JP7187920B2 - 多結晶希土類遷移金属合金粉末およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、還元拡散法によって製造される、概ね1μm以下の結晶粒からなる多結晶希土類遷移金属合金粉末およびその製造方法に関する。
還元拡散法は希土類遷移金属合金粉末の直接製造法として知られている(非特許文献1)。希土類酸化物粉末と、遷移金属粉末および/または遷移金属酸化物粉末とを含む混合物に、アルカリ金属、アルカリ土類金属あるいはこれらの水素化物から選ばれる還元剤を加えて不活性ガス雰囲気中または真空下で加熱処理することで希土類酸化物を還元し、還元された希土類金属が近傍の遷移金属粉末に拡散することで合金粒子が生成する。熱処理後の反応生成物には生成した希土類遷移金属合金粒子と副生した還元剤の酸化物粒子が含まれている。この酸化物粒子を、水と酸などにより湿式洗浄して取り除き、乾燥して目的とする希土類遷移金属合金粉末のみを回収するものである。
希土類酸化物として酸化サマリウム、酸化ネオジムなど、遷移金属粉末としてコバルト粉、鉄粉、また必要に応じてこれら以外の添加元素の粉末、そして還元剤としてカルシウムや水素化カルシウムが選択されたものでは、希土類永久磁石合金として有用なサマリウムコバルト系合金粉末、ネオジム鉄ホウ素系合金粉末、サマリウム鉄系合金粉末の製法が、これまで公知である(特許文献1~3)。希土類酸化物として酸化ランタン、遷移金属粉末としてニッケル粉、還元剤としてカルシウムが選択されたものでは、水素吸蔵合金として有用なランタンニッケル合金粉末の製法が公知である(非特許文献2)。他にも希土類酸化物として酸化ランタン、遷移金属粉末として鉄粉、添加元素として二酸化珪素粉、還元剤としてカルシウムが選択されたものでは、磁気熱量効果を示す化合物として注目されているランタン鉄シリコン系合金粉末の製法が公知である(特許文献4)。
特公昭49-007296号公報 特公平03-062764号公報 特開平05-148517号公報 特開2007-031831号公報
資源・素材学会誌106(1990)773 金属69(1999)881
還元拡散法で製造される合金粉末の金属組織については知見がない。本発明者の調査によれば、公知の条件で作製された還元拡散合金粒子の多くは非単結晶粒子で、その結晶粒径は数μm~10μmであった。
しかしながら、希土類遷移金属合金粉末においては、その応用において結晶粒径を1μm以下に揃えることが要求されることがある。たとえば永久磁石への応用では、その主相となる金属間化合物としてSmCo化合物、SmCo17化合物、NdFe14B化合物、SmFe17化合物などが知られている。これらの金属間化合物は高い飽和磁気分極、一軸性の大きな結晶磁気異方性、高いキュリー温度を有しているが、重要な磁石特性の一つである保磁力を高めるためには、結晶粒径を単磁区臨界粒径に近い1μm以下に揃える必要がある。また、水素吸蔵合金への応用ではLaNi化合物が知られているが、多結晶粒子の粒界が水素の拡散パスになると考えられるため、結晶粒径を1μm以下にすることが期待される。そのため従来の還元拡散合金粉末ではそのような要求に応えることができていなかった。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、均一な物性を安定して実現することができる多結晶希土類遷移金属合金粉末およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、還元拡散法において特定の原料と特定の熱処理条件を採用することによって、概ね1μm以下に揃った結晶粒を有する多結晶希土類遷移金属合金粉末が得られることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は以下のものを提供する。
本発明の第1の発明によれば、希土類元素と遷移金属元素とを含む金属間化合物からなる複数の多結晶粒子を含む多結晶希土類遷移金属合金粉末であって、前記多結晶粒子は、この多結晶粒子を構成する結晶粒のうち面積円相当径1μm以下の結晶粒の割合が、個数基準で60%以上であり、前記多結晶希土類遷移金属合金粉末の平均粒径が50μm以下である、合金粉末が提供される。
本発明の第2の発明によれば、前記多結晶粒子は、この多結晶粒子を構成する結晶粒のうち面積円相当径1μm以下の結晶粒の割合が、個数基準で80%以上である、第1の発明における合金粉末が提供される。
本発明の第3の発明によれば、第1又は第2の発明における多結晶希土類遷移金属合金粉末の製造方法であって、
(1)希土類酸化物粉末と、(2)遷移金属、遷移金属の酸化物及び遷移金属の塩化物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む遷移金属成分粉末と、(3)Mg、Caおよびこれらの水素化物から選ばれる少なくとも1種を含む還元剤と、を混合して混合物とする工程と、
前記混合物を、不活性ガス雰囲気中または真空下で加熱処理して、希土類遷移金属合金粒子を含む反応生成物とする工程と、を有し、
前記遷移金属成分粉末の平均粒径が40μm以下であり、
前記還元剤の質量が還元当量に対して1.0当量以上1.3当量未満であり、
前記還元剤の融点をTm(℃)とすると、前記混合物の加熱処理の際に、混合物を温度T(ただし、Tm+20℃≦T≦Tm+200℃)に昇温及び保持する、方法が提供される。
本発明の第4の発明によれば、前記温度Tが、Tm+20℃≦T≦Tm+150℃である、第3の発明における方法が提供される。
本発明の第5の発明によれば、前記混合物の加熱処理工程の際に、混合物を温度Tに昇温及び保持する前に、温度T(ただし、Tm≦T≦Tm+50℃、T<T)に昇温及び保持する、第3又は第4の発明における方法が提供される。
本発明の第6の発明によれば、前記混合物の加熱処理工程の後に、反応生成物を湿式処理して、加熱処理によって副生するMg及びCaの少なくとも一種の酸化物及び/又は水酸化物からなる副生物を除去する工程をさらに有する、第3~5のいずれかの発明における方法が提供される。
