明 細 書 希土類ボン ド磁石の製造方法、 希土類ボン ド磁石用組成物および希土 類ポン ド磁石 技術分野
本発明は、 希土類元素を含む磁石粉末をバイ ンダーによ り結合してな る希土類ポン ド磁石の製造方法、 希土類ボン ド磁石の製造に用いられる 希土類ポン ド磁石用組成物および希土類ポン ド磁石に関するものである 背景技術
ボン ド磁石は、 磁石粉末と結合樹脂(有機バイ ンダー) との混合物(コ ンパゥン ド) を所望の磁石形状に加圧成形して製造されるものである。 このようなボン ド磁石のうち、 磁石粉末が希土類元素を含む磁性材料で 構成されているものを希土類ポン ド磁石という。 この希土類ボン ド磁石 の製造に関しては、 例えば、 特公昭 5 3 — 3 4 6 4 0号公報、 特公昭 4 6 — 3 1 8 4 1号公報、 特公平 0 4 — 7 4 4 2 1 号公報、 特開昭 5 9— 1 3 6 9 0 7号公報、 特開昭 5 9 — 2 1 3 1 0 4号公報、 特開平 0 2 — 1 5 3 5 0 9号公報、 特開昭 6 0 — 2 1 1 9 0 8号公報、 特開昭 6 0 — 2 1 6 5 2 3号公報、 特開昭 6 1 — 1 6 4 2 1 5号公報、 特閧昭 5 9 — 1 0 3 3 0 9号公報、 特開平 0 3 — 1 0 8 3 0 1号公報等に開示されて いる。
希土類ボン ド磁石の成形方法には、 大別して、 圧縮成形法、 射出成形 法および押出成形法がある。
圧縮成形法は、 前記コンパウン ドをブレス金型中に充填し、 これを室 温で圧縮成形して成形体を得、 その後、 結合樹脂が熱硬化性樹脂である
場合にはそれを硬化させて磁石とする方法である。 この方法は、 他の方 法に比べ、 結合樹脂の量が少なくても成形が可能であるため、 得られた 磁石中の樹脂量が少な く な り、 磁気特性の向上にとって有利である。 押出成形法は、 加熱溶融された前記コンパゥン ドを押出成形機の金型 から押し出すとともに冷却固化し、 所望の長さに切断して、 磁石とする 方法である。 この方法では、 磁石の形状に対する自由度が比較的大き く、 薄肉、 長尺の磁石をも容易に製造できるという利点があるが、 成形時に おける溶融物の流動性を確保するために、 結合樹脂の添加量を圧縮成形 法のそれに比べて多くする必要があ り、 従って、 得られた磁石中の樹脂 量が多く、 磁気特性が低下する傾向があるという欠点がある。
射出成形法は、 前記コンパウン ドを加熱溶融し、 十分な流動性を持た せた状態で該溶融物を金型内に注入し、 所定の磁石形状に成形する方法 である。 この方法では、 磁石の形状に対する自由度は、 押出成形法に比 ベさらに大き く、 特に、 異形状の磁石をも容易に製造できるという利点 がある。 しかし、 成形時における溶融物の流動性は、 前記押出成形法よ り高いレベルが要求されるので、 結合樹脂の添加量は、 押出成形法のそ れに比べてさ らに多くする必要があり、 従って、 得られた磁石中の樹脂 量が多く、 磁気特性が低下する傾向があるという欠点がある。
ところで、 以上のような各方法のうち、 圧縮成形法は、 他の方法に比 ベてよ り磁気性能の高い磁石を成形することが可能であるが、 この従来 の圧縮成形法によるボン ド磁石の製造においては、 次にような欠点があ る。
第 1 に、 希土類ボン ド磁石成形体の空孔率が高く なる傾向を示すため. 磁石の機械的強度が弱く 、 耐食性が劣る。 そのため、 特に圧縮成形法に おいては、 成形圧力を 7 0 kgf/mm' 以上と高圧にする高圧成形を活用 し たり、 成形後に防食用コ一ティ ング処理を施す等の方法で対処していた,
しかしながら、 高圧成形は、 金型や成形機への負担が大き く、 それらの 大型化を要求され、 製造コス トの上昇を招く。 また、 防食用コ一テ ィ ン グ処理を行う場合でも、 それによる耐食性の改善は十分に得られない。 第 2に、 コンパウン ドは、 そのまま、 またはペレ ッ ト (塊状物) 化し て成形に供されるが、 そのため、 特に圧縮成形法においては、 コンパゥ ン ドの金型への挿入が困難であった り、 コンパゥン ドが金型の隅々まで 行きわたらなかった りすることがある。 また、 ペレ ッ ト化されたコンパ ゥン ドの場合、 金型への充填量を微妙に調整することができない。
第 3に、 熱硬化性樹脂を含むコンパゥン ドを用いた圧縮成形の場合、 熱硬化性樹脂と して室温で固体のものと液状のものの両者が使用され、 いずれの場合でも、 成形温度は室温であった。 そのため、 前者の固体樹 脂を用いたときには、 成形性が悪く、 熱可塑性樹脂を用いた場合に比べ より空孔率が高くなる傾向を示すとともに、 樹脂と磁石粉末の分散性が 悪く、 その結果、 機械的強度が低い。 一方、 後者の液状樹脂を用いたと きには、 高密度の成形体を得ることは可能であるが、 成形時の環境 (温 度、 湿度) による影響で敏感に樹脂の物性が変化し、 金型への充填性が 低い。
前記第 2および第 3の欠点から、 磁石の目標寸法に対しバラツキが生 じ、 すなわち寸法精度が悪く、 成形の安定性に欠けるという問題が生じ る。 特に、 この欠点は、 小型磁石の成形の場合には、 顕著となる。
このように寸法のバラツキが大きいことから、 最終磁石製品の目標寸 法を確保するために、 目標寸法よ り も大き く成形した後、 切削 · 研磨等 の二次加工によ り寸法を調整する必要がある。 これによ り、 工程の増加 を招き、 加工によ り不良材料が発生するので、 生産性が低下し、 製造コ ス トが増加する。
本発明者は、 以上のような第 1 ないし第 3の欠点は、 コンパゥン ドの
製造方法、 製造条件、 成形時の温度条件、 成形後の冷却条件等が不適切 であることがその原因の一つとなっていることをつきとめた。
従って、 本発明の目的は、 低空孔率で、 成形性、 機械的特性、 磁気特 性、 寸法安定性に優れる希土類ボン ド磁石と、 これを容易に製造するこ とができる希土類ポン ド磁石の製造方法および希土類ポン ド磁石用組成 物とを提供することにある。 発明の调示
本発明は、 希土類磁石粉末を結合樹脂によ り結合してなる希土類ポン ド磁石の製造方法であって、
前記希土類磁石粉末と前記結合樹脂とを混合 · 混練して混練物を製造 する工程と、
前記混練物を造粒または整粒して粒状体とする工程と、
前記粒状体を用いて前記結合樹脂が軟化または溶融状態となる第 1の 温度で加圧成形する工程と、
少なく とも前記第 1 の温度未満である第 2の温度まで加圧状態で冷却 する工程とを有することを特徴とする希土類ポン ド磁石の製造方法であ る。
これによ り、 空孔率が低く、 成形性、 機械的特性、 磁気特性、 寸法安 定性に優れた希土類ポン ド磁石が提供される。 特に、 結合樹脂が少量で も、 このような特性が得られる。
また、 前記結合樹脂は、 熱可塑性樹脂であるのが好ま しい。
これによ り、 成形性がよ り優れ、 磁石中の空孔率がよ り低く なる。 また、 前記混練は、 前記結合樹脂の熱変形温度以上の温度で、 かつ前 記希土類磁石粉末の表面が溶融または軟化した結合樹脂成分によ り覆わ れた状態となるように行われるのが好ま しい。
これによ り、 混練の効率が向上し、 均一な混練がなされるので、 空孔 率の低減に寄与する。
また、 前記混練物中の前記希土類磁石粉末の含有量が 9 0〜 9 9 wt % であるのが好ま しい。
これによ り、 磁石中の結合樹脂の占める割合が少な くな り、 磁気特性 がよ り向上する。
また、 前記混練物中に、 酸化防止剤を含有するのが好ま しい。
これによ り、 製造過程において希土類磁石粉末や結合樹脂の酸化、 劣 化、 変質を抑制することができ、 磁気特性の向上に寄与する。
また、 前記粒状体の平均粒径が 0 . 0 1 〜 2 mmであるのが好ま しい。 これによ り、 低空孔率を確保しつつ、 給材時の定量性を向上し、 寸法 精度の高い希土類ボン ド磁石が提供できる。
また、 前記第 2の温度は、 前記結合樹脂の融点または熱変形温度であ るのが好ま しい。
そ して、 前記加圧状態での冷却時の圧力は、 少な く とも前記第 1の温 度と第 2の温度の間の温度まで一定に保持されているのが好ま しい。
これらの構成によ り、 空孔率の低減および寸法精度の向上がよ り顕著 となる。
また、 本発明は、 希土類磁石粉末を結合樹脂によ り結合してなる希土 類ボン ド磁石の製造方法であって、
前記希土類磁石粉末と前記結合樹脂との混合物または混練物を得、 こ の混合物または混練物を造粒または整粒し、 その粒状体を用いて成形を 行うことを特徴とする希土類ボン ド磁石の製造方法である。
これによ り、 空孔率が低く、 成形性、 磁気特性に優れ、 寸法安定性す なわち寸法精度が高い希土類ボン ド磁石が提供される。 特に、 結合樹脂 が少量でも、 このような特性が得られる。
また、 前記粒状体の最大粒径が成形金 ¾のギャ ップの最小寸法以下で あるのが好ま しい。
そ して、 前記粒状体の最大粒径が 0 . 0 2 mm以上であるのが好ま しい。 さ らに、 前記粒状体の平均粒怪が 0 . 0 1 〜 2關であるのが好ま しい。 これらの構成によ り、 低空孔率を維持しつつ、 成形体の寸法精度がさ らに向上する。
また、 前記造粒または整粒は、 粉砕によ り行われるのが好ま しい。 これによ り、 造粒または整粒を容易に行う ことができる。
また、 前記成形の後、 熱処理を行うのが好ま しい。
これによ り、 結合樹脂が熱硬化性樹脂の場合には、 未硬化の熱硬化性 樹脂を硬化させることができ、 結合樹脂が熱可塑性樹脂の場合には、 そ の接着力を強化させ、 磁石の機械的強度を向上させることができる。
また、 本発明は、 希土類磁石粉末を熱可塑性樹脂よ りなる結合樹脂に よ り結合してなる希土類ボン ド磁石の製造方法であって、
前記希土類磁石粉末と前記結合樹脂とを含む組成物を前記結合樹脂が 軟化または溶融状態となる第 1 の温度で加圧成形する工程と、
少なく とも前記第 1 の温度未満である第 2の温度まで加圧状態で冷却 する工程とを有することを特徴とする希土類ボン ド磁石の製造方法であ る。
また、 本発明は、 希土類磁石粉末を熱可塑性樹脂よ りなる結合樹脂に よ り結合してなる希土類ポン ド磁石の製造方法であって、
前記希土類磁石粉末と前記結合樹脂とを含む組成物を前記結合樹脂の 熱変形温度以上の温度で混練する工程と、
前記混練された組成物を前記結合樹脂が軟化または溶融状態となる第 1 の温度で加圧成形する工程と、
少な く とも前記第 1 の温度未満である第 2の温度まで加圧状態で冷却
する工程とを有するこ とを特徴とする希土類ボン ド磁石の製造方法であ る。
これらの本発明によ り、 空孔率が低く、 成形性、 機械的特性、 磁気特 性、 寸法安定性に優れた希土類ポン ド磁石が提供される。 特に、 結合樹 脂が少量でも、 このような特性が得られる。
また、 前記第 2の温度は、 前記結合樹脂の融点または熱変形温度であ るのが好ま しい。
そ して、 前記第 1 の温度と前記第 2の温度との差が、 2 0 °C以上であ るのが好ま しい。
これらの構成によ り、 空孔率の低減および寸法精度の向上がよ り顕著 となる。
また、 前記加圧状態での冷却は、 前記加圧成形の際の加圧を解除する ことな く連続して行われるのが好ま しい。
そして、 前記加圧成形時の成形圧力に対し、 前記加圧状態での冷却時 の圧力が同等またはそれ以下であるのが好ま しい。
また、 前記加圧状態での冷却時の圧力は、 少な く とも前記結合樹脂の 融点まで一定に保持されているのが好ま しい。
これらの構成によ り、 加圧状態での冷却の利点がよ り有効に発揮され、 さらなる空孔率の低減および寸法精度の向上が図れる。
また、 前記加圧状態での冷却時の冷却速度は、 0 . 5 〜 1 0 0 °C /秒 であるのが好ま しい。
これによ り、 生産性を低下させることなく、 高い機械的強度および寸 法精度を維持するこ とができる。
また、 前記加圧成形時の成形圧力は、 6 0 kgi/mm1 以下であるのが好 ま しい。
このような低い成形圧力で成形することによ り、 成形金型や成形機へ
負担が軽減され、 製造が容易となる。
また、 本発明は、 希土類磁石粉末を結合樹脂によ り結合してなる希土 類ボン ド磁石を製造するための希土類ボン ド磁石用組成物であって、 希土類磁石粉末と結合樹脂との混合物または混練物よ りなる粒状体で あ り、 かつ、 その平均粒径が 0 . 0 1 ~ 2随であることを特徴とする希 土類ポン ド磁石用組成物である。
また、 本発明は、 希土類磁石粉末を結合樹脂によ り結合してなる希土 類ポンャ磁石を圧縮成形によ り製造するための希土類ボン ド磁石用組成 物であって、
希土類磁石粉末と結合樹脂との混合物または混練物よ りなる粒状体で あり、 かつ、 その最大粒径が成形金型のギャ ップの最小寸法以下である ことを特徴とする希土類ポン ド磁石用組成物である。
これらの希土類ボン ド磁石用組成物を用いることによ り、 空孔率が低 く、 成形性、 機械的特性、 磁気特性、 寸法安定性に優れた希土類ポン ド 磁石を容易に製造することができる。 特に、 結合樹脂が少量でも、 この ような特性が得られる。
また、 前記粒状体の最大粒径が 0 . 0 2 mm以上であるのが好ま しい。 これによ り、 空孔率の増大を抑制することができる。
また、 本発明は、 温間成形によ り製造された希土類ポン ド磁石であつ て、
成形時の軟化または溶融状態の熱可塑性樹脂を成形温度未満の温度ま で加圧状態で冷却し、 凝固した前記熱可塑性樹脂によ り希土類磁石粉末 を結合してな り、
かつ、 空孔率が 4 . 5 vo l %以下であることを特徴とする希土類ボン ド磁石である。
また、 本発明は、 温間成形によ り製造された希土類ボン ド磁石であつ
て、
成形時の軟化または溶融状態の熱可塑性樹脂をその熱変形温度以下ま たは融点以下の温度まで加圧状態で冷却し、 凝固した前記熱可塑性樹脂 によ り希土類磁石粉末を結合してな り、
かつ、 空孔率が 4 . 0 vo l %以下であることを特徴とする希土類ボン ド磁石である。
また、 本発明は、 造粒工程によ り得られた粒状体を用いて温問成形に よ り製造された希土類ボン ド磁石であって、
