JP2001313205A - 等方性コンパウンド、等方性ボンド磁石、回転機及びマグネットロール - Google Patents

等方性コンパウンド、等方性ボンド磁石、回転機及びマグネットロール

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JP2001313205A
JP2001313205A JP2000358096A JP2000358096A JP2001313205A JP 2001313205 A JP2001313205 A JP 2001313205A JP 2000358096 A JP2000358096 A JP 2000358096A JP 2000358096 A JP2000358096 A JP 2000358096A JP 2001313205 A JP2001313205 A JP 2001313205A
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isotropic
phase
bonded magnet
powder
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JP2000358096A
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English (en)
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Masahiro Tobise
飛世  正博
Makoto Ushijima
誠 牛嶋
Masahiro Mita
正裕 三田
Masahiro Masuzawa
正宏 増澤
Shigeo Tanigawa
茂穂 谷川
Riyuuya Goto
隆冶 後藤
Keitaro Yamashita
恵太郎 山下
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Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
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Publication date
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/01Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
    • H01F1/032Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials
    • H01F1/04Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials metals or alloys
    • H01F1/047Alloys characterised by their composition
    • H01F1/053Alloys characterised by their composition containing rare earth metals
    • H01F1/055Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5
    • H01F1/059Alloys characterised by their composition containing rare earth metals and magnetic transition metals, e.g. SmCo5 and Va elements, e.g. Sm2Fe17N2

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来に比べて着磁性を向上したシート状の高
性能(Sm,La)−T−N系等方性ボンド磁石を提供
する。 【解決手段】 原子%でRα
100−(α+β+γ+δ)βγδ(RがSm,L
a及び不可避的R成分からなり、La含有量が0.05〜2
原子%であり、TはFe、又はFe及びCoであり、M
はAl,Ti,V,Cr,Mn,Cu,Ga,Zr,N
b,Mo,Hf,Ta,W及びZnの群から選択される
少なくとも1種であり、4≦α≦15,0≦β≦10,0≦
γ≦4,4≦δ≦30)で表される主要成分組成を有する
R−T−N系磁石粉末とバインダーとから実質的にな
り、厚み0.1〜5mmのシート状に成形されたことを特
徴とする等方性ボンド磁石。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は広範囲な磁石応用品
分野、例えば各種の回転機、静電現像方式のプリンタや
複写機等に用いるマグネットロール、ボイスコイルモー
タやリニアモータ等に代表される各種のアクチュエー
タ、音響用スピーカ、ブザー、センサー、吸着又は磁界
発生用磁石等に有用であり、従来に比べて着磁性を向上
したシート状の高性能(Sm,La)−T−N系等方性
ボンド磁石に関する。また本発明は、従来に比べて着磁
性の良好な(Sm,La)−T−N系等方性磁石粉末
と、R’−T’−B系等方性磁石粉末と、バインダーと
から実質的になる高性能の等方性ボンド磁石に関する。
また本発明は、前記等方性ボンド磁石を用いて構成され
る回転機及びマグネットロールに関する。また本発明
は、前記等方性ボンド磁石用のコンパウンドに関する。
【0002】
【従来の技術】NdFe14B型金属間化合物を主相
とする等方性のNd−Fe−B系磁石粉末(米国特許第
4,496,395号等参照)が希土類ボンド磁石に多用されて
いる。この磁石粉末は所定組成のNd−Fe−B系合金
溶湯を超急冷し、凝固して得られたフレークを必要に応
じ所定条件で熱処理したものである。しかしこの磁石粉
末は耐食性及び着磁性が悪いという問題を有する。着磁
性は室温の着磁磁界強度:1.9MA/m(25kOe)以下で着磁
したときの磁気特性(最大エネルギー積(BH)max等)で
評価される。従来の等方性の希土類ボンド磁石は着磁性
が悪く改善が求められていた。着磁磁界強度を1.9MA/m
(25kOe)以下に制限する理由は、等方性の希土類ボン
ド磁石を所定の磁気回路に組み込んだ状態で着磁する場
合等、工業生産上1.9MA/m(25kOe)超の着磁磁界強度で
着磁することが困難な場合が多いからである。
【0003】等方性の希土類ボンド磁石には高性能化
(薄肉化)とともに高い寸法精度が求められている。例
えば携帯電話に搭載される電子ブザーの場合、等方性の
希土類ボンド磁石と振動板とが磁気ギャップを介して対
向配置され、前記磁気ギャップ間隔を変化させて電子ブ
ザーの音質を調整する方法が採用されている。また電子
ブザーの組立は通常自動化ラインで行われるので電子ブ
ザーに組み込まれる等方性の希土類ボンド磁石には高い
寸法精度が求められる。また、例えばコンピュータのハ
ードディスクドライブを構成するスピンドルモーター
用、CD−ROM駆動装置のモーター用、さらには今後
DVD(デジタルビデオディスク)用の等方性の希土類
ボンド磁石に対し特に薄肉化に耐える高い磁気特性及び
厳しい寸法精度の要求が見込まれる。また、接着剤によ
る継ぎ目をなくすことで組立工数の削減とともに各種磁
石応用品の高性能化を実現できるため、長尺でかつ一体
ものの等方性の希土類ボンド磁石のニーズがある。例え
ば厚みが5mm以下、好ましくは2mm以下のシート状
の等方性の希土類ボンド磁石成形品を回転機の界磁磁石
に用いた場合、前記ボンド磁石の表面あらさ(最大高
さ:Rmax等)が悪いと回転機のエアギャップ間隔を所
定寸法(通常0.3mm)以下に設定できない。さらに前
記シート状ボンド磁石は巻回した状態で多用されるので
所定の曲率半径に曲げたときの耐割れ性(耐久強度)を
高めることが重要である。このように、昨今の等方性の
希土類ボンド磁石には着磁性、薄肉化、長尺化、成形品
の高い寸法精度、及び耐久強度の向上が求められてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明が解決し
ようとする課題は、従来に比べて着磁性を向上したシー
ト状の高性能(Sm,La)−T−N系等方性ボンド磁
石を提供することである。また本発明の課題は、従来に
比べて着磁性の良好な(Sm,La)−T−N系等方性
磁石粉末と、R’−T’−B系等方性磁石粉末と、バイ
ンダーとから実質的になる高性能の等方性ボンド磁石を
提供することである。また本発明の課題は、前記等方性
ボンド磁石を用いて構成される回転機及びマグネットロ
ールを提供することである。また本発明の課題は、前記
等方性ボンド磁石用のコンパウンドを提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明の等方性ボンド磁石は、原子%でRα
100−(α+β+γ+δ)βγδ(RがSm,L
a及び不可避的R成分からなり、La含有量が0.05〜2
原子%であり、TはFe、又はFe及びCoであり、M
はAl,Ti,V,Cr,Mn,Cu,Ga,Zr,N
b,Mo,Hf,Ta,W及びZnの群から選択される
少なくとも1種であり、4≦α≦15,0≦β≦10,0≦
γ≦4,4≦δ≦30)で表される主要成分組成を有する
R−T−N系磁石粉末とバインダーとから実質的にな
り、厚み0.1〜5mmのシート状に成形されたことを特
徴とする。このシート状ボンド磁石は着磁性に富むもの
である。また前記シート状ボンドの表面あらさを JIS
B 0601 により規定される最大高さ(Rmax)で15μm
以下に低減できるので磁気ギャップの小さい磁石応用品
用途に好適である。
【0006】また本発明の等方性ボンド磁石は、原子%
でRα100−(α+β+γ+δ)βγδ(Rが
Sm,La及び不可避的R成分からなり、La含有量が
0.05〜2原子%であり、TはFe、又はFe及びCoで
あり、MはAl,Ti,V,Cr,Mn,Cu,Ga,
Zr,Nb,Mo,Hf,Ta,W及びZnの群から選
択される少なくとも1種であり、4≦α≦15,0≦β≦
10,0≦γ≦4,4≦δ≦30)で表される主要成分組成
を有するR−T−N系磁石粉末と、R’T’14B型
金属間化合物(R’はYを含む希土類元素の少なくとも
1種でありNdを必ず含み、T’はFe、又はFe及び
Coである)を主相とする平均結晶粒径が0.01〜0.5μ
mのR’−T’−B系磁石粉末と前記2種の磁石粉末を
結着するバインダーとから実質的になることを特徴とす
る。この等方性ボンド磁石はR−T−N系磁石粉末の寄
与により着磁性を向上し、R’−T’−B系磁石粉末の
寄与により(BH)maxを高めたものである。また厚み0.01
〜5mmのシート状に成形された等方性ボンド磁石が有
用である。特に、JIS B 0601により規定される最大高さ
(Rmax)を15μm以下に低減したシート状の等方性ボ
ンド磁石は磁気ギャップの小さい磁石応用品用途に好適
である。
【0007】前記R−T−N系磁石粉末がThZn
17型又はThNi17型結晶構造を有する硬質磁性
相を主相とし、前記主相の平均結晶粒径が0.01〜1μm
である場合に耐久強度(耐割れ性等)を向上した等方性
ボンド磁石を提供できる。また前記R−T−N系磁石粉
末がTbCu型結晶構造を有する硬質磁性相を主相と
し、前記主相の平均結晶粒径が0.002〜0.5μmである場
合に等方性ボンド磁石の(BH)maxを高めることができ
る。
【0008】前記等方性ボンド磁石を用いて構成される
回転機は高効率のものになる。また前記等方性ボンド磁
石を用いて構成されるマグネットロールを搭載した複写
機あるいはプリンタでは高精細画像が得られる。
【0009】また本発明の等方性コンパウンドは、原子
%でRα100−(α+β+γ+δ)βγδ(R
がSm,La及び不可避的R成分からなり、La含有量
が0.05〜2原子%であり、TはFe、又はFe及びCo
であり、MはAl,Ti,V,Cr,Mn,Cu,G
a,Zr,Nb,Mo,Hf,Ta,W及びZnの群か
ら選択される少なくとも1種であり、4≦α≦15,0≦
β≦10,0≦γ≦4,4≦δ≦30)で表される主要成分
組成を有するR−T−N系磁石粉末とバインダーとから
実質的になることを特徴とする。このコンパウンドによ
り着磁性の良好な高性能の等方性ボンド磁石を得られ
る。前記R−T−N系磁石粉末がThZn17型又は
ThNi17型結晶構造を有する硬質磁性相を主相と
し、前記主相の平均結晶粒径が0.01〜1μmである場合
に高強度の等方性ボンド磁石を得られる。また前記R−
T−N系磁石粉末がTbCu型結晶構造を有する硬質
磁性相を主相とし、前記主相の平均結晶粒径が0.002〜
0.5μmである場合に等方性ボンド磁石の(BH)maxを高め
ることができる。
【0010】また本発明の等方性コンパウンドは、原子
%でRα100−(α+β+γ+δ)βγδ(R
がSm,La及び不可避的R成分からなり、La含有量
が0.05〜2原子%であり、TはFe、又はFe及びCo
であり、MはAl,Ti,V,Cr,Mn,Cu,G
a,Zr,Nb,Mo,Hf,Ta,W及びZnの群か
ら選択される少なくとも1種であり、4≦α≦15,0≦
β≦10,0≦γ≦4,4≦δ≦30)で表される主要成分
組成を有するR−T−N系磁石粉末と、R’T’14
B型金属間化合物(R’はYを含む希土類元素の少なく
とも1種でありNdを必ず含み、T’はFe、又はFe
及びCoである)を主相とする平均結晶粒径が0.01〜0.
5μmのR’−T’−B系磁石粉末と前記2種の磁石粉
末を結着するバインダーとから実質的になることを特徴
とする。このコンパウンドにより成形してなる等方性ボ
ンド磁石ではR−T−N系磁石粉末の寄与により着磁性
が向上し、R’−T’−B系磁石粉末の寄与により(BH)
maxを高めることができる。前記R−T−N系磁石粉末
がThZn17型又はThNi17型結晶構造を有
する硬質磁性相を主相とし、前記主相の平均結晶粒径が
0.01〜1μmである場合に、等方性ボンド磁石の強度を
改良できる。また前記R−T−N系磁石粉末がTbCu
型結晶構造を有する硬質磁性相を主相とし、前記主相
の平均結晶粒径が0.002〜0.5μmである場合に等方性ボ
ンド磁石の(BH)maxを高められる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の等方性ボンド磁石用のR
−T−N系磁石粉末として、主要成分組成が原子%でR
α100−(α+β+γ+δ)βγδ(RがS
m,La及び不可避的R成分からなり、La含有量が0.
