JP4702942B2 - 振動ジャイロ用素子及び振動ジャイロ - Google Patents

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Description

本発明は、角速度センサとして使用される振動ジャイロ用素子及び振動ジャイロに関し、特に自動車のナビゲーションシステムや姿勢制御装置、カメラ一体型VTRの手振れ防止装置等に用いられるジャイロスコープに好適な振動ジャイロ用素子及び振動ジャイロに関するものである。
振動ジャイロとは、速度を持つ物体に回転角速度が与えられると、その物体自身に速度方向と直角な方向にコリオリ力が発生するという力学現象を利用した角速度センサである。
振動ジャイロは、電気的な信号を印加することで機械的な振動(以下、駆動モードと呼ぶ)を励起することができ、且つ、駆動振動と直交する方向の機械的な振動(以下、検出モードと呼ぶ)の大きさを電気的に検出可能とした系を有し、予め、駆動モードを励振した状態で、駆動モードの振動面と検出モードの振動面との交線と平行な軸を中心とした回転角速度を与えると、前述のコリオリ力の作用により、検出モードが発生し、出力電圧として検出できる。この検出された出力電圧は駆動モードの大きさ及び回転角速度に比例するので、駆動モードの大きさを一定にした状態では、出力電圧の大きさから回転角速度の大きさを求めることができる。
近年、振動ジャイロにおいても、その他の電子部品と同様に、小型化、低価格化が急速に進められている。また、例えば、手振れ防止装置等では、一般に2軸の回転角速度の検出が必要であるため、1軸の回転角速度を検出できる製品を2つ使用している場合がほとんどである。このような状況の中で、振動ジャイロの小型化、低価格化へのアプローチの1つとして、2軸の回転角速度の検出を1つの製品内で可能にする検討がなされている。このような構成の場合、1軸の製品を別々に生産するのに比べ、回路や外部入出力端子等の共通部分を共有することが可能となり、小型・低価格化を図ることができる。また、携帯電話機をはじめとした、携帯機器への搭載の検討も始まり、これまで以上に耐衝撃性、高安定化が求められている。
図1は、従来の振動ジャイロ用素子を示す斜視図である。図1において、振動子111は、エリンバなどの恒弾性金属材料からなる正方形状の板状の振動体112と、振動体112の主面の中央部に配置された圧電素子113とからなる。圧電素子113の表面には、複数の分割された電極116が配されている。振動体112には各辺の中央から中心点に向う4本の切り欠き121,122,123,124によって4つの振動体111a,111b,111c,111dが形成されている。
振動子111は、ノード軸N1およびノード軸N2を軸とする軸対称モードで振動し、ノード軸N1とノード軸N2の交点付近で支持固定される。角速度の検出は、振動子111の平面内で振動するモードを用い、平面内の直交する2軸の角速度の検出を可能としている。このような振動ジャイロは特許文献1に開示されている。
特許第3206551号公報
しかしながら、前述した従来の振動ジャイロ用素子では、支持部を振動子の中央部に設けて、振動子の外周部が自由に振動できるようにする必要があるため、1つずつ振動子を切り出した後でないと振動子の特性評価を行うことができないという問題点がある。
また、中央部での支持は、実装が難しく、振動子の周波数調整やバランス調整を行う場合にも、特殊な治具を作製し、振動子を中央部のみで支持固定して宙吊りにする必要があるため、生産性が低下するという問題点がある。
さらに、中央部のノード付近を支持固定する場合、支持固定できる面積は非常に小さく、振動を阻害せずに支持することは非常に難しく、支持部から振動が漏れると同時に、外部からの振動の影響を受け易く、出力が不安定となる。また、支持が1点であるため、外部から衝撃を受けた場合に、衝撃力がその1点に集中し、破壊し易いという問題点もある。
従って、本発明は、上記従来技術の問題点を解決することを課題とする。具体的には、評価や実装等が容易で生産性の良い、出力ドリフトが小さく、外部からの振動の影響も受けにくい、安定した出力が得られる、外部からの衝撃に対しても堅牢で且つ、2軸の回転角速度の検出が可能である安価な振動ジャイロ用素子及び振動ジャイロを提供することを課題とする。