成形時の軟化または溶融状態の熱可塑性樹脂をその熱変形温度以下ま たは融点以下の温度まで加圧状態で冷却し、 凝固した前記熱可塑性樹脂 によ り希土類磁石粉末を結合してな り、
かつ、 空孔率が 4 . 0 vo l %以下であることを特徴とする希土類ボン ド磁石である。
これらの本発明によ り、 成形性、 機械的特性、 磁気特性、 寸法安定性 に優れた希土類ボン ド磁石が提供される。 特に、 結合樹脂が少量でも、 このような特性が得られる。
また、磁石中の前記希土類磁石粉末の含有量が 9 2 . 0〜 9 9 . 0 wt % であるのが好ま しい。
これによ り、 磁石中の結合樹脂の占める割合が少なくな り、 よ り高い 磁気特性が得られる。
また、 本発明の希土類ボン ド磁石は、 無磁場中で成形された場合の最 大磁気エネルギー積(BH )max が 6 MGOe以上であるのが好ま しい。
また、 本発明の希土類ボン ド磁石は、 磁場中で成形された場合の最大 磁気エネルギー積(BH )max が 1 2 MGOe以上であるのが好ま しい。
このような高い磁気特性を持つことによ り、 本発明の希土類ボン ド磁 石を例えばモータに用いた場合、 高性能なモ一夕を得ることができる。
発明を実施するための最良の形態
以下、 希土類ポン ド磁石の製造方法、 希土類ボン ド磁石用組成物およ び希土類ボン ド磁石について詳細に説明する。
本発明の希土類ボン ド磁石の製造方法は、 主に、 以下の工程を有して いる。
< 1 〉希土類ポン ド磁石用組成物の製造
まず、 希土類ポン ド磁石用組成物 (以下単に 「組成物 J と言う) を製 造する。 この組成物は、 主に、 希土類磁石粉末と、 結合樹脂 (バイ ンダ ―) とで構成される。 また、 好ま しく は酸化防止剤を含有し、 必要に応 じその他の添加剤が添加される。 これらの各構成成分は、 例えば、 ヘン シェルミキサー等の混合機や攪拌機を用いて混合され、 さ らに、 後述す るように混練されて混練物を得る。
以下、 これらの各構成成分について説明する。
1 . 希土類磁石粉末
希土類磁石粉末と しては、 希土類元素と遷移金属とを含む合金よ りな るものが好ま しく、 特に、 次の [ 1 ] 〜 [ 5 ] が好ま しい。
[ 1 ] S mを主とする希土類元素 Rと、 C oを主とする遷移金属とを 基本成分とするもの (以下、 R— C o系合金と言う) 。
[ 2 ] R (ただし、 Rは Yを含む希土類元素のうち少なく とも 1種) と、 F eを主とする遷移金属と、 Bとを基本成分とするもの (以下、 R 一 F e— B系合金と言う) 。
[ 3 ] S mを主とする希土類元素 Rと、 F e を主とする遷移金属と、 Nを主とする格子間元素とを基本成分とするもの (以下、 R— F e— N 系合金と言う) 。 [ 4 ] R (ただ し、 Rは Yを含む希土類元素のうち 少な く とも 1種) と F e等の遷移金属とを基本成分と し、 ナノ メ一夕一 レベルで磁性相を有するもの (以下、 「ナノ結晶磁石」 と言う) 。
[ 5 ] 前記 [ 1 ] 〜 [ 4 ] の組成のもののう ち、 少な く とも 2種を混 合したもの。 この場合、 混合する各磁石粉末の利点を併有することがで き、 よ り優れた磁気特性を容易に得ることができる。
R— C o系合金の代表的なものと しては、 S m C o ; 、 S m- Τ Μπ (た だし ΤΜは、 C oを主体とする遷移金属) が挙げられる。
R - F e— B系合金の代表的なものと しては、 N d— F e— B系合金、 P r— F e— B系合金、 N d— P r— F e— B系合金、 C e— N d— F e— B系合金、 C e— P r— N d— F e— B系合金、 これらにおける F eの一部を C o、 N i等の他の遷移金属で置換したもの等が挙げられる
R— F e— N系合金の代表的なものと しては、 S m, F e ,,合金を窒化 して作製した S m, F e ,,Ν■ が挙げられる。
磁石粉末における前記希土類元素と しては、 Y、 L a、 C e、 P r、 N d、 P m、 S m、 E u、 G d、 T b、 D y、 H o、 E r、 T m、 Y bゝ L u、 ミ ッシュメタルが挙げられ、 これらを 1種または 2種以上含むこ とができる。 また、 前記遷移金属と しては、 F e、 C o、 N i等が挙げ られ、 これらを 1種または 2種以上含むことができる。 また、 磁気特性 を向上させるために、 磁石粉末中には、 必要に応じ、 B、 A 1、 M o、 C u、 G a、 S i、 T i、 T a、 Z r、 H f 、 A g、 Z n等を含右する こともできる。
また、 磁石粉末の平均粒径は、 特に限定されないが、 0. 5〜 1 0 0 〃m 程度が好ま し く、 l〜 5 0〃m 程度がよ り好ま しい。 なお、 磁石粉 末等の粒径は、 例えば、 F.S.S.S. ( Fischer Sub-Sieve Sizer) 法によ り測定することができる。
また、 磁石粉末の粒径分布は、 均一でも、 ある程度分散されていても (バラツキがある) よいが、 後述するような少量の結合樹脂で成形時の 良好な成形性を得るために、 後者の方が好ま しい。 これによ り、 得られ
たポン ド磁石の空孔率をよ り低減することもできる。 なお、 前記 [ 5 ] の場合、 混合する磁石粉末の組成毎に、 その平均粒径が異なっていても よい。
磁石粉末の製造方法は、 特に限定されず、 例えば、 溶解 * 錶造によ り 合金イ ンゴッ ト を作製し、この合金イ ンゴッ トを適度な粒度に粉碎し(さ らに分級し) て得られたもの、 アモルフ ァス合金を製造するのに用いる 急冷薄帯製造装置で、 リボン状の急冷薄片 (微細な多結晶が集合) を製 造し、 ^の薄片 (薄帯) を適度な粒度に粉砕し (さらに分級し) て得ら れたもの等、 いずれでもよい。
以上のような磁石粉末の組成物中での含有量は、 9 0〜 9 9 wt%程度 であるのが好ま しく、 9 2〜 9 9 wt%程度であるのがよ り好ま し く、 9 5〜 9 9 wt%程度であるのがよ り好ま しい。 磁石粉末の含有量が少な過 ぎると、 磁気特性 (特に最大磁気エネルギー積) の向上が図れず、 また、 寸法精度が低下する傾向を示す。 また、 磁石粉末の含有量が多過ぎると、 相対的に結合樹脂の含有量が少なくな り、 成形性が低下する。
2 . 結合樹脂 (バイ ンダ一)
結合樹脂 (バイ ンダー) と しては、 熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂 が用いられる。 結合樹脂と して熱可塑性樹脂を用いた場合には、 熱硬化 性樹脂を用いた場合に比べ、 低空孔率の磁石を得る上で有利であるが、 本発明では、 後述する成形時の温度条件、 冷却条件と相まって、 よ り低 い空孔率を実現することができる。
熱可塑性樹脂と しては、 例えば、 ポリア ミ ド樹脂 (例 : ナイ ロ ン 6、 ナイ ロ ン 4 6、 ナイ ロ ン 6 6、 ナイ ロ ン 6 1 0、 ナイ ロ ン 6 1 2、 ナイ ロ ン 1 1、 ナイ ロ ン 1 2、 ナイ ロ ン 6 — 1 2、 ナイ ロ ン 6 — 6 6 ) 、 熱 可塑性ポリ イ ミ ド樹脂、 芳香族ポ リ エステル系樹脂等の液晶ポリマー、 ポリ フ エ二レ ンォキシ ド樹脂、 ポリ フ エ二レ ンサルフ ァ イ ド樹脂、 ポリ
エチレ ン樹脂、 ポリ プロ ピレン樹脂、 エチ レ ン一酢酸ビニル共重合体等 のポリオレフ イ ン樹脂、 変性ポリオレ フ イ ン樹脂、 ポリエーテル樹脂、 ポリアセ夕一ル樹脂等、 またはこれらを主とする共重合体、 ブレ ン ド体、 ポリマーァロイ等が挙げられ、 これらのう ちの 1種または 2種以上を混 合して用いることができる。
これらのうちでも、 成形性に優れ、 また機械的強度が強いことから、 ポリアミ ド樹脂またはその共重合体、 耐熱性向上の点から、 液晶ポリマ 一、 ポリ フ エ二レンサルフアイ ド樹脂を主とするもの、 成形の容易性や 低コス トの点で、 ポリオレフ イ ンを主とするものが好ま しい。 また、 こ れらの熱可塑性樹脂は、 磁石粉末との混練性にも優れている。
用いられる熱可塑性樹脂は、 融点が 1 2 0 °C以上のものであるのが好 ま しく、 1 2 2 °C〜 4 0 0 °Cのものであるのがよ り好ま しく、 1 2 5 °C 〜 3 5 0 °Cのものであるのがさらに好ま しい。 融点が前記下限値未満の ものであると、 磁石成形体の耐熱性が低下し、 十分な温度特性 (磁気的 または機械的) を確保することが困難となる。 また、 融点が前記上限値 を超えるものであると、 成形時の温度が上昇し、 磁石粉末等の酸化が生 じ易く なる。
また、 成形性をよ り向上させるために、 用いられる熱可塑性樹脂の平 均分子量 (重合度) は、 1 0 0 0 0〜 6 0 0 0 0程度であるのが好ま し く、 1 2 0 0 0〜 3 5 0 0 0程度であるのがよ り好ま しい。
熱硬化性樹脂と しては、 例えば、 エポキシ樹脂、 フ ヱノール樹脂、 ュ リ ァ樹脂、 メ ラ ミ ン樹脂、 ポ リ エステル (不飽和ポ リ エステル) 樹脂、 ポリエーテル (例 : ポリエーテル二 ト リ ル) 樹脂、 ポリ ウ レ タ ン樹脂等 が挙げられ、 これらのうちの 1種または 2種以上を混合して用いること ができる。
これらのうちでも、 成形性の向上がよ り顕著であ り、 また機械的強度
が強く、 耐熱性に優れるという点から、 エポキシ樹脂、 フ エノール樹脂 が好ま し く、 エポキシ樹脂が特に好ま しい。 また、 これらの熱硬化性樹 脂は、 磁石粉末との混練性にも優れている。
なお、 熱硬化性樹脂は、 未硬化の状態で添加されるが、 その形態は、 室温で固形 (粉末状) 、 液状、 半液状のいずれのものでもよい。
以上のような結合樹脂の組成物中での含有量は、 1 〜 1 0 wt %程度で あるのが好ま し く、 1 〜 8 wt %程度であるのがよ り好ま し く、 1 〜 5 wt % 程度であるのがさらに好ま しい。 結合樹脂の含有量が多過ぎると、 磁気 特性 (特に最大磁気エネルギー積) の向上が図れず、 また、 寸法精度が 低下する傾向を示す。 また、 結合樹脂の含有量が少な過ぎると、 成形性 が低下する。
3 . 酸化防止剤
酸化防止剤は、 組成物の製造の際等に、 希土類磁石粉末の酸化劣化や 結合樹脂の酸化による変質 (希土類磁石粉末の金属成分が触媒として働 く ことによ り生じる) を防止するために該組成物中に添加される添加剤 である。 この酸化防止剤の添加は、 希土類磁石粉末の酸化を防止し、 磁 石の磁気特性の向上を図るのに寄与するとともに、 組成物の混練時、 成 形時における熱的安定性の向上に寄与し、 少ない結合樹脂量で良好な成 形性を確保する上で重要な役割を果た している。
この酸化防止剤は、 混練時や磁石への成形時等において揮発した り、 変質した りするので、 製造された希土類ポン ド磁石中には、 その一部が 残留した状態で存在する。
酸化防止剤と しては、 希土類磁石粉末等の酸化を防止または抑制し得 るものであればいかなるものでもよく、 例えば、 ア ミ ン系化合物、 アミ ノ酸系化合物、 ニ ト ロカルボン酸類、 ヒ ドラジン化合物、 シアン化合物、 硫化物等の、 金属イオン、 特に F e成分に対しキレー ト化合物を生成す
るキレー ト化剤が好適に使用される。 なお、 酸化防止剤の種類、 組成等 については、 これらのものに限定されないことは言うまでもない。
このよ うな酸化防止剤を添加する場合、 組成物中の酸化防止剤の含 量は、 0 . 1 〜 2 wt %程度とするのが好ま し く、 0 . 5 〜 ; L . 5 w t %程 度とするのがよ り好ま しい。 この場合、 酸化防止剤の含有量は、 結合樹 脂の含有量に対し 2 〜 1 5 0 %程度であるのが好ま し く、 3 0 〜 1 0 0 %程度であるのがよ り好ま しい。
なお、 本発明では、 酸化防止剤の添加量は、 磁石粉末と結合樹脂の比 率に応じて磁石粉末の酸化や樹脂成分の酸化による変質の度合が决めら れるので、 前記範囲の下限値以下であってもよ く、 また、 無添加であつ てもよいことは、 言うまでもない。
前記結合樹脂と酸化防止剤との添加量は、 例えば、 次のようなことに 留意して決定される。
すなわち、 結合樹脂が少ないときには、 相対的に磁石粉末量が増加し て、 混練の際の混練物の粘度が高く な り、 混練 トルクが増大し、 発熱に よ り樹脂の酸化が促進される傾向となる。 この時、 酸化防止剤量が少な いと、 樹脂の酸化を十分に抑制することができな くな り、 混練物 (樹脂 溶融物) の粘度上昇が生じて混練性、 成形性が低下し、 低空孔率、 高機 械的強度で寸法安定性に優れた磁石が得られない。 また、 酸化防止剤量 が多いと、 相対的に樹脂量が減少し、 成形体の機械的強度が低下する傾 向を示す。
一方、 結合樹脂が多いときには、 相対的に磁石粉末量が減少して、 磁 石粉末の樹脂に対する影響が低下して樹脂の酸化が起こ りに く く なる。 そのため、 酸化防止剤が少な くても樹脂の酸化を抑制するこ とが可能と なる。
このように、 結合樹脂の含有量が比較的多ければ、 酸化防止剤の含有
量を少な く することができ、 逆に、 結合樹脂の含有量が少なければ、 酸 化防止剤の含有量を多く する必要がある。
従って、 組成物中の結合樹脂と酸化防止剤との合計含有量は、 1 . 0 〜 8 . O wt%であるのが好ま し く、 2 . 0〜 6 . 0 ¾^%であるのがよ り 好ま しい。 このような範囲とすることにより、 成形時における成形性、 磁石粉末等の酸化防止効果の向上に寄与し、 低空孔率、 高機械的強度、 高磁気特性の磁石を得るのに有利となる。
4 . ぞの他の添加剤
また、 組成物中には、 必要に応じ、 例えば、 可塑剤 (例えば、 ステア リ ン酸亜鉛等の脂肪酸塩、 ォレイ ン酸等の脂肪酸) 、 潤滑剤 (例えば、 シリ コーンオイル、 各種ワ ックス、 脂肪酸、 アルミナ、 シリ カ、 チタ二 ァ等の各種無機潤滑剤) 、 硬化剤、 硬化促進剤、 その他成形助剤等の各 種添加剤が添加されていてもよい。
