JPH1143592A - ポリエステル樹脂組成物、それからなる予備成形体及び成形体 - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物、それからなる予備成形体及び成形体

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JPH1143592A
JPH1143592A JP20164797A JP20164797A JPH1143592A JP H1143592 A JPH1143592 A JP H1143592A JP 20164797 A JP20164797 A JP 20164797A JP 20164797 A JP20164797 A JP 20164797A JP H1143592 A JPH1143592 A JP H1143592A
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JP
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resin
mol
molded article
bld
polyethylene naphthalate
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JP20164797A
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English (en)
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Hironobu Kitagawa
広信 北川
Yoshinao Matsui
義直 松井
Mitsuhiro Harada
光弘 原田
Yoshitaka Eto
嘉孝 衛藤
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性、ガスバリヤ−性、透明性及び機械的
特性に優れた熱可塑性ポリエステル成形体、中空成形体
およびフイルム、を形成し得るポリエステル樹脂組成物
を提供する。 【解決手段】 ポリエチレンナフタレ−ト樹脂(A)9
5〜60重量%とポリエチレンテレフタレ−ト樹脂
(B)5〜40重量%とからなり、樹脂(A)は、ジカ
ルボン酸成分として2,6−ナフタレンジカルボン酸を
85モル%以上、グリコ−ル成分としてエチレングリコ
−ル(EG)を85モル%以上およびジエチレングリコ
−ル(DEG)を1.0〜5.0モル%含み、樹脂
(B)は、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を85
モル%以上、グリコ−ル成分としてEGを85モル%以
上およびDEGを1.0〜5.0モル%含み、かつ前記
樹脂組成物の透明度(Qmax )、透明化時間(Qmax
(t))が、それぞれ、Qmax ≦40000、Qmax(t)≦
250秒であることを特徴とするポリエステル樹脂組成
物および該樹脂組成物から成る透明性、耐熱性、ガスバ
リヤ−性等に優れた予備成形体、成形体、中空成形体ま
たは延伸フイルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は透明性、ガスバリヤ
−性、耐熱性及び機械的特性に優れた食品あるいは飲料
用等の容器等として有利に使用しうる熱可塑性ポリエス
テル成形体、中空成形体、フイルム、これらに関する予
備成形体およびこれらの成形体を得ることが出来るよう
なポリエステル樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレ−ト樹脂はその
優れた透明性、機械的強度、耐熱性、ガスバリヤ−性等
の特性により炭酸飲料、ジュ−ス、ミネラルウオ−タ等
の容器の素材として採用されている。しかしながら、近
年、耐熱性、ガスバリヤ−性等の点でポリエチレンテレ
フタレ−ト樹脂製の容器より更に優れた特性を持つ素材
が要望されるようになってきた。このような要求に対応
するためポリエチレンテレフタレ−ト樹脂より耐熱性、
ガスバリヤ−性等が優れているポリエチレンナフタレ−
ト樹脂を容器等に使用することが検討されている。特開
昭52−45466号公報には耐熱性、ガスバリヤ−性
にすぐれたポリエチレンナフタレ−トからの中空容器が
記載されている。また、特開平2−217222号公報
には延伸指数が130cm以上に高延伸したポリエチレ
ンナフタレ−トボトル及びその製造方法が記載されてい
る。しかしながら、ポリエチレンナフタレ−ト樹脂の場
合には成形が難しく透明性に優れ肉厚分布が均一な中空
成形体は得られていない。また、特開昭64−8573
2号公報には2,6−ナフタレン−ジカルボン酸成分6
5〜98.5モル%及び他のジカルボン酸成分(テレフ
タル酸、イソフタル酸等)35〜1.5モル%とエチレ
ングリコ−ルを主たるグリコル成分とするポリエチレン
ナフタレ−ト系コポリマ−からの耐熱ボトルが記載され
ている。しかしながら、第三成分が10モル%以上にな
ると溶融重合レジンは融点を示さず、また、結晶化速度
が極端に遅くなり、実用的な条件下では結晶化が不可能
となり、このため乾燥処理又は分子量の上昇及びアセト
アルデヒド(AA)含量の低下を目的とした固相重合処
理が不可能である。また、特開平2−274757号公
報、特開平4−331255号公報にはポリエチレンテ
レフタレ−ト樹脂とポリエチレンナフタレ−ト樹脂に両
者の予備混練物を混合使用したり、また、両樹脂の溶融
混練物を使用すると、耐熱性、透明性、ガスバリヤ−性
に優れた組成物や容器等を与えることが示されている。
しかしながら、このような混合物組成使用の場合には、
得られた容器の耐熱性および透明性は悪くAA含量も高
く、商品価値の低い中空成形体しか得られない。また、
両者の溶融混練組成物使用の場合には、透明性は良い
が、AA含量が非常に高く、耐熱性が非常に悪い中空成
形体しか得られない。そこで、透明性、耐熱性、成形
性、ガスバリヤ−性等に優れた中空成形体、シ−ト、延
伸フイルム等の成形体をポリエチレンテレフタレ−ト樹
脂とポリエチレンナフタレ−ト樹脂の混合物から作るこ
とを鋭意検討した結果、本発明に到達した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐熱
性、ガスバリヤ−性、透明性及び機械的特性に優れた熱
可塑性ポリエステル成形体、中空成形体、フイルム、こ
れらに関する予備成形体及びこれらの成形体を形成し得
るポリエステル樹脂組成物を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題点に鑑み、ポリエチレンナフタレ−ト樹脂(A)とポ
リエチレンテレフタレ−ト樹脂(B)からなるポリエス
テル樹脂組成物の組成や特性等を鋭意検討した結果本発
明に到達した。上記の目的を達成するため、本発明のポ
リエステル樹脂組成物はポリエチレンナレフタレ−ト樹
脂(A)95〜60重量%とポリエチレンテレフタレ−
ト樹脂(B)5〜40重量%とからなり、前記ポリエチ
レンナフタレ−ト樹脂(A)は、(1)主たる繰り返し
単位がエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレ−
