JP3178446B2 - 圧電ジャイロセンサ - Google Patents

圧電ジャイロセンサ

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JP3178446B2 JP36166598A JP36166598A JP3178446B2 JP 3178446 B2 JP3178446 B2 JP 3178446B2 JP 36166598 A JP36166598 A JP 36166598A JP 36166598 A JP36166598 A JP 36166598A JP 3178446 B2 JP3178446 B2 JP 3178446B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、圧電ジャイロセ
ンサに係り、詳しくは、胴部の左右両側から2本ずつの
アームが延びているH字型の圧電ジャイロセンサに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から圧電ジャイロセンサは、振動し
ている物体に角速度Ωが加わると、この振動に略垂直な
方向に慣性力であるコリオリ力Fcが生じることを利用
している。このような従来の音片型圧電ジャイロセンサ
の一例を図16(a)乃至(c)に示す。図16(a)
は、従来の圧電ジャイロセンサの全体構成を示す斜視図
である。同図に示すように、ジャイロセンサ500は、
Z軸方向に長い断面が正方形状を有する四角柱状の恒弾
性金属(例えばエリンバ)100のX軸に垂直な両面に
XZ面内の屈曲振動fxを駆動する圧電磁器板102が
形成され、恒弾性金属100のY軸に垂直な両面にコリ
オリ力FcによるYZ面内の屈曲振動fyを検出する圧
電磁器板101が形成されている。そして、圧電磁器板
102に駆動用電気端子104が接続され、圧電磁器板
101に検出用電気端子103が接続されている。
【0003】また、この圧電ジャイロセンサ500は、
X軸に垂直な面上とY軸に垂直な面上にある振動の節部
となる2箇所の支持部105,106で支持され、固定
される。同図(b)は、同図(a)で示した圧電ジャイ
ロセンサの中央部のXY面に平行な断面図である。図
中、X軸方向に向く矢印は駆動される駆動屈曲振動fx
の方向を示し、Y軸方向に向く矢印はZ軸の周りに角速
度Ωが生じたときに働くコリオリ力Fcによる検出屈曲
振動fyの方向を示す。同図(c)の左側の図は駆動に
より生じるXZ面内の屈曲振動fxのモードを示し、右
側の図は検出すべきYZ面内の屈曲振動fyのモードを
示す。
【0004】図17は、従来のH字型圧電ジャイロセン
サの平面図である。同図に示すように、胴体部111か
ら2本ずつ四角柱状のアーム107,108及び10
9,110が相互に反対方向に延び、胴体部111と共
にH字状を形成している。駆動用電極113,114が
それぞれ片側のアーム107,108の主面に形成さ
れ、検出用電極115,116がそれぞれもう一方の片
側のアーム109,110の主面に形成されている。さ
らに、胴部111の両横に突起を有し、ここがH字型圧
電ジャイロセンサを支持し、固定する支持部112とな
る。このH字型圧電ジャイロセンサは、駆動によりアー
ム107,108と、アーム109,110とが面内で
位相が180°異なる開閉振動をする。図18(a)
は、駆動振動モードである面内振動モードであり、アー
ム107,108が面方向に閉じ、アーム109,11
0が同じ面内方向に開いている状態を示している。この
ような駆動状態でZ軸の周りに角速度Ωが生じると、ア
ーム107,108と、アーム109,110はコリオ
リ力Fcを受けて面内振動方向に垂直な方向に振動す
る。同図(b)は、検出振動モードである面垂直振動モ
ードであり、アーム107,109が前方に屈曲し、ア
ーム108,110が後方に屈曲している状態を示して
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のジャイロセンサは、予め定められた方向に振動させ
ておき、角速度Ωで系全体が回転するときに慣性力であ
るコリオリ力Fcは駆動振動方向に対して、直角に働く
ことを利用したもので、いずれもZ軸方向に長手方向有
し、Z軸方向にたてる縦置き型であり、その結果高さの
高い形状にならざるを得なかった。他のICなどの電気
部品に比べて高さが高く、実装に不向きであり、高さの
低いジャイロセンサが望まれている。
【0006】これに対して、高さが低い横置き型が開発
されており、その一例として特開平10−170270
号公報がある。この公報には胴部から2本ずつのアーム
が相互に反対方向に出ているH字型圧電ジャイロセンサ
が開示されているが、圧電ジャイロセンサの重心位置と
支持・固定位置とが異なるため、振動や衝撃に対して励
振される屈曲振動が微妙に影響を受け、信頼性と安定性
のある実装が妨げられる虞がある。
【0007】この発明は、上述の事情に鑑みてなされた
もので、高さが低く、かつ重心位置と支持・固定箇所と
が略一致し、信頼性と安定性のある実装が比較的容易な
圧電ジャイロセンサを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、圧電ジャイロセンサに係
り、長さと幅と厚さとを有する胴部と、上記胴部から上
記長さ方向に2本ずつ互いに反対方向に延びて上記胴部
と共にH字状を形成している4本のアームと、上記胴部
を挟んで上記長さ方向に連なる2本のアームを1組とし
て上記胴部の中心を通る長さ方向の軸を挟む2組のアー
ムに上記厚さ方向に略垂直な面内で上記長さ方向の軸に
対して略対称な面内屈曲振動を生じさせる駆動用電極
と、上記面内屈曲振動が生じているとき、上記胴部の中
