JP2002319518A - ボンド磁石の製造方法およびボンド磁石 - Google Patents

ボンド磁石の製造方法およびボンド磁石

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JP2002319518A JP2001124569A JP2001124569A JP2002319518A JP 2002319518 A JP2002319518 A JP 2002319518A JP 2001124569 A JP2001124569 A JP 2001124569A JP 2001124569 A JP2001124569 A JP 2001124569A JP 2002319518 A JP2002319518 A JP 2002319518A
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洋 加藤
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聖 新井
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    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F41/00Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties
    • H01F41/02Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets
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Abstract

(57)【要約】 【課題】機械的強度が大きく、磁気特性に優れた磁石を
提供することができるボンド磁石の製造方法およびボン
ド磁石を提供すること。 【解決手段】本発明のボンド磁石は、圧縮成形により成
形されたものであって、円筒または円柱の全部または一
部を構成する形状を有する。前記円筒または前記円柱の
中心軸に略平行な断面における磁粉1個あたりの面積を
各磁石粉末について集計した分布A、前記円筒または前
記円柱の中心軸に略垂直な断面における磁粉1個あたり
の面積を各磁石粉末について集計した分布Bとし、前記
分布A、分布Bの中心値を、それぞれAve(A)[μ
2]、Ave(B)[μm2]、前記分布A、分布Bの標準偏
差を、それぞれΣa[μm2]、Σb[μm2]としたと
き、本発明のボンド磁石は、下記式(I)を満足する。 0.10≦|Ave(A)-Ave(B)|/|Σa-Σb|≦5.0 ・・・(I)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボンド磁石の製造
方法およびボンド磁石に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ボンド磁石は、磁石粉末と結合樹脂(有
機バインダー)との混合物(コンパウンド)を所望の磁
石形状に加圧成形して製造されるものである。その成形
方法には、圧縮成形法、射出成形法および押出成形法が
利用されている。
【0003】圧縮成形法は、前記コンパウンドをプレス
金型中に充填し、これを圧縮成形して成形体を得、その
後、結合樹脂が熱硬化性樹脂である場合にはそれを硬化
させて磁石とする方法である。この方法は、他の方法に
比べ、結合樹脂の量が少なくても成形が可能であるた
め、得られるボンド磁石中の樹脂量が少なくなり、磁気
特性の向上にとって有利である。
【0004】押出成形法は、加熱溶融された前記コンパ
ウンドを押出成形機の金型から押し出すとともに冷却固
化し、所望の長さに切断して、磁石とする方法である。
この方法では、磁石の形状に対する自由度が大きく、薄
肉、長尺の磁石をも容易に製造できるという利点がある
が、成形時における溶融物の流動性を確保するために、
結合樹脂の添加量を圧縮成形法のそれに比べて多くする
必要があり、従って、得られた磁石中の樹脂量が多く、
磁気特性が低下する傾向があるという欠点がある。
【0005】射出成形法は、前記コンパウンドを加熱溶
融し、十分な流動性を持たせた状態で該溶融物を金型内
に注入し、所定の磁石形状に成形する方法である。この
方法では、磁石の形状に対する自由度は、押出成形法に
比べさらに大きく、特に、異形状の磁石をも容易に製造
できるという利点がある。しかし、成形時における溶融
物の流動性は、前記押出成形法より高いレベルが要求さ
れるので、結合樹脂の添加量は、押出成形法のそれに比
べてさらに多くする必要があり、従って、得られた磁石
中の樹脂量が多く、磁気特性が低下する傾向があるとい
う欠点がある。
【0006】以上のような各製造方法のうち圧縮成形
は、他の製造方法に比べ、高い磁気性能のボンド磁石を
得ることができるものの、次のような課題を有してい
た。
【0007】すなわち、前記従来の製造方法により得ら
れるボンド磁石は、空孔率が高く、そのため機械的強度
が弱く、耐食性に劣ったものとなる。また、ボンド磁石
中の樹脂量を少なくしても、用いる磁石粉末の磁気特性
が十分に高いものでないと、満足な磁気特性が得られな
い場合があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、機械
的強度が大きく、磁気特性に優れた磁石を提供すること
ができるボンド磁石の製造方法およびボンド磁石を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(22)の本発明により達成される。
【0010】(1) 円筒または円柱の全部または一部
を構成する形状のボンド磁石を製造する方法であって、
磁石粉末と結合樹脂とを含むボンド磁石用組成物を圧縮
成形する工程を有し、得られた前記ボンド磁石の、前記
円筒または前記円柱の中心軸に略平行な断面を断面A、
得られた前記ボンド磁石の、前記円筒または前記円柱の
中心軸に略垂直な断面を断面B、前記断面Aの単位面積
における前記磁石粉末1個あたりの面積を各磁石粉末に
ついて集計した分布を分布A、前記断面Bの単位面積に
おける前記磁石粉末1個あたりの面積を各磁石粉末につ
いて集計した分布を分布B、前記分布Aの中心値をAve
(A)[μm2]、前記分布Bの中心値をAve(B)[μ
2]、前記分布Aの標準偏差をΣa[μm2]、前記分
布Bの標準偏差をΣb[μm2]としたとき、下記式
(I)を満足するようにボンド磁石を製造することを特
徴とするボンド磁石の製造方法。 0.10≦|Ave(A)-Ave(B)|/|Σa-Σb|≦5.0 ・・・(I)
【0011】(2) 前記圧縮成形時における圧縮方向
が、前記中心軸の方向と実質的に同じである上記(1)
に記載のボンド磁石の製造方法。
【0012】(3) 前記ボンド磁石用組成物は、前記
磁石粉末と前記結合樹脂とを含む材料を混練して得られ
たものである上記(1)または(2)に記載のボンド磁
石の製造方法。
【0013】(4) 前記ボンド磁石用組成物は、前記
磁石粉末と前記結合樹脂とを含む材料を混練して得られ
た混練物を、造粒または整粒して得られた粒状体である
上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のボンド磁石