トであって、(2)ジカルボン酸成分として2,6−ナ
フタレンジカルボン酸を85モル%以上、(3)グリコ
−ル成分としてエチレングリコ−ルを85モル%以上お
よびジエチレングリコ−ルを1.0〜5.0モル%含む
線状ポリエステル樹脂であり、前記ポリエチレンテレタ
レ−ト樹脂(B)は、(1)主たる繰り返し単位がエチ
レンテレフタレ−トであって、(2)ジカルボン酸成分
としてテレフタル酸を85モル%以上、(3)グリコ−
ル成分としてエチレングリコ−ルを85モル%以上およ
びジエチレングリコ−ルを1.0〜5.0モル%含む線
状ポリエステル樹脂であり、かつ前記樹脂組成物の透明
度(Qmax )、透明化時間(Qmax(t))が、それぞれ、 Qmax ≦40000 Qmax(t)≦250秒 であることを特徴とするポリエステル樹脂組成物であ
る。なお、透明度(Qmax )、透明化時間(Qmax(t))
はそれぞれ光散乱法で求めた値であり、それぞれの定
義、意味および測定法は後述する。上記の構成からなる
本発明のポリエステル樹脂組成物は優れた透明性、耐熱
性、ガスバリヤ−性および機械的特性を持つ成形体や中
空成形体等を与える。
【0005】また本発明のポリエステル樹脂組成物はポ
リエチレンナフタレ−ト樹脂(A)95〜60重量%と
ポリエチレンテレタレ−ト樹脂(B)5〜40重量%と
の合計100重量部と、エチレンテレフタレ−ト単位が
90〜50モル%であるポリエチレンテレフタレ−ト樹
脂(C)および/またはエチレンナフタレ−ト単位が9
0〜50モル%であるポリエチレンナフタレ−ト樹脂
(D)1〜30重量部とからなり、前記ポリエチレンナ
フタレ−ト樹脂(A)は、(1)主たる繰り返し単位が
エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレ−トであ
って、(2)ジカルボン酸成分として2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸を85モル%以上、(3)グリコ−ル成
分としてエチレングリコ−ルを85モル%以上およびジ
エチレングリコ−ルを1.0〜5.0モル%含む線状ポ
リエステル樹脂であり、前記ポリエチレンテレタレ−ト
樹脂(B)は、(1)主たる繰り返し単位がエチレンテ
レフタレ−トであって、(2)ジカルボン酸成分として
テレフタル酸を85モル%以上、(3)グリコ−ル成分
としてエチレングリコ−ルを85モル%以上およびジエ
チレングリコ−ルを1.0〜5.0モル%含む線状ポリ
エステル樹脂であり、かつ前記樹脂組成物の透明度(Q
max )、透明化時間(Qmax(t))が、それぞれ、 Qmax ≦40000 Qmax(t)≦250秒 であることを特徴とするポリエステル樹脂組成物であ
る。上記の構成からなる本発明のポリエステル樹脂組成
物は優れた透明性、耐熱性、ガスバリヤ−性および機械
的特性を持つ成形体や中空成形体等を与える。
【0006】またこのポリエステル樹脂組成物を構成す
るポリエチレンナフタレ−ト樹脂(A)はアセトアルデ
ヒド含量が8ppm以下、環状3量体の合計含量が0.
40重量%以下であり、また該樹脂組成物を構成するポ
リエチレンテレフタレ−ト樹脂(B)、ポリエチレンテ
レフタレ−ト樹脂(C)およびポリエチレンナフタレ−
ト樹脂(D)はアセトアルデヒド含量が10ppm以
下、環状3量体の合計含量が0.50重量%以下である
ことを特徴とするポリエステル樹脂組成物である。上記
の構成からなる本発明のポリエステル樹脂組成物は優れ
た透明性、耐熱性、ガスバリヤ−性および機械的特性を
持つ成形体や中空成形体等を与える。
【0007】また、本発明のポリエステル樹脂製予備成
形体または成形体は、前記の樹脂組成物からなり、該成
形体を形成する樹脂組成物の特性が以下のイ)〜ホ)の
条件を満足することを特徴とするポリエステル樹脂製予
備成形体又は成形体である。 イ)予備成形体又は成形体の未延伸部について、示差走
査熱量計(DSC)により1度C/分の昇温速度で測定
した昇温時結晶化ピ−ク温度(Tc1)と予備成形体ま
たは成形体中のポリエチレンナフタレ−ト樹脂(A)の
重量百分率(BLD%)との関係が、0.60(BLD
%)+120.0≦Tc1≦0.60(BLD%)+1
55.0であらわされる。 ロ)予備成形体又は成形体の未延伸部について、示差走
査熱量計(DSC)により1度C/分の昇温速度で測定
した融点(Tm)と予備成形体または成形体中のポリエ
チレンナフタレ−ト樹脂(A)の重量百分率(BLD
%)との関係が、0.87(BLD%)+178.0≦
Tm≦0.87(BLD%)+193.0であらわされ
る。 ハ)予備成形体又は成形体の未延伸部について、示差走
査熱量計(DSC)により1度C/分の昇温速度で測定
した昇温時結晶化発熱量(Qc)と結晶融解熱(Qm)
が、それぞれ15mj/mg以上と20mj/mg以上
である。 ニ)予備成形体又は成形体のランダム度(R)が、 0.10≦R≦0.70 である。 ホ)ヘイズが15%以下である。
【0008】なお、ランダム度(R)はNMR法で求め
た値であり、予備成形体等より試料を切り取り、Mark
E. Stewart ,A.James Cox,D.Mark Naylor :Polymer V
ol.34,P.4060(1993) 記載の方法に準じてエチレングリ
コ−ル鎖のエチレンプロトンを測定し、次式の計算によ
り求めた。 ランダム度(R)={1/Ln(PET)+1/Ln
(PEN)} 式中の記号の意味は次の通りである。 Ln(PET):エチレンテレフタレ−トのエステル結
合の数平均連鎖長 Ln(PEN):エチレンナフタレ−トのエステル結合
の数平均連鎖長 上記の構成からなる本発明のポリエステル樹脂製予備成
形体または成形体は優れた透明性、耐熱性、ガスバリヤ
−性および機械的特性を有する。
【0009】また、本発明のポリエステル樹脂製中空成
形体は、前記の予備成形体を延伸ブロ−して得られる中
空成形体であり、該中空成形体を形成する組成物の特性
が以下のヘ)〜ル)の条件を満足することを特徴とする
ポリエステル樹脂製中空成形体である。 ヘ)中空成形体の口栓部について、示差走査熱量計(D
SC)により1度C/分の昇温速度で測定した昇温時結
晶化ピ−ク温度(Tc1)と中空成形体中のポリエチレ
ンナフタレ−ト樹脂(A)の重量百分率(BLD%)と
の関係が、0.60(BLD%)+120.0≦Tc1
≦0.60(BLD%)+155.0で表される。 ト)中空成形体の口栓部について、示差走査熱量計(D
SC)により1度C/分の昇温速度で測定した融点(T
m)と中空成形体中のポリエチレンナフタレ−ト樹脂
(A)の重量百分率(BLD%)との関係が、0.87
(BLD%)+178.0≦Tm≦0.87(BLD
%)+193.0であらわされる。 チ)中空成形体の口栓部について、示差走査熱量計(D
SC)により1度C/分の昇温速度で測定した昇温時結
晶化発熱量(Qc)と結晶融解熱(Qm)が、それぞれ
15mj/mg以上と20mj/mg以上である。 リ)中空成形体のランダム度(R)が、 0.10≦R≦0.70 である。 ヌ)アセトアルデヒド含量が50ppm以下である。 ル)ヘイズが8%以下である。 上記の構成からなる本発明のポリエステル樹脂製中空成