05〜2原子%であり、TはFe、又はFe及びCoであ
り、MはAl,Ti,V,Cr,Mn,Cu,Ga,Z
r,Nb,Mo,Hf,Ta,W及びZnの群から選択
される少なくとも1種であり、4≦α≦15,0≦β≦1
0,0≦γ≦4,4≦δ≦30)で表される組成物が選択
される。以下に組成限定理由を説明する。
【0012】RにはSm及びLaを必ず含み、さらに
Y,Ce,Pr,Nd,Eu,Gd,Tb,Dy,H
o,Er,Tm,Yb及びLuの群から選択される少な
くとも1種を含むことが許容される。Smミッシュメタ
ルやジジム等の2種以上の混合希土類合金を原料に用い
てもよい。 室温の固有保磁力iHc≧397.9kA/m(5kOe)
を得るために、Rに占めるSm比率は50原子%以上が好
ましく、70原子%以上がより好ましく、不可避的R成分
を除いて R=Sm+La の場合が特に好ましい。R
含有量(α)は4〜15原子%が好ましく、6〜12原子%
がより好ましい。αが4原子%未満では室温のiHc≧39
7.9kA/m(5kOe)を得ることが困難であり、15原子%超
では(BH)maxが大きく低下する。RがSm、La及び不
可避的R成分からなり、La含有量が0.05〜2原子%の
ときに等方性ボンド磁石の着磁性が向上する。La含有
量が0.05原子%未満では着磁性が改善されず、2原子%
超では減磁曲線の角形(Hk)が逆に低下する。これは前
記La含有量範囲のときに異方性磁界及び飽和磁束密度
がわずかに低下するが、室温の1989.5kA/m (25kOe)以
下で着磁した場合の(BH)max及びHkを高められるからで
ある。Hkは4πI-H減磁曲線上(第2象限)の0.7Brにお
けるHの値であり、減磁曲線の矩形性の尺度である。Br
は残留磁束密度、Hは印加磁界の強さ、4πIは磁化の強
さである。
【0013】Al,Ti,V,Cr,Mn,Cu,G
a,Zr,Nb,Mo,Hf,Ta,W及びZnの群か
ら選択される少なくとも1種からなるM元素の含有量
(β)は0.5〜10原子%が好ましく、1〜4原子%がよ
り好ましい。βが10原子%超ではThMn12型のSm
(Fe,M)12相が生成しiHcが大きく低下し、
0.5原子%未満では実質的に添加効果を得られない。
【0014】B含有量(γ)は0.1〜4原子%が好まし
く、1〜3原子%がより好ましい。γが0.1原子%未満
では実質的に添加効果を得られず、4原子%超ではiHc
が大きく低下する。
【0015】窒素の含有量(δ)は4〜30原子%が好ま
しく、10〜20原子%がより好ましい。δが4原子%未満
及び30原子%超ではiHc、(BH)maxが大きく低下する。
【0016】キュリー温度及びiHcの温度係数を高める
ために、Feの一部を0.01〜30原子%のCoで置換する
ことが好ましく、Co含有量は1〜20原子%がより好ま
しい。Co含有量が30原子%超では(BH)max、iHcが顕著
に低下し、0.01原子%未満では実質的に添加効果を得ら
れない。
【0017】以下にR−T−N系磁石粉末の製造方法に
ついて説明する。窒化に供するR−T系母合金はストリ
ップキャスト法、超急冷法、鋳型鋳造法、又は還元/拡
散法により製造できる。ストリップキャスト法による場
合、例えば単ロール型又は双ロール型の溶湯急冷装置に
より、R−T系母合金溶湯を周速:0.05〜10m/秒の冷
却用ロール面(銅合金製等)に注湯して急冷凝固した、
厚みが200μm超3mm以下のR−T系母合金薄帯が好
ましい。αFeの発生を抑えるために冷却用ロールの周
速を0.1〜5m/秒にし、前記母合金薄帯の厚みを300μ
m〜1mmにすることがより好ましい。この母合金薄帯
に後述の水素化・分解反応及びそれに続く脱水素・再結
合反応処理を施し、次いで窒化することにより、αFe
の生成が抑えられ、ThZn17型又はThNi
17型結晶構造を有する硬質磁性相から実質的になり、
前記硬質磁性相の平均結晶粒径が0.01〜1μmであり、
丸みを帯びて充填性に富む粒子形態のR−T−N系磁石
粉末が得られる。超急冷法による場合、上記溶湯急冷装
置により、冷却ロールの周速を15m/秒以上、好ましく
は30m/秒以上、さらに好ましくは45m/秒以上、特に好
ましくは50〜120m/秒にし、かつストリップキャストの
場合よりも注湯量を少なくし、得られるR−T系母合金
薄片(フレーク)の厚みを5〜200μm程度に薄くする
ことが好ましく、厚みを5〜50μmにすることがより好
ましい。この母合金薄片は超微結晶粒及び/又は非晶質
状態にある。次に不活性ガス雰囲気中(窒素ガスを除
く)又は真空中で、好ましくは400〜800℃×0.1〜300時
間、より好ましくは600〜800℃×0.2〜10時間加熱(熱
処理)して微結晶化し、次いで室温まで冷却する。次に
窒化し、TbCu型結晶構造を有する硬質磁性相を主
相とし、前記主相の平均結晶粒径が0.002〜0.5μmであ
るR−T−N系磁石粉末を得られる。前記熱処理条件を
外れると0.002〜0.5μmの平均結晶粒径とすることが困
難になる。鋳型鋳造法により得られるR−T系母合金イ
ンゴットにはαFe等が顕著に偏析しているので、前記
インゴットを不活性ガス雰囲気中(窒素ガスを除く)で
1010〜1280℃×1〜40時間の加熱条件で均質化熱処理
し、室温まで冷却する。次に後述の水素化・分解反応、
及びそれに続く脱水素・再結合反応処理を施し、次いで
窒化すれば、αFeの生成が抑えられ、ThZn17
型又はThNi17型結晶構造を有する硬質磁性相か
ら実質的になり、前記硬質磁性相の平均結晶粒径が0.01
〜1μmであり、丸みを帯びて充填性に富む粒子形態の
R−T−N系磁石粉末を得られる。均質化熱処理条件が
1010℃×1時間未満では均質化が不十分であり、1280℃
×40時間超では酸化及びSmの蒸発等による組成ずれが
顕著になる。還元/拡散法による場合は、例えばRの酸
化物とFe又はFeの酸化物とを、上記R−Fe−N系
磁石粉末に対応したR−Fe系母合金の主要成分組成に
配合する。さらにRの酸化物及び必要に応じてFeの酸
化物が化学反応式上100%還元される量(これを化学量
論的必要量という)の0.5〜2倍に相当する量の還元剤
(Ca,Mg,CaH及びMgHの少なくとも1
種)を前記配合物に添加し、混合する。次に混合物を不
活性ガス雰囲気中で1000〜1300℃×1〜20時間加熱して
Rの酸化物等を還元し、続いて還元したRとFeとを十
分に相互拡散させた後室温まで冷却する。還元剤の添加
量が化学量論的必要量の0.5倍未満では工業生産上有益
な還元反応が行えず、2倍超では最終的に磁粉に残留す
る還元剤量が増大し磁気特性の低下を招く。また不活性
ガス雰囲気中での加熱条件が1000℃×1時間未満では工
業生産上有益な還元/拡散反応が進行せず、1300℃×20
時間超では還元/拡散反応炉の劣化が顕著になる。得ら
れた還元/拡散反応生成物を洗浄液中に投入しCaO等
の反応副生成物を洗い流し、次いで脱水及び真空乾燥を
行い、還元/拡散法によるR−Fe系母合金を得られ
る。通常得られたR−T系母合金粉末の平均粒径は10〜
100μmであり、Ca含有量は0.4重量%以下であり、好
ましくは0.2重量%以下、特に好ましくは0.1重量%以下
にできる。酸素含有量は通常0.8重量%以下であり、好
ましくは0.4重量%以下、特に好ましくは0.2重量%以下
にできる。炭素含有量は通常0.3重量%以下であり、好
ましくは0.2重量%以下、特に好ましくは0.1重量%以下
にできる。次に後述の水素化・分解反応、及びそれに続
く脱水素・再結合反応処理を施し、次いで窒化すれば、
αFeの生成が抑えられ、ThZn17型又はTh
Ni17型結晶構造を有する硬質磁性相から実質的にな
り、前記硬質磁性相の平均結晶粒径が0.01〜1μmであ
り、丸みを帯びて充填性に富む粒子形態のR−T−N系
磁石粉末を得られる。
【0018】水素化・分解反応及び脱水素・再結合反応
処理条件を説明する。R−T系母合金に対し、1.0×10
〜1.0×10Pa(0.1〜10atm)の水素ガス中又は水素
ガス分圧を有する不活性ガス(窒素ガスを除く)中で67
5〜900℃×0.5〜8時間加熱する水素化・分解反応処理
と、続いて1.3Pa(1×10−2Torr)以下の真空中で700
〜900℃×0.5〜20時間加熱する脱水素・再結合反応処理
とを行う。水素化・分解反応により母合金を希土類元素
Rの水素化物RHx相などに分解する。続いて、脱水素
・再結合反応により、母合金相に再結合させて平均再結
晶粒径を0.01〜1μmとした母合金にする。個々の再結
晶粒子はランダムに配向する。水素化・分解反応の水素
分圧が1.0×10Pa(0.1atm)より大きいと分解反応が
起こらず、1.0×10Pa(10atm)未満では真空排気設備
の大型化、コスト増を招く。よって水素分圧は1.0×10
〜1.0×10Pa (0.1〜10atm)が好ましく、5.0×10
〜5.0×10Pa (0.5〜5atm)がより好ましい。水素
化・分解反応の加熱条件が675℃(ほぼ水素化分解下限
温度)×0.5時間未満では母合金が水素を吸収するのみ
でRHx相などへの分解が起こらず、900℃×8時間超で
は脱水素後の母合金が粗大粒化し、等方性ボンド磁石の
iHcが大きく低下する。よって、水素化・分解反応の加
熱条件は675〜900℃×0.5〜8時間が好ましく、675〜80
0℃×0.5〜4時間がより好ましい。脱水素・再結合反応
の水素分圧が1.3Pa(1×10−2Torr)よりも大きいと処
理に長時間を要し、1.2×10−3Pa (9×10−6Torr)
未満では真空排気設備の大型化、コスト増を招く。脱水
素・再結合反応の加熱条件が700℃×0.5時間未満ではR
Hx等の分解が進行せず、900℃×20時間超では再結晶
粒が粗大化し等方性ボンド磁石のiHcが大きく低下す
る。従って、脱水素・再結合反応の加熱条件は700〜900
℃×0.5〜20時間が好ましく、800〜900℃×0.5〜5時間
がより好ましい。水素化・分解反応及びそれに続く脱水
素・再結合反応処理を施した後、必要に応じて粉砕し、
次いで分級又は篩分を行い粒径分布を調整し窒化に供す
る。
【0019】窒化の条件を以下に説明する。窒化は、2.
0×10〜1.0×10Pa (0.2〜10atm)の窒素ガス、水
素が1〜95モル%で残部が窒素からなる(水素+窒素)
の混合ガス、NHのモル%が1〜50%で残部水素から
なる(NH+水素)の混合ガスのいずれかの雰囲気中
で300〜650℃×0.1〜30時間加熱するガス窒化が実用性
に富んでいる。ガス窒化の加熱条件は300〜650℃×0.1
〜30時間が好ましく、400〜550℃×0.5〜20時間がより
好ましい。300℃×0.1時間未満では窒化が進行せず、65
0℃×30時間超では逆にRN相を生成しiHcが低下する。
窒化ガスの圧力は2.0×10〜1.0×10Pa (0.2〜10at
m)が好ましく、5.0×10〜5.0×10Pa (0.5〜5at
m)がより好ましい。圧力が2.0×10Pa(0.2atm)未満
では窒化反応が非常に遅くなり、1.0×10 Pa (10at
m)超では高圧ガス設備の大型化、コスト増を招く。窒
化後に、真空中あるいは不活性ガス雰囲気中(窒素ガス
を除く)で300〜600℃×0.5〜50時間の熱処理を行うとi
Hcを高めることができる。こうして得られたR−T−N
系磁石粉末には0.01〜10原子%の水素の含有が許容され
る。
【0020】R−T−N系磁石粉末の平均粒径は5〜30
0μmが好ましく、10〜100μmがより好ましく、10〜50
μmが特に好ましい。平均粒径が5μm未満では酸化が
顕著になり(BH)maxが低化し、平均粒径が300μm超では
表面性が悪化し磁気ギャップの小さい用途に適用できな
い場合を発生する。
【0021】R−T−N系磁石粉末がThZn17
又はThNi17型結晶構造を有する硬質磁性相を主
相とする場合は、(BH)max及びiHcを高めるために、前記
主相の平均結晶粒径を0.01〜1μmとすることが好まし
く、0.01〜0.3μmとすることがより好ましい。工業生
産上平均結晶粒径を0.01μm未満にした2−17型結晶相
を得ることは困難であり、1μm超では室温のiHcが39
7.9kA/m(5kOe)未満になる。平均結晶粒径を制御する
ことに加えて、このR−T−N系磁石粉末のαFeの含
有比率を極力低減することが(BH)max,iHcを高めるため
に必須である。R−T−N系磁石粒子の断面組織におけ
るαFeの平均面積率を5%以下、好ましくは2%以
下、特に好ましくは1%以下とするために、R含有量
(α)を8〜15原子%にすることがよい。
【0022】R−T−N系磁石粉末がTbCu型結晶
構造を有する硬質磁性相を主相とする場合は、(BH)max
及びiHcを高めるために、前記主相の平均結晶粒径を0.0
02〜0.5μmとすることが好ましく、0.005〜0.05μmと
することがより好ましい。前記主相の平均結晶粒径が0.