心を通る幅方向の軸の周りに角速度が生じると、上記面
内屈曲振動の生ずる面に略垂直な面内であって上記幅方
向に略平行な面内に生じる、上記胴部の左右で180°
位相が異なる幅屈曲振動を検出する検出用電極とを有し
てなることを特徴としている。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載の圧
電ジャイロセンサに係り、上記胴部の中心が上記圧電ジ
ャイロセンサの重心と略一致し、該重心が支持され、又
は固定されていることを特徴としている。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の圧電ジャイロセンサに係り、上記4本のアームの先
端部に該アームの他の部分よりも上記幅方向に広くなっ
ている幅広部が設けられてなることを特徴としている。
【0011】請求項4記載の発明は、請求項1乃至3の
何れか一に記載の圧電ジャイロセンサに係り、上記面内
屈曲振動の共振周波数と上記幅屈曲振動の共振周波数と
を微調整するために上記胴部の幅寸法を調整することを
可能にする幅広部を設けたことを特徴としている。
【0012】請求項5記載の発明は、請求項1乃至4の
何れか一に記載の圧電ジャイロセンサに係り、上記駆動
用電極が、上記4本のアームそれぞれの上記厚さ方向の
中央部であって、上記各アームの上記厚さ方向に略垂直
な2つの主面に略平行な面に上記各アームの幅方向の外
側及び内側に形成された駆動用内部電極と、該駆動用内
部電極に相対向するように上記各アームにそれぞれ形成
された駆動用外部電極とから構成され、上記外側に設け
られた上記駆動用外部電極と上記駆動用内部電極の間の
分極は上記駆動用内部電極から上記駆動用外部電極に向
かう方向に分極処理が行われ、かつ上記内側に設けられ
た上記駆動用外部電極と上記駆動用内部電極の間の分極
は上記駆動用外部電極から上記駆動用内部電極に向かう
方向に分極処理が行われ、上記略対称な面内屈曲振動を
励振できるように電気的に配線されてなることを特徴と
している。
【0013】請求項6記載の発明は、請求項1乃至4の
何れか一に記載の圧電ジャイロセンサに係り、上記駆動
用電極が、上記4本のアームの厚さ方向の中央部であっ
て、該各アームの上記厚さ方向に略垂直な2つの主面に
略平行な面内に上記各アームの幅方向の外側に形成され
た駆動用内部電極と、該駆動用内部電極に相対向するよ
うに上記各アームにそれぞれ形成された駆動用外部電極
とから構成され、上記駆動用外部電極と上記駆動用内部
電極の間の分極は上記駆動用内部電極から上記駆動用外
部電極に向かう方向に分極処理が行われ、上記略対称な
面内屈曲振動を励振できるように電気的に配線されてな
ることを特徴としている。
【0014】請求項7記載の発明は、請求項5又は6記
載の圧電ジャイロセンサに係り、上記駆動用外部電極が
上記各アームの両主面上に設けられてなることを特徴と
している。
【0015】請求項8記載の発明は、請求項5又は6記
載の圧電ジャイロセンサに係り、上記駆動用外部電極が
上記アームの主面近傍の内部であって、上記アームの主
面と略平行な面内に設けられてなることを特徴としてい
る。
【0016】請求項9記載の発明は、請求項1乃至8の
何れか一に記載の圧電ジャイロセンサに係り、上記一方
のアームの付け根の胴部において、厚さ方向の中央部分
であって該胴部の上記厚さ方向に略垂直な2つの主面に
略平行な面内に検出用内部電極を設け、該検出用内部電
極に相対向するように該検出用内部電極の両側に検出用
外部電極を設け、上記検出用内部電極から上記主面方向
に分極処理が行われ、他方のアームの付け根の胴部にお
いて、厚さ方向の中央部分であって該胴部の2つの主面
に略平行な面内に検出用内部電極を設け、該検出用内部
電極に相対向するように該検出用内部電極の両側に検出
用外部電極を設け、上記主面から上記検出用内部電極に
向かって分極処理が行われ、上記幅屈曲振動を検出でき
るように電気的に結線されてなることを特徴としてい
る。
【0017】請求項10記載の発明は、請求項1乃至8
の何れか一に記載の圧電ジャイロセンサに係り、上記一
方のアームの付け根の胴部において、厚さ方向の中央部
分であって該胴部の上記厚さ方向に略垂直な2つの主面
に略平行な面内に検出用内部電極を設け、該検出用内部
電極に相対向するように該検出用内部電極の両側に検出
用外部電極を設け、厚み方向の下から上の方向に略一様
に分極処理が行われ、他方のアーム部に近い部分の胴部
において、厚さ方向の中央部分であって該胴部の主面に
略平行な面内に検出用内部電極を設け、該検出用内部電
極に相対向するように該検出用内部電極の両側に検出用
外部電極を設け、厚み方向の上から下の方向に略一様に
分極処理が行われ、上記幅屈曲振動を検出できるように
電気的に結線されてなることを特徴としている。
【0018】また、請求項11記載の発明は、請求項9
又は10記載の圧電ジャイロセンサに係り、上記検出用
外部電極が上記胴部の両主面上に設けられてなることを
特徴としている。
【0019】また、請求項12記載の発明は、請求項9
又は10記載の圧電ジャイロセンサに係り、上記検出用
外部電極が上記主面近傍の胴部の内部に上記主面と平行
に設けられてなることを特徴としている。
【0020】
【作用】この発明の圧電ジャイロセンサの構成において
は、長さと幅と厚さとを有する胴部から長さ方向に2本
ずつ反対方向に延びて胴部と共にH字状を形成している
4本のアームと、胴部を挟んで長さ方向に連なる2本の
アームを1組として胴部の中心を通る長さ方向の軸を挟
む2組に、厚さ方向に略垂直な面内で長さ方向の軸に対
して略対称な面内屈曲振動を生じさせる駆動用電極と、
面内屈曲振動が生じているとき、胴部の中心を通る幅方
向の軸の周りに角速度が生じると、面内屈曲振動の生ず
