明細書 間隙結合式バスシステム 技術分野
本発明は情報処理装置の機能部品間で高速デ一夕転送を行う間隙 結合式バスシステムに関する。 発明の背景
従来の間隙結合式バスシステムには、 特開平 7 — 1 4 1 0 7 9号 公報に記載の非接触バス配線に示される間隙結合式バスシステムが ある。
この特開平 7 — 1 4 1 0 7 9号公報に記載の非接触バス配線では、 バスシステムには唯一のバスマス夕と多数のバススレーブが存在す る。 この公開公報に示されたバスシステムのそれぞれの伝送線路は、 直接に接続されることなく 、 一定の間隙を置いて誘導性と容量性の 結合をもって、 一方の伝送線路を通過する信号に起因する、 いわゆ るク ロス トークノイズの発生メカニズムによる信号を他方の伝送線 路に起電し、 その信号 (この実体はクロス トークノイズである) を 復調する事でデ一夕の転送を実現している。 よって、 唯一のバスマ ス夕から延びた伝送線路は遠端の終端抵抗によ り終端され、 多数の バススレーブに接続された伝送線路が先の伝送線路に一定距離併走 する布線となっている。
バスマス夕から出力された信号は、 いずれのバススレーブに接続
された伝送線路にもいわゆるクロス トーク ノイズの発生メカニズム によ り起電された信号を生じ、 バススレーブに同一のデ一夕を供給 する。
一方、 バススレーブがバススレーブに接続された伝送線路に出力 された信号は、 同様にバスマスタに接続された伝送線路にク ロス ト ーク ノイズの発生メカニズムによ り起電された信号を生じ、 バスマ スタはこの信号を復調しデ一夕転送が完結する。
以上示したとおり、 特開平 7 — 1 4 1 0 7 9号公報に記載の非接 触バス配線では、 バスマスタと多数あるバススレーブとの間でのデ 一夕転送が可能である。
ところで、 現在バス上の全てのモジュール間での相互のデ一夕転 送が一般的となり、 先の特開平 7 — 1 4 1 0 7 9号公報に記載の非 接触バス配線になぞらえるなら、 1 つのバススレーブから他のバス スレーブへのデータ転送が情報処理装置搭載の要件である。
しかし、 複数のバススレーブの伝送線路同士はバスマス夕の伝送 線路を介して間接的に結合する構成となっているので、 バススレ一 ブ同士の間での直接のデ一夕転送は困難であった。 すなわち、 バス スレーブから出力された信号により、 バスマスタに接続された伝送 線路に起電されたいわゆるク ロス トーク ノイズである信号は振幅が 小さ く、 この信号から、 改めて、 別のバススレーブが接続された伝 送線路上に、 クロス トークノイズの発生メカニズムによ り信号を生 じさせても、 信号振幅は極小となる。 この信号は、 これを復調する には、 電源電位の揺れや不要輻射ノイズより も信号振幅が小さすぎ また、 バススレーブやバスマス夕に搭載する復調回路で所要の感度
の実現が困難である。 よって、 バススレーブ間のデ一夕転送、 言い 換えれば今日のバスシステムに接続された全てのモジュール間での データ転送の実現には不向きである。
また、 従来の、 例えば T T Lを用いたバス トポロジーでのクロッ ク分配は十数 M H zが限界であった。
したがって、 本発明の目的は、 バスに接続された全てのモジユー ル間での相互のデータ転送を可能とする間隙結合式バスシステムを 提供することにある。
本発明の他の目的は、 バス トポロジーでのクロック分配を高速化 することができる間隙結合式バスシステムを提供することにある。 発明の開示
本発明による間隙結合式バスシステムは、 おのおの、 信号を送受 信する少なく とも 1つの送受信回路を具備した少なく とも 3個のモ ジュールに対して、 それぞれ接続される少なく とも 3つの信号配線 と、 各信号配線の他端に接続された、 前記信号配線の特性インピー ダンスとほぼ同値の終端抵抗とを備え、 前記少なく とも 3つの信号 配線は、 前記少なく とも 3個のモジュールのうち異なる 2つのモジ ユールの組み合わせ毎に、 それらの信号配線同士が所定の間隙をも つて並行に布線される部位を有することを特徴とする。
この構成によれば、 少なく とも 3個のモジュールのうち異なる 2 つのモジュールの組み合わせ毎に間隙結合する部位を有するため、 いずれがマス夕一という ことなく、 任意のモジュール間で相互にデ —夕転送を行う ことが可能になる。
この構成において、 前記少なく とも 3つの信号配線は、 例えば、 互いに立体交差することにより、 ほぼ網目状に布線される。 その際 前記信号配線は立体交差する部位で並行に布線されることが好まし い。 これにより、 その部位において良好な間隙結合が実現される。 例えば、 前記少なく とも 3個のモジュールは一列に配置されると 共に、 これらに対応する前記終端抵抗は当該モジュールから離間し た位置において前記モジュールの列に並列に配置され、 各信号配線 は対応するモジュールと終端抵坊との間で蛇行して布線される。
このような構成により、 個々のモジュールは、 デ一夕到着時間の 違いにより、 デ一夕を出力したモジュールを特定することができる 一つの実施例では、 全てのバスモジュールを一列 (仮に縦方向と する) に並べ、 各モジュールに接続された信号配線を横方向に引き 出す。 この引き出された信号配線は、 たとえばバスモジュールが 4 つあれば、 引き出してすぐ 1番目と 2番目, 3番目と 4番目をまず 間隙結合させる。 次に横方向に引き出す前に縦方向において、 その 序列を 2番目、 1番目、 4番目、 3番目に入れ換え、 引き出した後 1番目と 4番目を間隙結合させる。 引き続き横方向に引き出す前に 縦方向において、 その序列を 4番目、 2番目、 3番目、 1番目に入 れ換え、 引き出した後、 2番目と 3番目を間隙結合させる。 以上の 間隙結合の後、 各信号配線は終端抵抗に接続され、 信号配線は網目 状になる。
この様に信号配線を網目状にすることで、 いずれの信号配線も残 りの全ての信号配線に間隙結合することが出来、 各バスモジュール 間でのデータ転送が実現される。
前述のように、 信号配線は立体交差する部位で並行に布線される が、 前記信号配線は立体交差する部位の一部において、 信号配線同 士が直角に交差して布線されるようにしてもよい。 これにより、 信 号配線間の間隙結合に係る布線長は最小となり、 クロス ト一クノィ ズの発生メカニズムにより起電される信号は微小となる。 このよう な間隙結合を伴わない立体交差が可能となることにより、 配線の柔 軟性が得られる。
本発明による他の間隙結合式バスシステムは、 各信号配線の両端 に位置する各モジュールとこれに対応する各終端抵抗とは隣接配置 され、 前記少なく とも 3つの信号配線の各々は、 当該モジュールか ら対応する終端抵抗まで環状ないし折り返し構造で布線されること を特徴とする。
例えば、 前記少なく とも 3個のモジュールはほぼ一列に配置され 各モジュールの信号配線は、 自己の送受信回路から対応する終端抵 抗まで環状ないし折り返し構造で布線される途上において、 順次、 他の信号配線と並行に近接して布線される部位を有する。
このような構成において、 好ましくは、 前記環状ないし折り返し 構造をとる各信号配線の総延長は、 いずれの前記モジュールにおい てもほぼ等長であり、 かつ、 1つのモジュールの送受信回路から前 記並行に近接して布線される部位を経由して他のモジュールの送受 信回路へ到達するまでの総延長は、 いずれもほぼ等長である。
これにより、 どのモジュールから出力されてもデータは等時間で 相手のモジュールへ同時に到着 (同着) する。 これにより、 デ一夕 転送サイクルは、 信号の出力開始時点から到着までの遅延時間と、
