JPH09312207A - 希土類ボンド磁石用組成物、希土類ボンド磁石および希土類ボンド磁石の製造方法 - Google Patents

希土類ボンド磁石用組成物、希土類ボンド磁石および希土類ボンド磁石の製造方法

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JPH09312207A
JPH09312207A JP8127538A JP12753896A JPH09312207A JP H09312207 A JPH09312207 A JP H09312207A JP 8127538 A JP8127538 A JP 8127538A JP 12753896 A JP12753896 A JP 12753896A JP H09312207 A JPH09312207 A JP H09312207A
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rare earth
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bonded magnet
earth bonded
magnet
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Takeshi Ikuma
健 井熊
Koji Akioka
宏治 秋岡
Isato Shirai
勇人 白井
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F41/00Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties
    • H01F41/02Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets
    • H01F41/0253Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets for manufacturing permanent magnets
    • H01F41/0266Moulding; Pressing

Abstract

(57)【要約】 【課題】成形性に優れ、低空孔率であり、磁気特性、機
械的強度、耐食性に優れた希土類ボンド磁石を得ること
ができる希土類ボンド磁石用組成物を提供すること。 【解決手段】本発明の希土類ボンド磁石用組成物は、希
土類磁石粉末と結合樹脂粉末とを含んでおり、希土類磁
石粉末の平均粒径をD1 [μm ]、密度をρ1 [g/cm
3 ]とし、結合樹脂粉末の平均粒径をD2 [μm ]、密
度をρ2 [g/cm3 ]としたとき、下記式(I)を満足す
る。 0.02≦(D2 ρ2 )/(D1 ρ1 )≦20 ・・・(I)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、希土類ボンド磁石
用組成物、希土類ボンド磁石およびその製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】希土類ボンド磁石は、希土類磁石粉末と
結合樹脂(有機バインダー)との混合物(コンパウン
ド)を所望の磁石形状に加圧成形して製造されるもので
あるが、その成形方法には、圧縮成形法、射出成形法お
よび押出成形法が利用されている。
【0003】圧縮成形法は、前記コンパウンドをプレス
金型中に充填し、これを圧縮成形して成形体を得、その
後、加熱して結合樹脂である熱硬化性樹脂を硬化させて
磁石を製造する方法である。この方法は、他の方法に比
べ、結合樹脂の量が少なくても成形が可能であるため、
得られた磁石中の樹脂量が少なくなり、磁気特性の向上
にとって有利である。
【0004】押出成形法は、加熱溶融された前記コンパ
ウンドを押出成形機の金型から押し出すとともに冷却固
化し、所望の長さに切断して、磁石とする方法である。
この方法では、磁石の形状に対する自由度が大きく、薄
肉、長尺の磁石をも容易に製造できるという利点がある
が、成形時における溶融物の流動性を確保するために、
結合樹脂の添加量を圧縮成形法のそれに比べて多くする
必要があり、従って、得られた磁石中の樹脂量が多く、
磁気特性が低下するという欠点がある。
【0005】射出成形法は、前記コンパウンドを加熱溶
融し、十分な流動性を持たせた状態で該溶融物を金型内
に注入し、所定の磁石形状に成形する方法である。この
方法では、磁石の形状に対する自由度は、押出成形法に
比べさらに大きく、特に、異形状の磁石をも容易に製造
できるという利点がある。しかし、成形時における溶融
物の流動性は、前記押出成形法より高いレベルが要求さ
れるので、結合樹脂の添加量は、押出成形法のそれに比
べてさらに多くする必要があり、従って、得られた磁石
中の樹脂量が多く、磁気特性がさらに低下するという欠
点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、以上のよう