る面に略垂直な面内であって上記幅方向に略平行な面内
に生じる、上記胴部の左右で180°位相が異なる幅屈
曲振動を検出する検出用電極とを有している。すなわ
ち、胴部を挟んで長さ方向に連なる2本のアームを組と
して長さ方向の軸を挟む2組に長さ方向の軸に対して略
対称な面内屈曲振動をさせておくと、ジャイロセンサの
幅方向の軸の周りに角速度Ωが生じたとき、胴部の左右
2本ずつのアームを組とする2組のアーム同士に、面内
屈曲振動が生ずる面に垂直な方向に、180°位相が異
なる捩れモーメントが働く。この捩れモーメントは面内
屈曲振動の生ずる面に略垂直な面内であって幅方向に略
平行な面内に、胴部の左右で180°位相が異なる幅屈
曲振動を生じさせる。したがって、胴部の付け根部に検
出用電極を設けることにより幅屈曲振動の検出が可能と
なる。さらに、この場合、胴部の中心、すなわち圧電ジ
ャイロセンサの重心位置は面内屈曲振動及び幅屈曲振動
の節部となる。したがって、この重心部を支持し、固定
することで、振動・衝撃に対して安定性のある、かつ再
現性の高い実装が可能となる。
【0021】また、このH字型圧電ジャイロセンサで
は、幅方向にたてて置くことにより幅方向の軸の周りの
角速度を検出できるので、従来の長さ方向にたてる圧電
ジャイロセンサに比べて高さを低くすることが可能であ
る。また、アームの先端部の幅寸法を広くし、幅方向の
軸の周りに角速度Ωが生じたとき、この幅広のアームの
先端部はアームの屈曲振動と捩り振動の結合を強める働
きをし、このため、検出感度をさらに高めることができ
る。また、胴体部の幅寸法を広くして、幅寸法を調整す
ることにより駆動共振周波数と検出共振周波数の微調整
を行うことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
の実施の形態について説明する。 ◇第1の実施の形態 図1は、この発明の第1の実施の形態であるH字型の圧
電ジャイロセンサの全体の構成について示す斜視図であ
る。この形態の圧電ジャイロセンサは、図1に示すよう
に、厚さT(X軸方向),長さ(Y軸方向),幅(Z軸
方向)を有する直方体状の胴部15の幅方向にたてて置
く横置き型である。胴部15から右側長さ方向に2本の
アーム11,12が出ており、同じく左側長さ方向に2
本のアーム13,14が出ている。胴部15やアーム1
1乃至14の圧電磁器材料として、例えば恒弾性金属
(例えばエリンバ)が用いられている。このジャイロセ
ンサの重心16は胴部15の中心に略一致し、このジャ
イロセンサは重心16を通る長さ方向の軸(d−d線で
示す。)、及び幅方向の軸(c−c線で示す。)に対し
て対称な構造(H字型の構造)を有する。
【0023】次に、図2を参照して、具体的な駆動用電
極の配置について説明する。図2は、図1(a)のa−
a線よりも左側のアーム13,14をアーム先端部から
見た側面図である。このアーム13,14の厚さ(T)
方向に垂直な上下2つの表面をアーム13,14それぞ
れの2つの主面とすると、図2に示すように、アーム1
3の一方の主面に駆動用外部電極23,24が形成さ
れ、他方の主面に駆動用外部電極23,24と対向する
駆動用外部電極27,28が形成されている。駆動用外
部電極(駆動用外側外部電極)23,27は主面上幅方
向の外側に、駆動用外部電極(駆動用内側外部電極)2
4,28は主面上幅方向の内側にそれぞれ形成されてい
る。また、もう一つのアーム14の2つの主面にもアー
ム13の場合と同じ構成で駆動用外部電極33,34,
30,29が形成されている。駆動用外部電極(駆動用
外側外部電極)33,30は主面上幅方向の外側に、駆
動用外部電極(駆動用内側外部電極)34,29は主面
上幅方向の内側にそれぞれ形成されている。
【0024】さらに、アーム13には駆動用外部電極2
3,24及び駆動用外部電極27,28に対向する駆動
用外側内部電極26,駆動用内側内部電極25がアーム
13の厚さ方向の中央部に主面に平行に形成されてい
る。アーム14には駆動用外部電極33,34及び駆動
用外部電極30,29に対向する駆動用外側内部電極3
1,駆動用内側内部電極32がアーム14の厚さ方向の
中央部に主面に平行に形成されている。そして、アーム
13,14の主面の駆動用外部電極23,24,27,
28,33,34,30,29は全て一つの駆動用電気
端子35に接続され、駆動用内部電極26,25,3
1,32は、全て別の一つの駆動用電気端子36に接続
されている。
【0025】また、アーム13,14の材料である圧電
磁器は、図2中白抜き矢印で示した方向に分極されてい
る。すなわち、アーム13において駆動用外側外部電極
23,27と駆動用外側内部電極26とに挟まれた圧電
磁器の分極と、アーム14において駆動用外側外部電極
33,30と駆動用外側内部電極31とに挟まれた圧電
磁器の分極は、いずれも内部電極側から外部電極側に向
くように付与されている。一方、アーム13において駆
動用内側外部電極24,28と駆動用内側内部電極25
とに挟まれた圧電磁器の分極と、アーム14において駆
動用内側外部電極34,29と駆動用内側内部電極32
に挟まれた圧電磁器の分極は、いずれも逆に外部電極側
から内部電極側に向くように付与されている。なお、図
1(a)のb−b線よりも右側のアーム11,12にお
ける具体的な駆動用電極の配置や配線、及び分極方向に
ついても上記の駆動用電極の配置や配線、及び分極方向
と同じように設定されている。
【0026】図3は、幅屈曲振動を検出する検出用電極
の構成を示す図で、具体的には、同図(a)は、図1
(a)におけるH字型圧電ジャイロセンサの左側からみ
た側面形状を示し、同図(b)は、図1(a)における
H字型圧電ジャイロセンサの右側からみた側面形状を示