の製造方法。
【0014】(5) 前記粒状体の平均粒径が0.5〜
8mmである上記(4)に記載のボンド磁石の製造方
法。
【0015】(6) 前記材料の混練は、前記結合樹脂
の融点以上の温度Tkで行うものである上記(3)ない
し(5)のいずれかに記載のボンド磁石の製造方法。
【0016】(7) 前記結合樹脂の融点をTm℃とし
たとき、前記温度Tkは、Tm〜(Tm+100)[℃]
である上記(6)に記載のボンド磁石の製造方法。
【0017】(8) 前記材料の混練は、0.1〜12
0分間行うものである上記(3)ないし(7)のいずれ
かに記載のボンド磁石の製造方法。
【0018】(9) 前記結合樹脂の融点をTm℃とし
たとき、前記圧縮成形時における前記ボンド磁石用組成
物の温度は、Tm〜(Tm+100)[℃]である上記
(1)ないし(8)のいずれかに記載のボンド磁石の製
造方法。
【0019】(10) 前記圧縮成形時における成形圧
力は、100〜2000MPaである上記(1)ないし
(9)のいずれかに記載のボンド磁石の製造方法。
【0020】(11) 前記ボンド磁石における空孔率
は、5.0vol%以下である上記(1)ないし(1
0)のいずれかに記載のボンド磁石の製造方法。
【0021】(12) 前記ボンド磁石における前記磁
石粉末の含有量は、85.0〜99.5wt%である上
記(1)ないし(11)のいずれかに記載のボンド磁石
の製造方法。
【0022】(13) 前記磁石粉末は、希土類元素と
遷移金属とを含む合金組成を有するものである上記
(1)ないし(12)のいずれかに記載のボンド磁石の
製造方法。
【0023】(14) 前記磁石粉末は、急冷法により
製造されたものである上記(1)ないし(13)のいず
れかに記載のボンド磁石の製造方法。
【0024】(15) 前記磁石粉末の平均粒径が1〜
200μmである上記(1)ないし(14)のいずれか
に記載のボンド磁石の製造方法。
【0025】(16) 前記磁石粉末は、その製造過程
または製造後少なくとも1回熱処理が施されたものであ
る上記(1)ないし(15)のいずれかに記載のボンド
磁石の製造方法。
【0026】(17) 上記(1)ないし(16)のい
ずれかに記載の方法により製造されたことを特徴とする
ボンド磁石。
【0027】(18) 円筒状のボンド磁石であって、
前記円筒の径方向の厚さをw[mm]、前記円筒の直径
をd[mm]としたとき、0.001<w/d<0.5
の関係を満足する上記(17)に記載のボンド磁石。
【0028】(19) 密度が3.0〜8.0Mg/m
3である上記(17)または(18)に記載のボンド磁
石。
【0029】(20) 室温での固有保磁力HcJが32
0〜1200kA/mである上記(17)ないし(1
9)のいずれかに記載のボンド磁石。
【0030】(21) 最大磁気エネルギー積(BH)
maxが40kJ/m3以上である上記(17)ないし(2
0)のいずれかに記載のボンド磁石。
【0031】(22) 円筒状のボンド磁石であって、
JIS Z 2507に準じて測定される圧環強度が2
0〜80MPaである上記(17)ないし(21)のい
ずれかに記載のボンド磁石。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明のボンド磁石の製造
方法およびボンド磁石の実施の形態について、詳細に説
明する。
【0033】本発明のボンド磁石は、磁石粉末と結合樹
脂とを含むボンド磁石用組成物を用いて製造されたもの
である。
【0034】まず、磁石粉末について説明する。 [磁石粉末の合金組成]本発明における磁石粉末として
は、優れた磁気特性を有するものが好ましく、このよう
なものとしては、例えば、R(ただし、Rは、Yを含む
希土類元素のうちの少なくとも1種)とTM(ただし、
TMは、遷移金属のうちの少なくとも1種)とを含む合
金等が挙げられ、次の[1]〜[5]の組成のものが好
ましい。
【0035】[1] Smを主とする希土類元素と、C
oを主とする遷移金属とを基本成分とするもの(以下、
Sm−Co系合金と言う)。
【0036】[2] R(ただし、Rは、Yを含む希土
類元素のうちの少なくとも1種)と、Feを主とする遷
移金属(TM)と、Bとを基本成分とするもの(以下、
R−TM−B系合金と言う)。
【0037】[3] Smを主とする希土類元素と、F
eを主とする遷移金属と、Nを主とする格子間元素とを
基本成分とするもの(以下、Sm−Fe−N系合金と言
う)。
【0038】[4] R(ただし、Rは、Yを含む希土
類元素のうち少なくとも1種)とFe等の遷移金属とを
基本成分とし、ソフト磁性相とハード磁性相とが相隣接
して(粒界相を介して隣接する場合も含む)存在する複
合組織(特に、ナノコンポジット組織と呼ばれるものが
ある)を有するもの。
【0039】[5] 前記[1]〜[4]の組成のもの
のうち、少なくとも2種を混合したもの。この場合、混
合する各磁石粉末の利点を併有することができ、より優
れた磁気特性を容易に得ることができる。
【0040】Sm−Co系合金の代表的なものとして
は、SmCo5、Sm2TM17(ただしTMは、遷移金
属)が挙げられる。
【0041】R−Fe−B系合金の代表的なものとして
は、Nd−Fe−B系合金、Pr−Fe−B系合金、N
d−Pr−Fe−B系合金、Nd−Dy−Fe−B系合
金、Ce−Nd−Fe−B系合金、Ce−Pr−Nd−
Fe−B系合金、これらにおけるFeの一部をCo、N
i等の他の遷移金属で置換したもの等が挙げられる。
【0042】Sm−Fe−N系合金の代表的なものとし
ては、Sm2Fe17合金を窒化して作製したSm2Fe17
3、TbCu7型相を主相とするSm−Zr−Fe−C
o−N系合金が挙げられる。ただし、これらSm−Fe
−N系合金の場合、Nは、急冷薄帯を作製した後、得ら
れた急冷薄帯に適切な熱処理を施し、窒化することによ
り格子間原子として導入されるのが一般的である。
【0043】前記希土類元素としては、Y、La、C
e、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、D
y、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、ミッシュメタルが
挙げられ、これらを1種または2種以上含むことができ
る。また、前記遷移金属としては、Fe、Co、Ni等
が挙げられ、これらを1種または2種以上含むことがで
きる。
【0044】また、保磁力、最大磁気エネルギー積等の
磁気特性を向上させるため、あるいは、耐熱性、耐食性
を向上させるために、磁石材料中には、必要に応じ、A
l、Cu、Ga、Si、Ti、V、Ta、Zr、Nb、
Mo、Hf、Ag、Zn、P、Ge、Cr、W等を含有
することもできる。
【0045】[磁石粉末の製造]次に、磁石粉末の製造
方法について説明する。
【0046】磁石粉末は、いかなる方法で製造されたも
のであってもよいが、溶湯合金を急冷すること(急冷
法)により製造されたものであるのが好ましく、特に、
合金の溶湯を急冷、固化して得られた急冷薄帯(リボ
ン)を粉砕した製造されたものであるのが好ましい。以
下、その方法の一例について説明する。
【0047】図1は、単ロールを用いた急冷法により薄
帯状磁石材料を製造する装置(急冷薄帯製造装置)の構
成例を示す斜視図、図2は、図1に示す装置における溶