な各方法により製造される従来の希土類ボンド磁石は、
空孔率が高いという欠点がある。特に、熱硬化性樹脂を
用いた場合には、空孔率が6%以上と高い値となる。そ
のため、機械的強度が弱く、耐食性に劣るという欠点が
ある。
【0007】本発明者による研究によれば、このような
高空孔率となる第1の原因は、成形に供される希土類ボ
ンド磁石用組成物(コンパウンド)の組成、状態や製造
条件にあり、第2の原因は、成形条件にあることが判明
した。
【0008】例えば、従来のコンパウンドを用いた場
合、圧縮成形において、成形性を向上し、磁石中の空孔
率を下げるためには、その成形圧を高くする必要がある
が、そのために圧縮成形機が大型となったり、磁場中で
の成形に不利となる等の欠点があり、成形の容易性が劣
る。また、成形圧をある程度高くしても、コンパウンド
の組成、状態や製造条件が不適当であれば、空孔率の低
減にも限界がある。
【0009】本発明の目的は、成形性に優れ、低空孔率
の希土類ボンド磁石およびこのような磁石を得ることが
できる希土類ボンド磁石用組成物ならびに希土類ボンド
磁石の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(21)の本発明により達成される。
【0011】(1) 希土類磁石粉末と結合樹脂粉末と
を含む希土類ボンド磁石用組成物であって、前記希土類
磁石粉末の平均粒径をD1 [μm ]、密度をρ1 [g/cm
3 ]とし、前記結合樹脂粉末の平均粒径をD2 [μm
]、密度をρ2 [g/cm3 ]としたとき、下記式(I)
を満足することを特徴とする希土類ボンド磁石用組成
物。
【0012】 0.02≦(D2 ρ2 )/(D1 ρ1 )≦20 ・・・(I) (2) 希土類磁石粉末と結合樹脂粉末とを含む混合物
または該混合物を混練してなる希土類ボンド磁石用組成
物であって、前記希土類磁石粉末の平均粒径をD1 [μ
m ]、密度をρ1 [g/cm3 ]とし、前記結合樹脂粉末の
平均粒径をD2 [μm ]、密度をρ2 [g/cm3 ]とした
とき、下記式(I)を満足することを特徴とする希土類
ボンド磁石用組成物。
【0013】 0.02≦(D2 ρ2 )/(D1 ρ1 )≦20 ・・・(I) (3) 希土類磁石粉末と結合樹脂粉末とを含む混合物
を前記結合樹脂粉末の軟化温度以上の温度で混練してな
る希土類ボンド磁石用組成物であって、前記希土類磁石
粉末の平均粒径をD1 [μm ]、密度をρ1 [g/cm3
とし、前記結合樹脂粉末の平均粒径をD2 [μm ]、密
度をρ2 [g/cm3 ]としたとき、下記式(I)を満足す
ることを特徴とする希土類ボンド磁石用組成物。
【0014】 0.02≦(D2 ρ2 )/(D1 ρ1 )≦20 ・・・(I) (4) さらに酸化防止剤を含む上記(1)ないし
(3)のいずれかに記載の希土類ボンド磁石用組成物。
【0015】(5) 希土類ボンド磁石用組成物中の前
記酸化防止剤の含有量が、0.1〜2.0wt%である上
記(4)に記載の希土類ボンド磁石用組成物。
【0016】(6) 前記結合樹脂粉末の平均粒径D2
は、10〜200μm である上記(1)ないし(5)の
いずれかに記載の希土類ボンド磁石用組成物。
【0017】(7) 希土類ボンド磁石用組成物中の前
記結合樹脂粉末の含有量が、1〜10wt%である上記
(1)ないし(6)のいずれかに記載の希土類ボンド磁
石用組成物。
【0018】(8) 前記希土類磁石粉末は、Smを主
とする希土類元素と、Coを主とする遷移金属とを基本
成分とするものである上記(1)ないし(7)のいずれ
かに記載の希土類ボンド磁石用組成物。
【0019】(9) 前記希土類磁石粉末は、R(ただ
し、RはYを含む希土類元素のうち少なくとも1種)
と、Feを主とする遷移金属と、Bとを基本成分とする
ものである上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の
希土類ボンド磁石用組成物。
【0020】(10) 前記希土類磁石粉末は、Smを主
とする希土類元素と、Feを主とする遷移金属と、Nを
主とする格子間元素とを基本成分とするものである上記
(1)ないし(7)のいずれかに記載の希土類ボンド磁
石用組成物。
【0021】(11) 前記希土類磁石粉末は、上記8、
9および10に記載の希土類磁石粉末のうちの少なくと
も2種を混合したものである上記(1)ないし(7)の
いずれかに記載の希土類ボンド磁石用組成物。
【0022】(12) 上記(1)ないし(11)のいずれ
かに記載の希土類ボンド磁石用組成物を用いて製造され
たことを特徴とする希土類ボンド磁石。
【0023】(13) 上記(1)ないし(11)のいずれ
かに記載の希土類ボンド磁石用組成物を用いて圧縮成形
により製造されたことを特徴とする希土類ボンド磁石。
【0024】(14) 上記(1)ないし(11)のいずれ
かに記載の希土類ボンド磁石用組成物を用いて成形圧が
50kgf/mm2 以下の圧縮成形により製造されたことを特