す。厚さ方向に垂直な胴部15の前後の2つの表面を2
つの主面とすると、図3(a)の検出用外部電極41,
42が図1(a)のa−a線近傍であってアーム13,
14の付け根の胴部15の2つの主面に設けられてい
る。また、図3(b)の検出用外部電極47,48が図
1(a)のb−b線近傍であってアーム11,12の付
け根の胴部15の2つの主面に設けられている。なお、
検出用外部電極41,42及び47,48に対向するよ
うに胴部15の厚さ方向の中央部分に形成されている内
部電極40a及び46aは分極Pを付与するためだけに
用いられるものである。
【0027】検出用外部電極41,42と内部電極40
aとに挟まれた胴部15の材料である圧電磁器には、内
部電極側から外部電極側に向くように分極Pが付与され
ている。検出用外部電極47,48と内部電極46aと
に挟まれた胴部15の材料である圧電磁器には、逆に外
部電極側から内部電極側に向くように分極Pが付与され
ている。そして、検出用外部電極41,42にはそれぞ
れ検出用電気端子43,44が接続され、検出用外部電
極47,48にはそれぞれ検出用電気端子49,50が
接続されている。
【0028】図4は、駆動によりアーム11,12,1
3,14に励起される面内屈曲振動の共振周波数Fd及
び胴部15に励起される検出すべき幅屈曲振動の共振周
波数Fpとアーム11,12,13,14及び胴部15
の板厚Tとの関係を示すグラフである。縦軸は共振周波
数を示し、横軸は板厚Tを示す。図4に示すように、面
内屈曲振動の共振周波数Fdはアーム11,12,1
3,14の板厚Tが変化してもほとんど変化しないが、
幅屈曲振動の共振周波数Fpは、胴部15の板厚Tを増
すにつれて比例して上昇することが判る。図4におい
て、E点は共振周波数FdとFpが略一致しているとこ
ろ(縮退という。)を示し、このE点においてこのH字
型圧電ジャイロセンサは最大の検出感度を有する。しか
しながら、周波数応答の範囲が10Hz以下と小さくな
る。カーナビゲーションなどに使用する目的では、周波
数応答の範囲を100Hz程度まで広げる必要があるた
め共振周波数FdとFpの差を100Hz程度離し(離
調)、多少の感度の低下は犠牲にして、平坦な周波数応
答特性を得るようにすることが望ましい。
【0029】したがって、この圧電ジャイロセンサを作
成する場合、予め圧電ジャイロセンサの厚さTを所望の
値に鏡面研磨した後に駆動用外部電極23,24,2
7,28及び30,29,33,34や検出用外部電極
41,42及び47,48を形成する。
【0030】次に、図1,図2,図3,及び図5を参照
して、上記圧電ジャイロセンサの駆動方法について説明
する。図5は角速度Ωと検出される直流電圧との関係に
ついて示すグラフであり、縦軸は検出される直流電圧
(mV)を示し、横軸は角速度Ω(°/sec)を示す。
まず、厚さ調整により予め共振周波数の調整を行う。続
いて、図2及び図3のように結線して、電気端子35,
36から交流信号を印加すると、圧電横効果によりアー
ム11乃至14を繰り返しY軸方向に伸縮させる。この
とき、電界の方向と分極の方向がアーム11乃至14の
幅方向外側と内側で互いに異なるため、伸縮はアーム1
1乃至14の幅方向外側と内側で互いに逆となる。これ
により、面内屈曲振動が励振される。
【0031】図1(a)の点線で示す曲線は、胴部15
を挟んで長さ方向に連なる上側2本のアーム12,13
と下側2本のアーム11,14をそれぞれ1組としてそ
れら2組に、重心16を通る長さ方向の軸(d−d線で
示す。)に対して対称で、かつ位相が180°異なって
いる面内屈曲振動を励起させたときのアーム12,13
とアーム11,14の変位分布を示す。このとき、重心
16は面内屈曲振動の節部となる。
【0032】このような状態で、このH字型圧電ジャイ
ロセンサがZ軸周りに角速度Ωで回転したとき、コリオ
リ力Fcによって胴部15の右側のアーム11,12の
組と左側のアーム13,14の組に、図中の実線の矢印
で示すような互いに逆方向の捩りモーメントが生じる。
この捩りモーメントがH字型圧電ジャイロセンサの胴部
15に伝わり、a−a線及びb−b線に近い胴部15に
図1(b)に示すような、面内屈曲振動と同じ周波数の
屈曲振動(幅屈曲振動と称する。)が誘起される。この
場合、捩りモーメントの方向に対応するように幅屈曲振
動の位相はa−a線付近とb−b線付近で位相が180
°異なる。この結果、重心16は駆動用面内屈曲振動の
節部となると共に、検出用幅屈曲振動の節部ともなる。
この幅屈曲振動は検出用電極41,42,47,48に
よって交流電圧として検出され、直流電圧に変換され
る。図5に示すように、この直流電圧の大きさから角速
度Ωを評価することができる。
【0033】このように、こ形態のH字型ジャイロセン
サの構成によれば、胴部15の中心、すなわち重心16
を通る長さ方向の軸に対して対称なアームの面内屈曲振
動を励起する様な駆動用電極23,24,27,28,
33,34,30,29の構成を有し、かつ左右のアー
ムの付け根部の胴部15の主面に検出用電極41,4
2,47,48を設けているので、面内屈曲振動を励起
した状態で角速度Ωが生じたとき面内屈曲振動の生ずる
面に略垂直な面内であって幅方向に略平行な面内に、胴
部15の左右で角速度Ωの大きさに応じた180°位相
が異なる幅屈曲振動を生じさせると共に、検出用電極4
1,42,47,48により幅屈曲振動を検出できる。
さらに、胴部15の中心部、すなわち圧電ジャイロセン
サの重心16位置は面内屈曲振動及び幅屈曲振動共通の
節部となっているので、この重心部を支持し、固定する
ことで、振動・衝撃に対して安定性のある、かつ再現性
の高い実装が可能となる。また、このH字型圧電ジャイ