湯の冷却ロールへの衝突部位付近の状態を示す断面側面
図である。
【0048】図1に示すように、急冷薄帯製造装置1
は、磁石材料を収納し得る筒体2と、該筒体2に対し図
中矢印9A方向に回転する冷却ロール5とを備えてい
る。筒体2の下端には、磁石材料(合金)の溶湯を射出
するノズル(オリフィス)3が形成されている。
【0049】また、筒体2のノズル3近傍の外周には、
加熱用のコイル4が配置され、このコイル4に例えば高
周波を印加することにより、筒体2内を加熱(誘導加
熱)し、筒体2内の磁石材料を溶融状態にする。
【0050】上述したような構成の急冷薄帯製造装置1
は、チャンバー(図示せず)内に設置され、該チャンバ
ー内に、好ましくは不活性ガスやその他の雰囲気ガスが
充填された状態で作動する。特に、急冷薄帯8の酸化を
防止するために、雰囲気ガスは、例えばアルゴンガス、
ヘリウムガス等の不活性ガスであるのが好ましい。ま
た、雰囲気ガスとしては、窒素ガスを用いることもでき
る。これにより、得られる急冷薄帯8にN原子を導入す
ることができる。
【0051】急冷薄帯製造装置1では、筒体2内に磁石
材料(合金)を入れ、コイル4により加熱して溶融し、
その溶湯6をノズル3から吐出すると、図2に示すよう
に、溶湯6は、冷却ロール5の周面53に衝突し、パド
ル(湯溜り)7を形成した後、回転する冷却ロール5の
周面53に引きずられつつ急速に冷却されて凝固し、急
冷薄帯8が連続的または断続的に形成される。このよう
にして形成された急冷薄帯8は、やがて、そのロール面
81が周面53から離れ、図1中の矢印9B方向に進行
する。なお、図2中、溶湯の凝固界面71を点線で示
す。
【0052】冷却ロール5の周速度は、合金溶湯の組
成、周面53の溶湯6に対する濡れ性等によりその好適
な範囲が異なるが、磁気特性向上のために、通常、5〜
100m/秒であるのが好ましく、10〜80m/秒で
あるのがより好ましい。
【0053】冷却ロール5の周速度が遅すぎると、急冷
薄帯8の体積流量(単位時間当たりに吐出される溶湯の
体積)によっては、急冷薄帯8の厚さtが厚くなり、結
晶粒径が増大する傾向を示し、逆に冷却ロール5の周速
度が速すぎると、大部分が非晶質組織となり、いずれの
場合にも、その後に熱処理を加えたとしても磁気特性の
向上が望めなくなる。
【0054】以上のようにして得られた急冷薄帯8の平
均厚さtは、1〜100μmであるのが好ましく、10
〜50μmであるのがより好ましい。
【0055】平均厚さtが下限値未満であると、非晶質
組織が占める割合が大きくなり、その後に、後述する熱
処理を施したとしても磁気特性が十分に向上しない場合
がある。また、単位時間当たりの生産性も低下する。一
方、平均厚さtが上限値を超えると、フリー面82側の
結晶粒径が粗大化する傾向を示し、ロール面81付近と
フリー面82付近とでの組織差が大きくなる。そのた
め、十分な磁気特性が得られない場合がある。
【0056】なお、得られた急冷薄帯8に対しては、例
えば、非晶質組織の再結晶化の促進、組織の均質化のた
めに、熱処理を施すこともできる。この熱処理の条件と
しては、例えば、400〜900℃で、0.5〜300
分程度とすることができる。
【0057】また、この熱処理は、酸化を防止するため
に、真空または減圧状態下(例えば1×10-1〜1×1
-6 Torr )、あるいは窒素ガス、アルゴンガス、ヘリ
ウムガス等の不活性ガス中のような、非酸化性雰囲気中
で行うのが好ましい。
【0058】以上のような製造方法により得られた急冷
薄帯(薄帯状磁石材料)8は、微細結晶組織、もしくは
微細結晶がアモルファス組織中に含まれるような組織と
なり、優れた磁気特性が得られる。そして、この急冷薄
帯8を粉砕することにより、磁石粉末が得られる。
【0059】粉砕の方法は、特に限定されず、例えばボ
ールミル、振動ミル、ジェットミル、ピンミル等の各種
粉砕装置、破砕装置を用いて行うことができる。この場
合、粉砕は、酸化を防止するために、真空または減圧状
態下(例えば1×10-1〜1×10-6 Torr )、あるい
は窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス等の不活性ガ
ス中のような、非酸化性雰囲気中で行うこともできる。
【0060】磁石粉末の平均粒径は、特に限定されない
が、後述する等方性ボンド磁石を製造するためのものの
場合、磁石粉末の酸化防止と、粉砕による磁気特性劣化
の防止とを考慮して、1〜200μm程度が好ましく、
5〜100μm程度がより好ましく、10〜50μm程
度がさらに好ましい。
【0061】また、ボンド磁石の成形時のより良好な成
形性を得るために、磁石粉末の粒径分布は、ある程度分
散されている(バラツキがある)のが好ましい。これに
より、得られたボンド磁石の空孔率を低減することがで
き、その結果、ボンド磁石中の磁石粉末の含有量を同じ
としたときに、ボンド磁石の密度や機械的強度をより高
めることができ、磁気特性をさらに向上することができ
る。
【0062】なお、得られた磁石粉末に対しては、例え
ば、粉砕により導入されたひずみの影響の除去、結晶粒
径の制御を目的として、熱処理を施すこともできる。こ
の熱処理の条件としては、例えば、350〜850℃
で、0.5〜300分程度とすることができる。
【0063】また、この熱処理は、酸化を防止するため
に、真空または減圧状態下(例えば1×10-1〜1×1
-6 Torr )、あるいは窒素ガス、アルゴンガス、ヘリ
ウムガス等の不活性ガス中のような、非酸化性雰囲気中
で行うのが好ましい。
【0064】また、合金組成中にNが含まれる場合、N
の導入は、例えば、窒化処理によって行われる。
【0065】この窒化処理は、例えば、窒素ガス、アン
モニアガス等のN原子を含むガスを雰囲気ガスとして用
いて、熱処理を施すことにより行うことができる。雰囲
気ガスとして、窒素ガスを用いた場合、窒化処理は、例
えば、350〜650℃、0.1〜200時間程度の条
件で熱処理を施すことにより行うことができる。また、
この熱処理(窒化処理)は、前述の結晶粒径の制御等の
目的を兼ねて行われるものであってもよい。
【0066】なお、この窒化処理は、急冷薄帯の粉砕後
に行われるものであっても、粉砕前に行われるものであ
ってもよい。
【0067】また、Nの導入は、このような熱処理(窒
化処理)によるものに限定されない。例えば、RN等の
窒素化合物を原料として用い、固相反応によりNの導入
を行ってもよい。
【0068】なお、以上では、急冷法として、単ロール
法を例に説明したが、双ロール法を採用してもよい。ま
た、その他、例えばガスアトマイズのようなアトマイズ
法、回転ディスク法、メカニカル・アロイング(MA)
法等により製造してもよい。このような急冷法は、金属
組織(結晶粒)を微細化することができるので、ボンド
磁石の磁石特性、特に保磁力等を向上させるのに有効で
ある。
【0069】以上のような磁石粉末は、平均結晶粒径が
500nm以下であるのが好ましく、200nm以下で
あるのがより好ましく、10〜120nm程度がさらに
好ましい。平均結晶粒径が500nmを超えると、磁気
特性、特に保磁力および角型性の向上が十分に図れない
場合がある。
【0070】[ボンド磁石用組成物]次に、前述したよ
うな磁石粉末を用いて、ボンド磁石用組成物を作製す
