JP2004107797A - 等方性ボンド磁石用の希土類磁石材料 - Google Patents

等方性ボンド磁石用の希土類磁石材料 Download PDF

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Abstract

【課題】 良好な寸法精度と高い磁気特性とを具備する等方性ボンド磁石用の新規な希土類磁石材料を提供する。
【解決手段】 原子%でRα100−(α+β+γ+δ)βγδ(RはYを含む希土類元素の1種または2種以上でありSmを必ず含み、TはFeまたはFeとCoであり、MはAl、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Ga、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Wの1種または2種以上でありTiを必ず含み、5≦α≦18,0.5≦β≦10,0.1≦γ≦4,4≦δ≦30である)で表される主要成分組成を有する等方性ボンド磁石用の希土類磁石材料であって、窒化後に前記希土類磁石材料の主要成分組成になるように成分調整されているとともに冷却用ロールの周速を0.05〜10m/秒として溶湯急冷し得られた母合金を用い、平均結晶粒径が0.01〜1μmの2−17型構造の硬質磁性相から実質的になり、かつαFeの面積比率の平均値が5%以下であることを特徴とする。
【選択図】    図1

Description

本発明は良好な寸法精度と高い磁気特性とを具備する等方性ボンド磁石用の希土類磁石材料に関する。
希土類ボンド磁石に多用されているのは、NdFe14B型金属間化合物を主相とする合金組成に調整した溶湯を、溶湯急冷法により急冷凝固して得られた非晶質合金を必要に応じて粉砕後、熱処理を施して結晶化したNdFe14B型金属間化合物を主相とする等方性の磁石粉末である。その他、前記溶湯をストリップキャストまたは鋳型鋳造して得られた合金を粉砕し、続いて水素化、相分解、脱水素および再結合反応処理法(特許第1947332号公報を参照)を適用して異方性を付与した、微細再結晶組織のNdFe14B型金属間化合物を主相とするボンド磁石用粉末がある。あるいは前記非晶質合金の薄片をホットプレス等により温間で加圧成形し高密度化後、続いて温間で塑性加工(据込み加工等)を施すことにより異方性を付与した、微細結晶組織のNdFe14B型金属間化合物を主相とするボンド磁石用粉末がある。
昨今の希土類ボンド磁石には高性能化(薄肉化)とともに厳しい寸法精度が求められつつある。例えば移動体通信用の電子ブザーに用いる場合、振動板とのギャップ調整により音質を調整する方法が採用される。組立工程も自動化ラインで行われるため、希土類ボンド磁石を含めた電子ブザー用部品の寸法精度を向上することが性能向上に必須である。
また、例えばコンピュータのハードディスクドライブを構成するスピンドルモーター用、CD−ROM駆動装置のモーター用、さらには今後DVD(デジタルビデオディスク)用の希土類ボンド磁石に対して、特に高い磁気特性(薄肉化)および厳しい寸法精度の要求が見込まれる。
また、接着剤による継ぎ目をなくすことで組立工数の削減とともに各種磁石応用製品の高性能化を実現できるため、長尺でかつ一体ものの希土類ボンド磁石のニーズがある。さらに薄肉長尺品形状の希土類ボンド磁石を求めるニーズもある。ここで、長尺とは高さ寸法が10mm以上のもの、薄肉とは肉厚が3mm以下のものをいう。
また、厚みが2mm以下のシート形状の希土類ボンド磁石は、例えば回転機に搭載される回転子の界磁磁石として有望視されるが、このシート状ボンド磁石を巻回して界磁磁石を構成したときの真円度の向上が回転機のエアギャップ間隔を極力狭め、効率向上を実現するために非常に重要であり、これは主にシート状ボンド磁石の表面粗さに依存する。
このように、昨今の希土類ボンド磁石には薄肉化、長尺化、薄肉長尺化またはシート状化とともに磁気特性および寸法精度のさらなる向上が求められている。
特許第1947332号公報
 希土類ボンド磁石は使用するコンパウンド性状および成形方法により磁気特性、寸法精度が影響を受ける。
圧縮成形法による場合は、圧縮成形用のコンパウンドを所定の成形金型のキャビティに充填後加圧して圧縮成形する。上記の希土類ボンド磁石の薄肉、長尺または薄肉長尺の厳しい要求に伴い、キャビティへの給粉が困難になる他、特に充填深さ方向(加圧方向)への圧力伝達が不十分になり、一成形品において加圧力を直接受ける両端部に比べて中央部付近の密度が低くなるという問題が顕著になってきている。この密度ばらつきは磁気特性および製品寸法のばらつきの主因でもある。
射出成形法は成形品の形状自由度に富むが、成形性を確保するためにその分射出成形用コンパウンドに配合する磁石粉末の含有量を低減する必要がある。必然的に圧縮成形法または押出成形法による希土類ボンド磁石よりも磁気特性が低くなる。圧縮成形法による場合ほど顕著ではないが、射出成形体の密度がばらつくという問題がある。この密度ばらつきは磁気特性および製品寸法のばらつきを招来する。
押出成形法は特に長尺品の成形に好適であるが、長尺になるほど成形体密度が大きくばらつくという問題を有する。この密度ばらつきは磁気特性および製品寸法のばらつきを招来する。
なお、押出成形法による希土類ボンド磁石は、通常バインダー比率が、射出成形法より低く、圧縮成形法より高いので、押出成形法による希土類ボンド磁石の磁気特性は射出成形品より高くなり、圧縮成形品より低くなる。
従来より、所定比率の希土類磁石粉末とバインダーとを配合後、混合し、続いて混練後、ペレタイジングしてペレット状のコンパウンド(後述の予備混練ペレットに相当する)を得ている。この従来のコンパウンド(以後、ペレットという)は空隙をかなり含み、角張った不定形状を有するので流動性(成形性)に乏しいという欠点を有する。従来のペレットを用いて、圧縮成形法等により希土類ボンド磁石を成形した場合、1成形品内において密度、磁気特性および寸法の大きなばらつきを招来するという問題がある。
本発明の課題は、良好な寸法精度と高い磁気特性とを具備する等方性ボンド磁石用の新規な希土類磁石材料を提供することである。
上記課題を解決した本発明の希土類磁石材料は、原子%でRα100−(α+β+γ+δ)βγδ(RはYを含む希土類元素の1種または2種以上でありSmを必ず含み、TはFeまたはFeとCoであり、MはAl、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Ga、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Wの1種または2種以上でありTiを必ず含み、5≦α≦18,0.5≦β≦10,0.1≦γ≦4,4≦δ≦30である)で表される主要成分組成を有する等方性ボンド磁石用の希土類磁石材料であって、窒化後に前記希土類磁石材料の主要成分組成になるように成分調整されているとともに冷却用ロールの周速を0.05〜10m/秒として溶湯急冷し得られた母合金を用い、平均結晶粒径が0.01〜1μmの2−17型構造の硬質磁性相から実質的になり、かつαFeの面積比率の平均値が5%以下であることを特徴とする。