ロセンサでは、幅方向にたてて置くことにより幅方向の
軸の周りの角速度Ωを検出できるので、従来の長さ方向
にたてる圧電ジャイロセンサに比べて高さを低くでき
る。
【0034】◇第2の実施の形態 図6は、第2の実施の形態であるH字型の圧電ジャイロ
センサの駆動用電極の配置や配線、及び分極Pについて
示す側面図である。この第2の実施の形態が、上述した
第1の実施の形態(図2)と大きく異なるところは、図
6に示すように、点線a−aから左側のアーム13の駆
動用外部電極23,24,27,28、及びアーム14
の駆動用外部電極29,30,33,34をアーム1
3,14の主面の近傍であってアーム13,14内部に
主面に平行に設けるようにした点である。それゆえ、図
6において、図2の構成部分と対応する各部には同一の
符号を付してその説明を省略する。なお、点線b−bか
ら右側のアーム11,12の駆動用外部電極も同じよう
な構成とすることができる。
【0035】この形態の圧電ジャイロセンサを作成する
場合、駆動用外部電極23,24,27,28や駆動用
外部電極29,30,33,34を形成し、さらに圧電
磁器で被覆し、焼結した後に分極処理を行い、鏡面研磨
する。この場合、アーム11,12,13,14の材料
である圧電磁器の焼結歪み(10μm程度)を平行平面
研磨を行って取り除くと共に、同時に厚さTを調整して
共振周波数FdとFpの適切な設定を行うことができ
る。
【0036】◇第3の実施の形態 図7は、この発明の第3の実施の形態であるH字型の圧
電ジャイロセンサの駆動用電極の別の構成について示す
側面図であり、図1(a)のH字型圧電ジャイロセンサ
の点線a−aの左側アーム部を左側からみた電極配置及
び分極方向を示している。この第3の実施の形態が、上
述した第1の実施の形態(図2)と大きく異なるところ
は、図7に示すように、第1に、駆動用外部電極23,
24,27,28,33,34,30,29や駆動用内
部電極26,27,31,32のうち、アーム主面上幅
方向の内側の駆動用外部電極や駆動用内部電極を省略
し、外側にのみ駆動用外部電極23,27,33,30
や駆動用内部電極26,31を設けるようにした点、第
2に、アーム13,14の面内屈曲振動の中性線、すな
わち、面内屈曲振動させたときに歪みが零となるアーム
13,14の幅方向の中央部分まで駆動用外部電極2
3,27,33,30や駆動用内部電極26,31を設
けるようにした点である。この形態の圧電ジャイロセン
サを駆動する場合、駆動用外部電極23,27,33,
30や駆動用内部電極26,31の形成部分の圧電磁器
を圧電効果によりY軸方向に伸縮させることにより、Y
Z面内でアームの面内屈曲振動を励振させる。これによ
り、Z軸の周りに角速度Ωが生じた場合、胴部15の両
側のXZ面内で互いに逆位相の幅屈曲振動を励振させる
ことができる。このように、この第3の実施の形態によ
れば、駆動用電極の配置及び電気的結線方法をより簡素
化することができる。この場合、アーム13,14の面
内屈曲振動の中性線まで延ばした駆動用電極を形成する
ことにより、効率良く面内屈曲振動を励振することが可
能となる。
【0037】◇第4の実施の形態 図8は、この発明の第4の実施の形態であるH字型の圧
電ジャイロセンサの駆動用電極の別の構成について示す
側面図であり、図1(a)の点線a−aから左側のアー
ム13,14の電極構造を示す。図8と図7とで異なる
ところは、駆動用外部電極23,27,30,33がア
ーム13,14の主面近傍であってアーム13,14内
部に主面に平行に設けられている点である。図8におい
て図2の構成部分と対応する各部には同一の符号を付し
てその説明を省略する。この場合も、図6の場合と同様
に、焼結後に分極処理を行い、鏡面研磨しながら、所望
の面内対称屈曲共振周波数に周波数調整を行うことがで
きる。なお、図1(a)の点線b−bから右側のアーム
11,12の電極構造も図8に示した電極構造、分極方
向、電気的結線方法をそのまま適用できる。
【0038】◇第5の実施の形態 図9(a),(b)は、第5の実施の形態であるH字型
の圧電ジャイロセンサの検出用電極の別の構成について
示す側面図である。この第5の実施の形態が、上述した
第1の実施の形態と大きく異なるところは、図9
(a),(b)に示すように、検出用外部電極41,4
2及び47,48が胴部15の内部の主面近傍に主面と
平行に設けられている点である。この場合も、図6の場
合と同様に、焼結後に分極処理を行い、鏡面研磨しなが
ら、所望の幅屈曲振動の共振周波数に周波数調整を行う
ことができる。
【0039】◇第6の実施の形態 図10(a),(b)は、第6の実施の形態であるH字
型の圧電ジャイロセンサの検出用電極の別の構成につい
て示す側面図であり、それぞれ、図1のa−a近傍及び
b−b近傍の胴部15に形成された幅屈曲振動を検出す
る別の検出用電極である。図10(a),(b)におい
て、図3(a),(b)と相違するところは、内部電極
40,46を検出用電極として用いており、検出用外部
電極41,42及び47,48と検出用内部電極40,
46との間で検出電気端子43,44が設けられている
点である。さらに、図10(a),(b)において、図
3(a),(b)と異なるところは、検出用外部電極4
1,42及び47,48と検出用内部電極40,46と
に挟まれた圧電磁器の分極方向が、厚さ方向の一方の側
で内部電極側から外部電極側に向かい、もう一方の側で
外部電極側から内部電極側に向かっている点である。
すなわち、胴部15の左右で分極の方向を逆に向けてい
る。
【0040】◇第7の実施の形態 図11(a),(b)は、第7の実施の形態であるH字
型の圧電ジャイロセンサの検出用電極の別の構成につい
て示す側面図である。図11(a),(b)において、