データの繰り返しサイ クル数から規定できる。 よって、 従来のバス 同様に簡略なバスプロ トコルの実現が容易となる。
本発明による更に他の間隙結合式バスシステムは、 おのおの、 信 号を送受信する少なく とも 1 つの送受信回路を具備した少なく とも 3個のモジュールに対して、 それぞれ接続される少なく とも 3つの 信号配線と、 各信号配線の他端に接続された、 前記信号配線の特性 イ ンピーダンスとほぼ同値の終端抵抗とを備え、 前記少なく とも 3 つの信号配線の 1 つを基幹の信号配線とし、 該基幹の信号配線には 順次別のモジュールの信号配線が所定の間隙をもって並行に布線さ れスタブを構成し、 前記基幹の信号配線を有するモジュールから、 前記並行に布線される部位を経て、 前記スタブを構成する別の信号 配線をたどり前記別のモジュールに至る総延長が、 いずれの前記別 のモジュールにおいても、 ほぼ等長であることを特徴とする。
本発明のこの構成によ り、 真性のバス トポロジーでかつ高速、 信 号の伝搬遅延時間一定の布線が可能となる。 特に、 バス トポロジー でのクロック分配を高速化することができる。
本発明による別の間隙バスシステムでは、 上記のバスシステムに おいて、 前記送受信回路が接続される信号配線は 2本の配線導体を 有し、 前記送受信回路の送信回路は、 その入力の論理値に応じて、 前記 2本の配線導体の一方には同値、 他方には反転した値を出力し 前記送受信回路の受信回路は、 前記 2本の配線導体の一方の前記同 値と、 他方の前記反転した値を入力とし、 前記論理値を復調し出力 する差動回路の構成をとる ことを特徴とする。
このように、 信号配線と して配線導体を 2本で一組として用い、
一方の極性を反転させ差動回路を構成することで、 受信側のモジュ 一ルの差動回路の入力振幅は、 元の 2倍にまで拡大され、 差動回路 の設計感度の緩和が図れる。 また、 差動回路に入力される信号につ いて、 振幅の中心即ち、 グランド電位が何らかの要因で揺れた場合 であっても、 差動回路はグランド電位に依存せずに信号を復調でき 対ノィズ性に優れる。 図面の簡単な説明
図 1 は、 本発明の第 1 の実施例の間隙結合式バスシステムを示す 図である。
図 2は、 本発明の第 1 の実施例の間隙結合式バスシステムの信号 起電メカニズムを示す図である。
図 3は、 本発明の第 1 の実施例の間隙結合式バスシステムにおけ る信号の伝搬を示す図である。
図 4は、 本発明の第 1 の実施例の同間隙結合式バスシステムにお ける連続した信号の伝搬を示す図である。
図 5は、 本発明の第 1 の実施例の間隙結合式バスシステムを構成 する L S I でのデ一夕の着信時点を示す図である。
図 6は、 本発明の第 1 の実施例の間隙結合式バスシステムを構成 する印刷回路基板の層構成を示す図である。
図 7は、 本発明の第 1 の実施例の間隙結合式バスシステムを構成 する印刷回路基板の配線を示す図である。
図 8は、 本発明の第 2の実施例の間隙結合式バスシステムを示す 図である。
図 9は、 本発明の第 2の実施例の間隙結合式バスシステムにおけ る信号の伝搬を示す図である。
図 1 0は、 本発明の第 3の実施例の間隙結合式バスシステムを示 す図である。
図 1 1 は、 本発明の第 3の実施例の間隙結合式バスシステムにお ける信号の伝搬を示す図である。
図 1 2は、 本発明の第 4の実施例の間隙結合式バスシステムを示 す図である。
図 1 3は、 本発明の第 4の実施例の間隙結合式バスシステムの信 号を復調する差動コンパレータの入力と出力の関係を示す図である < 図 1 4は、 本発明の第 4の実施例の間隙結合式バスシステムにお ける信号の伝搬を示す図である。
図 1 5は、 本発明の第 4の実施例の間隙結合式バスシステムを構 成する印刷回路基板の配線を示す図である。
図 1 6は、 本発明の実施例の間隙結合式バスシステムを搭載した ケーブルをバックプレーンとしたネッ トヮ一クラウ夕ないし電子交 換機の内部構成を示す図である。
図 1 7は、 本発明の実施例の間隙結合式バスシステムを搭載した 印刷回路基板をバックプレーンとしたネッ トワークラウ夕ないし電 子交換機の内部構成を示す図である。
図 1 8は、 本発明の実施例の間隙結合式バスシステムを搭載した コンピュータの内部構成を示す図である。
発明を実施するための最良の形態
本発明の間隙結合式バスシステムの第 1 の実施例を図 1 〜 7 を用 いて説明する。 図中、 1 1 〜 1 6は本発明の間隙結合式バスシステ ムに接続される L S I 、 2 1〜 2 6は前記 L S I が個々に接続され る印刷回路基板の配線導体、 3 1〜 3 6は 2 1〜 2 6の印刷回路基 板の配線導体の他端に接続される終端抵抗、 4 1 p、 n、 4 3はバ スマスタの L S I が出力した信号、 4 1 0 p、 n、 4 1 2、 4 1 3、 4 1 4、 4 1 5、 4 1 6、 4 3 1 、 4 3 2、 4 3 4、 4 3 5、 4 3 6はシンクの L S I で受信される信号、 2 0 0 a、 bは印刷回路基 板の信号層、 2 0 0 g l 、 g 2は印刷回路基板のグランド層、 2 0 0 vは印刷回路基板の電源層、 2 3 a、 2 5 a、 2 5 b、 2 6 bは 印刷回路基板の信号層中の配線導体, 2 0 0 a g、 2 0 0 b gは印 刷回路基板の信号層中の電位をグランド電位にした配線導体である。
図 1 に間隙結合式バスシステムの布線を示す。 間隙結合式バスシ ステムに接続される L S I 1 1 に信号配線で印刷回路基板の配線導 体 2 1 は接続され図右下の終端抵抗 3 1 に接続される。 L S I 1 2 〜 1 6 には同様に印刷回路基板の配線導体 2 2〜 2 6が接続され、 それぞれ右端の終端抵抗 3 2〜 3 6 に接続される。 L S I 1 1 を出 発した信号は印刷回路基板の配線導体 2 1 を伝搬し、 1 一 2で示す 間隙を介して、 いわゆるクロス トークノイズの発生メカニズムによ り、 印刷回路基板の配線導体 2 2 に信号を起電する。 同様に 1 一 4 において印刷回路基板の配線導体 2 4、 1 一 6 において印刷回路基 板の配線導体 2 6、 5 — 1において印刷回路基板の配線導体 2 5、 1 - 3 において印刷回路基板の配線導体 2 3 にそれぞれ信号を起電し、
最後に終端抵抗 3 1 に達し消滅する。 起電された信号の内、 いわゆ る後方クロス トークに相当する信号はそれぞれ、 印刷回路基板の配 線導体 2 2〜 2 6 を L S I 1 2〜 1 6の方向に伝搬し、 L S I 1 2 〜 1 6で復調されデ一夕転送が完結する。
図 1 に示した布線においては、 L S I 1 1 と同様に、 L S I 1 2 〜 1 6のいずれから出力された信号も、 残りの L S I に後方クロス トークとして到着し、 復調されデータ転送が完結する。 すなわち、 この網目状の布線により、 全ての L S I 間でのデータ転送を可能と している。
図 2 に L S I から出力される信号と、 受信され復調される後方ク ロス トークノイズを示す。 本発明の第 1 の実施例において、 出力さ れる信号は" H" がほぼ 5 V、 " L " がほぼ 4 Vで、 いわゆる P— E C Lに互換の出力レベルである。 この信号 4 1 pが印刷回路基板 の配線導体間の間隙結合を介してクロス トークとして G N Dレベル を中心として 6 0〜 7 O mVの振幅 4 1 0 pを起電する。 図に示す とおり 4 1 pからは 4 1 0 pが、 4 1 nからは 4 1 0 nの様な信号 波形が生じる。
