JP3449820B2 - ポリエステル樹脂組成物およびそれからなる食品用フイルム - Google Patents
ポリエステル樹脂組成物およびそれからなる食品用フイルムInfo
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Description
物および該ポリエステル樹脂組成物からなる食品用フィ
ルムに関する。本発明のポリエステル樹脂組成物は、ヒ
ートシール性、フレーバーバリヤー性に優れ、かつ過酸
化水素水による発泡性および膨潤性が低いことから、ス
トレート果汁飲料などの香気成分を含有する飲料に直接
接触するフイルムの素材として有用である。
おいて、樹脂フイルムで内面がコートされた紙容器の使
用比率が急速に高まりつつある。当分野に使用される樹
脂には、ヒートシール性、柔軟性が要求されることか
ら、従来よりオレフィン系樹脂が使用されてきたが、オ
レフィン系樹脂をストレート果汁飲料などの香気成分を
含有する飲料に使用した場合には、味、香りが変化する
などの問題点があった。そこで、近年、共重合成分を5
〜20モル%含有する変性ポリエチレンテレフタレート
層を有する積層体(特開平3―133638号公報参
照)などが使用されるようになった。
ける殺菌処理は過酸化水素水による方法が一般的である
が、紙容器の内面をコートする素材として上記の積層体
を使用した場合には、過酸化水素水による膨潤、発泡が
生じ、加工性、工程通過性を著しく損なったり、膨潤が
生じて過酸化水素が充填後の内容物へ移行するなどの問
題点があった。しかして、本発明の目的は、ガスバリヤ
ー性、フレーバーバリヤー性などのポリエステル樹脂が
本来有する優れた諸特性を保持しつつ、過酸化水素水に
よる発泡および膨潤性が低く、かつヒートシール性に優
れるポリエステル樹脂組成物および食品用フイルムを提
供することにある。
的を達成すべく鋭意検討した結果、ポリエチレンテレフ
タレート樹脂において、テレフタル酸単位のみから構成
されるジカルボン酸単位および/またはエチレングリコ
ール単位のみから構成されるジオール単位の一部を特定
の構造単位に置き換えたポリエステル樹脂と、ポリエチ
レン樹脂およびエチレン−アクリル酸共重合樹脂とを特
定の割合で溶融ブレンドしてなるポリエステル樹脂組成
物が、ガスバリヤー性、フレーバーバリヤー性などのポ
リエステル樹脂が本来有する優れた諸特性を保持しつ
つ、過酸化水素水による発泡性および膨潤性が低く、か
つヒートシール性に優れることを見出し、本発明を完成
するに至った。
リコール単位を主体とするグリコール単位およびテレフ
タル酸単位を主体とするジカルボン酸単位からなり、か
つ下記の一般式(I)
ルボン酸単位、イソフタル酸単位およびネオペンチルグ
リコール単位よりなる群から選ばれる少なくとも一つの
構造単位を5〜20モル%含有するポリエステル樹脂1
00重量部と、下記の式(II)、(III)および(IV)
を満足するようにポリエチレン樹脂X重量部およびエチ
レン−アクリル酸共重合樹脂Y重量部とを溶融ブレンド
してなるポリエステル樹脂組成物に関する。そして本発
明は上記のポリエステル樹脂組成物からなる食品用フィ
ルムに関する。 30≦X+Y≦200 (II) 1≦X/Y≦90 (III) η1(X+Y)/(η2X+η3Y)≦100D2D3/{D1
(D3X+D2Y)}(IV) (式中、D1、D2およびD3はそれぞれポリエステル樹脂、
ポリエチレン樹脂およびエチレン−アクリル酸共重合樹
脂の比重、η1、η2およびη3はそれぞれポリエステル
樹脂、ポリエチレン樹脂およびエチレン−アクリル酸共
重合樹脂のブレンド温度における溶融粘度を表す。)
鎖は、ジカルボン酸単位とグリコール単位とをそれぞれ
50モル%ずつ含有する。ジカルボン酸単位は、全構造
単位の35〜48モル%がテレフタル酸単位であること
が好ましく、またグリコール単位は、全構造単位の35
〜48モル%がエチレングリコール単位であることが好
ましい。また、上記の一般式(I)で示されるジカルボ
ン酸単位、イソフタル酸単位およびネオペンチルグリコ