本発明の第7の発明によれば、前記混合物の加熱処理工程の後に、反応生成物を水素化処理あるいは窒化処理する工程をさらに有する、第3~6のいずれかの発明における方法が提供される。
本発明によれば、結晶粒径を1μm以下に揃えた多結晶合金粉末を単純な熱処理条件で実現できるため、均一な物性を安定して実現することができる。
本発明の多結晶粒子の一例の断面EBSD像を示す図である。 本発明の多結晶粒子の他の一例の断面EBSD像を示す図である。
以下、本発明の具体的な実施形態(以下、「本実施の形態」という)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。また、本明細書において、「X~Y」(X、Yは任意の数値)との表記は、「X以上Y以下」の意味である。
≪多結晶希土類遷移金属合金粉末≫
本発明の多結晶希土類遷移金属合金粉末(以下、単に「合金粉末」ともいう)は、希土類元素と遷移金属元素とを含む金属間化合物からなる複数の多結晶粒子を含み、多結晶粒子は、この多結晶粒子を構成する結晶粒のうち面積円相当径1μm以下の結晶粒の割合が、個数基準で60%以上であり、前記多結晶希土類遷移金属合金粉末の平均粒径が50μm以下である。
合金粉末は、希土類元素(R)と遷移金属元素(T)の金属間化合物を主相とする粉末であり、たとえばCaCu型、ThZn17型、ThNi17型、TbCu型、NdFe14B型、ThMn12型、NaZn13型結晶構造を持つ。
希土類元素(R)としては、Yを含み原子番号57番Laから71番Luまでの少なくとも一種であり、特にSm、Nd、Pr、Y、La、Ce、Gd、Tb、Dyは有用である。これらは単独でも混合物でもよい。また、遷移金属元素(T)としては、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu等の少なくとも一種が挙げられる。
なお、合金粉末には、遷移金属元素ではないが、その結晶構造を保つための元素が添加されることもある。たとえばNdFe14B型結晶構造を構成するためにはBやCが添加される。また、たとえば磁気冷凍材料として適用されるLa(Fe、Si)13合金では、NaZn13型結晶構造を維持するためにSiが添加される。
合金粉末は、希土類元素(R)を、好ましくは10~60質量%、より好ましくは15~40質量%の割合で含む。また、合金粉末は、遷移金属元素(T)を、好ましくは40~90質量%、より好ましくは60~80質量%の割合で含む。
合金粉末は、結晶構造の維持以外に、その金属間化合物の物性を調整するために、H、B、C、N、F、P、S、Al、Si、Ca、Ti、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Zn、Ga、Zr、Nb、Mo、Ag、In、Sn、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt及び/又はAu等の添加成分を含有することができる。これらの添加成分の含有量は、好ましくは10質量%以下、より好ましくは6質量%以下である。
合金粉末は、多結晶粒子であるが主相単相でないものも含まれる。たとえば、希土類元素としてSm、遷移金属元素としてFeが選択された場合、28質量%Sm-残部Fe組成で作製されたものは、1μm以下のSmFe17主相結晶粒とSmFe粒界相とからなる金属組織を有する。また、合金粉末は、多結晶粒子を、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上の割合で含む。多結晶粒子の割合が多いほど、たとえば磁石材料の場合には保磁力が向上し、水素吸蔵合金の場合には水素吸蔵放出特性が向上する。なお、本明細書において、粉末は、多数の粒子で構成される集合の全体を意味し、粒子は、粉末を構成する個々の粒子を意味する。
合金粉末は、その平均粒径が50μm以下である。ここで、平均粒径はレーザー回折式の乾式粒度分布計で測定した50%粒子径D50である。50μmを超える粒子には、その中心近傍に希土類元素の未拡散部が残留して目的とする金属間化合物ができていない場合がある。平均粒径は、好ましくは1~30μm、より好ましくは1~10μmである。
また、合金粉末は、金属間化合物からなる複数の多結晶粒子を含み、多結晶粒子は、これを構成する結晶粒のうち面積円相当径1μm以下の結晶粒の割合(微細粒割合)が、個数基準で60%以上である。この面積円相当径は、多結晶粒子を樹脂に埋め込み研磨し、その断面を走査型電子顕微鏡(SEM)によりBSE(Back Scattering Electron)像あるいはEBSD(Electron Back Scatter Diffraction)像として観察したときの、多結晶粒子を構成する各結晶粒の面積円相当径である。また、「結晶粒のうち面積円相当径1μm以下の結晶粒の割合(微細粒割合)が、個数基準で60%以上」とは、BSE像あるいはEBSD像観察において、面積円相当径が1μm以下である結晶粒の個数が、多結晶粒子断面の粒子総数の60%以上であることを意味する。微細粒割合が60%未満であると、結晶粒径が小さいことにより期待される効果が希釈され、粉末全体の特性として発現しにくくなる。たとえば永久磁石材料の場合には、減磁曲線の角形性Hkが悪化する。
微細粒割合は、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上である。さらに、合金粉末は、多結晶粒子を構成する結晶粒の平均粒径が、好ましくは0.1~2.0μm、より好ましくは0.3~1.0μmである。
≪多結晶希土類遷移金属合金粉末の製造方法≫
次に、上述した多結晶希土類遷移金属合金粉末の製造方法について説明する。原料は、(1)希土類酸化物粉末と、(2)遷移金属、遷移金属の酸化物及び遷移金属の塩化物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む遷移金属成分粉末と、(3)Mg、Caおよびこれらの水素化物から選ばれる少なくとも1種を含む還元剤である。