る。
【0071】ボンド磁石用組成物は、少なくとも、磁石
粉末と結合樹脂とを含むものである。
【0072】結合樹脂(バインダー)としては、熱可塑
性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれでもよい。
【0073】熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミ
ド(例:ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナ
イロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロ
ン12、ナイロン6−12、ナイロン6−66)、熱可
塑性ポリイミド、芳香族ポリエステル等の液晶ポリマ
ー、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンサルファ
イド、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸
ビニル共重合体等のポリオレフィン、変性ポリオレフィ
ン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルエー
テルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアセタール等、
またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマ
ーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種
以上を混合して用いることができる。
【0074】これらのうちでも、成形性が特に優れてお
り、機械的強度が高いことから、ポリアミド、耐熱性向
上の点から、液晶ポリマー、ポリフェニレンサルファイ
ドを主とするものが好ましい。また、これらの熱可塑性
樹脂を用いることにより、磁石粉末と結合樹脂とが均一
に分散したボンド磁石を容易に得ることができる。すな
わち、各部位での磁石粉末含有量のバラツキが小さいボ
ンド磁石を容易に得ることができる。その結果、得られ
るボンド磁石は、安定した磁気特性、機械的強度、耐食
性等を有するものとなる。
【0075】このような熱可塑性樹脂は、その種類、共
重合化等により、例えば成形性を重視したものや、耐熱
性、機械的強度を重視したものというように、広範囲の
選択が可能となるという利点がある。
【0076】一方、熱硬化性樹脂としては、例えば、ビ
スフェノール型、ノボラック型、ナフタレン系等の各種
エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン
樹脂、ポリエステル(不飽和ポリエステル)樹脂、ポリ
イミド樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙
げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して
用いることができる。
【0077】これらのうちでも、成形性が特に優れてお
り、機械的強度が高く、耐熱性に優れるという点から、
エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、シリ
コーン樹脂が好ましく、エポキシ樹脂が特に好ましい。
また、これらの熱硬化性樹脂を用いることにより、磁石
粉末と結合樹脂とが均一に分散したボンド磁石を容易に
得ることができる。すなわち、各部位での磁石粉末含有
量のバラツキが小さいボンド磁石を容易に得ることがで
きる。その結果、得られるボンド磁石は、安定した磁気
特性、機械的強度、耐食性等を有するものとなる。
【0078】なお、使用される熱硬化性樹脂(未硬化)
は、室温で液状のものでも、固形(粉末状)のものでも
よい。
【0079】また、結合樹脂として、熱硬化性樹脂を含
むものを用いた場合、通常、成形後(圧縮成形後)に、
加熱等によりそれを硬化する。
【0080】ボンド磁石用組成物は、磁石粉末と結合樹
脂とを含むものであれば特に限定されないが、磁石粉末
と結合樹脂とを含む材料を混練して得られたものである
のが好ましい。これにより、ボンド磁石用組成物中にお
ける磁石粉末と結合樹脂との均一性がさらに向上する。
その結果、安定した磁気特性、機械的強度、耐食性等を
有するボンド磁石を容易に得ることが可能となる。
【0081】混練は、例えば、ロール式混練機、ニーダ
ー、二軸押出混練機等の混練機等を用いて行うことがで
きる。
【0082】この混練は、常温下で行ってもよいが、用
いられる結合樹脂の融点以上の温度Tk[℃]で行うの
が好ましい。特に、結合樹脂の融点をTm[℃]とした
とき、混練温度Tk[℃]は、Tm〜(Tm+100)
[℃]であるのが好ましく、(Tm+10)〜(Tm+5
0)[℃]であるのがより好ましい。なお、結合樹脂が
熱硬化性樹脂である場合、混練は、結合樹脂の融点以上
の温度で、かつ結合樹脂が硬化に至らない条件で行うの
が好ましい。
【0083】このような温度で混練を行うことにより、
混練の効率が向上し、常温で混練する場合に比べて、よ
り短時間で均一に混練することが可能となるとともに、
結合樹脂の粘度が下がった状態で混練されるので、磁石
粉末の周囲を結合樹脂が覆うような状態となり、ボンド
磁石中の空孔率の低減に寄与する。その結果、得られる
ボンド磁石は、特に磁気特性、機械的強度、耐食性等に
優れたものとなる。
【0084】また、混練は、例えば、0.1〜120分
間行うものであるのが好ましく、1〜60分間行うもの
であるのがより好ましい。
【0085】混練時間が前記下限値未満であると、前述
したような混練による効果が十分得られない場合があ
る。一方、混練時間が前記上限値を超えると、混練時に
おける磁石粉末の劣化や、バインダーの分解等を生じ易
くなる。また、バインダーが熱硬化性樹脂を含むもので
ある場合、混練中に熱硬化性樹脂の硬化反応が進行し、
後述するボンド磁石の製造が不能になることがある。
【0086】また、ボンド磁石用組成物は、前述したよ
うな混練により得られた混練物を、造粒または整粒して
得られた粒状体であるのが好ましい。
【0087】造粒または整粒の方法は、特に限定されな
いが、粉砕により行うのが好ましい。この粉砕は、例え
ば、ボールミル、振動ミル、破砕機、ジェットミル、ピ
ンミル等を用いて行うことができる。また、造粒、整粒
は、例えば、押出式造粒機のような造粒機を用いて行う
こともでき、さらには、造粒機による造粒と、前記粉砕
とを組み合わせて行うこともできる。
【0088】また、粒状体の粒径の調整は、例えば、篩
い等を用いて分級すること等により行うことができる。
【0089】これにより、後述する圧縮成形時に、成形
金型へのボンド磁石用組成物の充填作業をより簡単に行
うことができる。また、得られるボンド磁石の寸法のバ
ラツキが抑制され、寸法安定性が向上する。
【0090】また、このような粒状体は、その平均粒径
が0.5〜8mmであるのが好ましく、1〜6mmであ
るのがより好ましい。
【0091】粒状体の平均粒径が前記下限値未満である
と、得られるボンド磁石の空孔率が上昇する傾向を示
す。一方、粒状体の平均粒径が前記上限値を超えると、
粒状体の成形金型への充填作業がし難くなり、得られる
