媒、 重縮合触媒もとくに限定されない。 該触媒としては一般 にポリエチレンテレフタレートのエステル交換反応触媒、 重縮合触媒として広く 知られている金属化合物があげられる。 エステル交換反応触媒の具体例としては マンガン化合物、 カルシウム化合物、 マグネシウム化合物、 チタン化合物、 亜鉛 化合物、 ナトリウム化合物、 カリウム化合物、 セリウム化合物、 リチウム化合物 等があげられ、 整色剤としても作用するコバルト化合物を場合により添加しても よい。 また重縮合触媒としての具体例としてはゲルマニウム化合物、 アンチモン 化合物等があげられる。
エステル交換法および Zまたは直接エステル化法によって製造されたエチレン ナフ夕レンジカルボキシレ一トコポリマー (a) には安定剤としてリン化合物が 含有されることが好ましく、 該リン化合物としては正リン酸、 亜リン酸、 リン酸
エステルまたはリン酸トリエステル等が用いられる。
本発明におけるエチレンナフ夕レンジカルボキシレ一トコポリマー (a ) は少 なくとも 1 5 0 °C以上の温度で熱処理あるいは固相重合されているのが好ましい。 これにより含有されるァセトアルデヒド量が 2 0 p p m以下となることが望まし く、 さらに好ましいァセトアルデヒド含有量は 1 0 p p m以下である。
本発明の芳香族ポリエステル組成物を食品容器等に使用する場合、 含有される ァセトアルデヒド量が多いと内容物のフレーバー性を損い好ましくない。 1 5 0 °C以上の熱処理または固相重合によりこのァセトアルデヒド含有量を低減させ ることが可能である。 熱処理温度が 1 5 0 °C未満の場合、 飛散するァセトアルデ ヒド量が少なく、長時間の熱処理を要するため経済性の点で好ましくない。また、 熱処理温度が 2 1 O t:を超える場合や 2 4 5で以上の高温で固相重合する場合は 含有ァセトアルデヒド量を低減するという点では好ましいものの、 高温による分 子量の低下あるいは着色等のポリマーの劣化をもたらすため好ましくない。
エチレンナフ夕レンジカルボキシレートコポリマー (a) には、 必要に応じて 抗酸化剤、 紫外線吸収剤、 帯電防止剤等の各種添加剤が含有されていてもよい。 本発明におけるエチレンテレフタレート (コ) ポリマー (b) は直接エステル 化法、 エステル交換法のいずれによって製造することもできる。 またエステル交 換法において用いられるエステル交換反応触媒についてもとくに限定されない。 該触媒としては一般にポリエステルの触媒として広く知られているマンガン化合 物、 カルシウム化合物、 マグネシウム化合物、 チタン化合物、 亜鉛化合物、 ナト リウム化合物、 カリウム化合物、 セリウム化合物、 リチウム化合物等の金属化合 物があげられ、 また、 整色剤としても作用するコバルト化合物を場合により添加 してもよい。
本発明における重縮合触媒はアンチモン化合物および Zまたはゲルマニウム化 合物を用いることが好ましく、 該触媒量としては下記式の範囲内であることが好 ましい。
4 0≤ ( S b + G e ) ≤2 5 0
S bおよび G eはそれぞれ該ポリエチレンテレフ夕レート中に含有されるァンチ
1 モン元素およびゲルマニウム元素の量であり、 単位は p pm。
該重縮合触媒量が 40 p pm未満の場合、 エチレンナフ夕レンジカルボキシレ 一トコポリマー (a) とブレンドする際、 相溶化速度が低下するため好ましくな レ^ 逆に重縮合触媒が 250 p pmを超えて含有される場合、 ブレンド時の相溶 化速度は速いものの、 分解反応も促進されるため得られるポリエステル組成物の 分子量低下や着色等のポリマ一劣ィヒが顕著になるため好ましくない。
エステル交換法および Zまたは直接エステル化法によって製造されたエチレン テレフ夕レート (コ) ポリマ一 (b) には安定剤としてリン化合物が含有される ことが好ましく、 該リン化合物としては正リン酸、 亜リン酸、 リン酸エステルま たはリン酸トリエステル等が用いられる。