可塑剤の添加は、 成形時の流動性を向上させるので、 よ り少ない結合 樹脂の添加量で同様の特性を得ることができ、 また、 よ り低い成形圧で 加圧成形することを可能とする。 潤滑剤の添加についても同様である。 可塑剤の添加量は、 0 · 0 1 〜 0. 2 wt%程度であるのが好ま し く、 潤 滑剤の添加量は、 0. 0 5〜 0 . 5 wt%程度であるのが好ま しい。
以上のような希土類磁石粉末と、 結合樹脂と、 好ま しくは酸化防止剤 と、 必要に応じその他の添加剤とを混合し、 該混合物を磁石成形用の組 成物とする。 この場合、 混合は、 例えば、 ヘンシェルミキサー等の混合 機や攪拌機を用いて行われる。
好ま し くは、 さ らに前記混合物を混練して混練物を製造し、 これを磁 石成形用の組成物とする。 この場合、 混練は、 例えば 2軸押出混練機、 ロール式混練機、 二一ダ一等の混練機を用いて行われる。
この混練は、 常温下で行われてもよいが、 好ま し く は用いる結合樹脂
の熱変形温度 (ASTM D648 による方法で測定) 以上または軟化温度以上 の温度、 よ り好ま し く は用いる結合樹脂の融点以上の温度で行われる。 例えば、 結合樹脂と してポリ アミ ド樹脂 (熱変形温度 1 4 5 °C、 融点 1 7 8 °C ) を用いた場合には、 特に好ま しい混練温度は、 1 5 0 〜 2 8 0 °C程度であ り、 結合樹脂と してフエノールノボラ ック型エポキシ樹脂 (軟化温度 8 0 °C ) を用いた場合には、 特に好ま しい混練温度は、 8 0 〜 1 5 0 °C程度である。
また、 混練時間は、 結合樹脂の種類や、 混練機や混練温度等の諸条件 によ り異なるが、 通常は、 3 〜 1 2 0分程度が好ま し く、 5 〜 4 0分程 度がよ り好ま しい。
また、 この混練は、 希土類磁石粉末の表面が溶融または軟化した結合 樹脂成分によ り覆われた状態となるように、 十分に行われる。 前記混練 温度で混練した場合、 このような状態を得るための混練時間は、 結合樹 脂の種類や使用する混練機、 混練温度等の諸条件によ り異なるが、 通常 5 〜 9 0分程度とするのが好ま し く、 5 〜 6 0分程度とするのがよ り好 ま しい。
このような条件で混練することによ り、 混練の効率が向上し、 常温で 混練する場合に比べてよ り短時間で均一に混練することができるととも に、 結合樹脂の粘度が下がった状態で混練されるので、 希土類磁石粉末 の周囲を結合樹脂が均一に覆った状態とな り、 組成物中の空孔率の減少、 すなわち製造された磁石中の空孔率の減少に寄与する。
なお、 結合樹脂と して、 n種類の熱可塑性樹脂を混合して用いる場合、 前記 「用いる結合樹脂の熱変形温度 (または融点) 」 は、 例えば、 次の ように して換算することができる。
熱可塑性樹脂の合計を 1 重量部と したときの各熱可塑性樹脂の量をそ れそれ Α , 、 Α : · ' · Α η 重量部、 各熱可塑性樹脂の熱変形温度 (ま
たは融点) をそれそれ T , 、 Τ: · · - Τ η と したとき、 用いる熱可塑 性樹脂の熱変形温度 (または融点) は、 A , Τ + A , Τ : + · · . A n T n で表される。 なお、 この換算は、 以下の工程において、 η種類の熱 可塑性樹脂を混合して用いる場合にも同様とする。
< 2 >粒状体の製造
前記 < 1 >で製造された混合物または混練物を造粒または整粒し、 所 定の粒径の粒状体を製造する。
造粒または整粒の方法は、 特に限定されないが、 混練物等を粉砕する ことによ りなされるのが好ま しい。 この粉砕は、 例えば、 ボールミル、 振動ミル、 ¾ί砕機、 ジェ ッ ト ミル、 ビンミル等を用いて行われる。
また、 例えば押出式造粒機のような造粒機を用いて行う こともでき、 さらには、 造粒機による造粒と、 前記粉砕とを組み合わせて行うことも できる。
また、 粒状体の粒径の調整は、 篩い等を用いて分級することによ り行 うことができる。
次に、 この粒状体の好適な寸法について述べる。
粒状体としては、 その最大粒径が成形金型のギャ ップ (粒状体を充填 する空間) の最小寸法以下であるのが好ま しく、 また、 その最大粒径が 0 . 0 2 mm以上、 特に 0 . 0 5 mm以上であるのが好ま しい。 粒状体の最 大粒径が成形金型のギヤ ッ プの最小寸法を超えると、 粒状体を金型に充 填する際に、 そのままでは充填が困難となるかまたは充填量の調整がし 難く な り、 ポン ド磁石の寸法精度の向上にとって不利となる。 一方、 粒 状体の最大粒径が小さ過ぎると、 得られたポン ド磁石の空孔率が上昇す る傾向を示す。
粒状体と しては、 その平均粒径が 0 . 0 1 〜 2 mm程度であるのが好ま しく 、 0 . 0 2 〜 2 mm程度であるのがよ り好ま しく 、 0 . 0 5 〜 2 mm程
度であるのがさらに好ま しい。 粒状体の平均粒径が 2 mmを超えると、 特 に成形される磁石の寸法が小さい場合、 すなわち成形金型のギヤ ップの 寸法が小さい場合に、 粒状体の金型への充填量を微妙に調整するこ とが 困難とな り、 定量性が劣るので、 ボン ド磁石の寸法精度の向上が図れな い。 一方、 平均粒径 0 . 0 1 mm未満の粒状体は、 製造 (造粒) が困難か または手間がかかる場合があ り、 また、 平均粒径が小さ過ぎると、 得ら れたボン ド磁石の空孔率が上昇する傾向を示す。
このような粒状体は、 粒径にある程度のバラツキがあるものでもよい が、 粒径ができるだけ均一なものが好ま しい。 これによ り、 金型への充 填密度が増大し、 低空孔率で寸法精度の高いポン ド磁石が得られる。 なお、 ここで言う粒状体は、 粒径の大きいペレ ッ ト (塊状物) とは区 別される。
く 3 >加圧成形
希土類ボン ド磁石用組成物、 特に前記く 2 〉で得られた粒状体を用い て加圧成形を行う。 以下、 代表的に圧縮成形について説明する。
まず、 例えばすり切り法のような体積測定や重量測定 (秤量) によ り 希土類ポン ド磁石用組成物である粒状体を一定量秤量し、 圧縮成形機の 金型内 (ギャ ップ) に充填する。
次に、 このようにして金型内に充填された粒状体を磁場中 (配向磁場 が例えば 5 〜 2 0 k0e 、 配向方向は、 縦、 横、 ラジアル.方向のいずれも 可) または無磁場中で圧縮成形する。
この圧縮成形は、 冷間成形 (常温付近での成形) 、 低温温間成形 (結 合樹脂の軟化温度未満の温度で加温された状態での成形) 、 温問成形の いずれでもよいが、 温間成形で行われるのが好ま しい。 すなわち、 成形 金型に対し加熱等の処理を行う ことによ り、 成形時の材料温度を、 用い る結合樹脂、 特に熱可塑性樹脂が軟化または溶融状態となる所定の温度
(第 1 の温度) とする。
この第 1 の温度は、 用いる結合樹脂の熱変形温度以上または軟化温度 以上の温度とされる。 さらには、 用いる結合樹脂が熱可塑性樹脂の場合、 その融点以上の温度とされるのが好ま し く、 融点から (融点 + 2 0 0 ) °C 程度までの範囲の所定の温度とされるのがよ り好ま し く 、 融点から (融 点 + 1 3 0 ) °C程度までの範囲の所定の温度とされるのがさ らに好ま し い。
例えば、 用いる熱可塑性樹脂がポリアミ ド (融点 : 1 7 8 °C ) である 場合、 成形時における特に好ま しい材料温度 (第 1 の温度) は、 1 8 0 〜 3 0 0 °C程度とされ、 また、 用いる熱硬化性樹脂がフ エ ノールノボラ ック型エポキシ樹脂 (軟化温度 : 8 0 °C ) の場合、 特に好ま しい第 1 の 温度は、 8 0〜 2 8 0 °C程度とされる。
このような温度で成形することによ り、 金型内での成形材料の流動性 が向上し、 円柱状、 ブロ ック状のものは勿論のこと、 円筒状(リ ング状) 、 平板状、 湾曲板状等の薄肉部を有する形状のもの、 小型のもの、 長尺な ものでも、 低空孔率で、 機械的強度が高く、 良好かつ安定した形状、 寸 法のものを量産することができる。
圧縮成形における成形圧力は、 好ま し く は 6 0 kgf /mm' 以下、 よ り好 ま し く は 2 〜 5 0 kgf /mm' 程度、 さ らに好ま し くは 5 〜 4 0 kgf /mm' 程 度とされる。 本発明では、 前述したような第 1 の温度で成形を行うため、 このような比較的低い成形圧力でも、 前述したような長所を持つボン ド 磁石を成形 (賦形) することができる。
このような低い成形圧力で成形できるという ことは、 成形金型や成形 機への負担が軽減され、 成形金型等を大型化した り成形機のパワーを大 き く した りすることが防止され、 またそれらの寿命も長く なるので、 製 造上有利となる。
なお、 冷間成形の場合、 圧縮成形における成形圧力は、 好ま し く は 2 0〜 : I 0 0 kgf /mm' 程度、 よ り好ま し くは 3 0〜 7 0 kgf /mm: 程度とさ れる。
< 4 >冷却
温間成形によ り加圧成形した場合、 その後、 成形体を冷却する。 この 冷却は、 少なく とも前記第 1 の温度未満である所定の温度(第 2の温度) まで加圧状態で行うのが好ま しい。 以下、 これを 「加圧下冷却」 と言う このような加圧下冷却を行う ことによ り、 成形時の低空孔率な状態が そのまま維持されるので、 低空孔率で寸法精度が高く、 磁気特性に優れ る希土類ボン ド磁石が得られる。
第 2の温度 (除圧温度) は、 得られたポン ド磁石の空孔率の低减およ び寸法精度の向上にとって、 できるだけ低い温度であるのが好ま し く、 本発明では、 用いる結合樹脂 (特に熱可塑性樹脂) の融点またはそれ以 下の温度であるのが好ま し く、 用いる結合樹脂の熱変形温度 (軟化点) またはそれ以下の温度であるのがよ り好ま しい。
また、 前記第 1 の温度と第 2の温度との差は、 2 0 °C以上であるのが 好ま し く、 5 0 °C以上であるのがよ り好ま しい。 この温度差が大きい程、 空孔率の低減および寸法精度の向上の効果が大きい。
なお、 組成物中の磁石粉末の含有量が比較的多い場合には、 第 2の温 度をよ り高く設定しても低空孔率のポン ド磁石を得易い。 従って、 例え ば、 混練物中の磁石粉末の含有量が例えば 9 4 wt %以上の場合には、 第 2の温度を、用いる結合樹脂の融点付近の温度または融点以上の温度(〜 融点 + 1 0 °C程度) と しても、 空孔率を低く ( 4 . 5 %以下または 4 . 0 %以下) することができる。
また、 加圧下冷却は、 加圧成形時の加圧を一旦解除または緩和した後、 行ってもよいが、 加圧成形時の加圧を解除することなく連続して行われ
るのが、 工程の簡素化および寸法精度の向上等のために好ま しい。
また、 加圧下冷却の際の圧力は、 一定でも変化してもよいが、 少な く とも前記第 1 の温度と前記第 2の温度との間の温度まで一定に保持され ていること、 特に、 少なく とも用いる結合樹脂の融点 (特に熱変形温度) までは一定に保持されていること好ま しい。 これによ り、 空孔率の低減 および寸法精度の向上の効果がよ り顕著に発揮される。
なお、 加圧下冷却の際の圧力が変化する場合、 例えば、 圧力が連続的 または段階的に増加または減少するようなパターンを含んでいてもよい また、 加圧下冷却の際の圧力 (該圧力が経時変化する場合にはその平 均圧力) は、 ^加圧成形時の成形圧力と同等またはそれ以下であるのが好 ま しく、 少なく とも用いる結合樹脂の融点までは加圧成形時の成形圧力 と同等であるのがよ り好ま しい。 用いる結合樹脂の融点から熱変形温度 までの間も加任下で冷却する場合は、 その間の圧力は、 加圧成形時の成 形圧力の 4 0 〜 1 0 0 %程度とするのが好ま し く、 5 0 〜 8 0 %程度と するのがよ り好ま しい。 これによ り、 空孔率の低減および寸法精度の向 上の効果がよ り顕著に発揮される。
なお、 本発明では、 加圧下冷却の後 (除圧後) に、 非加圧下 (常圧下) で冷却を続行してもよいこ とは、 言う までもない。 また、 一旦非加圧下 冷却を行い、 これに続いてまたは後述する熱処理工程を介して、 再度加 圧下冷却を行ってもよい。
加圧下冷却の際の冷却速度 (冷却速度が絰時変化する場合にはその平 均値) は、 特に限定されないが、 0 . 5 〜 1 0 0 °C /秒であるのが好ま しく、 1 ~ 8 0 °C /秒であるのがよ り好ま しい。 冷却速度が速過ぎると、 冷却に伴う急速な収縮によ り、 成形体内部に微細なクラ ックが発生し、 機械的強度の低下を招くおそれがあ り、 また、 冷却によ り内部応力が增 大し、 金型からの除材時に応力緩和によるひずみや変形が生じて、 寸法
精度が低下することがある。 一方、 冷却速度が遅過ぎると、 成形のサイ クルタイ ムが増加し、 ^産性が低下する。
また、 除圧後にも冷却を続行する場合、 その冷却速度は特に限定され ず、 前記と同様の冷却速度とすることができる。
なお、 加圧下冷却の際および除圧後の冷却の際の冷却速度は、 それそ れ、 一定でも変化してもよい。
なお、 本工程において、 冷却の方法は、 例えば自然空冷、 強制空冷、 水冷、 油冷、 水冷と空冷の組み合わせ等、 いかなる方法を採用してもよ い o
< 5 >熱処理
前記 < 3 >において、 冷間成形を行った場合、 前記 < 4 >の冷却は行 わない。 この場合、 必要に応じ、 得られた成形体に対し、 熱処理 (焼成) を施す。 また、 この熱処理は、 温間成形、 低温温間成形の後、 あるいは それに続く冷却の後に行ってもよい。
この熱処理の第 1 の目的は、 結合樹脂が熱硬化性樹脂である場合に、 それを熱硬化させることであ り、 第 2の目的は、 結合樹脂を軟化または 溶融させ、 結合樹脂による接着力を強化させて機械的強度を向上するこ とにある。