徴とする希土類ボンド磁石。
【0025】(15) 空孔率が2.8 vol%以下である
上記(12)ないし(14)のいずれかに記載の希土類ボン
ド磁石。
【0026】(16) 無磁場中で成形された場合の磁気
エネルギー積(BH)max が4.5MGOe以上である上記(1
2)ないし(15)のいずれかに記載の希土類ボンド磁
石。
【0027】(17) 磁場中で成形された場合の磁気エ
ネルギー積(BH)max が10MGOe以上である上記(12)な
いし(15)のいずれかに記載の希土類ボンド磁石。
【0028】(18) 上記(1)ないし(11)のいずれ
かに記載の希土類ボンド磁石用組成物を製造し、この希
土類ボンド磁石用組成物を用いて磁石形状に成形するこ
とを特徴とする希土類ボンド磁石の製造方法。
【0029】(19) 上記(1)ないし(11)のいずれ
かに記載の希土類ボンド磁石用組成物を製造し、この希
土類ボンド磁石用組成物を用いて温間成形により磁石形
状に成形することを特徴とする希土類ボンド磁石の製造
方法。
【0030】(20) 前記温間成形は、前記結合樹脂の
軟化温度以上の温度で行う上記(19)に記載の希土類ボ
ンド磁石の製造方法。
【0031】(21) 前記温間成形は、成形圧が50kg
f/mm2 以下の圧縮成形である上記(19)または(20)に
記載の希土類ボンド磁石の製造方法。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の希土類ボンド磁石
用組成物、希土類ボンド磁石および希土類ボンド磁石の
製造方法について詳細に説明する。
【0033】まず、本発明の希土類ボンド磁石用組成物
について説明する。
【0034】本発明の希土類ボンド磁石用組成物は、以
下のような希土類磁石粉末と結合樹脂粉末とを含む。さ
らに、以下のような酸化防止剤を含むのが好ましい。
【0035】1.希土類磁石粉末 希土類磁石粉末としては、希土類元素と遷移金属とを含
む合金よりなるものが好ましく、特に、次の[1]〜
[5]が好ましい。
【0036】[1] Smを主とする希土類元素と、C
oを主とする遷移金属とを基本成分とするもの(以下、
Sm−Co系合金と言う)。
【0037】[2] R(ただし、RはYを含む希土類
元素のうち少なくとも1種)と、Feを主とする遷移金
属と、Bとを基本成分とするもの(以下、R−Fe−B
系合金と言う)。
【0038】[3] Smを主とする希土類元素と、F
eを主とする遷移金属と、Nを主とする格子間元素とを
基本成分とするもの(以下、Sm−Fe−N系合金と言
う)。
【0039】[4] R(ただし、RはYを含む希土類
元素のうち少なくとも1種)とFe等の遷移金属とを基
本成分とし、ナノメーターレベルで磁性相を有するもの
(以下、ナノ結晶磁石と言う)。
【0040】[5] 前記[1]〜[4]の組成のもの
のうち、少なくとも2種を混合したもの。この場合、混
合する各磁石粉末の利点を併有することができ、より優
れた磁気特性を容易に得ることができる。
【0041】Sm−Co系合金の代表的なものとして
は、SmCo5 、Sm2 TM17(ただしTMは、遷移金
属)が挙げられる。
【0042】R−Fe−B系合金の代表的なものとして
は、Nd−Fe−B系合金、Pr−Fe−B系合金、N
d−Pr−Fe−B系合金、Ce−Nd−Fe−B系合
金、Ce−Pr−Nd−Fe−B系合金、これらにおけ
るFeの一部をCo、Ni等の他の遷移金属で置換した
もの等が挙げられる。
【0043】Sm−Fe−N系合金の代表的なものとし
ては、Sm2 Fe17合金を窒化して作製したSm2 Fe
173 が挙げられる。
【0044】磁石粉末における前記希土類元素として
は、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、
Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、ミ
ッシュメタルが挙げられ、これらを1種または2種以上
含むことができる。また、前記遷移金属としては、F
e、Co、Ni等が挙げられ、これらを1種または2種
以上含むことができる。また、磁気特性を向上させるた
めに、磁石粉末中には、必要に応じ、B、Al、Mo、
Cu、Ga、Si、Ti、Ta、Zr、Hf、Ag、Z
n等を含有することもできる。
【0045】磁石粉末の製造方法は、特に限定されず、
例えば、溶解・鋳造により合金インゴットを作製し、こ
の合金インゴットを適度な粒度に粉砕し(さらに分級
し)て得られたもの、アモルファス合金を製造するのに
用いる急冷薄帯製造装置で、リボン状の急冷薄片(微細
な多結晶が集合)を製造し、この薄片(薄帯)を適度な
粒度に粉砕し(さらに分級し)て得られたもの等、いず
れでもよい。
【0046】また、磁石粉末の平均粒径D1 は、特に限
定されないが、0.5〜50μm 程度が好ましく、1〜
30μm 程度がより好ましく、2〜25μm 程度がさら
に好ましい。
【0047】なお、粒径の測定方法の1例には、F.S.S.