希土類酸化物粉末(1)は、その平均粒径が、好ましくは10μm以下であり、より好ましくは5μm以下である。
遷移金属成分粉末(2)は、平均粒径が40μm以下である必要があり、好ましくは20μm以下である。平均粒径が40μmを超えると、粒子全体を、1μm以下の結晶粒とすることができず、中心近傍に希土類元素の未拡散部が残留して目的とする金属間化合物にならない部分ができる。また、遷移金属成分粉末(2)として、遷移金属を用いてもよく、遷移金属の全部又は一部をその酸化物や塩化物に置き換えてもよい。その場合、置き換える量を、遷移金属の20質量%以下とすることが望ましい。
また、目的とする金属間化合物を安定に形成するため、あるいは化合物の物性を調整するための添加元素を加える場合には、それらと遷移金属成分との合金粉末、あるいは添加元素自体、あるいは添加元素の酸化物粉末を混合時に加える。添加元素と遷移金属成分との合金粉末を使う場合には、その平均粒径が遷移金属成分粉末(2)の粒径の1/2以下であるのが好ましい。また、添加元素自体あるいはその酸化物粉末を使う場合には、その粒径が遷移金属成分粉末(2)の粒径の1/20以下であるのが好ましい。
希土類酸化物粉末の還元剤(3)としては、Mg、Caおよびこれらの水素化物から選ばれる少なくとも1種が用いられる。これらの中では特にCaが有用である。また、これらの還元剤は粒状で供給されることが多いが、0.2~10mm、好ましくは0.4~3mmのものを使用することが望ましい。
これらの原料を、目的の組成となるよう混合して混合物とする。ここで、原料の中に反応温度における蒸気圧の高い成分があれば、そのロスを考慮して配合量を調整する。また、還元剤は、希土類酸化物、原料として遷移金属の酸化物あるいは塩化物が含まれる場合にはそれらと希土類酸化物、また遷移金属粉末に酸化被膜などの安定化被膜が形成されている場合にはそれらも含めて還元するのに必要な量(これを1.00当量(還元当量)と呼ぶ)の1.00倍以上1.30倍未満の量(すなわち1.00当量以上1.30当量未満)を配合する。反応温度まで昇温する際に、原料混合物から水、炭酸ガスなどの不純物蒸気が発生する場合には、それによる還元剤のロスも考慮して、厳密に1.00当量以上1.30当量未満の還元剤を加えるようにする。還元剤が1.00当量未満であると、未還元の希土類酸化物が生成し、希土類元素が未拡散の遷移金属相が残留して目的の合金収率が低下する。また、1.30当量以上であると、結晶粒径が粗大化しやすく、微細粒割合が60%未満になってしまう。
なお、混合器としては、Vブレンダー、Sブレンダー、リボンミキサ、ボールミル、ヘンシェルミキサなどが使用できるが、均一に混合されるようにし、希土類酸化物粉末、遷移金属成分粉末の偏析がないように混合することが望ましい。
次に、混合物を、不活性ガス雰囲気中または真空下で加熱処理(本熱処理)して、希土類遷移金属合金粒子を含む反応生成物とする。たとえば、混合物を鉄製るつぼに装填し、そのるつぼを反応容器に入れて電気炉に設置する。混合から電気炉への設置まで、可能な限り大気や水蒸気との接触を避けることが好ましい。また、混合物内に残留する大気や水蒸気を除去するため、反応容器内を真空引きしてHe、Arなどの不活性ガスで置換することも好ましい。
その後、反応容器内を再度真空引きするか、He、Arなどの不活性ガスを容器内にフローしながら混合物を熱処理する。この熱処理は、還元拡散反応を起こすためのもので、還元剤の融点をTmとしたとき、混合物の温度TがTm+20℃~Tm+200℃(Tm+20℃≦T≦Tm+200℃)となるように昇温及び保持し、その後冷却する。たとえば還元剤がCaであればTm=842℃であるから、T=862~1042℃となるよう昇温してその温度に保持し、その後冷却する。
昇温速度は、0.1℃/min.~10℃/min.の範囲で設定することが好ましく、混合物の各部で所定の温度となるように加熱することが重要である。昇温に伴い、還元剤が融解し、希土類酸化物粉末、または希土類酸化物粉末と遷移金属酸化物粉末、または希土類酸化物粉末と遷移金属塩化物粉末を還元するとき、テルミット反応による急激な温度上昇が観察されることがある。目的とする合金粉末の組成や混合物の熱容量により一概には言えないが、多くの場合、この温度上昇は1h以内に治まる。この発熱も含めてTm+20℃~Tm+200℃の温度Tで保持する。なお、当然のことながら、この保持温度Tは金属間化合物の融点や包晶温度以下でなければならない。
ここで、混合物の温度TがTm+20℃未満では、還元された希土類元素が遷移金属粉末表面から内部に拡散する際に拡散速度が小さいため、遷移金属粉末中央に希土類元素の未拡散部が残ってしまう。一方、TがTm+200℃を超えると、結晶粒径が1μmを超える多結晶粒子が多くなってしまう。したがって、混合物の温度Tは、Tm+20℃~Tm+200℃とする。混合物の温度Tは、好ましくはTm+20℃~Tm+150℃(Tm+20℃≦T≦Tm+150℃)である。また、温度Tでの保持時間は、好ましくは1~10hである。
このようにして、多結晶希土類遷移金属合金粉末の微細粒割合を60%以上にすることができるが、必要に応じて、還元拡散熱処理において、原料混合物を温度T(Tm+20℃≦T≦Tm+200℃)に昇温及び保持する前段に、温度T(Tm≦T≦Tm+50℃、T<T)で保持する熱処理パターン(前熱処理)を加えてもよい。このような前熱処理は、結晶粒径分布をさらに均一に揃えることができるために、有効である。
Tm~Tm+50℃である温度Tで保持することで、還元された希土類元素が還元剤融液に乗って遷移金属粒子表面に行き渡り、遷移金属粒子表面で多数の拡散開始点を形成する。そして、その拡散開始点から所望の希土類遷移金属合金結晶粒が成長し、同時にそれらの粒界から、還元された希土類元素がさらに遷移金属粒子内部に拡散して別の結晶粒を形成すると考えられる。ここで、TがTm未満では、還元剤が融液にならないため、還元された希土類元素が遷移金属粒子まで輸送されず、希土類遷移金属合金が形成されない。一方、TがTm+50℃を超えると、拡散開始点を形成して結晶粒径を揃える効果が弱くなる。また、温度Tでの保持時間は、好ましくは0.1~20hである。