第 1の目的のための熱処理は、 結合樹脂をその硬化温度以上の温度に 加熱し、 その加熱時間は、 例えば 3 0分〜 4時間程度と比較的長い。 第 2の目的のための熱処理は、 成形が冷間成形のときは勿論のこと、 前記温間成形や低温温問成形のときでも行う ことができ、 その効果が発 揮される。 この場合の熱処理は、 結合樹脂をその軟化点以上の温度、 好 ま し く は融点以上の温度に加熱し、 その加熱時間は、 例えば 1 〜 3 0分 程度と比較的短くてよい。
本工程の熱処理は、 前記 < 3 >の工程と重複して、 または前記 < 3 >
の工程に続いて行うこ とができ、 また、 前記 < 4 >の工程に続いて行つ てもよい。
なお、 熱処理は、 前記第 1 および第 2の目的以外の目的でなされても よいことは、 言うまでもない。
以上のように して製造された本発明の希土類ポン ド磁石は、 次のよう な優れた特性を有する。 すなわち、 空孔率が低く、 好ま し くは 4 . 5 V o l %以下、 よ り好ま し くは 4 . 0 vo l %以下、 さ らに好ま し くは 3 . 0 vo l %以下とすることができる。 このように、 空孔率が低い (=密度が高 い) ので、 機械的強度が高く、 耐食性に優れ、 また、 寸法精度が高く、 量産した場合にも寸法のバラツキが少なく、 寸法安定性に優れている。
さらに、 磁気特性に優れてお り、 特に、 磁石粉末の組成、 磁石粉末の 含有量の多さ等から、 等方性磁石であっても、 優れた磁気特性を有する。 本発明の希土類ボン ド磁石は、 磁石中での希土類磁石粉末の含有量が、 9 2 〜 9 9 wt %程度であるのが好ま し く、 9 4〜 9 9 wt %程度であるの がよ り好ま し く、 9 6 ~ 9 9 wt %程度であるのがよ り好ま しい。 磁石粉 末の含有量が少な過きると、 磁気特性 (特に最大磁気エネルギー積) の 向上が図れず、 また、 寸法精度が低下する傾向を示す。 また、 磁石粉末 の含有量が多過ぎると、 相対的に結合樹脂の含有量が少な く な り、 成形 性が低下する。
無磁場中で成形された希土類ボン ド磁石の場合、 最大磁気エネルギー 積(BH )max が好ま し く は 6 MGOe以上、 よ り好ま し くは 8 MGOe以上であ り、 磁場中で成形された希土類ボン ド磁石の場合、 最大磁気エネルギー積(B H )ma が 1 2 MGOe以上、 よ り好ま し く は 1 3 MGOe以上である。 このよう な高磁気特性を持ち、 しかも、 寸法精度が高い希土類ボン ド磁石は、 例 えばモー夕に利用した場合に、 高い性能を発揮する。
なお、 本発明によ り得られた希土類ボン ド磁石の形状、 寸法等は特に
限定されず、 例えば、 形状に関しては、 例えば、 円柱状、 角柱状、 円筒 状、 円弧状 (かわら状) 、 平板状、 湾曲板状等のあらゆる形状のものが 可能であ り、 その大きさも、 大型のものから超小型のものまであらゆる 大きさのものが可能である。 また、 希土類ボン ド磁石の用途も特に限定 されない。
以下、 本発明の具体的実施例について説明する。
(実施例 1 )
下記の磁石粉末と結合樹脂 (熱可塑性樹脂) と添加剤とを混合し、 該 混合物を混練し、 該混練物を造粒 (整粒) して粒状物を得、 該粒状物を 成形機の金型内に充填して無磁場中で圧縮成形 (温間成形) し、 成形時 の加圧状態を同圧で維持しつつ冷却して、 結合樹脂の固化によ り磁石粉 末同士が結合された希土類ポン ド磁石 (サンブル No. l a〜 9 a) を製 造した。 なお、 各物質の含有量は、 いずれも混練物中の量を示す。
- 構成
N d— F e— B系磁石粉末 : N d n.,F e ,'.,C o ,., Bに, 、
9 6. 0 wt% (磁石中の量もほぼ同値) 熱可塑性樹脂 : 表 1 中に記載の A〜G、 各々 2. 8 wt%
酸化防止剤 : ヒ ドラジン系酸化防止剤、 1 . 2 wt%
混合 : ヘンシェルミキサーを用いて混合。
混練 : 2軸押出混練機によ り混練。 混練温度は表 2参照。
スク リユー回転数 1 0 0〜 3 0 0 rpm 。 混練時間 (装置内 滞留時間) 5〜 1 5分
造粒 (整粒) : 混練物を粉砕と分級によ り平均粒径 0. 8 mmの粒 に調整。
成形 : 粒状物を室温で金型に投入し、 所定の成形温度 (第 1の温 度) に加熱したところで加圧成形した。
成形温度、 成形圧力は表 2を参照。
冷却 : 加圧状態を維持しつつ除圧温度 (第 2の温度) まで冷却し、 除圧後さらに常温まで冷却して、 サンプルを取り出した。 冷却力法は空冷とした。 除圧温度は表 2参照。
加圧下冷却での冷却速度は 1 °C /秒。
成形品形状 : 円筒形状 (外径 3 0 mm x内径 ø 2 8 mm x高さ 7 mm ) 平板形状 ( 2 0隱角 X厚さ 3 mm ) (機械的強度測定用) なお、 表 1 中の熱変形温度は、 下記の ASTM D648 による方法で測定し た。
ASTM D648 : 試験片の両端を油浴中で支え、 中央の荷重棒を通じて
4 . 6 kgf /cm' の曲げ応力をかけ、 油温を 2 aC /分で昇温 し、 撓みが 0 . 2 5 4 mmに達した温度を測定。
得られた希土類ポン ド磁石について、 磁気性能 (磁束密度 B r、 保磁力 i He 、 最大磁気エネルギー積(BH )max ) 、 密度、 空孔率、 機械的強度、 耐 食性を調べたところ、 下記表 3に示す通りであった。
なお、 表 3 中の各測定項目の評価は、 以下の方法に従った。
磁気性能 : 4 0 kOe でパルス着磁した後、 最大印加磁場 2 5 kOe で直流磁気測定機によ り測定。 または、 成形サンブルから
5 mm角 X厚さ 1 mmの磁石片を切り出した後、 試料振動型磁 力計 ( V S M ) で測定。
密度 : アルキメデス法 (水中法) によ り測定。
空孔率 : 秤量組成と成形体の密度の測定値から算出。
機械的強度 : 打ち抜きせん断試験によ り測定。 試験機は (株) 島 津製作所製オー ト グラ フを用い、 円形ポンチ (外径 3 mm ) によ り剪断速度 1 · 0 mm/mi nで行った。
試料には平板形状の磁石を使用。
耐食性 : 温度 8 0 °C、 湿度 9 0 %の恒温恒湿槽に、 成形された磁 石を投入し、 磁石表面に鐫が発生するまでの時間を測定。 表面観察は 5 0時間毎に槽から取り出して光学顕微鏡 ( X 1 0倍) で親察。 5 0 0時間後は、 5 0 0時問おきに観察 '仃つた。
表 3から明らかなように、 熱可塑性樹脂を結合樹脂と して用いた本発 明による希土類ボン ド磁石 (サンプル No . 1 a〜 9 a ) は、 いずれも、 低い成形圧力であるにもかかわらず、 空孔率が 1 %以下と低く、 ほぼ理 論密度通りの高密度のポン ド磁石が得られ、 この結果、 非常に機械的強 度の高い磁石を得ることができた。
また、 磁石表面にコーティ ングを施さない状態でも、 十分な耐食性を 有していた。 この理由は、 空孔が少ないことによ り、 結合樹脂が磁石粉 末表面を均一に覆っているためであると推定される。
サンブル No . 1 a ~ 9 aの各磁石について、 その切断面の電子顕微鏡 写真 ( S E M ) を撮影し、 観察を行ったところ、 空孔はほとんど観察さ れず、 磁石粉末の周辺に結合樹脂成分が均一に分散しているのが確認さ れた。
さらに、 磁束密度 Br、 保磁力 iHc 最大磁気エネルギー積(BH )max が高 く、 優れた磁気特性であることがわかる。
(実施例 2 )
下記の磁石粉末と結合樹脂 (熱硬化性樹脂) とを混合し、 該混合物を 混練し、 該混練物を造粒 (整粒) して粒状物を得、 該粒状物を成形機の 金型内に室温で充填して無磁場中で圧縮成形(冷問成形または温間成形) し、 その後、 結合樹脂を硬化させて、 希土類ポン ド磁石 (サンプル No . 1 O a〜 l 5 a ) を製造した。 なお、 各物質の含有量は、 いずれも混練 物中の量を示す。
構成
N d— F e— B系磁石粉末 : N d , F e ', ,C o , , B s ,
9 6 . 0 wt% (磁石中の量もほぼ同値) 熱硬化性樹脂 : 表 4 中に記載のもの、 4 . 0 wt% (硬化剤を含む) 混合 : 室温で固体の樹脂を用いた場合は、 V型混合機で混合。
室温で液状の樹脂を用いた場合は、 攪拌機で混合。
混練 : ニーダ一を用いて混練。 混練温度は表 5を参照。
一 二一ダ一回転数 5 0 2 5 0 rpm 。 混練時間 3 0分。
造粒 (整粒) : 混練物を粉砕と分級によ り平均粒径 0 . 8 mm以下 の粒に調整。
成形 : 粒状物を室温で金型に投入し、 所定の成形温度で加圧成形 した。
成形温度、 成形圧力は表 5 を参照。
冷却 : 除圧温度まで冷却し、 除圧後さらに常温まで冷却して (サ ンブル No. 1 0 a 1 1 aを除く ) 、 サンブルを取り出し た。
冷却方法は空冷と した。 除圧温度は表 5参照。
冷却速度は 2。C /秒。
熱処理 :仮成形品を恒温槽に入れ、 熱硬化性樹脂の硬化を行った。
硬化条件は表 4 を参照。
成形品形状:円筒形状(外径 ø 3 0 mm X内径 ø 2 8 mm x高さ 7 mm) 苹板形状 ( 1 0 mm角 X厚さ 3 mm) (機械的強度測定用) 表面処理 : 耐食性試験用サン プルについては、 成形体表面にスブ レー塗装によ り、 エポキシ樹脂を厚さ約 1 0 〃m でコー ティ ングし、 皮膜を形成した。
得られた希土類ポン ド磁石について、 磁気性能 (最大磁気エネルギー
積(BH ) max ) 、 密度、 空孔率、 機械的強度、 耐食性を調べたところ、 下 記表 6 に示す通りであった。 なお、 各項目の評価方法は、 実施例 1 と同 様である。
サンブル No . 1 0 a〜 1 5 aの各磁石について、 その切断面の電子顕 微鏡写真 ( S E M ) を撮影し、 観察を行ったところ、 特に磁石の中央部 に空孔が多く見られるものの磁石粉末の周辺に結合樹脂成分が均一に分 散しているのが確認された。
表 5、 表 6から明らかなように、 結合樹脂として熱硬化性樹脂を用い た本発明による希土類ボン ド磁石 (特にサンブル No . 1 0 a〜 1 5 a ) は、 熱可塑性樹脂の成形に比べ高圧成形が必要にな り、 また空孔率もそ れに比べて多くなる傾向は示すものの 5〜 6 %程度となり低めの値とな る。
特に、 耐食性試験においては、 表面処理は必要になるものの、 その処 理は軽度のもの (薄い皮膜) でよ く、 しかも、 そのような軽度な表面処 理であっても、 耐食性は非常に良好な結果を示す。 これは空孔率の低減 によるとともに、 前記 S E M観察結果から明らかなように、 磁石粉末の 周辺に結合樹脂が均一に分散していることによ り、 コ一ティ ング皮膜が 均一に磁石表面に被覆され、 またその密着性を向上させることが可能と なるためである。 そ して、 表面処理が軽度でよいことから、 磁石全体の 寸法精度も高く維持することができる。
(実施例 3 )
下記の磁石粉末と結合樹脂 (熱可塑性樹脂) と添加剤とを混合し、 該 混合物を混練し、 該混練物を造粒 (整粒) して粒状物を得、 該粒状物を 成形機の金型内に充填して磁場中で圧縮成形 (温間成形) し、 成形時の 加圧状態を同圧で維持しつつ冷却して、 希土類ポン ド磁石(サンブル No .
1 6 a〜 1 9 a ) を製造した。 なお、 各物質の含有量は、 いずれも混練
物中の量を示す。
- 構成
S m— C o系磁石粉末 : S m ( C o ».: F e ,. C u ,.π Ζ r ) ,·, 、
9 5 . 0 wt% (磁石中の量もほぼ同値) 熱可塑性樹脂 : P P S樹脂、 4 . 2 wt%
酸化防止剤 : ヒ ドラ ジン系酸化防止剤、 0 . 8 wt%
混合 : V型混合機を用いて混合。
混練 : 各種混練機を使用。 混練条件は表 7 を参照。
造粒 (整粒) : 混練物を粉砕と分級によ り平均粒径 0. 8 の粒 ¾に調整。
成形 : 粒状物を室温で金型に投入し、 所定の成形温度 (第 1の温 度) に加熱したところで、 横磁場 ( 1 5 kOe ) を印加しな がら加圧成形した 。
成形温度は 3 2 0。C、 成形圧力は 2 0 kgf/mm' と した。 冷却 : 加圧状態を維持しつつ除圧温度 (第 2の温度) 1 5 0 °Cま で冷却し、 除圧後さらに常温まで冷却して、 脱磁後、 サン ブルを取り出した。
冷却方法は空冷とした。
加圧下冷却での冷却速度は 5 °C/秒。
成形品形状 : 直方体 (縦 1 1 mm X横 8 mm X高さ 7 mm、 高さ方向が 配向方向。 )
平板形状 ( 2 0 mm角 X厚さ 3 mm) (機械的強度測定用)
得られた希土類ボン ド磁石について、 磁気性能 (最大磁気エネルギー 積(BH)max ) 、 密度、 空孔率、 機械的強度、 耐食性を調べたところ、 下 記表 8に示す通りであった。 なお、 各項目の評価方法は、 実施例 1 と同 様である。
表 8から明らかなように、 本発明による希土類ボン ド磁石 (サンブル N 0. 1 6 a〜 1 9 a ) は、 いずれも、 空孔率が 1 %以下と低く 、 高密度の ボン ド磁石が得られ、 この結果、 機械的強度および耐食性が高いもので めった。
また、 サンブル No. 1 6 a〜 1 9 aの各磁石について、 前記と同様に 電子顕微鏡写真 ( S E M) を撮影し、 観察を行ったところ、 空孔はほと んど観察されず、 磁石粉末の周辺を結合樹脂成分が均一に分散している のが確認された。
さらに、 最大磁気エネルギー積(BH)max が高く、 優れた磁気特性であ ることがわかる。
(比較例 1 )
下記の磁石粉末と結合樹脂 (熱可塑性樹脂) と添加剤とを混合し、 該 混合物を成形機の金型内に充填して磁場中で圧縮成形 (温間成形) し、 冷却 (非加圧下冷却) して希土類ポン ド磁石 (サンブル No. 2 0 a、 2 l a ) を製造した。 なお、 各物質の含有量は、 いずれも混合物中の量を 示す。
- 構成
S m— C o系磁石粉末 : S m ( C o F e ,. ,, C u ,. ,, Z rに,,, ) ,.