図 2のメカニズムに従い生じた波形の伝搬を図 3 に示す。 図 3 に おいて、 横軸は時系列、 縦方向は上から順に L S I 1 1〜 1 6の順 である。
まず L S I 1 1が出力した信号 4 1 は、 1 一 2 を介して起電され 4 1 2 として L S I 1 2 に到着し、 次に 1 — 4を介して起電され 4 1 4 として L S I 1 4に到着し、 次に 1 — 6 を介して起電され 4 1 6 として L S I 1 6 に到着し、 次に 5 — 1 を介して起電され 4 1 5
として L S I 1 5 に到着し、 次に 1 — 3 を介して起電され 4 1 3 と して L S I 1 3 に到着することを示している。
L S I 1 3が出力した信号 4 3は 3 — 4を介して起電され 4 3 4 として L S I 1 4に到着し、 次に 3 — 6 を介して起電され 4 3 6 と して L S I 1 6 に到着し、 次に 3 — 5を介して起電され 4 3 5 とし て L S I 1 5 に到着し、 次に 1 一 3 を介して起電され 4 3 1 として L S I 1 1 に到着し、 次に 2 — 3 を介して起電され 4 3 2 として L S I 1 2 に到着することを示している。
図 4は連続パケッ トを出力したときの伝搬を示している。 L S I 1 1 、 1 3のそれぞれの出力 4 1 、 4 3は連続パケッ トから構成さ れるが、 4 1 2〜 4 1 6、 4 3 1、 4 3 2、 4 3 4〜 4 3 6 として 4 1 、 4 3の連続パケッ トと等しい周期 (連続パケッ トのかたまり 単位の周期、 および連続バケツ トの個々のバケツ トの周期ともに) で到着している。
図 5 に図 3、 図 4で示したデ一夕の到着時間について、 デ一夕を 受信する L S I 毎に整理して示している。 L S I 1 1 では、 データ 転送サイクルが開始されて、 δ T 1後には L S I 1 2の、 δ Τ 2後 には L S I 1 4の、 δ Τ 3後には L S I 1 6の、 δ Τ 4後には L S I 1 5の、 δ Τ 5後には L S I 1 3のデータが到着するという特徴 を持つ。 この特徴により、 データ到着時間が(5 Τ 1〜 δ Τ 5のいず れの時間であるかによって、 L S I 1 1 はデータを出力した L S I を特定する。 L S I 1 2〜 1 6 においても同様に、 データ転送サイ クルが開始されてから、 δ Τ 1〜 δ Τ 6の間にデ一夕が到着すると いう特徴を持つ。 この特徴により、 個々の L S I は、 データ到着時
間が(5 T 1 〜 6 T 6 のいずれの時間であるかによって、 デ一夕を出 力した L S I を特定する。 このように、 送信元の I D (ア ドレス) の識別に遅延時間差を用いる ことによ り、 送信元の I Dの送付が不 要となる。
図 6 、 図 7 を用いて本発明の第 1 の実施形態に用いられる印刷回 路基板の構造を示す。 本発明間隙結合式バスシステムの第 1 の実施 例に於いて、 配線導体 2 1 〜 2 6 は印刷回路基板の配線導体である 印刷回路基板を用いると配線導体間のイ ンピーダンスや結合係数の 管理が容易で、 また所要の信号線を配線する上で高密度の実装が可 能となる。 本発明の間隙結合式バスシステムを実現する配線導体と して、 印刷回路基板の他にフラッ トケーブルやフレキシブル基板と 云った構造上、 曲げることが容易なものもある。
図 6 に、 本発明間隙結合式バスシステムの印刷回路基板の基本断 面構造を示す。 印刷回路基板は図のような多層構造となっており、 ガラスエポキシ等を材料とするフィルム上に配線導体はエッチング 等で印刷され、 このフィルムを積層 · 固着することで実現されてい る。 本発明の積層以外に、 ビルドアップ手法で構成された基板でも 本発明の間隙結合式バスシステムは実現できる。
積層された印刷回路基板の導体は、 上層から電源のグラン ドに接 地されたグラン ド層 2 0 0 g l 、 信号層 2 0 0 a 、 2 0 0 b、 電源 層 2 0 0 V、 電源のグラン ドに接地されたグラン ド層 2 0 0 g 2 の 順である。 信号層 2 0 0 a 、 2 0 0 bはグラン ド層 2 0 0 g 1 、 電 源層 2 0 0 Vにいわゆるサン ドイ ッチ上に覆われている。 こうする ことで、 信号層 2 0 0 a , 2 0 0 bのイ ンピーダンスはグラン ド層
2 0 0 g l 、 電源層 2 0 0 v との間隙と、 信号層 2 0 0 a、 2 0 0 bの寸法により決定する。
電源層 2 0 0 Vの下層に電源のグランドに接地されたグラン ド層 2 0 0 g 2が配されることで、 電源層 2 0 0 Vのいわゆる給電系ィ ンピーダンスを下げている。 こうすることで、 信号層 2 0 0 a, 2 0 0 bを伝搬する高速な信号、 言い換えれば電流変化に起因する不 要電磁界放射ないし輻射を抑制している。 また、 グラン ド層 2 0 0 g lも、 信号層 2 0 0 a、 2 0 0 bを伝搬する高速な信号、 言い換 えれば電流変化に起因する不要電磁界放射ないし輻射を抑制してい る。 これら電源層 2 0 0 v、 グランド層 2 0 0 g l、 2 0 0 g 2は、 不要電磁界放射ないし輻射の抑制の他に、 印刷回路基板の外環境か らの電磁界の飛び込みを抑制、 即ちシールドしている。
本発明の間隙結合式バスシステムは、 間隙に於いて起電された電 位が微弱であるため、 電源層 2 0 0 V、 グラン ド層 2 0 0 g 1、 2 0 0 g 2によりシールドされ、 伝搬する信号の破壊、 この破壊に起因 するシステム全体の誤動作を防いでいる。
図 7 に本発明の間隙結合式バスシステムの印刷回路基板の配線導 体の配線パターンの一部を示す。
印刷回路基板の配線導体 2 3 aは図の左上に於いて配線導体 2 6 b と間隙を置いて結合している。 この間隙は図 1 における 3 _ 6で あり、 配線導体 2 3 aを伝搬してきた信号が配線導体 2 6 bに、 も しくは配線導体 2 6 bを伝搬してきた信号が配線導体 2 3 aに起電 し、 信号の伝達を図る。
配線導体 2 6 bはこれより右上に向かって斜行し、 配線導体 2 3
aは右下に向かって斜行する。
印刷回路基板の配線導体 2 5 aは図の左下に於いてビアホールを 介して配線導体 2 5 bに接続される。 配線導体 2 5 aは、 実際は図 7の外の左側から布線されており、 左上から斜行して図のビアホー ルに至る。 さて、 配線導体 2 5 bはビアホールより右上に向かって 斜行し、 先に右下に向かって斜行してきた配線導体 2 3 a と間隙に おいて結合する。 この間隙は図 1 における 3 — 5である。 2 3 a、 2 5 a、 2 6 b、 2 5 bはそれぞれ信号層 2 0 0 a、 2 0 0 bに布 線されるが、 2 3 a、 2 5 aを取り巻く様に 2 0 0 a gが、 2 6 b 2 5 bを取り巻く様に 2 0 0 b gが並行して布線される。 この、 2 0 0 a g、 2 0 0 b gが立体交差する箇所にはビアホールが配され ビアホールにより 2 0 0 g l , 2 0 0 g 2 , 2 0 0 a g , 2 0 0 b gが接続され、 その電位はグランド電位に接地されている。 この接 地はいわゆるガードパターンと呼ばれ、 ガードパターンにより、 例 えば 2 3 a と 2 5 aの間が電磁界の遮蔽がなされ、 同一信号層内で の結合を排除している。