本発明の希土類磁石材料は、RがSm、Laおよび不可避的不純物からなり、La含有量が0.05〜2原子%である場合に良好な着磁性を示し有用である。
 本発明の希土類磁石材料粉末とバインダーとから実質的に構成される等方性ボンド磁石であって、(外径寸法−内径寸法)/2で定義する肉厚が0.3〜3mmでありかつ高さ寸法が0.3〜50mmであるリング形状を有する場合に、前記外径寸法の真円からのずれが15μm以下のものを成形できる。また前記リング状ボンド磁石の内径寸法の真円からのずれを15μm以下にできるので実用性に富んでいる。前記外径寸法および/または内径寸法の真円からのずれを、より好ましくは10μm以下に、特に好ましくは5μm以下にすることができる。
また前記リング状ボンド磁石を圧縮成形法を用いて作製したとき、平均密度が5Mg/m以上になり、かつ1成形品における両端部の密度が高くなり、中心部の密度が低くなる密度分布を呈するが、前記密度分布における最大値および最小値の差を0.3 Mg/m以下に低減したものを得られる。このリング状ボンド磁石を機械加工(研磨等)を加えることなく用いて回転子を構成し、回転機に組み込んだ場合、エアギャップの間隔を従来より狭めることが可能で、高効率の回転機を構成することができる。
 また本発明の希土類磁石材料粉末とバインダーとから実質的に構成される等方性ボンド磁石であって、外径寸法が1〜50mmでありかつ高さ寸法が0.3〜50mmの中実円筒形状を有する場合に、前記外径寸法の真円からのずれが15μm以下のものを成形できる。前記外径寸法の真円からのずれを、より好ましくは10μm以下に、特に好ましくは5μm以下にすることができる。
前記中実円筒形状のボンド磁石を圧縮成形法を用いて作製したとき、平均密度が5Mg/m以上になり、かつ1成形品における両端部の密度が高くなり、中心部の密度が低くなる密度分布を呈するが、前記密度分布における最大値および最小値の差を0.3 Mg/m以下に低減したものを得られる。
 また本発明の希土類磁石材料粉末とバインダーとから実質的に構成される等方性ボンド磁石であって、厚みが0.05〜2mmのシート形状を有する場合、JISB0601により規定される最大高さ(Ry)が15μm以下のものを成形できる。
このシート状ボンド磁石は最大高さ(Ry)が15μm以下に低減されているので、機械加工(研磨等)を施すことなく各種磁石応用製品に用いた場合、従来に比べて磁気ギャップの間隔を狭めることが可能で性能向上に寄与することができる。最大高さ(Ry)を、より好ましくは10μm以下に、特に好ましくは5μm以下にすることができる。
 本発明によれば、良好な寸法精度と高い磁気特性とを具備する等方性ボンド磁石用の新規な希土類磁石材料を提供することができる。
本発明の希土類磁石材料粉末は、原子%でRα100−(α+β+γ+δ)βγδ(RはYを含む希土類元素の1種または2種以上でありSmを必ず含み、TはFeまたはFeとCoであり、MはAl、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Ga、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Wの1種または2種以上でありTiを必ず含み、5≦α≦18,0.5≦β≦10,0.1≦γ≦4,4≦δ≦30である)で表される主要成分組成を有する。
以下に組成限定理由を説明する。
 RにはSmまたはSmおよびLaを必ず含み、さらにY、Ce、Pr、Nd、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luの1種または2種以上を含むことが許容される。Smミッシュメタルやジジム等の2種以上の混合希土類金属を用いてもよい。Rとして、より好ましくはSmまたはSmおよびLaとY、Ce、Pr、Nd、Gd、Dy、Erの1種または2種以上との組み合わせ、さらに好ましくはSmまたはSmおよびLaとY、Ce、Pr、Ndの1種または2種以上との組み合わせ、特に好ましくは実質的にSmまたはSmおよびLaからなる場合である。Smの純度でいえば、保磁力iHc≧397.9kA/m(5KOe)を実現するために、Rに占めるSm比率を、好ましくは50原子%以上、さらに好ましくは70原子%以上とする。Rには製造上混入が避けられないO、H、C、Al、Si、Na、Mg、Ca等の不可避的不純物を合計でRのうちの10原子%以下含有することが許容される。
R含有量(α)は5〜18原子%が好ましく、6〜12原子%がより好ましい。R含有量が5原子%未満ではiHc≧397.9kA/m(5kOe)を実現することが困難であり、18原子%超ではSrフェライト焼結磁石と同等以上の最大エネルギー積(BH)maxの実現が困難である。
RがSm、Laおよび不可避的不純物からなり、R含有量が5〜18原子%であり、かつLa含有量が0.05〜2原子%のときに、前記希土類ボンド磁石の着磁性が改善される。La含有量が0.05原子%未満では着磁性が改善されず、2原子%超では角形(Hk)が逆に低下する。これは前記La含有量範囲のときに異方性磁界および飽和磁束密度はやや低下するが、室温の1989.5kA/m(25kOe)以下で着磁した場合の(BH)maxおよびHkが高められるからである。Hkは4πI−H減磁曲線上において0.7Brの位置におけるHの値であり、減磁曲線の矩形性の尺度である。Brは残留磁束密度、Hは磁界の強さ、4πIは磁化の強さである。
後述のストリップキャスト法による母合金を用いるとき、下記特定量のM元素およびB元素を含有することにより磁気特性を高めることができる。鋳型鋳造法あるいは還元/拡散法による母合金を用いる場合はM元素および/またはB元素は必須含有元素ではない。
Al、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Ga、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Wの1種または2種以上からなるM元素の含有量(β)は0.5〜10原子%が好ましい。M元素の含有量が10原子%超ではThMn12型のSm(Fe,M)12相が生成しiHcが大きく低下する。0.5原子%未満では添加による磁気特性の向上効果を得られない。
Bの含有量(γ)は0.1〜4原子%が好ましい。0.1原子%未満では添加効果が認められず、4原子%超ではiHcが大きく低下する。
 窒素の含有量(δ)は4〜30原子%が好ましく、10〜20原子%がより好ましい。4原子%未満および30原子%超ではiHc、(BH)maxが大きく低下する。
Feの一部を0.01〜30原子%のCoで置換することが好ましく、1〜20原子%のCoで置換することがより好ましい。所定量のCoを含有することによりキュリー温度およびiHcの温度係数が向上するが、Co含有量が30原子%超では(BH)max、iHcが顕著に低下し、0.01原子%未満では添加効果が認められない。
