明 細 害
発明 の 名称
角速度 セ ン サ
技術分野
本発明 は航空機 · 自 動車 , 船舶 , 車両等の移動体の姿勢制御 や ナ ビ ゲ ー シ ョ ン シ ス テ ム あ る い は カ メ ラ ゃ ビ デ オ カ メ ラ 等 の 手振れ防止用 、 オ ー デ ィ オ ; ビ デオ 機器、 パ ソ コ ン等の遠隔操 作の リ モ コ ン 用 あ る い は 回転 を伴 う 動 き を検出 す る シ ス テ ム 等 に 用 い る 角 速度 セ ン サ に 関 す る も の で あ る 。
背景技術
従来の角 速度 セ ン サ と し て は種 々 の形態があ る が、 先行技術 と し て 、 音叉全体が セ ラ ミ ッ ク 圧電体で形成 さ れ る 視点か ら 、 特開平 3 - 1 2 0 4 1 5 号公報 に 、 2 本の矩形状腕部分 と 、 こ れ ら の 腕部分を そ れ ら の下端部で相互速結す る 基台部分 と を圧 電材料 に て一体成形 し て全体形状 を音叉状 と し 、 基台部分 を Y 軸方向 に 分極 さ せ た振動 ジ ャ ィ 口 が開示 さ れて い る 。
以下 に 、 こ の従来の 角 速度 セ ン サ を図を用 い て説明 す る 。 第 3 2 図 は 、 特開平 3 — 1 2 0 4 1 5 号公報 に 開示 さ れた単 —形状音叉 の斜視図で あ る 。
分極方向 は基台部分 を Y 軸方向 に 、 駆動側振動腕 は X 軸方向 に 直交 し た 分極 を す る 。 ま た 、 駆動電極 3 , 4 は 振動腕 の 約半 分 の 部 分電極 で あ り 、 駆動力 は 四 側面 全面利 用 か ら 見 れ ば 、 2 ノ 8 倍 と な る 。
ま た 、 コ リ オ リ の力 に よ っ て振動腕 1 , 2 は X 方向 に 逆相 の 屈 曲振動 を す る か ら 基台部分 5 に Y 軸回 り の捩れ モ ー メ ン 卜 が
発生す る 。 検 出電極 6 , 7 は基台部分 5 の捩れ振動 を検 出 す る も の で 、 共振周 波数が高 く 、 出力感度が低 い も の で あ る 。
1 は 駆動側振動腕、 2 は安定振動 す る た め の モ ニ タ 振動腕 で あ り 、 分極方 向 を明示 し て い な い が、 そ の機能上 X 方向 と 思わ れ る 。
し か し な が ら 、 第 3 2 図 は振動腕 1 , 2 を駆動用 に 、 基台部 分 5 を検 出用 に 、 そ の 役割機能を分離 し て お り 、 基台部分 5 の 取 り 付 け あ る い は保持方法が開示 さ れて い な い の で類推 の域 を 出 な い が、 m駆動振動 ( Y 方向 の互 い に 逆相 の屈 曲振動) に よ る 基台部分 5 内 の振動成分 と 、 (2) コ リ オ リ の力 が働 い た 時の X 方 向 の 互 い に 逆相 の 屈 曲振動 に よ る 基台 部分 5 内 の 振 動成分 と 、 (3)基台部分 5 の Y 軸回 り の捩れ振動成分 と 、 (4)保持部分か ら の外乱 ノ イ ズ成分 と が ミ ッ ク ス し 、 複雑 な 振動姿態 と な る こ と が予想 さ れ る 。 4 つ の 各振動成分 の 分離回路が複雑 と な る 。 音叉 の基台部分の振動解析は 、 今 日 の機械振動工学で も 明 ら か に さ れ て い な く そ の制御は 困難 と 思わ れ る 。 従 っ て 、 振動分離 が困難 な た め 、 実用面で ジ ャ イ ロ と し て の誤動作 を起 こ す原因 と な る 。 特 に 保持部分か ら 伝達す る 外乱 ノ イ ズに 弱 く 自 動車等 への実用 化が困難で あ っ た 。
捩 れ振動 は片持支持棒の屈 曲振動 に比べ共振周 波数が高 く 振 動振幅が小 さ い た め感度が小 さ い。 従 っ て 、 出力 感度が低下す れば、 温度 ド リ フ ト ( 入力角 速度が 0 の と き 、 周 囲 の温度変化 に よ る 検 出値変動) の原因 と な っ て い た。
さ ら に 、 第 3 2 図 の 駆動電極 3 , 4 は振動腕の Y 軸方向 の先 端 ま で設 け て い る か ら 、 音叉 の振動理論 に よ れば、 先端 2 0 ~
3 0 % は浮遊容量 と し て働 き 、 何 ら 駆動力 に寄与せず、 電気 ノ ィ ズ を 拾 う 原因 と な り 、 検 出 信号 と 電気系 の ノ イ ズ の 比 ( 以 下、 S Z N と い う ) を悪 く し て い た 。
発明 の 開示
本発明 は、 振動姿態の複雑 な基台部分、 即 ち 支持部を検出 用 に使わ ず、 駆動側音叉 と 検出側音叉 の機能 を独立分離 し 、 支持 部の機械的結合振動 の除去、 駆動信号の検出側への 回 り 込み防 止や ド リ フ ト 性能の 向上 を図 る こ と を 目 的 と す る 。
こ の 目 的 を達成す る た め に本発明 の角 速度セ ン サ は 、 平板状 の セ ラ ミ ッ ク 圧電材料 ま た は水晶材料か ら 成 る 4 本の平行 な振 動腕 と 音叉支持部を共通 と し た櫛形状 の音叉を一体形成 し 、 三 次元座標系 の X軸を振動腕及 び支持部の幅方向 に 、 Y 軸 を振動 腕 の長手方向 に、 Z 軸を音叉全体の厚み方向 と し て、 振動腕及 び支持部の Y 軸 に沿 つ た一部分を外部印加電圧 に よ り X 方向 に 予 め部分分極 を行 い 、 外側の 2 本組 を駆動側音叉 、 内側 の 2 本 組 を検 出側音叉 と し 、 あ る い は 内側の 2 本組を駆動側音叉 、 外 側 の 2 本組を検出側音叉 と し 、 櫛形状 の音叉 の駆動側振動腕及 び支持部の一部分の表裏面、 側面に は Y軸に沿 っ た駆動電極を、 検 出側振動腕及 び支持部の一部分の表裏面 に は Y 軸 に 沿 つ た 2 分割 の検 出電極 を部分分極部 に対応 し て配設 し 、 前記駆動側音 叉 の駆動電極 に交流信号 を 印加 し て 、 X 方向 に互 い に逆相 の屈 曲振動 (以下 X 。モ ー ド と い う)を発生 さ せ 、 前記検出側音叉 に 支持部の機械的結合 を介 し て互 い に逆相 の屈 曲振動 (以下 X s モ ー ド と い う ) を誘起 さ せ、 外部か ら 印加 さ れ る Y 軸回 り の回 転角 速度 に基づ く コ リ オ リ の力 に よ っ て 発生 す る Z 軸方向 の互
い に逆相 の屈 曲振動 (以下 Z sモ ー ド と い う ) に よ っ て 発生 し た電荷量 を検 出側音叉 の検 出電極 に よ り 検出 す る 構成 と し た も の で あ る 。
上記構成 と す る こ と に よ り 、 振動伝達効率を良 く し 、 検出感 度の 向上が図れ、 駆動信号の回 り 込み を 防止 し 、 電気的、 機械 的 S Z N の改善が図れ、 高性能で安定 な も の と す る こ と がで き る 。
図面の 簡単 な説明
第 1 図 は本発明 の一実施例 に お け る セ ラ ミ ッ ク 圧電複合形角 速度 セ ン サ に 用 い る 櫛形状の音叉 の X 方向 の部分分極を示す斜 視図、 第 2 図 は 同櫛形状の音叉 に電極を施 し た状態の斜視図、 第 3 図 は 同櫛形状 の音叉 の Z 方向 の部分分極 を示す斜視図、 第 4 図は 同櫛形状 の音叉 に電極を施 し た状態 の斜視図、 第 5 図 は 同 X 方 向 分極 の電極構成 と 駆動、 検出回路 の結線図、 第 6 図 は 同 Z 方向 分極 の電極構成 と 駆動、 検 出回路 の結線図、 第 7 図 は 同音叉 の振動 モ ー ド と 保持位置 を説明 す る 図、 第 8 図 は 同 X 方 向分極 の場合 の音叉 の モ ニ タ 駆動、 検出方式の結線図、 第 9 図 は 同 Z 方 向 分極 の 場 合 の 音叉 の モ ニ タ 駆動 、 検 出 方式 の 結線 図、 第 1 0 図 は 同 櫛形状 の 音叉 の 駆動 、 検 出 回路 の ブ ロ ッ ク 図、 第 1 1 図 は 回路 ブ ロ ッ ク の 各部 の動作波形図、 第 1 2 図 は 本発明 の他の 実施例 に お け る 内側音叉 を駆動用 と し 、 厚 み方向 に 分極 し た場合 の斜視図、 第 1 3 図 は部分分極、 部分電極 の理 論 を説明 す る 図、 第 1 4 図 は 同特性 を示す説明図 で あ る 。
第 1 5 図 は本発明 の他の実施例 に お け る 水晶を 用 い た櫛形音 叉 に よ る 角速度 セ ン サ を示す斜視図、 第 1 6 図 は 同 セ ン サ の音
叉 と 水晶結晶軸の方向を示す図、 第 1 7 図は同 セ ン サ の音叉 と 水晶結晶軸 の方向 を示す図、 第 1 8 図 は 同 セ ン サ の寸法設定 図、 第 1 9 図は同 セ ン サ の電極配置 , 結線図、 第 2 0 図は同 セ ン サ の機械的動作を示す図、 第 2 1 図は同 セ ン サ の電極配置 · 結線図、 第 2 2 図は同 セ ン サ の回路 ブ ロ ッ ク 図、 第 2 3 図は 同 セ ン サ の回路の電気的動作を示す図、 第 2 4 図は本発明の他の 実施例 に お け る水晶を用 いた 目 の字形音叉 に よ る 角速度セ ン サ を示す斜視図、 第 2 5 図は同 セ ン サ の音叉 と 水晶結晶軸の方向 を示す図、 第 2 6 図は同 セ ン サ の寸法設定図、 第 2 7 図 は同 セ ン サ の電極配置図、 第 2 8 図は同 セ ン サ の電極配 ¾ · 結線図、 第 2 9 図は同 セ ン サ の機械的動作を示す図、 第 3 0 図は 同 セ ン サ の電極配置 · 結線図、 第 3 1 図は同 セ ン サ の変形例を示す斜 視図、 第 3 2 図は従来の角速度セ ン サ の斜視図で あ る。
発明 を実施す る最良の形態
以下、 本発明 の第 1 の実施例で あ る セ ラ ミ ッ ク 圧電複合形角 速度セ ン サ に つ い て説明 す る 。
本発明 の基本 と す る と こ ろ は、 振動姿態の複雑な基台部分、 即 ち、 支持部を検出用 に使わず、 駆動側音叉 と 検出側音叉の機 能を独立分離 し、 支持部の機械的結合振動の除去、 駆動信号の 機械的結合振動の除去、 駆動信号の検出側への回 り 込み防止や ド リ フ ト 性能向上の た め、 音叉振動の安定な部分の振動腕を使 う も の で あ る 。
次に 、 振動工学の理論に よ れば、 振動腕全体を分極せず、 そ の長 さ の約半分〜 8 0 %、 正確に は機械振動学の規準関数、 及 び容量比 (棒の機械的 コ ン プ ラ イ ア ン ス と電気的静電容量の比)
か ら 6 2 % を 分極 し 、 そ の分極 に相 当 す る 部分 に駆動電極面積 や検出電極面積を配設す れば、 駆動力 に よ る 振動振幅や検 出感 度を最大 に す る 霉極面積の最適化を す る こ と がで き る 。
さ ら に 、 共振周 波数 に寄与す る 音叉振動腕の有効長 さ は 、 振 動腕の長 さ だ け で な く 支持部 も 振動 し て お り 、 古典力学 に よ れ ば振動腕の支持部付 け根か ら の長 さ に ほ ぼ振動腕 の幅 に 相 当 し た長 さ を加算す れば、 特異 な 形状 の音叉 で な い限 り 、 設計的 に 共振周 波数を 的 中 す る こ と が で き る 。 従 っ て、 振動腕 の有効長 さ に相 当 す る 部分を分極 し電極を配設す れば、 無駄無 く 出力 を 取 り 出 す こ と がで き る も の で あ り 、 ま た 不要 な駆動振動を起 こ す こ と も な い も の で あ る 。
ま た 、 駆動振動や検 出振動 に寄与 し な い 余分 な所 に 分極ゃ電 極が無 い か ら 、 電極の 引 き 回 し に よ る 電気結合 に よ る 回 り 込 み 信号の 防止、 浮遊容量 に よ る S Z N 悪化の 防止がで き る 特徴が あ り 、 こ の効果を も 狙 っ た も の で あ る 。
上記記載の機械振動学 の規準関数 と 共振素子 の等価回路 に お け る 容置比を考慮 し た部分分極及 び部分電極の手段は水晶材料 に適用 で き な い も の で 、 セ ラ ミ ッ ク 圧電材料で の み そ の効力 を 発揮す る 。
さ ら に 、 機械的結合振動 の 除去や温度 ド リ フ ト 性能の 向上 に は 、 音叉 の安定駆動が非常 に 重要で あ る 。 本発明 に お い て は モ ニ タ 電極 に 発生す る 電流 (以下、 モ ニ タ 電流 と す る ) を電圧零 で検出 す る 電流増幅器、 そ の 電流増幅器の 出力 を そ の振幅 に 比 例 し た直流電圧信号 に 変換す る 交直変換器、 電流増幅器 の 出力 を変換器の出力 に応 じ て増幅 し 、 駆動電極への印加電圧 (以下、