ボンド磁石の寸法精度が低下する可能性がある。
【0092】なお、ボンド磁石用組成物中には、必要に
応じて、磁石粉末、結合樹脂以外の成分(例えば、酸化
防止剤、可塑剤、潤滑剤、成形助剤等の各種添加物)が
含まれていてもよい。
【0093】[ボンド磁石およびその製造]前述したよ
うなボンド磁石用組成物を圧縮成形(加圧成形)するこ
とにより、本発明のボンド磁石が得られる。
【0094】圧縮成形により得られるボンド磁石は、円
柱または円筒の全部または一部を構成する形状を有して
いる。円柱または円筒の一部を構成する形状としては、
例えば、円弧状、湾曲板状等が挙げられる。
【0095】圧縮成形は、通常、圧縮成形機の金型内
(ギャップ)に、前述したようなボンド磁石用組成物を
充填し、磁場中(配向磁場が、例えば5〜20kOe、
配向方向は、縦、横、ラジアル方向のいずれでも可)ま
たは無磁場中で圧縮することにより行う。
【0096】圧縮成形に用いる圧縮成形機としては、例
えば、単動式、複動式、多段プレスのもの等が挙げられ
る。
【0097】圧縮成形時における成形圧力は、例えば、
100〜2000MPaであるのが好ましく、500〜
1500MPaであるのがより好ましい。
【0098】成形圧力が前記下限値未満であると、得ら
れるボンド磁石中の空孔率が高くなる傾向を示し、十分
な磁気特性、機械的強度、耐食性が得られない可能性が
ある。一方、成形圧力が前記上限値を超えると、成形中
に磁石粉末の粉砕が顕著なものとなる場合がある。その
結果、磁石粉末の磁気特性が低下し、十分な磁気特性の
ボンド磁石が得られない可能性がある。
【0099】圧縮成形時における圧縮方向(加圧方向)
は、前記円筒または前記円柱の中心軸の方向と実質的に
同じであるのが好ましい。これにより、後述する式
(I)の関係を満足するボンド磁石を容易に製造するこ
とが可能となる。また、圧縮成形時における圧縮方向
(加圧方向)が前記円筒または前記円柱の中心軸の方向
と実質的に同じであると、ボンド磁石用組成物に加えら
れる圧力は、各部位でのバラツキが小さいものとなる。
その結果、得られるボンド磁石は、各部位での密度のバ
ラツキが小さく、磁気特性のバラツキが小さいものとな
る。
【0100】また、結合樹脂の融点をTm[℃]とした
とき、圧縮成形時におけるボンド磁石用組成物の温度
は、Tm〜(Tm+100)[℃]であるのが好ましく、
(Tm+10)〜(Tm+50)[℃]であるのがより好
ましい。
【0101】このような温度で圧縮成形を行うことによ
り、得られるボンド磁石中の空孔率を十分低くすること
ができる。その結果、得られるボンド磁石は、磁気特
性、機械的強度、耐食性等が特に優れたものとなる。
【0102】圧縮成形時におけるボンド磁石用組成物の
温度が前記下限値未満であると、ボンド磁石への成形性
が低下する。また、得られるボンド磁石中における磁石
粉末と結合樹脂との均一性が低下し、結果として、安定
した磁気特性、機械的強度、耐食性等を有するボンド磁
石を製造するのが困難となる場合がある。一方、圧縮成
形時におけるボンド磁石用組成物の温度が前記上限値を
超えると、酸化等による磁石粉末の劣化が激しくなり、
磁石粉末の磁気特性が低下する可能性がある。その結
果、十分な磁気特性を有するボンド磁石が得られない可
能性がある。
【0103】本発明は、以上のようにして得られるボン
ド磁石が以下の関係を満足することに特徴を有する。
【0104】すなわち、本発明のボンド磁石は、前記円
筒または前記円柱の中心軸に略平行な断面を断面A、前
記円筒または前記円柱の中心軸に略垂直な断面を断面
B、断面Aの単位面積における前記磁石粉末1個あたり
の面積を各磁石粉末について集計した分布を分布A、断
面Bの単位面積における前記磁石粉末1個あたりの面積
を各磁石粉末について集計した分布を分布B、分布Aの
中心値をAve(A)[μm2]、分布Bの中心値をAve(B)
[μm2]、分布Aの標準偏差をΣa[μm2]、分布B
の標準偏差をΣb[μm2]としたとき、下記式(I)を
満足する。
【0105】 0.10≦|Ave(A)-Ave(B)|/|Σa-Σb|≦5.0 ・・・(I)
【0106】前記式(I)を満足するような条件で、ボ
ンド磁石を製造することにより、機械的強度が大きく、
磁気特性に優れた磁石を提供することが可能となる。
【0107】|Ave(A)-Ave(B)|/|Σa-Σb|の値が0.1
0未満であると、酸化等による磁石粉末の劣化が激しく
なり、磁石粉末の磁気特性、耐熱性が低下する。その結
果、ボンド磁石として、十分な磁気特性、耐熱性が得ら
れない。一方、|Ave(A)-Ave(B)|/|Σa-Σb|の値が5.
0を超えると、ボンド磁石中における磁石粉末の含有量
を十分に高いものとすることが困難となり、十分な磁気
特性が得られない。
【0108】また、式(I)に代わり、式(II)を満足
するのが好ましく、式(III)を満足するのがより好ま
しい。これにより、前述した効果はさらに顕著なものと
なる。
【0109】 0.2≦|Ave(A)-Ave(B)|/|Σa-Σb|≦3.5・・・(II) 1.0≦|Ave(A)-Ave(B)|/|Σa-Σb|≦3.0・・・(III)
【0110】ボンド磁石中の磁石粉末の含有量(含有
率)は、特に限定されず、通常は、成形性と高磁気特性
との両立を考慮して決定される。具体的には、85〜9
9.5wt%程度であるのが好ましく、90〜99wt
%程度であるのがより好ましい。
【0111】ボンド磁石中の磁石粉末の含有量(含有
率)が前記下限値未満であると、用途によっては、満足
な磁気特性が得られない可能性がある。一方、ボンド磁
石中の磁石粉末の含有量(含有率)が前記上限値を超え
ると、用途によっては、満足な機械的強度が得られない
可能性がある。
【0112】ボンド磁石の密度ρは、それに含まれる磁
石粉末の比重、磁石粉末の含有量、空孔率等の要因によ
り決定される。本発明のボンド磁石において、その密度
ρは特に限定されないが、3.0〜8.0Mg/m3
度であるのが好ましく、5.0〜7.0Mg/m3程度
であるのがより好ましい。
【0113】ボンド磁石中の空孔率は、5.0vol%
以下であるのが好ましく、3.5vol%以下であるの
がより好ましい。
【0114】ボンド磁石中の空孔率が5.0vol%を
超えると、用途によっては、満足な磁気特性、機械的強
度が得られない可能性がある。
【0115】本発明のボンド磁石は、保磁力(室温での
固有保磁力)HcJが320〜1200kA/mであるの
が好ましく、400〜800kA/mがより好ましい。
保磁力が前記下限値未満では、逆磁場がかかったときの
減磁が顕著になり、また、高温における耐熱性が劣る。
また、保磁力が前記上限値を超えると、着磁性が低下す
る。従って、保磁力HcJを上記範囲とすることにより、
ボンド磁石(特に、円筒状磁石)に多極着磁等をするよ
うな場合に、十分な着磁磁場が得られないときでも、良
好な着磁が可能となり、十分な磁束密度が得られ、高性
能なボンド磁石を提供することができる。
【0116】本発明のボンド磁石は、最大磁気エネルギ
ー積(BH)maxが40kJ/m3以上であるのが好まし
く、50kJ/m3以上であるのがより好ましく、70
〜120kJ/m3であるのがさらに好ましい。最大磁
気エネルギー積(BH)maxが40kJ/m3未満である