ール単位よりなる群から選ばれる少なくとも一つの構造
単位の含有量は5〜20モル%の範囲内であることが必
要であり、ポリエステル樹脂組成物のヒートシール性、
ガスバリヤー性、フレーバーバリヤー性、ハンドリング
性などの観点から、7.5〜15モル%の範囲内である
ことが好ましい。該含有量が5モル%未満になると、ヒ
ートシール性が低下し、一方20モル%を越えると、ガ
スバリヤー性やフレーバーバリヤー性などポリエチレン
テレフタレートが本来有する諸特性が損なわれるだけで
なく、完全非晶性になるため樹脂チップのハンドリング
性が著しく低下する。一般式(I)で示されるジカルボ
ン酸単位としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸またはそれらのエス
テル形成性誘導体などから誘導されるジカルボン酸単位
が挙げられ、中でも、アジピン酸、セバシン酸またはそ
れらのエステル形成性誘導体などから誘導されるジカル
ボン酸単位が好ましい。
エステル樹脂のヒートシール性、ガスバリヤー性、フレ
ーバーバリヤー性、ハンドリング性などを損なわない範
囲内で他のグリコール単位および/または他のジカルボ
ン酸単位を含有することができる。他のグリコール単位
としては、例えば、ジエチレングリコール、1,4―ブ
タンジオール、ポリエチレングリコール(分子量400
〜30000)、1,4―シクロヘキサンジメタノール
などから誘導されるグリコール単位が挙げられる。他の
ジカルボン酸単位としては、例えば、2,6―ナフタレ
ンジカルボン酸、パラフェニレンジカルボン酸、3―ス
ルホイソフタル酸ナトリウムまたはそれらのエステル形
成性誘導体などから誘導されるジカルボン酸単位が挙げ
られる。
は、高密度ポリエチレン樹脂、低密度ポリエチレン樹
脂、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂のいずれの樹脂を用
いてもよいが、得られるフイルムの柔軟性、ヒートシー
ル性などの観点から低密度ポリエチレン樹脂を用いるの
が好ましい。
合樹脂のアクリル酸共重合量は4〜15重量%の範囲内
が好ましく、ゲル状物を生ずることなく良好な物性を有
するフイルムを得る観点から7〜12重量%の範囲内が
より好ましい。アクリル酸の共重合量が4重量%未満の
場合には、ポリエチレン樹脂相とポリエステル樹脂相と
の十分な接着力が得られず、フイルム物性が損なわれる
ことがあり、アクリル酸の共重合量が15重量%を越え
る場合には、ゲル状物が発生することがある。さらに、
ポリエチレン樹脂との相溶性の観点から、エチレン−ア
クリル酸共重合樹脂はポリエチレン樹脂と同様の分子形
状を有することが好ましい。すなわち、ポリエチレン樹
脂として低密度ポリエチレン樹脂を用いる場合には、分
岐状のエチレン−アクリル酸共重合樹脂を用いることが
好ましく、高密度ポリエチレン樹脂および/または直鎖
状低密度ポリエチレン樹脂を用いる場合には、直鎖状の
エチレン−アクリル酸共重合樹脂を用いることが好まし
い。
0重量部と溶融ブレンドするポリエチレン樹脂の配合量
X重量部およびエチレン−アクリル酸共重合樹脂の配合
量Y重量部は下記の式(II)、(III)および(IV)を
満足する必要がある。 30≦X+Y≦200 (II) 1≦X/Y≦90 (III) η1(X+Y)/(η2X+η3Y)≦100D2D3/{D1(D3X+D2Y)} (IV) (式中、D1、D2およびD3はそれぞれポリエステル樹脂、
ポリエチレン樹脂およびエチレン−アクリル酸共重合樹
脂の比重、η1、η2およびη3はそれぞれポリエステル
樹脂、ポリエチレン樹脂およびエチレン−アクリル酸共
重合樹脂のブレンド温度における溶融粘度を表す。)
未満の場合には、過酸化水素水による発泡および膨潤を
十分に抑制することができず、200を越える場合に
は、ガスバリヤー性、フレーバーバリヤー性などのポリ
エチレンテレフタレートが有する優れた特性が損なわれ
る。過酸化水素水による発泡および膨潤の抑制、ガスバ
リヤー性、フレーバーバリヤー性などの観点から、X+