9 5. 0 wt% (サンプル No. 2 0 a ) , 9 6. 0 wt% (サンプル No. 2 1 a ) 熱可塑性樹脂 : P P S樹脂、 4. 2 wt% (サンブル No. 2 0 a ) 、
3. 2 wt% (サンブル No. 2 1 a ) 酸化防止剤 : ヒ ドラジン系酸化防止剤、 0. 8 wt%
混合 : V型混合機を用いて混合。
成形 : 混合物を室温で金型に投入し、 所定の成形温度に加熱した
ところで、 横磁場 ( 1 5 kOe ) を印加しながら加圧成形し た。
成形温度は 3 2 0 °C、 成形圧力は 2 0 kgf /min' と した。 冷却 : 成形金型内で脱磁処理した後、 成形金型よ りサンブルを取 り出し、 大気圧下で常温まで冷却した。 冷却方法は空冷と した。
冷却速度は 5 °C /秒。
成 品形状 : 直方体 (縦 1 1 mm X横 8 匪 X高さ 7 隨、 高さ方向が 配向方向。 )
平板形状 ( 2 0 龍角 X厚さ 3 mm ) (機械的強度測定用) サンブル No . 2 0 aおよび 2 1 aの磁石は、 いずれも、 成形時に樹脂 漏れが生じ、 成形品のエッジや端面部が成形機のパンチに付着すること によ り、 成形品のえ ぐれが生じた り、 ェ ヅ ジ等のかけが生じて、 所望の 形状を得ることができかった。
成形された部分の電子顕微鏡写真 ( S E M ) を撮影し、 親察を行った ところ、 結合樹脂成分の分散は不均一となっており、 磁石粉末部分と結 合樹脂部分が混在した状態であった。 また、 多数の空孔が認められた。
また、 上述したように、 サンプル No . 2 0 aおよび 2 1 aの磁石は、 いずれも、 不良品であったため、 機械的強度等の有効な測定はできなか つた。
(比較例 2 )
下記の磁石粉末と結合樹脂 (熱硬化性樹脂) と添加剤とを混合し、 該 混合物を成形機の金型内に充填して磁場中で圧縮成形 (冷間成形) し、 その後、 結合樹脂を硬化させて希土類ポン ド磁石(サンブル No · 2 2 a ) を製造した。 なお、 各物質の含有量は、 いずれも混合物中の量を示す。
- 構成
S m— C o系磁石粉末 : S m ( C o ,. F e n C u ,. Z r ) ,
, 、 9 6 . 0 wt%
熱硬化性樹脂 : ビスフ ヱ ノ ール A型エポキシ樹脂 (溶融温度 6
0 °C) 、 3 . 6 wt% (硬化剤含む)
酸化防止剤 : ヒ ドラジン系酸化防止剤、 0 . 4 wt%
混合 : V型混合機を用いて ¾合。
成形 : 混合物を室温で金型に投入し、 横磁場 ( 1 5 k0e ) を印加 しながら加圧成形した。
成形温度は室温、 成形圧力は 2 0 kgf/rnm' と した。
熱処理 : 金型内で脱磁処理した後、 金型から取り出し、 1 7 0 °C x 4時間の条件で熱処理し、 熱硬化性樹脂の硬化を行った c 成形品形状 : 直方体 (縱 1 1 111111 横 811111^高さ 7匪、 高さ方向が 配向方向。 )
平板形状 ( 2 0匪角 X厚さ 3 mm) (機械的強度測定用) サンプル No. 2 2 aの磁石は、 混合物を室温で固形のエポキシ樹脂を 用いて室温で成形を行ったため、 粉末間の固着力が弱く、 また樹脂成分 の分散が不十分であり、 また、 脱磁後も粉末には残留磁束がわずかなが らもあることよ り、 磁石粉末の脱落、 成形品のえ ぐれやエッジ等の欠け が生じて、 所望の形状を得ることができなかった。
成形された部分の電子顕微鏡写真 ( S E M) を撮影し、 観察を行った ところ、 結合樹脂成分の分散は不均一となってお り、 磁石粉末部分と結 合樹脂部分が混在した状態であつた。
また、 上述したように、 サンプル No. 3 aの磁石は、 不良品であった ため、 機械的強度等の有効な測定はできなかった。
(実施例 4 )
下記の磁石粉末 ( 2種) と結合樹脂 (熱可塑性樹脂) と添加剤とを混
合し、 該混合物を混練し、 該混練物を造粒 (整粒) して粒状物を得、 該 粒状物を成形機の金型内に充填して磁場中で圧縮成形 (温問成形). し、 成形時の加圧状態を同圧で維持しつつ冷却して、 希土類ボン ド磁石 (サ ンブル No. 2 3 a〜 3 1 a ) を製造した。 なお、 各物質の含有量は、 い ずれも混練物中の量を示す。
• 構成
S m— C o系磁石粉末 : S m ( C o ,.,,, F e ..nC u ,.,,Ζ r ,,,, )
,."、 7 0 . 5 wt% (磁石中の量もほぼ同値) S m— F e— N系磁石粉末 : S m, F e ,,N, 、 2 3 . 5 wt%
' (磁石中の量もほぼ同値)
熱可塑性樹脂 : ポリアミ ド樹脂 (ナイ ロ ン 1 2 ) 、 5 . 0 wt% 酸化防止剤 : フ エノール系酸化防止剤、 1 . O wt%
混合 : 'ヘンシェルミキサーを用いて混合。
混練 : 2軸押出混練機によ り混練。 混練温度は 1 5 0〜 3 0 0 °C。
スク リ ユー回転数 1 0 0 ~ 3 0 0 rpm 。 混練時間 (装置内 滞留時間) 1 0〜 ; I 5分
造粒 (整粒) : 混練物を粉砕と分級によ り表 9に示す粒度に調整。 成形 : 粒状物をすり切り方式を用い、 室温で金型に投入し、 2 2
0 °C (第 1 の温度) に加熱したところで、 横磁場 ( 1 5 kO e ) を印加しながら加圧成形した。 成形圧力は 1 0 kgf/m' と した。
冷却 : 加圧状態を維持しつつ除圧温度 (第 2の温度) 1 0 0 °Cま で冷却し、 サンブルを取り出した。
冷却方法は水冷と した。
加圧下冷却での冷却速度は 2 0 °C /秒。
成形品形状 : 平板形状 (幅 1 5 mmx厚さ 2 . 5 mmx高さ 5 mm、 髙
さ方向が配向方向)
得られた希土類ボン ド磁石について、 磁石の重量、 密度、 空孔率、 高 さを測定したところ、 下記表 9に示す通りであった。
表 9から明らかなように、 粒状物の粒径の設定によ り、 優れた定量性 が得られ、 低空孔率でかつ寸法精度の高いボン ド磁石が得られる。 特に、 サンプル No. 2 3 a 3 0 aのように、 粒状物の粒径が 0. 0 1 2 mm の範囲である場合には、 超低空孔率 ( 1 . 5 %以下、 特に 1 %以下) と、 高い寸法精度 (寸法誤差が ± 5 / 1 0 0 mm以内) とを両立することがで きた。
(実施例 5 )
下記の磁石粉末と結合樹脂 (熱可塑性樹脂) と添加剤とを混合し、 該 混合物を混練し、 該混練物を造粒 (整粒) して粒状物を得、 該粒状物を 成形機の金型内に充填して磁場中で圧縮成形 (温間成形) し、 成形時の 加圧状態を同圧で維持しつつ冷却して、 希土類ポン ド磁石(サンブル No.
3 2 a 4 2 a ) を製造した。 なお、 各物質の含有量は、 いずれも混練 物中の量を示す。
• 構成
N d— F e— B系磁石粉末 : N d ,,.,F e ,,.,C o Β Ζ r
9 7. 0 wt% (磁石中の量もほぼ同値) 熱可塑性樹脂 : 表 1 中の Aまたは F、 各々 1 . 5 wt %
酸化防止剤 : ヒ ドラジン系酸化防止剤、 1 . 4 wt%
潤滑剤 : ステア リ ン酸亜鉛、 0. l wt%
混合 : ヘンシェル ミ キサーを用いて混合。
混練 : 2軸押出混練機によ り混練。 混練温度は 1 5 0 3 5 0 °C ス ク リ ユー回転数 1 0 0 3 0 0 rpm 。 混練時間 (装置内 滞留時間) 5 1 0分
造粒 (整粒) : 混練物を粉砕と分級によ り平均粒径 0 . 3 mniの粒 に調整。
成形 : 粒状物を室温で金型に投入し、 表 1 0 に示す成形温度 (第
1 の温度) に加熱したところで、 ラジアル磁場 ( 1 5 kOe ) を印加しながら加圧成形した。 成形圧力は 1 5 kgf/m と した。
冷却 : 加圧状態を維持しつつ除圧温度 (第 2の温度) 1 0 0 °Cま 一 で冷却し、 脱磁処理した後、 除圧し、 さ らに常温まで冷却 して、 サンブルを取り出した。
冷却方法は水冷と した。
加圧下冷却での冷却速度は 3 0 °C /秒。
成形品形状 : 円筒形状 (外径 0 2 0 mmx内径 φ 1 8 mm x高さ 5 高さ方向に加圧)
平板形状 ( 2 0 mm角 X厚さ 3 mm) (機械的強度測定用) 得られた希土類ボン ド磁石について、 磁気性能 (最大磁気エネルギー 積(BH)max ) 、 密度、 空孔率、 機械的強度を調べたところ、 下記表 1 0 に示す通りであった。 なお、 各項目の評価方法は、 実施例 1 と同様であ る。
表 1 0 中のサンプル No. 3 2 a 4 2 aのように、 成形温度が結合樹 脂の熱変形温度以上のときには、 成形時に結合樹脂が軟化または溶融状 態とな り、 成形が可能であった。
特に、 サンプル No. 3 3 a 3 6 a 4 0 a 4 2 aのように、 成形 温度が結合樹脂の融点以上のときには、 得られた磁石の空孔率がさ らに 低減し、 磁気性能もよ り高くなる。
(実施例 6 )
下記の磁石粉末と結合樹脂 (熱可塑性樹脂) と添加剤とを混合し、 該
混合物を混練し、 該混練物を造粒 (整粒) して粒状物を得、 該粒状物を 室温で成形機の金型内に充填して無磁場中で圧縮成形 (温間成形) し、 成形時の加圧状態を同圧で維持しつつ冷却して、 希土類ボン ド磁石 (サ ンブル No. 4 3 a〜 5 2 a ) を製造した。 なお、 各物質の含有量は、 い ずれも混練物中の量を示す。
- 構成
ナノ結晶 N d— F e— B系磁石粉末 : N d u F e ,,Β
ο
s C r , 、
9 8 . 0 wt%
(磁石中の量もほぼ同値)
熱可塑性樹脂 : 表 1 中の Aまたは G、 各々 1 . 0 wt%
酸化防止剤 : ヒ ドラジン系酸化防止剤 1 . 0 wt%
混合 : ヘンシェルミキサーを用いて混合。
混練 : 2軸押出混練機によ り混練。 混練温度は 1 5 0〜 3 5 0 °C。
スク リ ュー回転数 1 0 0〜 3 0 O rpm 。 混練時間 (装置内 滞留時間) 1 0〜 1 5分
造粒 (整粒) : 混練物を粉砕と分級によ り平均粒径 0 . 1 mmの粒 に調整。
成形 : 粒状物を金型に投入し、 所定の成形温度 (第 1 の温度) に 加熱したところで、 加圧成形した。 成形温度は、 2 0 0 °C (樹脂 A ) および 3 0 0 °C (樹脂 G ) 、 成形圧力は 2 5 kg f/mm! と した。
冷却 : 加圧状態を維持しつつ、 表 1 1 に示す除圧温度 (第 2の温 度) まで冷却し、 サンプルを取り出した。 冷却方法は水冷 と した。
加圧下冷却での冷却速度は 5 0 °C /秒。
成形品形状 : 円筒形状 (外径 ø 1 0 mm X内径 ø 7 mm X高さ 7 nim、
高さ方向に加圧)
得られた希土類ボン ド磁石について、 磁気性能 (最大磁気エネルギー 積(BH)max ) 、 密度、 空孔率、 外径を調べたところ、 下記表 1 1 に示す 通りであった。 なお、 各項目の評価方法は、 実施例 1 と同様である。 表 1 1 中のサンブル No. 4 3 a〜 5 2 aのように、 除圧温度が結合樹 脂の融点以下または除圧温度と成形温度との差が 2 0 °C以上のときには, 得られた磁石の空孔率が低く、 密度が高く、 磁気性能が高く、 寸法精度 が高い (寸法誤差が ± 5 / 1 0 0 mm以内) 。 このような特性は、 除圧温 度が低いほど、 向上している。
特に、 サ ブル No. 4 6 a、 4 7 a、 5 0 a、 5 1 a、 5 2 aのよう に、 除圧温度が結合樹脂の熱変形温度以下のときには、 ほぼ理論密度に 近い密度を達成することができ、 磁石粉末の特性を十分に発揮させるこ とが可能な極めて優れた磁気性能の磁石となる。
(実施例 7 )
下記の磁石粉末と結合樹脂 (熱可塑性樹脂) と添加剤とを混合し、 該 混合物を混練し、 該混練物を造粒 (整粒) して粒状体を得、 該粒状体を 室温で成形機の金型内に充填して無磁場中で圧縮成形 (温間成形) し、 成形時の加圧状態を同圧で維持しつつ冷却して、 結合樹脂の固化によ り 磁石粉末同士が結合された希土類ボン ド磁石(サンブル No . 1 b〜 6 b ) を製造した。
N d— F e— B系磁石粉末 : N d ,F e ,,.,C 0 B , 、
9 7 wt ( 石中の量もほぼ同値) ポリ ア ミ ド樹脂( P A 1 2 ) :融点 1 7 8 、 熱変形温度 1 4 5 °C.
1 . 6 wt%
酸化防止剤 : ヒ ドラジン系酸化防止剤 1 · 4 wt %
混合 : ヘンシェルミキサーを用いて混合。
混練 : 2軸押出混練機によ り混練。 混練温度 1 5 0 - 2 5 0て、 ス ク リ ユー回転数 1 0 0 〜 2 5 0 rpm 。
造粒 (整粒) : 混練物を粉砕し、 平均粒径 1 mmの粒に調整。
成形 : 組成物 (粒状体) を金型に投入後、 金型を下記表 1 2 に示 す温度 (第 1 の温度) に加熱したところでパンチで加圧。 成形圧力 1 0 kgf/mm' 。
冷却 : 加圧状態を維持しつつ冷却し、 1 0 0 °C (第 2の温度) で 圧力を抜いてサンブルを取り出した。
冷却方法は空冷。
加圧下冷却での冷却速度 0 . 5 °C /秒
成形品形状 : 円柱形状 1 O mm x高さ 7 mm ) および
平板形状 ( 2 0 mm角 X厚さ t 3 . 0 mm ) 。
得られた希土類ポン ド磁石について、 磁気性能 (磁束密度 B r、 保磁力 i He 、 最大磁気エネルギー積(BH )max ) 、 密度、 空孔率、 機械的強度を調 ベたところ、 下記表 1 2に示す通りであった。
なお、 表 1 2 中の各測定項目の評価方法は、 実施例 1 と同様である。 表 1 2 に示すように、 成形温度が高いと、 得られたポン ド磁石は、 高 密度、 低空孔率の傾向を示す。 サンブル No . 3 b〜 6 bのように、 成形 温度が用いた熱可塑性樹脂の融点以上である場合には、 特に、 空孔率が 低く、 機械的強度および磁気性能は、 高い値を示す。
(実施例 8 )
下記表 1 3に示す磁石粉末と結合樹脂 (熱可塑性樹脂) と添加剤とを 混合し、 該混合物を混練し、 該混練物を造粒 (整粒) して粒状体を得、 該粒状体を成形機の金型内に室温で充填して無磁場中で圧縮成形 (温間 成形) し、 成形時の加圧状態を同圧で維持しつつ冷却して、 結合樹脂の 固化によ り磁石粉末同士が結合された希土類ボン ド磁石 (サンブル No .