図10(a),(b)と異なる点は、検出用電極41,
42,47,48が胴部15の主面近傍であって胴部1
5の内部に主面に平行に形成されている点である。図1
0、図11に示した電極構成及び電気的結線と、図3、
図9に示した電極構成及び電気的結線を比べてみると、
図10及び図11に示した構成は、図3、図9に示した
構成のインピーダンスの約4分の1となり、出力電圧は
2分の1となる反面、出力電流は2倍になる。
【0041】◇第8の実施の形態 図12は、この発明の第8の実施の形態であるH字型圧
電磁器ジャイロセンサの構成について示す斜視図であ
る。この実施の形態が、第1の実施の形態と大きく異な
るところは、図12に示すように、アーム11,12,
13,14の先端に先端幅広部17,18,19,20
を有している点である。これらの先端幅広部17,1
8,19,20はアーム11,12,13,14の屈曲
振動を捩り振動に変換する場合、屈曲振動と捩り振動を
結合させ、図1に示した第1の実施の形態のH字型圧電
ジャイロセンサに比べて角速度Ωに対してさらに感度を
向上させることができる。
【0042】次に、図5を参照して、図1に示した第1
の実施の形態のジャイロセンサと図12に示した第8の
実施の形態のジャイロ特性を比較する。図1に示したジ
ャイロセンサと図12に示したジャイロセンサとを同一
の長さ20mmに設定し、胴部の幅を8mmとして駆動
モードである面内屈曲振動の共振周波数と検出モードで
ある胴部15の幅屈曲振動の共振周波数を50Hz離し
てジャイロ特性を比較してみた。なお、この第8の実施
の形態において図12のアーム11,12,13,14
の先端部17,18,19,20の幅寸法は胴部15近
くのアームの幅より3mmほど広くした。また、どちら
のジャイロセンサも駆動用電極の構成は、図2に示した
構成で行い、検出用電極の構成はいずれも図3(a),
(b)に示した構成とした。このときの角速度Ωに対す
るロックインアンプ(ゲインを同一に設定)からの直流
電圧の特性を図5に示す。図5から、第8の実施の形態
のH字型圧電磁器ジャイロセンサのアーム11,12,
13,14の先端部17,18,19,20の幅を広げ
た方が高感度特性が得られることが判る。
【0043】◇第9の実施の形態 図13は、この発明の第9の実施の形態であるH字型圧
電ジャイロセンサの構成について示す斜視図である。図
14は図13に示すH字型圧電ジャイロセンサの平面図
である。第9の実施の形態が、第8の実施の形態と大き
く異なるところは、この第9の実施の形態では、図1
3,図14に示すように、胴部15の幅方向に突出して
いる凸部(胴部幅広部)21,22が胴部15の長さと
同じ長さに形成されている点である。両方の凸部21,
22の幅寸法はこのH字型圧電ジャイロセンサの対称性
を保つため同じ幅dとする。この凸部21,22の幅d
を調整することにより駆動モードであるアーム11乃至
14部分の面内屈曲振動の共振周波数Fdと角速度Ωの
検出モードである胴部の幅屈曲振動の共振周波数Fpを
微調整することができる。図15は、凸部21,22の
幅dを変えていったときの駆動モード共振周波数Fdと
検出モードの共振周波数の変化を示すグラフである。縦
軸は共振周波数を示し、横軸は凸部21,22の幅dを
示す。この実施の形態によれば、凸部21,22の幅d
を増すと、面内屈曲振動の共振周波数Fdはやや高くな
るが、幅屈曲振動の共振周波数Fpは逆にやや低くなる
ことが分かる。これにより、両共振周波数の微調整が可
能となり、ジャイロセンサの要求に見合った離調を精密
に行うことができる。
【0044】以上、この発明の実施の形態を図面により
詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限ら
れるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の
設計変更等があってもこの発明に含まれる。例えば、上
述の実施の形態では、胴部15やアーム11乃至14の
圧電磁器材料として、恒弾性金属(例えばエリンバ)が
用いられているが、他の種類の圧電磁器材料を用いるこ
ともできる。さらに、アーム11,12,13,14や
胴部15の厚さTを調整して離調の程度を50Hzとし
ているが、必要により任意に設定することができる。ま
た、この発明の目的を達成できる限り、駆動用電極や検
出用電極に挟まれた圧電磁器の分極方向は必要に応じて
変更し得る。さらに、胴部15左右のアーム11,1
2,13,14の方向を長さ方向に平行に形成している
が、胴部15の中心を通る長さ方向の軸(図1のd−d
線)に対して対称となるように配置できれば、長さ方向
の軸に対して一定の角度を有していても良い。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の圧電ジ
ャイロセンサの構成によれば、胴部と共にH字状を形成
する4本のアームを有し、胴部の中心を通る長さ方向の
軸に対して略対称な面内屈曲振動をアームに起こさせる
駆動用電極と、面内屈曲振動によってアームの付け根の
左右の胴部に励起される互いに逆位相の幅屈曲振動を検
出する検出用電極とを有するので、胴部の中心、すなわ
ち圧電ジャイロセンサの重心位置は面内屈曲振動及び幅
屈曲振動の節部となる。したがって、この重心部を支持
し、固定することで、振動・衝撃に対して安定性のあ
る、かつ再現性の高い実装が可能となる。また、このH
字型圧電ジャイロセンサでは、幅方向にたてて置くこと
により幅方向の軸の周りの角速度を検出できるので、従
来の長さ方向にたてる圧電ジャイロセンサに比べて高さ
を低くすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は、この発明の第1の実施の形態で