駆動電圧 と す る ) と す る こ と に よ り 、 モ ニ タ 電流、 す な わ ち 駆 動振幅 を常 に 一定 に す る 働 き を持つ 駆動 レ ベ ル コ ン 卜 ロ ー ラ を 備 る 。
ま た 、 角 速度入力 に 比例 し た信号を検出用電極電流 (以下、 検出電流 と す る ) 信号か ら 抽 出 す る 手段 と し て直交検波方式が 用 い ら れて お り 、 検波 の た め の タ イ ミ ン グ信号が必要 と な る 。 本発明 に お い て は 、 前記電流 ア ン プ の 出力信号の零 ク ロ ス を検 出 す る 零 ク ロ ス コ ン パ レ ー タ に よ り こ の タ イ ミ ン グ信号 を 得 る 。
本発明 は 、 従来の振動腕 と 支持部の分極方向 を異な ら せ、 支 持部を検出音叉 と し た セ ラ ミ ッ ク 圧電材料の一体構成の角速度 セ ン サ の課題を解决す る た め に 、 セ ラ ミ ッ ク 圧電材料か ら 、 櫛 形状 の 複 合音叉 を 一体形成 し 、 複 合音叉 に 適 用 で き る 部分分 極、 部分電極の方式で 、 出力電圧 の最適化 を狙 っ て 、 支持部の 複雑 な 振動を 分離 し た構成で具現化す る も の で あ る 。
こ こ で 、 部分分極、 部 分電極 の 作 用 、 効 果 に つ い て 第 1 3 図、 第 1 4 図 を用 い て説明す る 。
第 1 3 図 は音叉 の振動腕 と 支持部の極一部を片持支持棒 と 仮 定 し た と き 、 そ の棒 の長手方向 (即 ち 、 音叉 の長手方向 ) を X 蚰、 X 軸 と 直交す る上下振動の振幅を 、 腕の付け根を x = 0 、 振動腕 の先端 を x = 1 と 置 け ば、 そ の振幅 f 及 び棒内 に 生 じ た 歪 み 5 は、 振動工学理論 よ り 、 ハ イ ノ、。 ボ リ ッ ク s i n , c o s で 表 さ れ 、 第 1 4 図 に 示 す よ う に 一 次関数 で 表 さ れ な い 。 但 し 、 縦軸は モ ー ド 関数 を基準化 し 、 f = l 、 <5 = 1 と し た 。
こ れ よ り セ ラ ミ ッ ク 圧電棒 の歪み δ に比例 し た検出電荷は 、
x = 0 に 近 い所 ほ ど出力 が大 き く 、 先端 に い く ほ ど 出力 が小 さ く な り 、 X = 1 で 出力 は ゼ ロ と な る 。
一方、 電気 - 機械圧電変換器の理論 よ り 、 出力電圧 は 振動腕 の容量比 7 に 反比例 し 、 静電容量が小 さ け れば良 い と 言 う 条件 があ る 。 こ の歪み δ 曲線 と 容量比 7 関数を演算す れば、 出力 の 最適化が で き 、 一般 に χ = 0 . 6 2 1 の 時、 最大 と 7よ る 。 つ て χ = 0 . 6 2 1 の所 ま で 分極 し 、 即 ち 先端 の 約 3 8 % は 非分 極部分 と し 、 同 じ く 電極 も 配設 し な い で済 むの で、 先端部の浮 遊容量 が無 く な り S Z N が向上す る 。
こ れ は理想の片持支持棒 と し て解析 し て い る が 、 実際 に は音 叉形状 に よ り 異 な り 、 本発明 で は振動の節線 α 上で、 支持部の 下端を保持 し 、 且つ 支持部 は機械的結合 の作用 が有 る の で、 僅 か ばか り 振動 し て お り 、 古典的 な片持支持棒 と し て の解析が取 り 扱 え な い。 そ こ で、 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン と 実験 に よ り 、 本発明 で は 、 お お よ そ χ = 0 . 5 〜 0 . 8 1 の範囲 と し た ο
同様 に 、 支持部 に つ い て も 振動 に 寄与 し な い部分 の分極 ゃ電 極配設 を避 け る 方が不要振動 の検出 や 、 不要駆動が無 く な り 、 S Z N を大幅 に改善で き る も の で あ る 。
本発明 の第 2 の特徵 と し て 、 セ ラ ミ ッ ク 圧電材料か ら 成 る一 体形成 の櫛形状 の音叉 に有 る 。 即 ち 、 体積 の大 き い外側 を駆動 側音叉 と し 、 面積 あ る い は体積 の小 さ い 内側を検 出側音叉 と す る 構成 に 特徵 を有す る も の で 、 外側 の大 き い駆動側音叉 の上 に 内側 の 小 さ い 検 出側音叉 が乗 る 形態で あ る か ら 、 駆動側音叉振 動 を効率良 く 検出側音叉 に伝達す る こ と がで き る 。 駆動側音叉 を親亀 と し 、 検 出側音叉 を子亀 と す れば、 俗 に言 う 親亀 の上 に
子亀が乗 っ た格好 に な っ て振動す る 音叉で あ る 。
あ る い は逆 に 、 内側 の 2 本組を駆動側音叉 と し 、 外側 の 2 本 組を検 出側音叉 と し た場合で も 、 そ の作用 は 同 じ で、 俗 に言 う 親亀の両肩 に子象が乗 っ た格好 に な っ て い る 。 こ の場合 は 内側 音叉 の寸法を大 き く す る か、 印加電圧 を高 く す る か し て 、 駆動 力 を大 き く す る 必要が あ り 、 特 に音叉 の付 け根の形伏を考慮す る こ と が望 ま し い。
本発明 の第 3 の特徵 は 、 自 励発振回路 に よ る モ ニ タ 駆動方式 は単一音叉 よ り 各機能 を分離 し た複合音叉 が適 し て い る 。 そ の 作用 は電圧零で検出 す る モ ニ タ 電流の振幅 は純粋 に音叉 の振動 レ ベ ル (速度) に比例 し て い る 。 前記手段 に よ る と 交直変換器 出力 は モ ニ タ 電流 に比例 し 、 コ ン ト o — ラ は交直変換器出力 を 常 に一定 に な る よ う に ド ラ イ ブ電圧 を調整す る 。
音叉 の振動 レ ベ ルは ド ラ イ ブ電圧 に比例 し て変化す る の で 、 結果 と し て 音 叉 の 振 動 レ ベ ル は 常 に 一定 に 保 た れ る 。 こ の 結 果、 音叉振動 は安定 し 、 ド リ フ ト 性能が向上す る 。
以下 に 、 本実施例 の セ ラ ミ ッ ク 圧電複合形角 速度 セ ン サ に つ い て 、 図面を参照 し な が ら 説明 す る 。
ま ず、 第 1 図 は平板状 の セ ラ ミ ッ ク 圧電材料か ら 成 る 4 本の 平行 な振動腕 1 1 , 1 2 , 1 3 , 1 4 で振動腕 1 1 , 1 2 が駆 動用 、 振動腕 1 3 , 1 4 は検 出 用 と し て利用 さ れ、 こ の振動腕 1 1 〜 1 4 と 音叉 の支持部 1 5 , 1 6 を共通 と し た櫛形状 の音 叉 を一体形成 し た実施例 で、 三次元座標系 の X 軸 を振動腕及 び 支持部 の幅方向 に 、 Y 軸を櫛形状 の長手方向 に 、 Z 軸を音叉全 体の厚 み方向 と し て部分分極す る 部分 と 寸法記号を示す。
1 Dお よ び 1 sは夫々 駆動側振動腕 1 1 , 1 2 、 検出側振動腕 1 3 , 1 4 の長 さ を表 し、 振動腕 1 1 , 1 2 の付け根 1 7 , 1 7 ' 及 び振動腕 1 3 , 1 4 の 付 け 根 1 8 か ら 先端 ま で の 長 さ で あ る 。 1 S Bは検 出側音叉 の支持部 1 6 の長 さ を示 し 、 付 け根 1 7 と 1 8 の距離で あ る 。
W Dは駆動側振動腕 1 1 , 1 2 の幅、 W s は検 出側振動腕 1 3 , 1 4 の 幅、 t は振動腕 1 1 〜 : L 4 、 支持部 1 5 , 1 6 即 ち音叉 全体の 厚 み 、 g ! は 駆動側振動腕 1 1 , 1 2 の ス リ ッ ト 間隔 、 g 2は検出側振動腕 1 3 , 1 4 の ス リ ッ ト 間隔 を夫 々 示す。 1 9 は コ リ オ リ の力が働 い た 時の Z 軸方向 の逆相屈 曲振動、 即 ち 、 Z s モ ー ド の振動 の 節線 α (第 1 図 で は 点線で示 す ) 上 に あ つ て 、 支持部 1 5 の下部 に設 け た切欠 き 部で あ り 、 角 速度 セ ン サ を保持 あ る い は取 り 付 け 用 に 供す る も の で あ る 。 ま た 、 1 9 は 切欠 き で な く 小孔で あ っ て も そ の作用 は 同 じ で あ る 。
白 抜 き の矢印 が分極方向 を 示 し 、 斜線部が分極部分 を 、 白 抜 き 部が非分極部を示す 。 即 ち 、 外側 2 本組 の駆動側音叉 に あ つ て は振動腕 1 .1 , 1 2 の 約 0. 7 1 。と 支持部 1 5 側 に 約 W Dの長 さ を、 内側 2 本組の検 出側音叉 に あ っ て は 振動腕 1 3 , 1 4 の 約 0. 7 1 s と 支持部 1 6 側 に 1 s B + 約 W Dの 長 さ か ら で き た 体 積部分 を 、 直流電圧 が 3 〜 4 kV/ mmの外部印加電圧 に よ り X方 向 に貫通す る よ う に予 め部分分極を行 う 。
第 2 図 は部分分極後 の駆動電極、 検出電極の構成を示 し 、 基 本的 に は第 1 図の分極部分 に 対応 し て電極 が設 け ら れ る 。 駆動 電極 に閱 し て は分極電極を そ の ま ま 利用 で き る が、 内側 の検 出 側音叉 の振動腕 1 3 , 1 4 の 側面 に 分極電極を設 け 、 分極後 は
取 り 除かれる 。 図は取 り 除かれた後の状態を示 し て い る 。 ま た、 駆動電極の支持部側の長 さ は振動腕 の幅 WDの 約 0. 5 〜 1 倍が 望 ま し い。
第 2 図 に お い て 、 駆動側振動腕 1 1 , 1 2 の 4面 に は + 側 と 一側の駆動罨極 2 0 , 2 1 が形成さ れ、 検出側振動腕 1 3, 1 4 の表面 と 裏面 に は + 側 と - 側の検出電極 2 2 , 2 3 が並ん で形 成 さ れ て い る 。
第 3 図 は分極方向 を す ベて Z方向、 即 ち 、 音叉 の厚み方向 に 施 し た実施例 で あ り 、 そ の 分極部分 は第 1 図 と 同様で あ る 。 分 極方 向 が Z 軸方 向 の 場合 は 、 駆動 と 検 出 電極 の 構成 が逆 に な り 、 第 4図に示す よ う に駆動電極 2 0, 2 1 は振動腕 1 1 , 1 2 の Y軸方向 に 2 分割電極、 検出電極 2 2 , 2 3 は 振動腕 1 3 , 1 4 の表裏面、 両側面 に電極 を設 け る こ と が必要 と な る 。
第 5 図、 第 6 図 は第 1 図、 第 3 図 に対応 し た電極構成 と 結線 図 を示 し て い る 。 こ れ に つ い て説明 す る 。
第 5 図 に示す よ う に 、 駆動側振動腕 1 2 の表裏面 を + 側 の駆 動電極 2 0 、 側面 を - 側 の 駆動電極 2 1 と し 、 駆動側振動腕 1 1 は そ の逆で、 表裏面が - 側の駆動電極 2 1 、 側面が + 側 の 駆動電極 2 0 と な る よ う に共通結線 し 、 セ ン サ の 入力端子 2 4 を駆動信号の正極、 入力端子 2 5 を負極 と す る。 入力端子 2 4, 2 5 間 に交流信号を 印加 し 続 け れば、 駆動側振動腕 1 1 , 1 2 は X軸 の i , j 方向 に 、 互 い に逆相 の屈 曲振動 ( X Dモ ー ド)を 持铳す る 。 こ の X。モ ー ド の 振動 が支持部 1 5 , 1 6 の 機械的 結合を介 し て検 出側振動腕 1 2 , 1 3 の 乂 軸 の (¾ , r 方向 に 、 互 い に逆相 の屈 曲振動 ( X sモ ー ド ) を誘起す る 。
検出側音叉 の振動腕 1 3 , 1 4 の表裏面 の み に 2 分割 の検 出 電極 2 2 , 2 3 を施 し 、 Y軸回 り に 外部か ら 回転角速度( ω )が 加わ る と 、 コ リ オ リ の力 に よ り 、 振動腕 1 3 は矢印 k方向 に動 け ば、 振動腕 1 4 は矢印 p 方向 に動 く ( Z sモ ー ド)の で 、 第 5 図 に 示 す よ う に 振動腕 1 3 の 表面 の 検 出 電極 2 2 , 2 3 に は ( 一 , + ) の 、 そ の裏面 の検出電極 2 2 , 2 3 に は ( + , 一 ) の逆 の電荷が発生す る 。