本発明の間隙結合式バスシステムの第 2の形態を図 8 , 9 を用い て説明する。 図中、 1 0 1 〜 1 0 4は本発明の間隙結合式バスシス テムに接続される L S I 、 2 0 1 〜 2 0 4は前記 L S I が個々に接 続される印刷回路基板の配線導体、 3 0 1 〜 3 0 4は 2 0 1 〜 2 0 4の印刷回路基板の配線導体の他端に接続される終端抵抗である。 図 8 に本発明の第 2の実施例の間隙結合式バスシステムの布線を 示す。 図中、 間隙結合式バスシステムに接続される L S I 1 0 1 は 信号配線で印刷回路基板の配線導体 2 0 1 に接続され、 配線導体 2
0 1 は図右下に向かい斜行する。 途中、 配線導体 2 0 2 、 2 0 3 、 2 0 4 との間隙を経て、 L S I 1 0 1 の近傍まで返ってく る。 そし てその端部は終端抵抗 3 0 1 に接続される。
同様に、 L S I 1 0 2は印刷回路基板の配線導体 2 0 2 に接続さ れ、 配線導体 2 0 2は図お下に向かい斜行する。 途中、 配線導体 2 0 3 、 2 0 4 との間隙を経て、 環状に折り返し、 図右上に向かい斜 行し、 配線導体 2 0 4 との間隙を経て L S I 1 0 2の近傍まで返つ てく る。 そして端部は終端抵抗 3 0 2 に接続される。
L S I 1 0 3 は、 印刷回路基板の配線導体 2 0 3 に接続され、 図 右下に向かい斜行する。 途中、 配線導体 2 0 4 との間隙を経て、 環 状に折り返し、 図右上に向かい斜行し、 配線導体 2 0 1 、 2 0 2 と の間隙を経て L S I 1 0 3の近傍まで返ってく る。 そして端部は終 端抵抗 3 0 3 に接続される。 配線導体 2 0 2 と 2 0 3 の布線は、 線 対称の関係にある。
L S I 1 0 4は、 信号配線で印刷回路基板の配線導体 2 0 4に接 続され、 配線導体 2 0 4は環状に大周り した後、 図右上に向かい斜 行する。 途中、 配線導体 2 0 1 、 2 0 2 、 2 0 3 との間隙を経て、 L S I 1 0 4の近傍まで返ってく る。 そして端部は終端抵抗 3 0 4 に接続される。 配線導体 2 0 1 と 2 0 4の布線は、 線対称の関係に ある。
このような布線により、 線対称の関係にある配線導体 2 0 2 と 2 0 3、 配線導体 2 0 1 と 2 0 4の布線長はそれぞれ等しくなる。 ま た、 本発明の第 2の実施例では配線導体 2 0 1 と 2 0 2の布線長も 相等しくなるよう布線している。 即ち、 配線導体 2 0 1 〜 2 0 4の
布線長は相等しい。
L S I 1 0 1が信号を送信すると、 先ず 1 一 2 に示す間隙で導体 配線 2 0 2 に信号を起電する。 起電された信号のバックワー ドクロ ス トークに相当する信号は L S I 1 0 2 に向かって伝搬を始める。 配線導体 2 0 2上を伝搬する信号の振幅は小さいので、 途中の 2 — 4及び 2 — 3 の間隙で配線導体 2 0 4, 2 0 3 に信号を起電するこ となく L S I 1 0 2 に到着し受信される。
本発明の第 2の実施例 (図 8 ) に於いて、 この配線導体 2 0 1か ら配線導体 2 0 2 を経由し、 L S I 1 0 2に至る経路の長さは、 L S I 1 0 1から 1 一 2の間隙迄の距離と終端抵抗 3 0 2から 1 — 2 の間隙のまでの距離が等しいことから、 配線導体 2 0 1 の総延長と 等しい。
L S I 1 0 1 が送信した信号は、 次に 1 — 3 の間隙で導体配線 2 0 3 に信号を起電する。 起電された信号のバックワー ドクロス ト一 クに相当する信号は L S I 1 0 3 に向かって伝搬を始める。 配線導 体 2 0 3上を伝搬する信号の振幅は小さいので、 途中の 3 — 4の間 隙で配線導体 2 0 4に信号を起電することなく L S I 1 0 3 に到着 し受信される。
配線導体 2 0 1から配線導体 2 0 3を経由し、 L S I 1 0 3 に至 る経路の長さは、 L S I 1 0 1から 1一 3の間隙迄の距離と終端抵 抗 3 0 3から 1— 3の間隙のまでの距離が等しいことから、 配線導 体 2 0 1 の総延長と等しい。
L S I 1 0 1が送信した信号は、 次に 1 _ 4の間隙で導体配線 2 0 4に信号を起電する。 起電された信号のバックワードクロス トー
クに相当する信号は L S I 1 0 4に向かって伝搬を始める。 配線導 体 2 0 3上を伝搬する信号は L S I 1 0 3に到着し受信される。
配線導体 2 0 1から配線導体 2 0 4を経由し、 L S I 1 0 4に至 る経路の長さは、 L S I 1 0 1から 1一 4の間隙迄の距離と終端抵 抗 3 0 4から 1— 4の間隙のまでの距離が等しいことから、 配線導 体 2 0 1 の総延長と等しい。
以上、 各配線導体 2 0 2 〜 2 0 4に起電された信号は L S I 1 0 1 を起点に配線導体 2 0 1 の総延長と等距離を伝搬し各 L S I 1 0 2 〜 1 0 4に到着する。 即ち、 L S I 1 0 1から出力された信号は L S I 1 0 2 〜 1 0 4に同着することとなる。
以上の説明は線対称の関係にある配線導体 2 0 4の経路にも当て はまる。 よって、 L S I 1 0 4が送信した信号は、 L S I 1 0 1 〜 1 0 3 に同着する。
L S I 1 0 2が信号を送信すると、 先ず 2— 3 に示す間隙で導体 配線 2 0 3 に信号が起電され、 起電された信号のバックワー ドクロ ス トークに相当する信号は L S I 1 0 3 に到着し受信される。
配線導体 2 0 2から配線導体 2 0 3 を経由し、 L S I 1 0 3 に至 る経路の長さは、 L S I 1 0 2から 2— 3の間隙迄の距離と終端抵 抗 3 0 3から 2— 3の間隙のまでの距離が等しいことから、 配線導 体 2 0 2 の総延長と等しい。
L S I 1 0 2が送信した信号は、 次に 2— 4に示す間隙で導体配 線 2 0 4に信号が起電され、 起電された信号のバックワー ドクロス トークに相当する信号は L S I 1 0 4に到着し受信される。
配線導体 2 0 2から配線導体 2 0 4を経由し、 L S I 1 0 4に至
る経路の長さは、 L S I 1 0 2から 2— 4の間隙迄の距離と終端抵 抗 3 0 4から 2 _ 4の間隙のまでの距離が等しいことから、 配線導 体 2 0 2の総延長と等しい。
L S I 1 0 2が送信した信号は、 最後に 1 一 2 に示す間隙で導体 配線 2 0 1 に信号が起電され、 起電された信号のバックワー ドクロ ス トークに相当する信号は L S I 1 0 1 に到着し受信される。
配線導体 2 0 2から配線導体 2 0 1 を経由し、 L S I 1 0 1 に至 る経路の長さは、 L S I 1 0 2から 1一 2の間隙迄の距離と終端抵 抗 3 0 1から 1一 2の間隙のまでの距離が等しいことから、 配線導 体 2 0 2の総延長と等しい。
以上、 各配線導体 2 0 1、 2 0 3、 2 0 4に起電された信号は L S I 1 0 2 を起点に配線導体 2 0 2の総延長と等距離を伝搬し各 L S I 1 0 1 、 1 0 3、 1 0 4に到着する。 即ち、 L S I 1 0 1から 出力された信号は、 L S I 1 0、 1 0 3、 1 0 4に同着することと なる。