本発明は、前記課題を解決するために、以下の手段を採用した。即ち、本発明は、板状体からなる、振動可能な付加質量部をビーム及びアームとで支えるような構造を形成することで、励振部と検出部として機能させ、枠体を支持することをその要旨とする。
本発明によれば、正方形で板状体の同一面内に、枠体と、前記枠体の内側に前記枠体の中心部を通り前記枠体に両端が直角に支持されてなるビーム部と、前記ビーム部の中心部を通り直交且つ前記中心部から等距離に延在する第1のアーム部と、前記第1のアーム部の両端から延在し形成してなる2つの第2のアーム部と、前記第2のアーム部の両端に支持され前記ビーム部及び前記第1のアーム部に対して線対称となる4つの付加質量部が配置された振動ジャイロ素子であって、
前記第1のアーム部の表面に駆動電極部と基準電位電極部とを有し、前記第2のアーム部の表面に検出電極部と基準電位電極部とを有し、隣り合う前記付加質量部が互いに逆位相で振動し、前記同一平面の外方向に振動する第1の振動モードと、前記第1の振動モードと振動方向が直交し、互いに振動方向が直交する第2の振動モード及び第3の振動モードを有し、前記第1乃至第3の振動モードのすべてに対し、前記枠体がノードとなることを特徴とする振動ジャイロ用素子が得られる。
本発明による振動ジャイロ用素子は、板状体からなり、例えば平板に貫通孔を設け前記平板の同一面内に、枠体と、ビーム部と、第1のアーム部と、第2のアーム部と、付加質量部とを形成する。枠体はビーム部の両端を支持し、ビーム部は第1のアーム部をビーム部の中央部で支持し、第1のアーム部は第2のアーム部を第1のアーム部端部で支持し、第2のアーム部は付加質量部を第2のアーム部の端部で支持する構成とし、付加質量部を振動可能な状態とする。
前記枠体は、円形や矩形が望ましいが、外形は特に限定されるものではない。前記ビーム部は、直線帯状が好ましいが、対象性を有すれば直線に限定されるものではなく、また中心点を通らずとも、中心点に対し対象性を有した複数個としても良い。前記第1のアーム部は直線帯状を成し、前記ビーム部と直交することが望ましいが対象性を有すれば直線に限定されるものではない。
また、前記第1のアーム部は中心点を通らずとも、中心点に対し対象性を有した複数個としても良い。前記第2のアーム部は直線帯状を成し、前記ビーム部と直交することが望ましいが対象性を有すれば直線或いは直交するものに限定されるものではない。また、前記第2のアーム部は前記第1のアーム部の端部が好ましいが、対象性を有すれば中央部以外であれば端部に限定されるものではない。前記付加質量部は、円形や矩形が望ましいが限定されるものではない。前記の構造は、平板単体に貫通する溝を作ることで形成できる。
また、第1のアーム部が有する電気信号入力用の駆動電極部に電気信号を入力することで、前記付加質量部を振動させて、第2のアーム部が有する振動検出用の検出電極部から出力される信号を検出することで2軸の回転角加速度が検出できるようにしたものである。
本発明においては、振動子を1つずつ切り出すことなく、振動特性の検査、周波数調整、バランス調整を行うことができる。また、容易に検査、調整が可能で、後工程の歩留まりも改善でき、生産性が非常に高くなる。さらに、振動ジャイロ用素子の平面内の2軸の回転角速度を検出できる本発明の検出軸は、一般的なデジタルスチルカメラ等で使用する場合、そのまま基板上に実装できるので、実装が容易となる。
また、1つの振動子で2軸の回転角速度の検出が可能であるため、回路や外部端子等の共通部分を共有することで、1軸の製品を2つ使用するのに比べ、小型・低コスト化が可能となる。さらに、振動子の製造工程において、ウエハー上に複数個の振動子を同時に形成し、外縁同士が接続した状態においても、振動ジャイロ用素子特性を検査することが容易となる。
さらに、対称性良く配置された付加質量部が対称性の良い駆動モードで振動する。そのため、駆動モードの振動が外部へ漏れ難い構成となり、枠体に存在する駆動モードの振動及び変位がわずかとなる。
また、本発明によれば、前記板状体が圧電体または圧電単結晶から成る単一材料であることを特徴とする振動ジャイロ用素子が得られる。本発明の振動ジャイロ用素子は、平面的な構造をとっており、正方形状の圧電体板或いは圧電単結晶板に穴あけ加工を施すことで、容易に形成でき、生産性が高くなる。さらに、ニオブ酸リチウムなど、高結合材料を用いることで、SN比の高い振動ジャイロ用素子が提供できる。