形体は優れた透明性、耐熱性、ガスバリヤ−性および機
械的特性を有する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるポリエチレン
ナフタレ−ト樹脂(A)は、(1)主たる繰り返し単位
がエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレ−トで
あって、(2)ジカルボン酸成分として2,6−ナフタ
レンジカルボン酸を85モル%以上、好ましくは、87
モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上、(3)
グリコ−ル成分としてエチレングリコ−ルを85モル%
以上、好ましくは87モル%以上、さらに好ましくは9
0モル%以上、およびジエチレングリコ−ル(以下DE
Gという)を1.0〜5.0モル%、好ましくは1.3
〜4.5モル%、さらに好ましくは1.5〜4.0モル
%含む線状ポリエステル樹脂である。エチレン−2,6
−ナフタレンジカルボキレ−ト単位が85モル%以下の
場合は、該樹脂の乾燥工程や固相重合工程で融着し易く
なったりまた、得られた成形体等の耐熱性が非常に悪く
なる。またDEG含量が1.0モル%以下の場合は得ら
れた成形体や中空成形体等の透明性が非常に悪くなり、
また5.0モル%以上の場合は得られた成形体等の耐熱
性が悪くなったり、成形体等のAA含量が非常に増加し
内容物の味に悪影響を及ぼすことになる。即ち、ポリエ
チレンナフタ−レ樹脂(A)のDEG含量は本発明の成
形体の物性に非常に大きな影響を及ぼすことが分かっ
た。
【0011】また、本発明におけるポリエチレンナフタ
レ−ト樹脂(A)の共重合に使用されるジカルボン酸と
しては、テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニ−ル−
4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボ
ン酸等の芳香族ジカルボン酸及びその機能的誘導体、p
−オキシ安息香酸、オキシカプロン酸等のオキシ酸及び
その機能的誘導体、アジピン酸、セバシン酸、コハク
酸、グルタル酸等の脂肪族ジカルボン酸及びその機能的
誘導体、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカル
ボン酸及びその機能的誘導体などが挙げられる。
【0012】また共重合に使用されるグリコ−ルとして
は、トリメチレングリコ−ル、テトラメチレングリコ−
ル、ネオペンチルグリコ−ル等の脂肪族グリコ−ル、シ
クロヘキサンジメタノ−ル等の脂環族グリコ−ル、ビス
フェノ−ルA、ビスフェノ−ルAのアルキレンオキサイ
ド付加物等の芳香族グリコ−ルなどが挙げられる。さら
に、前記ポリエチレンナフタレ−ト樹脂(A)中の多官
能化合物からなるその他の共重合成分としては、酸成分
としてトリメリット酸、ピロメリット酸を挙げることが
出来、グリコ−ル成分としてグリセリン、ペンタエリス
リト−ルを挙げることが出来る。以上の共重合成分の使
用量は、ポリエチレンナフタレ−ト樹脂(A)が実質的
に線状を維持する程度でなければならない。
【0013】上記のポリエチレンナフタレ−ト樹脂
(A)は、従来公知の製造方法によって製造することが
出来る。即ち、2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチ
レングリコ−ル及び/又は、第三成分を直接反応させて
水を留去しエステル化した後、減圧下に溶融重縮合を行
う直接エステル化法、または、ジメチル−2,6−ナフ
タレンジカルボキシレ−トとエチレングリコ−ル及び/
又は第三成分を反応させてメチルアルコ−ルを留去しエ
ステル交換させた後、減圧下に溶融重縮合を行うエステ
ル交換法により製造される。さらに極限粘度を増大さ
せ、AA含量を低下さす為に固相重合を行ってもよい。
前記溶融重縮合反応は、回分式反応装置で行っても良い
しまた連続式反応装置で行っても良い。これらいづれの
方式において、溶融重縮合反応は1段階で行っても、多
段階に分けて行っても良い。固相重合反応は、溶融重縮
合反応と同様回分式装置や連続式装置で行うことが出来
る。溶融重縮合と固相重合は連続で行っても良いし、分
割して行ってもよい。
【0014】本発明で使用されるポリエチレンナフタレ
−ト樹脂(A)を製造する際、エステル交換法による場
合はエステル交換触媒としてMg、Mn、Ca、Zn等
のカルボン酸金属塩化合物、重縮合触媒としてGe、S
b、Ti等の化合物が用いられる。また、エステル交換
触媒の活性をなくすためにエステル交換反応終了後、燐
酸、トリメチルフォスフェイト等のリン化合物を添加す
ることが出来る。直接エステル化法による場合は、重縮
合触媒としてGe、Sb、Tiの化合物が用いられる。
また、DEG含量を制御するためにエステル化工程に塩
基性化合物、たとえば、トリエチルアミン、トリ−n−
ブチルアミン等の第3級アミン、水酸化テトラエチルア
ンモニウム等の第4級アンモニウム塩等を加えることも
出来る。
【0015】本発明で使用されるポリエチレンナフタレ
−ト樹脂(A)の極限粘度は0.40〜0.90dl/
g、好ましくは0.45〜0.87dl/g、さらに好
ましくは0.50〜0.85dl/gの範囲である。
0.40dl/g以下では、得られた成形体等の機械的
特性が悪い。また、0.90dl/gを越える場合は、
成型機等による溶融時に樹脂温度が高くなって熱分解が
激しくなり、成形体が黄色に着色する等の問題が起こ
る。
【0016】本発明で使用されるポリエチレンナフタレ
−ト樹脂(A)のアセトアルデヒド含量は、8ppm以
下、好ましくは6ppm以下、さらに好ましくは4pp
m以下である。アセトアルデヒド含量が8ppm以上の
場合は、得られた成形体等のアセトアルデヒド含量が5
0ppm以上と高くなり、成形体等の内容物の味や臭い
に悪影響を与える。
【0017】本発明で使用されるポリエチレンナフタレ
−ト樹脂(A)の環状3量体の合計含量は、0.40重
量%以下、好ましくは0.38重量%以下、さらに好ま
しくは0.35重量%以下である。成形体あるいは中空
成形体に耐熱性を与えるために成型時に加熱金型内で熱
処理を行う場合、環状3量体の合計含量が0.40重量
%以上の場合には、金型表面へのオリゴマ−付着が急激
に増加し得られた中空成形体等の透明性は極端に悪くな
る。なお、ここでいう「環状3量体」とは、エチレンテ
レフタレ−ト単位から構成される環状3量体およびエチ
レンナフタレ−ト単位から構成される環状3量体の両者
のことであり、この両者の含量を合計した量が「合計含
量」である。
【0018】本発明で用いられるポリエチレンテレフタ
レ−ト樹脂(B)は、(1)主たる繰り返し単位がエチ
レンテレフタレ−トであって、(2)ジカルボン酸成分
としてテレフタル酸を85モル%以上、好ましくは87
モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上、(3)
グリコ−ル成分としてエチレングリコ−ルを85モル%
以上、好ましくは87モル%以上、さらに好ましくは9
0モル%以上、およびジエチレングリコ−ル(以下DE
G)を1.0〜5.0モル%、好ましくは1.3〜4.