Yの値は35〜160の範囲内が好ましい。また、上記
の式(III)においてX/Yの値が1未満の場合には、
エチレン−アクリル酸共重合樹脂のカルボキシル基濃度
が高すぎるためゲルを生じ、90を越える場合には、エ
チレン−アクリル酸共重合樹脂のカルボキシル基濃度が
低すぎるためポリエステル樹脂相とポリエチレン樹脂お
よびエチレン−アクリル酸共重合樹脂からなる相との接
着力が低下し、フイルム物性が低下する。良好な物性を
有するフイルムを得るために、X/Yの値は1〜40の
範囲内が好ましい。さらに、ポリエステル樹脂、ポリエ
チレン樹脂およびエチレン−アクリル酸共重合樹脂のブ
レンド系においてポリエステル樹脂がマトリックスを形
成するために、ポリエステル樹脂相の体積(100/
D1)とポリエチレン樹脂およびエチレン−アクリル酸共
重合樹脂からなる相の体積(X/D2+Y/D3)との比
[100D2D3/{D1(D3X+D2Y)}]がポリエステル
樹脂相の溶融粘度(η1)とポリエチレン樹脂およびエ
チレン−アクリル酸共重合樹脂からなる相の溶融粘度
[(η2X+η3Y)/(X+Y)]との比[η1(X+
Y)/(η2X+η3Y)]以上であることが必要であ
る。すなわち、各樹脂の比重および溶融粘度並びにポリ
エチレン樹脂およびエチレン−アクリル酸共重合樹脂の
配合量は、上記の式(IV)を満足することが必要であ
る。上記の式(IV)を満足しない場合は、ポリエチレン
樹脂および/またはエチレン−アクリル酸共重合樹脂が
ブレンド系のマトリックスを形成するため、フレーバー
バリヤー性が著しく損なわれる。
エチレンテレフタレートなどの通常のポリエステル樹脂
の製造に一般的に採用されている方法に準じて製造する
ことができる。例えば、テレフタル酸またはその低級ア
ルキルエステルを主体とするジカルボン酸原料と、エチ
レングリコールを主体とするグリコール原料とを、エス
テル化反応またはエステル交換反応させて低重合体とし
た後、この低重合体を溶融重縮合させてポリエステルを
製造し、次いでこのポリエステルをダイス状、円柱状な
どの任意の形状のチップとし、さらに所望により該チッ
プを固相重合することによってより高重合度のポリエス
テルを製造することができるが、この製法において、ジ
カルボン酸原料および/またはグリコール原料の一部と
して上記の一般式(I)で示されるジカルボン酸単位を
誘導するジカルボン酸、イソフタル酸、これらの低級ア
ルキルエステルおよびネオペンチルグリコールよりなる
群から選ばれる少なくとも1種の化合物を用いることに
より、本発明におけるポリエステル樹脂を製造すること
ができる。
対圧で3kg/cm2以下の加圧下に230〜280℃の範囲
内の温度で行う。その場合のジカルボン酸原料とグリコ
ール原料の使用割合は、前者対後者のモル比で1対1か
ら1対1.5の範囲内が好ましい。また、エステル交換
反応は、常圧またはその付近の圧力条件下に160〜2
30℃の範囲内の温度で行う。その場合のジカルボン酸
原料とグリコール原料の使用割合は、前者対後者のモル
比で1対2から1対3の範囲内が好ましい。
の溶融重合反応は、通常二酸化ゲルマニウム、三酸化ア
ンチモンなどの重合触媒の存在下に260〜290℃の
範囲内の温度で行う。重合触媒としては、過酸化水素水
による発泡の抑制、溶融重合反応および溶融成形におけ
る分子量の低下の抑制、フイルムの柔軟性、加工性など
の観点から、三酸化アンチモンが好ましく、その使用量
は500〜3000ppmの範囲内が好ましい。
エステル樹脂の熱分解による着色、溶融成形時の分子量
低下およびポリエステル樹脂組成物の過酸化水素水によ
る発泡を抑制する観点から、リン酸;亜リン酸;トリメ
チルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチ
ルホスフェート、トリオクチルホスフェートおよびトリ
フェニルホスフェート等のリン酸エステル類などのリン
化合物をリン原子換算で50〜100ppm程度添加す
ることが好ましい。そして、このような溶融重合によっ