7 b〜 3 1 b ) を製造した。
磁石粉末 : 表 1 3に示す粉末 1〜 5、 各 9 6. 0 wt%
(磁石中の量もほぼ同値)
ポリ ア ミ ド樹脂( P A 1 2 ) :融点 1 7 8 °C、 熱変形温度 1 4 5 °C、
2. 5 5 wt
酸化防止剤 : ヒ ドラ ジン系酸化防止剤 1 . 4 wt%
他の添加剤 : 高級脂肪酸 (ステアリ ン酸) 0. 0 5 wt°/0
混合 : ヘンシェルミキサーを用いて混合。
混練 : 2軸押出混練機によ り混練。 混練温度 1 5 0〜 2 5 0 、 スク リ ユー回転数 1 0 0〜 2 5 0 rpm 。
造粒 (整粒) : 混練物を粉砕と分級によ り平均粒径 0. 5 mmの粒 に調整。
成形 : 組成物 (粒状体) を金型に投入後、 2 3 0 °C (第 1の温度) に加熱したところでパンチで加圧。成形圧力 1 5 kgf/mm1 。 冷却 : 加圧状態を維持しつつ冷却し、 下記表 1 4に示す温度 (第
2の温度) で圧力を抜いてサンブルを取り出した。
冷却方法は空冷。
加圧下冷却での冷却速度 2 °C /秒
成形品形状: 円筒形状(外径 ø 2 0 mmx内径 1 8mmx高さ 1 0m m) 。
なお、 表 1 3中の平均粒径は、 F.S.S.S.測定 (Fisher Sub-Sieve Siz er) によ り行った。
得られた希土類ポン ド磁石について、 密度、 空孔率、 真円度 (寸法精 度) を調べたところ、 下記表 1 4、 表 1 5に示す次の通りであった。 なお、 表 1 4、 表 1 5中の各測定項目の評価は、 以下の方法に従った。
密度 : 実施例 1 と同様。
空孔率 : 実施例 1 と同様。
真円度 : 成形品の外径を 1 0点測定し、 その測定値の最大値、 最 小値から下式よ り算出。
真円度 = (最大値一最小値) / 1
表 1 4、 表 1 5に示すように、 各組成の磁石粉末について、 冷却時の 除圧温度が低く なるに従って、 得られたポン ド磁石の密度が増加し、 空 孔率が低減し、 また、 サンプルの除材時の変形が生じ難く なり、 真円度 (寸法精度) が向上する傾向を示す。 冷却時の除圧温度が用いた熱可塑 性樹脂の融点 ( 1 7 8 °C) 以下の温度、 特に熱変形温度 ( 1 4 5 °C) 以 下の温度である場合には、 極めて高い真円度 (寸法精度) が得られてい る。
(実施例 9 )
下記の磁石粉末と下記表 1 6に示す結合樹脂 (熱可塑性樹脂) と添加 剤とを混合し、 該混合物を混練し、 該混練物を造粒 (整粒) して粒状体 を得、該粒状体を成形機の金型内に室温で充填して磁場中で圧縮成形(温 間成形) し、 成形時の加圧状態を同圧で維持しつつ冷却して、 結合樹脂 の固化によ り磁石粉末同士が結合された希土類ボン ド磁石(サンブル No.
3 2 b〜 6 2 b ) を製造した。
磁石粉末 : S m ( C o,.,,, F e .. n C u Z r ) に"、
9 6. 5 wt% (磁石中の量もほぼ同値)
熱可塑性樹脂 : 表 1 6に示す A〜G、 A + B、 各 2 . 3 wt% 酸化防止剤 : フ ノール系酸化防止剤 1 . 2 wt%
混合 : ヘンシェルミキサーを用いて混合。
混練 : 2軸押出混練機によ り混練。 混練温度は表 5参照。
スク リ ユー回転数 1 0 0〜 2 5 0 rpm 。
造粒 (整粒) : 混練物を粉砕と分級によ り平均粒径 0 . 5隨の粒
に調整。
成形 : 組成物 (粒状体) を金型に室温で投入後、 金型を表 1 6 に 示す成形温度 (第 1 の温度) に加熱したところでパンチで 加圧。
成形圧力 1 0 kgf /mm: 。
加圧直前にラ ジアル磁場 (配向磁場 1 5 kOe ) を印加。 冷却 : 加圧状態を維持しつつ冷却し、 下記表 1 7〜表 1 9に示す 温度 (第 2の温度) で脱磁処理した後圧力を抜いてサンブ ルを取り出した。
¾却方法は水冷。
加圧下冷却での冷却速度 1 0 °C /秒
成形品形状:円筒形状(外径 0 3 0 mm x内径 ø 2 7 mm x高さ 5 mm) 0 なお、 表 1 6中の熱変形温度は、 前記の ASTM D648 による方法で測定 した。
得られた希土類ポン ド磁石について、 密度、 空孔率、 宾円度 (寸法精 度) を調べたところ、 下記表 1 7、 表 1 8、 表 1 9に示す通りであった。
なお、 表 1 7、 表 1 8、 表 1 9 中の各測定項目の評価は、 前記実施例 1、 8 と同様の方法に従った。
表 1 7〜表 1 9に示すように、 各組成の熱可塑性樹脂について、 冷却 時の除圧温度が低くなるに従って、 得られたポン ド磁石の密度が増加し、 空孔率が低減し、 真円度 (寸法精度) が向上する傾向を示す。 冷却時の 除圧温度が用いた熱可塑性樹脂の融点以下の温度、 特に熱変形温度以下 の温度である場合には、 極めて高い真円度 (寸法精度) が得られている。
また、 表 1 7〜表 1 9中に示す各サンブルについて、 前記と同様の方 法で磁気性能を調べたところ、 いずれも、 磁束密度 B rが 7 · O kG以上、 保磁力 i Hc が 7 kOe 以上、 最大磁気エネルギー積( BH )max が 1 3 MGOe以
上と、 高い値を示した。
(実施例 1 0 )
磁石粉末と結合樹脂 (熱可塑性樹脂) と添加剤とを下記表 2 0に示す 組成で混合し、 該混合物を混練し、 該混練物を造粒 (整粒) して粒状体 を得、 該粒状体を成形機の金型内に充填して無磁場中で圧縮成形 (温間 成形) し、 成形時の加圧状態を融点までは同圧で、 それ以後は圧力を 5 0 %程度まで減少させながら冷却して、 結合樹脂の固化によ り磁石粉末 同士が結合された希土類ボン ド磁石 (サンブル No. 6 3 b〜 8 0 b ) を 製造した。 なお、 得られた磁石中での磁石粉末の量は、 表 2 0 中の値と ほぼ同値である。
磁石粉末 : N d ,>.,F e ,,.,C o ,., B
ポリアミ ド樹脂( P A 1 2 ) :融点 1 7 8 C、 熱変形温度 1 4 5。C、 酸化防止剤 : ヒ ドラジン系酸化防止剤
混合 : ヘンシェルミキサーを用いて混合。
混練 : 2軸押出混練機によ り混練。 混練温度 1 0 0〜 2 5 0 °C、 スク リ ユー回転数 1 0 0〜 2 5 0 rpm 。
造粒 (整粒) : 混練物を粉砕と分級によ り平均粒径 0 . 5 mmの粒 に調整。
成形 : 組成物 (粒状体) を室温で金型に投入後、 金型を 2 2 0 °C (第 1 の温度) に加熱したところでパンチで加圧。 成形圧力 2 0 kgf/mm1 。
冷却 : 加圧状態 (圧力は絰時的に減少) を維持しつつ冷却し、 下 記表 2 1 、 表 2 2 に示す温度 (第 2の温度) で圧力を完全に 抜いてサンプルを取り出した。
冷却方法は水冷。
加圧下冷却での冷却速度 5 0 /秒
成形品形状 : かわら形状 (外周曲率半径 R 8 minx内周曲率半径 r 7 mmx l 2 0 ° x高さ 8 mm) 。
得られた希土類ボン ド磁石について、 密度、 空孔率、 真円度 (寸法精 度) および磁気特性 (最大磁気エネルギー積(BH)max ) を調べたところ、 下記表 2 1 、 表 2 2に示す通りであった。
なお、 表 2 1 、 表 2 2 中の各測定項目の評価は、 前記実施例 1、 8 と 同様の方法に従った。
表 2 1マ 表 2 2に示すように、 磁石粉末の各含有量について、 冷却時. の除圧温度が低くなるに従って、 得られたボン ド磁石の密度が増加し、 空孔率が低減し、 真円度 (寸法精度) が向上する傾向を示す。 冷却時の 除圧温度が用いた熱可塑性樹脂の融点以下の温度、 特に熱変形温度以下 の温度である場合には、 極めて高い真円度 (寸法精度) が得られている c (実施例 1 1 )
下記表 2 3に示す原料組成で、 磁石粉末と結合樹脂 (熱可塑性樹脂) と酸化防止剤等の添加剤とを混合し、 該混合物を混練し、 該混練物を造 粒 (整粒) して粒状体を得、 該粒状体を成形機の金型内に室温で充填し て無磁場中または磁場中で圧縮成形 (温間成形) し、 冷却して、 希土類 ポン ド磁石 (サンブル No . 1 c〜 6 c ) を製造した。
この製造における各条件は、 次の通りである。
混合 : ヘンシェルミ キサーを用いて混合。
混練 : 2軸押出混練機によ り混練。 混練温度は 2 0 0〜 3 5 0 °C. スク リ ユー回転数 1 0 0〜 3 0 0 rpm 。
φ 1 0 mmの円柱状で吐出 し、 長さ 5〜 1 5 mmのぺレ ッ ト と した。
造粒 : 前記ペレ ツ 卜を粉砕して、 1 mmメ ッシュ以下の粉末と した, 各サンブルとも、 平均粒径は 0 . 2〜 0 . 8 min。
成形 : 油圧ブレス機を使用。 成形温度は下記表 2 4参照、 成形圧 力 1 0 kgf/mm' 。 成形品形状は、 円筒状 (外径 ø 2 0 mm X内 S 1 7 mm X高さ 5 mm)
冷却 : 大気圧下で常温まで冷却
得られた希土類ポン ド磁石について、 磁束密度 Br、 保磁力 iHc 、 最大 磁気エネルギー積(BH)max 、 密度および空孔率を測定した。 その結果を 下記表 2 4に示す。
なお、 測定方法は、 次の通りである。
磁気性能:成形サンブルから 5 mm角のサンプルを切り出し、 4 O k Oe でパルス着磁した後、 試料振動型磁力計 (V S M) を用 いて測定。
密度測定 : 実施例 1 と同じ。
空孔率 : 実施例 1 と同じ。
(比較例 3 )
前記表 2 3に示す原料組成で、 磁石粉末と結合樹脂 (熱可塑性樹脂) と酸化防止剤等の添加剤とを混合し、 該混合物を混練し、 該混練物のぺ レ ツ トを成形機の金型内に充填して無磁場中または磁場中で圧縮成形 (低温温間成形) し、 加圧下冷却して、 希土類ボン ド磁石 (サンプル No. 7 c〜 1 2 c ) を製造した。
この製造における各条件は、 次の通りである。
混合 : 前記実施例 1 1 と同じ。
混練 : 前記実施例 1 1 と同じ。
造粒 : なし
成形 : 表 2 5 に示す成形温度、 成形圧力と した以外は、 実施例 1
1 と同じ 。
冷却 : 表 2 5 に示す除圧温度で加圧下冷却。 金型内で脱磁処理を
行った後、 除圧。
成形結果は、 次の通りである。
サンブル No . 7 c ~ 1 2 cでは、 1 0 mm X 5 πιπι以上であるのに対し、 金型のギャ ッ プの最小寸法 (磁石肉厚) が 1 . 5 mmであるために、 ペレ ッ トを金型内に投入することが困難であ り、 よって、 パンチでペレ ッ ト を粉砕しながら、 あるいは、 ペレ ッ トを加熱、 溶融した状態でパンチを 用いて何回かに分けて押し込みながらでないと成形を行うことができな かった。 そのため、 成形に手間がかかり、 成形のサイ クルタイムが長く な り、 低コス トで成形することが困難であった。 また、 金型への充填量 を制御する とが困難であ り、 目標寸法 (サンブル長さ) に対する成形 品の寸法のバラツキが大き く、 寸法安定に欠けるものであった。
また、 サンプル No. 7 c〜 1 2 cでは、 いずれも、 成形温度が結合樹 脂の熱変形温度未満であるため、 高い成形圧力であるにもかかわらず、 空孔率が高い。
(実施例 1 2 )
下記の磁石粉末と結合樹脂 (熱可塑性樹脂) と添加剤とを混合し、 該 混合物を混練し、 該混練物を造粒 (整粒) して粒状体を得、 該粒状体を 成形機の金型内に室温で充填して磁場中で圧縮成形 (冷間成形) し、 次 いで熱処理を施し、 冷却して、 希土類ボン ド磁石 (サンブル No. 1 3 c ) を製造した。
磁石粉末 : N d P r F e n.,C o ... B '
平均粒径 2 0〃m (F.S.S.S.測定) 、
9 6 . 5 wt% (磁石中の量もほぼ同値)
結合樹脂 : P P S (ポリ フ ヱニレ ンサルフアイ ド) 樹脂、 2 · 3 w t%
添加剤 : ヒ ドラジン系酸化防止剤 1 . 2 wt%
混合 : 実施例 1 1 と同じ。
混練 : 実施例 1 1 と同じ。
造粒 : 前記ペレ ッ トを粉砕して、 0 . 8 mmメ ッシュ以下の粉末と した。
平均粒径は 0 . 5 mm。
成形 : 油圧ブレス機を使用。 成形温度は室温。 無磁場中、 成形 圧力 7 O kgf/mm' 。 仮成形品を成形。
成形品形状は、 円筒状 (目標寸法 : 外径 0 2 5 . 0 0 mmx 内径 0 2 3 . 0 0 mmx高さ 1 0 . 0 0 mm)
金型寸法 : 外径 0 2 4 . 3 5 mmx内径 2 2 . 4 0 mmのギ ヤ ッ プ
熱処理 : 3 2 0 °Cで 1 0分間加熱。 樹脂成分を溶融させて樹脂間 を接着。 機械的強度の向上を図る。
得られた希土類ポン ド磁石について、 寸法精度、 磁気性能、 密度、 空 孔率を調べたところ、 次の通りであった。
成形品寸法 : 外径 0 2 4 . 9 8 mm X内径 0 2 3 . 0 1 111111 高さ 1
0 . 0 2 mm ( n = 1 0の平均値) 、
高さ (長さ) のバラ ツキ び = 0 . 0 2
磁気性能 : B r = 6 . 8 8 kG、 i H c = 9 . 6 3 kOe 、
( B H ) m a x = 9 . 6 MGOe
密度 : 6 . 0 8 g/cm'
空孔率 : 2 . 0 6 %
(磁気性能の測定は、 4 0 kOe でパルス着磁した後、 最大印加 磁場 2 5 kOe で直流磁気測定機によ り測定。 )
この実施例 1 2では、 金型への充填 (給材) に際し、 充填量を微妙に 調整することができ、 その結果、 極めて高い寸法精度が得られることが
確認された。 また、 磁気性能も優れてお り、 空孔率も極めて低い。
(比較例 4 )
下記の磁石粉末と結合樹脂 (熱可塑性樹脂) と添加剤とを混合し、 該 混合物を混練し、 該混練物のペレツ トを成形機の金型内に充填して磁場 中で圧縮成形 (冷問成形) し、 次いで熱処理を施し、 冷却して、 希土類 ボン ド磁石 (サンプル No , 1 4 c ) を製造した。
磁石粉末 : N d,., P r , < F e π , C o B ...