S.(Fischer Sub-Sieve Sizer )法が挙げられるが、こ
れに限定されない。
【0048】また、磁石粉末の粒径分布は、均一でも、
ある程度分散されていてもよいが、後述するような少量
の結合樹脂で成形時の良好な成形性を得るためには、磁
石粉末の粒径分布は、ある程度分散されている(バラツ
キがある)のが好ましい。これにより、得られたボンド
磁石の空孔率をより低減することもできる。なお、前記
[4]の場合、混合する磁石粉末の組成毎に、その平均
粒径が異なっていてもよい。
【0049】2.結合樹脂(バインダー) 結合樹脂(バインダー)としては、粉末状のもの(結合
樹脂粉末)が用いられる。この結合樹脂としては、熱可
塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれでもよい。一般に、結
合樹脂として熱硬化性樹脂を用いた場合には、熱可塑性
樹脂を用いた場合に比べ、磁石の空孔率が増大し易い
が、後述するような条件の希土類ボンド磁石用組成物
(コンパウンド)を用いて磁石を成形することにより、
磁石の空孔率を低減することができる。
【0050】熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミ
ド(例:ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナ
イロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロ
ン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66)、熱可
塑性ポリイミド、芳香族ポリエステル等の液晶ポリマ
ー、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンサルファ
イド、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン、変性ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリメチ
ルメタクリレート、ポリエーテル、ポリエーテルエーテ
ルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアセタール等、ま
たはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマー
アロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以
上を混合して用いることができる。
【0051】これらのうちでも、成形性の向上がより顕
著であり、また機械的強度が強いことから、ポリアミ
ド、耐熱性向上の点から、液晶ポリマー、ポリフェニレ
ンサルファイドを主とするものが好ましい。また、これ
らの熱可塑性樹脂は、磁石粉末との混練性にも優れてい
る。
【0052】熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ
樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポ
リエステル(不飽和ポリエステル)樹脂、ポリイミド樹
脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられ、
これらのうちの1種または2種以上を混合して用いるこ
とができる。
【0053】これらのうちでも、成形性の向上がより顕
著であり、また機械的強度が強く、耐熱性に優れるとい
う点から、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド
樹脂、シリコーン樹脂が好ましく、エポキシ樹脂が特に
好ましい。また、これらの熱硬化性樹脂は、磁石粉末と
の混練性、混練の均一性にも優れている。
【0054】なお、使用される熱硬化性樹脂(未硬化)
は、室温で固形(粉末状)のものが好ましい。
【0055】結合樹脂粉末の平均粒径D2 は、10〜2
00μm であるのが好ましく、10〜100μm である
のがより好ましい。特に、ポリアミドに代表される熱可
塑性樹脂による場合、平均粒径D2 は、10〜100μ
m であるのが好ましく、10〜80μm であるのがより
好ましい。
【0056】以上のような結合樹脂粉末の希土類ボンド
磁石用組成物中での含有量は、1〜10wt%程度である
のが好ましく、1〜8wt%程度であるのがより好まし
く、1〜5wt%程度であるのがさらに好ましい。結合樹
脂粉末の含有量が多過ぎると、磁気特性(特に磁気エネ
ルギー積)の向上が図れず、また、結合樹脂粉末の含有
量が少な過ぎると、成形性が低下し、極端な場合には成
形が困難または不能となる。
【0057】3.酸化防止剤 酸化防止剤は、後述する希土類ボンド磁石用組成物の混
練の際等に、希土類磁石粉末の酸化劣化や結合樹脂の酸
化による変質(希土類磁石粉末の金属成分が触媒として
働くことにより生じる)を防止するために該組成物中に
添加される添加剤である。この酸化防止剤の添加は、希
土類磁石粉末の酸化を防止し、磁石の磁気特性の向上を
図るのに寄与するとともに、希土類ボンド磁石用組成物
の混練時、成形時における熱的安定性の向上に寄与し、
少ない結合樹脂量で良好な成形性を確保する上で重要な
役割を果たしている。
【0058】酸化防止剤としては、希土類磁石粉末等の
酸化を防止または抑制し得るものであればいかなるもの
でもよく、例えば、アミン系化合物、アミノ酸系化合
物、ニトロカルボン酸類、ヒドラジン化合物、シアン化