て通常0.50〜1.50dl/gの極限粘度を有する
ポリエステル樹脂が得られる。さらに、上記エステル化
反応、エステル交換反応、溶融重縮合反応は、必要に応
じてテトラアンモニウムヒドロオキシド、トリエタノー
ルアミンおよびトリエチルアミンなどのジエチレングリ
コール副生抑制剤を添加して行ってもよい。
のチップにするが、所望によりこれを190℃以下の温
度で予備結晶化し、固相重合に付すことにより、ポリエ
ステル樹脂の極限粘度を増大させることができる。固相
重合は、通常減圧下または窒素ガスなどの不活性ガスの
流通下にチップを流動させながら190〜240℃に加
熱することにより行うことが好ましい。ポリエステル樹
脂の機械的特性および溶融成形時の粘度を考慮すると、
最終的に得られるポリエステル樹脂チップの極限粘度が
0.85〜1.20dl/gの範囲内になるように固相
重合を行うことが好ましい。
は、水、水蒸気および水蒸気含有ガスなどと接触させる
ことにより一定量以上の水分を含有させた後、乾燥して
チップにすることができる。含有水分率としては、過酸
化水素水による発泡を抑制する観点から2000ppm
以上が好ましく、5000ppm以上がより好ましい。
乾燥温度としては、酸化分解や加水分解による分子量の
低下および過酸化水素水による発泡を抑制する観点か
ら、80〜150℃の範囲内の温度が好ましく、100
〜130℃の範囲内の温度がより好ましい。乾燥後の樹
脂中の水分率としては、100ppm以下が好ましく、
溶融成形時の加水分解を抑制する目的から50ppm以
下がより好ましい。樹脂の水分率を低下させる方法は特
に制限されないが、例えば、130℃、6時間の乾燥に
よって、長さ3.2mm、直径2.8mmの円柱状ポリエス
テル樹脂チップの含水率が5000ppmから50pp
mまで低下する。
100重量部と、前記の式(II)、(III)および(I
V)を満足するようにポリエチレン樹脂X重量部および
エチレン−アクリル酸共重合樹脂Y重量部とを溶融ブレ
ンドすることにより本発明のポリエステル樹脂組成物が
得られる。
ーバーバリヤー性を損なわない観点から、ポリエステル
樹脂相がマトリックスを形成し、ポリエチレン樹脂およ
びエチレン−アクリル酸共重合樹脂からなる相が該マト
リックス中に微分散している状態であることが必要であ
り、フイルム物性を損なわない観点から、ポリエステル
樹脂相とポリエチレン樹脂およびエチレン−アクリル酸
共重合樹脂からなる相とが、ポリエステル樹脂の末端水
酸基とポリエチレン樹脂層に含まれるエチレン−アクリ
ル酸共重合樹脂のカルボキシル基との反応によって十分
に接着していることが好ましい。このため、溶融ブレン
ドの方法としては、ポリエステル樹脂を製造した後、そ
の製造に使用した重合槽内で溶融ブレンドをする方法で
もよいが、生産性を考慮すると押出機により溶融ブレン
ドする方法が好ましい。この時の押出温度は、260〜
300℃の範囲内が好ましく、良好な物性を有するフイ
ルムを得る観点から280〜290℃の範囲内がより好
ましい。押出温度が260℃未満の場合には、エチレン
−アクリル酸共重合樹脂のカルボキシル基とポリエステ
ル樹脂の末端水酸基が十分に反応しないためフイルム物
性が低下することがあり、押出温度が300℃を越える
場合には、熱分解が起こりやすく、フイルム物性が低下
することがある。
組成物から食品用フイルムが製造される。該フイルムを
製造するための成形法としては、インフレーション法;
Tダイ法による共押出成形法;押出ラミネート法、ドラ
イラミネート法、ウエットラミネート法、ホットメルト
ラミネート法等のラミネーション成形法など任意の成形
法が採用できるが、成形が容易であること、製品ロスが
少ないこと、コストが低いことなどの理由からインフレ
ーション法が好ましい。例えば、本発明のポリエステル
樹脂組成物を、環状ダイより溶融押出するとともに、押
出されたチューブを空気などの流体の圧力で膨張させて
任意の倍率に延伸することにより食品用フイルムを製造
することができる。本発明の食品用フイルムの素材とし