002μm未満及び0.5μm超のものは工業生産上製造が困
難である。なお硬質磁性相がR,T及びNを主体とし、
不可避的不純物相以外はTbCu 型結晶相からなるこ
とが好ましいが、硬質磁性相がTbCu型結晶相を主
相とする場合はThZn17型及び/又はThNi
17型結晶相との混晶から硬質磁性相が構成される場合
も本発明に包含される。M元素は主に硬質磁性相中に存
在するが、軟質磁性相(T相)中に存在する場合もあ
る。R−T−N系磁石粉末が不可避的不純物相以外はT
bCu型硬質磁性相から構成されるために、R含有量
(α)を8〜15原子%にすることが好ましい。またR−
T−N系磁石粉末が不可避的不純物相以外はTbCu
型硬質磁性相とbcc構造の軟質磁性相とから構成され
るために、R含有量(α)を4原子%以上8原子%未満
にすることが好ましく、5〜7原子%にすることがより
好ましい。軟質磁性相はbcc(体心立方晶)構造のT
相であり、α−Feであるか、あるいはα−Feの一部
がCo、M元素あるいはR元素等で置換されたものと判
断される。軟質磁性相の平均結晶粒径が好ましくは0.00
2〜0.06μm 、さらに好ましくは0.005〜0.04μmのと
きに従来に比べて着磁性が改良され、高い(BH)max及び
室温における397.9kA/m(5kOe)以上のiHcを得られ
る。このR−T−N系磁石粉末は結晶磁気異方性が高い
硬質磁性相と飽和磁化が高い軟質磁性相との混在する超
微結晶粒組織からなるので硬質磁性相と軟質磁性相との
界面が多数形成され、顕著な交換異方性を生じていると
判断される。軟質磁性相の平均結晶粒径が0.002μm未
満のものは工業生産上製造が困難であり、0.06μm超で
はiHcが顕著に劣化する。(TbCu型硬質磁性
相):(bcc構造の軟質磁性相)の比率は、平均面積
率で 90〜40%:10〜60%が好ましく、90〜65%:10〜
35% がより好ましい。軟質磁性相の割合が10%未満で
は軟質磁性相の寄与によるBr,(BH)maxの向上効果が実
質的に得られず、60%超では室温において397.9kA/m
(5kOe)以上のiHcを得ることが困難になる。
【0023】軟質磁性相、硬質磁性相及びαFe等の平
均面積率は下記の要領で面積分析法により算出する。ま
た同時に相の同定を行う。まず、R−T−N系磁石粉末
粒子の断面組織を透過型電子顕微鏡により観察し、撮影
した断面写真を画像解析して算出する。次に、断面写真
の測定対象視野中に存在する軟質磁性相(又は硬質磁性
相又はαFe等)の結晶粒の数(n)及び各結晶粒の断
面積の合計(S)を、画像解析により算出する。次に、
軟質磁性相(又は硬質磁性相又はαFe等)の結晶粒1
個あたりの平均断面積(S/n)を算出し、面積が(S/n)であ
る円の直径(D)を平均結晶粒径と定義する。またn=5
0とする。すなわち、平均結晶粒径(D)は、式:π(D/
2)=S/n から算出する。
【0024】R’−T’−B系等方性磁石粉末は例えば
以下のようにして製造できる。まず、R’T’14
型金属間化合物(R’はYを含む希土類元素の少なくと
も1種でありNdを含み、T’はFe、又はFe及びC
oである)を主相とする所定組成に調整されたR’−
T’−B系合金溶湯を超急冷し、実質的に非晶質の薄片
を作製する。次にArガス雰囲気中又は真空中で550〜8
00℃×0.5〜20時間加熱し、次いで室温まで冷却する熱
処理を行い、平均結晶粒径を0.01〜0.5μmに調整す
る。前記熱処理条件を外れると平均結晶粒径を0.01〜0.
5μmに調整することが困難になり、等方性ボンド磁石
の(BH)max,iHcを高めることが困難になる。次に平均粒
径10〜300μm、好ましくは平均粒径50〜150μmの粉末
に粉砕し、必要に応じて分級又は篩分し等方性ボンド磁
石用に供する。平均粒径が10μm未満では酸化による磁
気特性の劣化が顕著になり、平均粒径が300μm超では
磁気ギャップの小さい用途に適用できない場合を生じ
る。R’−T’−B系磁石粉末の主要成分組成は、原子
%で、R’:8〜16%,B:4〜11%,10%以下のM’
元素( M’はAl,Si,Nb、W,V,Mo,T
a,Zr,Hf,P,C,Zn及びCuの群から選択さ
れる少なくとも1種),及び残部T’(Coは30%以下)
とすることが等方性ボンド磁石の(BH)max,iHcを高める
ために好ましい。R’に占めるNdの比率は50原子%以
上が好ましく、またR’はNd,Pr及び不可避的R成
分からなる場合が実用性が高い。その他不可壁的不純物
の含有が許容される。
【0025】本発明の等方性ボンド磁石(コンパウン
ド)のバインダーとして熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、
ゴム材料又は上記磁石粉末のキュリー温度よりも低い融
点の合金を用いることができる。このうち、熱可塑性樹
脂、熱硬化性樹脂又はゴム材料が実用性が高い。熱硬化
性樹脂として液状樹脂が特に適している。具体例を挙げ
れば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹
脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂又はケイ素樹脂の液状
樹脂がよい。特に、液状エポキシ樹脂は取り扱いが容易
で良好な耐熱性を示し、安価であるため最もよい。固形
(粉末状)樹脂では粘性が無いため、混練物を押出装置
のノズル穴から押出すことが容易でない。熱可塑性樹脂
として、ポリアミド樹脂(ナイロン6、ナイロン66、ナ
イロン11又はナイロン12等)、ポリフェニレンサルファ
イド樹脂、液晶ポリマー樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂
又はエチレン−エチルアクリレート共重合体樹脂等が挙
げられる。ゴム材料として、天然ゴム、イソプレンゴ
ム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブチ
ルゴム、エチレン−プロピレンゴム、ニトリルゴム、ア
クリルゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴム又はハイ
パロン等が挙げられる。
【0026】磁石粉末とバインダーとの配合比率は特に
限定されないが、(磁石粉末):(バインダー)=(80
重量部超99.5重量部以下):(20重量部未満0.5重量部
以上)が好ましく、88〜98重量部:12〜2重量部 がよ
り好ましい。バインダー量が0.5重量部未満では磁粉粒
子の周囲を十分に覆うことができず、磁気特性及び密度
が逆に低下する。バインダー量が20重量%以上ではバイ
ンダーが過多になり有用な磁気特性を得ることが困難に
なる。磁石粉末がR−T−N磁石粉末とR’−T’−B
系磁石粉末との混合磁粉からなる場合、両者の配合比率
は、(R−T−N系磁石粉末):( R’−T’−B系
磁石粉末)=10〜90重量部:90〜10重量部 が好まし
く、20〜80重量部:80〜20重量部 がより好ましい。R
−T−N系磁石粉末の比率が10重量部未満では着磁性の
改善が困難になり、R’−T’−B系磁石粉末の比率が
10重量部未満では(BH)maxをさらに高めることが困難に
なる。
【0027】本発明の等方性コンパウンドは例えば以下
のようにして製造できる。末端に直径300μm以下のノ
ズル穴7(吐出口)を付設した図2(a)の押出装置に
予備混練し、造粒したコンパウンドのペレットを投入す
る。投入物は押出装置中で混練されつつノズル穴7に向
かって搬送され、最終的にノズル穴7から強制的に押出
される。ノズル穴7から押出される際に押出物はノズル
穴7から強い圧縮力を受けるので緻密化し、磁粉粒子の
充填密度が高まる。ノズル穴7から押出されたものは断
面が略円柱状になり、かつ自重で所定の長さに切れて長
い円柱状のコンパウンド(図2のP)になる。これを図
3(b)の整粒装置に回収し、切断し、整粒することに
より本発明の等方性コンパウンドが得られる。切断及び
整粒作業にはマルメライザー(不二パウダル(株)製、
商品名:マルメライザー)が適している。整粒したコン
パウンドの単位重量あたり、潤滑剤(ステアリン酸カル
シウム等)を0.01〜0.5重量%添加すると良好な流動性
及び圧力伝達性を得られるので好ましい。潤滑剤の添加
量が0.01重量%未満では潤滑効果を得られず、0.5重量
%超では潤滑効果が飽和する。こうして得られたコンパ
ウンドにより成形を行い、得られる等方性ボンド磁石は
1成形品内での密度ばらつきが非常に小さくなり、かつ
良好な成形寸法精度(真円度、Rmax等)を有するもの
になる。これは整粒したコンパウンドの粒子形態が最大
径aと最小径bの比(a/b)が1.00を超えて3以下で
あり、かつ (a+b)/2 で定義する平均粒径が50〜
300μmになり丸みを帯びるからである。(前記磁石粉
末+バインダー)=100重量% として、この整粒した
コンパウンドに占めるバインダーの配合比率が0.5重量
%以上、20重量%未満の場合に、コンパウンドの1粒中
に最小径が10〜300μmの磁粉粒子が平均10個以上含ま
れ、等方性ボンド磁石の磁気特性及び寸法精度を改善す
ることができる。なお、模式的に図4に示すように、コ
ンパウンド、磁石粉末粒子又はノズル穴の断面写真にお
いて、その最大長を最大径と定義する。また最小径とは
最大径に直交する方向の最大長をいう。コンパウンドの
形態は例えば走査型電子顕微鏡により観察し確認する。
コンパウンドの(a/b)が3を超えると長細の形状に
なり流動性(給粉性)が大きく低下し、(a/b)が1.0
0のものは工業生産上製造が困難である。 コンパウンドの平均粒径 :(a+b)/2 はノズル穴
寸法により制約されるため、50〜300μmが適当であ
る。50μm未満では押出が困難な場合があり、300μm
超ではコンパウンドの流動性及び磁気特性が低下する。
ノズル穴の作製はドリル加工によるのが実用的である
が、レーザー加工又は電子ビーム加工によるとノズル穴
の寸法精度を高められるので好ましい。コンパウンドの
平均粒径に対応してノズル穴の直径は50〜300μmが好
ましい。ノズル穴の断面形状は楕円、矩形又は不定形で
もよいが、いずれにしろノズル穴の断面形状において最
大径を300μm以下、最小径を50μm以上にすることが
コンパウンドの流動性及び圧力伝達性を改善するために
好ましい。ノズル穴の詰まりを克服できる範囲内でノズ
ル穴の直径が小さいほどコンパウンドの流動性を高める
ことができる。押出時のノズル穴の詰まり防止のため
に、ノズル穴寸法よりもコンパウンドに配合する磁石粉
末の粒径分布を細かくしておく必要があり、篩分あるい
は分級し粒径分布を調整する。
【0028】寸法精度(真円度、Rmax)仕様の緩い用
途には押出、切断及び整粒工程を経ない予備混練ペレッ
トを用いることが実用的である。
【0029】等方性ボンド磁石のバインダーが熱可塑性
樹脂の場合、成形体に大気中又は不活性ガス雰囲気で70
〜200℃×0.5〜5時間の熱処理を施した後、室温まで冷
却する。この熱処理により、等方性ボンド製品の経時的
な寸法変化や割れ等を抑えることができる。またバイン
ダーに熱硬化性樹脂を用いた場合、成形体に大気中又は
不活性ガス雰囲気で100〜200℃×0.5〜5時間の加熱硬
化処理を施した後、室温まで冷却する。加熱硬化条件が
100℃×0.5時間未満では加熱硬化の重合反応が不十分で
あり、200℃×5時間超では熱処理の効果が飽和する。
アルゴンガス雰囲気中での加熱硬化処理により(BH)max
を高められるので特に好ましい。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を詳し
く説明するが、それらの実施例により本発明が限定され
るものではない。
【0031】La含有量と着磁性との関係を調査した実
施例を説明する。 (実施例1)純度99.9%以上のSm,La,Fe,Ti
及びBを用い、下記の窒化磁石粉末に対応する組成に調
整した母合金溶湯を双ロール式ストッリップキャスター
の周速:0.5m/秒の冷却用ロール面(直径300mm、銅
合金製)に注湯し、急冷凝固した母合金薄帯を得た。得
られた母合金薄帯に1.0×10Pa(1atm)の水素ガス雰
囲気中で675℃×1時間の水素化・分解反応処理を行い、
続いて4.0〜8.0Pa(3〜6×10−2Torr)の真空中で79
0℃×1.5時間の脱水素・再結合反応処理を行った。次に
アルゴンガス雰囲気中でジョークラッシャー及びディス
クミルにより粉砕し、次いで200メッシュアンタ゛ーに篩分した。
次に1.0×10Pa(1atm)の窒化ガス雰囲気中で440℃
×10時間加熱する窒化を行い、次いで室温に冷却した。
次にアルゴンガス気流中で400℃×30分間熱処理後室温
まで冷却し、平均結晶粒径が0.18μmのThZn17
型結晶構造の硬質磁性相から実質的になり、Sm9.2
La0.05Febal.Ti2.71.0
12.7 で示される主要成分組成を有する平均粒径2