一方、 振動腕 1 4 の 表面の検出電極 2 2 , 2 3 に は上記 と 全 く 逆で ( + , — ) の、 そ の裏面の検出電極 2 2 , 2 3 には ( ― , + ) の 電荷 が発生 す る 。 こ れ等 の 電荷 の 同 極 ど う し を 結線 し て 、 + 側 を 検 出 端子 2 6 に 、 一 側 を 検 出 端子 2 7 に 接続 す れ ば、 検 出端子 2 6 , 2 7 間の電位差 と し て検 出 で き る 。
第 6 図の駆動電極 2 0 , 2 1 は 2 分割電極であ り 、 振動腕 1 2 の 表裏面 の対角 ど う し を + 側 の駆動電極 2 0 、 - 側の駆動電極 2 1 と し 、 振動腕 1 1 は そ れ と 対称 に 、 + 側 の駆動電極 2 0 、 一 側 の駆動電極 2 1 と な る よ う に共通結線 し 、 セ ン サ の 入力端 子 2 4 を駆動信号の正極、 入力端子 2 5 を負極 と す る。 入力端子 2 4 , 2 5 間に交流信号を印加 し続ければ、 振動腕 1 1 , 1 2 , 1 3 , 1 4 は第 5 図 と 同様 に 、 i , j 方向 の振動 ( X Dモ ー ド) に よ り 、 q , r 方向 の振動 ( X s モ ー ド ) を誘起す る 。
検 出 側音叉 の 振 動腕 1 3 , 1 4 の 表裏面 、 側面 に 検 出 電極 2 2 , 2 3 を施 し 、 Y 軸回 り に 外部か ら 回転角 速度( ω )が加 わ る と 、 コ リ オ リ の力 に よ り 、 振動腕 1 3 , 1 4 は k , p 方向 に 逆相 の振動 ( Z sモ ー ド ) を 起 こ し 、 振動腕 1 3 の 表裏面 に は ( + )の 、 両側面 に は(一) の電荷が発生 し 、 振動腕 1 4 に は 全 く
逆 の電荷が発生す る 。 こ れ ら の電荷 の 同極 ど う し を結線 し 、 + 側 を検出端子 2 6 に 、 - 側を検 出端子 2 7 に接続す れば検 出端 子 2 6 , 2 7 間 の電位差 と し て検出 で き る 。
第 3 図 の角 速度 セ ン サ に つ い て具体的 な設計寸法の 1 例 を次 に 示 し 、 保持 、 あ る い は 取 り 付 け 位置 は 小孔 1 9 (第 7 図参 照) で実施 し た。
* 駆動側振動腕 1 1 , 1 2 の長 さ 1 。 = 2 0 mm
* 音叉 の厚 み t = 1 . 5 誦
* 駆動側振動腕 1 1 , 1 2 の幅 W D = 2 . 9 画 * 検 出側振動腕 1 3 , 1 4 の幅 W s = 2 . 0 ram
* 検出側振動腕 1 3 , 1 4 の長 さ 1 s = 1 7 mm
* 検 出側音叉 の支持部 1 6 の長 さ 1 S B = 3 . 1 ram
* 駆動側振動腕 1 1 , 1 2 の ス リ ッ ト 間隔… s ! = 3 . 0 漏 * 検 出側振動腕 1 3 , 1 4 の ス リ ッ ト 間隔 … s 2 = 4 . 0 画 の寸法 に 設定 し 、 ト リ ミ ン グ に よ り 共振周 波数 を調整 し 、 X D モ ー ド の共振周 波数 f D X = 9 8 3 0 Hz、 f s z = 5 3 3 5 Hz に 設 定 し た 。 こ の 実 施 例 は 駆動 共振 周 波 数 f D Xと 検 出共振周 波数 f S Z と が異 な る 場合で あ る。 こ の セ ラ ミ ッ ク 材料 は P b M g ! 3
N b 2 3 ) 0 3 — P b T i 0 3 _ P b Z r 0 3の三成分 を主成分 と す る 組成 (以下 P C M 系 と い う ) か ら な り 、 焼結 さ せ て 得 た も の で あ る 。 こ の P C M 系 の X 方向 ヤ ン グ率 E x = 7. 9 4 5 X 1 0 1 1 ( N / nf ) 、 Z 方向 ヤ ン グ率 E z = 7 . 8 6 2 x l 0 1 1 ( N / nf ) 、 密度 p = 7. 6 4 5 x 1 0 3 ( kg / m3 ) を使用 し た。
な お、 上記実施例で 用 い た組成以外 に 、 ベ ロ ブ ス カ イ ト 型結 晶構造 の P b T i 0 3 、 P b ( Z r - T i ) 0 3 、 L i N b 0 3、
L i T a 0 3ゃ タ ン ス グ テ ン ブ ロ ン ズ型結晶構造の P b N b 206 な ど を主成分 と す る 組成、 さ ら に 、 こ れ ら の複合金属酸化物 も 同様 に 用 い る こ と がで き 、 同 じ 効果 を得 る こ と がで き る 。
第 2 の具体的設計例 と し て 、 f DX≠ f s xで、 且つ f D X f sz の場合 は上記 の例で、 振動腕の長 さ を変 え な い で 、 便宜上 W D で調節 す る と す れば、
* 駆動側振動腕 1 1 , 1 2 の幅 W D = 1 . 6 6 mm
* 他 の諸元 上記 に 全 て 同 じ と な り 、 共振周 波数 f DX = 5 3 4 Hz , f s z = 5 3 3 5 Hz と な り 、 多少異 な る の は、 振動腕の幅 W D , W s、 及 び厚み t に よ っ て振 動腕の有効長 さ が異な る か ら で、 ト リ ミ ン グ に よ り 共振周 波数 f ox - f sz - 5 3 4 2 Hz に設定 し た。
尚、 共振形 の設計 に お け る f D X i s zの近似度は 、 外部か ら 加 わ る 入力角 速度 ω に対す る セ ン サ 出力 の周 波数特性 に 応 じ て 設定 さ れ る べ き で あ る 。
ト リ ミ ン グ は 、 既 に 発表 さ れて い る 公知 な方法 に従 い 、 振動 腕先端 の 角 を斜 め に 力 ッ ト し た り 、 振動腕の付 け根を V 溝 力 ッ ト し た り 、 支持部の底部を カ ツ 卜 し た り 、 先端 に 小 さ い質量 を 接着添加す る 方法等で実施 し た。
次 に 、 音叉 を保持あ る い は取 り 付 け る 位置 に つ い て第 7 図 を 用 い て説明 す る 。
第 7 図 は振動 モ ー ド を説明 す る 図 で、 + , 一 の 符号は コ リ オ リ の 力 が働 い た 時、検出側音叉 の Z s モ ー ド の振幅位相 を表 し て い る c
駆動振動腕 1 1 , 1 2 が X 方向 の駆動 モ ー ド 、 即 ち X 。 モ ー
ド の 時、 検出側音叉 の振動腕 1 3 , 1 4 は 内側 に 狭 ま る q , r の振動 モ ー ド 、 即 ち X s モ ー ド が誘起 さ れ る 。 こ の 時 Y 軸回 り に外部か ら ω な る 角 速度が加 わ る と 、 振動腕 1 3 は手前の k 方 向 に 、 振動腕 1 4 は 向側の p 方向 に振動 し 、 こ れ を Z s モ ー ド と 定義す る と 、 音叉の厚み方向 の Z s モ ー ド は音叉 の 中心線が Y 軸方向 の振動の節線 α (点線で表示) と な り 、 検 出側音叉 の 支持部 1 6 は α 線 を境 に し て 、 左右 の振幅位相 は 図示 し た よ う に 、 十 , 一 と な り 、 振動腕 1 3 , 1 4 は そ の逆相 と な る 。 こ の a 線上 を支持す れば、 検出音叉 の振動 を制動す る こ と な く 、 ま た 、 外部騒乱 ノ イ ズ に も 強い支持方法 と 言え る 。 さ ら に 、 駆動 側 の機械 イ ン ビ ー ダ ン ス に対 し て も 影響の少な い場所 は 、 a 線 上で で き る だ け下方が良 い。
現在、 時計等 に使わ れて い る 音叉形水晶振動子 は X 方 向 、 即 ち 、 音叉 の幅方向 だ け の共振 で あ る か ら 、 音叉支持部の 底面を 固定 し て も 、 共振 に与え る 影響 は殆 ど無視で き た が、 Z 方向 、 即 ち 音叉 の厚み方向 の逆相振動で は 、 支持部の底面 を固定 あ る い は支持す る と 共振 に 非常 に影響 を与え る の で 、 本発明 の支持 法が理 に か な っ た方法 と 言え る 。
次 に 、 参考 ま で に 、 共振周 波数の設計方法を実施例 の 第 1 図 を用 い て説明 す る 。 第 1 図 に示す音叉振動腕 は 、 「電気音響振 動工学」 の理論か ら 片持支持棒 と し て取 り 扱 え る が、 音叉振動 腕の有効長 さ は 1 。よ り 長 く 、 h
Dと す れば、そ の X
Dモ ー ド の共 振周 波数 f D Xは 、 (数 1 ) で示す よ う に な る 。
D X = E P (数 1 )
た だ し 、 α = 1. 8 7 5 (周 波数規準定数)
Ε X セ ラ ミ ッ ク 圧電材料 の X軸方向 の ヤ ン グ率
Ρ セ ラ ミ ッ ク 圧電材料 の密度
A 音叉 の支持部や振動腕 の 間隔寸法 g !, g 2 で決 ま る 係数
x D、 モ ー ド に よ り 誘起 さ れ た検 出音叉側の x s モ ー ド の共振 周 波数 i s xは 、 検 出側振動腕の有効長 さ を h s と す れ ば、同様 に (数 2 ) と な る 。
a
S X u W 5 ^ ^ P (数 2 )
2 π 7~Γ h た だ し 、 B : 音叉 の支持部の長 さ 1 S Bや振動腕の間隔寸法
1 , g 2で決 ま る 係数で A に非常 に近 い値
X S モ ド を誘起 さ せ る た め の音叉支持部 の 機械結 合 の 設計 条件 は 、 (数 1 ) = (数 2 ) と す れ ば良 い か ら 次 の (数 3 ) と な る 。
A W D B W A W D h
す な わ ち (数 3 ) h h s 2 B W s h s 2 従 っ て 、 音叉 の形状寸法 の設計 目 安 と し て、 (数 3 ) を満足 す る よ う に設計す れば良 い こ と がわ か る 。
又、 3 つ の共振周 波数の選択 に よ り W D, W S , 1 Dの設計 に よ っ て は 、
1 S ≥ 1 D の場合 も あ り う る 。
次 に 、 Z モ ー ド の共振周波数 f s zは 、 Z モ ー ド の振動腕の有 効長 さ は実験的 に h sよ り 長 い こ と が分 か っ て い る か ら 、 こ れ
を h す れば (数 4 ) な る 。
a t
s z = E P (数 4 )
2 π T~2 h z2 た だ し 、 Ε ζ : セ ラ ミ ッ ク 圧電材料 の Ζ軸方向 の ヤ ン グ率 若 し 、 共振形 の 音叉設計 を 条件 と す る な ら ば、 (数 2 ) = (数 4 ) 、 あ る い は (数 1 ) = (数 4 ) を 満足 さ せ れ ば良 い、 即 ち 、 (数 5 ) 、 あ る い は (数 6 ) と な る 。
t / ( B W s ) = ( h z / h s )2 / T (数 5 ) t / ( A W D) = ( h z / h D)- ΈΓχ/ /E (数 6 ) 従 っ て、 検出側音叉振動腕の厚み( t )と 幅( W s)、 (WD)の比 は 、 そ の ヤ ン グ率 E z、 E xを測定 し 、 振動腕の有効長 さ ( h z/ h s)2、 及 び ( h zZ h o)2か ら 求 め る こ と がで き る 。
(数 3 ) 及 び (数 5 ) の両方を満 た す設計条件、 即 ち、 f ox, f sx, f s zの 3 つ の周 波数を等 し く す れば、 高感度が期待 で き る が、 製造で の周波数調整 に手間 ど り 、 反 っ て コ ス ト 高 に な る の で、 ί 。Χ = I S ≠ f S Z と f S Z = f D X ≠ f s xの場合が望 ま し い。 又、 セ ラ ミ ッ ク 材料の共振 の Q値は水晶 よ り 低 く 、 こ こ で使用 し た P C M系材料で は Q ^ 8 0 0〜 1 0 0 0位で 、 f DX = i s x と す る こ と は製造的 に は水晶 に比較 し て容易 で あ る 。 更 に 縮退 現象 を利用 し て 、 近似的 に f D X ^ f S Xと す る こ と がで き る 。