あるH字型圧電ジャイロセンサの構成を示す斜視図、同
図(b)は、同図(a)の胴部の部分斜視図である。
【図2】同H字型圧電ジャイロセンサの駆動用電極の配
置と結線、及び駆動用電極に挟まれたアームに付与され
た分極の方向を示す側面図である。
【図3】図3(a)は、同H字型圧電ジャイロセンサの
胴部左側の検出用電極の配置と結線、及び駆動用電極に
挟まれたアームに付与された分極の方向を示す側面図、
同図(b)は、同H字型圧電ジャイロセンサの胴部右側
の検出用電極の配置と結線、及び駆動用電極に挟まれた
アームに付与された分極の方向を示す側面図である。
【図4】同H字型圧電ジャイロセンサのアーム及び胴部
の板厚Tとアームに励振される面内屈曲振動の共振周波
数Fd及び胴部に励振される幅屈曲振動の共振周波数F
pとの関係を示すグラフである。
【図5】この発明の第1及び第8の実施の形態であるH
字型圧電ジャイロセンサの角速度Ωと検出される直流電
圧との関係を示すグラフである。
【図6】この発明の第2の実施の形態であるH字型圧電
ジャイロセンサの駆動用電極の配置と結線、及び駆動用
電極に挟まれたアームに付与された分極の方向を示す側
面図である。
【図7】この発明の第3の実施の形態であるH字型圧電
ジャイロセンサの駆動用電極の配置と結線、及び駆動用
電極に挟まれたアームに付与された分極の方向を示す側
面図である。
【図8】この発明の第4の実施の形態であるH字型圧電
ジャイロセンサの駆動用電極の配置と結線、及び駆動用
電極に挟まれたアームに付与された分極の方向を示す側
面図である。
【図9】図9(a)は、この発明の第5の実施の形態で
あるH字型圧電ジャイロセンサの胴部左側の検出用電極
の配置と結線、及び駆動用電極に挟まれたアームに付与
された分極の方向を示す側面図、同図(b)は、胴部右
側の検出用電極の配置と結線、及び駆動用電極に挟まれ
たアームに付与された分極の方向を示す側面図である。
【図10】図10(a)は、この発明の第6の実施の形
態であるH字型圧電ジャイロセンサの胴部左側の検出用
電極の配置と結線、及び駆動用電極に挟まれたアームに
付与された分極の方向を示す側面図、同図(b)は、胴
部右側の検出用電極の配置と結線、及び駆動用電極に挟
まれたアームに付与された分極の方向を示す側面図であ
る。
【図11】図11(a)は、この発明の第7の実施の形
態であるH字型圧電ジャイロセンサの胴部左側の検出用
電極の配置と結線、及び駆動用電極に挟まれたアームに
付与された分極の方向を示す側面図、同図(b)は、胴
部右側の検出用電極の配置と結線、及び駆動用電極に挟
まれたアームに付与された分極の方向を示す側面図であ
る。
【図12】この発明の第8の実施の形態であるH字型圧
電ジャイロセンサの構成を示す斜視図である。
【図13】この発明の第9の実施の形態であるH字型圧
電ジャイロセンサの構成を示す斜視図である。
【図14】同H字型圧電ジャイロセンサの構成を示す正
面図である。
【図15】同H字型圧電ジャイロセンサの胴部の幅広部
の幅dとアームに励振される面内屈曲振動の共振周波数
Fd及び胴部に励振される幅屈曲振動の共振周波数Fp
との関係を示すグラフである。
【図16】図16(a)は、従来例であるH字型圧電ジ
ャイロセンサの構成を示す斜視図、同図(b)は、図1
6(a)の胴部の中央部の断面図であり、同図(c)
は、図16(a)の胴部に励振される駆動屈曲振動fx
とコリオリ力Fcによる検出屈曲振動fyを示す斜視図
である。
【図17】従来例である他のH字型圧電ジャイロセンサ
の構成を示す正面図である。
【図18】図18(a)は、図17のH字型圧電ジャイ
ロセンサの駆動モードを示す斜視図、同図(b)は、同
じく検出モードを示す斜視図である。
【符号の説明】
11,12,13,14 アーム 15 胴部 16 重心 17,18,19,20 アーム先端幅広部 21,22 凸部(胴部幅広部) 23,27,30,33 駆動用外側外部電極 24,28,29,34 駆動用内側外部電極 25,32 駆動用内側内部電極 26,31 駆動用外側内部電極 35,36 駆動用電気端子 40,46 検出用内部電極 41,42,47,48 検出用外部電極 43,44,49,50 検出用電気端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開2000−74673(JP,A) 特開 平8−75474(JP,A) 特開 平11−351877(JP,A) 特開2000−2545(JP,A) 特開2000−65579(JP,A) 特開 平10−170270(JP,A) 特開 平8−152328(JP,A) 特開 平4−29012(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01C 19/00 - 19/72 G01P 9/04

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長さと幅と厚さとを有する胴部と、 前記胴部の左右両側に2本ずつ配列されて前記胴部と共
    にH字状を形成している4本のアームと、前記胴部を挟
    んで前記長さ方向に連なる2本のアームを1組として前
    記胴部の中心を通る長さ方向の軸を挟む2組のアームに
    前記厚さ方向に略垂直な面内で前記長さ方向の軸に対し
    て略対称な面内屈曲振動を生じさせる駆動用電極と、前
    記面内屈曲振動が生じているとき、前記胴部の中心を通
    る幅方向の軸の周りに角速度が生じると、前記面内屈曲
    振動の生ずる面に略垂直な面内であって前記幅方向に略
    平行な面内に生じる、前記胴部の左右で180°位相が