0μmの窒化磁石粉末を得た。この磁石粉末のαFeは
平均面積率で0.01%であった。次に前記窒化磁石粉末:
93.5重量部,天然ゴム:2.5重量部,ニトリルゴム:2.0
重量部,塩素化ポリエチレン:1.94重量部,ビスフェノ
ール型エポキシ樹脂:0.05重量部、及びステアリン酸カ
ルシウム:0.01重量部を配合し、加熱・加圧型ニーダー
によりアルゴンガス雰囲気中で混練し、次いで粒径5m
m以下に粉砕したコンパウンドを得た。次にコンパウン
ドを図5の約90℃に加熱したコンパウンド搬送装置60に
投入し、その吐出口61から軟化状態のコンパウンド62を
大気中の50℃に加熱したロール64,64の間に供給して圧
延し、厚さ3.0mm,幅約100mmのシート状成形体70を
得た。次に揮発性不純物を除去するために大気中で50℃
×10時間加熱し、次いで大気中で加硫処理(150℃x2
時間)を行い、その後室温まで冷却した。得られたシー
ト状等方性ボンド磁石を室温(25℃),着磁磁界強度:
1.9MA/m(25kOe)で着磁し、得られた(BH)max=28.7kJ/
m(3.6MGOe)であった。
【0032】(実施例2)主要成分組成を変えた以外は
実施例1と同様にして、平均粒径が20μm、平均結晶粒
径が0.18μmのThZn17型結晶構造の硬質磁性相
から実質的になり、αFeの含有率が平均面積率で0.02
%であり、Sm8.5La0.7Feba l.Ti
2.71.012.5 で示される主要成分組成
の窒化磁石粉末を得た。この磁粉粒子を走査型電子顕微
鏡で撮影した写真を図8(a)に示す。図8(a)より
丸みを帯びた粒子形態であることがわかる。次に、この
窒化磁粉:93.5重量部,天然ゴム:2.5重量部,ニトリ
ルゴム:2.0重量部,塩素化ポリエチレン:1.94重量
部,ビスフェノール型エポキシ樹脂:0.05重量部,及び
ステアリン酸カルシウム:0.01重量部を配合し、以降は
実施例1と同様にしてコンパウンドを作製し、圧延し、
厚さ3.0mmのシート状等方性ボンド磁石を作製した。
次に、室温(25℃),1.9MA/m(25kOe)で着磁し、得ら
れた(BH)max=31.8kJ/m(4.0MGOe),iHc=748.1kA/m
(9.4kOe)であった。また密度は5.4Mg/m(g/cm
であった。次に室温(25℃)において前記シート状ボン
ド磁石の着磁磁界強度を変化させたときの(BH)maxの変
化を図6に示す。次に前記シート状ボンド磁石を所定形
状に切断し、積層してパーミアンス係数(Pc)=2 の
試料を作製した。次に各試料をそれぞれ室温(25℃)で
(BH)maxが飽和する条件で着磁した。次いでサーチコイ
ルとデジタル磁束計とを用いて開放磁束量(Φ1)を測
定した。次に大気中で100℃×1〜300時間加熱後室温ま
で冷却する大気中加熱を行った。次に大気中加熱後の各
試料の開放磁束量(Φ2)を測定し、下記式により不可
逆減磁率を求めた。 不可逆減磁率=[(Φ2−Φ1)/Φ1]×100(%) Φ1:大気中加熱前の室温における開放磁束量(kMxT) Φ2:大気中加熱後の室温における開放磁束量(kMxT) 不可逆減磁率の測定結果を図7に示す。 [マグネットロールの作製及び評価]次に、前記シート
状ボンド磁石を用いて構成した現像ロール装置について
説明する。図10は本発明のマグネットロールを組み込
んだ代表的な現像ロール装置80を示す要部断面図であ
り、図11は図10のA−A線矢視断面図である。現像
ロール装置80は、軸方向に延びた溝部87を有する外径2
0.0mm,長さ220.0mmの極異方性フェライトボンド磁
石88と、前記シート状ボンド磁石を厚み3.0mm,幅3.0
mm,長さ220.0mmに切断し、溝部87に固着してなる
現像磁極(N)用磁石89と、極異方性フェライトボン
ド磁石88の内径側に挿入された強磁性のシャフト86(S4
5C製)とからなるマグネットロール81と、マグネットロ
ール81を収容する円筒状スリーブ82と、円筒状スリーブ
82の両端部に設けた一対のフランジ部83a,83bと、フ
ランジ部83a,83bの内周面に設けた軸受84a,84bと
を有し、シャフト86は軸受84a,84bにより回転自在に
支持されている。一方のフランジ部83bの端面にはシー
ル部材(オイルシール)85が設けてある。マグネットロ
ール81の外周面軸線方向には延在する磁極が計4極形成
され、非磁性のスリーブ82及びフランジ部83a,83bは
アルミニウム合金製である。現像ロール装置80はマグネ
ットロール81とスリーブ82との相対的回転により、例え
ばマグネットロール81を固定し、スリーブ82を回転させ
て、スリーブ82の外周面に磁性現像剤を吸着させ、磁性
現像剤を現像領域(図示省略の画像担体とスリーブ82と
が対向する領域)まで搬送し、静電荷像を顕像化するよ
うになっている。マグネットロール81の着磁をシート状
ボンド磁石89を固着した状態で行えるので着磁効率を向
上することができる。マグネットロール81には図11中
の点線で例示される閉磁路90が形成され、スリーブ82上
に強力な磁界が発生する。95は磁気空隙である。マグネ
ットロール81の軸方向中央部付近において外周面のN
磁極表面の軸方向100mmの範囲の表面磁束密度(Bo)
を測定した結果、Boの平均値で0.18T(1800G)という
高い値が得られた。また、Boのばらつき(dBo)は0.005
T(50G)未満であり良好であった。次に、現像ロール
装置80を複写機に搭載し、10000枚複写後、マグネット
ロール81を構成するシート状ボンド磁石89の外観を調べ
たが正常であり、磁力劣化はなかった。
【0033】(実施例3)主要成分組成を変えた以外は
実施例1と同様にして、表1に示す平均粒径約20μmの
窒化磁石粉末を作製し、シート状等方性ボンド磁石を作
製し、磁気特性を測定した。測定結果を表1に示す。こ
れらシート状ボンド磁石の密度は5.4〜5.5Mg/m(g/cm
)であった。また前記各磁粉はいずれも平均結晶粒径
が約0.2μmのThZn17型結晶構造の硬質磁性相
から実質的になり、αFeの平均面積率は0.01〜0.03%
であった。 (比較例1)ThZn17型結晶構造の硬質磁性相
(平均結晶粒径:0.20μm)から実質的になり、Sm
9.2Febal.Ti2.71.012.8
で示される主要成分組成を有する平均粒径22μmの窒化
磁石粉末を用いた以外は実施例1と同様にして厚さ3.0
mmのシート状等方性ボンド磁石を作製し、室温(25
℃),着磁磁界強度:1.9MA/m(25kOe)で着磁し、得ら
れた(BH)max=25.4kJ/m(3.2MGOe)であった。また実
施例2と同様にして室温(25℃)において着磁磁界強度
を変化させた場合のシート状ボンド磁石の(BH)maxを図
6に、不可逆減磁率を図7に示す。 (比較例2)La含有量=3.0原子%の主要成分組成と
した以外は実施例1と同様にして、表1の主要成分組成
を有する平均粒径約20μmの窒化磁石粉末を作製し、シ
ート状ボンド磁石を作製し、磁気特性を測定した。測定
結果を表1に示す。また実施例2と同様にして、室温
(25℃)において着磁磁界強度を変化させた場合のシー
ト状ボンド磁石の(BH)maxを図6に、不可逆減磁率を図
7に示す。
【0034】
【表1】
【0035】表1及び図6,7から、比較例1,2のシ
ート状ボンド磁石に比べて実施例1〜3のシート状ボン
ド磁石の着磁性が良好なことがわかる。また図7から、
実施例2のシート状ボンド磁石は比較例1のシート状ボ
ンド磁石と同等の良好な不可逆減磁率を有することがわ
かる。
【0036】(実施例4)実施例2の窒化磁粉97.5重量
部と液状エポキシ樹脂2.5重量部とを配合し、混合し
た。次に混合物を約90℃に加熱した二軸混練機に投入し
て予備混練し、造粒してペレットを得た。次に、得られ
たペレット1を約90℃に加熱した図2(a)の押出装置
に投入した。投入されたペレット1は軟化し、スクリュ
ー2の回転力により押出装置の先端のノズル4に向かっ
て練られつつ搬送され、ノズル4に設けた直径0.2mm
の穴7から押出された。ノズル4は押出圧力を効率良く
伝達するために半球のドーム型に形成されている。ノズ
ル穴7から押出されたものは自重により自然に切れて、
その直径に対する長さ寸法が100〜500倍の細長い押出物
Pになった。また押出物Pの直径はほぼノズル穴7の直
径相当であった。次に、押出物Pを図2(b)に示すマ
ルメライザー(不二パウダル(株)製、商品名:マルメ
ライザー)の回転盤11上に回収し、約300r.p.m.で5分
間回転処理した。この処理により、図3(a)に示すよ
うに、押出物Pは回転盤11の上面に設けた溝21、バッフ
ルブレード12及びケーシング14の内面に接触又は衝突し
ながら回転移動し、最終的に押出物Pの長さ寸法がほぼ
その直径寸法に切断されつつ丸められ、整粒された。図
3(a)は図2(b)のマルメライザーを上から見た図
であり、図3(b)は回転盤11に形成された溝21を示す
図であり、図3(c)はバッフルブレード12の配置角度
を説明する図である。押出物Pは比重が大きいので、回
転処理中は主に周速の大きい回転盤11の周辺部の溝21に
トラップされる。このトラップされた押出物Pはケーシ
ング14にボルトで締結されたバッフルブレード12に衝突
して運動エネルギーが与えられる。この運動エネルギー
と遠心力と溝21のトラップ力との相互作用により、矢印
で示すらせん運動Sが活発に起こり、押出物Pがほぼそ
の直径の長さでかつ丸められた整粒になる。整粒を効率
よく行うために、バッフルブレード12の中心位置Cと回
転盤11の回転中心位置Oとを結ぶ直線Qに対し、バッフ
ルブレード12を角度θ傾けることが好ましい。具体的に
は、θ=30〜70度が好ましく、θ=40〜50度がより好ま
しい。バッフルブレード12は必要に応じて1つ又は2つ
以上設置する。またトラップ力を発生させるために、溝
21の幅Wは0.4〜1.2mmが好ましく、0.8mmが特に好
ましい。溝21の深さDは0.6〜1.0mmが好ましく、0.8
mmが特に好ましい。間隔Iは0.4〜2mmが好まし
く、0.8mmが特に好ましい。整粒したコンパウンドは
若干粘性を有するので、120℃×1時間の加熱処理を施
した後、ステアリアン酸カルシウムを0.05重量部添加し
次いで軽く混合し、成形用のコンパウンドとした。この
加熱処理は80〜150℃×0.5〜5時間が好ましく、90〜12
0℃×0.5〜1.5時間がより好ましい。80℃×0.5時間未満
では粘性の除去が十分ではなく、150℃×5時間超では
重合が過度に進行して等方性ボンド磁石の密度が低下す
る。整粒型コンパウンドの製造工程を図1に示す。前記
の整粒したコンパウンドの200粒を任意にサンプリング
し、それらの外観を走査型電子顕微鏡で写真撮影し、評
価した。その結果、各コンパウンド粒の最大径aと最小
径bとの比(a/b)はいずれも1.00を超えて3以内で
あり、平均粒径:(a+b)/2 は170μmであった。
また整粒したコンパウンドの代表的なものをアセトン中
に浸して樹脂分を除き、磁粉粒子の充填数をカウントし
た結果、コンパウンド1粒中に含まれる磁粉粒子は最大
径が8〜43μmであり、25〜85個含まれていた。次に、
整粒したコンパウンドを実施例1と同様に約90℃に加熱
したコンパウンド搬送装置60に投入し、その吐出口61か
ら軟化状態のコンパウンドを大気中の50℃に加熱したロ
ール64,64の間に供給して圧延し、厚み2.6mm,幅約1
00mmのシート状成形体を得た。次に大気中で150℃×
1時間加熱硬化し、室温まで冷却した。このシート状成
形体の表面あらさ(JIS B 0601により規定される最大高
さ:Rmax)を測定したところRmax=2〜5μmであっ
た。次に厚み2.6mm,幅3.0mm,長さ220.0mmの寸
法に切断し、図11のマグネットロール81の現像磁極
(N)を構成するシート状ボンド磁石89に替えて組み
込み、マグネットロールを構成した。次にマグネットロ
ールの軸方向中央部付近において外周面のN磁極表面
の軸方向100mmの範囲の表面磁束密度(Bo)を測定
し、得られたBo(平均値)を表2に示す。
【0037】(比較例3)比較例1の窒化磁粉を用いた
以外は実施例4と同様にして整粒したコンパウンドを作
製し、厚み2.6mm,幅3.0mm,長さ220.0mmの寸法
のシート状ボンド磁石を作製し、図11のマグネットロ
ール81の現像磁極(N)を構成するシート状ボンド磁
石89に替えて組み込み、マグネットロールを構成した。
このマグネットロールの軸方向中央部付近における外周
面のN磁極表面の軸方向100mmの範囲の表面磁束密
度(Bo)を測定し、得られたBo(平均値)を表2に示
す。
【0038】(実施例5)純度99.9%以上のSm,L
a,Fe,Co及びZrを用いて高周波誘導加熱により
下記の窒化磁石粉末に対応する母合金の主要成分組成に
溶解した溶湯を、単ロール型の溶湯急冷装置の冷却用ロ
ール面(Be−Cu合金製、周速60m/秒)に注湯して