最後 に 、 上記実施例 の セ ラ ミ ッ ク 圧電材料か ら 成 る 角 速度 セ ン サ素子 と 、 そ れ を駆動 し 、 検 出 す る 回路方式の実施例 に つ い て 図面 を 用 い て説明 す る 。 第 8 図、 第 9 図 は第 5 図、 第 6 図 に 相 当 す る モ ニ タ 方式の 結線図 で あ る 。 第 8 図、 第 9 図 は 駆動、 検 出回路 の ブ 口 ッ ク 図、 第 1 0 図 は 各部 の定性的 な動作波形 を
示 し て い る 。
第 8 図、 第 9 図 に お い て 2 8 は 信号の基準電位 と な る G N D 電極、 2 9 は 駆動電極、 3 0 は検 出電極、 3 1 は モ ニ タ 電極で あ る 。 第 1 0 図 に お い て 3 2 は モ ニ タ 回路 の電流増幅器、 3 3 は検 出 回路の電荷増幅器、 3 4 , 3 5 は 交流電圧増幅器、 3 6 は駆動電圧 コ ン ト ロ ー ラ 、 3 7 は交直変換器、 3 8 は零 ク ロ ス コ ン パ レ ー タ 、 3 9 は 直交検波器、 4 0 は 積分直流増幅器 で あ る
第 8 図、 第 9 図、 第 1 0 図 は 自 励発振 を安定 さ せ る 周知 な モ ユ タ 方式で あ る が複合形の セ ラ ミ ッ ク 圧電音叉 に適用 さ せ 、 新 し い効果を得 る の も 本発明 の特徴で も あ る 。 駆動電極 2 9 に駆 動電圧 コ ン ト ロ ー ラ 3 6 よ り 第 1 1 図(a> に示す交流電圧を加え る と 、 櫛形状 の音叉 の振動腕 は X 。モ ー ド 、 X s モ ー ド の振動を 、 モ ニ タ 電極 3 1 に交流的 に電荷が発生 (発生 に よ っ て流れ る 電 流を 、 以下 モ ニ タ 電流 と い う ) し 、 電流増幅器 3 2 に よ っ て電 圧零 の ま ま 電流検 出 さ れ、 交流電圧増幅器 3 4 , 3 5 、 駆動電 圧 コ ン ト σ — ラ 3 6 の 作用 を 経 て 駆動電極 2 9 に 正帰還 さ れ る 。 音叉 は共振周 波数の み を増幅す る 一種の機械 フ ィ ル タ で あ る か ら 、 振動腕 1 1 か ら 振動腕 1 2 へ の正帰還 ル ー プ は 先鋭度 ( Q 値) の非常 に大 き い共振周 波数 自 励発振回路 と な る 。 単一 音叉で は 1 本 の振動腕 で モ ニ タ 電極 と 検 出電極 を配設 し な け れ ば な ら ず、 ま た f D X = ί S z方式 (共振形 の音叉設計) で は信号 処理の 回路が複雑 と な り 、 S Z N が悪 く コ ス ト も 高 く な る 欠点 か め っ た
次 に 第 1 1 図 を 含 め て説明 す る 。 X 方向 と 9 0 ° 位相 の ずれ
た Z sモ ー ド の コ リ オ リ 振動 は 第 1 1 図(c) に 示 す モ ニ タ 電流 と 9 0 ° 位相 の ず れ た 第 1 1 図(d) に 示 す 検 出 電流 ( 電圧 零 の 電 流) と し て 、 検出電極 3 0 に よ っ て検出 さ れ る 。
一方、 検出電極 3 0 か ら は X Dモ ー ド 振 動 と 機械的 に 結合 し た X sモ ー ド結合振動 (以下 Z M S と い う ) に よ る モ ニ タ 電流 と 同相 の電圧零の 第 1 1 図(d) に 示す結合検 出電流 a ' も 検 出 さ れ る 。 こ の 結合検 出 電流 a ' は 通常 コ リ ォ リ の力 に よ る 検 出 電流 a に 比べて非常 に大 き く 、 重畳 し て検出 さ れ る の で両者 を 分離 す る 必要があ る 。 そ こ で 、 両電流を電荷増幅器 3 3 で積分 し て 第 1 1 図(e>に 示す電荷信号 と し 、 次 に第 1 1 図(c) に示す モ ニ タ 電流の 同相比例信号か ら 零 ク ロ ス コ ン パ レ ー タ 3 8 を使 っ て第 1 1 図(g) に示す直交検波 タ イ ミ ン グ信号を作 る 。 こ れ を検波信 号 と し て直交検波器 3 9 に よ っ て第 1 1 図(e) の電荷信号を直交 検 波 す る と 、 第 1 1 図 (c> の モ ニ タ 電 流 の 零 ク ロ ス ボ イ ン 卜 に よ っ て第 1 1 図(e>の電荷信号 b は反転 し 、 第 1 1 図 の 直交検 波 出力 c が得 ら れ る 。 こ れを積分直流増幅器 4 0 に通 す と 第 1 1 図(f) の直交検波出力 c に示す コ リ オ リ の 力 に よ り 検 出電流 由 来の波形 は有効 D C 値 と し て 出力 さ れ、 結合電流由来の波形 c ' は積分 の結果、 零 と な り 両者は分離 さ れ る 。
第 1 2 図 は本発明 の変形例 で、 振動腕の 内側 の 2 本を 駆動側 振動腕 1 1 , 1 2 と し て駆動側音叉 と し 、 外側 の 2 本を検 出側 振動腕 1 3 , 1 4 と し て検 出側音叉 と し 、 且つ音叉 の厚 み方向 ( Z 袖方向 ) に部分分極 し た場合で あ る 。 電極番号 は第 9 図 に 対応 し て い る 。
以上 の方法で実施 し た セ ラ ミ ッ ク 圧電複合形角 速度 セ ン サ の
コ リ ォ リ の力 に よ る 出力感度 の S / N は第 3 2 図 の従来例 に 比 ベ約 1 5 ~ 1 8 d B 改善 さ れ、 温度 ド リ フ ト ( S Z N に起因 す る か ら ) が格段 に小 さ い セ ラ ミ ッ ク 圧電複合形角 速度 セ ン サ を 安価 に 提供で き る こ と が確認で き た 。
次 に 、 本発明 の第 2 の実施例 で あ る 水晶角 速度 セ ン サ に つ い て図面 を 用 い て説明 す る 。
ま ず櫛形状 の音叉 を利用 し 、 い わ ゆ る モ ニ タ 方式の駆動検出 方式を採用 し た場合 を 中心に 説明 す る 。
基本的 な概略構成 (水晶結晶軸 と 音叉 の方向 を一致 さ せ る ) に関す る 構成を交え て説明 し た後、 角速度 セ ン サ と し て の動作 原理を解説 し 、 そ の後 で モ ニ タ 方式 に関す る こ と 、 X D振動、 X S 振動、 Z S 振動、 Z D振動の共振周 波数関係 を設定す る こ と 、 外部支持部材 と の接続方法の順 に課題 の解決内容を 含 め説 明 す る 。
以下 に本実施例 の概略構成を第 1 5 図〜第 2 2 図を用 い て説 明 す る 。 第 1 5 図 は櫛形複合音叉 の本実施例の外観で、 こ の形 状 を と る こ と に よ り 課題 6 と し て の水晶素材の振動部体積への 効率的利用 を解決 す る も の で あ る 。 第 1 5 図 に お い て 、 1 1 0 は水晶材料か ら 音叉の 幅方向 ( X方 向 と す る ) を水晶結晶軸の 電気軸 と し 、 複合音叉 の長手方向 ( Y方向 と す る ) と 厚 み方向 ( Z 方向 と す る ) を そ れ ぞれ水晶結晶軸の機械軸 と 光軸 を起点 と し て 電気軸回 り に S 度回転 さ せ た方向 と し て櫛形状 に形成 し た複合音叉 で あ り 、 そ の下端 に は共通の支持部 1 1 1 が設 け ら れ、 こ の支持部 1 1 1 よ り 上部に は 4本の平行な振動腕 1 1 2 , 1 1 3 , 1 1 4 , 1 1 5 が形成 さ れ て い る 。 こ の振動腕 1 1 2
〜 : I 1 5 の外側 の 2 本 の振動腕 1 1 2 , 1 1 5 は 駆動側音叉 と し て利用 さ れ、 内側 の 2 本の振動腕 1 1 3 , 1 1 4 は検 出側音 叉 と し て利用 さ れ る 。 支持部 1 1 1 の 中央部 に は こ の櫛形状 の 音叉 1 1 0 の外部支持部材へ の取付用 と し て小 さ な孔 1 3 4 が 設 け ら れ て い る 。
第 1 6 図、 第 1 7 図 は音叉 の方向 と 水晶 の材料異方性 の方向 を示 し た も の で 、 第 1 6 図 は上記櫛形状 の音叉 1 1 0 を幅方向 ( X 方 向 ) が水晶結晶軸の電気軸 と 一致 さ せ、 音叉の長手方向 ( Y 方向 ) と 音叉厚み方向 ( Z 方向 ) を そ れぞれ水晶結晶軸 の 機械軸、 光車由 と 零で な い角 度 0 を成す よ う に形成 し た も の で あ る 。 ま た 、 第 1 7 図は 上記櫛形状 の音叉 1 1 0 を音叉形状 の示 す方向 X , Y , Z 方向 がそ れぞれ水晶結晶材料の電気軸、 機械 軸 、 光軸 と 一致 す る ( 角 度 0 が零度 ) よ う に 形 成 し た 例 を 示 し 、 第 1 6 図、 第 1 7 図 の選択 は 、 課題 1 と し て の高感度化 と 感度安定性、 角 速度応答性 と の ト レ ー ド オ フ を選択解決 す る も の で あ る 。
す な わ ち 、 角度 0 は水晶の共振周 波数の温度特性の安定化 を 通 じ て感度を安定化す る た め に設定 さ れ、 時計の ク 口 ッ ク 等へ の 用 途 に 用 い る 単純音 叉 で は 通常 1 〜 2 度以 内 に 設定 さ れ る が、 角 速度 セ ン サ と し て の本実施例 で は 、 高感度 は要求 さ れ る が比較的応答性の要求 さ れ な い車両 の ナ ビ ゲ ー シ ョ ン 用 等 の 用 途で は 後述す る よ う に X D 振動 と Z S 振動 の共振周 波数 を精密 に設定 す る た め 0 を も たせ、 高応答性は要求 さ れ る が比較的低 感度で よ い車両 の姿勢制御用 の用途で は後述す る よ う に 各方向 の振動 の共振周 波数の精密設定 は不要 と な る の で 0 を零 と し て
あ る
次 に 、 第 1 9図、 第 2 1 図 は第 1 5図 と 共 に 電極 · 端子構成 を示 す 。 第 1 9 図 は 一般的 な 方式 ( 以下 、 非 モ ニ タ 方式 と す る ) の 電極 , 端子構成 、 第 2 1 図 は い わ ゆ る モ ニ タ 方式 の 電 極 · 端子構成で あ る 。
ま ず非モ ニ タ 方式を示す第 1 9図、 モ ニ タ 方式を示す第 2 1図 の共通部分か ら説明す る と 、 上記駆動側音叉の外側の一方の振動 腕 1 1 2 と 支持部 1 1 1 の表裏面 に は + 側 の駆動電極 1 1 6, 1 1 7が、 両側面に は — (マ イ ナ ス)側の駆動電極 1 1 8, 1 1 9 が形成 さ れ、 外側の他方の振動腕 1 1 5 の表裏面 に は - 側の駆 動電極 1 2 0, 1 2 1 が、 両側面 に は + 側の駆動電極 1 2 2 , 1 2 3 が形成 さ れて い る 。 ま た、 内側の検 出側音叉 の 2本の振 動腕 1 1 3, 1 1 4 と 支持部 1 1 1 の表裏面 に は 、 表面内側 と 裏面外側 に + 側の検 出電極 1 2 6, 1 2 9 が、 表面外側 と 裏面 内 側 に 一 側 の 検 出 電極 1 2 7 , 1 2 8 が形成 さ れ て い る 。 ま た 、 駆動電極 の + 側、 - 側、 検 出電極の + 側、 - 側 は そ れ ぞれ 支持部 1 1 1 の側面お よ び裏面 に形成 し た駆動電極用 の導電パ タ ー ン 1 2 4 , 1 2 5 で、 あ る い は検出電極用 の場合 は第 1 5 図 の支持部 1 1 1 に示 し た よ う な上向 き コ の字形 の導電パ タ ー ン 、 あ る い は本実施例では示 し て い な いが + 側の駆動電極 1 1 6 の よ う に位相幾何的 に 支持部上で接続で き な い電極 は導電 ヮ ィ ヤ ー を通 し て 外部回路上で接続 さ れて い る ( こ の点 に つ い て は 取 り 出 し 端子表現の便宜上す ベて支持部 の導電パ タ 一 ン 上で接 続 さ れ た も の と し て扱 う 。 ) 。
次 に モ ニ タ 方式 と 非 モ ニ タ 方式で異 な る 端子結線 に つ い て説
明 す る 。 ま ず、 非モ ニ タ 方式で あ る 第 1 9 図 の端子構成 と し て + 側 の 駆動電極 1 1 6 , 1 1 7 , 1 2 2 , 1 2 3 は 駆動端子 ( D ) 1 3 0 に 、 一側の駆動電極 1 1 8 , 1 1 9 , 1 2 0 , 1 2 1 は駆動基準端子 ( D G N D ) 1 3 1 に 、 + 側の検出電極 1 2 6 , 1 2 9 は検出端子( S ) 1 3 2 に、 一側の検出電極 1 2 7 , 1 2 8 は基準端子 ( G N D ) 1 3 3 に接続 さ れて い る 。