また、本発明によれば、前記板状体が、厚さ方向に1以上の材料を積層してなる積層構造を有することを特徴する振動ジャイロ用素子が得られる。前記板状体は、単一材料でなくとも、同一、或いは異なる材料を厚さ方向に複数層、重ねた積層構造としても良い。
また、本発明によれば、前記枠体を少なくとも2箇所以上で支持してなることを特徴とする振動ジャイロ用素子が得られる。本発明による構造の振動ジャイロ用素子の前記枠体に存在する駆動モードの振動は、わずかである。したがって、振動ジャイロ用素子の前記枠体を支持することが可能となり、良好な支持特性が得られ、出力ドリフトも低減し、実装が容易で生産性も高くなる。また、振動ジャイロ用素子の枠体の全周を支持することで、衝撃が加わっても、衝撃力が分散するので、外部衝撃に強く、安定性が高い、高信頼性の振動ジャイロ用素子が提供できる。
さらに、本発明によれば、前記枠体の外周を囲う少なくとも1以上のフレームを有し、前記枠体の少なくとも2箇所以上で結合し、前記フレームの1つを少なくとも2箇所以上で支持してなることを特徴とする振動ジャイロ用素子得られる。
平板の枠体のさらに外側に、フレームとなる部分を設けて支持することで、駆動モードの振動を内部に閉じ込めることができ、より良好な支持特性が得られ、出力ドリフトが低減し、安定した出力が得られる振動ジャイロ用素子の提供できる。
さらに加えて、本発明によれば、前記振動ジャイロ用素子を使用した振動ジャイロであって、前記第1の振動モードの駆動手段と、前記ビーム部の長手方向の軸を回転軸とした回転角速度および前記第1のアーム部の長手方向を回転軸とした回転角速度により生じるコリオリ力による前記第2および前記第3の振動モードの変化を検出する検出手段を具備することを特徴とする振動ジャイロが得られる。
本発明による、前記振動ジャイロ用素子を用いて、電気信号入力用の前記駆動電極部に電気信号を入力する駆動手段と、振動検出用の前記検出電極部から出力される信号を検出する検出手段を具備することにより、2軸の回転角加速度の検出が可能なデバイスとなる。
前記のごとく、本発明によれば、評価や実装等が容易で生産性の良い振動ジャイロ用素子の提供が可能となり、また、出力ドリフトが小さく、外部からの振動の影響も受けにくい、安定した出力が得られる振動ジャイロ用素子及び振動ジャイロの提供が可能となる。
さらに、本発明によれば、外部からの衝撃に対しても堅牢で且つ、2軸の回転角速度の検出が可能である安価な振動ジャイロ用素子及び振動ジャイロの提供が可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図2は本発明の実施例1における振動ジャイロ用素子を示す上面図である。1辺が3mmの正方形状を成し、ニオブ酸リチウムの圧電単結晶からなる厚さ0.2mmの平板8に貫通溝19を開けることで、1枚の圧電単結晶板の同一面内に枠体1と中央部縦方向にビーム部2と、中央部横方向に第1のアーム部3cと前記第1のアーム部3cの両端に2つの第2のアーム部3a,3bと、第2のアーム部のそれぞれ両端に合計4つの付加質量部4a,4b,4c,4dを形成した。
本実施例1では、ビーム部2の中心線20に対して左右が対称な形状とし、第1のアーム部3cの中心線21に対して上下も対称な形状とした。また、第1のアーム部3cの表面には駆動電極部5a,5bと基準電位電極部7a,7bとを形成し、第2のアーム部3a,3bの表面には,検出電極部6a,6b,6c,6dと基準電位電極部7c,7d,7e,7fとを形成した。前記各電極部には,クロムを下地とした金により電極を形成した。
ここで、上記実施例1による形態の振動ジャイロの動作原理について説明する。図3乃至図6は、実施例1における振動ジャイロ用素子の振動モードを示す図である。図3は未動作時の状態を示し、図4はXモード、図5はYモード、図6はZモードの振動の様子をそれぞれ示している。また、図3乃至図6において、図3(a)は斜視図、図3(b)は上面図、図3(c)は側面図、図4(a)は斜視図、図4(b)は上面図、図4(c)は側面図、図5(a)は斜視図、図5(b)は上面図、図5(c)は側面図、図6(a)は斜視図、図6(b)は上面図、図6(c)は側面図である。