5モル%、さらに好ましくは1.5〜4.0モル%含む
線状ポリエステル樹脂である。エチレンテレフタレ−ト
単位が85モル%以下の場合は、該樹脂の乾燥工程や固
相重合工程で融着し易くなったり、また得られた成形体
等の耐熱性が非常に悪くなる。またDEG含量が1.0
モル%以下の場合は得られた成形体や中空成形体の透明
性が非常に悪くなり、また5.0モル%以上の場合は得
られた成形体等の耐熱性が悪くなったり、成形体等のA
A含量が非常に増加し内容物の味に悪影響を及ぼすこと
になる。即ち、ポリエチレンテレフタ−レ樹脂(B)の
DEG含量は本発明の成形体の物性に非常に大きな影響
を及ぼすことが分かった。
【0019】また、本発明におけるポリエチレンテレフ
タレ−ト樹脂(B)の共重合に使用されるジカルボン酸
としては、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボ
ン酸、ジフェニ−ル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェ
ノキシエタンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸及び
その機能的誘導体、p−オキシ安息香酸、オキシカプロ
ン酸等のオキシ酸及びその機能的誘導体、アジピン酸、
セバシン酸、コハク酸、グルタル酸等の脂肪族ジカルボ
ン酸及びその機能的誘導体、シクロヘキサンジカルボン
酸等の脂環族ジカルボン酸及びその機能的誘導体などが
挙げられる。
【0020】また共重合に使用されるグリコ−ルとして
は、トリメチレングリコ−ル、テトラメチレングリコ−
ル、ネオペンチルグリコ−ル等の脂肪族グリコ−ル、シ
クロヘキサンジメタノ−ル等の脂環族グリコ−ル、ビス
フェノ−ルA、ビスフェノ−ルAのアルキレンオキサイ
ド付加物等の芳香族グリコ−ルなどが挙げられる。
【0021】さらに、前記ポリエチレンテレフタレ−ト
樹脂(B)中の多官能化合物からなるその他の共重合成
分としては酸成分として、トリメリット酸、ピロメリッ
ト酸を挙げることが出来、グリコ−ル成分としてグリセ
リン、ペンタエリスリト−ルを挙げることが出来る。以
上の共重合成分の使用量は、ポリエチレンテレフタレ−
ト樹脂(B)が実質的に線状を維持する程度でなければ
ならない。
【0022】上記のポリエチレンテレフタレ−ト樹脂
(B)は、従来公知の製造方法によって製造することが
出来る。即ち、テレフタ−ル酸とエチレングリコ−ル及
び/又は、第三成分を直接反応させて水を留去しエステ
ル化した後、減圧下に重縮合を行う直接エステル化法、
または、テレフタル酸ジメチルとエチレングリコ−ル及
び/又は、第三成分を反応させてメチルアルコ−ルを留
去しエステル交換させた後、減圧下に重縮合を行うエス
テル交換法により製造される。更に極限粘度を増大さ
せ、AA含量を低下さす為に固相重合を行ってもよい。
本発明で使用されるポリエチレンテレフタレ−ト樹脂
(B)を製造する際に使用する触媒は、ポリエチレンナ
フタレ−ト樹脂(A)を製造する際に使用する触媒と同
一物を使用することが出来る。
【0023】本発明で使用されるポリエチレンテレフタ
レ−ト樹脂(B)の極限粘度は0.60〜1.30dl
/g好ましくは0.65〜1.20dl/g、さらに好
ましくは0.70〜0.90dl/gの範囲である。
0.60dl/g以下では、得られた成形体等の機械的
特性が悪い。また、1.30dl/gを越える場合は、
成型機等による溶融時に樹脂温度が高くなって熱分解が
激しくなり、成形体が黄色に着色する等の問題が起こ
る。
【0024】本発明で使用されるポリエチレンテレフタ
レ−ト樹脂(B)のアセトアルデヒド含量は、10pp
m以下、好ましくは6ppm以下、さらに好ましくは4
ppm以下である。アセトアルデヒド含量が10ppm
以上の場合は、得られた成形体等のアセトアルデヒド含
量が50ppm以上と高くなり、成形体等の内容物の味
や臭いに悪影響を与える。
【0025】本発明で使用されるポリエチレンテレフタ
レ−ト樹脂(B)の環状3量体の合計含量は、0.50
重量%以下、好ましくは0.45重量%以下、さらに好
ましくは0.40重量%以下である。成形体あるいは中
空成形体に耐熱性を与えるために成型時に加熱金型内で
熱処理を行う場合、環状3量体の合計含量が0.50重
量%以上の場合には、金型表面へのオリゴマ−付着が急
激に増加し得られた中空成形体等の透明性は極端に悪く
なる。なお、ここでいう「環状3量体」やその「合計含
量」は前記のとおりである。
【0026】本発明のポリエステル樹脂組成物、予備成
形体、成形体および中空成形体はポリエチレンナフタレ
−ト樹脂(A)95〜60重量%、好ましくは93〜6
5重量%、さらに好ましくは90〜70重量%と、ポリ
エチレンテレフタレ−ト樹脂(B)5〜40重量%、好
ましくは7〜35重量%、さらに好ましくは10〜30
重量%とから構成される。この予備成形体や中空成形体
中のポリエチレンナフタレ−ト樹脂(A)含量が95重
量%を超えると、成形性や延伸性に劣り、得られた予備
成形体や中空成形体の透明性が悪くなる。又、ポリエチ
レンナフタレ−ト樹脂(A)含量が60重量%未満であ
ると、得られた中空成形体の紫外線遮断性やガスバリア
−性が悪くなる。
【0027】また本発明のポリエステル樹脂組成物、予
備成形体、成形体および中空成形体はポリエチレンナフ
タレ−ト樹脂(A)95〜60重量%とポリエチレンテ
レフタレ−ト樹脂(B)5〜40重量%との合計100
重量部と、エチレンテレフタレ−ト単位が90〜50モ
ル%であるポリエチレンテレフタレ−ト樹脂(C)およ
び/またはエチレンナフタレ−ト単位が90〜50モル
%であるポリエチレンナフタレ−ト樹脂(D)1〜30
重量部、好ましくは1〜25重量部、さらに好ましくは
1〜20重量部とからなるポリエステル樹脂組成物から
構成される。これらのポリエステル樹脂組成物を使用す
る場合は、より短時間の溶融混合で均一透明な成形体等
が得られる。ポリエチレンテレフタレ−ト樹脂(C)お
よびポリエチレンナフタレ−ト樹脂(D)の使用量が総
量で30重量部を越えた場合は成形体等の機械的特性、
熱的特性および成形性等が悪くなる。また前記ポリエチ
レンテレフタレ−ト樹脂(C)のエチレンテレフタレ−
ト単位の含量は、好ましくは90〜75モル%、さらに
好ましくは90〜80モル%である。また前記ポリエチ
レンナフタレ−ト樹脂(C)のエチレンナフタレ−ト単
位の含量は、好ましくは90〜75モル%、さらに好ま