還元/拡散法を用いた場合は安価なR−T−N系磁粉を提供することができる。また、高周波溶解またはアーク溶解等により前記R−T−N系磁粉に対応したR−T系母合金の主要成分組成に調整した溶湯を作製後、鋳型鋳造法またはストリップキャスト法により凝固して得られたR−T系母合金を用いて前記R−T−N系磁粉を作製することができる。なお、ストリップキャスト法による場合、R−T系母合金溶湯の急冷凝固に用いる冷却用ロールの周速を、好ましくは0.05〜10m/秒、より好ましくは0.1〜8m/秒とすることが急冷凝固した母合金のαFeの発生量を低減し、かつ最終的に得られるR−T−N系磁粉のαFe量の低減を実現し、丸みを帯びた充填性に富んだ粒子形態にするためによい。
 前記R−T−N系磁粉を還元/拡散法を用いて作製する場合の好ましい製造条件を以下に説明する。
まず、Rの酸化物とFeまたはFeの酸化物とを、上記R−T−N系磁粉に対応したR−T系母合金の主要成分組成に配合する。さらにRの酸化物および必要に応じてFeの酸化物が化学反応式上100%還元される量(これを化学量論的必要量という)の0.5〜2倍に相当する量の還元剤(Ca、Mg、CaH、MgHの1種または2種以上)を前記配合物に添加後、混合する。続いて、混合物を不活性ガス雰囲気中で1000〜1300℃×1〜20時間加熱してRの酸化物等を還元し、続いて還元したRとFeとを十分に相互拡散させた後室温まで冷却する。還元剤の添加量が化学量論的必要量の0.5倍未満では工業生産上有益な還元反応が実現されず、2倍超では最終的に磁粉に残留する還元剤量が増大して磁気特性の低下を招く。また、不活性ガス雰囲気中での加熱条件が1000℃×1時間未満では工業生産上有益な還元/拡散反応が進行せず、1300℃×20時間超では還元/拡散反応炉の劣化が顕著になる。次に、反応物を洗浄液中に投入してCaO等の反応副生成物を洗い流した後、脱水および真空乾燥を行って還元/拡散法により作製したR−T系母合金が得られる。次に、必要に応じて前記R−T系母合金を、窒素を含まない不活性ガス雰囲気中で1010〜1280℃×1〜40時間加熱する均質化熱処理を行い、αFeおよび他の偏析相を固溶させた後、室温まで冷却する。均質化熱処理の条件が1010℃×1時間未満ではαFeおよび他の偏析相の固溶が進まず、1280℃×40時間超では均質化熱処理の効果が飽和し、Sm等の蒸発による組成ずれが顕著になる。
こうして得られたR−T系母合金は、Ca含有量が好ましくは0.4重量%以下、より好ましくは0.2重量%以下、特に好ましくは0.1重量%以下であり、酸素含有量が好ましくは0.8重量%以下、より好ましくは0.4重量%以下、特に好ましくは0.2重量%以下であり、炭素含有量が好ましくは0.3重量%以下、より好ましくは0.2重量%以下、特に好ましくは0.1重量%以下のものである。
 次に、1.0×10〜1.0×10Pa(0.1〜10atm)の水素ガス中または水素ガス分圧を有する不活性ガス(窒素ガスを除く)中で675〜900℃×0.5〜8時間加熱する水素化・分解反応処理と、続いて1.3Pa(1×10−2Torr)以下の高真空中で700〜900℃×0.5〜10時間加熱する脱水素・再結合反応処理とを行う。水素化・分解反応により母合金を希土類元素Rの水素化物RHx相などに分解する。続いて、脱水素・再結合反応により、母合金相に再結合させて平均結晶粒径が0.01〜1μmの微細な再結晶粒からなる母合金を得る。個々の再結晶粒子はランダムに配向する。水素化・分解反応の水素分圧が1.0×10Pa(0.1atm)未満では分解反応が起こらず、1.0×10Pa(10atm)超では真空排気設備の大型化、コスト増を招く。よって水素分圧は1.0×10〜1.0×10Pa (0.1〜10atm)が好ましく、5.0×10〜5.0×10Pa(0.5〜5atm)がより好ましい。水素化・分解反応の加熱条件が675℃(ほぼ水素化分解下限温度相当)×0.5時間未満では母合金が水素を吸収するのみでRHx相などへの分解が起こらず、900℃×8時間超では脱水素後の母合金が粗大粒化し、希土類ボンド磁石のiHcが大きく低下する。よって、水素化・分解反応の加熱条件は675〜900℃×0.5〜8時間が好ましく、675〜800℃×0.5〜8時間がより好ましい。脱水素・再結合反応の水素分圧が1.3Pa(1×10−2Torr)よりも低真空では処理に長時間を要し、1.3×10−4Pa (1×10−6Torr)よりも高真空とすると真空排気装置の大型化、コスト増を招く。脱水素・再結合反応の加熱条件が700℃×0.5時間未満ではRHx等の分解が進行せず、900℃×10時間超では再結晶組織が粗大粒化してiHcが大きく低下する。よって、平均再結晶粒径を0.01〜1μmとするために、脱水素・再結合反応の加熱条件は700〜900℃×0.5〜10時間が好ましく、725〜875℃×0.5〜10時間がより好ましい。
 次に必要に応じて粉砕を行い、その後窒化処理を行うことにより本発明に用いる磁粉が得られる。窒化前に必要に応じて分級または篩分して粒径分布を調整することが均一な窒化組織を実現し、かつ希土類ボンド磁石の成形容易性および密度を向上するために好ましい。
 窒化は、2.0×10〜1.0×10Pa(0.2〜10atm)の窒素ガス、水素が1〜95モル%で残部が窒素からなる(水素+窒素)の混合ガス、NHのモル%が1〜50%で残部水素からなる(NH+水素)の混合ガスのいずれかの雰囲気中で300〜650℃×0.1〜30時間加熱するガス窒化が実用性に富んでいる。ガス窒化の加熱条件は300〜650℃×0.1〜30時間が好ましく、400〜550℃×0.5〜20時間がより好ましい。300℃×0.1時間未満では窒化が進行せず、650℃×30時間超では逆にRN相を生成しiHcが低下する。窒化における窒素単独ガスまたは窒素含有ガスの圧力は2.0×10〜1.0×10Pa (0.2〜10atm)が好ましく、5.0×10〜5.0×10Pa (0.5〜5atm)がより好ましい。2.0×10Pa(0.2atm)未満では窒化反応が非常に遅くなり、1.0×10Pa(10atm)超では高圧ガス設備の大型化、コスト増を招く。
 窒化後に、真空中あるいは不活性ガス中(窒素ガスを除く)で300〜600℃×0.5〜50時間の熱処理を行うとiHcをさらに高められる場合がある。
こうして得られたR−T−N系磁粉には0.01〜10原子%の水素の含有が許容される。
 また、鋳型鋳造法またはストリップキャスト法により得られたR−T系母合金をそれぞれ用いて、前記と同様にして、水素化・分解反応処理および脱水素・再結合処理後、必要に応じて粉砕し、次いで窒化および熱処理を行い、作製したR−T−N系磁粉を用いることができる。
 本発明のR−T−N系磁粉の平均粒径は、2〜300μmが好ましく、5〜100μmがより好ましく、10〜50μmが特に好ましい。平均粒径が2μm未満では酸化が顕著になり(BH)maxが顕著に劣化し、平均粒径が300μm超では表面性が悪化して磁気回路のギャップの小さい用途に適用できない場合がある。