ては、本発明のポリエステル樹脂組成物が必須である
が、他の素材と併用されていてもよい。すなわち、本発
明のポリエステル樹脂組成物と他の樹脂との混合物から
なる食品用フイルム、本発明のポリエステル樹脂組成物
からなる層とポリエチレンなどの他の樹脂からなる層と
を含む多層構造を有する食品用フイルムなども、本発明
の食品用フイルムに包含される。また、フイルムの厚み
は、用途に応じて適宜設定し得るが、通常、0.005
〜0.5mmの範囲内である。
るが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
なお、実施例および比較例において、得られたポリエス
テル樹脂およびポリエステル樹脂組成物の評価方法は以
下のとおりである。 (1)極限粘度 フェノール/テトラクロロエタンの等重量混合溶媒中、
30℃でウベローデ型粘度計(林製作所製HRK-3型)を
用いて測定した。 (2)過酸化水素の溶出量 厚さ100μmのプレスフイルム(100mm×100m
m)を35%過酸化水素水中に75℃で10秒間浸漬し
た後、端部を切除し、残部(90mm×90mm)を400
mlの蒸留水中に1時間浸漬し、蒸留水中に溶出した過酸
化水素濃度を試験紙を用いて測定した。 (3)フレーバーバリヤー性 厚さ500μmのプレスフイルム(20mm×50mm)を
50mlのジュース中(POMストレート愛媛みかん)に浸
漬し、25℃で12日間放置した後、ジュース中に残存
しているリモネン量を臭素化滴定法によって定量した。 (4)フイルム伸度 厚さ100μmのプレスフイルムを15mm幅の短冊状に
切り出し、オートグラフ(株式会社島津製作所製AG-A
型)を用いて引張り試験(テストスピード:50mm/
分、チャック間距離50mm)を行うことによって求め
た。 (5)ヒートシール性 シール圧1.2kg/cm2、シール時間1.4秒の条件でヒ
ートシールを行い、シール可能下限温度を求めることに
よって評価した。 (6)溶融粘度 キャピログラフ(東洋精機製作所株式会社製IC型)を用
いて、温度280℃、剪断速度600sec-1で測定し
た。 (7)比重 四塩化炭素とヘキサンの混合溶媒(混合比1/3〜3/
1)を用い、密度勾配管法により測定した。
コール9.8重量部からなるグリコール原料とテレフタ
ル酸90重量部、イソフタル酸10重量部からなるジカ
ルボン酸原料とを混合してグリコール原料対ジカルボン
酸原料のモル比が1.2対1のスラリーを調製し、この
スラリーを加圧下(絶対圧2.5kg/cm2)、250℃で
エステル化率が95%になるまでエステル化反応を行い
低重合体を得た。次に、触媒として三酸化アンチモン2
000ppm、安定剤として亜リン酸を26.5ppm
(リン原子換算で10ppm)を加えて、絶対圧1トー
ルの減圧下、280℃で低重合体を重縮合し、極限粘度
0.98dl/gの重合体を得た。この重合体をノズル
からストランド状に押し出し、円柱状チップを製造し
た。次に、低密度ポリエチレン樹脂(三井石油化学工業
株式会社製ミラソンF9673P、メルトフローインデ
ックス:1.1g/10分)70重量部とエチレン−ア
クリル酸共重合樹脂(三菱油化株式会社製ユカロンEA
A A201K、メルトフローインデックス:5g/1
0分、アクリル酸含量7.0重量%)10重量部とを3
0mm2軸押出機(日本製鋼所株式会社製TEX 30S
S−30 CRW−2V)を用いて200℃で押出し、
プリブレンドチップを得た。得られたプリブレンドチッ
プ80重量部と上記ポリエステル樹脂チップ100重量
部とを30mm2軸押出機を用いて280℃で押出し、円
柱状チップを得た。得られたチップを90℃で16時間
乾燥後、220℃で厚さ100μmおよび500μmのフ
イルムを作成し、その評価結果を表3に示した。表3に
示したように、得られたフイルムは過酸化水素の溶出量
が極めて少なく、フレーバーバリヤー性、ヒートシール
性にも優れていることがわかる。
合成分組成および溶融粘度、並びにポリエチレン樹脂お
よびエチレン−アクリル酸共重合樹脂の溶融粘度および