しくは90〜80モル%である。
【0028】本発明において、エチレンテレタレ−ト単
位が90〜50モル%のポリエチレンテレフタレ−ト樹
脂(C)の他の共重合成分、製造法、および、極限粘度
は、前記のポリエチレンテレフタレ−ト樹脂(A)の場
合と同じである。また、エチレンナフタレ−ト単位が9
0〜50モル%のポリエチレンナフタレ−ト樹脂(D)
の他の共重合成分、製造法、および、極限粘度は、前記
のポリエチレンナフタレ−ト樹脂(B)の場合と同じで
ある。
【0029】また本発明で使用されるポリエチレンテレ
フタレ−ト樹脂(C)およびポリエチレンナフタレ−ト
樹脂(D)のアセトアルデヒド含量は、10ppm以
下、好ましくは7ppm以下、さらに好ましくは4pp
m以下である。アセトアルデヒド含量が10ppm以上
の場合は、得られた成形体等のアセトアルデヒド含量が
50ppm以上と高くなり、成形体等の内容物の味や臭
いに悪影響を与える。
【0030】本発明で使用されるポリエチレンテレフタ
レ−ト樹脂(C)およびポリエチレンナフタレ−ト樹脂
(D)の環状3量体の合計含量は、0.50重量%以
下、好ましくは0.45重量%以下、さらに好ましくは
0.40重量%以下である。成形体あるいは中空成形体
に耐熱性を与えるために成型時に加熱金型内で熱処理を
行う場合、環状3量体の合計含量が0.50重量%以上
の場合には、金型表面へのオリゴマ−付着が急激に増加
し得られた中空成形体等の透明性は極端に悪くなる。な
お、ここでいう「環状3量体」やその「合計含量」は前
記のとおりである。
【0031】また、本発明のポリエステル樹脂組成物に
おいて、該樹脂組成物の透明度(Qmax )、透明化時間
(Qmax(t))が、それぞれ、 Qmax ≦40000 Qmax(t)≦250秒 であることを特徴とする。ここで、透明度(Qmax )、
透明化時間(Qmax(t))はそれぞれ光散乱法で求めた値
であり、詳細な測定法は後述するが、Qmax 、Qmax(t)
の定義、および、意味は下記のとおりである。
【0032】(1)Qmax 、Qmax(t)の定義 後述の方法により作成した試料を光散乱測定装置の30
0度Cに温度設定したホットステ−ジ上に置き光散乱測
定を行う。散乱角に対する散乱光の強度は、加熱時間と
共に大きくなり、ある時間(t)で最大となる。この時
のInvariantQ(散乱強度)をQmax 、Qmax
に到達するのに要した時間(t)をQmax(t)と定義す
る。主としてエチレンテレフタレ−ト単位を繰返し単位
とする樹脂と、主としてエチレンナフタレ−ト単位を繰
返し単位とする樹脂の溶融混合の場合には、加熱時間の
経過と共に相分離による白化が進行し、ある時間で白化
(相分離)が最大となる。従って、Qmax は白化の最大
点、Qmax(t)はそれに要した時間といえる。さらに時間
が経過すると共に、急速に相容化が進行して白化が減少
し、終わりには透明となる。 (2)Qmax の意味 透明性を表わす指標で、数字が小さい方が透明性の良好
なことを意味する。
【0033】(3)Qmax(t)の意味 相容化(透明化)に要する時間の指標で、その値が小さ
ければ小さいほどそれだけ早く透明体となる。透明度
(Qmax )の範囲は0〜40000、好ましくは0〜3
5000、さらに好ましくは0〜30000である。透
明化時間(Qmax(t))の範囲は0〜250秒、好ましく
は0〜200秒、さらに好ましくは0〜150秒であ
る。上記の構成からなる本発明のポリエステル樹脂組成
物は、優れた透明性、ガスバリヤ−性、耐熱性および機
械的特性を持つ成形体や中空成形体をあたえる。Qmax
が40000を越えると、白化の程度が大きく、相容化
(透明化)の促進を行うためには溶融混合成形時に高温
度、長時間のより厳しい条件が必要となり、このため熱
劣化による着色や機械的性質の低下を引き起こす。ま
た、生産性の低下によるコストアップ要因となる。
【0034】Qmax(t)が250秒を越えると、透明な容
器を得る為には溶融混合時に高温度、長時間のより厳し
い条件が必要となる。その結果、熱劣化による着色、機
械的物性の低下、オリゴマ−含量の増加による金型汚
れ、AA含量の増加等の問題が発生する。また、生産性
低下によるコストアップ要因となる。前記の透明度(Q
max )および透明化時間(Qmax(t))を本発明の範囲内
にするための方法としては、本発明のポリエステル樹脂
中の触媒金属原子の合計グラム原子数とリン原子のグラ
ム原子数との原子比を0.9以下にする方法、本発明の
ポリエステル樹脂の末端メチルエステル基濃度と末端カ
ルボキシル基濃度の合計を30eq/ton以下にする
方法、また本発明のポリエステル樹脂チップの嵩密度を
0.83〜0.97g/cm3 に管理し、ポリエチレン
テレフタレ−ト樹脂(A)の嵩密度とポリエチレンナフ
タレ−ト樹脂(B)の嵩密度の比を0.8〜1.2に管
理する方法等があげられる。
【0035】本発明の予備成形体又は成形体の未延伸部
または中空成形体について、示差走査熱量計(DSC)
により測定した熱特性と成形体の透明性、耐熱性等の性
質について更に検討を加えた結果、示差走査熱量計(D
SC)による1度C/分の昇温速度での熱特性と成形体
等の透明性、耐熱性等の特性の間に関連があることを見
いだした。本発明の予備成形体又は成形体の未延伸部ま
たは中空成形体の口栓部の示差走査熱量計(DSC)に
より1度C/分の昇温速度で測定した昇温時結晶化ピ−
ク温度(Tc1)と予備成形体、成形体または中空 成
形体中のポリエチレンナフタレ−ト樹脂(A)の重量百
分率(BLD%)との関係が、下式0.60(BLD
%)+120.0≦Tc1≦0.60(BLD%)+1
55.0を満足することが必要であり、好ましくは、下
式0.60(BLD%)+125.0≦Tc1≦0.6
0(BLD%)+150.0を満足することが必要であ
る。
【0036】成形体の未延伸部分や中空成形体口栓部の
昇温時結晶化ピ−ク温度(Tc1)が、上記式の上限温
度以上の温度である場合は、得られた成形体等の耐熱
性、ガスバリヤ−性、肉厚分布、機械的特性等が悪くな
る。また、昇温時結晶化ピ−ク温度(Tc1)が上記式
の下限以下の温度の場合は、得られた成形体等の透明性
が極端に低下し、また肉厚分布も悪くなる。
【0037】本発明の予備成形体や成形体の未延伸部分
または中空成形体口栓部の示差走査熱量計(DSC)で
1度C/分の昇温速度で測定した融点(Tm)は、成形
体や中空成形体中のポリエチレンナフタレ−ト樹脂
(A)の重量百分率(BLD%)との関係が下記式0.