本発明の磁粉の主相が2−17型結晶構造の硬質磁性相である場合、Srフェライト焼結磁石と同等以上の磁気特性を得るために、その平均結晶粒径は、0.01〜1μmが好ましく、0.01〜0.4μmがより好ましく、0.01〜0.3μmが特に好ましい。平均結晶粒径が0.01μm未満の磁粉は液体急冷法を用いれば製造できるが、工業生産性に劣り、平均結晶粒径が1μm超ではiHcが397.9kA/m(5kOe)未満になる。磁気特性を高めるために、前記磁粉のαFeの含有比率は、面積比率の平均値で、5%以下が好ましく、3%以下がより好ましく、1%以下が特に好ましい。
 硬質磁性相およびαFeの同定ならびにそれらの相の面積比率の算出は、電子顕微鏡および光学顕微鏡により撮影した断面組織写真、電子回折結果ならびにX線回折結果等を考慮して求める。例えば、対象とするR−T−N系磁粉粒子の断面を撮影した透過型電子顕微鏡写真およびその断面組織の同定結果を符合させて求めることができる。
本発明に係る希土類ボンド磁石のバインダーとして熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、ゴム材料または上記R−T−N系磁粉のキュリー温度よりも低い融点を持つ金属(合金)を用いることができる。このうち、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂またはゴム材料が実用性に富んでいる。
熱硬化性樹脂として熱硬化性液状樹脂が特に適している。具体例を挙げれば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂またはケイ素樹脂の液状樹脂がよい。特に、液状エポキシ樹脂は取り扱いが容易で良好な耐熱性を示し、安価であるため最もよい。固形(粉末状)樹脂では粘性が無いため、後述のノズル穴を通過させることが容易ではない。
 熱可塑性樹脂として、ポリアミド樹脂(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11またはナイロン12等)、ポリフェニレンサルファイド樹脂、液晶ポリマー樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂またはエチレン−エチルアクリレート共重合体樹脂等が挙げられる。
 ゴム材料として、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴムまたはハイパロン等が挙げられる。
本発明に係るコンパウンドの製造例を以下に説明する。
末端に直径300μm以下のノズル穴(吐出口)を付設した押出装置に従来のペレットを投入後、ノズル穴から混練物を強制的に押出す。この強制押出により、押出物の密度が高められる。続いて押出物を切断と整粒とが同時に行える装置(マルメライザー等)に投入して丸みを帯びた粒状のコンパウンドにする。このコンパウンドを用いて圧縮成形等を行うと、最終的に得られる希土類ボンド磁石は1成形品内での密度のばらつきが非常に小さくなる。同時に高い磁気特性と良好な寸法精度が付与される。この整粒したコンパウンドの単位重量あたり、潤滑剤(ステアリン酸カルシウム等)を0.01〜0.5重量%添加したものは良好な流動性および圧力伝達性を示す。潤滑剤の添加量が0.01重量%未満では潤滑効果が得られず、0.5重量%超では潤滑効果が飽和する。
本発明における最大径とは、コンパウンド、磁粉またはノズル穴断面を撮影した写真において、その最大長を最大径と定義する。最小径とは最大径に直交する方向の最大長をいう。このことを模式的に図8に示す。
本発明に係るコンパウンドは前記窒化磁粉とバインダーとから実質的に構成され、その最大径aと最小径bの比a/bが1.00を超えて3以下であり、かつ(a+b)/2で定義する平均粒径が50〜300μmである丸みを帯びた粒状のコンパウンドである。前記窒化磁粉が重量比率で0.5%以上20%未満のバインダーにより結着されている場合に、前記コンパウンドの一粒内に最小径が10〜300μmの磁粉粒子が平均値で10個以上含まれる。前記コンパウンドは軟化状態で直径が50〜300μmのノズル穴を強制的に通過する際に高い加圧力を受けるので磁粉粒子がバインダー中に密に充填された状態となる。よって、個々のコンパウンド粒内には少なくとも最大径が10〜300μmの磁粉粒子が平均値で10個以上充填される。充填個数が10個未満では従来よりも磁気特性、寸法精度を改善することが困難である。
コンパウンドの形態は走査型電子顕微鏡(SEM)により確認する。(a/b)が3を超えると長細の形状になり流動性(給粉性)が大きく低下し、(a/b)が1.00のものは工業生産上作製が困難である。
平均粒径(a+b)/2はノズルの穴寸法により制約されるため、50〜300μmが適当である。50μm未満では押出が困難な場合があり、300μm超ではコンパウンドの流動性が大きく低下する。ノズル穴の作製はドリル加工によるのが実用的である。直径が300μm以下のノズル穴はレーザー加工または電子ビーム加工により形成することがより好ましく、ノズル穴の寸法精度を高められる。コンパウンドの平均粒径に対応してノズル穴の直径は50〜300μmにされる。ノズル穴の直径が50μm未満では磁粉の詰まりにより押出が困難な場合が発生し、300μm超では従来に比べてコンパウンドの流動性、圧力伝達性、さらには希土類ボンド磁石の磁気特性および寸法精度を改善することが困難になる。ノズル穴の断面形状は楕円、矩形または不定形であってもよいが、いずれにしろノズル穴の断面形状において最大径を300μm以下、最小径を50μm以上とすることがコンパウンドの流動性、圧力伝達性を改善するために必要である。
ノズル穴の詰まりを克服できる範囲内でノズル穴の直径が小さいほどコンパウンドの流動性を高めることができる。
コンパウンドの押出時のノズル穴の詰まり防止のために、ノズルの穴寸法よりも窒化磁粉の粒径分布を細かくしておく必要がある。このため、窒化磁粉をノズル穴の寸法より細かい目開きの篩いで篩分するかあるいは分級しておくことが工業生産上重要である。
本発明に係るコンパウンドにおける前記窒化磁粉とバインダーとの配合比率は、前記窒化磁粉が80重量部超99.5重量部以下、バインダーが20重量部未満0.5重量部以上であるのが好ましい。バインダー量が0.5重量%未満では磁粉粒子の周囲を十分に覆うことができず前記穴径のノズル穴を通過させることが容易ではない。また、ノズル穴を通過できた場合でもバインダーが不足した状態のため結着作用が弱く押出物から磁粉粒子が分離、飛散してしまうという問題を生じる。また、バインダー量が20重量%以上ではバインダーが過多になり希土類ボンド磁石の磁気特性が大きく低下する。
 バインダーに熱可塑性樹脂を用いた場合、成形体に、大気中または不活性ガス雰囲気で100〜200℃×0.5〜5時間の熱処理を施した後、室温まで冷却する。この熱処理により、希土類ボンド製品の経時的な寸法変化、割れの発生を抑えることができる。