本発明におけるエチレンテレフ夕レート (コ) ポリマー (b) に含有されるァ セトアルデヒド量は 3 p pm以下であることが好ましい。 該ァセトアルデヒド量 が 3 p pmを超えて含有される場合、 得られるポリエステル組成物を食品容器等 に使用した場合フレーバー性を損うという点で好ましくない。
本発明におけるエチレンテレフ夕レート (コ) ポリマー (b) の結晶化度は 6 0%以下、 さらに好ましくは 58%以下であることが好ましい。 該結晶化度はポ リマーの密度から下記式によって算出される。
結晶化度 =1, 45 5X (p - 1. 33 5) / (0. 12 OX p)
ここで pは本発明におけるエチレンテレフ夕レート (コ) ポリマーの密度であ る。
該結晶化度が 60%を超える場合、エチレンテレフタレート(コ)ポリマ一(b) をエチレンナフタレンジカルボキシレ一トコポリマー (a) とブレンドする際、 ポリマーの溶融に時間がかかり、 相溶化速度が低下するため好ましくない。
エチレンテレフタレ一ト (コ) ポリマ一 (b) は 220で以下、 5時間以上の 条件下で固相重合されていることが好ましい。 固相重合温度が 220 を超える 場合、 エチレンテレフタレート (コ) ポリマ一の融点が 250°Cを超えたり、 結 晶化度が 60%を超える可能性があることや、 共重合量が多い場合においては融 着の可能性が生じるため好ましくない。また、固相重合時間が 5時間未満の場合、
エチレンテレフ夕レート (コ) ポリマーに含有されるァセトアルデヒド量が十分 低減しないため好ましくない。
エチレンテレフタレート (コ) ポリマ一 (b ) には、 必要に応じて抗酸化剤、 紫外線吸収剤、 帯電防止剤等の各種添加剤が含有されていてもよい。
本発明の芳香族ポリエステル組成物を、 エチレンナフ夕レンジカルボキシレー トコポリマー (a) とエチレンテレフ夕レート (コ) ポリマー (b ) をブレンド して製造する際にはそれぞれの粒子 (ペレット) サイズを次のように調整するの が望ましい。
エチレンナフ夕レンジカルボキシレートコポリマー (a) のペレットサイズは 全ペレットの 9 0重量%以上が A S TM標準篩の 4メッシュを通過し、 1 0メッ シュを通過しないペレツト径であることが好ましい。 4メッシュを通過しない大 粒ペレツトあるいは 1 0メッシュを通過する小粒ペレットが全ペレツトの 1 0重 量%を超えて存在する場合、 該エチレンナフ夕レンジカルポキシレートコポリマ 一 (a) をポリエチレンテレフタレ一ト (コ) ポリマー (b) とブレンドする際 滞留時間にばらつきが生じることや、 小粒ペレットは溶融しやすいため熱劣化の 影響を受け、 また大粒ペレツトは十分溶融されない状態でエチレンテレフタレ一 ト (コ) ポリマー (b) とブレンドされるため相溶化速度を遅延させる原因とな り好ましくない。
同様に、 エチレンテレフ夕レート (コ) ポリマー (b ) のペレットサイズは全 ペレットの 9 0重量%以上が A S TM標準篩の 4メッシュを通過し、 1 0メッシ ュを通過しないペレツト径であることが好ましい。 4メッシュを通過しない大粒 ペレツトあるいは 1 0メッシュを通過する小粒ペレツトが全ペレツトの 1 0重 量%を超えて存在する場合、 該エチレンテレフ夕レート (コ) ポリマー (b) を エチレンナフタレンジカルボキシレ一トコポリマー (a) とブレンドする際滞留 時間にばらつきが生じることや、 小粒ペレツトは溶融しやすいため熱劣化の影響 を受け、 また大粒ペレツトは十分溶融されない状態でエチレンナフ夕レンジカル ポキシレ一トコポリマー (a) とブレンドされるため相溶化速度を遅延させる原 因となり好ましくない。
、"" 本発明の芳香族ポリエステル組成物は、 好ましくはアンチモン元素およびゲル マニウム元素の少なくともいずれか一方およびリン元素を含有しかつ下記式(3) および (4) :