図4に示すXモードは、付加質量部4aおよび4dと、付加質量部4bおよび4cとが、互いにX軸方向に対して逆位相で振動する。図5に示すYモードでは、付加質量部4aおよび4dと、付加質量部4bおよび4cとが、互いにY軸方向に対して逆位相で振動する。図6に示すZモードでは、付加質量部4bおよび4cとが、互いにZ軸方向に対して逆位相で振動する。
例えば、Xモードを励振した状態で、Z軸周りに回転角速度を印加すると、4つの付加質量部に働くコリオリ力の影響で、Yモードが発生する。同様に、Xモードを励振した状態で、Y軸周りに回転角速度を印加すると、Zモードが発生する。この時、Xモードの振動速度が一定であれば、これらの発生した、YモードおよびZモードの振幅の大きさは、印加した回転角速度に比例し、これらの振動を電気的に取り出せば、回転角速度センサとして機能する。即ち、図2に示した第1のアーム部に形成した駆動電極部5a,5bに電気信号を入力することでXモードを励振し、第2のアーム部に形成した検出電極部6a,6b,6c,6dに生じる電荷を検出することで、Yモード及びZモードの振動が検出できる。
この各電極部の配置は、それぞれの振動モードにおける第1のアーム部及び第2のアーム部の表面に発生する電荷の分布を解析して決定した。図7は電荷の分布を示す模式図である。図7(a)はXモードでの電荷の分布を示す模式図、図7(b)はYモードでの電荷の分布を示す模式図、図7(c)はZモードでの電荷の分布を示す模式図である。図7において、「+」と「−」は、発生電荷の極性を示し、楕円は、その範囲を示している。この電荷分布は、選択した材料によって異なり、さらに異方性材料であれば、結晶の方位によっても様々な分布を示す。
図8は、実施例1における結晶方位を示す図である。図8に示すように、実施例1に使用したニオブ酸リチウムからなる圧電単結晶の平板8は、厚さ0.2mmにXカットされた素板から、圧電単結晶のY軸とビーム部2の長手方向の中心線20とが成す角度が50度になるように切り出されたもので、各モードにおける表面に発生する電荷の分布は図7に示した様になる。この電荷分布を考慮して、図2に示すように、アーム3cの表面にXモードの振動を励振させるための駆動電極部5a,5bと、基準電位電極部7a,7bとをそれぞれ配置した。
同様に、第2のアーム部3a,3bの表面に、YモードおよびZモードの振動検出用の検出電極部6a,6b,6c,6dと基準電位電極部7c,7d,7e,7f,7g,7hを配置した。検出電極部6a,6b,6c,6dには、YモードおよびZモードの電荷が発生するが、それぞれ発生する電荷の極性が異なるため、加算や差動回路によって、Yモードによる発生電荷とZモードによる発生電荷とを区別することが可能である。
実施例1による振動ジャイロ用素子の駆動モードは、Xモードとし、図2に示す第1のアーム部3cが捩り振動を行い、第2のアーム部3aと第2のアーム部3bが第1のアーム部3cを軸に回転運動を行う。その結果、付加質量部4aおよび4dと、付加質量部4bおよび4cとが互いに逆位相で面外方向に振動を行う。第1のアーム部3cの捩り振動のノード点近傍はビーム部によって平板8の枠体へと接続されている。このため、駆動モードの振動が枠体へ伝わり難く、枠体に存在する駆動モードの振動が低減する。
従って、駆動モードの振動が少ない、平板8の枠体1が支持できるので、駆動モードの振動を阻害することなく、安定な支持特性が得られる。そして、センサ出力が安定化し、出力ドリフトも低減する。また、枠体1全周を支持できるので、平板8に衝撃が加わっても、力を分散でき、耐衝撃性の高い構造となる。さらに、平板8の平面内の直交する2軸の回転角速度の検出が可能となるので、駆動回路や検出回路及び外部端子等の共通部分を共有することができる。加えて、平板8の枠体1を支持固定することができるため、実装が容易で、生産性も高くなる。
製造工程においては、圧電単結晶のウエハー上に複数個の前記振動ジャイロ用素子を同時に形成し、枠体1同士が接合した状態であっても、特性を検査することが容易となる。振動ジャイロ用素子を1つずつ切り出すことなく、振動特性の検査、周波数調整、バランス調整を行うこともでき、容易に検査、調整可能で、後工程の歩留まりも改善できる。
実施例1では、ニオブ酸リチウムの圧電単結晶板を利用しているが、タンタル酸リチウム、水晶、ランガサイト、酸化亜鉛、PZT、圧電薄膜等でも、本発明により、有用な振動ジャイロを構成できる。