ま た 、 モ ニ タ 方式で あ る 第 2 1 図 の端子構成 と し て + 側の駆 動電極 1 1 6 , 1 1 7 は駆動端子( D ) l 3 5 に 、 + 側 の駆動電 極 1 2 2 , 1 2 3 は モ ニ タ 端子(M) 1 3 6 に 、 + 側の検 出電極 1 2 6, 1 2 9 は検出端子( S ) 1 3 7 に、 —側の駆動電極 1 1 8 , 1 1 9 , 1 2 0 , 1 2 1 と 一 側の検 出電極 1 2 7 , 1 2 8 は基 準端子 ( G N D ) 1 3 3 に接続 さ れて い る ( な お、 こ の駆動側 音叉 の 駆動電極 1 1 6 , 1 1 7 側 の 振動腕 を 以下 、 駆動振動 腕、 駆動電極 1 2 2 , 1 2 3 側の振動腕を 以下、 モ ニ タ 振動腕 と す る 。 ) 。
第 2 2 図 は モ ニ タ 方式 を 中 心 に 説明 す る 回 路構成図 で 、 電 極 · 端子構成 を第 1 9 図 を参照 し て説明 す る と 、 1 3 9 は + 側 の駆動電極 1 2 2 , 1 2 3 に 発生す る 電荷 に よ る 電流 (以下、 モ ニ タ 電流信号 と す る ) を モ ニ タ 端子(M) l 3 6 を通 し て イ マ ジ ナ リ シ ョ ー ト に よ る 基準電位 の ま ま 検 出 す る 電流増 幅器 、 1 4 0 は + 側 の 検 出 電極 1 2 6 , 1 2 9 に 発生 す る 電荷 ( 以 下、 検 出電荷信号 と す る ) を検出端子( S ) l 3 7 を通 し て イ マ ジ ナ リ シ ョ ー ト に よ る 基準電位 の ま ま 電荷検 出 す る 電荷増 幅 器、 1 4 1 , 1 4 2 は交流電圧増幅器、 1 4 4 は 交直変換器、 1 4 3 は交流電圧増幅器 1 4 1 の 出力 の増幅率 を 自 身の 出力 か
ら の 負 の フ ィ ー ド ク を通 し 、 交直変換器 1 4 4 の 出力 に 応 じ て制御す る 駆動電圧 コ ン ト α — ラ で 、 モ ニ タ 電流信号 を一定 に 保 っ た め の も の で あ り 、 そ の 出力 (以下、 駆動電圧 と す る ) は 駆動端子 ( D ) 1 3 5 に 接続 さ れ る 。 1 4 5 は 交流電圧増幅 器 1 4 1 の 出力 を基準電位 と 比較す る 零 ク ロ ス コ ン パ レ ー タ で 出 力 は 交流電圧増幅器 1 4 1 の 出 力 と 同 相 の 矩形波 と な る 。 1 4 6 は検出電荷信号 を担 う 交流電圧増幅器 1 4 2 の 出力 を零 ク ロ ス コ ン パ レ ー タ 1 4 5 の極性変ィ匕 の タ イ ミ ン グ を基準 に 正 転、 反転す る こ と に よ り モ ニ タ 電流信号 と 同周波数、 同相 の信 号の み を直流化す る 同相検波器、 1 4 7 は 同相検波器 1 4 6 の 出力 の D C 成分を最終 出力 す る 積分 フ ィ ル タ で あ る 。 つ ま り 、 零 ク ロ ス コ ン パ レ ー タ 1 4 5 の 出力 は 同祖検波 の タ イ ミ ン グ信 号 と な っ て い る 。
ま た 、 第 2 2 図 を非 モ ニ タ 方式の第 1 9 図を参照 し て モ ニ タ 方式 と の相違点だ け を説明 す る と 、 電流増幅器 1 3 9 は そ の 入 力端子を駆動基準端子 ( D G N D ) 1 3 1 と し 、 一 側の駆動電 極 1 1 8 , 1 1 9 , 1 2 0 1 2 1 に機械電気変換 に よ り 発生 す る 電荷 に よ る 電流 (以下、 駆動電流信号 と す る ) を検 出 し 、 交流電圧増幅器 1 4 1 の 出力 を モ ニ タ 方式 に対 し て極性反転 さ せ て い る 。 従 っ て 、 駆動電圧 コ ン ト ロ ー ラ は駆動電流信号を一 定 に 保つ よ う に働 き 、 同相検波器 1 4 6 は駆動電流信号 を基準 タ イ ミ ン グ に 検 出電荷信号 を検波 す る 。 な お 、 駆動端子 ( D ) 1 3 5 、 駆動基準端子 ( D G N D ) 1 3 1 に は駆動電流の他 に 両端子間 に存在す る 水晶材料 の誘電性 に起因す る 静電容量 に流 れ る 電流 (以下、 こ れ を駆動 チ ャ ー ジ電流 と す る ) も 流れ る 。
こ の静電容量は モ ニ タ 端子(M) l 3 6 、 検 出端子( S ) l 3 7 と 基準端子 ( G N D ) 1 3 3 間 に も 存在す る が、 こ れ ら は基準端 子 ( G N D ) 1 3 3 に イ マ ジ ナ リ シ ョ ー ト さ れ て い る の で電圧 発生せ ず、 動作 に影響 し な い 。
以上が本実施例の基本構成で あ る が、 次 に本実施例の 角速度 セ ン サ の動作原理 に つ い て第 1 5 図、 第 1 9 図、 第 2 0 図、 第 2 3 図 を用 い て説明 す る 。
駆動端子(D ) 1 3 5 と 駆動基準端子 ( D G N D ) 1 3 1 間、 ま た は 駆動端子(D ) 1 3 5 と 基準端子 ( G N D ) 1 3 8 間 に上 記構成回路の駆動鴛圧 コ ン ト ロ ー ラ 1 4 3 の 出力 で あ る 駆動電 圧 が加わ る よ う に す る と 、 駆動側音叉 の X方向 に 土 電界 が発生 し 、 水晶の圧電特性 よ り Y方向 への 伸縮応力 が発生 し 、 最初 の 音叉 の X D振動を始め る 。 こ の振動 レ ベ ル に比例 し て駆動基準 端子 ( D G N D ) 1 3 1 か ら 駆動電流 が 、 ま た は モ ニ タ 端子 (M) 1 3 6 か ら モ ニ タ 電流が生成 し 、 そ の 電流信号が上記構成 回路 の 電流増幅器 1 3 9 、 交流電圧増幅器 1 4 1 を通 し て駆動 電圧 コ ン ト ロ ー ラ 1 4 3 へ正帰還す る 。 音叉振動で あ る X D振 動 の共振点は 非常 に大 き な先鋭度 Q を も つ の で こ の正帰還 ル ー プ の オ ー ブ ン ル ー プ特性 は 、 ゲ イ ン が X D振動 の 共振 周 波数 (以下 f xd と す る ) で最大 と な る 。 一方、 位相 に つ い て は 周 波 数 f xd に お い て駆動電圧 に対 し て駆動電流 は零度、 モ ニ タ 電流 は 1 8 0 度反転 と な り 、 回路側 は 周 波数 f xd に お い て駆動基準 端子 ( D G N D ) 1 3 1 に対 し て駆動端子(D ) l 3 5 は 零度、 モ ニ タ 端子(M) l 3 6 に対 し て駆動端子(D) l 3 5 は 1 8 0 度 反転 と な る の で 非 モ ニ タ 方式、 モ ニ タ 方式双方 と も ト ー タ ル
で 零度 の 位相 と な る 。 従 っ て 、 こ の 正帰還 ル ー プ で は 周 波数 f x dで の発振条件が成立 し 、 電気機械結合振動で あ る X D 振動 が 自 励 発振 を 始 め る 。 X D 振動 レ ベ ル に つ い て は 交直変換器 1 4 4 の X D 振動 レ ベ ル信号 の D C 化 を 経 て 駆動電圧 コ ン ト ロ ー ラ 1 4 3 へ負帰還 がかか り 、 所定の振動 レ ベ ル で安定駆動 さ れ る 。
水晶音叉 内 で の圧電現象で あ る 電圧 · 力変換、 振動速度 · 電 流交換 に つ い て詳述す る と 、 駆動電圧 の か か っ て い る 駆動側振 動腕の 水晶の電気軸( X )方向 の 土 電界が機械軸( Y )方向 の 土 応 力 に変換す る こ と に よ り 振動腕が X 方向 に た わ み、 音叉結合 あ る い は 共 鳴結 合 し た 他 の 振動腕 も 含 め て 振動 が励起、 持続 す る 。 振動が励起 さ れ る と 各振動腕は X 方向 の振動速度を持 ち 、 内部的 に は Y 方向 の 土 歪速度 (歪の 時間微分) を持つ こ と と な る 。 水晶内 で の Y 方向歪 は歪 · 電荷変換 に よ っ て X 方向 の 分極 電荷 を 発生 し こ れ が電極電荷 を も た ら す 。 す な わ ち 、 振動速 度 · 電流変換が行わ れ、 駆動電流、 モ ニ タ 電流 と し て現れ る 。
駆動電圧 の か か っ て い る 振動腕上 で は 駆動電圧 · 駆動力変 換、 駆動力 · 振動速度応答 、 振動速度 · 駆動電流変換 が行 わ れ、 電圧 の か か っ て い な い モ ニ タ 振動腕で は音叉結合 を介 し て 音叉結合力 · 振動速度応答、 振動速度 · モ ニ タ 電流変換が行わ れ る 。 変換 に お い て位相 は保持 さ れ る 。 ま た 、 X D 振動 は共振 状態な の で駆動力 に対す る 振動速度応答、 音叉結合力 に対す る 振動速度は 同相 と な る 。 一方、 X D 振動 に 対 し て非共鳴 の機械 結合 を し て い る 振動腕 は i x d と 離れ た共振周波数 を持 っ て い る の で非共鳴結合力 に対す る 振動速度応答 は 9 0 度 の位相 シ フ ト
を起 こ す。
さ て 、 こ の D X振動 ( i , j ) は 支持部 1 1 1 の機械結合 を 介 し て 力結合 し 、 検 出側音叉 の振動腕 1 1 3 , 1 1 4 に 方向 逆相 の X S 振動 ( q , r ) を誘起す る 力 を及ぼ し 、 X S 振動の 共振周 波数の共鳴設定次第で大 き な X S振動を誘起す る こ と が で き る 。 図 に は ( i , j ) と ( q , r ) は逆相 に な る 場合で表 記 し た が、 駆動側振動腕の付 け根 と 検出側振動腕 の付 け根 の位 置関係 で こ れ は 同相 に も 逆相 に も な る 。
以上 の よ う に し て、 こ れ ら の X D振動、 X S振動の振動 レ べ ノレ は駆動電圧 コ ン ト ロ ー ラ 1 4 3 に よ り 駆動電流 ま た は モ ニ タ 電流信号を コ ン ト ロ ー ルす る と い う 方法で一定 に 保た れ る 。 こ の伏態がセ ン サ の駆動励起伏態で少 な く と も 一定の X D振動が 発生 · 持続 し て い る 。
こ こ に 外部か ら 支持部を介 し て音叉全体 に 回転角 速度 Ω が入 力 す る と 、 X D振動 ( i , j ) ま た は X S 振動 ( q , r ) を し て い る 部分 に コ リ オ リ の力 が働 く 。 コ リ オ リ の カ F c は速度 V を持 っ た質童 m部分 に 次の式に基づ い て働 く か ら で あ る 。
F c = 2 ' m ' v x Q
た だ し 、 F c , V , Ω は べ ク ト ノレ で ' は ス カ ラ ー積、 X は べ ク ト ル積 を 表 し 、 V は X D振動 、 ま た は X S 振動 の 速度 で あ る 。 コ リ オ リ の力 の Z方向 の成分 は Z D振動 ( h , u ) ま た は Z S 振動 ( p , k ) を誘起す る 。 X S振動が X D振動 と 非共鳴 の場合 は X D振動 に基づ く Z D振動が Z S振動 に結合 し 、 い ず れに し て も Z S振動は誘起す る こ と に な る。 ま た Z D振動、 Z S 振動 の位相 は X D振動 ま た は X S振動の速度 V が最大の と き 、
つ ま り 変位零の と き に 最大 の コ リ オ リ の 駆動力 を受 け る 位相 と な る 。
Z S 振動が誘起 す る と 検出側音叉 の振動腕 1 1 3 , 1 1 4 の Y方向 に 応力 が発生 し X方向 に誘電分極 し て検出側電極 1 2 7 か ら 1 2 6 、 1 2 8 か ら 1 2 9 へ向 け て電荷の移動が起 こ る 。 こ の際 の移動の 向 き (土) は ( p , k ) の 向 き に 対応 す る 。
こ こ で並進加速度 に対す る キ ヤ ン セ ル効果 に つ い て述べ る 。 並進加速度 は 直接 に は 検 出側振動腕 に 同相 で作用 す る の で並進 加速度 に よ る 振動 ま た は変位 は 同相 と な る 。 言わ ば ( p , k ) の 向 き が同 じ に な っ た状態に な り 、 発生 し た電荷 は 2 つ の振動 腕上に ま たが る検出側電極 1 2 7 と 1 2 6 ま た は 1 2 8 と 1 2 9 の 内 部 で キ ヤ ン セ ノレ し 合 い 、 検 出 端子( S ) l 3 2 へ は 現 れ な い o