一 平均粒径 2 0〃m (F.S.S.S.測定) 、 9 6. 5 wt% 結合樹脂 : P P S (ポ リ フ エ二レ ンサルフ ァ イ ド) 樹脂、 2. 3 w t°/o
添加剤 : ヒ ドラジン系酸化防止剤 1 . 2 wt%
混合 : 実施例 1 1 と同じ。
混練 : 実施例 1 1 と同じ。
造粒 : なし
成形 : 実施例 1 2と同じ。
熱処理 : 実施例 1 2 と同じ。
得られた希土類ボン ド磁石について、 寸法精度を調べたところ、 次の 通りであった。
成形品寸法 : 外径 0 2 4. 9 8 mm X内径 gi 2 3. O l mmx高さ 9.
5 2 mm ( n = 1 0の平均値) 、
高さのバラツキ び = 0. 9 0
この比較例 4では、 造粒工程がないので、 前記比較例 3 と同様に、 金 型への袷材が不安定とな り、 特に成形品の高さにバラツキが生じ、 安定 した成形を行うことが困難であった。 また、 給材を行うためにパンチを 何度も上下させてペレ ツ トを粉砕しながら押し込む必要があ り、 成形時 間が長く なつた。 また、 給材中にパンチの破損が生じた。
(実施例 1 3 )
下記の磁石粉末と結合樹脂 (熱硬化性樹脂) と添加剤とを混合し、 該 混合物を造粒 (整粒) して粒状体を得、 該粒状体を成形機の金型内に室 温で充填して磁場中で圧縮成形 (温間成形) し、 次いで熱処理を施して 樹脂を硬化させ、 その後、 冷却して、 希土類ポン ド磁石 (サンプル No. 1 5 c ) を製造した。
磁石粉末 : S m ( C o ,.m F e ,·,, C u Z r ) ,.,,、
平均粒径 2 0 m (F.S.S.S.測定) 、
9 7. 5 wt% (磁石中の量もほぼ同値)
結合樹脂 : フ エ ノ ール樹脂 2. 4 5 wt% +有機溶媒
樹脂は室温で固体、 軟化温度 6 0 °C。
添加剤 : ステアリ ン酸亜鉛 0. 0 5 wt%
混合 : 万能攪拌機を用いて有機溶媒を蒸発させながら混合。
造粒 : 解砕によ り、 1 8 0 urn メ ッシュ以下の粉末と した。
平均粒径は 1 0 0 m 。
成形 : 油圧プレス機を使用。 成形温度 8 0 °C。 配向磁場 1 7 k0e
(横磁場) 、 成形圧力 3 0 kgf/mm' 。 仮成形品を成形。
成形品形状は、 かわら形状 (目標寸法 : 外周曲率半径 R 1 5 , 0 0 mm X内周曲率半径 r l 2. 0 0 mm x l 2 0 ° x高 さ 8. 0 0 mm)
径方向に磁場配向。 加圧後、 金型内で脱磁。
金型寸法 : R 1 4. 7 0 mmx r 1 1 . 8 0 nnnx l 2 0 ° の ギャ ップ熱処理 : 1 8 0 °Cで 2時間加熱。
得られた希土類ボン ド磁石について、 寸法精度、 磁気性能、 密度、 空 孔率を調べたところ、 次の通りであった。
成形品寸法 : R 1 5 . 0 3 mm X r 1 2. 0 1 mmx l 2 0 ° x l 7 .
9 8 mni ( n = 1 0の平均値) 、
高さのバラツキ び= 0 . 0 1 5
磁気性能 : B r = 7 . 8 1 kG、 i H c = 7 . 1 0 kOe 、
( B H ) m a x = 1 3. 6 MGOe
密度 : 7 . 1 1 g/cm1
空孔率 : 4. 6 3 %
(磁気性能の測定は、 かわら状磁石から 5 mm角の磁石片を切り 出した後、 V S Mで測定を行った。 )
この実施例 1 3では、 金型への充填 (給材) に際し、 充填量を微妙に 調整すること ¾ができ、 その結果、 極めて高い寸法精度が得られることが 確認された。 また、 磁気性能も優れており、 空孔率も低い。
(比較例 5 )
下記の磁石粉末と結合樹脂 (熱硬化性樹脂) と添加剤とを混合し、 該 混合物を成形機の金型内に室温で充填して磁場中で圧縮成形 (冷間成形 〜低温温間成形) して樹脂を硬化させ、 その後、 次いで熱処理を施し、 冷却して、 希土類ボン ド磁石 (サンブル No. 1 6 c、 1 7 c、 1 8 c ) を製造した。
磁石粉末 : S m ( C o ,.',, F e . ', C u Z r ,.,', ) ,."、
平均粒径 2 0〃m (F.S.S.S.測定) 、 9 7 . 5 wt% 結合樹脂 : フ エノ一ル樹脂 2 . 4 5 wt% +有機溶媒
樹脂は室温で固体、 軟化温度 6 0 °C。
添加剤 : ステアリ ン酸亜鉛 0. 0 5 wt%
混合 : 万能攪袢機を用いて有機溶媒を蒸発させながら混合。
成形 : 油圧ブレス機を使用。 成形温度 2 5 °C (サンプル No. 1 6 c ) 、 4 0 °C (サンブル No . 1 7 c ) , 5 0 °C (サンブル N o. 1 8 c ) o
配向磁場 1 Ί kOe (横磁場) 、 成形圧力 3 0 kgf/mm: 。
仮成形品を成形。 金型内で脱磁処理した後、 金型から取り 出した。
成形品形状は、 かわら形状 (目標寸法 : 外周曲率半径 R 1 5. 0 0 (1111^内周曲率半径 1« 1 2. 0 0 mmx l 2 0 ° x高 さ 8. 0 0 mm)
径方向に磁場配向。
金型寸法 : R 1 4. 7 0 mm r 1 1 . 8 0mnix l 2 0 ° の ギャ ップ熱処理 : 1 8 0 °Cで 2時間加熱。
得られた希土類ポン ド磁石について、 寸法精度を調べたところ、 次の 通りであった。
成形品寸法 : R 1 5. 0 1 mm X r 1 1 . 9 8 mm x l 2 0 ° x l 7.
4 6 mm ( n二 1 0の平均値) 、
高さのバラツキ び = 0. 5 8
この比較例 5 (サンプル No · 1 6 c〜 1 8 c ) では、 造粒工程がない ので、 金型への給材が不安定となり、 特に成形品の高さにバラツキが生 じ、 安定した成形を行う ことが困難であった。 また、 給材を行うために パンチを何度も上下させて押し込む必要があ り、 成形時間が長くなつた また、 給材されなかった原料がパンチの側面に付着し、 パンチの清掃ェ 程が必要となった。
(実施例 1 4 )
下記の磁石粉末と結合樹脂 (熱硬化性樹脂) とを混合し、 該混合物を 混練し、 該混練物を造粒 (整粒) して粒状体を得、 該粒状体を成形機の 金型内に室温で充填して無磁場中で圧縮成形 (冷間成形) し、 次いで熱 処理を施して樹脂を硬化させ、 その後、 冷却して、 希土類ポン ド磁石 (サ ンブル No. 1 9 c ) を製造した。
磁石粉末 : N d "..F e , C o , , B ... 、
平均粒径 2 5 〃m (F.S.S.S.測定) 、
9 8 . 0 wt% (磁石中の量もほぼ同値)
結合樹脂 : ビスフエノール A型エポキシ樹脂 +アミ ン系硬化剤 合計 2 . 0 wt%
樹脂は室温で液状。
混合 : 万能攪拌機を用いて混合。
混 Ί陳 : ライカイ式混練機を用いて混練。
造粒 : 押出式造粒機によ り、 0. 6 mmメ ッシュ以下の粒体と した。
平均粒径は 0 . 4 ππη。
成形 : 油圧ブレス機を使用。 成形温度は室温。 成形圧力 5 0 kgf/ mm' o
仮成形品を成形。
成形品形状は、 円筒状 (目標寸法 : 外径 0 1 0 . 0 0 mmx 内径 ø 8 . 0 0 mm X高さ 7 . 0 0 mm)
金型寸法 : 外径 0 9 . 6 5 mmx内径 0 7 . 7 5 mmのギャ ッ プ
熱処理 : 1 5 0 °Cで 1時間加熱。
得られた希土類ポン ド磁石について、 寸法精度、 磁気性能、 密度、 空 孔率を調べたところ、 次の通りであった。
成形品寸法 : 外径 ø 9 . 9 9 mm X内径 ø 7 . 9 8 mm x高さ 7 . 0
2 mm ( n = 1 0の平均値) 、
高さのバラツキ σ = 0 . 0 3 0
磁気性能 : B r = 7 . 5 1 kG、 i H c = 9 . 6 7 kOe 、
( B H ) m a x = 1 1 · 5 MGOe
密度 : 6 . 4 4 g/cm!
空孔率 : 5 . 4 0 %
(磁気性能の測定は、 4 0 kOe でパルス着磁した後、 最大印加 磁場 2 5 kOe で直流磁気測定機によ り測定。 )
この実施例 1 4では、 金型への充填 (給材) に際し、 充填量を微妙に 調整するこ とができ、 その結果、 極めて高い寸法精度が得られることが 確認された。 また、 磁気性能も優れており、 空孔率も低い。
(比較例 6 )
実施例 1 4 と同一の磁石粉末と結合樹脂 (熱硬化性樹脂) とを混合し、 該混合物を混練し、 該混練物を成形機の金型内に充填して無磁場中で圧 縮成形 (冷間成形) し、 次いで熱処理を施して樹脂を硬化させ、 その後、 冷却して、 希土類ボン ド磁石 (サンプル No . 2 0 c ) を製造した。
製造条件は、 造粒を行わない以外は実施例 1 4 と同じである。
得られた希土類ポン ド磁石について、 寸法精度を調べたところ、 次の 通りであった。
成形品寸法 : 外径 ø 9 . 9 9 mm X内径 ø 7 . 9 8 mm x高さ 6 . 7
2 mm ( n = 1 0の平均値) 、
高さのバラツキ び = 0 . 8 6
この比較例 6では、 造粒工程がないので、 金型への給材が不安定とな り、 特に成形品の高さにバラツキが生じ、 安定した成形を行う ことが困 難であった。 また、 給材を行うためにパンチを何度も上下させて押し込 む必要があ り、 成形時間が長く なつた。 また、 給材されなかった原料が パンチの側面に付着し、 パンチの清掃工程が必要となった。
(実施例 1 5 )
下記の磁石粉末と結合樹脂 (熱可塑性樹脂) と添加剤とを混合し、 該 混合物を混練し、 該混練物を造粒 (整粒) して粒状体を得、 該粒状体を 成形機の金型内に室温で充填して無磁場中で圧縮成形 (温間成形) し、
冷却して、 希土類ポン ド磁石 (サンブル No. 2 1 c 2 7 c ) を製造し た。
磁石粉末 : N d n.,F e , C o ' : B
平均粒径 2 5 tn (F.S.S.S.測定) 、
9 7 . 2 wt% (磁石中の量もほぼ同値)
結合樹脂 : ポリアミ ド ( P A 1 2 ) 樹脂、 1 . 4 wt%
添加剤 : ヒ ドラジン系酸化防止剤 1 . 4 wt%
混合 : 実施例 1 1 と同じ。
混練 : 2軸押出混練機を使用。 混練温度 1 5 0 2 5 0 eC
スク リ ュー回転数 1 0 0 2 5 0 rpm
φ 1 0 mmの円柱状で吐出し、 長さ 5 1 5 mmのぺレ ッ ト と した。
造粒 : 粉砕と分級によ り、 粒度調整を行った。
最大粒径および平均粒径は下記表 2 6参照。
成形 : 油圧ブレス機を使用。 成形温度 2 3 0 °C、 成形圧力 1 0 kg f /匪' o
成形品形状は、 円筒状 (ロ標寸法 : 外径 0 1 8 . 0 0 mmx 内径 0 1 4 . 0 0 mm X高さ 1 0 . 0 0 mm)
給材は、 粒状体 (造粒品) を 6 . 4 4 g秤量した後、 全量 を金型のギヤ ッブ内に周方向に均一に流し込んだ。
得られた希土類ポン ド磁石について、 密度、 空孔率、 成形品の高さを 調べたところ、 下記表 2 6に示す通りであった。
表 2 6 に示すように、 造粒された粒状体の粒径が小さ く なるにつれて、 空孔率が増大する傾向を示す。 これは、 粒径が小さいと、 成形時のエア の巻き込みが多くなることが原因であると推定される。
従って、 粒状体の最大粒径の下限値は、 好ま しく は 0 . 0 1 mm、 よ り
好ま しくは 0 . 0 2 mm、 さ らに好ま し く は 0 . 0 5 mmとされる。
粒状体の最大粒径が金型のギャ ップの最小寸法 ( 2 . 0 mm) 以下であ ると、 金型への給材が容易に行える。 各サンブルは、 寸法誤差が ± 5 / 1 0 0 mm以内であ り、 寸法精度が高いものであった。
(実施例 1 6 )
下記の磁石粉末と結合樹脂 (熱可塑性樹脂) と添加剤とを混合し、 該 混合物を混練し、 該混練物を造粒 (整粒) して粒状体を得、 該粒状体を 成形機の金型内に室温で充填して無磁場中で圧縮成形 (温間成形) し、 冷却して、 希土類ポン ド磁石 (サンブル No. 2 8 c 3 3 c ) を製造し た。
磁石粉末 : N d ..F e C o B
平均粒径 2 5 〃m (F.S.S.S.測定) 、
9 7 . 0 wt% (磁石中の量もほぼ同値)
結合樹脂 : ポリアミ ド ( P A 1 2 ) 樹脂 +ポリアミ ド ( P A 6 —
1 2 ) 樹脂、 P A 1 2 / P A 6 - 1 2の比率 = 5 / 5 合計 1 . 6 wt%
添加剤 : ヒ ドラジン系酸化防止剤 1 . 4 wtD
混合 : 実施例 1 1 と同じ。
混練 : 実施例 1 5 と同じ。
造粒 : 粉砕と分級によ り、 最大粒径 5 mm (平均粒径 2 mm) と した。 成形 : 油圧プレス機を使用。 成形温度 2 3 0 °C、 成形圧力 1 0 kg f /mm' o
成形品形状は、 平板状 (目標寸法 : 横幅 1 0 . 0 0 mm X厚 さ a mm ( aは可変) x高さ 1 0 . 0 0 mm)
なお、 成形に際しては、 金型寸法 : 1 0 . 0 0 mm X a mm ( aは下記表 2 7 に示す) のギャ ップを持つ複数の金型を用いた。 このとき、 a寸法
の変化にかかわらず、 成形品の高さが 1 0 mmとなるように、 金型ギヤ ッ ブへの粒状体の充填量 (下記表 2 7 に示す) を調整した。
得られた希土類ボン ド磁石 (成形 ) の重量および高さの測定結果を 下記表 2 7に示す。
表 2 7 に示すように、 金型のギャ ップの最小寸法 aに対し、 粒状体の 最大粒径が相対的に小さ く なるほど、 寸法誤差が小さ くなる。 特に、 寸 法 aが粒状体の最大粒径 ( 5 mm ) 以上のとき (サンプル No . 3 1 c 〜 3 3 c ) には、 高い寸法精度が得られている。
(実施例 1 Ί )
圧縮成形後、 2 3 0 °C、 5分間熱処理を施した以外は 前記実施例 1 5 と同様に して希土類ボン ド磁石 (サンブル No . 3 4 c 4 0 c ) を製 造した。 測定結果は、 表 2 6 とほぼ同様であった。