53≤- -S b + Ge≤ 150 … (3)
25≤P≤70 … (4)
上記式中、 各元素記号は各元素のポリエステル組成物中の含有率 (pp m) を表している
¾r満足する。
ポリエステル組成物中のゲルマニウム元素およびアンチモン元素の量 ( (1 2) Sb + Ge) が式 (3) の 53 p pm未満であるとエチレンナフタレンジ力 ルポキシレートコポリマー (a) とエチレンテレフタレート (コ) ポリマー (b) との相溶化速度が遅く、 150 p pmを超えると分解速度が速くなり再生ァセト アルデヒド量が多く、 固有粘度の低下も大きく、 好ましくない。
また、 リン元素の存在量が 25ppmより低くても 7 Oppmより高くてもポ リエステル組成物の熱安定性が悪ィ匕し好ましくない。
本発明の芳香族ポリエステル組成物は、 さらに、 好ましくは 3%以下、 より好 ましくは 2 %以下のへ一ズ値を有する。 ヘーズ値が 3 %を超えると、 透明性が悪 く、 成形品としたとき成形品の外観が不良となり好ましくない。
本発明の芳香族ポリエステル組成物は、 その優れた透明性、 耐熱性、 ガスバリ ァ性あるいは成形性を利用して種々の成形体例えば食品、 飲料用の容器、 中空成 形体、 予備成形体、 採血管、 医薬品容器、 化粧品容器、 フィルムあるいはシート 等の成形体とすることができる。
本発明の芳香族ポリエステル組成物から製造された成形体のうち、 特にポトル は、 例えばジュース、 炭酸飲料、 τΚ、 油、 調味料、 アルコール飲料、 化粧品など 直接人体と接触する物品の充填に使用されることが多いため、 ポトル空間へ拡散 して来るァセトアルデヒドの量が少ないことが望ましい。
本発明のボトルのァセトアルデヒド拡散量は、 好ましくは 10 gZL · da y以下、 より好ましくは 6 igZL · day以下である。 10 gZL - day
を超えるとボトルの臭気によってフレーバー性が低下する。 本発明においてァセ トアルデヒド拡散量は、 窒素でパージしたポトル中に拡散するァセトアルデヒド の量 ( gZL · d ay) である。 これは、 ボトルを成形後 1時間空気中に放置 した後、 ボトル空間の空気を窒素でパージして密栓し、 この状態で 25でで 24 時間保持したあとガスクロマトグラフィーでボトル内の気体中のァセトアルデヒ ド濃度を測定することにより算出される。
また、 本発明のボトルの優れたバリア性は、 ボトルへのキシレンの吸着量を指 標として できる。
本発明のボトルはキシレン吸着量が 1 O Op pm以下であることが好ましい。 キシレン吸着量が 1 O Op pmを超えるとボトルのバリア性が低下して好ましく ない。 キシレン吸着量は、 ボトル中にキシレンを充填して 25°Cで 2週間保持し た後、 キシレンを排出してボトルを水洗しボトル胴部を切り出しガスクロマトグ ラフィ一によってキシレン量を測定することにより算出される。 キシレン吸着量 は、 有機溶剤のバリア性の薩指標となる。
本発明の成形体は、 好ましくは、 平均密度が 1. 34〜: L. 40 gZcm3で あり、 より好ましくは 1. 36〜: L. 40 gZcm3である。 平均密度が 1. 3 4 gZcm3より小さいと成形体の耐熱性が低すぎ、 また 1. 40gZcm3を超 えると成形体の生産性が低下する。
さらに、 本発明の成形体は、 90 における熱水収縮率が、 好ましくは 1%以 下である。 熱水収縮率が 1%を超えると熱収縮による成形体外観不良が起こり好 ましくない。
成形体の熱水収縮率は、 成形体の熱水充填処理およびその直後に行われる冷却 処理からなる熱処理の前後の成形体の容積を測定して次式にて算出される値であ る。
熱水収縮率 (%) = 100 X (熱処理前の容積一熱処理後の容積) / (熱処理 前の容積)
熱処理において、 熱水充填処理は成形体に 90°Cの水を充填後密栓し、 この状 態で 25 の環境で 3分間保持することであり、 冷却処理は、 成形体を 25での