合物、硫化物等の、金属イオン、特にFe成分に対しキ
レート化合物を生成するキレート化剤が好適に使用され
る。なお、酸化防止剤の種類、組成等については、これ
らのものに限定されないことは言うまでもない。
【0059】このような酸化防止剤を添加する場合、希
土類ボンド磁石用組成物中の酸化防止剤の添加量は、
0.1〜2wt%程度とするのが好ましく、0.5〜1.
5wt%程度とするのがより好ましい。この場合、酸化防
止剤の添加量は、結合樹脂の添加量に対し2〜150%
程度であるのが好ましく、30〜100%程度であるの
がより好ましい。
【0060】なお、本発明では、酸化防止剤の添加量
は、前記範囲の下限値以下であってもよく、また、無添
加であってもよいことは、言うまでもない。
【0061】このような酸化防止剤は、希土類ボンド磁
石用組成物の混練時や成形時等の中間工程において揮発
したり、変質したりするので、製造された希土類ボンド
磁石中には、その一部が残留した状態で存在している。
従って、希土類ボンド磁石中の酸化防止剤の含有量は、
希土類ボンド磁石用組成物中の酸化防止剤の添加量に対
し、例えば10〜90%程度、特に20〜80%程度と
なる。
【0062】4.その他の添加剤 また、希土類ボンド磁石用組成物には、必要に応じ、例
えば、可塑剤(例えば、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸
塩、脂肪酸)、潤滑剤(例えば、シリコーンオイル、各
種ワックス、脂肪酸、アルミナ、シリカ、チタニア等の
各種無機潤滑剤)、硬化剤、硬化促進剤、その他成形助
剤等の各種添加剤を添加することができる。
【0063】可塑剤の添加は、成形時の流動性を向上さ
せるので、より少ない結合樹脂の添加量で同様の特性を
得ることができ、また、より低い成形圧で圧縮成形する
ことを可能とする。潤滑剤の添加についても同様であ
る。可塑剤の添加量は、0.01〜0.2wt%程度であ
るのが好ましく、潤滑剤の添加量は、0.05〜0.5
wt%程度であるのが好ましい。
【0064】さて、以上のような希土類ボンド磁石用組
成物では、希土類磁石粉末の平均粒径をD1 [μm ]、
密度をρ1 [g/cm3 ]とし、結合樹脂粉末の平均粒径を
2[μm ]、密度をρ2 [g/cm3 ]としたとき、下記
式(I)を満足するものである。
【0065】 0.02≦(D2 ρ2 )/(D1 ρ1 )≦20 ・・・(I) また、下記式(II)を満足するものであるのがより好ま
しく、下記式(III )を満足するものであるのがさらに
好ましい。
【0066】 0.02≦(D2 ρ2 )/(D1 ρ1 )≦10 ・・・(II) 0.03≦(D2 ρ2 )/(D1 ρ1 )≦10 ・・・(III ) このような条件を満足する場合には、空孔率が低く、ま
た優れた磁気特性の希土類ボンド磁石が得られる。すな
わち、(D2 ρ2 )/(D1 ρ1 )が前記下限値未満、
換言すれば密度の高い磁石粉末の粒度が大きく、密度の
小さい樹脂粉末の粒度が小さくなると、混合時にこの2
種の粉末が分離した状態となり、樹脂粉末は浮遊しやす
くなるため均一に分散させることが困難となる。この結
果、混合物の分散状態に不均一が生じ、混練時の混練ト
ルクの変動が大きくなり、混練を行うことが困難とな
る。また混練物も不均一となるため、これを用いた時の
成形性や密度、機械的強度等の成形品特性のばらつきが
大きくなる。また、磁石粉末が大きすぎると成形時の給
材性が低下し、成形品の空孔率は増加する。樹脂粉末が
小さくなると樹脂特性が低下し、機械的強度の低下が生
じる。
【0067】(D2 ρ2 )/(D1 ρ1 )が前記上限値
より大きい時、換言すれば磁石粉末の粒度が小さく、樹
脂粉末の粒度が非常に大きい場合には、粒度差が大きく
なることによる分散性の低下が生じる。希土類ボンド磁
石の場合、樹脂成分は磁石粉末に比べ、非常に少量であ
り、この傾向は磁石の磁気性能を上げるほど顕著にな
る。粒度の大きな樹脂粉末が少量しかない場合、磁石粉
末間に樹脂成分を均一に分散させるのは困難となる。こ
の結果下限値未満の時と同様、混練性の低下や混練物の
成形性や成形品の特性の低下が生じる。
【0068】本発明の希土類ボンド磁石用組成物は、前
述した希土類磁石粉末と、熱可塑性樹脂または熱硬化性
樹脂と、必要に応じ添加される酸化防止剤等の添加剤と
を混合した混合物または該混合物を混練してなるもので
ある。
【0069】この場合、前記混合は、例えば、ヘンシェ
ルミキサー、V型混合機等の混合機や撹拌機を用いて行
われる。また、混合物の混練は、例えば、2軸押出混練
機、ロール式混練機、ニーダー等の混練機を用いて行わ
れる。
【0070】また、混合物の混練は、用いる結合樹脂の
軟化温度(軟化点またはガラス転移点)以上の温度で行
われるのが好ましい。これにより、混練の効率が向上
し、常温で混練する場合に比べてより短時間で均一に混
練することができるとともに、結合樹脂の粘度が下がっ
た状態で混練されるので、希土類磁石粉末の周囲を結合
樹脂が覆うような状態となり、希土類ボンド磁石用組成
物中およびそれより製造された磁石中の空孔率の減少に
寄与する。
【0071】なお、混練に伴う材料自体の発熱等によ
り、混練温度は変化し易いので、例えば加温・冷却手段
を備え、温度制御が可能な混練機を用いて混練するのが
好ましい。
【0072】また、希土類ボンド磁石用組成物(混練物
の場合)の密度は、理論密度(組成物中の空孔を0とし
たときの密度)の80%以上であるのが好ましく、85
%以上であるのがより好ましい。また、希土類ボンド磁