なお、Tの上限がTm+50℃で、Tの下限Tm+20℃より高くなっているが、原料の遷移金属粒子の粒径が大きい場合には、粒子内部まで目的の希土類遷移金属合金とするために、T<Tの関係を保つように、それぞれ高めに設定することになる。また、温度T、Tでの保持時間については、取り扱う物量が多くなると炉内の温度分布が大きくなるため、局所的な温度分布に応じて前記の保持時間が取れるようにすればよい。
混合物を加熱することで、希土類遷移金属合金粉末が製造されるが、必要に応じて、加熱後に、反応生成物を湿式処理する工程を設けてもよい。このような湿式処理により、加熱によって副生するMgまたはCaの少なくとも一種の酸化物及び/又は水酸化物からなる副生物を除去することができる。
具体的に、湿式処理では、必要に応じて予めるつぼから回収した反応生成物を解砕し水中に投入する。たとえば還元剤としてCaを用いた場合には、反応生成物中のCaOが水と反応してCa(OH)となりスラリー化する。希土類遷移金属合金粒子とCa(OH)との比重差を利用して、注水、撹拌、デカンテーションを繰り返してCa(OH)を取り除いた後、なおも残留するCa(OH)を酸の投入によって溶解して除去する。酸としては、硫酸、塩酸、ギ酸、酢酸、炭酸などが使用できる。その後、再度注水して洗浄し濾過して固液分離したものを、真空中あるいは非酸化性雰囲気中で加熱乾燥して、目的の希土類遷移金属合金粉末を製品として回収する。
また、最終製品が、希土類遷移金属合金粉末の水素化物あるいは窒化物の場合には、湿式処理する前の反応生成物に対して、水素化処理あるいは窒化処理を施し、その後に湿式処理することが可能であり、また、湿式処理粉に対して水素化処理あるいは窒化処理を施すことも可能である。
以下、本発明の実施例を示してより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
なお、粉末の平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(株式会社日本レーザー製,HELOS&RODOS)で測定した50%粒子径(D50)である。また、希土類元素を含む鉄系合金微粉末が磁石材料の場合、その試料の保磁力μHcついては、日本ボンド磁石工業協会ボンド磁石試験方法ガイドブックBMG-2002に従って、振動試料型磁力計により常温で測定した。ここで「μ」は真空の透磁率である。
[実施例1]
50が3.9μmでD90が6.9μmのカルボニル鉄粉712gとD50が2.3μmの酸化サマリウム288gを、ヘンシェルミキサを用いてアルゴンガス雰囲気中で十分に混合した。この混合物の酸素量を分析したところ4.6質量%であった。この酸素と反応し酸化カルシウムCaOを形成するカルシウム量(1.00当量)は115gである。そこで粒度3mm以下の金属カルシウムを1.20当量に相当する138g加えてさらに混合し、鉄るつぼに入れてアルゴンガス雰囲気下980℃で4h保持する熱処理を行った。
冷却後に回収した反応生成物を水に投入し3h放置してスラリー化した後、デカンテーションを繰り返して水酸化カルシウムを概ね除去し、なお残留する水酸化カルシウムとSmリッチな副相を、スラリーを攪拌しながらpH=6を10分間維持するように酢酸を滴下して溶解除去した。その後、再度水を投入してデカンテーションを繰り返してpHが7を超えるまで酢酸成分を除去し、エタノールで水分を置換しながらろ過し、得られたケーキをミキサーで減圧下150℃まで昇温乾燥した。
冷却後に回収された粉末は、Smが24.3質量%、Oが1.1質量%、Caが0.2質量%で残部がFeであり、レーザー回折式粒度分布測定装置(株式会社日本レーザー製,HELOS&RODOS)による平均粒径(50%粒子径D50)は10.2μmであった。またX線回折により、結晶構造がThZn17型の単相粉末であり、SmFe17合金粉末であることが確認された。この粉末をエポキシ樹脂に包埋し研磨した試料を作製し、粒子断面をFE-SEM装置でEBSD法により観察した。その結果、本実施例で得られた粉末は多結晶粒子からなり、画像解析の結果、面積円相当径が1μm以下の結晶粒を個数基準で77%含んでいた。
[実施例2]
実施例1と同様にして980℃4h保持する熱処理し、冷却後に回収した反応生成物を解砕し管状炉に入れてアンモニアガス50vol%のアンモニアと水素の混合ガスをフローしながら440℃で3h窒化熱処理し、続いてアルゴンガスをフローしながら同じ温度で1h熱処理し、冷却して試料を回収した。
回収された窒化反応生成物を水に投入し3h放置してスラリー化した後、デカンテーションを繰り返して水酸化カルシウムを概ね除去し、なお残留する水酸化カルシウムとSmリッチな副相を、スラリーを攪拌しながらpH=6を10分間維持するように酢酸を滴下して溶解除去した。その後、再度水を投入してデカンテーションを繰り返してpHが7を超えるまで酢酸成分を除去し、エタノールで水分を置換しながらろ過し、得られたケーキをミキサーで減圧下150℃まで昇温乾燥した。
冷却後に回収された粉末は、Smが23.2質量%、Nが3.4質量%、Oが0.6質量%、Caが0.1質量%で残部がFeであり、レーザー回折式粒度分布測定装置(株式会社日本レーザー製,HELOS&RODOS)による平均粒径(50%粒子径D50)は8.7μmであった。またX線回折により、結晶構造がThZn17型の単相粉末であり、SmFe17合金粉末であることが確認された。この粉末の保磁力は、日本ボンド磁石工業協会ボンド磁石試験方法ガイドブックBMG-2002に従って振動試料型磁力計により常温で測定した結果、1.08MA/mであった。また粉末をエポキシ樹脂に包埋し研磨した試料を作製し、粒子断面をFE-SEM装置でEBSD法により観察した。その結果、本実施例で得られた粉末は図1に示すような多結晶粒子からなり、画像解析の結果、面積円相当径が1μm以下の結晶粒を個数基準で74%含んでいた。
[実施例3]