5 流水にて冷却することである。
本発明によれば、 本発明の成形体がボトルであるとき、 その製造方法として下 記方法が提供される。
すなわち、 本発明において既に特定されたエチレンナフタレンジ力ルポキシレ —トコポリマー (a ) とエチレンテレフタレ一卜 (コ) ポリマー (b) とを、 こ れらの合計重量に対しそれぞれが 5〜 9 5重量%および 9 5〜5重量%となる割 合で、 成形温度 2 7 5〜3 2 5 Τ 滞留時間 8 0〜2 3 0秒、 可塑化時間 5〜4 0秒および剪断速度 5 0〜2 0 0 s e c—1の射出成形条件下で溶融混練して予 備成形体を形成し、 次いで予備成形体を金型温度 8 0〜: L 6 0で、 ブロー圧力 2 5〜4 0 k g f / c m2および金型接触時間 5〜 2 0秒のブロー成形条件下でブ ロー成形する、 ことを特徴とするボトルの製造方法が同様に提供される。
エチレンナフ夕レンジ力ルポキシレ一トコポリマ一 (a) およびエチレンテレ フタレート (コ) ポリマー (b) はいずれも前記した特性を備えたポリマーのこ とを指している。
本発明の上記ボトルの製造方法は、 上記のとおり、 予備成形体を形成する工程 を予備成形体をブロー成形してボトルを形成する工程からなる。
予備成形体を形成する工程は、 上記のごとき特定された射出成形条件下で、 ェ チレンナフタレンジカルポキシレートコポリマ一 (a ) とエチレンテレフタレー ト (コ) ポリマー (b) とを、 溶融混練することにより実施される。
成形温度が 2 7 5〜 3 2 5でを外れるかあるいは滞留時間が 8 0〜 2 3 0秒を 外れると、 エチレンナフ夕レンジ力ルポキシレ一トコポリマー (a) とエチレン テレフタレ一ト (コ) ポリマー (b) との相溶性が十分でなく得られる予備成形 体の透明性が不良となるかあるいは両ポリマー (a) 、 (b) の相溶化が進みす ぎ、 得られる予備成形体の耐熱性機械的強度が低下する。
また、 可塑化時間が 5秒より短いと相溶化が不十分で、 4 0秒を超えると大き く生産性が低下する。
さらに、剪断速度が 5 0 s e c—1より低いと混練が不十分で、 2 0 0 s e c—1 より高いと剪断発熱が大きく温度制御ができ難くなる。
上記ポリマー (a) および (b) は、 溶融混練の際に、
カルボキシレ一トコポリマー (a) およびエチレンテレフタレ一ト (コ) ポリマ — (b) のそれぞれが、 それぞれの重量の 90重量%以上が AS TM標準篩 4メ ッシュを通過しそして 10メッシュを通過しないチップからなるのが好ましい。 予備成形体を射出成形する成形機のスクリユー長さ Lとスクリュ一径 Dの比 (L/D) の値は 18〜 35の範囲が好ましく、 さらに好ましくは 20〜30の 範囲である。 18より低いと滞留時間が短すぎ予備成形体の透明性を確保するの が困難であり好ましくなく、 35より高いと滞留時間が長すぎ、 品質劣化が大き く、 固有粘度の低下、 ァセトアルデヒド量の増加、 色相悪化の原因となり好まし くない。
エチレンナフタレンジ力ルポキシレ一トコポリマー (a) とエチレンテレフタ レート (コ) ポリマーとを溶融混練する際に、 両者の間に、 下記式 (5)
k≥l. 644X 103Xexp (—4. 678X 10 VT) … (5) ここで、 kは下記式
k= { 100%- (溶融混練後に得られるプレンド物のへ一ズ 値%) } ÷溶融混練時の滞留時間 (秒)
で定義される相溶化速度であり、 ヘーズ値はプレンド物の厚さ 300 M mフィルムについての値であり、 そして Tは溶融混練時の温度 (° K) である、
で表される関係が成立するのが好ましい。
上記相溶化速度は使用する溶融混練装置により異なる値となる。 ここでは、 ス クリュー長さ Lとスクリュー径 Dの比 (LZD) が 18〜 35の一軸または二軸 の押出機、 製膜機あるいは射出成形機における相溶化速度である。