と、モータ用に用いた場合、その種類、構造によって
は、十分なトルクが得られない。
【0117】本発明のボンド磁石は、優れた機械的強度
を有するものであるのが好ましい。ボンド磁石の形状が
円筒状である場合、例えば、JIS Z 2507に準
じて測定される圧環強度は、20〜80MPaであるの
が好ましく、30〜60MPaであるのがより好まし
い。これにより、ボンド磁石を、優れた機械的強度が求
められるモータ等に用いることができる。
【0118】ボンド磁石の形状が円筒状である場合、前
記円筒の径方向の厚さw[mm]と、前記円筒の直径d
[mm]との間で、0.001<w/d<0.5の関係
が成立するのが好ましく、0.01<w/d<0.1の
関係が成立するのがより好ましい。
【0119】前述したように本発明のボンド磁石は、円
柱または円筒の全部または一部を構成する形状を有して
いるが、その大きさは、大型のものから超小型のものま
でいかなるものであってもよい。特に、小型化、超小型
化された磁石に有利であることは、本明細書中で度々述
べている通りである。
【0120】
【実施例】次に、本発明の具体的実施例について説明す
る。
【0121】(実施例1)以下に示すようにして、サン
プルNo.1A、No.1B、No.1C、No.1
D、No.1E、No.1F、No.1Gの7種類のボ
ンド磁石を製造した。
【0122】<サンプルNo.1Aのボンド磁石の製造
>まず、図1、図2に示すような構成の急冷薄帯製造装
置を用意した。
【0123】このような急冷薄帯製造装置を用いて、以
下に述べるような方法で合金組成がNd12Fe77Co5
6で表される磁石粉末を製造した。
【0124】まず、Nd、Fe、Co、Bの各原料を秤
量して母合金インゴットを鋳造した。
【0125】急冷薄帯製造装置が収納されているチャン
バー内を脱気した後、不活性ガス(ヘリウムガス)を導
入し、所望の温度および圧力の雰囲気とした。
【0126】その後、母合金インゴットを溶解して溶湯
とし、さらに、冷却ロールの周速度を28m/秒とし
た。雰囲気ガスの圧力を60kPa、溶湯の噴射圧を4
0kPaとしたうえで、溶湯を冷却ロールの周面に向け
て噴射し、急冷薄帯を連続的に作製した。得られた急冷
薄帯の厚さは、約30μmであった。
【0127】このようにして得られた急冷薄帯を粉砕し
た後、アルゴンガス雰囲気中675℃×300秒の熱処
理を施すことにより、磁石粉末を得た。このようにして
得られた磁石粉末の平均粒径は、約100μmであっ
た。
【0128】得られた磁石粉末について、その相構成を
分析するため、Cu−Kαを用い、回折角(2θ)が2
0°〜60°の範囲において、X線回折試験を行った。
その結果、ハード磁性相であるR2TM14B型相による
ピークが認められた。
【0129】また、磁石粉末について、透過型電子顕微
鏡(TEM)を用いて、構成組織の観察を行った。その
結果、磁石粉末は、主として、ハード磁性相であるR2
TM1 4B型相で構成されるものであることが確認され
た。透過型電子顕微鏡(TEM)による観察結果からR
2TM14B型相の平均結晶粒径を測定した。その結果、
2TM14B型相の平均結晶粒径は、50nmであっ
た。
【0130】このようにして得られた磁石粉末に、エポ
キシ樹脂(融点:80℃)と、少量のヒドラジン系酸化
防止剤とを混合し、これらを100℃×15分間混練
(温間混練)して、混練物を得た。このとき、磁石粉
末、エポキシ樹脂、ヒドラジン系酸化防止剤の配合比率
(重量比率)は、それぞれ97.5wt%、1.3wt
%、1.2wt%とした。なお、磁石粉末とエポキシ樹
脂とヒドラジン系酸化防止剤との混練は、二軸押出混練
機を用いて行った。その後、得られた混練物を粉砕(造
粒、整粒)し、平均粒径3mmのボンド磁石用組成物
(粒状体)を作製した。
【0131】次いで、このボンド磁石用組成物を圧縮成
形することにより、内径20mm×外径23mm×高さ
5mmの円筒状(リング状)のボンド磁石を製造した。
この圧縮成形は、単動式の圧縮成形機(みづほ工業株式
会社製、SAP−1型)を用いて行った。
【0132】また、この圧縮成形は、圧縮方向(加圧方
向)が円筒の中心軸の方向と実質的に同じとなるように
して行った。
【0133】圧縮成形時におけるボンド磁石用組成物の
温度、成形圧力は、それぞれ、100℃、1000MP
aとし、その後、150℃に加熱することにより、エポ
キシ樹脂を硬化させた。
【0134】このようにして得られたボンド磁石の密度
は、アルキメデス法による測定から6.1Mg/m3
求められた。また、磁石粉末と結合樹脂と酸化防止剤と
の配合比、およびボンド磁石の密度から、ボンド磁石中
の空孔率を求めた。その結果を表1に示す。
【0135】<サンプルNo.1B〜No.1Gのボン
ド磁石の製造>ボンド磁石用組成物の作製時における材
料の混練温度・混練時間、粒状体(ボンド磁石用組成
物)の平均粒径、圧縮成形時における成形圧力・ボンド
磁石用組成物の温度を、表1に示したように変更した以
外は、サンプルNo.1Aのボンド磁石と同様にして、
サンプルNo.1B〜No.1Gのボンド磁石を製造し
た。
【0136】得られたサンプルNo.1A〜No.1G
の各ボンド磁石について、前記円柱の中心軸に略平行な
面(断面A)と、前記円柱の中心軸に略垂直な面(断面
B)とが得られるように切断した。これらの断面を#1
000の研磨紙で研磨し、それぞれの断面における磁石
粉末の粒径分布を以下のようにして求めた。
【0137】まず、各断面を光学顕微鏡で観察し、それ
ぞれの断面について、異なる10箇所において観察写真
を撮影した。これらの観察写真について像のコントラス
ト差を利用して磁石粉末を認識し、その面積を画素数に
換算して各磁石粉末の面積を求めた。そして、これらの
各磁石粉末を真円とみなしたときの当該真円の粒径を各
磁石粉末の粒径として、各断面における粒径分布を求め
た。
【0138】表1には、断面A、断面Bにおける磁粉1
個あたりの面積を各磁石粉末について集計した分布をそ
れぞれ分布A、分布Bとしたときの、分布Aの中心値Av
e(A)[μm2]、分布Bの中心値Ave(B)[μm2]、分布
Aの標準偏差Σa[μm2]、分布Bの標準偏差Σb[μ
2]を示した。
【0139】
【表1】
【0140】サンプルNo.1A〜No.1Gの各ボン
ド磁石(切断されていないもの)について、磁場強度
3.2MA/mのパルス着磁を施した後、直流自記磁束
計(東英工業(株)製、TRF−5BH)にて最大印加
磁場2.0MA/mで磁気特性(保磁力HcJ、残留磁束
密度Brおよび最大磁気エネルギー積(BH)max)を
測定した。測定時の温度は、23℃(室温)であった。
【0141】次に、耐熱性(熱的安定性)の試験を行っ
た。この耐熱性は、各ボンド磁石を100℃×1時間の
環境下に保持した後、室温まで戻した際の不可逆減磁率
(初期減磁率)を測定し、評価した。不可逆減磁率(初
期減磁率)の絶対値が小さいほど、耐熱性(熱的安定
性)に優れる。
【0142】さらに、磁気特性の測定および耐熱性の試
験を行った各ボンド磁石について、圧環強度を測定し
た。圧環強度の測定は、JIS Z 2507に準じて
行った。磁気特性の測定、耐熱性の試験、機械的強度の
測定の結果を表2に示す。
【0143】
【表2】
【0144】表2から明らかなように、サンプルNo.