以上の説明は線対称の関係にある配線導体 2 0 3の経路にも当て はまる。 よって、 L S I 1 0 3が送信した信号は、 L S I 1 0 1 、 1 0 2、 1 0 4に同着する。
配線導体 2 0 1 の総延長は配線導体 2 0 2の総延長と等しいので どの L S I が出力しようと、 信号を受信する信号は全 L S I で同着 する。
図 9 に同着の様子を示す。 L S I 1 0 1 の出力した 4 1 は 4 1 2 〜 4 1 4を起電するが、 L S I 1 0 2〜 ; 1 0 4では同着する。 L S I 1 0 2〜 1 0 4においても同様である。
本発明の第 2の実施例に示したようにどの L S I から出力しても データは等時隔で同着する。 これにより、 データ転送サイ クルは信 号の出力開始時点から到着までの遅延時間と、 デ一夕の繰り返しサ ィクル数から規定できる。 よって、 従来のバス同様に簡略なバスプ 口 トコルの実現が容易である。
なお、 第 2の実施例において、 送信元の I Dの識別は、 一般的な バス方式と同様、 バス権調停の際に要求データに付加する形で行わ れる。
本発明の間隙結合式バスシステムの第 3の実施例を図 1 0、 1 1 を用いて説明する。 図中、 1 1 0はク リスタルオシレー夕、 1 1 1 はバスマス夕の L S I 、 1 1 2〜 1 1 6はバススレーブの L S I 、 2 1 1 はバスマスタの接続された印刷回路基板の配線導体、 2 1 2 〜 2 1 6は前記 L S I が個々 に接続される印刷回路基板の配線導体 5 1 はスレーブの L S I で受信される信号である。
導体配線 2 1 1 は、 配線導体 2 1 6、 2 1 5、 2 1 4、 2 1 3、 2 1 2 と間隙を持って結合し、 端部で終端抵抗 3 1 1 に接続される 配線導体 2 1 1 にはク リスタルオシレー夕 1 1 0ないしバスマスタ の L S I 1 1 1が接続される。
配線導体 2 1 2は端部に終端抵抗 3 1 2 を接続しもう一端にスレ —ブ L S I 1 1 2が接続される。
配線導体 2 1 3は端部に終端抵坊 3 1 3 を接続しもう一端にスレ —ブ L S I 1 1 3が接続される。 配線導体 2 1 3 には途中、 マスタ L S I 1 1 1 の位置を起点とした、 スレーブ L S I 1 1 2 と 1 1 3 の経路差を補うだけの折り返しを設けている。
配線導体 2 1 4〜 2 1 6 にも同様にマスタ L S I 1 1 1 の位置を 起点とした、 スレーブ L S I 1 1 2 との経路差を補うだけの折り返 しを設けている。
これによ り、 ク リスタルオシレ一夕 1 1 0 を接続した系では、 同 一位相のクロックがスレーブ L S I 1 1 2から 1 1 6 に到着する。 これによ り、 スレーブ L S I 間におけるクロックスキューが低減さ れる。
また、 マス夕 L S I 1 1 1 が接続された系では、 マス夕 L S I 1 1 1 から送信された信号は、 スレーブ L S I 1 1 2〜 1 1 6 に同着 し、 データ転送サイクルは信号の出力開始時点から到着までの遅延 時間と、 デ一夕の繰り返しサイ クル数から規定できる。 よって、 従 来のバス同様に簡略なバスプロ トコルの実現が容易である。
また、 どのス レーブ L S I から送信された信号も、 マス夕 L S I 1 1 1 には同一遅延時間で到着する。 マス夕 L S I では着信する信 号の有効時間即ちバリ ッ ド · ウィ ン ドウから、 ラッチクロックの設 定が容易となり、 クロック同期転送が簡単に実現される。 これによ り、 交換機やネッ トワークラウ夕等で一般的なフレーム同期がバス トポロジーで容易に実現できる。
本発明の間隙結合式バスシステムでは、 バスマス夕に接続された 配線導体 2 1 1 をメイ ンライ ンとし、 複数のスタブである配線導体 2 1 2から 2 1 6が接続される、 真のバス トポロジーを実現してい る。
従来の交換機ゃネッ トヮ一クラウ夕では、 各々のイ ン夕フェース 間では 1対 1接続としたディ ージ一チェイ ンで、 プロ トコルによ り
バスシステムとして振る舞わせている。 よって、 プロ トコルオーバ ヘッ ドが大きく 、 転送される情報の速報性を犠牲にしている。
バスシステム接続できなかった理由は、 接続点での波形歪みによ り信号電位の確定時間が長く 、 信号の繰り返し周波数の短縮を阻ん でいたからである。
本発明の間隙結合式バスシステムを用いれば、 スレーブ L S I か らメイ ンライ ンに相当する 2 1 1 までの距離に関わらず、 配線導体 2 1 2〜 2 1 6 を伝搬する信号波形に歪みはなく、 一様な立ち上が り と降下、 台地と窪地を保存したままの伝搬が実現される。 メイ ン ライ ンに相当する配線導体 2 1 1 にはこの波形から信号が起電され るので、 歪み無く 良質な信号がマス夕 L S I 1 1 1 に到着する。 なお、 図 1 0 の構成はク ロックの伝搬について説明したが、 図 1 0 と同じ構成のバス配線をデータ用に用いることもできる。
本発明の第 3 の実施例によ り、 真性のバス トポロジーでかつ高速 信号の伝搬遅延時間一定の布線が可能となった。 第 2 の実施例では スレーブ間の転送と、 データの到着時間が同じであるという ことを 実現したが、 第 3 の実施例は、 このデータの到着時間が同じである という ことを、 従来のバス形態で実現したものである。
図 1 1 にクロックオシレ一タを用いた場合の信号で特にク ロック の伝搬を示す。 ク ロックオシレ一夕の出力 4 1 は一定の遅延時間を 持ってスレーブ L S I 1 1 2〜 1 1 6 に到着し、 クロック として復 調され、 各スレーブ L S I のクロック として用いられる。 従来の例 えば T T Lを用いた、 バス トポロジーでのクロック分配は十数 M H z が限界であった。 しかし、 本発明の間隙結合式バスシステムによ
りクロックオシレー夕の上限発振周波数ないし、 スレーブ L S I の インバー夕等内部回路の最大動作周波数までクロックの分配が可能 となる。 これにより、 従来、 スレーブ L S I の中で避倍したクロッ クを得るために多用された P L L (Phase Lock Loop) の高遁倍の出 力が不要、 もしくは P L L自身の搭載が不要となる
。 特に高周波動作や高帯域 · 高精度 · 安定発振や高通倍出力を実現 する P L Lの設計は困難で、 また実装制限が厳しく、 設計工数、 デ バッグ工数がかかるため、 P L Lの機能単純化や排除は製品開発の 短縮化、 コス ト低減に寄与する。
本発明の間隙結合式バスシステムの第 4の実施例を図 1 2〜図 1 5 を用いて説明する。 図中 1 2 1〜 1 2 4は本発明の間隙結合式バ スシステムに接続される L S I 、 2 2 1 p , !!〜 2 2 4 p , nは前 記 L S I が個々に接続される印刷回路基板の配線導体、 3 2 1 p , n〜 3 2 4 p, nは 2 2 1 p, n〜 2 2 4 p, nの印刷回路基板の 配線導体の他端に接続される終端抵抗、 4 1 0 ρ, 4 1 0 η , 4 1 ρ, 4 1 ηはバスマス夕の L S I が出力した信号、 5 1 はシンクの L S I で受信される信号、 2 2 3 p a , 2 2 3 p b , 2 2 3 n a , 2 2 3 n b , 2 2 4 n a , 2 2 4 p b , 2 2 1 n a , 2 2 1 p aは 印刷回路基板の信号層中の配線導体である。