上記式 (5) の関係は、 上記式 (5) —1
k≥l. 918X 102Xexp (—3. 4328 X 10 VT)
… (5) 一 1 ここで、 kおよび Tの定義は上記式 (5) に同じである、
であるのがさらに好ましく、 上記式 (5) -2
k≥5. 559 X e p (— 1. 437 X 10 VT) - (5) -2 ここで、 kおよび Tの定義は上記式 (5) に同じである、
であるのが特に好ましい。
さらに、 エチレンナフタレンジカルボキシレートコポリマ一 (a) とエチレン テレフ夕レート (コ) ポリマー (b) とを溶融混練して予備成形体を形成する際 に、 エチレンナフタレンジ力ルポキシレ一トコポリマー (a) とエチレンテレフ タレ一ト (コ) ポリマー (b) とが少なくとも溶融状態にある間に 10 To r r 以下に吸引するのが好ましい。 吸引することにより相溶化速度が早まるため、 こ の際の成形温度は 260〜310 が好ましい。
吸引は成形機の可塑化ゾーン乃至計量ゾーンで溶融された状態のポリマーに対 して行われる。 圧力が 1 OTo r rより高いと、 両ポリマー (a) と (b) との 相溶化速度が遅く、 また両ポリマー (a) 、 (b) にもともと含まれていたァセ トアルデヒドおよび成形過程で再発生するァセトアルデヒドが過剰にポリマ一中 に残存しがちになりボトルのフレーバー性が抑えられがちである。
また、 予備成形体をブロー成形する工程は、 上記のごとき特定されたブロー成 形条件下で実施される。
ブロー成形を上記条件下に実施することにより、 耐熱性、 強度、 透明性の優れ たポトルを得ることができる。
以下、 実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。 重量部を部と略記す ることがある。
(1) 固有粘度 (IV) :
テトラクロロェタン:フエノール =4: 6 (重量比) の混合溶媒中、 35°Cで の測定値から算出した値である。
(2) 成形:
予備成形体は名機製作所製 M 100 DM成形機にて成形した。 透明な予備成形 体が得られるときの成形温度および滞留時間の値で成形性を評価した。 成形性良 好とは、 低温および短時間の滞留時間で成形できることである。
ボトルはクラップ ·コーポプラスト社製 LB01にて成形した。
(3) カルボキシル基末端:
ベンジルアルコールにサンプルを溶解し、 フエノールレッド指示薬を添加し、 水酸化ナトリゥムにて中和滴定した。
(4) 融点:
エチレンテレフタレ一ト (コ) ポリマーおよびエチレンナフタレンジカルボキ シレートコポリマーの融点は、 示差走査型熱量計 (DSC) で測定し、 昇温速度
20°C/mi n. の条件での結晶融解温度をもって融点とした。
ボトル(ボトル口部から切り出したサンプルを用いた)および組成物の融点は、 示差走査型熱量計 (DSC) で昇温速度 5°CZmi n. の条件で測定した。
(5) ヘーズ:
ポトル胴部のヘーズを日本電色工業社製濁度計にて測定した。 サンプリレは厚み
300 mである。
(6) ジエチレングリコール (以下、 D EGと略記することがある) 量: サンプルをヒドラジン^し、 ガスクロマトグラフィーにて測定した。
(7) 相溶化度:
600MHzの NMRにて、 エチレングリコ一ルを構成する各水素の積分強度 を測定し、 次式にて計算した。
相溶化度 =P„+Pra
ここで、 ΡιΤと PTOの定義は上記したとおりである。
(8) 紫外線遮断性:
ボトル胴部を切り出し、 厚さ 300 mのサンプルについて、 紫外可視吸光光 度計にて各波長での透過率を測定し透過率 0 %の波長で最も長波長の波長を紫外 線遮断波長 (表中、 UVカット波長) とした。
(9) 座屈強度 (機械強度) :