図9は、本発明による実施例2における振動ジャイロ用素子を示す上面図である。実施例2では、実施例1による振動ジャイロ用素子に加え、さらに、二重のフレーム17a、17bを設け、より安定な支持構造を実現している。基本的な動作原理、電極構成は、実施例1と全く同様である。実施例1においては、わずかだが枠体1に振動が存在している。そこで、枠体1のノード点付近に接続部18aおよび18bを設け、フレーム17aと接続し、さらに、フレーム17aのノード点付近に接続部18cおよび18dを設けて、フレーム17bと接続した。これにより、フレーム17bに存在する振動は、枠体1よりも、さらに低減し、振動が外部に漏れ難く、また、外部からの振動が入り難くなり、出力ドリフトをさらに低減させることが可能となる。
図10は、本発明の実施例3における振動ジャイロを示すブロック図である。実施例3では、実施例1による振動ジャイロ素子22を使用し、駆動手段として、電流検出回路9と、移相回路10a,10bと、AGC回路11(オートゲインコントロール回路)とを有し、検出手段として、差動回路13と、加算回路14と、同期検波回路15a,15bと、フィルタ回路16a,16bとを有し、また各回路の動作基準電位を設定するための基準電位回路を有する。
実施例3では、Xモードの周波数で、駆動電極部5aおよび5bを駆動するには、駆動状態を一定に保つためのAGC回路11の出力を駆動電極部5aおよび5bに接続し、電流検出回路9を基準電位電極部7aおよび7bに接続する。電流検出回路9の仮想接地の効果により、基準電位電極部7aおよび7bの電位は、基準電位に固定され、駆動電極5aおよび5bと基準電位電極部7aおよび7bの間に駆動電圧を印加することが可能となる。
駆動電極部5aおよび5bに流れる駆動電流は、電流検出回路9で検出、移相回路10aで位相調整、AGC回路11で振幅調整され、駆動電極部5aおよび5bに再び印加される。この閉ループにより、Xモードの共振周波数で自励発振させることができる。同時に、AGC回路11の出力は、移相回路10bを通り、同期検波回路15aおよび15bの参照信号として入力される。Xモードを自励発振させた状態で、Z軸周りの角速度を印加すると、Yモードの振動が発生する。Yモードの振動により、図7の(b)に示す電荷が発生する。
したがって、検出電極部6aおよび6dと検出電極部6bおよび6cには、互いに逆位相の電荷が発生する。この逆位相の信号は、差動回路13によって、検出することができ、同期検波回路15a、フィルタ回路16aによって、Z軸周りの角速度に比例した電気信号として取り出すことが可能となる。同様に、Y軸周りの角速度を印加すると、Zモードの振動が発生する。Zモードの振動により、図7(c)のような電荷が発生する。したがって、検出電極6a〜6dには、同位相の電荷が発生する。
この信号は、加算回路14によって、検出することができ、同期検波回路15b、フィルタ回路16bによって、Y軸周りの角速度に比例した電気信号として取り出すことが可能となる。また、Yモードによる発生電荷は、加算回路14によって、相殺され、Zモードによる発生電荷は、差動回路13によって、相殺される。したがって、フィルタ回路16aの出力は、Z軸周りのみの角速度に比例した出力、フィルタ回路16bの出力は、Y軸周りのみの回転角速度に比例した出力が得られる。すなわち、実施例3による振動ジャイロは、Y軸およびZ軸の2軸の角速度検出が可能な角速度センサとして機能する。
上記実施例は、圧電性を利用した振動ジャイロ用素子、或いは振動ジャイロであるが、駆動、検出方法の一部または全部を、電磁誘導を利用や静電力を利用したトランスジューサ、或いは、電極間の容量変化による変位検出に置換えても良い。
実施例4では、実施例1で使用したニオブ酸リチウムの圧電単結晶からなる厚さ0.2mmの平板の代わりに、厚さ0.1mmのシリコン単結晶と厚さ0.1mmのニオブ酸リチウムの圧電単結晶を厚さ方向に積層した材料を使用し、実施例1と同じ図2に示した構造にした。本実施例4においても実施例1とまったく同じ効果が得られ、且つ、ニオブ酸リチウムの圧電単結晶板部分よりシリコン単結晶板部分の加工性が良いため、実施例1よりさらに加工性が良くなった。
前述のごとく、本発明によれば、評価や実装等が容易で生産性の良い、出力ドリフトが小さく、外部からの振動の影響も受けにくい、安定した出力が得られる、外部からの衝撃に対しても堅牢で且つ、2軸の回転角速度の検出が可能である安価な振動ジャイロ用素子及び振動ジャイロの提供が可能となる。