87(BLD%)+178.0≦Tm≦0.87(BL
D%)+193.0を満足することが必要であり、好ま
しくは、下記式0.87(BLD%)+180.0≦T
m≦0.87(BLD%)+190.0を満足すること
が必要である。
【0038】成形体の未延伸部分や中空成形体口栓部の
融点(Tm)が、上記式の下限以下の温度である場合
は、得られた成形体等の耐熱性、ガスバリア−性が悪く
なり、また、肉厚分布、機械的特性等も悪くなる。また
融点(Tm)が上記式の上限以上の温度の場合は、得ら
れた成形体等の透明性が極端に低下し、また、肉厚分布
も悪くなる。
【0039】また、本発明の予備成形体、成形体の未延
伸部分や中空成形体口栓部の示差走査熱量計(DSC)
で1度C/分の昇温速度で測定した昇温時結晶化発熱量
(Qc)、及び、結晶融解熱(Qm)が、それぞれ15
mj/mg以上、好ましくは17mj/mg以上、さら
に好ましくは20mj/mg以上、及び、20mj/m
g以上、好ましくは23mj/mg以上、さらに好まし
くは25mj/mg以上であることが必要である。成形
体の未延伸部分や中空成形体口栓部の上記の昇温時結晶
化発熱量(Qc)、及び、結晶化融解熱(Qm)が、そ
れぞれ、15mj/mg以下、及び、20mj/mg以
下の場合は、得られた成形体や中空成形体の耐熱性、ガ
スバリヤ−性、機械的特性等が悪くなる。
【0040】また、本発明の成形体等のランダム度
(R)は、0.10〜0.70の範囲であり、好ましく
は0.13〜0.50、更に好ましい範囲は0.15〜
0.40である。本発明の成形体等のランダム度(R)
は後述する如くNMR法で求めるが、0.10未満では
相溶化度が小さいため、得られた成形体等の透明性が悪
く商品価値がない。また0.70以上では得られた成形
体等の耐熱性、機械的特性等が極端に悪くなる。また、
0.40以下の場合は、成形体等を構成するポリエステ
ルにおいてブロック性がかなり残っており、このため耐
熱性や機械的特性等が良好である。すなわち、成形体等
の示差走査熱量計(DSC)により測定される昇温時結
晶化ピ−ク温度、昇温時結晶化発熱量(Qc)および結
晶化融解熱(Qm)とランダム度(R)が本発明の範囲
内に入る成形体等は透明性が良好で、かつ耐熱性、機械
的特性等が非常に優れている。
【0041】また、本発明の中空成形体のアセトアルデ
ヒド含量は50ppm以下、好ましくは30ppm以
下、さらに好ましくは20ppm以下である。アセトア
ルデヒド含量が50ppm以上の場合には内容物にアセ
トアルデヒド臭が移り、飲料の場合には特に問題とな
る。本発明の中空成形体のヘイズは8%以下、好ましく
は5%以下、さらに好ましくは3%以下である。ヘイズ
が8%以上になると中空成形体は白濁したパ−ル状光沢
を呈し、商品価値がなくなる。
【0042】また、本発明のポリエステル延伸フイルム
は、従来公知の任意の方法を用いて前記の予備成形体で
ある未延伸シ−トを少なくとも一方向に延伸して得るこ
とが出来る。二軸延伸フイルムの場合は同時二軸延伸法
でも逐次二軸延伸法でもいづれの方法によっても得るこ
とが出来る。フイルムの長手方向または/および幅方向
の延伸倍率は目的に応じて任意に設定することが出来
る。
【0043】本発明における予備成形体とは、中空成形
体用の予備成形体に限らず、押出成形されたシ−ト状
物、パイプ状物、筒状物などをも含み、ポリエチレンナ
フタレ−ト樹脂(A)及びポリエチレンテレフタレ−ト
樹脂(B)の溶融粘度及び両樹脂の溶融粘度差、予備成
形体射出時の温度、溶融時間、背圧及びスクリュ−回転
数等を適宜制御することによって得られる。本発明の予
備成形体成形時等に熱安定剤、熱酸化安定剤、帯電防止
剤、耐候性安定剤、滑剤、顔料、染料、顔料分散剤ある
いは本発明の成形体不良品などを本発明の目的を損なわ
ない範囲で添加することができる。
【0044】本発明のポリエチレンナフタレ−ト樹脂
(A)とポリエチレンテレフタレ−ト樹脂(B)を均一
に混合する方法として公知の種々の方法を用いることが
出来るが、例えばダブルコ−ンブレンダ−、リボンブレ
ンダ−等による方法が適用出来る。また、このような方
法で混合した両樹脂を一軸押出機、二軸押出機、ベント
式押出機等により溶融混練し造粒することも出来る。本
発明の予備成形体は、例えば、上記に示した特性を持っ
たポリエチレンナフタレ−ト樹脂(A)とポリエチレン
テレフタレ−ト樹脂(B)を均一に混合後、直接射出成
形、または押出成形して作ることが出来る。
【0045】本発明の中空成形体は公知の射出成形機等
により成形された有底の予備成形体(パリソン)を延伸
ブロ−成形機により延伸ブロ−成形する2段階方式(コ
−ルドパリソン法)、あるいは予備成形体の成形と延伸
ブロ−成形を同一機械で行う1段階方式(ホットパリソ
ン法)の延伸ブロ−成形法、ダイレクトブロ−成形法、
押出しブロ−成形法により製造することが出来る。ま
た、中空成形体のAA含量を低下させるためにはベント
式射出成形機を用いるのがよい。予備成形体がシ−ト状
物、パイプ状物、筒状物などの場合は、圧縮成型、真空
成形などによって適宜、容器、包装体などに成形するこ
とが出来る。
【0046】
【実施例】以下本発明を実施例により具体的に説明する
が本発明はこの実施例に限定されるものではない。なお
主な特性値の測定法を以下に説明する。 (1)ポリエチレンテレフタレ−ト樹脂(B)および
(C)(以下「PET樹脂」とする)の極限粘度(I
V) 1,1,2,2−テトラクロルエタン/フェノ−ル(2
/3重量比)混合溶媒中30℃での溶液粘度から求め
た。 (2)ポリエチレンナフタレ−ト樹脂(A)および
(D)(以下「PEN樹脂」とする)の極限粘度(I
V) 1,1,2,2−テトラクロルエタン/p−クロルフェ
ノ−ル(1/3重量比)混合溶媒中30度Cでの溶液粘
度から求めた。
【0047】(3)樹脂中の結合ジエチレングリコ−ル
含量(DEG含量) PEN樹脂またはPET樹脂をメタノ−ルにより分解
し、ガスクロマトグラフィ−によりDEG量を定量し、
全グリコ−ル成分に対する割合(モル%)で表した。 (4)アセトアルデヒド含量(AA) 樹脂ペレットまたは容器口栓部からの2〜3mm角の試
料と、試料/蒸留水=1g/2mlの量の蒸留水を窒素
置換したガラスアンプルに入れて上部を溶封し、160
度Cで2時間抽出処理を行い、冷却後抽出液中のアセト
アルデヒドを高感度ガスクロマトグラフィ−で測定し濃
度をppmで表示した。
【0048】(5)PET樹脂の環状3量体の合計含量
(以下「PET−CT」という) 試料をヘキサフルオロイソプロパノ−ル/クロロフォル
ム混合液に溶解し、さらにクロロフォルムを加え希釈す
る。これにメタノ−ルを加えてポリマ−を沈殿させた
後、濾過する。濾液を蒸発乾固し、ジメチルフォルムア
ミドで定容とし、液体クロマトグラフ法によりエチレン
テレフタレ−ト単位から構成される環状3量体およびエ
チレンナフタレ−ト単位から構成される環状3量体を定
量した。 (6)PEN樹脂の環状3量体の合計含量(以下「PE
N−CT」という) PET樹脂と同一方法による。
【0049】(7)ランダム度(R) 成形した成形体等より試料を切り取り、NMR法により