1A〜No.1Eのボンド磁石(いずれも本発明)で
は、磁気特性、耐熱性、機械的強度のいずれもが優れて
いる。
【0145】これに対し、サンプルNo.1F、No.
1Gのボンド磁石(いずれも比較例)では、磁気特性、
耐熱性、機械的強度のいずれもが劣っている。
【0146】(実施例2)以下に示すようにして、サン
プルNo.2A、No.2B、No.2C、No.2
D、No.2E、No.2F、No.2Gの7種類のボ
ンド磁石を製造した。
【0147】<サンプルNo.2Aのボンド磁石の製造
>前記実施例1で製造した磁石粉末に、ポリアミド樹脂
(ナイロン12、融点:178℃)と、少量のヒドラジ
ン系酸化防止剤とを混合し、これらを200℃×15分
間混練(温間混練)して、混練物を得た。このとき、磁
石粉末、ポリアミド樹脂、ヒドラジン系酸化防止剤の配
合比率(重量比率)は、それぞれ97.5wt%、1.
3wt%、1.2wt%とした。なお、磁石粉末とポリ
アミド樹脂とヒドラジン系酸化防止剤との混練は、二軸
押出混練機を用いて行った。その後、得られた混練物を
粉砕(造粒、整粒)し、平均粒径6mmのボンド磁石用
組成物(粒状体)を作製した。
【0148】次いで、このボンド磁石用組成物を圧縮成
形することにより、内径20mm×外径23mm×高さ
5mmの円筒状(リング状)のボンド磁石を製造した。
この圧縮成形は、単動式の圧縮成形機(みづほ工業株式
会社製、SAP−1型)を用いて行った。
【0149】また、この圧縮成形は、圧縮方向(加圧方
向)が円筒の中心軸の方向と実質的に同じとなるように
して行った。
【0150】圧縮成形時における成形圧力、ボンド磁石
用組成物の温度は、それぞれ、800MPa、200℃
とした。
【0151】<サンプルNo.2B〜No.2Gのボン
ド磁石の製造>ボンド磁石用組成物の作製時における材
料の混練温度・混練時間、粒状体(ボンド磁石用組成
物)の平均粒径、圧縮成形時における成形圧力・ボンド
磁石用組成物の温度を、表3に示したように変更した以
外は、サンプルNo.2Aのボンド磁石と同様にして、
サンプルNo.2B〜No.2Gのボンド磁石を製造し
た。
【0152】得られたサンプルNo.2A〜No.2G
の各ボンド磁石について、前記円柱の中心軸に略平行な
面(断面A)と、前記円柱の中心軸に略垂直な面(断面
B)とにおける磁石粉末の粒径分布を前記実施例1と同
様にして求めた。
【0153】表3には、断面A、断面Bにおける磁粉1
個あたりの面積を各磁石粉末について集計した分布をそ
れぞれ分布A、分布Bとしたときの、分布Aの中心値Av
e(A)[μm2]、分布Bの中心値Ave(B)[μm2]、分布
Aの標準偏差Σa[μm2]、分布Bの標準偏差Σb[μ
2]を示した。
【0154】
【表3】
【0155】サンプルNo.2A〜No.2Gの各ボン
ド磁石(切断されていないもの)について、前記実施例
1と同様にして磁気特性の測定、耐熱性の試験、機械的
強度の測定を行った。磁気特性の測定、耐熱性の試験、
機械的強度の測定の結果を表4に示す。
【0156】
【表4】
【0157】表4から明らかなように、サンプルNo.
2A〜No.2Eのボンド磁石(いずれも本発明)で
は、磁気特性、耐熱性、機械的強度のいずれもが優れて
いる。
【0158】これに対し、サンプルNo.2F、No.
2Gのボンド磁石(いずれも比較例)では、磁気特性、
耐熱性、機械的強度のいずれもが劣っている。
【0159】(実施例3)磁石粉末として、MQP15
−7パウダー(Magnequench社製)を使用した以外は、
前記実施例1で製造したサンプルNo.1A、No.1
B、No.1C、No.1D、No.1E、No.1
F、No.1Gの各ボンド磁石と同様にして、それぞ
れ、サンプルNo.3A、No.3B、No.3C、N
o.3D、No.3E、No.3F、No.3Gの各ボ
ンド磁石を製造した。
【0160】得られたサンプルNo.3A〜No.3G
の各ボンド磁石について、前記円柱の中心軸に略平行な
面(断面A)と、前記円柱の中心軸に略垂直な面(断面
B)とにおける磁石粉末の粒径分布を前記実施例1と同
様にして求めた。
【0161】表5には、断面A、断面Bにおける磁粉1
個あたりの面積を各磁石粉末について集計した分布をそ
れぞれ分布A、分布Bとしたときの、分布Aの中心値Av
e(A)[μm2]、分布Bの中心値Ave(B)[μm2]、分布
Aの標準偏差Σa[μm2]、分布Bの標準偏差Σb[μ
2]を示した。
【0162】
【表5】
【0163】サンプルNo.3A〜No.3Gの各ボン
ド磁石(切断されていないもの)について、前記実施例
1と同様にして磁気特性の測定、耐熱性の試験、機械的
強度の測定を行った。磁気特性の測定、耐熱性の試験、
機械的強度の測定の結果を表6に示す。
【0164】
【表6】
【0165】表6から明らかなように、サンプルNo.
3A〜No.3Eのボンド磁石(いずれも本発明)で
は、磁気特性、耐熱性、機械的強度のいずれもが優れて
いる。
【0166】これに対し、サンプルNo.3F、No.
3Gのボンド磁石(いずれも比較例)では、磁気特性、
耐熱性、機械的強度のいずれもが劣っている。
【0167】(実施例4)磁石粉末の合金組成を(Sm
0.7Zr0.3)(Co0.05Fe0.9590.1Nで表される
ものとした以外は、前記実施例2で製造したサンプルN
o.2A、No.2B、No.2C、No.2D、N
o.2E、No.2F、No.2Gの各ボンド磁石と同
様にして、それぞれ、サンプルNo.4A、No.4
B、No.4C、No.4D、No.4E、No.4
F、No.4Gの各ボンド磁石を製造した。
【0168】得られたサンプルNo.4A〜No.4G
の各ボンド磁石について、前記円柱の中心軸に略平行な
面(断面A)と、前記円柱の中心軸に略垂直な面(断面
B)とにおける磁石粉末の粒径分布を前記実施例1と同
様にして求めた。
【0169】表7には、断面A、断面Bにおける磁粉1
個あたりの面積を各磁石粉末について集計した分布をそ
れぞれ分布A、分布Bとしたときの、分布Aの中心値Av
e(A)[μm2]、分布Bの中心値Ave(B)[μm2]、分布
Aの標準偏差Σa[μm2]、分布Bの標準偏差Σb[μ
2]を示した。
【0170】
【表7】
【0171】サンプルNo.4A〜No.4Gの各ボン
ド磁石(切断されていないもの)について、前記実施例
1と同様にして磁気特性の測定、耐熱性の試験、機械的
強度の測定を行った。磁気特性の測定、耐熱性の試験、
機械的強度の測定の結果を表8に示す。
【0172】
【表8】
【0173】表8から明らかなように、サンプルNo.