超急冷し、厚さ約15μm、幅約2mmの非晶質相からな
る母合金フレークを得た。次に、アルゴンガス雰囲気中
で720℃×1時間熱処理し、次いで室温まで冷却した。
次に熱処理後の母合金を平均粒径約100μmに粉砕し
た。次に1atmの窒化ガス中で450℃×20時間加熱して窒
化し、次いで室温まで冷却し等方性の窒化磁石粉末を得
た。この磁石粉末は原子%で Sm5.3La0.7
al.Co5.0Zr3.514.7 で示され
る主要成分組成を有し、X線回折(Cu−Kα線を使
用)及び透過型電子顕微鏡観察の結果から、TbCu
型窒化磁石相及びα−Feからなることがわかった。こ
の磁石粉末のTbCu型窒化磁石相の平均結晶粒径は
55nmであり、平均面積率は86.9%であった。またαF
eの平均結晶粒径は23nmであり、平均面積率は13.1%
であった。この窒化磁粉を用いた以外は実施例4と同様
にして整粒したコンパウンドを作製し、厚み2.6mm,
幅3.0mm,長さ220mmの寸法のシート状ボンド磁石を
作製し、図11のマグネットロール81の現像磁極
(N)を構成するシート状ボンド磁石89に替えて組み
込み、マグネットロールを構成した。このマグネットロ
ールの軸方向中央部付近における外周面のN磁極表面
の軸方向100mmの範囲の表面磁束密度(Bo)を測定
し、得られたBo(平均値)を表2に示す。
【0039】(実施例6)実施例5の窒化磁粉97.5重量
部と液状エポキシ樹脂2.5重量部とを配合し、混合し
た。次に混合物を約90℃に加熱した二軸混練機に投入し
て予備混練し、造粒したペレットを得た。このペレット
を用いた以外は実施例5と同様にして厚み2.6mm,幅
3.0mm,長さ220.0mmの寸法のシート状ボンド磁石を
作製し、図11のマグネットロール81の現像磁極
(N)を構成するシート状ボンド磁石89に替えて組み
込み、マグネットロールを構成した。このマグネットロ
ールの軸方向中央部付近における外周面のN磁極表面
の軸方向100mmの範囲の表面磁束密度(Bo)を測定
し、得られたBo(平均値)を表2に示す。
【0040】(実施例7)実施例2の窒化磁粉50重量部
と、平均結晶粒径が0.09μmであり主要成分組成がNd
12.8Febal.6.5Nb1.5 で示される、N
Fe14B型金属間化合物を主相とする等方性の磁
石粉末50重量部とを配合し、混合磁粉を作製した。この
混合磁粉を用いた以外は実施例4と同様にして整粒した
コンパウンドを作製し、厚み2.6mm,幅3.0mm,長さ
220.0mmの寸法のシート状ボンド磁石を作製し、図1
1のマグネットロール81の現像磁極(N)を構成する
シート状ボンド磁石89に替えて組み込み、マグネットロ
ールを構成した。このマグネットロールの軸方向中央部
付近における外周面のN磁極表面の軸方向100mmの
範囲の表面磁束密度(Bo)を測定し、得られたBo(平均
値)を表2に示す。
【0041】(実施例8)実施例7の混合磁粉97.5重量
部と液状エポキシ樹脂2.5重量部とを配合し、混合し
た。次に混合物を約90℃に加熱した二軸混練機に投入し
て予備混練し、造粒したペレットを得た。このペレット
を用いた以外は実施例7と同様にして厚み2.6mm,幅
3.0mm,長さ220.0mmの寸法のシート状ボンド磁石を
作製し、図11のマグネットロール81の現像磁極
(N)を構成するシート状ボンド磁石89に替えて組み
込み、マグネットロールを構成した。このマグネットロ
ールの軸方向中央部付近における外周面のN磁極表面
の軸方向100mmの範囲の表面磁束密度(Bo)を測定
し、得られたBo(平均値)を表2に示す。
【0042】(実施例9)実施例5の窒化磁粉50重量部
と、平均結晶粒径が0.09μmであり主要成分組成がNd
12.8Febal.6.5Nb1.5 で示される、N
Fe14B型金属間化合物を主相とする等方性の磁
石粉末50重量部とを配合し、混合磁粉を作製した。この
混合磁粉を用いた以外は実施例4と同様にして整粒した
コンパウンドを作製し、厚み2.6mm,幅3.0mm,長さ
220.0mmの寸法のシート状ボンド磁石を作製し、図1
1のマグネットロール81の現像磁極(N)を構成する
シート状ボンド磁石89に替えて組み込み、マグネットロ
ールを構成した。このマグネットロールの軸方向中央部
付近における外周面のN磁極表面の軸方向100mmの
範囲の表面磁束密度(Bo)を測定し、得られたBo(平均
値)を表2に示す。
【0043】(実施例10)実施例9の混合磁粉97.5重
量部と液状エポキシ樹脂2.5重量部とを配合し、混合し
た。次に混合物を約90℃に加熱した二軸混練機に投入し
て予備混練し、造粒したペレットを得た。このペレット
を用いた以外は実施例9と同様にして厚み2.6mm,幅
3.0mm,長さ220.0mmの寸法のシート状ボンド磁石を
作製し、図11のマグネットロール81の現像磁極
(N)を構成するシート状ボンド磁石89に替えて組み
込み、マグネットロールを構成した。このマグネットロ
ールの軸方向中央部付近における外周面のN磁極表面
の軸方向100mmの範囲の表面磁束密度(Bo)を測定
し、得られたBo(平均値)を表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】表2の実施例5と6,7と8,9と10の
比較から、図2の押出装置のノズル穴から押出し、切断
し、整粒したコンパウンドを用いて得られたシート状ボ
ンド磁石を切断したものを現像磁極(N)に配置し、
構成したマグネットロールのBo(平均値)が高くなるこ
とがわかる。また比較例3に比べて、Laを所定量含有
する窒化磁粉を配合したシート状ボンド磁石をマグネッ
トロールの現像磁極に配置した実施例4〜10のいずれ
でもBoが高いことがわかる。またNd−Fe−B系磁粉
を50%配合した場合の実施例7〜10で特に高いBoが得
られた。また実施例4,5,7,9の各シート状ボンド
磁石のRmaxはいずれも10μm未満であり、実施例6,
8,10の各シート状ボンド磁石のRmaxはいずれも15
μm超であった。
【0046】(実施例11)本発明のマグネットロール
の他の構成を示す図12(a)のマグネットロール119
を以下のようにして作製できる。まず、シャフト118に
固着された円筒状の等方性フェライト焼結磁石117の現
像磁極部に軸方向に延在する凹溝113を形成後、断面略
コの字状の本発明のシート状等方性ボンド磁石116を凹
溝113に固着する。シート状ボンド磁石116の軸方向には
凹部114が形成されているので、現像磁極(N)直上
の空隙磁束密度分布波形が2山ピークを示す。本発明の
マグネットロールのさらに他の構成を示す図12(b)の
マグネットロール124は以下のようにして作製できる。
まずボンド磁石用のフェライト磁粉と熱可塑性樹脂とを
主体とする軟化状態のコンパウンドをラジアル配向磁場
が印加された押出成形金型のキャビティに充填し、押出
成形し、次いで固化する。次に脱磁し、所定の長さに切
断し、隙間122を有するC型の成形体120を得る。次に成
形体120にシャフト123を固着する。次に隙間122に本発
明のシート状等方性ボンド磁石121を固着する。なお、
C型の成形体120は等方性又は極異方性を有するフェラ
イトボンド磁石製又はフェライト焼結磁石製でもよい。
本発明のマグネットロールのさらに他の構成を示す図1
2(c)のマグネットロール129は以下のようにして作製
できる。シャフト128に本発明のシート状ボンド磁石126
を少なくとも1巻巻回し固着する。127はシート状ボン
ド磁石126の継ぎ目である。
【0047】(実施例12)本発明のマグネットロール
のさらに他の構成を示す図13の複合型マグネットロー
ル130は、本発明のシート状等方性ボンド磁石からなる
リング状の外層131と、対称6極の多極異方性が付与さ
れたリング状のフェライトボンド磁石製の内層132と、
内層132の内周側に固着されたシャフト133とで構成され
る。131aはシート状ボンド磁石の継ぎ目である。外層1
31の外径をD131(mm),厚さをt 31(mm),磁
極数をn,磁極間隔をP(mm),磁束線の侵入深さを
h(mm)としたとき、P=πD131/n で表さ
れ、hは(P/2)程度となる。磁極数(n)が少ない
場合は磁極間隔(P)が広いので侵入深さ(h)は大
きい。すなわち、高い磁力を目的とする現像磁極とそれ
に隣接する磁極との間隔(P )が外層131の厚さ(t
131)に対して P/t131≧1.6 の条件を満た
す場合、内層132の磁力を有効に利用できる。マグネッ
トロール130は対称磁極の場合であるが、非対称磁極と
した場合も同様である。マグネットロールの磁石全体を
多極異方性が付与された一体形状のフェライトボンド磁
石で形成すると着磁波形が異方性付与方向に拘束される
ので、Boの軸方向におけるばらつき(dBo)が大きくな
るという問題を招く。本発明のマグネットロール130で
はシート状のR−T−N系等方性ボンド磁石131が外層
を形成しているので着磁波形を自在に調整でき、 Boの
平均値が高くかつdBoを小さく抑えられるという効果を
得られる。この効果を得るために、外層131の厚さ(t
131)と内層132の厚さ(t132)との比:(t
131/t132)を1:9〜3:7 の範囲にするこ
とが好ましい。この複合型マグネットロールは外径が10
〜20mmの小口径品のみならず、外径が50〜60mmの大
口径品にも有効に適用できる。 (実施例13)本発明のマグネットロールのさらに他の
構成を示す図14の複合型マグネットロール140は、本
発明のシート状等方性ボンド磁石をシャフト144まわり
に巻回し、接着してなる内層141の外周面側に、フェラ
イト磁粉と熱可塑性樹脂とからなり対称12極の多極異方
性が付与されたリング状フェライトボンド磁石の外層14
2を接着して構成される。図14において、外層142の外
径をD142(mm),厚さをt142(mm),磁極数を
n’,磁極間隔をP(mm),磁束線の侵入深さをh’
(mm)としたとき、P=πD142/n’で表され、
h’は(P/2)程度となる。マグネットロール140は
磁極数が多いので磁極間隔(P)が小さくなり、磁束
の侵入深さ(h’)は小さい。マグネットロール140の
磁石全体を多極異方性を付与したフェライトボンド磁石
で形成する場合は多極になるほど表面層の薄い部分に多
極異方性が付与される傾向が顕著になりBoが低下すると
いう問題を招く。そこで、磁極間隔(P)と外層142
の厚さ(t142)とが P/t142<1.6 の条件
を満たすようにすると外層142全体に多極異方性が付与
されてマグネットロール140のBoを向上できる。そのた
めに内層141の厚さ(t141)と外層142の厚さ(t
142)との比:(t141/ t142)を 4:1〜
3:2 の範囲にすることが好ましい。この複合型マグ
ネットロールは外径が10〜20mmの小口径品のみなら
ず、外径が50〜60mmの大口径品にも有効に適用でき
る。
【0048】(実施例14)本発明のマグネットロール
のさらに他の構成を示す図15(a)のマグネットロー
ル170は、強磁性のシャフトの大径部171a上に本発明の
シート状等方性ボンド磁石172を貼着し構成される。シ
ート状ボンド磁石172の継ぎ目174は軸方向X2に対し角度
θ(0<θ<90度)をなして形成され、磁極境界175と
継ぎ目174とが平行になっている。特に限定されない
が、マグネットロールを回転させる方式の現像ロール装
置に好適である。本発明のマグネットロールのさらに他
の構成を示す図15(b)のマグネットロール180は、
強磁性のシャフトの大径部181a上に本発明のシート状等
方性ボンド磁石182を貼着し構成される。シート状ボン
ド磁石182の継ぎ目に相当する位置に隙間185が形成さ
れ、隙間185は軸方向X3に対し角度θ(0<θ<90度)
をなしている。また隙間185と磁極境界188とが平行に形
成されている。特に限定されないが、マグネットロール
を回転させる方式の現像ロール装置に好適である。
【0049】特に限定されないが、本発明のマグネット
ロールの磁極数は好ましくは3〜32極、より好ましくは
4〜16極であり、外径面の周方向に等間隔または不均一
な間隔で形成することができる。また特に限定されない
が、本発明のマグネットロールとして、長さ(L)と外
径(D)との比:(L/D)が5以上のものが実用性が
高い。具体的には外径(D)は2〜60mmが好ましく、
5〜30mmがより好ましく、10〜20mmが特に好まし
い。長さ(L)は50〜350mmが好ましく、100〜350m
mがより好ましく、200〜350mmが特に好ましい。
【0050】次に、本発明のシート状等方性ボンド磁石
を用いた回転機の実施例を説明する。 (実施例15) [回転機の作製及び評価]厚みを変えた以外は実施例2
と同様にして厚み2.0mmのシート状等方性ボンド磁石
を作製し、界磁磁石に用いた。図16(a)は本発明の
ファンモータの一例を示す要部正面図であり、図16