 またバインダーに熱硬化性樹脂を用いた場合、成形体に、大気中または不活性ガス雰囲気で100〜200℃×0.5〜5時間の加熱硬化処理を施した後、室温まで冷却することが好ましい。加熱硬化条件が100℃×0.5時間未満では加熱硬化の重合反応が不十分であり、200℃×5時間超では熱処理の効果が飽和する。アルゴンガス雰囲気中での加熱硬化処理が(BH)maxを高められるので特に好ましい。
 以下、実施例により本発明を説明するが、それら実施例により本発明が限定されるものではない。
(実施例1)
純度99.9%のSm、Fe、TiおよびBを用いて下記の窒化磁粉に対応した母合金組成に配合後、アルゴンガス雰囲気の高周波溶解炉で溶解した。得られた母合金溶湯を、直径300mmの銅製の冷却ロール2本を設置した双ロール式ストッリップキャスターの冷却用ロール(周速1m/秒)上に注湯して急冷凝固し、平均板厚300μmの母合金薄帯を得た。次に、母合金薄帯に1.0×10Pa(1atm)の水素ガス中で800℃×1時間加熱する水素化・分解反応処理を施した。続いて約6.7Pa(5×10−2Torr)の真空中で800℃×1時間加熱する脱水素・再結合反応処理を行い、室温まで冷却した。次に、アルゴンガス雰囲気中でジョークラッシャーとディスクミルを用いて粗粉砕後75μmアンダーに篩分した。次に、篩分粉に1.0×10Pa(1atm)の窒素ガス中で450℃×5時間加熱する窒化処理を施した後、室温まで冷却した。次にアルゴンガス気流中で400℃×30分間熱処理後、室温まで冷却した。こうして、主要成分組成が原子%でSm8.0FebalTi2.01.012.0、平均粒径33μmの窒化磁粉を得た。平均粒径はSympatec社製レーザー回折型粒径分布測定装置(ヘロス・ロードス)を用いて測定した。この窒化磁粉は硬質磁性相(ThZn17型、平均結晶粒径0.21μm )および非常に少量のαFeからなり、αFeの含有比率は面積比率の平均値で1%未満であった。
次に、前記磁粉97.5重量部と液状エポキシ樹脂2.5重量部とを配合し混合後、約90℃に加熱した二軸混練機に投入して予備混練し、ペレットを得た。
 次に、予備混練したペレットを、図2(a)に示す押出装置に投入した。ノズル4は押出圧力を効率良く伝達するために半球のドーム型に形成されている。投入されたペレット1は軟化し、スクリュー2の回転力により押出装置の先端のノズル4に向かって練られつつ搬送され、最終的にノズル4に形成された直径0.2mmの穴7から押出された。押出物Pは略円柱状細粒形状を呈しており、その直径はほぼノズルの穴7の直径寸法になっていた。
次に、押出物Pを図2(b)に示すマルメライザーに回収し、整粒した。この整粒に際し、押出された押出物Pは適当な長さで自然に切れて、その直径に対し長さ方向の寸法が100〜500倍の細長い形状になった。それらの所定量をマルメライザーの回転盤11上に乗せて約300r.p.m.で数分間回転処理した。この回転処理により、回転盤11の上面に設けた溝21、バッフルブレード12およびケーシング14の内面に接触または衝突しながら回転移動し、最終的に長さ寸法がその略円柱状細粒物Pのほぼ直径寸法に切断されつつ丸められた。この過程を図3(a)〜(c)により説明する。
図3(a)は図2(b)のマルメライザーを上から見た図である。図3(b)は回転盤11に形成された溝21を示す図である。図3(c)はバッフルブレード12の配置角度を説明する図である。押出物Pは比重が大きいので、回転処理中は主に周速の大きい回転盤11の周辺部の溝21にトラップされる。このトラップされた押出物Pがケーシング14にボルトで締結されたバッフルブレード12に衝突して運動エネルギーが与えられ、この運動エネルギーと遠心力と溝21のトラップ力との相互作用により、矢印で示すらせん運動Sが活発に起こり、略円柱状細粒物Pがほぼその直径の長さ寸法でかつ丸められた整粒形状になる。この整粒を効率よく行うために、バッフルブレード12の中心位置Cと回転盤11の回転中心位置Oとを結ぶ直線Qに対し、バッフルブレード12を角度θ傾けることが好ましい。具体的には、θは30〜70度が好ましく、40〜50度がより好ましい。バッフルブレード12は必要に応じて1つまたは2つ以上設置する。また、トラップ力を発生させるために、溝21の幅Wは0.4〜1.2mmが好ましく、0.8mmが特に好ましい。溝21の深さDは0.6〜1.0mmが好ましく、0.8mmが特に好ましい。間隔Iは0.4〜2mmが好ましく、0.8mmが特に好ましい。
この整粒したコンパウンドは若干粘性を有するので、120℃×1時間の加熱処理を施した後、ステアリアン酸カルシウムを0.05重量部添加後軽く混合し、圧縮成形用のコンパウンドとした。この加熱処理は80〜150℃×0.5〜5時間が好ましく、90〜120℃×0.5〜1.5時間がより好ましい。80℃×0.5時間未満では粘性の除去が十分ではなく、150℃×5時間超では重合が過度に進行して希土類ボンド磁石の密度が低下する。製造工程を図1に示す。
前記の丸みを帯びた粒状コンパウンドのうち200個を任意にサンプリング後、SEM写真に撮影して評価した。その結果、各コンパウンド粒の最大径aと最小径bとの比(a/b)はいずれも1.00を超えて3以内であり、(a+b)/2 で定義した平均粒径は170μmであった。また前記粒状コンパウンドの代表的なものをアセトン中に浸して樹脂分を除いた後、磁粉粒子の充填数をカウントした。その結果、コンパウンド一粒に含まれる磁粉粒子は最大径が8〜43μmであり、25〜85個含まれていた。
(参考例1)
 実施例1で作製した予備混練ペレットを参考例1のコンパウンドとして用いた。この予備混練ペレットについて、実施例1と同様にして評価した(a/b)は3を超えていた。また、このペレット一粒に含まれる磁粉粒子の個数は平均値で10個未満であった。
(比較例1)
 実施例1で作製した窒化磁粉99.55重量部と液状エポキシ樹脂0.45重量部とを配合し、混合して予備混練に供した以外は実施例1と同様にして圧縮成形用コンパウンドの作製を試みた。しかし、図2(a)の押出装置によりコンパウンドを押出す作業が困難を極め、実施例1に比べて押出温度を高める等の工夫をしてようやく押出すことができた。しかし、押出直後のものから磁粉が分離、飛散する現象が観察され、圧縮成形に供することができなかった。
(実施例2)
実施例1において押出時のノズルの穴7の直径を50、100、150、300μmに各々変えた以外は実施例1と同様にして本発明のコンパウンドを作製した。
(参考例2)
実施例1において、押出時のノズル穴7の直径を400μmとした以外は実施例1と同様にしてコンパウンドを作製した。
次に、実施例1のコンパウンド(ノズル穴7の直径200μmの場合)とノズル穴7の直径を50、100、150、300μmとして作製した実施例2の4種のコンパウンドについて、金型キャビティへの給粉性を評価した。給粉性の評価にはJIS規格(Z2502)に基づく流動率測定装置を用いた。まず各々のコンパウンドを80gずつ秤量後、流動率測定装置に設けた直径2mmの貫通穴を、各コンパウンドの所定量が通過する時間を測定した。次いで、単位時間当たりに前記貫通穴から落下するコンパウンドの重量に換算して評価した。同様にして、参考例1のペレット、参考例2のコンパウンドの流動性を評価した。結果を表1に示す。表1より、ノズル穴7の直径が50〜300μmの場合にコンパウンドの流動性が改善されることがわかる。