金属カルシウムを加えてアルゴン雰囲気下で行う熱処理の温度・時間を870℃10hとした以外は実施例2と同様にして合金粉末を作製した。回収された粉末は、Smが23.9質量%、Nが3.2質量%、Oが1.2質量%、Caが0.4質量%で残部がFeであり、レーザー回折式粒度分布測定装置(株式会社日本レーザー製,HELOS&RODOS)による平均粒径(50%粒子径D50)は8.5μmであった。またX線回折により、結晶構造がThZn17型の単相粉末であり、SmFe17合金粉末であることが確認された。この粉末の保磁力は1.21MA/mであった。また粉末をエポキシ樹脂に包埋し研磨した試料を作製し、粒子断面をFE-SEM装置でEBSD法により観察した。その結果、本実施例で得られた粉末は多結晶粒子からなり、画像解析の結果、面積円相当径が1μm以下の結晶粒を個数基準で83%含んでいた。
[実施例4]
金属カルシウムの投入量を1.10当量の127gとし、またアルゴン雰囲気下で行う熱処理の温度・時間を1040℃10hとし、解砕した反応生成物の窒化熱処理を50vol%アンモニアと水素の混合ガスで445℃で5hとした以外は実施例2と同様にして合金粉末を作製した。回収された粉末は、Smが24.1質量%、Nが3.5質量%、Oが1.0質量%、Caが0.3質量%で残部がFeであり、レーザー回折式粒度分布測定装置(株式会社日本レーザー製,HELOS&RODOS)による平均粒径(50%粒子径D50)は15.7μmであった。またX線回折により、結晶構造がThZn17型の単相粉末であり、SmFe17合金粉末であることが確認された。この粉末の保磁力は0.49MA/mであった。また粉末をエポキシ樹脂に包埋し研磨した試料を作製し、粒子断面をFE-SEM装置でEBSD法により観察した。その結果、本実施例で得られた粉末は多結晶粒子からなり、画像解析の結果、面積円相当径が1μm以下の結晶粒を個数基準で61%含んでいた。
[実施例5]
金属カルシウムの投入量を1.28当量の148gとし、またアルゴン雰囲気下で行う熱処理を、まず850℃で10h保持し、その後980℃に昇温し2h保持して冷却した以外は実施例2と同様にして合金粉末を作製した。回収された粉末は、Smが23.7質量%、Nが3.3質量%、Oが1.1質量%、Caが0.2質量%で残部がFeであり、レーザー回折式粒度分布測定装置(株式会社日本レーザー製,HELOS&RODOS)による平均粒径(50%粒子径D50)は8.3μmであった。またX線回折により、結晶構造がThZn17型の単相粉末であり、SmFe17合金粉末であることが確認された。この粉末の保磁力は1.33MA/mであった。また粉末をエポキシ樹脂に包埋し研磨した試料を作製し、粒子断面をFE-SEM装置でEBSD法により観察した。その結果、本実施例で得られた粉末は図2に示すような多結晶粒子からなり、画像解析の結果、面積円相当径が1μm以下の結晶粒を個数基準で90%含んでいた。
[実施例6]
金属カルシウムの投入量を1.15当量の133gとし、またアルゴン雰囲気下で行う熱処理を、まず890℃で0.1h保持し、その後1040℃に昇温し1h保持したこと、また解砕した反応生成物の窒化熱処理を50vol%アンモニアと水素の混合ガスで445℃で5hとした以外は実施例2と同様にして合金粉末を作製した。回収された粉末は、Smが24.0質量%、Nが3.4質量%、Oが1.2質量%、Caが0.3質量%で残部がFeであり、レーザー回折式粒度分布測定装置(株式会社日本レーザー製,HELOS&RODOS)による平均粒径(50%粒子径D50)は16.0μmであった。またX線回折により、結晶構造がThZn17型の単相粉末であり、SmFe17合金粉末であることが確認された。この粉末の保磁力は0.61MA/mであった。また粉末をエポキシ樹脂に包埋し研磨した試料を作製し、粒子断面をFE-SEM装置でEBSD法により観察した。その結果、本実施例で得られた粉末は多結晶粒子からなり、画像解析の結果、面積円相当径が1μm以下の結晶粒を個数基準で65%含んでいた。
[実施例7]
金属カルシウムの投入量を1.04当量の120gとし、またアルゴン雰囲気下で行う熱処理を、まず845℃で20h保持し、その後870℃に昇温し3h保持して冷却した以外は実施例2と同様にして合金粉末を作製した。回収された粉末は、Smが23.5質量%、Nが3.5質量%、Oが1.4質量%、Caが0.3質量%で残部がFeであり、レーザー回折式粒度分布測定装置(株式会社日本レーザー製,HELOS&RODOS)による平均粒径(50%粒子径D50)は6.8μmであった。またX線回折により、結晶構造がThZn17型の単相粉末であり、SmFe17合金粉末であることが確認された。この粉末の保磁力は1.25MA/mであった。また粉末をエポキシ樹脂に包埋し研磨した試料を作製し、粒子断面をFE-SEM装置でEBSD法により観察した。その結果、本実施例で得られた粉末は多結晶粒子からなり、画像解析の結果、面積円相当径が1μm以下の結晶粒を個数基準で87%含んでいた。
[実施例8]
原料としてD50が16.3μmでD90が31.6μmの還元鉄粉を用い、金属カルシウムの投入量を、混合原料の酸素分析値5.0質量%から計算される1.25当量の157gとし、またアルゴン雰囲気下で行う熱処理を、まず880℃で15h保持し、その後1040℃に昇温し6h保持して冷却した以外は実施例1と同様にして合金粉末を作製した。回収された粉末は、Smが24.7質量%、Oが0.9質量%、Caが0.1質量%で残部がFeであり、レーザー回折式粒度分布測定装置(株式会社日本レーザー製,HELOS&RODOS)による平均粒径(50%粒子径D50)は23.2μmであった。またX線回折により、結晶構造がThZn17型の単相粉末であり、SmFe17合金粉末であることが確認された。この粉末をエポキシ樹脂に包埋し研磨した試料を作製し粒子断面をFE-SEM装置でEBSD法により観察したところ、本実施例で得られた粉末は多結晶粒子からなり、画像解析の結果、面積円相当径が1μm以下の結晶粒を個数基準で62%含んでいた。
[実施例9]