0. 5リットル容積のボトルにロードセルにて 50 mm/mi n. の速度で荷 重をかけたとき、 ボトルが座屈する荷重を測定した。
(10) 全末端数:
上記測定法で求めた固有粘度の値から算出した。
9
(11) ァセトアルデヒド含有量:
サンプルを凍結粉砕した後ガスクロマトグラフィー (日立製作所社製 H S-G C) にて測定。
(12) 結晶化度 (Xcと略記することがある) :
ポリマーの密度 (d) を硝酸カルシウム密度勾配管で測定することにより求め た。 また、 エチレンテレフ夕レート (コ) ポリマーの場合、
1. 455 X (d- 1. 335) , 、
Xc= X I 00 (%)
dX 0. 12
で算出される。
(13) ァセトアルデヒド拡散量 (フレーバー性) :
1. 5リツトル容積のポトルを成形後 1時間空気中に放置した後、 ポトルに窒 素をパージして密栓し、 この状態で 25でで 24時間保持したあとガスクロマト グラフィ一でボトル内の気体中のァセ卜アルデヒド濃度を測定して算出した。
(14) バリア性:
1. 5リットル容積のボトル中にキシレンを充填して 25でで 2週間保持した 後、 キシレンを排出してボトルを水洗しボトル胴部を切り出し、 ガスクロマトグ ラフィ一によってキシレン量を測定した。
(15) 熱水収縮率:
ポトルの熱水収縮率は、 ポトルの熱水充填処理およびその直後に行われる冷却 処理からなる熱処理の前後のポトルの容積を測定して次式にて算出した。
熱水収縮率 (%) = 100 X (熱処理前の容積一熱処理後の容積) / (熱処理 前の容積)
熱処理において、 熱水充填処理はボトルに 90 の水を充填後密栓し、 この状 態で 25 の環境で 3分間保持することであり、 冷却処理は、 ボトルを 25 の 流水にて冷却することである。
(16) 耐熱性:
中空容器に 90 の熱水を充填後密栓し 3分間保持後流水にて冷却する熱処理 を行った。 熱処理前後の容積収縮率を測定した。
(17) 中空容器胴部平均密度:
中空容器胴部よりサンプルを切り出し、 硝酸カルシウム密度勾配管によって密 度を測定した。 2, 6—ナフタレンジ力ルポン酸ジメチルエステル 88重量部およびジメチル テレフ夕レート 9. 6部ならびにエチレングリコール (以下、 EGと略記するこ とがある) 51部を、 酢酸コバルト四水塩 0. 01部および ¾乍酸マンガン四水塩 0. 03部をエステル交換触媒として用いて、 常法に従ってエステル交換反応さ せ、 三酸化アンチモンの EG2. 74%溶液 1. 0部添加したのち、 トリメチル ホスフェートの 4. 3%エチレングリコ一リレ溶液 0. 54部を添加し、 エステル 交換反応を終了せしめた。
引き続き常法通り高温高真空下で重縮合反応を 60分間行い、 その後ストラン ド型のチップとした。 得られたチップ状のポリマー (以下 PEN1という) の固 有粘度は 0. 44であった。 詳細は表 1のとおりであった。
参考例 2〜8
参考例 1と同様にして、 表 1に示したチップ状ポリマ一 (以下 PEN2〜8と レ ^う) を得た。 詳細は表 1のとおりである。
表 1
、二' 参考例 9
テレフタル酸 100部およびエチレングリコ一ル 51部をエステルィヒ反応させ た後、 ゲルマニウムの 1%EG溶液を 0. 93部添加し、 トリメチルホスフエ一 トの 4. 3%エチレングリコール溶液 0. 42部を添加した。 引き続き常法通り 高温高真空下で重縮合反応を行い、その後ストランド型のチップ状のポリマー (以 下 PET 1という) を得た。
参考例 10〜: L 6
参考例 9と同様にして、 表 2に示したチップ状ポリマー (以下 PET2〜8と レ^) を得た。 詳細は表 2のとおりである。
表 2
実施例 1〜 15および比較例 1〜 3