Figure 2004107797
(実施例3)
 次に、実施例1のコンパウンドを用いて等方性ボンド磁石を作製し、評価した結果を説明する。
 実施例1のコンパウンドはほぼ球形であり、圧力伝達に優れているので、直径10mmのキャビティを有する圧縮成形用金型を用い、その充填深さ(加圧方向のキャビティの深さ)を変えることにより、圧縮成形圧力5.9×10Pa (6トン/cm)の条件で、コンパウンドの充填量を変化させて、L=3〜30mm(Lは高さ寸法)の中実円筒形状の希土類ボンド磁石を成形した。なお、前記圧縮成形用金型のキャビティ面はJISB0601により規定される仕上記号(▽▽▽▽)の表面粗さに仕上げられている。次いで加熱硬化し、等方性の希土類ボンド磁石を得た。前記希土類ボンド磁石の20℃における最大エネルギー積(BH)maxと(L)との関係を図4(a)の(○)に示す。図4(a)の(○)で示す等方性ボンド磁石の密度はいずれも6.2Mg/m超であり、外径寸法の真円からのずれ(真円度)は4〜7μmであり小さかった。
次に、前記ボンド磁石のうちL=10mmのものを、図4(b)に示すようにL方向に略等長に3分割して、密度の分布を調べた。その結果、No.21(左端部)が6.33 Mg/m、No.22(中央部)が6.20Mg/m、No.23(右端部)が6.32 Mg/mであった。続いて、 L=30mmのものを、L方向に略等長に10分割して、密度分布を調べた。その結果、左端部が6.32 Mg/mで最も高く、中央部の2切断片が6.18〜6.19Mg/mで最も低く、右端部が6.30Mg/mで2番めに高かった。
(参考例3)
参考例1のペレットを用いた以外は実施例3と同様にして、L=3〜30mmの等方性ボンド磁石を作製し、評価した。結果を図4(a)の(●)に示す。
図4(a)の(●)で示す等方性ボンド磁石の密度は6.0Mg/m以上6.20Mg/m未満であり、外径寸法の真円からのずれは16〜26μmであり大きかった。
次に、実施例3と同様にして、図4(a)の(●)で示すL=10mmのボンド磁石を3分割し、密度分布を調べた。その結果、 No.31(左端部)が6.12Mg/m、No.32(中央部)が5.81Mg/m、No.33(右端部)が6.11Mg/mであった。続いて、 図4(a)の(●)で示すL=30mmのものをL方向に略等長に10分割して、密度分布を調べた。その結果、左端部が6.11Mg/mで最も高く、中央部の2切断片が5.78〜5.80Mg/mで最も低く、右端部が6.09Mg/mで2番めに高かった。
図4(a)から、実施例1のコンパウンドを用いた場合、L=5mmときに72.4kJ/m(9.1MGOe)いう最高特性が得られ、L=30mmでも70.8kJ/m(8.9MGOe)が得られた。この(BH)maxの低下分は2.2%であり小さい。これに対し、参考例1のペレットを用いた場合、Lが大きく(長尺に)なると(BH)maxが激減することがわかる。例えばL=5mmで59.7 kJ/m(7.5MGOe)が得られたが、L=30mmでは54.1 kJ/m(6.8MGOe)に低下した。この(BH)maxの低下分は約9%であり大きい。実施例3と参考例3のボンド磁石の(BH)max、外径寸法の真円度、密度および密度分布の顕著な差は、実施例1のコンパウンドと参考例1のペレットの差によることがわかる。
次に、実施例1のコンパウンドおよび参考例1のペレットを、各々、圧縮成形用金型の直径50mmのキャビティに充填後、加圧して、直径(D)が50mm、高さ(L)が50mmの等方性の中実円筒状ボンド磁石を圧縮成形した。加熱硬化後、L方向に10分割し、両端部および中央部の密度を測定した。その結果、いずれも両端部の密度が最も高く中央部の密度が最も低かった。また、両端部と中央部の密度の差は、実施例1のコンパウンドを用いた場合は0.25Mg/m以下であった。これに対し、参考例1のペレットを用いた場合では0.3Mg/mを超えていた。また、前記加熱硬化後のものの外径寸法の真円からのずれは、実施例1のコンパウンドを用いた場合では10μm未満であったが、比較例1のペレットを用いた場合では15μm超であった。
以上から、参考例1のペレットに比べて実施例1のコンパウンドが圧縮成形時の給粉性および圧力伝達性に優れていることがわかる。
 続いて、(D、L)を、(1mm、0.3mm)、(10mm、5mm)、(30mm、30mm)に変えた以外は、実施例1のコンパウンドを用いて、上記と同様にして各々中実円筒状のボンド磁石を圧縮成形し、評価した。その結果、いずれも外径寸法の真円からのずれは10μm未満であり、良好であった。
(実施例4)
実施例1のコンパウンドを所定の金型のキャビティに充填後、加圧して、外径22mm、内径20mm、高さ寸法規格が11.8〜12.0mmの等方性の薄肉リング磁石を圧縮成形した。前記圧縮成形用金型のキャビティ面はJISB0601により規定される仕上記号(▽▽▽▽)の表面粗さに仕上げられている。径方向の寸法精度は金型でほぼ決まるが、高さ寸法はコンパウンドの給粉性(充填性)および圧力伝達性により大きく変動する。したがって、複数の成形体を成形し、成形体の高さ寸法の変動程度からコンパウンドの給粉性(充填性)、圧力伝達性を評価した。メカプレスを用いて、成形圧力が約5.4×10Pa(5.5トン/cm)になるように充填深さ、加圧力を調整した後、連続して圧縮成形した。得られた連続成形体は全て高さ寸法規格内に入っており、加熱硬化後も高さ寸法規格を満たしていた。
(参考例4)
参考例2のコンパウンドを用いた以外は、実施例4と同様にして連続成形した。得られた連続成形体は高さ寸法のばらつきが大きく、約20%が高さ寸法規格を満足できなかった。このため、高さ寸法がマイナス(11.8mm未満)のものを除外した。さらに、高さ寸法がプラス(12.0mm超)のものを選別し、加熱硬化した後に研磨して高さ寸法規格内に仕上げる工程を要した。
 次に、実施例4および参考例4で得られた連続成形体の高さ寸法、密度の測定結果を表2に示す。
表2より、実施例4の連続成形体の平均密度は6.21Mg/mであったが、参考例4の連続成形体の平均密度は6.09Mg/mであり低かった。
次に、加熱硬化後の高さが11.90mmである実施例4および参考例4の成形体を任意にサンプリングし、磁束量が飽和する条件で着磁後、磁束量を測定した。その結果、密度に比例した磁束量の差が認められた。
Figure 2004107797
(実施例5)
実施例4の薄肉リング磁石の(高さ、最長)寸法品および(高さ、最短)寸法品の2個について、外径の真円度を測定した結果を図5に示す。また、参考例4の薄肉リング磁石の(高さ、最長)寸法品および(高さ、最短)寸法品の2個について、外径の真円度を測定した結果を図6に示す。図6より、参考例4の薄肉リング磁石の外径寸法はいずれも真円から大きくずれており、外径寸法の真円からのずれは16〜28μmに達した。これに対し、図5に示すように、実施例4の薄肉リング磁石はいずれも外径寸法の真円からのずれが最大8μm(5〜8μm)であり、小さかった。