50が16.3μmでD90が31.6μmの還元鉄粉608g、D50が32.8μmでB含量18.9質量%のフェロボロン粉65g、D50が3.1μmの酸化ネオジム405g、さらに無水塩化カルシウム20gを、ヘンシェルミキサを用いてアルゴンガス雰囲気中で十分に混合した。なお、フェロボロン粉は、本実施例の目的とするNdFe14B合金を形成するのに必要なホウ素源であり、無水塩化カルシウムは湿式処理工程で反応生成物をスラリー化する際の崩壊性を良好にするための添加物である。この混合物の酸素量を分析すると6.3質量%であった。そこで粒度2mm以下の金属カルシウムを1.19当量に相当する203g加えてさらに混合し、鉄るつぼに入れてアルゴンガス雰囲気下850℃で10h保持し、さらに910℃に昇温し5h保持する熱処理を行った。
冷却後に回収した反応生成物を水に投入し1h放置してスラリー化した後、デカンテーションを繰り返して水酸化カルシウムを概ね除去し、なお残留する水酸化カルシウムを、スラリーを攪拌しながらpH=6を5分間維持するように希酢酸を滴下して溶解除去した。その後、再度水を投入してデカンテーションを繰り返してpHが7を超えるまで酢酸成分を除去し、エタノールで水分を置換しながらろ過し、得られたケーキをミキサーで減圧下90℃まで昇温乾燥した。
冷却後に回収された粉末は、Ndが33.8質量%、Bが1.3質量%、Oが0.1質量%、Caが0.02質量%で残部がFeであり、レーザー回折式粒度分布測定装置(株式会社日本レーザー製,HELOS&RODOS)による平均粒径(50%粒子径D50)は21.8μmであった。この粉末の保磁力は0.42MA/mであった。またX線回折により、結晶構造が正方晶のNdFe14B合金粉末であることが確認された。この粉末をエポキシ樹脂に包埋し研磨した試料を作製し、粒子断面をFE-SEM装置でEBSD法により観察したところ、本実施例で得られた粉末は多結晶粒子からなり、画像解析の結果、面積円相当径が1μm以下の結晶粒を個数基準で64%含んでいた。
[実施例10]
50が5.8μmでD90が11.5μmのコバルト粉600g、D50が2.3μmの酸化サマリウム371gを、ヘンシェルミキサを用いてアルゴンガス雰囲気中で十分に混合した。この混合物の酸素量を分析すると6.1質量%であった。そこで粒度4mm以下の金属カルシウムを1.29当量に相当する192g加えてさらに混合し、鉄るつぼに入れてアルゴンガス雰囲気下850℃で5h保持し、さらに880℃に昇温し1h保持する熱処理を行った。
冷却後に回収した反応生成物を水に投入し1h放置してスラリー化した後、デカンテーションを繰り返して水酸化カルシウムを概ね除去し、なお残留する水酸化カルシウムを、スラリーを攪拌しながらpH=5を20分間維持するように希塩酸を滴下して溶解除去した。その後、再度水を投入してデカンテーションを繰り返してpHが7を超えるまで塩酸成分を除去し、エタノールで水分を置換しながらろ過し、得られたケーキをミキサーで減圧下90℃まで昇温乾燥した。
冷却後に回収された粉末は、Smが33.4質量%、Oが0.09質量%、Caが0.05質量%で残部がCoであり、レーザー回折式粒度分布測定装置(株式会社日本レーザー製,HELOS&RODOS)による平均粒径(50%粒子径D50)は9.7μmであった。この粉末の保磁力は1.48MA/mであった。またX線回折により、結晶構造がCaCu型のSmCo合金粉末であることが確認された。この粉末をエポキシ樹脂に包埋し研磨した試料を作製し、粒子断面をFE-SEM装置でEBSD法により観察したところ、本実施例で得られた粉末は多結晶粒子からなり、画像解析の結果、面積円相当径が1μm以下の結晶粒を個数基準で93%含んでいた。
[実施例11]
実施例10において、還元剤の金属カルシウムを粒度2mm以下の金属マグネシウムに変更し、その投入量を1.00当量に相当する90gとした他、熱処理を660℃で20h保持し、その後800℃に昇温し8h保持して冷却した。
冷却後に回収した反応生成物を水に投入した後、pH=4を1時間維持するように希塩酸を滴下してスラリー化およびマグネシウム成分を溶解除去した。その後、再度水を投入してデカンテーションを繰り返してpHが7を超えるまで塩酸成分を除去し、エタノールで水分を置換しながらろ過し、得られたケーキをミキサーで減圧下90℃まで昇温乾燥した。
冷却後に回収された粉末は、Smが34.1質量%、Oが0.11質量%、Mgが0.02質量%で残部がCoであり、レーザー回折式粒度分布測定装置(株式会社日本レーザー製,HELOS&RODOS)による平均粒径(50%粒子径D50)は7.8μmであった。この粉末の保磁力は1.78MA/mであった。またX線回折により、結晶構造がCaCu型のSmCo合金粉末であることが確認された。この粉末をエポキシ樹脂に包埋し研磨した試料を作製し、粒子断面をFE-SEM装置でEBSD法により観察したところ、本実施例で得られた粉末は多結晶粒子からなり、画像解析の結果、面積円相当径が1μm以下の結晶粒を個数基準で97%含んでいた。
[実施例12]
50が5.3μmでD90が13.1μmのニッケル粉500g、D50が2.8μmの酸化ランタン335gを、ヘンシェルミキサを用いてアルゴンガス雰囲気中で十分に混合した。この混合物の酸素量を分析すると6.8質量%であった。そこで粒度4mm以下の金属カルシウムを1.07当量に相当する152g加えてさらに混合し、鉄るつぼに入れてアルゴンガス雰囲気下870℃で3h保持し、さらに950℃に昇温し3h保持する熱処理を行った。
冷却後に回収した反応生成物を水に投入し1h放置してスラリー化した後、デカンテーションを繰り返して水酸化カルシウムを概ね除去し、なお残留する水酸化カルシウムを、スラリーを攪拌しながらpH=5を5分間維持するように希酢酸を滴下して溶解除去した。その後、再度水を投入してデカンテーションを繰り返してpHが7を超えるまで酢酸成分を除去し、エタノールで水分を置換しながらろ過し、得られたケーキをミキサーで減圧下100℃まで昇温乾燥した。