従来の振動ジャイロ用素子を示す斜視図。 本発明の実施例1における振動ジャイロ用素子を示す上面図。 実施例1における振動ジャイロ用素子の振動モードを示す図。図3(a)は斜視図。図3(b)は上面図。図3(c)は側面図。 実施例1における振動ジャイロ用素子の振動モードを示す図。図4(a)は斜視図。図4(b)は上面図。図4(c)は側面図。 実施例1における振動ジャイロ用素子の振動モードを示す図。図5(a)は斜視図。図5(b)は上面図。図5(c)は側面図。 実施例1における振動ジャイロ用素子の振動モードを示す図。図6(a)は斜視図。図6(b)は上面図。図6(c)は側面図。 電荷の分布を示す模式図。図7(a)はXモードでの電荷の分布を示す模式図。図7(b)はYモードでの電荷の分布を示す模式図。図7(c)はZモードでの電荷の分布を示す模式図。 実施例1における結晶方位を示す図。 本発明の実施例2における振動ジャイロ用素子を示す上面図。 本発明の実施例3における振動ジャイロを示すブロック図。
符号の説明
1 枠体
2 ビーム部
3a,3b 第2のアーム部
3c 第1のアーム部
4a,4b,4c,4d 付加質量部
5a,5b 駆動電極部
6a,6b,6c,6d 検出電極部
7a,7b,7c,7d,7e,7f,7g,7h 基準電位電極部
8 平板
9 電流検出回路
10a,10b 移相回路
11 AGC回路
12 基準電位回路
13 差動回路
14 加算回路
15a,15b 同期検波回路
16a,16b フィルタ回路
17a,17b フレーム
18a,18b,18c,18d 接続部
19 貫通溝
20,21 中心線
22 振動ジャイロ素子
111 振動子
111a,111b,111c,111d,112 振動体
113 圧電素子
116 電極
121,122,123,124 切り欠き
N1,N2 ノード軸

Claims (6)

  1. 正方形で板状体の同一面内に、枠体と、前記枠体の内側に前記枠体の中心部を通り前記枠体に両端が直角に支持されてなるビーム部と、前記ビーム部の中心部を通り直交且つ前記中心部から等距離に延在する第1のアーム部と、前記第1のアーム部の両端から延在し形成してなる2つの第2のアーム部と、前記第2のアーム部の両端に支持され前記ビーム部及び前記第1のアーム部に対して線対称となる4つの付加質量部が配置された振動ジャイロ素子であって、 前記第1のアーム部の表面に駆動電極部と基準電位電極部とを有し、前記第2のアーム部の表面に検出電極部と基準電位電極部とを有し、隣り合う前記付加質量部が互いに逆位相で振動し、前記同一平面の外方向に振動する第1の振動モードと、前記第1の振動モードと振動方向が直交し、互いに振動方向が直交する第2の振動モード及び第3の振動モードを有し、前記第1乃至第3の振動モードのすべてに対し、前記枠体がノードとなることを特徴とする振動ジャイロ用素子。
  2. 前記板状体が圧電体または圧電単結晶から成る単一材料であることを特徴とする請求項1に記載の振動ジャイロ用素子。
  3. 前記板状体が、厚さ方向に1以上の材料を積層してなる積層構造を有することを特徴する請求項1に記載の振動ジャイロ用素子。
  4. 前記枠体を少なくとも2箇所以上で支持してなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の振動ジャイロ用素子。
  5. 前記枠体の外周を囲う少なくとも1以上のフレームを有し、前記枠体の少なくとも2箇所以上で結合し、前記フレームの1つを少なくとも2箇所以上で支持してなることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の振動ジャイロ用素子。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の振動ジャイロ用素子を使用した振動ジャイロであって、前記第1の振動モードの駆動手段と、前記ビーム部の長手方向の軸を回転軸とした回転角速度および前記第1のアーム部の長手方向を回転軸とした回転角速度により生じるコリオリ力による前記第2および前記第3の振動モードの変化を検出する検出手段を具備することを特徴とする振動ジャイロ。
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