次に、図5、6の(高さ、最長)寸法品および(高さ、最短)寸法品の2個について、内径の真円度を測定した。その結果、図5の(高さ、最長)寸法品および(高さ、最短)寸法品の2個の内径寸法の真円からのずれは4〜6μmであり小さかった。これに対し、図6の(高さ、最長)寸法品および(高さ、最短)寸法品の2個の内径寸法の真円からのずれは16〜24μmであり、大きい。
このように、本発明の等方性の薄肉長尺リング形状のボンド磁石は、外径および内径寸法の真円からのずれを10μm以下に抑えることができる。図5、6の外径および内径の真円度の差は実施例1のコンパウンドと参考例2のコンパウンドの給粉性、圧力伝達性の差に起因する圧縮成形体のスプリングバックによるものと判断する。
次に、実施例1のコンパウンドおよび参考例2のコンパウンドを用いて、外径20mm、内径19.4mm(肉厚0.3mm)、高さ3mmの等方性薄肉リング磁石および外径25mm、内径19mm(肉厚3mm)、高さ50mmの等方性薄肉長尺リング磁石を圧縮成形した。加熱硬化後、外径および内径の真円度を測定した。その結果、実施例1のコンパウンドを用いた場合はいずれも外径寸法および内径寸法の真円からのずれは10μm以下であった。これに対し、参考例2のコンパウンドを用いた場合では外径寸法および内径寸法の真円からのずれが16μm以上になり大きかった。
(実施例6)
上パンチおよび下パンチで加圧する方式の圧縮成形機に設けた成形用金型のキャビティに実施例1のコンパウンドを充填し、成形圧力約5.7×10Pa(5.8トン/cm)で、外径30mm、内径25mm(肉厚2.5mm)、高さ(L)が30mmの等方性の薄肉長尺リング磁石を成形した。加熱硬化後、図7(b)に示すように、L方向に略等長に10分割して、各切断片(No.41〜50)の密度を測定した。結果を図7(a)に示す。図7(a)および図7(b)中のNo.は符合する。
(参考例5)
参考例1のペレットを用いた以外は実施例6と同様にして外径30mm、内径25mm(肉厚2.5mm)、高さ(L)が30mmの等方性の薄肉長尺リング磁石を成形した。次に、加熱硬化したものを、図7(b)に示すように、L方向に略等長に10分割して、各切断片(No.51〜60)の密度を測定した。結果を図7(a)に示す。図7(a)および図7(b)中のNo.は符合する。
図7(a)より、実施例1のコンパウンドを用いた実施例6の薄肉長尺リング磁石の密度は、上パンチ側の端部(No.41)が6.30Mg/mで最も高く、下パンチ側の端部(No.50)が6.29Mg/mで2番目に高く、中央部(No.45、46)が6.15〜6.16Mg/mで最も低かった。これに対し、参考例1のペレットを用いた参考例5の薄肉長尺リング磁石の密度は、上パンチ側の端部(No.51)が6.09Mg/m、下パンチ側の端部(No.60)が6.08Mg/m、中央部のNo.55が5.75Mg/m、No.56で5.77Mg/mとなり低かった。
次に、実施例6および参考例5のL=30mmの薄肉長尺リング状ボンド磁石の磁束量が飽和する条件で外周面に対称4極着磁を施し、磁束量を測定した。その結果、実施例6の薄肉長尺リング状ボンド磁石は参考例5のものに比較して磁束量が2.7%高かった。
次に、前記の対称4極着磁を施した実施例6および参考例5のL=30mmの薄肉長尺リング状ボンド磁石を用いて回転子を構成し、ブラシレスDCモータに組み込んで最高効率を評価した。このブラシレスDCモータは、回転子と固定子間の平均のエアギャップ間隔を0.3mmに調整してある。ブラシレスDCモータの最高効率は下記式で定義する。
最高効率=回転数1500r.p.m.以下で評価した、
{(出力)/(入力)×100(%)}の最大値
入力(W)=固定子巻線に通電される、印加電流I(A)×印加電圧(V)
出力(W)=トルク(kgf・cm)×回転数(r.p.m.)×0.01027
その結果、参考例5のL=30mmの薄肉長尺リング状ボンド磁石を用いた場合に比べて、実施例6のL=30mmの薄肉長尺リング状ボンド磁石を用いた場合の方がブラシレスDCモータの最高効率が1.1%大きかった。この最高効率の差は回転子に用いたリング状ボンド磁石における磁束量の差および外径寸法および内径寸法の真円度の差によるものである。
Figure 2004107797
(実施例7)
 純度99.9%以上のSmの酸化物、Laの酸化物およびFeを用いて、
原子%で Sm7.7La0.5Febal.12.9 で示される磁粉組成に対応するSm−La−Fe系母合金の主要成分組成に配合した。続いて、前記配合物におけるSmおよびLaの酸化物が化学反応式上100%還元される量の1.0倍の金属Caを前記配合物に添加したものを不活性ガス雰囲気に保持した混合機に投入して混合した。次に、混合物を還元/拡散反応炉に入炉後、Arガス雰囲気中で1200℃×4時間加熱後室温まで冷却した。こうして得られた反応生成物を粗粉砕後、32メッシュアンダーに篩分した。次いで、32メッシュアンダーの反応生成物を、所定の洗浄槽の洗浄液中に投入して洗浄した。続いて遠心分離器で脱水した。次に、室温のデシケータ内で約66.5Pa(0.5Torr)×2時間の真空乾燥を行い、還元/拡散法によるR−T系母合金を得た。
次に、前記R−T系母合金をArガス雰囲気に保持した雰囲気制御炉に入炉後、1250℃×5時間加熱後、室温まで冷却する均質化熱処理を行った。
 次に、均質化熱処理済みの前記母合金を1.0×10Pa(1atm)の水素ガス雰囲気中で700℃で1時間加熱する水素化・分解反応処理を行った。続いて水素分圧(真空中)約6.7Pa(5×10−2Torr)で800℃で1.5時間加熱する脱水素・再結合反応処理を行った。次に、Arガス雰囲気中で粗粉砕後、125μmアンダーに篩分した。次に、篩分粉末を1.0×10Pa(1atm)の窒化ガス雰囲気中で450℃×10時間加熱する窒化を行い、室温まで冷却した。その後、Arガス気流中で400℃×30分間熱処理して磁粉を得た。この磁粉の平均粒径をSympatec社製レーザー回折型粒径分布測定装置(ヘロス・ロードス)により測定したところ22μmであった。また、磁粉を分析したところ、上記磁粉組成になっており、酸素含有量は0.17重量%、炭素含有量は0.06重量%、Ca含有量は0.03重量%であった。次に、この磁粉粒子の形態を走査型電子顕微鏡で撮影したところ、丸みを帯びた粒子形態を呈していた。次に、前記磁粉を樹脂に埋め込み、透過型電子顕微鏡により、研磨した磁粉粒子断面の任意の10視野について断面組織を撮影するとともに、この10視野の電子回折を行い結晶構造を同定した。その結果、ThZn17型結晶構造の菱面体晶の硬質磁性相のみからなる磁粉粒子と、ThZn17型結晶構造の菱面体晶の硬質磁性相とごく少量のαFeとからなる磁粉粒子とが観察された。これら磁粉のαFeの発生量は面積比率の平均値で1%未満であり少なかった。また、前記硬質磁性相の平均結晶粒径は0.19μmであった。