冷却後に回収された粉末は、Laが32.9質量%、Oが0.17質量%、Caが0.23質量%で残部がNiであり、レーザー回折式粒度分布測定装置(株式会社日本レーザー製,HELOS&RODOS)による平均粒径(50%粒子径D50)は9.2μmであった。またX線回折により、結晶構造がCaCu型のLaNi合金粉末であることが確認された。この粉末をエポキシ樹脂に包埋し研磨した試料を作製し、粒子断面をFE-SEM装置でEBSD法により観察したところ、本実施例で得られた粉末は多結晶粒子からなり、画像解析の結果、面積円相当径が1μm以下の結晶粒を個数基準で81%含んでいた。
[実施例13]
金属カルシウムを加えてアルゴン雰囲気下で行う熱処理を、まず835℃で20h保持し、その後980℃に昇温し4h保持して冷却した以外は実施例2と同様にして合金粉末を作製した。回収された粉末は、Smが23.5質量%、Nが3.3質量%、Oが1.0質量%、Caが0.3質量%で残部がFeであり、レーザー回折式粒度分布測定装置(株式会社日本レーザー製,HELOS&RODOS)による平均粒径(50%粒子径D50)は8.3μmであった。またX線回折により、結晶構造がThZn17型の単相粉末であり、SmFe17合金粉末であることが確認された。この粉末の保磁力は0.98MA/mであった。また粉末をエポキシ樹脂に包埋し研磨した試料を作製し、粒子断面をFE-SEM装置でEBSD法により観察した。その結果、本実施例で得られた粉末は多結晶粒子からなり、面積円相当径が1μm以下の結晶粒は個数基準で75%で実施例2とほとんど変わらなかった。
[実施例14]
金属カルシウムを加えてアルゴン雰囲気下で行う熱処理を、まず900℃で5h保持し、その後980℃に昇温し4h保持して冷却した以外は実施例2と同様にして合金粉末を作製した。回収された粉末は、Smが23.6質量%、Nが3.3質量%、Oが1.3質量%、Caが0.4質量%で残部がFeであり、レーザー回折式粒度分布測定装置(株式会社日本レーザー製,HELOS&RODOS)による平均粒径(50%粒子径D50)は9.4μmであった。またX線回折により、結晶構造がThZn17型の単相粉末であり、SmFe17合金粉末であることが確認された。この粉末の保磁力は0.81MA/mであった。また粉末をエポキシ樹脂に包埋し研磨した試料を作製し、粒子断面をFE-SEM装置でEBSD法により観察した。その結果、本実施例で得られた粉末は多結晶粒子からなり、面積円相当径が1μm以下の結晶粒は個数基準で70%で実施例2とほとんど変わらなかった。
[実施例15]
原料としてD50が35.9μmでD90が54.9μmのアトマイズ鉄粉を用い、金属カルシウムの投入量を、混合原料の酸素分析値5.5質量%から計算される1.02当量の152gとし、またアルゴン雰囲気下で行う熱処理を、まず890℃で20h保持し、その後1040℃に昇温し2h保持して冷却した以外は実施例9と同様にして合金粉末を作製した。回収された粉末は、Ndが33.1質量%、Bが1.2質量%、Oが0.4質量%、Caが0.05質量%で残部がFeであり、レーザー回折式粒度分布測定装置(株式会社日本レーザー製,HELOS&RODOS)による平均粒径(50%粒子径D50)は48.1μmであった。この粉末の保磁力は0.31MA/mであった。またX線回折により、結晶構造が正方晶のNdFe14B合金粉末であることが確認された。この粉末をエポキシ樹脂に包埋し研磨した試料を作製し、粒子断面をFE-SEM装置でEBSD法により観察したところ、本実施例で得られた粉末は多結晶粒子からなり、画像解析の結果、面積円相当径が1μm以下の結晶粒を個数基準で60%含んでいた。
[比較例1]
金属カルシウムを加えてアルゴン雰囲気下で行う熱処理の温度・時間を1050℃2hとした以外は実施例4と同様にして合金粉末を作製した。回収された粉末は、Smが23.4質量%、Nが3.1質量%、Oが1.3質量%、Caが0.3質量%で残部がFeであり、レーザー回折式粒度分布測定装置(株式会社日本レーザー製,HELOS&RODOS)による平均粒径(50%粒子径D50)は17.4μmであった。またX線回折により、結晶構造がThZn17型の単相粉末であり、SmFe17合金粉末であることが確認された。この粉末の保磁力は0.27MA/mであった。また粉末をエポキシ樹脂に包埋し研磨した試料を作製し、粒子断面をFE-SEM装置でEBSD法により観察した。その結果、本実施例で得られた粉末は多結晶粒子からなり、画像解析の結果、面積円相当径が1μm以下の結晶粒を個数基準で52%含んでいた。
[比較例2]
金属カルシウムを加えてアルゴン雰囲気下で行う熱処理の温度・時間を855℃10hとした以外は実施例2と同様にして合金粉末を作製した。回収された粉末は、Smが23.7質量%、Nが3.4質量%、Oが1.7質量%、Caが0.2質量%で残部がFeであり、レーザー回折式粒度分布測定装置(株式会社日本レーザー製,HELOS&RODOS)による平均粒径(50%粒子径D50)は8.7μmであった。X線回折では、結晶構造がThZn17型の回折線が認められSmFe17合金粉末であることが確認されたが、それ以外にαFeの回折線も認められた。この粉末の保磁力は0.11MA/mであった。また粉末をエポキシ樹脂に包埋し研磨した試料を作製し、粒子断面をFE-SEM装置でEBSD法により観察した。その結果、本実施例で得られた粉末は表面近傍では多結晶粒子が存在しているが、その内部にはSmが拡散していないFeが残留していた。したがって、面積円相当径が1μm以下の結晶粒の割合は、個数基準で60%未満である。
[比較例3]
投入する金属カルシウムを0.99当量に相当する124gとした以外は実施例2と同様にして合金粉末を作製した。回収された粉末は、Smが22.7質量%、Nが3.1質量%、Oが1.0質量%、Caが0.2質量%で残部がFeであり、レーザー回折式粒度分布測定装置(株式会社日本レーザー製,HELOS&RODOS)による平均粒径(50%粒子径D50)は18.3μmであった。X線回折では、結晶構造がThZn17型の回折線が認められSmFe17合金粉末であることが確認されたが、それ以外にαFeの回折線も認められた。この粉末の保磁力は0.25MA/mであった。粉末をエポキシ樹脂に包埋し研磨した試料を作製し、粒子断面をFE-SEM装置でEBSD法により観察した。その結果、本実施例で得られた粉末は表面近傍では多結晶粒子が存在しているが、その内部にはSmが拡散していないFeが残留していた。したがって、面積円相当径が1μm以下の結晶粒の割合は、個数基準で60%未満である。