(b)は裏側から見た図である。本発明のファンモータ
210にはエアギャップ209を介し回転子207と固定子(電
機子)208とが対向して配置されている。201は厚み2.0
mmの前記シート状等方性ボンド磁石を1巻きし、リン
グ状の強磁性ヨーク202(SS400製)の内周面側に固着し
てなる外径30.0mm,高さ30.0mmのリング状界磁磁石
であり、対称4極着磁が施されている。201aはシート状
ボンド磁石の継ぎ目である。ファンモータ210は軸受206
を介し回転軸203(回転子207)が所定の速度で回転する
ようになっている。回転軸203とヨーク202とは同軸に配
置され、ガラス入りポリブチレンテレフタレート樹脂製
の射出成形部材204により一体に抱持固定されている。
保持部材204はファン204a,リム204b,スポーク204c,
及び背面部204dからなり、回転子207に実用に耐える強
度を付与している。着磁は回転子207の状態で行う。固
定子208の外周面側に図示省略の固定子磁極(対称4
極)が形成されている。ファンモータ駆動制御回路(図
示省略)からの矩形波通電(電気角で180度通電)信号
を受けてファン204aが効率よく回転する。ファンモータ
210に組み込む前の回転子207の軸方向中央部付近におい
て、界磁磁石201の内径面周方向の表面磁束密度(Bo)
分布を測定した結果を図17に示す。4磁極のBoの最大
値の平均は0.16T(1600G)であった。次に回転子207
を組み込んだファンモータ210を送風ファンに搭載し、
1ヶ月間連続運転した。連続運転後の界磁磁石201には
割れ(クラック)は認められず正常な外観を呈してい
た。またこの連続運転によるファンモータ210の性能劣
化はなかった。
【0051】(比較例4)MQI(マク゛ネクエンチインターナショナル)社
製のNd−Fe−B系等方性磁石粉末(MQP-B材)を磁
粉に用いた以外は、実施例15と同様にして厚み2.0m
mのNd−Fe−B系シート状等方性ボンド磁石を作製
した。しかし、このシート状ボンド磁石を1巻きし、フ
ァンモータ用のヨークの内周面に固着した時点でシート
状ボンド磁石にクラックが入り、実用に供することがで
きなかった。 (比較例5)日立金属(株)製のラジアル異方性のリン
グ状フェライトボンド磁石(商品名:KPM-2A,外径30.0
mm,内径26.0mm,高さ30.0mm)を界磁磁石として
用い、対称4極着磁した以外は実施例15と同様にして
ファンモータを作製した。このファンモータ用回転子に
配置されたリング状フェライトボンド磁石の内径面周方
向の表面磁束密度分布を測定した結果を図17に示す。
4磁極のBoの最大値の平均値は実施例15に比べて低か
った。 (比較例6)厚みを変えた以外は比較例1と同様にして
厚み2.0mmのシート状等方性ボンド磁石を作製した。
このシート状ボンド磁石により実施例15と同様にして
ファンモータ用界磁磁石を構成し、回転子に組み込ん
だ。このファンモータ用回転子に配置された界磁磁石の
内径面周方向の表面磁束密度分布を測定した結果を図1
7に示す。4磁極のBoの最大値の平均値は実施例15よ
り低く、比較例5より高かった。
【0052】(実施例16)図16のファンモータ210
の回転子207を構成する場合に、シート状ボンド磁石の
厚み寸法と、このシート状ボンド磁石を巻回して形成し
た界磁磁石201を固着するヨーク202の内径寸法とを、相
対的に変化したとき、ヨーク202に固着されたシート状
ボンド磁石が割れるか否かを調査した結果について説明
する。実施例2の窒化磁粉を用い、厚み寸法を変化させ
た以外は実施例2と同様にして厚さが0.05〜5.0mm,
幅約100mmのシート状成形体を作製し、次いで、所定
の幅×長さ寸法に切断した。次に熱処理及び加硫処理を
施した。得られたシート状成形体の密度は5.4〜5.5Mg/m
(5.4〜5.5g/cm)であった。次に、各厚みの切断品
をそれぞれ用い、リング状に1巻きし、内径寸法が1.0
〜100.0mmに形成されたリング状の強磁性ヨークの内
周面にそれぞれ接着した試料を作製した。これら試料は
表3の(シート厚み寸法)×(ヨーク内径寸法)毎に20
個ずつ準備した。次に各試料を室温の大気中で1ヶ月間
放置し、割れ(クラック)の発生状況を調査した結果を
表3に示す。表3のヨーク内径がほぼリング状界磁磁石
の外径に相当する。表3より、シート状等方性ボンド磁
石が厚いほど、またヨーク内径寸法が小さいほど、割れ
(クラック)を発生しやすいことがわかった。
【0053】
【表3】
【0054】(比較例7)実施例5の窒化磁粉を用いた
以外は実施例16と同様にして厚さが0.05〜5.0mm,
幅約100mmのシート状成形体を作製した。次に所定の
幅×長さ寸法に切断し、次いで熱処理及び加硫処理を施
した。次に各厚みの切断品をそれぞれリング状に1巻
し、ヨークの内周面に接着した試料を作製し、それら試
料のシート状ボンド磁石の割れ(クラック)の発生状況
を調査した結果を表4に示す。表4より、検討した(シ
ート厚み寸法)×(ヨーク内径)寸法の組み合わせのい
ずれでも割れ(クラック)が観察された。
【0055】
【表4】
【0056】表3,4の比較から、比較例7のシート状
ボンド磁石に比べて、実施例16のシート状ボンド磁石
は所定の曲率半径を有するヨーク表面に固着したときの
耐割れ性(耐久強度)に富み、信頼性の高いファンモー
タを構成できることがわかる。これは、実施例16のシ
ート状ボンド磁石を構成する磁粉が丸みを帯びた不定形
塊状であるのに対し、比較例7のシート状ボンド磁石を
構成する磁粉を走査型電子顕微鏡により撮影した写真図
8(b)から明かなように厚みが約20μm未満の非常に
薄い偏平板であるためと判断される。上記試料の割れ発
生品の破面を走査型電子顕微鏡により観察した結果、実
施例16の試料の破面では磁粉粒子が破壊しているもの
は観察されなかったが、比較例7の試料の破面では扁平
な磁粉粒子がほぼ厚み方向に折れて破壊しているものが
多く観察された。このことから、実施例16のシート状
ボンド磁石では、模式図の図9(a)に示すように、バ
インダーに結着された状態の塊状粒子に応力σが作用し
てもほぼ等方位の強度を有し、良好な耐割れ性を示すと
判断される。これに対し、比較例7のシート状ボンド磁
石では、図9(b)に示すように、バインダーで結着さ
れた状態の扁平粒子に応力σが作用すると最も薄い(最
も強度の弱い)方向に折れて破壊し、耐割れ性を低下さ
せていると判断される。
【0057】(実施例17)実施例2の窒化磁粉93.5重
量部と液状エポキシ樹脂6.5重量部とを配合し、以降は
実施例4と同様にして整粒したコンパウンドを作製し
た。このコンパウンドにより、以降は厚みを変えた以外
は実施例4と同様にして厚み2.0mmのシート状等方性
ボンド磁石(Rmax=5〜8μm)を作製した。次にこ
のシート状ボンド磁石を実施例15と同様にして所定の
幅×長さ寸法に切断し、1巻きして回転子のヨーク内面
に固着し、外径30.0mm,内径26.0mm,高さ30.0mm
の界磁磁石を形成した。次にこの回転子の界磁磁石に対
称4極着磁を施し、その界磁磁石の軸方向中央部におい
て内径面周方向の表面磁束密度(Bo)分布を測定した。
その結果、4磁極のBoの最大値の平均は0.167T(1670
G)であり、実施例15より高かった。
【0058】(実施例18)図18の各斜視図は、本発
明のシート状等方性ボンド磁石を巻回し、界磁磁石を構
成する場合に、その巻回したシート状ボンド磁石の継ぎ
目及び継ぎ目に沿う磁極の構成例を示している。図18
(a)は、リング状界磁磁石330の継ぎ目331(磁極境
界)が界磁磁石330の軸方向に平行な場合である。図1
8(b)は、リング状界磁磁石340の継ぎ目(磁極境
界)341が界磁磁石340の軸方向X4に対し角度θ(0<θ
<90度)をなして形成され、かつ継ぎ目341に平行に4
磁極を形成した例である。この構成はコギングトルクの
低減に効果がある。図18(c)は、リング状界磁磁石
350の継ぎ目(磁極境界)351が、軸方向X5に対し角度θ
(0<θ<90度)をなす部分351aと、軸方向X5に垂直な
部分351bとを有するようにし、かつこの継ぎ目351に沿
って4磁極を形成した例である。この構成ではコギング
トルクを抑制し、回転機の出力を向上できるという効果
が得られる。図18(d)は、リング状界磁磁石360の
継ぎ目に相当する部分にすきま361を形成した例であ
る。この状態でヨークに固着されたシート状ボンド磁石
362は熱応力に対して割れにくくなるという効果を得ら
れる。
【0059】図19は本発明に用いる回転子の他の構成
を示す要部断面図である。図19(a)は、強磁性のヨ
ーク372の内周側に等間隔のすきま373を介し本発明のシ
ート状ボンド磁石371を接着してなるアウターロータ型
の回転子370である。図19(b)は、強磁性の回転子
コア382の外周側に、本発明のシート状ボンド磁石を1
巻きして形成した界磁磁石381を接着してなるインナー
ロータ型の回転子380である。図19(c)は、強磁性
の回転子コア392の外周側に等間隔のすきま393を介して
本発明のシート状ボンド磁石391を接着してなるインナ
ーロータ型の回転子390である。
【0060】[ペジャ用モータの作製及び評価] (実施例19)図20(a)は本発明のモータの一実施
例であるペジャ用の振動モータ420を示す要部断面図で
あり、図20(b)は図20(a)のB−B線矢視断面
図である。界磁磁石424は実施例16で作製した厚み0.5
mmのシート状等方性ボンド磁石を所定幅×長さ寸法に
切断し、強磁性(S45C製)の回転子ヨーク426表面に1
巻し固着して構成され、424aはシート状ボンド磁石の
継ぎ目である。界磁磁石424の外周面の周方向に対称4
極着磁が施してある。エアギャップ427の平均厚みは0.1
mmに調整されている。固定子435は固定子鉄芯422及び
巻線430を具備する。固定子鉄芯の歯422aの数は6,各
歯422aの巻線数は36ターン,巻線430の線径は0.10mm
とした。固定子鉄芯422は0.5mm厚みの強磁性(珪素鋼
板:JIS50A350製)の薄板をL方向(L=10mm)に積
層し構成されている。回転軸428の先端部分に略半円筒
状の偏芯おもり433が付設され、回転軸428と一体化し回
転する。モータ420を駆動すると偏芯おもり433が偏芯し
ながら回転しモータ420に顕著な振動が発生する。モー
タ420は三相交流通電方式の回転制御により効率よく回
転する。固定子435側の巻線430から印加される逆磁界に
より界磁磁石424が減磁する対策として界磁磁石424の平
均のパーミアンス係数(Pc)を0.5〜3(厚みを0.1〜0.9
mm)にすることが好ましい。前記構成を具備するペジ
ャ用振動モータ420は、回転子425の外径が2.0mm,固
定子435の外径が6.0mmという小径になり、非常に小型
になった。次に、モータ420の巻線430のU−W相に0.08
Aの電流を通電したときの静止時のトルクを図21に示
す。図21の横軸は機械角、縦軸はトルクであり、トル
クの最大値の絶対値がほぼ0.1Nmmになり、有用なモ
ータ性能を有することがわかる。次に、モータ420を所
定の移動体通信機器(携帯電話)に組み込み、1ヶ月間
使用後、分解して界磁磁石424の状況を調べたところ、
界磁磁石424には割れ(クラック)は認められず、実用
に耐えるモータ性能を維持していた。なおこの実施例で
はペジャ用モータを携帯電話に搭載した場合を記載した
が、これに限定されず、携帯型ベルに搭載した場合にも
有用な効果が得られる。
【0061】(実施例20) [スピンドルモータの作製及び評価]図22(a)は本
発明の代表的なスピンドルモータ450の要部断面図であ
り、図22(b)は図22(a)のC−C線矢視断面図
である。モータ450はエアギャップ447と、エアギャップ
447を介して対向する固定子445,及び回転子455を具備
する。固定子445は中心軸448と、中心軸448まわりに配
置された強磁性の固定子鉄芯443及び巻線449を有する。
回転子455は、強磁性の回転子ヨーク452と、実施例16
で作製したシート状ボンド磁石(厚み1.0mm)を所定
の幅×長さ寸法に切断し、回転子ヨーク452の内周面に
1巻して固着した界磁磁石453とを有する。453aはシー
ト状ボンド磁石の継ぎ目である。モータ450は回転子455
が外周側に配置された、いわゆる外転型のブラシレスモ
ータである。界磁磁石453は内径寸法が20mmという小
径に形成された。次に、モータ450を所定のハードディ
スクドライブ装置に組み込み1ヶ月間使用し、次いで分
解して界磁磁石453の状況を調べたが割れ(クラック)
は発生しておらず、実用に耐えるモータ性能を維持して
いた。なお、図22と同様の磁気回路を有するスピンド
ルモータであって、さらにブラシを付設し、巻線449の
通電部分を切り替えて、外周側を固定子にし、内周(巻
線)側を回転するようにしたブラシモータも有用であ