実施例 1〜14および比較例 1〜3は、 参考例で準備したチップ状の PENポ リマーおよび PETポリマーを用い表 3記載の各ブレンド比にて名機社 Ml 00 D M射出成形機を使用して表 3記載の条件で予備成形体を成形した。 得られた予 備成形体を用いクラップ 'コーポプラスト社 LB01ブロー成形機にて、 金型温 度 80 °C〜 160での範囲で 10秒間ブロー延伸し、 内容積 1. 5リツトル、 胴 部平均肉厚が 300〜 400 mのポトルを成形した。 比較例 1〜 3は常温の金 型温度でボトル成形した。
実施例 15は、 PEN、 PETポリマ一を二軸押出機にて 295 の成形温度 で溶融混合しペレット化した。 これを用いて上記同様にボトルを成形した。 ボト ル成形性および物性を表 3、 表 4、 表 5に示した。
表 3
表 3 (続き)
* 比較例 1 , 2は成形温度を上げ、 滞留時間を延長したにも関わらず、 透明性が不十分であり成形性が悪く、 紫外線遮断性、 座屈 強度も不十分であった。
表 4
バリア性
実施例 16〜 32および比較例 4〜 6は、 参考例で準備したチップ状の PEN ポリマ一および PETポリマーを用い表 6記載の各ブレンド比にて名機社 Ml 0 0 DM射出成形機 (L/D=20) を使用して表 6記載の条件で予備成形体を成 形した。 得られた予備成形体を用いクラップ ·コーポプラスト社 LB01ブロー 成形機にてブロー延伸し、内容積 1 · 5リツトル、胴部平均肉厚が 250〜 350 mの中空容器を成形した。 実施例 16について説明すると予備成形体成形条件 は、 成形温度 289で、 滞留時間 180秒、 可塑化時間 20秒、 剪断断速度 11 0 s e c 1であり、 ブロー成形条件は、 底部金型温度 10 O :、 胴部金型温度 1 30 、 ブロー時間 7秒、 ブロー圧力 35 kgZcm2にてボトル成形を実施し た。
比較例 4〜 6は常温の金型温度でポ卜ル成形した。
実施例 3 2は、 P E N、 P E Tポリマーを二軸押出機にて 2 9 5 の成形温度 で溶融混合しペレツト化した。 これを用いて上記同様にボトルを成形した。 すべての水準のポトル成形性および物性を表 6、 7に示す。
表 6 ボトル物性
表 6 (続き)
1 / 2 S b P重 UVカツ卜 ァセ卜 座屈強度 成形温度 滞留時間 可塑化 剪断速
\ + G e量 (ppm) 波長 アルデヒド量 (kg/cm2) CC) (sec) 時間 (sec"
\ ( pm) (nm) (pg/L · day) (secノ
実施例 16 110 36 370 6 30 289 180 20 110 実施例 17 83 34 370 6 29 291 195 23 110 実施例 18 81 37 370 5 30 295 135 12 170 実施例 19 82 35 370 5 30 290 175 18 160 実施例 20 81 40 370 9 29 305 150 16 150 実施例 21 80 32 370 4 25 272 230 33 100 実施例 22 74 33 370 5 31 280 200 27 100 実施例 23 54 23 370 5 28 295 170 20 150 実施例 24 64 26 370 6 29 295 195 22 150 実施例 25 63 28 370 6 32 290 225 28 100 実施例 26 82 36 372 5 27 290 180 20 120 実施例 27 85 36 373 5 27 275 200 23 100 実施例 28 88 40 374 5 24 272 200 24 110 実施例 29 110 62 376 4 26 299 180 19 130 実施例 30 83 70 378 3 28 315 160 20 130 実施例 31 78 25 370 6 25 310 160 18 150 実施例 32 79 36 370 5 26 285 135 10 160 比較例 4 41 20 365 18 19 327 250 8 190 比較例 5 41 18 362 30 19 330 270 50 40 比較例 6 41 18 362 21 20 335 250 45 45