    異なる幅屈曲振動を検出する検出用電極とを備えてなる
    ことを特徴とする圧電ジャイロセンサ。
  2. 【請求項2】 前記胴部の中心が前記圧電ジャイロセン
    サの重心と略一致し、該重心が支持され、又は固定され
    ていることを特徴とする請求項1記載の圧電ジャイロセ
    ンサ。
  3. 【請求項3】 前記4本のアームの先端部に該アームの
    他の部分よりも前記幅方向に広くなっている幅広部が設
    けられてなることを特徴とする請求項1又は2記載の圧
    電ジャイロセンサ。
  4. 【請求項4】 前記面内屈曲振動の共振周波数と前記幅
    屈曲振動の共振周波数とを微調整するために、前記胴部
    の幅寸法を調整することを可能にする幅広部を設けたこ
    とを特徴とする請求項1乃至3の何れか一に記載の圧電
    ジャイロセンサ。
  5. 【請求項5】 前記駆動用電極が、前記4本のアームそ
    れぞれの前記厚さ方向の中央部であって、前記各アーム
    の前記厚さ方向に略垂直な2つの主面に略平行な面に前
    記各アームの幅方向の外側及び内側に形成された駆動用
    内部電極と、該駆動用内部電極に相対向するように前記
    各アームにそれぞれ形成された駆動用外部電極とから構
    成され、前記外側に設けられた前記駆動用外部電極と前
    記駆動用内部電極の間の分極は前記駆動用内部電極から
    前記駆動用外部電極に向かう方向に分極処理が行われ、
    かつ前記内側に設けられた前記駆動用外部電極と前記駆
    動用内部電極の間の分極は前記駆動用外部電極から前記
    駆動用内部電極に向かう方向に分極処理が行われ、前記
    略対称な面内屈曲振動を励振できるように電気的に配線
    されてなることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一
    に記載の圧電ジャイロセンサ。
  6. 【請求項6】 前記駆動用電極が、前記4本のアームの
    厚さ方向の中央部であって、該各アームの前記厚さ方向
    に略垂直な2つの主面に略平行な面内に前記各アームの
    幅方向の外側に形成された駆動用内部電極と、該駆動用
    内部電極に相対向するように前記各アームにそれぞれ形
    成された駆動用外部電極とから構成され、前記駆動用外
    部電極と前記駆動用内部電極の間の分極は前記駆動用内
    部電極から前記駆動用外部電極に向かう方向に分極処理
    が行われ、前記略対称な面内屈曲振動を励振できるよう
    に電気的に配線されてなることを特徴とする請求項1乃
    至4の何れか一に記載の圧電ジャイロセンサ。
  7. 【請求項7】 前記駆動用外部電極が前記各アームの両
    主面上に設けられてなることを特徴とする請求項5又は
    6記載の圧電ジャイロセンサ。
  8. 【請求項8】 前記駆動用外部電極が前記アームの主面
    近傍の内部であって、前記アームの主面と略平行な面内
    に設けられてなることを特徴とする請求項5又は6記載
    の圧電ジャイロセンサ。
  9. 【請求項9】 前記一方のアームの付け根の胴部におい
    て、厚さ方向の中央部分であって該胴部の前記厚さ方向
    に略垂直な2つの主面に略平行な面内に検出用内部電極
    を設け、該検出用内部電極に相対向するように該検出用
    内部電極の両側に検出用外部電極を設け、前記検出用内
    部電極から前記主面方向に分極処理が行われ、他方のア
    ームの付け根の胴部において、厚さ方向の中央部分であ
    って該胴部の2つの主面に略平行な面内に検出用内部電
    極を設け、該検出用内部電極に相対向するように該検出
    用内部電極の両側に検出用外部電極を設け、前記主面か
    ら前記検出用内部電極に向かって分極処理が行われ、前
    記幅屈曲振動を検出できるように電気的に結線されてな
    ることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一に記載の
    圧電ジャイロセンサ。
  10. 【請求項10】 前記一方のアームの付け根の胴部にお
    いて、厚さ方向の中央部分であって該胴部の前記厚さ方
    向に略垂直な2つの主面に略平行な面内に検出用内部電
    極を設け、該検出用内部電極に相対向するように該検出
    用内部電極の両側に検出用外部電極を設け、厚み方向の
    下から上の方向に略一様に分極処理が行われ、他方のア
    ーム部に近い部分の胴部において、厚さ方向の中央部分
    であって該胴部の主面に略平行な面内に検出用内部電極
    を設け、該検出用内部電極に相対向するように該検出用
    内部電極の両側に検出用外部電極を設け、厚み方向の上
    から下の方向に略一様に分極処理が行われ、前記幅屈曲
    振動を検出できるように電気的に結線されてなることを
    特徴とする請求項1乃至8の何れか一に記載の圧電ジャ
    イロセンサ。
  11. 【請求項11】 前記検出用外部電極が前記胴部の両主
    面上に設けられてなることを特徴とする請求項9又は1
    0記載の圧電ジャイロセンサ。
  12. 【請求項12】 前記検出用外部電極が前記主面近傍の
    胴部の内部に前記主面と平行に設けられてなることを特
    徴とする請求項9又は10記載の圧電ジャイロセンサ。
JP36166598A 1998-12-18 1998-12-18 圧電ジャイロセンサ Expired - Fee Related JP3178446B2 (ja)

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