石用組成物(混練物の場合)の密度は、希土類磁石粉末
の密度の60%以上であるのが好ましく、70%以上で
あるのがより好ましい。希土類ボンド磁石用組成物の密
度がこのような範囲であると、成形圧をより低くするこ
とができる。
【0073】また、本発明の希土類ボンド磁石用組成物
は、さらにペレット化されたものであってもよい。
【0074】次に、本発明の希土類ボンド磁石の製造方
法について説明する。本発明の希土類ボンド磁石の製造
方法は、前述した希土類ボンド磁石用組成物を製造し、
この組成物を用いて、例えば圧縮成形法、押出成形法ま
たは射出成形法により磁石形状に成形することにより行
われる。これらの成形法のうちでは圧縮成形法が最適で
あり、以下、代表的に圧縮成形法による製造方法につい
て説明する。
【0075】前述した希土類ボンド磁石用組成物(コン
パウンド)を製造し、この組成物を圧縮成形機の金型内
に充填し、磁場中(配向磁場が例えば5〜20kOe 、配
向方向は、縦、横、ラジアル方向のいずれも可)または
無磁場中で圧縮成形する。
【0076】この圧縮成形は、冷間成形(常温付近での
成形)、温間成形のいずれでもよいが、好ましくは温間
成形とされる。すなわち、成形金型を加熱する等によ
り、成形時の材料温度が用いる結合樹脂の軟化温度以上
の温度となるようにするのが好ましい。
【0077】このような温間成形とすることにより、金
型内での成形材料の流動性が向上し、低い成形圧で、寸
法精度のよい成形をすることができる。すなわち、好ま
しくは50kgf/mm2 以下、より好ましくは35kgf/mm2
以下、さらに好ましくは20kgf/mm2 以下の成形圧で成
形(賦形)することができ、成形への負荷が少なく、成
形が容易となるとともに、リング状、平板状、湾曲板状
等の薄肉部を有する形状のものや長尺なものでも、良好
かつ安定した形状、寸法のものを量産することができ
る。
【0078】また、温間成形とすることにより、前述し
たような低い成形圧でも、得られた磁石の空孔率を後述
するように低くすることができる。
【0079】さらに、温間成形とすることにより、金型
内での成形材料の流動性が向上し、磁気配向性が向上す
るとともに、成形時における希土類磁石粉末の保磁力の
低下により、磁場中成形の場合、見かけ上高い磁場をか
けたものとなるので、配向方向にかかわらず、磁気特性
を向上することができる。
【0080】このようにして圧縮成形した後、成形金型
から除材して、希土類ボンド磁石を得る。
【0081】結合樹脂粉末が熱硬化性樹脂よりなる場
合、圧縮成形された成形体を、その熱硬化性樹脂の硬化
温度以上の温度に加熱して硬化させる。これにより、希
土類ボンド磁石が完成する。この熱硬化性樹脂の硬化
は、成形金型から取り出された成形体に熱処理を施す方
法、成形金型での圧縮成形後、そのまま金型温度を上昇
させる方法のいずれの方法により行ってもよい。
【0082】次に、本発明の希土類ボンド磁石について
説明する。本発明の希土類ボンド磁石は、前述した希土
類ボンド磁石用組成物を用い、好ましくは前述した希土
類ボンド磁石の製造方法によって製造されるものであ
る。
【0083】このような本発明の希土類ボンド磁石にお
いて、空孔率は、2.8 vol%以下であるのが好まし
く、2.4 vol%以下であるのがより好ましく、2.0
vol%以下であるのがさらに好ましい。空孔率が2.8
vol%を超えると、磁石粉末の組成、結合樹脂の組成、
含有量等の他の条件によっては、磁石の機械的強度およ
び耐食性が低下するおそれがある。
【0084】このような本発明の希土類ボンド磁石は、
磁石粉末の組成、磁石粉末の含有量の多さ等から、等方
性磁石であっても、優れた磁気特性を有する。
【0085】すなわち、本発明の希土類ボンド磁石は、
無磁場中で成形されたものの場合、磁気エネルギー積(B
H)max が4.5MGOe以上であるのが好ましく、6MGOe以
上であるのがより好ましい。また、磁場中で成形された
ものの場合、磁気エネルギー積(BH)max が10MGOe以上
であるのが好ましく、12MGOe以上であるのがより好ま
しい。
【0086】なお、本発明の希土類ボンド磁石の形状、
寸法等は特に限定されず、例えば、形状に関しては、例
えば、円柱状、角柱状、円筒状、円弧状、平板状、湾曲
板状等のあらゆる形状のものが可能であり、その大きさ
も、大型のものから超小型のものまであらゆる大きさの
ものが可能である。
【0087】
【実施例】以下、本発明の具体的実施例について説明す
る。
【0088】(実施例1〜16、比較例1〜4)下記組
成、、、、、、の7種の希土類磁石粉末
と、下記A、B、C、D、E、Fの6種の結合樹脂粉末
と、ヒドラジン系酸化防止剤と、潤滑剤として脂肪酸
と、可塑剤として金属せっけんとを用意し、これらを下
記表1に示す所定の組み合わせおよび量で混合した。
【0089】このとき、酸化防止剤、潤滑剤、可塑剤は
それが固体状のときには、各実施例の樹脂の粒径と同等
の粒径に粒度調整を行った。
【0090】また、それぞれについて、希土類磁石粉末
の平均粒径D1 、密度ρ1 、結合樹脂粉末の平均粒径D
2 、密度ρ2 に関する値を下記表2、表3に示す。
【0091】なお、これらは、F.S.S.S.法により測定し
た。また、数種類の磁粉を混合したときの密度ρ、平均
粒径Dは粉末の重量比、すなわち、下記式から算出し
た。
【0092】ρ(A+B+C)=ρA ・x+ρB ・y+
ρC ・z D(A+B+C)=DA・x+DB ・y+DC
・z 但し、上記式中、ρA 、ρB 、ρC は、それぞ