さ て 、 コ リ オ リ の力 に基づ く 移動電荷 は駆動端子( D ) l 3 5 と イ マ ジ ナ リ シ ョ ー 卜 さ れ た 検 出端子( S ) l 3 7 間 の電荷増幅 器 1 4 0 に よ る 電荷移動で即座 に検 出 キ ヤ ン セ ル さ れ検 出端子 ( S ) 1 3 7 に は電圧 は発生 し な い 。 電荷増幅器 1 4 0 の 出力 は交流電圧増幅器 1 4 2 に よ っ て増幅 さ れ、 同相検波器 1 4 6 に よ っ て モ ニ タ 電流信号 と 同周 波数 の 同相成分 ( つ ま り 角 速度 信号) の み が直流化出力 さ れ、 積分 フ ィ ル タ 1 4 7 に よ っ て完 全 D C 成分 に変換 さ れて最終 出力 す る 。
こ こ で 同相検波 に つ い て詳述す る と 、 電荷増幅器 1 4 0 へは 角 速度信号以外 に 角 速度入力零 の と き で も X D振動、 X S 振動 に 不要 に結合 し た不要 Z S 振動 ( こ れ は X D振動振幅最大の と き に最大の結合駆動力 と な る 位相 で振動す る の で コ リ オ リ の力
駆動の位相 と 9 0度異 な る ) に基づ く キ ヤ ン セ ル し き れ な か つ た 電荷 や 、 外来 の 並進加速度 に よ る 振動 に 基 づ く 不要電荷 、 E M C ノ イ ズ等が発生 し て い る 。 こ れ ら の 不要電荷 は す べて 、 角 速度信号 と は周 波数が異 な る か、 も し く は 位相 が 9 0 度ずれ て い る の で同相検波器 1 4 6 に よ っ て検波減衰 さ れ直流化 は さ れ な い 。 従 っ て次段の積分 フ ィ ル タ 1 4 7 に よ っ て大幅 に 減衰 さ れ、 最終出力 に は現れ な い。
以上 の動作原理 に よ る 各部の電気波形を第 2 3 図を用 い て説 明す る 。 <a)は X D振動に よ る 自励発振下での駆動端子(D) l 3 5 上の駆動電圧波形で あ る 。 (b)は駆動端子(D)上を 流れ る 駆動電 流波形で あ る 。 駆動電圧 は水晶の圧電特性 に よ り 同相 の駆動力 に変換 さ れ共振 X D振動状態で は駆動力 は X D振動の振動速度 に比例 す る 粘性抵抗、 摩擦抵抗 に よ る 反力 と 逆相約合 い の状態 に な り 、 振動腕の惯性力 と 弾性力 が駆動力 と 9 0 度異 な る 位相 で互 い に 逆相 で約 り 合 っ て い る 。 従 っ て 、 駆動の エ ネ ル ギ ー 変 換原理 に基づ き X D振動の速度 に 同相比例 し た電流成分 が駆動 電流 と し て流れる。 一方で、 水晶は誘電体で駆動端子(D) l 3 5 と 基準端子 ( G N D ) 1 3 8 間 に静電容量 を持つ の で こ の静電 容量への充電電流 (以下、 駆動 チ ャ ー ジ電流 と す る ) が駆動電 圧 よ り 9 0度進 ん で流れ る 。 振動電流波形(b)が駆動電圧波形(a) よ り も 若干位相 が進ん で い る の は こ の 2 つ の 成分 が重畳 し て い る か ら で あ る 。 (c)は モ ニ タ 端子(M) l 3 6 を流れ る モ ニ タ 電流 で前記駆動電流 と 同相 と な る 。 ま た 、 駆動電流、 モ ニ タ 電流 は 音叉へ流れ込 む方を + に し て 表現 し て い る 。
次 に 検 出 側 の 波形 を 説明 す る 。 (d>は 角 速度検 出 電荷 波形 で
で( d ' )が前記不要 Z S 振動 に基づ く 電荷波形で あ る 。 不要 Z S 振動 は 駆動力 に基づ き 、 角 速度 に よ る Z S 振動 は コ リ オ リ のカ に基づ く の で両者は位相 が 9 0 度ずれ る 。 電荷 は電流を積分 し た も の な の で駆動電圧波形(a) (駆動力 と 同相) に 対 し て不要 Z S 振動電荷波形( d ' )が 9 0 度遅 れ る 。 ち な み に 、 こ こ で は 角 速 度検 出電荷波形の方が小 さ い場合 に つ い て 表現 し て い る 。 電流 増幅器 1 3 9 は (d) と ( d ' )の 重畳 し た 波形 を 電圧 出力 し 、 こ の 波形が同相 の ま ま 同相検波器 1 4 6 に 入力 す る 。 一方、 モ ニ タ 電流波形(c)に基づ き 同相検波 の タ イ ミ ン グ信号波形(e>が零 ク ロ ス コ ン パ レ ー タ 1 4 5 か ら 出 力 さ れ る 。 ( f ' ) , (f)は 同 相 検波 器 の 出力 波形 を不要 Z S 振動電荷波形( d ' )、 角 速度検 出 電荷 波形(d)毎 に 表現 し た も の で あ る 。 最終的 に は ( f ' ), (f)が積分 フ ィ ル タ 1 4 7 で積分 さ れた D C 波形が出力 さ れ る の で不要 Z S 振動 に 基 づ く ( f ' ) は ほ と ん ど '减衰 し 、 角 速度 に 基 づ く (Πの 波 形 レ ベ ル が出力 さ れ る 。
こ こ で本例 の角 速度 セ ン サ に 関わ る 詳細 な構成 と そ の 課題解 決効果 に つ い て以下 に 説明 す る 。 ま ず モ ニ タ 方式 に 関わ り 、 非 モ ニ タ 方式 と 共 に 、 課題 2 と し て の 高 感度化 と 低電圧 化 の ト レ ー ド オ フ 、 課題 3 と し て の 小型化 (高感度化 ) と オ フ セ ッ ト お よ び そ の温度 ド リ フ 卜 と の ト レ ー ド オ フ を選択解決す る も の で あ り 、 そ の そ れ ぞれ の 特徴 を述べ る 。
非 モ ニ タ 方式で の駆動電流信号 は駆動端子( D ) l 3 0 と 駆動 基準端子 ( D G N D ) 1 3 1 間 に与え た電圧 に伴 う 電流 な の で 水晶 の X D振動 の共振振動速度 に対応す る 純駆動電流以外 に水 晶 の誘電体 と し て の静電容量 に 流れ る 位相 の異 な る 駆動 チ ヤ 一
ジ電流 も 加算 さ れ る の で 、 こ の静電容量が温度特性を持 っ た 場 合等 に 駆動電流信号の一定制御方式 に と つ て外乱 の原因 と な り 感度の不安定性を も た ら し 、 同相検波 の基準 タ イ ミ ン グ に 対 し て も 外乱因子 と な る の で オ フ セ ッ ト お よ び そ の温度 ド リ フ ト も 悪化す る 。 し か し 、 駆動側音叉 の双方 の振動腕か ら 駆動 ェ ネ ル ギ ー を供給す る の で感度 に対す る 駆動の電圧効率 が高 い 。 つ ま り 、 非 モ ニ タ 方式は精度が悪 い が低電圧仕様を要求 さ れ る 用途 に 好適 に 設定す る 。
そ れ に対 し て モ ニ タ 方式で は モ ニ タ 端子(M ) l 3 6 は電流増 幅器 1 3 9 に よ っ て基準電位 に イ マ ジ ナ リ シ ョ ー ト し て あ る の で モ ニ タ 端子(M ) に は水晶の誘電体 に静電容量 に 伴 う 駆動 チ ヤ ー ジ電流は流れな い。 そ の結果、 モ ニ タ 端子に は音叉の共振 X D 振動の モ ニ タ 側振動腕の速度 に 完全 に比例 し た モ ニ タ 電流の み が発生す る 。 従 っ て非 モ ニ タ 方式の よ う な静電容量を流 れ る 電 流 に起因 す る 外乱 は 発生 し な い。 モ ニ タ 方式は 感度 に対 す る 駆 動の電圧効率が低 い の で 、 電圧仕様が厳 し く な く 高感度 な 用途 に好適 に設定す る 。
次 に 、 課題 1 と し て の高感度化 と 角速度応答性 と の ト レ ー ド ォ フ を共通 に選択解決す る 場合 に つ い て説明 す る 。 第 1 8 図 は 水晶 よ り 、 ブ レ ー ド ソ ー 、 サ ン ド ブ ラ ス ト 等の機械加工 ま た は フ ォ ト リ ソ グ ラ フ ィ 一 等 の エ ツ チ ン グ技術 に よ っ て形成 さ れた 櫛形状 の本実施例 の寸法を示 し 、 例 え ば以下 の寸法 に設定 し て め 。
駆動側音叉 の振動腕 1 2 , 1 5 の長 さ L d = 0 0 誦 駆動側音叉 の振動腕 1 2 , 1 5 の 幅 W d = 0 0 ram
検出側音叉 の振動腕 1 3 , 1 4 の長 さ L s = 9 . 9 8 誦 検 出側音叉 の振動腕 1 3 , 1 4 の 幅 W s = 0 . 8 0 画 櫛形状 の音叉 の厚み T = 0 . 0 ram 櫛形状 の音叉全体 の幅 w = 5 . 0 0 ram 駆動側音叉 の支持部の長 さ L d b = 4 . 0 0 ram 検出側音叉 の支持部の長 さ L , b = 0 2 mm 駆動側 と 検 出側の振動腕間 の ス リ ッ ト 間隔
S = 0 . 5 0 画 検出側音叉 の振動腕 1 3 , 4 の ス リ ッ ト 間隔
S 2 = 0 . 4 0 ram 上記寸法設定は X D 振動の共振周 波数 ί x d と X S 振動 の共振 周波数 f X,を ほ ぼ同 じ く し 、 Z S 振動の共振周波数 f z ,を異 な ら せ る よ う に意図 し た 角速度 セ ン サ に属 す る 寸法で あ り 、 f x d = f x s = 6 6 3 5 Hz 、 f ¾ . 5 2 5 1 Hzに な る よ う に設計 し て あ る 。 実際 は加工精度の限界か ら f と f x,の離調 d 一 f を ト リ ミ ン グ に よ り 1 Hz以下 に な る よ う に 調整す る を前提 と す る 。 こ れは 自 励共振状態 に あ る X D 振動 に対 し て X S 振動を 完全共鳴 さ せ る こ と に よ り 検 出側音叉 に十分 な X 方向逆相振動
( X S 振動) を与え て角 速度入力時 に検 出側音叉 に最大の コ リ 才 リ のカ を も た ら す た め で あ る 。
こ の 寸法設定は検出側音叉 の Z 方向 に逆相 に お よ ぶ コ リ オ リ の 力 の 周 波数 は X D 振動の 自 励発振周 波数 f に な る の で、 こ の場合 f z s と f x dの離調 f Z - f x d = 一 1 3 8 4 Hzは大 き い の で コ リ オ リ の力 の反応 と し て の検出側音叉 の Z 方向逆相振動
( Z S 振動) は X D 振動 と の 共鳴か ら 大 き く 離れ、 そ の結果、
入力角 速度 に対 し て高速 に応答す る 寸法設定 と な っ て い る 。 た だ し 、 感度 は 次に述べ る W d = 0. 7 8 咖 の寸法設定の場合 よ り 小 さ い 。 こ れ は 角 速度入力 レ ン ジ が比較的大 き く 、 高速応答を 要求 さ れ る 車両等の姿勢制御用 と し て好適 な設定で あ る 。
ま た 、 駆動側音叉 の振動腕 1 1 2, 1 1 5 の幅 だ け を W d = 0. 7 8 rani に変更すれば f x d = 5 2 7 5 Hz と な り 、 寸法設定 が X D振動 の共振周 波数 f x d と X S 振動の共振周 波数 f x sを ほ ぼ 同 じ く し 、 Z S 振動 の共振周 波数 f z sを も ほ ぼ同 じ く す る よ う に意図 し た 角 速度 セ ン サ に属 す る 寸法 と な り 、 前記寸法設定下 で の ト リ ミ ン グに加え て f x d と f z ,の離調 i xd— f z,を ト リ ミ ン グ に よ り 2 4 Hz ± 1 Hzに な る よ う に調整す る こ と を前提 と す る
こ れ は前記寸法設定 の よ う に X D 振動 と X S 振動を共鳴 さ せ て検 出側音叉 に最大の コ リ オ リ の力 を も た ら す だ け で な く 、 そ の反応 と し て の Z S 振動 を も 共鳴 に 近づ け る (近共鳴 と す る ) こ と に よ り 、 そ の結果、 入力角速度 に対 し て高感度 な寸法設定 と な っ て い る 。 た だ し 、 応答速度は前述の W d = 1 . 0 0 ™の寸 法設定 よ り 小 さ い。 こ れ は 角 速度入力 レ ン ジ が小 さ く 、 応答速 度が比較的低速で も 使用 で き る 車両等の ナ ピ ゲ一 シ ョ ン シ ス テ ム 用 と し て好適 な 設定 と な る 。