る。
【0062】(実施例21)本発明の等方性シート状ボ
ンド磁石を用いて図23の軸方向エアギャップを有する
モータ520を作製し、評価した結果を説明する。図23
(a)はモータ520を上側から見た図であり、図23
(b)は図23(a)のD−D線矢視面図である。界磁
磁石501は実施例16で作製した厚み0.5mmのシート状
等方性ボンド磁石をドーナツ状に打ち抜き、強磁性(S4
5C等)のバックヨーク502に固着し構成されている。次
いでそれらを回転軸(シャフト)503まわりに配置し回
転子505を構成した。図23(c)に示すように、エア
ギャップ515に対向する界磁磁石501の部分には回転方向
に沿って等間隔で面内12極着磁を施してある。また固定
子鉄芯の歯517aは18個形成されている。モータ520は三
相交流通電方式による回転制御により効率よく回転す
る。界磁磁石501が固定子510側の巻線516から印加され
る逆磁界により実用に耐えない状態まで減磁しないよう
に、界磁磁石501の平均のパーミアンス係数(Pc)は0.5〜
3にすることが好ましい。回転子505を構成するバック
ヨーク502の軸方向の厚みを0.55mmに薄く形成したが
強磁性(S45C)のためバックヨーク502内の鉄損は非常
に小さい。固定子510の鉄芯(ヨーク)517は珪素鋼板
(JIS50A350)製でかつ厚み0.55mmに薄く形成されて
いる。固定子鉄芯の歯517aの巻線数を72ターン,巻線5
16の線径を0.15mmとした。また軸方向エアギャップ51
5の平均間隔を0.2mmに薄く設定した。この結果、バッ
クヨーク502と界磁磁石501とエアギャップ515及び固定
子鉄芯517の合計の厚み寸法:t520が1.8mmにな
り、非常に薄型のモータを構成できた。次にモータ520
の巻線516のU−W相に0.1Aの電流を通電したときの静
止時のトルクを測定した結果を図24に示す。図24の
横軸は機械角、縦軸はトルクであり、トルクの絶対値の
最大値は12Nmmになり有用なモータ性能を有することが
わかる。次に、モータ520を100時間連続駆動後、界磁磁
石501の割れ(クラック)の発生状況を調べた。その結
果、界磁磁石501に割れ(クラック)は認められず、磁
力劣化も認められなかった。 (実施例22)実施例5,7,9の整粒したコンパウン
ドをそれぞれ用い、実施例21と同様のドーナツ状のシ
ート状等方性ボンド磁石(厚み0.5mm)を作製した。
次にそれらドーナツ状のシート状ボンド磁石(Rmaxは
いずれも10μm未満)をそれぞれ用いた以外は実施例2
1と同様にして軸方向エアギャップを有するモータを作
製し、評価した。その結果、実施例7及び9の整粒した
コンパウンドを用いて形成した界磁磁石を配置したモー
タで最も高い性能が得られ、モータに組み込んだ界磁磁
石に割れは発生しなかった。また実施例5の整粒したコ
ンパウンドにより形成した界磁磁石を配置したモータで
は実施例21のモータに比べてやや高いモータ性能が得
られ、界磁磁石に割れは発生しなかった。 (比較例8)比較例1のコンパウンドを用いた以外は実
施例21と同様にしてドーナツ状のシート状等方性ボン
ド磁石(厚み0.5mm)を作製し、軸方向エアギャップ
を有するモータを作製し、評価した。その結果、実施例
21,22に比べてモータ性能は低かった。
【0063】(実施例23)実施例2の窒化磁粉:93.5
重量部、シラン系カップリング剤:0.25重量部、全芳香
族のサーモトロピック液晶性ポリエステル樹脂(セラニ
ーズ社製、商品名:ヘ゛クトラA130、縦弾性率1.8×1010Pa
(18×10kg/cm) ):6.24重量部、及びステアリ
ン酸カルシウム:0.01重量部を配合し、アルゴンガス雰
囲気の加熱・加圧型ニーダーにより混練し、造粒したペ
レットを得た。このペレットを図5の加熱したコンパウ
ンド搬送装置60に投入し、吐出口61から軟化状態のペレ
ットを加熱したロール64,64の間に供給して圧延し、厚
さ0.8mmのシート状成形体を得た。得られたシート状
成形体を所定長さに切断後、大気中で80℃×2時間の熱
処理を行い、その後室温まで冷却した。このシート状ボ
ンド磁石を室温(25℃),1989.5kA/m(25kOe)で着磁
し、得られた(BH)max=30.2kJ/m(3.8MGOe)であり
、密度は5.3Mg/m(g/cm)であった。次に前記シー
ト状ボンド磁石を用いて図25の軸方向エアギャップを
有するモータ540を作製し、評価した結果について説明
する。図25(a)はモータ540を上側から見た図であ
り、図25(b)は図25(a)のE−E線矢視断面図
である。モータ540は、巻線536と断面コの字状の固定子
鉄芯537とを備えた固定子545と、前記シート状ボンド磁
石をドーナツ状に打ち抜いて形成した界磁磁石539を回
転軸533まわりに固着し、構成した回転子538とを有す
る。エアギャップ535と対向する界磁磁石539の部分には
回転方向に沿って等間隔で面内12極着磁が施されてい
る。モータ540では、固定子鉄芯537,軸方向エアギャッ
プ535,界磁磁石539,軸方向エアギャップ535及び固定
子鉄芯537の厚み寸法の合計t540を2.1mmという薄さ
にすることができた。モータ540ではバックヨークが存
在しない分回転子538が軽量化されて高速応答型の用途
に好適である。また、界磁磁石539と固定子545とが相対
的に対称構造になっているので両者間に作用する吸引力
が軸方向でバランスされ、軸受(図示省略)の軸方向荷
重を軽減できるという効果を得られる。なおモータ540
ではバックヨークが存在しない分、界磁磁石539の剛性
を高め、モータ540の駆動中の界磁磁石539の変形、クラ
ック(割れ)の発生を抑える必要がある。このため、界
磁磁石539を構成するシート状ボンド磁石のバインダー
に前記高剛性の樹脂を用いた。バインダーとして縦弾性
率(引張弾性率)が1.6×1010Pa(16×10kg/cm
以上の高剛性の樹脂が好ましい。例えば、全芳香族のサ
ーモトロピック液晶性ポリエステルが好ましく、セラニ
ーズ社製のヘ゛クトラC130(縦弾性率1.6×1010Pa(16×10
kg/cm)),ヘ゛クトラA230(縦弾性率2.8×1010Pa(3
0×10kg/cm)),ヘ゛クトラB230(縦弾性率3.7×1010
Pa(38×10kg/cm)),ヘ゛クトラA410(縦弾性率2.1×1
010Pa(21×10kg/cm)),ヘ゛クトラA422(縦弾性率
1.8×1010Pa(18×10kg/cm)),ヘ゛クトラC400(縦
弾性率1.7×1010Pa(17×10kg/cm)),ヘ゛クトラA54
0(縦弾性率1.6×1010Pa(16×10kg/cm)),XYD
AR RC-210(縦弾性率1.6×1010Pa(16.2×10 kg/
cm)),またはXYDAR G-43C(縦弾性率1.6×1010
Pa(16.1×10kg/cm))が挙げられる。ちなみに、
縦弾性率は、鋼が2.2×1011Pa(220×10kg/c
m)),ポリフェニレンサルファイド樹脂が9.8×10
Pa(10×10kg/cm ))程度である。モータ540を所定
時間駆動したが問題は発生しなかった。また前記駆動後
の界磁磁石539にはクラック(割れ)は発生せず、磁気
特性の劣化は認められなかった。
【0064】(実施例24)図26(a)は本発明のさ
らに別の実施例のモータ560を示し、図26(b)は図
26(a)のF−F線矢視断面図である。モータ560で
は実施例16で作製した厚み0.5mmのシート状ボンド
磁石をドーナツ状に打ち抜き、形成した界磁磁石551を
用いた。界磁磁石551を強磁性のバックヨーク552に固着
し、回転軸553まわりに配置して回転子550を構成した。
エアギャップ555に対向する界磁磁石551の部分に回転方
向に沿って等間隔で面内12極着磁が施されている。回転
子550とエアギャプ555を介して交互に配置された固定子
鉄芯557,558とが対向して配置されている。モータ560
では巻線556が固定子鉄芯557,558の軸方向に巻回され
ているので巻線558が上下方向に厚くならない。このた
め薄型のモータにできるという効果を得られる。モータ
560ではバックヨーク552と界磁磁石551とエアギャップ5
55及び固定子鉄芯557(558)の合計の厚み寸法t560
が2.0mmという薄さであり、また図23のモータ520と
ほぼ同等のモータ性能が得られた。
【0065】(実施例25)図27(a)は本発明のさ
らに別の実施例のモータ580を示し、図27(b)は図
27(a)のG−G線矢視断面図である。モータ580で
は、実施例16で作製した厚み0.5mmのシート状ボン
ド磁石をドーナツ状に打ち抜いて形成した界磁磁石578
を強磁性体製のバックヨーク577に固着し、回転軸573ま
わりに配置して回転子570が構成されている。エアギャ
ップ574に対向する界磁磁石578の部分に回転方向に沿っ
て等間隔で面内12極着磁が施されている。また、界磁磁
石578とエアギャップ574を介して固定子鉄芯の歯572a
が対向配置されている。固定子鉄芯572は、歯部572a
と、折り曲げ部572bと、巻線576を巻回した部分を含む
外側部572cとからなる。また、歯部572aの底面572aa
と巻線576の底面576aとが同一水平面を形成している。
以上の構成により、モータ580のバックヨーク577,界磁
磁石578,エアギャップ574,及び固定子鉄芯572aの厚
み寸法の合計t580は1.8mmという薄さになり、ま
た図23のモータ520とほぼ同等のモータ性能が得られ
た。
【0066】(実施例26)図28(a)は本発明のさ
らに別の実施例のモータ600を示しており、図8(b)
は図8(a)のH−H線矢視断面図である。モータ600
は、強磁性のバックヨーク597の表面に、実施例16で
作製した厚み0.5mmのシート状ボンド磁石をドーナツ
状に打ち抜き、形成した界磁磁石598を固着し、回転軸5
93まわりに配置し、構成した回転子590と、強磁性の固
定子鉄芯の歯592とが、エアギャップ591を介して対向配
置されている。エアギャップ591に対向する界磁磁石598
の部分に回転方向に沿って等間隔で面内12極着磁が施さ
れている。また、内側の固定子鉄芯592とは別体の外側
の固定子鉄芯594を設け、固定子鉄芯592,594を接合し
て固定子595を構成した。固定子鉄芯の底面592aと巻線
596の底面596aとが同一水平面を形成している。モータ
600では図27のモータ580とほぼ同等のモータ性能が得
られ、薄型モータとして好適である。また固定子鉄芯を
折り曲げていないので固定子鉄芯の変形量が少なく、エ
アギャップ591を薄く形成することができる。
【0067】上記軸方向エアギャップを有する回転機で
は、回転子のヨーク、界磁磁石、軸方向エアギャップ間
隔、及び固定子鉄心の軸方向における厚み寸法の合計を
2.5mm以下にでき、かつ有用な回転機性能を得ること
ができる。また本発明のシート状ボンド磁石を界磁磁石
に用いた軸方向エアギャップを有する発電機も本発明に
包含される。また本発明に用いるシート状ボンド磁石の
密度を、好ましくは4.0〜5.6M g/m (g/cm)、より
好ましくは4.2〜5.6M g/m(g/cm)、特に好ましく
は4.5〜5.6M g/m(g/cm)に調整することにより良
好な耐割れ性(耐久強度)を得ることができる。
【0068】(実施例27〜33、比較例9)表5の各
コンパウンドによりそれぞれ成形圧力5.7×10Pa(5.8
トン/cm)で、外径30mm,内径25mm,高さ30mmの
リング状等方性ボンド磁石を圧縮成形した。次に各成形
体を加熱硬化し、次いで内径及び外径の真円度を測定し
た。また加熱硬化後の成形体を任意にサンプリングし、
高さ方向に略等長に10分割し、各切断片の密度を測定
し、1成形品内の密度ばらつき(10個の切断片における
最大密度と最小密度の差)を求めた。また加熱硬化後の
成形体に対し、室温で着磁磁界強度1.2MA/m(15kOe)で
対称4極着磁を施し、次いで高さ方向のほぼ中心におけ
る外径面周方向の表面磁束密度分布を測定し、各磁極の
表面磁束密度の最大値の平均(Bo,max)を求めた。これ
らの測定結果を表5に示す。なお、(Bo,max)は相対値
表示である。表5より、整粒したコンパウンドを用いた
場合に1成形品内の密度差が小さくなり、内径及び外径
の真円度が向上することがわかる。また所定量のLaを
含有する窒化磁粉を配合したリング状ボンド磁石の(B
o,max)が高くなり、特にNdFeB系磁粉を配合した
場合に最も高い(Bo,max)が得られた。
【0069】
【表5】
【0070】特に限定されないが、回転機の界磁磁石の
磁極は好ましくは2〜100極、より好ましくは4〜16極
であり、界磁磁石の内径面又は外径面の周方向に等間隔
または不均一な間隔で形成することができる。また上記
実施例では回転子にシート状ボンド磁石を配置した場合
を記載したが、シート状ボンド磁石を固定子側に配置し