測定する。 1)測定装置 バ−リアン社製 unity−500 2)測定方法 Mark E. Stewart ,A.James Cox,D.Mark Naylor :Poly
mer Vol.34,P.4060(1993) 記載の方法に準じて、エチレ
ングリコ−ル鎖のエチレンプロトンを測定し、計算によ
り求めた。 3)ランダム度(R)の計算 ブロック性(ランダム度)は、次式によって示される。 R={1/Ln(PET)+1/Ln(PEN)} Ln(PET):エチレンテレフタレ−トのエステル結
合の数平均連鎖長 Ln(PEN):エチレンナフタレ−トのエステル結合
の数平均連鎖長 (8)ヘイズ(霞度%) 成形した成形体等より試料を切り取り、東洋精機製作所
製ヘイズメ−タ−でヘイズ(%)を測定した。
【0050】(9)透明度(Qmax )、透明化時間(Q
max(t)) 光散乱法により求める。 1)測定装置、測定方法、計算方法は下記の文献に準じ
て行なった。 M.Okamoto,T.Inoue :Polymer Vol.35.(1994)P.257 2)Qmax 及びQmax(t)測定試料の作成 樹脂組成物を池貝鉄工(株)製二軸押出し機PCM−3
0で、温度280℃,90秒間溶融混合して20℃の冷
水中へストランド状で押し出した。このストランドから
小片を切り取り、その小片を2枚のカバ−グラスの間に
挟み、300℃で1分間溶融させて、30μm程度のフ
イルム状測定試料に急冷して作成した。 3)光散乱の測定 前記文献第1図に示される光散乱測定装置に準じた装置
を用い、300℃に温度設定したホットステ−ジ上に測
定試料を置き、He−Neレ−ザ光を照射し、散乱角に
たいする散乱光の加熱時間に対する強度変化を測定し
た。
【0051】(10)DSC測定(Tc1、Tm、Q
c、Qm) 予備成形体、成形体の未延伸部、または中空成形体の口
栓部天面等からの測定用試料について、セイコ−電子工
業(株)社製の示差走査熱量計RDC−220で測定。
試料量は4.0mg、昇温速度は1℃/minで測定。 (11)耐熱性 成形した中空成形体に沸騰した熱湯を充填後キャップを
し、5分間放置する。その後10℃の水で冷却後、水を
抜き入れ目量の変化より収縮率を求めた。
【0052】(実施例1〜4および比較例1〜3) 1)PEN樹脂 PEN樹脂(No.1、No.5)はジメチル−2,6
−ナフタレンジカルボキシレ−トとエチレングリコ−ル
から、また、PEN樹脂(No.2、No.3)は、ジ
メチル−2,6−ナフタレンジカルボキシレ−ト、ジメ
チルテレフタレ−トおよびエチレングリコ−ルから常法
により製造した。また、PEN樹脂(No.4)はジメ
チル−2,6−ナフタレンジカルボキシレ−ト、エチレ
ングリコ−ル及びジチレングリコ−ルから常法により製
造した。表1に樹脂の特性を示す。
【0053】2)PET樹脂 PET樹脂(No.7)はジメチルテレフタレ−ト、エ
チレングリコ−ルおよびジエチレングリコ−ルより常法
により製造した。PET樹脂(No.6、No.8)は
ジメチルテレフタレ−ト、ジメチル−2,6−ナフタレ
ンジカルボキシレ−トとエチレングリコ−ルとから常法
により製造した。表1に樹脂の特性を示す。なお、PE
T樹脂およびPEN樹脂の嵩密度は約0.88g/cm
3 、末端メチルエステル基濃度と末端カルボキシル基濃
度の合計量は当量/トン(20eq/ton)以下であ
った。
【0054】3)中空成形体の成形 上記のPET樹脂とPEN樹脂を用いて 名機製作所製
M−100射出成形機により予備成形体を成形した。次
にこの予備成形体をCORPOPLAST社製のLB−
01E成形機で二軸延伸ブロ−し、500mlの容器を
作成した。表2に樹脂組成物の特性を示す。また得られ
た容器の物性を比較例とともに表3に示す。表3の結果
より明らかな如く、本発明の中空成形容器は優れた透明
性、耐熱性を示す。
【0055】(実施例5及び比較例4) 1)PEN樹脂 PEN樹脂(No.9)および(No.10)は、ナフ
タレン−2,6−ジカルボン酸、テレフタル酸およびエ
チレングリコ−ルを直接エステル化反応させ、ついで二
酸化ゲルマニウム触媒の存在下に重縮合させた溶融重合
ポリマ−のチップを固相重合して製造した。表4に樹脂
の特性を示す。 2)PET樹脂 PET樹脂(No.11)および(No.12)は、テ
レフタル酸とエチレングリコ−ルを直接エステル化反応
させ、ついで二酸化ゲルマニウム触媒の存在下に重縮合
させた溶融重合ポリマ−のチップを固相重合して製造し
た。表4に樹脂の特性を示す。なお、PET樹脂および
PEN樹脂の嵩密度は約0.88g/cm3 、末端カル
ボキシル基濃度は15eq/ton以下であった。
【0056】3)中空成形体の成形 上記のPET樹脂とPEN樹脂を用いて名機製作所製M
−100射出成形機により予備成形体を成形した。次に
この予備成形体をCORPOPLAST社製のLB−0
1E成形機で二軸延伸ブロ−し、引き続き約160度C
に設定した金型内で熱固定し、500mlの容器を作成
した。表5に樹脂組成物の特性を示す。また得られた容
器の物性を比較例とともに表6に示す。表6の結果より
明らかな如く、本発明の中空成形容器は優れた透明性、
耐熱性を示し、また、AA含量も低い。また、金型汚れ
も認められなかった。
【0057】(実施例6 及び 比較例5) 1)PEN樹脂 PEN樹脂(No.1)および(No.4)を使用。 2)PET樹脂 PET樹脂(No.6)および(No.7)を使用。
【0058】3)未延伸シ−トの作成 上記のPET樹脂、及びPEN樹脂を使用し、40mm
の二軸押出機で0.5mm厚みの未延伸シ−トを作成し
た。表7に樹脂組成物の特性、表8にシ−ト物性等を示
す。表8の結果より明らかなごとく、本発明の未延伸シ
−トは優れた物性を示す。このシ−トから真空成形機を
用いて深さ20mmの容器を作り、約70度のオ−ブン
中に10分間放置し耐熱性を調べた。表8に示すとお
り、本発明のシ−トからの容器の耐熱性は良好である。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】
【表4】
【0063】
【表5】
【0064】
【表6】
【0065】
【表7】
【0066】
【表8】
【0067】
【発明の効果】本発明によるポリエステル樹脂組成物、
予備成形体または成形体および中空成形体は透明性、耐
熱性、機械的特性に優れてた容器や包装体を提供するこ
とができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレンナレフタレ−ト樹脂(A)
    95〜60重量%とポリエチレンテレフタレ−ト樹脂
    (B)5〜40重量%とからなるポリエステル樹脂組成
    物であって、前記ポリエチレンナフタレ−ト樹脂(A)
    は、(1)主たる繰り返し単位がエチレン−2,6−ナ
    フタレンジカルボキシレ−トであって、(2)ジカルボ
    ン酸成分として2,6−ナフタレンジカルボン酸を85
    モル%以上、(3)グリコ−ル成分としてエチレングリ
    コ−ルを85モル%以上およびジエチレングリコ−ルを
    1.0〜5.0モル%含む線状ポリエステル樹脂であ
    り、前記ポリエチレンテレタレ−ト樹脂(B)は、