な お、 ト リ ミ ン グ は 既 に 公知な方法で、 振動腕 1 1 2 〜 1 1 5 の先端の角 を斜 め に カ ツ 卜 し た り 、 振動腕 1 1 2 〜 1 1 5 の 付 け根 を V 溝 力 ッ ト し た り 、 支持部 1 1 1 の低部 を カ ツ ト し た り 、 先端 に小 さ い質量を接着添加 す る 方法が あ る 。
ま た、 W d = 0. 7 8 ramの ま ま で検出側音叉の幅 W sを変更す る
こ と で ί χ,が変化す る の で f x d と i : sを 同 じ く し 、 f x,を異 な ら せ る 角速度 セ ン サ を構成す る こ と がで き る 。 こ れは課題 1 と し て の選択解決だ け で な く 課題 3 と し て の小型化 と オ フ セ ッ ト お よ び そ の温度 ド リ フ ト の改善 も 解決 す る も の で あ る 。 こ の構 成 に お い て は検出側音叉 の X S 振動 は駆動側音叉 の X D 振動 に 共鳴せ ず角速度が入力 し た と き の Z 方向逆相 の コ リ オ リ の力 は も っ ぱ ら 駆動側音叉 が受 け る こ と に な る 。 こ の コ リ オ リ の力 は 共振 X D 振動 の周 波数 で音叉 の支持部を介 し て検 出側音叉 に 機 械的 に 結合 し 、 検出側音叉 の Z S 振動は共振周 波数が X D 振動 の共振周 波数 に近接 し て い る の で大 き く 振動 し 、 角 速度 セ ン サ と し て機能す る こ と に な る 。 こ の構成の特徴は、 X S 振動が X D 振動 に非共鳴で あ る た め に X D 振動か ら Z S 振動への不要機械 結合 が発生せ ず 、 不要 Z S 振動成分 も ほ と ん ど な く な り オ フ セ ッ ト や そ の温度 ド リ フ 卜 の改善 に結 びつ く と こ ろ に あ る 。
ま た 、 前記寸法設定 か ら 音叉 の 厚 み T を 変 え 、 そ れ に 伴 う f z sの変化を検出側音叉 の振動腕の長 さ L s を変更す る こ と で f と ί Sを 同 じ く し 、 f を異 な ら せ た ま ま 、 さ ら に f を f xd と 同 じ く す る 寸法設定 に よ り 角 速度 セ ン サ を構成す る こ と がで き 、 こ の構成は前記同様課題 1 の選択解決、 課題 3 の解決 を も た ら す。 こ の構成の特徴 は駆動側音叉 に現れ た コ リ オ リ の 力 に よ っ て駆動側音叉 の Z X 振動を共振 さ せ 、 さ ら に検 出側音 叉 の Z S 振動 を 共 鳴 さ せ る こ と で 前記寸法設定 と 同 様、 オ フ セ ッ ト や そ の 温度 ド リ フ ト を改善す る の み な ら ず、 高感度の特 性を も 図 っ た も の で あ る 。
以上述 べ た 共振 周 波数 の 共 鳴設定 は X D 振 動 と Z S 振動 に
限 っ て 2 本の単純音叉 で も 可能で あ る が、 駆動電極、 検 出電極 を近づ け て各振動腕 に 配置す る と 駆動亀圧 が水晶 の静電容量を 介 し て検出電極 に電荷 を運 び、 こ れ は 角 速度信号 と 同相 と な る の で同相検波器 1 4 6 で も 分離で き ず、 ォ フ セ ッ 卜 お よ びそ の 温度 ド リ フ ト の原因 と な る 。 ま た左右 の振動腕 に駆動電極、 検 出電極 と 分 け て配置す る と 並進加速度 に対 し て キ ヤ ン セ ル効果 が な く な り 、 大 き な並進加速度電荷 と し て検 出端子 ( S ) 1 3 2 か ら 現 れ、 同 相検波器 の検波減衰後 も D C 電圧 と し て残 っ て し ま う 。
次 に 課題 4 と し て の外部並進加速度 に対す る 不要感度、 課題 5 と し て の低 オ フ セ ッ 卜 と そ の温度 ド リ フ 卜 の実現、 課題 6 と し て の 外部衝撃緩和 の 3 つ の課題 を解決す る も の に つ い て説明 す る 。
上記小 さ な 孔 1 3 4 は第 2 0 図 に示す よ う に 、 X Y 面 内 で の 複合音叉 の対称の 中央線を基準 と す る 同 じ く 対称 と な る よ う な 外部支持部材 と の接続 の た め の孔構造で、 X D 振動や X S 振動 の音叉 の X 方向 パ ラ ン ス 節点上 に配置 し て振動の 外部への 漏洩 を 減衰 し 、 オ フ セ ッ ト ゃ ォ フ セ ッ ト 温度 ド リ フ ト を低減す る こ と 、 コ リ オ リ の力 の 応答 と し て の Z S 振動 (検出側音叉 の逆相 の Z 方 向振動) と Z D 振動 ( κ ラ ィ ブ側音叉 の逆相 の Z 方向振 動) が同相 の場合 に 、 つ ま り Y 軸回 り の回転振動 ( こ れを Y 回 転振動 と す る ) が誘起す る 、 Y 回転振動の機械的 ィ ン ビ ー ダ ン ス を安定化設定す る か 、 逆相 の場合 に ( こ の と き 、 Y 回転 振動 は キ ヤ ン セ ル さ れ る ) 、 両 fe動 Y 回転の ハ * ラ ン ス 節点上の 配置 と し て振動の外部への漏洩を減衰 し 、 同 じ く ォ フ セ ッ ト ゃ
オ フ セ ッ ト 温度 ド リ フ 卜 を低減す る た め の も の で あ る 。
な お、 Z S 振動 と Z D 振動が同相 ( Y 回転振動が誘起す る 状 態) に な る か逆相 ( Y 回転振動がキ ャ ン セ ル さ れ る 状態) に な る か は 内側、 外側の そ れぞれ 2 本の振動腕 ( こ れ ら は駆動側、 検出側 に割 り 当 て ら れ る ) の支持部への 内側付 け根の Y方向 の 位置関係 に依存 し 、 内側 の音叉 の 内側付 け根の位置の方 が音叉 の先端側 に あ れば Y 回転振動誘起、 支持部側 に あ れば Y 回転振 動 キ ヤ ン セ ル と な る 。
す な わ ち 、 感度は Z S 振動が も た ら す も の で あ る が、 そ れを 基本的 に 決定づ け る の は検出側の振動腕お よ び支持部 1 1 1 の 構造 イ ン ピ ー ダ ン ス で あ る 。 し か し 、 下記の よ う に 外部 と の接 铳支持部の構造ィ ン ビ ー ダ ン ス も 関与 さ せ た り 、 さ せ な か っ た り で き る の で 設計 自 由 度 が 向 上 す る 。 Z S 振動 の 共振 周 波数 i z sを X D振動 の共振周 波数 f xdと 異な ら せ る 場合 は Z S 振動 レ ベ ル は比較的小 さ く 、 Z S 振動 と Z D振動が Y 回転振動誘起 と な る 付 け根位置関係 に設計 し て音叉全体 に 回転 モ ー メ ン ト を 与え 、 孔 1 3 4 に接铳 し た外部支持部材 に よ る 機械ィ ン ビ ー ダ ン ス に よ っ て Z S 振動 に お け る 振動腕の た わ み レ ベ ルを 決 め る こ と も で き る 。 つ ま り 、 外部支持を硬 く す る と た わ み振動が振 動腕 に 集中 し て高感度設計 と な り 、 柔 ら か く す る と た わ み は外 部支持部材 に 集中 し て低感度設計 と な る 。 低感度設計 は 角 速度 入力 レ ン ジ が比較的大 き く 、 高速応答 を要求 さ れ る 車両等 の姿 勢制御用 と し て好適 な 設計で あ る 。
ま た 、 Z S 振動の共振周 波数 f z sを. X D振動 の共振周 波数 f xd と 同 じ く す る 場合 は Z S 振動 レ ベ ル が大 き く 、 Z D 振動の
共振周 波数 f も 同 じ く し て Z S 振動 と Ζ D 振動が Υ 回転振動 キ ャ ン セ ル と な る 付 け根位置関係 に設計 し て両振動 の回転 モ ー メ ン 卜 を打 ち 消 し 合 う 。 こ れ は角 速度入力 レ ン ジ が小 さ く 、 応 答速度が比較的低速で も 使用 で き る 車 [^等の ナ ビ ゲ ー シ ョ ン シ ス テ ム 用 と し て好適 な設計 と な る 。
つ ま «9 、 Z S 振動 は基本的 に音叉上の振動腕の 支持部 1 1 1 を介 し こ 口 す る の で感度確保の た め に 外部支持部に設計制約 を与 え る こ と が な く 、 対衝擊緩和、 外部並進角速度に対す る 感 度低減の た め の設計 自 由度を十分確保で き 、 オ フ セ ッ ト 安定化 の た め の 内部振動反射減衰の設計 も X D 振勖、 Z S fe動 と も に 容易 と な る 。
ま た 、 本実施例の孔 1 3 4 の よ う に Υ 方向対称の 中心線上 に 外部支持部を配す る と 、 外部並進加速度 に対す る Y 方向回転捩 れを誘起 し に く く 外部並進加速度感度の低減の効果は い つ そ う 大で あ る
上記設計 目 的 を達成す る た め の外部支持接铳部 は孔 1 3 4 以 外 に 、 X γ 面内 で の複合音叉 の対称の 中央線を基準に 、 同 じ く 対称 と な る よ う な構造で あ れば突起構造や平面的 な接铳構造で も よ い
最後 に 、 参考 ま で に 共振周 波数の設計方法を第 1 8 図 を用 い て説明 す る 。
第 1 8 図 に 示 す 櫛形状音叉 1 1 0 の 振動腕 1 1 2 〜 1 1 5 は 、 電気音響振動工学の理論か ら 片持支持棒 と し て取 り 扱え る が、 振動腕 1 1 2 , 1 1 5 の有効長 さ は L dよ り 長 く 、 H d と す れば、 そ の X D 振動の共振周 波数 f x dは (数 1 ) の よ う に表わ
さ れ る
a A · W
d ― E x p (数 l )
2 π T H た だ し 、 a L . 8 7 5 (周 波数規準定数)
E 水晶結晶の X軸方向 の ャ ン グ率
P 水晶結晶の密度
A 音叉支持部の長 さ L DSや振動腕の 間隔寸法 S ! , S 2で決 ま る 係数
X D 振動 に よ り 誘起 さ れ た 検 出側音叉 の X S 振動 の共振周 波 数 は検 出側の振動腕 1 1 3, 1 1 4の 有効長 さ を H s と す れば、 同様 に (数 2 ) と な る 。
a B · W
/ET - P (数 2 )
2 7Γ 1 2 H, た だ し 、 B : 音叉支持部の長 さ L S Bや振動腕の間隔寸法
S 1 , S 2で決 ま る 係数で A に非常 に近 い値
X S 振動 を誘起 さ せ る た め の音叉 の支持部の機械結合 の設計 条件は 、 (数 1 ) = (数 2 ) と す れば よ い か ら (数 3 ) を満足 す る よ う に 設計す れば よ い こ と がわ か る 。
A W B W
す な わ ち =
H H B W Hπ (数
s 3 ) ま た、 3つ の共振周 波数 の選択 に よ る W d, W s , L dの 設計 に よ っ て は 、 L s≥ L dの場合 も あ り 得 る 。
次 に 、 Z S 振動 の共振周 波数 i zsは 、 Z S 振動 の振動腕の有 効長 さ は 実験的 に H, よ り 長 い こ と が分 か っ て い る か ら 、 こ れ を H : と す れ ば (数 4 ) と な り 、 も し 、 共振形 の音叉設計 を 条 件 と す る な ら ば (数 2 ) = (数 4 ) あ る い は (数 1 ) = (数 4 ) を満足 す れば よ い。
f s ― /E z / p (数 4 )
2 π l 2 H z た だ し 、 E z : 水晶結晶の Z 軸方向 の ヤ ン グ率 即 ち 、 以下 に示す (数 5 ) あ る い は (数 6 ) と な る 。
T / ( B W s ) = ( Η ζ Ζ Η , )2 ΊΓΧ / /FT (数 5 ) τ / ( A W c ) = ( H z / H d )2 /Fl- / /I (数 6 ) し た が つ て 、 検出側音叉 の振動腕 1 1 3 , 1 1 4 の厚 み 丁 と 幅 W , W dの比は、 そ の ヤ ン グ率 E z , E xを測定 し 、 振動腕
3 , 1 1 4 の有効長 さ ( H z Z H , )2 お よ び ( H z Z H d )2 か ら 求 め る こ と が で き る 。 こ の 実施例 で は 0 = 3 ° で あ る か ら 、 回転前の既知の定数 を使 っ て計算 し 目 安 と し た。