図 1 2に間隙結合式バスシステムの布線を示す。 間隙結合式バス システムに接続される L S I 1 2 1 に信号配線で印刷回路基板の配 線導体 2 2 I n , 2 2 l pは接続されそれぞれ図右下の終端抵抗 3 2 1 η , 3 2 l pに接続される。
配線導体 2 2 1 η , 2 2 1 pには同一のデータで互いのデ一夕の
極性が反転している、 いわゆる差動の信号が出力される。
L S I 1 2 2〜 1 2 4には同様に印刷回路基板の配線導体 2 2 2 n、 2 2 4 p〜 2 2 4 n、 2 2 4 pが接続され、 それぞれ右端の終 端抵抗 3 2 2 n、 3 2 2 ρ〜 3 2 4 η、 3 2 4 ρに接続される。 L S I 1 2 1 を出発した信号は印刷回路基板の配線導体 2 2 1 η、 2 2 1 ρを伝搬し、 1— 2で示す間隙を介して、 いわゆるクロス ト一 クノイズの発生メカニズムにより、 印刷回路基板の配線導体 2 2 2 η、 2 2 2 ρに信号を起電する。 同様に 1 _ 4において印刷回路基 板の配線導体 2 2 4 η、 2 2 4 ρ > 1 — 3 において印刷回路基板の 配線導体 2 2 3 η、 2 2 3 ρにそれぞれ信号を起電し、 最後に終端 抵抗 3 2 1 η、 3 2 1 ρに達し消滅する。 起電された信号の内、 い わゆる後方クロス トークに相当する信号はそれぞれ、 印刷回路基板 の配線導体 2 2 2 η、 2 2 2 ρ〜 2 2 4 η、 2 2 4 を 3 1 1 2 2〜 1 2 4の方向に伝搬し、 L S I 1 2 2〜 1 2 4で復調されデ一 夕転送が完結する。
配線導体 2 2 2 η、 2 2 2 !)〜 2 2 4 η、 2 2 4 ρには差動の信 号から起電された差動の信号が伝搬し、 L S I 1 2 2〜 1 2 4では 差動コンパレ一夕により復調されいてる。
図 1 2 に示した布線においては、 L S I 1 2 1 と同様に、 L S I 1 2 2〜 1 2 4のいずれから出力された信号も、 残りの L S I に後 方クロス トークとして到着し、 復調されデータ転送が完結する。 す なわち、 この網目状の布線により、 全ての L S I 間でのデータ転送 を可能としている。
図 1 3 に L S I から出力される信号と、 受信され復調される後方
クロス トークノイズを示す。 本発明の第 4の実施例において、 出力 される信号は" H " がほぼ 5 V、 " L " がほぼ 4 Vで、 いわゆる P — E C Lに互換の出力レベルである。 L S I から出力される信号は 例えば L S I 1 2 1であれば、 2 2 1 p、 2 2 1 nの順に " H " " L " ないし" L " " H " の組み合わせとなる。 この信号が印刷回路 基板の配線導体間の間隙結合を介してクロス トークとして G N Dレ ベルを中心として 6 0〜 7 O mVの振幅の信号を起電する。 例えば 2 2 1 p、 2 2 1 nの順に" H " " L " であれば、 4 1 0 p、 4 1 0 nを起電する。
図 1 3 に示すコンパレ一夕 5は入力側に 5 1 p、 5 1 nを、 その 出力として 5 2 を有する。 L S I 1 2 2 を例にすれば、 5 1 pは 2 2 2 pに、 5 I nは 2 2 2 ηに接続され、 2 2 2 ρ, 2 2 2 ηに 4 1 Ο ρ、 4 1 O nの組み合わせの信号が伝搬し、 L S I 1 2 2の差 動コンパレ一夕 5 に受信されて、 復調されて" H " の信号 5 1 を得 る。
本発明の第 4の実施例において配線導体に起電される振幅は、 本 発明の第 1〜 3の実施例で起電される振幅と変わりない。 しかし、 配線導体を 2本で一組とし、 一方の極性を反転させ差動回路を構成 することで、 受信する L S I の差動コンパレータの入力振幅は、 元 の 2倍の 1 2 0〜 1 4 O mVまで拡大され、 差動コンパレー夕の設 計感度の緩和が図れる。
また、 差動コンパレ一夕に入力される信号について、 振幅の中心 即ち、 グランド電位が何らかの要因で揺れた場合には、 差動コンパ レー夕はグランド電位に依存せずに信号を復調でき、 対ノイズ性に
優れる。 特に、 本発明の間隙結合式バスシステムが搭載される情報 処理装置では、 印刷回路基板や電源回路は給電系インピーダンスを 持つが、 装置内で急峻な負荷変動が生じると、 印刷回路基板や電源 回路が供給する電流に急峻な変化が生じ、 結果としてグラウン ドバ ゥンスというグランド電位の" 浮き上がり " のノイズが生じる。 こ の負荷変動の要因として、 C P Uのアイ ドル状態やスリープ状態か ら動作状態への移行時、 メモリ素子のパヮ一ダウンモードから動作 状態への移行時があげられる。 この時の電流変化は C P Uやメモリ 素子の動作周波数を反映した急峻なもので、 C P Uやメモリ素子の 動作周波数と、 本発明の間隙結合式バスシステムの動作周波数が帯 域的に近いため、 ノイズの影響は大きい。
図 1 3のメカニズムに従い生じた波形の伝搬を図 1 4に示す。 図 1 4において、 横軸は時系列、 縦方向は上から順に L S I 1 2 1〜 1 2 4の順である。
まず L S I 1 2 1が出力した信号 4 l n、 4 1 pは 1 一 2 を介し て起電され 4 1 2 η、 4 1 2 ρ として L S I 1 2 2 に到着し、 次に 1 — 4を介して起電され 4 1 4 n、 4 1 4 p として L S I 1 2 4に 到着し、 次に次に 1 — 3 を介して起電され 4 1 3 n、 4 1 3 p とし て L S I 1 2 3 に到着することを示している。
L S I 1 2 3が出力した信号 4 3 n、 4 3 ρは 3 — 4を介して起 電され 4 3 4 η、 4 3 4 ρ として L S I 1 2 4に到着し、 次に 1 — 3を介して起電され 4 3 l n、 4 3 l p として L S I 1 2 1 に到着 し、 次に 2 — 3 を介して起電され 4 3 2 n、 4 3 2 ρとして L S I 1 2 2 に到着することを示している。
図 1 5 ( a ) に本発明の間隙結合式バスシステムの印刷回路基板 の配線導体の配線パターンの一部を示す。
印刷回路基板の配線導体 2 2 1 p aは図の左上に於いて配線導体
2 2 4 p b と間隙を保って結合している。 この間隙は図 1 2 におけ る P極性側の 1 一 4であり、 配線導体 2 2 3 p aを伝搬してきた信 号が配線導体 2 2 4 p bに、 もしくは配線導体 2 2 4 p bを伝搬し てきた信号が配線導体 2 2 1 p aに起電し、 信号の伝達を図る。 配線導体 2 2 4 p bはこれより右上に向かって斜行する。 配線導 体 2 2 1 p aは右下に向かって斜行し、 右上に向かう配線導体 2 2 4 n b と立体交差の後、 続いて右下に向かって斜行し配線導体 2 2
3 p b と間隙において結合する。
印刷回路基板の配線導体 2 2 3 p aは図の左下に於いてビアホ一 ルを介して配線導体 2 2 3 p bに接続される。 配線導体 2 2 3 p a は実際は図 1 5の外の左側から布線されており、 左上から斜行して 図のビアホールに至る。 これより、 配線導体 2 2 3 p bはビアホ一 ルより右上に向かつて斜行し、 右上より斜行して降りてく る 2 2 1 n a と立体交差し、 続いて、 右下に向かって斜行してきた配線導体 2 2 1 p a と間隙において結合する。 この間隙は図 1 2 における p 極性側の 1 一 3である。