4A〜No.4Eのボンド磁石(いずれも本発明)で
は、磁気特性、耐熱性、機械的強度のいずれもが優れて
いる。
【0174】これに対し、サンプルNo.4F、No.
4Gのボンド磁石(いずれも比較例)では、磁気特性、
耐熱性、機械的強度のいずれもが劣っている。
【0175】実施例1〜実施例4の結果から、本発明に
よれば、磁石粉末、結合樹脂の種類によらず、磁気特性
および機械的強度に優れたボンド磁石が得られることが
わかる。
【0176】実施例1〜実施例4の結果から、0.10
≦|Ave(A)-Ave(B)|/|Σa-Σb|≦5.0の関係を満足す
るような条件で製造された本発明のボンド磁石は、磁石
粉末、結合樹脂の種類によらず、磁気特性および機械的
強度に優れたボンド磁石が得られることがわかる。
【0177】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、次
のような効果が得られる。
【0178】・結合樹脂量が少ない場合であっても、ボ
ンド磁石中の空孔率を低くすることできるため、高磁気
特性で、かつ機械的強度、耐食性等にも優れたボンド磁
石を得ることができる。
【0179】・高密度化が可能なので、従来の等方性ボ
ンド磁石に比べ、より小さい体積のボンド磁石で同等以
上の磁気特性を発揮することができる。
【0180】・磁石粉末と結合樹脂との密着性が高いの
で、高密度のボンド磁石においても、高い耐食性を有す
る。
【0181】・結合樹脂の含有量を少なくすることが可
能なので、モータ等のさらなる小型化を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】薄帯状磁石材料を製造する装置(急冷薄帯製造
装置)の構成例を示す斜視図である。
【図2】図1に示す装置における溶湯の冷却ロールへの
衝突部位付近の状態を示す断面側面図である。
【符号の説明】
1 急冷薄帯製造装置 2 筒体 3 ノズル 4 コイル 5 冷却ロール 53 周面 6 溶湯 7 パドル 71 凝固界面 8 急冷薄帯 81 ロール面 82 フリー面 9A 矢印 9B 矢印
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K018 AA11 AA27 BA05 BA18 BB04 BC13 BD01 CA02 CA09 KA46 5E062 CC02 CD05 CE04 CG03

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒または円柱の全部または一部を構成
    する形状のボンド磁石を製造する方法であって、 磁石粉末と結合樹脂とを含むボンド磁石用組成物を圧縮
    成形する工程を有し、 得られた前記ボンド磁石の、前記円筒または前記円柱の
    中心軸に略平行な断面を断面A、 得られた前記ボンド磁石の、前記円筒または前記円柱の
    中心軸に略垂直な断面を断面B、 前記断面Aの単位面積における前記磁石粉末1個あたり
    の面積を各磁石粉末について集計した分布を分布A、 前記断面Bの単位面積における前記磁石粉末1個あたり
    の面積を各磁石粉末について集計した分布を分布B、 前記分布Aの中心値をAve(A)[μm2]、 前記分布Bの中心値をAve(B)[μm2]、 前記分布Aの標準偏差をΣa[μm2]、 前記分布Bの標準偏差をΣb[μm2]としたとき、 下記式(I)を満足するようにボンド磁石を製造するこ
    とを特徴とするボンド磁石の製造方法。 0.10≦|Ave(A)-Ave(B)|/|Σa-Σb|≦5.0 ・・・(I)
  2. 【請求項2】 前記圧縮成形時における圧縮方向が、前
    記中心軸の方向と実質的に同じである請求項1に記載の
    ボンド磁石の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ボンド磁石用組成物は、前記磁石粉
    末と前記結合樹脂とを含む材料を混練して得られたもの
    である請求項1または2に記載のボンド磁石の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記ボンド磁石用組成物は、前記磁石粉
    末と前記結合樹脂とを含む材料を混練して得られた混練
    物を、造粒または整粒して得られた粒状体である請求項
    1ないし3のいずれかに記載のボンド磁石の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記粒状体の平均粒径が0.5〜8mm
    である請求項4に記載のボンド磁石の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記材料の混練は、前記結合樹脂の融点
    以上の温度Tkで行うものである請求項3ないし5のい
    ずれかに記載のボンド磁石の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記結合樹脂の融点をTm℃としたと
    き、前記温度Tkは、T m〜(Tm+100)[℃]であ
    る請求項6に記載のボンド磁石の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記材料の混練は、0.1〜120分間
    行うものである請求項3ないし7のいずれかに記載のボ
    ンド磁石の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記結合樹脂の融点をTm℃としたと
    き、前記圧縮成形時における前記ボンド磁石用組成物の
    温度は、Tm〜(Tm+100)[℃]である請求項1な
    いし8のいずれかに記載のボンド磁石の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記圧縮成形時における成形圧力は、
    100〜2000MPaである請求項1ないし9のいず
    れかに記載のボンド磁石の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記ボンド磁石における空孔率は、
    5.0vol%以下である請求項1ないし10のいずれ
    かに記載のボンド磁石の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記ボンド磁石における前記磁石粉末
    の含有量は、85.0〜99.5wt%である請求項1
    ないし11のいずれかに記載のボンド磁石の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記磁石粉末は、希土類元素と遷移金
    属とを含む合金組成を有するものである請求項1ないし
    12のいずれかに記載のボンド磁石の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記磁石粉末は、急冷法により製造さ
    れたものである請求項1ないし13のいずれかに記載の
    ボンド磁石の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記磁石粉末の平均粒径が1〜200
    μmである請求項1ないし14のいずれかに記載のボン
    ド磁石の製造方法。
  16. 【請求項16】 前記磁石粉末は、その製造過程または
    製造後少なくとも1回熱処理が施されたものである請求
    項1ないし15のいずれかに記載のボンド磁石の製造方
    法。
  17. 【請求項17】 請求項1ないし16のいずれかに記載
    の方法により製造されたことを特徴とするボンド磁石。
  18. 【請求項18】 円筒状のボンド磁石であって、前記円
    筒の径方向の厚さをw[mm]、前記円筒の直径をd
    [mm]としたとき、0.001<w/d<0.5の関
    係を満足する請求項17に記載のボンド磁石。
  19. 【請求項19】 密度が3.0〜8.0Mg/m3であ
    る請求項17または18に記載のボンド磁石。
  20. 【請求項20】 室温での固有保磁力HcJが320〜1
    200kA/mである請求項17ないし19のいずれか
    に記載のボンド磁石。
  21. 【請求項21】 最大磁気エネルギー積(BH)max
    40kJ/m3以上である請求項17ないし20のいず
    れかに記載のボンド磁石。
  22. 【請求項22】 円筒状のボンド磁石であって、JIS
    Z 2507に準じて測定される圧環強度が20〜8
    0MPaである請求項17ないし21のいずれかに記載
    のボンド磁石。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014036088A (ja) * 2012-08-08 2014-02-24 Minebea Co Ltd フルデンス希土類−鉄系ボンド磁石の製造方法

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