添加量を表1および表2に示したように変更した以外は
実施例1と同様の操作を行い、樹脂チップを得た。得ら
れたチップをプレスによりフイルム化し、その評価結果
を表3に示した。
テル樹脂のみのプレスフイルムを作製し、その評価結果
を表3に示した。
エチレン−アクリル酸共重合樹脂の添加量および/また
は溶融粘度を表1および2のように変更した以外は実施
例1と同様の操作を行い、得られたチップをプレスによ
りフイルム化した。その評価結果を表3に示した。
テル樹脂としてHOMO-PETを用いた以外は実施例1と同様
の操作を行い、得られたチップをプレスによりフイルム
化した。その評価結果を表3に示した。
ることにより、過酸化水素の溶出量が極めて少なく、か
つフレーバーバリヤー性およびヒートシール性に優れた
フイルムを得ることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 主としてエチレングリコール単位を主体
とするグリコール単位およびテレフタル酸単位を主体と
するジカルボン酸単位からなり、かつ下記の一般式
(I) 【化1】 (式中、nは2〜10の整数を表す。)で示されるジカ
ルボン酸単位、イソフタル酸単位およびネオペンチルグ
リコール単位よりなる群から選ばれる少なくとも一つの
構造単位を5〜20モル%含有するポリエステル樹脂1
00重量部と、下記の式(II)、(III)および(IV)
を満足するようにポリエチレン樹脂X重量部およびエチ
レン−アクリル酸共重合樹脂Y重量部とを溶融ブレンド
してなるポリエステル樹脂組成物。 30≦X+Y≦200 (II) 1≦X/Y≦90 (III) η1(X+Y)/(η2X+η3Y)≦100D2D3/{D1
(D3X+D2Y)}(IV) (式中、D1、D2およびD3はそれぞれポリエステル樹脂、
ポリエチレン樹脂およびエチレン−アクリル酸共重合樹
脂の比重、η1、η2およびη3はそれぞれポリエステル
樹脂、ポリエチレン樹脂およびエチレン−アクリル酸共
重合樹脂のブレンド温度における溶融粘度を表す。) - 【請求項2】 請求項1記載のポリエステル樹脂組成物
からなる食品用フイルム。
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JP6-327290 | 1994-12-28 | ||
JP07307495A JP3449820B2 (ja) | 1994-12-28 | 1995-03-30 | ポリエステル樹脂組成物およびそれからなる食品用フイルム |
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JPH08231835A JPH08231835A (ja) | 1996-09-10 |
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JP07307495A Expired - Lifetime JP3449820B2 (ja) | 1994-12-28 | 1995-03-30 | ポリエステル樹脂組成物およびそれからなる食品用フイルム |
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EP1685188A1 (en) * | 2003-10-21 | 2006-08-02 | E.I. Dupont De Nemours And Company | Ethylene copolymer modified oriented polyester films, tapes, fibers and nonwoven textiles |
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1995
- 1995-03-30 JP JP07307495A patent/JP3449820B2/ja not_active Expired - Lifetime
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