左中程では、 配線導体 2 2 1 n a と配線導体 2 2 3 n aが間隙に おいて結合している。 この間隙は図 1 2 における n極性側の 1 — 4 である。 配線導体 2 2 4 n bは図 1 5の外の左側から布線されてお り、 左下から斜行して間隙に至る。 配線導体 2 2 4 n bは引き続き 右上に向かって斜行し配線導体 2 2 1 a と立体交差した後、 引き
続き右上に向かって斜行し 2 2 2 n a と間隙において結合する。
2 2 1 a , 2 2 1 n a、 2 2 2 n a , 2 2 3 p aは信号層 2 0 0 a、 2 2 4 p b、 2 2 4 n b、 2 2 3 n b、 2 2 3 p bは 2 0 0 b層に布線される。 2 2 1 p a、 2 2 1 n a , 2 2 3 n a、 2 2 3 p a等の信号線を取り巻く様にグランド層ビアホールを介して接地 されたパターンが設けられている。
この接地はいわゆるガー ドパターンと呼ばれ、 ガードパターンに より、 例えば 2 2 1 p a と 2 2 3 p aの間が電磁界の遮蔽がなされ 同一信号層内での結合を排除している。
このガー ドパターンを図 1 5 ( b ) のように構成してもよい。 す なわち、 同一信号である信号線 2 2 1 p a と 2 2 1 n a間にはガ一 ドパターンは設けず、 隣接信号間である 2 2 1 n a と 2 2 3 p aあ るいは、 2 2 2 n a と 2 2 1 p a間にはガー ドパターンを設ける。 このように同一信号の pチヤンネルと nチヤンネルの配線間にはガ ードパターンを設けず、 同一層にある隣接信号間にはガ一 ドパター ンを設けるように構成する。 このように構成することで、 同一信号 の Pチャンネルと nチャンネルの配線間は電磁結合が強く、 インピ —ダンスの乱れが少ない。 かつ、 クロス トークを生成するための間 隙に於いて、 図 1 5 ( a ) に対し 4信号線間で電磁結合しているが それぞれの間でクロス トークを生じるので所望の信号を起電できる, また、 本発明の間隙結合式バスシステムを実現する図 1 5の基板 において、 導体配線の交差する箇所ではクロス トークノイズの発生 メカニズムにより信号が起電される。 先に示した間隙において、 起 電される信号のパルス幅は、 配線導体の並行布線長に従っている。
本発明の実施例においてこの並行布線長は 2 c m〜 5 c m程度であ る。 この並行布線長は L S I の入力回路である差動コンパレータの パルス幅に対する感度に基づき決定されている。 L S I のプロセス 即ち 0. 3 5 / mと言った加工精度が今後より微細化されることで 差動コンパレータのパルス幅に対する感度も向上し、 並行布線長は 短くできる。
図 1 5中、 信号層間で配線導体が立体交差する部位、 例えば 2 2 l p a と 2 2 4 n b、 あるいは 2 2 l n a と 2 2 3 p bにおレ て、 導体配線の交差角度はいずれも直角である。 このように直角に立体 交差させることで導体配線間の間隙結合に係る布線長は最小となり クロス トークノイズの発生メカニズムにより起電される信号は微小 となり、 差動コンパレータの感度より も短いパルス幅となり、 差動 コンパレー夕では無視される。
よって、 図 1 5 に示した本発明の間隙結合式バスシステムの印刷 回路基板の配線導体の配線パターンにより、 図 1 2で意図したとお り、 結合すべき配線導体の立体交差と、 結合してはいけない配線導 体の立体交差の布線を可能とした。
本発明の第 4の実施例に示した 1 ビッ 卜の信号を差動出力し 2本 1対の配線導体を介し差動コンパレ一夕で復調させることでデータ 転送を行う、 いわゆる差動回路方式は、 本発明の第 2, 第 3の実施 例においても適用が可能である。 また、 その印刷回路基板のパ夕一 ンも図 1 5 に示した通り、 間隙を直角、 並行に立体交差させること で容易に実現できる。
本発明の間隙結合式バスシステムを搭載した情報処理装置を、 図
1 6 〜 1 8 を用いて説明する。 図中、 1 は本発明の間隙結合式バス システムシステムに接続される L S I 、 2 はバスシステムを構成す るケーブル、 2 0 はバスシステムを構成する印刷回路基板の導体及 びその印刷回路基板、 3 は終端抵抗 (群) 、 6 0 はネッ トワークラ ウタないし電子交換機の着信側処理 L S I ないし回路群、 6 1 はネ ッ トワーク ラウ夕ないし電子交換機の送信側処理 L S I ないし回路 群、 7 はネッ トヮ一ク ラウ夕ないし電子交換機のネッ トワーク側ィ ンターフェース L S I ないしイ ンターフェース回路群、 8 はマルチ プロセッサを構成する C P U、 9 0 はキャ ッシュメモリないし口一 カルメモリおよびそのコン ト ローラ、 9 1 は主記憶を構成するメモ リモジュール、 9 2 は L A Nイ ンタフェースの L S I ないし回路群 9 3 はディ スクコン トローラ L S I ないし回路群、 9 4は H D Dで ある。
図 1 6 、 図 1 7 はネッ トヮ一クラウ夕ないし電子交換機の内部構 成を示している。
図 1 6 を用いて、 間隙結合式バスシステムを実装したケーブルを バックプレーンとしたネッ トヮ一クラウ夕ないし電子交換機の内部 構成を説明する。 図 1 6 において、 L S I I とバスシステムを構成 するケーブル 2 と終端抵抗 (群) 3 によ り本発明の間隙結合式バス システムは構成される。 L S I 1 はスシステムを構成するケーブル 2 に複数個 (図 1 6 においては 4個) 接続されているが、 1個ずつ 別々の印刷回路基板に搭載されている。 この印刷回路基板には L S I 1 の他に、 ネッ トワーク ラウ夕ないし電子交換機の着信側処理 L S I ないし回路群 6 0 と、 ネッ 卜ワーク ラウ夕ないし電子交換機の
送信側処理 L S I ないし回路群 6 1 と、 ネッ トワークラウ夕ないし 電子交換機のネッ トヮ一ク側イ ンタ一フェース L S I ないしイ ン夕 —フヱース回路群 7が搭載される。
ネッ トヮ一ク ラウ夕ないし電子交換機のネッ トワーク側イ ンタ一 フェース L S I ないしイ ン夕一フェース回路群 7 の左側には外、 即 ちネッ トワーク ラウ夕でにおける L A Nや W A Nや、 I S D N等の 一般の公衆電話回線や、 専用線、 フレームリ レー等のディ ジタル回 線の光ファイバ一ケーブルや同軸、 より対線等の金属ケーブルが接 続され、 各ネッ トワーク、 回線間のパケッ ト処理を行う。 電子交換 機なら、 加入者回線や電話局内の他の電子交換機との回線、 交換局 間の基幹回線の光ファイバ一ケーブルや同軸、 よ り対線等の金属ケ
—ブルが接続され、 回線間のパケッ ト処理を行う ことで、 加入者回 線、 基幹回線と言った複数のレイヤー間での交換を行っている。
具体的な動作を説明する。 ネッ トワークラウ夕ないし電子交換機 のネッ トワーク側イ ン夕一フェース L S I ないしイ ンターフェース 回路群 7で受信されたパケッ トは、 ネッ トワーク ラウ夕ないし電子 交換機の着信側処理 L S I ないし回路群 6 0で、 バケツ 卜のヘッダ とデータに分離され、 ヘッダに示されたァ ド レスが解析された後、 バケツ トの転送先が決定される。