[比較例4]
投入する金属カルシウムを1.31当量に相当する164gとした以外は実施例4と同様にして合金粉末を作製した。回収された粉末は、Smが24.4質量%、Nが3.7質量%、Oが2.8質量%、Caが0.6質量%で残部がFeであり、レーザー回折式粒度分布測定装置(株式会社日本レーザー製,HELOS&RODOS)による平均粒径(50%粒子径D50)は17.3μmであった。またX線回折により、結晶構造がThZn17型の単相粉末であり、SmFe17合金粉末であることが確認された。この粉末の保磁力は0.38MA/mであった。また粉末をエポキシ樹脂に包埋し研磨した試料を作製し、粒子断面をFE-SEM装置でEBSD法により観察した。その結果、本実施例で得られた粉末は多結晶粒子からなるが、全体的に結晶粒が粗く、画像解析の結果、面積円相当径が1μm以下の結晶粒を個数基準で53%含んでいた。
[比較例5]
アルゴン雰囲気下で行う熱処理を、まず850℃で10h保持し、その後1080℃に昇温し10h保持して冷却した以外は実施例15と同様にして合金粉末を作製した。回収された粉末は、Ndが33.2質量%、Bが1.4質量%、Oが0.7質量%、Caが0.1質量%で残部がFeであり、レーザー回折式粒度分布測定装置(株式会社日本レーザー製,HELOS&RODOS)による平均粒径(50%粒子径D50)は46.4μmであった。この粉末の保磁力は0.06MA/mであった。またX線回折により、結晶構造が正方晶のNdFe14B合金粉末であることが確認された。この粉末をエポキシ樹脂に包埋し研磨した試料を作製し、粒子断面をFE-SEM装置でEBSD法により観察したところ、本実施例で得られた粉末は多結晶粒子からなるが、結晶粒が10~20μmに粗大化しており、画像解析の結果、面積円相当径が1μm以下の結晶粒はほとんど認められなかった。
[比較例6]
原料としてD50が37.5μmでD90が60.7μmのコバルト粉を用い、金属カルシウムの投入量を、混合原料の酸素分析値5.5質量%から計算される1.20当量の98gとし、またアルゴン雰囲気下で行う熱処理を1100℃に昇温し7h保持して冷却した以外は実施例10と同様にして合金粉末を作製した。回収された粉末は、Smが33.4質量%、Oが0.08質量%、Caが0.03質量%で残部がCoであり、レーザー回折式粒度分布測定装置(株式会社日本レーザー製,HELOS&RODOS)による平均粒径(50%粒子径D50)は29.7μmであった。この粉末の保磁力は0.28MA/mであった。またX線回折により、結晶構造がCaCu型のSmCo合金粉末であることが確認された。この粉末をエポキシ樹脂に包埋し研磨した試料を作製し、粒子断面をFE-SEM装置でEBSD法により観察したところ、本実施例で得られた粉末は多結晶粒子からなるが、結晶粒が10~20μmに粗大化しており、画像解析の結果、面積円相当径が1μm以下の結晶粒はほとんど認められなかった。
実施例1~15及び比較例1~6の製造条件及び結果を、表1に示す。
Figure 0007187920000001

Claims (6)

  1. 結晶希土類遷移金属合金粉末の製造方法であって、
    前記多結晶希土類遷移金属合金粉末は、希土類元素と遷移金属元素とを含む金属間化合物からなる複数の多結晶粒子を含む多結晶希土類遷移金属合金粉末であって、前記多結晶粒子は、この多結晶粒子を構成する結晶粒のうち面積円相当径1μm以下の結晶粒の割合が、個数基準で60%以上であり、前記多結晶希土類遷移金属合金粉末の平均粒径が50μm以下であり、前記方法が、
    (1)希土類酸化物粉末と、(2)遷移金属、遷移金属の酸化物及び遷移金属の塩化物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む遷移金属成分粉末と、(3)Mg、Caおよびこれらの水素化物から選ばれる少なくとも1種を含む還元剤と、を混合して混合物とする工程と、
    前記混合物を、不活性ガス雰囲気中または真空下で加熱処理して、希土類遷移金属合金粒子を含む反応生成物とする工程と、を有し、
    前記遷移金属成分粉末の平均粒径が40μm以下であり、
    前記還元剤の質量が還元当量に対して1.0当量以上1.3当量未満であり、
    前記還元剤の融点をTm(℃)とすると、前記混合物の加熱処理の際に、混合物を温度T(ただし、Tm+20℃≦T≦Tm+200℃)に昇温及び保持する、方法(ただし、HDDR処理を有する方法を除く)
  2. 前記温度Tが、Tm+20℃≦T≦Tm+150℃である、請求項に記載の方法。
  3. 前記混合物の加熱処理の際に、混合物を温度Tに昇温及び保持する前に、温度T(ただし、Tm≦T≦Tm+50℃、T<T)に昇温及び保持する、請求項又はに記載の方法。
  4. 前記混合物の加熱処理の後に、反応生成物を湿式処理して、加熱処理によって副生するMg及びCaの少なくとも一種の酸化物及び/又は水酸化物からなる副生物を除去する工程をさらに有する、請求項のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記混合物の加熱処理の後に、反応生成物を水素化処理あるいは窒化処理し、それにより水素化物あるいは窒化物である前記多結晶希土類遷移金属合金粉末の最終製品を得る工程をさらに有する、請求項のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記多結晶粒子は、この多結晶粒子を構成する結晶粒のうち面積円相当径1μm以下の結晶粒の割合が、個数基準で80%以上である、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
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