れ磁粉A、B、Cの密度、DA 、DB 、DC は、それぞ
れ磁粉A、B、Cの平均粒径、x、y、zは、それぞれ
磁粉A、B、Cの重量比であり、x+y+z=1であ
る。
【0093】急冷Nd12Fe78Co46 粉末 急冷Nd8 Pr4 Fe826 粉末 急冷Nd12Fe826 粉末 Sm(Co0.604 Cu0.06Fe0.32Zr0.016)8.0
末 Sm2 Fe173 粉末 HDDR法による異方性Nd13Fe69Co116 Ga
1 粉末 ナノ結晶Nd5.5 Fe6618.5Co5 Cr5 粉末 熱可塑性樹脂: A.ポリアミド(ナイロン12)(熱変形温度:145
℃、融点175℃) B.液晶ポリマー(熱変形温度:180℃、融点280
℃) C.ポリフェニレンサルファイド(PPS)(熱変形温
度:260℃、融点280℃) 熱硬化性樹脂: D.エポキシ樹脂(軟化温度:80℃、硬化温度:12
0℃以上) E.エポキシ樹脂(軟化温度:室温以下、硬化温度:1
00℃以上) F.ポリイミド樹脂(軟化温度:95℃、硬化温度:1
80℃以上)
【0094】
【表1】
【0095】
【表2】
【0096】
【表3】
【0097】次に、表1に示す組成の各混合物をスクリ
ュー式混練機(装置a)またはニーダー(装置b)を用
いて十分に混練し、希土類ボンド磁石用組成物(コンパ
ウンド)を得た。このときの混練条件を下記表4、表5
に示す。なお、コンパウンドの密度は、いずれも、理論
密度の85%以上、磁石粉末の70%以上を達成してい
た。
【0098】次に、前記コンパウンドを用い、プレス成
形機により磁場中または無磁場中で圧縮成形し、除材し
て、所望形状の希土類ボンド磁石を得た。結合樹脂とし
て熱硬化性樹脂を用いた場合には、温度120〜250
℃、硬化時間30〜300分の条件で硬化させて、希土
類ボンド磁石を得た。
【0099】なお、実施例13、14では、前記コンパ
ウンドを用いて押出成形機により押出成形し、実施例1
5、16では、前記コンパウンドを用いて射出成形機に
より射出成形し、以下同様にして希土類ボンド磁石を得
た。
【0100】このときの成形条件を下記表4、表5に併
せて示す。また、得られた磁石の形状、寸法、組成、外
観(目視観察)、諸特性を下記表6、表7、表8、表9
に示す。
【0101】なお、表6〜表9中の機械的強度は、別途
に外径15mm、高さ3mmの試験片を無磁場中で、表4、
表5に示す条件で成形し、この試験片を用い剪断打ち抜
き法により評価した。
【0102】また、表6〜表9中の耐食性は、得られた
希土類ボンド磁石に対し、恒温恒湿槽により80℃、9
0%RHの条件で加速試験を行い、錆びの発生までの時間
により、◎、○、△、×の4段階で評価した。
【0103】
【表4】
【0104】
【表5】
【0105】
【表6】
【0106】
【表7】
【0107】
【表8】
【0108】
【表9】
【0109】上記各表に示すように、実施例1〜16の
希土類ボンド磁石は、いずれも、空孔率が低く、成形
性、磁気特性(最大磁気エネルギー積)、耐食性に優
れ、機械的強度も高いものであることが確認された。ま
た、これらの希土類ボンド磁石は、いずれも、形状が安
定しており、寸法精度が高いものであった。
【0110】圧縮成形による実施例10〜12では、5
0kgf/mm2 以下の低い成形圧でこのような特性の希土類
ボンド磁石が得られ、特に温間成形による実施例1〜9
では更に低い35kgf/mm2 以下の成形圧でこのような特
性の希土類ボンド磁石が得られた。実施例13〜16で
は、複雑な形状のものでも、優れた成形性および寸法精
度で製造できることが確認された。
【0111】これに対し、比較例1、2の希土類ボンド
磁石は、得られた磁石中の空孔率が高く、そのため、機
械的強度が低く、耐食性および磁気特性が劣るものであ
った。また、成形された磁石に、片薄(肉厚、高さ等の
寸法にバラツキが生じる現象)が生じ、寸法精度が低い
ものであった。
【0112】また、比較例3では、磁石粉末に比べ樹脂
粉末の粒度が大きすぎるため、磁石粉末と樹脂粉末の分
散が不十分となり、均一な成形品を得ることが困難であ
った。また、成形品の空孔率が非常に高くなり、樹脂成
分による磁石粉末の結合力が小さいため、かろうじて成
形体を得ることができたものの、強度が小さく、表面の
粉末が脱落していくため、密度測定や磁気性能測定を行
うことができなかった。
【0113】また、比較例4では、磁石粉末と樹脂粉末
の分散不良から、混練時の混練トルク変動が非常に大き
くなるために、混練中に混練トルクオーバーとなって混
練を行うことができなかった。
【0114】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、成
形性に優れ、空孔率が低く、耐食性に優れ、機械的強度
および寸法精度が高く、磁気特性に優れた希土類ボンド
磁石を提供することができる。また、圧縮成形により製
造する場合、低い成形圧で、このような特性の磁石を得
ることができ、製造上有利となる。
【0115】特に、用いる結合樹脂の軟化温度以上の温
度で混練してなる希土類ボンド磁石用組成物の場合や、
温間成形により成形した場合には、それらとの相乗効果
により、前記効果がより顕著に発現する。

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希土類磁石粉末と結合樹脂粉末とを含む
    希土類ボンド磁石用組成物であって、 前記希土類磁石粉末の平均粒径をD1 [μm ]、密度を
    ρ1 [g/cm3 ]とし、前記結合樹脂粉末の平均粒径をD