(実施例 1 8 )
圧縮成形後、 2 0 0 °C、 3分間熱処理を施した以外は 前記実施例 1 6 と同様に して希土類ポン ド磁石 (サンブル No . 4 1 c 4 6 c ) を製 造した。 測定結果は、 表 2 7 とほぼ同様であった。
以上述べたように、 本発明によれば、 少ない結合樹脂量でも成形性に 優れ、 低空孔率で、 機械的強度が高く、 耐食性 (耐久性) に優れ、 また、 寸法安定性 (寸法精度) が高く、 磁気特性に優れた希土類ボン ド磁石を 提供することができる。
この場合、 粒状体の粒径が所望の範囲である場合には、 空孔率が極め て低く 、 しかも、 寸法安定性がさ らに向上する。
また、 温間成形によ り成形することによ り、 比較的低い成形圧力で上 記特性の希土類ボン ド磁石を製造することができ、 製造が容易である。 よって、 製造コス ト の低減が図れ、 量産にも適する。
特に、 冷却時における第 2の温度 (P余圧温度) せ、 用いる熱可塑性樹
脂の融点以下の温度、 さ らには熱変形温度以下の温度である場合や、 第 1 の温度と所定温度以上乖離している場合には、 空孔率が極めて低く か つ寸法安定性が極めて高い希土類ボン ド磁石を提供するこ とができる。 磁気特性の向上はもちろんのこと、 耐食性の向上や寸法安定性の向上 は、 小型モータ等に適用 した場合に、 その性能の向上に多大な貢献をも たらす。
表 1
mm 結 合 樹 脂 融 占 埶変幵
No. (熱可塑性樹脂) ra ra
A ポリアミド樹脂 (PA12) 178 145
B ボリアミド樹脂 (コボリマ PA6— 12) 1 5 46
C ポリアミド樹脂 (PA6) 215 180
D ボリプロピレン樹脂 (PP) 174 105
E ボリエチレン樹脂 (PE) 128 86
F 共重合ボリエステル (液晶ポリマ一: LCP) 280 180
G ボリフエ二レンサルファイド (PPS) 287 260
表 2 (靈列 1 )
表 3 (難例 1 ) サンブル Br i He (BH) max 密 度 空孔率 機械的強度 耐食性
No. [kG] [kOe ] [MGOe] [g/cm3 ] [%] [kgf/mm2 ] [時間]
1 a 7. 21 9. 26 10. 1 6. 01 0. 59 7. 90 >500
2 a 7. 19 9. 31 10. 0 6. 03 0. 73 7. 45 >500
3 a 7. 23 9. 23 10. 1 6. 03 0. 37 7. 78 >500
4 a 7. 22 9. 21 10. 0 6. 03 0. 49 7. 60 >500
5 a 7. 27 9. 27 10. 0 6. 08 0. 92 8. 10 300
6a 7. 24 9. 35 10. 3 5. 88 0. 58 6. 95 300
7 a 7. 23 9. 30 10. 2 5. 95 0. 38 5. 80 350
8a 7. 03 9. 12 9. 8 6. 29 0. 64 9. 65 450
9 a 7. 01 9. 10 9. 8 6. 27 0. 59 9. 73 450
表 4 樹脂 結 合 樹 脂 軟化 硬化条件
No. (熱硬化性樹脂) ra
H ビスフエノ一ル A型ェボキ ^脂 150°Cx lhr
(約 10 C)
I フエノールノボラック型ェボキシ榭脂 80 170°Cx 2hr
J フエノール樹脂 70 180°Cx4hr
表 5 (纖例 2) サンブル 結合樹脂 混練温度 除圧離 腿圧力
No. ra [V] ] [kgf/画2 ]
10 a H 至 am 室温 5 60
1 1 a H 至温 至 ΰπι 5 65
12 a I 80〜100 120 50 70
13 a I 120 50 100
14 a J 00 70〜90 100 50 100
〇
15a J 70〜90 100 50 120
〇
o
表 6 (魏例 2) サンブル 密 度 空孔率 機械的強度 耐食性 no. LS cm j し^ Dj
1 J
10 a 8. 8 5. 81 5. 92 3. 75 2000
11 a 9. 1 5. 85 5. 27 3. 86 2000
12 a 9. 0 5. 82 5. 75 3. 91 2000
13 a 9. 3 5. 86 5. 1 1 3. 98 2000
14 a 9. 2 5. 90 6. 83 4. 01 2000
15 a 9. 4 6. 02 4. 93 4. 1 1 2000
表 7 醜例 3) サンプル 混練機 混練温度 回転数 処 理 量
No. ra [rpra]
16a 二軸押出 纖 170—320 100—250 30kg/hr
17 a 口—ル扁幾 180-300 10—100 5 kg batch, 15min/batch
18a 二一ダ一 180〜300 20〜100 10 kg/batch, 30 min/batch
19 a KCK 170-320 20〜 80 20kg/hr
表 8 醜例 3) サンブル (BH) max 密 度 空孔率 機械的強度 耐 食 性
No. [MGOe] [g/cra3 ] [%] [kgf/國 2 ] t時間 3
16 a 15. 2 6. 63 0. 65 8. 14 > 1000
17 a 15. 5 6. 65 0. 35 8. 23 >1000
18 a 14. 9 6. 61 0. 95 8. 09 > 100ひ
19 a 15. 3 6. 63 0. 65 8. 19 > 1000
表 9 瞧例 4)
注) J¾fl¾a fiと髙さは、 n= 10の平均値
表 10 (難例 5) サンプル 結合樹脂 靈 (BH) max 密 度 - 空孔率 機械的強度
No. ra [MGOe] [g/cm3 ] [%] [kgf/mmz ]
32a A 150 17. 0 6. 21 2. 52 5. 10
33a A 180 17. 5 6. 28 1. 42 7. 10
34 a A 200 18. 2 6. 34 0. 48 7. 70
35a A 300 17. 8 6. 32 0. 79 7. 61
36a A 360 16. 2 6. 32 0. 79 7. 55
37a F 190 16. 9 6. 36 2. 70 8. 10
38a F 220 17. 1 6. 40 2. 09 8. 51
39 a F 250 17. 5 6. 44 1. 48 9. 25
40a F 300 18. 0 6. 50 0. 56 9. 78
41 a F 350 17. 6 6. 50 0. 56 9. 65
42a F 400 15. 5 6. 50 0. 56 9. 60
表 1 1 (雄例 6)
注) 外径は、 n= 10の測定値から算出
表 12 (雄例 7) サンプル 戲癒 Br i He (BH) max 密度 空孔率 機械的強度
No. [ 。C ] [ kG] [kOe ] [MGOe] [g cm3 ] [ % ] [kgf/mm2 ]
1 b 170 6. 87 9. 91 10. 2 6. 14 3. 74 6. 97
2b 175 6. 94 9. 90 10. 6 6. 20 2. 80 6. 99
3b 180 7. 05 9. 92 1 1. 4 6. 30 1. 23 7. 1 1
4b 200 7. 08 9. 91 1 1. 5 6. 33 0. 76 7. 53
5 b 220 7. 07 9. 90 1 1. 5 6. 33 0. 76 7. 51
6b 240 7. 04 9. 85 1 1. 2 6. 31 1. 07 7. 58
表 13
表 14 纖例 8)
表 15へ続く
表 15 赚例 8) サンプル 粉 末 除圧 密 度 空孔率 真円度
1 No No. し [ ] Γ 1
21 b 3 125 6. 00 0. 82 5. 4
22b 3 90 6. 02 0. 49 4. 6
23b 182 6. 27 3. 17 29. 1
24b 寸寸寸寸M C ( 175 6. 29 2. 87 23. 1 卜卜 CM CM
25b DD I I 160 6. 35 1. 98 21. 3
9 « h 2 (75%) + + + 1 35 fi 44 0 7
4 (25%)
27b 80 6. 46 0. 24 3. 8
28b 5 175 5. 92 2. 14 19. 7
29b 5 150 5. 94 1. 81 10. 1
30b 5 135 6. 00 0. 82 6. 1
31 b 5 100 6. 00 0. 82 4. 0
表 16 樹脂 結 合 樹 月旨 融 点 混練温度 成形温度
No. (熱可塑性樹脂) [eC] [V] [V] [c]
A ポリアミド樹月旨 (PA12) 178 145 150〜250 230
B ポリアミド樹脂 (コボリマ PA6— 12) 145 46 100~250 200
C ポリアミド樹脂 (PA6) 215 180 200-280 270
D ポリプロピレン樹旨 (PP) 174 105 140-250 220
E ポリエチレン樹脂 (PE) 128 86 100—200 180
F 液晶ポリマー (LCP) 280 180 250-350 320
G ポリフヱニレンサルファイド (PPS) 287 260 270—350 300
A + B ボリアミド樹脂 (混合) 96 120-250 200
(PA 12: 50%+PA6- 12: 50%) (m )
1 7 纖例 9)
表 18へ続く
表 18 隱例 9)
表 19へ続く
19 (魏例 9) サンブル 榭 脂 匪 密 度 空孔率 真円度
No. No. [で] [g/cm3 ] i m J
52 b E 95 6. 63 2. 05 12. 1
53 b E 78 6. 70 1. 01 9. 6
54b F 290 6. 90 3. 43 36. 6
55b F 275 6. 95 2. 73 18. 6
56b F 250 6. 98 2. 31 15. 3
57b F 190 7. 08 0. 91 7. 1
58b F 170 7. 1 1 0. 49 3. 6
59b G 292 6. 86 3. 66 30. 0
60b G 280 7. 05 0. 99 7. 2
61 b G 255 7. 09 0. 43 3. 8
62b G 200 7. 09 0. 43 3. 4
表 20
組 成 磁石粉末 結合樹脂 酸化防止剤 その他の添加剤
[wt%] [wt%] [ t%] [ t%]
舰 1 92. 0 7. 1 0. 7 シリコーンオイル 0. 2 糸脈 2 94. 0 4. 7 1. 2 ォレイン酸 0. 1 腿 3 96. 0 2. 4 1. 6
糸脈 4 98. 0 1. 0 1. 0
表 21 (HiSMio)
表 22へ続く
表 22
サンブル 組 成 除圧離 密 度 空孔率 真円度 (BH) max f
Lし J LB レ J し o J 1 L / -lll J
1 » 0 9 ft Q Q
7 ? b 丄 1 7 f 9, J Q 7 O ¾ Q Q 4
7 b 組 Β5 3 170 17 f · « Q R
74 ¾日1卩乂 3 丄 1 *■* Ωリ R Π 1 PI K 1丄 Πリ · Π u
75b 組成 3 100 6 02 0. 61 10 1
76b 組成 4 185 6. 52 3. 10 27. 6 10. 5
77b 組成 4 178 6. 57 2. 36 19. 7 10. 6
78b 組成 4 170 6. 59 2. 02 14. 0 10. 9
79b 組成 4 140 6. 62 1. 62 5, 1 1 1. 2
80b 組成 4 100 6. 66 1. 02 4. 8 1 1. 4
表 23
Nd-Fe-B Ndia.0Fe77. eCo-ι. a Be.9 平均粒径 1 5 am
Sm—し o Sm (C O 0. 672 Γ βθ. 22UUo. Οβ , Γθ. 028 / β. 35 平均粒怪 18wm
Sm-Fe-N Sm2 F e IT 3 平均粒 ί圣 2μπι ナノ結晶 Nd— Fe— B N d5. s F eeeB ιβ. 5C Os C r5 平均粒怪 20
Nd-Fe-B (隨法) Nd 12. β F β 69. 3 O 12. 0 B β. O Λ Γ 0. I 平均粒径 20
表 24 醜例 1 1 )
サンブル No. l c、 2c、 5 cは、 無磁場/
サンブル No. 3c、 4c、 6cは、 磁場;^ (ラジアル磁場 15k0e印加)
表 25 (t圖 3)
サンプル No. 7c、 8c、 1 l cは、 無磁塌
サンブル No. 9G、 10C、 12 cは、 磁場 j¾¾ (ラジアル磁場 15k0e印加)
表 26 ( 例 15 ) サンブル 粒状体默粒怪 粒状体平均粒怪 成形品密度 空孔率 舰品高さ
No. [iran] [mm] [g/cni3 ] [%] Lmm]
21 c 2. 0 1. 5 6. 42 0. 42 9. 95
22c 1. 0 0. 8 6. 42 0. 42 9. 99
23c 0. 5 0. 45 6. 41 0. 58 10. 00
24c 0. 3 0. 2 6. 40 0. 73 10. 00
25c 0. 1 0. 05 6. 37 1. 20 10. 02
26c 0. 05 0. 04 6. 30 2. 28 10. 04
27c 0. 02 0. 01 6. 26 2. 50 10. 05
表 27 例 16) サンブル &寸法 粒状体充填量 廳ロロ さ
No. [mm] [ g] [ran] 8 c 4. U Δ . D 2. 31 y. 1
29c 4. 5 2. 85 2. 66 9. 35
30c 4. 8 3. 04 3, 01 9. 90
31 c 5. 0 3. 17 3. 15 9. 95
32c 5. 5 3. 48 3. 48 10. 00
33c 6. 0 3. 8 3. 79 9. 99
産業上の利用可能性
本発明は、 上述した効果を有することから、 例えばステ ッ ピングモ一 夕、 ブラシ レスモ一夕等の各種モー夕ゃソ レノ ィ ド、 ァクチユエ一夕等 を構成する永久磁石、 自動車等に使用されるセンサ一等を構成する永久 磁石、 V T R等のフ ァイ ンダーを構成する永久磁石、 計器類等に用いら れる種々の永久磁石に適用することができる。