 次に、前記磁粉:94.5重量部、ナイロン12:5重量部およびアミノシラン系カップリング剤:0.5重量部を配合し混合後、約220℃に加熱した加圧加熱型ニーダに投入して予備混練し、ペレットを得た。
次に、予備混練したペレットを、図2(a)に示す押出装置に投入した。以降は実施例1と同様にして丸みを帯びたコンパウンド整粒を得た。
 次に、この整粒したコンパウンドを用いた以外は実施例4と同様にして、外径22mm、内径20mm、高さ11.9mmの等方性リング状ボンド磁石を作製し、外径寸法および内径寸法の真円度からのずれを測定した。結果を表3に示す。表3より、良好な真円度を有することがわかる。また、平均密度は5.6Mg/mであり、実用に耐える有用な磁気特性を有していた。
(実施例8、9)
純度99.9%以上のSmの酸化物、Laの酸化物およびFeを用いて、表3に示される磁粉組成に対応する母合金の主要成分組成に各々配合した。なお、Fe中に少量のAlが含有していたために、最終的に得られた窒化磁粉に微量のAlを含有する。以降は実施例7と同様にして、表3に示す主要成分組成を有し、2−17型の硬質磁性相(平均結晶粒径0.17μm)および少量のαFeからなり、αFeの含有比率が面積比率の平均値で1%未満である窒化磁粉を得た。これら磁粉を各々用いて、以降は実施例7と同様にして外径22mm、内径20mm、高さ11.9mmの等方性リング状ボンド磁石を作製後、外径寸法および内径寸法の真円度からのずれを測定した。結果を表3に示す。表3より、良好な真円度を有することがわかる。また、平均密度は5.5Mg/mであり、実用に耐える有用な磁気特性を有していた。
(実施例10)
実施例7で作製した整粒コンパウンドを、図9の加熱した押出装置60に投入して、その十分に広い数mmの間隔の吐出口61から押出した軟化状態の混練物62を大気中の80℃に加熱したロール64,64の間に通して圧延し、厚さ0.5mm、幅100mmのシート状成形体70を得た。次に、シート状成形体70を所定長さに切断後、大気中で90℃×1時間加熱後、室温に冷却する熱処理を行った。その後、得られたシート状ボンド磁石の表面粗さを測定した。表面粗さはJISB0601により規定される最大高さ(Ry)で評価した。その結果、最大高さ(Ry)は2〜5μmであり、良好であった。
(実施例11)
ロール64,64の間隔を調整して圧延後の成形体の厚さが各々0.05mm、0.3mm、1mmおよび2mmになるように調整した以外は実施例10と同様にしてシート状ボンド磁石を作製した。これらの最大高さ(Ry)はいずれも3〜8μmの範囲内にあり、良好であった。
(比較例2)
 参考例1のペレットを用いた以外は、実施例10と同様にしてシート状ボンド磁石を作製した。しかし、このシート状ボンド磁石の最大高さ(Ry)は15μm超であり、悪かった。
上記実施例では、圧縮成形またはカレンダーロール成形した場合を記載したが、射出成形または押出成形した場合にも、機械加工を施すことなく、上記実施例と同様の真円度または表面粗さを実現することができる。
また、上記実施例では等方性ボンド磁石の場合を記載したが、上記整粒コンパウンドを用いて磁場中圧縮成形、磁場中押出成形または磁場中射出成形すれば、従来に比べて真円度または表面粗さを改善した希土類ボンド磁石を得られる。
本発明に係る希土類ボンド磁石の平均密度は、Srフェライト焼結磁石以上の(BH)maxを有するために、好ましくは5Mg/m以上、より好ましくは5〜6.5Mg/m(g/cm)、特に好ましくは5.5〜6.5Mg/mに調整することがよい。
また、本発明に係る希土類ボンド磁石の可撓性、成形性および耐酸化性を高めるために、公知の表面改質剤(チタネート系カップリング剤等)、潤滑剤、充填剤または酸化防止剤を合計で2重量%以下添加してもよい。
また、耐食性を向上するために、希土類ボンド磁石の表面に平均膜厚で0.5〜10μmの耐食性被膜(エポキシ樹脂塗装等)を施して耐食性を高めてもよい。耐食性被膜の平均膜厚が0.5μm未満では耐食性が高められず、10μm超では耐食性の付与効果が飽和する。
上記実施例では金属Caを還元剤に用いた場合を記載したが、これに限定されず、Mg、CaHまたはMgHを還元剤に用いた場合でも上記実施例と同様の窒化磁粉を作製することができる。なお、この場合の許容される還元剤(MgまたはCa+Mg)の残留量は好ましくは0.4重量%以下、より好ましくは0.2重量%以下、特に好ましくは0.1重量%以下である。
本発明に係るコンパウンドの製造工順の一例を示す図である。 本発明に係るコンパウンドの作製に用いる押出装置(a)および整粒装置(b)を示す要部断面図である。 図3(a)は図2(b)のマルメライザーを上から見た図であり、図3(b)は回転盤11に形成された溝部21を示す図であり、図3(c)はバッフルブレード12の配置角度を説明する図である。 本発明に係る長尺化に伴う(BH)maxの変化の一例を示す図(a)、および切断片の位置を示す図(b)である。 本発明に係る薄肉長尺リング状ボンド磁石の外径寸法の真円度の一例を示す図である。 参考例の薄肉長尺リング状ボンド磁石の外径寸法の真円度を示す図である。 本発明に係る薄肉長尺リング状ボンド磁石の密度分布の一例を示す図(a)、切断片の位置を示す図(b)である。 最大径、最小径を定義する模式図である。 シート状ボンド磁石の製造に用いる成形装置の一例を示す要部断面図である。
符号の説明
1 ペレット、2 スクリュー、4 ノズル、7 ノズル穴、11 回転盤、11a 回転軸、12 バッフルブレード、13 モータ、14ケーシング、16 排出通路、16a 排出弁、21 溝、60 押出装置、61 開口部、62 軟化した整粒コンパウンド、64 ロール、70 シート状ボンド磁石。

Claims (2)

  1. 原子%でRα100−(α+β+γ+δ)βγδ(RはYを含む希土類元素の1種または2種以上でありSmを必ず含み、TはFeまたはFeとCoであり、MはAl、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Ga、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Wの1種または2種以上でありTiを必ず含み、5≦α≦18,0.5≦β≦10,0.1≦γ≦4,4≦δ≦30である)で表される主要成分組成を有する等方性ボンド磁石用の希土類磁石材料であって、
    窒化後に前記希土類磁石材料の主要成分組成になるように成分調整されているとともに冷却用ロールの周速を0.05〜10m/秒として溶湯急冷し得られた母合金を用い、平均結晶粒径が0.01〜1μmの2−17型構造の硬質磁性相から実質的になり、かつαFeの面積比率の平均値が5%以下であることを特徴とする等方性ボンド磁石用の希土類磁石材料。
  2. RがSm、Laおよび不可避的不純物からなり、La含有量が0.05〜2原子%である請求項1に記載の等方性ボンド磁石用の希土類磁石材料。
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