    2 [μm ]、密度をρ2 [g/cm3 ]としたとき、下記式
    (I)を満足することを特徴とする希土類ボンド磁石用
    組成物。 0.02≦(D2 ρ2 )/(D1 ρ1 )≦20 ・・・(I)
  2. 【請求項2】 希土類磁石粉末と結合樹脂粉末とを含む
    混合物または該混合物を混練してなる希土類ボンド磁石
    用組成物であって、 前記希土類磁石粉末の平均粒径をD1 [μm ]、密度を
    ρ1 [g/cm3 ]とし、前記結合樹脂粉末の平均粒径をD
    2 [μm ]、密度をρ2 [g/cm3 ]としたとき、下記式
    (I)を満足することを特徴とする希土類ボンド磁石用
    組成物。 0.02≦(D2 ρ2 )/(D1 ρ1 )≦20 ・・・(I)
  3. 【請求項3】 希土類磁石粉末と結合樹脂粉末とを含む
    混合物を前記結合樹脂粉末の軟化温度以上の温度で混練
    してなる希土類ボンド磁石用組成物であって、前記希土
    類磁石粉末の平均粒径をD1 [μm ]、密度をρ1 [g/
    cm3 ]とし、前記結合樹脂粉末の平均粒径をD2 [μm
    ]、密度をρ2 [g/cm3 ]としたとき、下記式(I)
    を満足することを特徴とする希土類ボンド磁石用組成
    物。 0.02≦(D2 ρ2 )/(D1 ρ1 )≦20 ・・・(I)
  4. 【請求項4】 さらに酸化防止剤を含む請求項1ないし
    3のいずれかに記載の希土類ボンド磁石用組成物。
  5. 【請求項5】 希土類ボンド磁石用組成物中の前記酸化
    防止剤の含有量が、0.1〜2.0wt%である請求項4
    に記載の希土類ボンド磁石用組成物。
  6. 【請求項6】 前記結合樹脂粉末の平均粒径D2 は、1
    0〜200μm である請求項1ないし5のいずれかに記
    載の希土類ボンド磁石用組成物。
  7. 【請求項7】 希土類ボンド磁石用組成物中の前記結合
    樹脂粉末の含有量が、1〜10wt%である請求項1ない
    し6のいずれかに記載の希土類ボンド磁石用組成物。
  8. 【請求項8】 前記希土類磁石粉末は、Smを主とする
    希土類元素と、Coを主とする遷移金属とを基本成分と
    するものである請求項1ないし7のいずれかに記載の希
    土類ボンド磁石用組成物。
  9. 【請求項9】 前記希土類磁石粉末は、R(ただし、R
    はYを含む希土類元素のうち少なくとも1種)と、Fe
    を主とする遷移金属と、Bとを基本成分とするものであ
    る請求項1ないし7のいずれかに記載の希土類ボンド磁
    石用組成物。
  10. 【請求項10】 前記希土類磁石粉末は、Smを主とす
    る希土類元素と、Feを主とする遷移金属と、Nを主と
    する格子間元素とを基本成分とするものである請求項1
    ないし7のいずれかに記載の希土類ボンド磁石用組成
    物。
  11. 【請求項11】 前記希土類磁石粉末は、請求項8、9
    および10に記載の希土類磁石粉末のうちの少なくとも
    2種を混合したものである請求項1ないし7のいずれか
    に記載の希土類ボンド磁石用組成物。
  12. 【請求項12】 請求項1ないし11のいずれかに記載
    の希土類ボンド磁石用組成物を用いて製造されたことを
    特徴とする希土類ボンド磁石。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし11のいずれかに記載
    の希土類ボンド磁石用組成物を用いて圧縮成形により製
    造されたことを特徴とする希土類ボンド磁石。
  14. 【請求項14】 請求項1ないし11のいずれかに記載
    の希土類ボンド磁石用組成物を用いて成形圧が50kgf/
    mm2 以下の圧縮成形により製造されたことを特徴とする
    希土類ボンド磁石。
  15. 【請求項15】 空孔率が2.8 vol%以下である請求
    項12ないし14のいずれかに記載の希土類ボンド磁
    石。
  16. 【請求項16】 無磁場中で成形された場合の磁気エネ
    ルギー積(BH)max が4.5MGOe以上である請求項12な
    いし15のいずれかに記載の希土類ボンド磁石。
  17. 【請求項17】 磁場中で成形された場合の磁気エネル
    ギー積(BH)max が10MGOe以上である請求項12ないし
    15のいずれかに記載の希土類ボンド磁石。
  18. 【請求項18】 請求項1ないし11のいずれかに記載
    の希土類ボンド磁石用組成物を製造し、この希土類ボン
    ド磁石用組成物を用いて磁石形状に成形することを特徴
    とする希土類ボンド磁石の製造方法。
  19. 【請求項19】 請求項1ないし11のいずれかに記載
    の希土類ボンド磁石用組成物を製造し、この希土類ボン
    ド磁石用組成物を用いて温間成形により磁石形状に成形
    することを特徴とする希土類ボンド磁石の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記温間成形は、前記結合樹脂の軟化
    温度以上の温度で行う請求項19に記載の希土類ボンド
    磁石の製造方法。
  21. 【請求項21】 前記温間成形は、成形圧が50kgf/mm
    2 以下の圧縮成形である請求項19または20に記載の
    希土類ボンド磁石の製造方法。
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