    (1)主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレ−トで
    あって、(2)ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を
    85モル%以上、(3)グリコ−ル成分としてエチレン
    グリコ−ルを85モル%以上およびジエチレングリコ−
    ルを1.0〜5.0モル%含む線状ポリエステル樹脂で
    あり、かつ前記樹脂組成物の透明度(Qmax )、透明化
    時間(Qmax(t))が、それぞれ、 Qmax≦40000 Qmax(t)≦250秒 であることを特徴とするポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ポリエチレンナフタレ−ト樹脂(A)9
    5〜60重量%とポリエチレンテレフタレ−ト樹脂
    (B)5〜40重量%との合計100重量部と、エチレ
    ンテレフタレ−ト単位が90〜50モル%であるポリエ
    チレンテレフタレ−ト樹脂(C)および/またはエチレ
    ンナフタレ−ト単位が90〜50モル%であるポリエチ
    レンナフタレ−ト樹脂(D)1〜30重量部とからなる
    ポリエステル樹脂組成物であって、前記ポリエチレンナ
    フタレ−ト樹脂(A)は、(1)主たる繰り返し単位が
    エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレ−トであ
    って、(2)ジカルボン酸成分として2,6−ナフタレ
    ンジカルボン酸を85モル%以上、(3)グリコ−ル成
    分としてエチレングリコ−ルを85モル%以上およびジ
    エチレングリコ−ルを1.0〜5.0モル%含む線状ポ
    リエステル樹脂であり、前記ポリエチレンテレタレ−ト
    樹脂(B)は、(1)主たる繰り返し単位がエチレンテ
    レフタレ−トであって、(2)ジカルボン酸成分として
    テレフタル酸を85モル%以上、(3)グリコ−ル成分
    としてエチレングリコ−ルを85モル%以上およびジエ
    チレングリコ−ルを1.0〜5.0モル%含む線状ポリ
    エステル樹脂であり、かつ前記樹脂組成物の透明度(Q
    max )、 透明化時間(Qmax(t))が、それぞれ、 Qmax ≦40000 Qmax(t)≦250秒 であることを特徴とするポリエステル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 ポリエチレンテレフタレ−ト樹脂(C)
    のエチレンテレフタレ−ト単位が90〜75モル%であ
    り、またポリエチレンナフタレ−ト樹脂(D)のエチレ
    ンナフタレ−ト単位が90〜75モル%である請求項2
    記載のポリエステル樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 前記ポリエチレンナフタレ−ト樹脂
    (A)のアセトアルデヒド含量が8ppm以下、環状3
    量体の合計含量が0.40重量%以下であり、前記ポリ
    エチレンテレフタレ−ト樹脂(B)、ポリエチレンテレ
    フタレ−ト樹脂(C)およびポリエチレンナフタレ−ト
    樹脂(D)のアセトアルデヒド含量が10ppm以下、
    環状3量体の合計含量が0.50重量%以下であること
    を特徴とする請求項1、請求項2及び請求項3のいづれ
    かに記載のポリエステル樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1、請求項2、請求項3及び請求
    項4のいづれかに記載の樹脂組成物からなる予備成形体
    又は成形体であって、該予備成形体または成形体を形成
    する樹脂組成物の特性が以下のイ)〜ホ)の条件を満足
    することを特徴とするポリエステル予備成形体又は成形
    体。 イ)予備成形体又は成形体の未延伸部について、示差走
    査熱量計(DSC)により1度C/分の昇温速度で測定
    した昇温時結晶化ピ−ク温度(Tc1)と予備成形体ま
    たは成形体中のポリエチレンナフタレ−ト樹脂(A)の
    重量百分率(BLD%)との関係が、 0.60(BLD%)+120.0≦Tc1≦0.60
    (BLD%)+155.0で表される。 ロ)予備成形体又は成形体の未延伸部について、示差走
    査熱量計(DSC)により1度C/分の昇温速度で測定
    した融点(Tm)と予備成形体または成形体中のポリエ
    チレンナフタレ−ト樹脂(A)の重量百分率(BLD
    %)との関係が、 0.87(BLD%)+178.0≦Tm≦0.87
    (BLD%)+193.0であらわされる。 ハ)予備成形体又は成形体の未延伸部について、示差走
    査熱量計(DSC)により1℃/分の昇温速度で測定し
    た昇温時結晶化発熱量(Qc)と結晶融解熱(Qm)
    が、それぞれ15mj/mg以上と20mj/mg以上
    である。 ニ)予備成形体又は成形体のランダム度(R)が、 0.10≦R≦0.70 である。 ホ)ヘイズが15%以下である。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の予備成形体を延伸ブロ−
    することにより得られる中空成形体であって、該中空成
    形体を形成する組成物の特性が以下のヘ)〜ル)の条件
    を満足することを特徴とするポリエステル中空成形体。 ヘ)中空成形体の口栓部について、示差走査熱量計(D
    SC)により1度C/分の昇温速度で測定した昇温時結
    晶化ピ−ク温度(Tc1)と中空成形体中のポリエチレ
    ンナフタレ−ト樹脂(A)の重量百分率(BLD%)と
    の関係が、 0.60(BLD%)+120.0≦Tc1≦0.60
    (BLD%)+155.0であらわされる。 ト)中空成形体の口栓部について、示差走査熱量計(D
    SC)により1度C/分の昇温速度で測定した融点(T
    m)と中空成形体中のポリエチレンナフタレ−ト樹脂
    (A)の重量百分率(BLD%)との関係が、 0.87(BLD%)+178.0≦Tm≦0.87
    (BLD%)+193.0であらわされる。 チ)中空成形体の口栓部について、示差走査熱量計(D
    SC)により1度C/分の昇温速度で測定した昇温時結
    晶化発熱量(Qc)と結晶融解熱(Qm)が、それぞれ
    15mj/mg以上と20mj/mg以上である。 リ)中空成形体のランダム度(R)が、 0.10≦R≦0.70 である。 ヌ)アセトアルデヒド含量が50ppm以下である。 ル)ヘイズが8%以下である。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の予備成形体を、少なくと
    も一方向に配向させたことを特徴とするポリエステル延
    伸フイルム。
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