転送先が同一基板上の、 ネッ トワーク ラウ夕ないし電子交換機の ネッ トヮ—ク側イ ンターフェース L S I ないしイ ン夕一フェース回 路群 7 に接続された回線ゃネッ トワークならば、 バケツ 卜はネッ ト ワークラウ夕ないし電子交換機の着信側処理 L S I ないし回路群 6 0から、 ネッ トワーク ラウ夕ないし電子交換機の送信側処理 L S I
ないし回路群 6 1 に受け渡されヘッダを新たなヘッダに交換された 後、 該当する回線ないしネッ トワークが接続されたネッ トヮ一クラ ウタないし電子交換機のネッ トワーク側イ ン夕一フェース L S I な いしイ ンタ一フェース回路群 7 には受け渡され、 送信される。
転送先が別の基板上の、 ネッ トヮ一ク ラウ夕ないし電子交換機の ネッ トワーク側イ ンタ一フェース L S I ないしイ ン夕一フェース回 路群 7 に接続された回線やネッ トワークならば、 L S I 1 にバケツ トは受け渡され、 L S I 1 よ り、 バスシステムを構成するケーブル 2 を介して他の基板上の L S I 1 に転送される。 L S I 1 よ り、 バ スシステムを構成するケーブル 2 に出力されるパケッ トには新たな ヘッダに相当するァ ドレスが付されており、 このァ ド レスが割り 当 てられている別の印刷回路基板上の L S I 1 は、 受信したパケッ ト を同一印刷回路基板上の、 ネッ トヮ一ク ラウ夕ないし電子交換機の 送信側処理 L S I ないし回路群 6 1 に受け渡し、 ヘッダを新たなへ ッダに交換された後、 該当する回線ないしネッ トワークが接続され たネッ トワークラウ夕ないし電子交換機のネッ トワーク側イ ン夕一 フエ一ス L S I ないしイ ンタ一フェース回路群 7 には受け渡し、 送 信する。
図 1 6 において、 バスシステムを構成するケーブル 2 は、 本発明 の第 3 の実施例に示した間隙結合式バスシステムによ り、 ク ロック スキューの微小なクロックの給電を実現している。 また、 本発明の 第 1 もしく は 4の実施例に示した間隙結合式バスシステムによ り、 L S I 1 間での L S I 1 を指し示すア ドレスと、 交換されるバケツ トをケーブル 2 によ り伝搬する。 ケーブル 2 は、 クロック、 データ
バケツ トおよびア ドレスの伝送線路を含む。
図 1 6において、 バスシステムを構成するケーブル 2はいわゆる バックプレーンを実現している。 ここで、 「バックプレーン」 とは 双方向にデータ伝送を行う ことのできるバックプレーンバスを可撓 性のあるケーブルで構成したものである。 ケーブル 2は例えば F P C (Flexible Printed Ci rcui t)で構成することができる。
図 1 7 を用いて、 間隙結合式バスシステムを実装した印刷回路基 板をバックプレーンとしたネッ トヮ一クラウ夕ないし電子交換機の 内部構成を説明する。 簡単のため図 1 6 に重複する説明は省略する, 図 1 7 において、 L S I 1 は、 バスシステムを構成する印刷回路 基板の導体及びその印刷回路基板 2 0 に機械的 · 電気的に接続され. L S I 1 に接続された導体配線が L S I 1 の近傍の終端抵抗 (群) 3で終端されて、 間隙結合式バスシステムを実現している。 バスシ ステムを構成する印刷回路基板の導体及びその印刷回路基板 2 0の 配線は、 本発明の第 3の実施例に示した間隙結合式バスシステムに より、 クロックスキューの微小なクロックの給電を実現している。 また、 本発明の第 2の実施例に示した間隙結合式バスシステムによ り、 L S I 1 間での L S I 1 を指し示すア ドレスと、 交換されるパ ケッ トを伝搬する。
本発明の第 2の実施例の間隙結合式バスシステムを適用したこと で、 1つの L S I 1から残りの L S I 1 に転送されたパケッ トは、 残りの L S I 1 において同着する。 この同着により、 次にパケッ ト を出力する権利いわゆるバス権を持つ L S I は容易に、 先の L S I 1 の転送サイクルの終了を認知できる。 これにより、 パケッ トを出
力する L S I 1 の切換時間は短縮され、 よりデータ転送効率が向上 する。
図 1 8 を用いて、 間隙結合式バスシステムを実装したコンビュ一 夕の内部構成を示す。
図 1 8において、 L S I 1 は、 バスシステムを構成する印刷回路 基板の導体及びその印刷回路基板 2 0 に機械的 · 電気的に接続され L S I 1 に接続された導体配線が L S I 1 の近傍の終端抵抗 (群) 3で終端されて、 間隙結合式バスシステムを実現している。 バスシ ステムを構成する印刷回路基板の導体及びその印刷回路基板 2 0の 配線は、 本発明の第 3の実施例に示した間隙結合式バスシステムに より、 クロックスキューの微小なクロックの給電を実現している。 また、 本発明の第 2の実施例に示した間隙結合式バスシステムによ り、 L S I 1 間での L S I 1 を指し示すア ドレスと、 データを伝搬 する。
L S I 1が搭載されている基板は、 図中上から順に、 上 2枚がマ ルチプロセッサを実現するプロセッサエレメン ト、 その下が、 メモ リモジュールを搭載するメモリ ライザカード、 一番したが L A N等 のネッ トヮ一クインタフエース、 S C S I やファイバ一チャネル等 を介して H D Dを接続するディスクコン トロ一ラを搭載した I ZO カー ドである。
プロセッサエレメン トには 8の C P Uと L S I 1 とキャッシュメ モリ 9 0が搭載され、 C P Uバスにより接続されている。 L S I 1 はプロセッサエレメント上では、 キャッシュコントローラとして、 キャッシュメモリ 9 0 を制御している。
メモリ ライザカー ドには、 L S I 1 と主記憶を構成するメモリモ ジュール 9 1が搭載され、 L S I 1 はメモリ コ ン トローラとして主 記憶を構成するメモリモジュール 9 1 の読み出し、 書き込みを制御 している。
1 ノ0カー ドには、 L S I 1 と L A Nイ ンタフェースの L S I 9 2 とディ スクコ ン トローラ L S I ないし回路群 9 3が搭載され、 L S I 1 と L A Nイ ン夕フェースの L S I 9 2、 ディ スクコ ン トロー ラ L S I ないし回路群 9 3は I ZOバスによ り接続されている。 ま た、 ディ スクコ ン ト ローラ L S I ないし回路群 9 3は S C S I ゃフ アイバーチャネル等を介して HD D 9 4を接続する。
バスシステムを構成する印刷回路基板の導体及びその印刷回路基 板 2 0のバスは、 プロセッサエレメン ト と主記憶を搭載したメモリ ライザカー ドと I ZOカー ドに対して、 クロックスキューの微小な クロ ックの給電を実現している。 また、 本発明の第 2の実施例に示 した間隙結合式バスシステムにより、 L S I 1 間での L S I 1 を指 し示すア ド レスと、 交換されるパケッ トを伝搬する。
また、 キャ ッシュのコヒ一レンシ情報等、 プロセッサエレメ ン ト メモリ ライザカー ド、 I ノ0カー ド間で同着する必要のある信号線 が、 本発明の第 2の実施例に示した間隙結合式バスシステムによ り 実現されている。 産業上の利用可能性
本発明は情報処理装置に利用可能であり、 特にそのバスシステム の制作に利用して好適である。