表 7 中空容器胴部 耐熱性 金型温度 ブロー時間 ブロー圧力 平均密度 (容積収縮率:%) (°C) (secノ (kg/cm2) (g/cm3)
実施例 16-25,31,32 1.370-1.377 0.6 100-130 7-15 25-35 実施例 26-29 1.368-1.372 0.5 130-140 7-15 28-37 実施例 30 1.365 0.3 150 15 38 比較例 4 1.355 3.5 ^^曰
吊 ftm 4 20 比較例 5 1.356 2.5 ^吊^ ί皿曰 4 20 比較例 6 1.354 2.3 、)曰
m ί皿 4 20
実施例 33〜 49および比較例 7〜 9
実施例 33〜 48および比較例 7〜 9は、 参考例で準備したチップ状の PEN ポリマ一および P E Tポリマ一を用い表 8記載の各プレンド比にて名機社 M 10 0 DM射出成形機を使用して真空度 5To r rにて表 8記載の条件で予備成形体 を成形した。 得られた予備成形体をクラップ ·コーポプラスト社 LB01ブロー 成形機にて金型温度 80T:〜 160°Cでプロ一延伸し、 内容積 0. 5リットル、 胴部平均肉厚が 250〜 350 mの中空容器を成形した。 比較例 1〜 3は真空 吸引せず、 予備成形体を成形し、 金型温度常温にて中空容器を成形した。
実施例 49は、 PEN、 PETポリマーを二軸押出機にて 295での成形温度 で溶融混合しペレット化した。 これを用いて上記同様に中空容器を成形した。 中 空容器の成形性および物性を表 8に示した。
これらの実施例について、 ボトル胴部平均密度 (gZcm3) 、 耐熱性 (容積 収縮率%) 、 金型温度 C ) 、 ブロー時間 (秒) およびブロー圧力 (kg/ cm 2) のデータは、 実施例番号よりも 17番小さい番号の実施例についてのデータ (表 7) と同一であった。 また比較例についても、 比較例番号より 3番小さい番 号の実施例についてのデータ (表 7) と同一であった。
表 8
表 8 (続き)
1 / h π~j V力j、、 κ ι ア 11- K 1 Ά ί > 滞留時間 可衝
+ G e量 波長 アルデヒド 1 暈 ^+^-- (ka /rm2) cc) ( Qf^r* ) 時間
(ρρπι) (nm) UQ /1 * dav) (sec) 実施例 33 110 36 370 4 31 279 180 20 実旆例 3 A 83 34 370 3 29 283 193 23 実施例 35 81 37 370 3 32 284 140 13 実施例 36 82 35 370 3 30 279 170 19 実施例 37 81 40 370 6 30 300 150 17 実施例 38 80 32 370 2 26 270 220 34 卖施例 39 74 33 370 3 30 275 200 28
^^施例 4Ω 54 23 370 4 27 290 165 19
¾7ΓιίίΊ5ϊ| d l 64 26 370 4 28 290 185 23 隶倫 4 63 28 370 5 30 290 225 28 卖施例 3 82 36 372 4 28 285 180 21 実施例 44 85 36 373 4 26 271 195 23 実施例 45 88 40 374 4 24 270 200 25 実施例 46 110 62 376 3 25 295 176 20 実施例 47 83 70 378 3 27 310 200 20 実施例 48 78 25 370 5 24 305 155 18 実施例 49 80 37 370 5 27 285 135 10 比較例 7 41 20 365 20 20 327 252 9 比較例 8 41 18 362 34 21 330 270 52 比較例 9 41 18 362 34 19 335 255 44