回転機を構成してもよい。
【0071】本発明の等方性ボンド磁石の耐割れ性、成
形性及び耐酸化性を高めるために、公知の表面改質剤
(シラン系カップリング剤等)、潤滑剤、充填剤及び酸
化防止剤をそれらの合計で2重量%以下添加してもよ
い。また耐食性を向上するために、本発明の等方性ボン
ド磁石の表面に平均膜厚で0.5〜30μmの耐食性被膜
(エポキシ樹脂塗装等)を被覆することが好ましい。耐
食性被膜の平均膜厚が0.5μm未満では耐食性が高めら
れず、30μm超では耐食性の付与効果が飽和する。
【0072】
【発明の効果】以上記述の通り、本発明によれば、従来
に比べて着磁性の良好な(Sm,La)−T−N系等方
性磁石粉末とバインダーとから実質的になる高性能の等
方性ボンド磁石を提供することができる。また本発明に
よれば、従来に比べて着磁性の良好な(Sm,La)−
T−N系等方性磁石粉末と、R’−T’−B系等方性磁
石粉末と、バインダーとから実質的になる高性能の等方
性ボンド磁石を提供することができる。また前記等方性
ボンド磁石を用いて構成される高性能の回転機及びマグ
ネットロールを提供することができる。また前記等方性
ボンド磁石用の高性能コンパウンドを提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコンパウンドの製造工順の一例を示す
図である。
【図2】本発明のコンパウンドの作製に用いる押出装置
(a)及び整粒装置(b)を示す要部断面図である。
【図3】図3(a)は図2(b)のマルメライザーを上
から見た図であり、図3(b)は回転盤に形成された溝
部を示す図であり、図3(c)はバッフルブレードの配
置角度を説明する図である
【図4】最大径、最小径を定義する模式図である。
【図5】カレンダーロール成形装置の一例を示す要部断
面図である。
【図6】着磁性に及ぼすLa含有量依存性の一例を示す
図である。
【図7】不可逆減磁率に及ぼすLa含有量依存性の一例
を示す図である。
【図8】丸みを帯びた磁粉粒子を走査型電子顕微鏡で撮
影した写真(a)、及び扁平な磁粉粒子を走査型電子顕
微鏡で撮影した写真(b)図である。
【図9】本発明の窒化磁石粉末の強度と応力との関係を
説明する模式図(a)、及び比較例の磁石粉末の強度と
応力との関係を説明する模式図(b)である。
【図10】本発明のマグネットロールを搭載した現像ロ
ール装置の一例を示す要部断面図である。
【図11】本発明の代表的なマグネットロールを示す断
面図である。
【図12】本発明の更に他のマグネットロールを示す断
面図であり、溝部に断面コの字のシート状ボンド磁石を
埋め込んだ場合(a)、C型磁石の隙間にシート状ボン
ド磁石を埋め込んだ場合(b)、シャフト上に巻回した
シート状ボンド磁石を固着した場合(c)である。
【図13】本発明の更に他のマグネットロールを示す断
面図である。
【図14】本発明の更に他のマグネットロールを示す断
面図である。
【図15】本発明の更に他のマグネットロールを示し、
継ぎ目が軸方向に対して傾斜している場合(a)、及び
継ぎ目が軸方向に対して傾斜しかつ継ぎ目に相当する位
置に隙間を形成した場合(b)である。
【図16】本発明の回転機の一例を示す要部正面図
(a)、(a)の裏側から見た図(b)である。
【図17】本発明の回転機を構成する回転子の表面磁束
密度分布の一例を示す図である。
【図18】本発明の回転機を構成する界磁磁石の継ぎ目
及び磁極構成を示す斜視図であり、(a)は継ぎ目部分
が平行な場合、(b)は継ぎ目部分が傾斜している場
合、(c)は継ぎ目部分が傾斜しかつ屈曲している場
合、(d)は継ぎ目に相当する部分が空間の場合であ
る。
【図19】本発明の他の回転機を示す要部断面図であ
り、(a)アウターロータ型、(b)及び(c)はそれ
ぞれインナーロータ型、の一例を示す図である。
【図20】本発明の更に他の回転機を示す要部断面図
(a)、(a)のB−B線矢視断面図(b)である。
【図21】本発明の回転機のトルクと機械角との関係の
一例を示す図である。
【図22】本発明の更に他の回転機を示す要部断面図
(a)、(a)のC−C線矢視断面図(b)である。
【図23】本発明の更に他の回転機を示す図(a)、
(a)のD−D線矢視断面図(b)、界磁磁石の着磁パ
ターンを示す図(c)である。
【図24】本発明の回転機のトルクと機械角との関係の
他の例を示す図である。
【図25】本発明の更に他の回転機を示す図(a)、
(a)のE−E線矢視断面図(b)である。
【図26】本発明の更に他の回転機を示す図(a)、
(a)のF−F線矢視断面図(b)である。
【図27】本発明の更に他の回転機を示す図(a)、
(a)のG−G線矢視断面図(b)である。
【図28】本発明の更に他の回転機を示す図(a)、
(a)のH−H線矢視断面図(b)である。
【符号の説明】
1 ペレット、2 スクリュー、81 マグネットロー
ル、210 回転機。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C22C 38/00 303 H01F 1/04 H (31)優先権主張番号 特願2000−46688(P2000−46688) (32)優先日 平成12年2月24日(2000.2.24) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願2000−49602(P2000−49602) (32)優先日 平成12年2月25日(2000.2.25) (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 増澤 正宏 埼玉県熊谷市三ヶ尻5200番地日立金属株式 会社磁性材料研究所内 (72)発明者 谷川 茂穂 埼玉県熊谷市三ヶ尻5200番地日立金属株式 会社熊谷磁材工場内 (72)発明者 後藤 隆冶 群馬県多野郡吉井町多比良2977番地日立金 属機工株式会社内 (72)発明者 山下 恵太郎 群馬県多野郡吉井町多比良2977番地日立金 属機工株式会社内 Fターム(参考) 4K018 AA27 BA18 BD01 GA02 KA46 5E040 AA04 AA19 BB03 CA01 CA20

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子%でRα
    100−(α+β+γ+δ)βγδ(RがSm,L
    a及び不可避的R成分からなり、La含有量が0.05〜2
    原子%であり、TはFe、又はFe及びCoであり、M
    はAl,Ti,V,Cr,Mn,Cu,Ga,Zr,N
    b,Mo,Hf,Ta,W及びZnの群から選択される
    少なくとも1種であり、4≦α≦15,0≦β≦10,0≦
    γ≦4,4≦δ≦30)で表される主要成分組成を有する
    R−T−N系磁石粉末とバインダーとから実質的にな
    り、厚み0.1〜5mmのシート状に成形されたことを特
    徴とする等方性ボンド磁石。
  2. 【請求項2】 JIS B 0601 により規定される最大高さ
    (Rmax)を15μm以下に低減した請求項1に記載の等
    方性ボンド磁石。
  3. 【請求項3】 R−T−N系磁石粉末がThZn17
    型又はThNi 型結晶構造を有する硬質磁性相を
    主相とし、前記主相の平均結晶粒径が0.01〜1μmであ
    る請求項1又は2に記載の等方性ボンド磁石。
  4. 【請求項4】 R−T−N系磁石粉末がTbCu型結
    晶構造を有する硬質磁性相を主相とし、前記主相の平均
    結晶粒径が0.002〜0.5μmである請求項1又は2に記載
    の等方性ボンド磁石。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載の等方
    性ボンド磁石を用いたことを特徴とする回転機。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至4のいずれかに記載の等方
    性ボンド磁石を用いたことを特徴とするマグネットロー
    ル。
  7. 【請求項7】 原子%でRα
    100−(α+β+γ+δ)βγδ(RがSm,L
    a及び不可避的R成分からなり、La含有量が0.05〜2
    原子%であり、TはFe、又はFe及びCoであり、M
    はAl,Ti,V,Cr,Mn,Cu,Ga,Zr,N
    b,Mo,Hf,Ta,W及びZnの群から選択される
    少なくとも1種であり、4≦α≦15,0≦β≦10,0≦
    γ≦4,4≦δ≦30)で表される主要成分組成を有する
    R−T−N系磁石粉末と、 R’T’14B型金属間化合物(R’はYを含む希土
    類元素の少なくとも1種でありNdを必ず含み、T’は
    Fe、又はFe及びCoである)を主相とする平均結晶
    粒径が0.01〜0.5μmのR’−T’−B系磁石粉末と前
    記2種の磁石粉末を結着するバインダーとから実質的に
    なることを特徴とする等方性ボンド磁石。
  8. 【請求項8】 厚み0.01〜5mmのシート状に成形され
    た請求項7に記載の等方性ボンド磁石。
  9. 【請求項9】 JIS B 0601 により規定される最大高さ
    (Rmax)を15μm以下に低減した請求項8に記載の等
    方性ボンド磁石。
  10. 【請求項10】 R−T−N系磁石粉末がThZn
    17型又はThNi 17型結晶構造を有する硬質磁性
    相を主相とし、前記主相の平均結晶粒径が0.01〜1μm
    である請求項7乃至9のいずれかに記載の等方性ボンド
    磁石。
  11. 【請求項11】 R−T−N系磁石粉末がTbCu
    結晶構造を有する硬質磁性相を主相とし、前記主相の平
    均結晶粒径が0.002〜0.5μmである請求項7乃至9のい
    ずれかに記載の等方性ボンド磁石。
  12. 【請求項12】 請求項7乃至11のいずれかに記載の
    等方性ボンド磁石を用いたことを特徴とする回転機。
  13. 【請求項13】 請求項7乃至11のいずれかに記載の
    等方性ボンド磁石を用いたことを特徴とするマグネット
    ロール。
  14. 【請求項14】 原子%でRα
    100−(α+β+γ+δ)βγδ(RがSm,L
    a及び不可避的R成分からなり、La含有量が0.05〜2
    原子%であり、TはFe、又はFe及びCoであり、M
    はAl,Ti,V,Cr,Mn,Cu,Ga,Zr,N
    b,Mo,Hf,Ta,W及びZnの群から選択される
    少なくとも1種であり、4≦α≦15,0≦β≦10,0≦
    γ≦4,4≦δ≦30)で表される主要成分組成を有する
    R−T−N系磁石粉末とバインダーとから実質的になる
    ことを特徴とする等方性コンパウンド。
  15. 【請求項15】 R−T−N系磁石粉末がThZn
    17型又はThNi 17型結晶構造を有する硬質磁性
    相を主相とし、前記主相の平均結晶粒径が0.01〜1μm
    である請求項14に記載の等方性コンパウンド。
  16. 【請求項16】 R−T−N系磁石粉末がTbCu
    結晶構造を有する硬質磁性相を主相とし、前記主相の平
    均結晶粒径が0.002〜0.5μmである請求項14に記載の
    等方性コンパウンド。
  17. 【請求項17】 原子%でRα
    100−(α+β+γ+δ)βγδ(RがSm,L
    a及び不可避的R成分からなり、La含有量が0.05〜2
    原子%であり、TはFe、又はFe及びCoであり、M
    はAl,Ti,V,Cr,Mn,Cu,Ga,Zr,N
    b,Mo,Hf,Ta,W及びZnの群から選択される
    少なくとも1種であり、4≦α≦15,0≦β≦10,0≦
    γ≦4,4≦δ≦30)で表される主要成分組成を有する
    R−T−N系磁石粉末と、 R’T’14B型金属間化合物(R’はYを含む希土
    類元素の少なくとも1種でありNdを必ず含み、T’は
    Fe、又はFe及びCoである)を主相とする平均結晶
    粒径が0.01〜0.5μmのR’−T’−B系磁石粉末と前
    記2種の磁石粉末を結着するバインダーとから実質的に
    なることを特徴とする等方性コンパウンド。
  18. 【請求項18】 R−T−N系磁石粉末がThZn
    17型又はThNi 17型結晶構造を有する硬質磁性
    相を主相とし、前記主相の平均結晶粒径が0.01〜1μm
    である請求項17に記載の等方性コンパウンド。
  19. 【請求項19】 R−T−N系磁石粉末がTbCu
    結晶構造を有する硬質磁性相を主相とし、前記主相の平
    均結晶粒径が0.002〜0.5μmである請求項17に記載の
    等方性コンパウンド。
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