( 数 3 ) お よ び ( 数 5 ) の 両方 を 満 た す 設計条 件、 す な わ ち 、 f X d , f x , , f :,の 3 つ の共振周 波数 を等 し く す れば、 高 感度が期待で き る が、 製造で の周 波数調整 に手間 ど り 、 かえ つ て コ ス ト 高 に な る の で f d = f χ, ^ f , , と f ζ , = f xd ^ ί .、,の
^7 口 が望 ま し い 。 ま た 、 水晶 の 共振 の Q 値 が 1 0, 0 0 0以上 と 高 い の で、 f x d = f .、 s と す る こ と は製造的 に 困難 な場合 が多 < 、 縮退現象 を利用 し て近似的 に f xd f x s と す る こ と がで き る 。
参考 ま で に こ の 目 の字形状 の音叉 の設計 は 、 外側 の振動腕 1 5 1 , 1 5 2 を準両端固定 と 仮定 し 、 そ の第 1 固有値 を 3 と す れば (数 1 ) に対応 し て X D 振動 の 共振周 波数 f
x dは (数 7 ) と な り 、 長 さ が 2 倍 に な っ た分 と 考 え合せ る と f
dは櫛形状 の 音叉 の 場合 の 約 1 . 5 9 倍( 〔 ノ な + ) 大 き く な る の で、 そ の分 W
dを小 さ く す れば よ い。
f
"
た だ し 、 3 : 4. 7 3 0 0 (周 波数規準定数)
次 に 目 の字形状 の音叉 を利用 し 、 非 モ ニ タ 方式 の駆動検 出方 式を採用 し た場合 に つ い て説明 す る 。 こ の 目 の字形状 の櫛形状 に対す る 相違点は構造が複雑 で あ る こ と と 感度が高 く と れ る と い う こ と であ る 。 動作原理 と 構成の詳細、 そ の課題解決に対す る 効果 と の対応 は基本的 に前出 の実施例 と 同 じ な の で省略 す る 。
以下 に本実施例 の概略構成を第 2 4 図〜第 3 1 図 を用 い て説 明す る 、 第 2 4 図は 目 の字形複合音叉の実施例の外観で、 1 4 8 は水晶材料か ら 音叉 の 幅方向 ( X方向 と す る ) を水晶結晶軸の 電気軸 と し 、 複合音叉 の長手方向 ( Y方向 と す る ) と 厚 み方向 ( Z 方向 と す る ) を そ れぞれ、 水晶結晶軸の機械岫 と 光軸を起 点 と し て電気軸回 り に 0 度回転 さ せ た方向 と し て 目 の字形状 に 形成 し た複合音叉で あ り 、 そ の上下端に は共通の支持部 1 4 9 , 1 5 0 が設 け ら れ、 こ の支持部 1 4 9 , 1 5 0 を つ な ぐ よ う に 両側 に駆動側振動腕 1 5 1 , 1 5 2 が設 け ら れ、 そ の 内側 に支 持部 1 4 9 , 1 5 0 の そ れ ぞ れ か ら 2 本 ず つ の 検 出 側振動腕 1 5 3 , 1 5 4 と 1 5 5 , 1 5 6 が設 け ら れて い る 。 さ ら に支 持部 1 4 9 , 1 5 0 の 中央部 に は こ の 目 の字形状 の音叉 1 4 8 の外部支持部材への取付用 と し て小 さ な 孔 1 5 7 , 1 5 8 が設 け ら れ て い る 。
上記構成で は 2 本の振動腕 1 5 1 , 1 5 2 は駆動側音叉、 4 本の振動腕 1 5 3 〜 1 5 6 は検 出側音叉 と し て利用 さ れ、 結果 的 に は櫛形状 の音叉 を 2 個突 き 合わ せ 、 駆動側音叉 を一体 で検
出側音叉 を 分雕 し た構造 と し 、 出力感度 を 2 倍大 き く し た も の で あ る 。
第 2 5 図 は 第 2 4 図 と 対比 し て音叉 の方向 と 水晶の材料異方 性 の 方 向 を 示 し た も の で 、 第 2 4 図 は 上記 目 の 字形状 の 音 叉 1 4 8 を幅方向 ( X方向 ) を水晶結晶軸の電気軸 と 一致 さ せ 、 音叉 の長手方向 ( Y方 向 ) と 音叉 の厚み方向 ( Z 方向) を そ れ ぞれ水晶結晶軸の機械軸、 光岫 と 零で な い 角度 0 を成す よ う に 形成 し た も の で あ り 、 第 2 5 図 は そ の角 度 0 を零 に し た も の で あ る 。 こ れ ら は課題 1 と し て の高感度化 と 感度安定性、 角 速度 応答性 と の ト レ ー ド オ フ を選択解決す る も の で あ る 。
第 3 1 図 は 内側の 2 本の振動腕 1 5 1 , 1 5 2 を連铳 に し て こ れを駆動音叉 の振動腕 と し 、 外側 の 2本の振動腕を 中央で切 断 し て 4 本 の 検 出側音叉 の 振動腕 1 5 3 , 1 5 4 , 1 5 5 , 1 5 6 と し た も の で 、 同 様 の 構成 · 動作 を 実現 す る も の で あ る 。
第 2 7 図、 第 2 8 図 は第 2 4 図、 第 2 5 図 の 目 の字形複合音 叉 の場合 の電極 · 端子構成を示す。 一方の駆動側振動腕 1 5 1 の 表裏面 に は + 側の駆動電極 1 5 9 , 1 6 0 が、 両側面 に は 一 側 の駆動電極 1 6 1 , 1 6 2 が、 他方の駆動側振動腕 1 5 2 の 表裏面 に は — 側 の駆動電極 1 6 3 , 1 6 4 が、 両側面 に は + 側 の駆動電極 1 6 5 , 1 6 6 が振動腕 の 中央部が接続の た め細 く し た状態で形成 さ れて い る 。 た だ し 、 こ の 中央部分は下部か ら 中央部 の と こ ろ で パ タ ー ン を 9 0 度 よ じ る よ う に し て そ れ ぞれ 隣の面 に接铳移動 し 、 上部 に 移 る と こ ろ で元の面 に戻 る よ う に す る と も っ と 駆動電極 と し て効率の い い配置 と な る 。
ま た 、 上方 内側の検 出側音叉 の 2 本の振動腕 1 5 3 , 1 5 4 と 支持部 1 4 9 に は 表面側 は 内側 に 一 側 の検出電極 1 6 9 、 外 側 に + 側 の検 出電極 1 7 0 が設 け ら れ、 裏面 に は 内側 に + 側の 検 出電極 1 7 1 、 外側 に - 側 の検 出電極 1 7 2 が形成 さ れて い る 。
ま た 、 下方内側 の検 出側音叉 の 2 本の振動腕 1 5 5 , 1 5 6 と 支持部 1 5 0 に は表面側 は 内側 に 一 側 の検 出電極 1 7 3 、 外 側 に + 側 の検出電極 1 7 4 が設 け ら れ、 裏面 に は 内側 に + 側 の 検 出電極 1 7 5 、 外側 に 一 側 の検出電極 1 7 6 が形成 さ れ て い る 。
そ し て駆動側音叉の + 側の駆動電極 1 5 9 , 1 6 0 , 1 6 5 , 1 6 6 は駆動端子(D ) 1 7 7 に、 一側の駆動電極 1 6 1 , 1 6 2, 1 6 3 , 1 6 4 は駆動基準端子 ( D G N D ) 1 7 8 に 、 検 出側 音叉 の + 側 の検出電極 1 7 0 , 1 7 1 , 1 7 4 , 1 7 5 は 検 出 端子( S ) 1 7 9 に 、 — 側 の検 出電極 1 6 9 , 1 7 2 , 1 7 3 , 1 7 6 は基準端子 ( G N D ) 1 8 0 に 接铳 さ れて い る 。
ま た 、 第 3 0 図 は こ の角 速度 セ ン サ を モ ニ タ 方式で駆動 · 検 出 す る 場合 の電極結線図で あ る 。
目 の字形複合音叉 は ワ イ ヤ ソ ー 、 ブ レ ー ド ソ ー 等の工法 は難 点が あ る が、 サ ン ド ブ ラ ス ト 等 の機械加工 ま た は フ ォ ト リ ソ グ ラ フ ィ 一 等の エ ッ チ ン グ技術 を用 い る と 櫛形 よ り も複雑 な こ の 構造が同 じ コ ス ト で形成で き る 。 第 2 6 図 は 目 の 字形状 の 角 速 度 セ ン サ の寸法図を示 し 、 例 え ば以下の寸法 に設定 し て あ る 。
駆動側音叉 の振動腕 1 5 1 , 1 5 2 の長 さ Ld = 22.00讓 駆動側音叉 の振動腕 1 5 1 , 1 5 2 の幅 Wd = 0.62觀
検 出側音叉 の振動腕 1 5 3 ~ 1 5 6 の長 さ Ls 二 9. 74 mm 検出 側音叉 の振動腕 1 5 3 ~ 1 5 6 の 幅 Ws = 0.80 mm 目 の 字形状 の音叉 の厚 み T = 0. 70 mm 目 の 字形状 の音叉全体の幅 W2 = 5.00誦 駆動側 と 検出側の振動腕間 の ス リ ッ ト 間隔 = 0.50 ram 検出側音叉 の振動腕間 の ス リ ッ ト 間隔 s2 = 0.40 ram 上記寸法設定は X D 振動の 共振周 波数 ί x d と X S 振動 の共振 周 波数 f x sを ほ ぼ同 じ く し 、 Z S 振動の共振周 波数 f : sを異 な ら せ る よ う に 意図 し た 角 速度 セ ン サ に属 す る 寸法 で あ り 、 i x d = f s = 6 7 6 6 Hz . f z s = 5 2 5 1 Hz に な る よ う に設計 し て め る 。
ま た、 駆動側音叉の振動腕 1 1 2 , 1 1 5 の幅だ けを小 さ く し て f x d = 5 2 7 5 Hz と す る こ と がで き 、 寸法設定が X D 振動の 共振周 波数 f x d と X S 振動 の共振周 波数 f x,を ほ ぼ同 じ く し 、 Z S 振動 の共振周波数 f z sを も ほ ぼ同 じ く す る よ う に意図 し た 角 速度 セ ン サ に属 す る 寸法 と な る 。
こ の よ う な 目 の字形状 の複合音叉 を 用 い る こ と に よ っ て櫛形 状 の 音 叉 を 用 い た 角 速 度 セ ン サ の 約 2 . 1 倍 の 感度 が 得 ら れ た 。
産業上 の利用 可能性
以上説明 し た通 り 、 本発明 の角 速度セ ン サ は 、 櫛形状 の音叉 で 、 支持部 を共通 と し て複数本の平行 な音叉振動腕を有 し 、 音 叉長手方向 の振動 の節線 α 上で、 且つ 支持部端面 に近 く を保持 し て 振 動 伝達効率 を 良 く し 、 検 出 感度 を 向 上 さ せ る こ と が で き 、 櫛形状 の 4 本の振動腕 の 2 本を駆動用 に 残 り 2 本を検 出 用
に そ の機能 を 分離 し て 使用 し て 、 検 出側 への駆動信号の 回 り 込 み を防止 し 、 セ ラ ミ ッ ク 圧電材料の 特徴 と 活か し 、 部分分極、 部分電極方式で、 浮遊容量の 除去、 及 び支持部の不要振動 の 除 去 に よ り 電気的、 機械的 S Z N の飛躍的改善が図れ、 セ ラ ミ ッ ク 一体形成の音叉で あ る か ら 、 従来例 と 比べて、 音叉 の数が 2 倍で 、 ま た屈 曲振動で 、 且つ 、 f DX = f s x、 f D ); = f s z と な る よ う に 音叉 の形状寸法 を設定 し て い る か ら 、 感度向上 に よ る 温 度 ド リ フ ト が非常 に 小 さ く 、 ま た駆動信号 の検 出側への漏れ電 流 の抑圧等、 高性能で 、 安定 な セ ラ ミ ッ ク 圧電形複合角 速度 セ ン サ を提供で き る 。
ま た 、 複合形音叉 に適 し た モ ニ タ 駆動方式 に よ る 安定 な 自 励 発振 と Z M Sに起因す る モ ニ タ 電流の分離 に よ る S Z N の 向上 な ど実用 的効果 が期待で き 、 検 出側音叉 の Z sモ ー ド の 振 動 の 節 線 α 上で 、 支持部の下部 あ る い は両端を保持 し て い る か ら 、 衝 撃 テ ス ト で は 5 0 0 0 G に耐え 、 又 3 m の 落下 テ ス ト に も 耐 え た の で 、 自 動車用 と し て使用 で き 、 数量 も 期待で き 、 安価 に製 造で き 、 工業的価値大 な る も の で あ る 。 ま た 、 櫛形、 目 の字形 の複合音叉構造を と り 、 水晶 の異方性の 方 向 に対す る 音叉 の方 向、 各振動の 共振周 波数 の近共鳴関係設計、 駆動検出方式を最 適 に選ぶ こ と に よ り 、 (1)小型化高感度化、 そ れ に 伴 う 回路や基 板、 ケ ー シ ン グ な ど の ノ イ ズ対策 の コ ス ト 減、 (2)感度 の 安定 化、 (3) オ フ セ ッ 卜 の低減、 (4) オ フ セ ッ ト 温度 ド リ フ ト の 低減、 (5)外 部並進 加速度 感度 の 低減、 (6)外 部衝擊 に 対 す る 信頼性 向 上、 (7>水晶材料効率の 向上が図 れ る 。